JP2019105395A - 吸収式ヒートポンプ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷媒を効率的に蒸発させることにより、冷媒の蒸発量を確保しつつ小型化を実現することが可能な吸収式ヒートポンプ装置を提供する。【解決手段】この車載用吸収式ヒートポンプ装置1は、冷媒Wが流れる冷媒滞留空間23と蒸発側冷却水CW2が流れる冷却水流路51とを含む熱交換器部8を備えている。熱交換器部8は、冷媒Wと蒸発側冷却水CW2との熱交換により冷媒Wの一部を蒸発させて、気液状冷媒AWを冷媒滞留空間23内で生成するとともに、気液状冷媒AWを熱交換器部8に吐出するように構成されている。【選択図】図6

Description

本発明は、吸収式ヒートポンプ装置に関し、特に、冷媒が流れる冷媒流路と冷却水が流れる冷却水流路とを含む熱交換器部を備える吸収式ヒートポンプ装置に関する。
従来、冷媒が流れる冷媒流路と冷却水が流れる冷却水流路とを含む熱交換器部を備える吸収式ヒートポンプ装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、冷媒を散布する冷媒散布装置と、内部を冷水(冷却水)が流れる伝熱管を有する蒸発器用伝熱ユニットとを備える吸収冷凍機が開示されている。上記特許文献1に記載の吸収冷凍機は、冷媒散布装置から蒸発器用伝熱ユニットに向かって散布した冷媒が、内部に冷水が流れる伝熱管の表面を流下する際に、伝熱管内の冷水と熱交換を行うことにより一部が蒸発する蒸発器として構成されている。
特開2003−254681号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の吸収冷凍機では、冷媒散布装置から散布され、伝熱管の表面を流れる冷媒のみが冷水との熱交換を行うので、冷水の熱が十分に冷媒に伝達されないという不都合がある。このため、上記特許文献1に記載の吸収冷凍機では、熱伝達効率が悪く、冷媒と冷水との熱交換により冷媒を効率的に蒸発させることが困難であるので、冷媒の蒸発量を確保しつつ小型化を実現することが困難であるという問題点がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、冷媒を効率的に蒸発させることにより、冷媒の蒸発量を確保しつつ小型化を実現することが可能な吸収式ヒートポンプ装置を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の一の局面における吸収式ヒートポンプ装置は、吸収液により冷媒蒸気を吸収する吸収式ヒートポンプ装置であって、冷媒が流れる冷媒流路と冷却水が流れる冷却水流路とを含む熱交換器部を備え、熱交換器部は、冷媒流路内の冷媒と冷却水流路内の冷却水との熱交換により冷媒の一部を蒸発させて、気体および液体を含む気液二相状態の冷媒である気液状冷媒を冷媒流路内で生成するとともに、気液状冷媒を熱交換器部に吐出するように構成されている。
この発明の一の局面による吸収式ヒートポンプ装置では、上記のように、熱交換器部は、冷媒流路内の冷媒と冷却水流路内の冷却水との熱交換により冷媒の一部を蒸発させて、気液状冷媒を冷媒流路内で生成するとともに、気液状冷媒を熱交換器部に吐出するように構成されている。これにより、熱交換器部内において、冷媒流路の冷媒と冷却水流路の冷却水との熱交換が行われ、さらに、熱交換器部外において、熱交換器部内で生成された気液状冷媒のうちの液体の冷媒と冷却水流路の冷媒との熱交換が行われるので、熱交換器部に供給された冷媒に冷却水の熱を十分に伝達することができる。その結果、冷媒を効率的に蒸発させることにより、冷媒の蒸発量を確保しつつ吸収式ヒートポンプ装置の小型化を実現することができる。また、気液状冷媒は、熱交換器部内において熱交換が行われて加熱された状態であるので、熱交換器部の外表面においてより効率的に蒸発させることができる。
上記一の局面による吸収式ヒートポンプ装置において、好ましくは、熱交換器部においては、冷媒流路内の冷媒と冷却水流路内の冷却水とが熱交換可能なように、冷媒流路と冷却水流路とが近接して配置されている。
このように構成すれば、熱交換器部内において、冷媒流路内の冷媒と冷却水流路内の冷却水との熱交換が確実に行われるので、冷媒流路内において熱交換器部から吐出される前に冷媒を気液状冷媒に確実に変えることができる。
上記一の局面による吸収式ヒートポンプ装置において、好ましくは、熱交換器部は、冷却水流路が形成された平板形状の一対の伝熱部分と、一対の伝熱部分に挟み込むように配置され、冷媒流路が形成された昇温部分とを一体的に含む。
このように構成すれば、昇温部分の片面に伝熱部分が配置される場合よりも、伝熱部分の面積を増加させることができるので、冷媒流路内の冷媒を気液状冷媒に変化させる効率を向上させることができる。
上記熱交換器部が伝熱部分を含む吸収式ヒートポンプ装置において、好ましくは、伝熱部分は、昇温部分の冷媒流路と連通するとともに伝熱部分を貫通するように設けられ、気液状冷媒を熱交換器部の伝熱部分の外表面側に吐出するための複数の吐出孔を有する。
このように構成すれば、気液状冷媒の蒸気圧を利用して、昇温部分の冷媒流路から伝熱部分を通過させて熱交換器部の伝熱部分の外表面側に気液状冷媒を吐出孔を介して吐出することができるので、吐出孔から気液状冷媒を吐出する部材を設けた場合よりも、吸収式ヒートポンプ装置の大型化を抑制することができる。また、吐出孔が伝熱部分に複数設けられていることにより、気液状冷媒を吐出する量を大きくすることができるので、熱交換器部の外表面に付着した気液状冷媒のうちの液体の冷媒の蒸発量を大きくすることができる。
この場合、好ましくは、熱交換器部は複数配置され、熱交換器部の複数の吐出孔は、それぞれ、隣り合う熱交換器部の伝熱部分の外表面に気液状冷媒を噴霧するように構成されている。
