JP2016080267A - 吸収式ヒートポンプ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】粘度が高い吸収液を用いる場合にも、吸収部材に吸収液を十分に塗布して吸収液により冷媒蒸気を十分に吸収させることが可能な吸収式ヒートポンプ装置を提供する。【解決手段】この吸収式ヒートポンプ装置では、吸収器40は、吸収液が貯留される上側貯留部41aおよび下側貯留部41bを含む容器41と、上側貯留部41a内および下側貯留部41b内を移動させることによって塗布された吸収液により冷媒蒸気が吸収される板状の吸収部材42と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、吸収式ヒートポンプ装置に関する。
従来、液膜を形成するように構成された熱交換器が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、垂直に配置された伝熱管と、伝熱管の上端開口に設けられた液膜形成用キャップと、液膜形成用キャップの上方に設けられ、液体が貯留される分配室とを備える、流下液膜式熱交換器が開示されている。この流下液膜式熱交換器の液膜形成用キャップの周壁には、切欠部が形成されており、この切欠き部を分配室の液体が通過することにより、液体に旋回流を生じさせるように構成されている。これにより、旋回する液体によって液膜形成用キャップの下方の伝熱管の内壁に均一な液膜が形成されて、液膜が効率よく蒸発するように構成されている。
特開2011−257065号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された流下液膜式熱交換器では、切欠き部を分配室の液体が通過することにより、液体に旋回流を生じさせるように構成されているものの、液体の粘度が高い場合など液体によっては十分に旋回流を生じさせることができない場合がある。この場合、伝熱管の内壁に液膜が不均一に形成されたり、伝熱管の内壁の一部に液膜が形成されなかったりする。つまり、上記特許文献1に記載された流下液膜式熱交換器では、液膜の形成が不十分になるという不都合がある。
この結果、上記特許文献1に記載された流下液膜式熱交換器の構成を、冷媒蒸気が吸収液により吸収される吸収式ヒートポンプ装置に適用した場合には、吸収部材に吸収液が十分に塗布されないことに起因して、吸収液において冷媒蒸気が吸収される吸収面積が小さくなり、その結果、吸収液により冷媒蒸気を十分に吸収させることができないという問題点がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、粘度が高い吸収液を用いる場合にも、吸収部材に吸収液を十分に塗布して吸収液により冷媒蒸気を十分に吸収させることが可能な吸収式ヒートポンプ装置を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の一の局面における吸収式ヒートポンプ装置は、冷媒蒸気を吸収液により吸収する吸収式ヒートポンプ装置であって、吸収液が貯留される吸収液貯留部を含む容器と、吸収液貯留部内を移動させることによって塗布された吸収液により、冷媒蒸気が吸収される板状の吸収部材と、を備える。
この発明の一の局面による吸収式ヒートポンプ装置では、上記のように、板状の吸収部材を吸収液貯留部内を移動させることによって板状の吸収部材に吸収液を塗布するとともに、塗布された吸収液により冷媒蒸気が吸収されるように構成する。これにより、板状の吸収部材を吸収液貯留部内を移動させることによって、吸収液の粘度が高い場合であっても、吸収部材の移動に伴って、吸収液貯留部内の吸収液が板状の吸収部材に随伴されながら全体に広がるので、吸収部材に吸収液を十分に塗布することができる。この結果、吸収液において冷媒蒸気が吸収される吸収面積が小さくなるのを抑制することができる。また、吸収部材を板状に形成することによって、板状の吸収部材に塗布された吸収液と冷媒蒸気との接触面積(吸収面積)を容易に大きくすることができる。これらの結果、吸収液により冷媒蒸気を十分に吸収させることができる。
上記一の局面による吸収式ヒートポンプ装置において、好ましくは、容器は、板状部材に塗布された吸収液により冷媒蒸気が吸収される吸収部をさらに含み、吸収液貯留部の吸収部側に設けられ、板状の吸収部材に塗布された吸収液の一部を除去することによって、塗布された吸収液の厚みを小さくする薄膜形成部をさらに備える。ここで、冷媒蒸気が吸収部材の塗布された吸収液に吸収される際には、冷媒蒸気の熱も吸収液に吸収される。そのため、吸収液の温度が上昇して、冷媒蒸気が吸収液に吸収されにくくなる。そこで、本発明では、薄膜形成部により吸収部材に塗布された吸収液の厚みを小さくすることによって、吸収液の熱を迅速に吸収部材に伝達することができるので、吸収液の温度が高くなるのを抑制することができる。これにより、冷媒蒸気の熱に起因して冷媒蒸気が吸収液に吸収されにくくなるのを抑制することができる。また、吸収液の厚みを小さくすることによって、吸収液内での冷媒の拡散(物質拡散性)を向上させることができるので、吸収液による冷媒蒸気の吸収効率を向上させることができる。
上記一の局面による吸収式ヒートポンプ装置において、好ましくは、吸収液貯留部内における板状の吸収部材の移動経路の近傍に配置され、冷却水が流通する熱交換部をさらに備える。このように構成すれば、熱交換部を流通する冷却水により、吸収液貯留部の吸収液に加えて、熱交換部近傍を移動する板状の吸収部材も冷却することができる。これにより、吸収液と板状の吸収部材との温度が高くなるのを抑制することができるので、冷媒蒸気が吸収液に吸収されにくくなるのを効果的に抑制することができる。
