JP6065880B2 - 苗移植機 - Google Patents

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Description

本発明は、圃場への苗の植え付けなどの作業を行う苗移植機に関する。
苗移植機として、ポット苗を収容する筒状のポットを複数備える苗箱を搬送し、搬送途中でポットからポット苗を取り出し、取り出したポット苗を苗植付装置で圃場に植え付ける苗移植機が、下記の特許文献1に開示されている。
特許第5051114号公報
この種の苗移植機には、苗箱が搬送されていないことを苗送りセンサが検知すると、作業者に異常を通知する報知装置が備えられており、苗箱の搬送が異常停止していることに気付かずに、苗が植え付けられない区間が圃場に発生することを防止している。
しかしながら、特許文献1に示された苗移植機の苗送りセンサは、苗箱と接触しかつ苗箱が搬送されることで回動する接触子を備えている。苗送りセンサは、接触子が回動しているか否かで、苗箱が搬送されているか否かを判断するものである。このために、走行車体の移動速度の変更に連動して、苗箱の搬送速度が変化すると、苗送りセンサの回転子の回動も少なくなる。このために、走行車体の移動速度が遅くなると、苗箱の搬送が停止していると誤検知して、報知装置が作動し、作業者が作業を中断して、作業能率が低下するという問題がある。
そこで、本発明は、かかる従来例の有する不都合を改善し、苗箱の搬送動作の誤検知を抑制することができる苗移植機を提供することを、その目的とする。
上記目的を達成する為、請求項1に記載の発明は、走行車体(2)の後部に設けられ、且つポット苗(N)を収容した苗箱(C)を積載するポット苗載置部(24)と、前記ポット苗載置部(24)に積載された苗箱(C)をポット苗(N)毎に送る苗箱搬送装置(32)と、前記苗箱(C)から前記ポット苗(N)を取り出す苗取出装置(33)と、前記苗取出装置(33)で取り出されたポット苗(N)を圃場に植え付ける苗植付装置(37)と、を備えた苗移植機(1)において、前記苗箱搬送装置(32)の前記苗箱(C)の送り動作を検知する搬送回数検知装置(47)と、前記苗箱搬送装置(32)による前記苗箱(C)の移動を検知する移動検知装置(49)と、前記搬送回数検知装置(47)が所定回数の前記苗箱(C)の送り動作を検知する間に、前記移動検知装置(49)が苗箱(C)の移動を検知しないと報知する報知装置(50)とを備えることを特徴とする苗移植機(1)である。
また、請求項2に記載の発明は、前記移動検知装置(49)は、回転自在に設けられ、且つ前記苗箱(C)に接触するとともに前記苗箱(C)の移動により回転する接触回転体(54)と、前記接触回転体(54)の回転軸(200)に設けられた被検知回転体(55)と、前記被検知回転体(55)の回転を検知する回転センサ(56)と、を備え、前記搬送回数検知装置(47)は、前記走行車体(2)の走行に連動して回動することで前記苗箱(C)を送る苗送り回動部材(60)と、前記苗送り回動部材(60)の回動動作を検知する回動検知センサ(51)と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の苗移植機(1)である。
また、請求項3に記載の発明は、前記接触回転体(54)は、前記苗箱(C)に接触する外周面に苗箱接触突起(54a)を設け、前記苗箱(C)は、前記ポット苗(N)を収容する筒状のポット(C1)が左右方向に並んで構成された生育列(C2)が移動方向に複数設けられ、前記苗箱接触突起(54a)は、前記接触回転体(54)が回転する際に生育列(C2)間を通過することを特徴とする請求項2に記載の苗移植機(1)である。
また、請求項4に記載の発明は、前記接触回転体(54)の回転軸(200)を上下方向に移動自在に設け、前記接触回転体(54)の回転軸(200)を下方に付勢する付勢部材(201)を備えることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の苗移植機(1)である。
また、請求項5に記載の発明は、前記接触回転体(54)の回転軸(200)を側方からみてS字状でかつ弾性変形自在な支持部材(204)で上方から吊り下げることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の苗移植機(1)である。
また、請求項6に記載の発明は、前記ポット苗載置部(24)と前記苗箱搬送装置(32)と前記搬送回数検知装置(47)と前記移動検知装置(49)を対応させて複数設け、各苗箱搬送装置(32)への駆動力を入切する苗送りクラッチ(205)と、前記苗送りクラッチ(205)を入切するクラッチ操作機構(206)と、を備え、前記搬送回数検知装置(47)が所定回数の前記苗箱(C)の送り動作を検知する間に、前記移動検知装置(49)が苗箱の移動を検知しないと、前記クラッチ操作機構(206)が、前記苗箱(C)の移動を検知しない前記移動検知装置(49)に対応する前記苗送りクラッチ(206)を切りにすることを特徴とする請求項1から請求項5のうちいずれか一項に記載の苗移植機(1)である。
請求項1に記載の発明によれば、搬送回数検知装置(47)が苗箱搬送装置(32)の所定回数の送り動作を検知する間に、移動検知装置(49)が苗箱(C)の移動を検知しないと、報知装置(50)が報知する。このために、苗箱搬送装置(32)が送り動作を行って作動しているのにもかかわらず、苗箱(C)の移動が検知されていないと、報知装置(50)が作動して、苗箱(C)の搬送動作の不良を作業者が確実に認識することができる。したがって、圃場に苗が植え付けられない区間が発生することを抑制でき、ポット苗(N)を手作業で植え付けることを抑制することができる。
また、搬送回数検知装置(47)が苗箱搬送装置(32)の送り動作を所定回数検知する間に、移動検知装置(49)が苗箱(C)の移動を検知するか否かで、苗箱(C)の搬送動作の良否を判定するので、走行速度が遅くなって苗箱搬送装置(32)の送り動作を検知する時間間隔が長くなっても、苗箱(C)の移動を正確に検知することができる。したがって、走行速度が高速時でも低速時でも、苗箱(C)の移動を正確に検知することができ、苗箱(C)の搬送の誤検知を抑制することができる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、接触回転体(54)と被検知回転体(55)とを同軸に配置することで、苗箱(C)の搬送動作を検知しやすくなり、誤検知を抑制することができるとともに、構成の簡素化を図ることができる。
