JP2014147328A - 苗移植機 - Google Patents
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Abstract
搬送風を強くすることなく肥料の搬送速度の維持や肥料詰まりを防止できると共に、貯留ホッパを回動させて残留肥料を排出する際、作業者が費やす労力を軽減できる苗移植機を提供する。
【解決手段】
走行車体2に苗を植え付ける複数の苗植付装置52を備える苗植付部4を昇降自在に設け、複数の苗植付装置52が植え付けた苗に各々肥料を供給する施肥装置5を設け、施肥装置5の左右一側に肥料の搬送風を発生させる起風装置58を設け、施肥装置5の後部に肥料を排出する複数の肥料排出口95を左右一側から左右他側に所定間隔毎に設け、複数の肥料排出口95に各々開閉部材98を設け、複数の開閉部材98を操作する操作部材を設け、操作部材の操作量に合わせて対応する開閉部材98が開閉する構成とする。
【選択図】図11
Description
また、上記特許文献1の肥料の排出方法とは異なる肥料の排出方法を備える苗移植機が、特許文献2及び3にて開示されている。
特許文献2では、施肥装置が使用する肥料を貯留する貯留ホッパの端部に回動支軸を配置して貯留ホッパを傾斜姿勢とすることができると共に、傾斜姿勢で下方に位置する側に、肥料の排出口が開閉自在に形成されている。
上記の施肥装置では、貯留ホッパの一側端部を持ち上げて傾斜姿勢とし、重力で肥料を開放した排出口に向かわせるだけで肥料の排出ができるので、肥料の移動速度の低下や詰まりが生じることは無く、排出作業の能率がよい。
特許文献3では、貯留ホッパを左右に分割し、左右の貯留ホッパの機体外側端部に回動支軸を各々設け、左右の貯留ホッパを機体の左右外側方向に向かって各々回動可能とし、回動時に下方に位置する機体外側の側壁に各々開閉自在な肥料の排出口を設けた苗移植機が開示されている。
貯留ホッパを左右で分割したことにより、重量は約半分となるので、回動操作する際に作業者が費やす力は少なくなる。このため、肥料の残量が多くても、作業者の費やす労力は大幅には増加しなくなる。
また、特許文献1の肥料排出口を備えたものに特許文献2及び3の技術を用いると、肥料排出口から排出されない残り僅かな肥料を、簡単且つ確実に貯留ホッパから排出することができ、貯留ホッパ内に残った肥料が固着することが防止される。
また、搬送風が肥料を運べなくなるとその場に肥料が堆積し、堆積した肥料が詰まり、肥料の排出作業が中断されてしまうことがある。このときは、作業者が詰まった肥料を崩す等して肥料の搬送が行える状態にする必要があるので、作業者の労力が増大する問題がある。
上記の問題は、植付条数が多く、ブロアーから肥料出口までの距離が長い大型の苗移植機ほど発生しやすい。
この問題を解消方法として、ブロアーの出力を高くし、発生する搬送風を強力にする、という方法があるが、この方法ではブロアーの作動モータを変更しなければならず、消費電力も増えてしまい、バッテリ切れが生じやすくなる問題がある。
また、特許文献2に開示されている苗移植機は、左右方向に長い貯留ホッパの端部を持ち上げる構成であるので、貯留ホッパの持ち上げに必要な力が大きくなるので、作業者は相応の労力を費やす必要がある。特に、肥料が多く残留しているときは肥料の重量も加わるので、いっそう作業者の費やす労力が大きくなる問題がある。
そして、特許文献3に開示されている苗移植機は、左右の貯留ホッパの出口は各々機体外側に設けられていることにより、肥料の排出位置は左右の二箇所となるので、作業者は肥料の排出位置に移動する必要があり、作業能率が悪く、またその分労力が費やされる問題がある。
特に、左右幅の広い大型の苗移植機になるほど、左右の移動距離は長くなるので、その分作業者が費やす労力が増大する問題がある。
請求項1記載の発明は、走行車体(2)に苗を植え付ける複数の苗植付装置(52)を備える苗植付部(4)を昇降自在に設け、該複数の苗植付装置(52)が植え付けた苗に各々肥料を供給する施肥装置(5)を設け、該施肥装置(5)の左右一側に肥料の搬送風を発生させる起風装置(58)を設け、前記施肥装置(5)の後部に肥料を排出する複数の肥料排出口(95)を左右一側から左右他側に所定間隔毎に設け、該複数の肥料排出口(95)に各々開閉部材(98)を設け、該複数の開閉部材(98)を操作する操作部材を設け、該操作部材の操作量に合わせて対応する前記開閉部材(98)が開閉することを特徴とする苗移植機とした。
請求項2記載の発明は、前記操作部材は、前記複数の苗植付装置(52)への駆動力の伝動を個別に切り替える複数の部分クラッチ機構(71a,71b,71c,71d)を左右一側から左右他側、または左右他側から左右一側に向かって段階的に入切操作する切替ダイヤル(73)とし、前記苗植付部(4)と施肥装置(5)への駆動力の伝達を入切する植付クラッチ機構の入切を検知する伝動検知部材(97)を設け、該伝動検知部材(97)が植付クラッチ機構の切状態を検知すると、該切替ダイヤル(73)の操作に合わせて対応する前記開閉部材(98)を左右一側から左右他側、または左右他側から左右一側に向かって段階的に開閉操作することを特徴とする請求項1に記載の苗移植機とした。
請求項3記載の発明は、前記操作部材は、前記複数の苗植付装置(52)への駆動力の伝動を個別に切り替える複数の部分クラッチ機構(71a,71b,71c,71d)を各々入切操作する複数の入切スイッチ(94a,94b,94c,94d)とし、前記苗植付部(4)と施肥装置(5)への駆動力の伝達を入切する植付クラッチ機構の入切を検知する伝動検知部材(97)を設け、該伝動検知部材(97)が植付クラッチ機構の切状態を検知すると、該複数の入切スイッチ(94a,94b,94c,94d)の操作に合わせて対応する前記開閉部材(98)を開閉操作することを特徴とする請求項1に記載の苗移植機とした。
