JP2017051121A - 苗移植機 - Google Patents

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山崎 仁史
Hitoshi Yamazaki
仁史 山崎
聖也 西風
Seiya Nishikaze
聖也 西風
龍之 鳥津
Tatsuyuki Toritsu
龍之 鳥津
彬裕 山本
Akihiro Yamamoto
彬裕 山本
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Abstract

【課題】機体の浮き上がりを防止して、均一な植付深さでポット苗を植付けることのできる苗移植機を提供する。
【解決手段】走行車体(2)の後部に設けられ、ポット苗(N)を圃場に植え付ける苗植付部(3)と、前記走行車体(2)上に設けられたフロアステップ(13a)と、前記フロアステップ(13a)の外側に設けられた延長ステップ(310)と、前記延長ステップ(310)の前側に設けられ、錘(W)を着脱自在に保持可能としたフロントステップ(13c)と、を備る。
【選択図】図1

Description

本発明は、圃場でポット苗の植え付けなどの作業を行う苗移植機に関する。
従来、苗移植機として、走行車体と、走行車体の後部に設けられ、ポット苗を圃場に植え付ける苗植付部とを備えたものがある。苗植付部は、互いに上下に配置されたポット苗箱導入部および空箱収容部と、これらの後部下端に設けられた植付部と、ポット苗箱導入部から植付部を経て空箱収容部までポット苗箱を移送する搬送部とを備える(例えば、特許文献1を参照)。
特許第5051114号公報
しかしながら、ポット苗を移植するためのこの種の苗移植機は、上述した搬送部などを備える苗植付部がきわめて重いため、ポット苗を積載した状態では機体後方に重量が集中し、苗植付部が沈みがちになりやすい。特に、機体前側に設けられた予備苗枠からポット苗を取り出して苗植付部に補充した場合はなおさらである。
かかる状態では、機体前側が浮き上がり気味になって苗植付部の下部が圃場面に接近しやすくなるため、ポット苗の植付深さが不均一になりやすく、苗の成長速度にも差が生じてしまうおそれがある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、機体の浮き上がりを防止して、均一な植付深さでポット苗を植付けることのできる苗移植機を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、走行車体(2)の後部に設けられ、ポット苗(N)を圃場に植え付ける苗植付部(3)と、前記走行車体(2)上に設けられたフロアステップ(13a)と、前記フロアステップ(13a)の外側に設けられた延長ステップ(310)と、前記延長ステップ(310)の前側に設けられ、錘(W)を着脱自在に保持可能としたフロントステップ(13c)と、を備えることを特徴とする苗移植機(1)とした。
また、請求項2に記載の発明は、前記走行車体(2)のメインフレーム(10)を構成する前側フレーム(10a)と、前記前側フレーム(10a)の両端部にそれぞれ連結された前側延長フレーム(10b)とを備え、前記前側延長フレーム(10b)の上部に前記フロントステップ(13c)を設ける一方、前記前側延長フレーム(10b)の下部には、前記錘(W)を着脱自在に保持する錘保持部材(300)を設けたことを特徴とする請求項1に記載の苗移植機(1)とした。
また、請求項3に記載の発明は、前記錘保持部材(300)は、底部(301)と、当該底部(301)から前方上部へ延伸して前端(302a)が前記フロントステップ(13c)に当接する前側部(302)とにより形成される錘収容空間(400)を有し、前記底部(301)は、複数の錘(W)を選択的に装着可能な複数の錘取付溝(303)を有することを特徴とする請求項2に記載の苗移植機(1)とした。
また、請求項4に記載の発明は、圃場に肥料を供給する施肥装置(20)と、前記走行車体(2)の外方に突出するように前記施肥装置(20)の左右両側にそれぞれ設けられたアーム部(360)と、苗に供給する水を貯留するとともに、前記アーム部(360)に配設される水タンク(350)と、を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の苗移植機(1)とした。
また、請求項5に記載の発明は、圃場に肥料を供給する施肥装置(20)と、前記延長ステップ(310)の下方に形成されたタンク収納空間(500)と、苗に供給する水を貯留するとともに、前記タンク収納空間(500)に配置される水タンク(350)と、を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の苗移植機(1)とした。
また、請求項6に記載の発明は、苗植付部(3)は、前記ポット苗(N)を積載する苗載置部(24)と、前記苗載置部(24)から前記ポット苗(N)を下手側に搬送する苗搬送装置(34)と、前記ポット苗(N)を圃場に植付ける苗植付装置(37)と、を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の苗移植機(1)とした。
請求項1に記載の発明によれば、延長ステップ(310)の前側にフロントステップ(13c)を設けたことにより、作業者は、走行車体(2)の前側に移動しやすくなるため機体前側からの乗り降りの安全性が向上するとともに、フロアステップ(13a)上での移動も容易になり、作業能率が向上する。また、フロントステップ(13c)に重量物である錘(W)を着脱することができるため、苗植付部(3)の重さによって機体前側が浮き上がることを防止できる。したがって、走行姿勢やポット苗(N)の植付姿勢が安定し、作業能率や植付精度が向上する。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、フロントステップ(13c)に荷重をかけても破損したり外れたりしにくく、耐久性および安全性が向上する。また、錘保持部材(300)を前側延長フレーム(10b)に設けたため、重量物である錘(W)を確実に保持することができる。したがって、錘(W)が外れて機体の前後バランスが崩れることを防止でき、走行姿勢やポット苗(N)の植付姿勢を安定させることができる。さらに、錘(W)をフロントステップ(13c)の支持部材として利用できるため、フロントステップ(13c)の耐久性が一層向上する。
