JP2014142103A - 吸収式ヒートポンプ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】装置が大型化するのを抑制しつつ吸収器の性能向上を図ることが可能な吸収式ヒートポンプ装置を提供する。
【解決手段】この吸収式ヒートポンプ装置は、吸収液が貯留される液溜まり部41fを有する吸収器40と、吸収器40の液溜まり部41fに吸熱部分43aが浸漬しながら回転可能なように支持された複数(12本)のヒートパイプ43からなる熱輸送部42と、熱輸送部42を回転させる電動モータとを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、吸収式ヒートポンプ装置に関する。
従来、冷媒が蒸発したときの冷媒蒸気を多量に吸収可能な吸収液を用いるとともに、冷媒の気化熱および冷媒の凝縮熱を利用して冷暖房空調を行う吸収式ヒートポンプ装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、再生器、凝縮器、蒸発器および吸収器を備えた吸収式冷温水機(吸収式ヒートポンプ装置)が開示されている。この特許文献1に記載の吸収式冷温水機では、吸収器の内部において、各々が直管からなる伝熱管群が所定間隔を隔てて固定的に配置されるとともに、各伝熱管の上方に液溜まり部を有する液散布装置が配置されている。そして、液散布装置から伝熱管の表面(外表面)に滴下された吸収液に、蒸発器から供給された冷媒蒸気が吸収されて吸収液が希釈される。この際、伝熱管の表面を滴り落ちる吸収液は、伝熱管の内部を流通する冷却水により冷却されて冷媒蒸気が吸収液に吸収される際の吸収熱が奪われる。これにより、伝熱管の表面で冷やされた吸収液への冷媒蒸気のさらなる吸収が促進されるように構成されている。
特開2000−179989号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された吸収式冷温水機(吸収式ヒートポンプ装置)を構成する吸収器においては、固定的に配置された伝熱管群に対して上方の液散布装置から単に吸収液が滴下されるのみであるため、伝熱管群の冷却性能(吸収液の冷却性能)にはある程度限界があり、冷媒蒸気を吸収液に吸収させる反応容器としての性能にも大幅な向上は見込めないという不都合がある。このため、吸収器の性能向上を図るためには、吸収液の冷却を担う伝熱管の長さや本数を増やすなどして吸収器全体をより大型化する必要があり、その結果、吸収式ヒートポンプ装置が大型化するという問題点がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、装置が大型化するのを抑制しつつ吸収器の性能向上を図ることが可能な吸収式ヒートポンプ装置を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の一の局面における吸収式ヒートポンプ装置は、吸収液により冷媒蒸気を吸収する吸収式ヒートポンプ装置であって、吸収液が貯留される液溜まり部を有する吸収器と、吸収器の液溜まり部に一部が浸漬しながら回転可能なように支持されたヒートパイプと、ヒートパイプを回転させる回転駆動部とを備える。
この発明の一の局面による吸収式ヒートポンプ装置では、上記のように、吸収器の液溜まり部に一部が浸漬しながら回転可能なように支持されたヒートパイプと、ヒートパイプを回転させる回転駆動部とを備えることによって、液溜まり部に浸漬されたヒートパイプの一部が回転とともにヒートパイプの外表面に吸収反応前の吸収液を付着させた状態で液溜まり部外の冷媒蒸気の雰囲気中に露出させることができるので、ヒートパイプの露出された外表面に付着した吸収反応前の吸収液を、ヒートパイプの冷却作用により冷却することができる。これにより、冷却された吸収反応前の吸収液により効率よく冷媒蒸気を吸収させることができるので、吸収器の性能を向上させることができる。また、回転とともにヒートパイプの一部が再び液溜まり部に浸漬されることによって、吸収反応済の吸収液が液溜まり部に戻されるとともにヒートパイプの外表面には吸収反応前の吸収液が新たに付着した状態で液溜まり部から露出されて新たに付着した吸収液に対するヒートパイプによる冷却と冷却された吸収液による冷媒蒸気の効率的な吸収とが行われる。このように、ヒートパイプの冷却作用を利用して吸収液の冷却(冷媒蒸気の吸収液への吸収反応に伴う吸収熱の熱輸送)を行う際に、ヒートパイプを回転させながら吸収反応前の吸収液の伝熱面(ヒートパイプの外表面)への供給動作と、吸収反応済の吸収液の伝熱面からの除去動作とを連続的に繰り返すことができるので、固定的に配置された伝熱管群に対して吸収液が単に滴下されるような構成とは異なり、単位時間当たりの冷媒蒸気の吸収液への吸収量を増加させ、かつ、吸収熱の除去量を増加させて吸収器の性能を向上させることができる。また、ヒートパイプを用いるとともに、ヒートパイプの一部を液溜まり部に浸漬しながら回転させる回転駆動部を設けるだけで、吸収器の性能を向上させることができるので、固定的に配置された伝熱管群をより多く配置して吸収器の性能を向上させる場合と異なり、吸収器の外形サイズが大型化するのを抑制することができる。これらの結果、吸収式ヒートポンプ装置が大型化するのを抑制しつつ吸収器の性能向上を図ることができる。
また、上記一の局面による吸収式ヒートポンプ装置では、吸収器の液溜まり部に一部が浸漬しながら回転可能なように支持されたヒートパイプと、ヒートパイプを回転させる回転駆動部とを備えることによって、液溜まり部の吸収液は、液溜まり部に一部が浸漬しながら回転されるヒートパイプによって液溜まり部中においても冷却される。この際、ヒートパイプの回転に伴い液溜まり部中の吸収液とヒートパイプの外表面との間に強制対流熱伝達を生じさせることができるので、吸収液はより効率よく冷却される。これにより、液溜まり部において効率よく冷却された吸収液がヒートパイプの外表面に付着したまま雰囲気中へ露出してさらに冷却されるので、その分、雰囲気中の冷媒蒸気の吸収液への吸収量をさらに増加させることができる。これにより、吸収器の吸収性能をより増加させることができる。また、液溜まり部中および液溜まり部外の吸収液の温度を安定して低温に維持することができるので、略真空状態となる吸収器内の圧力を容易に維持することができる。
上記一の局面による吸収式ヒートポンプ装置において、好ましくは、ヒートパイプは、複数のヒートパイプが束ねられた構造を有しており、複数のヒートパイプの液溜まり部に浸漬される側の部分は、ヒートパイプの回転中心線まわりに半径方向外側に向かって延びるように曲げられているとともに、複数のヒートパイプの少なくとも最外周部が液溜まり部に浸漬されるように構成されている。このように構成すれば、複数のヒートパイプが束ねられた状態で回転される際の各々のヒートパイプ内においては、封入された作動液(低温部で冷却されて凝縮液となった作動液)をヒートパイプの回転によって生じる遠心力を利用してヒートパイプが曲げられた先端の最も遠心力の大きい最外周部(高温部)へと速やかに還流(移動)させることができる。また、ヒートパイプの最外周部は回転中心線に対する回転半径が最も大きくなるので周速度(液溜まり部中の移動速度)も最大となり吸収液との間の熱伝達率を増加させることができる。したがって、ヒートパイプの少なくとも最外周部における外表面に付着した吸収液と、ヒートパイプ内の最外周部に速やかに還流された低温の作動液との熱交換がより効率よく行われて吸収液が即座に冷却されるとともに、冷媒蒸気が吸収液に吸収される際の吸収熱を作動液に即座に伝達することができる。これにより、ヒートパイプ内において、少なくとも最外周部で吸収熱を受け取った作動液が即座に蒸発しガス状態となって低温部に移動されるとともに低温部で冷却され液状態に戻された作動液が再び速やかに最外周部(吸収器内部)へと還流される。上記構成においては、回転されるヒートパイプ毎にこの熱輸送動作を順次繰り返すことができるので、複数本が束ねられたヒートパイプを用いた場合の熱輸送効率を向上させることができる。
上記一の局面による吸収式ヒートポンプ装置において、好ましくは、液溜まり部と隔離するように設置され、ヒートパイプを冷却する冷却部をさらに備える。このように構成すれば、加熱側(高温部)となる吸収器内部においてヒートパイプ内の作動液(蒸発ガス)に伝達された吸収熱を、ヒートパイプを介して液溜まり部と隔離するように設置された冷却側(低温部)となる冷却部に容易に輸送することができる。そして、冷却部においては蒸発ガスにより輸送された熱(吸収熱)が蒸発ガスの冷却によってヒートパイプから容易に除去されるとともに、冷却された後の作動液をヒートパイプを介して再び吸収器へと戻すことができる。このように、ヒートパイプを冷却する冷却部を設けることによって、吸収器内部のヒートパイプの部分を介して吸収液の冷却(吸収熱の除去)を継続的に行うとともに輸送された熱を冷却部において外部に放熱(排熱)させるような熱輸送サイクルを容易に成立(駆動)させることができる。
上記ヒートパイプを冷却する冷却部を備える構成において、好ましくは、ヒートパイプは、複数のヒートパイプが束ねられた構造を有しており、複数のヒートパイプを束ねるように保持する保持部材をさらに備え、保持部材の回転中心線に沿った方向の一方側には、ヒートパイプの液溜まり部に浸漬される側の部分が配置されているとともに、保持部材の回転中心線に沿った方向の他方側には、ヒートパイプの冷却部により冷却される側の部分が配置されている。このように構成すれば、保持部材により、各々のヒートパイプを、吸収器内部において吸収液を冷却するとともに冷媒蒸気の吸収液への吸収熱を奪うための吸熱部分(ヒートパイプにおける吸収液の冷却部分)と、吸収器外部に配置された冷却部において吸熱部分(ヒートパイプにおける吸収液の冷却部分)から輸送された熱(吸収熱)を放熱させる放熱部分(ヒートパイプにおける吸収器外部の冷却部分)とに容易に区分けすることができる。したがって、ヒートパイプの液溜まり部に浸漬される側の吸熱部分を介して吸収液の冷却と吸収熱の除去とを継続的に行うとともに輸送された熱(吸収熱)を冷却部により冷却される側のヒートパイプの放熱部分を介して放熱させる熱輸送サイクルを確実に駆動させることができる。
上記保持部材を備える構成において、好ましくは、保持部材の一方側の液溜まり部と保持部材の他方側の冷却部との間をシールする第1シール部材をさらに備える。このように構成すれば、第1シール部材により、液溜まり部を有する吸収器内部を、冷却部が配置された吸収器外部から確実に遮断することができる。すなわち、吸収器内部においては圧力を略真空状態に維持して冷媒蒸気を吸収液に吸収させるので、第1シール部材により、吸収器内部の気密性(略真空状態)を確実に維持することができる。
