JP2010004779A - 粉粒体吐出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】散布終了時の残留分の排出や、薬剤等の切替えの際の取扱の便宜化を図るとともに、粉粒体貯留部から薬剤、肥料等の漏れ落ちが生じないように、誤操作を確実に防止できる簡易な構成の粉粒体吐出装置を提供する。
【解決手段】粉粒体吐出装置は、投入された薬剤肥料等の粉粒体を貯留する粉粒体貯留部(63)と、その粉粒体を一定量ずつ繰り出す繰出部(64)と、この繰出部(64)に繰出動力を供給する伝動部(67)とから構成され、上記粉粒体貯留部(63)はその貯留粉粒体を排出可能に可動支持し、かつ、上記伝動部(67)には、その動力伝達を入り切りするクラッチ機構(68)を設け、このクラッチ機構(68)は、入切動作のための操作レバー(70)を備えるとともに、上記粉粒体貯留部(63)を固定する位置と開放する位置に対応して操作レバー(70)の入切操作範囲を設けたものである。
【選択図】図3

Description

本発明は、田植機等に付設されて肥料や薬剤等の粉粒体を苗に施用する粉粒体吐出装置に関するものである。
田植機等に付設されて肥料や薬剤等の粉粒体を苗に施用する粉粒体吐出装置は、特許文献1に示されるように、粉粒状の肥料薬剤を貯留する粉粒体貯留部と、その粉粒体を一定間隔で繰り出す繰出部とから構成される。この粉粒体吐出装置は、左右往復動作する支持部に粉粒体貯留部を取付けた簡易な構成により、投入した薬剤、肥料等の漏れ落ちを防止しつつ、一定量の薬剤、肥料等を繰出して散布することができる。
特開2008−43297号公報
しかしながら、上記構成の粉粒体吐出装置にあっては、散布終了時の残留分の排出や、薬剤等の切替えの際の取扱の便宜化のために支持部に対して粉粒体貯留部を可動構成にした場合は、粉粒体貯留部から薬剤、肥料等が漏れ落ちると圃場に対して取り返しの付かないダメージを与える事態を招くことから、誤操作等があっても可動構成の粉粒体貯留部を確実に復帰固定するための信頼性を確保するために高コスト化が避けられないという問題があった。
解決しようとする問題点は、散布終了時の残留分の排出や、薬剤等の切替えの際の取扱の便宜化を図るとともに、粉粒体貯留部から薬剤、肥料等の漏れ落ちが生じないように、誤操作を確実に防止できる簡易な構成の粉粒体吐出装置を提供することにある。
請求項1に係る発明は、投入された薬剤肥料等の粉粒体を貯留する粉粒体貯留部と、その粉粒体を一定量ずつ繰り出す繰出部と、この繰出部に繰出動力を供給する伝動部とからなる粉粒体吐出装置において、上記粉粒体貯留部はその貯留粉粒体を排出可能に可動支持し、かつ、上記伝動部には、その動力伝達を入り切りするクラッチ機構を設け、このクラッチ機構は、入切動作のための操作レバーを備えるとともに、上記粉粒体貯留部を固定する位置と開放する位置に対応して操作レバーの入切操作範囲を設け、クラッチ機構の動力伝達の入り状態のとき、操作レバーが粉粒体貯留部を固定する位置になり、クラッチ機構の動力伝達の切り状態のとき、操作レバーが粉粒体貯留部を開放する位置になることを特徴とする。
上記粉粒体吐出装置は、クラッチ機構の操作レバーの入切操作範囲が可動支持構成の粉粒体貯留部の固定と解除の各位置と対応し、操作レバーの切操作により粉粒体貯留部の固定が解除されて残留内容物の排出操作が可能となり、操作レバーの入操作によって粉粒体吐出装置の稼動が可能となるとともに粉粒体貯留部が固定される。
したがって、上記粉粒体吐出装置は、可動支持構成の粉粒体貯留部によって残留物の排出が容易となることから、薬剤交換を含む薬肥施用の作業性およびメンテナンス性が確保され、また、操作レバーにより、粉粒体貯留部の固定および開放が伝動部の入切と連動されることから、粉粒体貯留部が固定されないままで再稼働する事態が回避されてそれに伴う薬肥の漏れ落ちを防止できるので、簡易な構成により、取扱い性の向上とともに粉粒体貯留部の誤操作等があっても薬肥の漏れ落ちによる圃場へのダメージを防止して適正稼動を確保することができる。
図1及び図2は、苗移植機の一例として6条植えの乗用型の田植機を示すものであり、車体1の前後には走行車輪としての左右一対の前輪2,2及び後輪3,3が架設されている。車体上前部には操作ボックス4及びステアリングハンドル5等を有する操縦装置が設置され、また、車体後方部には昇降可能な苗植付部6が装備されている。操縦装置の後側に運転席9が設置され、運転席の下側に田植機の各部に動力を伝達するエンジンEが搭載されている。
苗植付部6は、車体の後部に昇降リンク機構7を介して昇降可能に装着され、昇降用油圧シリンダ8の伸縮作動により昇降する構成である。昇降用油圧シリンダ8を制御する昇降用油圧バルブVは、機体右側部のステップフロアの下方に設けられている。
また、この苗植付部6には、左右に複数設けた各々の苗載部11eにマット苗を載せて左右に往復動し苗を一株分づつ各条における前板11aの苗取出口11bに供給すると共に横一列の苗を全て苗取出口11bに供給すると苗送りベルト11cにより苗を下方に移送する苗載台となる苗タンク11、先端が閉ループ軌跡Pを描いて作動する苗植付具12で一株分の苗を切取って土中に植込む6条分の苗植付装置13、苗植付面を滑走しながら整地するフロート(サイドフロート)14L,14R、センタフロ−ト14C等を備えた構成としている。
車体1の前部側にミッションケース20が配置され、そのミッションケース20の左右側面部から前輪アクスルケースが側方に延び、その左右両端に変向可能に設けた前輪ファイナルケース21に前輪2,2が回転自在に軸支されている。また、ミッションケース20の背面部にメインフレーム22の前端部が固着されており、そのメインフレーム22の後端部から左右側方に延びるリヤフレームの先端部に固定して設けた後輪伝動ケース23に後輪3,3が回転自在に支承されている。
原動機となるエンジンEからの回転動力は、ミッションケース20への入力伝動機構として、エンジン出力プーリ24からベルト25を介して油圧式無段変速装置(HST)26の入力軸に伝えられ、この入力軸から油圧ポンプを駆動し、更に、HST26の出力軸からミッションケ−ス20内のミッション入力軸に伝達されるようになっている。該ケ−ス20内のミッションに伝達された回転動力は、ケ−ス20内のトランスミッションにて変速された後、走行動力と外部取出動力とに分岐して取り出される。そして、走行動力は、前輪2,2及び後輪伝動軸27から後輪伝動ケ−ス23のギヤ機構を介して後輪3,3を駆動する。また、外部取出動力は、ミッションケース20からの出力伝動機構として、PTO出力軸、植付クラッチケース28内に設けるマイコン制御可能な植付モータ30等を介して植付伝動軸31に伝達され、更に、植付伝動軸31によって苗植付部6へ動力伝動されるようになっている。
前記HST26は、操作ボックス4の側部に設けられた変速レバ−33の前後方向の操作で駆動し、機体の前進及び後進制御を司るように構成され、該変速レバー33を前方に向けて操作するほど前進走行速度は速くなるようになっている。また、走行速度に対する苗植付具12の作動周期を変更する株間変更手段が備えられ、操作ボックス4の下方に設けられた株間変更レバー35の操作で株間変更を行うようにしている。
植付伝動軸31によって苗植付部6へ伝動される動力は、苗植付部6に備える植付伝動ケース50内へ伝動され、該植付伝動ケース50内から各条の苗植付装置13及び苗送りベルト11cへ伝動される。植付伝動ケース50内で動力を分岐して各2条毎の苗植付装置13へ伝動する分岐伝動部50aが設けられ、該分岐伝動部50aの伝動を入切する部分クラッチ51が設けられ、部分クラッチ51により苗植付装置13を2条毎に停止させることができる。尚、部分クラッチ51の操作に連動してそれに対応する植付条の苗送りベルト11cも停止させる連動機構が設けられている。部分クラッチ51を操作する各々の部分クラッチレバー52が運転席9の側方に設けられ、該部分クラッチレバー52の操作位置を検出する部分クラッチセンサ52aが設けられている。