請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明の効果に加えて、走行車体(2)の前側の浮き上がり程度に合わせて錘(W)の数を変更することができ、走行姿勢やポット苗(N)の植付姿勢が安定する。また、錘(W)の重量で機体前側の浮き上がりを防止できるため、植付位置が上方に上がり、ポット苗(N)の植付深さが深くなりすぎることが防止され、ポット苗(N)の生育が安定する。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1〜3のいずれか1項に記載の発明の効果に加えて、走行車体(2)の外方に突出するアーム部(360)に水タンク(350)を配設したため、作業者は、走行車体(2)上で水タンク(350)が邪魔になることなく、施肥装置(20)や苗植付部(3)に近づくことができるため、肥料やポット苗(N)の補充作業の能率が向上する。また、アーム部(360)が走行車体(2)の外方に突出するため、走行車体(2)からの乗り降りや補充作業の際の手摺として使用することもでき、作業能率や安全性が向上する。
請求項5に記載の発明によれば、請求項1〜3のいずれか1項に記載の発明の効果に加えて、走行車体(2)の側部が広くなるため、走行車体(2)からの乗り降りが容易になり、作業能率が向上する。また、走行車体(2)上に水タンク(350)が位置しないため、作業者が施肥装置(20)や苗植付部(3)に近づくことができるため、肥料やポット苗(N)の補充作業の能率が向上する。
請求項6に記載の発明によれば、請求項1〜5のいずれか1項に記載の発明の効果に加えて、苗載置部(24)および積載されたポット苗(N)、さらには苗搬送装置(34)などによって重量物となる苗植付部(3)により機体前側が浮き上がることを防止することができる。
図1は、実施形態に係る苗移植機の側面図である。 図2は、同上の苗移植機の平面図である。 図3Aは、フロントステップと錘保持部材とを示す側面視による説明図である。 図3Bは、フロントステップと錘保持部材とを示す平面視による説明図である。 図4は、タンク支持アームの説明図である。 図5は、実施形態に係る苗移植機の苗植付部の主要部分の説明図である。 図6は、同上の苗植付部の側面図である。 図7は、同上の苗植付部の苗抜き装置の背面視による説明図である。 図8は、同上の苗抜き装置の側面視による説明図である。 図9は、同上の苗植付部の植付伝動機構部の伝動機構図である。 図10は、同上の植付伝動機構部の一部の背面断面図である。 図11は、同上の苗植付部の駆動ケースの側面断面図である。 図12は、同上の苗植付部の駆動ケースの他の側面断面図である。 図13は、同上の苗移植機で用いられる苗箱の一部を示す平面図である。 図14は、同上の苗移植機の一部の構成を示すブロック図である。 図15は、同上の苗植付部の搬送動作判定装置などを示す平面図である。 図16は、同上の搬送動作判定装置の側面図である。 図17は、同上の搬送動作判定装置の背面断面図である。 図18は、他の実施形態に係る苗移植機の側面図である。 図19は、他の実施形態に係る苗移植機が備える苗箱搬送ガイドの側面視による説明図である。 図20は、同上の苗箱搬送ガイドの平面視による説明図である。
以下に、本発明の実施形態に係る苗移植機を、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
本発明の実施形態に係る苗移植機1の概要について、図1および図2を参照して説明する。図1は、実施形態に係る苗移植機1の側面図、図2は、同苗移植機1の平面図である。
実施形態に係る苗移植機1は、走行しながら圃場に苗を植え付けるものである。なお、以下では、苗移植機1の前進方向を前方側(図1および図2の左側)、苗移植機1の後退方向を後方側(図1および図2の右側)、苗移植機1の前後方向に直交する直交方向を左右方向、そして、苗移植機1の前後方向に直交する鉛直方向を上下方向としている。また、以下では、苗移植機1を指して機体と記す場合がある。
図1および図2に示すように、苗移植機1は、走行車体2と、走行車体2の後部(後方側)に装着された苗植付部3とを備えている。
走行車体2は、走行するための左右一対の前輪12a,12aおよび左右一対の後輪(走行輪)12b,12bからなる4つの車輪を有し、かかる4つの車輪を駆動輪とする4輪駆動車である。
また、走行車体2は、メインフレーム10と、メインフレーム10に搭載されたエンジン11と、エンジン11の動力を駆動輪と苗植付部3とに伝える動力伝達機構4とを備える。すなわち、本実施形態に係る苗移植機1のエンジン11の駆動力は、走行車体2を前進または後退させるために使用されるだけでなく、苗植付部3を駆動させるためにも使用される。
エンジン11は、ディーゼル機関やガソリン機関等の熱機関であって、出力軸から駆動力を出力する。出力軸は、走行車体2の左側方から突出している。エンジン11は、走行車体2の左右方向における略中央で、かつ、作業者が乗車時に足を載せるフロアステップ13aよりも上方に突出させた状態で配置されている。このとき、エンジン11の出力軸は、フロアステップ13aの床面よりも下方に位置している。
フロアステップ13aは、走行車体2の前部(前方側)とエンジン11の後部(後方側)との間に亘って設けられており、メインフレーム10上に取り付けられる。フロアステップ13aは、その一部が格子状となっており、靴に付いた泥を圃場に落とすことができる。また、フロアステップ13aの後方には、後輪12b,12bのフェンダを兼ねたリアステップ13bが設けられる。このリアステップ13bは、後方に向うに従って上方に向う方向に傾斜した傾斜面を有しており、エンジン11の左右それぞれの側方に配置される。
