JP2002348429A - 熱可塑性樹脂組成物及び離型性に優れた成形品 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物及び離型性に優れた成形品

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JP2002348429A JP2002079824A JP2002079824A JP2002348429A JP 2002348429 A JP2002348429 A JP 2002348429A JP 2002079824 A JP2002079824 A JP 2002079824A JP 2002079824 A JP2002079824 A JP 2002079824A JP 2002348429 A JP2002348429 A JP 2002348429A
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Takashi Yamashita
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Masahiro Yoshino
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Tatsuya Naruse
達也 成瀬
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多層構造重合体粒子から得られ、溶融混練性
に優れ、その成形品が離型性に優れる熱可塑性樹脂組成
物、及びその成形品の提供。 【解決手段】 多層構造重合体粒子100質量部と脂肪
酸の炭素数が14〜22の脂肪酸アミド又は/及びビス
脂肪酸アミド0.1〜1.5質量部とを混合及び/又は
混練して得られる熱可塑性樹脂組成物であって、該粒子
がアクリル酸エステル及び多官能性単量体を含む単量体
混合物の共重合によって形成されるゴム成分層(I)と
メタクリル酸エステル及び任意成分としての他の単量体
からなる単量体の重合によって形成される熱可塑性樹脂
成分層(II)とを有し、以下の条件(1)最外層を構
成する熱可塑性樹脂成分の数平均分子量は30,000
以下、(2)層(I)/層(II)の質量比は30/7
0〜90/10、(3)平均粒子径は150nm以下を
満足する多層構造重合体粒子である該組成物、及びその
成形品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定の滑剤と多層
構造重合体粒子から得られる熱可塑性樹脂組成物、及び
該熱可塑性樹脂組成物から得られる離型性に優れた成形
品に関する。さらに詳細には、本発明は、特定の滑剤
と、内部に少なくとも1つのゴム成分層(I)を含有
し、少なくとも最外部に熱可塑性を有する樹脂層(I
I)を含有し、最外部の樹脂層(II)の分子量が特定
値以下である多層構造重合体粒子とから得られる組成物
であって、それ自体溶融混練性に優れると共に、それか
ら得られる成形品が柔軟性及び弾性回復率(低永久ひず
み特性)に優れるのみならず、透明性にも優れるものと
することができ、さらに成形加工時の金属金型や金属ロ
ールからの離型性にも優れ、かつ成形品の膠着性が低減
した熱可塑性樹脂組成物、及び該熱可塑性樹脂組成物か
ら得られる成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】多層構造重合体粒子は、コア−シェル
(core−shell)型重合体とも称され、内部に
ゴム成分からなる層を含有し、最外部に熱可塑性樹脂成
分からなる層を含有する構造を有しており、ポリ塩化ビ
ニル、ポリエステル、アクリル樹脂などの熱可塑性樹脂
の改質などに用いられている。中でも靭性付与の改質剤
として有用であることが知られている。
【0003】多層構造重合体粒子においては、各種成形
加工時の溶融混練性を良好なものとする目的から、該多
層構造重合体粒子の最外層を構成する熱可塑性樹脂成分
の数平均分子量は通常35,000〜50,000程度
に制御されており、その分子量制御のため、該最外層を
形成させるための重合反応工程においては、アルキルメ
ルカプタン等の分子量調節剤を全く使用しないか、使用
する場合であっても、その使用量を単量体に対して0.
3質量%以下の少割合に止めるのが一般的である。
【0004】本発明者らの一部は、弾性回復性(低永久
ひずみ特性)に優れた成形品を与えることが可能な多層
構造重合体粒子を提供するために種々の検討を行った結
果、多層構造重合体粒子の最外層を構成する熱可塑性樹
脂成分の分子量、及び該粒子の平均粒子径を特定の組成
範囲に制御した、少なくとも2層からなる多層構造重合
体粒子を提供することにより、弾性回復性(低永久ひず
み特性)に優れる成形品が得られることを見出し、先に
特許出願を行った(特開平11−292940号公報参
照)。
【0005】アクリル系樹脂において、光学用途など微
細な形状の金型と成形品との離型性を改善する方法とし
ては、多価アルコールと脂肪酸とのエステル、高級アル
コール、高級脂肪酸、高級脂肪酸アミドあるいは高級脂
肪酸金属塩のような離型剤を添加する方法が提案されて
いる(特開昭61−73754号公報参照)。また、多
層構造重合体粒子から得られる熱可塑性樹脂組成物を、
射出成形、押出成形等の成形加工をする際、成形品と金
属金型や金属ロールとの密着性が極めて高くなるため、
一般に炭化水素系やエステル系、またはアルコール系の
熱可塑性樹脂用滑剤を添加することが知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の離型剤や滑剤(以下、単に滑剤と総称する)を添加し
た熱可塑性樹脂組成物を用いた場合、溶融混練性、金属
金型や金属ロールからの離型性、成形品の膠着、成形品
の着色、成形品の透明性のバランスについてみると、多
くの場合、いずれかの性能が不足している。本発明の目
的は、特定の多層構造重合体粒子と特定の滑剤とから得
られる熱可塑性樹脂組成物であって、それ自体溶融混練
性に優れると共に、それからの成形品が柔軟性及び弾性
回復率に優れるのみならず、透明性にも優れるものとす
ることができ、さらに射出成形、押出成形加工時の金属
金型や金属ロールからの離型性に優れ、かつ成形品の膠
着性が低減した熱可塑性樹脂組成物を提供することにあ
る。本発明の他の目的は、該熱可塑性樹脂組成物から得
られる成形品を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために種々の検討を行った。その結果、特定
の多層構造重合体粒子と特定の滑剤とから得られる組成
物が溶融混練性に優れ、かつそれからの成形品が柔軟性
及び弾性回復率に優れるのみならず、透明性にも優れる
ものとすることができ、さらに射出成形、押出成形加工
時の金属金型や金属ロールからの離型性に優れ、かつ成
形品の膠着性が低減することを見出し、本発明を完成す
るに至った。
【0008】本発明によれば、上記目的の1つは、
(1)少なくとも1つの下記ゴム成分層(I)を内部に
有し、かつ少なくとも1つの下記熱可塑性樹脂成分層
(II)を少なくとも最外部に有する、2以上の層から
なる多層構造重合体粒子であって; (2)ゴム成分層(I)は、アクリル酸エステル50〜
99.99質量%、該アクリル酸エステルと共重合可能
