JP2022128910A - シェルアンドチューブ式熱交換器、冷凍サイクル装置、及び熱交換方法 - Google Patents

シェルアンドチューブ式熱交換器、冷凍サイクル装置、及び熱交換方法 Download PDF

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Abstract

【課題】遠方の伝熱管の外面においてドライアウトを抑制する観点から有利なシェルアンドチューブ式熱交換器を提供する。【解決手段】蒸発器101は、シェルアンドチューブ式熱交換器であり、シェル21と、伝熱管群22と、ノズル24とを備える。ノズル24は、伝熱管群22に向かって液相冷媒を噴霧する。伝熱管群22は、第一段22aと、第二段22bとを含んでいる。第一段22aは、第一平面に沿って配列された複数の伝熱管22pを有する。第二段22bは、第一平面に平行な第二平面に沿って配列された複数の伝熱管22pを有する。ノズル24は、噴霧軸Amを有し、かつ、第一段22aと第二段22bとの間を通過する扁平な噴霧パターンで液相冷媒を噴霧する。噴霧軸Amは、第一段22aの複数の伝熱管22pの第一端部22jと、第二段22bの複数の伝熱管22pの第二端部22kとの間を通過する。【選択図】図2

Description

本開示は、シェルアンドチューブ式熱交換器、冷凍サイクル装置、及び熱交換方法に関する。
従来、伝熱管に向けて冷却水を散布することによって、伝熱管の内部の冷媒を冷却する技術が知られている。例えば、特許文献1には、冷凍システムに用いられる蒸発式凝縮器が記載されている。この蒸発式凝縮器は、ケーシング、冷媒冷却部、散水部、及び通風ファンを備えている。ケーシングは、空気吸込口と、空気排出口と、集水タンクとを備えている。冷媒冷却部は、複数の凝縮コイルを有し、冷媒を冷却して凝縮させる。散水部は、散水ノズルを有し、散水ノズルから凝縮コイルに向けて冷却水が散水される。
国際公開第2017/073367号
本開示は、伝熱管群に向かってノズルから液体を噴霧するときに、ノズルに対して遠方の伝熱管の外面においてドライアウトを抑制する観点から有利なシェルアンドチューブ式熱交換器を提供する。
本開示のシェルアンドチューブ式熱交換器は、
シェルと、
前記シェルの内部に配置された伝熱管群と、
前記伝熱管群に向かって液体を噴霧するノズルと、を備え、
前記伝熱管群は、第一平面に沿って配列された複数の伝熱管を有する第一段と、前記第一平面に平行な第二平面に沿って配列された複数の伝熱管を有し、かつ、前記第一平面に垂直な方向において前記第一段と隣り合っている第二段とを含み、
前記ノズルは、前記第一平面に垂直な方向において前記第一段の前記複数の伝熱管の前記第二段に近い第一端部と、前記第一平面に垂直な方向において前記第二段の前記複数の伝熱管の前記第一段に近い第二端部との間を通過する噴霧軸を有し、かつ、前記第一段と前記第二段との間を通過する扁平な噴霧パターンで前記液体を噴霧する。
また、本開示の熱交換方法は、
第一平面に沿って配列された複数の伝熱管を有する第一段と、前記第一平面に平行な第二平面に沿って配列された複数の伝熱管を有し、かつ、前記第一平面に垂直な方向において前記第一段と隣り合っている第二段とを含む伝熱管群の内部において熱媒体を通過させることと、
前記第一平面に垂直な方向において前記第一段の前記複数の伝熱管の前記第二段に近い第一端部と、前記第一平面に垂直な方向において前記第二段の前記複数の伝熱管の前記第一段に近い第二端部との間を通過する噴霧軸を有し、かつ、前記第一段と前記第二段との間を通過する扁平な噴霧パターンで前記伝熱管群に向かって液体を噴霧し、前記熱媒体と前記液体とを熱交換させることとを、含む。
本開示によれば、第一段の複数の伝熱管の第一端部と、第二段の複数の伝熱管の第二端部との間を通過する噴霧軸を有し、かつ、第一段と第二段との間を通過する扁平な噴霧パターンで伝熱管群に向かって液体を噴霧できる。そのため、本開示のシェルアンドチューブ式熱交換器及び熱交換方法は、ノズルから遠方の伝熱管の外面においてドライアウトを抑制する観点から有利である。
本開示の実施の形態1における冷凍サイクル装置の構成を示す図 図1におけるII-II線を切断線とする蒸発器の縦断面図 ノズルから噴霧される液相冷媒の噴霧パターンを示す図 ノズルから噴霧される液相冷媒の噴霧パターンを示す図 図1におけるIV-IV線を切断線とする蒸発器の縦断面図 液相冷媒が噴霧される領域を示す図 液相冷媒の噴霧及び流動の状態を示す図 本開示の実施の形態2において液相冷媒が噴霧される領域を示す図 本開示の実施の形態3において液相冷媒の噴霧及び流動の状態を示す図
(本開示の基礎となった知見等)
本発明者が本開示を想到するに至った当時、シェルアンドチューブ式熱交換器において、ノズルを用いて冷却水等の液体を伝熱管に向かって噴霧することが試みられていた。そうした状況下において、本発明者は、ノズルから噴霧された液体の流れをヒントにして、シェルアンドチューブ式熱交換器の性能を高め得るという着想を得た。そして、本発明者は、その着想を実現するには、例えば、液相冷媒の噴霧パターンが円錐形状であると、ノズルに対して遠方の伝熱管の外面には霧状の液相冷媒が到達しにくくドライアウトが発生しやすいという課題があることを発見した。本発明者は、その課題を解決するために、本開示の主題を構成するに至った。
そこで、本開示は、伝熱管群に向かってノズルから液体を噴霧しつつ、ノズルに対して遠方の伝熱管の外面においてドライアウトを抑制する観点から有利なシェルアンドチューブ式熱交換器を提供する。