また、エンジン11のフロアステップ13aとリアステップ13bとから上方に突出した部分は、エンジンカバー14で覆われている。すなわち、エンジンカバー14は、フロアステップ13aとリアステップ13bとから上方に突出した状態で、エンジン11を覆う。
また、走行車体2には、エンジンカバー14の上部に操縦席15が設置され、操縦席15の前方で、かつ、走行車体2の前部には、フロントカバー16が配設される。このフロントカバー16は、フロアステップ13aの床面から上方に突出した状態で配置されており、フロアステップ13aの前方側を左右に分断している。
フロントカバー16の内部には、制御装置5(図14参照)、操作パネル等の操作装置、ステアリング機構およびエンジン用燃料の燃料タンク等が配設される。また、フロントカバー16の上部には、各種操作レバー等や計器類、ハンドル17が配設される。このハンドル17は、作業者が回転操作することにより、前輪12a,12aをステアリング操舵する操舵部材として設けられており、フロントカバー16内のステアリング機構等を介して前輪12a,12aをステアリング操舵(転舵)させることが可能である。
また、フロントカバー16の上部に設けられた各種操作レバーとしては、走行車体2の前後進、停止及び移動速度を切り換える走行操作レバー(図示せず)が配設されている。また、フロントカバー16の上部に設けられた各種操作レバーとしては、走行車体2が路上を走行する「路上走行モード」と、走行車体2が走行しながら圃場に苗を植え付ける「作業走行モード」等とを切り換える副変速操作レバー(図示せず)などが配設される。
また、フロアステップ13aにおけるフロントカバー16の左右それぞれの側方に位置する部分には、補給用の苗箱C(図13に示す)などを載せておく予備苗枠18が配置される。予備苗枠18は、補給用の苗箱Cなどを載せる予備苗載台18aを上下方向に複数段備えている。また、走行車体2のフロントカバー16の左右それぞれの側方には、線引きマーカー19が設けられる。
また、走行車体2の操縦席15の後方に施肥装置20が設けられる。施肥装置20は、肥料ホッパ20aに貯留されている粒状の肥料を、植付作業中に一定量ずつ圃場に放出することができる。
動力伝達機構4は、メインフレーム10の前部に設置されたミッションケース21などを備える。エンジン11の駆動力は、図示しない第1ベルト伝動装置および第2ベルト伝動装置を介してミッションケース21に伝動される。ミッションケース21で変速された駆動力は、前輪12a及び後輪12bに伝達されるとともに、やはり図示しない伝動軸および中間ギヤケースなどを介して苗植付部3に伝動される。
苗植付部3は、本実施形態においては8条植えとしており、苗植付部昇降機構22によって、昇降自在に走行車体2の後部に設けられている。苗植付部昇降機構22は、昇降リンク機構22aと、昇降用シリンダ22bとを有しており、苗植付部3は、昇降リンク機構22aを介して走行車体2に取り付けられる。
昇降リンク機構22aは、走行車体2の後部と苗植付部3とを連結させる上リンクと下リンクとを有する。そして、これらのリンクが、メインフレーム10の後部端に立設した背面視門型のリンクベースフレーム(不図示)に回動自在に連結され、各リンクの他端側が苗植付部3に回転自在に連結されることにより、苗植付部3を昇降可能に走行車体2に連結している。昇降用シリンダ22bは、ロッドを伸縮させることで、リンクを回転させて、苗植付部3を昇降させる。
上記構成において、本実施形態に係る苗移植機1は、図1および図2に示すように、走行車体2に設けられた左右のフロアステップ13aの外側にそれぞれ延長ステップ310を設けており、かかる左右の延長ステップ310の前側に、所定重量の錘Wを着脱自在に保持可能としたフロントステップ13cをそれぞれ設けている。
すなわち、土付き苗であるポット苗N(図7および図8に示す)を積載する苗載置部24や、苗載置部24からポット苗Nを下手側に搬送する苗搬送装置34や、ポット苗Nを圃場に植付ける苗植付装置37などを備えた苗移植部3は、通常の苗を移植する苗植付部よりも比較的に重量が嵩む傾向にある。
そのため、機体前側が浮き上がり気味になり、苗植付装置37が圃場面に接近しやすくなり、ポット苗Nの植付深さが不均一になりやすい。そこで、フロントステップ13cに重量物の錘Wを着脱可能として、苗植付部3の重量とバランスをとり、機体前側が浮き上がることを防止している。
本実施形態では、複数の錘Wを、錘保持部材300を介してフロントステップ13cに取付可能としている。すなわち、走行車体2の前側フレーム10aに連結された前側延長フレーム10bは、フロントステップ13cを上部に取付けるとともに、その下部には錘Wを着脱自在に保持する錘保持部材300が取付けられる。
ここで、フロントステップ13cおよび錘保持部材300について、より具体的に説明する。図3Aは、フロントステップ13cと錘保持部材300とを示す側面視による説明図、図3Bは、フロントステップ13cと錘保持部材300とを示す平面視による説明図である。
図3Aおよび図3Bに示すように、走行車体2のメインフレーム10を構成する前側フレーム10aの両端部に、前側延長フレーム10bをそれぞれ連結する。そして、前側延長フレーム10bの上部にフロントステップ13cを設けるとともに、前側延長フレーム10bの下部には、錘Wを着脱自在に保持する錘保持部材300を設けている。
また、図3Aに示すように、錘保持部材300は、底部301と、当該底部301から前方上部へ延伸して前端302aがフロントステップ13cに当接する前側部302とを備える。そして、底部301と前側部302とにより、フロントステップ13cの下方には、錘収容空間400が形成される。
錘Wの形状は特に限定されるものではないが、本実施形態では、棒状あるいは円柱状に形成しており、錘保持部材300の底部301には、複数の錘Wを選択的に装着可能な複数の錘取付溝303を形成している。そして、かかる複数の錘取付溝303に、錘Wを選択的に装着可能としている。したがって、例えば円柱状に形成された錘Wを、錘取付溝303によって確実に保持することができる。なお、錘Wを機体幅ほどの長さに形成し、機体の一側方から錘収容空間400に上部開口が臨む錘取付溝303に沿って抜き差しすることで着脱自在とすることもできる。