このように構成すれば、霧状の気液状冷媒を隣り合う熱交換器部の伝熱部分の外表面に付着させることにより、熱交換器部の伝熱部分の外表面に付着する気液状冷媒を蒸発させる効率を向上させることができるので、小型化に伴う冷媒を蒸発させる効率の悪化をより抑制することができる。
上記熱交換器部が伝熱部分を含む吸収式ヒートポンプ装置において、好ましくは、気液状冷媒を熱交換器部の伝熱部分の外表面に沿って回転しながら塗布する塗布部材をさらに備える。
このように構成すれば、熱交換器部の伝熱部分の外表面に付着した気液状冷媒を塗布部材により、熱交換器部の伝熱部分の外表面に塗り広げることができるので、熱交換器部の伝熱部分の外表面に付着した気液状冷媒をより効率的に蒸発させることができる。
なお、本出願では、上記一の局面による吸収式ヒートポンプ装置において、以下の構成も考えられる。
(付記項1)
すなわち、上記吐出孔を有する熱交換器部を備える吸収式ヒートポンプ装置において、伝熱部分において、冷媒が冷媒流路に流入する冷媒流入口は、下側に配置され、複数の吐出孔は、それぞれ、上側に配置される。
(付記項2)
上記一の局面による吸収式ヒートポンプ装置において、熱交換器部は、蒸発器に設けられている。
(付記項3)
上記一の局面による吸収式ヒートポンプ装置において、冷却水流路は、冷却水が流入する冷却水流入口から冷却水が流出する冷却水流出口までの間に複数の折り返し部を有する蛇行形状に形成されている。
(付記項4)
上記塗布部材を備える吸収式ヒートポンプ装置において、塗布部材は、気液状冷媒に加えて底部に貯留された液状の冷媒も汲み上げて伝熱部分の外表面側に沿って塗布するように構成されている。
(付記項5)
上記吐出孔を有する吸収式ヒートポンプ装置において、複数の熱交換器部における隣り合う熱交換器部のうち、一方の熱交換器部の複数の吐出孔の各々の高さ位置に対して他方の熱交換器部の複数の吐出孔各々の高さ位置がずれた位置に配置されている。
(付記項6)
上記一の局面による吸収式ヒートポンプ装置において、動力源から伝達される動力により移動する移動体に設置される吸収式ヒートポンプ装置であって、熱交換器部は、移動体に配置されている。
本発明の一実施形態による吸収式ヒートポンプ装置の模式的な全体構成図である。 本発明の一実施形態による吸収式ヒートポンプ装置の蒸発器を示した模式的な斜視図である。 本発明の一実施形態による吸収式ヒートポンプ装置の蒸発器の断面図である。 図4(A)は熱交換器部における冷媒と冷却水との熱交換を模式的に示した側面図である。図4(B)は熱交換器部と回転塗布部材とを模式的に示した側面図である。 本発明の一実施形態による吸収式ヒートポンプ装置の熱交換器部の分解斜視図である。 本発明の一実施形態による吸収式ヒートポンプ装置の蒸発器において、複数の熱交換器部によって行われる冷媒の第1次蒸発および第2次蒸発を示した模式的な断面図である。 本発明の一実施形態による吸収式ヒートポンプ装置の蒸発器において、複数の熱交換器部において回転塗布部材により行われる第3次蒸発および第4次蒸発を示した模式的な斜視図である。 本発明の一実施形態の第1変形例による吸収式ヒートポンプ装置の蒸発器において、複数の熱交換器部と複数の回転塗布部材を示した模式的な斜視図である。 本発明の一実施形態による吸収式ヒートポンプ装置の蒸発器において、複数の熱交換器部の複数の吐出孔を示した模式的な断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(車載用吸収式ヒートポンプ装置の構成)
車載用吸収式ヒートポンプ装置1(吸収式ヒートポンプ装置の一例)は、冷媒Wとしての水と、吸収液としての臭化リチウム(LiBr)水溶液とが用いられる吸収式ヒートポンプ装置であり、エンジンを備えた乗用車およびバスなどの車両(図示せず)に搭載されるように構成されている。
車載用吸収式ヒートポンプ装置1は、図1に示すように、再生器2(二点鎖線枠内)と、凝縮器3と、蒸発器4と、吸収器5とを備える。
また、車載用吸収式ヒートポンプ装置1は、循環通路11と、冷媒蒸気通路12と、冷媒通路13と、濃縮吸収液通路14と、希釈吸収液通路15と、冷媒蒸気供給路16とを備えている。循環通路11は、吸収液を加熱部2aと気液分離部2bとの間で循環させる役割を有しており、ポンプ11aが設けられている。冷媒蒸気通路12は、冷房運転時に気液分離部2bからの冷媒蒸気を凝縮器3に供給する。また、冷媒通路13には、弁13aが設けられている。
濃縮吸収液通路14は、弁14aの開閉動作に応じて再生器2から吸収器5に吸収液(濃液)を供給する。希釈吸収液通路15は、ポンプ15aと弁15bとが設けられた吸収器5において、冷媒蒸気が吸収された吸収液(希液)を再生器2に供給する。冷媒蒸気供給路16は、蒸発器4と吸収器5とを接続し、冷房運転時に蒸発器4において生成された冷媒蒸気(低温冷媒蒸気)を吸収器5に供給する役割を有する。また、熱交換器17においては、濃縮吸収液通路14および希釈吸収液通路15を流通する吸収液同士の熱交換が行われる。
また、車載用吸収式ヒートポンプ装置1は、冷房運転時に駆動される冷却水回路18を備える。冷却水回路18は、凝縮器3における冷媒蒸気の冷却と、吸収器5における冷媒Wの吸収液(濃液)への吸収時に発生する吸収熱の除去とに用いられる。詳細には、冷却水回路18は、吸収側冷却水CW1が流通する冷却水循環路19と、ポンプ18aと、凝縮器3に配置された熱交換部3bと、吸収器5に配置された熱交換部5bと、放熱部18bとを含む。放熱部18bでは、熱交換部5bを流通する吸収側冷却水CW1が送風機18cにより送風された空気(外気)によって冷却(放熱)される。
