JP6578796B2 - 吸収式ヒートポンプ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、吸収式ヒートポンプ装置に関する。
従来、冷媒蒸発時の蒸気を吸収可能な吸収液を用いた吸収式ヒートポンプ装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、再生器、凝縮器、蒸発器および吸収器を備えた吸収式ヒートポンプ装置が開示されている。この特許文献1に記載の吸収式ヒートポンプ装置では、吸収器は、吸収液と冷却水との熱交換を行う複数の熱交換器列と、各熱交換器の間に回転可能に挟み込まれる円盤状の汲上部材と、汲上部材の熱交換器との対向面に汲上部材の回転中心から放射状に延びるように固定された複数の塗布部材とによって構成されている。そして、吸収器では、熱交換器列に対して回転する円盤状の汲上部材を用いて液溜まり部の吸収液を連続的に汲み上げて回転中心に一旦集め、その後、汲上部材の回転中心から各塗布部材を介して吸収液を放射状に分配して熱交換器の伝熱面に広範囲に塗布する構造が設けられている。また、蒸発器にも同様の構造が適用されることによって、円盤状の汲上部材を用いて冷媒(水)が汲み上げられるとともに回転中心に集められた冷媒が塗布部材を介して放射状に分配されて熱交換器の伝熱面に広範囲に塗布されるように構成されている。
特開2015−114093号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された吸収式ヒートポンプ装置を構成する吸収器または蒸発器においては、隣接する熱交換器間に回転する円盤状の汲上部材が塗布部材とともに挟み込まれているため、汲上部材と熱交換器の伝熱面との間に僅かな隙間しか存在しない。このため、吸収器では、吸収液が効率よく汲み上げられて熱交換器の伝熱面に広範囲に塗布される一方、冷媒蒸気の熱交換器の伝熱面(溶液界面)への流動が不十分となり、吸収液への冷媒蒸気の吸収が促進されにくいと考えられる。また、蒸発器においては、冷媒(水)が効率よく汲み上げられて熱交換器の伝熱面に広範囲に塗布される一方、伝熱面で蒸発した冷媒蒸気の逃げ場が十分に確保されない分、冷媒の蒸発が促進されにくいと考えられる。したがって、回転する汲上部材を用いた場合の吸収器における吸収液と冷媒蒸気との吸収反応、および、蒸発器における冷媒の蒸発をさらに促進することが望まれる。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、吸収器における吸収反応および蒸発器における蒸発性能をさらに向上させることが可能な吸収式ヒートポンプ装置を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の一の局面における吸収式ヒートポンプ装置は、吸収液により冷媒蒸気を吸収する吸収式ヒートポンプ装置であって、吸収液または冷媒からなる溶液が貯留される液溜まり部を有する容器と、容器内に設置され、内部に熱交換流体が流れる熱交換器と、回転軸方向から見て、熱交換器の伝熱面を部分的に露出させる露出空間部を回転領域内に有するように形成された渦巻き形状部を含み、渦巻き形状部が回転することにより液溜まり部に貯留された溶液を汲み上げる汲上部材と、汲上部材により汲み上げられた溶液を熱交換器の伝熱面に沿って塗布する塗布部材と、を備え、塗布部材は、溶液が塗布部材を介して熱交換器の伝熱面に塗布される際に、塗布される溶液の回転中心側への逆流を抑制する溶液逆流抑制部を有している。
この発明の一の局面による吸収式ヒートポンプ装置では、上記のように、回転軸方向から見て、熱交換器の伝熱面を部分的に露出させる露出空間部を回転領域内に有するように形成された渦巻き形状部を含み、渦巻き形状部が回転することにより液溜まり部に貯留された溶液を汲み上げる汲上部材と、汲上部材により汲み上げられた溶液を熱交換器の伝熱面に沿って塗布する塗布部材とを備える。これにより、溶液(吸収液)が熱交換器の伝熱面に塗布された際、渦巻き形状部における露出空間部を介して渦巻き形状部に重ならずに露出した熱交換器の伝熱面に対して蒸発器からの冷媒蒸気を効果的に導き込む(巻き込む)ことができる。また、溶液(冷媒)が熱交換器の伝熱面に塗布された際、渦巻き形状部における露出空間部を介して渦巻き形状部に重ならずに露出した熱交換器の伝熱面から蒸発した冷媒蒸気を周囲に拡散させやすくすることができる。したがって、吸収器においては吸収液への冷媒蒸気の吸収が効果的に促進されるとともに、蒸発器においては冷媒の蒸発を効果的に促進することができる。この結果、吸収器での吸収液(濃液)に対する冷媒蒸気の吸収反応および蒸発器における蒸発性能をさらに向上させることができる。また、溶液逆流抑制部によって、回転する塗布部材により汲み上げられた溶液(吸収液または冷媒)を、回転中心側へ逆流させることなく熱交換器の伝熱面に留めた状態で熱交換器の伝熱面に迅速かつ確実に塗布することができる。
上記一の局面による吸収式ヒートポンプ装置において、好ましくは、汲上部材は、熱交換器の伝熱面を部分的に露出させる露出空間部を回転領域内に有するように形成された一対の板状部をさらに含み、渦巻き形状部は、一対の板状部間に挟み込まれ、回転領域内において熱交換器の伝熱面を部分的に露出させるように汲上部材の半径方向外側から回転中心側に渦巻き状に延びるように形成されており、一対の板状部と渦巻き形状部とにより構成される部分によって、半径方向外側に設けられた汲上部分と、汲上部分により汲み上げられた溶液を汲上部材の回転により半径方向外側から回転中心側に移動させる溶液通路部とが構成されている。