以下、図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、又は、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が必要以上に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。添付の図面において、X軸、Y軸、及びZ軸は互いに直交している。XZ平面は水平であり、Y軸負方向が重力方向である。
(実施の形態1)
以下、図1から図6を用いて、実施の形態1を説明する。
[1-1.構成]
図1は、シェルアンドチューブ式熱交換器を備えた冷凍サイクル装置100の構成を示している。図1に示す通り、冷凍サイクル装置100は、蒸発器101、圧縮機102、凝縮器103、流量弁104、流路110a、流路110b、流路110c、及び流路110dを備えている。蒸発器101の出口は、流路110aによって圧縮機102の入口に接続されている。圧縮機102の出口は、流路110bによって凝縮器103の入口に接続されている。凝縮器103の出口は、流路110cによって流量弁104の入口に接続されている。流量弁104の出口は、流路110dによって蒸発器101の入口に接続されている。流路110a及び110bは気相冷媒が通過する経路である。流路110c及び流路110dは液相冷媒が通過する経路である。各経路は、例えば、少なくとも1つの金属製の配管で構成されている。
蒸発器101において液相冷媒が加熱されて蒸発し、気相冷媒が生成される。気相冷媒は、圧縮機102に吸入されて圧縮される。圧縮された気相冷媒は圧縮機102から凝縮器103に供給される。気相冷媒は凝縮器103で冷却されて凝縮及び液化する。これにより、液相冷媒が生成される。液相冷媒は、流量弁104を経由して凝縮器103から蒸発器101に戻される。
冷凍サイクル装置100における冷媒は、特定の冷媒に限定されない。冷媒としては、フロン冷媒、低GWP(Global Warming Potential)冷媒、自然冷媒などが挙げられる。フロン冷媒としては、ハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)及びハイドロフルオロカーボン(HFC)が挙げられる。低GWP冷媒としては、HFO-1234yf及び水が挙げられる。自然冷媒としては、二酸化炭素及び水が挙げられる。
冷媒は、常温での飽和蒸気圧が負圧の物質を主成分として含む冷媒であってもよい。このような冷媒としては、水、アルコール、又はエーテルを主成分として含む冷媒が挙げられる。「主成分」とは、質量比で最も多く含まれた成分を意味する。「負圧」は、絶対圧で大気圧よりも低い圧力を意味する。「常温」は、日本産業規格(JIS Z8703)によれば、20℃±15℃の範囲内の温度を意味する。
蒸発器101は、後述の通り、シェルアンドチューブ式熱交換器によって構成されている。
圧縮機102は、遠心圧縮機等の速度型圧縮機であってもよく、スクロール圧縮機等の容積型圧縮機であってもよい。
凝縮器103の型式は特定の形式に限定されない。プレート式熱交換器及びシェルアンドチューブ式熱交換器等の熱交換器が凝縮器103に使用されうる。
冷凍サイクル装置100は、例えば、業務用又は家庭用の空気調和装置である。蒸発器101で冷却された熱媒体が回路105を通じて室内に供給され、室内の冷房に使用される。あるいは、凝縮器103で加熱された熱媒体が回路106を通じて室内に供給され、室内の暖房に利用される。熱媒体は、例えば、水である。冷凍サイクル装置100は、空気調和装置に限定されず、チラー、蓄熱装置など他の装置であってもよい。冷凍サイクル装置100は、蒸発器、吸収器、再生器、及び凝縮器を備えた吸収式冷凍機であってもよい。
回路105は、蒸発器101に熱媒体を循環させる回路である。回路106は、凝縮器103に熱媒体を循環させる回路である。回路105及び回路106は、外気から隔離された密閉回路であってもよい。
熱媒体は、回路105及び回路106のそれぞれを流れる流体である。熱媒体は水に限定されず、オイル、ブラインなどの液体であってもよく、空気などの気体であってもよい。回路105の熱媒体の組成は回路106の熱媒体の組成と異なっていてもよい。
図2は、図1におけるII-II線を切断線とする蒸発器101の縦断面図である。図2に示す通り、蒸発器101は、シェルアンドチューブ式熱交換器として構成されている。蒸発器101は、シェル21と、伝熱管群22と、ノズル24とを備えている。伝熱管群22は、シェル21の内部に配置されている。ノズル24は、伝熱管群22に向かって液相冷媒を噴霧する。伝熱管群22は、例えば、平行に配置された伝熱管22pによって構成されている。例えば、伝熱管22pの長手方向に垂直な断面が円形を有する。伝熱管22pの内面、伝熱管22pの外面、又はその両方に溝加工が施されていてもよい。
図2に示す通り、シェル21は、例えば、矩形の断面形状を有している。シェル21は、円形の断面形状を有していてもよい。シェル21は、耐圧容器であってもよい。
蒸発器101は、例えば、ヘッダー23、循環回路25、ポンプ26、流入管27a、流出管27b、第一カバー29a、及び第二カバー29bをさらに備えている。