上記一の局面による吸収式ヒートポンプ装置において、好ましくは、吸収液貯留部は、容器の上部に形成された第1吸収液貯留部と、容器の下部に形成された第2吸収液貯留部とを含み、板状の吸収部材は、第1吸収液貯留部と第2吸収液貯留部との間を移動するように構成されている。このように構成すれば、容器の上部の下部との両方において新たな吸収液を板状の吸収部材に塗布することができるので、短い周期で新たな吸収液を板状の吸収部材に塗布することができる。これにより、冷媒蒸気の吸収効率が低い吸収液の希液が長い間吸収部材上に位置するのを抑制することができるので、冷媒蒸気が吸収液に吸収されにくくなるのを効果的に抑制することができる。
上記一の局面による吸収式ヒートポンプ装置において、好ましくは、板状の吸収部材は、板状の金属箔から構成されている。このように構成すれば、板状の吸収部材の熱伝導性を向上させることができるので、吸収液の熱を迅速に逃がすことができる。これにより、冷媒蒸気の熱に起因して冷媒蒸気が吸収液に吸収されにくくなるのを抑制することができる。
なお、本出願では、上記一の局面による吸収式ヒートポンプ装置とは別に、以下のような構成も考えられる。
(付記項1)
すなわち、本出願の他の構成による吸収式ヒートポンプ装置は、板状の吸収部材は、複数回折り返された移動経路上をループ状に循環するように構成されている。
(付記項2)
また、上記吸収液貯留部が第1吸収液貯留部と第2吸収液貯留部とを含む構成において、好ましくは、容器の上部に形成された第1吸収液貯留部に、吸収液の濃液が供給されるように構成されている。
(付記項3)
また、上記薄膜形成部をさらに備える構成において、好ましくは、吸収液貯留部は、容器の上部に形成された第1吸収液貯留部と、容器の下部に形成された第2吸収液貯留部とを含み、薄膜形成部は、第1吸収液貯留部の吸収部側、および、第2吸収液貯留部の吸収部側にそれぞれ設けられ、塗布された吸収液の一部を除去することによって、塗布された吸収液の厚みを小さくする第1薄膜形成部および第2薄膜形成部を含む。
本発明によれば、上記のように、粘度が高い吸収液を用いる場合にも、吸収部材に吸収液を十分に塗布して吸収液により冷媒蒸気を十分に吸収させることができる。
本発明の一実施形態による吸収式ヒートポンプ装置の全体構成を示した模式図である。 本発明の一実施形態による吸収式ヒートポンプ装置における吸収器の内部構造を示した斜視図である。 図2の200−200線に沿った断面図である。 図3の210−210線に沿った断面図である。 本発明の一実施形態による吸収式ヒートポンプ装置における上側貯留部の吸収部側(下側)の拡大断面図である。 本発明の一実施形態による吸収式ヒートポンプ装置における下側貯留部の吸収部側(上側)の拡大断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
まず、図1を参照して、本発明の一実施形態による吸収式ヒートポンプ装置100の全体構成について説明する。本実施形態による吸収式ヒートポンプ装置100では、冷媒としての水と、吸収液としての臭化リチウム(LiBr)水溶液とが用いられる。また、吸収式ヒートポンプ装置100は、エンジン(内燃機関)90を備えた乗用車、バスおよびトラックなどの車輌に搭載され、車内の空調システムに適用されている。
吸収式ヒートポンプ装置100は、図1に示すように、再生器10(図1の2点鎖線枠内の部分)と、凝縮器20と、蒸発器30と、吸収器40とを備えている。再生器10は、吸収液から冷媒蒸気(高温水蒸気)を分離する役割を有する。また、凝縮器20は、冷房運転時に、気液分離部12で分離された冷媒蒸気を凝縮(液化)させる役割を有する。また、蒸発器30は、冷房運転時に、凝縮水となった冷媒を低温低圧の条件下で蒸発(気化)させる役割を有する。また、吸収器40は、吸収液(LiBr濃液が水により希釈されたLiBr水溶液)に蒸発器30で気化した冷媒蒸気(低温水蒸気)を吸収させる役割を有する。なお、LiBr濃液は、本発明の「吸収液」の一例であり、水は、本発明の「冷媒」の一例である。
再生器10は、吸収液を加熱する加熱部11と、加熱された吸収液から冷媒蒸気(高温水蒸気)を分離する気液分離部12とを含んでいる。加熱部11は、たとえば、プレート式熱交換器であり、車輌(図示せず)のエンジン90から引き回された排気ガス管91を流通する高温(約300℃以上約400℃以下)の排気ガスと、吸収液とが熱交換されるように構成されている。なお、排気ガス管91は、加熱部11を経由する熱供給管路91aと、加熱部11を経由しない迂回管路91bとを含んでいる。また、エンジン90と加熱部11との間の熱供給管路91aには弁92が設けられている。この弁92が冷房運転時および暖房運転時に開かれることによって、エンジン90から排出された排気ガスの一部が加熱部11に流通されるように構成されている。
再生器10の気液分離部12は、加熱部11により加熱された吸収液から冷媒蒸気(高温水蒸気)を分離する機能を有する。
蒸発器30は、容器31内部に設置された熱交換部32と、容器31内部の天井部近傍に取り付けられた噴射器33とを含んでいる。また、蒸発器30の外部では、冷媒貯留部31aと噴射器33とを接続する冷媒移送管路34にポンプ35が設けられている。これにより、冷媒貯留部31aの冷媒(水)がポンプ35により汲み上げられて噴射器33から下方の熱交換部32に向けて霧状に噴射されるように構成されている。したがって、冷房運転時には、送風機36により送風された吸込空気は、熱交換部32を通過する際に上方から噴霧された冷媒(水)が蒸発して冷媒蒸気(低温水蒸気)になる際の気化熱を利用して冷却される。そして、冷却された空気(冷風)は、車内に吹き出される。
