JP2009296912A - 苗移植機 - Google Patents

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Satoru Kato
哲 加藤
Kazuhiro Takegawa
和弘 竹川
Makoto Kawada
誠 川田
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Abstract

【課題】本発明では、圃場を滑走するフローとの前側に整地ロータを配設した苗移植機で、苗植付部の左右ローリングと対地高さの制御感度の調整時の制御方法に工夫を凝らすことで苗植付部の苗植え付け深さが均等になるようにすることが課題である。
【解決手段】走行車体の後部に整地ロータとフロートを備えた苗植付部を設け、水平センサが検出する苗植付部の左右の傾きとフロート迎い角センサの検出する圃場面の前後傾きでローリングモータと昇降用油圧電磁バルブを制御して苗植付部のローリングと昇降を制御する苗移植機において、各センサの検出信号に対する制御動作の感度を調整する感度調節手段を設け、該感度調節手段を鈍感に調整した場合に整地ロータの高さ調整量を標準よりも低く制御した。
【選択図】図19

Description

この発明は、苗移植機に関する。
ポット状苗の苗移植機として、例えば、特開平09−238513号公報に記載の苗植機がある。この苗移植機は、多数の育苗ポットを連接してなる可撓性苗箱からポット苗を受け取り圃場に植え付ける植付部と、ポット苗の入った可撓性苗箱を機体後方側から植付部に向かって案内し該植付部にて湾曲し再び後方に向けて空の可撓性苗箱を案内する苗載せ台を備えている。
特開平09−238513号公報
従来の苗移植機は、苗の植付深さを均等にするために、苗植付部の左右方向傾きを水平センサで検出し前後方向の傾きをフロートの迎角センサで検出し、植付部の左右ローリングと対地高さを制御している。この圃場面の凹凸変化に対する苗植付部の制御感度は圃場の硬軟によって感度調整手段で変更可能にしているが、感度調整のみでは圃場の硬軟や凹凸に対する対応が充分でなく、苗植付部の苗植付深さが均等にならない。
そこで、本発明では、圃場を滑走するフローとの前側に整地ロータを配設した苗移植機で、苗植付部の左右ローリングと対地高さの制御感度の調整時の制御方法に工夫を凝らすことで苗植付部の苗植え付け深さが均等になるようにすることが課題である。
上記本発明の課題は、次の技術手段により解決される。
請求項1に記載の発明は、走行車体(2)の後部に整地ロータ(57),(58)とフロート(52),(53)を備えた苗植付部(4)を設け、フロート迎い角センサ(150)の圃場面の検出に基づいて昇降用油圧バルブ(27)を制御して苗植付部(4)を昇降制御する苗移植機において、苗植付部(4)の昇降制御の制御感度を調整する感度調節手段(D)を設け、該感度調節手段(D)を鈍感側に調整すると整地ロータ(57),(58)の高さを低い側に補正制御する構成とした苗移植機とした。
この構成で、感度調節手段(D)を鈍感に調整すると、整地ロータ(57,58)の高さが標準よりも低く制御される。
請求項1に記載の発明では、圃場の土壌が荒れている場合には感度調節手段Dを鈍感に調整するのであるが、そうすると整地ロータ57,58の高さが標準よりも低く制御されて、圃場面の均しが良好になる。
この発明の実施例を、図面を参照しながら以下に説明する。
本発明を実施する苗移植機1は、8条植えの施肥田植機であって、乗用走行車体2の後側にリンク機構3を介して苗植付部4が昇降可能に装着され、走行車体2の後部には施肥装置5の肥料ホッパ5aと、各条ごとに肥料を繰り出す肥料繰出装置5bが配設されている。
走行車体2は、駆動回転する左右一対の操向可能な前輪6,6と駆動回転する左右一対の後輪7,7を備え、前後フレーム8上の前側にミッションケース9、その後側にエンジンEが搭載され、エンジンEの回転動力は、第一ベルト伝動装置10、第二ベルト伝動装置11を介してミッションケース9内に伝動されるようになっている。そして、ミッションケース9内のミッションで変速された動力が前輪6,6及び後輪7,7に伝達されると共に、伝動軸9a、中間ギヤケース9b、伝動軸9cを介して苗植付部4に伝動される。
