JP6354368B2 - 苗移植機 - Google Patents

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Description

本発明は、圃場を走行しながら苗の植付等の作業を行う苗移植機に関するものである。
苗移植機として、ポット苗を収容する筒状のポットを複数備える苗箱を搬送し、搬送途中でポットからポット苗を取り出し、取り出したポット苗を苗植付装置で圃場に植え付ける苗移植機が、特許文献1に開示されている。
また、土質の柔らかい圃場において、泥土によって走行を妨げられることを防止すべく、走行輪の外側に補助車輪を装着した苗移植機が、特許文献2に開示されている。
特許第5051114号公報 特開2014−108080号公報
特許文献1に示される苗移植機は、ポット苗の移植に対応する苗植付部を搭載しているので、機体後部の重量が重く、土質の柔らかい圃場では走行輪が泥土に沈み込み、走行速度が低下することがある。この問題を解消すべく、特許文献2に示される補助車輪を装着し、土質の柔らかい圃場であっても走行輪と補助車輪の推進力によって安定した走行、及び苗の植付が可能な構成としている。
しかしながら、特許文献2に示される補助車輪は、走行輪と略同じ径であり、走行輪が沈む箇所では補助車輪も同様に沈むので、補助車輪を設けていても走行が妨げられ、作業能率や燃費が低下する問題がある。
また、走行輪と補助車輪が略同じ径であることにより、走行輪と補助車輪が泥土を持ち上げやすく、持ち上げた泥土が走行車体に付着すると、この泥土を除去する作業に要する時間と労力が余分に必要になる問題がある。
さらに、持ち上げた泥土が落下した際、圃場に植え付けた苗を泥土が押し潰してしまい、苗が生育しなくなり、収穫量が減少する問題がある。
本発明は、圃場の土質にかかわらず安定した走行及び苗植付作業が行えると共に、圃場の泥土を持ち上げにくい苗移植機を提供することを目的とする。
また、苗箱の搬送動作の不良を確実に認識して、圃場に苗が植え付けられない区間が発生することを抑制することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、圃場を走行する走行輪(12b)を備える走行車体(2)の後部に、ポット苗を収容した苗箱(C)を積載するポット苗載置部(24)と、該ポット苗載置部(24)に積載した苗箱(C)をポット苗毎に送る苗箱搬送装置(32)と、該苗箱搬送装置(32)で搬送中の苗箱(C)からポット苗を取り出す苗取出装置(33)と、取り出されたポット苗を圃場に植え付ける苗植付装置(37)で構成する苗植付部(3)を設けた苗移植機において、
前記走行輪(12b)の左右に第1補助車輪(12c)と第2補助車輪(12d)を各々着脱自在に設け、
前記第1補助車輪(12c)の後方に圃場面を滑走して整地する第1整地部材(38o)を設け、前記第2補助車輪(12d)の後方に第2整地部材(38i)を設け、該第1整地部材(38o)と第2整地部材(38i)の左右間隔部の幅を、前記走行輪(12b)の幅と同じ、または走行輪(12b)の左右幅よりも広く形成し、
前記苗箱搬送装置(32)の前記苗箱(C)の送り動作を検知する搬送回数検知装置(47)と、前記苗箱搬送装置(32)による前記苗箱(C)の移動を検知する移動検知装置(49)と、報知装置(50)を設け、
前記搬送回数検知装置(47)が所定回数の前記苗箱(C)の送り動作を検知する間に、前記移動検知装置(49)が苗箱(C)の移動を検知しない場合前記報知装置(50)で報知する構成としたことを特徴とする苗移植機とした。
請求項2に記載の発明は、接触回転体(54)と、被検知回転体(55)と、回転センサ(56)から前記移動検知装置(49)を構成し、前記接触回転体(54)と前記被検知回転体(55)を同じ軸の回転軸(200)に設け、前記苗箱(C)を接触回転体(54)に接触させ、苗箱(C)が移動すると接触回転体(54)と被検知回転体(55)が回転し、被検知回転体(55)の回転を回転センサ(56)で検出して苗箱(C)の移動を検出するように構成したことを特徴とする請求項1に記載の苗移植機とした。
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請求項1に記載の発明によれば、走行輪(12b)の側方に第1補助車輪(12c)及び第2補助車輪(12d)を着脱自在に設けたことにより、複数の車輪を圃場面に接触させて推進力を発生させることができるので、泥土の抵抗に足を取られて走行速度が低下することが防止され、作業能率が向上すると共に、余分な燃料消費が抑えられ、燃費の向上が図られる。
また、第1補助車輪(12c)の後方に第1整地部材(38o)を設けると共に、第2補助車輪(12d)の後方に第2整地部材(38i)を設けたことにより、第1補助車輪(12c)及び第2補助車輪(12d)の接地により生じる泥土の盛り上がりを均すことができるので、苗の植付深さが安定し、植付精度が向上する。
また、第1整地部材(38o)と第2整地部材(38i)の左右間隔部の幅を走行輪(12b)の幅と同じ、または走行輪(12b)の左右幅よりも広くしたことにより、走行輪(12b)が押し上げる泥土に第1整地部材(38o)及び第2整地部材(38i)が乗り上げて浮き上がることを防止できるので、第1整地部材(38o)及び第2整地部材(38i)の整地性が維持される。
また、搬送回数検知装置(47)が苗箱搬送装置(32)の所定回数の送り動作を検知する間に、移動検知装置(49)が苗箱(C)の移動を検知しないと、報知装置(50)が報知する。このために、苗箱搬送装置(32)が送り動作を行って作動しているのにもかかわらず、苗箱(C)の移動が検知されていないと、報知装置(50)が作動して、苗箱(C)の搬送動作の不良を作業者が確実に認識することができる。したがって、圃場に苗が植え付けられない区間が発生することを抑制でき、ポット苗を手作業で植え付けることを抑制することができる。
また、搬送回数検知装置(47)が苗箱搬送装置(32)の送り動作を所定回数検知する間に、移動検知装置(49)が苗箱(C)の移動を検知するか否かで、苗箱(C)の搬送動作の良否を判定するので、走行速度が遅くなって苗箱搬送装置(32)の送り動作を検知する時間間隔が長くなっても、苗箱(C)の移動を正確に検知することができる。したがって、走行速度が高速時でも低速時でも、苗箱(C)の移動を正確に検知することができ、苗箱(C)の搬送の誤検知を抑制することができる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、接触回転体(54)と被検知回転体(55)とを同軸に配置することで、苗箱(C)の搬送動作を検知しやすくなり、誤検知を抑制することができるとともに、構成の簡素化を図ることができる。
また、苗箱(C)の送り動作を被検知回転体(55)の回転で検知するので、苗箱(C)の送り量の少ないうちに苗箱(C)の搬送動作の不良を検知することができる。したがって、仮に、ポット苗が植え付けられない区間が生じても、このポット苗が植え付けられない区間を短く抑えることができる。