このように構成すれば、一対の板状部と渦巻き形状部とによって熱交換器の伝熱面を回転領域内に部分的に露出させる露出空間部を有する回転構造体(汲上部材)を容易に構成することができる。また、汲上部材の回転とともに露出空間部も熱交換器の伝熱面に沿って回転移動されるので、熱交換器の伝熱面を容器内の雰囲気に万遍なく露出させることができる。また、溶液通路部が渦巻き状に形成されることによって、汲上部分により捕獲された溶液を汲上部材の回転運動を有効に利用して回転中心側に無理なく移動させつつ、回転中心側に移動された溶液を汲上部材の回転による遠心力を利用して塗布部材に容易に供給することができる。これらの結果、吸収器での吸収液(濃液)に対する冷媒蒸気の効率的な吸収反応および蒸発器における高い蒸発性能を持続させることができる。
上記一の局面による吸収式ヒートポンプ装置において、好ましくは、塗布部材は、汲上部材とともに回転されるとともに汲上部材の回転中心側から半径方向外側に放射状に延びるように複数設けられており、汲上部材の回転に伴って、液溜まり部に貯留された溶液は、汲上部材に加えて塗布部材によっても汲み上げられるとともに、複数の塗布部材の各々の外表面を介して熱交換器の伝熱面に塗布されるように構成されている。
このように構成すれば、汲上部材のみならず塗布部材によっても溶液(吸収液または冷媒)を汲み上げて熱交換器の伝熱面に塗布することができるので、液溜まり部に貯留された溶液をより効率よく熱交換器の伝熱面に塗布(供給)することができる。
この場合、好ましくは、塗布部材は、溶液を塗布する外表面を有する塗布部と、塗布部における半径方向外側から回転中心側に延びる汲上通路部とを含む。
このように構成すれば、回転する各々の塗布部材の汲上通路部を介して溶液(吸収液または冷媒)を連続的に汲み上げつつ、汲み上げられた溶液を塗布部材の外表面を利用して迅速に熱交換器の伝熱面に塗布(供給)することができる。したがって、汲上部材における渦巻き形状部の熱交換器の伝熱面が部分的に露出する露出空間部を介して、冷媒蒸気の吸収液への効率的な吸収、または、渦巻き形状部により形成された露出空間部からの蒸発冷媒の拡散をより向上させることができる。
なお、上記一の局面による吸収式ヒートポンプ装置において、以下の構成も考えられる。
(付記項1)
すなわち、上記塗布部材が塗布部と汲上通路部とを含む吸収式ヒートポンプ装置において、塗布部材の汲上通路部は、回転方向と反対側に窪む凹状の底部と、底部を両側から挟み込む一対の側部とを含む箱型形状を有する。
(付記項2)
また、上記一の局面による吸収式ヒートポンプ装置において、汲上部材は、汲上部材の回転中心側に設けられ、汲み上げられて回転中心側に移動された溶液を塗布部材の外表面側に排出する溶液排出孔を含む。
(付記項3)
また、上記塗布部材が溶液逆流抑制部を有する吸収式ヒートポンプ装置において、溶液逆流抑制部は、各々の塗布部材の外表面に沿って複数設けられており、各々の溶液逆流抑制部は、塗布部材の回転方向に沿って延びるリブ形状を有している。
本発明の第1実施形態における吸収式ヒートポンプ装置の全体構成を示した図である。 本発明の第1実施形態における吸収器の構造を側方から見た場合の断面図である。 本発明の第1実施形態における吸収器の構造を示した斜視図である。 本発明の第1実施形態における吸収器内の回転構造体の構造を示した斜視図である。 本発明の第1実施形態における吸収器内の回転構造体の構造を示した斜視図である。 本発明の第1実施形態における吸収器内の回転構造体の動作を示した図である。 本発明の第1実施形態における吸収器内の回転構造体の動作を示した図である。 本発明の第2実施形態における吸収式ヒートポンプ装置の全体構成を示した図である。 本発明の第2実施形態における蒸発器の構造を示した斜視図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
まず、図1〜図7を参照して、本発明の第1実施形態による吸収式ヒートポンプ装置100の構成について説明する。
(吸収式ヒートポンプ装置の構成)
本発明の第1実施形態による吸収式ヒートポンプ装置100では、冷媒としての水と、吸収液としての臭化リチウム(LiBr)水溶液とが用いられており、エンジン90を備えた乗用車およびバスなどの車両(図示せず)に搭載されるように構成されている。
吸収式ヒートポンプ装置100は、図1に示すように、再生器10(二点鎖線枠内)と、凝縮器20と、蒸発器30と、吸収器40とを備える。再生器10は、吸収液から冷媒蒸気(高温水蒸気)を分離する役割を有する。凝縮器20は、冷房運転時に、冷媒蒸気を凝縮(液化)させる役割を有する。蒸発器30は、冷房運転時に、凝縮水となった冷媒を低温低圧の条件下で蒸発(気化)させる役割を有する。吸収器40は、濃液状態で供給された吸収液に蒸発器30で気化した冷媒蒸気(低温水蒸気)を吸収させる役割を有する。
再生器10は、吸収液を加熱する加熱部11と、加熱された吸収液から冷媒蒸気を分離する気液分離部12とを含む。加熱部11では、エンジン90からの排気管91を流通する高温の排気ガスと吸収液とが熱交換される。排気管91は、加熱部11を経由する排熱供給路91aと、迂回路91bとを含み、排熱供給路91aには弁92が設けられている。冷房運転時および暖房運転時に弁92が開かれることによって、エンジン90からの排気ガスの一部が排熱供給路91aを経由して加熱部11に流通されるように構成されている。
