JP2020153592A - シェルアンドチューブ式熱交換器及び冷凍サイクル装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】扁平形状を有する伝熱管の平坦な伝熱面に冷媒などの液体を行き渡らせるための技術を提供する。【解決手段】本開示のシェルアンドチューブ式熱交換器(101)は、シェル(201)と、シェル(201)の内部に並べられ、それぞれ平坦な伝熱面(202p)を有する複数の伝熱管(202)と、複数の伝熱管(202)に向かって液体を噴霧する第1噴霧ノズル(204)と、を備えている。複数の伝熱管(202)は、複数の伝熱管(202)の並び方向において最も外側に位置する特定の伝熱管(202A)を含み、並び方向に垂直で、特定の伝熱管(202A)の中心位置を通る仮想的な平面を基準平面(P1)と定義したとき、第1噴霧ノズル(204)は、基準平面(P1)上に配置されている、又は、並び方向において基準平面(P1)よりも外側に配置されている。【選択図】図5
Description
本開示は、シェルアンドチューブ式熱交換器及び冷凍サイクル装置に関する。
図9は、特許文献1に記載されたシェルアンドチューブ式熱交換器の構成を示している。特許文献1に記載されたシェルアンドチューブ式熱交換器は、シェル1、扁平伝熱管2、ノズル部材3及び冷却媒体流入管4を備えている。扁平伝熱管2は、3列及び4段で配置されている。冷却媒体は、ノズル部材3から扁平伝熱管2に向けて噴出される。扁平伝熱管2の扁平面に冷却媒体が接触して扁平伝熱管2の内部を流通する被冷却媒体と熱交換を行う。
扁平形状を有する伝熱管をシェルアンドチューブ式熱交換器に使用すると、シェルの内部における伝熱管の実装密度を高めることができるので、シェルアンドチューブ式熱交換器の単位体積あたりの伝熱面積を増加させるのに有利である。つまり、扁平形状を有する伝熱管を使用することは、シェルアンドチューブ式熱交換器の小型化に有利である。
しかし、扁平形状の伝熱管は幅方向に長いので、噴霧ノズルから伝熱管の伝熱面に冷媒などの液体を行き渡らせることは容易ではない。
本開示は、扁平形状を有する伝熱管の平坦な伝熱面に冷媒などの液体を行き渡らせるための技術を提供する。
本開示は、
シェルと、
前記シェルの内部に並べられ、それぞれ平坦な伝熱面を有する複数の伝熱管と、
前記複数の伝熱管に向かって液体を噴霧する第1噴霧ノズルと、
を備え、
前記複数の伝熱管は、前記複数の伝熱管の並び方向において最も外側に位置する特定の伝熱管を含み、
前記並び方向に垂直で、前記特定の伝熱管の中心位置を通る仮想的な平面を基準平面と定義したとき、
前記第1噴霧ノズルは、前記基準平面上に配置されている、又は、前記並び方向において前記基準平面よりも外側に配置されている、
シェルアンドチューブ式熱交換器を提供する。
シェルと、
前記シェルの内部に並べられ、それぞれ平坦な伝熱面を有する複数の伝熱管と、
前記複数の伝熱管に向かって液体を噴霧する第1噴霧ノズルと、
を備え、
前記複数の伝熱管は、前記複数の伝熱管の並び方向において最も外側に位置する特定の伝熱管を含み、
前記並び方向に垂直で、前記特定の伝熱管の中心位置を通る仮想的な平面を基準平面と定義したとき、
前記第1噴霧ノズルは、前記基準平面上に配置されている、又は、前記並び方向において前記基準平面よりも外側に配置されている、
シェルアンドチューブ式熱交換器を提供する。
本開示の技術によれば、扁平形状を有する伝熱管の平坦な伝熱面に冷媒などの液体を行き渡らせることができる。これにより、シェルアンドチューブ式熱交換器の熱交換効率が向上する。
(本開示の基礎となった知見)
所定の並び方向に並べられた複数の伝熱管に向けて横から放射状に冷媒などの液体を噴霧したとき、所定の並び方向において最も外側に位置する伝熱管の伝熱面に液体を到達させることは難しい。扁平形状の伝熱管は幅方向に長いので、扁平形状の伝熱管を用いたシェルアンドチューブ式熱交換器では、円管断面の伝熱管を用いたシェルアンドチューブ式熱交換器に比べ、上記の問題がより顕在化する。