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苗移植機の側面図 苗移植機の平面図 苗植付部の要部側面図 苗植付部の側面図 苗植付部の苗抜き装置の背面図 図5に示す苗抜き装置の側面図 苗植付部の植付伝導機構部の伝動機構図 苗植付部の植付伝導機構部の要部背断面図 苗植付部の駆動ケースの側断面図 苗植付部の駆動ケースの他の側断面図 苗移植機で用いる苗箱の部分平面図 本願苗移植機のブロック図 苗植付部の搬送動作判定装置等を示す平面図 図13に示す搬送動作判定装置の側面図 図13に示す搬送動作判定装置の背断面図 (a)苗移植機の後輪を示す側面図、(b)苗移植機の第1補助車輪を示す側面図、(c)苗移植機の第2補助車輪を示す側面図、(d)後輪に第1補助車輪と第2補助車輪を装着した側面図 後輪に第1補助車輪と第2補助車輪を装着した背面図 別構成例の接触回転体を示す要部正面図 第1補助車輪と第2補助車輪を装着した後輪と、フロートのは位置関係を示す要部平面図 苗植付部の搬送動作判定装置にセンサカバーを設けた側面図 苗植付部の搬送動作判定装置にセンサカバーを設けた背面図 苗植付部の搬送動作判定装置にセンサカバーを設けた平面図 苗移植機の操縦部の要部平面図 別構成例の苗植付部の搬送動作判定装置の要部側面図 別構成例の苗植付部の搬送動作判定装置の要部背面図 別構成例の苗植付部の搬送動作判定装置の要部背面図
以下に、本発明の実施形態に係る苗移植機を図面に基づいて詳細に説明する。なお、これらの実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能且つ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。さらに、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
本発明の実施形態に係る苗移植機1を、図1から図15に基いて説明する。図1は、実施形態に係る苗移植機を表す側面図である。図2は、実施形態に係る苗移植機を表す上面図である。図3は、実施形態に係る苗移植機の苗植付部の要部を示す側面図である。図4は、実施形態に係る苗移植機の苗植付部の側面図である。図5は、実施形態に係る苗移植機の苗植付部の苗抜き装置の背面図である。図6は、図5に示された苗抜き装置の側面図である。図7は、実施形態に係る苗移植機の苗植付部の植付伝導機構部の伝動機構図である。図8は、実施形態に係る苗移植機の苗植付部の植付伝導機構部の一部の背断面図である。図9は、実施形態に係る苗移植機の苗植付部の駆動ケースの側断面図である。図10は、実施形態に係る苗移植機の苗植付部の駆動ケースの他の側断面図である。図11は、実施形態に係る苗移植機で用いられる苗箱の一部の平面図である。図12は、実施形態に係る苗移植機の一部の構成を示すブロック図である。
実施形態に係る苗移植機1は、走行しながら圃場に苗を植え付けるものである。なお、以下では、苗移植機1の前進方向を前方側(図1および図2の左側)とし、苗移植機1の後退方向を後方側(図1および図2の右側)とし、苗移植機1の前後方向に直交する直交方向を左右方向とし、苗移植機1の前後方向に直交する鉛直方向を上下方向としている。
実施形態に係る苗移植機1は、図11に示された苗箱Cに収容されたポット苗N(図5及び図6に示す)を圃場に植え付けるものである。苗箱Cは、ゴムなどの弾性材料で構成され、マット状に形成されている。苗箱Cは、ポット苗Nを収容する円筒状のポットC1を複数設けている。苗箱Cが苗植付部3のポット苗載置部24上に積載されると、複数のポットC1が、左右方向に並ぶ。左右方向に並ぶ複数のポットC1は、生育列C2を構成する。生育列C2は、前後方向、即ち、ポット苗載置部24における苗箱Cの移動方向に複数設けられることとなる。
図1および図2に示すとおり、苗移植機1は、走行車体2と、走行車体2の後部(後方側)に装着された苗植付部3と、動力伝達機構4と、整地装置6と、制御装置5(図12に示す)などを備えている。
前記走行車体2は、走行するための左右一対の前輪12a,12aおよび左右一対の後輪(走行輪)12b,12bからなる4つの車輪12を有し、該4つの車輪12を駆動輪とする4輪駆動車となっている。前記左右の後輪12b,12bは、圃場面と接触する際に生じる推進力を強めるべく、後輪12bの左右幅よりも幅広な、板状のラグ体12xを外周縁部に所定間隔毎に設けている。本件の図16(a)及び図17に示す後輪12bには、一例として11枚のラグ体12xが設けられている。
これにより、左右の後輪12b,12bが圃場面に接触しながら回転すると、所定間隔毎に強い推進力が生じるので、泥土の抵抗によって走行速度が低下することや、走行できなくなることが防止される。
また、後輪12は、中心から所定間隔(約120度)毎にスポーク12s複数本、図16(a)では3本設けており、各スポーク12s…間は開放空間としている。これにより、後輪12bに付着した泥土は開放空間から下方に落下するので、持ち上げられた泥土が後輪12bとリアステップ21の間に溜まることが防止され、作業後の泥土除去に要する作業時間が軽減される。
しかしながら、湿田など、泥土の抵抗が非常に大きく、走行が妨げられやすい圃場では、4輪駆動で、且つ後輪12にラグ体12xを備えていても、安定した走行ができないことがある。
この問題を解消すべく、前記左右の後輪12b,12bの機体外側に、該後輪12bよりも僅かに小径である第1補助車輪12c,12cを各々着脱自在に設け、該左右の第1補助車輪12c,12cの外周縁部に、第1補助車輪12cの左右幅よりも幅広な、板状の補助ラグ体12yを外周縁部に所定間隔毎に設けている。本件の図16(b)及び図17に示す第1補助後輪12cには、一例として12枚の補助ラグ体12yが設けられている。
なお、本件では、該補助ラグ体12yをラグ体12xよりも1枚多く設けているが、第1ラグ体12yはラグ体12xよりも数が多く、且つ補助ラグ体12yとラグ体12xが側面視で重なり合わない構成としている。これに加えて、第1補助車輪12cを形成する3本の第1補助スポーク12tを、前記スポーク12s同士の間隔部に臨ませる。具体的には、スポーク12sと第1補助スポーク12tを、図16(d)で示すとおり、側面視方向で60度ごとに交互に配置する。
これにより、左右の第1補助車輪12c,12cが圃場に接地する際の、補助ラグ体12yの接地機会が増えるので、走行に必要な推進力を効率よく得ることができ、安定した走行性能が確保される。左右の第1補助車輪12c,12cが接地するときは、左右の後輪12b,12bのうち少なくとも一方が圃場に沈んだ状態であるので、走行速度と姿勢の安定を確保するには、より高い推進力が必要となる。
そして、ラグ体12xと補助ラグ体12yが各々泥土を持ち上げても、ラグ体12xと補助ラグ体12yの前後間から泥土が下方に落下しやすくなるので、持ち上げた泥土が左右の後輪12b,12bとリアステップ21の上下間に詰まることが防止され、除去作業に要する作業に要する時間と労力が抑えられる。
また、スポーク12s及び第1補助スポーク12tが圃場の泥土を持ち上げても、スポーク12sと第1補助スポーク12tの間隔部から持ち上げた泥土が落下するので、泥土が左右の後輪12b,12bとリアステップ21の上下間に詰まることが防止され、除去作業に要する作業に要する時間と労力が抑えられる。
なお、前記左右の後輪12b,12bの径を、一例として950mmとすると、左右の第1補助車輪12c,12cの径は、一例として900mmとすると、左右の第1補助車輪12c,12cは左右の後輪12b,12bが少し沈んだときに接地して作用する構成となり、左右の後輪12b,12bのみでも安定した走行が可能な硬い圃場や、路上を走行する際に余分な接地抵抗が加わることが防止され、後述するエンジン11のトルクが過度に増加せず、燃費の低減が図られる。