また、吸収式ヒートポンプ装置100は、吸収液循環路51aおよび51bからなる循環通路51と、冷媒蒸気通路52a、52bおよび53と、冷媒通路54と、吸収液通路55および56と、冷媒供給路57および58とを備える。循環通路51は、吸収液を加熱部11と気液分離部12との間で循環させる役割を有しており、吸収液循環路51aにポンプ71が設けられている。冷媒蒸気通路52aは、冷房運転時に気液分離部12からの冷媒蒸気を凝縮器20に供給する役割を有する。冷媒蒸気通路52bは、暖房運転時に気液分離部12で分離された冷媒蒸気を蒸発器30に流入させる役割を有する。なお、冷媒蒸気通路52bと冷媒蒸気通路53との接続部分には、冷房運転時に冷媒蒸気通路52bを閉状態するか、暖房運転時に冷媒蒸気通路52bを開状態にするかを切替可能な三方弁64が設けられている。また、冷媒蒸気通路52bには、弁65が設けられている。弁65は、暖房運転時に、気液分離部12により分離された冷媒蒸気が凝縮器20に流入するのを遮断する役割を有する。また、冷媒通路54には、弁66が設けられている。
吸収液通路55は、弁61の開閉動作に応じて吸収器40に吸収液(濃液)を供給する役割を有する。吸収液通路56は、ポンプ72と弁62との連動時に吸収器40において冷媒蒸気が吸収された吸収液(希液)を循環通路51に供給する役割を有する。冷媒供給路57は、暖房運転時にポンプ73と弁63とが連動することによって、蒸発器30に貯留された冷媒(水)を循環通路51に供給する役割を有する。冷媒供給路58は、結晶化防止を目的として弁67の開閉動作に応じて凝縮器20に貯留された凝縮水を吸収器40に供給する役割を有する。また、熱交換器59においては、吸収液通路55および吸収液通路56を流通する吸収液同士の熱交換が行われる。
また、吸収式ヒートポンプ装置100は、冷房運転時に駆動される冷却水回路80を備える。冷却水回路80は、凝縮器20における冷媒蒸気の冷却と、吸収器40における冷媒の吸収液(濃液)への吸収時に発生する吸収熱の除去とに用いられる。詳細には、冷却水回路80は、冷却水(熱交換流体の一例)が流通する冷却水循環路81と、ポンプ82と、凝縮器20に配置された熱交換部83と、吸収器40に配置された熱交換部43(図3参照)と、放熱部84とを含む。放熱部84では、熱交換部84aを流通する冷却水が送風機84bにより送風された空気(外気)によって冷却(放熱)される。
蒸発器30は、図1に示すように、内部を絶対圧力で1kPa以下の真空状態に保持する容器31と、容器31内部に設置された熱交換部32および噴射器33とを含む。蒸発器30の外部には、冷媒貯留部31aと噴射器33とを接続する通路34にポンプ35が設けられている。これにより、冷媒貯留部31aの冷媒(水)がポンプ35により汲み上げられて噴射器33から熱交換部32に向けて噴霧される。したがって、冷房運転時には、噴霧された冷媒(水)が冷媒蒸気(低温水蒸気)になる際に得る蒸発潜熱によって、送風機36により循環される車内の吸込空気は熱交換部32を通過する際に冷却される。
ここで、第1実施形態では、冷媒蒸気(低温水蒸気)を吸収液(LiBr水溶液)に吸収させる吸収器40は、以下のように構成されている。
(吸収器の構造)
図2および図3に示すように、吸収器40は、真空状態(絶対圧力で1kPa以下)に保たれ、吸収液(濃液に冷媒が吸収されて希釈された希液)が主に貯留される液溜まり部41aを有する容器41と、縦断面が扁平形状を有する中空円盤状の5個(5枚)の熱交換器42を一体的に含む熱交換部43と、隣接する熱交換器42間の領域に配置された後述する回転構造体44と、回転構造体44を時計回り(矢印R方向)に回転させるモータ45とを備える。
熱交換部43は、熱交換器42同士がX軸方向に沿って等ピッチ間隔を有して積層されている。また、熱交換部43は、Z1側の点頂部とZ2側の下底部とにおいて、冷却水供給管43aおよび冷却水排出管43bによって各熱交換器42が互いに接続されている。また、個々の熱交換器42は、回転構造体44を回転させる回転軸45aが中心部を貫通する貫通部42aを有する。また、熱交換器42は、貫通部42aの部分でも内部流路は伝熱壁により密閉されている。また、冷却水供給管43aおよび冷却水排出管43bは、内壁面41cを貫通して冷却水循環路81(図1参照)に接続されている。これにより、冷却水供給管43aから流入した冷却水は、各熱交換器42に分配され、熱交換器42内をZ1側からZ2側に流れて冷却水排出管43bに集まり冷却水循環路81に戻される。
また、図3に示すように、吸収器40には、吸収液(濃液)を供給する濃液供給管55aと、液溜まり部41aの吸収液(吸収反応後の希液)を排出する希液排出管56aとが設けられている。濃液供給管55aは、容器41の内壁面41cから矢印X2方向に突出しており、濃液供給管55aから矢印Y2方向に分岐した濃液供給ポート55cが、各々の熱交換器42のU字状の切欠部分42cに挿入されている。なお、熱交換器42と濃液供給ポート55cとは濃液供給管55a側の壁部により隔絶されている。濃液供給ポート55cの外表面55dには複数の孔部55eが形成されている。外表面55dは、熱交換器42の伝熱面42bと滑らかに接続されている。これにより、濃液は、孔部55eから伝熱面42bを伝って流下する。また、濃液供給管55aおよび希液排出管56aは、内壁面41cを貫通して吸収液通路55および56(図1参照)にそれぞれ接続されている。