また、苗箱(C)の送り回数を被検知回転体(55)の回転回数で検知するので、苗箱(C)の送り量の少ないうちに苗箱(C)の搬送動作の不良を検知することができる。しかたがって、仮に、ポット苗(N)が植え付けられない区間が生じても、このポット苗(N)が植え付けられない区間を短く抑えることができる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明の効果に加えて、生育列(C2)間に苗箱接触突起(54a)を通過させるので、苗箱接触突起(54a)が生育列(C2)を構成するポット(C1)を変形させることを抑制できるので、苗箱(C)の耐久性が向上するとともに、ポット苗(N)の生育が安定しやすくなる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項2または請求項3に記載の発明の効果に加えて、接触回転体(54)を付勢部材(201)で下方に付勢するので、接触回転体(54)を苗箱(C)に確実に接触させることができ、苗箱(C)の搬送動作を確実に検知でき、苗箱(C)の搬送動作の誤検知を抑制することができる。
また、苗箱(C)の搬送中に接触回転体(54)に強い負荷を作用すると、接触回転体(54)の回転軸(200)が付勢部材(201)の付勢力に抗して上方に移動できるので、接触回転体(54)や回転軸(200)、苗箱(C)が破損することを抑制できる。
請求項5に記載の発明によれば、請求項2または請求項3に記載の発明の効果に加えて、接触回転体(54)の回転軸(200)を弾性変形自在な支持部材(204)で上方から吊り下げたので、苗箱(C)の搬送中に接触回転体(54)に強い負荷を作用すると、接触回転体(54)の回転軸(200)が上方、前後方向に移動できるので、接触回転体(54)や回転軸(200)、苗箱(C)が破損することを抑制できる。
請求項6に記載の発明によれば、請求項1から請求項5のいずれかに記載の発明の効果に加えて、苗箱(C)を搬送しなくなった苗箱搬送装置(32)の搬送動作をクラッチ操作機構(206)で切ることができるので、負荷により苗箱搬送装置(32)の破損や苗箱(C)の破損を抑制することができる。
実施形態に係る苗移植機を表す側面図である。 実施形態に係る苗移植機を表す上面図である。 実施形態に係る苗移植機の苗植付部の要部を示す側面図である。 実施形態に係る苗移植機の苗植付部の側面図である。 実施形態に係る苗移植機の苗植付部の苗抜き装置の背面図である。 図5に示された苗抜き装置の側面図である。 実施形態に係る苗移植機の苗植付部の植付伝動機構部の伝動機構図である。 実施形態に係る苗移植機の苗植付部の植付伝動機構部の一部の背断面図である。 実施形態に係る苗移植機の苗植付部の駆動ケースの側断面図である。 実施形態に係る苗移植機の苗植付部の駆動ケースの他の側断面図である。 実施形態に係る苗移植機で用いられる苗箱の一部の平面図である。 実施形態に係る苗移植機の一部の構成を示すブロック図である。 実施形態に係る苗移植機の苗植付部の搬送動作判定装置などを示す平面図である。 図13に示された搬送動作判定装置の側面図である。 図13に示された搬送動作判定装置の背断面図である。 実施形態の変形例1に係る苗移植機の搬送動作判定装置の要部の背断面図である。 実施形態の変形例2に係る苗移植機の搬送動作判定装置の要部の側面図である。 実施形態の変形例3に係る苗移植機の苗植付部の植付伝動機構部の伝動機構図である。 実施形態の変形例4に係る苗移植機の苗植付部の搬送動作判定装置の要部の側面図である。 実施形態の変形例5に係る苗移植機の要部を表す側面図である。 実施形態の変形例5に係る苗移植機のルーフの要部を表す側面図である。 実施形態の変形例5に係る苗移植機の操縦席を表す側面図である。 実施形態の変形例6に係る苗移植機を表す正面図である。 実施形態の変形例6に係る苗移植機の要部を表す側面図である。 実施形態の変形例6に係る苗移植機の要部を表す平面図である。 図23中のA−A線に沿う断面図である。 実施形態の変形例7に係る苗移植機のフロントカバーなどを表す斜視図である。
以下に、本発明の実施形態に係る苗移植機を図面に基づいて詳細に説明する。なお、これらの実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能且つ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。さらに、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
[実施形態]
本発明の実施形態に係る苗移植機1を、図1から図15に基いて説明する。図1は、実施形態に係る苗移植機を表す側面図である。図2は、実施形態に係る苗移植機を表す上面図である。図3は、実施形態に係る苗移植機の苗植付部の要部を示す側面図である。図4は、実施形態に係る苗移植機の苗植付部の側面図である。図5は、実施形態に係る苗移植機の苗植付部の苗抜き装置の背面図である。図6は、図5に示された苗抜き装置の側面図である。図7は、実施形態に係る苗移植機の苗植付部の植付伝動機構部の伝動機構図である。図8は、実施形態に係る苗移植機の苗植付部の植付伝動機構部の一部の背断面図である。図9は、実施形態に係る苗移植機の苗植付部の駆動ケースの側断面図である。図10は、実施形態に係る苗移植機の苗植付部の駆動ケースの他の側断面図である。図11は、実施形態に係る苗移植機で用いられる苗箱の一部の平面図である。図12は、実施形態に係る苗移植機の一部の構成を示すブロック図である。
実施形態に係る苗移植機1は、走行しながら圃場に苗を植え付けるものである。なお、以下では、苗移植機1の前進方向を前方側(図1および図2の左側)とし、苗移植機1の後退方向を後方側(図1および図2の右側)とし、苗移植機1の前後方向に直交する直交方向を左右方向とし、苗移植機1の前後方向に直交する鉛直方向を上下方向としている。
実施形態に係る苗移植機1は、図11に示された苗箱Cに収容されたポット苗N(図5及び図6に示す)を圃場に植え付けるものである。苗箱Cは、合成樹脂などの弾性材料で構成され、マット状に形成されている。苗箱Cは、ポット苗Nを収容する円筒状のポットC1を複数設けている。苗箱Cが苗植付部3のポット苗載置部24上に積載されると、複数のポットC1が、左右方向に並ぶ。左右方向に並ぶ複数のポットC1は、生育列C2を構成する。生育列C2は、前後方向、即ち、ポット苗載置部24における苗箱Cの移動方向に複数設けられることとなる。