(粉粒体吐出装置)
機体両側には、機体前側から積み込んだ苗箱を後送するための左右のスライダ61,61を設け、それぞれの前部位置に、苗に薬剤を散布する粉粒体吐出装置62を設ける。この粉粒体吐出装置62は、その要部拡大側面図を図3に示すように、薬剤等の粉粒体を貯溜する箱状の粉粒体貯溜部63と、粉粒体を所定量づつ繰り出す繰出ロール64による繰出部とを備え、この繰出ロール64の繰出軸64aを支持フレーム65により軸支することによって粉粒体貯溜部を機体後部側に傾動して貯留物を排出可能にスライダ61の上方に架設し、この粉粒体貯溜部の復帰位置を定める受部65aを支持フレーム65から延設する。
各スライダ61,61の粉粒体吐出装置62の下方位置には、苗箱の底に干渉して苗箱搬送時に回転するように爪車66を軸支し、その爪車軸66aに駆動プーリ67aを設け、繰出軸64aに従動プーリ67bを設けて両軸間を伝動するベルト伝動機構67による伝動部を介して粉粒体吐出装置62を駆動する。爪車66は分解斜視図を図4に示すように、爪車軸66aについて2つを苗箱の両側位置に配置し、さらに、左右の爪位相を変え、爪車が常に苗箱の底に掛かるようにすることにより均一な駆動力を得ることができる。
ベルト伝動機構67には、ベルトテンションを変更するテンションアーム68によるクラッチ機構と、このテンションアーム68を支点越えスプリング69によって入切のそれぞれの位置に動作させる操作レバー70を支持フレーム62に共通軸68aにより、または近接位置に軸支する。操作レバー70は、テンションアームの「入」動作時に粉粒体貯溜部63を復帰位置に固定する角度位置まで揺動可能に、かつ、「切」動作時に粉粒体貯溜部63を開放する角度位置まで揺動可能に構成する。粉粒体貯留部63には、貯留物排出状態の要部側面図を図5に示すように、機体後部側に倒した際に排出物を受ける容器状の蓋63aを取付け、その一部に排出口63bを形成する。
このように、粉粒体貯留部63の内容物を排出可能に可動支持するとともに、ベルト伝動機構67にクラッチ機構68を設け、その操作レバーの入切操作範囲が粉粒体貯留部を固定する位置と開放する位置に対応して構成することにより、粉粒体吐出装置は、クラッチ機構の操作レバーにより繰出部が駆動力の伝達が制御されることにより目的範囲の施用処理等が可能となり、また、可動支持構成の粉粒体貯留部の固定を操作レバーによって解除することにより、残留内容物の排出操作が可能となり、粉粒体吐出装置の稼動を開始する際は、操作レバーの入操作によって粉粒体貯留部が固定される。
したがって、上記構成による粉粒体吐出装置は、可動支持構成の粉粒体貯留部によって残留物の排出が容易となることから、薬剤交換を含む薬肥施用の作業性およびメンテナンス性が確保され、また、操作レバーにより、粉粒体貯留部の固定および開放が伝動部の入切と連動されることから、粉粒体貯留部が固定されないままで再稼働する事態を回避してそれに伴う薬肥の漏れ落ちを防止できるので、簡易な構成により、取扱い性の向上とともに粉粒体貯留部の誤操作等があっても薬肥の漏れ落ちによる圃場へのダメージを防止して適正稼動を確保することができる。
上記粉粒体吐出装置は、別の配置例を表した要部側面図を図6に示すように、苗タンク11のマット苗毎に仕切られた仕切突条部11d上に沿わせて設けた支持フレーム71に取付け、繰出部から薬剤を案内する粉粒体吐出筒72を設けて構成した場合についても、同様に適用することができる。
(苗載台)
次に、苗植付部について別の構成例により説明する。
図7〜図10は、それぞれ、苗載台の苗送り伝動構成を分かりやすく示す正面図、苗載台の苗移送量変更装置を分かりやすく示す断面側面図、苗載台の苗移動量センサを分かりやすく示す断面側面図、ブロック図である。
苗植付部4は8条植の構成で、フレームを兼ねる伝動ケース77、マット苗を載せて左右往復動し苗を一株分づつ各条の苗取出口78に供給するとともに横一列分の苗を全て苗取出口78に供給すると苗送りベルト79により苗を下方に移送する苗載台80、苗取出口78に供給された苗を苗植付具37aで圃場に植付ける苗植付装置37等を備えている。
苗載台80は、苗載面の裏側でその裏面側下部に左右方向に設けた苗受枠となる横枠81に沿って左右動自在に支持されている。また、この苗載台80は、上下に延びる複数の仕切り壁部80aを備えており、該仕切り壁部80aにより区分されて各条の苗載部80bが構成され、8条分の苗を搭載できる構成となっている。尚、前記横枠81に8条分の前記苗取出口78が設けられている。伝動ケース77の左右両側から突出して該伝動ケース77内の動力でリードカム82aを横方向に左右往復移動させるリードカム軸82が設けられ、リードカム82aと苗載台80とが連結されていて、リードカム軸82が駆動回転することにより苗載台80が左右往復動するようにしている。リードカム軸82は、その一端部左端部が伝動ケース77で支持されている。
苗載台80の裏面側の上下には、左右方向に長い上側左右移動用案内部材120及び下側左右移動用案内部材121がそれぞれ固着して設けられている。上側左右移動用案内部材120は、側面視で下側が切り欠かれた断面形状に形成されており、下側から支持される回転自在の支持ローラ122が係合している。この支持ローラ122は、上側左右移動用案内部材120に沿う適宜位置4か所に複数個4個設けられ、伝動ケース77の上側に固着された苗載台支持フレーム123の上部に取り付けられている。下側左右移動用案内部材121は、横枠81に上側から載る。従って、苗載台80は、支持ローラ122と横枠81とにより左右方向に移動可能に支持されている。
苗載台支持フレーム123には苗載台80が左右移動端に到達したことを検出する左右各々の移動端センサ131を設け、該移動端センサ131は苗載台80の左右方向端部の裏面側に突出する仕切り壁部80aが当たって検出する構成となっている。
苗送りベルト79は、駆動ローラ84と従動ローラ85に巻き掛けられている。駆動ローラ84は左右方向の苗送り駆動軸86と一体回転するように設けられている。苗送り駆動軸86は、各2条毎に設けられ、各々のラチェット機構87により、苗送りベルト79が苗送りする方向にだけ回転を伝達するようになっている。従って、苗送りベルト79が、苗載台80の左右移動端で該苗載台80上の苗を苗受枠81側へ移送する苗移送装置となる。
苗送りベルト79の駆動機構は下記の構成となっている。すなわち、伝動ケース77の左右両側からそれぞれ突出して回転駆動する駆動側アーム88が設けられている。尚、伝動ケース77の右側の駆動側アーム88は、リードカム軸82を介して回転駆動する。また、苗送り駆動軸86の上側には左右方向の中継軸89が各2条毎に設けられ、それに従動側アーム90が取り付けられている。中継軸89と苗送り駆動軸86とは、各々第一アーム91並びに第二アーム92及びリンク93とからなるリンク機構94により伝動連結されている。
苗載台80が左右移動行程の端部に到達すると、駆動側アーム88が従動側アーム90にその下側から当たって、中継軸89を所定角度回転させる。その回転がリンク機構94及びラチェット機構87を介して苗送り駆動軸86に伝達される。これにより、苗送りベルト79が所定量だけ作動する。尚、苗載台80が左右移動両端部でそれぞれ苗送り動力を伝達できるように、1個の駆動側アーム88に対して左右に2個の従動側アーム90が同一の中継軸89上に設けられている。駆動側アーム88が従動側アーム90から離れると、中継軸89に係止したスプリングの張力によって中継軸89及び従動側アーム90は駆動前の位置に戻る。