ここで、図2および図3に示すように、モータ45の駆動とともに回転軸45aを介して回転構造体44が回転されるように構成されている。なお、図3では、熱交換器42に挟まれた回転構造体44の回転領域Uを二点鎖線で示している。また、回転構造体44の矢印R方向への回転とともに液溜まり部41aに貯留された吸収液が回転構造体44により汲み上げられて、回転構造体44に隣接する熱交換器42の伝熱面42bに供給されるように構成されている。以下、回転構造体44について詳細に説明する。
(回転構造体の詳細な構造)
回転構造体44は、図2、図4および図5に示すように、回転軸45a(図2参照)に回転中心部分が固定される汲上部材46と、汲上部材46と一体的に回転するように汲上部材46に一体的に形成された塗布部材47とを備える。汲上部材46は、回転中心部分において回転軸45aが貫通するとともに渦巻き状に形成された一対の板状部46aと、一対の板状部46aをX軸方向に接続する渦巻き形状部46bとを含む。また、塗布部材47は、汲上部材46により汲み上げられた吸収液を汲上部材46の回転領域U内でX1側およびX2側に対向する熱交換器42の伝熱面42bにそれぞれ塗布する機能を有する。
ここで、第1実施形態では、図6に示すように、汲上部材46は、回転軸45aの延びるX軸方向から見て、熱交換器42の伝熱面42bを部分的に露出させる露出空間部Sを回転領域U内に有するように渦巻き形状に形成されている。すなわち、一対の板状部46aは、熱交換器42の伝熱面42bを部分的に露出させる露出空間部Sを回転領域U内に有するように形成されている。そして、渦巻き形状部46bが、汲上部材46の半径方向外側から回転中心側に向かって渦巻き状に巻かれた形状となって、板状部46a間をX軸方向に接続するように形成されている。これにより、汲上部材46には、図4に示すように、一対の板状部46a間において外部に開口する開口部46cおよび46d(汲上部分の一例)と、開口部46cおよび46dを起点として半径方向外側から回転中心側に向かって渦巻き状に延びる溶液通路部46eおよび46fとが設けられている。なお、汲上部材46は、樹脂材料を用いて板状部46aや渦巻き形状部46bなどが一体成形されている。
また、汲上部材46は、回転中心部において一対の板状部46aをX軸方向に接続する連結部46g(破線で示す)と、連結部46gの内側に同軸状に配置された円筒状の連結部46h(破線で示す)とを有する。したがって、溶液通路部46eおよび46fは、連結部46gおよび46hにより区画された中空円環状の集合室46iに接続されている。なお、連結部46gには、溶液通路部46eおよび46fと集合室46iとを連通する複数の連通孔(図示せず)が形成されている。これにより、汲上部材46においては、開口部46cおよび溶液通路部46eからなる流路と、開口部46dおよび溶液通路部46fからなる流路とが共に集合室46iに接続されている。また、板状部46aの回転中心部となるX1側およびX2側の側端面には、厚み方向(X軸方向)に貫通する複数の排出孔46j(溶液排出孔)が形成されている。また、一対の板状部46aの各々の側端面において、排出孔46jは回転中心に対して約45°間隔で8個形成されている。
また、第1実施形態では、塗布部材47は、図4および図5に示すように、汲上部材46とともに回転されるとともに汲上部材46の回転中心側から半径方向外側に放射状に延びている。また、塗布部材47は、中心線150まわりに約45°間隔で8個設けられている。なお、汲上部材46および塗布部材47は樹脂製であるので、隣接する塗布部材47間や、汲上部材46と塗布部材47とが交差しない部分には、熱交換器42の伝熱面42bを部分的に露出させるための露出空間部S(図6参照)が複数形成されている。また、塗布部材47は、吸収液を塗布する外表面47bとなる塗布部47aと、半径方向外側から回転中心側に延びる汲上通路部47cとを含む。なお、塗布部47aは多孔質状の材料(PVAなどの合成樹脂からなるスポンジ状の部材など)が取り付けられている。また、汲上通路部47cは、回転方向(矢印R方向)と反対側に凹状(円弧状)に窪む底部47dと、底部47dを両側から挟み込む一対の側部47eとを含む箱型形状(柄杓型形状)を有する。また、各々の塗布部材47の塗布部47a(外表面47b)には、塗布される吸収液の回転中心側への逆流を抑制する溶液逆流抑制部47fが形成されている。また、各々の溶液逆流抑制部47fは、塗布部材47の回転方向(矢印R方向)に沿って延びるリブ形状を有している。このリブ形状は、塗布部材47の補強も兼ねている。
なお、8個の塗布部材47については、汲上通路部47cは、汲上部材46の最も外周側の渦巻き形状部46bに遮られて集合室46i(図6参照)には連通されない。したがって、汲上部材46により汲み上げられて排出孔46jから排出された吸収液が遠心力で塗布部47aに供給されるのと同時に、汲上通路部47cが連続的に汲み上げた吸収液も塗布部材47の回転移動とともに側部47eから外表面47b側に溢れ出して塗布部47aに供給される。なお、汲上部材46の形成位置と重なる塗布部材47(外表面47b)の部分については汲上通路部47cが存在しない(この部分の内側には溶液通路部46eまたは46fが形成されている)ので、排出孔46jから排出された吸収液のみがこの部分の塗布部47a(外表面47b)に供給される。したがって、8個の塗布部材47のうち、一部の塗布部材47は吸収液の汲み上げ機能と塗布機能との両方を兼ね備える一方、排出孔46jから排出された吸収液の塗布しか実質的に行わない塗布部材47も存在する。