図1および図2に示すように、苗移植機1は、走行車体2と、走行車体2の後部(後方側)に装着された苗植付部3と、動力伝達機構4と、整地装置6と、制御装置5(図12に示す)などを備えている。
走行車体2は、走行するための左右一対の前輪12a,12aおよび左右一対の後輪(走行輪)12b,12bからなる4つの車輪12を有し、該4つの車輪12を駆動輪とする4輪駆動車となっている。走行車体2は、メインフレーム10と、メインフレーム10に搭載されたエンジン11などを有している。この苗移植機1において、エンジン11の駆動力は、走行車体2を前進または後退させるために使用されるだけでなく、苗植付部3を駆動させるためにも使用される。
エンジン11は、ディーゼル機関やガソリン機関等の熱機関であって、出力軸から駆動力を出力する。出力軸は、走行車体2の左側方から突出している。エンジン11は、走行車体2の左右方向における略中央で、且つ、作業者が乗車時に足を載せるフロアステップ13aよりも上方に突出させた状態で配置されている。このとき、エンジン11の出力軸は、フロアステップ13aの床面よりも下方に位置している。
ここで、フロアステップ13aは、走行車体2の前部(前方側)とエンジン11の後部(後方側)との間に渡って設けられており、メインフレーム10上に取り付けられている。フロアステップ13aは、その一部が格子状となっており、靴に付いた泥を圃場に落とせるようにしている。また、フロアステップ13aの後方には、後輪12b,12bのフェンダを兼ねたリアステップ13bが設けられている。このリアステップ13bは、後方に向うに従って上方に向う方向に傾斜した傾斜面を有しており、エンジン11の左右それぞれの側方に配置されている。
エンジン11は、これらのフロアステップ13aとリアステップ13bとから上方に突出しており、これらのステップから突出している部分には、エンジン11を覆うエンジンカバー14が配設されている。即ち、エンジンカバー14は、フロアステップ13aとリアステップ13bとから上方に突出した状態で、エンジン11を覆っている。
また、走行車体2には、エンジンカバー14の上部に操縦席15が設置されており、操縦席15の前方で、且つ、走行車体2の前部には、フロントカバー16が配設されている。このフロントカバー16は、フロアステップ13aの床面から上方に突出した状態で配置されており、フロアステップ13aの前方側を左右に分断している。
このフロントカバー16の内部には、図示しない制御装置、操作パネル等の操作装置、ステアリング機構およびエンジン用燃料の燃料タンク等が配設されている。また、フロントカバー16の上部には、各種操作レバー等や計器類、ハンドル17が配設されている。このハンドル17は、作業者が回転操作することにより、前輪12a,12aをステアリング操舵する操舵部材として設けられており、フロントカバー16内のステアリング機構等を介して前輪12a,12aをステアリング操舵(転舵)させることが可能になっている。
また、フロントカバー16の上部に設けられた各種操作レバーとしては、走行車体2の前後進、停止及び移動速度を切り換える走行操作レバー(図示せず)が配設されている。また、フロントカバー16の上部に設けられた各種操作レバーとしては、走行車体2が路上を走行する「路上走行モード」と、走行車体2が走行しながら圃場に苗を植え付ける「作業走行モード」等とを切り換える副変速操作レバー(図示せず)などが配設されている。
また、フロアステップ13aにおけるフロントカバー16の左右それぞれの側方に位置する部分には、補給用の苗箱Cなどを載せておく予備苗枠18が配置されている。予備苗枠18は、補給用の苗箱Cなどを載せる予備苗載台18aを上下方向に複数段備えている。また、走行車体2のフロントカバー16の左右それぞれの側方には、線引きマーカー19が設けられている。
また、走行車体2の操縦席15の後方に施肥装置20(図1に示す)が設けられている。施肥装置20は、肥料ホッパ20aに貯留されている粒状の肥料を植付作業中に一定量ずつ圃場に放出する。
動力伝達機構4は、メインフレーム10の前部に設置されたミッションケース21などを備えている。エンジン11の駆動力は、第1ベルト伝動装置、第2ベルト伝動装置を介してミッションケース21に伝動されるようになっている。ミッションケース21内のミッションで変速された駆動力が前輪12a及び後輪12bに伝達されるとともに、伝動軸、中間ギヤケースなどを介して苗植付部3に伝動される。
苗植付部3は、本実施形態では、8条植えの構成で、苗植付部昇降機構22によって、昇降自在に走行車体2の後部に設けられている。苗植付部昇降機構22は、昇降リンク機構22aと、昇降用シリンダ22bとを有しており、苗植付部3は、昇降リンク機構22aを介して走行車体2に取り付けられている。昇降リンク機構22aは、走行車体2の後部と苗植付部3とを連結させる上リンクと下リンクとを有しており、これらのリンクが、メインフレーム10の後部端に立設した背面視門型のリンクベースフレーム23に回動自在に連結され、各リンクの他端側が苗植付部3に回転自在に連結されることにより、苗植付部3を昇降可能に走行車体2に連結している。昇降用シリンダ22bは、ロッドを伸縮させることで、リンクを回転させて、苗植付部3を昇降させる。
苗植付部3は、図3及び図4などに示すように、ポット苗載置部24と、苗箱搬送装置32と、苗取出装置33(図10に示す)と、苗搬送装置34と、苗抜き装置35と、苗横送り装置36と、苗植付装置37と、植付伝動機構部25(図7などに示す)と、搬送動作判定装置26(図14などに示す)などを備える。また、苗植付部3は、駆動ケース41や植付伝動フレーム45が一体に構成されている。なお、ポット苗載置部24と、苗箱搬送装置32と、苗取出装置33と、苗搬送装置34と、苗抜き装置35と、苗横送り装置36と、苗植付装置37と、搬送動作判定装置26とを1対1で対応させて、これら対応させたものを複数設け、対応するもの同士で2条分のポット苗Nを圃場に植え付けるものである。さらに、ポット苗載置部24と苗箱搬送装置32と苗取出装置33と苗搬送装置34と苗抜き装置35と苗横送り装置36と苗植付装置37と搬送動作判定装置26で構成されるユニットを左右方向に複数並べて設けている。本実施形態では、ポット苗載置部24と苗箱搬送装置32と苗取出装置33と苗搬送装置34と苗抜き装置35と苗横送り装置36と苗植付装置37と搬送動作判定装置26とで構成されるユニットが合計4つ設けられている。