尚、リンク機構94及びラチェット機構87は、右側2条分のものは苗載台80の右端部、中央2条分のものは右から3条目の苗載部80bの右端部、左側2条分のものは苗載台80の右端部に配置されている。中央2条分のリンク機構94及びラチェット機構87は、左右一方側左側に偏位する伝動ケース77の苗送り伝動部77aに対して左右他方側(右側)に偏位して配置されるので、苗載台80と伝動ケース77を前後に近づけながら、伝動ケース77に干渉しないようにできる。ラチェット機構87には、各々2条分の苗送りベルト79の駆動を入切する苗送りクラッチを備えている。従って、該苗送りクラッチを操作する苗送りクラッチワイヤ132が、ラチェット機構87から苗載台80の裏面側で該苗載台80に沿って設けられている。尚、苗送りクラッチワイヤ132の他端は、各2条毎の植付を入切する畦クラッチレバー133に連結されている。この畦クラッチレバー133は、車体2の後部に計3本設けられ、各々の畦クラッチレバーセンサ133aにより操作位置を検出できる構成となっている。
また、苗植付部4の苗載台80の前側には、横枠81を上下動させて苗植付装置37が苗取出口78で取り出す一株あたりの苗の量を変更する苗取り量変更レバー134を設けている。この苗取り量変更レバー134の操作位置を、苗取り量変更レバーセンサ134aが検出する構成となっている。
駆動側アーム88は、伝動ケース77の苗送り伝動部77aの左右両側の適宜位置に左右各々2個ずつ設けられている。右外側の駆動側アーム88は、苗載台80が左右移動右端に移動したとき、右の中継軸89の右側の従動側アーム90に当たる。右内側の駆動側アーム88は、苗載台80が左右移動右端に移動したとき、中央の中継軸89の右側の従動側アーム90に当たると共に、苗載台80が左右移動左端に移動したとき、右の中継軸89の左側の従動側アーム90に当たる。左内側の駆動側アーム88は、苗載台80が左右移動左端に移動したとき、中央の中継軸89の左側の従動側アーム90に当たると共に、苗載台80が左右移動右端に移動したとき、左の中継軸89の右側の従動側アーム90に当たる。左外側の駆動側アーム88は、苗載台80が左右移動左端に移動したとき、左の中継軸89の左側の従動側アーム90に当たる。従って、計6個の従動側アーム90に対して、駆動側アーム88の個数を4個として数を削減させている。
尚、左右各々の中継軸89における左右各々の従動側アーム90は、該中継軸89の左右中央部に配置しているが、左右中央の中継軸89における左右の従動側アーム90は、該中継軸89の左右両端部に配置している。これにより、左右移動で振り分けて伝動ケース77の左右両側内側の駆動側アーム88から左右中央の中継軸89へ動力を伝達することができると共に、左右内側の駆動側アーム88を左右の中継軸89へ動力を伝達するアームとして兼用できる。また、各中継軸89の左右の従動側アーム90を、各中継軸89において略左右対称な位置に配置でき、各2条毎で略左右中央に配置される後述する苗移動量変更モータ135による苗送り量の変更設定を高精度で行える。
苗載台80の各条の苗載部80bの苗送りベルト79近くの適宜位置には、各々苗減少センサ136を設けている。この苗減少センサ136は、苗の有無を検出することにより、苗載台80上の適宜の位置で苗が減少したことを検出する。また、右から1条目、4条目及び6条目の苗載部80bの苗送りベルト79近くの適宜位置には、各々苗移動量センサ137を設けている。この苗移動量センサ137は、スプリング138で苗側上側に回動する側に付勢されたセンサ取付アーム139の先端に設けられ、外周面が苗の底面に接触して回転するローラ式であり、その回転角度を検出する回転角度検出型のセンサポテンショメータを備え、苗送りベルト79の苗の移送方向への苗載台80上の苗の移動量を検出する。尚、後述する苗移動量変更モータ135による苗送りベルト79の苗の最大移送量よりも、苗移動量センサ137の外周長が大きくなるよう構成されている。
該苗移動量センサ137は、回転角度を0度以上360度未満の角度値として検出し、苗送り作動の前後の角度値から苗の移動量を検出するセンサであるが、苗送り作動の前後で0度の角度値をまたいで検出した場合でも検出できるように、制御部138により、360度と苗送り作動前の角度値の差及び苗送り作動後の角度値と0度の差の両方の差を加算して演算するようにしている演算式:苗の移動量={360度―苗送り作動前の角度値}+{苗送り作動後の角度値―0度}。これにより、角度値を検出するだけの簡単なセンサポテンショメータで、苗の移動量を検出できる。
また、苗移動量センサ137を苗送りクラッチに近い位置の条に設け、苗移動量センサ137の防護フレームを兼ねる後述する苗移送量変更モータ135のモータ支持フレーム139を、右から1条目、4条目及び6条目の苗載部80bの裏面側のみに設け、モータ支持フレーム139の内側に、苗送りクラッチワイヤ132を通して、モータ支持フレーム139が苗送りクラッチワイヤ132の防護フレームも兼ねた構成としている。
苗移動量センサ137は、苗載部80bの左右中央に位置している。前記苗減少センサ136は、苗移動量センサ137を設けていない苗載部80bでは該苗載部80bの左右中央に位置しているが、苗移動量センサ137を設けた苗載部80bでは該苗載部80bの左右方向一側端に位置している。これにより、苗移動量センサ137を苗減少センサ136に優先して苗載部80bの左右中央に位置させて、苗の移動量を高精度で検出できるようにしている。各条の苗減少センサ136は、苗移動量センサ137より若干苗載台80に沿う上側位置に配置されている。
また、苗移動量センサ137を設けた苗載部80bの苗送りベルト79より上側位置には、苗載部80b上の苗の量を判別する各々の苗量センサ140を設けている。この苗量センサ140は、横枠81から苗載台80に沿って苗1枚分上側の位置横枠81から58cmの位置に設けられ、その位置での苗の有無を検出することにより、苗載台80上の苗の量の大小を判別する。該苗量センサ140は、苗載部80bの左右中央に位置している。
各2条毎の苗載部80bにおける左右中央の仕切り壁部80aの裏側には、2条毎に苗送りベルト79による苗の移送量を変更するための苗移送量変更モータ135を設けている。この苗移送量変更モータ135が、苗移送装置による苗の移送量を変更する苗移送量変更装置となる。苗移送量変更モータ135は、各2条毎の左右中央に配置されているので、苗送り量の変更を各2条毎に適正に精度良く行える。苗移送量変更モータ135のピニオン135aに噛み合って回動する扇形ギヤ141を設け、該扇形ギヤ141から連結ロッド142を介して中継軸89と一体回転する苗送り規制アームに連結している。尚、苗送り規制アームに設けた長孔143に、連結ロッド142を連結している。従って、苗移送量変更モータ135を駆動して扇形ギヤ141を回動させ、苗送り規制アームを長孔143を介して強制的に上側へ回動させると、苗送り作動で長孔143により中継軸89を回動させることができる。
そして、駆動側アーム88が従動側アーム90から離れると、中継軸89及び従動側アーム90は、スプリングの張力で、規制部材となる長孔143の端部に連結ロッド142の端部が当たる位置まで戻る構成となっている。前記苗送り規制アームは、右側2条分は右側の従動側アーム90、左側2条分は左側の従動側アーム90と兼用し、中央2条分は専用の中央苗送り規制アーム144で構成している。従って、左右の苗送り規制アームは各々外側の従動側アーム90となるため、連結ロッド142の着脱等のメンテナンスが行い易い。
苗載台80の苗載面80cの上側には、マット苗の床部の上面に当たって該マット苗を苗載面80c側へ押圧する苗押え具130が設けられている。この苗押え具130により、マット苗を苗送りベルト79側に適度に押圧し、苗送りベルト79で確実に精度良くマット苗を移送できるようにしている。
