JP2013019616A - 吸着式ヒートポンプ及び情報処理システム - Google Patents

吸着式ヒートポンプ及び情報処理システム Download PDF

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Abstract

【課題】圧力差駆動式バルブを用いる吸着式ヒートポンプにおいて、安定したバルブの開閉を実現し、その性能を向上させる。
【解決手段】吸着式ヒートポンプ30を、冷媒21を吸脱着しうる吸着器1、2と、冷媒を蒸発させる蒸発器3と、冷媒を凝縮させる凝縮器4と、吸着器と蒸発器との間に設けられ、気相の冷媒21Xが流れる第1流路5と、吸着器と凝縮器との間に設けられ、気相の冷媒が流れる第2流路6と、第1流路に設けられ、第1流路を開閉する第1バルブ10と、第2流路に設けられ、第2流路を開閉する第2バルブ11とを備え、第1バルブ及び第2バルブの少なくとも一方は、気相の冷媒の圧力差によって開閉する弁体31と、弁座32と、弁座を加熱又は冷却するための加熱・冷却手段34とを備えるものとする。
【選択図】図1

Description

本発明は、吸着式ヒートポンプ及び情報処理システムに関する。
昨今、電子機器の進歩に加え、高度情報通信網の整備が進み、大量のデータ通信/データストレージ処理用サーバーを多数設置したデータセンター等が著しく増加している。これに伴い、サーバーなどの電子機器からの廃熱エネルギーも増加の一途をたどっている。
特に、データセンター等では、1ラックに複数のボードを装着してデータ処理能力を向上させるブレードサーバーが一般的になっており、1ラック当たりの消費電力は数kW以上と大電力化している。このような1ラック当たりの消費電力の増加に伴い、発熱源であるCPUなどの冷却技術についても課題が増加している。
通常、大型の空調機によってデータセンター全体やサーバールーム内に冷風を循環させ、この冷風をサーバーラック内にファンを用いて導入し、CPUなどを冷却することになる。また、十分な冷風を作り出すためにも大量の電力を消費することになる。このため、低コスト化や環境問題の観点から、電子機器からの廃熱エネルギーを有効利用することが望まれている。
電子機器からの廃熱は、最も高い温度でもCPUから回収される約90℃以下であり、これ以下の低い廃熱温度で熱回収が可能な装置の一つとして吸着式ヒートポンプ(吸着式冷凍機)がある。このような低温廃熱で作動させることができる吸着式ヒートポンプは、電子機器からの廃熱を利用するのに用いられるほか、自動車向けに用いられたり、ボイラなどの比較的高温の廃熱を利用するのに用いられたりしている。
特許第3924885号公報 特許第3831959号公報 特開2009−198163号公報 国際公開第2006/135026号 特開2002−100891号公報 特開平3−186165号公報
ところで、吸着式ヒートポンプは、吸着器を備える吸着器室と蒸発器を備える蒸発器室とを接続する流路、あるいは、吸着器室と凝縮器を備える凝縮器室とを接続する流路に、その流路を開閉するバルブ(開閉バルブ)を備える。このバルブとしては、例えば、ピストン式のバルブ、ロータリ式のバルブ、回転式のバルブ(バタフライバルブ)、シート状の弁体を用いるバルブなどが用いられる。
このうち、シート状の弁体を用いるバルブとして、例えば、圧力差で駆動される圧力差駆動式バルブ、即ち、圧力差によって弁体が浮上する浮上式バルブがある。
この圧力差駆動式バルブを用いる場合、吸着器室と蒸発器室との間の気相の冷媒の圧力差、あるいは、吸着器室と凝縮器室との間の気相の冷媒の圧力差で弁体が駆動される。つまり、これらの圧力差によって、弁体が浮上して弁座から離れた状態になることで流路が開けられる一方、弁体が浮上せずに弁座に接した状態になることで流路が閉じられる。
しかしながら、この圧力差駆動式バルブを用いる場合、弁体が接する弁座の表面で気相冷媒が凝縮して液相冷媒となり、その表面張力によって弁体が弁座の表面に強く密着してしまい、上述の圧力差ではバルブが開閉せず、ヒートポンプの動作が停止してしまう場合がある。
また、上述の圧力差駆動式バルブを用いる場合、例えば弁体の位置がずれる、弁体自体が歪む等によって弁体が弁座の表面に密着せず、空隙ができてしまい、流路を流れる冷媒を完全に遮断できず、ヒートポンプの性能が低下してしまう場合がある。
そこで、圧力差駆動式バルブを用いる吸着式ヒートポンプにおいて、安定したバルブの開閉を実現し、その性能の向上を実現したい。
本吸着式ヒートポンプは、冷媒を吸脱着しうる吸着器と、冷媒を蒸発させる蒸発器と、冷媒を凝縮させる凝縮器と、吸着器と蒸発器との間に設けられ、気相の冷媒が流れる第1流路と、吸着器と凝縮器との間に設けられ、気相の冷媒が流れる第2流路と、第1流路に設けられ、第1流路を開閉する第1バルブと、第2流路に設けられ、第2流路を開閉する第2バルブとを備え、第1バルブ及び第2バルブの少なくとも一方は、気相の冷媒の圧力差によって開閉する弁体と、弁座と、弁座を加熱又は冷却するための加熱・冷却手段とを備えることを要件とする。
本情報処理システムは、電子機器と、電子機器から発せられる熱を利用して作動する上記吸着式ヒートポンプとを備えることを要件とする。
したがって、本吸着式ヒートポンプ及び情報処理システムによれば、圧力差駆動式バルブを用いる吸着式ヒートポンプにおいて、安定したバルブの開閉を実現し、その性能を向上させることができるという利点がある。
本実施形態の吸着式ヒートポンプの構成を示す模式的断面図である。 本実施形態の吸着式ヒートポンプの構成を示す模式的断面図である。 本実施形態の吸着式ヒートポンプに備えられるバルブの構成及び動作を説明するための模式的断面図である。 本実施形態の吸着式ヒートポンプに備えられるバルブの構成及び動作を説明するための模式的断面図である。 本実施形態の吸着式ヒートポンプに備えられるバルブの構成及び動作を説明するための模式的断面図である。 本実施形態の吸着式ヒートポンプに備えられるバルブの構成及び動作を説明するための模式的断面図である。 本実施形態の吸着式ヒートポンプに備えられるバルブに対する加熱・冷却制御を説明するための図である。 本実施形態の吸着式ヒートポンプに備えられるバルブに対する加熱・冷却制御を説明するためのフローチャートである。 本実施形態の吸着式ヒートポンプに備えられるバルブに対する加熱・冷却制御の一の具体例を説明するための図である。 本実施形態の吸着式ヒートポンプに備えられるバルブに対する加熱・冷却制御の一の具体例におけるセンサを用いた切替タイミング制御を説明するための図である。 本実施形態の吸着式ヒートポンプに備えられるバルブに対する加熱・冷却制御の他の具体例を説明するための図である。 本実施形態の情報処理システムの構成を示す模式図である。 本実施形態の吸着式ヒートポンプに備えられるバルブの変形例の構成を示す模式図であって、(A)は斜視図、(B)は弁座の平面図、(C)は(A)のA−A′線に沿う断面図、(D)は(A)のB−B′線に沿う断面図、(E)は作製方法を説明するための断面図である。
以下、図面により、本発明の実施の形態にかかる吸着式ヒートポンプ及び情報処理システムについて、図1〜図12を参照しながら説明する。
本実施形態にかかる吸着式ヒートポンプは、吸着剤が冷媒を吸脱着することで、熱源からの低温廃熱等の温熱から冷熱を生成する吸着式ヒートポンプである。なお、吸着式ヒートポンプを吸着式冷凍機ともいう。
この吸着式ヒートポンプでは、以下のようにして温熱から冷熱を生成する(図2参照)。
まず、真空状態の容器の中に、吸着剤20と、吸着剤20に対して吸脱着可能な液相の冷媒21Yが封入された状態とする。そして、気相の冷媒21Xが吸着剤20に吸着して雰囲気中の冷媒21Xの蒸気圧が減少すると、液相の冷媒21Yが蒸発(気化)する。この蒸発の際に冷媒21は熱を奪うため、そこから冷熱を取り出すことができる。これを吸着工程という。
一方、冷媒21を吸着した吸着剤を、低温廃熱等の温熱を用いて加熱すれば、気相の冷媒21Xが吸着剤20から脱着(脱離)する。そして、脱着した気相の冷媒21Xを、例えば冷却水などを用いて冷やせば、凝縮して、液相の冷媒21Yに戻る。これを脱着工程という。
このような吸着工程と脱着工程とを繰り返して、温熱から冷熱を生成する。
なお、吸着式ヒートポンプの原理については、成書[高性能ケミカルヒートポンプ応用事例集、サイエンスフォーラム社]などに説明がある。
このため、本吸着式ヒートポンプは、図1に示すように、冷媒21を吸脱着しうる第1及び第2吸着器1、2と、冷媒21を蒸発させる蒸発器3と、冷媒21を凝縮させる凝縮器4とを備える。
そして、第1吸着器1と蒸発器3との間、即ち、第1吸着器室1Xと蒸発器室3Xとの間に設けられ、気相の冷媒21Xが流れる第1流路5を備える。つまり、蒸発器3で生成された気相の冷媒21Xが第1流路5を介して第1吸着器1へ供給されるようになっている。
また、第1吸着器1と凝縮器4との間、即ち、第1吸着器室1Xと凝縮器室4Xとの間に設けられ、気相の冷媒21Xが流れる第2流路6を備える。つまり、第1吸着器1から脱着された気相の冷媒21Xが第2流路6を介して凝縮器4へ供給されるようになっている。