ノズル24は、ヘッダー23によって循環回路25に接続されている。ポンプ26は、循環回路25に配置されている。シェル21の底部には液相冷媒が貯留されている。ポンプ26の働きにより、シェル21の底部に貯留された液相冷媒が循環回路25及びヘッダー23を通じてノズル24に供給される。
流入管27aは及び流出管27bは、シェル21に取り付けられている。流入管27aは、シェル21の内部に冷媒を導く流路を形成している。排出管27bは、蒸発器101の内部で生成された気相冷媒をシェル21の外部に導く流路を形成している。流入管27a及び排出管27bがなす流路には、それぞれ、流路110d及び流路110aが接続されうる。
第一カバー29aは、シェル21に取り付けられており、伝熱管22pの長手方向(X軸方向)における伝熱管群22の一端部を覆っている。第二カバー29bは、シェル21に取り付けられており、伝熱管22pの長手方向における伝熱管群22の他端部を覆っている。第一カバー29aは、その内部に2つの仕切板29cを有する。第二カバー29bは、その内部に1つの仕切板29dを有する。第一カバー29aは、例えば、二次側流入口28a及び二次側流出口28bを有する。二次側流入口28a及び二次側流出口28bのそれぞれは、第二カバー29bに形成されていてもよい。蒸発器101におけるパス数は、伝熱管22pの内部の熱媒体の流れ方向が流路カバー29a又は29bにおいて反転する毎に「1」増加する。本実施の形態では、パス数が「4」となるように、流路カバー29aが二次側流入口28a及び二次側流出口28bを有する。
図2に示す通り、蒸発器101は、複数のノズル24を備えている。複数のノズル24は、伝熱管22pの長手方向(X軸方向)において所定の間隔で配置されている。また、複数のノズル24は、伝熱管22pの長手方向において、Y軸方向に平行な一対の直線上に交互に配置されている。また、各ノズル24は、例えば、Y軸方向において隣り合う伝熱管22pの間に向かって液相冷媒を噴霧するように配置されている。
図3A及び図3Bは、ノズル24から噴霧される液相冷媒の噴霧パターンを示す。図3A及び図3Bに示す通り、ノズル24は、噴霧軸Amを有する扁平な噴霧パターンで液相冷媒を噴霧する。噴霧軸Amは、ノズル24の中心軸と捉えることもできる。噴霧軸Amは、ノズル24の開口の中心を通る軸でありうる。図3Aに示す通り、ノズル24から噴霧される液相冷媒は、扇形状の噴霧エリアMを形成する。また、噴霧軸Amに垂直な平面Hにこの噴霧パターンを投影したときに現れる噴霧領域Sの形状は扁平である。このような噴霧パターンで噴霧される液相冷媒が伝熱管22p同士の間を通過する。
図4は、図1におけるIV-IV線を切断線とする蒸発器101の縦断面図である。伝熱管群22において、Z軸方向に配列される伝熱管22pの本数は特定の値に限定されない。伝熱管群22において、例えば、Z軸方向に12本の伝熱管22pが配列されている。ノズル24は、伝熱管22pの長手方向に垂直な方向(Z軸方向)においてノズル24に最も近い一対の伝熱管22p同士の間を噴霧軸Amが通過し、かつ、噴霧領域Sが一対の伝熱管22p同士の間を通過するように、液相冷媒を噴霧する。噴霧軸Amは、例えば、水平に延びている。
図4に示す通り、ノズル24は、例えば、Z軸方向における伝熱管群22の一端部のみに配置されており、Z軸方向における伝熱管群22の他端部には配置されていない。このため、ノズル24は、伝熱管22pの長手方向に垂直な平面(YZ平面)において、例えばZ軸正方向に液相冷媒を噴霧する。
図5は、ノズル24から液相冷媒が噴霧される領域を示している。図5において、Y軸方向に沿って伝熱管群22及びノズル24から噴霧される液相冷媒の噴霧エリアMを見ている。ノズル24は、例えば、伝熱管群22においてZ軸方向に最も近い伝熱管22pから距離Lだけ離れて配置されている。また、噴霧エリアMは、中心角αをなすように形成された第一輪郭線W1及び第二輪郭線W2を有する。中心角αは特定の大きさに限定されない。中心角αは、例えば、90°以上120°以下である。
図6は、ノズル24から伝熱管群22に向かって噴霧された液相冷媒の噴霧及び流動の状態を示す図である。図6に示す通り、伝熱管群22は、第一段22aと、第二段22bとを含んでいる。第一段22aは、第一平面に沿って配列された複数の伝熱管22pを有する。第二段22bは、第一平面に平行な第二平面に沿って配列された複数の伝熱管22pを有し、かつ、第一平面に垂直な方向(Y軸方向)において第一段22aと隣り合っている。第一平面及び第二平面は、ZX平面に平行な平面である。
図6に示す通り、例えば、第一段22aと第二段22bとの間には、第一段22aの複数の伝熱管22pの配列方向における第一段22aの一端から他端まで有体物に交差しない仮想平面が存在する。
図6に示す通り、例えば、第一段22aの複数の伝熱管22p及び第二段22bの複数の伝熱管22pは、伝熱管22pの長手方向(X軸方向)に垂直な第三平面において長方形格子、正方形格子、又は平行四辺形格子をなす。第三平面は、YZ平面に平行な平面である。
図6に示す通り、ノズル24から噴霧される液相冷媒の噴霧パターンの噴霧軸Amは、第一段22aの複数の伝熱管22pの第一端部22jと、第二段22bの複数の伝熱管22pの第二端部22kとの間を通過する。第一端部22jは、第一平面に垂直な方向(Y軸方向)において第二段22bに近い端部である。第二端部22kは、第一平面に垂直な方向(Y軸方向)において第一段22aに近い端部である。ノズル24から噴霧される液相冷媒の噴霧パターンは、第一段22aと第二段22bとの間を通過する。