所定の並び方向に並べられた複数の伝熱管に向けて横から放射状に冷媒などの液体を噴霧したとき、所定の並び方向において最も外側に位置する伝熱管の伝熱面に液体を到達させることは難しい。扁平形状の伝熱管は幅方向に長いので、扁平形状の伝熱管を用いたシェルアンドチューブ式熱交換器では、円管断面の伝熱管を用いたシェルアンドチューブ式熱交換器に比べ、上記の問題がより顕在化する。
(本開示に係る一態様の概要)
本開示の第1態様に係るシェルアンドチューブ式熱交換器は、
シェルと、
前記シェルの内部に並べられ、それぞれ平坦な伝熱面を有する複数の伝熱管と、
前記複数の伝熱管に向かって液体を噴霧する第1噴霧ノズルと、
を備え、
前記複数の伝熱管は、前記複数の伝熱管の並び方向において最も外側に位置する特定の伝熱管を含み、
前記並び方向に垂直で、前記特定の伝熱管の中心位置を通る仮想的な平面を基準平面と定義したとき、
前記第1噴霧ノズルは、前記基準平面上に配置されている、又は、前記並び方向において前記基準平面よりも外側に配置されている。
本開示の第1態様に係るシェルアンドチューブ式熱交換器は、
シェルと、
前記シェルの内部に並べられ、それぞれ平坦な伝熱面を有する複数の伝熱管と、
前記複数の伝熱管に向かって液体を噴霧する第1噴霧ノズルと、
を備え、
前記複数の伝熱管は、前記複数の伝熱管の並び方向において最も外側に位置する特定の伝熱管を含み、
前記並び方向に垂直で、前記特定の伝熱管の中心位置を通る仮想的な平面を基準平面と定義したとき、
前記第1噴霧ノズルは、前記基準平面上に配置されている、又は、前記並び方向において前記基準平面よりも外側に配置されている。
第1態様によれば、基準平面上に噴霧ノズルが存在することによって、噴霧ノズルから噴霧された液相冷媒のミストが特定の伝熱管の伝熱面にも到達しうる。これにより、シェルアンドチューブ式熱交換器の熱交換効率が向上する。
本開示の第2態様において、例えば、第1態様に係るシェルアンドチューブ式熱交換器では、前記第1噴霧ノズルは、前記特定の伝熱管に正対する方向を向いていてもよい。このような構成によれば、伝熱管の並び方向において最も外側に位置する伝熱面にも液相冷媒のミストが確実に供給されうる。
本開示の第3態様において、例えば、第1態様に係るシェルアンドチューブ式熱交換器では、前記第1噴霧ノズルは、前記基準平面に平行な方向に対して傾斜した方向を向いていてもよい。このような構成によれば、伝熱管に接触することなく外側に向かって進む液相冷媒の量を減らすことができるので、シェルアンドチューブ式熱交換器の熱交換効率の更なる向上を期待できる。
本開示の第4態様において、例えば、第1から第3態様のいずれか1つに係るシェルアンドチューブ式熱交換器は、前記複数の伝熱管に向かって前記液体を噴霧する第2噴霧ノズルをさらに備えていてもよく、前記第1噴霧ノズル及び前記第2噴霧ノズルは、前記並び方向に並べられていてもよく、前記並び方向に垂直かつ水平方向に平行な方向に関して、前記第1噴霧ノズルの位置と前記第2噴霧ノズルの位置とが互いにずれていてもよい。このような構成は、各伝熱管に液相冷媒のミストを均一に供給することに資する。
本開示の第5態様において、例えば、第1から第4態様のいずれか1つに係るシェルアンドチューブ式熱交換器では、前記複数の伝熱管は、前記複数の伝熱管の並び方向において最も外側に位置する1対の伝熱管を含んでいてもよく、前記1対の伝熱管のそれぞれが前記特定の伝熱管を構成してもよく、前記1対の伝熱管のそれぞれに対応して前記第1噴霧ノズルが設けられていてもよい。このような構成によれば、並び方向における両端に位置する1対の伝熱管のそれぞれにおいて、上記した効果が得られる。
本開示の第6態様に係る冷凍サイクル装置は、
第1から第5態様のいずれか1つに係るシェルアンドチューブ式熱交換器と、
前記シェルアンドチューブ式熱交換器に接続された圧縮機と、
を備えている。