また、図3、図6および図7に示すように、回転構造体44における汲上部材46の下部および塗布部材47の下部は、吸収液が貯留される液溜まり部41aに浸漬されている。したがって、汲上部材46により汲み上げられた吸収液が汲上部材46の矢印R方向への回転に伴って、開口部46c(46d)および溶液通路部46e(46f)を経て集合室46iに移動される。その後、図7に示すように、回転中心から16個の排出孔46jを介して半径方向外側に排出されるとともに、吸収液(濃液)は、塗布部材47の塗布部47a(外表面47b)に供給されながら熱交換器42の伝熱面42bに沿って薄い液膜状に塗布される。また、汲上部材46の回転に伴って、液溜まり部41aに貯留された吸収液は、汲上部材46に加えて一部の塗布部材47によっても連続的に汲み上げられる。塗布部材47により汲み上げられた吸収液は、各々の塗布部47a(外表面47b)を介して熱交換器42の伝熱面42bに塗布されるように構成されている。
また、吸収器40では、図2に示すように、5個の熱交換器42の間に4個の回転構造体44が配置されている。また、各々の回転構造体44は、熱交換器42の伝熱面42bが部分的に露出する露出空間部Sを有するように汲上部材46(渦巻き形状部46)が形成されているので、回転中心に対して重心が偏心している。したがって、4個の回転構造体44は、回転軸方向(X軸方向)から見て、互いに等角度(約90°)間隔で位相をずらされた状態で回転軸45aに取り付けられている。これにより、4個の回転構造体44は全体として中心線150まわりの重量バランスがある程度整えられた状態で回転される。
したがって、冷房運転時においては、気液分離部12(図1参照)から供給された吸収液(濃液)が熱交換器42の伝熱面42bに供給された状態で、モータ45の駆動とともに回転構造体44が伝熱面42bに沿って矢印R方向に回転移動される。この際、回転構造体44は、回転領域U内において伝熱面42bが部分的に露出するように露出空間部Sを有して形成されているので、渦巻き形状部46bに重ならずに露出空間部Sから露出した伝熱面42bに対して蒸発器30からの冷媒蒸気が効果的に導き込まれる。これにより、塗布部材47により伝熱面42bに沿って塗布された吸収液(濃液)に冷媒蒸気が吸収されやすくなる。なお、塗布された吸収液に冷媒蒸気が吸収される際の吸収熱は、熱交換器42を介して冷却水に奪われる。したがって、塗布された吸収液の温度が低温に保たれるので、塗布された吸収液への更なる冷媒蒸気の吸収が促進される。吸収液は希液となって塗布部材47により伝熱面42bから除去されて液溜まり部41aに落下する。
また、図2に示すように、容器41の側壁部41bには、モータ45を収容するハウジング41dが取り付けられている。モータ45に接続された回転軸45aは、側壁部41bを貫通して矢印X2方向に延びるとともに熱交換器42の貫通部42aに回転可能に挿入されている。なお、回転軸45aの端部45bは、最もX2側の熱交換器42の貫通部42aに対して回転可能に支持されている。また、回転軸45aが側壁部41bを貫通する部分には、封止材48が回転軸45aに対して摺動可能に嵌め込まれている。なお、ハウジング41d内も真空状態に保たれており、外部に対して気密性が保たれている。以上の構成によって、吸収式ヒートポンプ装置100は、以下のように動作される。
(冷房運転時の動作)
冷房運転時には、図1に示すように、弁61および62を閉じた状態でポンプ71が始動されて吸収液を循環通路部51のみに循環させる。加熱部11により昇温されて気液分離部12で分離された冷媒蒸気が所定温度に達した時点で弁61および62が開かれてポンプ72が始動される。これにより、気液分離部12に貯留されたLiBr濃液が吸収液通路55および56にも流通されて冷房サイクルが形成される。また、三方弁64が気液分離部12と凝縮器20とを結ぶ流路(冷媒蒸気が冷媒蒸気通路52aを流通する流路)側に切り替えられ、冷媒蒸気が凝縮器20で凝縮された後、蒸発器30に流入されて、熱交換部32を介して車内の空気が冷却される。そして、容器31内の熱交換部32で蒸発した冷媒蒸気は、冷媒蒸気通路53を流通して吸収器40に吸引される。吸収器40では、熱交換器42の伝熱面42bに供給された吸収液(濃液)に対して冷媒蒸気が露出空間部Sを介して効率よく吸収されて希液となり、液溜まり部41aに貯留される。また、液溜まり部41aに貯留された吸収液(希液)は、希液排出管56aおよび吸収液通路55を流通して循環通路部51に戻される。
(暖房運転時の動作)
暖房運転時には、運転期間中、弁61および62は常に閉じられており吸収器40は使用されない。三方弁64が気液分離部12と蒸発器30とを結ぶ流路(高温水蒸気が冷媒蒸気通路52bを流通する流路)側に切り替えられ、かつ、弁66および66が閉じられて凝縮器20がサイクルから切り離される。そして、運転開始直後に循環通路部51を循環させて吸収液の昇温が行われ、気液分離部12で分離された高温水蒸気が蒸発器30(凝縮器の役割を果たす)に流入される。これにより、熱交換部32を介して車内の空気が暖められる。また、蒸発器30で熱交換された凝縮水は、ポンプ73と弁63との連動により冷媒供給路57を介して循環通路51に還流されて暖房サイクルが形成される。