第二段22bは、例えば、重力方向において第一段22aの下方に配置されている。伝熱管群22は、例えば、下部伝熱管群22cを含む。下部伝熱管群22cは、複数の伝熱管22pを有し、かつ、重力方向において第二段22bの下方に配置されている。下部伝熱管群22cの複数の伝熱管22pのそれぞれは、例えば、第二段22bの複数の伝熱管22pのいずれかの真下に配置されている。
図6に示す通り、下部伝熱管群22cの複数の伝熱管22pは、例えば、第二段22bの複数の伝熱管22pとともに、第三平面において長方形格子又は正方形格子をなしている。
[1-2.動作]
以上のように、シェルアンドチューブ式熱交換器として構成された蒸発器101について、以下その動作、作用を説明する。
冷凍サイクル装置100の定常運転において、蒸発器101では、ポンプ26が作動し、液相冷媒が循環回路25及びヘッダー23を通ってノズル24に供給される。これにより、ノズル24から伝熱管群22に向かって液相冷媒が噴霧される。一方、蒸発器101の外部から二次側流入口28aを通って第一カバー29aの内部に熱媒体が導かれる。次に、熱媒体は、X軸正方向に伝熱管22pの内部を通過して第二カバー29bの内部の仕切板29dの下方の空間に導かれる。第二カバー29bの内部において熱媒体の流れの向きが反転し、熱媒体は、X軸負方向に伝熱管22pの内部を通過して第一カバー29aの内部の2つの仕切板29cの間の空間に導かれる。次に、第一カバー29aの内部において熱媒体の流れの向きが反転し、熱媒体は、X軸正方向に伝熱管22pの内部を通過して第二カバー29bの内部の仕切板29dの上方の空間に導かれる。第二カバー29bの内部において熱媒体の流れの向きが反転し、熱媒体は、X軸負方向に伝熱管22pの内部を通過して第一カバー29aの内部に導かれる。その後、熱媒体は、二次側流出口28bを通って、蒸発器101の外部に導かれる。
図4に示す通り、ノズル24は、Y軸方向において隣り合った2つの段の伝熱管の間の空間に向かって液相冷媒を噴霧する。液相冷媒は、2つの段の間で噴霧軸Amが延びる噴霧パターンで噴霧される。液相冷媒の噴霧により生じた霧状の液相冷媒は、伝熱管22pの外面に付着する。伝熱管22pの内部の熱媒体と伝熱管22pの外面に付着した液相冷媒との間の熱交換により、液相冷媒が蒸発して気相冷媒が生成される。蒸発しなかった液相冷媒は、伝熱管22pの外面に沿って流動し、下方の伝熱管22pに向かって滴下される。
図5に示す通り、例えば、第一平面に垂直な方向(Y軸方向)から第一段22aを見たときに、第一段22aの伝熱管22pの中心軸Axに垂直に噴霧軸Amが延びるように、液相冷媒の噴霧パターンが形成される。伝熱管群22においてZ軸方向においてノズル24に最も近い伝熱管22pとノズル24との間の距離Lが所定の大きさを有する。このため、第一段22aにおける最前列の伝熱管22pから最後列の伝熱管22pに向かって液相冷媒の噴霧エリアMが徐々に拡大し、第一段22aの最後列の伝熱管22pの外面の十分な範囲が液相冷媒で濡れる。
図6に示す通り、ノズル24から噴霧された液相冷媒は、第三平面において長方形格子、正方形格子、又は平行四辺形格子をなすように配置された第一段22a及び第二段22bにおける伝熱管22p同士の間を通過する。第一段22aと第二段22bとの間には、ノズル24から噴霧された液相冷媒の進行を直接妨げる伝熱管等の部材は存在しない。このため、第一段22aと第二段22bとの間においてノズル24から噴霧された液相冷媒が直進しやすい。一方、ノズル24から噴霧された液相冷媒の一部は、第一段22aの伝熱管22pの第一端部22j及び第二段22bの伝熱管22pの第二端部22kに接触する。第一段22aの伝熱管22pに接触した液相冷媒の一部は、液相冷媒の流れに対する伝熱管22pの前縁に沿ってY軸正方向に流動する。一方、第二段22bの伝熱管22pに接触した液相冷媒の一部は、伝熱管22pの前縁に沿ってY軸負方向に流動する。加えて、液相冷媒の別の一部は、第二段22bの伝熱管22pの後縁に沿ってY軸負方向に流動する。このような液相冷媒の流動が第一段22a及び第二段22bの各列の伝熱管22pの周囲で生じる。
図6に示す通り、第一段22a及び第二段22bからなる上部伝熱管群22mにおいて、液相冷媒が伝熱管22pの外面に直接接触して強制対流を伴う熱伝達が生じ、液相冷媒と熱媒体との間の熱交換が促進される。
第二段22bの伝熱管22pの外面において液相冷媒はY軸負方向に流動しながら液膜を形成し、液膜をなす液相冷媒の一部が蒸発する。上部伝熱管群22mにおいて蒸発しきれなかった未蒸発の液相冷媒は、第二段22bの伝熱管22pの最下部から下部伝熱管群22cの伝熱管22pに向かって滴下される。滴下された液相冷媒は、伝熱管22pの外面で液膜を形成しながら下方に流動し、一部の液相冷媒は蒸発し、別の一部の液相冷媒はさらに下方の伝熱管22pに向かって滴下される。このような液相冷媒の流動及び滴下が下部伝熱管群22cの各列の伝熱管22pの周囲で生じる。このように、下部伝熱管群22cの伝熱管22pの周囲には、ノズル24から噴霧された液相冷媒が上部伝熱管群22mの伝熱管22pから滴下されて間接的に供給される。滴下後に残った液相冷媒は、シェル21の底部に貯留される。