また、吸収式ヒートポンプ装置100は、吸収液循環管路51aおよび51bからなる循環通路部51と、冷媒蒸気移送管路52a、52bおよび53と、冷媒移送管路54と、吸収液移送管路55および56と、冷媒供給管路57および58とを備えている。
循環通路部51は、吸収液を吸収器40に流通させることなく吸収液を加熱部11と気液分離部12との間で矢印P方向に沿って循環させる役割を有する。吸収液循環管路51aには、吸収液の濃液を循環通路部51内で循環させるポンプ71が設けられている。吸収液循環管路51aから吸収器40側へ分岐する吸収液移送管路55は、吸収器40に吸収液の濃液を供給する役割を有する。なお、吸収液移送管路55には、循環通路部51を循環する吸収液が吸収器40側に流入するのを所定の条件下で遮断する弁61が設けられている。
吸収液移送管路56は、吸収器40において冷媒蒸気が吸収された状態で貯留される吸収液の希液を再生器10(循環通路部51)に供給する役割を有する。また、吸収液移送管路56には、吸収液を循環通路部51に供給するポンプ72と、吸収液が循環通路部51に流入するのを所定の条件下で遮断する弁62とが設けられている。
したがって、吸収式ヒートポンプ装置100では、冷房運転開始直後に、弁61および弁62を閉じた状態でポンプ71が始動されて吸収液を循環通路部51のみを循環させて加熱部11を用いて迅速に昇温させる。これにより、気液分離部12において効率的に吸収液から冷媒蒸気が分離される。そして、気液分離部12で分離された冷媒蒸気が所定温度に達したところで弁61および弁62が開かれるとともにポンプ72が始動される。これにより、昇温された吸収液の一部(気液分離部12に貯留されたLiBr濃液)が吸収液移送管路55および56にも矢印Q方向に流通されて、冷房サイクルが形成される。なお、暖房運転時には、運転期間中、弁61および弁62は常に閉じられており吸収器40は使用されない。一方、暖房運転開始直後に循環通路部51を循環させた吸収液の昇温動作は行われて、気液分離部12で分離された冷媒蒸気(高温水蒸気)が蒸発器30(この場合は凝縮器)に流入される。
また、吸収式ヒートポンプ装置100は、吸収液移送管路55を流通する吸収液と、吸収液移送管路56を流通する吸収液との熱交換を図るための熱交換器(プレート式熱交換器)59を備えている。熱交換器59は、いわゆる「液−液熱交換器」であり、冷房運転時に、気液分離部12から吸収器40に向かって流れる吸収液の濃液の熱を、吸収器40から循環通路部51に向かって流れる吸収液の希液に付与することによって、吸収器40に流入する吸収液の濃液の温度を低下させる役割を有している。これにより、温度の高い吸収液の濃液が吸収器40に供給されるのを抑制することができるので、後述する吸収部材42に塗布された吸収液に冷媒蒸気が吸収されにくくなるのを抑制することが可能である。
冷媒供給管路57は、暖房運転時に蒸発器30に貯留された冷媒(凝縮水)を直接的に循環通路部51に供給するために設けられている。冷媒供給管路57には、蒸発器30に貯留された冷媒(凝縮水)を循環通路部51に供給するポンプ73と、弁63とが設けられている。弁63は、ポンプ73が停止される際に閉じられることにより、循環通路部51の吸収液が冷媒供給管路57を逆流して蒸発器30に流入(混入)するのを遮断する役割を有する。
冷媒蒸気移送管路52aは、気液分離部12からの冷媒蒸気を凝縮器20や吸収器40に供給するために設けられている。冷媒蒸気移送管路52bは、気液分離部12で分離された冷媒蒸気を直接的に蒸発器30に流入させるために設けられている。具体的には、冷媒蒸気移送管路52bは、冷媒蒸気移送管路52aから分岐した後、蒸発器30および吸収器40を接続する冷媒蒸気移送管路53に接続されている。なお、冷媒蒸気移送管路53に対する冷媒蒸気移送管路52bの合流部分には、蒸発器30と吸収器40とを結ぶ冷房運転用流路と、気液分離部12と蒸発器30とを結ぶ暖房運転用流路とを切替可能な三方弁64が設けられている。また、冷媒蒸気移送管路52aには、暖房運転時に、気液分離部12により分離された冷媒蒸気が凝縮器20に流入するのを遮断する弁65が設けられている。
冷媒移送管路54には、冷房運転時には開かれ暖房運転時には閉じられる弁66が設けられている。暖房運転時に、三方弁64が気液分離部12と蒸発器30とを結ぶ第2流路(冷媒蒸気が冷媒蒸気移送管路52bを流通する流路)側に切り替えられ、かつ、弁65および弁66が共に閉じられた場合、凝縮器20がサイクルから切り離される。したがって、暖房運転時には、気液分離部12で分離された冷媒蒸気のほぼ全てが冷媒蒸気移送管路52bから蒸発器30に流入されるように構成されている。
冷媒供給管路58は、凝縮器20に貯留された冷媒(凝縮水)を直接的に吸収器40に供給するために設けられている。冷媒供給管路58には、弁67が設けられており、弁67が冷房運転後の装置停止時に開かれることにより、凝縮器20の冷媒(水)の一部が吸収器40に供給されて吸収器40内に貯留される吸収液を含む全ての吸収液が希釈される。これにより、吸収式ヒートポンプ装置100が停止していても、循環通路部51や吸収液移送管路55および56を含めた装置内各部に滞留する吸収液が結晶化するのが防止されている。
また、吸収式ヒートポンプ装置100は、冷房運転時にのみ駆動される冷却水回路部80を備えている。冷却水回路部80は、凝縮器20における冷媒蒸気の冷却と、吸収器40における冷媒の吸収液への吸収時に発生する吸収熱の冷却とを行う機能を有する。詳細には、冷却水回路部80は、冷却水が流通する循環管路81と、冷却水を循環させるポンプ82と、凝縮器20内部に配置された熱交換器83と、吸収器40内部に配置された熱交換部43(図2参照)と、冷却水冷却部84とを含んでいる。熱交換器83は、冷媒蒸気と冷却水とを熱交換させて冷媒蒸気を冷却する役割を有する。また、熱交換部43は、吸収熱が発生した吸収液と冷却水とを熱交換させて吸収液を冷却する役割を有する。冷却水冷却部84では、熱交換器84aを流通する冷却水が送風機84bにより送風された空気(外気)によって冷却される。