再生器2は、吸収液から冷媒蒸気(高温水蒸気)を分離するように構成されている。具体的には、再生器2は、吸収液を加熱する加熱部2aと、加熱された吸収液から冷媒蒸気を分離する気液分離部2bとを含む。加熱部2aでは、エンジンからの排気管を流通する高温の排気ガスと吸収液とが熱交換される。排気管は、加熱部2aを経由する排熱供給路2cと、迂回路2dとを含み、排熱供給路2cには弁2eが設けられている。冷房運転時および暖房運転時に弁2eが開かれることによって、エンジンからの排気ガスの一部が排熱供給路2cを経由して加熱部2aに流通されるように構成されている。
凝縮器3は、冷房運転時に、冷媒蒸気を凝縮(液化)させるように構成されている。凝縮器3は、冷媒Wが貯留される3aと、容器3a内に設置され、吸収側冷却水CW1が内部を流通する熱交換部3bとを含んでいる。凝縮器3では、熱交換部3b内を流通する吸収側冷却水CW1と気液分離部2bからの冷媒蒸気とが熱交換される。これにより、冷媒蒸気が凝縮されて液状の冷媒Wになる。
蒸発器4は、冷房運転時に、凝縮して水となった冷媒Wを低温低圧の条件下で蒸発(気化)させるように構成されている。蒸発器4は、水(冷媒W)が貯留される冷媒貯留部4bを有し、内部を絶対圧力で1kPa以下の低圧状態を保持する容器4aと、容器4a内部に設置された熱交換器部8とを含む。
蒸発器4には、低圧状態で冷媒Wを蒸発させて生成される冷媒蒸気(低温冷媒蒸気)を吸収器5に流入させるための上記した冷媒蒸気供給路16が接続されている。蒸発器4には、冷媒Wと熱交換を行う蒸発側冷却水CW2を循環させる役割を有する循環回路20が接続されている。循環回路20には、回路内に蒸発側冷却水CW2を循環させるためのポンプ20aが設けられている。また、循環回路20には、送風機21aにより送風される空気(外気)と、熱交換部21bを流通する蒸発側冷却水CW2との熱交換を行う熱交換器21が設けられている。なお、蒸発器4に関しての詳細な構造は後に説明する。
吸収器5は、濃液状態で供給された吸収液に蒸発器4で気化した冷媒蒸気(低温水蒸気)を吸収させるように構成されている。具体的には、吸収器5は、低圧状態(絶対圧力で1kPa以下)に保たれた容器5aと、容器5a内に配置され、吸収液と冷媒蒸気とが熱交換を行う熱交換部5bとを含む。容器5aには、上下方向(Z軸方向)のZ1側(下方)に、吸収液が主に貯留される液溜まり部5cが形成されている。
(蒸発器の詳細な構造)
車載用吸収式ヒートポンプ装置では、車両の小型化およびエンジンの周辺機器の増加により、装置の小型化が望まれている。しかし、車載用吸収式ヒートポンプ装置において、たとえば蒸発器を小型化しようとすると、蒸発器に設けられた熱交換器も小型化する必要があるので、冷媒Wに蒸発側冷却水CW2の熱を十分に伝達できず熱交換効率が悪化するおそれがある。これにより、蒸発側冷却水CW2と冷媒Wとの熱交換による蒸発側冷却水CW2から冷媒Wへの熱の伝達を十分に確保した上で、蒸発器の小型化を実現する必要がある。
そこで、本実施形態の車載用吸収式ヒートポンプ装置1で、蒸発器4に設けられる熱交換器部8において、冷媒Wの蒸発のために第1次蒸発および第2次蒸発が行われるように構成されている。以下、蒸発器4の詳細な構造について説明する。
具体的には、蒸発器4は、図1〜図3に示すように、上記した容器4aと、冷媒通路13と、冷却水供給路6と、冷却水排出路7と、複数の熱交換器部8と、回転機構9と、回転塗布部材10(塗布部材の一例)とを含んでいる。容器4aには、Z2側(下方)に、冷媒Wが貯留される冷媒貯留部4bが形成されている。ここで、回転機構9の回転軸線方向をX方向とし、水平方向におけるX方向に直交する方向をY方向とし、X方向およびY方向に直交する方向をZ方向(上下方向)とする。
冷媒通路13は、図3に示すように、蒸発器4の熱交換器部8に凝縮器3において凝縮された冷媒Wを供給する流路である。冷媒通路13は、熱交換器部8のZ2側の底部に配置されている。そして、冷媒通路13は、熱交換器部8のZ2側の端部から冷媒Wを供給する。冷媒通路13は、容器4a内において、X2側の側壁部を貫通し、X1側の側壁部の近傍まで配置されている。これにより、冷媒通路13は、容器4a内においてX方向に複数並ぶ熱交換器部8の全てに冷媒Wを供給することが可能となる。また、冷媒通路13は、容器4a内において、冷媒貯留部4bに貯留されている冷媒Wに浸かるように配置されている。
冷却水供給路6は、図1〜図3に示すように、熱交換器21が配置された循環回路20において、熱交換器21から熱交換器部8に蒸発側冷却水CW2を供給する流路である。すなわち、冷却水供給路6は、循環回路20の熱交換器21において外気と熱交換を行うことにより加熱された蒸発側冷却水CW2を熱交換器部8に流入させる流路である。冷却水供給路6は、熱交換器部8のY2側の側端部に配置されている。そして、冷却水供給路6は、熱交換器部8のY2側の端部から熱交換器部8に蒸発側冷却水CW2を供給する。冷却水供給路6は、容器4a内において、X2側の側壁部を貫通し、X1側の側壁部の近傍まで配置されている。これにより、冷却水供給路6は、容器4a内においてX方向に複数並ぶ熱交換器部8の全てに蒸発側冷却水CW2を供給することが可能となる。また、冷却水供給路6は、容器4a内において、冷媒貯留部4bよりも上方に配置されている。
冷却水排出路7は、図1〜図3に示すように、熱交換器21が配置された循環回路20において、熱交換器部8から熱交換器21に蒸発側冷却水CW2を排出する流路である。すなわち、冷却水排出路7は、熱交換器部8において冷媒Wと熱交換を行うことにより冷却された蒸発側冷却水CW2を熱交換器21に流入させる流路である。冷却水排出路7は、熱交換器部8のY1側の側端部に配置されている。そして、冷却水供給路6は、熱交換器部8のY1側の端部から熱交換器部8に蒸発側冷却水CW2を排出する。冷却水排出路7は、容器4a内において、X2側の側壁部を貫通し、X1側の側壁部の近傍まで配置されている。これにより、冷却水排出路7は、容器4a内においてX方向に複数並ぶ熱交換器部8の全てから蒸発側冷却水CW2を排出することが可能となる。また、冷却水排出路7は、容器4a内において、冷媒貯留部4bよりも上方に配置されている。