この乗用型の田植機1において、苗移動量センサ137は、移動端センサ131の検出に基づき、苗送りベルト79が前回の苗送り作動を完了させたタイミングから当回の苗送り作動が完了するまでの間、苗の移動量を検出し、検出した移動量を制御部138に入力する。制御部138は、入力された実移動量と苗取り量変更レバーセンサ134aから演算した設定移動量を比較し、実移動量が設定移動量より大きいときには次回の苗送り量が小さくなるように、逆に実移動量が設定移動量より小さいときには次回の苗送り量が大きくなるように、苗移送量変更モータ135へ出力し該苗移送量変更モータ135を作動させる。
また、フロントカバー22に設けた苗送り量調節ダイヤル145により、該苗送り量調節ダイヤル145からの信号が制御部138に入力され、前記設定移動量を補正して変更できる構成となっている。畦クラッチレバーセンサ133a及び苗減少センサ136からの信号が制御部138に入力され、苗送りクラッチの伝動を切っているとき、又は各2条毎において何れか一方の苗減少センサ136により苗が減少したことを検出したとき、制御部138は、苗移送量変更モータ135へ出力して苗取り量変更レバーセンサ134aの検出に基づく基準位置に苗移送量変更モータ135を戻す。
そして、苗量センサ140からの信号が制御部138に入力され、制御部138は、苗の量が多いとき苗量センサ140の位置に苗があるときは設定移動量を小さく補正する。また、前後進変速レバーセンサ24aからの信号が制御部138に入力され、制御部138は、作業速度が速いときには設定移動量を大きく補正する。
対応する2条の苗減少センサ136のうちの何れかの苗減少センサ136により苗が減少したことが入力されると、制御部138は、苗減少の警報を発すると共に、苗移動量センサ137の検出に拘らず、苗移送量変更モータ135へ出力して苗取り量変更レバーセンサ134aの検出に基づく基準位置に苗移送量変更モータ135を戻す。
尚、制御部138は、全ての苗量センサ140がOFFからONになる回数を累計してカウントし、このカウント値を2倍して苗載台80に補給された概ねの苗の枚数を計数する構成としてもよい。これにより、作業者が苗の使用枚数を把握できたり、その使用枚数に応じて適正な苗枚数で植付作業が行えるように前記設定移動量を補正して苗送り量を変更したりすることができる。
また、ハンドル23操作等に基づく機体旋回中でも苗移動量センサ137で苗の移動量を検出するようにしているので、更なる苗送り量の適正化が図れる。
尚、苗量センサ140の検出により苗の量が多いとき、センターフロート100の迎い角を前下がり側に補正する等して、苗植付部4の昇降制御の制御感度を敏感側に補正するようにしてもよい。また、苗量センサ140の検出により苗の量が多いとき、苗取り量変更レバー134を自動的に作動させる等して、苗取り量が多くなるように補正してもよい。
また、植付昇降操作スイッチにより苗植付部4を非作動状態にしたとき、前後進変速レバーセンサ24aにより前後進変速レバー24を中立位置に操作して走行を停止させたことを検出したとき、あるいは苗移動量センサ137で検出した苗の移動量が極端に大きいときは、苗移動量センサ137による苗の移動量の検出を行わない構成としてもよい。これにより、苗載台80への苗補給時に誤検出するようなことを防止できる。
尚、苗移動量センサ137のセンサ取付アーム139の回動角度を検出し、この回動角度によって設定移動量を補正する構成とすれば、苗の重量ひいては苗の水分状況に応じて、実際の苗の移動量が適正となるように制御することができる。
また、苗移動量センサ137、苗量センサ140及び苗移送量変更モータ135等を各条毎に設け、苗の移動量を各条毎に制御してもよい。
尚、この発明の実施の形態は乗用型の田植機1について記述したが、本発明は乗用型の田植機に限定されるものではない。
(苗送りベルト)
また、上記苗載台80には、その上部位置にも苗送りベルト151を設け、上下いずれかのプーリ軸152にロック機構を取付け、このプーリ軸152を苗送りに際してフリーとし、それ以外ではロックするように制御部138の制御処理を構成してベルト151を協調動作させることにより、苗の滑りによる下方の苗の圧縮を防止して植付け時の株分け量を一定にすることができる。また、プーリ軸152のロック機構からその制御ロッド153を従動側アーム90と連結することにより、上記同様の協調動作が可能となる。
(線引きマーカ)
次に、線引きマーカについて別の構成例により説明する。
図11は、線引きマーカ作動機構の側面図である。
昇降連結装置は平行リンク構成であって、1本の上リンクと左右一対の下リンク41,41を備えている。これらリンク41,41は、その基部側がメインフレームの後端部に立設したリンクベースフレーム42に回動自在に支持されており、先端側に縦リンクが連結されている。そして、縦リンクの下端部に苗植付部に回転自在に支承された連結軸が挿入連結され、連結軸を中心として苗植付部がローリング自在に連結されている。メインフレームに基部が枢着された昇降油圧シリンダ45のピストンロッドが上リンクに一体形成したスイングアームの先端部にスプリングを介して連結されており、該シリンダを油圧で伸縮させることにより、上リンクが上下に回動し、苗植付部がほぼ一定姿勢のまま昇降する。
左右の線引きマーカ53L,53Rは、苗植付部4の伝動ケース50の左右両端部に起立・転倒可能に設けられ、スプリング60,60にて転倒する側に付勢されている。苗植付部4の昇降動作に連動するマーカワイヤ61L,61Rが引かれると線引きマーカ53L,53Rが起立し、マーカワイヤ61L,61Rが戻されるとスプリング60,60の張力で線引きマーカ53L,53Rが転倒する。線引きマーカ53L,53Rは、起立姿勢では圃場の表土部に線引きしない状態となり、転倒姿勢では圃場の表土部に線引きする状態となる。
符号62はリンクベースフレーム42に固着された上リンク支持プレートで、該プレートにマーカ作動アーム63が回動自在に設けられている。このマーカ作動アーム63の先端部にはローラ65が取り付けられており、昇降油圧シリンダ45のピストンロッド45aが突出作動すると、該ピストンロッドに固着されたスプリング保持プレート66の押圧ピン66aがローラ65を押すことにより、マーカ作動アーム63が回動させられるようになっている。
また、上リンク支持プレート62には、マーカ作動アーム63と一体に回動する後リンク68と、該後リンクと平行な前リンク69とが回動自在に設けられ、これら平行リンク68,69の自由端部にワイヤ引きプレート70が連結されている。そして、このワイヤ引きプレート70に設けたピン70a,70bが、左マーカワイヤ用及び右マーカワイヤ用のワイヤ端取付プレート72L,72Rの長穴72a,72bにそれぞれ嵌合している。ワイヤ端取付プレート72L,72Rには、マーカワイヤ61L,61Rのインナ61aL,61aRの線引きマーカと反対側の端部につながれたロッド73L,73Rが取り付けられている。一方、マーカワイヤ61L,61Rのアウタ61bL,61bRは、リンクベースフレーム42に固定された側面視コ字状のソレノイドボックス取付枠74に固定されている。
前記ロッド73L,73Rはソレノイドボックス取付枠74に取り付けたソノレノイドボックス76の筒状部76a,76bに摺動自在に嵌合している。ソレノイドボックス内には、規制具としてソレノイド77L,77Rで駆動される規制ピン78L,78Rが設けられ、この規制ピンが突出すると、ロッド73L,73Rに係合してワイヤの戻り規制をするようになっている。