次に、図1〜図6を参照して、本実施形態の吸収器40の構造について説明する。
吸収器40は、図2および図3に示すように、上側貯留部41aおよび下側貯留部41bを有する容器41と、吸収液が塗布される板状(帯状)の吸収部材42と、複数(7つ)の熱交換部43とを含んでいる。また、吸収部材42と熱交換部43とは、容器41内に配置されている。なお、上側貯留部41aは、本発明の「吸収液貯留部」および「第1吸収液貯留部」の一例であり、下側貯留部41bは、本発明の「吸収液貯留部」および「第2吸収液貯留部」の一例である。
吸収部材42は、幅方向(Y方向)に延びるとともに、後述する複数回折り返す移動経路上で帯状(板状)に延びるように形成されている。また、吸収部材42は、板状の金属箔から構成されている。なお、金属箔としては、軽量で熱伝導性の高い金属材料が好ましく、たとえば、銅箔やアルミニウム箔からなるのが好ましい。また、金属箔の厚みt(図5および図6参照)は、0.2mm程度の厚みであるのが好ましい。
容器41は、上下方向(Z方向)に長い直方体の外観形状を有している。上側貯留部41aは、容器41のZ1側の上部に設けられており、下側貯留部41bは、容器41のZ2側の下部に設けられている。この上側貯留部41aおよび下側貯留部41bには、共に、冷媒蒸気が吸収された吸収液(LiBr水溶液)が貯留されている。
また、上側貯留部41aの上端面(容器41の上端面)および下側貯留部41bの下端面(容器41の下端面)には、それぞれ、供給口41cおよび排出口41dが設けられている。供給口41cには、図1に示すように、吸収液移送管路55を介して再生器10から吸収液の濃液が供給される。排出口41dからは、吸収液移送管路56を介して再生器10に吸収液の希液が排出される。この結果、上側貯留部41aに貯留される吸収液(LiBr水溶液)におけるLiBrの濃度は、下側貯留部41bに貯留される吸収液におけるLiBrの濃度よりも大きい。なお、下側貯留部41bには、後述するように吸収部材42を介して、吸収液が上側貯留部41aから供給されるように構成されている。また、冷媒蒸気(水蒸気)を吸収する吸収液は、水の約7倍から約8倍程度の高い粘度を有しており、いわゆる高粘度溶液である。
また、図2〜図4に示すように、上側貯留部41aと下側貯留部41bとの間には、吸収部41eが形成されている。この吸収部41eには、図4に示すように、容器41のY1側の側面部に形成された開口部41fを介して冷媒蒸気移送管路53の冷媒蒸気が導入されるように構成されている。そして、吸収部41eでは、吸収部材42に塗布された吸収液より冷媒蒸気が吸収されるように構成されている。なお、開口部41fは、図2および図3に示すように、X方向に長い矩形形状を有しており、吸収部41eの上側において、X1側の端部近傍からX2側の端部近傍まで大きく開口するように構成されている。
また、上側貯留部41aの吸収部41e側の境界部分(下端)には、X方向に沿って、5つのヘラ部材44aと、4つの円柱状の従動ローラ45aとが交互に配置されている。ヘラ部材44aと従動ローラ45aとは、共に、Y方向に一様に延びるように形成されている。そして、図5に示すように、ヘラ部材44aと従動ローラ45aとは、所定のクリアランスC1を介して互いに離間している。
また、図2および図3に示すように、下側貯留部41b内には、3つの従動ローラ45bと、1つの従動ローラ45cと、板状の吸収部材42を移動させるための駆動ローラ45dとが配置されている。従動ローラ45b、45cおよび駆動ローラ45dは、共に、Y方向に一様に延びるように形成されている。
従動ローラ45bは、それぞれ、Y方向から見て、X方向に隣接する一対の従動ローラ45aの間に配置されているとともに、互いに略同じ高さ位置(Z方向において略同じ位置)に配置されている。また、従動ローラ45cおよび駆動ローラ45dは、Y方向から見て、X1側およびX2側の端部にそれぞれ位置する従動ローラ45aの略直下にそれぞれ配置されている。また、従動ローラ45cおよび駆動ローラ45dは、従動ローラ45bよりも下方で、かつ、互いに略同じ高さ位置に配置されている。
駆動ローラ45dは、図示しない駆動部に接続されており、駆動部の回転駆動力より回転方向に回転するように構成されている。なお、駆動部は、容器41内に吸収液から隔離した状態で配置してもよいし、容器41の外部に配置してもよい。
ここで、本実施形態では、板状の吸収部材42は、従動ローラ45a〜45cおよび駆動ローラ45dによりガイドされながら移動されることによって、上側貯留部41a内と、下側貯留部41b内と、上側貯留部41aと下側貯留部41bとの間の吸収部41e内とを移動するような移動経路上を移動するように構成されている。さらに、板状の吸収部材42は、上側貯留部41aと下側貯留部41bとで複数回折り返しながら移動するようなループ状の移動経路上を移動するように構成されている。
次に、図2、図3、図5および図6を参照して、吸収部材42の具体的な移動経路について説明する。
図2および図3に示すように、吸収部材42は、駆動ローラ45dにより駆動力が加えられることによって、下側貯留部41b内を上方(Z1方向)に向かって移動し、下側貯留部41bの吸収液内から出る。ここで、下側貯留部41b内における吸収部材42の移動に伴って、下側貯留部41b内の吸収液が板状の吸収部材42に随伴されながら全体に広がる。これにより、下側貯留部41bの吸収液内から出る際に、吸収液が吸収部材42のX方向の両表面に十分に塗布される。この際、後述するヘラ部材44bおよび44cにより、吸収部材42の両表面に塗布される吸収液の厚みがそれぞれt1(図6参照)になるように調整される。