な他の単官能性単量体49.99〜0質量%及び多官能
性単量体0.01〜10質量%からなる単量体混合物
(i)の共重合によって形成される重合体層であり; (3)熱可塑性樹脂成分層(II)は、メタクリル酸エ
ステル40〜100質量%及び該メタクリル酸エステル
と共重合可能な他の単量体60〜0質量%からなる単量
体(ii)の重合によって形成される重合体層であり; (4)熱可塑性樹脂成分層(II)のうち最外部に位置
する層を構成する重合体について、GPC法で測定され
た数平均分子量は30,000以下であり; (5)ゴム成分層(I)の総質量と熱可塑性樹脂成分層
(II)の総質量との比は、層(I)/層(II)にお
いて30/70〜90/10の範囲であり; (6)平均粒子径が150nm以下である;ことを特徴
とする多層構造重合体粒子100質量部と、脂肪酸の炭
素数が14〜22の脂肪酸アミド又は/及び脂肪酸の炭
素数が14〜22のビス脂肪酸アミド0.1〜1.5質
量部とを混合及び/又は混練して得られる熱可塑性樹脂
組成物を提供することによって達成される。本発明によ
れば、上記目的の1つは、上記の熱可塑性樹脂組成物を
成形して得られる成形品によって達成される。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳しく説明
する。本発明で使用する多層構造重合体粒子は、ゴム成
分層(I)を内部に少なくとも1層有し、かつ熱可塑性
樹脂成分層(II)を少なくとも最外層として有する。
本発明で使用する多層構造重合体粒子を構成する層の数
は、2層以上であればよく、3層で構成されていても4
層以上で構成されていてもよい。2層構造の場合は、層
(I)(中心層)/層(II)(最外層)の構成であ
り、3層構造の場合は、層(I)(最内層)/層(I)
(中間層)/層(II)(最外層)、層(I)(最内
層)/層(II)(中間層)/層(II)(最外層)又
は層(II)(最内層)/層(I)(中間層)/層(I
I)(最外層)の構成であり、4層構造の場合には、例
えば、層(I)(最内層)/層(II)(中間層)/層
(I)(中間層)/層(II)(最外層)の構成を有す
ることができる。これらの中でも、取扱い性に優れる点
において、層(I)(中心層)/層(II)(最外層)
の2層構造;又は層(I)(最内層)/層(I)(中間
層)/層(II)(最外層)若しくは層(II)(最内
層)/層(I)(中間層)/層(II)(最外層)の3
層構造が好ましい。
【0010】また、層(I)と層(II)の総質量比
は、(I)/(II)において30/70〜90/10
の範囲内にあることが必要である。層(I)の割合がこ
の範囲より小さいと多層構造重合体粒子を成形して得ら
れる成形品における弾性回復性が不十分となり、一方層
(I)の割合がこの範囲より大きいと層構造を完全な形
態では形成しにくくなり、溶融流動性が極端に低下して
しまうため、滑剤や他の成分(物性改善剤等)との混練
及び成形が困難となる。なお、層(I)の総質量とは、
多層構造重合体粒子中の層(I)が1層のみの場合には
該層の質量であり、層(I)が2層以上の場合にはそれ
らの層の質量の和である。同様に、層(II)の総質量
とは、多層構造重合体粒子中の層(II)が1層のみの
場合には該層の質量であり、層(II)が2層以上の場
合にはそれらの層の質量の和である。層(I)と層(I
I)の総質量比は、(I)/(II)において50/5
0〜90/10の範囲内にあることが好ましく、60/
40〜90/10の範囲内にあることがより好ましい。
【0011】本発明で使用する多層構造重合体粒子にお
ける層(I)は、アクリル酸エステル50〜99.99
質量%、好ましくは55〜99.9質量%、該アクリル
酸エステルと共重合可能な他の単官能性単量体49.9
9〜0質量%、好ましくは44.9〜0質量%、及び多
官能性単量体0.01〜10質量%、好ましくは0.1
〜2質量%からなる単量体混合物(i)の共重合によっ
て形成されるゴム弾性を有する重合体層である。
【0012】層(I)を形成するために用いられるアク
リル酸エステルの具体例としては、メチルアクリレー
ト、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、
イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、
イソブチルアクリレート、s−ブチルアクリレート、t
−ブチルアクリレート、ペンチルアクリレート、ヘキシ
ルアクリレート、オクチルアクリレート、2−エチルヘ
キシルアクリレート、、ドデシルアクリレート、オクタ
デシルアクリレート等のアクリル酸と脂肪族アルコール
とのエステル、例えばC1〜C18の飽和脂肪族アルコー
ルとのエステル;シクロヘキシルアクリレート等のアク
リル酸とC5又はC6の脂環式アルコールとのエステル;
フェニルアクリレート等のアクリル酸とフェノール類と
のエステル;ベンジルアクリレート等のアクリル酸と芳
香族アルコールとのエステルなどが挙げられる。アクリ
ル酸エステルは、層(I)(多層構造重合体粒子が2以
上の層(I)を有する場合には、それぞれの層(I))
を形成するために用いられる単量体混合物(i)に対し
て50〜99.99質量%の範囲において、単独で又は
2種以上混合して用いられる。アクリル酸エステルの量
が50質量%より少ないと多層構造重合体粒子のゴム弾
性が低下することになり、また、99.99質量%を超
えると多層構造重合体粒子の構造が形成されなくなるの
で、いずれも好ましくない。
【0013】層(I)を形成するために用いられる多官
能性単量体は、分子内に炭素−炭素二重結合を2個以上
有する単量体であり、例えば、アクリル酸、メタクリル
酸、桂皮酸等の不飽和モノカルボン酸とアリルアルコー
ル、メタリルアルコール等の不飽和アルコールとのエス
テル;前記の不飽和モノカルボン酸とエチレングリコー
ル、ブタンジオール、ヘキサンジオール等のグリコール
とのジエステル;フタル酸、テレフタル酸、イソフタル
酸、マレイン酸等のジカルボン酸と前記の不飽和アルコ
ールとのエステル等が包含され、具体的には、アクリル
酸アリル、アクリル酸メタリル、メタクリル酸アリル、
メタクリル酸メタリル、桂皮酸アリル、桂皮酸メタリ
ル、マレイン酸ジアリル、フタル酸ジアリル、テレフタ
ル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、ジビニルベンゼ
ン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタ
ンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール
ジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの多官
能性単量体の中でも、メタクリル酸アリルが特に好まし
い。なお、前記の「ジ(メタ)アクリレート」は、「ジ
アクリレート」と「ジメタクリレート」との総称を意味
する。多官能性単量体は、層(I)(多層構造重合体粒
子が2以上の層(I)を有する場合には、それぞれの層
(I))を形成するために用いられる単量体混合物
(i)に対して0.01〜10質量%の範囲において、
単独で又は二種以上を組み合わせて用いられる。多官能
性単量体の量が、10質量%より多いと、多層構造重合