また、圃場との接触機会を減らすことにより、余分に泥土を持ち上げることを防止できるので、機体に泥土が付着しにくくなると共に、落下した泥土が植え付けた苗を押し倒すことが防止される。
一方、圃場が柔らかい場所や、溝や凹凸等の多い場所であり、左右の後輪12b,12bが沈み込むときは、左右に第1補助車輪12c,12cを設けていても、接地状態が不安定になることがある。
このとき、図16(c)及び図17に示す、前記左右の後輪12b,12bの機体内側に、第2補助車輪12d,12dを着脱自在に設け、左右の後輪12b,12b及び左右の第1補助車輪12c,12cが沈んだ際に接地して、走行車体2の姿勢を安定させる構成とするとよい。
該第2補助車輪12d,12dは、図17に示すとおり、正(背)面視で上部及び下部が上下中央部よりも機体内側に位置する形状とし、前記左右の後輪12b,12bに駆動力を伝動する左右の後輪ギアケース12g,12gにできるだけ密着させ、後輪12bや第1補助車輪12c等ができるだけ機体外側に寄らない構成とする。
このとき、前記第2補助車輪12d,12dにはラグ体を設けず、泥土をできるだけ持ち上げない構成とすると、左右の第2補助車輪12d,12dと左右の後輪ギアケース12g,12gの左右間に泥土が溜まることを防止できるので、泥土の除去作業に要する時間と労力が軽減される。
また、該第2補助車輪12d,12dの径は、一例として870mmとし、左右の後輪12b,12bだけでなく左右の第1補助車輪12c,12cまでも下降したときに作用する構成とすると、不要な接地による接地抵抗の増加を防止し、エンジン11のトルクの増加による燃費の低下や、圃場と過度に接触して泥土を持ち上げることが防止される。
なお、第2補助車輪12d,12dには、図16(c)(d)で示すとおり、第1補助車輪12c,12cと同じ角度で補助スポーク12t…を120度ごとに3本設け、後輪12b,12bのスポーク12s…と共に泥土を持ち上げにくい構成とするとよい。
図1に示すとおり、前記走行車体2は、メインフレーム10と、メインフレーム10に搭載されたエンジン11などを有している。この苗移植機1において、エンジン11の駆動力は、走行車体2を前進または後退させるために使用されるだけでなく、苗植付部3を駆動させるためにも使用される。
エンジン11は、ディーゼル機関やガソリン機関等の熱機関であって、出力軸から駆動力を出力する。出力軸は、走行車体2の左側方から突出している。エンジン11は、走行車体2の左右方向における略中央で、且つ、作業者が乗車時に足を載せるフロアステップ13aよりも上方に突出させた状態で配置されている。このとき、エンジン11の出力軸は、フロアステップ13aの床面よりも下方に位置している。
ここで、フロアステップ13aは、走行車体2の前部(前方側)とエンジン11の後部(後方側)との間に渡って設けられており、メインフレーム10上に取り付けられている。フロアステップ13aは、その一部が格子状となっており、靴に付いた泥を圃場に落とせる構成としている。また、フロアステップ13aの後方には、後輪12b,12bのフェンダを兼ねたリアステップ13bが設けられている。このリアステップ13bは、後方に向うに従って上方に向う方向に傾斜した傾斜面を有しており、エンジン11の左右それぞれの側方に配置されている。
エンジン11は、これらのフロアステップ13aとリアステップ13bとから上方に突出しており、これらのステップから突出している部分には、エンジン11を覆うエンジンカバー14が配設されている。即ち、エンジンカバー14は、フロアステップ13aとリアステップ13bとから上方に突出した状態で、エンジン11を覆っている。
また、走行車体2には、エンジンカバー14の上部に操縦席15が設置されており、操縦席15の前方で、且つ、走行車体2の前部には、フロントカバー16が配設されている。このフロントカバー16は、フロアステップ13aの床面から上方に突出した状態で配置されており、フロアステップ13aの前方側を左右に分断している。
このフロントカバー16の内部には、図示しない制御装置、操作パネル等の操作装置、ステアリング機構およびエンジン用燃料の燃料タンク等が配設されている。また、フロントカバー16の上部には、各種操作レバー等や計器類、ハンドル17が配設されている。
このハンドル17は、作業者が回転操作することにより、前輪12a,12aをステアリング操舵する操舵部材として設けられており、フロントカバー16内のステアリング機構等を介して前輪12a,12aをステアリング操舵(転舵)させることが可能になっている。
また、フロントカバー16の上部に設けられた各種操作レバーとしては、走行車体2の前後進、停止及び移動速度を切り換える走行操作レバー(図示せず)が配設されている。
また、フロントカバー16の上部に設けられた各種操作レバーとしては、走行車体2が路上を走行する「路上走行モード」と、走行車体2が走行しながら圃場に苗を植え付ける「
作業走行モード」等とを切り換える副変速操作レバー(図示せず)などが配設されている。
また、フロアステップ13aにおけるフロントカバー16の左右それぞれの側方に位置する部分には、補給用の苗箱Cなどを載せておく予備苗枠18が配置されている。予備苗枠18は、補給用の苗箱Cなどを載せる予備苗載台18aを上下方向に複数段備えている。また、走行車体2のフロントカバー16の左右それぞれの側方には、線引きマーカー19が設けられている。
また、走行車体2の操縦席15の後方に施肥装置20(図1、図2に示す)が設けられている。施肥装置20は、肥料ホッパ20aに貯留されている粒状の肥料を植付作業中に一定量ずつ圃場に放出する。
動力伝達機構4は、メインフレーム10の前部に設置されたミッションケース21などを備えている。エンジン11の駆動力は、第1ベルト伝動装置、第2ベルト伝動装置を介してミッションケース21に伝動される構成としている。ミッションケース21内のミッションで変速された駆動力が前輪12a及び後輪12bに伝達されるとともに、伝動軸、中間ギヤケースなどを介して苗植付部3に伝動される。
苗植付部3は、本実施形態では、8条植えの構成で、苗植付部3昇降機構22によって、昇降自在に走行車体2の後部に設けられている。苗植付部3昇降機構22は、昇降リンク機構22aと、昇降用シリンダ22bとを有しており、苗植付部3は、昇降リンク機構22aを介して走行車体2に取り付けられている。昇降リンク機構22aは、走行車体2の後部と苗植付部3とを連結させる上リンクと下リンクとを有しており、これらのリンクが、メインフレーム10の後部端に立設した背面視門型のリンクベースフレーム23に回動自在に連結され、各リンクの他端側が苗植付部3に回転自在に連結されることにより、苗植付部3を昇降可能に走行車体2に連結している。昇降用シリンダ22bは、ロッドを伸縮させることで、リンクを回転させて、苗植付部3を昇降させる。
苗植付部3は、図3及び図4などに示すとおり、ポット苗載置部24と、苗箱搬送装置32と、苗取出装置33と、苗搬送装置34と、苗抜き装置35と、苗横送り装置36と、苗植付装置37と、植付伝動機構部25(図7などに示す)と、搬送動作判定装置26(図14などに示す)などを備える。また、苗植付部3は、駆動ケース41や植付伝動フレーム45が一体に構成されている。なお、ポット苗載置部24と、苗箱搬送装置32と、苗取出装置33と、苗搬送装置34と、苗抜き装置35と、苗横送り装置36と、苗植付装置37と、搬送動作判定装置26とを1対1対応させて、これら対応させたものを複数設け、対応するもの同士で2条分のポット苗Nを圃場に植え付けるものである。