ポット苗載置部24は、走行車体2の後部に設けられ、且つポット苗Nを複数収容した苗箱Cを積載するものである。ポット苗載置部24は、図4などに示すように、隣接する2条づつで共用の後下がりに傾斜した上下2段のポット苗箱導入部30,30が左右並列に4組設けられ、これら各組のポット苗箱導入部30,30の後端部には、苗箱主搬送路31,31が接続されて苗箱Cを移送する。上下2段のポット苗箱導入部30,30は、駆動ケース41から上方に延びる苗載台支持フレーム46を介して支持されている。
苗箱主搬送路31は、上下2段のポット苗箱導入部30,30から順に1個づつ供給される苗箱Cを前半は下向きに搬送し、途中から円弧に沿って搬送方向を徐々に変え、後半は上向きに搬送する側面視略U字状に形成されている。
苗箱主搬送路31の後端部には、苗取出位置Pで苗を取り出された後の空の苗箱Cを複数個上下に重ねた状態で収容することのできる空箱収容部27が設けられている。苗箱主搬送路31には、ポット苗箱導入部30にある苗箱Cを送り出す供給ローラ29a,29bによる苗箱供給装置29が備えられ、載置されている苗箱Cはポット苗箱導入部30,30の底面の空転ローラ29cにより傾斜に沿って自重で後方に滑り落ちる。
苗箱供給装置29は、ポット苗導入部30の後端部に設けられている。苗箱供給装置29は、苗箱Cの左右縁部を把持して苗箱Cを苗箱主搬送路31側に繰り出す左右各一対の供給ローラ29a,29bと、該供給ローラ29a,29bの前方に位置し、外周部に形成された突起がポットC1とポットC1の隙間に下側から係合して苗箱Cを送る幅広の送りローラ29dとが設けられている。供給ローラ29b及び送りローラ29dは、それぞれモータM1,M2で回転駆動される。
苗箱搬送装置32は、ポット苗載置部24に積載された苗箱Cを一つの生育列C2のポット苗毎に間欠的に苗植付装置37(即ち、空箱収容部27)側に送り出すものである。苗箱搬送装置32は、図3に示すように、苗箱主搬送路31に設けられ、左右一対の苗送り回動部材60,60及び係止爪61,61とからなる。苗送り回動部材60,60は、走行車体2の走行に連動して回動することで、苗箱Cを空箱収容部27側に間欠的に送るものである。苗送り回動部材60,60は、苗箱主搬送路31に沿って上下に往復動し、下動するときには苗箱Cの左右端縁部にポットC1のピッチと同ピッチで穿設された苗箱送り用の角孔C3(図11に示す)に係合し、上動するときは角孔C3との係合が外れて次の角孔C3まで乗り越すように作動する。
係止爪61,61は、苗送り回動部材60,60の動作と連動し、苗送り回動部材60,60が下動するときには、角孔C3から外れ、苗送り回動部材60,60が上動するときには、角孔C3に係合して苗箱Cを支えるように作動する。これら苗送り回動部材60,60及び係止爪61,61の作動により、苗箱主搬送路31に沿って苗箱Cが、ポットC1が配列されて構成された生育列C2の1ピッチ分づつ間欠的に送られる。
苗箱搬送装置32の送り動作は、苗取出装置33の苗押出しピン72が苗箱CのポットC1内に挿入されていない時に行われる。また、苗送り回動部材60,60及び係止爪61,61の搬送上流側には、係止爪61,61が先行する苗箱Cの角孔C3から抜け出るのに連動して苗箱主搬送路31に突出し、苗箱主搬送路31を滑り落ちてくる後続の苗箱Cを一旦受け止める遮断爪63,63が設けられている。
苗箱搬送装置32の作動機構は、図9に示すように、駆動ケース41の上部を貫通する第一伝動軸64に苗箱送りカム65を設け、苗箱作動アーム66に回動自在に支承されたローラ67を苗箱送りカム65の外周面に常時当接するように苗箱作動アーム66をスプリング68で付勢している。苗箱送りカム65の回転により、苗箱作動アーム66が揺動し、その苗箱作動アーム66の揺動が苗箱送り駆動軸69を介して苗箱送り駆動アーム70,70に伝えられ、苗送り回動部材60,60を上下に往復動させる。苗箱送りカム65がローラ67を押す時に苗送り回動部材60,60が下動して苗箱Cを送るようになっている。
苗取出装置33は、苗取出位置P(図3等に示す)で苗箱CのポットC1からポット苗Nを取り出すものである。苗取出装置33は、苗箱Cの生育列C2を構成する左右方向に並んだポットC1に対し同数同ピッチで並んだ苗押出しピン72(図10に示す)が、前後方向に摺動自在に支持された左右一対のスライド軸73,73と一体に作動するように設けられている。スライド軸73にはラック73aが形成され、そのラック73aに駆動ケース41内の第一扇形ギヤ74が噛み合っている。
また、第一扇形ギヤ74が取り付けられているギヤ軸75には、別の第二扇形ギヤ76が取り付けられ、第二扇形ギヤ76は、支持軸78に回動自在に支持された苗取出作動アーム79のギヤ部79aと噛み合っている。苗取出作動アーム79のギヤ部79aと反対側の端部にはローラ80が回転自在に支承されており、そのローラ80が苗取出カム81のガイド溝81aに嵌り込んでいる。苗取出カム81の回転によりスライド軸73,73が前後にスライドし、該スライド軸73,73が後方にスライドするときに、苗押出しピン72が苗取出位置Pにある苗箱Cの一列分の生育列C2のポットC1に対し、ポットC1底部の切れ目からポットC1内に挿入され、ポット苗Nを後方に押し出す。苗箱送りカム65と苗取出カム81は、第一伝動軸64に回転自在に嵌合する共通の筒体64aに一体形成されている。
苗搬送装置34は、苗取出装置33によって取り出されたポット苗Nを下側前方に弧を描くような軌跡でもって苗抜き装置35に向かって搬送するものである。苗搬送装置34は、苗押出しピン72により苗箱CのポットC1から押し出されるポット苗Nの床土部N1(図6に示す)を保持する苗ホルダー83を備えている。苗ホルダー83は、図3に示すように、上下2本づつの揺動リンク84,85に連結された支持部材86,86に左右両端が固定されており、上記揺動リンク84,85の揺動により円弧軌跡を描いて往復動するようになっている。苗搬送装置34は、図8に示すように、第一伝動軸64の回転がアーム88、伸縮ロッド89、アーム90を介して苗搬送伝動ケース91の入力軸92に反復回動運動として伝達され、更に、入力軸92から一対の伝動ギヤ93、94を介して、揺動リンク85に取り付けられている苗搬送駆動軸95に反復回動運動を伝達されるように構成されている。