さらに、第2吸着器2と蒸発器3との間、即ち、第2吸着器室2Xと蒸発器室3Xとの間に設けられ、気相の冷媒21Xが流れる第3流路7を備える。つまり、蒸発器3で生成された気相の冷媒21Xが第3流路7を介して第2吸着器2へ供給されるようになっている。
また、第2吸着器2と凝縮器4との間、即ち、第2吸着器室2Xと凝縮器室4Xとの間に設けられ、気相の冷媒21Xが流れる第4流路8を備える。つまり、第2吸着器2から脱着された気相の冷媒21Xが第4流路8を介して凝縮器4へ供給されるようになっている。
また、凝縮器4と蒸発器3との間、即ち、凝縮器室4Xと蒸発器室3Xとの間に設けられ、液相の冷媒21Yが流れる第5流路9(凝縮冷媒回収ライン)を備える。つまり、凝縮器4で凝縮されて液相になった冷媒21Yが第5流路9を介して蒸発器3へ戻されるようになっている。
そして、第1流路5に、第1流路5を開閉する第1バルブ10が設けられている。また、第2流路6に、第2流路6を開閉する第2バルブ11が設けられている。さらに、第3流路7に、第3流路7を開閉する第3バルブ12が設けられている。また、第4流路8に、第4流路8を開閉する第4バルブ13が設けられている。これらの第1〜第4バルブ10〜13は、気相の冷媒を連通・遮断するための開閉バルブである。また、第1〜第4バルブ10〜13は真空バルブである。
このように、第1及び第2吸着器1、2は、それぞれ、蒸発器3及び凝縮器4に第1〜第4流路5〜8を介して接続されており、第1〜第4流路5〜8には、それぞれ、第1〜第4バルブ10〜13が設けられている。
なお、第1及び第2吸着器室1X,2X、蒸発器室3X、凝縮器室4X及び各流路5〜9は、密閉された空間になっており、吸着式ヒートポンプの使用時には、この空間は真空状態、即ち、減圧された状態に保たれる。
ここで、吸着器1、2は、図2に示すように、吸着器室1X、2Xの中に設けられており、気相の冷媒(冷媒蒸気)21Xを吸着するとともに、加熱されることによって吸着していた冷媒21を脱着する吸着剤20が充填されているものである。ここでは、吸着器1、2は、内部に流体(ここでは冷却水又は温水;循環水)を流すことができる吸着器用配管22、23、即ち、熱交換器を備え、この吸着器用配管22、23の周囲に吸着剤20が充填されたものである。例えば、脱着再生温度約60〜約90℃程度で使用する吸着剤20としては、シリカゲル、ゼオライトなどの固体吸着剤がある。また、冷媒21は水である。なお、冷媒21として、メタノール、エタノールなどのアルコールを用い、吸着剤に活性炭を用いても良い。また、ここでは、吸着工程と脱着工程とを交互に繰り返してヒートポンプ30を連続的に動作させるために、2つの吸着器1、2が設けられている。なお、吸着器1、2には、吸着剤20と冷却水・温水との間の熱交換速度が反応の律速にならないように、フィンチューブタイプあるいはコルゲートフィンタイプなどの熱交換速度の速い熱交換器を用いるのが好ましい。
ここで、吸着剤20は、特定の温度以上では冷媒21の脱着が支配的に起こり、それよりも低い温度では吸着が支配的に起こる。
このため、吸着器用配管22、23に流す流体の温度(ここでは冷却水か温水か)によって、吸着剤20の温度が制御され、これにより、冷媒21の脱着又は吸着が制御されるようになっている。
つまり、第1吸着器1に備えられる吸着剤20に冷媒21を吸着させる吸着工程では、吸着器用配管22に、冷媒21の吸着が支配的になる温度に制御しうる熱搬送媒体として冷却水24(ここでは約25℃)を流し、吸着剤20を冷却することによって、吸着剤20に冷媒21を吸着させる。ここでは、入口で約25℃の冷却水24によって吸着剤20を冷却することで、冷却水24の温度は約33℃になる。なお、冷媒21が吸着剤20に吸着する際には吸着熱を放出する。
一方、第2吸着器2に備えられる吸着剤20から冷媒21を脱着させる脱着工程では、吸着器用配管23に、冷媒21の脱着が支配的になる温度に制御しうる熱搬送媒体として温水25を流す。ここでは、吸着剤20から冷媒21を脱着させるのに必要な温度は約60℃程度である。このため、約90℃以下の低温の廃熱などを温熱として利用する。つまり、廃熱などから回収した温熱を熱搬送媒体としての流体(例えば約60℃から約90℃の温水;ここでは約60℃の温水25)によって搬送し、吸着剤20を加熱することによって、吸着剤20から冷媒21を脱着させる。ここでは、入口で約60℃の温水25によって吸着剤20を加熱することで、温水25の温度は約55℃になる。
なお、ここでは、第1吸着器1を吸着工程とし、第2吸着器2を脱着工程として説明しいているが、逆の場合も同様である。なお、脱着工程は、吸着器1、2に吸着した冷媒21を、温熱を利用して脱着させる工程である。また、脱着工程は、吸着剤20を乾燥再生させる工程でもある。
蒸発器3は、蒸発器室3Xの中に設けられており、凝縮器4から供給された液相の冷媒21Yを蒸発させて気相の冷媒21Xにするものである。この蒸発器3は、冷熱を取り出すための熱交換器を含み、液相の冷媒21Yが蒸発する際に生じた冷熱を外部へ搬送するための熱搬送用媒体として冷熱用循環水27(ここでは約15℃)を循環させるための蒸発器用配管26を備える。この蒸発器3では、吸着工程で一方の吸着器(ここでは第1吸着器1)で気相の冷媒21Xが吸着され、流路(ここでは第1流路5)を介して、蒸発器3から一方の吸着器1へ気相の冷媒21Xが流出することによって、飽和吸着量に達するまで液相の冷媒21Yが蒸発しつづける。そして、液相の冷媒21Yが蒸発する際に、蒸発熱として蒸発器用配管26の内部を流れる冷熱用循環水27から熱が奪われ、例えば入口で約15℃の冷熱用循環水27が出口で約10℃になり、温度が約5℃程度低下し、冷熱が得られる。つまり、液相の冷媒21Yが蒸発する際に生じた冷熱は、蒸発器用配管26の内部を流れる冷熱用循環水27によって外部へ搬送され、例えば冷却に用いられる。このため、吸着工程は、蒸発器3で蒸発した冷媒21を吸着器1、2で吸着することで冷熱を取り出す工程である。
凝縮器4は、凝縮器室4Xの中に設けられており、吸着器1、2から脱着した気相の冷媒21Xを凝縮させて液相の冷媒21Yにするものである。この凝縮器4は、熱搬送用媒体として冷媒21の凝縮点よりも低い温度の流体(ここでは約25℃の冷却水29)を流す凝縮器用配管28、即ち、熱交換器を備える。また、凝縮器4は、脱着工程で一方の吸着器(ここでは第2吸着器2)から流路(ここでは第4流路8)を介して流入する気相の冷媒21Xを冷却して液相の冷媒21Yに変化させる。そして、液相の冷媒21Yは、第5流路9を介して、凝縮器4から蒸発器3へ戻される。ここでは、入口で約25℃の冷却水29によって気相の冷媒21Xを冷却することで、冷却水29の温度は約30℃になる。このようにして凝縮熱が回収される。
このように構成される吸着式ヒートポンプ30では、第1〜第4バルブ10〜13の開閉状態を切り替えることで、吸着工程と脱着工程とを繰り返して、温熱から冷熱を連続的に生成することができる。
例えば、図2に示すように、第1及び第4バルブ10、13を開いた状態とし、第2及び第3バルブ11、12を閉じた場合、第1吸着器1を備える第1吸着器室1Xと蒸発器3を備える蒸発器室3Xとが連通し、第2吸着器2を備える第2吸着器室2Xと凝縮器4を備える凝縮器室4Xとが連通する。
そして、第1吸着器1には、冷却水24(ここでは約25℃)を流して、吸着剤20を冷却する。また、第2吸着器2には、外部の発熱体から回収した廃熱等の温熱を流体(ここでは約60℃の温水25)によって搬送して、吸着剤20を加熱する。また、蒸発器3には冷熱用循環水27(ここでは約15℃)を循環させて、冷熱を取り出す。また、凝縮器4には冷却水29(ここでは約25℃)を流して、気相の冷媒21Xを冷却して凝縮させる。
この場合、第1吸着器室1Xと蒸発器室3Xとが連通しているため、第1吸着器1に備えられる吸着剤20に気相の冷媒21Xが吸着し、第1流路5を介して、蒸発器室3Xから第1吸着器室1Xへ気相の冷媒21Xが流出することによって、蒸発器3では飽和吸着量に達するまで液相の冷媒21Yが蒸発しつづける。そして、液相の冷媒21Yが蒸発する際に、蒸発熱として蒸発器用配管26の内部を流れる冷熱用循環水27から熱が奪われ、冷熱が得られる。このようにして得られた冷熱は、蒸発器用配管26の内部を流れる冷熱用循環水27によって外部へ取り出される。また、第1吸着器1に備えられる吸着剤20に気相の冷媒21Xが吸着する際に発熱するが、第1吸着器1に流される冷却水24によって吸着剤20を冷却することで、速やかに放熱させることができる。
一方、第2吸着器2に備えられる吸着剤20を、吸着器用配管23の内部を流れる温水25によって加熱することで、この吸着剤20に吸着している冷媒21が脱着する。そして、第2吸着器室2Xと凝縮器室4Xとが連通しているため、第2吸着器2に備えられる吸着剤20から脱着した気相の冷媒21Xが、第4流路8を介して、第2吸着器室2Xから凝縮器室4Xへ気相の冷媒21Xが流出し、凝縮器4で凝縮器用配管28の内部を流れる冷却水29によって冷却されて凝縮し、液相の冷媒21Yとなる。この液相の冷媒21Yは、第5流路9を介して、凝縮器4から蒸発器3へ戻される。
