JP2019132460A - シェルアンドチューブ式熱交換器 - Google Patents
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Abstract
【課題】圧力損失を低減するシェルアンドチューブ式熱交換器を提供すること。【解決手段】シェル201、多穴扁平伝熱管202、ヘッダー203、噴霧ノズル204、冷媒循環回路205、冷媒循環ポンプ206、流入管207、流出管208で構成され、多穴扁平伝熱管202はシェル201内に所定の間隔で配列され、更に扁平面の軸方向に向かって1/2ピッチずつずれて配列される。また、噴霧ノズル204は多穴扁平伝熱管202の端部に向かって液相の冷媒を噴霧する構成となっている。【選択図】図3
Description
本発明は、伝熱管として多穴扁平伝熱管を用いたシェルアンドチューブ式熱交換器に関するものである。
図11は、特許文献1に記載された従来の扁平伝熱管を用いたシェルアンドチューブ式熱交換器の構成を示すものである。図11に示すように、従来の扁平伝熱管を用いたシェルアンドチューブ式熱交換器は、シェル1、扁平伝熱管2、ノズル部材3、冷却媒体流入管4から構成される。本従来例では扁平伝熱管2は3連4段で水平に配置されている。冷却媒体はシェル1の両側に設けられたノズル部材3から水平に配置された扁平伝熱管2群の各扁平伝熱管2の間に対応して噴出される。ノズル部材3から噴出された冷却媒体は水平方向に流出し、扁平伝熱管2の扁平面で接触し扁平伝熱管2の内部を流通する熱媒体と熱交換を行う。
しかしながら、前記従来の構成のように隣り合う扁平伝熱管で空間の数だけ噴霧ノズルを設置すると、大型化するとともに、噴霧ノズルの数量が多くなり、分流の悪化によりノズルごとの噴霧量が不均一化し、伝熱性能が悪化するという課題が発生する。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、冷媒ミストによる扁平伝熱管の濡れ性を確保しつつ、噴霧のノズルの数量を減らし、噴霧ノズルの分流の不均一化を抑制することのできる扁平伝熱管と噴霧ノズルの配置構成を提供するものである。
前記従来の課題を解決するために、本発明のシェルアンドチューブ式熱交換器は、表面に扁平面を有し、前記扁平面が対向するように配置された複数の扁平伝熱管と、複数の前記扁平伝熱管の表面に冷媒液を噴霧するノズルとを備え、ノズルの孔を扁平伝熱菅の長手方向の軸に垂直な平面に投影したときに定まる点を点Aとし、扁平伝熱菅の外周の端部を扁平伝熱菅の長手方向の軸に垂直な平面に投影したときに定まる領域を領域Bとしたとき、前記投影した点Aが、前記領域Bに位置するように配置したものである。
これによって、噴霧ノズルからシート形状の冷媒ミストが噴霧される。噴霧されたシート状の冷媒ミストは扁平伝熱管と平行に扁平伝熱管の端部(エッジ部)に衝突する。衝突したシート状のミストは扁平伝熱管の端部で平滑管を挟むように二層(2面)に分けられる。二層に分かれたシート状の冷媒ミストは隣り合う扁平伝熱管で構成される空間を移動する。
本発明のシェルアンドチューブ式熱交換器は、大容量の冷凍サイクルにおいても、噴霧ノズルへの分流数(ヘッダ分流数)が減少し、噴霧ノズルの接続部(枝部)における圧力損失の低減により噴霧ノズル間の圧力差を低減できる。このため、噴霧ノズルの一次圧を均一化できるため均一な噴霧を行うことができ、伝熱性能を向上することができる。また、当該扁平伝熱管を挟むように均一に分流されるため、ノズルの数を減らすことができることから、小型・軽量化を図ることができる。
第1の発明は、表面に扁平面を有し、前記扁平面が対向するように配置された複数の扁平伝熱管と、複数の前記扁平伝熱管の表面に冷媒液を噴霧するノズルと、複数の前記扁平伝熱管および前記ノズルを収納するシェルと、前記シェルに設けられ、前記扁平伝熱管の表面で気化した冷媒蒸気を排出する排出管とを備え、ノズルの孔を前記扁平伝熱菅の長手方向の軸に垂直な平面に投影したときに定まる点を点Aとし、前記扁平伝熱菅の外周の端部を前記扁平伝熱菅の長手方向の軸に垂直な平面に投影したときに定まる領域を領域Bとしたとき、前記投影した点Aが、前記領域Bに位置するように配置したものである。