第1から第5態様のいずれか1つに係るシェルアンドチューブ式熱交換器と、
前記シェルアンドチューブ式熱交換器に接続された圧縮機と、
を備えている。
本開示のシェルアンドチューブ式熱交換器を用いることによって、冷凍サイクルの効率(COP)が向上しうる。
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。本開示は、以下の実施形態に限定されない。
(第1実施形態)
図1は、本実施形態のシェルアンドチューブ式熱交換器を用いた冷凍サイクル装置100の構成を示している。冷凍サイクル装置100は、蒸発器101、圧縮機102、凝縮器103、流量弁104、流路110a、流路110b、流路110c及び流路110dを備えている。蒸発器101の出口は流路110aによって圧縮機102の吸入口に接続されている。圧縮機102の出口は流路110bによって凝縮器103の入口に接続されている。凝縮器103の出口は、流路110cによって流量弁104の入口に接続されている。流量弁104の出口は流路110dによって蒸発器101の入口に接続されている。流路110a及び流路110bは蒸気経路であり、流路110c及び流路110dは液経路である。各経路は、例えば、少なくとも1つの金属製の配管で構成されている。
図1は、本実施形態のシェルアンドチューブ式熱交換器を用いた冷凍サイクル装置100の構成を示している。冷凍サイクル装置100は、蒸発器101、圧縮機102、凝縮器103、流量弁104、流路110a、流路110b、流路110c及び流路110dを備えている。蒸発器101の出口は流路110aによって圧縮機102の吸入口に接続されている。圧縮機102の出口は流路110bによって凝縮器103の入口に接続されている。凝縮器103の出口は、流路110cによって流量弁104の入口に接続されている。流量弁104の出口は流路110dによって蒸発器101の入口に接続されている。流路110a及び流路110bは蒸気経路であり、流路110c及び流路110dは液経路である。各経路は、例えば、少なくとも1つの金属製の配管で構成されている。
圧縮機102を起動すると、蒸発器101において冷媒が加熱されて蒸発する。これにより、気相冷媒が生成される。気相冷媒は圧縮機102に吸入されて圧縮される。圧縮された気相冷媒は圧縮機102から凝縮器103に供給される。気相冷媒は凝縮器103で冷却されて凝縮及び液化する。これにより、液相冷媒が生成される。液相冷媒は、流量弁104を経由して凝縮器103から蒸発器101に戻される。
冷媒の種類は特に限定されない。冷媒としては、フロン冷媒、低GWP(Global Warming Potential)冷媒、自然冷媒などが挙げられる。フロン冷媒としては、HCFC(hydrochlorofluorocarbon)及びHFC(hydrofluorocarbon)が挙げられる。低GWP冷媒としては、HFO−1234yf及び水が挙げられる。自然冷媒としては、二酸化炭素及び水が挙げられる。
冷媒は、常温での飽和蒸気圧が負圧の物質を主成分として含む冷媒であってもよい。このような冷媒としては、水、アルコール又はエーテルを主成分として含む冷媒が挙げられる。「主成分」とは、質量比で最も多く含まれた成分を意味する。「負圧」は、絶対圧で大気圧よりも低い圧力を意味する。「常温」は、日本工業規格(JIS Z8703)によれば、20℃±15℃の範囲内の温度を意味する。
冷凍サイクル装置100は、例えば、業務用又は家庭用の空気調和装置である。蒸発器101で冷却された熱媒体が回路105を通じて室内に供給され、室内の冷房に使用される。あるいは、凝縮器103で加熱された熱媒体が回路106を通じて室内に供給され、室内の暖房に利用される。熱媒体は、例えば、水である。ただし、冷凍サイクル装置100は空気調和装置に限定されず、チラー、蓄熱装置など他の装置であってもよい。
回路105は、蒸発器101の伝熱管に水を循環させる回路である。回路105は、外気から隔離された密閉回路であってもよい。