上記保持部材を備える構成において、好ましくは、一方端側が複数のヒートパイプとともに保持部材に保持され、他方端側が回転駆動部に接続される回転軸をさらに備える。このように構成すれば、回転軸を介して回転駆動部の駆動力を保持部材に容易に伝達して保持部材を回転させることができる。また、保持部材が回転駆動部に接続された回転軸を介して回転されるので、保持部材により保持される複数のヒートパイプを安定的に回転させることができる。
上記回転軸を備える構成において、好ましくは、保持部材を回転可能に支持する第1軸受と、回転軸を回転可能に支持する第2軸受とをさらに備える。このように構成すれば、保持部材および回転軸をそれぞれ第1軸受および第2軸受を用いて回転中心線まわりに回転軸の芯ずれやがたつきなどを起こすことなくより安定的に回転させることができるので、より安定的に複数のヒートパイプを回転させることができる。
上記回転軸を備える構成において、好ましくは、回転駆動部と液溜まり部との間をシールする第2シール部材をさらに備える。このように構成すれば、第2シール部材により、液溜まり部を有する吸収器内部を回転駆動部が配置された吸収器外部から確実に遮断することができる。すなわち、吸収器内部においては圧力を略真空状態に維持して冷媒蒸気を吸収液に吸収させるので、第2シール部材により、吸収器内部の気密性(略真空状態)を確実に維持することができる。
上記回転軸を備える構成において、好ましくは、回転駆動部による駆動力を利用して駆動され、液溜まり部の吸収液を汲み上げてヒートパイプの液溜まり部から露出している部分に供給するためのポンプをさらに備える。このように構成すれば、ヒートパイプの液溜まり部に浸漬された一部が液溜まり部から液溜まり部外の冷媒蒸気の雰囲気中に露出(離脱)する際に、粘性などによって吸収液を自然にヒートパイプの外表面に付着させることのみならず、ポンプにより汲み上げられた液溜まり部の吸収液をヒートパイプの外表面に強制的に供給して付着させることができる。これにより、より多くの量の吸収液をヒートパイプの外表面を介して冷却することができるので、吸収器の吸収性能をより効果的に向上させることができる。
上記一の局面による吸収式ヒートポンプ装置において、好ましくは、回転駆動部による駆動力を利用して回転駆動され、ヒートパイプの外表面から吸収反応済の吸収液を除去して液溜まり部の吸収反応前の吸収液を塗布するブラシ部材をさらに備える。このように構成すれば、ブラシ部材による吸収液の塗布時に、ブラシ部材を利用して既に吸収反応済(熱交換済み)の吸収液を強制的に除去してヒートパイプの外表面(伝熱面)を更新しながら、新たな吸収反応前の吸収液をその更新されたヒートパイプの外表面に確実に塗布することができる。これにより、ヒートパイプの外表面を介して定常的に吸収反応前の吸収液を冷却することができるので、ヒートパイプが有する熱輸送効率を低下させることなくヒートパイプの熱輸送動作を機能させることができる。
なお、本出願では、上記一の局面による吸収式ヒートポンプ装置とは別に、以下のような構成も考えられる。
(付記項1)
すなわち、本出願の他の構成による吸収式ヒートポンプ装置は、吸収液により冷媒蒸気を吸収する吸収式ヒートポンプ装置であって、吸収液が貯留される液溜まり部を有する吸収器と、吸収器の液溜まり部に一部が浸漬しながら回転可能なように支持されたヒートパイプと、ヒートパイプを冷却する冷却部とを備える。このように構成すれば、液溜まり部に浸漬されたヒートパイプの一部が回転とともにヒートパイプの外表面に吸収反応前の吸収液を付着させた状態で液溜まり部外の冷媒蒸気の雰囲気中に露出させることができるので、ヒートパイプの露出された外表面に付着した吸収反応前の吸収液を、ヒートパイプの冷却作用により冷却することができる。これにより、冷却された吸収反応前の吸収液により効率よく冷媒蒸気を吸収させることができるので、吸収器の性能を向上させることができる。また、回転とともにヒートパイプの一部が再び液溜まり部に浸漬されることによって、吸収反応済の吸収液が液溜まり部に戻されるのとともにヒートパイプの外表面には吸収反応前の吸収液が新たに付着した状態で液溜まり部から露出されて新たに付着した吸収液に対するヒートパイプによる冷却と冷却された吸収液による冷媒蒸気の効率的な吸収とが行われる。このように、ヒートパイプの冷却作用を利用して吸収液の冷却(冷媒蒸気の吸収液への吸収とともに発生する吸収熱の熱輸送)を行う際に、ヒートパイプを回転させながら吸収反応前の吸収液の伝熱面(ヒートパイプの外表面)への供給動作と、吸収反応済の吸収液の伝熱面からの除去動作とを連続的に繰り返すことができるので、固定的に配置された伝熱管群に対して吸収液が単に滴下されるような構成とは異なり、単位時間当たりの冷媒蒸気の吸収液への吸収量を増加させ、かつ、吸収熱の除去量を増加させて吸収器の性能を向上させることができる。また、ヒートパイプを用いるとともに、ヒートパイプの一部を液溜まり部に浸漬しながら回転させる回転駆動部を設けるだけで、吸収器の性能を向上させることができるので、固定的に配置された伝熱管群をより多く配置して吸収器の性能を向上させる場合と異なり、吸収器の外形サイズが大型化するのを抑制することができる。これらの結果、吸収式ヒートポンプ装置が大型化するのを抑制しつつ吸収器の性能向上を図ることができる。
また、ヒートパイプを冷却する冷却部を備えることによって、液溜まり部の吸収液は、液溜まり部に一部が浸漬しながら回転されるヒートパイプによって液溜まり部中においても冷却される。この際、ヒートパイプの回転に伴い液溜まり部中の吸収液とヒートパイプの外表面との間に強制対流熱伝達を生じさせることができるので、吸収液はより効率よく冷却される。これにより、液溜まり部において効率よく冷却された吸収液がヒートパイプの外表面に付着したまま雰囲気中へ露出してさらに冷却されるので、その分、雰囲気中の冷媒蒸気の吸収液への吸収量をさらに増加させることができる。これにより、吸収器の吸収性能をより増加させることができる。また、液溜まり部中および液溜まり部外の吸収液の温度を安定して低温に維持することができるので、略真空状態となる吸収器内の圧力を容易に維持することができる。また、加熱側(高温部)となる吸収器内部においてヒートパイプ内の作動液(蒸発ガス)に伝達された吸収熱を、ヒートパイプを介して液溜まり部と隔離するように設置された冷却側(低温部)となる冷却部に容易に輸送することができる。そして、冷却部においては蒸発ガスにより輸送された熱(吸収熱)が蒸発ガスの冷却によってヒートパイプから容易に除去されるとともに、冷却された後の作動液をヒートパイプを介して再び吸収器へと戻すことができる。このように、ヒートパイプを冷却する冷却部を設けることによって、吸収器内部のヒートパイプの部分を介して吸収液の冷却(吸収熱の除去)を継続的に行うとともに輸送された熱を冷却部において外部に放熱(排熱)させるような熱輸送サイクルを容易に成立(駆動)させることができる。
本発明によれば、上記のように、吸収式ヒートポンプ装置が大型化するのを抑制しつつ吸収器の性能向上を図ることができる。
本発明の第1実施形態による吸収式ヒートポンプ装置の全体構成を示した図である。 本発明の第1実施形態による吸収式ヒートポンプ装置における吸収器の構造を示した図である。 図2に示した吸収器において、熱輸送部を回転させる回転軸の延びる方向から見た場合の反応室内における熱輸送部の構成を示した図である。 本発明の第1実施形態による吸収式ヒートポンプ装置における吸収器において、ヒートパイプにおける熱輸送動作を説明するための模式図である。 本発明の第2実施形態による吸収式ヒートポンプ装置における吸収器の構造を示した図である。 図5に示した吸収器において、熱輸送部を回転させる回転軸の延びる方向から見た場合の反応室内における熱輸送部の構成を示した図である。 本発明の第3実施形態による吸収式ヒートポンプ装置における吸収器の構造を示した図である。 本発明の第4実施形態による吸収式ヒートポンプ装置における吸収器の構造を示した図である。 本発明の第5実施形態による吸収式ヒートポンプ装置における吸収器の構造を示した図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
まず、図1〜図4を参照して、本発明の第1実施形態による吸収式ヒートポンプ装置100の構成について説明する。第1実施形態による吸収式ヒートポンプ装置100では、冷媒として水が用いられるとともに、吸収液として臭化リチウム(LiBr)水溶液が用いられる。また、吸収式ヒートポンプ装置100は、エンジン(内燃機関)110を備えた乗用車、バスおよびトラックなどの車輌に搭載され、車内の空調システムに適用されるように構成されている。
第1実施形態による吸収式ヒートポンプ装置100は、図1に示すように、再生器10(図1の2点鎖線枠内の部分)と、凝縮器20と、蒸発器30と、吸収器40とを備えている。また、再生器10は、吸収液を加熱する加熱部11と、加熱された吸収液から冷媒蒸気(高温水蒸気)を分離する気液分離部12とを含んでいる。
再生器10における加熱部11は、プレート式熱交換器であり、エンジン110の排気ガスの熱を用いて吸収液を加熱する役割を有している。ここで、吸収液は、通常、LiBr濃液が冷媒(水)により希釈された状態で加熱部11を流通する。気液分離部12は、加熱部11により加熱された吸収液から冷媒蒸気(高温水蒸気)を分離する機能を有している。また、凝縮器20は、冷房運転時に、気液分離部12で分離された冷媒蒸気を凝縮(液化)させる役割を有している。また、蒸発器30は、冷房運転時に、凝縮水となった冷媒を低温低圧の条件下で蒸発(気化)させる役割を有している。また、吸収器40は、濃液状態で供給された吸収液に蒸発器30で気化した冷媒蒸気(低温水蒸気)を吸収させる役割を有している。なお、LiBr濃液は、本発明の「吸収液」の一例である。