請求項4記載の発明は、前記施肥装置(5)に肥料を貯留する左右の肥料貯留部材(101,101)を設け、該左右の肥料貯留部材(101,101)の機体内側下部に左右の回動支軸(103,103)を各々設け、該左右の肥料貯留部材(101,101)の機体内側端部に左右の排出窓部材(102,102)を開閉自在に設けたことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の苗移植機とした。
請求項6記載の発明は、前記走行車体(2)の走行伝動を切り替える副変速操作部材(107)を設け、該副変速操作部材(107)の操作位置を検知する操作位置検知部材(108)を設け、前記左右の肥料貯留部材(101,101)の左右方向の移動を規制する左右の規制部材(105,105)を設け、該操作位置検知部材(108)が検知する副変速操作部材(107)の操作位置が、前記苗植付部(4)と施肥装置(5)に駆動力を伝動する「走行中立」であることを検知すると、該左右の規制部材(105,105)が左右の肥料貯留部材(101,101)の左右方向の移動を規制する位置から退避する構成としたことを特徴とする請求項5に記載の苗移植機とした。
また、肥料が搬送途中で移動しなくなり、その場に溜まって肥料詰まりを生じさせることを防止できるので、作業者が肥料詰まりを解消する作業が不要となり、作業能率が向上すると共に作業者の労力が軽減される。
請求項2記載の発明の効果は、請求項1記載の発明の効果に加えて、操作部材を部分クラッチ機構(71a,71b,71c,71d)を入切操作する切替ダイヤル(73)と兼用することにより、別途操作部材や信号を伝達するハーネス等を設ける必要が無く、部品点数の削減が図られると共に、簡潔な構成とすることができる。
また、切替ダイヤル(73)の操作に合わせて開閉部材(98)を左右一側から左右他側、または左右他側から左右一側に向かって段階的に開閉させることができるので、肥料の残量が多いときは一部の開閉部材(98)のみを開いて肥料を放出することにより、確実に肥料が肥料の出口に送られるため、肥料詰まりが防止される。
そして、肥料の残量が少ないときには全ての開閉部材(98)を開いて肥料を放出することにより、短時間で肥料の排出作業を終えることができるので、作業能率が向上する。
これらの効果により、出力の高い起風装置(58)を用いる必要が無く、コストダウンや電力消費の低減が図られる。
請求項3記載の発明の効果は、請求項1記載の発明の効果に加えて、操作部材を部分クラッチ機構(71a,71b,71c,71d)を入切操作する複数の入切スイッチ(94a,94b,94c,94d)と兼用することにより、別途操作部材や信号を伝達するハーネス等を設ける必要が無く、部品点数の削減が図られると共に、簡潔な構成とすることができる。
また、複数の入切スイッチ(94a,94b,94c,94d)の操作に対応する開閉部材(98)が開閉することにより、肥料の残量が多い部分の肥料排出口(95)を先に開いて肥料を排出し、肥料の残量が少なくなると他の肥料排出口(95)を開くことで、常に搬送風で運び得る量の肥料を排出することができるので、肥料の排出搬送の停滞や詰まりを生じさせることなく、能率よく肥料の排出作業が行える。
請求項4記載の発明の効果は、請求項1から3の何れか1項に記載の発明の効果に加えて、左右の肥料貯留部材(101,101)の機体内側端部に排出窓部材(102,102)を各々開閉自在に設けると共に、左右の肥料貯留部材(101,101)を回動させて機体外側が上方に位置し、機体内側が下方に位置する傾斜姿勢とすることにより、左右の肥料貯留部材(101,101)に貯留された肥料を左右の排出窓部材(102,102)から排出することができるので、複数の肥料排出口(95)から排出されない肥料を簡単に取り出すことができ、肥料の排出作業の能率が向上する。
また、左右の肥料貯留部材(101,101)に貯留されている肥料の量が非常に多いときには、肥料排出口(95)から肥料を排出せずに左右の肥料貯留部材(101,101)を回動させ、左右の排出窓部材(102,102)から肥料を排出すると、肥料の排出作業に要する時間を短縮することができる。
そして、左右の肥料貯留部材(101,101)の機体内側端部の左右の排出窓部材(102,102)から肥料を排出することにより、肥料の排出部分を機体左右方向の中央部の一箇所とすることができるので、作業者が複数の回収場所を移動する必要がなく、作業者の労力が軽減される。
さらに、肥料貯留部材(101)を左右に分けていることにより、肥料貯留部材(101)の重量を軽くなるため、肥料が貯留されているときにも軽い力で肥料貯留部材(101)を回動させることができ、作業者の労力が軽減される。
請求項5記載の発明の効果は、請求項4記載の本発明の効果に加えて、左右の移動レール(104,104)に沿って左右の肥料貯留部材(101,101)を左右方向に移動させることにより、左右の肥料貯留部材(101,101)を回動させる際に互いが接触することを防止できるので、肥料の排出に必要な傾斜角度や排出されるスペースが確保され、能率よく肥料の排出作業が行われる。
また、作業時には左右の肥料貯留部材(101,101)が走行車体(2)や苗植付部(4)の左右幅よりも機体外側に突出しないので、左右の肥料貯留部材(101,101)が壁等に接触して破損することが防止される。
また、肥料の補充作業中に左右の肥料貯留部材(101,101)を移動させ、肥料が零れ落ちることを防止できるので、肥料の消費量が抑えられると共に、圃場に余分な肥料が供給されることが無く、肥料過多による作物の生育不良や品質の低下が防止される。
図1は、本発明の実施の形態の、走行車両を備える乗用型の8条植えの田植機8の側面図を示し、図2は平面図を示している。