〈熱交換器部〉
熱交換器部8は、図4(A)および図5に示すように、冷却水供給路6から供給され冷却水排出路7から排出される蒸発側冷却水CW2と、冷媒通路13から供給される冷媒Wとを熱交換させるように構成されている。具体的には、熱交換器部8は、平板形状の一対の伝熱部分81と、一対の伝熱部分81に挟み込むように配置された昇温部分82と、一対の伝熱部分81を接合する周壁部83とを有している。また、図3に示すように、蒸発器4の容器4a内には、上記した熱交換器部8がX方向に所定間隔を隔てて互いに離間して複数配置されている。
昇温部分82は、図5に示すように、冷媒Wが流れる冷媒流路22と、冷媒流路22に冷媒通路13から冷媒Wを供給するための冷媒流入口22aとを有している。冷媒流路22は、一対の伝熱部分81の各々の対向する面部と、周壁部83の内面部とにより形成された円筒形状の内部空間(以下、冷媒滞留空間23)である。冷媒流入口22aは、冷媒通路13と連通するように、周壁部83のZ2側(下側)の端部に貫通孔として形成されている。すなわち、冷媒流入口22aは、第1伝熱部分81aにおいてZ2側(下側)に配置されている。
これにより、図4(A)に示すように、冷媒流入口22aから流入した冷媒Wが、冷媒滞留空間23のZ2側(下側)の空間からZ1側(上側)の空間に向けて徐々に滞留していく。そして、冷媒滞留空間23において滞留している冷媒Wは、冷却水供給路6から供給され冷却水排出路7から排出される蒸発側冷却水CW2と熱交換を行うことにより、気体および液体を含む気液二相状態の冷媒Wである気液状冷媒AWとなる。
一対の伝熱部分81は、図5に示すように、X2側の伝熱部分81として第1伝熱部分81aと、X1側の伝熱部分81として第2伝熱部分81bとを有している。第1伝熱部分81aは、蒸発側冷却水CW2が流れる溝状の冷却水流路51が形成された伝熱体31と、伝熱体31をX2側から覆うカバー32とを有している。また、第1伝熱部分81aは、昇温部分82の冷媒滞留空間23と蒸発器4の容器4aの内部空間とを連通する吐出孔33を有している。
吐出孔33は、冷媒滞留空間23内に発生した気液状冷媒AWを第1伝熱部分81aのカバー32の外表面32b側に吐出するように構成されている。具体的には、吐出孔33は、伝熱体31およびカバー32を貫通する貫通孔である。すなわち、吐出孔33は、伝熱体31を貫通する第1吐出部33aと、カバー32を貫通する第2吐出部33bとを有している。そして、吐出孔33は、第1伝熱部分81aに複数形成されている。複数の吐出孔33は、第1伝熱部分81aにおいてZ1側(上側)に配置されている。
複数の吐出孔33は、Y方向における中央部分よりもY2側に配置された第1吐出孔群41と、Y方向における中央部分に配置された第2吐出孔群42と、Y方向における中央部分よりもY1側に配置された第3吐出孔群43とを有している。第1吐出孔群41および第3吐出孔群43は、各々、Z方向(上下方向)に一列に配置された複数(4個)の吐出孔33を有している。第2吐出孔群42は、Z方向(上下方向)に一列に配置された複数(5個)の吐出孔33を有している。
図5に示すように、伝熱体31は、隣接する昇温部分82に冷却水流路51を流れる蒸発側冷却水CW2の熱を伝熱するように構成されている。具体的には、冷媒滞留空間23と冷却水流路51とは、冷媒滞留空間23内の冷媒Wと冷却水流路51内の蒸発側冷却水CW2とが熱交換可能なように近接して配置されている。冷却水流路51は、伝熱体31の冷媒滞留空間23とは反対側の面部に、冷媒滞留空間23側に窪む凹形状に形成されている。ここで、冷却水流路51の底面部が、最も冷媒滞留空間23側に位置している。また、冷却水流路51は、上流側(伝熱体31のY2側)に冷却水供給路6から蒸発側冷却水CW2を供給するための冷却水流入口6aと、下流側(伝熱体31のY1側)に蒸発側冷却水CW2を冷却水排出路7に排出するための冷却水流出口7aとを有している。また、伝熱体31は、熱伝導性の大きい金属により形成されている。
これにより、伝熱体31において、冷却水流入口6aから流入した蒸発側冷却水CW2は、冷却水流入口6aから冷却水流出口7aに排出されるまでの間に、隣接する冷媒滞留空間23に伝熱体31を介して熱伝導する。すなわち、冷却水流路51を流れる蒸発側冷却水CW2の熱は、冷却水流路51の一対の側面部を介して伝熱体31全体に熱伝導することにより、隣接する冷媒滞留空間23に熱伝導する。また、冷却水流路51を流れる蒸発側冷却水CW2の熱は、冷却水流路51の底面部を介して近接する冷媒滞留空間23に熱伝導する。
ここで、冷媒滞留空間23と蒸発器4の容器4aとは、吐出孔33を介して連通しているので、冷媒滞留空間23内の気圧は蒸発器4の容器4a内の気圧と同様に低圧状態になっている。これにより、図4(A)に示すように、冷媒滞留空間23において滞留している冷媒Wは、低圧状態の圧力下において、一対の伝熱部分81における冷却水流路51内の蒸発側冷却水CW2と熱交換を行い、蒸発側冷却水CW2から熱を奪うことにより一部が低温で蒸発する。この結果、気体および液体を含む気液二相状態の冷媒Wである気液状冷媒AWが冷媒滞留空間23内において生成される。