車体2の前側には前輪6,6を操向操舵するステアリングハンドル12が設けられ、また、該ステアリングハンドル12の後側には操縦者が着座する操縦座席13が設置されている。14はステップフロア、15は予備苗載台、16は線引きマーカ、17は噴霧用水タンクを示す。
また、L1はミッションを切り替えるチェンジレバー、L2は変速レバー、L3は植付部の伝動を入・切及び植付部4を昇降させる植付昇降レバー、L4は植付部4の作業状態と非作業状態とを切り替えるフィンガップレバー、L5は植付部昇降制御の感度を調節する副感度調節レバー、L6は植付部の下降を規制する下降ロックレバー、Dは対地昇降制御の感度を調節する感度調節ダイヤルである。
前輪6,6は、図21に示す如く、外側のメイン車輪6aと内側の補助車輪6bとで構成している。メイン車輪6aは車軸18に固着し、補助車輪6bはメイン車輪6aよりやや小径で車軸18に軸方向へスライド可能に係合すると共に内側の固定リング49とメイン車輪6aとの間に設ける圧縮バネ19で挟み込んでいる。後輪7,7も同様な構成である。このように前輪6,6と後輪7,7を構成すると、旋回時に補助車輪6bは外側に逃げて圃場面を荒らすことが少ない。
前輪6,6の車軸駆動はミッションケース9内のデフギア駆動であるが、ステアリングハンドル12が90°以上回されて前輪6,6が30°以上傾くと、デフギアの差動機構をロックして働かなくする。
また、後輪7,7の車軸駆動もデフギア駆動であるが、左右車軸に回転センサを設け、ステアリングハンドル12が直進で左右後輪7,7の回転差が一定以上になると車輪のスリップが生じているとして、デフギアの差動機構をロックして働かなくする。
苗植付部4は、8条植えの構成で、昇降用油圧シリンダ26によって昇降用油圧電磁バルブ27を介してリンク機構3で苗植付部4を上下に昇降する構成であり、隣接する2条ずつで共用の後下がりに傾斜した上下2段の苗箱供給部30,30・・・が左右並列に4組設けられ、これら各組の苗箱供給部の後端部に苗箱主搬送部31,31・・・が接続されて苗箱搬送路が構成されている。各苗箱主搬送部31は、上下2段の苗箱供給部30,30から順に1個ずつ供給される苗箱を前半は下向きに搬送し、途中で搬送方向を徐々に変え、後半は上向きに搬送する側面視略U字条に形成されている。苗箱搬送部31の終端部に接続して、後記苗取出位置Pで苗を取り出された後の空の苗箱を複数個上下に重ねた状態で収容することのできる空箱収容枠38が設けられている。
図3に示す如く、空箱ガイドレール39aと39bとの繋ぎ目に対応する部位には、空箱を上側から案内するガイド体40が設けられ、苗箱の周回移動が円滑に行われるようにしている。ところで、苗が取出された後の空の苗箱は、空箱ガイドレール39aと39bがU字状に上方に屈曲するよう設けているので、再び上方に搬送されていき、その上端部から排出される空の苗箱は、空箱収容枠38内に収容されることになる。
なお、この種の移植機に使用される苗箱Cとしては、縦横に多数配列した育苗ポットC1に苗が一株ずつ収容された可撓性を有する苗トレイが使用され、苗箱供給部30にある苗箱C主搬送部31へ供給する苗箱供給装置29が備えられている。
苗箱供給部30,30の底面には空転ローラ20,・・・が設けられていて、載置されている苗箱Cが自重で後方に滑り落ちるようになっている。各苗箱供給部30の後端部には、苗箱主搬送部31の搬送路へ苗箱を供給する苗箱供給装置29として、苗箱の左右縁部を把持して苗箱を主搬送部側に繰り出す左右各一対の供給ローラ21,22と、該供給ローラ21,22の前方に位置し、外周部に形成された突起が育苗ポットC1と育苗ポットC1の隙間に下側から係合して苗箱を送る幅広の送りローラ23とが設けられている。上下苗箱供給部30の下側供給ローラ22及び送りローラ23は、それぞれモータM1,M2で回転駆動される。