体粒子がゴム弾性を示さなくなり、弾性回復性が不十分
となるので好ましくない。また、多官能性単量体の量が
0.01質量%より少ないと、層(I)が粒子構造とし
て形成されなくなるので好ましくない。
【0014】層(I)を形成するためには、アクリル酸
エステル及び多官能性単量体以外に、アクリル酸エステ
ルと共重合可能な他の単官能性単量体を併用することが
できる。該他の単官能性単量体としては、メチルメタク
リレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタク
リレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメ
タクリレート、イソブチルメタクリレート、ペンチルメ
タクリレート、ヘキシルメタクリレート、オクチルメタ
クリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ドデ
シルメタクリレート、ミリスチルメタクリレート、パル
ミチルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、ベ
ヘニルメタクリレート等のメタクリル酸と脂肪族アルコ
ールとのエステル、例えばC1〜C22の飽和脂肪族アル
コールとのエステル;シクロヘキシルメタクリレート等
のメタクリル酸とC5又はC6の脂環式アルコールとのエ
ステル;フェニルメタクリレート等のメタクリル酸とフ
ェノール類とのエステル、ベンジルメタクリレート等の
メタクリル酸と芳香族アルコールとのエステルなどのメ
タクリル酸エステルが代表的であるが、他にも、スチレ
ン、α−メチルスチレン、1−ビニルナフタレン、3−
メチルスチレン、4−プロピルスチレン、4−シクロヘ
キシルスチレン、4−ドデシルスチレン、2−エチル−
4−ベンジルスチレン、4−(フェニルブチル)スチレ
ン、ハロゲン化スチレン等の芳香族ビニル系単量体;ア
クリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニ
ル系単量体;ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチ
ルブタジエン、2−メチル−3−エチルブタジエン、
1,3−ペンタジエン、3−メチル−1,3−ペンタジ
エン、2−エチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘ
キサジエン、2−メチル−1,3−ヘキサジエン、3,
4−ジメチル−1,3−ヘキサジエン、1,3−ヘプタ
ジエン、3−メチル−1,3−ヘプタジエン、1,3−
オクタジエン、シクロペンタジエン、クロロプレン、ミ
ルセン等の共役ジエン系単量体等が挙げられる。これら
の単量体は、必要に応じて、層(I)(多層構造重合体
粒子が2以上の層(I)を有する場合には、それぞれの
層(I))を形成するために用いられる単量体混合物
(i)に対して49.99質量%以下の割合において、
単独で又は2種以上を混合して用いることができる。上
記の他の単官能性単量体の割合が49.99質量%を超
える場合は、多層構造重合体粒子の耐候性が不十分とな
るので好ましくない。
【0015】本発明で使用する多層構造重合体粒子にお
ける層(II)は、メタクリル酸エステル40〜100
質量%、好ましくは60〜99質量%、さらに好ましく
は80〜99質量%、及びそれと共重合可能な他の単量
体60〜0質量%、好ましくは40〜1質量%、さらに
好ましくは20〜1質量%からなる単量体(ii)の重合
によって形成される熱可塑性を有する重合体層である。
メタクリル酸エステルの量が40質量%未満であると多
層構造重合体粒子の耐候性が不十分となる。
【0016】層(II)を形成するために用いられるメ
タクリル酸エステルの具体例としては、メチルメタクリ
レート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリ
レート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタ
クリレート、イソブチルメタクリレート、ペンチルメタ
クリレート、ヘキシルメタクリレート、オクチルメタク
リレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、シクロ
ヘキシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、ミ
リスチルメタクリレート、パルミチルメタクリレート、
ステアリルメタクリレート、ベヘニルメタクリレート、
オクタデシルメタクリレート、フェニルメタクリレー
ト、ベンジルメタクリレート等が挙げられ、好ましくは
メチルメタクリレートである。
【0017】層(II)を形成するために用いられる共
重合可能な他の単量体の具体例としては、メチルアクリ
レート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレー
ト、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレー
ト、イソブチルアクリレート、s−ブチルアクリレー
ト、t−ブチルアクリレート、ペンチルアクリレート、
ヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、2−エ
チルヘキシルアクリレート、ドデシルアクリレート、オ
クタデシルアクリレート等のアクリル酸と脂肪族アルコ
ールとのエステル、例えばC1〜C18の飽和脂肪族アル
コールとのエステル;シクロヘキシルアクリレート等の
アクリル酸とC5又はC6の脂環式アルコールとのエステ
ル;スチレン、α−メチルスチレン、1−ビニルナフタ
レン、3−メチルスチレン、4−プロピルスチレン、4
−シクロヘキシルスチレン、4−ドデシルスチレン、2
−エチル−4−ベンジルスチレン、4−(フェニルブチ
ル)スチレン、ハロゲン化スチレン等の芳香族ビニル系
単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシ
アン化ビニル系単量体;マレイミド、N−メチルマレイ
ミド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミ
ド、N−イソプロピルマレイミド、N−シクロヘキシル
マレイミド、N−フェニルマレイミド、N−(p−ブロ
モフェニル)マレイミド、N−(クロロフェニル)マレ
イミド等のマレイミド系単量体;前記例で示した多官能
性単量体等が挙げられる。これらの中でも、メチルアク
リレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレー
ト等のアクリル酸アルキルエステルが好ましい。
【0018】本発明で使用する多層構造重合体粒子にお
いては、層(I)はゴム弾性を有する重合体成分から構
成され、層(II)は熱可塑性を有する重合体成分から
構成されるように、それぞれ、上記した単量体の種類及
び使用割合の範囲内で適宜条件を選択すればよい。
【0019】本発明で使用する多層構造重合体粒子にお
いては、その中に含有される層(II)のうち少なくと
も粒子の最外層を構成する共重合体の数平均分子量がG
PC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)法で