苗抜き装置35は、苗搬送装置34からポット苗Nを抜き出すものである。苗抜き装置35は、図5及び図6に示すように、苗ホルダー83を前後に通り抜け可能な櫛状の苗叩き100を備えている。回動自在に設けた左右方向の苗叩き取付軸101に苗叩きアーム102を取り付け、更にその苗叩きアーム102に回動可能に取り付けた回動アーム103に苗叩き100を一体的に取り付けている。回動アーム103は、長孔103aの範囲内でボルト102aを介して回動可能である。叩きアーム102に取り付けたローラ104が、苗叩きカム軸105に取り付けられた苗叩きカム106のカム面に当接するようにスプリング107にて付勢している。苗叩きカム106が回転すると、苗叩きカム106の凹部106aにローラ104が嵌り込むときのスプリング107の張力により苗叩き100が素早く下向きに回動し、直ぐに元の位置に復帰するように作動する。
苗抜き装置35は、苗ホルダー83が移動軌跡下端に移動してきたとき、苗ホルダー83に保持されているポット苗Nを苗叩き100が受け止め、苗ホルダー83のみを通過させてポット苗Nを抜き出す。そして、苗叩き100が下向きに回動し、抜き出されたポット苗Nを苗横送り装置36の苗送りベルト113,113上に叩き落とす。
苗横送り装置36は、苗抜き装置35によって抜き出された生育列C2の1列分のポット苗Nを半分づつ左右両側に横送りするものである。苗横送り装置36は、図5に示すように、苗植付部3の図示しないメインフレームに架設された苗横送り駆動軸110の駆動ローラ111と、従動ローラ112とに巻き掛けた左右一対の苗送りベルト113,113を、それぞれ左右外側へ移動するように左右対称に設けている。苗送りベルト113,113の横送り部の下側には、落下するポット苗Nの重みで苗送りベルト113,113が橈むのを防止する撓み防止板114が設けられている。苗抜き装置35により抜き落とされた生育列C2の1列分のポット苗Nは、各苗送りベルト113,113の上に整列で落下し、これを受けた苗送りベルト113,113が左右半分づつの苗をそれぞれ左右両側に搬送する。苗送りベルト113で搬送された苗Nは、一対の植付ガイド115,115の間に落し込まれる。
苗植付装置37は、苗取出装置33で取り出され、苗横送り装置36によって供給されるポット苗Nを取って圃場に植え付けるものである。苗植付装置37は、図3に示すように、植付伝動フレーム45の後端部に設けられた植付駆動軸120と一体回転する回転ケース121に一対の苗植込具122,122を取り付けている。苗植込具122,122は、植付駆動軸120が回転すると、閉ループの先端軌跡を描いて移動する。各苗植込具122は、植付ガイド115,115の間に落し込まれたポット苗Nを交互に一株づつ取り、それを植付ガイド115,115の間を移動させて圃場に植え付ける。
植付伝動機構部25は、図7に示すように、走行車体2から駆動力が伝達される入力軸130がベベルギヤ131,132を介して第二伝動軸133と連動連結している。第二伝動軸133は、8組のベベルギヤ135,136を介して各条の苗横送り駆動軸110へ駆動力を伝達する。隣接する一対の苗横送り駆動軸110,110は、互いに逆向きに回転するようになっている。
また、各植付伝動フレーム45内には、第二伝動軸133に取り付けたスプロケット137aと植付駆動軸120に取り付けたスプロケット137bに掛け渡した伝動チェーン137が設けられている。該伝動チェーン137により第二伝動軸133から植付駆動軸120へ駆動力が伝達される。
更に、第二伝動軸133は、図7及び図8に示すように、その外端部でベベルギヤ140,141を介して、左右2本の上下伝動軸142の下端部とそれぞれ連動連結している。左側の上下伝動軸142は、その上端部がベベルギヤ143,144を介して第一ユニット・第二ユニット用の第一伝動軸64と連動連結すると共に、その中間部がベベルギヤ147,148を介して第一ユニット・第二ユニット用の苗叩きカム軸105と連動連結している。同様に右側の上下伝動軸142は、第三ユニット・第四ユニット用の第一伝動軸64及び苗叩きカム軸105と連動連結している。
次に、搬送動作判定装置26を、図13〜図15に基いて説明する。図13は、実施形態に係る苗移植機の苗植付部の搬送動作判定装置などを示す平面図である。図14は、図13に示された搬送動作判定装置の側面図である。図15は、図13に示された搬送動作判定装置の背断面図である。
搬送動作判定装置26は、苗箱搬送装置32の苗箱Cの搬送動作の良否を判定するための装置である。搬送動作判定装置26は、図12に示すように、搬送回数検知装置47と、取付フレーム48(図14などに示す)と、移動検知装置49と、報知装置50を備えている。
搬送回数検知装置47は、苗箱搬送装置32の苗箱Cの間欠的な送り動作を検知するものである。搬送回数検知装置47は、前述した苗送り回動部材60と、図4及び図13に示す回動検知センサ51とを備える。回動検知センサ51は、苗送り回動部材60の回動動作を検知するものであり、検知結果を制御装置5に出力する。回動検知センサ51は、苗箱作動アーム66が上動、即ち、苗送り回動部材60が下動した際に、苗箱作動アーム66が接触してOFFとなる構成である。回動検知センサ51は、ON、OFFの信号(検知結果)を制御装置5に出力することで、苗箱Cの送り動作を検知する。
取付フレーム48は、苗箱主搬送路31の内側でかつ苗箱主搬送路31により搬送される苗箱Cの上方に配置されて、移動検知装置49を固定するためのものである。取付フレーム48は、図14及び図15に示すように、苗植付部3のメインフレームから下方に吊下げられた下方フレーム52の下端部にボルト53aとナット53bにより固定される。
移動検知装置49は、苗箱搬送装置32による苗箱Cの移動を検知するものである。移動検知装置49は、図14及び図15に示すように、接触回転体54と、被検知回転体55と、回転センサ56とを備える。
接触回転体54は、取付フレーム48の下端部に回転自在に支持された回転軸200に取り付けられて、回転自在に設けられている。接触回転体54は、外周面が苗箱Cの内側に接触するとともに、苗箱Cの移動により回転軸200とともに回転する。
接触回転体54は、ゴムなどの弾性材料で構成され、リング状に形成されている。接触回転体54は、外周面に苗箱Cに接触する苗箱接触突起54aを設けている。苗箱接触突起54aは、接触回転体54の外周面から外周方向に凸に形成され、周方向に等間隔に配置されている。苗箱接触突起54aは、接触回転体54の側方からみて、外周に向かうにしたがって徐々に先細に形成されている。苗箱接触突起54aは、接触回転体54が回転する際に苗箱Cの生育列C2間を通過して、苗箱Cに接触する。接触回転体54は、回転軸200に固定された固定フランジ57と円環状のフランジ部材58との間に挟まれ、固定フランジ57とフランジ部材58とがボルト59aとナット59bなどに固定されることで、回転軸200に取り付けられる。