また、伝熱体31は、冷却水流路51を流れる蒸発側冷却水CW2と、隣接する昇温部分82内の冷媒Wとの間において熱交換される熱量を増加させるように構成されている。具体的には、冷却水流路51は、伝熱体31において可能な限り長い流路を確保するために、冷却水流入口6aから冷却水流出口7aまでの間に複数(9個)の折り返し部52を有する蛇行形状に形成されている。そして、冷却水流路51では、伝熱体31に形成された複数の第1吐出部33aの位置に合わせて、複数の折り返し部52が配置されている。すなわち、第1吐出孔群41および第3吐出孔群43は、Z2側(下側)からZ1側(上側)への蒸発側冷却水CW2の流れをZ1側(上側)からZ2(側)へ折り返す折り返し部52の内側に配置されている。そして、第2吐出孔群42は、第1吐出孔群41が内側に配置されている折り返し部52と第3吐出孔群43が内側に配置されている折り返し部52との間に配置されている。このようにして、冷却水流路51では、伝熱体31に形成された複数の吐出孔33を回避するために、複数の折り返し部52が配置されている。ここで、複数の第1吐出部33aは、各々、折り返し部52の内径よりも直径が小さくなるように形成されている。
これにより、冷却水流路51の距離は、冷却水流入口6aと冷却水流出口7aとを最短距離で繋いだ場合よりも折り返し部52を設けた分だけ長くなるので、冷却水流路51を流れる蒸発側冷却水CW2と冷媒滞留空間23に滞留する冷媒Wとがより長い時間熱交換を行うことが可能となる。この結果、同じ大きさの伝熱体31であったとしても、折り返し部52を設けた冷却水流路51の方が、冷媒滞留空間23内の冷媒CWと冷却水流路51内の蒸発側冷却水CW2との間において熱交換される熱量をより増加させることが可能である。
図5に示すように、カバー32は、伝熱体31に形成された冷却水流路51のX2方向の開口を覆う本体部32aと、本体部32aの表面である外表面32bとを有している。また、カバー32は、本体部32aに形成され、伝熱体31に形成された複数の第1吐出部33aに対応する位置に配置される上記した第2吐出部33bを有している。本体部32aは、伝熱体31と略同じ大きさの円形状に形成されている。このようなカバー32が、伝熱体31のX2側の面部に密着して接合されている。
また、カバー32および伝熱体31には、回転機構9の回転軸9bが挿通する挿通孔61が形成されている。挿通孔61は、回転機構9の回転軸9bの大きさに合わせて形成されている。また、挿通孔61は、回転機構9の回転軸9bを回転可能に支持している。
ここで、第2伝熱部分81bは、上記した第1伝熱部分81aと同様の構成を有しているので説明を省略する。熱交換器部8では、上記した第1伝熱部分81aおよび第2伝熱部分81bは、それぞれ、伝熱体31にカバー32を密着させて接合することにより形成されている。そして、熱交換器部8では、第1伝熱部分81aと第2伝熱部分81bとの間に隙間を形成した状態で、周壁部83を伝熱体31およびカバー32を側方から覆うように密着させて接合することにより、昇温部分82が形成されている。このようにして、熱交換器部8が形成されている。
(熱交換器部による冷媒の蒸発)
次に、蒸発器4内において熱交換器部8により行われる冷媒Wの蒸発について説明する。
〈第1次蒸発〉
蒸発器4では、図6に示すように、上記した熱交換器部8が容器4a内に複数配置されている。そして、複数の熱交換器部8では、各々において、冷媒通路13から供給され、冷媒滞留空間23に滞留された冷媒Wと、冷却水流路51を流れる蒸発側冷却水CW2とが熱交換を行うことにより、冷媒Wが蒸発側冷却水CW2から熱を奪う。複数の熱交換器部8では、各々において、一部の冷媒Wが蒸発して蒸気となり、残りが液体のまま冷媒滞留空間23内に残ることにより、冷媒滞留空間23内には気液状冷媒AWが生成される。このように、複数の熱交換器部8の各々の内部において、気液状冷媒AWを生成する蒸発(第1次蒸発)が行われる。
〈第2次蒸発〉
蒸発器4では、熱交換器部8の複数の吐出孔33は、それぞれ、隣り合う熱交換器部8の伝熱部分81の外表面32b(カバー32の外表面32b)に気液状冷媒AWを噴霧(吐出)するように構成されている。すなわち、複数の吐出孔33は、隣り合う熱交換器部8の伝熱部分81の外表面32bと対向するように、熱交換器部8において配置されている。そして、複数の熱交換器部8では、各々において、第1次蒸発において発生した蒸気の蒸気圧により、冷媒滞留空間23内の液体として残っている冷媒Wを複数の吐出孔33から噴霧させる。複数の熱交換器部8では、各々において、複数の吐出孔33から噴霧した気液状冷媒AWのうち蒸気は、冷媒蒸気として蒸発器4から流出して吸収器5に供給される。複数の熱交換器部8では、各々において、複数の吐出孔33から噴霧した気液状冷媒AWのうち液状冷媒W(液体の冷媒W)は、隣り合う熱交換器部8の伝熱部分81の外表面32bに付着する。
複数の熱交換器部8では、各々において、隣り合う熱交換器部8の伝熱部分81の外表面32bに付着した液状冷媒Wは、隣り合う熱交換器部8の伝熱部分81の冷却水流路51を流れる蒸発側冷却水CW2と熱交換を行うことにより、液状冷媒Wが蒸発側冷却水CW2から熱を奪う。複数の熱交換器部8では、各々において、隣り合う熱交換器部8の伝熱部分81の外表面32bに付着した液状冷媒Wは、蒸発して蒸気となる。このように、複数の熱交換器部8の各々において、液状冷媒Wを蒸気にするための蒸発(第2次蒸発)が行われる。
〈回転機構〉
図3に示すように、回転機構9は、モータ9aと、モータ9aに接続される回転軸9bとを有する。モータ9aは、容器4aのX2側の端部に配置されている。モータ9aは、X1方向に延びる回転軸9bを、X方向に延びる回転軸線回りに回転させる。回転軸9bは、一端がモータ9aに取り付けられ、他端が容器4aのX1側の側面部に回転可能に支持されている。また、回転軸9bは、上記した回転塗布部材10に接続されている。ここで、回転軸9bは、回転軸9bの回転とともに熱交換器部8が回転しないようにX方向に熱交換器部8を貫通している。そして、回転軸9bは、回転塗布部材10には、回転軸9bの回転とともに回転塗布部材10が回転するように取り付けられている。
〈回転塗布部材〉