このように、走行車体2の前側にフロントステップ13cを設け、かかるフロントステップ13cに錘Wを着脱自在に保持可能としたことにより、苗植付部3の重さによって機体前側が浮き上がることを防止できる。したがって、苗移植機1の走行姿勢やポット苗Nの植付姿勢を安定させ、作業能率や植付精度を向上させることができる。
また、前側フレーム10aの両端部に、前側延長フレーム10bをそれぞれ連結し、かかる前側延長フレーム10bの上部にフロントステップ13cを設けている。このように、フロントステップ13cは強固なフレームに取付けられているため、フロントステップ13cに荷重をかけても破損したり、外れたりしにくくなり、耐久性および安全性が向上する。そして、錘保持部材300を前側延長フレーム10aに設けたため、重量物である錘Wを確実に保持することができる。そのため、例えば、錘Wが外れるなどして機体の前後バランスが崩れることを防止できる。
しかも、錘Wの上部をフロントステップ13cに当接させるように配置すれば、錘Wをフロントステップ13cの支持部材として利用できるため、フロントステップ13cの耐久性をより一層向上させることができる。
ところで、錘Wとしては、互いに異なる重量のもの、すなわち重さ違いの錘Wを複数個用意しておき、走行車体2の前側の浮き上がり程度に合わせて装着する錘Wを決定するとよい。このように、本実施形態に係る苗移植機1は、苗植付部3と走行車体2側の重量バランスを適切に維持することができる。
また、フロントステップ13cは、走行車体2の最も前側に設けられることになるため、機体前側からの乗り降りが容易となり、かつ安全性が向上する。特に、図1および図2に示すように、機体前側にはフロアステップ13aよりも前方に突出するように予備苗枠18が配置されているため、機体前側からの昇降を難しくしていたが、フロントステップ13cを設けたことで、昇降しやすくなっている。しかも、作業者は、走行車体2の前側に移動しやすくなるため、フロアステップ13a上での移動が容易となり、作業能率を向上させることができる。
また、図1および図2に示すように、本実施形態に係る苗移植機1は、走行車体2の外方に突出するように施肥装置20の左右両側にそれぞれ設けられたタンク支持アーム360と、ポット苗Nに供給する水を貯留するとともに、タンク支持アーム360に配設される水タンク350とを備えている。
図4は、タンク支持アーム360の説明図である。図示するように、メインフレーム10に連結した支持フレーム10cに、略U字状に形成したタンク支持アーム360の基端部を固着し、先端部を走行車体2の外側方に突出させている。そして、突出した部分に所定の水タンク350を載置固定している。
一般的に、ポット苗Nに散布するための水を貯留している水タンク350は、フロアステップ13a上に配設されるが、その位置は、通常、操縦席15の左右両側に設けられていた。しかし、かかる位置に水タンク350があると、例えば、作業者が苗植付部3にポット苗Nを補充する補充作業を行う際に、苗植付部3の左右端側に近寄り難く、作業能率を低下させるおそれがあった。しかも、水タンク350を避けての作業となると、無理な姿勢になるため、両力的に余分な負担を作業者に強いてしまう。
そこで、本実施形態に係る苗移植機1では、走行車体2の外方に突出するように、施肥装置20の左右両側にアーム部であるタンク支持アーム360をそれぞれ設け、かかるタンク支持アーム360に、苗に供給する水を貯留する水タンク350を配設した構成としている。
また、走行車体2の外方へ突出するタンク支持アーム360は、図1および図2に示すように、走行車体2に設けられた昇降ステップ600に比較的に近い位置になるため、走行車体2からの乗り降りの際の手摺として利用することができる。
このように、本実施形態によれば、作業者は、走行車体2上で水タンク350が邪魔になることなく、施肥装置20や苗植付部3に近づくことができることになり、ポット苗Nのみならず肥料の補充作業の能率を向上させることができる。また、タンク支持アーム360が走行車体2の外方に突出しているため、走行車体2からの乗り降り、さらには肥料やポット苗Nの補充作業の際の手摺としても使用することもでき、作業能率や安全性が向上する。
ここで、苗移植機1が備える苗植付部3について、より具体的に説明する。図5は、実施形態に係る苗移植機1の苗植付部3の主要部分の説明図、図6は、同苗植付部3の側面図である。図7は、同苗植付部3の苗抜き装置35の背面視による説明図、図8は、同苗抜き装置35の側面視による説明図である。図9は、苗植付部3の植付伝動機構部25の伝動機構図、図10は、同植付伝動機構部25の一部の背面断面図である。図11は、苗植付部3の駆動ケース41の側面断面図、図12は、同駆動ケース41の他の側面断面図である。図13は、苗移植機1で用いられる苗箱Cの一部を示す平面図である。
苗移植機1で圃場に植付けられるポット苗N(図7及び図8を参照)は、図13に示す苗箱Cに収容される。苗箱Cは、合成樹脂などの弾性材料で構成され、マット状に形成されている。また、図13に示すように、苗箱Cは、ポット苗Nを収容する円筒状のポットC1が複数設けられる。かかる苗箱Cが、苗植付部3の苗載置部24(図1および図2を参照)の上に積載されると、複数のポットC1が、左右方向に並ぶことになる。そして、左右方向に並ぶ複数のポットC1は生育列C2を構成する。かかる生育列C2は、前後方向、すなわち、苗載置部24における苗箱Cの移動方向に複数設けられることとなる。
図5および図6に示すように、苗植付部3は、苗載置部24と、苗箱搬送装置32と、苗取出装置33(図12に示す)と、苗搬送装置34と、苗抜き装置35と、苗横送り装置36と、苗植付装置37と、植付伝動機構部25(図9および図10に示す)と、搬送動作判定装置26などを備える。また、苗植付部3は、図5に示すように、駆動ケース41や植付伝動フレーム45が一体に構成されている。