また、吸収式ヒートポンプ装置100は、図1に示すように、吸収液循環管路61aおよび61bからなる循環通路部61と、冷媒蒸気移送管路62a、62bおよび63と、冷媒移送管路64と、吸収液移送管路65および66と、冷媒供給管路67および68とを備えている。ここで、循環通路部61は、吸収液を吸収器40に流通させることなく吸収液を加熱部11と気液分離部12との間で矢印P方向に沿って循環させる役割を有する。吸収液循環管路61aには、冷媒蒸気分離後の気液分離部12に貯留された吸収液(濃液)を循環通路部61内で循環させるポンプ81が設けられている。また、吸収液循環管路61aから吸収器40側へ分岐する吸収液移送管路65には、循環通路部61を循環する吸収液が吸収器40側に流入するのを所定の運転制御に基づいて遮断する弁71が設けられている。
吸収液移送管路66には、吸収器40において冷媒蒸気が吸収された状態で貯留される吸収液(LiBr水溶液)を循環通路部61に供給するポンプ82と、この吸収液が循環通路部61に流入するのを所定の運転制御に基づいて遮断する弁72とが設けられている。冷媒供給管路67は、暖房運転時に蒸発器30に貯留された冷媒(凝縮水)を直接的に循環通路部61に供給するために設けられている。また、冷媒供給管路67には、蒸発器30に貯留された冷媒(凝縮水)を循環通路部61に供給するポンプ83と弁73とが設けられている。弁73は、冷房運転時にポンプ83が停止される際に閉じられることによって、循環通路部61を循環する吸収液が冷媒供給管路67を逆流して蒸発器30に流入(混入)するのを遮断する役割を有する。
したがって、吸収式ヒートポンプ装置100では、冷房運転開始直後に、弁71および弁72を閉じた状態でポンプ81が始動されることにより、吸収液を循環通路部61のみを循環させて加熱部11を用いて迅速に昇温させる。そして、気液分離部12で分離された冷媒蒸気(高温水蒸気)が所定温度に達したところで弁71および弁72が開かれるとともにポンプ82が始動される。これにより、昇温された吸収液の一部(気液分離部12に貯留されたLiBr濃液)が、吸収液移送管路65および66にも矢印Q方向に流通されて、通常の冷房サイクルが形成されるように構成されている。なお、暖房運転時には、運転期間中、弁71および弁72は常に閉じられており吸収器40は使用されない。一方、暖房運転開始直後に循環通路部61を循環させた吸収液の昇温動作は行われて、気液分離部12で分離された冷媒蒸気(高温水蒸気)が蒸発器30(この場合は凝縮器)に流入される。
冷媒蒸気移送管路62bは、気液分離部12で分離された冷媒蒸気を直接的に蒸発器30に流入させるために設けられている。具体的には、冷媒蒸気移送管路62bは、冷媒蒸気移送管路62aから分岐した後、蒸発器30および吸収器40を接続する冷媒蒸気移送管路63に接続されている。なお、冷媒蒸気移送管路63に対する冷媒蒸気移送管路62bの合流部分には、蒸発器30と吸収器40とを結ぶ第1流路と、気液分離部12と蒸発器30とを結ぶ第2流路とを切り換え可能な三方弁74が設けられている。これにより、三方弁74を第1流路側(冷房運転用)に切り換えた際には、蒸発器30の冷媒(凝縮水)が蒸発(気化)して生成された冷媒蒸気(低温水蒸気)を吸収器40に供給する冷媒蒸気移送管路63の経路が開かれる。また、三方弁74を第2流路側(暖房運転用)に切り換えた際には、気液分離部12で分離された冷媒蒸気(高温水蒸気)を蒸発器30(この場合は凝縮器)に直接的に流入させる冷媒蒸気移送管路62bの経路が開かれる。また、冷媒蒸気移送管路62aには、弁75が設けられている。弁75は、暖房運転時に、気液分離部12により分離された冷媒蒸気が凝縮器20に流入するのを遮断する役割を有する。
冷媒移送管路64には、弁76が設けられている。弁76は、冷房運転時には開かれる一方、暖房運転時には閉じられる。これにより、暖房運転時に三方弁74が気液分離部12と蒸発器30とを結ぶ第2流路(冷媒蒸気が冷媒蒸気移送管路62bを流通する流路)側に切り換えられ、かつ、弁75および弁76が共に閉じられた場合、凝縮器20がサイクルから切り離される。したがって、暖房運転時には、気液分離部12で分離された冷媒蒸気(高温水蒸気)のほぼ全てが冷媒蒸気移送管路62bから蒸発器30に流入されるように構成されている。
冷媒供給管路68は、凝縮器20に貯留された冷媒(凝縮水)を直接的に吸収器40に供給するために設けられている。また、冷媒供給管路68には、弁77が設けられており、弁77が冷房運転後の装置停止時に開かれることにより、凝縮器20の冷媒(水)の一部が吸収器40に供給されて吸収器40内に貯留される吸収液を含む全ての吸収液が希釈される。これにより、吸収式ヒートポンプ装置100が停止している場合においても、循環通路部61や吸収液移送管路65および66を含めた装置内各部に滞留する吸収液が結晶化するのが防止されている。
また、図1に示すように、吸収式ヒートポンプ装置100は、冷房運転時にのみ駆動される冷却水回路部90を備えている。冷却水回路部90は、凝縮器20における冷媒蒸気(高温水蒸気)の冷却と、吸収器40における冷媒(低温水蒸気)の吸収液(LiBr水溶液)への吸収時に発生する吸収熱の冷却(除熱)とを行う機能を有する。詳細には、冷却水回路部90は、不凍液からなる冷却水(クーラント)91(図2参照)が流通する循環管路92と、冷却水91を循環させるためのポンプ93と、凝縮器20内部に配置され、冷媒蒸気と冷却水91とを熱交換させて冷媒蒸気を冷却するための熱交換器94と、吸収器40内部に配置され、吸収熱が発生した吸収液と冷却水91とを熱交換させて吸収液を冷却するための後述する熱輸送部42と、冷却水91を再循環可能に冷却するための冷却水冷却部95とを含んでいる。冷却水冷却部95では、熱交換器95aを流通する冷却水91が送風機95bにより送風された空気(外気)によって冷却される。
ここで、第1実施形態では、冷媒蒸気(低温水蒸気)を吸収液(LiBr水溶液)に吸収させるための吸収器40は、以下のようにして構成されている。具体的には、図2に示すように、吸収器40は、反応室41aおよび冷却室41bを構成するハウジング部41cと、反応室41a側を密閉構造にするための蓋部41dとを含む容器部41を備えている。なお、冷却室41bは、本発明の「冷却部」の一例である。
容器部41は、ハウジング部41cのX1側の端面に形成されたフランジ部41eに図示しないボルトなどの締結部材を用いて蓋部41dの外縁部(X2側)が接合されることにより、ハウジング部41c内に反応室41aが形成されるように構成されている。また、容器部41は、ハウジング部41cに蓋部41dが取り付けられた状態で反応室41aの底部に吸収液(LiBr水溶液)が貯留される液溜まり部41fを有している。
また、吸収器40は、図2に示すように、上記した容器部41と、ハウジング部41c内において中心線150(一点鎖線)まわりに回転可能に構成された熱輸送部42と、回転軸45を介して熱輸送部42を矢印R方向に回転させる電動モータ46とを備えている。ここで、熱輸送部42は、複数(12本:図3参照)のステンレス製のヒートパイプ43が1つの保持部材44により束ねられた構造を有しており、熱輸送部42は、12本のヒートパイプ43および保持部材44が一体となって中心線150まわりに回転される回転体として構成されている。なお、電動モータ46は、本発明の「回転駆動部」の一例である。また、中心線150は、本発明の「回転中心線」の一例である。
ここで、図4に示される模式図を用いてヒートパイプ43の動作原理を簡単に説明する。第1実施形態では、ヒートパイプ43にウィック式のヒートパイプを適用している。すなわち、ヒートパイプ43は、銅などの金属パイプ43dの内壁に沿って金網状の毛細管構造を有するウィック(芯材)43eが挿入されており、金属パイプ43dの両端部43fを封止した状態で内部を真空に排気した後、水、アルコールまたは代替フロン類などの作動液(冷媒)が適量封入されている。そして、ヒートパイプ43の片側(たとえばX1側)を加熱するとともにもう片側(たとえばX2側)を冷却することによって、加熱側(高温部)で作動液が蒸発して蒸気が発生し、その蒸気が金属パイプ43d内を即座にX2方向に移動して冷却側(低温部)で凝縮(凝集)して液体に戻されて内壁のウィック43eに吸収される。そして、ウィック43eに吸収された作動液が毛細管現象によりウィック43eを伝って加熱側(高温部)に還流される。このように、封止された金属パイプ43dの両端に温度差を与えることによりヒートパイプ43内で作動液が蒸発と凝縮とを繰り返しながら循環される。また、ヒートパイプ43は、作動液の蒸発と凝縮に伴う潜熱移動により、高温部から低温部へ大量の熱を輸送することが可能に構成された熱輸送デバイスである。なお、後述するが、ヒートパイプ43における加熱側(高温部)が吸収器40における反応室41a(図2参照)側に相当するとともに、冷却側(低温部)が吸収器40における冷却室41b(図2参照)側に相当する。
また、図2に示すように、保持部材44は、ステンレス製の部品からなり、保持部材44は、外形形状が円柱形状に形成された外表面44aを有している。また、図3に示すように、保持部材44は、軸方向(X方向)に沿って貫通する12個の貫通孔44bが中心線150まわりに等角度間隔(約30度間隔)に形成されている。そして、個々のヒートパイプ43が貫通孔44bを貫通した状態で図示しないろう材などを用いて保持部材44に固定されている。また、12本のヒートパイプ43は、後述する吸熱部分43aにおける一方側(X1側)の端部近傍において所定の剛性を有する金属製の支持部材47に固定されている。したがって、12本のヒートパイプ43の各々のX1側の端部が支持部材47により固定的に支持されることにより、個々のヒートパイプ43がX1側の端部において回転時の遠心力などに起因して回転半径外側に変形しないように構成されている。
これにより、第1実施形態では、図2に示すように、個々のヒートパイプ43は、保持部材44を境として保持部材44の端面44cから一方側(X1側)に露出される吸熱部分43aと、保持部材44の端面44dから他方側(X2側)に露出される放熱部分43bとに、外見上、区分けされている。なお、吸熱部分43aは、本発明の「液溜まり部に浸漬される側の部分」の一例である。また、放熱部分43bは、本発明の「冷却部により冷却される側の部分」の一例である。