上部伝熱管群22mの伝熱管22pの周囲には、ノズル24から噴霧された液相冷媒が直接供給されて強制対流が生じる。ノズル24は、噴霧軸Amを有する扁平な噴霧パターンで液相冷媒を噴霧するので、液相冷媒が第一段22aと第二段22bとの間で直進しやすい。これにより、上部伝熱管群22mにおいて、ノズル24に対して遠方の伝熱管22pの周囲でも液相冷媒の強制対流が生じやすい。このため、ノズル24に対して遠方の伝熱管22pの外面が液相冷媒で濡れやすく、遠方の伝熱管22pの外面においてドライアウトが発生しにくい。
加えて、上部伝熱管群22mの伝熱管22pから下部伝熱管群22cに向かって液相冷媒の滴下が生じるので、下部伝熱管群22cにおいて、ノズル24に対して遠方の伝熱管22pの外面でも液相冷媒の液膜が形成されやすい。このため、ノズル24に対して遠方に位置する伝熱管22pの外面が液相冷媒で濡れやすく、遠方の伝熱管22pの外面においてドライアウトが発生しにくい。
[1-3.効果等]
以上のように、本実施形態において、シェルアンドチューブ式熱交換器として構成された蒸発器101は、シェル21と、伝熱管群22と、ノズル24とを備えている。伝熱管群22は、シェル21の内部に配置されている。ノズル24は、伝熱管群22に向かって液相冷媒を噴霧する。伝熱管群22は、第一段22aと、第二段22bとを含んでいる。第一段22aは、第一平面に沿って配列された複数の伝熱管22pを有する。第二段22bは、第一平面に平行な第二平面に沿って配列された複数の伝熱管22pを有し、かつ、第一平面に垂直な方向において第一段22aと隣り合っている。ノズル24は、噴霧軸Amを有し、かつ、第一段22aと第二段22bとの間を通過する扁平な噴霧パターンで液相冷媒を噴霧する。噴霧軸Amは、第一段22aの複数の伝熱管22pの第一端部22jと、第二段22bの複数の伝熱管22pの第二端部22kとの間を通過する。第一端部22jは、第一平面に垂直な方向において第一段22aの複数の伝熱管22pの第二段22bに近い端部である。第二端部22kは、第一平面に垂直な方向において第二段22bの複数の伝熱管22pの第一段22aに近い端部である。
これにより、ノズル24は、噴霧軸Amを有する扁平な噴霧パターンで液相冷媒を噴霧するので、液相冷媒が第一段22aと第二段22bとの間で直進しやすい。このため、第一段22a及び第二段22bにおいて、ノズル24に対して遠方の伝熱管22pの周囲でも液相冷媒の強制対流が生じやすい。その結果、ノズル24に対して遠方の伝熱管22pの外面が液相冷媒で濡れやすく、遠方の伝熱管22pの外面においてドライアウトが発生しにくい。
本実施形態のように、第一段22aと第二段22bとの間には、第一段22aの複数の伝熱管22pの配列方向における第一段22aの一端から他端まで有体物に交差しない仮想平面が存在していてもよい。これにより、第一段22aと第二段22bとの間において、第一段22aの一端から他端まで液相冷媒が直進しやすく、遠方の伝熱管22pの外面においてより確実にドライアウトが発生しにくい。
本実施形態のように、第一段22aの複数の伝熱管22p及び第二段22bの複数の伝熱管22pは、伝熱管22pの長手方向に垂直な第三平面において、長方形格子、正方形格子、又は平行四辺形格子をなしていてもよい。これにより、第一段22aと第二段22bとの間における液相冷媒の流れが安定しやすく直進しやすい。その結果、遠方の伝熱管22pの外面においてより確実にドライアウトが発生しにくい。
本実施形態のように、第二段22bは、重力方向において第一段22aの下方に配置されていてもよい。加えて、伝熱管群22は、複数の伝熱管22pを有し、かつ、重力方向において第二段22bの下方に配置されている下部伝熱管群22cを含んでいてもよい。これにより、第二段22bから下部伝熱管群22cに向かって液相冷媒の滴下が生じ、下部伝熱管群22cにおいてノズル24に対して遠方の伝熱管22pの外面も液相冷媒で濡れやすい。その結果、下部伝熱管群22cの遠方の伝熱管22pの外面においてドライアウトが発生しにくい。この場合、第一段22aの複数の伝熱管22p及び第二段22bの複数の伝熱管22pは、伝熱管22pの長手方向に垂直な第三平面において、長方形格子又は正方形格子をなしていてもよい。これにより、下部伝熱管群22cに向かってより確実に液相冷媒の滴下が生じやすい。
本実施形態のように、下部伝熱管群22cの複数の伝熱管22pは、第二段22bの複数の伝熱管22pとともに、第三平面において長方形格子又は正方形格子をなしている。これにより、第二段22bの複数の伝熱管22pから滴下された液相冷媒が下部伝熱管群22cの各伝熱管22pの外面においてより確実に液膜を形成してその外面を濡らしやすい。その結果、下部伝熱管群22cの遠方の伝熱管22pの外面においてより確実にドライアウトが発生しにくい。
本実施形態のように、シェルアンドチューブ式熱交換器として構成された蒸発器101を備えた、冷凍サイクル装置100を提供できる。ノズル24に対して遠方の伝熱管22pの外面においてドライアウトが発生しにくいので、冷凍サイクル装置100が高い成績係数(COP)を発揮しやすい。
本実施形態によれば、下記の事項(I)及び(II)を含む熱交換方法を提供できる。
(I)第一段22aと、第二段22bとを含む伝熱管群22の内部において熱媒体を通過させる。第一段22aは、第一平面に沿って配列された複数の伝熱管を有する。第二段22bは、第一平面に平行な第二平面に沿って配列された複数の伝熱管22pを有し、かつ、第一平面に垂直な方向において第一段22aと隣り合っている。
