JP2014135918A - 乾燥食品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】復元性・風味が良好な凍結乾燥した乾燥肉を提供できる方法を提供する。
【解決手段】原料となる肉を蒸煮やボイルの加熱後において、針等によって穿孔を設け、この穿孔を設けた後に過熱蒸気処理する。これによって湯戻し後において、より食感・復元性及び風味に優れた食感を有する食品とすることができる。また、凍結乾燥処理の前に、肉に対して水分を付与する方が好ましい。これによって復元時に復元ムラをなくして均一な復元を実現することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、凍結乾燥食品の製造方法に関するものである。特にサイズが大きく厚みが大きめのタイプであっても、より良好に復元できる大型の肉の凍結乾燥食品の製造方法に関するものである。
近年、熱湯や水で復元する多くの凍結乾燥食品が用いられている。特に即席カップ麺の分野においては、大型の肉の凍結乾燥食品が求められている。
大型の肉の凍結乾燥食品の場合、肉の厚みが大きいため復元性が問題となりこれを改良する必要がある。復元性の改良には種々の方法が用いられるが、添加物ではなく製造方法の点から新たな方法を開発する場合は少なかった。
このような状況の下、本出願人の発明者らは、食品に対して、過熱蒸気を用いることでその後、凍結し、凍結した状態で乾燥する方法により製造される肉の乾燥食品がお湯又は水による復元性が向上することを見出した(特許文献1)。
PCT/JP2012/067917
上述の先願特許は、過熱蒸気を用いることで復元性を改良できる優れた方法である。しかし、さらなる発展を目指し、本出願人の研究チームは、さらに研究を続け、より優れた食感・復元性、風味を実現できる製造方法を検討した。また、過熱蒸気処理の条件を強くした場合でも食感・復元性等において、より良好な凍結乾燥した乾燥肉を提供できる方法を検討した。
本発明者らの鋭意研究の結果、上述の先願発明において、原料となる肉を蒸煮やボイルの加熱後において、針等によって穿孔を設け、この穿孔を設けた後に過熱蒸気処理することによって湯戻し後において、より食感・復元性及び風味に優れた食感を有する食品とすることができることを見出して本発明を完成させたのである。
すなわち、本願第一の発明は、
「加熱処理を施した肉に対して表面から複数の穿孔を設けた後に、過熱蒸気処理し、凍結乾燥する凍結乾燥肉の製造方法」、
である。
さらに、上記の請求項1の発明においては凍結乾燥処理の前に、肉に対して水分を付与する方が好ましい。
すなわち、本願第二の発明は、
「前記凍結乾燥の前に、水分を付与する工程を含む請求項1に記載の凍結乾燥肉の製造方法」、
である。
さらに、前記加熱処理は、蒸煮処理であることが好ましい。
すなわち、本願第三の発明は、
「前記加熱処理が、蒸煮処理である請求項1又は2に記載の凍結乾燥肉の製造方法」、
である。
実施例2の方法により作成した凍結乾燥ハンバーグの斜視図写真である。
以下に、本発明の実施態様について詳細に説明する。但し、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。
1.肉
本発明にいう肉とは、畜肉又は魚肉等の種々の肉を用いることができる。具体的には、畜肉として鶏肉、豚肉、牛肉、馬肉、羊肉等が挙げられる。また、魚肉としては、鯵、鯖、鰯、さんま、鮪、コチ、ハモ等の魚肉が使用できる。
本発明の製造方法において、これらの畜肉及び魚肉は、原料段階で生のままでも使用できる。また、一旦凍結したものを解凍してから用いてもよいことはもちろんである。
次に、これらの畜肉又は魚肉についてはブロック状の塊状のタイプに限られずミンチ状に処理したものが含まれる。また、これらのミンチ状の原料となる肉についてはつなぎの素材を任意に加えて塊状に調製したタイプとしたものも好適に利用できる。
すなわち、本発明においては、ブロック肉や肉塊等の形を整えただけの原料肉そのものやミンチ状の原料となる肉を塊状に調製したハンバーグや肉団子等が好適に利用できる。本発明にいう肉とはこれらの塊状に調製したものを含むものとする。