昇降油圧シリンダ45のピストンロッド45aが突出作動してマーカ作動アーム63が後方に回動すると、ワイヤ引きプレート70が前方へ移動し、これによりマーカワイヤ61L,61Rのインナ61aL,61aRが引かれて、線引きマーカ53L,53Rが起立する。昇降油圧シリンダ45のピストンロッド45aが後退すると、スプリング60,60の張力でマーカワイヤ61L,61Rのインナ61aL,61aRが戻され、線引きマーカ53L,53Rが転倒する。ワイヤ引きプレート70は略水平に移動するので、棒体73L,73Rに軸方向と交差する方向の無理な力が作用しない。また、規制ピン78L,78Rが突出した状態では、ワイヤが戻り規制されるので、昇降油圧シリンダ45のピストンロッド45aが後退しても、線引きマーカ53L(53R)が起立した状態のままに保たれる。このとき、ワイヤ引きプレート70のピン70a(70b)はワイヤ端取付プレート72L(72R)の長穴72a(72b)の後端部に位置する。次行程で機体が通る側の線引きマーカが転倒するように、車体2に設けたコントローラ(図示せず)でソレノイド77L,77Rが制御される。
ソレノイドボックス取付枠74は左側のリンクベースフレーム42の左側部に設けられ、そのソレノイドボックス取付枠よりも左側方に突出する状態でソレノイドボックス76が取り付けられている。ソレノイドボックス76の左側面部は、平面視で左側の下リンク41よりも外方に突出している。そして、その左側面部に開閉部としての蓋76cがボルト79,…で着脱自在に取り付けられている。このため、蓋76cを開けてソレノイドボックス76内のメンテナンスを容易に行える。
(夾雑物対応)
また、右側マーカの例によるマーカ基部の拡大構成図および要部分解斜視図を図12、図13にそれぞれ示すように、マーカ53Rの基端部の支点81の下方にピン82を設け、このピン82に作用して線引きマーカ53Rを上昇させるように、苗タンクの前板両端位置にそれぞれ作用アーム83を設ける。この作用アーム83は、線引きマーカ53Rの上昇を滑らかにするようにピン82に対する作用面を傾斜面とし、また、長穴式調節代として苗タンクが左右両端で一時停止するタイミングでピン82に作用する位置に合わせて取付ける。
上記構成の線引きマーカ53は、苗タンクが左右両端で一時停止する間に線引きマーカを水面から上昇させることにより、その間に線引きマーカに巻き込まれた夾雑物が水面に落下するので、線引きマーカから定期的に異物を排除することができる。また、作用アーム83の取付位置の調節により、外側位置にするとマーカ53の上昇タイミングが早まり、その上昇高さも増加することができる。
(苗箱式苗移植機)
次に、苗箱供給装置を備えた苗移植機について、図14〜図30の図面に基づき説明する。
本発明を実施する苗移植機1は、8条植えの施肥田植機であって、車体2の後側にリンク装置3を介して苗植付部4が昇降可能に装着され、車体2の後部には施肥装置5の肥料ホッパ5aと、各条ごとに肥料を繰り出す肥料繰出装置5bが配設されている。
車体2は、駆動回転する左右一対の操向可能な前輪6,6と駆動回転する左右一対の後輪7,7を備え、前後フレーム8上の前側にミッションケース9、その後側にエンジンEが搭載され、エンジンEの回転動力は、第一ベルト伝動装置10、第二ベルト伝動装置11を介してミッションケース9内に伝動されるようになっている。そして、ミッションケース9内のミッションで変速された動力が前輪6,6及び後輪7,7に伝達されると共に、伝動軸9a、中間ギヤケース9b、伝動軸9cを介して苗植付部4に伝動される。車体2の前側には前輪6,6を操向操舵するステアリングハンドル12が設けられ、また、該ハンドル12の後側には操縦者が着座する操縦座席13が設置されている。14はステップフロア、15は予備苗載台、16は線引きマーカ、17は噴霧用水タンクを示す。
また、L1はミッションを切り替えるチェンジレバー、L2は変速レバー、L3は植付部の伝動入・切及び植付部を昇降させる植付昇降レバー、L4は植付部の作業状態と非作業状態とを切り替えるフィンガアップレバー、L5は植付部昇降制御の感度を調節する副感度調節レバー、L6は植付部の下降を規制する下降ロックレバー、Dは対地昇降制御の感度を調節する感度調節ダイヤルである。
苗植付部4は、8条植えの構成で、昇降用油圧シリンダ26によって昇降用油圧(電磁)バルブ27を介して上下に昇降する構成であり、隣接する2条づつで共用の後下がりに傾斜した上下2段の苗箱供給部30,30…が左右並列に4組設けられ、これら各組の苗箱供給部の後端部に苗箱主搬送部31,31…が接続されて苗箱搬送路が構成されている。各苗箱主搬送部31は、上下2段の苗箱供給部30,30から順に1個づつ供給される苗箱を前半は下向きに搬送し、途中で搬送方向を徐々に変え、後半は上向きに搬送する側面視略U字条に形成されている。苗箱搬送部31の終端部に接続して、後記苗取出位置Pで苗を取り出された後の空の苗箱を複数個上下に重ねた状態で収容することのできる空箱収容枠38が設けられている。空箱ガイドレール39aと39bとの繋ぎ目に対応する部位には、空箱を上側から案内するガイド体40が設けられ、苗箱の周回移動が円滑に行われるようにしている。ところで、苗が取出された後の空の苗箱は、空箱ガイドレール39がU字状に上方に屈曲するよう設けているので、再び上方に搬送されていき、その上端部から排出される空の苗箱は、空箱収容枠38内に収容されることになる。
なお、この種の移植機に使用される苗箱Cとしては、縦横に多数配列した育苗ポットC1に苗が一株づつ収容された可撓性を有する苗トレイが使用される。
苗箱供給部30にある苗箱を主搬送部31へ供給する苗箱供給装置29が備えられている。苗箱供給部30,30の底面には空転ローラ20,…が設けられていて、載置されている苗箱が自重で後方に滑り落ちるようになっている。各苗箱供給部30の後端部には、苗箱主搬送部31の搬送路へ苗箱を供給する供給装置29として、苗箱の左右縁部を把持して苗箱を主搬送部側に繰り出す左右各一対の供給ローラ21,22と、該供給ローラの前方に位置し、外周部に形成された突起がポットとポットの隙間に下側から係合して苗箱を送る幅広の送りローラ23とが設けられている。上下苗箱供給部の下側供給ローラ22及び送りローラ23は、それぞれモータM1,M2で回転駆動される。
また、各苗箱主搬送部31に対応して、苗箱を苗箱搬送路に沿って搬送させる苗箱送り装置32と、苗箱主搬送部31の苗取出位置Pで搬送中の苗箱からポット横一列分づつ苗を取り出す苗取出装置33と、取り出された苗を下側前方に弧を描くような軌跡でもって搬送する苗搬送装置34と、該苗搬送装置から苗を抜き出す苗抜き装置35と、該苗抜き装置によって抜き出される横1列分の半分づつ左右両側に横送りする苗横送り装置36と、該苗横送り装置によって供給される苗を取って圃場に植え付ける苗植付装置37が設けられている。
駆動ケース41と一体のフレーム42の下側左右水平部分から植付伝動フレーム45が後方に延出され、駆動ケース41の上面には苗載台支持フレーム46が固着され、これで上下2段の苗箱供給部(供給台)30を支持している。ローリング支持軸24は、フレーム42の左右中央部分に固着の植付部支持ブラケット48に取り付けた軸受ケース50に回動自在に軸受され、植付部全体がローリング自在に支持されている。この植付部全体は、駆動ケース41上に設けた水平センサ43の検出値に基づきこの検出値が設定値に維持されるように、制御装置からの操作信号によりローリングモータ25を正逆転駆動することで、該植付部がローリングスプリング28を介して支持軸24回りに左右ローリング制御されるようになっている。なお、前記水平センサ43は、植付部の脱着部より後側に設置するようにしておくことで、植付部を交換しても作動の狂いをなくすことができる。
各ユニットの下方には、植付作業時に圃場面を整地しながら滑走する4個のフロート52,52,53,53が設けられ、支持アーム56の後端部に上下回動自在に枢着されている。これらフロートの左右両側には、各条の苗植付位置の近傍の圃場面に施肥用の溝を形成する作溝器54,…と、その後側に施肥ガイド5cとが取り付けられ、この施肥ガイド5cには肥料繰り出し装置5bからの肥料を移送する施肥ホース5dが連設されている。