次に、苗植付装置52への駆動力の伝動の入切を2条ごとに制御する部分条クラッチの動作について説明する。
図3に、苗植付装置52への駆動力の伝動の入切を2条ごとに制御する部分条クラッチの接続構成を示すブロック図を示す。この図3では、植付伝動ケース50及び苗植付装置52の部分について、上から視た図を示している。
植付伝動ケース50の後部の4つに分岐したそれぞれの後端部に、2条分の苗を植え付ける苗植付装置52が設けられている。ここでは、それらの4つの苗植付装置52を、機体の左側から順に、第1苗植付装置52a、第2苗植付装置52b、第3苗植付装置52c及び第4苗植付装置52dと呼ぶこととする。
なお、苗載せ台51が、本発明の苗載置台の一例にあたる。又、第1苗植付装置52a、第2苗植付装置52b、第3苗植付装置52c及び第4苗植付装置52dが、本発明の植付装置の一例にあたる。又、第1苗植付装置52aが、本発明の左端の植付装置の一例にあたり、第4苗植付装置52dが、本発明の右端の植付装置の一例にあたる。
植付伝動ケース50の後部の4つに分岐したそれぞれの後端部には、各後端部に設けられているロータリーケース16及び苗植付具54への駆動力を入切する部分条クラッチが設けられており、2条分の苗を植え付ける苗植付装置52ごとの苗の植え付け動作を個別に制御出来る構成となっている。すなわち、第1部分条クラッチ71a、第2部分条クラッチ71b、第3部分条クラッチ71c及び第4部分条クラッチ71dによって、それぞれ、第1苗植付装置52a、第2苗植付装置52b、第3苗植付装置52c及び第4苗植付装置52dへの駆動力の伝動が入切される。
第1部分条クラッチ71a、第2部分条クラッチ71b、第3部分条クラッチ71c及び第4部分条クラッチ71dは、それぞれ、第1クラッチワイヤー72a、第2クラッチワイヤー72b、第3クラッチワイヤー72c及び第4クラッチワイヤー72dによって部分条クラッチ切替機構70に接続されている。第1クラッチワイヤー72a、第2クラッチワイヤー72b、第3クラッチワイヤー72c及び第4クラッチワイヤー72dが、部分条クラッチ切替機構70によって引っ張られることにより、対応する第1部分条クラッチ71a、第2部分条クラッチ71b、第3部分条クラッチ71c及び第4部分条クラッチ71dが「切」状態となり、対応する第1苗植付装置52a、第2苗植付装置52b、第3苗植付装置52c及び第4苗植付装置52dへの駆動力の伝動が切れる。
部分条クラッチ切替機構70を操作する切替ダイヤル73が、図2に示す通り、操縦ハンドル34の横に配置されており、作業者は、運転席31に座った状態で、切替ダイヤル73を操作することが出来、部分条クラッチの切替制御を行うことが出来る。
図4(a)に、田植機8の前側から視た、部分条クラッチ切替機構70の正面図を示し、図4(b)に底面図を示す。また、部分条クラッチ切替機構70を構成する各部材の前後関係をわかり易くすべく、クラッチワイヤーの図示を省略した正面図を図5に示す。
切替機構支持フレーム75の手前側に、第1切替アーム76、第2切替アーム77及び第3切替アーム78が、それぞれ、第1回動支点79、第2回動支点80及び第3回動支点81を中心として回動自在に取り付けられている。
これらの切替アームは、手前側から、第1切替アーム76、第2切替アーム77、第3切替アーム78の順に、前後方向に重なる構成で配置されている。第1切替アーム76の下端部には、第1クラッチワイヤー72a及び第4クラッチワイヤー72dのそれぞれの端部が連結している。また、第2切替アーム77の下端部には、第2クラッチワイヤー72bが連結しており、第3切替アーム78の下端部には、第3クラッチワイヤー72cが連結している。
なお、第1切替アーム76が、本発明の端部伝動切替アームの一例にあたる。又、第2切替アーム77及び第3切替アーム78が、本発明の中間部伝動切替アームの一例にあたる。又、第1クラッチワイヤー72a及び第4クラッチワイヤー72dが、本発明の端部連繋ワイヤーの一例にあたる。又、第2クラッチワイヤー72b及び第3クラッチワイヤー72cが、本発明の中間部連繋ワイヤーの一例にあたる。
図4(a)、図4(b)及び図5は、いずれのクラッチワイヤーも引っ張っていない状態、すなわち第1部分条クラッチ71a、第2部分条クラッチ71b、第3部分条クラッチ71c及び第4部分条クラッチ71dのいずれも「入」となっている状態を示している。
第1切替アーム76が、図4(a)に示す状態から、第1回動支点79を中心に右回り(時計回り)に回動すると、第1クラッチワイヤー72aが引っ張られ、第1部分条クラッチ71aが「切」となる。
一方、第1切替アーム76が、図4(a)に示す状態から、第1回動支点79を中心に左回り(反時計回り)に回動すると、第4クラッチワイヤー72dが引っ張られ、第4部分条クラッチ71dが「切」となる。
第2切替アーム77が、図4(a)に示す状態から、第2回動支点80を中心に右回りに回動すると、第2クラッチワイヤー72bが引っ張られ、第2部分条クラッチ71bが「切」となる。
第3切替アーム78が、図4(a)に示す状態から、第3回動支点81を中心に右回りに回動すると、第3クラッチワイヤー72cが引っ張られ、第3部分条クラッチ71cが「切」となる。
切替機構支持フレーム75の奥側には、弧状の縁部に歯が形成されている扇形状の連続切替ギヤ82が、切替ギヤ回動支点87を中心として回動自在に取り付けられている。
連続切替ギヤ82の弧状の縁部に形成されている歯は、切替モータ74によって回転する切替機構駆動ギヤ83の歯と噛み合っており、連続切替ギヤ82は、切替機構駆動ギヤ83の回転に伴って、切替ギヤ回動支点87を中心に回動する。
尚、連続切替ギヤ82が、本発明の連続切替部材の一例にあたり、切替モータ74が、本発明の切替アクチュエータの一例にあたる