これにより、噴霧ノズルからシート形状の冷媒ミストが噴霧され、噴霧されたシート状の冷媒ミストは扁平伝熱管の端部(エッジ部)に衝突する。衝突したシート状の冷媒ミストは扁平伝熱管の端部で扁平伝熱管を挟むように二層(2面)に分けられる。二層に分かれたシート状の冷媒ミストは隣り合う扁平伝熱管で構成される流路空間を移動する。
よって、1つの噴霧ノズルで隣り合う扁平伝熱管で構成される2か所の流路空間に噴霧することがでるため、従来の1/2の数量の噴霧ノズルにすることができる。これにより、噴霧ノズルへの分流数(ヘッダ分流数)を減少することができるため、分流の不均一を低減することができ均一な噴霧を行え、伝熱性能を向上することができる。また、また、当該扁平伝熱管を挟むように均一に分流されるため、ノズルの数を減らすことができる。これにより、小型・軽量化を図ることができる。
第2の発明は、特に第1の発明において、前列に配置される前記扁平伝熱管の後列に配列される扁平伝熱管は前列に配列される前記扁平伝熱管の配列ピッチに対し千鳥配列され、前記ノズルは互い違いに向かい合うように配置したものである。
これにより、噴霧されたシート状の冷媒ミストは、まず上流側の扁平伝熱管の端部(エッジ部)に衝突する。衝突したシート状の冷媒ミストは扁平伝熱管の端部で扁平伝熱管を挟むように二層(2面)に分けられる。二層に分かれたシート状の冷媒ミストは隣り合う扁平伝熱管で構成される流路空間を移動する。その後、上流側の扁平伝熱管で構成された空間を移動した冷媒ミストは千鳥配置された下流側の扁平伝熱管の端部(エッジ部)に衝突する。衝突したシート状の冷媒ミストは再び平滑管を挟むように二層(2面)に分けられる。その後、二層に分かれたシート状の冷媒ミストは後列の隣り合う扁平伝熱管で構成される流路空間を移動する。シート状の冷媒ミストは後方の扁平伝熱管に進むに伴い、左右方向に拡大されながら移動する。また、隣接する噴霧ノズルは、反対側から同様に噴霧される。このとき、隣接するノズル同士は対向しているため、噴霧方向が逆方向になるが、上流側から下流側の扁平伝熱管にかけて横方向にミストシート列は広がり、これが対抗する位置関係にあるため噴霧されるシート状の冷媒ミストは互いに衝突しない。
よって、下流の扁平伝熱管に向かうに伴い、シート状の冷媒ミストは進行方向に対し横方向にも移動しながら進行する。すなわち、下流の扁平伝熱管へ向かうほど横方向の扁平伝熱管にも噴霧することができる。更に隣り合う噴霧ノズルは対向に配置されているため、上流側の扁平伝熱管には、隣接する噴霧ノズルから噴霧された冷媒ミストが噴霧されることになる。このため、隣り合う噴霧ノズルの間隔を更に広くすりことができ、大容量の熱交換器においても噴霧ノズルの数量を削減可能となるため、分流の不均一化を低減することができ均一な噴霧が行え、伝熱性能を向上することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明を実施するための水冷式冷凍装置の冷凍サイクル図を示すものである。
図1は、本発明を実施するための水冷式冷凍装置の冷凍サイクル図を示すものである。
図1において、冷凍サイクル装置100は、蒸発器101、圧縮機102、凝縮器103、流量弁104および流路110a〜110dを備えている。蒸発器101の出口は流路110aによって圧縮機102の吸入口に接続されている。圧縮機102の出口は流路110bによって凝縮器103の入口に接続されている。凝縮器103の出口は、流路110cによって流量弁104の入口に接続されている。流量弁104の出口は流路110dによって蒸発器101の入口に接続されている。流路110aおよび110bは蒸気経路であり、流路110cおよび流路110dは液経路である。各経路は、例えば、少なくとも1つの金属製の配管で構成されている。
このように冷凍サイクルを構成し、蒸発器101において冷媒が加熱され蒸発する。これにより、気相の冷媒(冷媒蒸気)が生成される。生成された気相の冷媒は圧縮機102吸入されて圧縮される。圧縮され高温高圧となった気相の冷媒が圧縮機102から凝縮器103に供給される。供給された高温高圧の気相の冷媒は凝縮器103で冷却され凝縮液化し、液相の冷媒(冷媒液)が生成される。液相の冷媒は、流量弁104を経由して凝縮器103から蒸発器101に液相の冷媒として返流される。