さらに、ポット苗載置部24と苗箱搬送装置32と苗取出装置33と苗搬送装置34と苗抜き装置35と苗横送り装置36と苗植付装置37と搬送動作判定装置26で構成されるユニットを左右方向に複数並べて設けている。本実施形態では、ポット苗載置部24と苗箱搬送装置32と苗取出装置33と苗搬送装置34と苗抜き装置35と苗横送り装置36と苗植付装置37と搬送動作判定装置26とで構成されるユニットが合計4つ設けられている。
ポット苗載置部24は、走行車体2の後部に設けられ、且つポット苗Nを複数収容した苗箱Cを積載するものである。ポット苗載置部24は、図4などに示すとおり、隣接する2条ずつで共用の後下がりに傾斜した上下2段のポット苗箱導入部30,30が左右並列に4組設けられ、これら各組のポット苗箱導入部30,30の後端部には、苗箱主搬送路31,31が接続されて苗箱Cを移送する。上下2段のポット苗箱導入部30,30は、駆動ケース41から上方に延びる苗載台支持フレーム46を介して支持されている。
苗箱主搬送路31は、上下2段のポット苗箱導入部30,30から順に1個ずつ供給される苗箱Cを前半は下向きに搬送し、途中から円弧に沿って搬送方向を徐々に変え、後半は上向きに搬送する側面視略U字状に形成されている。
苗箱主搬送路31の後端部には、苗取出位置で苗を取り出された後の空の苗箱Cを複数個上下に重ねた状態で収容することのできる空箱収容部27が設けられている。苗箱主搬送路31には、ポット苗箱導入部30にある苗箱Cを送り出す供給ローラ29a,29bによる苗箱供給装置29が備えられ、載置されている苗箱Cはポット苗箱導入部30,30の底面の空転ローラ29cにより傾斜に沿って自重で後方に滑り落ちる。
苗箱供給装置29は、ポット苗導入部30の後端部に設けられている。苗箱供給装置29は、苗箱Cの左右縁部を把持して苗箱Cを苗箱主搬送路31側に繰り出す左右各一対の供給ローラ29a,29bと、該供給ローラ29a,29bの前方に位置し、外周部に形成された突起がポットC1とポットC1の隙間に下側から係合して苗箱Cを送る幅広の送りローラ29dとが設けられている。供給ローラ29b及び送りローラ29dは、それぞれモータM1,M2で回転駆動される。
苗箱搬送装置32は、ポット苗載置部24に積載された苗箱Cを一つの生育列C2のポット苗毎に間欠的に苗植付装置37(即ち、空箱収容部27)側に送り出すものである。
苗箱搬送装置32は、図3に示すとおり、苗箱主搬送路31に設けられ、左右一対の苗送り回動部材60,60及び係止爪61,61とからなる。苗送り回動部材60,60は、走行車体2の走行に連動して回動することで、苗箱Cを空箱収容部27側に間欠的に送るものである。苗送り回動部材60,60は、苗箱主搬送路31に沿って上下に往復動し、下動するときには苗箱Cの左右端縁部にポットC1のピッチと同ピッチで穿設された苗箱送り用の角孔C3(図11に示す)に係合し、上動するときは角孔C3との係合が外れて次の角孔C3まで乗り越す作動構成としている。
係止爪61,61は、苗送り回動部材60,60の動作と連動し、苗送り回動部材60,60が下動するときには、角孔C3から外れ、苗送り回動部材60,60が上動するときには、角孔C3に係合して苗箱を支える作動構成としている。これら苗送り回動部材60,60及び係止爪61,61の作動により、苗箱主搬送路31に沿って苗箱Cが、ポットC1が配列されて構成された生育列C2の1ピッチ分ずつ間欠的に送られる。
苗箱搬送装置32の送り作動は、苗取出装置33の苗押出しピン72が苗箱CのポットC1内に挿入されていない時に行われる。また、苗送り回動部材60,60及び係止爪61,61の搬送上手側には、係止爪61,61が先行する苗箱Cの角孔C3から抜け出るのに連動して苗箱主搬送路31に突出し、苗箱主搬送路31を滑り落ちてくる後続の苗箱Cを一旦受け止める遮断爪63,63が設けられている。
苗箱搬送装置32の作動機構は、図9に示すとおり、駆動ケース41の上部を貫通する第一伝動軸64に苗箱送りカム65を設け、苗箱作動アーム66に回動自在に支承されたローラ67をカム65の外周面に常時当接させるべく、苗箱作動アーム66をスプリング68で付勢している。苗箱送りカム65の回転により、苗箱作動アーム66が揺動し、その苗箱作動アーム66の揺動が苗箱送り駆動軸69を介して苗箱送り駆動アーム70,70に伝えられ、苗送り回動部材60,60を上下に往復動させる。カム65がローラ67を押す時に苗送り回動部材60,60が下動して苗箱Cを送る構成としている。
苗取出装置33は、苗取出位置P(図3等に示す)で苗箱CのポットC1からポット苗Nを取り出すものである。苗取出装置33は、苗箱Cの生育列C2を構成する左右方向に並んだポットC1に対し同数同ピッチで並んだ苗押出しピン72(図10に示す)が、前後方向に摺動自在に支持された左右一対のスライド軸73,73と一体に作動すべく設けられている。スライド軸73にはラック73aが形成され、そのラック73aに駆動ケース41内の第一扇形ギヤ74が噛み合っている。
また、第一扇形ギヤ74が取り付けられているギヤ軸75には、別の第二扇形ギヤ76が取り付けられ、第二扇形ギヤ76は、支持軸78に回動自在に支持された苗取出作動アーム79のギヤ部79aと噛み合っている。苗取出作動アーム79のギヤ部79aと反対側の端部にはローラ80が回転自在に支承されており、そのローラ80が苗取出カム81のガイド溝81aに嵌り込んでいる。苗取出カム81の回転によりスライド軸73,73が前後にスライドし、該スライド軸73,73が後方にスライドするときに、苗押出しピン72が苗取出位置Pにある苗箱Cの一列分の生育列C2のポットC1に対し、ポットC1底部の切れ目からポットC1内に挿入され、ポット苗Nを後方に押し出す。苗箱送りカム65と苗取出カム81は、第一伝動軸64に回転自在に嵌合する共通の筒体64aに一体形成されている。
苗搬送装置34は、苗取出装置33によって取り出されたポット苗Nを下側前方に弧を描くような軌跡でもって苗抜き装置35に向かって搬送するものである。苗搬送装置34は、苗押出しピン72により苗箱CのポットC1から押し出されるポット苗Nの床土部N1(図6に示す)を保持する苗ホルダー83を備えている。
該苗ホルダー83は、図3に示すとおり、上下2本ずつの揺動リンク84,85に連結された支持部材86,86に左右両端が固定されており、上記揺動リンク84,85の揺動により円弧軌跡を描いて往復動するようになっている。苗搬送装置34は、図8に示すように、第一伝動軸64の回転がアーム88、伸縮ロッド89、アーム90を介して苗搬送伝動ケース91の入力軸92に反復回動運動として伝達され、更に、入力軸92から一対の伝動ギヤ93、94を介して、揺動リンク85に取り付けられている苗搬送駆動軸95に反復回動運動を伝達されるように構成されている。
苗抜き装置35は、苗搬送装置34からポット苗Nを抜き出すものである。苗抜き装置35は、苗抜き装置35は、図5及び図6に示すとおり、苗ホルダー83を前後に通り抜け可能な櫛状の苗叩き100を備えている。回動自在に設けた左右方向の苗叩き取付軸101に苗叩きアーム102を取り付け、更にその苗叩きアーム102に回動可能に取り付けた回動アーム103に苗叩き100を一体的に取り付けている。回動アーム103は、長孔103aの範囲内でボルト102aを介して回動可能である。叩きアーム102に取り付けたローラ104が、カム軸105に取り付けられた苗叩きカム106のカム面に当接するようにスプリング107にて付勢している。苗叩きカム106が回転すると、苗叩きカム106の凹部106aにローラ104嵌り込むときスプリング107の張力により苗叩き100が素早く下向きに回動し、直ぐに元の位置に復帰するように作動する。