被検知回転体55は、接触回転体54が取り付けられた回転軸200に設けられている。被検知回転体55は、回転軸200に固定されて、接触回転体54と同軸に配置されている。被検知回転体55は、回転軸200、即ち接触回転体54と一体に回転する。被検知回転体55は、外周面に歯55aが設けられて、歯車形状に形成されている。
回転センサ56は、取付フレーム48に取り付けられて、被検知回転体55の回転を検知するものである。回転センサ56は、下方フレーム52の下端部に被検知回転体55の外周面と対向して配置されている。回転センサ56は、被検知回転体55の最も近接する歯55aを検知することで、被検知回転体55の回転、即ち苗箱Cの移動距離を検知し、検知結果を制御装置5に出力する。
報知装置50は、搬送回数検知装置47が所定回数の苗箱Cの送り動作を検知する際に、移動検知装置49が苗箱Cの移動を検知しないと報知するものである。報知装置50は、周知のブザーやランプなどで構成され、ブザーが音を発生したり、ランプが点灯することで、作業者に報知する。本実施形態では、報知装置50は、搬送回数検知装置47が苗箱Cの送り動作を2回検知する間に、移動検知装置49が検知した苗箱Cの移動距離が所定距離よりも短い場合に、作業者に苗箱搬送装置32の搬送動作が不良である旨を報知する。
また、苗植付部3の下方には、走行車体2の移動と共に、圃場上を滑走して整地するフロート38が設けられている。フロート38は、各ポット苗載置部24の下方に設けられて、合計4枚設けられている。
整地装置6は、苗植付部3の下方で、且つフロート38の前方に設けられ、且つ圃場を整地するものである。整地装置6は、エンジン11からの駆動力により回転される1以上のロータ39を備える。
制御装置5は、苗移植機1を構成する上述した構成要素をそれぞれ制御するものである。制御装置5は、例えば、ミッションを制御する変速制御、苗植付部昇降機構22による苗植付部3の昇降制御、エンジン11を制御するエンジン制御、苗植付部3のポット苗Nの植付制御等を実行している。
制御装置5は、苗移植機1のポット苗Nの植付中には、搬送回数検知装置47と移動検知装置49の検知結果に基いて、搬送回数検知装置47が所定回数の苗箱Cの送り動作を検知する際に、移動検知装置49が苗箱Cの移動を検知しないと報知装置50に報知させる。本実施形態では、制御装置5は、搬送回数検知装置47が苗箱Cの送り動作を2回検知する間に、移動検知装置49が検知した苗箱Cの移動距離が所定距離よりも短い場合に、報知装置50に苗箱搬送装置32の搬送動作が不良である旨の報知させる。
前述した苗移植機1は、圃場にポット苗Nを植え付ける際には、苗植付部昇降機構22により苗植付部3が対地作業位置(ポット苗Nの植付位置)まで下降される。苗移植機1は、圃場内を走行しながら整地装置6のロータ39及びフロート38が圃場の表面を均す。そして、苗移植機1は、苗植付部3の苗植付装置37の回転ケース121、植付駆動軸120と一体に回転しながら苗植込具122がポット苗Nを圃場に植え付ける。
また、苗移植機1は、圃場への苗の植え付けを終了すると、苗植付部昇降機構22により苗植付部3が非作業位置まで上昇される。そして、苗移植機1は、圃場間を移動したり、圃場外に移動する。
以上のように、本実施形態の苗移植機1の構成によれば、搬送回数検知装置47が苗箱搬送装置32の所定回数の苗箱Cの送り動作を検知する間に、移動検知装置49が苗箱Cの移動を検知しないと、報知装置50が報知する。このために、苗箱搬送装置32が送り動作を行って作動しているのにもかかわらず、苗箱Cの移動が検知されていないと、報知装置50が作動して、苗箱Cの搬送動作の不良を作業者が確実に認識することができる。したがって、圃場にポット苗Nが植え付けられない区間が発生することを抑制でき、ポット苗Nを手作業で植え付けることを抑制することができる。
また、搬送回数検知装置47が苗箱搬送装置32の送り動作を所定回数検知する間に、移動検知装置49が苗箱Cの移動を検知するか否かで、苗箱Cの搬送動作の良否を判定するので、走行車体2の走行速度が遅くなって苗箱搬送装置32の送り動作を検知する時間間隔が長くなっても、苗箱Cの移動を正確に検知することができる。したがって、走行速度が高速時でも低速時でも、苗箱Cの移動を正確に検知することができ、苗箱Cの搬送の誤検知を抑制することができる。
また、苗移植機1は、接触回転体54と被検知回転体55とを同軸に配置することで、苗箱Cの搬送動作を検知しやすくなり、誤検知を抑制することができるとともに、構成の簡素化を図ることができる。
苗移植機1は、苗箱Cの送り動作を被検知回転体55の回転で検知するので、苗箱Cの送り量の少ないうちに苗箱Cの搬送動作の不良を検知することができる。したがって、仮に、ポット苗Nが植え付けられない区間が生じても、このポット苗Nが植え付けられない区間を短く抑えることができる。
苗移植機1は、生育列C2間に接触回転体54の苗箱接触突起54aを通過させるので、苗箱接触突起54aが生育列C2を構成するポットC1を変形させることを抑制できるので、苗箱Cの耐久性が向上するとともに、ポット苗Nの生育や姿勢が安定しやすくなる。
[変形例1]
本発明の実施形態の変形例1に係る苗移植機1を、図16に基いて説明する。図16は、実施形態の変形例1に係る苗移植機の搬送動作判定装置の要部の背断面図である。なお、図16において、前述した実施形態と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。
実施形態の変形例1に係る苗移植機1は、取付フレーム48を下方フレーム52の下端部に上下方向に移動自在に設けて、搬送動作判定装置26毎、接触回転体54の回転軸200を上下方向に移動自在に設けている。そして、取付フレーム48を下方フレーム52の下端部に対して下方に付勢する、即ち、搬送動作判定装置26毎、接触回転体54の回転軸200を下方に付勢する付勢部材としてのばね201を備える。
変形例1では、取付フレーム48には、図16に示すように、ボルト53aのねじ部と略同じ大きさの通し孔202を設け、下方フレーム52の下端部には、ボルト53aのねじ部を通しかつ上下方向に延びた長孔203を設けている。長孔203内にボルト53aのねじ部を通すことで、搬送動作判定装置26を上下方向に移動自在に設けている。また、ばね201の一端をボルト53aのねじ部に取り付け、ばね201の他端をボルト53aのねじ部の下方でかつ下方フレーム52の下端部に取り付けて、ばね201の付勢力により搬送動作判定装置26を下方に付勢している。