そして、吸収部材42は、吸収部41eを上方に向かって移動する。この際、吸収部41e内の冷媒蒸気が吸収部材42に塗布された吸収液によって吸収される。これにより、冷媒蒸気の熱により吸収部材42に塗布された吸収液の温度が上昇するとともに、冷媒蒸気が冷媒(水)として吸収される分、吸収液(LiBr水溶液)におけるLiBrの濃度が小さくなる。また、吸収液に吸収される冷媒(冷媒蒸気)により、吸収液の体積が大きくなり、その結果、吸収部材42の両表面の吸収液の厚みがそれぞれt1からt2(図5参照)に大きくなる。この結果、吸収部材42に塗布された吸収液は、冷媒により希釈されて希液となる。
そして、吸収部材42は、上側貯留部41aに到達する。この際、吸収部材42は、上側貯留部41a内を移動しつつ、従動ローラ45aにより上方に移動している状態から下方(Z2方向)に移動するように折り返される。そして、吸収部材42は下方に向かって移動して、上側貯留部41aの吸収液内から出る。ここで、下側貯留部41bの場合と同様に、上側貯留部41a内における吸収部材42の移動に伴って、上側貯留部41a内の吸収液が板状の吸収部材42に随伴されながら全体に広がる。これにより、上側貯留部41aの吸収液内から出る際に、吸収部材42の両表面に新たに吸収液が十分に塗布される。これにより、吸収部材42のX方向の両表面は、冷媒蒸気を吸収したことに起因して温度が高く、かつ、LiBrの濃度の小さい吸収液の希液が位置する状態から、温度が低く、かつ、LiBrの濃度の大きい吸収液の濃液が位置する状態になる。この際、後述するヘラ部材44aにより、吸収部材42の両表面に塗布される吸収液の厚みがt3(図5参照)になるように調整される。
そして、吸収部材42は、吸収部41eを下方に向かって移動する。この際、吸収部材42が吸収部41eを上方に向かって移動する場合と同様に、吸収部41e内の冷媒蒸気が、吸収部材42に塗布された吸収液によって吸収される。これにより、吸収部材42に塗布された吸収液の温度が上昇するとともに、吸収液におけるLiBrの濃度が小さくなる。また、吸収部材42の吸収液の両表面の厚みがそれぞれt3からt4(図6参照)に大きくなる。この結果、吸収部材42に塗布された吸収液は希液となる。
そして、吸収部材42は、下側貯留部41bに到達して、下側貯留部41b内を下方に移動する。その後、吸収部材42は、下側貯留部41b内において、従動ローラ45bにより下方に移動する状態から上方に移動するように折り返される。そして、吸収部材42は上方に向かって移動して、下側貯留部41bの吸収液内から出る。この際、下側貯留部41bにおいて、新たに吸収液が塗布される。
そして、吸収部材42は、上記したような上側貯留部41aへの移動と下側貯留部41bへの移動とを複数回(2回)繰り返す。そして、吸収部材42は、再度上側貯留部41aへ移動された後に、吸収部41eおよび下側貯留部41bを下方に向かって移動されることによって、X1側の従動ローラ45cまで移動される。そして、下側貯留部41b内において、吸収部材42は、従動ローラ45cにより、下方に移動する状態からX2方向に移動するように折り返される。その後、吸収部材42は、X2側の駆動ローラ45dまで移動される。そして、吸収部材42は、駆動ローラ45dにより再度駆動力が加えられるとともに、X2方向に移動する状態から上方に移動するように折り返される。
このように、板状の吸収部材42は、上記したX方向およびZ方向に移動する一連の移動経路を連続的に移動することによって、複数回折り返された移動経路上をループ状に循環するように構成されている。そして、板状の吸収部材42において、塗布された吸収液による冷媒蒸気の吸収と、新たな吸収液の塗布とが交互に連続的に行われるように構成されている。
また、吸収部材42が移動経路上をループ状に循環ことによって、吸収液は、吸収部材42を介して、上側貯留部41aから下側貯留部41bに供給されるとともに、下側貯留部41bから上側貯留部41aに供給されるように構成されている。つまり、吸収部材42が移動経路を連続的に移動することによって、吸収液が上側貯留部41aと下側貯留部41bとで循環するように構成されている。
また、吸収部材42が移動経路を移動する際の駆動ローラ45dの回転速度は、吸収部材42に塗布された吸収液の温度上昇が小さい段階で、新たな吸収液が上側貯留部41aまたは下側貯留部41bで塗布されるような回転速度に設定されている。なお、駆動ローラ45dの回転速度は、吸収液の温度や吸収液におけるLiBrの濃度、吸収部41eに供給される冷媒蒸気の量などのパラメータに応じて変更するように制御してもよい。
また、図5に示すように、板状の吸収部材42が上側貯留部41aに到達する際、および、上側貯留部41aから出る際には、吸収部材42は、ヘラ部材44aと従動ローラ45aとの間を通過するように構成されている。ここで、ヘラ部材44aと従動ローラ45aとの間のクリアランスC1は、吸収部材42の厚みtよりも大きいとともに、吸収部材42の両表面に塗布される吸収液の厚みが所定の厚みt3になるように調整されている。
この結果、吸収部材42が上側貯留部41aに到達する際には、ヘラ部材44aのX2側の端部により、吸収部材42の吸収液の希液の一部がそぎ落とされることによって除去されて、吸収液の厚みt2が小さくなるように構成されている。また、吸収部材42が上側貯留部41aから出る際には、ヘラ部材44aのX1側の端部により、吸収部材42に新たに塗布された吸収液(濃縮)の厚みが所定の厚みt3に調整されてヘラ部材44aと従動ローラ45aとの間から出てくるように構成されている。なお、ヘラ部材44aは、本発明の「薄膜形成部」および「第1薄膜形成部」の一例である。