また、第1実施形態では、個々のヒートパイプ43の吸熱部分43aは、保持部材44からX1側に露出し始めた部分から若干X1方向に離間した位置を起点として中心線150まわりに半径方向外側に向かって延びるように曲げられている。また、吸熱部分43aは、半径方向外側に曲げられた後は、中心線150に対して略一定の角度を有して中心線150から離間するように直線的に延びている。この場合、図3に示すように、個々のヒートパイプ43においては、吸熱部分43aが保持部材44(回転軸45)を中心として放射線状に延びるように形成されている。したがって、熱輸送部42がハウジング部41c内に保持された状態で12本のヒートパイプ43が一体となって矢印R方向に回転した場合、外形が略円錐台形状の回転体を形成する。これにより、ヒートパイプ43の吸熱部分43aのX1側の端部(最外周部)が中心線150に対して最も回転半径が大きくなるので周速度および遠心力が最も大きくなる。また、ハウジング部41cは、この略円錐台形状の回転体を所定の間隔(空間)を有して包み込むようにして内壁が形成されている。したがって、液溜まり部41fは、ヒートパイプ43の吸熱部分43aのX1側の端部に対応する領域が最も深く、ヒートパイプ43が保持部材44に向かって斜め上方向に延びるとともに液溜まり部41fの深さが徐々に浅くなるように構成されている。
また、第1実施形態では、個々のヒートパイプ43における吸熱部分43aとは反対側の放熱部分43bは、保持部材44からX2側に露出した後も半径方向には曲げられることなく中心線150に沿って所定距離をX2方向に直線的に延びている。したがって、冷却室41bは、熱輸送部42がハウジング部41c内に保持された状態で保持部材44の端面44dからX2側に露出したヒートパイプ43の放熱部分43bを所定の間隔(空間)を有して包み込むようにして底部を有する筒状に内壁が形成されている。また、冷却室41bには、冷却水91が流入する入口部40aと冷却水91が流出する出口部40bとが形成されている。そして、冷却室41b内に冷却水91が流通されることにより、ヒートパイプ43の放熱部分43bは冷却水91に常時接触した状態で冷却水91により冷却されるように構成されている。
また、第1実施形態では、図2に示すように、保持部材44は、円環状の玉軸受(転がり軸受)48を介してハウジング部41c内において回転されるように構成されている。すなわち、玉軸受48の外輪48a(固定側)がハウジング部41cにおける円筒状の内壁部分41gに対して周状に嵌め込まれるとともに、保持部材44は、外表面44aを玉軸受48の内輪48b(回転側)に面接触させて玉軸受48に嵌め込まれている。なお、玉軸受48は、本発明の「第1軸受」の一例である。
また、図3に示すように、保持部材44の中心には、回転軸45の一方端側(X2側)がヒートパイプ43とともに取り付けられている。そして、図2に示すように、回転軸45は、円環状の玉軸受(転がり軸受)49を介して中心線150まわりに回転されるように構成されている。すなわち、玉軸受49の外輪49a(固定側)が蓋部41dにおけるボス部を構成する円筒状の内壁部分41hに対して周状に嵌め込まれるとともに、回転軸45は、外表面45aを玉軸受49の内輪49b(回転側)に面接触させて玉軸受49に嵌め込まれている。なお、玉軸受49は、本発明の「第2軸受」の一例である。
また、電動モータ46は、図示しないギアボックスとともに蓋部41dの外側(X1側)の外表面に一体的に形成された固定部41iに固定されている。そして、蓋部41dをX1方向に貫通した回転軸45の他方端部側(X1側)が、電動モータ46側の駆動軸に接続されている。したがって、吸収器40においては、電動モータ46の駆動力が回転軸45に伝達されるとともに保持部材44に伝達されて、保持部材44に固定された各々のヒートパイプ43が、中心線150の延びる方向(図3における紙面垂直方向)から見て、保持部材44とともに矢印R方向に所定の移動速度で円状に回転移動されるように構成されている。
また、第1実施形態では、吸収器40は、保持部材44が玉軸受48を介してハウジング部41c内に回転可能に保持された状態で、保持部材44の一方側(X1側)の液溜まり部41fと保持部材44の他方側(X2側)の冷却室41bとの間を封止(シール)するシール部材50を備えている。円環状のシール部材50は、内壁部分41gに対して周状に固着される一方、シール部材50は、保持部材44の外表面44aに対して周状に密着した状態で保持部材44が摺動可能となるように構成されている。また、シール部材50は、冷却室41bを流通する冷却水91が略真空状態(絶対圧力で1kPa以下の真空状態)に保たれた反応室41a内へ漏洩するのを防止する役割を有している。なお、シール部材50は、本発明の「第1シール部材」の一例である。
また、吸収器40は、電動モータ46と液溜まり部41fとの間を封止(シール)するシール部材51を備えている。円環状のシール部材51は、内壁部分41hに対して周状に固着される一方、シール部材51は、回転軸45の外表面45aに対して周状に密着した状態で回転軸45が摺動可能となるように構成されている。また、シール部材51は、反応室41a内と容器部41の外部とを遮断する目的で設けられており、外部の大気(空気)が略真空状態(絶対圧力で1kPa以下の真空状態)に保たれた反応室41a内へ漏洩するのを防止する役割を有している。なお、シール部材51は、本発明の「第2シール部材」の一例である。
また、図2に示すように、蓋部41dには、入口部40cが形成されている。そして、蒸発器30(図1参照)で蒸発した冷媒蒸気が蒸発器30と連通する冷媒移送管路64(図1参照)を介して反応室41a内に供給(吸引)されるように構成されている。また、ハウジング部41c内の傾斜する天井部(Z1側)には、入口部40dが形成されている。そして、吸収液(濃液)が気液分離部12(図1参照)と連通する吸収液移送管路65(図1参照)を介して反応室41a内に供給(吸引)されるように構成されている。また、ハウジング部41c内における液溜まり部41fの深さが最も浅くなる底部(Z2側)近傍には、下方に開口する出口部40eが形成されている。そして、反応室41aにおいて冷媒が吸収された吸収液(希液)が加熱部11(図1参照)と連通する吸収液移送管路66(図1参照)を介して加熱部11に供給(送出)されるように構成されている。また、冷却室41bの入口部40aおよび出口部40bには、外部の循環管路92(図1参照)が接続されている。
また、図3に示すように、吸収器40は、金属製または樹脂製の支持部材101を介して車輌における所定の設置面(水平面)102上に固定されている。したがって、図2に示すように、容器部41は、回転軸45の延びるX方向を水平方向に合わせた状態で熱輸送部42が回転軸45とともに中心線150(水平軸方向)まわりに回転されるように構成されている。なお、図2においては、容器部41の内部構造を図示するために、支持部材101および設置面102(図3参照)の図示を省略している。
吸収器40が、上記のように構成されることによって、吸収器40においては、図2に示すように、電動モータ46によって回転される熱輸送部42(12本のヒートパイプ43)を用いて、反応室41a内が所定の温度に冷却されるように構成されている。より具体的には、反応室41a内で発生する冷媒蒸気が吸収液に吸収される際に発生する吸収熱を、熱輸送部42を用いて除去することが可能に構成されている。なお、反応室41a内で除去された熱は熱輸送部42を介して冷却室41bへと輸送されて冷却水91に放熱(排熱)されるように構成されている。また、これにより、反応室41a内は、蒸発器30(図1参照)で冷媒蒸気が気化(蒸発)する際の蒸発温度と略等しい温度に維持される。
すなわち、第1実施形態では、図3に示すように、吸収式ヒートポンプ装置100(図1参照)が冷却運転を行う際に、熱輸送部42が矢印R方向に所定の速度で回転されることにより、個々のヒートパイプ43は、中心線150まわりに円状に回転移動される。ここで、1本のヒートパイプ43に着目して説明すると、ヒートパイプ43は、回転移動される際、反応室41a内に配置された吸熱部分43aが液溜まり部41fと液溜まり部41f以外の部分(冷媒蒸気の存在する雰囲気中)とを繰り返し出入りする。ここにおいて、ヒートパイプ43の吸熱部分43aは、液溜まり部41fの中を矢印R方向に通過して液溜まり部41f中から上方(Z1方向)に離脱する際に吸熱部分43aの外表面43cに吸収液を付着させた状態で離脱する。そして、ヒートパイプ43は、吸収液が付着した吸熱部分43aの外表面43cが冷媒蒸気の雰囲気中に直接的に露出した状態でこの部分の吸収液を冷却する。また、外表面43cに付着した吸収液が冷却される分、雰囲気中の冷媒蒸気がさらに吸収される。
なお、図4(模式図)に示すように、ヒートパイプ43の加熱側(高温部)となる吸熱部分43aにおいて金属パイプ43d内の作動液が受け取った熱(吸収熱)は、作動液自身を蒸発させるとともにその蒸発ガスが金属パイプ43d内を経由して反対側(X2側)の冷却側(低温部)となる放熱部分43bに即座に移動される。そして、図2に示すように、冷却室41bを流通する冷却水91がヒートパイプ43の放熱部分43bに直接的に接触することにより、金属パイプ43d(図4参照)内の蒸発ガスは冷やされて液体に戻される。すなわち、蒸発ガスの熱が冷却水91へと伝達される。また、図4に示すように、ウィック43eに吸収された作動液がウィック43eを伝って加熱側(高温部)となる吸熱部分43aに還流される。
なお、ヒートパイプ43は吸熱部分43aが回転時の半径方向外側に向かって延びているので、封入された作動液(冷却室41bで冷却されて凝縮液となった作動液)は、ヒートパイプ43の回転移動によって生じる遠心力を利用して吸熱部分43aの最も遠心力の大きい最外周部へと速やかに還流される。ヒートパイプ43の吸熱部分43aの最外周部は中心線150に対する回転半径が最も大きいので周速度(液溜まり部41f中の矢印R方向への移動速度)も最大となり吸収液との間の熱伝達率が増加される。したがって、ヒートパイプ43の少なくとも最外周部における外表面43cに付着した吸収液と、ヒートパイプ43内の最外周部に速やかに還流された低温の作動液との熱交換がより効率よく行われて吸収液が即座に冷却される。また、これと同時に、冷媒蒸気が吸収液に吸収される際の吸収熱は、作動液に即座に伝達される。
そして、図3に示すように、回転とともにヒートパイプ43の吸熱部分43aが再び液溜まり部41fに浸漬されることによって、吸収反応済の吸収液が液溜まり部41fに戻されるとともにヒートパイプ43の外表面43cには吸収反応前の吸収液が新たに付着した状態で液溜まり部から露出されて新たに付着した吸収液に対するヒートパイプ43による冷却と冷却された吸収液による冷媒蒸気の効率的な吸収とが行われる。また、このような熱輸送サイクルが、熱輸送部42の回転とともに全てのヒートパイプ43において順次繰り返される。