変形例1に係る苗移植機1によれば、搬送動作判定装置26毎、接触回転体54をばね201で下方に付勢するので、接触回転体54を苗箱Cに確実に接触させることができ、苗箱Cの搬送動作を確実に検知でき、苗箱Cの搬送動作の誤検知を抑制することができる。
また、苗箱Cの搬送中に接触回転体54に強い負荷を作用すると、接触回転体54の回転軸200がばね201の付勢力に抗して上方に移動できるので、接触回転体54や回転軸200、苗箱Cが破損することを抑制できる。
[変形例2]
本発明の実施形態の変形例2に係る苗移植機1を、図17に基いて説明する。図17は、実施形態の変形例2に係る苗移植機の搬送動作判定装置の要部の側面図である。なお、図17において、前述した実施形態と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。
実施形態の変形例2に係る苗移植機1は、図17に示すように、下方フレーム52の下端部と取付フレーム48とを側方からみてS字状でかつ弾性変形自在な支持部材204で連結している。こうして、変形例2では、苗移植機1は、搬送動作判定装置26毎、接触回転体54の回転軸200を支持部材204で上方から吊り下げている。
変形例2に係る苗移植機1によれば、搬送動作判定装置26毎、接触回転体54の回転軸200を弾性変形自在な支持部材204で上方から吊り下げたので、苗箱Cの搬送中に接触回転体54に強い負荷を作用すると、接触回転体54の回転軸200が、上方、前後方向に移動できる。したがって、接触回転体54や回転軸200、苗箱Cが破損することを抑制できる。
[変形例3]
本発明の実施形態の変形例3に係る苗移植機1を、図18に基いて説明する。図18は、実施形態の変形例3に係る苗移植機の苗植付部の植付伝動機構部の伝動機構図である。なお、図18において、前述した実施形態と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。
実施形態の変形例3に係る苗移植機1は、図18に示すように、各苗箱搬送装置32へのエンジン11からの駆動力を入切する苗送りクラッチ205を備える。苗送りクラッチ205は、接続するとエンジン11からの駆動力を苗箱搬送装置32に伝達して苗箱搬送装置32に苗箱Cの送り動作を行わせる。苗送りクラッチ205は、接続が解除するとエンジン11からの駆動力を苗箱搬送装置32に伝達せずに苗箱搬送装置32の苗箱Cの搬送動作を停止させる。
さらに、苗移植機1は、苗送りクラッチ205を入切するモータ206(クラッチ操作機構に相当する)を備える。モータ206は、苗送りクラッチ205を接続させたり、苗送りクラッチ205の接続を解除する。このように、変形例3では、苗箱搬送装置32と、苗送りクラッチ205と、モータ206とを1対1で対応させて設けている。
そして、変形例3では、制御装置5は、搬送回数検知装置47が所定回数(例えば2回)の苗箱Cの送り動作を検知する間に、移動検知装置49が苗箱Cの移動を検知しない(苗箱Cの移動距離が所定距離よりも短い)と、モータ206に苗箱Cの移動を検知しない移動検知装置49に対応する苗送りクラッチ205を切りにする。
変形例3に係る苗移植機1によれば、苗箱Cが搬送されなくなった苗箱搬送装置32の搬送動作をモータ206で切ることができるので、負荷により苗箱搬送装置32や苗箱Cの破損を抑制することができる。
[変形例4]
本発明の実施形態の変形例4に係る苗移植機1を、図19に基いて説明する。図19は、実施形態の変形例4に係る苗移植機の苗植付部の搬送動作判定装置の要部の側面図である。なお、図19において、前述した実施形態と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。
実施形態の変形例4に係る苗移植機1の搬送動作判定装置26は、図19に示すように、取付フレーム48に接触回転体54に付着した泥土を接触回転体54から掻き取るスクレーパ207を設けている。スクレーパ207は、接触回転体54の苗箱Cの接触箇所よりも接触回転体54の回転方向の下流側に設けられている。スクレーパ207は、中央部が側方から見て回転軸200を中心とした円弧状に形成され、両端部が回転軸200を中心とした径方向に直線状に延びている。
変形例4に係る苗移植機1によれば、接触回転体54に付着した泥土を除去することができるので、移動検知装置49が苗箱Cの移動を確実に検知することができる。また、スクレーパ207を接触回転体54の苗箱Cの接触箇所よりも接触回転体54の回転方向の下流側に設けているので、接触回転体54から除去した泥土が苗箱C上に落下するので、再度、接触回転体54に付着することを抑制でき、安定した苗箱Cの移動を検知することができる。
[変形例5]
本発明の実施形態の変形例5に係る苗移植機1を、図20〜図22に基いて説明する。図20は、実施形態の変形例5に係る苗移植機の要部を表す側面図である。図21は、実施形態の変形例5に係る苗移植機のルーフの要部を表す側面図である。図22は、実施形態の変形例5に係る苗移植機の操縦席を表す側面図である。なお、図20〜図22において、前述した実施形態と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。
実施形態の変形例5に係る苗移植機1は、図20に示すように、走行車体2のメインフレーム10の前部から上方に延びた支柱210を設けている。また、図22に示すように、支柱210の上端にルーフ211の前端部を、図22の実線で示す位置と二点鎖線で示す位置とに亘って回転自在に設けている。さらに、図21に示すように、操縦席15を図21中の実線で示す位置と二点鎖線で示す位置とに亘って上下方向に移動自在に設け、図示しないばねなどにより操縦席15を上方に付勢している。
さらに、図21及び図22に示すように、操縦席15とルーフ211の前端部とをケーブル212と操縦席15の下に設けられたリンク213などで連結して、図21の実線で示すように操縦席15に作業者が座ると、図22の実線で示すようにルーフ211が前後方向と平行になり、図21の二点鎖線で示すように操縦席15に作業者が座らないと図22の二点鎖線で示すようにルーフ211の後端部が上昇するように、操縦席15の上下方向の移動とルーフ211の前端部を中心とした回転とを連動させている。