連続切替ギヤ82の弧状の縁部に近い位置に、アーム接触ピン86が立設している。
そして、アーム接触ピン86を貫通させるべく、切替機構支持フレーム75の、アーム接触ピン86に対応する位置に接触ピン移動孔85が形成されている。接触ピン移動孔85は、切替ギヤ回動支点87を中心とする弧状の長孔であり、連続切替ギヤ82が回動する際に、アーム接触ピン86が、接触ピン移動孔85内を移動する構成となっている。
切替ギヤ回動支点87を貫通する構成で配置されているアーム接触ピン86は、最も手前に配置されている第1切替アーム76の接触ピン摺動孔84も貫通する長さを有している。
したがって、連続切替ギヤ82の回動に伴ってアーム接触ピン86が移動する際、接触ピン摺動孔84の内縁に接触して押しながら移動するので、第1切替アーム76の姿勢を変化させる。
具体的には、図4(a)に示す状態から、連続切替ギヤ82が左回りに回動すると、アーム接触ピン86によって接触ピン摺動孔84の右側の内縁部分が押されていき、第1切替アーム76の上部を右に移動させる。第1切替アーム76は、第1回動支点79を中心として回動するので、右回りに回動し、第1クラッチワイヤー72aが引っ張られる。
なお、アーム接触ピン86が、本発明の接触ピンの一例にあたり、接触ピン摺動孔84が、本発明の長孔の一例にあたる。
一方、図4(a)に示す状態から、連続切替ギヤ82が右回りに回動すると、アーム接触ピン86によって接触ピン摺動孔84の左側の内縁部分が押されていき、第1切替アーム76の上部を左に移動させる。したがって、第1切替アーム76は、第1回動支点79を中心として左回りに回動し、第4クラッチワイヤー72dが引っ張られる。
アーム接触ピン86は、第2切替アーム77よりも手前側まで突出しているので、アーム接触ピン86が移動して第2切替アーム77の周縁の位置まで達すると、その後、第2切替アーム77の周縁部に接触して押しながら移動するので、第2切替アーム77の姿勢を変化させる。
次に、前記施肥装置5に残った肥料を能率よく排出することができる施肥装置について説明する。
図 で示す通り、前記ブロアー58の側方に搬送風の移動方向を分岐させる分岐部130を設け、該分岐部130からの搬送風の移動方向を切り替える切替プレート131を回動させる分岐レバー132を設け、搬送風を各条の繰出部61…側に送り繰り出される肥料を各条の施肥ホース62…に移送する施肥作業形態と、該繰出部61…の機体後部側に設ける各肥料排出口95…から排出される肥料を、肥料出口96に向かって搬送する肥料排出形態とに切替可能に構成する。
そして、前記植付クラッチケース25内に、植付クラッチの入切を検知するクラッチセンサ97を設け、前記肥料排出口95…に、肥料の落下移動を切り替える切替板98…を各々設けると共に、該切替板98…の開閉を切り替える開閉アクチュエータ(シリンダやソレノイド)99…を各々設ける。
前記クラッチセンサ97が「切」を検知している状態、即ち苗の植付作業を行っていない状態であるときに、部分条クラッチ機構を段階的に操作する前記切替ダイヤル73を操作すると、操作量に対応する2条分の開閉アクチュエータ99,99が作動し、2条分の切替板98,98を開放状態にする。
ここでは、8条植え用の田植機において、段階的に肥料の排出を行う際の手順を説明する。なお、図11は施肥装置の背面図、図12は施肥装置の要部平面図である。図12においては、本発明の要部が確認できるよう、貯留タンク60を記載していない。
図13で示す通り、前記切替ダイヤル73が「全入」の位置から「1切」または「4切」側に操作する、即ち切替ダイヤル73が「全入」位置を離れて「1切」または「4切」に向かって操作されると、ブロアー58側から数えて1条目及び2条目の開閉アクチュエータ99,99が対応する切替板98,98を開放状態にする。そして、切替ダイヤル73が「1切」または「4切」位置に到達すると、ブロアー58側から数えて3条目及び4条目の開閉アクチュエータ99,99が対応する切替板98,98を開放状態にする。
さらに、切替ダイヤル73が「1−2切」または「3−4切」位置に到達すると、ブロアー58側から数えて5条目及び6条目の開閉アクチュエータ99,99が対応する切替板98,98を開放状態にすると共に、切替ダイヤル73が「1−2−3切」または「2−3−4切」位置に到達すると、ブロアー58側から数えて7条目及び8条目の開閉アクチュエータ99,99が対応する切替板98,98を開放状態とする。
上記の切替ダイヤル73の操作は、作業者が貯留タンク60の内部の肥料の残量や、肥料出口96からの肥料の排出量を目視し、次の2条分を開放しても十分に搬送し得ると判断したときに行うと、肥料の搬送を滞りなく行なうことができ、作業能率が向上すると共に、詰まりを取り除く作業が不要となり、作業者の労力が軽減される。
一方、苗の植付作業中に殆どの肥料を使い切っており、4条以上の肥料を一斉に排出しても詰まりが生じる恐れが無いときは、作業者は切替ダイヤル73を「1−2切」または「3−4切」位置や「1−2−3切」または「2−3−4切」位置まで一気に操作し、各条の肥料排出口95…から一気に肥料を排出させることができるので、作業に要する時間が大幅に軽減される。
従来の肥料の排出作業では、貯留タンク60内の肥料は全条ほぼ同時に肥料排出口95…から排出し、ブロアー58とは左右方向の反対側に配置する肥料出口96に搬送する構成としている。この構成では、ブロアー58から肥料出口96までの距離が長く、排出される肥料の量が多いと、ブロアー58が発生させた搬送風が肥料を肥料出口96まで滞りなく移動させることができず、排出作業に要する時間が長くなる問題があった。また、肥料の搬送の停滞が続くと、肥料がその場に固着して搬送風を塞ぐ壁となり、壁状になった肥料の詰まりを解消するまで肥料の排出作業が行えず、作業能率が低下する問題があった。