苗箱送り装置32は、左右一対の送り爪60,60及び係止爪61,61とからなり、送り爪60,60は苗箱搬送路に沿って上下に往復動し、下動するときには苗箱の左右端縁部にポットのピッチと同ピッチで穿設された苗箱送り用の角孔に係合し、上動するときは角孔との係合が外れて次の角孔まで乗り越すように作動する。係止爪61,61は、送り爪60,60の動作と連動し、送り爪60,60が下動するときには、角孔から外れ、送り爪60,60が上動するときには、角孔に係合して苗箱を支えるように作動する。これら送り爪60,60及び係止爪61,61の作動により、苗箱搬送路31に沿って苗箱がポット配列の1ピッチ分づつ間欠的に送られる。この苗箱送り装置32の送り作動は、後記苗取出装置33の苗押出しピン72,…が苗箱のポット内に挿入されていない時に行われる。また、送り爪60,60及び係止爪61,61の搬送上手側には、係止爪61,61が先行する苗箱の角孔から抜け出るのに連動して苗箱搬送路に突出し、苗箱搬送路31を滑り落ちてくる後続の苗箱を一旦受け止める遮断爪63,63が設けられている。
苗箱送り装置32の作動機構は、駆動ケース41の上部を貫通する第一伝動軸64に苗箱送りカム65を設け、苗箱作動アーム66に回動自在に支承されたローラ67をカム65の外周面に常時当接するように苗箱送り作動アーム66をスプリング68で付勢している。苗箱送りカム65の回転により、苗箱送り作動アーム66が揺動し、その苗箱送り作動アーム66の揺動が苗箱送り駆動軸69を介して苗箱送り駆動アーム70,70に伝えられ、送り爪60,60を上下に往復動させる。カム65がローラ67を押す時に送り爪60,60が下動して苗箱を送るようになっている。
図27に示すように、送り爪60が最下点に下動した時、苗箱送り駆動アーム70で感知スイッチ71を押すように設けてあり、そして、この感知スイッチ71が押されないと、警報音を発するように連動構成しておくことができる。この構成によると、苗箱供給部での箱詰まり等により、苗箱送り不良をおこした時に、送り爪60の駆動アーム70が感知スイッチ71を押さなくなるので、警報ブザーにてオペレータに知らせることができ、連続欠株等の植付不良を防止できる。
苗箱供給部30,30と苗箱主搬送部31の搬送路には、苗箱の有無を検出する苗箱検出センサSW1〜SW7が設けられている。SW1(SW5)は、上段(下段)苗箱供給部30に苗箱が載置されているとき苗箱有りとなる。SW2(SW6)は、上段(下段)の供給ローラ21,22が苗箱を把持しているとき苗箱有りとなる。SW3は、上段搬送路と下段搬送路の合流部に設けられていて、上段又は下段の供給ローラ21,22が苗箱を開放する寸前まで繰り出しているとき苗箱有りとなる。
SW4は、SW3の位置と苗取出位置Pの直前位置との間に設けられていて、上段又は下段の供給ローラ21,22が苗箱を開放した直後に苗箱有りとなる。また、この苗箱検出センサSW4は、接触式のセンサにて構成され、このセンサの接触作用部tが遮断爪63の作用位置の搬送上手側から下手側にかけて位置するように配置されてあり、そして、このセンサが苗箱無しを検出すると、これに連動して苗箱供給装置29の供給ローラ21,22の作動により次の苗箱を繰り出し供給するようになっている。このようにして供給される苗箱が遮断爪63によって受け止められる直前に至っては、接触式検出センサ自体の押圧スプリング力によって接触抵抗を受けることになり、苗箱に制動作用が付与されて落下速度が緩和さるようになっている。
SW7は、苗箱送り駆動アーム70を駆動する苗箱作動アーム66の位置を検出する検出センサで、つまり、送り爪60及び係止爪61の作動位置を検出するセンサであり、苗箱作動アーム66が上動したときに押されてOFFになる構成である。
図17に示す構成例において、苗箱検出センサSW1〜SW7、フロート迎い角センサは、図18に示すように、コントローラに接続されている。そして、各センサからの情報に基づき、コントローラがモータM1,M2、苗減少ランプ、減少ブザー、及び昇降用油圧バルブに出力する。図19は、コントローラにおける制御のフローチャートであって、各検出センサSW1〜SW7からの入力を読み込み、それを図20に示す動作表と比較し、該当する入力条件のパターンに応じて出力を行う。いづれの入力条件にも該当しない時には出力は行なわない。
図20に示す動作表において、SW1〜SW6については、「0」は苗箱無し、「1」は苗箱有り、空白部は苗箱無し又は苗箱有りとする。SW7については、「1」はOFF時とし、空白部はON又はOFF時とする。また、「優先」はプログラム処理上のフラグで、その切換条件はNO.8とNO.13とする。「優先」の空白部は「1」又は「2」とし、電源投入時の「優先」は「1」とする。
植付作業を行う前に、上段搬送路に苗箱を1個装填すると共に、上下両苗箱供給部に苗箱を2個づつ載置する。この作業開始状態では、SW1〜SW7は「1」、優先は「1」となっており、いづれの入力条件にも該当しないので、モータM1,M2は停止している。上記状態から植付作業を開始すると、送り爪60と係止爪61が作動して、苗箱を1ピッチづつ間欠的に送る。これと同期して植付部4の各部が作動し、苗取出位置Pで苗箱の横一列分づつのポットから苗を取出し、それを圃場に植え付ける。作業が進行して、苗取出し中の苗箱(第一苗箱)の最後尾が苗取出位置Pの直前位置まで来て、SW3及びSW4が「0」になると、NO.5の入力条件となり、モータM1が作動する。これにより、上段苗箱供給部の次の苗箱(第二苗箱)が上段搬送部に繰り出される。この第二苗箱を開放する寸前まで繰り出すと、第二苗箱の先頭部が上下搬送路の合流部に達し、SW3が「1」になる。この状態は、SW1〜SW6については、NO.6−1の入力条件に該当している。従って、送り爪60の送り作動時即ち係止爪61が苗箱を支えていない時にはモータM1が一旦停止し、その後、係止爪61が苗箱を支えた状態で且つ苗箱遮断爪63が苗箱搬送路内に突入して苗箱の下端を受け止める状態になっている時(SW7が「1」)になった時点でモータM1が再作動して、第二苗箱を開放する。すると、第二苗箱は遮断爪63にて一旦受け止められる。
そして、第二苗箱を開放してSW2が「0」になると、NO.4の入力条件に切り替わり、モータM1の作動が継続され、次の第3苗箱の先頭部が供給ローラに把持される。すると、SW2が「1」になり、いづれの入力条件にも該当しなくなるので、モータM1は停止する。このようにして作業が進行し、第三苗箱の再後尾が苗取出位置Pの直前位置を通過し、SW3及びSW4が「0」になると、NO.13の入力条件となり、「優先」が「1」から「2」に切り替わる。すると、今度はモータM2が作動し、下段苗箱供給部の苗箱(第4苗箱)を繰り出す。 以下、上段苗箱供給部の第二苗箱、第三苗箱を上段搬送部に供給する場合と同様に、モータM2が適時作動して、下段苗箱供給部の第四苗箱、第五苗箱が順に下段搬送部に供給され、それぞれの苗箱から苗が取り出される。最後の第五苗箱が下段供給ローラから開放されると、NO.1の入力条件となり、苗減少ランプに出力する。苗減少ランプが点灯すると、上下苗供給部に苗補給する。また、苗減少ランプが点灯しても苗補給せず、第五苗箱の最後尾が苗取出位置Pの直前位置を通過してSW3及びSW4が「0」になると、NO.3の入力条件が4秒以上継続されることになるので、条件が成立してから4秒後に苗減少ブザーに出力する。
以上のような経過を経て苗箱供給部の苗箱が主搬送部の所定位置まで自動供給されるが、この作業中において、上記苗取出し中の苗箱の最後尾が苗取出位置Pの直前位置まで来て、苗箱検出センサSW3及びSW4が「0」になると、NO.5(又はNO・10、NO・13)の入力条件となり、モータM1又はM2の作動により、苗箱供給部にある次の苗箱が主搬送部の所定位置に繰り出されることになるが、このとき、モータM1又はM2が所定時間(約5秒程度)以上作動しても、苗箱が所定位置まで送られて来ない場合には、苗箱検出センサSW3がOFF作動し、苗箱送り不良警報装置BZに出力してオペレータに告知するようにしている。これにより、オペレータは苗箱送り不良と判断して速やかに対処することができる。