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第1実施形態では、X軸方向から見て熱交換器42の伝熱面42bを部分的に露出させる露出空間部Sを回転領域U内に有するように形成した渦巻き形状部46bを含み、この渦巻き形状部46bが回転することにより液溜まり部41aに貯留された吸収液を汲み上げる汲上部材46と、汲上部材46により汲み上げられた吸収液を熱交換器42の伝熱面42bに沿って塗布する塗布部材47とを備える。これにより、吸収液が熱交換器42の伝熱面42bに塗布された際、渦巻き形状部46bにおける露出空間部Sを介して渦巻き形状部46bに重ならずに露出した熱交換器42の伝熱面42bに対して蒸発器30(冷媒蒸気通路53)からの冷媒蒸気を効果的に巻き込むことができる。この結果、吸収器40における濃液に対する冷媒蒸気の吸収反応をさらに向上させることができる。
また、第1実施形態では、一対の板状部46aと渦巻き形状部46bとにより構成される部分によって、半径方向外側に設けられた開口部46cおよび46dと、開口部46cおよび46dにより汲み上げられた吸収液を半径方向外側から回転中心側に移動させる溶液通路部46eおよび46fとを汲上部材46に設ける。これにより、一対の板状部46aと渦巻き形状部46bとによって熱交換器42の伝熱面42bを回転領域U内に部分的に露出させる複数の露出空間部Sを有する回転構造体44(汲上部材46)を容易に構成することができる。また、汲上部材46の回転とともに複数の露出空間部Sも伝熱面42bに沿って回転移動されるので、伝熱面42bを容器41内の雰囲気(冷媒蒸気)に万遍なく露出させることができる。また、溶液通路部46e(46f)が渦巻き状に形成されることによって、開口部46c(46d)により捕獲された吸収液を汲上部材46の回転運動を有効に利用して回転中心側に無理なく移動させつつ、回転中心側に移動された吸収液を汲上部材46の回転による遠心力を利用して塗布部材47(塗布部47a)に容易に供給することができる。これらの結果、吸収器40での吸収液(濃液)に対する冷媒蒸気の効率的な吸収反応を持続させることができる。
また、第1実施形態では、汲上部材46の回転に伴って、液溜まり部41aに貯留された吸収液を汲上部材46に加えて複数個の塗布部材47によっても汲み上げ、塗布部材47の外表面47bを介して熱交換器42の伝熱面42bに塗布するように構成する。これにより、汲上部材46のみならず塗布部材47によっても吸収液を汲み上げて熱交換器42の伝熱面42bに塗布することができるので、液溜まり部41aに貯留された吸収液をより効率よく熱交換器42の伝熱面42bに塗布(供給)することができる。
また、第1実施形態では、吸収液を塗布する外表面47bを有する塗布部47aと、塗布部47aにおける半径方向外側から回転中心側に延びる汲上通路部47cとを含むように塗布部材47を構成する。これにより、回転する各々の塗布部材47の汲上通路部47cを介して溶液を連続的に汲み上げつつ、汲み上げられた吸収液を外表面47bを利用して迅速に熱交換器42の伝熱面42bに塗布することができる。したがって、汲上部材46における渦巻き形状部46bの熱交換器42の伝熱面42bが部分的に露出する露出空間部Sを介して、冷媒蒸気の吸収液への効率的な吸収をより向上させることができる。
また、第1実施形態では、吸収液を塗布部材47を介して熱交換器42の伝熱面42bに塗布する際に、塗布される吸収液の回転中心側への逆流を抑制する溶液逆流抑制部47fを塗布部材47に設ける。これにより、溶液逆流抑制部47fによって、回転する塗布部材47により汲み上げられた溶液を、回転中心側へ逆流させることなく熱交換器42の伝熱面42bに留めた状態でこの伝熱面42bに迅速かつ確実に塗布することができる。
また、第1実施形態では、回転方向と反対側に窪む凹状の底部47dと、底部47dを両側から挟み込む一対の側部47eとを含む箱型形状を有するように汲上通路部47cを構成する。これにより、箱型形状の汲上通路部47cの回転とともに液溜まり部41aの吸収液を効率よくすくい上げて塗布部47a(外表面47b)に供給することができる。
また、第1実施形態では、汲み上げられて回転中心側に移動された吸収液を塗布部材47の外表面47b側に排出する複数の排出孔46jを汲上部材46に設ける。これにより、開口部46c(46d)により汲み上げられた吸収液の溶液通路部46e(46f)から塗布部材47への移動を複数の排出孔46jを介して容易に行うことができる。この際、吸収液のみならず汲上動作時に巻き込まれた容器内の蒸気成分(冷媒蒸気)についても排出孔46jを介して熱交換器42の伝熱面42b側に排出することができる。これにより、汲上部材46の回転数が高いことに起因して蒸気成分(冷媒蒸気)を巻き込みやすい場合にも、吸収液の汲み上げ量を適切に確保することができる。
また、第1実施形態では、塗布部材47における溶液逆流抑制部47fを塗布部材47の回転方向に沿って延びるリブ形状を有するように構成する。これにより、回転する塗布部材47により汲み上げられた吸収液を、回転中心側へ容易に逆流させなくすることができる。また、溶液逆流抑制部47fが側部47eにリブ形状を有して形成されるので、箱型形状となった塗布部材47(汲上通路部47c)の強度を容易に保つことができる。
[第2実施形態]