また、各苗箱主搬送部31に対応して、苗箱を苗箱搬送路に沿って搬送させる苗箱送り装置32と、苗箱主搬送部31の苗取出位置Pで搬送中の苗箱からポット横一列分ずつ苗を取り出す苗取出装置33と、取り出された苗を下側前方に弧を描くような軌跡でもって搬送する苗搬送装置34と、該苗搬送装置34から苗を抜き出す苗抜き装置35と、該苗抜き装置35によって抜き出される横1列分の半分ずつ左右両側に横送りする苗横送り装置36と、該苗横送り装置によって供給される苗を取って圃場に植え付ける苗植付装置37が設けられている。
苗搬送装置34の上側に位置して薬剤タンク51を設け、苗取出装置33で取り出した育苗ポットC1に薬剤を供給する。
駆動ケース41と一体のフレーム42の下側左右水平部分から植付伝動フレーム45が後方に延出され、駆動ケース41の上面には苗載台支持フレーム46が固着され、これで上下2段の苗箱供給部(供給台)30を支持している。ローリング支持軸24は、フレーム42の左右中央部分に固着の植付部支持ブラケット48に取り付けた軸受ケース50に回動自在に軸受され、植付部全体がローリング自在に支持されている。この植付部全体は、駆動ケース41上に設けた水平センサ43の検出値に基づきこの検出値が設定値に維持されるように、制御装置128からの操作信号によりローリングモータ25を正逆転駆動することで、該植付部4がローリングスプリング28を介して支持軸24回りに左右ローリング制御されるようになっている。なお、前記水平センサ43は、植付部の脱着部より後側に設置するようにしておくことで、苗植付部4を交換しても作動の狂いをなくすことができる。
各ユニットの下方には、植付作業時に圃場面を滑走する4個のフロート52,52,53,53が設けられ、支持アーム56の後端部に上下回動自在に枢着されている。これらフロート52,52,53,53の左右両側には、各条の苗植付位置の近傍の圃場面に施肥用の溝を形成する作溝器54,・・・と、その後側に施肥ガイド5cとが取り付けられ、この施肥ガイド5cには肥料繰り出し装置5bからの肥料を移送する施肥ホース5dが連設されている。
フロート52,52,53,53の前側に位置して整地ロータ57,58を設けているが、そのロータフレーム59は、苗載台支持フレーム46に取り付けた支持杆62に吊り杆86,87で吊下げられ、整地ロータ57,58が苗植付部4の昇降と共に昇降する。
整地ロータ57,58は、ロータフレーム59に取り付けた電動モータ96で回転駆動され、支持杆62は苗載台支持フレーム46と空箱収容枠38で囲まれた隅部に設けている。また、ロータフレーム59にはロータ高さセンサ44(図示省略)を設けている。
支持杆62をロータ昇降用モータ47(図示省略)で昇降するようにして、整地ロータ57,58を昇降制御する。この整地ロータ57,58の昇降制御は、後述する自動制御で行う他に、植付深さ調節レバー98のグリップ98aに設ける昇降スイッチ99a,99bで行うこともある。植付深さ調節レバー98は、苗植付装置37とフロート52,52,53,53の間隔を変更して苗の植付深さを変更する。
苗箱送り装置32は、左右一対の送り爪60,60及び係止爪61,61とからなり、送り爪60,60は苗箱搬送路に沿って上下に往復動し、下動するときには苗箱の左右端縁部に育苗ポットC1のピッチと同ピッチで穿設された苗箱送り用の角孔に係合し、上動するときは角孔との係合が外れて次の角孔まで乗り越すように作動する。係止爪61,61は、送り爪60,60の動作と連動し、送り爪60,60が下動するときには、角孔から外れ、送り爪60,60が上動するときには、角孔に係合して苗箱を支えるように作動する。これら送り爪60,60及び係止爪61,61の作動により、苗箱搬送路31に沿って苗箱がポット配列の1ピッチ分ずつ間欠的に送られる。この苗箱送り装置32の送り作動は、後記苗取出装置33の苗押出しピン72,・・・が苗箱のポット内に挿入されていない時に行われる。また、送り爪60,60及び係止爪61,61の搬送上手側には、係止爪61,61が先行する苗箱の角孔から抜け出るのに連動して苗箱搬送路に突出し、苗箱搬送路31を滑り落ちてくる後続の苗箱を一旦受け止める遮断爪63,63が設けられている。