また、ブロック状の原料肉に対しては食塩等を含んだピックル液を打ち込むことが可能であることはもちろんである。また、ミンチ状の肉を用いてハンバーグや肉団子等を調製する場合、タマネギやニンニク、ショウガ等の野菜系統の原料や醤油やソース等の調味料及び香辛料を利用してももちろん構わない。
本発明での肉のサイズについては、特に限定されない。概ね、厚みについては、限定されず10mm以上でも可能となる。すなわち、後述する穿孔を設けることで大きな厚みのタイプでも良好な復元が可能となる。但し、本願発明は、このように大きな厚みの場合のみならず、10mm以下の厚みの場合についても適用可能であることはもちろんである。
2.加熱
上述の原料となる肉に対して加熱を行う。本加熱工程によって原料肉を殺菌するとともに、後述する穿孔を設ける工程において、設けた穿孔の周りにヒビを生じさせ内部に隙間が生じた構造とすることができる。
加熱の方法としてはスチームやボイルがあるが、これらのいずれも行うことができる。また、後述するように本発明においては、過熱蒸気を付与する処理工程を経るが、本加熱工程において過熱蒸気を利用してもよい。但し、原料肉全体のムラのない均一な加熱を実現する観点からは、蒸煮(スチーム)を利用するのが好ましい。
3.穿孔
前記加熱後の肉に対して表面より複数の穿孔を設ける。加熱後においては肉に対して穿孔を設けることが容易となる。
このように穿孔を設けることで空隙が生じ、また、前述の加熱処理の効果として穿孔の周りにヒビが生じ内部に隙間が発生した構造となる。後述する過熱蒸気処理において、過熱蒸気が当該構造へ浸透し、原料肉の内部にまで過熱蒸気の効果が及ぶものと考えられる。
尚、穿孔は後述する過熱蒸気処理の前に設けることが好ましい。このようにすることで後述する過熱蒸気処理により穿孔を設けた後の原料肉の構造を固定することができる。
以下さらに詳しく説明する。
(1)穿孔の設ける方法
本発明における“表面より複数の穿孔を設ける工程”は、種々の方法によりこれを行うことができる。具体的には針等の先尖状物によって、表面に穿孔を設ける工程が挙げられる。
また、穿孔については、1箇所ごとに設けてもよいし、一度の複数の穿孔を設けてもよいことはもちろんである。尚、この場合、剣山等を用いることができる。また、これらの穿孔は、手作業として行ってもよいし、ライン上で連続的に機械的な動作で設けてもよい。
(2)穿孔の直径
本発明における穿孔の直径については特に限定されるものではない。但し、前述の使用する針とも関係するが、概ね0.3mm〜4.5mm程度が好適である。但し、対象となる肉の形状や状態にもよるが、直径が大きくになるにつれて穿孔時の対象肉の割れや見栄えの悪さの問題が起きる。従って、0.7mm〜2.5mm程度であるとさらに好ましい。
(3)穿孔のピッチ
上述の穿孔のピッチ(穿孔と穿孔との間隔)については特に限定されるものではない。但し、対象とする肉の大きさや厚みによっても異なるが、概ね2.0mm〜15.0mm程度が好ましい。
(4)穿孔の深度
上述のように穿孔を設けるが、対象とする肉の厚みにも異なるが、必ずしも穿孔が肉の厚み部分を貫通する必要はない。すなわち、例えば、厚みが15mm程度のものであれば7〜15mm程度の深度があればよい。但し、本発明の効果をより奏させるためには、最深部(貫通)まで刺す方が好ましい。穿孔については、例えば、対象とする調製後の肉原料が扁平状の肉素材である場合には、一方の面のみに用いていてもよい。又は、両面に穿孔を設けてもよい。但し、穿孔の深度が浅い場合には、両面ともに穿孔を設けることが好ましい。
(5)空隙率
穿孔及びそのピッチによって調製後の肉全体の体積に対する穿孔による空隙率を計算することができる。すなわち、“穿孔により生じた穴の面積(針等の半径より計算)×深度×穿孔の本数”が求める空隙部分の体積となる。当該空隙部分の体積を全体の体積で除した値が本発明における空隙率(%)とする。