また、苗植付部3は、苗載置部24と、苗箱搬送装置32と、苗取出装置33と、苗搬送装置34と、苗抜き装置35と、苗横送り装置36と、苗植付装置37と、搬送動作判定装置26とを1対1で対応させてユニットを構成し、かかるユニットを複数設けている。
そして、ユニットの対応するもの同士で2条分のポット苗Nを圃場に植付可能としている。さらに、苗植付部3は、上記ユニットを左右方向に複数並べて設けている。本実施形態では、かかるユニットが合計4つ設けられる。
苗載置部24は、走行車体2の後部に設けられ、かつポット苗Nを複数収容した苗箱Cを積載することができる。苗載置部24は、図6などに示すように、隣接する2条づつで共用の後下がりに傾斜した上下2段のポット苗箱導入部30,30が左右並列に4組設けられ、これら各組のポット苗箱導入部30,30の後端部には、苗箱主搬送路31,31が接続されて苗箱Cを移送する。上下2段のポット苗箱導入部30,30は、駆動ケース41から上方に延びる苗載台支持フレーム46を介して支持される。
苗箱主搬送路31は、側面視略U字状に形成されており、上下2段のポット苗箱導入部30,30から順に1個づつ供給される苗箱Cを、前半は下向きに搬送し、途中から円弧に沿って搬送方向を徐々に変え、後半は、上向きに搬送可能としている。
苗箱主搬送路31の後端部には、苗取出位置Pで苗を取り出された後の空の苗箱Cを複数個上下に重ねた状態で収容する空箱収容部27が設けられる。苗箱主搬送路31には、ポット苗箱導入部30にある苗箱Cを送り出す供給ローラ29a,29bによる苗箱供給装置29が備えられており、載置されている苗箱Cは、ポット苗箱導入部30,30の底面の空転ローラ29cにより、傾斜に沿って自重で後方に滑り落ちる。
苗箱供給装置29は、ポット苗導入部30の後端部に設けられる。苗箱供給装置29は、苗箱Cの左右縁部を把持して苗箱主搬送路31側に苗箱Cを繰り出す左右各一対の供給ローラ29a,29bと、これら供給ローラ29a,29bの前方に位置し、外周部に形成された突起がポットC1とポットC1との隙間に下側から係合して苗箱Cを送るように機能する幅広の送りローラ29dとが設けられる。なお、供給ローラ29b及び送りローラ29dは、それぞれモータM1,M2で回転駆動される。
苗箱搬送装置32は、ポット苗載置部24に積載された苗箱Cを、一つの生育列C2のポット苗N毎に間欠的に苗植付装置37(すなわち、空箱収容部27)側に送り出す。苗箱搬送装置32は、図6に示すように、苗箱主搬送路31に設けられており、左右一対の苗送り回動部材60,60及び係止爪61,61を有する。苗送り回動部材60,60は、走行車体2の走行に連動して回動することで、苗箱Cを空箱収容部27側に間欠的に送ることができる。苗送り回動部材60,60は、苗箱主搬送路31に沿って上下に往復動し、下動するときには苗箱Cの左右端縁部にポットC1のピッチと同ピッチで穿設された苗箱送り用の角孔C3(図13参照)に係合し、上動するときは角孔C3との係合が外れて次の角孔C3まで乗り越すように作動する。
係止爪61,61は、苗送り回動部材60,60の動作と連動し、苗送り回動部材60,60が下動するときには角孔C3から外れ、苗送り回動部材60,60が上動するときには、角孔C3に係合して苗箱Cを支えるように作動する。これら苗送り回動部材60,60及び係止爪61,61の作動により、苗箱Cは、ポットC1が配列されて構成された生育列C2の1ピッチ分づつ、苗箱主搬送路31に沿って間欠的に送られる。
苗箱搬送装置32の送り動作は、苗取出装置33の苗押出しピン72が苗箱CのポットC1内に挿入されていないときに行われる。また、苗送り回動部材60,60及び係止爪61,61の搬送上流側には、係止爪61,61が先行する苗箱Cの角孔C3から抜け出るのに連動して苗箱主搬送路31に突出し、苗箱主搬送路31を滑り落ちてくる後続の苗箱Cを一旦受け止める遮断爪63,63が設けられている。
苗箱搬送装置32の作動機構は、図11に示すように、駆動ケース41の上部を貫通する第一伝動軸64に苗箱送りカム65を設け、苗箱作動アーム66に回動自在に支承されたローラ67が苗箱送りカム65の外周面に常時当接するように、苗箱作動アーム66をスプリング68で付勢している。苗箱送りカム65の回転により、苗箱作動アーム66が揺動し、苗箱作動アーム66の揺動が苗箱送り駆動軸69を介して苗箱送り駆動アーム70,70に伝えられて苗送り回動部材60,60を上下に往復動させる。そして、苗箱送りカム65がローラ67を押す時に苗送り回動部材60,60が下動して苗箱Cを送る。
苗取出装置33は、図5および図6に示す苗取出位置Pで、苗箱CのポットC1からポット苗Nを取り出す。苗取出装置33は、苗箱Cの生育列C2を構成する左右方向に並んだポットC1に対し、同数同ピッチで並んだ苗押出しピン72(図12参照)が、前後方向に摺動自在に支持された左右一対のスライド軸73,73と一体に作動するように設けられる。スライド軸73にはラック73aが形成されており、かかるラック73aに駆動ケース41内の第一扇形ギヤ74が噛合している。
第一扇形ギヤ74が取り付けられているギヤ軸75には、別の第二扇形ギヤ76が取り付けられており、この第二扇形ギヤ76は、支持軸78に回動自在に支持された苗取出作動アーム79のギヤ部79aと噛合している。苗取出作動アーム79のギヤ部79aと反対側の端部にはローラ80が回転自在に支承されており、そのローラ80が苗取出カム81のガイド溝81aに嵌り込んでいる。こうして、苗取出カム81の回転によりスライド軸73,73が前後にスライドし、スライド軸73,73が後方にスライドするときに、苗押出しピン72が苗取出位置Pにある苗箱Cの一列分の生育列C2のポットC1に対し、ポットC1底部の切れ目からポットC1内に挿入されてポット苗Nを後方に押し出す。なお、苗箱送りカム65と苗取出カム81は、第一伝動軸64に回転自在に嵌合する共通の筒体64aに一体形成されている。