の測定に基づいて30,000以下であることが重要で
ある。数平均分子量が30,000を超える場合、多層
構造重合体粒子を成形して得た成形品における弾性回復
性が不十分となり、さらに溶融流動性が低下する場合も
ある。数平均分子量の下限については、必ずしも厳密な
制限はないが、生産工程における多層構造重合体粒子の
通過性の点からは、数平均分子量は1,000を下回ら
ないことが好ましい。弾性回復性及び生産工程での通過
性の両立の点からは、数平均分子量を3,000〜2
0,000の範囲内とすることが特に好ましい。
【0020】本発明で使用する多層構造重合体粒子の平
均粒子径は、150nm以下である。150nmより大
きいと弾性回復性が不十分となる。また、溶融流動性が
良くない場合もある。平均粒子径の下限値については特
に限定されるものではないが、多層構造重合体粒子の所
定の層構造を形成させやすい観点からは、平均粒子径は
30nm以上であることが好ましい。平均粒子径はさら
に好ましくは80〜120nmである。
【0021】本発明で使用する多層構造重合体粒子にお
いて、特に透明性が重視される場合には、その中に含有
されるゴム成分層(I)を構成するすべての層につい
て、中心から数えてn層目の単量体混合物の水に対する
溶解度An及びこれと隣接するn+1層目の単量体混合
物の水に対する溶解度An+1との間に次式の関係が成立
するよう単量体混合物を構成する単量体の種類及び質量
分率を選択することが好ましい。 |An−An+1|≦0.36 (式中、Anは中心から数えてn番目の層を形成する単
量体混合物を構成する各単量体における質量分率と室温
での水に対する溶解度(g/100gH2O)との積の
総和を表し、An+1はn+1番目の層を形成する単量体
混合物を構成する各単量体における質量分率と室温での
水に対する溶解度(g/100gH2O)との積の総和
を表す。) 本発明において好ましく用いられる単量体の例及びその
20℃における水に対する溶解度を示すと、メチルメタ
クリレート:1.6g/100gH2O、n−ブチルア
クリレート:0.08g/100gH2O、スチレン:
0.04g/100gH2O等である。An−An+1の絶
対値が0.36以下である場合、多層構造重合体粒子を
成形して得た成形品における透明性が向上する。
【0022】本発明で使用する多層構造重合体粒子にお
いては、その中に含有される任意の1つの層(I)を構
成する共重合体の屈折率と任意の1つの層(II)を構
成する重合体の屈折率との間のすべての組合せにおいて
次式の関係を成り立たせるよう、各層を形成する単量体
混合物を構成する単量体の種類及び質量分率を選択する
ことが好ましい。 |nd(I)−nd(II)|<0.005 各層を構成する共重合体の屈折率は、「POLYMER HANDBO
OK」(Wiley Interscience, New York)等の公知の文献か
ら室温におけるホモポリマーの屈折率(例:ポリメチル
メタクリレート1.4893、ポリn−ブチルアクリレ
ート1.466、ポリスチレン1.59、ポリメチルア
クリレート1.472等)を引用し、共重合組成割合に
応じて加成則により求めることができる。nd(I)−
d(II)の絶対値が0.005未満である場合、多
層構造重合体粒子を成形して得た成形品における透明性
が向上する。nd(I)−nd(II)の絶対値は、0.
001以下であるのがより好ましい。
【0023】層(I)及び層(II)を形成する単量体
の組成は、層(I)がゴム弾性を有する重合体成分から
構成され、層(II)が熱可塑性を有する重合体成分か
ら構成されるように、それぞれ、上記した単量体の種類
及び使用割合の範囲内で適宜条件を選択すればよい。ま
た、層(I)を構成する相互に隣接し相互に組成が異な
る少なくとも2層のゴム成分層は、ゴム成分層のうちの
最外部に存在する層の屈折率を、その内側に隣接するゴ
ム成分層の屈折率とその外側に隣接する熱可塑性樹脂成
分層の屈折率との中間になるように、形成する単量体の
種類及び量を相異させておくのが、多層構造重合体粒子
の透明性の点から好ましい。
【0024】本発明で使用する多層構造重合体粒子は、
特に物性面および製造の簡便性の点から最内部にゴム成
分層(Ia)を有し、該最内部の外部表面を覆う状態で
位置する隣接部にゴム成分層(Ib)を有し、かつ最外
部に熱可塑性樹脂成分層(II)を有する3層構造の多
層構造重合体粒子が好ましい。層(Ia)及び(Ib)
を形成するために用いられるアクリル酸エステル、多官
能性単量体及び該アクリル酸エステルと共重合可能な他
の単官能性単量体としては、前述の層(I)を形成する
ために用いられる単量体を使用することができる。
【0025】本発明の好ましい態様の多層構造重合体粒
子を成形して得た成形品において、優れた弾性回復性と
良好な柔軟性及び他の機械的物性とを両立させるには、
単量体混合物(ia)におけるアクリル酸エステルの含
有率(質量%)と単量体混合物(ib)におけるアクリ
ル酸エステルの含有率(質量%)との差〔(ia)(単
位:質量%)−(ib)(単位:質量%)又は(ib)
(単位:質量%)−(ia)(単位:質量%)〕が3質
量%以上の値となることが一般に好ましく、(ia)
(単位:質量%)−(ib)(単位:質量%)が3質量
%以上の値となることがより好ましい。
【0026】本発明の好ましい態様の多層構造重合体粒
子においては、層(Ia)及び層(Ib)がゴム弾性を
有する重合体成分から構成され、層(II)が熱可塑性
を有する重合体成分から構成されるように、それぞれ上
記したような単量体の種類及び使用割合の範囲内で適宜
条件を選択すればよい。
【0027】本発明の好ましい態様の多層構造重合体粒
子においては、ゴム成分層(Ia)及び(Ib)の質量
の和と熱可塑性樹脂成分層(II)の質量との比は、
〔(Ia)+(Ib)〕/(II)において、30/7
0〜90/10の範囲内である。層(Ia)及び層(I
b)の質量の和の割合がこの範囲より小さいと多層構造
重合体粒子を成形して得られる成形品における弾性回復
性及び柔軟性が不十分となり、反対に層(Ia)及び層
(Ib)の質量の和の割合がこの範囲より大きいと層構
造を完全な形態では形成しにくくなり、溶融流動性が極
端に低下してしまうため成形が困難となる。本発明の効
果をより顕著なものとする目的においては、ゴム成分層
(Ia)及び(Ib)の質量の和と熱可塑性樹脂成分層
(II)の質量との比は、〔(Ia)+(Ib)〕/
(II)において、60/40〜90/10の範囲内で
あることが好ましい。
【0028】また、本発明の好ましい態様の多層構造重
合体粒子においては、ゴム成分層(Ia)の質量とゴム
成分層(Ib)の質量との比は、(Ia)/(Ib)に
おいて、5/95〜95/5、好ましくは20/80〜
80/20の範囲内である。ゴム成分層(Ia)の質量
とゴム成分層(Ib)の質量との比が5/95〜95/
5の範囲を外れる場合、一般に、優れた弾性回復性と適
度な柔軟性及びこれ以外の機械的物性とを両立させるこ
とが困難となる。
【0029】なお、本発明の好ましい態様の多層構造重
合体粒子は、最内部のゴム成分層(Ia)、その隣接部
のゴム成分層(Ib)及び最外部の熱可塑性樹脂成分層
(II)の3層を基本構成とするが、層(Ib)と層
(II)との間に1つ以上の任意の重合体層が介在して