本発明において空隙率は対象とする調製された肉によっても変わるが、概ね0.5%〜20%程度が好ましい。但し、空隙率が大きくなるに従って、対象とする肉の穿孔設定時に破損等の問題が生じるため、穿孔の操作性の観点から10%以下がさらに好ましい。
4.過熱蒸気処理工程
(1)過熱蒸気処理
過熱蒸気とは、飽和蒸気を大気圧下において強制的に100℃以上に温度を上昇させた水蒸気のことをいう。過熱蒸気付与の条件については適宜選択することができるが、概ね過熱蒸気処理装置の庫内温度が120℃〜400℃程度で、流量としては、100〜250kg/h程度、処理時間は、10秒〜4分程度が標準的である。
尚、本過熱蒸気処理によって対象とする乾燥肉に焼感等の風味を付与することができる。また、本願発明の方法において、好ましくは凍結乾燥前に水分付与する場合、従来以上に過熱蒸気処理を強くすることができる。これによって一層の風味を付けることができる。
本過熱蒸気処理工程を前述した穿孔工程の後に行うことにより、穿孔および穿孔の周りのヒビにより生じた内部に隙間が発生した構造を、固定することができ、水(湯)浸透性を向上させることができる。このようにして、復元性を更に向上させることができるものと考えられる。
(2)過熱蒸気処理工程の反復
上記の過熱蒸気処理は、複数回実施してもよい。すなわち、最初の過熱蒸気処理を所定時間行い、一旦、過熱蒸気の付与を中止し、再度過熱蒸気付与を行うという反復工程である。また、この際、途中で水分付与を行うという方法も有効である。
すなわち、長時間の過熱蒸気処理を行うと調製肉の表面が乾燥する場合があるため、表面に水分を付与する工程を付加する。このように“過熱蒸気+水分付与”のセットを複数回の過熱蒸気処理を繰り返すことで過熱蒸気処理の効果を高めることができる。
水分を付与する方法としては、特に限定されず適宜選択が可能であるが、シャワー等の方法や浸漬槽における浸漬等が挙げられる。また、この際に同時に調味液を付与することもできる。
温度にもよるが通常の過熱蒸気処理であると、対象物の水分含量によるがその表面が過乾燥されて焼成に繋がる場合もあるため、意図的にそのような目的とする場合を除いて、過熱蒸気処理工程の途中で水分付与等を行うことが必要である。
尚、繰り返しの回数については特に制限されるものではないが、概ね過熱蒸気処理を水分付与を介して2回以上繰り返すことでより効果を高めることができる。
5.凍結乾燥
本発明においては上記の乾燥工程において、対象物を一旦凍結して、当該凍結物を減圧下で乾燥する方法を採用する。食品の乾燥方法には、単に熱風を与える熱風乾燥方法もあるが、本方法であると水分が蒸発する際に組織が収縮することになり好ましくない。
そこで、対象物を一旦、凍結して、当該凍結物を減圧下で乾燥する方法(いわゆる、凍結乾燥方法)により行う。
本方法によって、凍結された食品中の氷の昇華によって乾燥が進むため、乾燥による態の変化がなく、調理時の形態のままの多孔質の乾燥品とすることができる。
すなわち、過熱蒸気処理によって形成された肉原料に生じた特有の構造をある程度まで保持したまま乾燥することができるものと考えられる。本特有の構造が復元性に関与するものと考えられる。
6.凍結乾燥前の水分付与
本発明においては上述の凍結時の前に、水分を付与しておいてもよい。前述の穿孔を設けていることにより本水分付与時に原料肉に対してより均一に水分付与が可能となる。本水分付与によって、凍結乾燥後の乾燥食品について、お湯又は水によって復元時の復元ムラをなくして均一な復元を実現することができる。
具体的には、前記の加熱工程又は過熱蒸気処理工程の後に、凍結し、凍結乾燥の工程に移行するが、当該凍結の前に水分を付与する。例えば、過熱蒸気処理後から直接に凍結乾燥処理に移る場合には、凍結前に水分を付与するとよい。 過熱蒸気処理によって対象となる肉の水分を低下させた状態で、再度、水分を付与して凍結→減圧下における乾燥をすることで復元時のムラをなくして効果的な復元が可能になる。
また、水分付与の方法としては特に限定されない。すなわち、スプレー等で水分を付与する方法や、水や調味液に浸漬する方法が可能である。
7.凍結乾燥の方法