苗抜き装置35は、苗ホルダー83が移動軌跡下端に移動してきたとき、苗ホルダー83に保持されているポット苗N、苗叩き100が受け止め、苗ホルダー83のみを通過させてポット苗Nを抜き出す。そして、苗叩き100が下向きに回動し、抜き出されたポット苗Nを苗横送り装置36の苗送りベルト113,113上に叩き落とす。
苗横送り装置36は、苗抜き装置35によって抜き出された生育列C21列分のポット苗Nを半分ずつ左右両側に横送りするものである。苗横送り装置36は、図13に示すように、苗植付部3の図示しないメインフレームに架設された苗横送り駆動軸110の駆動ローラ111と、従動ローラ112とに巻き掛けた左右一対の苗送りベルト113,113を、それぞれ左右外側へ移動するように左右対称に設けている。
苗送りベルト113,b113の横送り部の下側には、落下するポット苗Nの重みで苗送りベルト113,113が橈むのを防止する撓み防止板114が設けられている。苗抜き装置35により抜き落とされた生育列C2一列分のポット苗Nは、各苗送りベルト113,113の上に整列で落下し、これを受けた苗送りベルト113,113が左右半分ずつの苗をそれぞれ左右両側に搬送する。苗送りベルト113で搬送された苗Nは、一対の植付ガイド115,115の間に落し込まれる。
苗植付装置37は、苗取出装置33で取り出され、苗横送り装置36によって供給されるポット苗Nを取って圃場に植え付けるものである。苗植付装置37は、図3に示すように、植付伝動フレーム45の後端部に設けられた植付駆動軸120と一体回転する回転ケース121に一対の苗植込具122、122を取り付けている。苗植込具122、122は、植付駆動軸120が回転すると、閉ループの先端軌跡を描いて移動する。各苗植込具122は、植付ガイド115,115の間に落し込まれたポット苗Nを交互に一株ずつ取り、それを植付ガイド115,115の間を移動させて圃場に植え付ける。
植付伝動機構部25は、図7に示すように、走行車体2から駆動力が伝達される入力軸130がベベルギヤ131,132を介して第二伝動軸133と連動連結している。第二伝動軸133は、8組のベベルギヤ135,136を介して各条の苗横送り駆動軸110へ駆動力を伝達する。隣接する一対の苗横送り駆動軸110,110は、互いに逆向きに回転するようになっている。
また、各植付伝動フレーム45内には、第二伝動軸133に取り付けたスプロケット137aと植付駆動軸120に取り付けたスプロケット137bに掛け渡した伝動チェーン137が設けられている。該伝動チェーン137により第二伝動軸133から植付駆動軸120へ駆動力が伝達される。
更に、第二伝動軸133は、図7及び図8に示すように、その外端部でベベルギヤ140,141を介して、左右2本の上下伝動軸142の下端部とそれぞれ連動連結している。左側の上下伝動軸142は、その上端部がベベルギヤ143,144を介して第一ユニット・第二ユニット用の第一伝動軸64と連動連結すると共に、その中間部がベベルギヤ147,148を介して第一ユニット・第二ユニット用の苗叩きカム軸105と連動連結している。同様に右側の上下伝動軸142は、第三ユニット・第四ユニット用の第一伝動軸64及び苗叩きカム軸105と連動連結している。
次に、搬送動作判定装置26を、図13〜図15に基いて説明する。図13は、実施形態に係る苗移植機の苗植付部3の搬送動作判定装置などを示す平面図である。図14は、図13に示された搬送動作判定装置の側面図である。図15は、図13に示された搬送動作判定装置の背断面図である。
搬送動作判定装置26は、苗箱搬送装置32の苗箱Cの搬送動作の良否を判定するための装置である。搬送動作判定装置26は、図12に示すように、搬送回数検知装置47と、取付フレーム48(図14などに示す)と、移動検知装置49と、報知装置50を備えている。
搬送回数検知装置47は、苗箱搬送装置32の苗箱Cの間欠的な送り動作を検知するものである。搬送回数検知装置47は、前述した苗送り回動部材60と、図4及び図13に示す回動検知センサ51とを備える。回動検知センサ51は、苗送り回動部材60の回動動作を検知するものであり、検知結果を制御装置5に出力する。回動検知センサ51は、苗箱作動アーム66が上動、即ち、苗送り回動部材60が下動した際に、苗箱作動アーム66が接触してOFFとなる構成である。回動検知センサ51は、ON、OFFの信号(検知結果)を制御装置5に出力することで、苗箱Cの送り動作を検知する。
取付フレーム48は、苗箱主搬送路31の内側でかつ苗箱主搬送路31により搬送される苗箱Cの上方に配置されて、移動検知装置49を固定するためのものである。取付フレーム48は、図14及び図15に示すように、苗植付部3のメインフレームから下方に吊下げられた下方フレーム52の下端部にボルト53aとナット53bにより固定される。
移動検知装置49は、苗箱搬送装置32による苗箱Cの移動を検知するものである。移動検知装置49は、図14及び図15に示すように、接触回転体54と、被検知回転体55と、回転センサ56とを備える。
接触回転体54は、取付フレーム48の下端部に回転自在に支持された回転軸200に取り付けられて、回転自在に設けられている。接触回転体54は、外周面が苗箱Cの内側に接触するとともに、苗箱Cの移動により回転軸200とともに回転する。
接触回転体54は、ゴムなどの弾性材料で構成され、リング状に形成されている。接触回転体54は、外周面に苗箱Cに接触する苗箱接触突起54aを設けている。苗箱接触突起54aは、接触回転体54の外周面から外周方向に凸に形成され、周方向に等間隔に配置されている。苗箱接触突起54aは、接触回転体54の側方からみて、外周に向かうにしたがって徐々に先細に形成されている。苗箱接触突起54aは、接触回転体54が回転する際に苗箱Cの生育列C2間を通過して、苗箱Cに接触する。接触回転体54は、回転軸200に固定された固定フランジ57と円環状のフランジ部材58との間に挟まれ、固定フランジ57とフランジ部材58とがボルト59aとナット59bなどに固定されることで、回転軸200に取り付けられる。
なお、図18で示すとおり、該接触回転体54に形成する苗箱接触突起54aは、接触回転体54の左右方向中心部54cよりも機体左右どちらか一側に偏倚させて形成しておくと、接触回転体54の組み付け方向を反転させるだけで苗箱接触突起54aの通過位置を変更することができ、苗箱Cと苗箱接触突起54aの接触位置を適切な位置に合わせやすく、苗箱Cの搬送検知の精度が向上し、苗が植え付けられない欠株区間の発生が抑えられる。
また、ポットC1の配置が異なる苗箱Cを用いる際、接触回転体54の組み付け位置の変更のみで配置の違いに対応することができるので、作業条件の対応性が向上する。
被検知回転体55は、接触回転体54が取り付けられた回転軸200に設けられている。被検知回転体55は、回転軸200に固定されて、接触回転体54と同軸に配置されている。被検知回転体55は、回転軸200、即ち接触回転体54と一体に回転する。被検知回転体55は、外周面に歯55aが設けられて、歯車形状に形成されている。
回転センサ56は、取付フレーム48に取り付けられて、被検知回転体55の回転を検知するものである。回転センサ56は、下方フレーム52の下端部に被検知回転体55の外周面と対向して配置されている。回転センサ56は、被検知回転体55の最も近接する歯55aを検知することで、被検知回転体55の回転即ち苗箱Cの移動距離を検知し、検知結果を制御装置5に出力する。