冷凍サイクル装置100は、例えば、業務用または家庭用の空気調和装置である。蒸発器101で冷却された熱媒体が室内に供給され、室内の冷房に使用される。あるいは、凝縮器103で加熱された熱媒体が室内に供給され、室内の暖房に利用される。熱媒体は、例えば、水である。ただし、冷凍サイクル装置100は空気調和装置に限定されず、チラー、蓄熱装置など他の装置であってもよい。
次に、図2は、蒸発器101の断面図(図1のA−A断面)である。図2に示すように、蒸発器101は、シェルアンドチューブ式熱交換器で構成されている。具体的に、主要構成要素として、シェル201、多穴扁平伝熱管202、ヘッダー203、噴霧ノズル204、冷媒循環回路205、冷媒循環ポンプ206、流入管207、流出管208で構成されている。流入管207および流出管208には、それぞれ、流路110dおよび流路110aが接続されうる。多穴扁平伝熱管202はシェル201の鉛直方向に配置されており多穴扁平伝熱管の端部は上下方向においてヘッダー203で接続されている。また、噴霧ノズル204は、横から水平方向に多穴扁平伝熱管202に向かって噴霧するように配置されている。
図3は、図2におけるB−B断面を示す。図4は多穴扁平管の配列の変形例を示す。図5は、多穴扁平管202と噴霧ノズル204の位置関係を示す。
図3に示すように、多穴扁平伝熱管202はシェル201内において、所定の間隔(例えば、空間間隔5mm)で配列されている。更に、多穴扁平伝熱管202は、多穴扁平伝熱管202の扁平面に平行で、かつシェル201の鉛直方向に垂直なω軸に平行に、1/2ピッチずつずれて配列されている。図3(b)は、図3(a)の領域Dの拡大図である。図3(b)に示すように、任意の多穴扁平伝熱管202の前後に位置する多穴扁平伝熱管202は、隣り合う多穴扁平伝熱管202で構成される空間の中心軸線上に位置する。
図3(b)に示すように、ノズルの孔をω軸に垂直な平面に投影したときに定まる点を点Aとし、扁平菅の外周の端部を扁平菅のω軸に垂直な平面に投影したときに定まる領域を領域Bとしたとき、投影した点Aが、領域Bに位置するように配置する。
なお、図4(a)に示すように、本実施の形態では多穴扁平管202の1/2ピッチのずれは同一方向であるが、図4(b)に示すように、左右交互にずれた状態でも良い。この場合、図4(a)の配列に比べ、噴霧ノズル204を1ヶ多く必要とするが、多穴扁平管202の横方向の配列幅を小さくすることができ、小型化を図ることができる。
また、図5に示すように、噴霧ノズル204は多穴扁平伝熱管202の端部501(エッジ部)に向かって液相の冷媒(図示せず)を噴霧する構成となっている。すなわち、噴霧ノズル204の噴霧孔502は多穴扁平管202の中心軸γの軸線上に位置する。但し、噴霧孔502の位置は必ずしも多穴扁平管202の中心軸γ上に位置する必要はなく、噴霧されるミスト冷媒が、多穴扁平管202の端部501に衝突し二層に分流される位置であれば良い。噴霧ノズル204から噴霧される冷媒ミストが形成する噴霧形状は、所定の厚み(例えば、多穴扁平伝熱管202と同等厚さ3mm、もしくは、空間間隔5mm)を有するシート形状である。なお、噴霧形状はシート形状に限定されるものではなく、円錐形状、四角錘形状、楕円錘形状など立体形状でも良い。更に、噴霧ノズル204は、多穴扁平伝熱管202を扁平面の長手方向から挟むように配置されており、それぞれ所定の間隔で配列され、対向する噴霧ノズル204の配列は、1/2ピッチずれて配列されている。なお、配列間隔は、多穴扁平伝熱管202の厚み、多穴扁平伝熱管202の配列ピッチおよび多穴扁平伝熱管202の扁平面方向の配列枚数によって決定されるものである。
また、図3に示すように、任意の1つの多穴扁平伝熱管202において、多穴扁平伝熱管202の扁平面に平行で、かつシェル201の鉛直方向に垂直な軸をα軸とする。
その場合、隣り合う2つの多穴扁平伝熱管202のそれぞれのα軸は、互いに平行である。また、流出管208の方向軸をβ軸とする時、α軸とβ軸とは平行に配置されている。隣り合う多穴扁平伝熱管202の端部で構成される一方の空間の開口部210は流出管208の配設されている方向に向かって開口している。図2に示す多穴扁平伝熱管202のヘッダー203は管板カバー209と接続されており、管板カバー209から2次側の熱媒体が流入する構成となっている。