上記の問題を解消するには、ブロアー58を駆動するブロアー用電動モータ53を高出力なものとして、肥料の排出量が多くても搬送風が強制的に吹き飛ばせるようにすることが考えられるが、その分ブロアー用電動モータ53を高額なものとする必要があると共に、消費電力量に対応すべく大容量のバッテリを積載する必要があるので、コストアップしてしまう問題がある。
しかしながら、上記の本件発明の構成により、一度に排出する肥料の量を減らし、現在のブロアー58で発生させられる搬送風で確実に肥料を肥料出口96に搬送することができるので、肥料の詰まりの発生による作業能率の低下や作業者の労力の増大、及びコストアップが防止される。
また、下記の通り、図10に示す、前記第1から第4のクラッチボタン94a,94b,94c,94dを、各々2条分の開閉アクチュエータ99,99の操作に用いる方法も考えられる。
図14及び図15で示す通り、前記クラッチセンサ97が「切」を検知している状態で、第1クラッチボタン94aを押すと、ブロアー58側から数えて1条目及び2条目の開閉アクチュエータ99,99が対応する切替板98,98を開放状態にする。そして、第2クラッチボタン94bを押すと、ブロアー58側から数えて3条目及び4条目の開閉アクチュエータ99,99が対応する切替板98,98を開放状態にする。
さらに、第3クラッチボタン94cを押すと、ブロアー58側から数えて5条目及び6条目の開閉アクチュエータ99,99が対応する切替板98,98を開放状態にすると共に、第4クラッチボタン94dを押すと、ブロアー58側から数えて7条目及び8条目の開閉アクチュエータ99,99が対応する切替板98,98を開放状態とする。
上記の第1から第4のクラッチボタン94a,94b,94c,94dの操作は、作業者が貯留タンク60の内部の肥料の残量や、肥料出口96からの肥料の排出量を目視し、次の2条分を開放しても十分に搬送し得ると判断したときに行うと、肥料の搬送を滞りなく行なうことができ、作業能率が向上すると共に、詰まりを取り除く作業が不要となり、作業者の労力が軽減される。
一方、苗の植付作業中に殆どの肥料を使い切っており、4条以上の肥料を一斉に排出しても詰まりが生じる恐れが無いときは、作業者は第1から第4のクラッチボタン94a,94b,94c,94dのうち任意のものを操作し、各条の肥料排出口95…から一気に肥料を排出させることができるので、作業に要する時間が大幅に軽減される。
なお、例えば第1クラッチボタン94aを押した後、第2クラッチボタン94bを押さずに第3クラッチボタン94cを押したときは、1,2条目及び5,6条目の切替板98,98,98,98だけでなく、3,4条目の切替板98,98を開く構成としてもよい。これにより、肥料の残量が条毎で異なっているとき、残量の少ない箇所では一気に4条以上の肥料を排出することができるので、作業に要する時間の短縮が図られる。
しかしながら、上記の構成では、悪天候や作業者の急用等により、植付作業を中断せざるを得ないときなど、肥料タンク60内に大量の肥料が残った状態では、排出作業に費やす時間が長くなる問題がある。
逆に、肥料をほぼ使い切っているときは、肥料が各条の肥料排出口95…に向かいにくく、排出されずに貯留タンク60内に残った肥料を作業者がスコップ等を使って回収する作業が必要となることがあり、作業者の労力が増大する問題がある。
上記の問題を解消すべく、図16(a)〜(c)で示す通り、機体左右方向に長い載置フレーム100上に、機体左右方向に長い分割貯留タンク101…を、少なくとも左右に一つずつ配置する。8条植えの苗移植機においては、4条分の肥料を貯留する分割貯留タンク101…を左右に一つずつ配置すると、左右に同等の重量物が配置されることにより、機体の左右バランスが安定する。
しかしながら、分割貯留タンク101は、例えば左右一側に2条分の分割貯留タンク101を配置すると共に、左右他側に6条分の分割貯留タンク101を配置してもよい。
前記左右の分割貯留タンク101,101のうち、それぞれの機体内側、即ち機体左右方向の中央部側に、開閉自在な左右の肥料排出窓102,102を各々形成すると共に、該左右の肥料排出窓102,102よりも下方位置に、該左右の分割貯留タンク101,101の機体外側を上下回動自在とする、左右の回動支軸103,103を各々設ける。
そして、該左右の回動支軸103,103を、前記載置フレーム100上に設ける、左右方向に長い左右の移動レール104,104に沿って左右方向に移動自在に各々配置する。
上記構成としたことにより、左右の分割貯留タンク101,101を持ち上げて回動させると、内部の肥料を重力によって自然に機体内側部に移動させ、左右の肥料排出窓102,102を各々開放すると肥料を排出することができる。これにより、ブロアー58が発生させる搬送風で肥料を肥料出口96に移動させる作業に比べて、肥料の排出に要する作業時間を大幅に短縮することができる。
本件の構成では、全条分の肥料を同時に排出することはできないので、例えば2つの分割貯留タンク101,101を用いるときは、少なくとも2回は分割貯留タンク101を持ち上げて回動させる必要がある。
しかしながら、分割貯留タンク101の長さが短く、且つ重量が軽いことにより、肥料の入っている分割貯留タンク101を持ち上げて回動させる作業に要する労力は軽くなり、作業者の労力は軽減される。
また、左右の分割貯留タンク101,101からの肥料の排出は、左右どちらも機体の左右方向の中央側であることにより、一箇所で肥料の回収作業を行うことができるので、作業能率が向上する。
本構成の肥料の回収は、左右の肥料排出窓102,102を開放したとき、開放部の下方に、機体後側で且つ下方に肥料を案内する板状や筒状の案内シュータ120を用いる。該案内シュータ103は、苗植付部4を構成する上下リンク40,41の隙間などに配置し、その出口側に箱や袋等の肥料回収容器121を載置する。