苗搬送装置34は、苗取出装置33によって取り出されたポット苗Nを下側前方に弧を描くような軌跡でもって苗抜き装置35に向かって搬送することができる。苗搬送装置34は、苗押出しピン72により苗箱CのポットC1から押し出されるポット苗Nの床土部N1(図8参照)を保持する苗ホルダー83を備える。苗ホルダー83は、図5に示すように、上下2本づつの揺動リンク84,85に連結された支持部材86,86に左右両端が固定されており、揺動リンク84,85の揺動により円弧軌跡を描いて往復動する。苗搬送装置34は、図10に示すように、第一伝動軸64の回転がアーム88、伸縮ロッド89、アーム90を介して苗搬送伝動ケース91の入力軸92に反復回動運動として伝達され、さらに、入力軸92から一対の伝動ギヤ93、94を介して、揺動リンク85に取り付けられている苗搬送駆動軸95に反復回動運動を伝達されるように構成される。
苗抜き装置35は、図7及び図8に示すように、苗搬送装置34からポット苗Nを抜き出せるように、苗ホルダー83を前後に通り抜け可能とした櫛状の苗叩き100を備えている。回動自在に設けた左右方向の苗叩き取付軸101に苗叩きアーム102を取り付け、さらにこの苗叩きアーム102に回動可能に取り付けた回動アーム103に、苗叩き100を一体的に取り付けている。
回動アーム103は、長孔103aの範囲内でボルト102aを介して回動可能である。叩きアーム102に取り付けたローラ104が、苗叩きカム軸105に取り付けられた苗叩きカム106のカム面に当接するようにスプリング107にて付勢されている。苗叩きカム106が回転すると、苗叩きカム106の凹部106aにローラ104が嵌り込むときのスプリング107の張力により苗叩き100が素早く下向きに回動し、直ぐに元の位置に復帰するように作動する。
苗抜き装置35は、苗ホルダー83が移動軌跡下端に移動してきたとき、苗ホルダー83に保持されているポット苗Nを苗叩き100が受け止め、苗ホルダー83のみを通過させてポット苗Nを抜き出す。そして、苗叩き100が下向きに回動し、抜き出されたポット苗Nを、苗横送り装置36の苗送りベルト113,113上に叩き落とす。
苗横送り装置36は、苗抜き装置35によって抜き出された生育列C2の1列分のポット苗Nを半分づつ左右両側に横送りすることができる。すなわち、苗横送り装置36は、図7に示すように、苗植付部3の図示しないメインフレームに架設された苗横送り駆動軸110の駆動ローラ111と、従動ローラ112とに巻き掛けた左右一対の苗送りベルト113,113を、それぞれ左右外側へ移動するように左右対称に設けている。苗送りベルト113,113の横送り部の下側には、落下するポット苗Nの重みで苗送りベルト113,113が橈むのを防止する撓み防止板114が設けられる。苗抜き装置35により抜き落とされた生育列C2の1列分のポット苗Nは、各苗送りベルト113,113の上に整列で落下し、これを受けた苗送りベルト113,113が左右半分づつのポット苗Nをそれぞれ左右両側に搬送する。苗送りベルト113で搬送されたポット苗Nは、一対の植付ガイド115,115の間に落し込まれる。
苗植付装置37は、苗取出装置33で取り出され、苗横送り装置36によって供給されるポット苗Nを取って圃場に植え付けるものである。苗植付装置37は、図5に示すように、植付伝動フレーム45の後端部に設けられた植付駆動軸120と一体回転する回転ケース121に、一対の苗植込具122,122を取り付けて構成される。苗植込具122,122は、植付駆動軸120が回転すると、閉ループの先端軌跡を描いて移動する。各苗植込具122は、植付ガイド115,115(図7参照)の間に落し込まれたポット苗Nを交互に一株づつ取り、それを植付ガイド115,115の間を移動させて圃場に植え付ける。
植付伝動機構部25は、図9に示すように、走行車体2から駆動力が伝達される入力軸130が、ベベルギヤ131,132を介して第二伝動軸133と連動連結している。第二伝動軸133は、8組のベベルギヤ135,136を介して各条の苗横送り駆動軸110へ駆動力を伝達する。隣接する一対の苗横送り駆動軸110,110は、互いに逆向きに回転するように構成される。
また、図1および図5に示す各植付伝動フレーム45内には、図9に示すように、第二伝動軸133に取り付けたスプロケット137aと植付駆動軸120に取り付けたスプロケット137bに掛け渡した伝動チェーン137が設けられる。かかる伝動チェーン137により、駆動力は第二伝動軸133から植付駆動軸120へ伝達される。
さらに、第二伝動軸133は、図9及び図10に示すように、その外端部でベベルギヤ140,141を介して、左右2本の上下伝動軸142の下端部とそれぞれ連動連結している。左側の上下伝動軸142は、その上端部がベベルギヤ143,144を介して第一ユニット・第二ユニット用の第一伝動軸64と連動連結すると共に、その中間部がベベルギヤ147,148を介して第一ユニット・第二ユニット用の苗叩きカム軸105と連動連結している。同様に右側の上下伝動軸142は、第三ユニット・第四ユニット用の第一伝動軸64及び苗叩きカム軸105と連動連結している。
次に、搬送動作判定装置26について、図14〜図17に基いて説明する。図14は、苗移植機1の一部の構成を示すブロック図である。図15は、苗植付部3の搬送動作判定装置26などを示す平面図、図16は、同搬送動作判定装置26の側面図、そして図17は、同搬送動作判定装置26の背面断面図である。
搬送動作判定装置26は、苗箱搬送装置32の苗箱Cの搬送動作の良否を判定するための装置であり、図14に示すように、搬送回数検知装置47と、移動検知装置49と、報知装置50と、制御装置5とを備える。
搬送回数検知装置47は、苗箱搬送装置32の苗箱Cの間欠的な送り動作を検知するものであり、前述した苗送り回動部材60と、図6及び図15に示す回動検知センサ51とを備える。回動検知センサ51は、苗送り回動部材60の回動動作を検知するものであり、検知結果を制御装置5に出力する。回動検知センサ51は、苗箱作動アーム66が上動、すなわち、苗送り回動部材60が下動した際に、苗箱作動アーム66が接触してOFFとなるように構成される。回動検知センサ51は、ON、OFFの信号(検知結果)を制御装置5に出力することで、苗箱Cの送り動作を検知する。
移動検知装置49は、苗箱搬送装置32による苗箱Cの移動を検知するものであり、図16及び図17に示すように、接触回転体54と、被検知回転体55と、回転センサ56とを備える。