本実施形態において、「熱媒体」の語句に代えて「水」の語句を使用する。ただし、回路105を流れる第1流体としての熱媒体は水に限定されず、オイル、ブラインなどの液体であってもよく、空気などの気体であってもよい。
図2は、II-II線に沿った蒸発器101の縦断面を示している。図2に示すように、蒸発器101は、シェルアンドチューブ式熱交換器で構成されている。具体的に、蒸発器101は、シェル201、複数の伝熱管202、複数のヘッダー203、複数の噴霧ノズル204、循環回路205、循環ポンプ206、流入管207及び流出管208を備えている。複数の伝熱管202、複数のヘッダー203、複数の噴霧ノズル204、循環回路205及び循環ポンプ206は、シェル201の内部に配置されている。蒸発器101において冷媒を効率的に蒸発させることによって冷凍サイクルの効率(COP)が向上しうる。
流入管207及び流出管208には、それぞれ、流路110d及び流路110aが接続されうる。
伝熱管202は、多穴かつ扁平形状の伝熱管である。伝熱管202の入口から出口に向かって水が流れる。平坦な伝熱面が鉛直方向に平行となるように複数の伝熱管202がヘッダー203とヘッダー203との間に並べられている。図2では、Z軸に平行な方向が鉛直方向である。
伝熱管202の材料としては、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレスなどの金属材料が挙げられる。
本実施形態では、伝熱管202は、鉛直方向に3段で配置されている。噴霧される液相冷媒の量は、各段で等しくてもよく、異なっていてもよい。
シェル201は、その底部に液相冷媒を貯留するように構成されている。循環回路205は、シェル201の底部と噴霧ノズル204のそれぞれとを接続している。循環回路205に循環ポンプ206が配置されている。循環ポンプ206の働きにより、シェル201の底部に貯留された液相冷媒が循環回路205を通じて噴霧ノズル204に供給される。このような構成によれば、液相冷媒の回収が容易であるとともに、噴霧ノズル204に液相冷媒を供給するためのエネルギー消費を抑えることができる。
噴霧ノズル204は、横から水平方向に伝熱管202に向かって液相冷媒を噴霧するように配置されている。詳細には、噴霧ノズル204は、複数の伝熱管202の側面に向かい合っており、複数の伝熱管202に向かって液相冷媒を放射状に噴霧する。本実施形態において、水は、図面の上から下に向かって伝熱管202の中を流れる。液相冷媒は、第1流体の一例である水と熱交換するべき第2流体の一例である。
本実施形態において、シェル201は矩形の断面形状を有しているが、円形の断面形状を有してもよい。また、シェル201は、耐圧容器であってもよい。
図3は、III-III線に沿った蒸発器101の断面を示している。
伝熱管202は、鉛直方向にシェル201の下部から上部に向かって延びるように、シェル201の内部に配置されている。鉛直方向における伝熱管202の両端部は、ヘッダー203に接続されている。伝熱管202内に水が流れる。伝熱管202に水を流す方法は、ヘッダーを用いない別の方法でもよい。
ヘッダー203の入口は、管板カバー209aに接続されている。ヘッダー203の出口は、管板カバー209bに接続されている。管板カバー209aには水が流入する入口管301が設けられている。管板カバー209bには伝熱管202において熱交換された水が流出する出口管302が設けられている。つまり、水は、シェル201の下部に位置する入口管301から蒸発器101に流入する。そして、水は、複数のヘッダー203及び伝熱管202を経由して、シェル201の上部に位置する出口管302から蒸発器101の外部に流出する。
管板カバー209の内部の流路は、仕切り板303によって仕切られている。ヘッダー203から流出した水が直上のヘッダー203に流入するように管板カバー209a及び209bの内部が仕切られている。