このように、吸収器40においては、ヒートパイプ43の冷却作用を利用して吸収液の冷却(冷媒蒸気の吸収液への吸収反応に伴う吸収熱の熱輸送)を行う際に、ヒートパイプ43を円状に回転移動させながら吸収反応前の吸収液の伝熱面(ヒートパイプ43の外表面43c)への供給動作と、吸収反応済の吸収液の伝熱面(ヒートパイプ43の外表面43c)からの除去動作とを連続的に繰り返すことが可能に構成されている。これにより、吸収器40では、単位時間当たりの冷媒蒸気の吸収液への吸収量を増加させ、かつ、吸収熱の除去量を増加させることが可能な吸収器40として構成されている。
また、第1実施形態では、液溜まり部41fの吸収液は、液溜まり部41fに吸熱部分43aが浸漬しながら回転されるヒートパイプ43によって液溜まり部41f中においても冷却される。この際、吸熱部分43aの回転移動に伴い液溜まり部41f中の吸収液とヒートパイプ43の外表面43cとの間に強制対流熱伝達を生じるので、吸収液はより効率よく冷却される。これにより、液溜まり部41fにおいて効率よく冷却された吸収液がヒートパイプ43の外表面43cに付着したまま雰囲気中へ露出してさらに冷却されるので、その分、雰囲気中の冷媒蒸気の吸収液への吸収量がさらに増加される。したがって、吸収液の温度を安定して低温に維持することができるので、略真空状態となる反応室41a内の圧力が容易に維持されるように構成されている。
なお、熱輸送部42の回転速度(電動モータ46の回転速度)については、吸収式ヒートポンプ装置100の能力クラスによって調整可能であるように構成されている。すなわち、電動モータ46の回転速度は、ヒートパイプ43の本数や長さや作動液の特性などからなるヒートパイプ43の熱輸送性能に大きく依存する。したがって、ヒートパイプ43の吸熱部分43aにおいて吸収液が適切に冷却されるとともに放熱部分43bから冷却水91に適切に放熱(排熱)されることが実現可能な最適な速度に調整されるのが好ましい。また、空調の負荷変動が小さい範囲内においては電動モータ46の回転速度を一定速度に制御するのが好ましく、空調負荷が大幅に変動する場合には、空調負荷に応じて電動モータ46の回転速度を制御するように構成してもよい。
このようにして、冷房運転時には、蒸発器30において蒸発されるとともに冷媒蒸気移送管路63を介して吸引された冷媒蒸気(低温水蒸気)と吸収液(LiBr水溶液)とが吸収器40内で混ざり合って希液状態の吸収液が作られる。
また、蒸発器30は、図1に示すように、容器31内部に設置された熱交換部32と、容器31内部の天井部近傍に取り付けられた噴射器33とを含んでいる。また、蒸発器30の外部には、冷媒貯留部31aと噴射器33とを接続する冷媒移送管路34にポンプ35が設けられている。これにより、冷媒貯留部31aの冷媒(水)がポンプ35により汲み上げられて噴射器33から下方の熱交換部32に向けて霧状に噴射されるように構成されている。したがって、冷房運転時には、送風機36により送風された車内の熱交換前の空気(吸込空気)は、熱交換部32を通過する際に上方から噴霧された冷媒(水)が蒸発して冷媒蒸気(低温水蒸気)になる際の気化熱を利用して冷却される。そして、冷却された空気(冷風)は、車内に吹き出される。
また、吸収式ヒートポンプ装置100は、吸収液移送管路65を流通する吸収液と、吸収液移送管路66を流通する吸収液との熱交換を図るための熱交換器(プレート式熱交換器)69を備えている。熱交換器69は、いわゆる「液−液熱交換器」であり、冷房運転時に、気液分離部12から吸収器40に向かって流れる吸収液(濃液)の熱を、吸収器40から循環通路部61に向かって流れる吸収液(希液)に付与することにより、気液分離部12から吸収器40に向かって流れる吸収液の温度を低下させるとともに、吸収器40から循環通路部61に向かって流れる吸収液の温度を上昇させる役割を有している。
加熱部11は、LiBr濃液に冷媒(水)が吸収された吸収液を加熱する役割を有する。すなわち、加熱部11において、乗用車(図示せず)のエンジン110から引き回された排気ガス管111を流通する高温(約300℃〜約400℃)の排気ガスと、循環通路部61を流通する吸収液とが熱交換される。排気ガス管111は、加熱部11を経由する熱供給管路111aと、加熱部11を経由しない迂回管路111bとを含んでいる。また、エンジン110と加熱部11との間の熱供給管路111aには弁112が設けられている。冷房運転時および暖房運転時に弁112が開かれることによって、エンジン110から排出された排気ガスの一部が熱供給管路111aを経由して加熱部11に流通される。また、弁112が閉じられた場合には排気ガスは迂回管路111bを介して排出される。このようにして、吸収式ヒートポンプ装置100は構成されている。
第1実施形態では、上記のように、吸収器40(容器部41)の液溜まり部41fに吸熱部分43aが浸漬しながら回転可能なように支持された複数(12本)のヒートパイプ4343からなる熱輸送部42と、熱輸送部42(12本のヒートパイプ43)を回転させる電動モータ46とを備えることによって、液溜まり部41fに浸漬されたヒートパイプ43の吸熱部分43aがヒートパイプ43の回転移動とともにヒートパイプ43の外表面43cに吸収反応前の吸収液を付着させた状態で液溜まり部41f外の冷媒蒸気の雰囲気中に露出させることができるので、ヒートパイプ43の露出された外表面43cに付着した吸収反応前の吸収液を、ヒートパイプ43の冷却作用により冷却することができる。これにより、冷却された吸収反応前の吸収液により効率よく冷媒蒸気を吸収させることができるので、吸収器40の性能を向上させることができる。また、回転移動とともにヒートパイプ43の吸熱部分43aが再び液溜まり部41fに浸漬されることによって、吸収反応済の吸収液が液溜まり部41fに戻されるのとともにヒートパイプ43の外表面43cには吸収反応前の吸収液が新たに付着した状態で液溜まり部41fから露出されて新たに付着した吸収液に対するヒートパイプ43による冷却と冷却された吸収液による冷媒蒸気の効率的な吸収とが行われる。
このように、ヒートパイプ43の冷却作用を利用して吸収液の冷却(冷媒蒸気の吸収液への吸収反応に伴う吸収熱の熱輸送)を行う際に、ヒートパイプ43を回転移動させながら吸収反応前の吸収液の伝熱面(吸熱部分43aの外表面43c)への供給動作と、吸収反応済の吸収液の伝熱面(吸熱部分43aの外表面43c)からの除去動作とを連続的に繰り返すことができるので、固定的に配置された伝熱管群に対して吸収液が単に滴下されるような構成とは異なり、単位時間当たりの冷媒蒸気の吸収液への吸収量を増加させ、かつ、吸収熱の除去量を増加させて吸収器40の性能を向上させることができる。また、ヒートパイプ43を用いるとともに、ヒートパイプ43の吸熱部分43aを液溜まり部41fに浸漬しながら回転移動させる電動モータ46を設けるだけで、吸収器40の性能を向上させることができるので、固定的に配置された伝熱管群をより多く配置して吸収器40の性能を向上させる場合と異なり、吸収器40の外形サイズが大型化するのを抑制することができる。また、ヒートパイプ43自身が回転移動されるので、外表面43cの伝熱を促進させるための機構部(駆動部)などを反応室41a内に別途組み込む必要もないので、これによっても吸収器40は大型化しない。これらの結果、吸収式ヒートポンプ装置100が大型化するのを抑制しつつ吸収器40の性能向上を図ることができる。
また、第1実施形態では、吸収器40の液溜まり部41fに吸熱部分43aが浸漬しながら回転移動可能に支持されたヒートパイプ43と、ヒートパイプ43を回転移動させる電動モータ46とを備えることによって、液溜まり部41fの吸収液は、液溜まり部41fに吸熱部分43aが浸漬しながら回転移動されるヒートパイプ43によって液溜まり部41f中においても冷却される。この際、ヒートパイプ43の回転移動に伴い液溜まり部41f中の吸収液とヒートパイプ43の外表面43cとの間に強制対流熱伝達を生じさせることができるので、吸収液はより効率よく冷却される。これにより、液溜まり部41fにおいて効率よく冷却された吸収液がヒートパイプ43の外表面43cに付着したまま雰囲気中へ露出してさらに冷却されるので、その分、雰囲気中の冷媒蒸気の吸収液への吸収量をさらに増加させることができる。これにより、吸収器40の吸収性能をより増加させることができる。また、反応室41aにおいては、液溜まり部41f中および液溜まり部41f外の吸収液の温度を安定して低温に維持することができるので、略真空状態となる反応室41a内の圧力を容易に維持することができる。
また、第1実施形態では、ヒートパイプ43は、12本のヒートパイプ43が束ねられた構造を有しており、各々のヒートパイプ43の液溜まり部41fに浸漬される側の吸熱部分43aを、ヒートパイプ43の中心線150まわりに半径方向外側に向かって延びるように曲げるとともに、各々のヒートパイプ43の少なくとも中心線150から最も遠い最外周部に対応する吸熱部分43aが液溜まり部41fに浸漬されるように構成する。これにより、複数のヒートパイプ43が束ねられた状態で回転される際の各々のヒートパイプ43内においては、封入された作動液(冷却室41bで冷却されて凝縮液となった作動液)をヒートパイプ43の回転移動によって生じる遠心力を利用してヒートパイプ43の吸熱部分43aが曲げられた先端の最も遠心力の大きい最外周部(反応室41a内)へと速やかに還流(移動)させることができる。また、ヒートパイプ43の吸熱部分43aの最外周部は中心線150に対する回転半径が最も大きくなるので周速度(液溜まり部41f中の矢印R方向への移動速度)も最大となり吸収液との間の熱伝達率を増加させることができる。したがって、ヒートパイプ43の吸熱部分43aの少なくとも最外周部における外表面43cに付着した吸収液と、ヒートパイプ43内の最外周部に速やかに還流された低温の作動液との熱交換がより効率よく行われて吸収液が即座に冷却されるとともに、冷媒蒸気が吸収液に吸収される際の吸収熱を作動液に即座に伝達することができる。これにより、ヒートパイプ43内において、少なくとも最外周部で吸収熱を受け取った作動液が即座に蒸発しガス状態となって低温部(冷却室41b)に移動されるとともに低温部で冷却され液状態に戻された作動液が再び速やかに最外周部(反応室41a内)へと還流される。上記構成においては、中心線150まわりに回転移動されるヒートパイプ43毎にこの熱輸送動作を順次繰り返すことができるので、複数本が束ねられたヒートパイプ43を用いた場合の熱輸送効率を向上させることができる。