変形例5によれば、操縦席15に作業者が座らないと、ルーフ211の後端部が上昇するので、作業者の頭などがルーフ211に干渉することを抑制でき、予備苗枠18からポット苗載置部24などへの苗箱Cの補給をスムーズに行うことができる。
[変形例6]
本発明の実施形態の変形例6に係る苗移植機1を、図23〜図26に基いて説明する。図23は、実施形態の変形例6に係る苗移植機を表す正面図である。図24は、実施形態の変形例6に係る苗移植機の要部を表す側面図である。図25は、実施形態の変形例6に係る苗移植機の要部を表す平面図である。図26は、図23中のA−A線に沿う断面図である。なお、図23〜図26において、前述した実施形態などと同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。
実施形態の変形例6に係る苗移植機1は、図23、図24に示すように、走行車体2のメインフレーム10の前部から上方に延びた支柱210を設け、支柱210の上端にルーフ211を設けている。さらに、図26に示すように、予備苗枠18の支柱18bと、ルーフ211を支持する支柱210とを同軸に設けている。変形例6では、ルーフ211を支持する支柱210及び予備苗枠18の支柱18bを円筒状に構成して、ルーフ211を支持する支柱210の外側に予備苗枠18の支柱18bを設けている。そして、図25中の二点鎖線で示す位置と実線で示す位置とに亘って、予備苗枠18を支柱18b,210の軸心回りに回転自在に設けている。変形例6では、予備苗枠18のコンパクト化を図ることができ、予備苗枠18を回転できるので、スムーズに作業を行うことができる。
[変形例7]
本発明の実施形態の変形例7に係る苗移植機1を、図27に基いて説明する。図27は、実施形態の変形例7に係る苗移植機のフロントカバーなどを表す斜視図である。なお、図27において、前述した実施形態などと同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。
実施形態の変形例7に係る苗移植機1は、図27に示すように、走行車体2のフロントカバー16の前端部に苗植付時の走行経路の目安とするマーカー215の基端部を回転自在に取り付けている。マーカー215は、棒状に形成され、先端部に点灯可能なランプ215aを設けている。また、フロントカバー16の前端部には、マーカー215を収容可能な溝216を設けている。変形例7では、苗の植付作業時には、図27の二点鎖線で示すように、ランプ215aが上方に位置するようにマーカー215をフロントカバー16の上方に突出させる。また、圃場間の移動時などには、図27の実線で示すように、マーカー215を溝216内に収容する。変形例7では、圃場間の移動時には、作業者の視認性を高めることができる。
なお、本発明は上記実施形態や変形例に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
1 苗移植機
2 走行車体
24 ポット苗載置部
32 苗箱搬送装置
33 苗取出装置
37 苗植付装置
47 搬送回数検知装置
49 移動検知装置
50 報知装置
51 回動検知センサ
54 接触回転体
54a 苗箱接触突起
55 被検知回転体
56 回転センサ
60 苗送り回動部材
200 回転軸
201 ばね(付勢部材)
204 支持部材
205 苗送りクラッチ
206 モータ(クラッチ操作機構)
C 苗箱
C1 ポット
C2 生育列
N ポット苗

Claims (6)

  1. 走行車体の後部に設けられ、且つポット苗を収容した苗箱を積載するポット苗載置部と、
    前記ポット苗載置部に積載された苗箱をポット苗毎に送る苗箱搬送装置と、
    前記苗箱から前記ポット苗を取り出す苗取出装置と、
    前記苗取出装置で取り出されたポット苗を圃場に植え付ける苗植付装置と、を備えた苗移植機において、
    前記苗箱搬送装置の前記苗箱の送り動作を検知する搬送回数検知装置と、
    前記苗箱搬送装置による前記苗箱の移動を検知する移動検知装置と、
    前記搬送回数検知装置が所定回数の前記苗箱の送り動作を検知する間に、前記移動検知装置が苗箱の移動を検知しないと報知する報知装置と、
    を備えることを特徴とする苗移植機。
  2. 前記移動検知装置は、
    回転自在に設けられ、且つ前記苗箱に接触するとともに前記苗箱の移動により回転する接触回転体と、
    前記接触回転体の回転軸に設けられた被検知回転体と、
    前記被検知回転体の回転を検知する回転センサと、を備え、
    前記搬送回数検知装置は、
    前記走行車体の走行に連動して回動することで前記苗箱を送る苗送り回動部材と、
    前記苗送り回動部材の回動動作を検知する回動検知センサと、を備える
    ことを特徴とする請求項1に記載の苗移植機。
  3. 前記接触回転体は、前記苗箱に接触する外周面に苗箱接触突起を設け、
    前記苗箱は、前記ポット苗を収容する筒状のポットが左右方向に並んで構成された生育列が移動方向に複数設けられ、
    前記苗箱接触突起は、前記接触回転体が回転する際に生育列間を通過する
    ことを特徴とする請求項2に記載の苗移植機。
  4. 前記接触回転体の回転軸を上下方向に移動自在に設け、
    前記接触回転体の回転軸を下方に付勢する付勢部材を備える
    ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の苗移植機。
  5. 前記接触回転体の回転軸を側方からみてS字状でかつ弾性変形自在な支持部材で上方から吊り下げる
    ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の苗移植機。
  6. 前記ポット苗載置部と前記苗箱搬送装置と前記搬送回数検知装置と前記移動検知装置を対応させて複数設け、
    各苗箱搬送装置への駆動力を入切する苗送りクラッチと、
    前記苗送りクラッチを入切するクラッチ操作機構と、を備え、
    前記搬送回数検知装置が所定回数の前記苗箱の送り動作を検知する間に、前記移動検知装置が苗箱の移動を検知しないと、前記クラッチ操作機構が、前記苗箱の移動を検知しない前記移動検知装置に対応する前記苗送りクラッチを切りにする
    ことを特徴とする請求項1から請求項5のうちいずれか一項に記載の苗移植機。
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