凍結後の肉原料等を減圧下で乾燥を行う(凍結乾燥法)。凍結乾燥の条件としては、
通常の条件に従うが、概ね0.8Torr以下の真空度で、棚温度として、50℃〜70℃として、概ね14時間〜24時間程度行う。
8.凍結乾燥後の乾燥食品
凍結乾燥後における凍結乾燥肉は各種即席食品に利用することができる。特に即席カップ麺等の乾燥具材として用いることができる。また、通常即席カップ麺に用いる場合、乾燥具材は3分〜5分程度復元することが必要になるが、本発明の製造方法によって得られる凍結乾燥肉は通常では復元が困難であった厚みを有しつつ3分〜5分程度で復元することができる。
以下に本発明の実施例を説明する。本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[試験例1]穿孔の有無、過熱蒸気の有無、水冷の有無等による比較
(実施例1)(穴○、過熱蒸気○、水冷×)
豚ウデ肉をミンチ状に粉砕した。これにタマネギ(4mm角)を加えて、粒状たんぱく及びパン粉を水戻しして添加した。
攪拌ミキサーを使用して、豚肉及び豚脂を入れて攪拌した後、粉体混合物を入れて攪拌し、さらに粒状たんぱく、パン粉、水、タマネギを投入して攪拌ミキサーを用いて攪拌・混合を行った。
その後に30分冷置し、当該混合物について70×55×15mm(46g/個)のサイズに調製したハンバーグを調製して、この状態でスチームにて98℃、8分間加熱した。
直径2.1mm、ピッチ16mm、深さ15mmの穿孔を設けて(開口率1.2%)として穿孔を形成させた。当該穿孔を形成後の原料肉に対して、過熱蒸気処理装置で280℃、200kg/h(発生設定温度400℃)で1.5分×3回の過熱蒸気処理を行った。
当該過熱蒸気処理後のハンバーグについて、常温下で静置して空冷し、品温を30℃以下とした。ハンバーグは凍結させて最終品温−20℃まで凍結させた。
さらに、当該凍結したハンバーグを真空凍結乾燥機に入れて、棚温度60℃、0.8Torrで24時間保持して凍結乾燥を行い、凍結乾燥されたハンバーグを完成させた。
(実施例2)(穴○、過熱蒸気○、水冷○)
前述の実施例1において当該過熱蒸気処理後のハンバーグについて、空冷でなく浸漬槽で水冷して、3分間保持して品温を30℃以下としたとした点を除いては、実施例1と同様に行った。
(比較例1)(穴×、過熱蒸気○、水冷×)
前述の実施例1においてスチーム後に穿孔を設けなかった点を除いては、実施例1と同様に行った。
(比較例2)(穴○、過熱蒸気×、水冷×)
前述の実施例1において過熱蒸気処理を行わなかった点を除いては、実施例1と同様に行った。
(比較例3)(穴×、過熱蒸気○、水冷○)
前述の実施例1においてスチーム後に穿孔を設けなかった点、及び当該過熱蒸気処理後のハンバーグについて、空冷でなく浸漬槽で水冷して、3分間保持して品温を30℃以下としたとした点を除いては、実施例1と同様に行った。
(比較例4)(穴○、過熱蒸気×(スチーム)、水冷○)
前述の実施例1において過熱蒸気処理を行なわずに代わりにスチーム(98℃、1.5分×3回)を行った点、及び空冷でなく浸漬槽で水冷とした点を除いては、実施例1と同様に行った。
(比較例5)(穴○、過熱蒸気×、水冷○)
前述の実施例1において過熱蒸気処理を行なわなかった点、及び空冷でなく浸漬槽で水冷とした点を除いては、実施例1と同様に行った。
─食感・風味の評価─
上記の実施例及び比較例で得られた凍結乾燥後のハンバーグについて、それぞれの凍結乾燥ハンバーグ(約8g)をカップ状の容器に入れて、上部より熱湯300g入れて5分間保持してから喫食して官能評価を行った。
官能評価は、食感・復元性及び調理感・風味の4項目について行い、食感・復元性については6段階で評価した。また、調理感・風味については5段階で評価した。評価は熟練の技術者5名によって行った。評価基準は以下のようなものとなる。
※食感・復元性:喫食時の復元後のハンバーグの歯ごたえ・肉感及び復元状態
調理感・風味:喫食時のハンバーグの味・香り等

食感・復元性の評価:6 最良 ⇔ 1 不良
調理感・風味の評価:5 最良 ⇔ 1 不良