また、第1実施形態では、液溜まり部41fと隔離するように設置され、ヒートパイプ43を冷却する冷却水91が流通する冷却室41bを備える。これにより、加熱側(高温部)となる反応室41a内部においてヒートパイプ43内の作動液(蒸発ガス)に伝達された吸収熱を、ヒートパイプ43を介して液溜まり部41fと隔離するように設置された冷却側(低温部)となる冷却室41bに容易に輸送することができる。そして、冷却室41bにおいては蒸発ガスにより輸送された熱(吸収熱)が蒸発ガスの冷却によってヒートパイプ43から容易に除去されるとともに、冷却水91によって冷却された後の作動液をヒートパイプ43(ウィック43e)を介して再び反応室41aへと戻すことができる。このように、ヒートパイプ43を冷却する冷却室41bを設けることによって、反応室41a内部のヒートパイプ43の吸熱部分43aを介して吸収液の冷却(吸収熱の除去)を継続的に行うとともに輸送された熱を冷却室41bにおいて冷却水91側に放熱(排熱)させるような熱輸送サイクルを容易に成立(駆動)させることができる。
また、第1実施形態では、12本のヒートパイプ43を束ねるように保持する保持部材44を備え、保持部材44の中心線150に沿った方向の一方側にヒートパイプ43の液溜まり部41fに浸漬される側の吸熱部分43aを配置するとともに、保持部材44の中心線150に沿った方向の他方側にヒートパイプ43の冷却室41bにより冷却される側の放熱部分43bを配置する。これにより、保持部材44により、各々のヒートパイプ43を、反応室41a内部において吸収液を冷却するとともに冷媒蒸気の吸収液への吸収熱を奪うための吸熱部分43a(ヒートパイプ43が吸収液を冷却する部分)と、吸収器40(反応室41a)外部に配置された冷却室41bにおいて吸熱部分43aから輸送された熱(吸収熱)を放熱させる放熱部分43b(ヒートパイプ43が吸収器40外部において冷却される部分)とに容易に区分けすることができる。したがって、ヒートパイプ43の液溜まり部41fに浸漬される側の吸熱部分43aを介して吸収液の冷却と吸収熱の除去とを継続的に行うとともに輸送された熱(吸収熱)を冷却室41bにおいて冷却される側のヒートパイプ43の放熱部分43bを介して放熱させる熱輸送サイクルを確実に駆動させることができる。
また、第1実施形態では、保持部材44の一方側(X1側)の液溜まり部41fと保持部材44の他方側(X2側)の冷却室41bとの間をシールするシール部材50を設けている。これにより、シール部材50により、液溜まり部41fを有する反応室41a内部を冷却室41bが配置された吸収器40外部から確実に遮断することができる。すなわち、反応室41a内部においては圧力を略真空状態に維持して冷媒蒸気を吸収液に吸収させるので、シール部材50により、吸収器40における反応室41aの気密性(略真空状態)を確実に維持することができる。
また、第1実施形態では、一方端側(X2側)が複数のヒートパイプ43とともに保持部材44に保持され、他方端側(X1側)が電動モータ46に接続される回転軸45を備える。これにより、回転軸45を介して電動モータ46の駆動力を保持部材44に容易に伝達して保持部材44を回転させることができる。また、保持部材44が電動モータ46に接続された回転軸45を介して回転されるので、保持部材44により保持される12本のヒートパイプ43を安定的に回転させることができる。
また、第1実施形態では、保持部材44を回転可能に支持する玉軸受48と、回転軸45を回転可能に支持する玉軸受49とを設けている。これにより、保持部材44および回転軸45をそれぞれ玉軸受48および玉軸受49を用いて中心線150まわりに回転軸45の芯ずれやがたつきなどを起こすことなくより安定的に回転させることができるので、より安定的に12本のヒートパイプ43を回転させることができる。
また、第1実施形態では、電動モータ46と液溜まり部41fとの間をシールするシール部材51を設けている。これにより、シール部材51により、液溜まり部41fを有する反応室41a内部を電動モータ46が配置された吸収器40外部から確実に遮断することができる。すなわち、反応室41a内部においては圧力を略真空状態に維持して冷媒蒸気を吸収液に吸収させるので、シール部材51により、吸収器40における反応室41aの気密性(略真空状態)を確実に維持することができる。
(第2実施形態)
次に、図1、図2、図5および図6を参照して、第2実施形態について説明する。この第2実施形態では、ヒートパイプ243の吸熱部分243aが上記第1実施形態のヒートパイプ43よりも複雑な曲げ形状を有して形成された熱輸送部242を用いて吸収器240を構成した例について説明する。なお、図中において、上記第1実施形態と同様の構成には、第1実施形態と同じ符号を付して図示している。
本発明の第2実施形態による吸収式ヒートポンプ装置は、上記第1実施形態における吸収器40(図2参照)の代わりに吸収器240を備えている。すなわち、図1においては、吸収器40が吸収器240(図5参照)に置き換えられて吸収式ヒートポンプ装置が構成されている。
吸収器240は、図5に示すように、反応室241aおよび冷却室241bを構成するハウジング部241cと、ハウジング部241cを密閉するための蓋部241dとを含む容器部241を備えている。また、ハウジング部241cは、中心線150に沿って冷却室241bの反応室241aとは反対側(X2側)にも筒状に延びている。そして、冷却室241bのX2側に、筒状に形成された内壁部分241hを有するモータ収容部241kが設けられている。なお、冷却室241bは、本発明の「冷却部」の一例である。
ここで、第2実施形態では、吸収器240は、容器部241のハウジング部241c内において中心線150まわりに回転される熱輸送部242を備えている。熱輸送部242は、図6に示すように、8本のヒートパイプ243が1つの保持部材244により束ねられた構造を有しており、熱輸送部242は、8本のヒートパイプ243および保持部材244が一体となって中心線150まわりに回転されるように構成されている。また、各々のヒートパイプ243は、所定の曲率半径を有してコイル状(螺旋状)に巻回された吸熱部分243aを有している。また、互いに隣接する一対のヒートパイプ243においては、各々の吸熱部分243aが互いに接触することなく概略二重螺旋構造を形成した状態で共に保持部材244に固定されている。なお、吸熱部分243aは、本発明の「液溜まり部に浸漬される側の部分」の一例である。
また、図6に示すように、吸熱部分243a側においては、この二重螺旋構造を有する一対のヒートパイプ243が、保持部材244の中心線150まわりに等角度間隔(約90度間隔)で配置されている。なお、直管状態での吸熱部分243aはヒートパイプ43(図2参照)の吸熱部分43a(図2参照)よりも全長が大きいので、吸熱部分243aの伝熱面積は、吸熱部分43aの伝熱面積よりも広い。その一方で、吸熱部分243aがコイル状に巻回されることによって外形形状を小さくして反応室241a内にコンパクトに収められている。
また、図5に示すように、ヒートパイプ243の吸熱部分243aは、保持部材244の端面244cからX1側に露出した後、中心線150に対して略90度の角度を有して半径方向外側に向けて概略直線的に延びている。したがって、吸収器40(図2参照)と比較した場合、吸収器240は、ハウジング部241cにおける反応室241aのX方向(水平方向)の長さが相対的に小さい。また、これにより、反応室241aの内容積(液溜まり部241fの内容積)は、反応室41a(図2参照)の内容積(液溜まり部41fの内容積)よりも小さい。また、図6に示すように、8本のヒートパイプ243は、X1側(紙面手前側)における吸熱部分243aの巻回された外表面243c同士を縦横に繋ぐようにして形成された金属製の支持部材247によって一体的に固定されている。また、支持部材247は、略十字形状を有しており、支持部材247は回転中心が保持部材244の回転中心(中心線150)上に揃えられている。なお、図5においては、容器部241の内部構造を図示するために、支持部材247(図6参照)の図示を省略している。
また、図5に示すように、冷却室241bにおいては、保持部材244の端面244dから露出されるヒートパイプ243の放熱部分243bは、X2方向に直線的に延びている。なお、放熱部分243bは、本発明の「冷却部により冷却される側の部分」の一例である。
また、第2実施形態では、回転軸45は、端面244dからX2方向に延びるように保持部材244に取り付けられている。そして、モータ収容部241k内に電動モータ46が配置されており、X2方向に延びる回転軸45が電動モータ46の駆動軸に図示しないギアボックスを介して接続されている。また、モータ収容部241kは、電動モータ46が組み込まれた状態で蓋部241mによってX2側から塞がれている。また、玉軸受49およびシール部材51が、冷却室241bとモータ収容部241kとの境界部における円筒状の内壁部分241jに対して周状に嵌め込まれており、玉軸受49により回転軸45が回転可能に支持されている。これにより、吸収器240においては、電動モータ46の駆動力が回転軸45に伝達されるとともに保持部材244に伝達されて、保持部材244に固定された8本のヒートパイプ243が、中心線150の延びる方向(図6における紙面垂直方向)から見て、保持部材244とともに矢印R方向に所定の移動速度で円状に回転移動されるように構成されている。
また、ハウジング部241cには、蒸発器30(図1参照)の冷媒蒸気を反応室241a内に供給するための入口部240cが形成されている。また、ハウジング部241c内の天井部(Z1側)には、気液分離部12(図1参照)からの吸収液(濃液)を反応室241a内に供給するための入口部240dが形成されている。また、ハウジング部241c内の底部(Z2側)には、冷媒が吸収された吸収液を加熱部11(図1参照)に供給(送出)するための出口部240eが形成されている。
なお、第2実施形態による吸収式ヒートポンプ装置のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