かかる移動検知装置49は、図16及び図17に示すように、取付フレーム48に取付けられる。取付フレーム48は、苗箱主搬送路31の内側でかつ苗箱主搬送路31により搬送される苗箱Cの上方に配置されている。なお、取付フレーム48は、苗植付部3のメインフレームから下方に吊下げられた下方フレーム52の下端部にボルト53aとナット53bにより固定される。
接触回転体54は、取付フレーム48の下端部に回転自在に支持された回転軸200に取り付けられて、回転自在に設けられている。接触回転体54は、外周面が苗箱Cの内側に接触するとともに、苗箱Cの移動により回転軸200とともに回転する。
接触回転体54は、ゴムなどの弾性材料で構成され、リング状に形成される。接触回転体54は、外周面に苗箱Cに接触する苗箱接触突起54aが設けられる。苗箱接触突起54aは、接触回転体54の外周面から外周方向に凸に形成され、周方向に等間隔に配置される。苗箱接触突起54aは、接触回転体54の側方からみて、外周に向かうにしたがって徐々に先細に形成される。苗箱接触突起54aは、接触回転体54が回転する際に苗箱Cの生育列C2間を通過して、苗箱Cに接触する。接触回転体54は、回転軸200に固定された固定フランジ57と円環状のフランジ部材58との間に挟まれ、固定フランジ57とフランジ部材58とがボルト59aとナット59bなどに固定されることで、回転軸200に取り付けられる。
被検知回転体55は、接触回転体54が取り付けられた回転軸200に設けられている。被検知回転体55は、回転軸200に固定されて、接触回転体54と同軸に配置されている。被検知回転体55は、回転軸200、すなわち接触回転体54と一体に回転する。被検知回転体55は、外周面に歯55aが設けられて、歯車形状に形成されている。
回転センサ56は、図17に示すように、取付フレーム48に取り付けられており、被検知回転体55の回転を検知する。回転センサ56は、下方フレーム52の下端部に被検知回転体55の外周面と対向して配置される。また、回転センサ56は、被検知回転体55の最も近接する歯55aを検知することで、被検知回転体55の回転、すなわち苗箱Cの移動距離を検知し、検知結果を制御装置5に出力する。
報知装置50は、搬送回数検知装置47が所定回数の苗箱Cの送り動作を検知する際に、移動検知装置49が苗箱Cの移動を検知しないと報知する。かかる報知装置50は、周知のブザーやランプなどで構成され、ブザーが音を発生したり、ランプが点灯したりすることで作業者に報知することができる。本実施形態では、報知装置50は、搬送回数検知装置47が苗箱Cの送り動作を2回検知する間に、移動検知装置49が検知した苗箱Cの移動距離が所定距離よりも短い場合に、作業者に苗箱搬送装置32の搬送動作が不良である旨を報知する。
制御装置5は、上述した構成要素を含む苗移植機1の各装置を制御する。制御装置5は、例えば、ミッションを制御する変速制御、苗植付部昇降機構22による苗植付部3の昇降制御、エンジン11を制御するエンジン制御、苗植付部3のポット苗Nの植付制御等を実行する。なお、制御装置5は、CPU(Central Processing Unit)等を有する処理部や、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の記憶部、さらには入出力部が設けられ、これらは互いに接続されて互いに信号の受け渡しが可能である。記憶部には、苗移植機1を制御するコンピュータプログラムが格納される。
また、制御装置5は、苗移植機1のポット苗Nの植付中には、搬送回数検知装置47と移動検知装置49の検知結果に基いて、搬送回数検知装置47が所定回数の苗箱Cの送り動作を検知する際に、移動検知装置49が苗箱Cの移動を検知しないと報知装置50に報知させる。本実施形態では、制御装置5は、搬送回数検知装置47が苗箱Cの送り動作を2回検知する間に、移動検知装置49が検知した苗箱Cの移動距離が所定距離よりも短い場合、報知装置50に苗箱搬送装置32の搬送動作が不良である旨を報知させる。
ところで、図1および図2に示すように、苗植付部3の下方には、走行車体2の移動と共に、圃場上を滑走して整地するフロート38が設けられる。フロート38は、各苗載置部24の下方に設けられて、合計4枚設けられている。
なお、本実施形態では、接触回転体54は取付フレーム48に支持された構成としたが、変形例として、例えば、図11および図12に示す駆動ケース41内に配設することもできる。かかる構成とすれば、接触回転体54が泥や水などが付着するなどといった外部からの影響を受けることがない。また、例えば、第一伝動軸64を回転軸とすれば、畦クラッチと連動させることも可能である。また、この場合、回転センサ56については駆動ケース41の蓋体に設けるとよく、蓋体を取り外すことで回転センサ56の取り外しも容易となり、メンテナンス性が良好となる。
また、苗植付部3の下方で、かつフロート38の前方には、圃場を整地するための整地装置6が設けられる。整地装置6は、エンジン11からの駆動力により回転される1以上のロータ39を備える。
前述した苗移植機1は、圃場にポット苗Nを植え付ける際には、苗植付部昇降機構22により苗植付部3が対地作業位置(ポット苗Nの植付位置)まで下降される。苗移植機1は、圃場内を走行しながら整地装置6のロータ39及びフロート38が圃場の表面を均す。そして、苗移植機1は、苗植付部3の苗植付装置37の回転ケース121、植付駆動軸120と一体に回転しながら苗植込具122がポット苗Nを圃場に植え付ける。
また、苗移植機1は、圃場への苗の植え付けを終了すると、苗植付部昇降機構22により苗植付部3が非作業位置まで上昇される。そして、苗移植機1は、圃場間を移動したり、圃場外に移動する。
(他の実施形態)
上述してきた苗移植機1では、水タンク350を、施肥装置20の左右両側にそれぞれ設けたタンク支持アーム360に配設したものとして説明したが、図18に示すように、延長ステップ310の下方に配置することもできる。