いてもよい。ただし、本発明の効果を特に顕著に発揮さ
せる目的においては、ゴム成分層(Ia)、ゴム成分層
(Ib)及び熱可塑性樹脂成分層(II)の質量の和が
多層構造重合体粒子全体の質量に対して80%以上であ
ることが好ましく、多層構造重合体粒子がゴム成分層
(Ia)、ゴム成分層(Ib)及び熱可塑性樹脂成分層
(II)のみから構成されることがより好ましい。
【0030】本発明の好ましい態様の多層構造重合体粒
子の平均粒子径も150nm以下である。150nmよ
り大きいと弾性回復性が不十分となり、さらには、溶融
流動性がよくない場合もある。平均粒子径の下限値につ
いては特に限定されるものではないが、多層構造重合体
粒子の所定の層構造を形成させやすい観点からは、平均
粒子径は30nm以上であることが好ましい。平均粒子
径はさらに好ましくは80〜120nmである。
【0031】本発明で使用する多層構造重合体粒子は、
ゴム成分層を形成させるための重合反応工程と熱可塑性
樹脂成分層を形成させるための重合反応工程とを所定の
順序で行うことによって、中心部から外部に向かって順
次層を形成させることからなる、少なくとも1つのゴム
成分層を内部に有し、かつ少なくとも1つの熱可塑性樹
脂成分層を少なくとも最外部に有する、2以上の層から
なる多層構造重合体粒子を製造するための公知の製造方
法に準じて製造することができる。その際、以下の点に
留意する。
【0032】(1)ゴム成分層(I)を形成させるため
の重合反応工程(a)において、アクリル酸エステル5
0〜99.99質量%、該アクリル酸エステルと共重合
可能な他の単官能性単量体49.99〜0質量%及び多
官能性単量体0.01〜10質量%からなる単量体混合
物(i)を共重合させること。 (2)熱可塑性樹脂成分層(II)を形成させるための
重合反応工程(b)において、メタクリル酸エステル4
0〜100質量%及び該メタクリル酸エステルと共重合
可能な他の単量体60〜0質量%からなる単量体(ii)
を重合させること。
【0033】(3)該重合反応工程(b)のうち、少な
くとも、最外部の熱可塑性樹脂成分層(II)を形成さ
せるための重合反応工程において、分子量調節剤を単量
体(ii)に対して0.4〜10質量%の範囲内となる割
合で使用して重合反応を行うこと。 (4)全重合反応工程で使用する単量体混合物(i)の
総質量と単量体(ii)の総質量との比を、単量体混合物
(i)/単量体(ii)において30/70〜90/10
の範囲内とすること。 (5)全ての重合反応工程が終了した時点における多層
構造重合体粒子の平均粒子径が150nm以下となるよ
うに制御すること。
【0034】さらに、本発明の好ましい態様の多層構造
重合体粒子は、多層構造重合体粒子を製造するための公
知の製造方法に準じ、ゴム層成分(Ia)を形成させる
ための重合反応操作、ゴム層成分(Ib)を形成させる
ための重合反応操作及び熱可塑性樹脂成分層(II)を
形成させるための重合反応操作を含む、所定の重合体層
を形成させるための重合反応操作を所定の順序で行うこ
とにより、中心部から外部に向かって順次層を形成させ
ることによって製造することができる。その際、以下の
点に留意する。
【0035】(1)ゴム成分層(Ia)及び(Ib)を
それぞれ形成させるための重合反応操作(a)及び
(b)において、アクリル酸エステル50〜95質量
%、該アクリル酸エステルと共重合可能な他の単官能性
単量体49.99〜0質量%、及び多官能性単量体0.
01〜10質量%からなる単量体混合物(ia)及び
(ib)をそれぞれ共重合させること。 (2)単量体混合物(ia)におけるアクリル酸エステ
ルの含有率(質量%)と単量体混合物(ib)における
アクリル酸エステルの含有率(質量%)との差が3質量
%以上となるよう設定すること。 (3)熱可塑性樹脂成分層(II)を形成させるための
重合反応操作(c)において、メタクリル酸エステル4
0〜100質量%及び該メタクリル酸エステルと共重合
可能な他の単量体60〜0質量%からなる単量体(i
i)を重合させること。 (4)上記重合反応操作(c)において、層(II)を
構成する重合体の数平均分子量が30,000以下とな
るように反応条件を制御すること。 (5)単量体混合物(ia)と単量体混合物(ib)の
質量の和と単量体(ii)の質量との比が、〔(ia)
+(ib)〕/(ii)において30/70〜90/1
0の範囲内となるよう設定すること。 (6)単量体混合物(ia)の質量と単量体混合物(i
b)の質量との比が、(ia)/(ib)において5/
95〜95/5の範囲内となるよう設定すること。 (7)すべての重合反応操作が終了した時点における多
層構造重合体粒子の平均粒子径が150nm以下となる
ように制御すること。
【0036】本発明で使用する多層構造重合体粒子を製
造するための重合法については特に制限はなく、例え
ば、通常の多層構造重合体粒子を製造するための公知の
重合法に準じて、乳化重合法、懸濁重合法、溶液重合
法、又はこれらの組み合わせを採用することができる。
【0037】例えば、乳化重合では公知の手段に従い、
各層を形成させるための重合を行うことにより、多層構
造重合体粒子を得ることができる。乳化重合の温度とし
ては、必ずしも限定されないが一般的な範囲は0〜10
0℃である。ここで使用する乳化剤としては、オレイン
酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、ステアリン酸ナ
トリウム等の脂肪酸のアルカリ金属塩;ラウリル硫酸ナ
トリウム等の脂肪アルコールの硫酸エステル塩;ロジン
酸カリウム等のロジン酸塩;ドデシルベンゼンスルホン
酸等のアルキルアリールスルホン酸等;ポリオキシエチ
レンアルキルリン酸ナトリウム等のリン酸エステル塩が
挙げられ、これらは、1種類ないし2種類以上の組合せ
で用いられる。乳化重合で使用する重合開始剤として
は、ラジカル重合開始剤が一般的である。ラジカル重合
開始剤の具体例としては、過硫酸塩、アゾビスイソブチ
ロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド等の過酸化物を
単独で用いることができる。また、ラジカル重合開始剤
として、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピ
ルベンゼンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイ
ドロパーオキサイド等の有機ハイドロパーオキサイド類
と、遷移金属塩等の還元剤との組合せによるレドックス
系開始剤も使用することができる。
【0038】上記のとおり、公知の乳化重合法に従って
所定の単量体混合物の所定量を順次重合させることによ
り、所定の重合体層を、粒子の中心部から外部に向かっ
て段階的に形成させることができるが、本発明の多層構
造重合体粒子を製造するためには、少なくとも最外層を
形成させるための重合反応工程において、分子量調節剤
を、その工程で使用する単量体(ii)に対して0.4〜
10質量%の範囲内となる割合で使用することが重要で
ある。通常の多層構造体粒子を製造する場合、最外部の
熱可塑性樹脂成分層を形成させるための重合反応におい
て使用される分子量調節剤の使用量は、一般に単量体に
対して0〜0.3質量%程度であるが、このように0.