報知装置50は、搬送回数検知装置47が所定回数の苗箱Cの送り動作を検知する際に、移動検知装置49が苗箱Cの移動を検知しないと報知するものである。報知装置50は、周知のブザーやランプなどで構成され、ブザーが音を発生したり、ランプが点灯することで、作業者に報知する。本実施形態では、報知装置50は、搬送回数検知装置47が苗箱の送り動作を2回検知する間に、移動検知装置49が検知した苗箱Cの移動距離が所定距離よりも短い場合に、作業者に苗箱搬送装置32の搬送動作が不良である旨、報知する。(図12参照) なお、前記報知装置50が作動しても、機体の駆動音等により報知音が聞こえないと、苗が供給されないまま走行車体2が前進してしまい、苗が植え付けられない欠株区間の発生が止められず、後から作業者が手作業で苗の植付作業を行わねばならなくなることがある。
これを防止すべく、前記回転センサ56が苗箱搬送装置32の搬送不良を検知したとき、前記苗箱供給装置29の供給ローラ29b及び送りローラ29dを、各々モータM1,M2で回転駆動させ、次の苗箱Cを自動的に送り出す構成としてもよい。
上記構成としたことにより、苗箱搬送装置32が苗箱Cを搬送していないと検知されたときは、苗箱供給装置29に装填されている苗箱Cが自動的に搬送されるので、欠株区間を短く抑えることができ、苗を植え付ける作業者の労力が軽減される。
あるいは、後述する制御装置5を用いて、前記回転センサ56が苗箱Cの搬送を検知しなくなると、エンジン11の回転数を下げる制御を行ない、走行車体2の走行速度を低下させる構成としてもよい。
またあるいは、エンジン11から駆動力を受けて前後進出力に変換するHST(油圧式無段変速装置)302に、該HST302のトラニオン軸(図示省略)の開度を変更するHST制御モータ302aを制御装置5で制御し、前記回転センサ56が苗箱Cの搬送を検知しなくなると、HST302の出力が低下する側にHST制御モータ302aを作動させる構成としてもよい。
上記制御により、苗箱Cが搬送されず、欠株が発生し得る状況になると、走行車体2の走行速度が自動減速されることにより、苗を植え付けずに前進する距離を短くすることができるので、欠株区間を短く抑えることができ、苗を植え付ける作業者の労力が軽減される。
また、走行車体2の走行速度が自動的に低下することで、作業者に苗箱搬送装置32の搬送の異常を報知することができるので、報知装置50の報知音が聞こえにくい状況、報知点滅が見えにくい状況、または報知装置50が故障していても、作業者が早期に苗箱搬送装置32の異常を解消することができ、作業能率が向上する。
上記の構成では、植付作業中に跳ねた泥や、洗車作業中に飛散する水飛沫が回転センサ56に接触し、回転センサ56が被検知回転体55の回転を正確に検知できなくなり、苗箱Cが搬送されていない、と誤検知するおそれがある。
これを防止すべく、図20から図22に示すとおり、前記取付フレーム48と接触回転体54の間に、該取付フレーム48の前後幅と略同じ前後幅であり、且つ接触回転体54の上端部よりも上方に突出するセンサカバー56aを設ける。該センサカバー56aは平面視でU字形状とし、前記回転センサ56に向かう前後の屈曲部を、ボルト等の固定部材で取付フレーム48の内側に各々取り付ける。
なお、前記センサカバー56aには、前記接触回転体54の苗箱接触突起54aが通過する際に付着した夾雑物を掻き取る、正(背)面視で門型のスクレーパ56bを設けてもよい。
上記構成としたことにより、センサカバー56aが回転センサ56の検知部(下端部)に進入し得る水や泥土を受けることができるので、回転センサ56の検知部が苗箱Cの搬送状態を誤検知することが防止され、作業能率が向上すると共に、回転センサ56の耐久性が向上する。
また、センサカバー56aにスクレーパ56bを設けたことにより、苗箱接触突起54aに付着した泥土や千切れた根部等を除去することができるので、接触回転体54の回転が乱れて回転センサ56が苗箱Cの搬送不良と誤検知してしまうことが防止され、作業能率が向上する。
これに加えて、図25で示すとおり、取付フレーム48の上部から、苗箱搬送装置32の搬送方向上手側、即ち機体前側に向かって、後輪12b,12b等が跳ね上げる泥土や水が回転センサ56や接触回転体54に付着することを防止する泥除けプレート304を設け、該泥除けプレート304よりも搬送方向上手側位置に、苗箱Cのうち接触回転体54と接触する部分の周辺の夾雑物を除去する第1ブラシ305を設ける。
前記泥除けプレート54は、取付フレーム48から機体前側下方に向かって突出すると共に、接触回転体54の前側で屈曲して下方に略垂直姿勢で向かう、側面視への字型に構成する。
なお、図26で示すとおり、前記第1ブラシ305の代わりに、苗箱Cの左右幅方向と略同じ長さの第2ブラシ306を設けてもよい。
上記構成により、機体前側から飛散してくる泥土や水が、接触回転体54や回転センサ56に付着することを防止できるので、苗箱搬送装置32による苗箱Cの搬送状態が誤検知されることが防止され、作業能率が向上する。
また、接触回転体54に苗箱Cが接触する前に、第1ブラシ305、または第2ブラシ306で苗箱Cに付着している夾雑物を取り除くことにより、夾雑物が接触回転体54の回転を乱れさせ、回転センサ56が苗箱Cの搬送不良を誤検知することを防止できるので、不要な作業停止が防止され、作業能率がいっそう向上する。
また、図1及び図2で示すとおり、苗植付部3の下方には、走行車体2の移動と共に、圃場上を滑走して整地するフロート38が設けられている。該フロート38は、図2及び図19で示すとおり、前記苗植付部3の左右両側下部に設けられる左右一対の外側フロート(第1整地部材)38o,38oと、該左右の外側フロート38o,38oの左右間に設ける左右一対の内側フロート(第2整地部材)38i,38iの合計4枚で構成される。
該左右の外側フロート38o,38oと左右の内側フロート38i,38iは、各々左右方向に所定間隔を空けて配置しており、外側フロート38oと内側フロート38iの左右間の前方に、前記後輪12b,12b、及び機体外側から2番目の苗植付装置37,37の植付伝動フレーム45が位置する。なお、外側フロート38oと内側フロート38iの左右間の幅は、前記ラグ体12xの左右幅とほぼ同じ、またはラグ体12xの左右幅よりも幅広くする。
これにより、左右の後輪12b,12bのラグ体12x…により左右に持ち上げられた泥土に左右の外側フロート38o,38oと左右の内側フロート38i,38iが乗り上げることが無く、左右の外側フロート38o,38oと左右の内側フロート38i,38iの整地性が向上する。
また、前記左右の外側フロート38o,38oの左右方向中央部の前方に左右の第1補助車輪12c,12cが位置すると共に、左右の内側フロート38i,38iの左右方向中央部よりも僅かに機体外側寄りの位置に、左右の第2補助車輪12d,12dが位置している。
これにより、左右の第1補助車輪12c,12c及び左右の第2補助車輪12d,12dの走行により生じる泥土の盛り上がりを整地装置6のロータ39が均しきれなくても、左右の外側フロート38o,38oと左右の内側フロート38i,38iで均すことができるので、植付作業後の圃場面に余分な凹凸が残ることが防止される。