上記苗箱の自動供給装置において、上段搬送路と下段搬送路で苗箱を送るモータM1,M2の回転速度を切り替えできる構成としている。上段のモータM1の回転速度は、下段のモータM2の回転速度より遅くしている。つまり、図19に示すように、モータM2の連続出力に対し、モータM1のパルス出力によって回転速度を遅くしている。これは、上段搬送路は、下段搬送路に対し苗箱の落下する傾斜角度が大きいため、遮断爪に当たった時に苗箱の両端が破損し易い。自動供給時の上段を送るときは、モータM1の回転速度を遅くすることで、遮断爪に当たる時の速度が上下段共、同じになり、苗箱両端の破損を防ぐことができる。
なお、図20に示すように、モータM2のパルス出力に対し、モータM1を微小パルス出力とすることによってこの回転速度を遅くすることもできる。また、モータの回転速度と検出センサSW1からSW2間の苗箱の自由落下速度を略同じにすることで、苗箱がモータ部のローラへ激突する時の衝撃力が少なくなり、苗箱の破損を防ぐことができる。
なお、苗箱検出センサSWは、このセンサの接触作用部tが苗箱CのポットC1部に作用して感知する構成としてあり、前記SW1〜SW6の検出センサに利用することができる。これら各検出センサはポット部側面にて感知させるので、泥の影響を受けることがなく、ポット部は規則正しく成形された丸形状のため、確実に感知することができる。
苗取出装置33は、苗箱横方向のポットに対し同数同ピッチで並んだ苗押出しピン72,…が、前後方向に摺動自在に支持された左右一対のスライド軸73,73と一体に作動するように設けられている。スライド軸73にはラック73aが形成され、そのラックに第一扇形ギヤ74が噛み合っている。また、第一扇形ギヤ74が取り付けられているギヤ軸75には、別の第二扇形ギヤ76が取り付けられ、第二扇形ギヤ76は、支持軸78に回動自在に支持された苗取出作動アーム79のギヤ部79aと噛み合っている。苗取出作動アーム79のギヤ部79aと反対側の端部にはローラ80が回転自在に支承されており、そのローラ80が苗取出カム81のガイド溝81aに嵌り込んでいる。苗取出カム81の回転によりスライド軸73,73が前後にスライドし、該スライド軸が後方にスライドするときに、苗押出しピン72,…が苗取出位置Pにある苗箱の横一列分のポットに対し、ポット底部の切れ目からポット内に挿入され、苗を後方に押し出す。
また、前記ギヤ軸75には、ギヤ軸75以後の伝動系に所定以上の負荷がかかった場合には第一扇形ギヤ74からギヤ軸75への伝動を断つ安全クラッチ75aが設けられている。
さらに、ギヤ軸75には、苗押出しピン72,…の前後スライドのストロークを調節する機構75b、左右のスライド軸73,73の位置を調節する機構75cとが設けられている。苗箱送りカム66と苗取出カム81は第一伝動軸64に回転自在に嵌合する共通の筒体64aに一体形成され、該筒体と第一伝動軸64を外部操作する定位置停止クラッチ64bによって伝動入・切可能に連結している。
前記苗押出しピン72,…による苗取出位置Pの手前には苗箱の有無を検出するセンサスイッチSW8を設け(図17参照)ている。苗箱供給部に苗箱があって検出センサSW1又はSW5がON状態にあっても、前記SW8がOFFの場合には、苗箱送り不良として、主クラッチモータの駆動で走行クラッチを「切り」作動(同時に警報装置を作動するようにしてもよい。)して機体の走行を停止するように構成することもできる。従って、この走行停止によって、オペレータは苗箱送り不良であることを察知でき、速やかに対処することによって連続欠株を未然に防止することができる。
また、苗押出しピン72とスライド軸73との間に荷重センサ126を設け、荷重センサの検出結果による荷重値が軽い場合は噴霧の時間を通常より長くするように設定している。押出しピンの押出し荷重が軽いと、ポットが崩れ易い状態になるので、噴霧の時間を長くし、苗ホルダーや苗送りベルト等への泥の付着を少なくして植付を安定させることができる。押出しピンの荷重センサ126及び植付昇降レバーセンサ127が制御部128の入力側に接続され、制御部の出力側には噴霧用電磁バルブ129が接続されている。植付昇降レバーセンサ127が「植付」作業状態であることを検出し、前回の噴霧時から所定時間経過後、押出しピン荷重センサ値が「大」(重)の時には、噴霧用電磁バルブ129を通常の時間開く信号を出力する。逆に、押出しピン荷重センサ値が「小」(軽)の場合には、噴霧用電磁バルブ129を長時間開く信号を出力する。
なお、荷重センサが異常に重い値を検出した時には、警報ブザーを鳴らしてオペレータに報知するように構成することもできる。苗押出しピンが苗箱ポット部から芯ずれした位置を押し出すと、荷重センサが非常に重い検出値を出すので、これをオペレータに報知することによって植付不良を未然に防止することができる。
苗搬送装置34は、苗押出しピン72,…により苗箱から押し出される苗の床土部を保持する苗ホルダー83を備えている。苗ホルダー83は上下2本づつの揺動リンク84,85に連結された支持部材86,86に左右両端が固定されており、上記揺動リンクの揺動により円弧軌跡を描いて往復動するようになっている。苗搬送装置の駆動機構は、図26及び図29に示すように、第一伝動軸64の回転を、アーム88、伸縮ロッド89、アーム90を介して苗搬送伝動ケース91の入力軸92に反復回動運動として伝達し、更に、該入力軸92から一対の伝動ギヤ93、94を介して、揺動リンク85に取り付けられている苗搬送駆動軸95に反復回動運動を伝達するように構成されている。
また、図16に示すように、前記苗ホルダー83は、苗植付時において、植付クラッチ又は畦クラッチを切った時の苗ホルダーの停止位置が、苗を取りに行く方向で洗浄ノズル116から噴水される噴水圏(イ)内にあって停止するように構成している。これによれば、苗を植え付けしていない状態のときでも苗ホルダーを効率よく洗浄でき、泥の付着が少なくなって苗のキャッチングが安定することになる。
苗抜き装置35は、苗ホルダ83の苗保持部を前後に通り抜け可能な櫛状の苗叩き100を備えている。回動自在に設けた左右方向の苗叩き取付軸101に苗叩きアーム102を取り付け、更にその苗叩きアーム102に回動可能に取り付けた回動アーム103に苗叩き100を一体的に取り付けている。回動アーム103は長孔103aの範囲内でボルト102aを介して回動可能である。叩きアーム102に取り付けたローラ104が、カム軸105に取り付けられた苗叩きカム106のカム面に当接するようにスプリング107にて付勢している。苗叩きカム106が回転すると、該カムの凹部にローラ104嵌り込むときスプリング107の張力により苗叩き100が素早く下向きに回動し、直ぐに元の位置に復帰するように作動する。
苗ホルダー83が移動軌跡下端に移動してきたとき、苗ホルダ83の各苗保持部に保持されている苗を苗叩き100が受け止め苗ホルダー83のみを通過させて苗を抜き出すと共に、苗叩き100が下向きに回動し、抜き出された苗を後記苗横送り装置36の苗送りベルト113,113上に叩き落とす。
苗横送り装置36は、メインフレームに架設された苗横送り駆動軸110の駆動ローラ111と従動ローラ112とに巻き掛けた左右一対の苗送りベルト113,113を、それぞれの横送り作用部外側へ移動するように左右対称に設けている。横送り部の下側には落下する苗の重みでベルトが橈むのを防止する撓み防止板114が設けられている。苗抜き装置35により抜き落とされた横一列分の苗N,…は、各苗送りベルト113,113の上に整列で落下し、これを受けた苗送りベルト113,113が左右半分づつの苗をそれぞれ左右両側に搬送する。苗送りベルト113で搬送された苗Nは、一対の植付ガイド115,115の間に落し込まれる。