この場合、蒸発器3を備える蒸発器室3Xに連通している第1吸着器室1Xに備えられる第1吸着器1は、吸着工程となり、凝縮器4を備える凝縮器室4Xに連通している第2吸着器室2Xに備えられる第2吸着器2は、脱着工程となる。
なお、吸収した廃熱や汲み上げた熱は、冷却水24、29を例えば消費電力が極端に小さなクーリングタワーなどの放熱器との間で循環させて放熱させれば良い(図12参照)。
逆に、第2及び第3バルブ11、12を開いた状態とし、第1及び第4バルブ10、13を閉じた場合、第1吸着器1を備える第1吸着器室1Xと凝縮器4を備える凝縮器室4Xとが連通し、第2吸着器2を備える第2吸着器室2Xと蒸発器3を備える蒸発器室3Xとが連通する(図1参照)。
そして、第1吸着器1には、外部の発熱体から回収した廃熱等の温熱を流体(ここでは約60℃の温水25)によって搬送して、吸着剤20を加熱する。また、第2吸着器2には、冷却水24(ここでは約25℃)を流して、吸着剤20を冷却する。また、蒸発器3には冷熱用循環水27(ここでは約15℃)を循環させて、冷熱を取り出す。また、凝縮器4には冷却水29(ここでは約25℃)を流して、気相の冷媒21Xを冷却して凝縮させる。
この場合、第2吸着器2に備えられる吸着剤20に気相の冷媒21Xが吸着し、第1吸着器1に備えられる吸着剤20から冷媒21が脱着する。つまり、蒸発器3を備える蒸発器室3Xに連通している第2吸着器室2Xに備えられる第2吸着器2は、吸着工程となり、凝縮器4を備える凝縮器室4Xに連通している第1吸着器室1Xに備えられる第1吸着器1は、脱着工程となる。
このようにして、第1〜第4バルブ10〜13の開閉状態を切り替えることで、吸着工程と脱着工程とを繰り返して、温熱から冷熱を連続的に生成することができる。
なお、ここでは、第1吸着器1の吸着工程と第2吸着器2の脱着工程とが同時に行なわれ、第1吸着器1の脱着工程と第2吸着器2の吸着工程とが同時に行なわれ、これらが繰り返し行なわれるようにしているが、これに限られるものではない。例えば、第1吸着器1の吸着工程と第2吸着器2の吸着工程とが同時に行なわれ、第1吸着器1の脱着工程と第2吸着器2の脱着工程とが同時に行なわれ、これらが繰り返し行なわれるようにしても良い。つまり、吸着工程と脱着工程とを段階的に行なうようにしても良い。この場合、吸着工程では、第1及び第3バルブ10、12を開いた状態とし、第2及び第4バルブ11、13を閉じた状態とし、両方の吸着器1、2に冷却水24を流して、吸着剤20を冷却すれば良い。一方、脱着工程では、第2及び第4バルブ11、13を開いた状態とし、第1及び第3バルブ10、12を閉じた状態とし、両方の吸着器1、2に廃熱などから回収した温熱を流体25によって搬送して、吸着剤20を加熱すれば良い。
ところで、本実施形態では、図1に示すように、第1〜第4バルブ10〜13は、いずれも、シート状の弁体31を用いた圧力差駆動式バルブである。つまり、第1〜第4バルブ10〜13は、圧力差によってシート状の弁体31が浮上する浮上式バルブである。この圧力差駆動式バルブ10〜13は、バルブの開閉に電気エネルギーを使用せず、吸着器室1X,2X、凝縮器室4X、蒸発器室3X内の冷媒21の圧力差(蒸気圧差)に基づいて開閉することができるため、省電力化を図ることが可能である。なお、圧力差駆動式バルブ10〜13は、浮上式バルブあるいは蒸気バルブともいう。また、シート状の弁体31を、プレート状の弁体あるいはフィルム状の弁体ともいう。
特に、本実施形態では、第1〜第4バルブ10〜13は、気相の冷媒21Xの圧力差によって開閉する弁体31と、弁座32とを備えるバルブ構造になっている。
なお、弁体31をキャップ部ともいう。また、弁座32は、その表面に弁体31が密着することで気相の冷媒21Xが通過するのを遮断するものであるため、パッキング部ともいう。
ここでは、弁座32は、気相の冷媒21Xが通過しうる開口部を有する環状の弁座(ここでは四角形状の弁座)である。また、弁体31は、弁座32の開口部を閉じることができる大きさを持つシート状の弁体(ここでは四角形状の弁体)である。このシート状の弁体31は、弁座32の開口部を覆うようにガイドピン33を介して弁座32に支持されている。つまり、シート状の弁体31は、弁座32に設けられたガイドピン33を介して、弁座32にガイドピン33に沿って移動可能に支持されている。
具体的には、第1バルブ10は、第1吸着器室1Xと蒸発器室3Xとの間の気相の冷媒21Xの圧力差によって弁体31が駆動される。つまり、この圧力差によって、弁体31が浮上して弁座32から離れた状態になることで第1流路5が開けられ、第1吸着器室1Xと蒸発器室3Xとが連通する一方、弁体31が浮上せずに弁座32に接した状態になることで第1流路5が閉じられ、第1吸着器室1Xと蒸発器室3Xとの連通が遮断される。
また、第2バルブ11は、第1吸着器室1Xと凝縮器室4Xとの間の気相の冷媒21Xの圧力差によって弁体31が駆動される。つまり、この圧力差によって、弁体31が浮上して弁座32から離れた状態になることで第2流路6が開けられ、第1吸着器室1Xと凝縮器室4Xとが連通する一方、弁体31が浮上せずに弁座32に接した状態になることで第2流路6が閉じられ、第1吸着器室1Xと凝縮器室4Xとの連通が遮断される。
また、第3バルブ12は、第2吸着器室2Xと蒸発器室3Xとの間の気相の冷媒21Xの圧力差によって弁体31が駆動される。つまり、この圧力差によって、弁体31が浮上して弁座32から離れた状態になることで第3流路7が開けられ、第2吸着器室2Xと蒸発器室3Xとが連通する一方、弁体31が浮上せずに弁座32に接した状態になることで第3流路7が閉じられ第2吸着器室2Xと蒸発器室3Xとの連通が遮断される。
また、第4バルブ13は、第2吸着器室2Xと凝縮器室4Xとの間の気相の冷媒21Xの圧力差によって弁体31が駆動される。つまり、この圧力差によって、弁体31が浮上して弁座32から離れた状態になることで第4流路8が開けられ、第2吸着器室2Xと凝縮器室4Xとが連通する一方、弁体31が浮上せずに弁座32に接した状態になることで第4流路8が閉じられ、第2吸着器室2Xと凝縮器室4Xとの連通が遮断される。
なお、第1吸着器室1Xと蒸発器室3Xとの間を接続する配管、第1吸着器室1Xと凝縮器室4Xとの間を接続する配管、第2吸着器室2Xと蒸発器室3Xとの間を接続する配管、及び、第2吸着器室2Xと凝縮器室4Xとの間を接続する配管を設ける場合、これらの配管が、それぞれ、第1〜第4流路5〜8となる。この場合、それぞれの配管に開口部を有する弁座32を取り付ければ良い。
また、これらの配管を設けずに、例えば図3、図4に示すように、開口部40Aを有する仕切壁40によって空間を隔てることで、第1及び第2吸着器室1X、2X、蒸発器室3X、凝縮器室4Xとし、開口部40Aを流路5〜8としても良い。つまり、開口部40Aを有する仕切壁40によって隔てられ、開口部40Aによって連通する2つの空間を、それぞれ、第1吸着器室1X、蒸発器室3Xとする場合、仕切壁40の開口部40Aが第1流路5となる。また、開口部40Aを有する仕切壁40によって隔てられ、開口部40Aによって連通する2つの空間を、それぞれ、第1吸着器室1X、凝縮器室4Xとする場合、仕切壁40の開口部40Aが第2流路6となる。また、開口部40Aを有する仕切壁40によって隔てられ、開口部40Aによって連通する2つの空間を、それぞれ、第2吸着器室2X、蒸発器室3Xとする場合、仕切壁40の開口部40Aが第3流路7となる。また、開口部40Aを有する仕切壁40によって隔てられ、開口部40Aによって連通する2つの空間を、それぞれ、第2吸着器室2X、凝縮器室4Xとする場合、仕切壁40の開口部40Aが第4流路8となる。この場合、それぞれの仕切壁40の開口部40Aの大きさを、弁座32の開口部の大きさと同一にし、仕切壁40の開口部40Aと弁座32の開口部とが一致するように、それぞれの仕切壁40に弁座32を取り付ければ良い。特に、仕切壁40に弁座32を取り付ける場合、仕切壁40と弁座32との間に断熱材41を設けるのが好ましい。これは、後述するように、弁座32に設けられた加熱・冷却手段34によって弁座32を速やかに加熱又は冷却することができるようにするためである。なお、仕切壁40の開口部40Aは、隣接する空間を接続するため、接続部ともいう。
特に、本実施形態では、図1、図5、図6に示すように、第1〜第4バルブ10〜13を構成する弁座32は、これを加熱又は冷却するための加熱・冷却手段34を備える。ここでは、弁座32を加熱又は冷却するための加熱・冷却手段34として、弁座32に温水又は冷却水を流すための弁座用配管35が設けられている。この加熱・冷却手段34によって弁座32を加熱することで、弁座32の表面、即ち、弁体31と弁座32との界面を乾燥させることができるようになっている。また、加熱・冷却手段34によって弁座32を冷却することで、弁座32の表面上で気相の冷媒21Xを凝縮させて、弁座32の表面に液相の冷媒21Yを生じさせることができるようになっている。なお、加熱・冷却手段34は、弁座32を加熱又は冷却することで弁座32の温度を調節するものであるため、温度調節機構ともいう。
ここで、弁座用配管35として、弁座32を加熱するために温水を流す温水配管と、弁座を冷却するために冷却水を流す冷却水配管とを別個に設けても良いし、これらの加熱用の温水配管と冷却用の冷却水配管とを兼用する温水・冷却水配管を設けても良い。