図4は、伝熱管202の断面を示している。伝熱管202は、1対の平坦な伝熱面202pを有するように、管状の外壁401と複数の隔壁402とによって構成されている。外壁401と隔壁402とによって囲まれた空間が水の流路403である。外壁401及び隔壁403は、それぞれ、薄板によって構成されている。薄板の厚さは、例えば、0.5mmから0.8mmの範囲にある。流路403は、例えば、四角形の断面形状を有する。伝熱管202の断面において、流路403の一辺は、例えば、0.5mmから3mmの範囲にある。流路403は、円形、三角形などの他の形状の断面を有していてもよい。流路403の内壁面に微細な溝又はフィンを形成して表面積を増大させてもよい。
圧縮機102は、遠心圧縮機などの速度型圧縮機であってもよく、スクロール圧縮機などの容積型圧縮機であってもよい。
凝縮器103の型式は特に限定されない。プレート式熱交換器、シェルアンドチューブ式熱交換器などの熱交換器が凝縮器103に使用されうる。
蒸発器101を更に詳細に説明する。
図5は、伝熱管202及び噴霧ノズル204を上方から見たときの図である。図5において、ヘッダー203は省略されている。複数の伝熱管202は、シェル201の内部において、所定方向に並べられている。本実施形態では、伝熱面202pが鉛直方向に平行となるように、シェル201の内部に複数の伝熱管202が水平方向に並べられている。図5では、Y軸に平行な方向が複数の伝熱管202の並び方向である。
複数の伝熱管202は、複数の伝熱管202の並び方向において最も外側に位置する特定の伝熱管202Aを含む。特定の伝熱管202Aは、シェル201の内面に向かい合う伝熱管でありうる。伝熱管202の並び方向に垂直で、特定の伝熱管202Aの中心位置を通る仮想的な平面を第1基準平面P1と定義する。伝熱管202の並び方向において、第1基準平面P1は、特定の伝熱管202Aの中心位置を通る。噴霧ノズル204は、第1基準平面P1上に配置されている。第1基準平面P1上に噴霧ノズル204が存在すると、噴霧ノズル204から噴霧された液相冷媒のミストが特定の伝熱管202Aの伝熱面202pにも到達しうる。これにより、蒸発器101の熱交換効率が向上し、ひいては冷凍サイクル装置100のCOPが向上する。
複数の伝熱管202は、伝熱管202の並び方向において最も外側に位置する1対の伝熱管202を含む。1対の伝熱管202のそれぞれが特定の伝熱管202Aを構成する。
蒸発器101は、複数の噴霧ノズル204を備えている。複数の噴霧ノズル204は、第1噴霧ノズル204a及び第2噴霧ノズル204bを含む。第1噴霧ノズル204a及び第2噴霧ノズル204bは、伝熱管202の並び方向に並べられている。第1基準平面P1上に位置する噴霧ノズル204が第1噴霧ノズル204aであり、それ以外の噴霧ノズル204が第2噴霧ノズル204bである。
図5に示す例では、1対の第1基準平面P1のそれぞれの上に第1噴霧ノズル204aが位置している。複数の伝熱管202の並び方向において最も外側に位置する1対の伝熱管202のそれぞれに対応して第1噴霧ノズル204aが設けられている。このような構成によれば、並び方向における両端に位置する1対の伝熱管202のそれぞれにおいて、上記した効果が得られる。
1対の第1噴霧ノズル204aに挟まれる形で2つの第2噴霧ノズル204bが設けられている。ただし、第2噴霧ノズル204bが1つのみ存在していてもよい。伝熱管202の数が少ない場合には、第2噴霧ノズル204bが存在しない場合もありうる。
本実施形態において、第1噴霧ノズル204aは、第1基準平面P1上に配置されており、特定の伝熱管202Aに正対する方向を向いている。このような構成によれば、液相冷媒のミストが特定の伝熱管202Aの前縁に衝突して左右均一に分かれる。その後、液相冷媒のミストは、特定の伝熱管202Aの1対の伝熱面202pのそれぞれに沿って進む。その結果、伝熱管202の並び方向において最も外側に位置する伝熱面202pにも液相冷媒のミストが確実に供給されうる。