苗送りベルト113,113の上方には該ベルトに付着した泥土を洗い流す洗浄ノズル116,…が設けられている。洗浄ノズル116,…が一体に形成された通水パイプ117は、その両端部に一体の取付プレート118をボルト119により植付部フレームに固定することにより支持されている。
図21には、苗送りベルト113の周辺に泥が溜まると、その泥溜まりを検出する音波検出装置124が設けられている。この音波検出装置は泥溜まりを検出すると、警報ブザー等でオペレータに報知することで、オペレータはその泥溜まりを速やかに除去できるし、若しくは噴霧装置を作動して洗浄ノズルで洗い落すことができ、苗の植付不良を少なくすることができる。
洗浄(噴霧)装置に用いられるフィルター160は、上下2重の濾過網161と162とからなり、下側の濾過網161は固定とし、上側の濾過網162は羽根車163の下端に取り付けられて軸芯164回りに自由回転自在に軸架され、水の入る勢いで旋回するようになっている。2重濾過網によるフィルターであっても、フィルターにゴミが詰まってしまい、使用の途中で水の流れがが悪くなる。本例のように、上記構成によると、フィルターの目詰りが、入ってくる水の勢いで回転する上側濾過網の回転と、これに伴う水の旋回流とによって防止できる。
苗植付装置37は、植付伝動フレーム45の後端部に設けられた植付駆動軸120と一体回転する回転ケース121に一対の苗植込具122、122が取り付られ、苗植込具122、122が閉ループの先端軌跡を描いて移動する。各苗植込具122は、植付ガイド115,115の間に落し込まれた苗を交互に一株づつ取り、それを植付ガイド115,115の間を移動させて圃場に植え付ける。
植付部の伝動機構について図24及び図25に基づき説明すると、本機側から動力伝達される入力軸130はベベルギヤ131,132を介して第二伝動軸133と連動連結している。そして、第二伝動軸133から、8組のベベルギヤ135,136を介して各条の苗横送り駆動軸110へ伝動する。隣接する一対の苗横送り駆動軸110,110は、互いに逆向きに回転するようになっている。また、各植付伝動フレーム45内には、第二伝動軸133に取り付けたスプロケット137aと植付駆動軸120に取り付けたスプロケット137b掛け渡した伝動チエン137が設けられており、該チエン137により第二伝動軸133から植付駆動軸120へ伝動する。
更に、第二伝動軸133は、その外端部でベベルギヤ140,141を介して、左右2本の上下伝動軸142の下端部とそれぞれ連動連結している。左側の上下伝動軸142は、その上端部がベベルギヤ143,144を介して第一ユニット・第二ユニット用の第一伝動軸64と連動連結すると共に、その中間部がベベルギヤ147,148を介して第一ユニット・第二ユニット用の苗叩きカム軸105と連動連結している。同様に右側の上下伝動軸142は、第三ユニット・第四ユニット用の第一伝動軸64及び苗叩きカム軸105と連動連結している。
中央2個のセンタフロート52,52は、圃場面の凹凸を検出するものであり、両フロートの圃場面に対する角度(迎い角)αがフロート迎い角センサ150によって検出される。つまり、センサ150の検出アーム151が連結ロッド152を介して天秤アーム153に連結されている。天秤アーム153はロッド154を介してフロート52に連結される。これにより、フロートの迎い角が検出されることになるが、植付作業時に、植付部をフロートが接地する作業位置まで下降させると、植付部が圃場面から一定の高さに維持されるようにフロート迎い角センサ150の検出値に基づく対地昇降制御を行う。
感度調節ダイヤル18は、植付部の昇降制御感度とローリング制御感度を同時に調節できる構成としてある。ローリング制御の作動速度を感度調節ダイヤルのレンジと連動させ、ローリング作動速度は圃場の土壌が軟弱な場合はゆっくりと遅くし、圃場の土壌が硬いときにはローリング作動速度を速くするように連動構成することで、安定した苗の植え付けができるようにしている。制御部28の入力側に、植付部の昇降制御感度とローリング制御感度を調節する感度調節ダイヤル18と、圃場面の左右方向の傾きを検出する水平センサ43と、対地高さの変動量に起因するフロートの前上がり前下がり量を検出するフロート迎い角センサ150を接続し、制御部の出力側には、水平センサの左右の対地高さ検出結果に基づき植付部を左右にローリング制御するローリングモータ25と、フロート迎い角センサの前上がり前下がり量検出結果に基づき植付部を上下に昇降制御する昇降用油圧電磁バルブ27を接続している。
土壌が軟弱な場合は、フロートが沈み気味となって迎い角前上がりとなり、フロートの応答性が鈍感になるので、ローリングモータ速度は遅くし、土壌が硬い場合は、フロートは浮き気味となって迎い角前下がりとなり、フロートの応答性が敏感になるので、ローリングモータ速度は速くする。このように土壌条件に応じた適正なローリング制御を行い植付精度の向上が図れる。
(昇降感度)
次に、昇降感度の制御について説明する。
昇降感度は、苗箱供給装置29との関係において、その苗箱検出センサSW1〜SW3,SW5,SW6の信号に基づく感度補正を行う。一例として制御区分図表を図30に示すように、全センサがオンの場合を基準(無補正)として全センサがオフの場合の「2.5段硬」までの範囲を0.5段刻みで感度補正を行うことにより、苗の減少に応じて油圧感度を鈍く制御することができる。
乗用型の田植機の側面図 乗用型の田植機の平面図 粉粒体吐出装置の要部拡大側面図 爪車軸の分解斜視図 貯留物排出状態の要部側面図 粉粒体吐出装置の別の配置例を表した要部側面図 苗載台の苗送り伝動構成を分かりやすく示す正面図 苗載台の苗移送量変更装置を分かりやすく示す断面側面図 苗載台の苗移動量センサを分かりやすく示す断面側面図 ブロック図 線引きマーカ作動機構の側面図 右側マーカの例によるマーカ基部の拡大構成図 図12のマーカ基部の要部分解斜視図 苗移植機の側面図 同上平面図 苗植付部の要部の側面図 苗箱供給部及び苗箱搬送部の側面図 苗箱供給の制御ブロック図 苗箱供給用フローチャート 各部材の動作表 苗叩き及び苗送りベルトの背面図 苗抜き装置の側面図 洗浄装置の背面図 植付部の伝動機構図 植付伝動機構部の一部の背断面図 駆動ケースの背断面図 図26のS1−S1断面図 図26のS2−S2断面図 苗搬送駆動ケースの側断面図 感度補正の一例としての図表形式の制御区分図
符号の説明
62 粉粒体吐出装置
63b 排出口
63 粉粒体貯溜部
63a 蓋
64 繰出ロール
64a 繰出軸
65 支持フレーム
65a 受部
66 爪車
66a 爪車軸
67 ベルト伝動機構
68 クラッチ機構
68 テンションアーム
68a 共通軸
69 スプリング
70 操作レバー
71 支持フレーム

Claims (1)

  1. 投入された薬剤肥料等の粉粒体を貯留する粉粒体貯留部(63)と、その粉粒体を一定量ずつ繰り出す繰出部(64)と、この繰出部(64)に繰出動力を供給する伝動部(67)とからなる粉粒体吐出装置において、
    上記粉粒体貯留部(63)はその貯留粉粒体を排出可能に可動支持し、かつ、上記伝動部(67)には、その動力伝達を入り切りするクラッチ機構(68)を設け、このクラッチ機構(68)は、入切動作のための操作レバー(70)を備えるとともに、上記粉粒体貯留部(63)を固定する位置と開放する位置に対応して操作レバー(70)の入切操作範囲を設け、クラッチ機構(68)の動力伝達の入り状態のとき、操作レバー(70)が粉粒体貯留部(63)を固定する位置になり、クラッチ機構(68)の動力伝達の切り状態のとき、操作レバー(70)が粉粒体貯留部(63)を開放する位置になることを特徴とする粉粒体吐出装置。
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