回転塗布部材10は、図4(B)および図7に示すように、伝熱部分81の外表面32b(カバー32の外表面32b)に付着した液状冷媒Wを塗り延ばすように構成されている。具体的には、回転塗布部材10は、回転機構9の回転軸9bに接続される軸受部10aと、軸受部10aから回転軸9bの径方向外側に突出する複数(6本)のフレーム10bと、フレーム10bから熱交換器部8側に突出するブラシ10cとを有している。
軸受部10aは、回転軸9bの回転とともに回転可能なように、回転軸9bに取り付けられている。これにより、回転塗布部材10は、回転方向Rに回転することが可能となる。フレーム10bは、図7に示すように、回転軸9bの回転方向Rとは反対方向に窪んだ凹形状に形成されている。すなわち、フレーム10bは軸受部10aから回転軸9bの径方向の外側に向かうにしたがい回転軸9bの回転方向R側に曲げられている。ブラシ10cは、樹脂製または金属製により形成されている。ブラシ10cは、フレーム10bに複数本の樹脂製の繊維または金属製の針側が密集し、フレーム10bから熱交換器部8側に直線状に延びることにより形成されている。
また、回転塗布部材10は、図7に示すように、容器4a内の冷媒貯留部4bに貯留されている液状冷媒Wを汲み上げるように構成されている。具体的には、回転塗布部材10では、容器4aの冷媒貯留部4bに貯留されている液状冷媒Wに、フレーム10bおよびブラシ10cの一部が浸かるように、フレーム10bの突出長さが設定されている。そして、回転塗布部材10では、上記したように、フレーム10b部が回転軸9bの回転方向Rとは反対方向に窪んだ凹形状であるので、回転機構9の回転軸9bが回転することにより、容器4aの冷媒貯留部4bに貯留されている液状冷媒Wを汲み上げることが可能である。
(回転塗布部材による冷媒の蒸発)
次に、蒸発器4内において回転塗布部材10により行われる冷媒Wの蒸発について説明する。
〈第3次蒸発〉
複数の熱交換器部8では、各々において、図6および図7に示すように、熱交換器部8の複数の吐出孔33から噴霧された気液状冷媒AWのうち液状冷媒Wが、隣り合う熱交換器部8の伝熱部分81の外表面32bに付着する。そして、複数の熱交換器部8では、各々において、隣り合う熱交換器部8の伝熱部分81の外表面32bに付着した液状冷媒Wが、回転塗布部材10により、熱交換器部8の伝熱部分81の外表面32bに沿って回転しながら塗布される。すなわち、複数の熱交換器部8では、各々において、回転塗布部材10のブラシ10cにより、熱交換器部8の伝熱部分81の外表面32bに液状冷媒Wが薄く塗り延ばされるので、熱交換器部8の伝熱部分81の外表面32bに満遍なく液状冷媒Wが塗布される。
そして、複数の熱交換器部8では、各々において、隣り合う熱交換器部8の伝熱部分81の外表面32bに塗布された液状冷媒Wは、隣り合う熱交換器部8の伝熱部分81の冷却水流路51を流れる蒸発側冷却水CW2と熱交換を行うことにより、液状冷媒Wが蒸発側冷却水CW2から熱を奪う。複数の熱交換器部8では、各々において、隣り合う熱交換器部8の伝熱部分81の外表面32bに塗布された液状冷媒Wは、蒸発して蒸気となる。このように、複数の熱交換器部8の各々において、液状冷媒Wを蒸気にするための蒸発(第3次蒸発)が行われる。
〈第4次蒸発〉
複数の熱交換器部8では、各々において、図6および図7に示すように、熱交換器部8の複数の吐出孔33から噴霧された気液状冷媒AWのうち液状冷媒Wの一部が、容器4aの冷媒貯留部4bに貯留される。複数の熱交換器部8では、各々において、冷媒貯留部4bに貯留された液状冷媒Wが、回転塗布部材10により汲み上げられ、熱交換器部8の伝熱部分81の外表面32bに沿って回転しながら塗布される。そして、複数の熱交換器部8では、各々において、第3次蒸発と同様に、隣り合う熱交換器部8の伝熱部分81の外表面32bに塗布された液状冷媒Wは、蒸発して蒸気となる。このように、複数の熱交換器部8の各々において、容器4aの冷媒貯留部4bに貯留された液状冷媒Wを蒸気にするための蒸発(第4次蒸発)が行われる。
(本実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
本実施形態では、上記のように、車載用吸収式ヒートポンプ装置1において、熱交換器部8は、冷媒流路22内の冷媒Wと冷却水流路51内の蒸発側冷却水CW2との熱交換により冷媒Wの一部を蒸発させて、気液状冷媒AWを冷媒流路22内で生成するとともに、気液状冷媒AWを熱交換器部8に吐出するように構成されている。これにより、熱交換器部8内において、冷媒流路22の冷媒Wと冷却水流路51の蒸発側冷却水CW2との熱交換が行われ、さらに、熱交換器部8の外表面32bにおいて、熱交換器部8内で生成された気液状冷媒AWのうちの液体の液状冷媒Wと冷却水流路51の蒸発側冷却水CW2との熱交換が行われるので、熱交換器部8に供給された冷媒Wに蒸発側冷却水CW2の熱を十分に伝達することができる。この結果、冷媒Wを効率的に蒸発させることにより、冷媒Wの蒸発量を確保しつつ車載用吸収式ヒートポンプ装置1の小型化を実現することができる。また、気液状冷媒AWは、熱交換器部8内において熱交換が行われて加熱された状態であるので、熱交換器部8の外表面32bにおいてより効率的に蒸発させることができる。
また、本実施形態では、上記のように、熱交換器部8においては、冷媒流路22内の冷媒Wと冷却水流路51内の蒸発側冷却水CW2とが熱交換可能なように、冷媒流路22と冷却水流路51とが近接して配置されている。これにより、熱交換器部8内において、冷媒流路22内の冷媒Wと冷却水流路51内の蒸発側冷却水CW2との熱交換が確実に行われるので、冷媒流路22内において熱交換器部8から吐出される前に冷媒Wを気液状冷媒AWに確実に変えることができる。