また、左右の内側フロート38i,38iの左右方向中央部よりも機体外側寄りの位置に左右の第2補助車輪12d,12dを設けたことにより、左右の内側フロート38i,38iの左右方向中央部側に泥土が寄りにくくなるので、寄って盛り上がった泥土の影響で左右の内側フロート38i,38iが回動することが防止され、苗植付部3の不必要な上昇による植付精度の低下が防止される。
前記左右の外側フロート38o,38oと左右の内側フロート38i,38iは、機体左右方向の中央部の左右幅W1は同じであるが、左右の外側フロート38o,38oの外側左右幅W2は左右の内側フロート38i,38iの内側左右幅W3よりも狭く構成する。なお、外側左右幅W2及び内側左右幅W3は、共に中央部の左右幅W1よりも広くする。
図19で示すとおり、左右の内側フロート38i,38iの機体前側は円弧状に形成し、前端部から機体前後方向の中央部に亘って、左右の突出部38p,38pを形成する。
該左右の突出部38p,38pの内側と内側フロート38iの中央部との間には、前記施肥装置20から供給される肥料が入り込む施肥溝を形成する作溝器39,39を各々設け、該左右の作溝器39,39が形成した施肥溝を維持する空間部が形成されている。
そして、前記左右の突出部38p,38pの後端部よりも機体後側で、且つ内側フロート38iの中央部側に、肥料の入り込んだ施肥溝に泥土を被せて肥料を土中に埋没させる左右の覆土板40,40を、外側端部が平面視で施肥溝を通過する位置に配置する。
これにより、施肥溝に入り込んだ肥料が、圃場に潅水する水で浮かび上がってくることを防止できるので、肥料が偏った位置に溜まることが防止され、圃場全体の苗の生育が安定する。
さらに、左右の突出部38p,38pの後端部で且つ左右両外側には、内側フロート38iが圃場面を均す際、内側フロート38iの左右に僅かに盛り上がる泥土を均す、予備均し板42i,42iを各々着脱自在に設けてもよい。
これにより、苗の植付位置の近くに土が盛り上がることを確実に防止できるので、苗の植付深さが安定し、苗の生育がいっそう良好になる。
一方、前記左右の外側フロート38o,38oの機体前側で且つ左右両側には、前記左右の突出部38p,38pよりも左右幅が狭く、且つ前後長さが短い左右の延設部38e,38eを形成する。該左右の延設部38e,38eと外側フロート38oの左右間には、前記施肥装置26から供給される肥料が入り込む施肥溝を形成する作溝器39,39を各々設け、該左右の作溝器39,39が形成した施肥溝を維持する空間部が形成されている。
そして、前記左右の突出部38p,38pの後端部よりも機体後側で、且つ外側フロート38oの中央部側に、肥料の入り込んだ施肥溝に泥土を被せて肥料を土中に埋没させる左右の覆土板40,40を、外側端部が平面視で施肥溝を通過する位置に配置する。
これにより、左右の外側フロート38o,38oに接触して押し分けられる水や泥土を機体後方に向かって流れさせることができるので、隣接条に植え付けられた苗に泥土や水流が押し寄せにくくなり、苗が泥土に押し倒されたり、水流に流されたりして欠株が生じることが防止される。
これに加えて、機体後方に泥土が案内されるので、左右の覆土板40,40が施肥溝を埋める泥土が不足することがなく、肥料が水流に流されて拡散することが防止され、さらに、前記左右の外側フロート38o,38oの前端部側で且つ左右両側には、外側フロート38oが圃場面を均す際、外側フロート38oの左右に僅かに盛り上がる泥土を均す、予備均しレーキ42o,42oを各々着脱自在に設けてもよい。
これにより、苗の植付位置の近くに土が盛り上がることを確実に防止できるので、苗の植付深さが安定し、苗の生育がいっそう良好になる。
さらに、前記左右の外側フロート38o,38oの後部側で、且つ苗植付装置37の回転ケース121の回転中心となる植付駆動軸120から機体後方に亘って、機体後側ほど左右幅が狭くなるテーパ部38tを左右に各々形成する。
そして、左右の外側フロート38o,38oの後端部側の左右両側に、機体後側ほど左右幅が狭くなるテーパ部38t,38tを形成したことにより、左右の外側フロート38o,38oの機体後側に流れてくる泥土や水流を苗植付装置6から遠ざけることができるので、植え付けた苗が泥土や水流によって流されることが防止され、苗の余分な消費や収穫量の減少が防止される。
前記左右の内側フロート38i,38iの回動軸には、圃場の凹凸を通過する際の回動量を検知する仰角センサ(ポテンショメータ)43を設け、該仰角センサ43の検知する回動角度が変化すると、電磁弁(図示省略)を開閉させて前記昇降用シリンダ22bを伸縮させ、苗植付部3の植付作業高さを自動的に上下動させて、苗の植付深さを揃える構成としている。
しかしながら、適切な植付深さは圃場の土質等によって異なるものであり、苗植付部3を決まりきった量だけ昇降させていると、かえって苗の植付深さが乱れ、苗の生育が悪くなることがある。例えば、土質の柔らかい圃場では、僅かな角度変化でも苗植付部3を昇降しなければ植付深さが乱れやすく、逆に硬い圃場では、大きな角度変化があったときのみ苗植付部3を昇降させないと、苗植付部3が頻繁に昇降してしまい、機体が揺れたり、苗の植付前に苗植付部3の作業高さが変化し、植付深さが不適切になる問題がある。
この問題を防止すべく、前記走行車体2のフロントカバー23には、前記苗植付部3を昇降させる仰角センサ43の検知角度を補正する、感度調節ダイヤル300を設けている。該感度調節ダイヤル300を「軟」側に操作すると、前記仰角センサ43が僅かでも回動角度を検知すると苗植付部3を昇降させると共に、「硬」側に操作すると、前記仰角センサ43が大きな角度を検知したときのみ苗植付部3を昇降させる構成になる。(図12参照) これにより、圃場の土質に合わせて適切な植付深さを維持することができるので、苗の生育が安定する。
しかしながら、苗植付部3の自動昇降を利用せず、作業位置に合わせて作業者が手動で昇降操作する際には、上記の自動昇降機構は不要である。これにより、従来、前記感度調節ダイヤル300を「軟」側の端部まで移動させると、仰角センサ43が左右の内側フロート38i,38iの回動を検知しても電磁弁を作動させない「油圧ロック」状態に操作可能に構成していた。
しかしながら、頻繁に昇降が必要な「軟」側の端部に「油圧ロック」とするポジションを設定したことにより、最も「軟」となる位置に操作したつもりが「油圧ロック」状態になっており、苗植付部3の自動昇降制御が行なわれず、苗の植付深さが乱れたままになってしまう、という問題があった。
上記の問題を解消すべく、図23に示すとおり、「油圧ロック」ポジションを「硬」側の端部とした。「硬」側は仰角センサ43の検知角度が大きいときのみ苗植付部3を昇降させるものであり、最も「硬」に操作したつもりが「油圧ロック」になっていても、植付深さの乱れは生じにくいので、苗の植付精度の低下が防止される。
なお、最も「硬」に感度調節ダイヤル300を操作していると、(日本国内の)大抵の水田圃場では、自動昇降制御が作動するほどの角度変化を検知しないことが多い。
前記フロントカバー23には、感度調節ダイヤル300の他に、エンジン回転数を増減させるアクセル操作ダイヤル301を設けている。該アクセル操作ダイヤル301は、前記感度調節ダイヤル300よりも機体前側で、且つHST(油圧式無段変速装置)302の出力及び前後進を操作するHSTレバー303よりも機体内側に配置する。
上記構成により、アクセル操作ダイヤル301よりも機体前側には他の調節部材が配置されないので、アクセル操作ダイヤル301の操作時に他の調節部材に作業者が触れにくくなり、作業者の意図しない設定変更が生じず、作業能率や苗の植付精度が向上する。