図3〜図5、図8および図9を参照して、第2実施形態について説明する。この第2実施形態では、上記第1実施形態と異なり、蒸発器230に対しても吸収器40と同様の構成(構造)を適用して吸収式ヒートポンプ装置200を構成した例について説明する。
本発明の第2実施形態による吸収式ヒートポンプ装置200では、図8に示すように、
上記第1実施形態で用いた蒸発器30(図1参照)の代わりに、熱交換部233(熱交換器232)および回転構造体234を含む蒸発器230を備えている。以下に、蒸発器230の構造を蒸発器30(図1参照)とは符号を違えて説明する。
(蒸発器の構造)
図9に示すように、蒸発器230は、5個の熱交換器232を含む熱交換部233と、熱交換器232間の領域に配置された回転構造体234と、回転構造体234を時計回り(矢印R方向)に回転させるモータ235とを備える。なお、熱交換器232に挟まれた回転構造体234の回転領域Uを二点鎖線で示している。熱交換部233は、容器31の内壁面31cから矢印X2方向に突出している。熱交換部233は、上部と下部とにおいて、各々の熱交換器232に接続された空調用の水配管233aおよび233bによって互いに接続されている。また、水配管233aおよび233bは、図8に示すように、循環水路281および熱交換部210に接続されている。熱交換部210では、送風機212により送風された空気(外気)が熱交換器211を流通する空調用の循環水によって冷却される。そして、冷却された空気(冷風)が車内に吹き出されるように構成されている。
また、蒸発器230には、図8に示すように、冷媒(凝縮水)を供給する冷媒供給管54aと、暖房運転時に冷媒を循環通路51に戻す冷媒排出管57bとが設けられている。冷媒供給管54aおよび冷媒排出管57bは、内壁面31cを貫通して外部の冷媒通路54および57(図8参照)に接続されている。なお、冷媒供給管54aの熱交換器232への接続構造は、吸収器40の場合の濃液供給ポート55c(図3参照)と同様である。
ここで、第2実施形態では、モータ235の駆動とともに回転軸235aを介して回転構造体234が回転される。そして、回転構造体234の矢印R方向への回転とともに液溜まり部31aに貯留された冷媒(凝縮水)が回転構造体234により汲み上げられて回転構造体234に隣接する熱交換器232の伝熱面232bに供給されるように構成されている。なお、回転構造体234の構造は、上記第1実施形態で説明した回転構造体44(図4および図5参照)と同様である。すなわち、回転構造体234は、回転領域U内において熱交換器232の伝熱面232bが部分的に露出するように露出空間部Sを有して渦巻き形状に形成された渦巻き形状部46bを含む汲上部材46と、汲上部材46と一体的に回転する8個の塗布部材47とを備える。
これにより、冷房運転時には、凝縮器20で凝縮された冷媒(凝縮水)が冷媒通路54および冷媒供給管54a(図9参照)を流通して熱交換器232の伝熱面232b(図9参照)に供給された状態で、モータ235の駆動とともに各々の塗布部材47が伝熱面232bに沿って矢印R方向に回転移動される。また、塗布部材47自身も液溜まり部31aに貯留された冷媒(凝縮水)を汲み上げて塗布部材47の塗布部47a(外表面47b)に供給される。そして、冷媒は、塗布部材47の回転とともに伝熱面232bに薄く塗布される。また、容器31内は真空状態なので冷媒が熱交換器232内の空調用の循環水から蒸発潜熱を奪いながら蒸発する。この際、回転構造体234(図9参照)は、回転領域U内において伝熱面232bが部分的に露出する露出空間部Sを有して形成されているので、蒸発した冷媒は、渦巻き形状部46bに重ならない露出空間部Sから盛んに容器31内に拡散される。そして、蒸発した冷媒蒸気(低温水蒸気)は、容器31に接続された冷媒蒸気通路53を介して吸収器40に吸引される。その後、冷媒蒸気(低温水蒸気)は、吸収器40(図3参照)において回転構造体44(塗布部材47)の回転とともに伝熱面42bに塗布される。冷媒蒸気は、熱交換部43で冷却されかつ希釈されて液溜まり部41aに貯留される。このようにして冷房サイクルが形成される。なお、第2実施形態による吸収式ヒートポンプ装置200のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、X軸方向から見て熱交換器232の伝熱面232bを部分的に露出させる露出空間部Sを回転領域U内に有するように形成した渦巻き形状部46bを含み、渦巻き形状部46bが回転することにより液溜まり部31aの冷媒(水)を汲み上げる汲上部材46と、汲上部材46により汲み上げられた冷媒を伝熱面232bに沿って塗布する塗布部材47とを備える。これにより、冷媒が伝熱面232bに塗布された際、渦巻き形状部46bにおける露出空間部Sを介して渦巻き形状部46bに重ならずに露出した伝熱面232bから蒸発した冷媒蒸気を容器31内に拡散させやすくすることができる。したがって、冷媒の蒸発を効果的に促進して蒸発性能をさらに向上させることができる。