なお、送り爪60,60及び係止爪61,61は、単独で苗箱の係止位置から外れるようにして、停止時に苗箱を引き抜くようにすれば良い。
苗箱送り装置32の作動機構は、図13,15に示すごとく、駆動ケース41の上部を貫通する第一伝動軸64に苗箱送りカム65を設け、苗箱作動アーム66に回動自在に支承されたローラ67をカム65の外周面に常時当接するように苗箱送り作動アーム66をスプリング68で付勢している。苗箱送りカム65の回転により、苗箱送り作動アーム66が揺動し、その苗箱送り作動アーム66の揺動が苗箱送り駆動軸69を介して苗箱送り駆動アーム70,70に伝えられ、送り爪60,60を上下に往復動させる。苗箱送りカム65がローラ67を押す時に送り爪60,60が下動して苗箱を送るようにしている。
図14に示すように、送り爪60が最下位置に下動した時、苗箱送り駆動アーム70で感知スイッチ71を押すように設けてあり、そして、この感知スイッチ71が押されないと、警報音を発するように連動構成しておくことができる。この構成によると、苗箱供給部での箱詰まり等により、苗箱送り不良をおこした時に、送り爪60の駆動アーム70が感知スイッチ71を押さなくなるので、警報ブザーにてオペレータに知らせることができ、連続欠株等の植付不良を防止できる。
苗箱供給部30,30と苗箱主搬送部31の搬送路には、苗箱の有無を検出する苗箱検出センサSW1〜SW7が設けられている。SW1(SW5)は、上段(下段)苗箱供給部30に苗箱が載置されているとき苗箱有りとなる。SW2(SW6)は、上段(下段)の供給ローラ21,22が苗箱を把持しているとき苗箱有りとなる。SW3は、上段搬送路と下段搬送路の合流部に設けられていて、上段又は下段の供給ローラ21,22が苗箱を開放する寸前まで繰り出しているとき苗箱有りとなる。
SW4は、SW3の位置と苗取出位置Pの直前位置との間に設けられていて、上段又は下段の供給ローラ21,22が苗箱を開放した直後に苗箱有りとなる。また、この苗箱検出センサSW4は、接触式のセンサにて構成され、このセンサの接触作用部Tが遮断爪63の作用位置の搬送上手側から下手側にかけて位置するように配置されてあり、そして、このセンサが苗箱無しを検出すると、これに連動して苗箱供給装置29の供給ローラ21,22の作動により次の苗箱を繰り出し供給するようになっている。このようにして供給される苗箱が遮断爪63によって受け止められる直前に至っては、接触式検出センサ自体の押圧スプリング力によって接触抵抗を受けることになり、苗箱に制動作用が付与されて落下速度が緩和さるようになっている。
SW7は、苗箱送り駆動アーム70を駆動する苗箱作動アーム66の位置を検出する検出センサで、つまり、送り爪60及び係止爪61の作動位置を検出するセンサであり、苗箱作動アーム66が上動したときに押されてOFFになる構成である。
図4に示す構成例において、苗箱検出センサSW1〜SW7は、図5に示すように、コントローラに接続されている。そして、各センサからの情報に基づき、コントローラがモータM1,M2、苗減少ランプ、及び減少ブザーに出力する。
なお、図7に示す苗箱検出センサSWは、このセンサの接触作用部Tが苗箱CのポットC1部に作用して感知する構成としてあり、前記SW1〜SW6の検出センサに利用することができる。これら各検出センサはポット部側面にて感知させるので、泥の影響を受けることがなく、ポット部は規則正しく成形された丸形状のため、確実に感知することができる。