また、弁座用配管35を、吸着器用配管22、23又は凝縮器用配管28に接続するようにしても良い。つまり、図5に示すように、弁座用配管35を、吸着器用配管22、23に接続することで、吸着器用配管22、23を流れる温水25(又は冷却水24)の一部を、弁座32を加熱又は冷却するための温水(又は冷却水)として用いるようにしても良い。また、弁座用配管35を、凝縮器用配管28及び吸着器用配管22、23に接続することで、凝縮器用配管28を流れる冷却水29の一部、及び、吸着器用配管22、23を流れる温水25又は冷却水24の一部を、弁座32を加熱又は冷却するための温水又は冷却水として用いるようにしても良い。また、弁座用配管35を、吸着器用配管22、23に接続することで、吸着器用配管22、23を流れる冷却水24の一部を、弁座32を冷却するための冷却水として用いるようにしても良い。また、図6に示すように、弁座用配管35を、凝縮器用配管28に接続することで、凝縮器用配管28を流れる冷却水29の一部を、弁座32を冷却するための冷却水として用いるようにしても良い。これらの場合、弁座用配管35は、弁座32を冷却するための冷却手段となるため、弁座32を加熱するための加熱手段として、弁座32に例えば電気ヒータ(電気的な加熱手段)を設ければ良い。つまり、弁座32を加熱又は冷却するための加熱・冷却手段34として、弁座用配管35及び電気ヒータ(図示せず)を設ければ良い。
また、本実施形態では、図1に示すように、弁座32を加熱又は冷却するタイミングを制御する制御手段50(コントローラ;コンピュータ;CPU)を備える。そして、制御手段50によって、吸着式ヒートポンプの吸着工程と脱着工程とが切り替わるタイミング、即ち、第1〜第4バルブ10〜13の開閉状態が切り替わるタイミングよりも前に、加熱・冷却手段34による弁座32の加熱と冷却とが切り替わるように制御している。ここでは、制御手段50によって、加熱・冷却手段34による弁座32の加熱と冷却とを切り替えるタイミングが、吸着器1、2の吸着工程と脱着工程とが切り替わるタイミング、即ち、吸着器1、2に流入する冷却水24と温水25とを切り替えるタイミングに対して所定時間前になるように制御している。
ここでは、制御手段50は、第1〜第4バルブ10〜13が閉状態から開状態に切り替わる前に、加熱・冷却手段34によって弁座32が加熱されるように制御する。つまり、第1〜第4バルブ10〜13の閉状態、即ち、弁体31が閉じて、凝縮した液相の冷媒21Yを介して、弁座32の表面に密着している状態で、弁座32が加熱されるようにしている。これにより、弁体31と弁座32の表面との間に存在する冷媒21を気化(蒸発)させ、弁座32の表面、即ち、弁体31と弁座32との界面を乾燥させることができる。このため、気相の冷媒21Xの圧力差によってバルブ10〜13の開閉が確実に行なえるようになる。つまり、弁体31と弁座32の表面との間に存在する液相の冷媒21Yの表面張力によって弁体31が弁座32の表面に強く密着してしまい、気相の冷媒21Xの圧力差ではバルブ10〜13が開閉せず、ヒートポンプ30の動作が停止してしまうのを防止することができる。
具体的には、第1吸着器1が吸着工程から脱着工程に切り替わり、第2吸着器2が脱着工程から吸着工程に切り替わる場合、第2及び第3バルブ11、12が閉状態から開状態に切り替わることになる。この場合、制御手段50によって、第2及び第3バルブ11、12が閉状態から開状態に切り替わる前に、加熱・冷却手段34によって第2及び第3バルブ11、12の弁座32が加熱されるように制御する。つまり、制御手段50によって、第1吸着器1の吸着工程が終了して脱着工程が開始する前に、加熱・冷却手段34によって第2バルブ11の弁座32が加熱されるように制御するとともに、第2吸着器2の脱着工程が終了して吸着工程が開始する前に、加熱・冷却手段34によって第3バルブ12の弁座32が加熱されるように制御する。
逆に、第2吸着器1が吸着工程から脱着工程に切り替わり、第1吸着器1が脱着工程から吸着工程に切り替わる場合、第1及び第4バルブ10、13が閉状態から開状態に切り替わることになる。この場合、制御手段50によって、第1及び第4バルブ10、13が閉状態から開状態に切り替わる前に、加熱・冷却手段34によって第1及び第4バルブ10、13の弁座32が加熱されるように制御する。つまり、制御手段50によって、第1吸着器1の脱着工程が終了して吸着工程が開始する前に、加熱・冷却手段34によって第1バルブ10の弁座32が加熱されるように制御するとともに、第2吸着器2の吸着工程が終了して脱着工程が開始する前に、加熱・冷却手段34によって第4バルブ13の弁座32が加熱されるように制御する。
例えば、加熱・冷却手段34として弁座用配管35を設ける場合には、第1〜第4バルブ10〜13が閉状態から開状態に切り替わる前に、加熱・冷却手段34として設けられた弁座用配管35に温水が流れるように例えばバルブ51に対する制御を行なうようにすれば良い。ここでは、バルブ51は、温水配管又は冷却水配管としての弁座用配管35に介装されており、弁座用配管35に温水と冷却水とを切り替えて流す切り替えバルブである。つまり、第1〜第4バルブ10〜13の弁座用配管35に流通させる温水と冷却水をバルブ51によって切り替えるようにしている。なお、バルブ51は複数のバルブから構成されていても良い。
具体的には、第1吸着器1が吸着工程から脱着工程に切り替わる場合、制御手段50によって、図7に示すように、第1吸着器1の吸着工程の後期、脱着工程の初期及び中期に、第2バルブ11の弁座32に設けられた弁座用配管35に温水が流れるように例えばバルブ51に対する制御を行なうようにすれば良い。
また、第2吸着器2が脱着工程から吸着工程に切り替わる場合、制御手段50によって、第2吸着器2の脱着工程の後期、吸着工程の初期及び中期に、第3バルブ12の弁座32に設けられた弁座用配管35に温水が流れるように例えばバルブ51に対する制御を行なうようにすれば良い。
また、第2吸着器2が吸着工程から脱着工程に切り替わる場合、制御手段50によって、第2吸着器2の吸着工程の後期、脱着工程の初期及び中期に、第4バルブ13の弁座32に設けられた弁座用配管35に温水が流れるように例えばバルブ51に対する制御を行なうようにすれば良い。
また、第1吸着器1が脱着工程から吸着工程に切り替わる場合、制御手段50によって、第1吸着器の脱着工程の後期、吸着工程の初期及び中期に、第1バルブ10の弁座32に設けられた弁座用配管35に温水が流れるように例えばバルブ51に対する制御を行なうようにすれば良い。
なお、加熱・冷却手段34として電気ヒータを設ける場合には、第1〜第4バルブ10〜13が閉状態から開状態に切り替わる前に、加熱・冷却手段34として設けられた電気ヒータを作動させる制御を行なうようにすれば良い。
これに対し、制御手段50は、第1〜第4バルブ10〜13が開状態から閉状態に切り替わる前に、加熱・冷却手段34によって弁座32が冷却されるように制御する。つまり、第1〜第4バルブ10〜13の開状態、即ち、弁体31が開いて、弁座32の表面から離れている状態で、弁座32が冷却されるようにしている。これにより、弁座32の表面上で気相の冷媒21Xが凝縮し、弁座32の表面に液相の冷媒21Yが存在する状態にすることができる。このため、気相の冷媒21Xの圧力差によって閉じてきた弁体31を、弁座32の表面に存在する液相の冷媒21Yの表面張力によって、弁座32の表面に確実に密着させることができる。つまり、例えば弁体31の位置がずれる、弁体自体が歪む等によって弁体31が弁座32の表面に密着せず、空隙ができてしまい、流路5〜8を流れる冷媒21を完全に遮断できず、ヒートポンプ30の性能が低下してしまうのを防止することができる。
具体的には、第1吸着器1が脱着工程から吸着工程に切り替わり、第2吸着器2が吸着工程から脱着工程に切り替わる場合、第2及び第3バルブ11、12が開状態から閉状態に切り替わることになる。この場合、制御手段50によって、第2及び第3バルブ11、12が開状態から閉状態に切り替わる前に、加熱・冷却手段34によって第2及び第3バルブ11、12の弁座32が冷却されるように制御する。つまり、制御手段50によって、第1吸着器1の脱着工程が終了して吸着工程が開始する前に、加熱・冷却手段34によって第2バルブ11の弁座32が冷却されるように制御するとともに、第2吸着器2の吸着工程が終了して脱着工程が開始する前に、加熱・冷却手段34によって第3バルブ12の弁座32が冷却されるように制御する。
逆に、第2吸着器2が脱着工程から吸着工程に切り替わり、第1吸着器1が吸着工程から脱着工程に切り替わる場合、第1及び第4バルブ10、13が開状態から閉状態に切り替わることになる。この場合、制御手段50によって、第1及び第4バルブ10、13が開状態から閉状態に切り替わる前に、加熱・冷却手段34によって第1及び第4バルブ10、13の弁座32が冷却されるように制御する。つまり、制御手段50によって、第1吸着器1の吸着工程が終了して脱着工程が開始する前に、加熱・冷却手段34によって第1バルブ10の弁座32が冷却されるように制御するとともに、第2吸着器2の脱着工程が終了して吸着工程が開始する前に、加熱・冷却手段34によって第4バルブ13の弁座32が冷却されるように制御する。