しかしながら、左右の分割貯留タンク101,101は、左右の分割貯留タンク101,101の機体内側に各々設ける左右の回動支軸103,103を支点として回動するだけでは、回動途中で一方の分割貯留タンク101の機体内側上部が他方の分割貯留タンク101の機体内側上部に接触してしまい、肥料を案内するための傾斜角度が確保できないと共に、左右の肥料排出窓102,102の開放量が確保できない問題がある。
左右の分割貯留タンク101,101同士の干渉を防止するには、左右の分割貯留タンク101,101を所定間隔を空けて配置すればよいが、左右の分割貯留タンク101,101が走行車体2及び苗植付部4の左右端部より外側に位置してしまい、走行時に左右の分割貯留タンク101,101が壁等に接触して破損しやすくなる問題がある。
これらの問題の発生を防止すべく、左右の回動支軸103,103を、載置フレーム100上の左右の移動レール104,104に沿って左右方向に各々移動可能に構成している。
蒸気構成において、肥料を排出する際に分割貯留タンク101を持ち上げ回動させるときは、まず分割貯留タンク101を持ち上げて回動させ、移動レール104に沿って機体外側方向に分割貯留タンク101を移動させる。その後、分割貯留タンク101を肥料が機体内側に集められる角度になるまで回動させ、肥料が集まったところで肥料排出窓102を開放すると、肥料を一気に排出することができ、作業能率が向上する。
そして、肥料の排出が終わった後は、肥料排出窓102を閉め、分割貯留タンク101を移動レール104に沿って機体内側方向に移動させると共に、分割貯留タンク101の機体外側を下方に回動させて、分割貯留ホッパ101を施肥作業時の位置に戻す。
これにより、肥料の排出作業時には、左右の分割貯留タンク101,101同士が干渉することがなく、肥料の排出に必要な傾斜角度の確保や、左右の肥料排出窓102,102の開閉スペースを確保することができるので、機体左右方向の中央位置での肥料の排出作業が能率よく行える。
また、左右の分割貯留タンク101,101は、停車して行う肥料の排出作業時のみ走行車体2や苗植付部4の左右幅よりも外側に突出するが、苗の植付作業中や移動走行中には走行車体2や苗植付部4の左右幅内に収まるので、接触による左右の分割貯留タンク101,101の破損が防止される。
なお、上記では左右の分割貯留タンク101,101がどちらも左右の移動レール104,104に沿って機体左右方向に移動可能な構成としているが、分割貯留タンク101の左右どちらか一方が機体外側に移動すれば左右の分割貯留タンク101,101同士が干渉しない位置関係になるので、一方の分割貯留タンク101は回動支軸103を支点として回動自在で、且つ移動レール104に沿って機体左右方向に移動可能に構成すると共に、他方の分割貯留タンク101は回動支軸103を支点として回動自在であるが、機体左右方向には移動しない構成としてもよい。
こちらの構成では、分割貯留タンク101を左右方向に移動させる機構が片方分省略できるので、構成が簡潔になると共に、コストダウンが図られる利点がある。
上記の構成では、左右の分割貯留タンク101,101の機体左右方向への移動を制限する部材はなく、左右の分割貯留タンク101,101を上方に回動させていないときは、左右の分割貯留タンク101,101の自重で左右方向の移動を規制している。
しかしながら、分割貯留ホッパ101は基本的に大部分がプラスチック等の軽量素材で構成されるので、肥料が貯留されていないときの重量では、苗の植付作業中や移動走行中に機体が傾斜したり、強い振動がかかったりすると、左右の移動レール104,104に沿って機体外側に移動し得る問題がある。
また、作業者が肥料の補充作業時等に左右の分割貯留ホッパ101,101に触る際、左右方向の力をかけてしまうと左右の分割貯留ホッパ101,101が機体左右外側に向かって移動してしまい、肥料の補充作業に余分な時間がかかったり、肥料が零れ落ちて無駄になってしまったりする問題がある。
上記の問題を防止すべく、図14(a)〜(c)及び図19に示すように、搬送フレーム100に、左右の分割貯留ホッパ101,101の機体外側への移動を規制する規制ピン105を出し入れする左右の規制ソレノイド106,106を各々設ける。そして、図17(a)で示すように、フロントカバー32の機体後側の下部に、走行車体2の走行速度を、圃場内で苗の植付作業を行う際の「植付作業」と、圃場外を走行する際の「路上走行」、及び苗植付部4や施肥装置5等の作業装置のみに駆動力を伝達する「走行中立」に切替操作する副変速レバー107を設ける。
そして、該副変速レバー107の操作位置を検知する操作位置センサ108を設け、該操作位置センサ108が「走行中立」位置に操作されたことを検知すると、前記左右の規制ソレノイド106,106を作動させて、左右の規制ピン105,105が左右の分割貯留タンク101,101の機体外側への移動を規制しない位置に移動させる構成とする。
上記構成としたことにより、苗の植付作業中や路上での移動走行中に振動や傾斜が生じても、左右の分割貯留タンク101,101が機体外側方向に移動することを防止できるので、機体外側に突出した左右の分割貯留タンク101,101が壁等に接触して破損することが防止される。
また、肥料の補充中に左右の分割貯留タンク101,101が機体外側方向に移動し、肥料が零れ落ちることを防止できるので、肥料の補充作業の能率が向上すると共に、肥料の消費量が削減される。
さらに、零した肥料が圃場に落ち、施肥量が過剰になることを防止できるので、肥料過多による作物の生育不良や品質の低下が防止される。