苗取出装置33は、図15に示すごとく、苗箱横方向のポットに対し同数同ピッチで並んだ苗押出しピン72,・・・が、前後方向に摺動自在に支持された左右一対のスライド軸73,73と一体に作動するように設けられている。スライド軸73にはラック73aが形成され、そのラックに第一扇形ギヤ74が噛み合っている。また、第一扇形ギヤ74が取り付けられているギヤ軸75には、別の第二扇形ギヤ76が取り付けられ、第二扇形ギヤ76は、支持軸78に回動自在に支持された苗取出作動アーム79のギヤ部79aと噛み合っている。苗取出作動アーム79のギヤ部79aと反対側の端部にはローラ80が回転自在に支承されており、そのローラ80が苗取出カム81のガイド溝81aに嵌り込んでいる。苗取出カム81の回転によりスライド軸73,73が前後にスライドし、該スライド軸が後方にスライドするときに、苗押出しピン72,・・・が苗取出位置Pにある苗箱の横一列分のポットに対し、ポット底部の切れ目からポット内に挿入され、苗を後方に押し出す。
また、図13に示すごとく、前記ギヤ軸75には、ギヤ軸75以後の伝動系に所定以上の負荷がかかった場合には第一扇形ギヤ74からギヤ軸75への伝動を断つ安全クラッチ75aが設けられている。さらに、ギヤ軸75には、苗押出しピン72,・・・の前後スライドのストロークを調節する機構75bと、左右のスライド軸73,73の位置を調節する機構75cとが設けられている。苗箱送りカム66と苗取出カム81は第一伝動軸64に回転自在に嵌合する共通の筒体64aに一体形成され、該筒体64aと第一伝動軸64を外部操作する定位置停止クラッチ64bによって伝動入・切可能に連結している。
前記苗押出しピン72,・・・による苗取出位置Pの手前には苗箱の有無を検出するセンサスイッチSW8を設けている(図4参照)。苗箱供給部に苗箱があって検出センサSW1又はSW5がON状態にあっても、前記SW8がOFFの場合には、図6に示すように、苗箱送り不良として、主クラッチモータの駆動で走行クラッチを「切り」作動(同時に警報装置を作動するようにしてもよい。)して機体の走行を停止するように構成することもできる。従って、この走行停止によって、オペレータは苗箱送り不良であることを察知でき、速やかに対処することによって連続欠株を未然に防止することができる。
苗搬送装置34は、苗押出しピン72,・・・により苗箱から押し出される苗の床土部を保持する苗ホルダー83を備えている。苗ホルダー83は上下2本ずつの揺動リンク84,85に連結された支持部材86,86に左右両端が固定されており、上記揺動リンクの揺動により円弧軌跡を描いて往復動するようになっている。苗搬送装置の駆動機構は、図13及び図16に示すように、第一伝動軸64の回転を、アーム88、伸縮ロッド89、アーム90を介して苗搬送伝動ケース91の入力軸92に反復回動運動として伝達し、更に、該入力軸92から一対の伝動ギヤ93、94を介して、揺動リンク85に取り付けられている苗搬送駆動軸95に反復回動運動を伝達するように構成されている。
また、図3に示すように、前記苗ホルダー83は、苗植付け時において、植付クラッチ又は畦クラッチを切った時の苗ホルダー83の停止位置が、苗を取りに行く方向で洗浄ノズル116から噴水される噴水圏(イ)内にあって停止するように構成している。これによれば、苗を植え付けしていない状態のときでも苗ホルダーを効率よく洗浄でき、泥の付着が少なくなって苗のキャッチングが安定することになる。
苗抜き装置35は、図9に記載のごとく、苗ホルダー83の苗保持部を前後に通り抜け可能な櫛状の苗叩き100を備えている。回動自在に設けた左右方向の苗叩き取付軸101に苗叩きアーム102を取り付け、更にその苗叩きアーム102に回動可能に取り付けた回動アーム103に苗叩き100を一体的に取り付けている。回動アーム103は長孔103aの範囲内でボルト102aを介して回動可能である。叩きアーム102に取り付けたローラ104が、カム軸105に取り付けられた苗叩きカム106のカム面に当接するようにスプリング107にて付勢している。苗叩きカム106が回転すると、該カムの凹部にローラ104が嵌り込むときスプリング107の張力により苗叩き100が素早く下向きに回動し、直ぐに元の位置に復帰するように作動する。
苗ホルダー83が移動軌跡下端に移動してきたとき、苗ホルダー83の各苗保持部に保持されている苗を苗叩き100が受け止め苗ホルダー83のみを通過させて苗を抜き出すと共に、苗叩き100が下向きに回動し、抜き出された苗を後記苗横送り装置36の苗送りベルト113,113上に叩き落とす。