例えば、加熱・冷却手段34として弁座用配管35を設ける場合には、第1〜第4バルブ10〜13が開状態から閉状態に切り替わる前に、加熱・冷却手段34として設けられた弁座用配管35に冷却水が流れるように例えばバルブ51に対する制御を行なうようにすれば良い。
具体的には、第1吸着器1が脱着工程から吸着工程に切り替わる場合、制御手段50によって、第1吸着器1の脱着工程の後期、吸着工程の初期及び中期に、第2バルブ11の弁座32に設けられた弁座用配管35に冷却水が流れるように例えばバルブ51に対する制御を行なうようにすれば良い。
また、第2吸着器2が吸着工程から脱着工程に切り替わる場合、制御手段50によって、第2吸着器2の吸着工程の後期、脱着工程の初期及び中期に、第3バルブ12の弁座32に設けられた弁座用配管35に冷却水が流れるように例えばバルブ51に対する制御を行なうようにすれば良い。
また、第2吸着器2が脱着工程から吸着工程に切り替わる場合、制御手段50によって、第2吸着器2の脱着工程の後期、吸着工程の初期及び中期に、第4バルブ13の弁座32に設けられた弁座用配管35に冷却水が流れるように例えばバルブ51に対する制御を行なうようにすれば良い。
また、第1吸着器1が吸着工程から脱着工程に切り替わる場合、制御手段50によって、第1吸着器1の吸着工程の後期、脱着工程の初期及び中期に、第1バルブ10の弁座32に設けられた弁座用配管35に冷却水が流れるように例えばバルブ51に対する制御を行なうようにすれば良い。
このように、制御手段50によって、第1及び第2吸着器1、2の吸着工程と脱着工程とが切り替わるタイミングの直前の時期、即ち、第1及び第2吸着器1、2に流入する冷却水24と温水25とを切り替えるタイミングの直前の時期(吸着工程又は脱着工程の後期)に入ったところで、弁座32に設けられた弁座用配管35に流入する冷却水と温水とを切り替えるように制御している。つまり、制御手段50によって、弁座32に設けられた弁座用配管35に流入する冷却水と温水とを切り替えるタイミングが、第1及び第2吸着器1、2に流入する冷却水24と温水25とを切り替えるタイミングに対して所定時間前になるように制御している。
次に、制御手段50による弁座32の加熱/冷却制御の具体例について、図1、図8、図9を参照しながら説明する。
ここでは、温水/冷却水の切り替えタイミングの制御であって、センサを用いた切替タイミング制御を例に挙げて説明する。
なお、センサを用いた切替タイミング制御を行なう場合には、図1に示すように、第1吸着器室1X及び第2吸着器室2Xのそれぞれに、例えば湿度センサや圧力センサ(蒸気圧センサ)などの吸着器室1X、2Xの状態、即ち、吸着器1、2の吸着状態・脱着状態を検出しうる第1及び第2センサ52、53を設ける。そして、制御手段50は、これらの第1及び第2センサ52、53からの検出情報に基づいて切替タイミング制御を行なう。
例えば、制御手段50は、図10に示すように、センサ52、53からの検出値が第1所定値以下になった場合に吸着工程の初期に入ったと判断し、第2所定値以下になった場合に吸着工程の中期に入ったと判断し、第3所定値以上になった場合に吸着工程の後期に入ったと判断し、第1所定値以上になった場合に吸着工程が終了し、吸着工程から脱着工程に切り替わって脱着工程が開始し、脱着工程の初期に入ったと判断し、第4所定値よりも大きくなった場合に脱着工程の中期に入ったと判断し、第5所定値よりも小さくなった場合に脱着工程の後期に入ったと判断し、第1所定値よりも小さくなった場合に脱着工程が終了し、脱着工程から吸着工程に切り替わって吸着工程が開始し、吸着工程の初期に入ったと判断するようにすれば良い。
具体的には、制御手段50は、以下のような切替タイミング制御を行なう。
まず、吸着式ヒートポンプ30が初めて作動する初期状態にあるか、即ち、第1吸着器1が脱着工程の初期であり、第2吸着器2が吸着工程の初期であるか、又は、第1吸着器1が吸着工程の初期であり、第2吸着器2が脱着工程の初期であるかを判断する(ステップS10)。
ここでは、制御手段50は、第1センサ52からの検出情報に基づいて、第1吸着器1が脱着工程の初期であるか、吸着工程の初期であるかを判断する(ステップS10)。また、制御手段50は、第2センサ53からの検出情報に基づいて、第2吸着器2が吸着工程の初期であるか、脱着工程の初期であるかを判断する(ステップS10)。
この結果、第1吸着器1が吸着工程の初期であると判断した場合、ステップS10の判断は「NO」となり、ステップS80へ進む。また、第2吸着器2が脱着工程の初期であると判断した場合、ステップS10の判断は「NO」となり、ステップS80へ進む。
そして、制御手段50は、第1バルブ10の弁座32に設けられた弁座用配管35に温水が流れ、第2バルブ11の弁座32に設けられた弁座用配管35に冷却水が流れるように例えばバルブ51に対する制御を行なう(ステップS80;図9中、Step4)。また、制御手段50は、第3バルブ12の弁座32に設けられた弁座用配管35に冷却水が流れ、第4バルブ13の弁座32に設けられた弁座用配管35に温水が流れるように例えばバルブ51に対する制御を行なう(ステップS80;図9中、Step4)。なお、図9中、1.は第1吸着器1の各工程を示しており、2.は第2吸着器2の各工程を示している。
次に、制御手段50は、第1センサ52からの検出情報に基づいて、第1吸着器1が吸着工程の中期に入ったかを判断する(ステップS90)。この判断の結果、第1吸着器1が吸着工程の中期に入っていないと判断した場合は、まだ吸着工程の初期であるため、ステップS80に戻り、例えばバルブ51に対する制御を行なわずに、温水/冷却水を循環させたままとする。これを、第1吸着器1が吸着工程の中期に入ったと判断するまで繰り返す。
その後、第1吸着器1が吸着工程の中期に入ったと判断した場合、制御手段50は、例えばバルブ51を閉じる制御を行なって、第1バルブ10の弁座32に設けられた弁座用配管35に温水を流すのを停止し、第2バルブ11の弁座32に設けられた弁座用配管35に冷却水を流すのを停止する(ステップS100;図9中、Step5)。
また、制御手段50は、第2センサ53からの検出情報に基づいて、第2吸着器2が脱着工程の中期に入ったかを判断する(ステップS90)。この判断の結果、第2吸着器2が脱着工程の中期に入っていないと判断した場合は、まだ脱着工程の初期であるため、ステップS80に戻り、例えばバルブ51に対する制御を行なわずに、温水/冷却水を循環させたままとする。これを、第2吸着器2が脱着工程の中期に入ったと判断するまで繰り返す。
その後、第2吸着器2が脱着工程の中期に入ったと判断した場合、制御手段50は、例えばバルブ51を閉じる制御を行なって、第3バルブ12の弁座32に設けられた弁座用配管35に冷却水を流すのを停止し、第4バルブ13の弁座32に設けられた弁座用配管35に温水を流すのを停止する(ステップS100;図9中、Step5)。
次に、制御手段50は、第1センサ52からの検出情報に基づいて、第1吸着器1が吸着工程の後期に入ったかを判断する(ステップS110)。この判断の結果、第1吸着器1が吸着工程の後期に入っていないと判断した場合は、まだ吸着工程の中期であるため、ステップS100に戻り、例えばバルブ51に対する制御を行なわずに、温水/冷却水の循環を停止したままとする。これを、第1吸着器1が吸着工程の後期に入ったと判断するまで繰り返す。
その後、第1吸着器1が吸着工程の後期に入ったと判断した場合、制御手段50は、第1バルブ10の弁座32に設けられた弁座用配管35に流れる循環水を温水から冷却水に切り替えるとともに、第2バルブ11の弁座32に設けられた弁座用配管35に流れる循環水を冷却水から温水に切り替える制御を行なう。つまり、制御手段50は、第1バルブ10の弁座32に設けられた弁座用配管35に冷却水が流れ、第2バルブ11の弁座32に設けられた弁座用配管35に温水が流れるように例えばバルブ51に対する制御を行なう(ステップS120;図9中、Step6)。
また、制御手段50は、第2センサ53からの検出情報に基づいて、第2吸着器2が脱着工程の後期に入ったかを判断する(ステップS110)。この判断の結果、第2吸着器2が脱着工程の後期に入っていないと判断した場合は、まだ脱着工程の中期であるため、ステップS100に戻り、例えばバルブ51に対する制御を行なわずに、温水/冷却水の循環を停止したままとする。これを、第2吸着器2が脱着工程の後期に入ったと判断するまで繰り返す。
その後、第2吸着器2が脱着工程の後期に入ったと判断した場合、制御手段50は、第3バルブ12の弁座32に設けられた弁座用配管35に流れる循環水を冷却水から温水に切り替えるとともに、第4バルブ13の弁座32に設けられた弁座用配管35に流れる循環水を温水から冷却水に切り替える制御を行なう。つまり、制御手段50は、第3バルブ12の弁座32に設けられた弁座用配管35に温水が流れ、第4バルブ13の弁座32に設けられた弁座用配管35に冷却水が流れるように例えばバルブ51に対する制御を行なう(ステップS120;図9中、Step6)。