また、第2実施形態では、冷媒(水)を塗布する外表面47bを有する塗布部47aと、塗布部47aにおける半径方向外側から回転中心側に延びる汲上通路部47cとを含むように塗布部材47を構成する。これにより、回転する各々の塗布部材47の汲上通路部47cを介して冷媒(水)を連続的に汲み上げつつ、汲み上げられた冷媒(水)を塗布部材47の外表面47bを利用して迅速に熱交換器232の伝熱面232bに塗布(供給)することができる。したがって、汲上部材46における渦巻き形状部46bの熱交換器232の伝熱面232bが部分的に露出するように露出空間部Sを介して、渦巻き形状部46bにより形成された露出空間部Sからの蒸発冷媒の拡散をより向上させることができる。なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
[変形例]
今回開示された実施形態は、全ての点で例示であり制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記第1および第2実施形態では、樹脂材料を用いて渦巻き状の汲上部材46および8個の塗布部材47を一体的に成形したが、本発明はこれに限られない。アルミニウム合金などの金属材料を用いて回転構造体44(334)を構成してもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、汲上部材46に溶液通路部46e(46f)を設けたが、本発明はこれに限られない。回転領域U内に熱交換器42の伝熱面42bを部分的に露出させる露出空間部Sが形成可能ならば3つ以上の溶液通路部を設けてもよい。
また、上記第2実施形態では、蒸発器230の熱交換器232に空調用の循環水を流通させたが、本発明はこれに限られない。たとえば、熱交換部233内部に空調用の空気を直接流通させて蒸発器230において冷媒(水)と空調用の空気とを熱交換させてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、本発明の吸収式ヒートポンプ装置を、乗用車やバスなどの空調システムに適用したが、本発明はこれに限られない。車両のみならず商業施設向け(据置型)の吸収式ヒートポンプ装置にも、本発明を適用することができる。
また、上記第1および第2実施形態では、排気ガスの熱を利用して吸収液を加熱したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ハイブリッド自動車や電気自動車の空調用に本発明の吸収式ヒートポンプ装置を適用してもよい。また、吸収液の加熱熱源に電気自動車のバッテリやモータ排熱や燃料電池における発電時の排熱を利用して、燃料電池システムを備えた乗用車の空調に本発明の吸収式ヒートポンプ装置を適用してもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、冷媒および吸収液として、水および臭化リチウム水溶液を用いたが、本発明はこれに限られない。たとえば、冷媒および吸収液として、それぞれ、アンモニアおよび水を用いて吸収式ヒートポンプ装置を構成してもよい。
31、41 容器
42、232 熱交換器
42b、232b 伝熱面
46 汲上部材
46a 板状部
46b 渦巻き形状部
46e、46f 溶液通路部
47 塗布部材
47a 塗布部
47c 汲上通路部
47f 溶液逆流抑制部
100、200 吸収式ヒートポンプ装置
S 露出空間部

Claims (4)

  1. 吸収液により冷媒蒸気を吸収する吸収式ヒートポンプ装置であって、
    吸収液または冷媒からなる溶液が貯留される液溜まり部を有する容器と、
    前記容器内に設置され、内部に熱交換流体が流れる熱交換器と、
    回転軸方向から見て、前記熱交換器の伝熱面を部分的に露出させる露出空間部を回転領域内に有するように形成された渦巻き形状部を含み、前記渦巻き形状部が回転することにより前記液溜まり部に貯留された溶液を汲み上げる汲上部材と、
    前記汲上部材により汲み上げられた前記溶液を前記熱交換器の伝熱面に沿って塗布する塗布部材と、を備え
    前記塗布部材は、前記溶液が前記塗布部材を介して前記熱交換器の伝熱面に塗布される際に、塗布される前記溶液の回転中心側への逆流を抑制する溶液逆流抑制部を有している、吸収式ヒートポンプ装置。
  2. 前記汲上部材は、前記熱交換器の伝熱面を部分的に露出させる前記露出空間部を回転領域内に有するように形成された一対の板状部をさらに含み、
    前記渦巻き形状部は、前記一対の板状部間に挟み込まれ、回転領域内において前記熱交換器の伝熱面を部分的に露出させるように前記汲上部材の半径方向外側から回転中心側に渦巻き状に延びるように形成されており、
    前記一対の板状部と前記渦巻き形状部とにより構成される部分によって、半径方向外側に設けられた汲上部分と、前記汲上部分により汲み上げられた前記溶液を前記汲上部材の回転により半径方向外側から回転中心側に移動させる溶液通路部とが構成されている、請求項1に記載の吸収式ヒートポンプ装置。
  3. 前記塗布部材は、前記汲上部材とともに回転されるとともに前記汲上部材の回転中心側から半径方向外側に放射状に延びるように複数設けられており、
    前記汲上部材の回転に伴って、前記液溜まり部に貯留された溶液は、前記汲上部材に加えて前記塗布部材によっても汲み上げられるとともに、複数の前記塗布部材の各々の外表面を介して前記熱交換器の伝熱面に塗布されるように構成されている、請求項1または2に記載の吸収式ヒートポンプ装置。
  4. 前記塗布部材は、前記溶液を塗布する外表面を含む塗布部と、前記塗布部における半径方向外側から回転中心側に延びる汲上通路部とを含む、請求項3に記載の吸収式ヒートポンプ装置。
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