過熱蒸気処理する条件下において、穿孔を設けた場合(実施例1)、設けない場合(比較例1)に比べて復元性が向上した。これに伴い食感も向上した。また、過熱蒸気処理+穿孔に加えて水分付与を行った方が復元性はさらに向上した。
また、過熱蒸気処理を行わないか(比較例2、比較例5)又はこれをスチームに置き換えた場合(比較例4)、風味が低下した。さらに、過熱蒸気処理が無い場合において、水分を付与すると(比較例4、比較例5)、過度の復元状態となり食感に悪影響があるという問題が生じた。
“穿孔の設定”及び“過熱蒸気処理”の組み合わせによって食感・復元性及び調理感・風味のいずれにおいても良好な凍結乾燥肉(ハンバーグ)とすることができることを見出した。
[試験例2]穿孔を設けるタイミングによる比較
穿孔を設けるタイミングについて調べた。試験例1での実施例2を基準として、穿孔を設けるタイミングを変えた場合について食感・復元性に対する影響を調べた。
(比較例6)
穿孔を設けるタイミングをスチーム加熱前とした点を除いては実施例2と同様に行った。
(比較例7)
穿孔を設けるタイミングを過熱蒸気処理後であって浸漬槽で水冷する前とした点を除いては実施例2と同様に行った。
(比較例8)
穿孔を設けるタイミングを浸漬槽で水冷した後であって凍結前とした点を除いては実施例2と同様に行った。
─食感・復元性の評価─
上記の実施例及び比較例で得られた凍結乾燥後のハンバーグについて、それぞれの凍結乾燥ハンバーグ(約8g)をカップ状の容器に入れて、上部より熱湯300g入れて5分間保持してから喫食して官能評価を行った。
官能評価は、食感・復元性について行い、6段階で評価した。評価は熟練の技術者5名によって行った。評価基準は試験例1に示したものと同様である。結果を以下の表2に示す。
過熱蒸気処理前(実施例2)に比較して、スチーム加熱前(比較例6)、過熱蒸気処理後(比較例7)及び水冷後(比較例8)のいずれについても食感・復元性は低下した。過熱蒸気処理前に穿孔を設けることが好ましいタイミングであることを見出した。
[試験例3]穿孔穴直径とピッチを変えた場合の関係
本願発明について穿孔時の穿孔穴直径とピッチ(空隙率)の状態について調べた。実施例1において、使用した針のサイズとピッチを変更することにより、種々の直径とピッチの穿孔を形成させ、種々の空隙率となるように凍結乾燥ハンバーグを調製した。その他の製造方法は実施例1と同様とした。針径とピッチの関係を示した各試験区について表3に示す。
上述の種々の空隙率の凍結乾燥ハンバーグを調製する際の作業性については以下のような状況であった。
針径を3.0mmでピッチ4mmの場合(空隙率44.2%)の場合、針をハンバーグから取り外し時に、多少ハンバーグから割れ、剥がれが発生した。また、針径を3.0mmでピッチ5.5mmの場合(空隙率23.4%)の場合、微細にハンバーグから割れ、剥がれが発生した。これらのことから空隙率は概ね20%以下にすることが好ましいことを見出した。
また、さらに、針により穿孔する手順等の迅速な操作性を考慮した場合、φ1.0mmのいずれのピッチ、また、φ2.1mmでのピッチ5.5mm以上、さらに、φ3.0mmでピッチ8mm以上の場合において操作性において優れていることが判明した。これらの事実から概ね空隙率は10%以下である場合がさらに好ましいことを見出した。

Claims (3)

  1. 加熱処理を施した肉に対して表面から複数の穿孔を設けた後に、過熱蒸気処理し、凍結乾燥する凍結乾燥肉の製造方法。
  2. 前記凍結乾燥の前に、水分を付与する工程を含む請求項1に記載の凍結乾燥肉の製造方法。
  3. 前記加熱処理が、蒸煮処理である請求項1又は2に記載の凍結乾燥肉の製造方法。
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JP2020074731A (ja) * 2018-11-09 2020-05-21 大阪瓦斯株式会社 軟化食品製造方法
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