次に、制御手段50は、第1センサ52からの検出情報に基づいて、第1吸着器1が脱着工程の初期に入ったかを判断する(ステップS130)。この判断の結果、第1吸着器1が脱着工程の初期に入っていないと判断した場合は、まだ吸着工程の後期であるため、ステップS120に戻り、例えばバルブ51に対する制御を行なわずに、温水/冷却水を循環させたままとする。
その後、第1吸着器1が脱着工程の初期に入ったと判断した場合も、制御手段50は、例えばバルブ51に対する制御を行なわずに、温水/冷却水を循環させたままとする(ステップS20;図9中、Step1)。
また、制御手段50は、第2センサ53からの検出情報に基づいて、第2吸着器2が吸着工程の初期に入ったかを判断する(ステップS130)。この判断の結果、第2吸着器2が吸着工程の初期に入っていないと判断した場合は、まだ脱着工程の後期であるため、ステップS120に戻り、例えばバルブ51に対する制御を行なわずに、温水/冷却水を循環させたままとする。
その後、第2吸着器2が吸着工程の初期に入ったと判断した場合も、制御手段50は、例えばバルブ51に対する制御を行なわずに、温水/冷却水を循環させたままとする(ステップS20;図9中、Step1)。
次に、制御手段50は、第1センサ52からの検出情報に基づいて、第1吸着器1が脱着工程の中期に入ったかを判断する(ステップS30)。この判断の結果、第1吸着器1が脱着工程の中期に入っていないと判断した場合は、まだ脱着工程の初期であるため、ステップS20に戻り、例えばバルブ51に対する制御を行なわずに、温水/冷却水を循環させたままとする。これを、第1吸着器1が脱着工程の中期に入ったと判断するまで繰り返す。
その後、第1吸着器1が脱着工程の中期に入ったと判断した場合、制御手段50は、例えばバルブ51を閉じる制御を行なって、第1バルブ10の弁座32に設けられた弁座用配管35に冷却水を流すのを停止し、第2バルブ11の弁座32に設けられた弁座用配管35に温水を流すのを停止する(ステップS40;図9中、Step2)。
また、制御手段50は、第2センサ53からの検出情報に基づいて、第2吸着器2が吸着工程の中期に入ったかを判断する(ステップS30)。この判断の結果、第2吸着器2が吸着工程の中期に入っていないと判断した場合は、まだ吸着工程の初期であるため、ステップS20に戻り、例えばバルブ51に対する制御を行なわずに、温水/冷却水を循環させたままとする。これを、第2吸着器2が吸着工程の中期に入ったと判断するまで繰り返す。
その後、第2吸着器2が吸着工程の中期に入ったと判断した場合、制御手段50は、例えばバルブ51を閉じる制御を行なって、第3バルブ12の弁座32に設けられた弁座用配管35に温水を流すのを停止し、第4バルブ13の弁座32に設けられた弁座用配管35に冷却水を流すのを停止する(ステップS40;図9中、Step2)。
次に、制御手段50は、第1センサ52からの検出情報に基づいて、第1吸着器1が脱着工程の後期に入ったかを判断する(ステップS50)。この判断の結果、第1吸着器1が脱着工程の後期に入っていないと判断した場合は、まだ脱着工程の中期であるため、ステップS40に戻り、例えばバルブ51に対する制御を行なわずに、温水/冷却水の循環を停止したままとする。これを、第1吸着器1が脱着工程の後期に入ったと判断するまで繰り返す。
その後、第1吸着器1が脱着工程の後期に入ったと判断した場合、制御手段50は、第1バルブ10の弁座32に設けられた弁座用配管35に流れる循環水を冷却水から温水に切り替えるとともに、第2バルブ11の弁座32に設けられた弁座用配管35に流れる循環水を温水から冷却水に切り替える制御を行なう。つまり、制御手段50は、第1バルブ10の弁座32に設けられた弁座用配管35に温水が流れ、第2バルブ11の弁座32に設けられた弁座用配管35に冷却水が流れるように例えばバルブ51に対する制御を行なう(ステップS60;図9中、Step3)。
また、制御手段50は、第2センサ53からの検出情報に基づいて、第2吸着器2が吸着工程の後期に入ったかを判断する(ステップS50)。この判断の結果、第2吸着器2が吸着工程の後期に入っていないと判断した場合は、ステップS40に戻り、例えばバルブ51に対する制御を行なわずに、温水/冷却水の循環を停止したままとする。これを、第2吸着器2が吸着工程の後期に入ったと判断するまで繰り返す。
その後、第2吸着器2が吸着工程の後期に入ったと判断した場合、制御手段50は、第3バルブ12の弁座32に設けられた弁座用配管35に流れる循環水を温水から冷却水に切り替えるとともに、第4バルブ13の弁座32に設けられた弁座用配管35に流れる循環水を冷却水から温水に切り替える制御を行なう。つまり、制御手段50は、第3バルブ12の弁座32に設けられた弁座用配管35に冷却水が流れ、第4バルブ13の弁座32に設けられた弁座用配管35に温水が流れるように例えばバルブ51に対する制御を行なう(ステップS60;図9中、Step3)。
次に、制御手段50は、第1センサ52からの検出情報に基づいて、第1吸着器1が吸着工程の初期に入ったかを判断する(ステップS70)。この判断の結果、第1吸着器1が吸着工程の初期に入っていないと判断した場合は、まだ脱着工程の後期であるため、ステップS60に戻り、例えばバルブ51に対する制御を行なわずに、温水/冷却水を循環させたままとする。
その後、第1吸着器1が吸着工程の初期に入ったと判断した場合も、制御手段50は、例えばバルブ51に対する制御を行なわずに、温水/冷却水を循環させたままとする(ステップS80;図9中、Step4)。
また、制御手段50は、第2センサ53からの検出情報に基づいて、第2吸着器2が脱着工程の初期に入ったかを判断する(ステップS70)。この判断の結果、第2吸着器2が脱着工程の初期に入っていないと判断した場合は、まだ吸着工程の後期であるため、ステップS60に戻り、例えばバルブ51に対する制御を行なわずに、温水/冷却水を循環させたままとする。
その後、第2吸着器2が脱着工程の初期に入ったと判断した場合も、制御手段50は、例えばバルブ51に対する制御を行なわずに、温水/冷却水を循環させたままとする(ステップS80;図9中、Step4)。
以降、同様の処理を繰り返す。
ところで、ステップS10の判断の結果、第1吸着器1が脱着工程の初期であると判断した場合、ステップS10の判断は「YES」となり、ステップS20へ進む。また、第2吸着器2が吸着工程の初期であると判断した場合、ステップS10の判断は「YES」となり、ステップS20へ進む。そして、制御手段50は、第1バルブ10の弁座32に設けられた弁座用配管35に冷却水が流れ、第2バルブ11の弁座32に設けられた弁座用配管35に温水が流れるように例えばバルブ51に対する制御を行なう(ステップS20;図9中、Step1)。また、制御手段50は、第3バルブ12の弁座32に設けられた弁座用配管35に温水が流れ、第4バルブ13の弁座32に設けられた弁座用配管35に冷却水が流れるように例えばバルブ51に対する制御を行なう(ステップS20;図9中、Step1)。
以降、上述と同様の処理を繰り返す。
上述のように、この具体例では、第1〜第4バルブ10〜13の開閉が切り替わる直前及び直後、即ち、吸着工程及び脱着工程の初期及び後期のみに温水/冷却水を循環させる一方、吸着工程及び脱着工程の中期には温水/冷却水の循環を停止させるため、ポンプ動力を削減することが可能となる。なお、温水/冷却水の循環を停止させることなく、循環させ続けても良い。
なお、吸着式ヒートポンプ30を作動させた後、途中で止まっている状態から、再度作動させる場合、各吸着器1、2は、初期、中期、後期のいずれかの時期になっているため、これらの時期を判断し、その時期に応じた処理を行なうべく、例えば、ステップS10とステップS20との間にこれらの時期を判断するステップを追加し、その時期に応じた処理へ進むようにすれば良い。
ところで、上述の具体例ではセンサを用いた切替タイミング制御を例に挙げて説明しているが、これに限られるものではない。
例えば、センサを用いない時間による切替タイミング制御を行なうようにしても良い。時間による切替タイミング制御を行なう場合には、予め、吸着工程の初期、中期、後期、脱着工程の初期、中期、後期のそれぞれにどれくらいの時間がかかるかを求めておき、制御手段50は、これらの時間に基づいて切替タイミング制御を行なう。
例えば、吸着工程及び脱着工程の初期は約5分、中期は約7分、後期は約5分で、1サイクルの合計が約17分の場合、以下のようにすれば良い。