4質量%未満の場合には、その層を構成する熱可塑性樹
脂成分の数平均分子量が高くなり過ぎ、多層構造重合体
粒子を成形して得られる成形品の弾性回復性が不十分と
なり、さらに成形流動性が不十分となる場合もある。本
発明の目的においては分子量調節剤の量は上記基準にお
いて高々10質量%あれば十分であり、それ以上の量を
使用しても、もはやそれ以上の弾性回復性付与効果の向
上はなく、むしろ多層構造重合体粒子における分子量調
節剤の残存量が多くなるので望ましくない。分子量調節
剤の量は、単量体(ii)に対して0.4〜5質量%の範
囲内であるのが好ましく、0.6〜2質量%の範囲内で
あるのがより好ましい。
【0039】分子量調節剤の具体例としては、n−オク
チルメルカプタン、t−オクチルメルカプタン、n−ド
デシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、メル
カプトエタノール等のメルカプタン類;ターピノーレ
ン、ジペンテン、t−テルピネン及び少量の他の環状テ
ルペン類よりなるテルペン混合物;クロロホルム、四塩
化炭素などのハロゲン化炭化水素などが挙げられる。こ
れらの中でも、n−オクチルメルカプタン等のアルキル
メルカプタンが好ましい。
【0040】乳化重合によって得られる多層構造重合体
粒子の平均粒子径は乳化剤の添加量等の重合条件によっ
て影響されるので、それらの条件を適宜選択することに
よって、容易に最終的な多層構造重合体粒子の平均粒子
径を150nm以下に制御することができる。
【0041】乳化重合後、生成した多層構造重合体粒子
の重合反応系からの分離取得も、公知の手法に従って行
うことができ、例えば、酸析法、塩析法、スプレードラ
イ法、凍結凝固法などを採用することができる。なお、
分離取得された多層構造重合体粒子は、熱可塑性樹脂成
分からなる最外層において粒子間相互で部分的に融着し
ていても差し支えない。
【0042】本発明で使用する脂肪酸の炭素数が14〜
22の脂肪酸アミドとしては、ステアリン酸アミド、パ
ルミチン酸アミド、エイコサン酸アミド、ミリスチン酸
アミド、オレイン酸アミド、ベヘン酸アミド、エルカ酸
アミド等の飽和又は不飽和の脂肪酸アミドを挙げること
ができ、中でもステアリン酸アミド及びエルカ酸アミド
が好ましい。また脂肪酸の炭素数が14〜22のビス脂
肪酸アミドは、各脂肪酸の炭素数が14〜22のエチレ
ンビス脂肪酸アミド、メチレンビス脂肪酸アミド等を包
含し、具体的にはエチレンビスオレイン酸アミド、エチ
レンビスステアリン酸アミド、エチレンビスベヘン酸ア
ミド、エチレンビスエルカ酸アミド、メチレンビスオレ
イン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド等の飽
和又は不飽和のビス脂肪酸アミドが挙げられ、中でもエ
チレンビスオレイン酸アミドが好ましい。上記脂肪酸ア
ミド及びビス脂肪酸アミドは各単独で又は2種以上組み
合わせて用いることができる。脂肪酸の炭素数が13以
下であると、添加量に比べて離型性改善の効果が小さ
く、離型性が改善されるような添加量とすると成形品の
透明性が低下する。また、脂肪酸の炭素数が23以上で
あると、成形品の透明性が低下する。上記の脂肪酸アミ
ドまたはビス脂肪酸アミドの添加量は多層構造重合体粒
子100質量部に対して0.1〜1.5質量部の範囲内
とする必要があり、0.1〜1質量部の範囲内とするの
が好ましく、0.2〜0.5質量部の範囲内とするのが
より好ましい。添加量が0.1質量%より少ないと離型
性改善の効果が得られず、逆に1.5質量%より多いと
成形品の透明性が低下する。
【0043】本発明の熱可塑性樹脂組成物には、該組成
物又はそれを成形して得られる成形品の物性を改善する
ための種々の物性改善剤の1種又は2撞以上を、所望に
応じて、本発明の効果を損わない程度において、配合し
てもよい。かかる物性改善剤としては、特に制限はな
く、例えば、酸化防止剤、光安定剤、着色剤、難燃剤
等、フィラー(例えば、無機充填剤等)、他の合成樹脂
(例えば他のアクリル系多層構造重合体)等が挙げられ
る。
【0044】本発明の熱可塑性樹脂組成物は上記多層構
造重合体粒子、上記脂肪酸アミド及び/又はビス脂肪酸
アミド、及び、任意成分としての物性改善剤を混合及び
/又は混練、好ましくは混合又は混合後混練することに
より製造することができる。この際、混合機としてはタ
ンブラー、ミキサー、ブレンダー等、混練機としてはス
クリュー押出機等を用いることができる。
【0045】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、熱的な成
形に付することが可能であり、例えば、180〜280
℃での押出成形、射出成形、中空成形、カレンダ成形、
圧縮成形、真空成形、発泡成形等の成形方法により、ペ
レット状、板状、フィルム又はシート状、パイプ状、中
空状、箱状等の任意の形状の成形品に成形することがで
き、中でも成形後の離型性に優れるため、フィルム、シ
ート又は微細な形状を有する成形品の成形に好適であ