また、ヘラ部材44aは、Y方向側から見て、X方向の両端部が下方(吸収部41e側)に向かって曲げられた逆U字形状を有している。これにより、吸収部材42が上側貯留部41aに到達する際には、吸収部材42の一部を効率的にそぎ落とすことができ、吸収部材42が上側貯留部41aから出る際には、確実に、吸収液(濃縮)を吸収部材42に新たに塗布することが可能である。
また、図2および図3に示すように、下側貯留部41bの吸収部41e側の境界部分には、X方向に沿って、5つのヘラ部材44bと、4つのヘラ部材44cとが交互に配置されている。このヘラ部材44bおよび44cは、共に、Y方向に一様に延びるように形成されている。そして、ヘラ部材44bとヘラ部材44cとは、図6に示すように、所定のクリアランスC2を介して互いに離間している。
ヘラ部材44bは、Y方向側から見て、X1側の端部が上方(Z1側)に向かって曲げられるとともに、X2側の端部が下方(Z2側)に向かって曲げられた形状を有している。また、ヘラ部材44cは、Y方向側から見て、X1側の端部が下方に向かって曲げられるとともに、X2側の端部が上方に向かって曲げられた形状を有している。つまり、ヘラ部材44bとヘラ部材44cとは、略鏡像対称になるように形成されている。
また、板状の吸収部材42が下側貯留部41bに到達する際には、吸収部材42は、下方に向かって曲げられたヘラ部材44bのX2側の端部とヘラ部材44cのX1側の端部との間を通過するように構成されている。また、吸収部材42が下側貯留部41bから出る際には、吸収部材42は、上方に向かって曲げられたヘラ部材44bのX1側の端部と、ヘラ部材44cのX2側の端部との間を通過するように構成されている。
この結果、吸収部材42が下側貯留部41bに到達する際には、下方に向かって曲げられたヘラ部材44bのX2側の端部およびヘラ部材44cのX1側の端部により、吸収部材42の吸収液の希液の一部がそぎ落とされることによって除去されて、吸収液の厚みt4が小さくなるように構成されている。また、吸収部材42が下側貯留部41bから出る際には、ヘラ部材44bのX1側の端部およびヘラ部材44cのX2側の端部により、吸収部材42に新たに塗布された吸収液(濃縮)の厚みが所定の厚みt1(=(C2−t)/2)に調整されてヘラ部材44bとヘラ部材44cとの間から出てくるように構成されている。なお、ヘラ部材44bおよび44cは、本発明の「薄膜形成部」および「第2薄膜形成部」の一例である。
この際、吸収液の粘度が高いので、吸収部材42が下側貯留部41bから出る際には、上方に移動する吸収部材42に吸収液が引っ張られて吸収部材42周辺の吸収液の液面が上昇する。しかしながら、ヘラ部材44bのX1側の端部およびヘラ部材44cのX2側の端部により、吸収部材42の吸収液の一部を確実に除去することが可能である。
また、吸収部材42の移動経路のX1側の端部は、容器41の開口部41fのX1側の端部よりもX2側に位置している。同様に、吸収部材42の移動経路のX2側の端部は、容器41の開口部41fのX2側の端部よりもX1側に位置している。つまり、開口部41fは、吸収部材42の移動経路よりもX方向に大きくなるように開口している。この結果、開口部41fからの冷媒蒸気を吸収部材42の吸収液により効率的に吸収させることが可能である。
また、図2および図3に示すように、複数(7つ)の熱交換部43は、下側貯留部41b内の従動ローラ45bよりも上方に配置されている。また、熱交換部43は、X方向に所定の間隔D(図6参照)を隔てて並ぶように配置されている。また、熱交換部43は、X方向およびZ方向に沿った断面がZ方向に長い略矩形状になるように形成されている。
熱交換部43は、図4に示すように、下側貯留部41b内においてY方向に延びるように配置されている。また、熱交換部43は、中空状であり、内部には、冷却水が流通する冷却水通路部43aが形成されている。
また、容器41のY方向の両外側面の下部には、それぞれ、冷却水貯留部46aおよび46bが取り付けられている。そして、熱交換部43のY1側の開口部およびY2側の開口部は、それぞれ、冷却水貯留部46aおよび46bと接続されている。なお、Y1側の冷却水貯留部46aには、冷却水冷却部84(図1参照)からの冷却水が流入する流入口46cが設けられているとともに、Y2側の冷却水貯留部46bには、凝縮器20(図1参照)に冷却水を流出する流出口46dが設けられている。
これにより、冷却水冷却部84において冷却された冷却水は、流入口46cおよび冷却水貯留部46aを介して、熱交換部43の冷却水通路部43aを流通する。これにより、下側貯留部41b内の吸収液と冷却水との間の熱交換と、吸収液を介した下側貯留部41b内の吸収部材42と冷却水との間の熱交換とが行われる。そして、吸収液および吸収部材42の熱により暖められた冷却水は、冷却水貯留部46bおよび流出口46dを介して、凝縮器20に流出する。このような熱交換が行われることによって、吸収液および吸収部材42が冷却されるように構成されている。なお、この熱交換部43における熱交換は、吸収液と冷却液との液−液熱交換であるため、気−液熱交換と比べて、効率的に熱交換を行うことが可能である。
また、下側貯留部41bにおいて、板状の吸収部材42は、X方向に隣接する熱交換部43の間を移動するように構成されている。つまり、吸収部材42の移動経路の近傍に熱交換部43が配置されているとともに、熱交換部43に挟まれた領域を吸収部材42が移動するように構成されている。これにより、吸収部材42と熱交換部43との間で効率的に熱交換を行うことが可能である。