なお、作業者の足の接触等により副変速レバー107が「走行中立」以外に操作されると、左右の規制ソレノイド106,106が作動して左右の規制ピン105,105を左右の分割貯留タンク101,101の前面または後面に接触し、破損させる恐れがあるので、図17(a)(b)で示すように、副変速レバー107を「走行中立」に操作して左右の規制ソレノイド106,106を作動させると連動して作動する副変速規制ソレノイド108を設け、該副変速規制ソレノイド108が作動すると、副変速操作レバー107の左右方向の操作を規制する操作規制アーム109が副変速操作レバー107を挟み込む構成としてもよい。
また、左右の分割貯留タンク101,101を傾斜させて肥料を機体左右方向の中央部から排出する構成は、次の構成を加えてもよい。
図18(a)(b)及び図19で示す通り、前記載置フレーム100と左右の分割貯留タンク101,101の機体外側の下部との間に、該左右の分割貯留タンク101,101を別々に左右移動及び上下回動させる左右の上下動シリンダ110,110を、各々機体内側に向かうほど上方に向かう傾斜姿勢で設ける。該左右の上下動シリンダ110,110は、前記切替ダイヤル73または第1から第4のクラッチスイッチ94a,94b,94c,94dの操作により、第1部分条クラッチ71aまたは第4部分条クラッチ71dが「切」操作されると伸張し、対応する側の分割貯留タンク101を移動レール104に沿って機体外側方向に移動させると共に、機体外側部を上昇させて傾斜姿勢にする。
一方、該第1部分条クラッチ71aまたは第4部分条クラッチ71dが「入」操作されると、左右の上下動シリンダ110,110は収縮し、対応する側の分割貯留タンク101を移動レール104に沿って機体内側方向に移動させると共に、機体外側部を下降させて水平姿勢、即ち施肥作業姿勢にする。
上記の構成では、第1部分条クラッチ71aまたは第4部分条クラッチ71dを「切」操作すると、対応する側の上下動シリンダ110が作動して分割貯留ホッパ101を傾斜させることにより、施肥に用いられなくなる部分の肥料を施肥に用いられる部分に移動させることができるので、肥料を使い切るタイミングが条毎に大幅に異なることが防止され、肥料の補充時期の安定化が図られる。
部分条クラッチを切って苗の植付を行わない機体外側の条では、施肥も同時に停止する構成としているので、その部分だけ肥料の減りが遅くなり、肥料の補充作業時に機体外側の条に補充が必要な肥料の量が少なくなる。このため、補充用の肥料が少し余ってしまい、この余った肥料を機体から下ろす作業が必要となるので、作業能率が低下する問題があったが、上記構成を用いることにより、この問題の解決が図られる。
次に、前記左右の予備苗枠38,38は、図1や図2で示すように、回動リンク機構38eを前後回動させることにより、複数の予備苗載せ台38a,38b,38cを上下方向に並ばせる積載形態と、図20で示すように、第1から第4の予備苗載せ台38a,38b,38c,38dを前後方向に並ばせる展開形態に切替可能に構成している。該回動リンク38eの回動操作は切替電動モータ111の正逆転動作によって行うが、該切替電動モータ111の正転及び逆転は、運転席31に着座した作業者が操作する切替操作スイッチ112を操作して行うものとする。
そして、図19で示す通り、前記副変速レバー107が「植付作業」位置にあることを操作位置センサ108が検知している状態で、この走行車体2に設ける制御装置に内蔵するタイマーが最後の切替操作スイッチ112の操作が行われてから所定時間(例:10分)をカウントすると、前記切替電動モータ111が正転及び逆転方向に交互に作動し、回動リンク機構38を微細に回動させる構成とする。この作動時間は10秒程度とし、切替電動モータ111が内装されたサーマルによって一定時間作動停止する状態には切り替わらないものとする。
なお、最後の切替操作スイッチ112の操作、というのは、キーオンして走行車体2を始動させた後においての操作であり、それ以前の切替操作スイッチ112を操作したときからの時間によるものではない。
上記構成により、苗の植付作業中、定期的に切替電動モータ111を作動させることができるので、第1から第4の予備苗載せ台38a,38b,38c,38dに積載した苗の重量によって切替電動モータ111が僅かに回転させられることが防止され、予備苗枠38の積載形態及び展開形態の姿勢が乱れることが防止される。
従来の切替電動モータ111を備える予備苗枠38では、積載する苗の荷重がかかり続けることにより、切替電動モータ111が少しずつ回転されて、積載形態または展開形態に切り替えた際、切替電動モータ111の停止位置が複数の予備苗載せ台38a,38b,38cが上下に重なり合わない、及び前後方向に直線状に並ばない位置となり、苗の積み込みや取り出しが能率よく行えない問題があったが、本構成にてこの問題を解消することができる。
図21及び図22で示す通り、積載形態で最上段に位置し、展開形態で最前列に位置する第1の予備苗載せ台38aには、前後方向の略中央部に上下方向に長い取付アーム38fを設け、該取付アーム38fの上端部に第4の予備苗載せ台38dを設ける。
前記第1から第3の予備苗載せ台38a,38b,38cは平面視で長方形であり、姿勢の変更はできない構成である。一方、該第4の予備苗載せ台38dは、図21から図23で示すとおり、平面視で円盤形状とし、取付アーム38fを支点として任意の方向に回転可能に構成する。該取付アーム38fは、第1の予備苗載せ台38aの左右両側に支柱38g,38gを設け、該左右の支柱38g,38gの上端部を左右方向の連結プレート38hで連結すると共に、該連結プレート38hの左右方向中央部に回転軸38iを設けて構成する。
上記の構成により、第4の予備苗載せ台38dには前方、左右のどこからでも苗を容易に積み込むことができるので、作業能率が向上すると共に、苗の積込作業者がぬかるんで移動し難い圃場内に入る必要が無く、作業者の労力が軽減される。