る。成形品は弾性回復に優れるため、自動車内装用の軟
質部材、包装フィルム、デスクマット等の用途に好適に
使用される。本発明の熱可塑性樹脂組成物から成形した
成形品は、JIS K7105に準じて測定したヘイズ
値が10%以下であることが好ましい。
【0046】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。な
お、実施例の中の各測定値は以下の評価法に従った。多
層構造重合体粒子の平均粒子径は、重合完了後のラテッ
クスから採取した試料を用いて、レーザー粒径解析装置
PAR−III(大塚電子製)を用いて動的散乱法によ
り測定し、キュムラント法により解析し求めた。最外層
を構成する重合体成分の数平均分子量としては、多層構
造重合体粒子の試料を室温下にトルエン中で十分に攪拌
した後、遠心分離して得られた溶液を用いてGPC法に
より測定した数平均分子量を、本発明においては最外層
を構成する重合体成分の数平均分子量とみなした。
【0047】成形品外観、離型性試験用の試験片は、以
下のようにして作成した。射出成型機IS−60B(東
芝製)に、40mm×200mm×2mmの平板金型を
取り付け、シリンダー温度240℃、射出圧力80kg
/cm2、金型温度30℃の条件下、試験片を作製し
た。成形品についての離型性試験は、室温で圧縮成型用
金型の間に上記の試験片を5枚重ね置きし、上に5kg
のおもりを乗せて、4時間放置した後、金型と試験片、
及び各試験片同士が容易に剥離できるものを離型性良
好、離型性試験時に材料破壊するものを離型性不良とし
た。成形品のヘイズ(%)は、直読ヘイズコンピュータ
ー(スガ試験機製)を用いて、JIS K 7105に
準じて測定した。機械的物性試験用の試験片は、圧縮成
形機を用いて、220℃にてシートを作製した。成形品
の硬度は、A型硬度計(オスカー製)を用いて、JIS
K 6301に準じて測定した。成形品の引張破断強
度、引張破断伸度、及び100%伸長時の応力(100
%モジュラス)は、オートグラフAG−2000B(島
津製作所製)を用いて、JIS K 6301に準じて
測定した。
【0048】製造例1 (多層構造重合体粒子[A−1]の製造例) 窒素雰囲気下、攪拌翼、冷却管及び滴下ロートを装着し
た重合器に、蒸留水200質量部、乳化剤としてのネオ
ペレックスF−25(花王製)0.6質量部、及び炭酸
ナトリウム0.1質量部を加え、80℃に加熱して均一
に溶解させた。次いで、同温度において、ペルオキソ二
硫酸カリウム0.05質量部を加えた後、アクリル酸n
−ブチル30質量部、メタクリル酸メチル13.5質量
部、スチレン6.5質量部、メタクリル酸アリル0.2
質量部、及び乳化剤としてのアデカコールCS−141
E(旭電化製)0.25質量部からなる混合物を滴下ロ
ートより1時間かけて滴下し、1層目を形成した。滴下
終了後、同温度でさらに1時間反応を続け、ガスクロマ
トグラフィーで各単量体がすべて消費されたことを確認
した。
【0049】次いで、得られた共重合体ラテックスにペ
ルオキソ二硫酸カリウム0.025質量部を加えた後、
アクリル酸n−ブチル20質量部、メタクリル酸メチル
0.5質量部、スチレン4.5質量部、メタクリル酸ア
リル0.1質量部、及び乳化剤としてのアデカコールC
S−141E(旭電化製)0.125質量部からなる混
合物を滴下ロートより30分間かけて滴下し、2層目を
形成した。滴下終了後さらに80℃で1時間反応を続
け、ガスクロマトグラフィーで各単量体がすべて消費さ
れたことを確認した。
【0050】さらに、得られた共重合体ラテックスにペ
ルオキソ二硫酸カリウム0.025質量部を加えた後、
メタクリル酸メチル23.75質量部、アクリル酸メチ
ル1.25質量部、n−オクチルメルカプタン0.25
質量部、及び乳化剤としてのアデカコールCS−141
E(旭電化製)0.125質量部からなる混合物を滴下
ロートより30分間かけて滴下し、3層目を形成した。
滴下終了後さらに80℃で1時間反応を続け、ガスクロ
マトグラフィーで各単量体がすべて消費されたことを確
認し、重合を終了した。得られたラテックスにおける多
層構造重合体粒子の平均粒子径は104nmであった。
【0051】このラテックスを−20℃に24時間冷却
して凝集させた後、凝集物を取り出し、40℃の熱水で
3回洗浄した。60℃で2日間減圧乾燥して、凝集粉末
状の3層型多層構造重合体粒子[A−1]を得た。な
お、最外層を構成する重合体成分の数平均分子量は、1
8,000であった。
【0052】製造例2 (多層構造重合体粒子[A−2]の製造例) 窒素雰囲気下、攪拌翼、冷却管及び滴下ロートを装着し
た重合器に、蒸留水150質量部、乳化剤としてのネオ
ペレックスF−25(花王製)0.7質量部、及び分散
安定剤としてのポイズ520(花王製)0.8質量部を
加え、80℃に加熱して均一に溶解させた。次いで、同
温度において、ペルオキソ二硫酸カリウム0.045質
量部を加えた後、アクリル酸n−ブチル39.15質量
部、スチレン5.85質量部、メタクリル酸アリル0.