さらに、吸収部材42が下側貯留部41b内を移動することによって、吸収部材42周辺の吸収液は、移動する吸収部材42に随伴される(引っ張られる)。その結果、下側貯留部41b内の吸収液に、吸収部材42と同一の方向に移動するような流れを形成することが可能である。ここで、熱交換部43に挟まれた領域を吸収部材42が移動することにより、熱交換部43同士の間に吸収液の流れを形成することができるので、熱交換部43と吸収液との熱交換の効率をさらに向上させることが可能である。
上記実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
本実施形態では、上記のように、板状の吸収部材42を上側貯留部41a内および下側貯留部41b内を移動させることによって板状の吸収部材42に吸収液を塗布するとともに、塗布された吸収液により冷媒蒸気(水蒸気)が吸収されるように構成する。これにより、吸収液の粘度が高い場合であっても、吸収部材42の移動に伴って、上側貯留部41a内および下側貯留部41b内の吸収液が板状の吸収部材42に随伴されながら全体に広がるので、吸収部材42に吸収液を十分に塗布することができる。この結果、吸収液において冷媒蒸気が吸収される吸収面積が小さくなるのを抑制することができる。また、吸収部材42を板状に形成することによって、板状の吸収部材42に塗布された吸収液と冷媒蒸気との接触面積(吸収面積)を容易に大きくすることができる。これらの結果、吸収液により冷媒蒸気を十分に吸収させることができる。
また、本実施形態では、上側貯留部41aの吸収部41e側の境界部分に、板状の吸収部材42に塗布された吸収液の一部を除去することによって、塗布された吸収液の厚みを小さくするヘラ部材44aを設ける。また、下側貯留部41bの吸収部41e側の境界部分に、板状の吸収部材42に塗布された吸収液の一部を除去することによって、塗布された吸収液の厚みを小さくするヘラ部材44bおよび44cを設ける。これにより、吸収液の熱を迅速に吸収部材42に伝達することができるので、吸収液の温度が高くなるのを抑制することができる。これにより、冷媒蒸気の熱に起因して冷媒蒸気が吸収液に吸収されにくくなるのを抑制することができる。また、吸収液の厚みを小さくすることによって、吸収液内での冷媒(水)の拡散(物質拡散性)を向上させることができるので、吸収液による冷媒蒸気の吸収効率を向上させることができる。
また、本実施形態では、下側貯留部41b内において、板状の吸収部材42の移動経路の近傍に冷却水が流通する冷却水通路部43aを有する熱交換部43を配置することによって、熱交換部43を流通する冷却水により、下側貯留部41bの吸収液に加えて、熱交換部43近傍を移動する吸収部材42も冷却することができる。これにより、吸収液と吸収部材42との温度が高くなるのを抑制することができるので、冷媒蒸気が吸収液に吸収されにくくなるのを効果的に抑制することができる。
また、本実施形態では、板状の吸収部材42を上側貯留部41aと下側貯留部41bとの間を移動するように構成することによって、容器41の上部の下部との両方において新たな吸収液を板状の吸収部材42に塗布することができるので、短い周期で新たな吸収液を板状の吸収部材42に塗布することができる。これにより、冷媒蒸気の吸収効率が低い希釈された吸収液の希液が長い間吸収部材42上に位置するのを抑制することができるので、冷媒蒸気が吸収液に吸収されにくくなるのを効果的に抑制することができる。
また、本実施形態では、板状の吸収部材42を板状の金属箔から構成することによって、板状の吸収部材42の熱伝導性を向上させることができるので、吸収液の熱を迅速に逃がすことができる。これにより、冷媒蒸気の熱に起因して冷媒蒸気が吸収液に吸収されにくくなるのを抑制することができる。
また、本実施形態では、板状の吸収部材42を、複数回折り返された移動経路上をループ状に循環するように構成することによって、複数の吸収部材を用いて長い移動経路長を確保する場合と異なり、複数の吸収部材を移動させるための駆動部を各々設けなくとも、長い移動経路長を確保することができる。これにより、吸収器40および吸収式ヒートポンプ装置100において、部品点数の増加と大型化との双方を抑制しつつ、長い移動経路長を確保することができる。この結果、吸収式ヒートポンプ装置100を小型化しつつ、吸収部材42に塗布された吸収液と冷媒蒸気との接触面積(吸収面積)を大きくすることができる。
また、本実施形態では、容器41の上部に形成された上側貯留部41aに、供給口41cを介して吸収液の濃液を供給することによって、上側貯留部41aに貯留された吸収液のLiBrの濃度を大きくすることができるので、上側貯留部41aにおける吸収液の粘度を高くすることができる。これにより、ヘラ部材44aと従動ローラ45aとの間から吸収液が下方にしたたり落ちるのを抑制することができる。
また、本実施形態では、上側貯留部41aの吸収部41e側(下側)にヘラ部材44aを設け、下側貯留部41bの吸収部41e側(上側)に、ヘラ部材44bおよび44cを設ける。これにより、吸収部材42が上側貯留部41aと下側貯留部41bとの間の吸収部41eを移動する際に、その都度、吸収部材42の吸収液の厚みを小さくすることができるので、吸収液の熱を迅速に吸収部材42に伝達させて、吸収液の温度が高くなるのを効果的に抑制することができる。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、本発明の「吸収液貯留部」として、上側貯留部41aと下側貯留部41bとを設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、吸収液貯留部を1つだけ設けて、吸収部材が1つの吸収液貯留部内を移動するように構成してもよい。