苗横送り装置36は、図8に示す如く、メインフレームに架設された苗横送り駆動軸110の駆動ローラ111と従動ローラ112とに巻き掛けた左右一対の苗送りベルト113,113を、それぞれの横送り作用部外側へ移動するように左右対称に設けている。横送り部の下側には落下する苗の重みでベルトが橈むのを防止する撓み防止板114が設けられている。苗抜き装置35により抜き落とされた横一列分の苗N・・・は、各苗送りベルト113,113の上に整列で落下し、これを受けた苗送りベルト113,113が左右半分ずつの苗をそれぞれ左右両側に搬送する。苗送りベルト113で搬送された苗Nは、一対の植付ガイド115,115の間に落し込まれる。苗送りベルト113の周辺に泥が溜まると、その泥溜まりを検出する音波検出装置124が設けられている。この音波検出装置は泥溜まりを検出すると、警報ブザー等でオペレータに報知することで、オペレータはその泥溜まりを速やかに除去できるし、若しくは噴霧装置を作動して洗浄ノズルで洗い落すことができ、苗の植付不良を少なくすることができる。
図10に示す如く、苗送りベルト113,113の上方には該ベルトに付着した泥土を洗い流す洗浄ノズル116,・・・が設けられている。洗浄ノズル116,・・・が一体に形成された通水パイプ117は、その両端部に一体の取付プレート118をボルト119により植付部フレームに固定することにより支持されている。
苗植付装置37は、図3に示す如く、植付伝動フレーム45の後端部に設けられた植付駆動軸120と一体回転する回転ケース121に一対の苗植込具122、122が取り付けられ、苗植込具122、122が閉ループの先端軌跡を描いて移動する。各苗植込具122は、植付ガイド115,115の間に落し込まれた苗を交互に一株ずつ取り、それを植付ガイド115,115の間を移動させて圃場に植え付ける。
植付部の伝動機構について図11及び図12に基づき説明すると、本機側から動力伝達される入力軸130はベベルギヤ131,132を介して第二伝動軸133と連動連結している。そして、第二伝動軸133から、8組のベベルギヤ135,136を介して各条の苗横送り駆動軸110へ伝動する。隣接する一対の苗横送り駆動軸110,110は、互いに逆向きに回転するようになっている。また、各植付伝動フレーム45内には、第二伝動軸133に取り付けたスプロケット137aと植付駆動軸120に取り付けたスプロケット137bに掛け渡した伝動チエン137が設けられており、伝動チエン137により第二伝動軸133から植付駆動軸120へ伝動する。
更に、第二伝動軸133は、その外端部でベベルギヤ140,141を介して、左右2本の上下伝動軸142の下端部とそれぞれ連動連結している。左側の上下伝動軸142は、その上端部がベベルギヤ143,144を介して第一ユニット・第二ユニット用の第一伝動軸64と連動連結すると共に、その中間部がベベルギヤ147,148を介して第一ユニット・第二ユニット用の苗叩きカム軸105と連動連結している。同様に右側の上下伝動軸142は、第三ユニット・第四ユニット用の第一伝動軸64及び苗叩きカム軸105と連動連結している。
中央2個のセンタフロート52,52は、圃場面の凹凸を検出するものであり、両フロートの圃場面に対する角度(迎い角)αがフロート迎い角センサ150によって検出される。つまり、図17に示すように、センサ150の検出アーム151が連結ロッド152を介して天秤アーム153に連結されている。天秤アーム153はロッド154を介してフロート52に連結される。これにより、フロートの迎い角αが検出されることになるが、植付作業時に、苗植付部4をロート52,52,53,53が接地する作業位置まで下降させると、苗植付部4が圃場面から一定の高さに維持されるようにフロート迎い角センサ150の検出値に基づく対地昇降制御を行う。
感度調節ダイヤルDは、苗植付部4の昇降制御感度とローリング制御感度を同時に調節できる構成としてある。ローリング制御の作動速度を感度調節ダイヤルDのレンジと連動させ、ローリング作動速度は圃場の土壌が軟弱な場合はゆっくりと遅くし、圃場の土壌が硬いときにはローリング作動速度を速くするように連動構成することで、安定した苗の植え付けができるようにしている。