また、本実施形態では、上記のように、熱交換器部8は、冷却水流路51が形成された平板形状の一対の伝熱部分81と、一対の伝熱部分81に挟み込むように配置され、冷媒流路22が形成された昇温部分82とを一体的に含んでいる。これにより、昇温部分82の片面に伝熱部分81が配置される場合よりも、伝熱部分81の面積を増加させることができるので、冷媒流路22内の冷媒Wを気液状冷媒AWに変化させる効率を向上させることができる。
また、本実施形態では、上記のように、伝熱部分81は、昇温部分82の冷媒流路22と連通するとともに伝熱部分81を貫通するように設けられ、気液状冷媒AWを熱交換器部8の伝熱部分81の外表面32b側に吐出するための複数の吐出孔33を有している。これにより、気液状冷媒AWの蒸気圧を利用して、昇温部分82の冷媒流路22から伝熱部分81を通過させて熱交換器部8の伝熱部分81の外表面32b側に気液状冷媒AWを吐出孔33を介して吐出することができるので、吐出孔33から気液状冷媒AWを吐出する部材を設けた場合よりも、車載用吸収式ヒートポンプ装置1の大型化を抑制することができる。また、吐出孔33が伝熱部分81に複数設けられていることにより、気液状冷媒AWを吐出する量を大きくすることができるので、熱交換器部8の外表面32bに付着した液体の冷媒Wである液状冷媒Wの蒸発量を大きくすることができる。
また、本実施形態では、上記のように、熱交換器部8は複数配置されている。熱交換器部8の複数の吐出孔33は、それぞれ、隣り合う熱交換器部8の伝熱部分81の外表面32bに気液状冷媒AWを噴霧するように構成されている。これにより、霧状の液状冷媒Wを隣り合う熱交換器部8の伝熱部分81の外表面32bに付着させることにより、熱交換器部8の伝熱部分81の外表面32bに付着する液状冷媒Wを蒸発させる効率を向上させることができるので、小型化に伴う冷媒Wを蒸発させる効率の悪化をより抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、蒸発器4は、液状冷媒Wを熱交換器部8の伝熱部分81の外表面32bに沿って回転しながら塗布する回転塗布部材10を備えている。これにより、熱交換器部8の伝熱部分81の外表面32bに付着した液状冷媒Wを回転塗布部材10により、熱交換器部8の伝熱部分81の外表面32bに塗り広げることができるので、熱交換器部8の伝熱部分81の外表面32bに付着した液状冷媒Wをより効率的に蒸発させることができる。
また、本実施形態では、上記のように、回転塗布部材10は、容器4aの冷媒貯留部4bに貯留された液状冷媒Wを汲み上げて、熱交換器部8の外表面32bに塗布するように構成されている。これにより、第1次蒸発、第2次蒸発および第3次蒸発において、蒸発されず冷媒貯留部4bに貯留されている液状冷媒Wと熱交換器部8との熱交換を再度行うことが可能になるので、蒸発器4に供給される冷媒Wを全量蒸発させることが可能である。
また、本実施形態では、上記のように、伝熱部分81において、冷媒Wが冷媒流路22に流入する冷媒流入口22aは、下側に配置され、複数の吐出孔33は、それぞれ、上側に配置される。これにより、冷媒流路22に流入した冷媒Wが複数の吐出孔33に到達しにくくなるので、冷媒流路22内の冷媒Wと冷却水流路51内の蒸発側冷却水CW2との熱交換を十分に行わせることが可能である。
また、本実施形態では、上記のように、熱交換器部8は、蒸発器4に設けられている。これにより、車載用吸収式ヒートポンプ装置1の蒸発器4において、冷媒Wを効率的に蒸発させるとともに、小型化を実現することが可能である。
また、本実施形態では、上記のように、冷却水流路51は、蒸発側冷却水CW2が流入する冷却水流入口6aから蒸発側冷却水CW2が流出する冷却水流出口7aまでの間に複数の折り返し部52を有する蛇行形状に形成されている。これにより、冷却水流入口6aから冷却水流出口7aまでの最短距離を繋いだ冷却水流路51の場合よりも、冷却水流路51が大きくなるので、冷却水流路51内の蒸発側冷却水CW2と冷媒Wとの熱交換を十分に行うことが可能である。
また、本実施形態では、上記のように、回転塗布部材10は、気液状冷媒AWに加えて容器4aの冷媒貯留部4bに貯留された液状冷媒Wも汲み上げて伝熱部分81の外表面32b側に沿って塗布するように構成されている。これにより、蒸発器4の熱交換器部8において冷媒Wを効率的に蒸発させることが可能である。
また、本実施形態では、上記のように、熱交換器部8は、第1および第2次蒸発が行われる伝熱部分81および昇温部分82を有している。これにより、車両が傾いたとしても、第1次蒸発および第2次蒸発を行うために伝熱部分81および昇温部分82のそれぞれに供給される蒸発側冷却水CW2および冷媒Wの量は減少しにくいので、蒸発器4において安定して冷媒Wを蒸発させること可能である。
また、本実施形態では、上記のように、蒸発器4は、第1〜第4次蒸発を行うことが可能な熱交換器部8および回転塗布部材10を備えている。これにより、熱交換器部8の外表面32bでのみ冷媒Wを蒸発させている蒸発器4よりも、冷媒Wを効率的に蒸発させているので、蒸発器4における冷媒Wの蒸発量を維持した状態で、蒸発器4に配置する熱交換器部8の数を減少させることが可能である。
また、本実施形態では、上記のように、蒸発器4は、第1および第2次蒸発を行うことが可能な熱交換器部8を備えている。これにより、熱交換器部8内において蒸発できなかった液状冷媒Wを熱交換器部8の伝熱部分81の外表面32bに供給することにより、再度蒸発側冷却水CW2との熱交換を液状冷媒Wに行うことができるので、蒸発器4において冷媒Wを効率的に蒸発させることが可能である。
<変形例>
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、冷却水流路51は、冷媒滞留空間23となっている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、冷却水流路は、第1伝熱部分と第2伝熱部分との間に配置された金属製の昇温部分に、折り返し部を有する蛇行形状の流路として形成してもよい。