なお、本実施の形態において、シェル201は矩形の断面形状を有しているが、円形の断面形状を有してもよい。また、耐圧容器であってもよい。
図6は、図3におけるC−C断面を示す。多穴扁平伝熱管202は、垂直に配置されており、多穴扁平伝熱管202の入口(下部)と出口(上部)は、ヘッダー203に接続されている。ヘッダー203の入口および出口は、管板カバー209と接続されている。管板カバー209aには熱媒体が流入する入口管301、管板カバー209bには多穴扁平伝熱管202において熱交換された熱媒体が流出する出口管302が備えられている。また、管板カバー209には仕切り板303により流路が仕切られており、ヘッダー203から流出した熱媒体が直上のヘッダー203に流入するように管板カバー209の内部が仕切られている。
図7は二次側流路の変形例である。管板カバー209をシェル201の片側に設置し、入口管301と出口管302が同一の管板カバー209に備えられたものである。二次側の熱媒体の流れ方向は下から上へ向かって流れる構成で同じであるが、シェル201に対して同じ側に入口管301と出口管302を備えているため、図6に示す両サイドに管板管バー209を備える形式と比較し、管板カバー209の厚み分だけ幅方向に小型化することができる。
図8は、多穴扁平伝熱管202の断面の拡大図である。多穴扁平伝熱管202は、外壁401と隔壁402で構成され、外壁401と隔壁402で囲われた空間が熱媒体流路403となる。外壁401と隔壁403は薄板であり、例えば0.5〜0.8mm程度の厚みである。一方、熱媒体流路403の断面形状は、本実施の形態では四角形をしており、例えば、一辺が0.5mm〜3mm程度の四角形断面を有する細管形状を成している。なお、本実施の形態では熱媒体流路403の断面形状は四角形であるが、円形、三角形など形状でもよい。また、流路の流れ方向に対して、その内壁面に微細な溝もしくはフィンを形成して表面積を増大させても良い。
以上のように構成されたシェルアンドチューブ式蒸発器について、以下その動作・作用を説明する。
このような構成において、蒸発器101において冷媒液が加熱され蒸発気化する。蒸発気化した低温低圧の冷媒蒸気は、流路110aを通じて圧縮機102に吸入され高温高圧の冷媒蒸気に圧縮される。圧縮された高温高圧の冷媒蒸気は流路110bを通じて凝縮器103に流入する。凝縮器103に流入した高温高圧の冷媒蒸気は、凝縮器103において冷却され凝縮液化する。凝縮液化した高圧の冷媒液は流路110cを通じ、流量弁104を介して減圧されながら流路110dから低圧の冷媒液として蒸発器101に戻される。
このような冷凍サイクルにおいて、噴霧ノズル204から噴霧される冷媒ミストの流動状態について説明する。図9は、冷媒ミストの流動状態を示す。
図9に示すように、蒸発器101内では、冷媒液循環ポンプ206により圧送される冷媒液(図示せず)が冷媒液循環回路205を通じて噴霧ノズル204aから霧化状態の冷媒液として多穴扁平伝熱管202の端部501に向かって噴霧される。また、噴霧ノズル204aから噴霧された霧化状態の冷媒液は多穴扁平伝熱管202の端部501に衝突し多穴扁平伝熱管202を挟むように二層に分流される。
図10は、多穴扁平管の端部の拡大図を示す。図10に示すように、多穴扁平管202の端部501の形状は、従来の扁平伝熱管では、図10(a)に示すように端部501は円弧形状であるが、図10(b)に示すように鋭角の角度を有する形状でも良い。こうすることにより、噴霧ノズル204から噴霧される冷媒ミストは、端部501の鋭角の先端部で二層に分流されやすくなり、確実に冷媒ミストを二層に分流することが可能となるとともに、噴霧ノズル204の噴霧孔502の配置が、多穴扁平管202の中心軸γ上から微小であればずれた状態でも冷媒ミストを二層に分流することが可能となる。二層に分流された冷媒ミストは隣り合う多穴扁平伝熱管202で形成される流路空間を流通し冷媒ミストの噴霧方向に対し下流側の多穴扁平伝熱管202に向かって移動する。下流側の多穴扁平伝熱管202の端部501は、流路空間の出口部に位置し、流路空間から流出する冷媒ミストは下流側の多穴扁平伝熱管202の端部501に衝突する。