第2実施形態では、上記のように、吸熱部分243aをコイル状(螺旋状)に巻回して各々のヒートパイプ243を構成する。これにより、吸熱部分243aの外表面243cの面積を増加させることができるので、吸収液を冷却するための伝熱面積が増加される分、吸収熱の除去量(冷却能力)を増加させることができる。さらには、単位時間当たりの冷媒蒸気の吸収液への吸収量を増加させることができる。また、吸熱部分243aの伝熱面積を増加させたとしても吸熱部分243aがコイル状に巻回されて反応室241a内にコンパクトに収められるので、熱輸送部242全体が大型化するのを抑制することができる。これにより、容器部241を大型化させることなく吸収器240の性能をより向上させることができる。なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
(第3実施形態)
次に、図1、図5および図7を参照して、第3実施形態について説明する。この第3実施形態では、熱輸送部342の回転軸(中心線150)が鉛直方向(Z方向)に対して所定角度だけ傾けられた状態で回転可能となるように吸収器340を構成した例について説明する。なお、図中において、上記第2実施形態と同様の構成には、第2実施形態と同じ符号を付して図示している。
本発明の第3実施形態による吸収式ヒートポンプ装置は、上記第1実施形態における吸収器40(図1参照)の代わりに吸収器340を備えている。すなわち、図1においては、吸収器40が吸収器340(図7参照)に置き換えられて吸収式ヒートポンプ装置が構成されている。
ここで、第3実施形態では、図7に示すように、吸収器340は、互いに形状の異なる支持部材301および302を用いることにより、熱輸送部342の回転軸(中心線150)が鉛直方向(Z方向)から所定角度だけ傾けられた状態で設置面(水平面)102上に設置されている。したがって、容器部341を含むハウジング部341c全体が水平面(X−Y平面)に対して所定の傾斜角度を有して固定されている。この場合、Y2側の高さ位置がY1側よりも下方(Z2方向)下げられて反応室341aが設置されており、傾斜する反応室341a内には、複数(12本)のヒートパイプ343を順次浸漬させるための液溜まり部341fが形成されている。
また、熱輸送部342は、12本のヒートパイプ343が1つの保持部材44により束ねられた構造を有しており、熱輸送部342は、12本のヒートパイプ343および保持部材44が一体となって中心線150まわりに回転されるように構成されている。また、ヒートパイプ343の吸熱部分343aは、保持部材44から斜め下方(Z2側)に露出した後、傾斜する中心線150に対して略90度の角度を有して半径方向外側に直線的に延びている。また、各々のヒートパイプ343は、保持部材44に対する中心線150まわりの30度刻みの取付位置(0度、30度、60度…300度および330度)に応じて、吸熱部分343aの中心線150に沿った方向の位置が異なるように構成されている。したがって、液溜まり部341fに浸漬される吸熱部分343aの位置(軸方向)は、ヒートパイプ343ごとに互いにずらされている。また、各々のヒートパイプ343は、吸熱部分343aの先端部において金属製の支持部材347に固定されている。なお、図7においては、図示の都合上、一部のヒートパイプ343の図示を省略している。なお、吸熱部分343aは、本発明の「液溜まり部に浸漬される側の部分」の一例である。
また、吸収器340においては、ハウジング部341cに設けられた冷媒蒸気の入口部340c、吸収液(濃液)の入口部340d、および、蓋部341dに設けられた吸収液(希液)の出口部340eの形成位置は、容器部341の設置態様に合わせて吸収器240(図5参照)の場合とは異なる。
なお、第3実施形態による吸収式ヒートポンプ装置のその他の構成は、上記第2実施形態と同様である。
第3実施形態では、上記のように、容器部341内において熱輸送部342の回転軸(中心線150)を鉛直方向(Z方向)から所定角度だけ傾けた状態で回転するように構成する。これにより、吸収式ヒートポンプ装置が搭載される車輛の走行中に車輛に大きな縦揺れや横揺れが生じたり、車輛自体が水平面(X−Y平面)に対して大きく傾けられた姿勢になったりした場合でも、吸収器340内においては回転する熱輸送部342を介して吸収液を支障なく冷却することができる。すなわち、車輛の姿勢などに起因して吸収器340の性能が低下されるのが抑制されるので、吸収式ヒートポンプ装置を有効に機能させることができる。なお、第3実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
(第4実施形態)
次に、図1、図2および図8を参照して、第4実施形態について説明する。この第4実施形態では、電動モータ46による駆動力を利用して回転駆動されるブラシ部材410を反応室441a内に組み込んで吸収器440を構成した例について説明する。なお、図中において、上記第1実施形態と同様の構成には、第1実施形態と同じ符号を付して図示している。
本発明の第4実施形態による吸収式ヒートポンプ装置は、上記第1実施形態における吸収器40(図1参照)の代わりに吸収器440を備えている。すなわち、図1においては、吸収器40が吸収器440(図8参照)に置き換えられて吸収式ヒートポンプ装置が構成されている。なお、熱輸送部442を回転させる回転軸45および電動モータ46の配置構成については上記第1実施形態における吸収器40(図2参照)と同じである。
ここで、第4実施形態では、図8に示すように、反応室441a内において回転軸45よりも下方(Z2方向)に配置され回転軸45と略平行に延びる回転軸401が組み込まれている。回転軸401は、X方向の両端部が玉軸受402を介して回転可能に取り付けられている。また、回転軸45に歯車403が取り付けられるとともに、回転軸401には、歯車403に噛合される歯車404が取り付けられている。また、回転軸401の歯車404とX2側の端部との間にブラシ部材410が取り付けられている。ブラシ部材410は、回転軸401を芯材として回転軸401から放射状(Y方向およびZ方向)に延びる樹脂繊維からなる。また、全体的にX方向に沿って延びるブラシ部材410は、ヒートパイプ443の吸熱部分443aが回転移動に伴って液溜まり部441fに浸漬されるとともにヒートパイプ443が液溜まり部441f中の最下点およびその近傍を通過した際に、ブラシ部材410の先端が吸熱部分443aの外表面443cを擦るような位置関係を有して配置されている。なお、吸熱部分443aは、本発明の「液溜まり部に浸漬される側の部分」の一例である。
また、熱輸送部442を構成する個々のヒートパイプ443の吸熱部分443aは、保持部材44のX1側において中心線150まわりに半径方向外側に向かって延びるように曲げられた後、最外周部において再び半径方向内側に曲げられるとともに中心線150に沿って直線的に延びている。また、吸熱部分443aの中心線150と略平行に延びる部分の外表面443cは、ブラシ部材410に接触するように構成されている。
したがって、第4実施形態では、電動モータ46により熱輸送部442が回転される際、駆動力の一部が回転軸401にも伝達されてブラシ部材410が回転軸401まわりに回転されるように構成されている。この際、ブラシ部材410の回転とともにヒートパイプ443の外表面443cから吸収反応済の吸収液を除去して液溜まり部441fの吸収反応前の吸収液を外表面443cに塗布するように構成されている。
なお、第4実施形態による吸収式ヒートポンプ装置のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
第4実施形態では、上記のように、電動モータ46による駆動力を利用して回転駆動され、ヒートパイプ443の外表面443cから吸収反応済の吸収液を除去して液溜まり部441fの吸収反応前の吸収液を塗布するブラシ部材410を備える。これにより、ブラシ部材410による吸収液の塗布時に、ブラシ部材410を利用して既に吸収反応済(熱交換済み)の吸収液を強制的に除去してヒートパイプ443の外表面443c(伝熱面)を更新しながら、新たな吸収反応前の吸収液をその更新されたヒートパイプ443の外表面443cに確実に塗布することができる。これにより、熱輸送性能を落とすことなくヒートパイプ443を機能させることができる。なお、第4実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
(第5実施形態)
次に、図1、図2および図9を参照して、第5実施形態について説明する。この第5実施形態では、反応室41aの内部に吸収液をヒートパイプ43に強制的に供給するポンプ機構510を設けて吸収器540を構成した例について説明する。図中において、上記第1実施形態と同様の構成には、第1実施形態と同じ符号を付して図示している。なお、ポンプ機構510は、本発明の「ポンプ」の一例である。
本発明の第5実施形態による吸収式ヒートポンプ装置は、上記第1実施形態における吸収器40(図1参照)の代わりに吸収器540を備えている。すなわち、図1においては、吸収器40が吸収器540(図9参照)に置き換えられて吸収式ヒートポンプ装置が構成されている。なお、熱輸送部42を回転させる回転軸45および電動モータ46の配置構成については上記第1実施形態における吸収器40(図2参照)と同じである。
ここで、第5実施形態では、図9に示すように、電動モータ46による駆動力を利用して駆動され、液溜まり部41fの吸収液を汲み上げてヒートパイプ43の液溜まり部41fから露出している吸熱部分43aに供給するためのポンプ機構510を備えている。
ポンプ機構510は、回転軸45に組み込まれた液体汲み上げ用のギアポンプ部501と、ギアポンプ部501と回転軸45の途中までを周状に覆うように形成されたケーシング502とによって構成されている。ケーシング502は、蓋部541dの反応室41aを形成する内壁面にギアポンプ部501を覆うようにして取り付けられている。また、ギアポンプ部501よりも下方(Z2方向)における蓋部541dの内側面には凹部541eが形成されている。そして、ケーシング502が凹部541eを覆うことによって吸収液がギアポンプ部501へと流通する流路503が形成されている。また、ケーシング502は回転軸45を周状に包み込んだ状態で回転軸45に沿ってX2方向に所定距離だけ延び後、先端部が回転軸45の外表面45aに摺動可能に接触している。また、ケーシング502の上面(Z1側)には、X方向に沿って所定間隔を隔てて配置された複数の貫通孔504が形成されている。