「第1噴霧ノズル204aが特定の伝熱管202Aに正対する方向を向いている。」とは、第1噴霧ノズル204aから液相冷媒が放射状に噴霧されたとき、液相冷媒の放射状の流れを等角度に分断する仮想的な鉛直平面が特定の伝熱管202Aの伝熱面202pに平行であることを意味する。「平行」は、完全に平行であることを必ずしも意味しない。本開示による技術的効果が大幅に損なわれない範囲の誤差は許容される。「特定の伝熱管202Aの前縁」は、第1噴霧ノズル204aから最も近くに位置している伝熱管202Aの縁を意味する。
第1噴霧ノズル204aと同じように、第2噴霧ノズル204bのそれぞれも複数の伝熱管202に正対する方向を向いていてもよい。
図6は、噴霧ノズル204の別の配置を示している。図6に示す例において、第1噴霧ノズル204aは、並び方向において第1基準平面P1よりも外側に配置されている。詳細には、第1基準平面P1から所定距離に位置する第2基準平面P2の上に第1噴霧ノズル204aが存在している。第2基準平面P2は、第1基準平面P1に平行な仮想的な平面である。第1基準平面P1と第2基準平面P2との距離は、例えば、5mm以上10mm以下の範囲にある。このような構成においても、第1基準平面P1上に第1噴霧ノズル204aが存在する場合に得られる効果が得られる。
図6に示す例においても、第1噴霧ノズル204aは、特定の伝熱管202Aに正対する方向を向いている。
次に、蒸発器101の作用を説明する。
ポンプ206を起動すると、液相冷媒がシェル201の底部から噴霧ノズル204に供給される。噴霧ノズル204は、伝熱管202に向けて液相冷媒を噴霧する。伝熱管202に熱媒体を流しながら伝熱管202に液相冷媒を噴霧すれば、伝熱管202において熱媒体と液相冷媒との熱交換が行われ、冷媒が蒸発して気相冷媒が生成される。液相冷媒は、噴霧ノズル204から水平方向に放射状に噴霧され、所定の枚数の伝熱管202に到達する。
第1基準平面P1よりも内側にのみ噴霧ノズルが存在する場合、液相冷媒が噴霧ノズルから放射状に噴霧されたとしても、液相冷媒は、複数の伝熱管の並び方向において最も外側に位置する伝熱管の前縁を掠めて通過する。そのため、液相冷媒は、複数の伝熱管の並び方向において最も外側に位置する平坦な伝熱面に直接到達し得ない。
これに対し、本実施形態によれば、第1噴霧ノズル204aが第1基準平面P1又は第2基準平面P2の上に存在するため、複数の伝熱管202の並び方向において最も外側に位置する伝熱面202pをも液相冷媒で濡らすことができる。これにより、熱交換に寄与しない無駄な伝熱面202pが生じることを防止できるので、蒸発器101の熱交換効率が向上する。
図7は、噴霧ノズル204のさらに別の配置を示している。図7に示す例において、第1噴霧ノズル204aは、第1基準平面P1に平行な方向に対して傾斜した方向を向いている。このような構成によれば、伝熱管202に接触することなく外側に向かって進む液相冷媒の量を減らすことができるので、蒸発器101の熱交換効率の更なる向上を期待できる。噴霧ノズル204の数を減らすことも可能である。
具体的には、第1噴霧ノズル204aは、内側に向かって傾斜している。「内側」は、特定の伝熱管202Aから見て他の伝熱管202が存在する側である。第1噴霧ノズル204aの中心軸は、特定の伝熱管202A以外の伝熱管202に交差しうる。第1噴霧ノズル204aから液相冷媒が放射状に噴霧されたとき、液相冷媒の放射状の流れを等角度に分断する仮想的な鉛直平面上に第1噴霧ノズル204aの中心軸が存在する。図7に示す例では、第1噴霧ノズル204aは、第2基準平面P2上に配置されている。ただし、第1噴霧ノズル204aは、第1基準平面P1上に配置されていてもよい。
例えば、液相冷媒のミストの流れの外縁FE1を含む仮想的な平面が特定の伝熱管202Aの伝熱面202pに交差することが想定される。この仮想的な平面と伝熱面202pとの交差位置よりも前方の部分には、液相冷媒のミストが直接的に到達する。前方の部分に到達した液相冷媒は、伝熱面202pに沿って流れ、交差位置よりも後方の部分にも到達しうる。その結果、伝熱面202pの全部又は大部分に液相冷媒を行き渡らせることができる。なお、伝熱管202から噴霧ノズル204に接近する方向が「前方」であり、噴霧ノズル204から遠ざかる方向が「後方」である。