つまり、ヒートポンプ30の最初の作動開始から約5分経過するまでは、第1吸着器1は吸着工程の初期であり、第2吸着器2は脱着工程の初期であるとする(図8のステップS10でNo;図11中、Step4)。そして、約5分経過したら、第1吸着器1の吸着工程の初期が終わって中期に入ったと判断し、第2吸着器2の脱着工程の初期が終わって中期に入ったと判断する(図8のステップS90でYes;図11中、Step5)。その後約7分経過したら、第1吸着器1の吸着工程の中期が終わって後期に入ったと判断し、第2吸着器2の脱着工程の中期が終わって後期に入ったと判断する(図8のステップS110でYes;図11中、Step6)。その後約5分経過したら、第1吸着器1の吸着工程の後期が終わって脱着工程の初期に入ったと判断し、第2吸着器2の脱着工程の後期が終わって吸着工程の初期に入ったと判断する(図8のステップS130でYes;図11中、Step1)。その後約5分経過したら、第1吸着器1の脱着工程の初期が終わって中期に入ったと判断し、第2吸着器2の吸着工程の初期が終わって中期に入ったと判断する(図8のステップS30でYes;図11中、Step2)。その後約7分経過したら、第1吸着器1の脱着工程の中期が終わって後期に入ったと判断し、第2吸着器2の吸着工程の中期が終わって後期に入ったと判断する(図8のステップS50でYes;図11中、Step3)。その後約5分経過したら、第1吸着器1の脱着工程の後期が終わって吸着工程の初期に入ったと判断し、第2吸着器2の吸着工程の後期が終わって脱着工程の初期に入ったと判断する(図8のステップS70でYes;図11中、Step4)。以降、同様の判断を繰り返せば良い。そして、各判断の結果に応じて、上述のセンサを用いた切替タイミング制御の場合と同様の処理を行なえば良い。なお、制御内容は、上述の具体例の場合と同様である。また、図11中、1.は第1吸着器1の各工程を示しており、2.は第2吸着器2の各工程を示している。
また、以下のようにしても良い。
つまり、ヒートポンプ30の最初の作動開始から約5分経過するまでは、第1吸着器1は脱着工程の初期であり、第2吸着器2は吸着工程の初期であるとする(図8のステップS10でYes;図11中、Step1)。そして、約5分経過したら、第1吸着器1の脱着工程の初期が終わって中期に入ったと判断し、第2吸着器2の吸着工程の初期が終わって中期に入ったと判断する(図8のステップS30でYes;図11中、Step2)。その後約7分経過したら、第1吸着器1の脱着工程の中期が終わって後期に入ったと判断し、第2吸着器2の吸着工程の中期が終わって後期に入ったと判断する(図8のステップS50でYes;図11中、Step3)。その後約5分経過したら、第1吸着器1の脱着工程の後期が終わって吸着工程の初期に入ったと判断し、第2吸着器2の吸着工程の後期が終わって脱着工程の初期に入ったと判断する(図8のステップS70でYes;図11中、Step4)。その後約5分経過したら、第1吸着器1の吸着工程の初期が終わって中期に入ったと判断し、第2吸着器2の脱着工程の初期が終わって中期に入ったと判断する(図8のステップS90でYes;図11中、Step5)。その後約7分経過したら、第1吸着器1の吸着工程の中期が終わって後期に入ったと判断し、第2吸着器2の脱着工程の中期が終わって後期に入ったと判断する(図8のステップS110でYes;図11中、Step6)。その後約5分経過したら、第1吸着器1の吸着工程の後期が終わって脱着工程の初期に入ったと判断し、第2吸着器2の脱着工程の後期が終わって吸着工程の初期に入ったと判断する(図8のステップS130でYes;図11中、Step1)。以降、同様の判断を繰り返せば良い。そして、各判断の結果に応じて、上述のセンサを用いた切替タイミング制御の場合と同様の処理を行なえば良い。
ところで、上述のように、気相の冷媒21Xを凝縮させて弁座32の表面に液相の冷媒21Yを存在させることで、弁体31を弁座32の表面に確実に密着させるようにしているため、弁座32の表面(少なくとも弁体31が接する弁座32の表面)は、冷媒21に対する親和処理が施されたものとするのが好ましい。例えば冷媒21が水の場合、弁座32の表面に親水化処理を施すのが好ましい。特に、弁座32の表面と冷媒21との接触角が約40°以下になるようにするのが好ましい。また、弁体31の表面(少なくとも弁座32の表面に接する面)も、冷媒21に対する親和処理(冷媒21が水の場合は親水化処理)を施すのが好ましい。
これにより、弁座32の表面上で気相の冷媒21Xが凝縮して液相の冷媒21Yになる際に、液相の冷媒21Yが弁座32の表面上に濡れ広がるようにすることができ、弁体31と弁座32の表面との密着性を高めることができる。
ところで、本実施形態では、上述のように構成される吸着式ヒートポンプ30は、例えば図12に示すように、例えばサーバーなどの電子機器(情報機器)60を含む情報処理システムに備えられ、電子機器60(例えばCPUなどの発熱源)からの廃熱(温熱)を利用して作動するようになっている。この場合、情報処理システムは、例えばサーバーなどの電子機器60と、電子機器60から発せられる熱を利用して作動する上述の吸着式ヒートポンプ30とを備えるものとなる。例えば、発熱源としてのCPU61に熱的に接続されたコールドプレート62と、吸着式ヒートポンプ30の第1吸着器1(又は第2吸着器2)とを、吸着器用配管22(又は23)を介して接続する。そして、第1吸着器1(又は第2吸着器2)の脱着工程において、発熱源としてのCPU61から発せられた熱を回収した温熱を、吸着器用配管22(又は23)の内部を流れる熱搬送媒体としての流体(温水)によって第1吸着器1(又は第2吸着器2)へ搬送し、吸着剤20を加熱して吸着剤20から冷媒21を脱着させるようにすれば良い。
また、情報処理システムは、さらに放熱器としてクーリングタワー65を備えるものとしても良い。この場合、クーリングタワー65と、吸着式ヒートポンプ30の第2吸着器2(又は第1吸着器1)とを、吸着器用配管23(又は22)を介して接続するとともに、クーリングタワー65と、吸着式ヒートポンプ30の凝縮器4とを、凝縮器用配管28を介して接続する。そして、第2吸着器2(又は第1吸着器1)とクーリングタワー65との間、及び、凝縮器4とクーリングタワー65との間で冷却水を循環させることによって、クーリングタワー65で放熱させるようにすれば良い。
また、上述のように構成される吸着式ヒートポンプ30は、廃熱等の温熱から冷熱を生成するものであるため、生成された冷熱を空調機器63による冷却に用いて空調を行なうようにしても良い。この場合、情報処理システムは、例えばサーバーなどの電子機器60と、電子機器60から発せられる熱(温熱)を利用して作動する上述の吸着式ヒートポンプ30と、吸着式ヒートポンプ30によって生成された冷熱を利用して、即ち、吸着式ヒートポンプ30によって冷却される熱搬送媒体を用いて、空調を行なう空調機器63とを備えるものとなる。例えば、サーバーなどの電子機器60に排気のために設けられるファン64によって排気される温かい空気を冷却して空調を行なうために、サーバーなどの電子機器60に設けられるファン64に隣接して、空調機器63としてドライコイル(熱交換器)を設ける。また、ドライコイル63と、吸着式ヒートポンプ30の蒸発器3とを、蒸発器用配管26によって接続する。そして、吸着式ヒートポンプ30によって生成された冷熱を、蒸発器用配管26の内部を流れる熱搬送媒体としての流体(冷熱用循環水)によってドライコイル63へ搬送し、例えばサーバーなどの電子機器60からファン64によって排気される温かい空気を冷却して空調を行なうようにすれば良い。なお、空調機器63を冷却機器ともいう。
したがって、本実施形態にかかる吸着式ヒートポンプ及び情報処理システムによれば、圧力差駆動式バルブ10〜13を用いる吸着式ヒートポンプ30において、安定したバルブの開閉を実現し、その性能を向上させることができるという利点がある。
つまり、バルブ10〜13の開閉の不具合が発生することがなくなり、バルブ10〜13の開閉を確実に行なうことができるため、吸着式ヒートポンプ30の動作が停止又は性能が低下するといった不具合を防止することができる。このため、性能低下を引き起こすことなく、長期にわたって安定して動作しうる連続稼動可能な吸着式ヒートポンプ30を実現することができる。
実際に、以下のような吸着式ヒートポンプ30を作製したところ、上述の効果が得られることが確認できた。
第1吸着器1及び第2吸着器2としては、シリカゲル約200g(RD2060、富士シリシア化学社製)を充填した銅製のコルゲートフィン型熱交換器を用いた。
凝縮器4は、吸着器1、2と同一の銅製コルゲートフィン型熱交換器を用いた。
蒸発器3は、凝縮器4と同一の熱交換器を用い、底面に底板を配置し、冷媒21が滞留するようにした。
冷媒21には水を用いた。
蒸発器室3Xと第1吸着器室1Xとの間、凝縮器室4Xと第1吸着器室1Xとの間、蒸発器室3Xと第2吸着器室2Xとの間、凝縮器室4Xと第2吸着器室2Xとの間には、それぞれ、弁体31と弁座32とからなる第1バルブ〜第4バルブ(圧力差駆動式バルブ)10〜13を設けた。
第1〜第4バルブ10〜13の弁体31には、PET製のプレート状の弁体を用い、その大きさは約40mm×約40mmとし、外周部に薄膜状のアルミで補強を施し、冷媒蒸気の差圧で浮上できる程度に軽量化かつ強度を持たせた。また、弁体31の弁座32と接触する面にも親水化処理を施した。弁体31の浮上量は、最大で約10mm程度となるように重量を調節した。
また、弁座32は、開口部を有する環状の弁座とし、その開口部の大きさは約30mm×約30mmとした。また、弁座32は、アルミ製とし、その表面に、親水化処理として、りん酸クロメート処理を施した。また、弁座32には、内径約2mmの弁座用配管を環状の弁座の4辺に沿って敷設した。