(II)噴霧軸Amを有し、かつ、第一段22aと第二段22bとの間を通過する扁平な噴霧パターンで伝熱管群22に向かって液相冷媒を噴霧し、熱媒体と液相冷媒とを熱交換させる。噴霧軸Amは、第一段22aの複数の伝熱管22pの第二段22bに近い第一端部22jと、第二段22bの複数の伝熱管22pの第一段22aに近い第二端部22kとの間を通過する。
(実施の形態2)
以下、図7を用いて、実施の形態2を説明する。実施の形態2は、特に説明する部分を除き、実施の形態1と同様に構成されている。実施の形態1の構成要素と同一又は対応する実施の形態2の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。実施の形態1に関する説明は、技術的に矛盾しない限り、実施の形態2にもあてはまる。
[2-1.構成]
図7は、実施の形態2において、ノズル24から液相冷媒が噴霧される領域を示している。図7において、Y軸方向に沿って伝熱管群22及びノズル24から噴霧される液相冷媒の噴霧エリアMを見ている。図7に示す通り、第一平面に垂直な方向(Y軸方向)に沿って第一段22aを見たときに、ノズル24から噴霧される液相冷媒の噴霧パターンの噴霧軸Amは、直線Pに対して所定の大きさの鋭角θをなす。直線Pは、第一段22aの伝熱管22pの長手方向(X軸方向)に垂直に延びている。
鋭角θは特定の値に限定されない。鋭角θは、例えば、α/2である。αは、噴霧エリアMの中心角である。例えば、中心角αが80°であり、鋭角θが40°である。
[2-2.動作]
以上のように構成された実施の形態2について、以下その動作、作用を説明する。
図7に示す通り、噴霧軸Amが直線Pに対して鋭角θをなすようにノズル24から液相冷媒が噴霧される。ノズル24が伝熱管群22の近くに配置された場合でも、XZ平面において噴霧エリアMと重なる伝熱管群22の範囲が大きくなりやすい。例えば、噴霧エリアMの第一輪郭線W1が直線Pに沿って延び、噴霧エリアMの第二輪郭線W2が伝熱管22pの中心軸Axに沿って延びやすい。
噴霧軸Amが直線Pと平行になるようにノズル24が配置されている場合、換言すると、噴霧軸Amが伝熱管22pの中心軸Axに垂直になるようにノズル24が配置されている場合を考える。この場合、距離Lが小さく、ノズル24が伝熱管群22の近くに配置されていると、XZ平面において、伝熱管群22のノズル24に近い伝熱管22pと噴霧エリアMとが重なる範囲が小さくなる。特に、伝熱管22pの長手方向においてノズル24から離れた部分が噴霧エリアMと重なりにくい。これにより、伝熱管群22の伝熱管22pの外面において、ノズル24から噴霧された液相冷媒が到達しにくい部分が生じやすい。一方、本実施形態によれば、このような状態が発生することを抑制できる。このため、伝熱管群22の伝熱管22pの外面の広い範囲を液相冷媒で濡らすことができ、伝熱管22pの外面においてドライアウトが発生しにくい。
図7に示す通り、噴霧軸Amが直線Pに対して鋭角θをなすように液相冷媒が噴霧されると、ノズル24から噴霧された液相冷媒は流れC1及び流れC2を生じさせる。流れC1は、第一段22a及び第二段22bにおける伝熱管22p同士の間を通過する液相冷媒の流れである。流れC2は、伝熱管22pの外面の前縁に衝突して伝熱管22pの長手方向(X軸方向)に沿って移動する液相冷媒の流れである。ノズル24から噴霧された液相冷媒の一部は、X軸方向の速度成分を有している状態で伝熱管22pの外面の前縁に衝突するので、このような液相冷媒の流れが生じる。
流れC1は、ノズル24から噴霧された中心角αの噴霧エリアMをなすように広がる液相冷媒の流れである。この流れC1における液相冷媒は、第一段22aの複数の伝熱管22pの第一端部22j又は第二段22bの複数の伝熱管22pの第二端部22kに接触しながら、第一段22aと第二段22bとの間を通過する。
流れC1及び流れC2の発生により、第一段22aにおける複数の伝熱管22pの配列方向(Z軸方向)への液相冷媒の移動に加え、伝熱管22pの長手方向(X軸方向)への液相冷媒の移動も生じる。このため、強制対流を伴う熱伝達が促進される。加えて、上記の通り、ノズル24に近い伝熱管22pを含む、伝熱管群22の伝熱管22pの外面の広い範囲が液相冷媒で濡れる。
[2-3.効果等]
以上のように、本実施の形態においては、第一平面に垂直な方向(Y軸方向)に沿って第一段22aを見たときに、噴霧軸Amは、直線Pに対して所定の大きさの鋭角θをなす。
これにより、ノズル24が伝熱管群22の近くに配置されていても、伝熱管群22の伝熱管22pの外面の広い範囲を液相冷媒で濡らすことができ、伝熱管22pの外面においてドライアウトが発生しにくい。
例えば、冷凍サイクル装置100の軽負荷条件での運転に対応させるために、ノズル24への液相冷媒の供給圧力を低下させることが考えられる。この場合、ノズル24から噴霧される液相冷媒の噴霧パターンにおける中心角が小さくなり、噴霧エリアMが狭くなりうる。また、ノズル24から噴霧される液相冷媒の流量が低下しうる。しかし、本実施形態によれば、このような場合であっても、伝熱管群22の伝熱管22pの外面の所望の範囲を液相冷媒で濡らすことができ、伝熱管22pの外面においてドライアウトが発生しにくい。
(実施の形態3)
以下、図8を用いて、実施の形態3を説明する。実施の形態3は、特に説明する部分を除き、実施の形態1と同様に構成されている。実施の形態1の構成要素と同一又は対応する実施の形態3の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。実施の形態1に関する説明は、技術的に矛盾しない限り、実施の形態3にもあてはまる。