23質量部、及び乳化剤としてのアデカコールCS−1
41E(旭電化製)0.225質量部からなる混合物を
滴下ロートより90分間かけて滴下し、1層目を形成し
た。滴下終了後、同温度でさらに1時間反応を続け、ガ
スクロマトグラフィーで各単量体がすべて消費されたこ
とを確認した。
【0053】次いで、得られた共重合体ラテックスにペ
ルオキソ二硫酸カリウム0.025質量部を加えた後、
アクリル酸n−ブチル20.5質量部、スチレン3.5
質量部、メタクリル酸メチル1.0質量部、メタクリル
酸アリル0.13質量部、及び乳化剤としてのアデカコ
ールCS−141E(旭電化製)0.125質量部から
なる混合物を滴下ロートより50分間かけて滴下し、2
層目を形成した。滴下終了後さらに80℃で1時間反応
を続け、ガスクロマトグラフィーで各単量体がすべて消
費されたことを確認した。
【0054】さらに、得られた共重合体ラテックスにペ
ルオキソ二硫酸カリウム0.030質量部を加えた後、
メタクリル酸メチル26.1質量部、アクリル酸ブチル
3.9質量部、n−オクチルメルカプタン0.30質量
部、及び乳化剤としてのアデカコールCS−141E
(旭電化製)0.150質量部からなる混合物を滴下ロ
ートより40分間かけて滴下し、3層目を形成した。滴
下終了後さらに80℃で1時間反応を続け、ガスクロマ
トグラフィーで各単量体がすべて消費されたことを確認
し、重合を終了した。得られたラテックスにおける多層
構造重合体粒子の平均粒子径は100nmであった。
【0055】このラテックスを−20℃に24時間冷却
して凝集させた後、凝集物を取り出し、40℃の熱水で
3回洗浄した。60℃で2日間減圧乾燥して、凝集粉末
状の3層型多層構造重合体粒子[A−2]を得た。な
お、最外層を構成する重合体成分の数平均分子量は、1
6,000であった。
【0056】実施例1 製造例1で得られた粉末状の3層型多層構造重合体粒子
100質量部、酸化防止剤(イルガノックス1010、
チバガイギー製)0.3質量部、紫外線吸収剤(JF−
77、城北化学製)0.1質量部、膠着防止剤(アエロ
ジル732、日本アエロジル製)0.4質量部、及びエ
チレンビスオレイン酸アミド(スリパックス O、日本
化成製)0.3質量部を混合した後、射出成形により試
験片を作製した。該試験片について各種測定により得ら
れた結果を表1に示す。
【0057】実施例2 エチレンビスオレイン酸アミドに代えてステアリン酸ア
ミド(ダイヤミッド200、日本化成製)とした以外は
実施例1と同様に行った。各種測定により得られた結果
を表1に示す。実施例3 エチレンビスオレイン酸アミドに代えてエルカ酸アミド
(ダイヤミッド L−200、日本化成製)とした以外
は実施例1と同様に行った。各種測定により得られた結
果を表1に示す。実施例4 3層型多層構造重合体粒子[A−1]に代えて3層型多
層構造重合体粒子[A−2]とし、エチレンビスオレイ
ン酸アミドの添加量を表1に示すように変更した以外は
実施例1と同様に行った。各種測定により得られた結果
を表1に示す。
【0058】比較例1 エチレンビスオレイン酸アミドを添加しなかった以外
は、実施例1と同様に行った。各種測定により得られた
結果を表1に示す。比較例2〜3 エチレンビスオレイン酸アミドの添加量を表1に示すよ
うに変更した以外は実施例1と同様に行った。各種測定
により得られた結果を表1に示す。比較例4 滑剤をエチレンビスオレイン酸アミドに代えて、ステア
リン酸モノグリセライト(エキセル T−95、花王
製)とした以外は、実施例1と同様に行った。各種測定
により得られた結果を表1に示す。
【0059】比較例5 滑剤をエチレンビスオレイン酸アミドに代えて、ラウリ
ン酸アミド(ダイヤミッド Y、日本化成製)とした以
外は、実施例1と同様に行った。各種測定により得られ
た結果を表1に示す。比較例6 滑剤をエチレンビスオレイン酸アミドに代えて、N−ラ
ウリルラウリン酸アミド(ニッカアマイド L、日本
化成製)とした以外は、実施例1と同様に行った。各種
測定により得られた結果を表1に示す。
【0060】
【表1】
【0061】上記表1から、実施例1〜3で得られた本
発明に従う熱可塑性樹脂組成物は、成形品の離型性に優
れるのみならず、透明性も優れている。これに対して、
滑剤無添加である点において本発明とは相違する比較例
1の熱可塑性樹脂組成物、滑剤の添加量が本発明とは相
違する比較例2及び3の熱可塑性樹脂組成物、及び滑剤
の種類が本発明とは相違する比較例4〜7の熱可塑性樹
脂組成物は、成形品の離型性及び透明性のいずれかが劣
っている。
【0062】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、多層構造
重合体粒子本来の機械的物性や透明性を損なうことな
く、それからの成形品が離型性に優れた、特定多層構造
重合体粒子と特定滑剤とから得られる熱可塑性樹脂組成
物が提供される。該熱可塑性樹脂組成物は容易に成形で
き、得られる成形品は機械的物性に優れるのみならず、
透明性にも優れたものとすることができ、さらに離型性
にも優れるので、成形用材料として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山下 隆 茨城県つくば市御幸が丘41番地 株式会社 クラレ内 (72)発明者 吉野 昌宏 東京都東村山市諏訪町2丁目11番22号 (72)発明者 成瀬 達也 新潟県北蒲原郡中条町倉敷町2番28号 株 式会社クラレ内 Fターム(参考) 4F071 AA33 AA77 AA81 AC12 AE11 AF15 AF20 AF21 AF25 AF30 AH19 BB05 BC01 BC07 BC17 4J002 BN121 EP016 EP026 FD166 4J026 AA45 AC09 AC32 BA05 BA06 BA27 BA31 BA38 DA04 DA07 DA12 DA14 DA15 DB04 DB12 DB14 DB15 DB26 FA03 FA04 FA07 GA08

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)少なくとも1つの下記ゴム成分層
    (I)を内部に有し、かつ少なくとも1つの下記熱可塑
    性樹脂成分層(II)を少なくとも最外部に有する、2
    以上の層からなる多層構造重合体粒子であって; (2)ゴム成分層(I)は、アクリル酸エステル50〜
    99.99質量%、該アクリル酸エステルと共重合可能
    な他の単官能性単量体49.99〜0質量%及び多官能
    性単量体0.01〜10質量%からなる単量体混合物
    (i)の共重合によって形成される重合体層であり; (3)熱可塑性樹脂成分層(II)は、メタクリル酸エ
    ステル40〜100質量%及び該メタクリル酸エステル
    と共重合可能な他の単量体60〜0質量%からなる単量
    体(ii)の重合によって形成される重合体層であり; (4)熱可塑性樹脂成分層(II)のうち最外部に位置
    する層を構成する重合体について、GPC法で測定され
    た数平均分子量は30,000以下であり; (5)ゴム成分層(I)の総質量と熱可塑性樹脂成分層
    (II)の総質量との比は、層(I)/層(II)にお
    いて30/70〜90/10の範囲であり; (6)平均粒子径が150nm以下である;ことを特徴
    とする多層構造重合体粒子100質量部と、脂肪酸の炭
    素数が14〜22の脂肪酸アミド又は/及び脂肪酸の炭
    素数が14〜22のビス脂肪酸アミド0.1〜1.5質
    量部とを混合及び/又は混練して得られる熱可塑性樹脂
    組成物。
  2. 【請求項2】 脂肪酸アミドがステアリン酸アミド及び
    /又はエルカ酸アミドである請求項1記載の熱可塑性樹
    脂組成物。
  3. 【請求項3】 ビス脂肪酸アミドがエチレンビスオレイ
    ン酸アミドである請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 物性改善剤を配合した請求項1〜3のい
    ずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱
    可塑性樹脂組成物から得られる成形品。
  6. 【請求項6】 フィルム又はシートである請求項5記載
    の成形品。
  7. 【請求項7】 JIS K7105に準じて測定したヘ
    イズ値が10%以下である請求項5又は6記載の成形
    品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106543618A (zh) * 2016-11-03 2017-03-29 苏州兴泰国光化学助剂有限公司 As多功能透明润滑母粒

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