なお、走行車体2の走行速度を切り替える前記副変速操作レバーに、操作位置が「路上走行モード」であるか、「作業走行モード」であるかを検知する操作位置センサ(図示省略)を設け、該操作位置センサが「路上走行モード」を検知しているときは、前記アクセル操作ダイヤル301を操作してもエンジン回転数が増減しない構成としてもよい。
また、「路上走行モード」を検知したときにアクセル操作ダイヤル301が増側、または減側のどちらかに操作されているときは、このアクセル操作ダイヤル301の操作によるエンジン回転数の増加、または減少を無視する構成としてもよい。
上記により、「路上走行モード」に切り替えた際、エンジン回転数が過度に高くなり、作業者の設定よりも高速で走行車体2が走行することを防止できるので、作業終了後の路上走行時の安全性が確保される。特に、エンジン回転数を上げた状態で圃場から出て路上に移動する際は、アクセル操作ダイヤル301を戻し忘れることが多いので、いっそう安全性が向上する。
整地装置6は、苗植付部3の下方でかつフロート38の前方に設けられ、且つ圃場を整地するものである。整地装置6は、エンジン11からの駆動力により回転される1以上のロータ39を備える。
制御装置5は、苗移植機1を構成する上述した構成要素をそれぞれ制御するものである。制御装置5は、例えば、ミッションを制御する変速制御、苗植付部3昇降機構22による苗植付部3の昇降制御、エンジン11を制御するエンジン制御、苗植付部3のポット苗Nの植付制御等を実行している。
制御装置5は、苗移植機1のポット苗Nの植付中には、搬送回数検知装置47と移動検知装置49の検知結果に基いて、搬送回数検知装置47が所定回数の苗箱Cの送り動作を検知する際に、移動検知装置49が苗箱Cの移動を検知しないと報知装置50に報知させる。本実施形態では、制御装置5は、搬送回数検知装置47が苗箱の送り動作を2回検知する間に、移動検知装置49が検知した苗箱Cの移動距離が所定距離よりも短い場合に、報知装置50に苗箱搬送装置32の搬送動作が不良である旨、報知させる。
前述した苗移植機1は、圃場にポット苗Nを植え付ける際には、苗植付部3昇降機構22により苗植付部3が対地作業位置(ポット苗Nの植付位置)まで下降される。苗移植機1は、作圃場内を走行しながら整地装置のロータ39及びフロート38が圃場の表面を均す。そして、苗移植機1は、苗植付部3の苗植付装置37の回転ケース121、植付駆動軸120と一体に回転しながら苗植込具122がポット苗Nを圃場に植え付ける。
また、苗移植機1は、圃場への苗の植え付けを終了すると、苗植付部3昇降機構22により苗植付部3が非作業位置まで上昇される。そして、苗移植機1は、圃場間を移動したり、圃場外に移動する。
以上のように、本実施形態の苗移植機1の構成によれば、搬送回数検知装置47が苗箱搬送装置32の所定回数の送り動作を検知する間に、移動検知装置49が苗箱Cの移動を検知しないと、報知装置50が報知する。このために、苗箱搬送装置32が送り動作を行って作動しているのにもかかわらず、苗箱Cの移動が検知されていないと、報知装置50が作動して、苗箱Cの搬送動作の不良を作業者が確実に認識することができる。したがって、圃場にポット苗Nが植え付けられない区間が発生することを抑制でき、ポット苗Nを手作業で植え付けることを抑制することができる。
また、搬送回数検知装置47が苗箱搬送装置32の送り動作を所定回数検知する間に、移動検知装置49が苗箱Cの移動を検知するか否かで、苗箱Cの搬送動作の良否を判定するので、走行車体2の走行速度が遅くなって苗箱搬送装置32の送り動作を検知する時間間隔が長くなっても、苗箱Cの移動を正確に検知することができる。したがって、走行速度が高速時でも低速時でも、苗箱Cの移動を正確に検知することができ、苗箱Cの搬送の誤検知を抑制することができる。
また、苗移植機1は、接触回転体54と被検知回転体55とを同軸に配置することで、苗箱Cの搬送動作を検知しやすくなり、誤検知を抑制することができるとともに、構成の簡素化を図ることができる。
苗移植機1は、苗箱Cの送り動作を被検知回転体55の回転で検知するので、苗箱Cの送り量の少ないうちに苗箱Cの搬送動作の不良を検知することができ。したがって、仮に、ポット苗Nが植え付けられない区間が生じても、このポット苗Nが植え付けられない区間を短く抑えることができる。
苗移植機1は、生育列C2間に接触回転体54の苗箱接触突起54aを通過させるので、苗箱接触突起54aが生育列C2を構成するポットC1を変形させることを抑制できるので、苗箱Cの耐久性が向上するとともに、ポット苗Nの姿勢が安定しやすくなる。
なお、本発明は上記実施形態や変形例に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
2 走行車体
3 苗植付部
12b 後輪(走行輪)
12c 第1補助車輪
12d 第2補助車輪
12x ラグ体(土掻き部材)
12y 補助ラグ体(補助土掻き装置)
24 ポット苗載置部
32 苗箱搬送装置
33 苗取出装置
37 苗植付装置
38i 内側フロート(第2整地部材)
38o 外側フロート(第1整地部材)
38t テーパ部
47 搬送回数検知装置
49 移動検知装置
50 報知装置
54 接触回転体
55 被検知回転体
56 回転センサ
200 回転軸
C 苗箱
W1 中央左右幅(左右幅)
W2 前側左右幅(外側左右幅)
W3 前側左右幅(内側左右幅)

Claims (2)

  1. 圃場を走行する走行輪(12b)を備える走行車体(2)の後部に、ポット苗を収容した苗箱(C)を積載するポット苗載置部(24)と、該ポット苗載置部(24)に積載した苗箱(C)をポット苗毎に送る苗箱搬送装置(32)と、該苗箱搬送装置(32)で搬送中の苗箱(C)からポット苗を取り出す苗取出装置(33)と、取り出されたポット苗を圃場に植え付ける苗植付装置(37)で構成する苗植付部(3)を設けた苗移植機において、
    前記走行輪(12b)の左右に第1補助車輪(12c)と第2補助車輪(12d)を各々着脱自在に設け、
    前記第1補助車輪(12c)の後方に圃場面を滑走して整地する第1整地部材(38o)を設け、前記第2補助車輪(12d)の後方に第2整地部材(38i)を設け、該第1整地部材(38o)と第2整地部材(38i)の左右間隔部の幅を、前記走行輪(12b)の幅と同じ、または走行輪(12b)の左右幅よりも広く形成し、
    前記苗箱搬送装置(32)の前記苗箱(C)の送り動作を検知する搬送回数検知装置(47)と、前記苗箱搬送装置(32)による前記苗箱(C)の移動を検知する移動検知装置(49)と、報知装置(50)を設け、
    前記搬送回数検知装置(47)が所定回数の前記苗箱(C)の送り動作を検知する間に、前記移動検知装置(49)が苗箱(C)の移動を検知しない場合前記報知装置(50)で報知する構成としたことを特徴とする苗移植機。
  2. 接触回転体(54)と、被検知回転体(55)と、回転センサ(56)から前記移動検知装置(49)を構成し、前記接触回転体(54)と前記被検知回転体(55)を同じ軸の回転軸(200)に設け、前記苗箱(C)を接触回転体(54)に接触させ、苗箱(C)が移動すると接触回転体(54)と被検知回転体(55)が回転し、被検知回転体(55)の回転を回転センサ(56)で検出して苗箱(C)の移動を検出するように構成したことを特徴とする請求項1に記載の苗移植機。
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