[3-1.構成]
図8は、実施の形態3に係る蒸発器101における液相冷媒の噴霧及び流動の状態を示す。図8に示す通り、伝熱管群22は、遠位伝熱管22dを有する。遠位伝熱管22dは、噴霧軸Amと交差する位置に配置されている。例えば、遠位伝熱管22dは、ノズル24の中心軸と交差している。第一段22aは、第一段22aの複数の伝熱管22pの配列方向(Z軸方向)において、ノズル24と遠位伝熱管22dとの間に配置されている。
図8に示す通り、伝熱管群22は、例えば下部伝熱管22eを有する。下部伝熱管22eは、重力方向において遠位伝熱管22dの真下に配置されている。
遠位伝熱管22d及び下部伝熱管22eは、例えば、第一段22a、第二段22b、又は下部伝熱管群22cにおける伝熱管22pと同様の形状及び寸法を有している。
[3-2.動作]
以上のように構成された実施の形態3について、以下その動作、作用を説明する。
第一段22aと第二段22bとの間を通過した液相冷媒は、遠位伝熱管22dに衝突して捕捉される。このため、遠位伝熱管22dの周囲における強制対流に伴う熱伝達は、第一段22a及び第二段22bにおける伝熱管22pの周囲における強制対流に伴う熱伝達に比べて、大幅に促進される。加えて、ノズル24に対して遠方に位置する遠位伝熱管22dの外面を液相冷媒で濡らすことができ、ノズル24に対して遠方の伝熱管の外面においてドライアウトを抑制できる。
遠位伝熱管22dに衝突した液相冷媒は、遠位伝熱管22dの外面に沿って流動し、下部伝熱管22eに向かって滴下される。これにより、ノズル24に対して遠方に位置する下部伝熱管22eの外面を液相冷媒で濡らすことができ、ノズル24に対して遠方の伝熱管の外面においてドライアウトを抑制できる。
[3-3.効果等]
以上のように、本実施の形態においては、伝熱管群22は、遠位伝熱管22dを有し、遠位伝熱管22dが噴霧軸Amと交差する位置に配置されている。加えて、第一段22aは、第一段22aの複数の伝熱管22pの配列方向において、ノズル24と遠位伝熱管22dとの間に配置されている。
これにより、遠位伝熱管22dの周囲における強制対流に伴う熱伝達が大幅に促進されるとともに、ノズル24に対して遠方に位置する遠位伝熱管22dの外面においてドライアウトを抑制できる。
例えば、冷凍サイクル装置100において急激な負荷変動が生じ、ノズル24への液相冷媒の供給圧力が変化する場合でも、ノズル24への液相冷媒の供給圧力によらずに安定的に伝熱管群22の伝熱管22pの外面を濡らすことができる。このため、軽負荷条件及び過負荷条件を含む広範囲の運転条件において伝熱管群22の伝熱管22pの外面を液相冷媒で所望の状態に濡らすことができる。
例えば、冷凍サイクル装置100が吸収式冷凍機である場合、蒸発器101で発生した気相冷媒が吸収器に向かって供給されうる。このとき、吸収式冷凍機のCOPを高める観点から、蒸発器101から供給される気相冷媒の流れに乗って液相冷媒が吸収器に導かれることを阻止することが望ましい。本実施の形態によれば、第一段22aと第二段22bとの間を通過した液相冷媒は、遠位伝熱管22dに衝突して捕捉される。このため、蒸発器101から吸収器に向かって液相冷媒が導かれることを阻止しやすい。
本実施形態のように、伝熱管群22は、重力方向において遠位伝熱管22dの真下に配置された下部伝熱管22eを有していてもよい。これにより、遠位伝熱管22dから滴下された液相冷媒で下部伝熱管22eの外面を濡らすことができる。
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態1、2、及び3を説明した。しかし、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用できる。また、上記実施の形態1、2、及び3で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。そこで、以下、他の実施形態を例示する。
実施の形態1では、シェルアンドチューブ式熱交換器の一例として、液相冷媒を噴霧するノズル24を備えた蒸発器101を示した。シェルアンドチューブ式熱交換器において、ノズル24は、液体を噴霧するものであればよい。したがって、ノズル24から噴霧される液体は、液相冷媒に限定されない。したがって、ノズル24から噴霧される液体は、冷凍サイクル装置の凝縮器で気相冷媒を凝縮させるために用いられる冷却液であってもよいし、他の液体であってもよい。ただし、ノズル24から噴霧される液体が液相冷媒であると、シェルアンドチューブ式熱交換器を冷凍サイクル装置における蒸発器として利用できる。
実施の形態1では、シェルアンドチューブ式熱交換器の一例として、噴霧軸Amが水平に延びている蒸発器101を示した。噴霧軸Amは、第一段22aの複数の伝熱管22pの第二段22bに近い第一端部22jと、第二段22bの複数の伝熱管22pの第一段22aに近い第二端部22kとの間を通過するものであればよい。したがって、噴霧軸Amは、水平面に対して傾斜していてもよい。ただし、噴霧軸Amが水平に延びていると、第一段22a及び第二段22bにおける複数の伝熱管22pの配置が容易である。