したがって、第5実施形態では、電動モータ46により熱輸送部42が回転される際、駆動力の一部がギアポンプ部501を駆動することにより、液溜まり部41fの吸収液が回転軸45の高さ位置まで汲み上げられるように構成されている。すなわち、吸収液はギアポンプ部501の駆動とともに流路503を流通して回転軸45とケーシング502との隙間部まで到達し、ケーシング502の貫通孔504から反応室41a内に噴出されるように構成されている。これにより、液溜まり部41fから露出して冷媒蒸気が満たされた雰囲気中を回転移動するヒートパイプ43の外表面43cに、ケーシング502から噴出された吸収液が噴霧(供給)されるように構成されている。なお、第5実施形態による吸収式ヒートポンプ装置のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
第5実施形態では、上記のように、電動モータ46による駆動力を利用して駆動され、液溜まり部41fの吸収液を汲み上げてヒートパイプ43の液溜まり部41fから露出している外表面43cに供給するためのポンプ機構510を備える。これにより、ヒートパイプ43が液溜まり部41fから液溜まり部41f外の冷媒蒸気の雰囲気中に露出(離脱)する際に、粘性などによって吸収液を自然にヒートパイプ43の外表面43cに付着させることのみならず、ポンプ機構510により汲み上げられた液溜まり部41fの吸収液をヒートパイプ43の外表面43cに強制的に供給して付着させることができる。これにより、より多くの量の吸収液をヒートパイプ43の外表面43cを介して冷却することができるので、吸収器540の吸収性能をより効果的に向上させることができる。なお、第5実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記第1〜第5実施形態では、個々のヒートパイプ43(243、343および443)が保持部材44(244)に固定的に保持された状態でヒートパイプ4343(243、343および443)が保持部材44(244)とともに円状に回転移動されるように熱輸送部42(242、342および442)を構成した例について示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、本発明においては、水平に配置された1本のヒートパイプが液溜まり部に半分だけ浸漬された状態で、このヒートパイプを軸回りに回転させるように構成してもよい。この変形例のように構成しても、液溜まり部に浸漬されたヒートパイプの一部が回転とともにヒートパイプの外表面に吸収反応前の吸収液を付着させた状態で液溜まり部外の冷媒蒸気の雰囲気中に露出させることができるので、ヒートパイプの露出された外表面に付着した吸収反応前の吸収液を、ヒートパイプの冷却作用により冷却することができる。これにより、冷却された吸収反応前の吸収液により効率よく冷媒蒸気を吸収させることができるので、吸収器の性能を向上させることができる。
また、上記第1〜第5実施形態では、8本または12本のヒートパイプ43(243、343および443)を、保持部材44(244)を用いて束ねた例について示したが、本発明はこれに限られない。ヒートパイプの本数は保持部材44が保持可能な本数の範囲において上記以外の本数でもよい。
また、上記第1〜第5実施形態では、電動モータ46の駆動力を、回転軸45を介して保持部材44(244)に伝達して保持部材44(244)を回動させるように構成した例について示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、吸収器40(240、340、440および540)外部の電動モータ46の回転軸に磁気を帯びた回転子を取り付けるとともに、回転軸45の端部にも円板状の磁石を取り付けるように構成する。そして、吸収器40(240、340、440および540)の壁部を隔てて電動モータ46の回転子と回転軸45とを極力近づけるように各々を配置することにより、電動モータ46の回転子と回転軸45とが磁力によって引き合う際のトルクを利用して保持部材44(244)を回転させるようにしてもよい。これにより、電動モータ46が吸収器40(240、340、440および540)内部とは完全に隔離されるので、吸収器40にシール部材51を設ける必要がなく、吸収器40(240、340、440および540)の気密性(真空状態)をより確実に保つことができる。また、ギアボックスなどを含まず電動モータ46に回転軸45を直結して保持部材44(244)を回動させてもよいし、電動モータ46にベルトを介してベルト駆動方式で保持部材44(244)を回動させるように構成してもよい。
また、上記第2実施形態では、ヒートパイプ243のコイル状の吸熱部分243aが中心線150に対して略90度の角度を有して半径方向外側に概略直線的に延びるように構成した例について示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、コイル状に形成された吸熱部分が第2実施形態のように半径方向外側に延びた後、最外周部において円周方向(矢印R方向)に向きを変えて所定距離だけ円弧状に延びるようにヒートパイプを形成してもよい。そして、このような個々のヒートパイプが上記第3実施形態のように保持部材の回転中心線まわりに等角度間隔(たとえば45度刻み)で配置されるように熱輸送部を構成してもよい。
また、上記第1〜第5実施形態では、本発明の「吸収式ヒートポンプ装置」を、エンジン(内燃機関)を備えた乗用車、バスおよびトラックなどの車輌の空調システムに適用する例について示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ディーゼルエンジンを備えた列車や船舶などの空調システムに適用してもよい。また、本発明は、車輌のような移動体のみならず、ビル、工場、商業施設などの空調を行う据置型の吸収式ヒートポンプ装置に対しても広く適用することができる。
また、上記第1〜第5実施形態では、エンジン(内燃機関)の排気ガスの熱を利用して吸収液を加熱する例について示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、本発明の「吸収式ヒートポンプ装置」をエンジン駆動および電動モータ駆動を併用して走行するハイブリッド自動車や電動モータ駆動により走行する電気自動車の空調システムに適用してもよいし、燃料電池システムを備えた乗用車の空調システムに適用してもよい。すなわち、吸収液を加熱する熱源は、エンジンの排気ガスのみならず、たとえば電気自動車のバッテリやモータの排熱や燃料電池における発電時の排熱などを熱源としてもよい。
また、上記第1〜第5実施形態では、冷媒および吸収液として、それぞれ、水および臭化リチウム(LiBr)水溶液を用いた例について示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、冷媒および吸収液として、それぞれ、アンモニアおよび水を用いた吸収式ヒートポンプ装置に本発明を適用してもよい。
40、240、340、440、540 吸収器
41b、241b 冷却室(冷却部)
41f、241f、341f、441f 液溜まり部
42、242、342、442 熱輸送部
43、243、343、443 ヒートパイプ
43a、243a、343a、443a 吸熱部分(液溜まり部に浸漬される側の部分)
43b、243b 放熱部分(冷却部により冷却される側の部分)
43c、243c、343c、443c 外表面
44、244 保持部材
45 回転軸
46 電動モータ(回転駆動部)
48 玉軸受(第1軸受)
49 玉軸受(第2軸受)
50 シール材(第1シール部材)
51 シール材(第2シール部材)
100 吸収式ヒートポンプ装置
150 中心線(回転中心線)
410 ブラシ部材
510 ポンプ機構(ポンプ)

Claims (10)

  1. 吸収液により冷媒蒸気を吸収する吸収式ヒートポンプ装置であって、
    吸収液が貯留される液溜まり部を有する吸収器と、
    前記吸収器の液溜まり部に一部が浸漬しながら回転可能なように支持されたヒートパイプと、
    前記ヒートパイプを回転させる回転駆動部とを備える、吸収式ヒートポンプ装置。
  2. 前記ヒートパイプは、複数のヒートパイプが束ねられた構造を有しており、
    前記複数のヒートパイプの前記液溜まり部に浸漬される側の部分は、前記ヒートパイプの回転中心線まわりに半径方向外側に向かって延びるように曲げられているとともに、前記複数のヒートパイプの少なくとも最外周部が前記液溜まり部に浸漬されるように構成されている、請求項1に記載の吸収式ヒートポンプ装置。
  3. 前記液溜まり部と隔離するように設置され、前記ヒートパイプを冷却する冷却部をさらに備える、請求項1または2に記載の吸収式ヒートポンプ装置。
  4. 前記ヒートパイプは、複数のヒートパイプが束ねられた構造を有しており、
    前記複数のヒートパイプを束ねるように保持する保持部材をさらに備え、
    前記保持部材の回転中心線に沿った方向の一方側には、前記ヒートパイプの前記液溜まり部に浸漬される側の部分が配置されているとともに、前記保持部材の回転中心線に沿った方向の他方側には、前記ヒートパイプの前記冷却部により冷却される側の部分が配置されている、請求項3に記載の吸収式ヒートポンプ装置。
  5. 前記保持部材の前記一方側の前記液溜まり部と前記保持部材の前記他方側の前記冷却部との間をシールする第1シール部材をさらに備える、請求項4に記載の吸収式ヒートポンプ装置。
  6. 一方端側が前記複数のヒートパイプとともに前記保持部材に保持され、他方端側が前記回転駆動部に接続される回転軸をさらに備える、請求項4または5に記載の吸収式ヒートポンプ装置。
  7. 前記保持部材を回転可能に支持する第1軸受と、前記回転軸を回転可能に支持する第2軸受とをさらに備える、請求項6に記載の吸収式ヒートポンプ装置。
  8. 前記回転駆動部と前記液溜まり部との間をシールする第2シール部材をさらに備える、請求項6または7に記載の吸収式ヒートポンプ装置。
  9. 前記回転駆動部による駆動力を利用して駆動され、前記液溜まり部の吸収液を汲み上げて前記ヒートパイプの前記液溜まり部から露出している部分に供給するためのポンプをさらに備える、請求項6〜8のいずれか1項に記載の吸収式ヒートポンプ装置。
  10. 前記回転駆動部による駆動力を利用して回転駆動され、前記ヒートパイプの外表面から吸収反応済の吸収液を除去して前記液溜まり部の吸収反応前の吸収液を塗布するブラシ部材をさらに備える、請求項1〜9のいずれか1項に記載の吸収式ヒートポンプ装置。
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