吸着器1、2に吸着した冷媒21の水を乾燥させるための温水25の温度は約60℃とし、吸着器一基当たり約2L/minで吸着器1、2へ流入させ、吸着器1、2を加熱し、脱着工程を行なった。一方、蒸発器3から蒸発した冷媒31を吸着器1、2が吸着する吸着工程において、吸着器1、2の冷却に用いる冷却水24の温度は約25〜約30℃とし、吸着器一基当たり約2L/minで吸着器1、2へ流入させた。また、凝縮器4に流入させる冷却水29の温度は約25℃とした。また、蒸発器3に流入させる冷熱用循環水27の温度は約15℃とした。
そして、第1〜第4バルブ10〜13が閉状態から開状態に切り替わる前に、これらのバルブ10〜13の弁座32に設けられた弁座用配管35に、吸着器1、2へ流入させる温水25のうちの約50cc/min程度の温水を流入させて弁座32を加熱し、弁座32の表面と弁体31との間に存在する冷媒21の水を蒸発させた。この弁座用配管35への温水の流入が、吸着器1、2に流入する冷却水24と温水25とを切り替える約5分前に開始するようにした。これにより、第1〜第4バルブ10〜13の弁座32の表面と弁体31との間に存在する冷媒21の水の表面張力によって強く密着してしまうことなく、冷媒蒸気の圧力差によって第1〜第4バルブ10〜13の開閉が確実に行なえた。
一方、第1〜第4バルブ10〜13が開状態から閉状態に切り替わる前に、これらのバルブ10〜13の弁座32に設けられた弁座用配管35に、吸着器1、2へ流入させる冷却水24のうちの約50cc/min程度の冷却水を流入させて弁座32を冷却し、弁座32の表面に冷媒21の水を凝縮させた。この弁座用配管35への冷却水の流入が、吸着器1、2に流入する冷却水24と温水25とを切り替える約5分前に開始するようにした。これにより、第1〜第4バルブ10〜13の弁体31が弁座32の表面に冷媒21の表面張力によって密着し、冷媒蒸気のリークを防ぐことができた。
なお、本発明は、上述した実施形態及び変形例に記載した構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能である。
例えば、上述の実施形態では、2つの吸着器1、2を設けるようにしているが、これに限られるものではなく、1つの吸着器を設けるだけでも良いし、3つ以上の吸着器を設けるようにしても良い。つまり、1又は複数の吸着器を備える吸着式ヒートポンプに本発明を適用することができ、吸着式ヒートポンプの構成は、上述の実施形態のものに限られるものではない。少なくとも、吸着式ヒートポンプは、吸着器室と蒸発器室とを接続する流路、及び、吸着器室と凝縮器室とを接続する流路に、これらの流路を開閉するバルブを備え、そのバルブが、気相の冷媒の圧力差によって開閉する弁体と、弁座と、弁座を加熱又は冷却するための加熱・冷却手段とを備えるものであれば良い。実際にサーバーなどの電子機器からの廃熱を利用する場合、継続的に吸着器による吸熱処理をしなければならないため、複数台の吸着器、可能であれば3台以上の吸着器を、吸着工程と脱着工程のタイミングをずらして同時に作動させるのが好ましい。なお、通常、蒸発器は一台で、複数台の吸着器と真空バルブ(圧力分離装置)を介して接続される。同様に、凝縮器も一台で、複数台の吸着器と真空バルブ(圧力分離装置)を介して接続される。
また、上述の実施形態では、第1〜第4バルブ10〜13を、同一の圧力差駆動式バルブとしているが、これに限られるものではない。例えば、吸着式ヒートポンプに備えられる少なくとも一つのバルブが、上述の実施形態の構成を有する圧力差駆動式バルブであれば良い。
また、上述の実施形態では、第1〜第4バルブ10〜13を、シート状の弁体31の全体が浮上するバルブ構造としているが、これに限られるものではなく、シート状の弁体31の少なくとも一部が浮上するバルブ構造とすれば良い。例えば図13(A)に示すように、シート状の弁体31の一方の側のみ(4辺のうちの1辺のみ)を弁座32に取り付け、圧力差によって、シート状の弁体31の弁座32に取り付けられた部分以外の部分が浮上するバルブ構造にしても良い。この場合、図13(B)〜(D)に示すように、弁座32を加熱又は冷却するための加熱・冷却手段34として、温水又は冷却水を流すために弁座32に設けられる弁座用配管35は、シート状の弁体31が取り付けられている弁座32の1辺以外の3辺に沿うように設ければ良い。このような配管35を有する弁座32は、例えば図13(E)に示すように、配管35を設置するための溝32Xを有し、開口部32Yを有する2つの環状部材32A、32Bを用意し、弁座用配管35を間に挟んで、これらを貼り付けることによって作製することができる。なお、上述の実施形態のものも同様にして作製することができる。
また、上述の実施形態及び変形例では、第1〜第4のバルブ10〜13を、シート状の弁体31と、開口部を有する弁座32とによって構成されるものとしているが、例えば弁座の開口部にはこれを仕切るリブを格子状に設けても良い。また、例えば、弁座の開口部に、複数の孔を有するプレート状部材、あるいは、ハニカム状に孔を有するプレート状部材を設けても良い。例えばシート状の弁体としてフィルム状の弁体を用いる場合には、フィルム状の弁体がたわんでしまうのを防止するために、弁座の開口部にこれを仕切るリブを格子状に設けたり、複数の孔を有するプレート状部材を設けたり、ハニカム状に孔を有するプレート状部材を設けたりするのが好ましい。
また、上述の実施形態では、吸着式ヒートポンプを例えばサーバーなどの電子機器を含む情報処理システムに備えられるものとして説明しているが、これに限られるものではなく、例えば、他の電子機器を備える装置又はシステム、発熱体を備える装置又はシステムなどに備えられるものとしても良い。
1 第1吸着器
1X 第1吸着器室
2 第2吸着器
2X 第2吸着器室
3 蒸発器
3X 蒸発器室
4 凝縮器
4X 凝縮器室
5 第1流路
6 第2流路
7 第3流路
8 第4流路
9 第5流路
10 第1バルブ
11 第2バルブ
12 第3バルブ
13 第4バルブ
20 吸着剤
21 冷媒
21X 気相の冷媒
21Y 液相の冷媒
22、23 吸着器用配管
24 冷却水
25 温水
26 蒸発器用配管
27 冷熱用循環水
28 凝縮器用配管
29 冷却水
30 ヒートポンプ
31 弁体
32 弁座
32A、32B 環状部材
32X 溝
32Y 開口部
33 ガイドピン
34 加熱・冷却手段
35 弁座用配管
40 仕切壁
40A 開口部
41 断熱材
50 制御手段
51 バルブ
52 第1センサ
53 第2センサ
60 電子機器
61 CPU
62 コールドプレート
63 空調機器(ドライコイル)
64 ファン
65 クーリングタワー

Claims (6)

  1. 冷媒を吸脱着しうる吸着器と、
    前記冷媒を蒸発させる蒸発器と、
    前記冷媒を凝縮させる凝縮器と、
    前記吸着器と前記蒸発器との間に設けられ、気相の冷媒が流れる第1流路と、
    前記吸着器と前記凝縮器との間に設けられ、気相の冷媒が流れる第2流路と、
    前記第1流路に設けられ、前記第1流路を開閉する第1バルブと、
    前記第2流路に設けられ、前記第2流路を開閉する第2バルブとを備え、
    前記第1バルブ及び前記第2バルブの少なくとも一方は、気相の冷媒の圧力差によって開閉する弁体と、弁座と、前記弁座を加熱又は冷却するための加熱・冷却手段とを備えることを特徴とする吸着式ヒートポンプ。
  2. 前記加熱・冷却手段として、前記弁座に設けられ、温水又は冷却水を流すための弁座用配管を備えることを特徴とする、請求項1に記載の吸着式ヒートポンプ。
  3. 前記加熱・冷却手段として、前記弁座に設けられた電気ヒータを備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載の吸着式ヒートポンプ。
  4. 前記吸着器に温水又は冷却水を流すための吸着器用配管と、
    前記凝縮器に冷却水を流すための凝縮器用配管とを備え、
    前記弁座用配管が、前記吸着器用配管又は前記凝縮器用配管に接続されていることを特徴とする、請求項2又は3に記載の吸着式ヒートポンプ。
  5. 前記弁座を加熱又は冷却するタイミングを制御する制御手段を備えることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の吸着式ヒートポンプ。
  6. 電子機器と、
    前記電子機器から発せられる熱を利用して作動する吸着式ヒートポンプとを備え、
    前記吸着式ヒートポンプは、
    冷媒を吸脱着しうる吸着器と、
    前記冷媒を蒸発させる蒸発器と、
    前記冷媒を凝縮させる凝縮器と、
    前記吸着器と前記蒸発器との間に設けられ、気相の冷媒が流れる第1流路と、
    前記吸着器と前記凝縮器との間に設けられ、気相の冷媒が流れる第2流路と、
    前記第1流路に設けられ、前記第1流路を開閉する第1バルブと、
    前記第2流路に設けられ、前記第2流路を開閉する第2バルブとを備え、
    前記第1バルブ及び前記第2バルブの少なくとも一方は、気相の冷媒の圧力差によって開閉する弁体と、弁座と、前記弁座を加熱又は冷却するための加熱・冷却手段とを備えることを特徴とする情報処理システム。
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