すなわち、図示するように、延長ステップ310において、後輪12b,12bのフェンダを兼ねたリアステップ13bに並設された部位の下方にタンク収納空間500を形成し、かかるタンク収納空間500に水タンク350を配置することができる。
かかる構成とすることで、走行車体2の側部が広くなるため、走行車体2からの乗り降りが容易になって作業能率を向上させることができる。また、走行車体2上に水タンク350が位置しないことになるため、作業者は、施肥装置20や苗植付部3に近づくことが容易になり、肥料やポット苗Nの補充作業の能率を向上させることができる。
また、苗植付部3の苗載置部24における上下2段のポット苗箱導入部30,30の前方に、苗箱Cを導入しやすくした苗箱搬送ガイド40を設けることができる。
図19は、他の実施形態に係る苗移植機が備える苗箱搬送ガイド40の側面視による説明図、図20は、同苗箱搬送ガイド40の平面視による説明図である。
図19および図20に示すように、苗箱搬送ガイド40は、機体幅方向に延在するハンドレール480に一側端部がスライド自在に支持されたフレーム400と、このフレーム400を挟んで互いに平行に延在するレール430,430と、レール430,430上で軸周りに回転する複数の歯付ローラ440とを備える。また、苗箱搬送ガイド40は、支持枠420を介して取り付けた左右一対のカバー体410を備えており、かかるカバー体410,410の間に、複数の歯付ローラ440、レール430およびフレーム400を配設している。
フレーム400およびレール430は、図19に示すように、側面視で略S字状に形成されており、苗箱Cを投入する基端側がリヤステップ13bの上方に位置するとともに、先端側をポット苗箱導入部30,30の上部に位置させ、苗箱Cを導入しやすくしている。
歯付ローラ440は、ローラ回転軸490を有するローラ支持体450により支持されている。そして、フレーム400の基端部側に配設したモータ460の駆動軸と各歯付ローラ440のローラ回転軸490に設けたプーリ455との間に無端状ベルト470を掛け渡している。こうして、モータ460を作動させると、歯付ローラ440が回転して、苗箱Cの角孔C3(図13参照)に歯を係合させて移動させることができる。このように、苗箱搬送ガイド40を設けることで、作業者は苗箱Cを上方まで持ち上げなくとも、容易に苗載置部24に供給することが可能となる。
かかる構成の苗箱搬送ガイド40は、図20の矢印Fで示すように、ハンドレール480に沿って移動可能であるため、作業者は、苗植付部3に2条分のポット苗Nを圃場に植付可能に構成されて配設された4つのユニットのうち、所望するユニットの苗載置部24の直前方位置へ移動させることができる。
また、苗箱Cの角孔C3と歯付ローラ440の歯の係合状態とに基づいて、歯付ローラ440同士間の間隔を設定することで、苗箱Cの搬送を最小限の数の歯付ローラ440で行うことが可能となる。
なお、上述してきた実施形態はあくまで一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。また、各構成や、形状、表示要素などのスペック(構造、種類、方向、形状、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数、配置、位置、材質など)は、適宜に変更して実施することができる。
1 苗移植機
2 走行車体
3 苗植付部
10 メインフレーム
10a 前側フレーム
10b 前側延長フレーム
13a フロアステップ
13c フロントステップ
20 施肥装置
24 苗載置部
34 苗搬送装置
37 苗植付装置
300 錘保持部材
301 底部
302 前側部
302a 前端
303 錘取付溝
350 水タンク
360 タンク支持アーム(アーム部)
400 錘収容空間
W 錘
N ポット苗

Claims (6)

  1. 走行車体の後部に設けられ、ポット苗を圃場に植え付ける苗植付部と、
    前記走行車体上に設けられたフロアステップと、
    前記フロアステップの外側に設けられた延長ステップと、
    前記延長ステップの前側に設けられ、錘を着脱自在に保持可能としたフロントステップと、
    を備えることを特徴とする苗移植機。
  2. 前記走行車体のメインフレームを構成する前側フレームと、
    前記前側フレームの両端部にそれぞれ連結された前側延長フレームと、
    を備え、
    前記前側延長フレームの上部に前記フロントステップを設ける一方、前記前側延長フレームの下部には、前記錘を着脱自在に保持する錘保持部材を設けた
    ことを特徴とする請求項1に記載の苗移植機。
  3. 前記錘保持部材は、底部と、当該底部から前方上部へ延伸して前端が前記フロントステップに当接する前側部とにより形成される錘収容空間を有し、
    前記底部は、複数の錘を選択的に装着可能な複数の錘取付溝を有する
    ことを特徴とする請求項2に記載の苗移植機。
  4. 圃場に肥料を供給する施肥装置と、
    前記走行車体の外方に突出するように前記施肥装置の左右両側にそれぞれ設けられたアーム部と、
    苗に供給する水を貯留するとともに、前記アーム部に配設される水タンクと、
    を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の苗移植機。
  5. 圃場に肥料を供給する施肥装置と、
    前記延長ステップの下方に形成されたタンク収納空間と、
    苗に供給する水を貯留するとともに、前記タンク収納空間に配置される水タンクと、
    を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の苗移植機。
  6. 苗植付部は、
    前記ポット苗を積載する苗載置部と、
    前記苗載置部から前記ポット苗を下手側に搬送する苗搬送装置と、
    前記ポット苗を圃場に植付ける苗植付装置と、
    を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の苗移植機。
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