実施の形態1では、第一段22aと第二段22bとの間には、第一段22aの複数の伝熱管22pの配列方向における第一段22aの一端から他端まで有体物に交差しない仮想平面が存在していてもよいことを説明した。シェルアンドチューブ式熱交換器において、第一段22aの複数の伝熱管22pの第一端部22jと、第二段22bの複数の伝熱管22pの第二端部22kとの間を噴霧軸Amが通過していればよい。したがって、第一段22aと第二段22bとの間には、ノズル24から噴霧された液体の流れに影響をほとんど及ぼさず、噴霧軸Amの形成に影響を及ぼさない線材又は棒材等の部材が配置されていてもよい。
実施の形態3では、遠位伝熱管22dが伝熱管22pと同様の形状及び寸法を有している例を説明した。シェルアンドチューブ式熱交換器において、遠位伝熱管22dは、噴霧軸Amと交差する位置に配置できるものであればよい。したがって、遠位伝熱管22dの形状及び寸法は、伝熱管22pの形状及び寸法と同一のものに限定されない。ただし、遠位伝熱管22dが伝熱管22pと同様の形状及び寸法を有していれば、遠位伝熱管22dを伝熱管22pと別に準備する必要がなく、生産管理が容易である。また、遠位伝熱管22dとして、伝熱管22pの外径よりも大きい外径を有する管を用いてもよい。この場合、遠位伝熱管22dによって液相冷媒をより確実に捕捉できる。
本明細書に開示されたシェルアンドチューブ式熱交換器は、業務用エアコンなどの空気調和装置に特に有用である。シェルアンドチューブ式熱交換器は、蒸発器のみならず、凝縮器として使用されてもよい。本明細書に開示された冷凍サイクル装置は、空気調和装置に限定されず、吸収式冷凍機、チラー、蓄熱装置などの他の装置であってもよい。
21 シェル
22 伝熱管群
22a 第一段
22b 第二段
22c 下部伝熱管群
22d 遠位伝熱管
22e 下部伝熱管
22j 第一端部
22k 第二端部
22p 伝熱管
24 ノズル
100 冷凍サイクル装置
101 蒸発器(シェルアンドチューブ式熱交換器)
Am 噴霧軸
P 直線
θ 鋭角

Claims (10)

  1. シェルと、
    前記シェルの内部に配置された伝熱管群と、
    前記伝熱管群に向かって液体を噴霧するノズルと、を備え、
    前記伝熱管群は、第一平面に沿って配列された複数の伝熱管を有する第一段と、前記第一平面に平行な第二平面に沿って配列された複数の伝熱管を有し、かつ、前記第一平面に垂直な方向において前記第一段と隣り合っている第二段とを含み、
    前記ノズルは、前記第一平面に垂直な方向において前記第一段の前記複数の伝熱管の前記第二段に近い第一端部と、前記第一平面に垂直な方向において前記第二段の前記複数の伝熱管の前記第一段に近い第二端部との間を通過する噴霧軸を有し、かつ、前記第一段と前記第二段との間を通過する扁平な噴霧パターンで前記液体を噴霧する、
    シェルアンドチューブ式熱交換器。
  2. 前記第一段と前記第二段との間には、前記第一段の前記複数の伝熱管の配列方向における前記第一段の一端から他端まで有体物に交差しない仮想平面が存在する、請求項1に記載のシェルアンドチューブ式熱交換器。
  3. 前記第一段の前記複数の伝熱管及び前記第二段の前記複数の伝熱管は、前記伝熱管の長手方向に垂直な第三平面において、長方形格子、正方形格子、又は平行四辺形格子をなしている、請求項1又は2に記載のシェルアンドチューブ式熱交換器。
  4. 前記第二段は、重力方向において前記第一段の下方に配置されており、
    前記伝熱管群は、複数の伝熱管を有し、かつ、重力方向において前記第二段の下方に配置されている下部伝熱管群を含む、請求項1から3のいずれか1項に記載のシェルアンドチューブ式熱交換器。
  5. 前記下部伝熱管群の前記複数の伝熱管は、前記第二段の前記複数の伝熱管とともに、前記伝熱管の長手方向に垂直な第三平面において長方形格子又は正方形格子をなしている、請求項4に記載のシェルアンドチューブ式熱交換器。
  6. 前記第一平面に垂直な方向に沿って前記第一段を見たときに、前記噴霧軸は、前記第一段の前記伝熱管の長手方向に垂直に延びる直線に対して所定の大きさの鋭角をなす、請求項1から5のいずれか1項に記載のシェルアンドチューブ式熱交換器。
  7. 前記伝熱管群は、前記噴霧軸と交差する位置に配置された遠位伝熱管を有し、
    前記第一段は、前記第一段の前記複数の伝熱管の配列方向において、前記ノズルと前記遠位伝熱管との間に配置されている、
    請求項1から6のいずれか1項に記載のシェルアンドチューブ式熱交換器。
  8. 前記伝熱管群は、重力方向において前記遠位伝熱管の真下に配置された下部伝熱管を有する、請求項7に記載のシェルアンドチューブ式熱交換器。
  9. 請求項1から8のいずれか1項に記載のシェルアンドチューブ式熱交換器を備えた、冷凍サイクル装置。
  10. 第一平面に沿って配列された複数の伝熱管を有する第一段と、前記第一平面に平行な第二平面に沿って配列された複数の伝熱管を有し、かつ、前記第一平面に垂直な方向において前記第一段と隣り合っている第二段とを含む伝熱管群の内部において熱媒体を通過させることと、
    前記第一平面に垂直な方向において前記第一段の前記複数の伝熱管の前記第二段に近い第一端部と、前記第一平面に垂直な方向において前記第二段の前記複数の伝熱管の前記第一段に近い第二端部との間を通過する噴霧軸を有し、かつ、前記第一段と前記第二段との間を通過する扁平な噴霧パターンで前記伝熱管群に向かって液体を噴霧し、前記熱媒体と前記液体とを熱交換させることとを、含む
    熱交換方法。
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