第1噴霧ノズル204aの傾斜角度は、例えば、第1噴霧ノズル204aから放射状に噴霧された液相冷媒のミストの流れの外縁FE1が伝熱面202pに平行となるように調整されている。この場合、特定の伝熱管202Aの伝熱面202pが端まで液相冷媒のミストの流れに晒される。つまり、特定の伝熱管202Aの伝熱面202pに効率的に液相冷媒が供給されうる。第1噴霧ノズル204aから噴霧された液相冷媒は、特定の伝熱管202Aだけでなく、内側に位置する他の伝熱管202にも供給される。その結果、噴霧ノズル204の数を減らせる可能性がある。
図8は、噴霧ノズル204のさらに別の配置を示している。図8に示す例では、複数の伝熱管202の並び方向に垂直かつ水平方向に平行な方向に関して、第1噴霧ノズル204aの位置と第2噴霧ノズル204bの位置とが互いにずれている。言い換えれば、X軸に平行な方向に関して、第1噴霧ノズル204aの位置と第2噴霧ノズル204bの位置とがオフセットしている。詳細には、伝熱管202の前縁を通る仮想的な平面E1から第2噴霧ノズル204bまでの距離L2は、仮想的な平面E1から第1噴霧ノズル204aまでの距離L1よりも大きい。このような構成は、各伝熱管202に液相冷媒のミストを均一に供給することに資する。
図7に示すように、第1噴霧ノズル204aが第1基準平面P1に平行な方向に対して傾斜した方向を向いている場合、液相冷媒のミストの流れの外縁FE1は、第1噴霧ノズル204aから伝熱管202までの最短の軌跡に対応する。液相冷媒のミストの流れの内縁FE2は、第1噴霧ノズル204aから伝熱管202までの最長の軌跡に対応する。この場合、内縁FE2の位置を辿る液相冷媒のミストが伝熱管202に到達する前に失速する可能性がある。
これに対し、図8に示す例によれば、第1噴霧ノズル204aを伝熱管202に近づけることによって、内縁FE2の位置を辿る液相冷媒のミストの飛行距離が短縮される。これにより、内縁FE2の位置を辿る液相冷媒のミストの失速を抑制できる。ひいては、内縁FE2の位置を辿って単位時間あたりに伝熱管202に到達する液相冷媒の量が減少することを回避できる。
図8に示す例では、第1噴霧ノズル204aは、第2基準平面P2上に配置されている。ただし、第1噴霧ノズル204aは、第1基準平面P1上に配置されていてもよい。
本明細書に開示されたシェルアンドチューブ式熱交換器は、業務用エアコンなどの空気調和装置に特に有用である。シェルアンドチューブ式熱交換器は、蒸発器のみならず、凝縮器として使用されてもよい。本明細書に開示された冷凍サイクル装置は、空気調和装置に限定されず、吸収式冷凍機、チラー、蓄熱装置などの他の装置であってもよい。
100 冷凍サイクル装置
101 蒸発器
102 圧縮機
103 凝縮器
201 シェル
202 伝熱管
202A 特定の伝熱管
202p 伝熱面
204 噴霧ノズル
204a 第1噴霧ノズル
204b 第2噴霧ノズル
P1 第1基準平面
P2 第2基準平面
FE1 外縁
FE2 内縁
101 蒸発器
102 圧縮機
103 凝縮器
201 シェル
202 伝熱管
202A 特定の伝熱管
202p 伝熱面
204 噴霧ノズル
204a 第1噴霧ノズル
204b 第2噴霧ノズル
P1 第1基準平面
P2 第2基準平面
FE1 外縁
FE2 内縁
Claims (6)
- シェルと、
前記シェルの内部に並べられ、それぞれ平坦な伝熱面を有する複数の伝熱管と、
前記複数の伝熱管に向かって液体を噴霧する第1噴霧ノズルと、
を備え、
前記複数の伝熱管は、前記複数の伝熱管の並び方向において最も外側に位置する特定の伝熱管を含み、
前記並び方向に垂直で、前記特定の伝熱管の中心位置を通る、仮想的な平面を基準平面と定義したとき、