また、上記実施形態では、冷却水流入口6aは、伝熱体31のY2側に配置され、冷却水流出口7aは、伝熱体31のY1側に配置される例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、冷却水流入口は伝熱体のZ2側(下側)に配置され、冷却水流出口は伝熱体のZ1側(上側)に配置されてもよい。
また、上記実施形態では、吐出孔33は、径の大きさが略同じ貫通孔である例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、吐出孔は、径の大きさが先細り形状の貫通孔であってもよい。これにより、吐出孔から噴霧する気液状冷媒の流速を大きくすることができるので、液状冷媒を隣り合う熱交換器部の外表面により確実に付着させることができる。
また、上記実施形態では、回転塗布部材10は、ブラシ10cを有する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、図8に示す本実施形態の第1変形例のように、回転塗布部材210は、フレーム10bにワイパーゴム210cを有していてもよい。
また、上記実施形態では、複数の熱交換器部8において、隣り合う熱交換器部8同士の複数の吐出孔33のそれぞれの高さ位置は略同じとなっている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、図9に示す本実施形態の第2変形例のように、複数の熱交換器部8における隣り合う熱交換器部8のうち、一方の熱交換器部8の複数の吐出孔333の各々の高さ位置に対して他方の熱交換器部8の複数の吐出孔333の各々の高さ位置がずれた位置に配置されていてもよい。これにより、一方の熱交換器部8の複数の吐出孔333のそれぞれから吐出された気液状冷媒AWが、他方の熱交換器部8の複数の吐出孔333に直接流入してしまうことを抑制することが可能である。この結果、熱交換器部8の複数の吐出孔333が気液状冷媒AWにより塞がれてしまうことを抑制することができる。
また、上記実施形態では、冷却水流路51は、冷却水流入口6aから冷却水流出口7aまでの間に9個の折り返し部52を有する蛇行形状に形成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、冷却水流路は、1〜8個または10個以上の折り返し部を有する蛇行形状に形成されてもよい。
また、上記実施形態では、回転塗布部材10は、軸受部から回転軸9bの径方向外側に突出する6本のフレーム10bを有している例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、回転塗布部材は、1〜5本または7本以上のフレームを有していてもよい。
また、上記実施形態では、熱交換器部8は、エンジンを備えた乗用車およびバスなどの車両に設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、熱交換器部は、動力源から伝達される動力により移動する移動体(飛行機、船舶など)に設けられてもよい。これにより、移動体の小型化に寄与することが可能である。
また、上記実施形態では、熱交換器部8において、第1伝熱部分81aと第2伝熱部分81bとの間に昇温部分82が挟み込まれる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1伝熱部分と第2伝熱部分のうち第1伝熱部分のみが設けられ、第1伝熱部分に昇温部分が取り付けられてもよい。
1 車載用吸収式ヒートポンプ装置(吸収式ヒートポンプ装置)
4 蒸発器
4a 容器
8 熱交換器部
10、210 回転塗布部材(塗布部材)
22 冷媒滞留空間(冷媒流路)
32b 外表面
33 吐出孔
51 冷却水流路
52 折り返し部
AW 気液状冷媒
CW2 蒸発側冷却水
W 冷媒、液状冷媒

Claims (6)

  1. 吸収液により冷媒蒸気を吸収する吸収式ヒートポンプ装置であって、
    冷媒が流れる冷媒流路と冷却水が流れる冷却水流路とを含む熱交換器部を備え、
    前記熱交換器部は、前記冷媒流路内の前記冷媒と前記冷却水流路内の前記冷却水との熱交換により前記冷媒の一部を蒸発させて、気体および液体を含む気液二相状態の前記冷媒である気液状冷媒を前記冷媒流路内で生成するとともに、前記気液状冷媒を前記熱交換器部に吐出するように構成されている、吸収式ヒートポンプ装置。
  2. 前記熱交換器部においては、前記冷媒流路内の前記冷媒と前記冷却水流路内の前記冷却水とが熱交換可能なように、前記冷媒流路と前記冷却水流路とが近接して配置されている、請求項1に記載の吸収式ヒートポンプ装置。
  3. 前記熱交換器部は、前記冷却水流路が形成された平板形状の一対の伝熱部分と、前記一対の伝熱部分に挟み込むように配置され、前記冷媒流路が形成された昇温部分とを一体的に含む、請求項1または2に記載の吸収式ヒートポンプ装置。
  4. 前記伝熱部分は、前記昇温部分の前記冷媒流路と連通するとともに前記伝熱部分を貫通するように設けられ、前記気液状冷媒を前記熱交換器部の前記伝熱部分の外表面側に吐出するための複数の吐出孔を有する、請求項3に記載の吸収式ヒートポンプ装置。
  5. 前記熱交換器部は複数配置され、
    前記熱交換器部の前記複数の吐出孔は、それぞれ、隣り合う前記熱交換器部の前記伝熱部分の外表面に前記気液状冷媒を噴霧するように構成されている、請求項4に記載の吸収式ヒートポンプ装置。
  6. 前記気液状冷媒を前記熱交換器部の前記伝熱部分の外表面に沿って回転しながら塗布する塗布部材をさらに備える、請求項3〜5のいずれか1項に記載の吸収式ヒートポンプ装置。
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