また、上記実施形態では、板状の吸収部材42を幅方向(Y方向)に延びるとともに、複数回折り返す移動経路上で帯状(板状)に延びるように形成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、板状の吸収部材が吸収液貯留部内で移動可能に構成されていれば、板状の吸収部材は帯状以外の形状であってもよい。たとえば、円板状の吸収部材を軸方向に回転させることにより吸収部材の一部が吸収液貯留部内を移動することによって、吸収部材に吸収液が塗布されるように構成してもよい。
また、上記実施形態では、上側貯留部41aを容器41の上部に設け、下側貯留部41bを容器41の下部に設けることによって、吸収部材42を上下方向に移動させた例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、吸収部材を上下方向ではなく、上下方向に直交する左右方向に移動させるように構成してもよい。この場合、一方の吸収液貯留部は容器の左右方向の一方側に設けられ、他方の吸収液貯留部は左右方向の他方側に設けられる。
また、上記実施形態では、複数(7つ)の熱交換部43を下側貯留部41b内に配置した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、熱交換部を上側貯留部および下側貯留部の双方に配置してもよい。これにより、より効率的に吸収部材と吸収液とを冷却することが可能である。また、熱交換部を下側貯留部内に配置せずに、上側貯留部内にのみ配置してもよい。また、熱交換部の個数は、7つに限られず、7つ以外の複数でもよいし、1つのみでもよい。
また、上記実施形態では、上側貯留部41aに吸収液の濃液を供給する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、上側貯留部および下側貯留部の双方に吸収液の濃液を供給してもよい。また、下側貯留部にのみ吸収液の濃液を供給してもよい。この際、下側貯留部と上側貯留部とを接続する流路を設け、ポンプにより下側貯留部の吸収液を上側貯留部に流通させるように構成するのが好ましい。
また、上記実施形態では、本発明の「吸収式ヒートポンプ装置」を、エンジン(内燃機関)を備えた乗用車、バスおよびトラックなどの車輌の空調システムに適用する例について示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ディーゼルエンジンを備えた列車や船舶などの空調システムに適用してもよい。また、本発明は、車輌のような移動体のみならず、ビル、工場、商業施設などの空調を行う据置型の吸収式ヒートポンプ装置に対しても広く適用することができる。また、空調システムの規模に応じて、本発明の吸収器を吸収式ヒートポンプ装置内に複数個設けてもよい。
また、上記実施形態では、冷媒および吸収液として、それぞれ、水および臭化リチウム(LiBr)水溶液を用いた例について示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、冷媒および吸収液として、それぞれ、アンモニアおよび水を用いた吸収式ヒートポンプ装置に本発明を適用してもよい。その際、LiBr水溶液よりも粘度の高い吸収液を用いてもよいし、低い吸収液を用いてもよい。なお、本発明の構成を用いることによって、粘度の高低に拘わらず、吸収液を吸収部材に十分に塗布することが可能であり、特に粘度が高い場合であっても、吸収液を吸収部材に十分に塗布することが可能である。
41 容器
41a 上側貯留部(吸収液貯留部、第1吸収液貯留部)
41b 下側貯留部(吸収液貯留部、第2吸収液貯留部)
41e 吸収部
42 吸収部材
43 熱交換部
44a ヘラ部材(薄膜形成部、第1薄膜形成部)
44b、44c ヘラ部材(薄膜形成部、第2薄膜形成部)
100 吸収式ヒートポンプ装置

Claims (5)

  1. 冷媒蒸気を吸収液により吸収する吸収式ヒートポンプ装置であって、
    吸収液が貯留される吸収液貯留部を含む容器と、
    前記吸収液貯留部内を移動させることによって塗布された吸収液により、冷媒蒸気が吸収される板状の吸収部材と、を備える、吸収式ヒートポンプ装置。
  2. 前記容器は、前記板状部材に塗布された吸収液により冷媒蒸気が吸収される吸収部をさらに含み、
    前記吸収液貯留部の前記吸収部側に設けられ、前記板状の吸収部材に塗布された吸収液の一部を除去することによって、塗布された吸収液の厚みを小さくする薄膜形成部をさらに備える、請求項1に記載の吸収式ヒートポンプ装置。
  3. 前記吸収液貯留部内における前記板状の吸収部材の移動経路の近傍に配置され、冷却水が流通する熱交換部をさらに備える、請求項1または2に記載の吸収式ヒートポンプ装置。
  4. 前記吸収液貯留部は、前記容器の上部に形成された第1吸収液貯留部と、前記容器の下部に形成された第2吸収液貯留部とを含み、
    前記板状の吸収部材は、前記第1吸収液貯留部と前記第2吸収液貯留部との間を移動するように構成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の吸収式ヒートポンプ装置。
  5. 前記板状の吸収部材は、板状の金属箔から構成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の吸収式ヒートポンプ装置。
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