この時、上流側での衝突時と同様に、再び冷媒ミストは二層に分流され、同様に流路空間を流通して下流側の多穴扁平伝熱管202に向かって移動する。これを、多穴扁平伝熱管202の配列枚数分だけ繰り返すことになる。本実施の形態においては、扁平面方向の多穴扁平伝熱管202の配列枚数は4枚のため、多穴扁平伝熱管202の端部501で二層に分流される回数は4回となる。すなわち、噴霧ノズル204aから噴霧された冷媒ミストは、R1(実線)に示すような流路を形成しながら多穴扁平伝熱管202で構成される流路空間を移動し、最上流部で噴霧された冷媒ミストは、最下流部の多穴扁平伝熱管202で構成される流路空間の出口において5流路に分流されることになる。すなわち、冷媒ミストは最下流部に位置する多穴扁平伝熱管202の4枚分の伝熱面上を通過することができる。対向側に位置する噴霧ノズル204bについても同様の動作作用をする。すなわち、R1に示す流路と対称の流路のR2(点線)を形成することになる。この時、噴霧ノズル204bの位置は、噴霧ノズル204aで噴霧された冷媒ミストが通過した最下流部の流路空間を基準に、噴霧ノズル204bから見て最上流部の多穴扁平伝熱管204の端部501で二層に分流された冷媒ミストが前述の噴霧ノズル204aで噴霧された冷媒ミストが通過した最下流部の流路空間の隣接する空間を流通するように配置される。これにより、本実施の形態に示す多穴扁平伝熱管202の配列条件では、噴霧ノズル204aおよび204bの2ヶの噴霧ノズル204で24枚分の多穴扁平伝熱管202の伝熱面に沿うように冷媒ミストを噴霧することが可能となる。なお、従来の多穴扁平伝熱管202の配列(扁平面方向の同一軸線上に多穴扁平伝熱管202を配列する)および噴霧ノズル204の配置(隣り合う多穴扁平伝熱管202で構成される空間に向かって噴霧する)では、24枚の多穴扁平伝熱管202の伝熱面に冷媒ミストを噴霧するためには、7ヶの噴霧ノズル204を必要とする。
以上のような作用効果により、従来と比較し少数量の噴霧ノズルで同等数の伝熱面に冷媒ミストを噴霧することが可能となり、噴霧ノズル数が削減できるため、噴霧ノズルへの冷媒液の分流の不均一化を抑制できるため均一な噴霧が可能となり伝熱性能向上することができる。また、多穴扁平伝熱管202の端部501における冷媒ミストの衝突と分離作用において端部501近傍では前縁効果が得られ、伝熱性能を更に向上することが可能となる。
更に、当該多穴扁平伝熱管202を挟むように均一に分流されため、噴霧ノズル数を軽減削減することができる。これにより、小型・軽量化を図ることができる。特に、大容量の冷凍空調システムにおいて、その効果が大きくなる。
本明細書に開示されたシェルアンドチューブ式蒸発器は、業務用エアコンなどの空気調和装置に特に有用である。本明細書に開示された冷凍サイクル装置は、空気調和装置に限定されず、吸収式冷凍機、チラー、蓄熱装置などの他の装置であってもよい。
201 シェル
202 多穴扁平伝熱管(扁平伝熱管)
204 噴霧ノズル(ノズル)
207 流入管
208 流出管
202 多穴扁平伝熱管(扁平伝熱管)
204 噴霧ノズル(ノズル)
207 流入管
208 流出管
Claims (2)
- 表面に扁平面を有し、前記扁平面が対向するように配置された複数の扁平伝熱管と、複数の前記扁平伝熱管の表面に冷媒液を噴霧するノズルと、複数の前記扁平伝熱管および前記ノズルを収納するシェルと、前記シェルに設けられ、前記伝熱管の表面で気化した冷媒蒸気を排出する排出管とを備え、ノズルの孔を扁平菅の長手方向に平行で、かつシェルの鉛直方向に垂直な軸に垂直な平面に投影したときに定まる点を点Aとし、扁平菅の外周の端部を扁平菅の長手方向の軸に垂直な平面に投影したときに定まる領域を領域Bとしたとき、前記投影した点Aが、前記領域Bに位置するように配置することを特徴とするシェルアンドチューブ式熱交換器。
- 前列に配置される前記扁平伝熱管の後列に配列される扁平伝熱管は前列に配列される前記扁平伝熱管の配列ピッチに対し千鳥配列され、前記ノズルは互い違いに向かい合うように配置されたことを特徴とする請求項1に記載のシェルアンドチューブ式熱交換器。
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