図18に示す制御ブロック図において、制御部128の入力側に、苗植付部4の昇降制御感度とローリング制御感度を調節する感度調節ダイヤルDと、苗植付部4の左右方向の傾きを検出する水平センサ43と、対地高さの変動量に起因するセンタフロート52,52の前上がり前下がり量を検出するフロート迎い角センサ150と、整地ロータ57,58の高さを検出するロータ高さセンサ44を接続し、制御部128の出力側には、水平センサ43の左右の対地高さ検出結果に基づき植付部4を左右にローリング制御するローリングモータ25と、フロート迎い角センサ150の前上がり前下がり量検出結果に基づき植付部4を上下に昇降制御する昇降用油圧電磁バルブ27と、整地ロータ57,58を昇降するロータ昇降用モータ47を接続している。
土壌が軟弱な場合は、センタフロート52,52が沈み気味となって迎い角αが前上がりとなると、ローリングモータ25の回転速度は遅くして苗植付部4の昇降応答性を鈍感にし、土壌が硬い場合は、センタフロート52,52は浮き気味となって迎い角が前下がりとなると、ローリングモータ25の回転速度を速くして苗植付部4の昇降応答性を敏感にする。このように土壌条件に応じた適正なローリング制御を行うように感度調節ダイヤルDを調整して植付精度の向上が図れる。
さらに、図19に示す如く、整地ロータ57,58の高さも制御する。すなわち、ステップS11で感度調節ダイヤルDの感度調節ダイアル値に応じてフロート迎い角センサ150の制御目標値を設定し、ステップS12で感度調節ダイヤルDの感度調節ダイアル値に応じてロータ高さセンサ44の制御目標値を設定が感度が鈍感の場合にはロータ高さセンサ44の制御目標値を低めに設定する。ステップS13でフロート迎い角センサ値が制御目標値範囲内かを判定し、YES(範囲内)であればステップS14で昇降用油圧電磁バルブ27を中立にし、NO(範囲外)であればステップS15で昇降用油圧電磁バルブ27を切替作動制御する。さらに、ステップS16でロータ高さセンサ値が制御目標値範囲内かを判定し、YES(範囲内)であればステップS17でロータ昇降用モータ47を中立にし、NO(範囲外)であればステップS18でロータ昇降用モータ47を作動制御する。
苗移植機の全体側面図である。 同上の全体平面図である。 苗植付部の要部拡大側面図である。 苗箱供給部及び苗箱搬送部の側面図である。 苗箱供給の制御ブロック図である。 苗箱供給の制御フローチャートである。 苗箱検出センサの側面図(a)、及び正面図(b)である。 苗叩き及び苗送りベルトの背面図である。 苗抜き装置の側面図である。 洗浄装置の背面図である。 植付部の伝動機構図である。 植付伝動機構部の一部の背断面図である。 駆動ケースの背断面図である。 図13のS1−S1断面図である。 図13のS2−S2断面図である。 苗搬送駆動ケースの側断面図である。 フロートの側面図である。 制御ブロック図である。 制御フローチャート図である。 一部の拡大平面図である。 一部の拡大平面図である。
符号の説明
D 感度調節手段(感度調整ダイヤル)
2 走行車体
4 苗植付部
25 ローリングモータ
27 昇降用油圧電磁バルブ
43 水平センサ
52,53 フロート
57,58 整地ロータ
150 フロート迎い角センサ

Claims (1)

  1. 走行車体(2)の後部に整地ロータ(57),(58)とフロート(52),(53)を備えた苗植付部(4)を設け、フロート迎い角センサ(150)の圃場面の検出に基づいて昇降用油圧バルブ(27)を制御して苗植付部(4)を昇降制御する苗移植機において、苗植付部(4)の昇降制御の制御感度を調整する感度調節手段(D)を設け、該感度調節手段(D)を鈍感側に調整すると整地ロータ(57),(58)の高さを低い側に補正制御する構成とした苗移植機。
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