前記第1噴霧ノズルは、前記基準平面上に配置されている、又は、前記並び方向において前記基準平面よりも外側に配置されている、
シェルアンドチューブ式熱交換器。 - 前記第1噴霧ノズルは、前記特定の伝熱管に正対する方向を向いている、
請求項1に記載のシェルアンドチューブ式熱交換器。 - 前記第1噴霧ノズルは、前記基準平面に平行な方向に対して傾斜した方向を向いている、
請求項1に記載のシェルアンドチューブ式熱交換器。 - 前記複数の伝熱管に向かって前記液体を噴霧する第2噴霧ノズルをさらに備え、
前記第1噴霧ノズル及び前記第2噴霧ノズルは、前記並び方向に並べられており、
前記並び方向に垂直かつ水平方向に平行な方向に関して、前記第1噴霧ノズルの位置と前記第2噴霧ノズルの位置とが互いにずれている、
請求項1から3のいずれか1項に記載のシェルアンドチューブ式熱交換器。 - 前記複数の伝熱管は、前記複数の伝熱管の並び方向において最も外側に位置する1対の伝熱管を含み、
前記1対の伝熱管のそれぞれが前記特定の伝熱管を構成し、
前記1対の伝熱管のそれぞれに対応して前記第1噴霧ノズルが設けられている、
請求項1から4のいずれか1項に記載のシェルアンドチューブ式熱交換器。 - 請求項1から5のいずれか1項に記載のシェルアンドチューブ式熱交換器と、
前記シェルアンドチューブ式熱交換器に接続された圧縮機と、
を備えた、冷凍サイクル装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019052936A JP2020153592A (ja) | 2019-03-20 | 2019-03-20 | シェルアンドチューブ式熱交換器及び冷凍サイクル装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019052936A JP2020153592A (ja) | 2019-03-20 | 2019-03-20 | シェルアンドチューブ式熱交換器及び冷凍サイクル装置 |
Publications (1)
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---|---|
JP2020153592A true JP2020153592A (ja) | 2020-09-24 |
Family
ID=72558492
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2019052936A Pending JP2020153592A (ja) | 2019-03-20 | 2019-03-20 | シェルアンドチューブ式熱交換器及び冷凍サイクル装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2020153592A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022130986A1 (ja) * | 2020-12-17 | 2022-06-23 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | シェルアンドチューブ式熱交換器、冷凍サイクル装置、及び熱交換方法 |
-
2019
- 2019-03-20 JP JP2019052936A patent/JP2020153592A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2022130986A1 (ja) * | 2020-12-17 | 2022-06-23 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | シェルアンドチューブ式熱交換器、冷凍サイクル装置、及び熱交換方法 |
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