また、側方から苗を積み込み、苗の長辺が左右方向を向いていても、第4の予備苗載せ台38dを90度程度回転させると長辺が前後方向を向くので、走行車体2に搭乗している作業者が苗を取り易く、作業能率が向上する。
前記円盤形状の第4の予備苗載せ台38dは、図23(a)(b)で示す通り、2枚の半円板38dy,38dzの直線部で且つ非積載面(即ち、裏面)に蝶番38dxを各々設け、該蝶番38dx,38dxを回動支点として一対の半円板38dy,38dzを各々下方に回動させ、折り畳み可能に構成する。
このとき、該蝶番38dx,38dxはロック付きのものとし、一対の半円板38dy,38dzの回動を規制する状態を維持できるものとすると、苗を積載した状態で一対の半円板38dy,38dzが下方に回動することがなく、積載した苗が落下することが防止される。
上記の構成により、移動時や収納時には第4の予備苗載せ台38dを折り畳んでおくことができるので、第4の予備苗載せ台38dの端部が突出することがなく、第4の予備苗載せ台38dの破損が防止されると共に、収納スペースを広く確保する必要が無く、収納性が向上する。
4 苗植付部
5 施肥装置
52 苗植付装置
58 ブロアー(起風装置)
71a 第1部分条クラッチ(部分クラッチ機構)
71b 第2部分条クラッチ(部分クラッチ機構)
71c 第3部分条クラッチ(部分クラッチ機構)
71d 第4部分条クラッチ(部分クラッチ機構)
73 切替ダイヤル
94a 第1クラッチボタン(複数の入切スイッチ)
94b 第2クラッチボタン(複数の入切スイッチ)
94c 第3クラッチボタン(複数の入切スイッチ)
94d 第4クラッチボタン(複数の入切スイッチ)
97 クラッチセンサ(伝動検知部材)
98 切替板(開閉部材)
100 載置フレーム
101 分割貯留タンク(肥料貯留部材)
102 肥料排出窓(排出窓部材)
103 回動支軸
104 移動レール
105 規制ピン(規制部材)
107 副変速レバー(副変速操作部材)
108 操作位置センサ(操作位置検知部材)
Claims (6)
- 走行車体(2)に苗を植え付ける複数の苗植付装置(52)を備える苗植付部(4)を昇降自在に設け、該複数の苗植付装置(52)が植え付けた苗に各々肥料を供給する施肥装置(5)を設け、該施肥装置(5)の左右一側に肥料の搬送風を発生させる起風装置(58)を設け、前記施肥装置(5)の後部に肥料を排出する複数の肥料排出口(95)を左右一側から左右他側に所定間隔毎に設け、該複数の肥料排出口(95)に各々開閉部材(98)を設け、
該複数の開閉部材(98)を操作する操作部材を設け、該操作部材の操作量に合わせて対応する前記開閉部材(98)が開閉することを特徴とする苗移植機。 - 前記操作部材は、前記複数の苗植付装置(52)への駆動力の伝動を個別に切り替える複数の部分クラッチ機構(71a,71b,71c,71d)を左右一側から左右他側、または左右他側から左右一側に向かって段階的に入切操作する切替ダイヤル(73)とし、
前記苗植付部(4)と施肥装置(5)への駆動力の伝達を入切する植付クラッチ機構の入切を検知する伝動検知部材(97)を設け、該伝動検知部材(97)が植付クラッチ機構の切状態を検知すると、該切替ダイヤル(73)の操作に合わせて対応する前記開閉部材(98)を左右一側から左右他側、または左右他側から左右一側に向かって段階的に開閉操作することを特徴とする請求項1に記載の苗移植機。 - 前記操作部材は、前記複数の苗植付装置(52)への駆動力の伝動を個別に切り替える複数の部分クラッチ機構(71a,71b,71c,71d)を各々入切操作する複数の入切スイッチ(94a,94b,94c,94d)とし、
前記苗植付部(4)と施肥装置(5)への駆動力の伝達を入切する植付クラッチ機構の入切を検知する伝動検知部材(97)を設け、該伝動検知部材(97)が植付クラッチ機構の切状態を検知すると、該複数の入切スイッチ(94a,94b,94c,94d)の操作に合わせて対応する前記開閉部材(98)を開閉操作することを特徴とする請求項1に記載の苗移植機。 - 前記施肥装置(5)に肥料を貯留する左右の肥料貯留部材(101,101)を設け、該左右の肥料貯留部材(101,101)の機体内側下部に左右の回動支軸(103,103)を各々設け、該左右の肥料貯留部材(101,101)の機体内側端部に左右の排出窓部材(102,102)を開閉自在に設けたことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の苗移植機。
- 前記走行車体(2)の後部に左右方向の載置フレーム(100)を設け、該載置フレーム(100)に左右の移動レール(104,104)を各々設け、前記左右の回動支軸(103,103)を各々左右方向に移動自在に該左右の移動レール(104,104)に設けて前記左右の肥料貯留部材(101,101)を各々左右方向に移動自在に構成したことを特徴とする請求項4に記載の苗移植機。
- 前記走行車体(2)の走行伝動を切り替える副変速操作部材(107)を設け、該副変速操作部材(107)の操作位置を検知する操作位置検知部材(108)を設け、
前記左右の肥料貯留部材(101,101)の左右方向の移動を規制する左右の規制部材(105,105)を設け、
該操作位置検知部材(108)が検知する副変速操作部材(107)の操作位置が、前記苗植付部(4)と施肥装置(5)に駆動力を伝動する「走行中立」であることを検知すると、該左右の規制部材(105,105)が左右の肥料貯留部材(101,101)の左右方向の移動を規制する位置から退避する構成としたことを特徴とする請求項5に記載の苗移植機。
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