JP6293531B2 - 即席乾燥味付肉及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、インスタント食品の具材として使用される即席乾燥味付肉及びその製造方法に関する。
インスタント食品(例えばカップ入りラーメン)が大いに普及しており、その具材として長期常温保存可能な即席乾燥味付肉(例えば乾燥チャーシュー)が用いられている。このような即席乾燥味付肉は、湯掛け調理や鍋炊き調理、電子レンジ調理等により簡単に復元し喫食可能となる。近年では、本格思考が高まり、より風味、食感の良く、厚みのある即席乾燥味付肉を求める要望が高まっている。
従来、この種の即席乾燥味付肉の製造方法は、特許文献3の図2や特許文献4の図1及び図2に記載されているように原料肉への味付けは、ピックル液をインジェクション等により加える工程とカットした原料肉を調味液に浸漬させる着味工程と2回に分けて行うのが一般的であった。
しかしながら、原料肉への味付けを2回に分けて行う場合、風味、食感、復元性に優れた即席乾燥味付肉が得られる反面、加工工程の増加に伴う製造時間の増加や製造ロスの増加などの問題があった。また、原料肉の味付けに使用した調味液の廃棄物が多くなるなどの問題があった。
従来、味付けを1回で行う方法が知られている(例えば、特許文献1〜3)。特許文献1では、100℃以上の温度で加熱した白醤油または淡口醤油をピックル液に溶解して畜肉類に注射して畜肉類に風味を付与する方法が記載されている。しかしながら、この方法では、常温保存を前提とした乾燥肉ではないため、柔軟性、保存性を持たせるための糖類の添加量が少なく、乾燥を行った場合には、柔軟性、保存性共に満足いくものではなかった。
特許文献2では、生肉に対し、砂糖添加量が5重量%以上となるように砂糖溶液をインジェクションした後、加熱して得た原料肉を3mm以下の厚さにスライスし乾燥する乾燥肉の製造方法が記載されている。しかしながら、原料肉にインジェクションする砂糖溶液の固形分含量が高いため、原料肉にピックル液が分散しにくく、味付けムラや復元ムラなどが起こり、食感も硬く、肉の繊維感がない食感となり、食感、復元性ともに満足のいくものではなかった。特に、乾燥を真空凍結乾燥で行った場合には、復元ムラが顕著になり、復元性に問題があった。また、スライス厚も3mm以下に制限され、肉厚な乾燥肉を製造することができないという問題があった。
特許文献3では、塊状の原料肉の内部に結着材料と調味材料を混合させることで着味工程の省略化や製造ロス、調味液の無駄を無くす乾燥調味肉の製造方法が記載されている。しかしながら、この製造方法では、1回で味付けを行うため、ピックル液の固形分含量が高くなりすぎ、原料肉への分散性が悪く、特許文献2同様に食感、復元性ともに満足のいくものではなかった。
特開平3−222476 特開昭57−11518 特開2000−32956 特開2003−225515
本発明は、即席乾燥味付肉の製造方法において、原料肉への味付け工程を1回に簡略した場合の問題点であった食感や復元性を改善し、味付け工程を1回に簡略した場合でも、食感、復元性に優れた即席乾燥味付肉及びその製造方法を提供すること、並びに該製造方法によって製造工程を簡略化することにより、製造期間の短縮、製造ロス、廃棄物の削減を可能とすることを目的とする。
本発明の発明者らは、調味材料と結着材料を混合したピックル液を加水により薄め、原料肉へのピックル液の充填量を増やすことにより、味付け工程を1回に簡略した場合の問題点であった食感や復元性が改善することを発見し、鋭意研究した結果、ピックル液の固形分含量を調整し、原料肉へのピックル液の充填量を増やすことで、味付け工程を1回に簡略した場合でも、食感、復元に優れた即席乾燥味付肉を製造できることを見出し本発明に至った。
すなわち、本発明は、原料肉に対して、調味材料と結着材料を混合したピックル液を注入または、混合するピックル液添加工程と、前記ピックル液添加工程の後、ピックル液を添加された原料肉を蒸気にて加熱する蒸気加熱工程と、前記蒸気加熱工程の後、加熱された原料肉を凍結し、カットするカット工程と、前記カット工程の後、カットされた原料肉を乾燥する乾燥工程と、を具備する即席乾燥味付肉の製造方法であって、前記ピックル液の可溶性固形分値が22〜38であり、前記ピックル液の原料肉への添加量が原料肉の重量に対して45〜80重量%であることを特徴とする即席乾燥味付肉の製造方法である。
さらに、本発明における蒸気加熱工程は、蒸気による加熱温度が90〜100℃である
ことが好ましい。
また、本発明における乾燥工程は、真空凍結乾燥であることが好ましい。
本発明により味付け工程を1回に簡略した場合でも、食感、復元性に優れた即席乾燥味付肉及びその製造方法の提供が可能となり、また、該製造方法によって製造工程を簡略化することにより、製造期間の短縮、製造ロス、廃棄物の削減が可能となる。
本実施形態の即席乾燥味付肉の製造方法の1例を示した説明図である。 一般的な即席乾燥味付肉の製造方法の1例を示した説明図である。
以下、本発明の実施の形態に係る即席乾燥味付肉の製造方法を工程順に具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
1.原料配合
本実施形態に係る原料肉については、豚だけでなく、牛、鶏、などの畜肉を使用することができる。即席乾燥味付肉が乾燥チャーシューの場合は、豚肉を用いる。また、使用する部位については、特に限定されず、バラ、ヒレ、ロース、かた、かたロース、もも、そともも等を使用できる。また、肉の他に豚脂、牛脂などを混合することもできる。
本実施形態に係るピックル液の原料は、調味材料と結着材料を含む。
調味材料としては、食塩、醤油、みりん、グルタミン酸ナトリウム等の他、単糖、二糖、オリゴ糖、糖アルコール、水あめなどの糖類、胡椒、シナモン、グローブ、フィンネル、スターアニス、ナットメグなどの香辛料、しょうが、にんにく、ねぎ、たまねぎ等の摩り下ろしや絞り汁などが挙げられる。本実施形態においては、即席乾燥味付肉の風味や柔軟性、保存性を得るために、調味材料として、少なくとも食塩、糖類が必要となる。
本実施形態においては、味付け工程が1回であるため、復元時に充分な塩味を得るためには、原料肉に対して食塩相当量として2〜5重量%の塩分を添加することが好ましい。後述するピックル液添加工程において原料肉に添加するピックル液の量は、原料肉に対して45〜80重量%であることから、ピックル液の塩濃度としては、2.5〜11重量%であることが好ましい。後述するピックル液の原料肉への添加量との兼ね合いから、より好ましくは、5.5〜8.0重量%であることが好ましい。
本実施形態においては、味付け工程が1回であるため、即席乾燥味付肉に十分な柔軟性、保存性を持たせるには、原料肉に対して糖類を乾物量として6重量%〜10重量%添加することが好ましい。6重量%より少ないと充分な柔軟性、保存性を得られず、10重量%よりも添加すると乾燥しづらくなるため好ましくない。後述するピックル液添加工程において原料肉に添加するピックル液の量は、原料肉に対して45〜80重量%であることから、ピックル液の糖類の配合量としては、乾物量として7.5〜22重量%であることが好ましい。後述するピックル液の原料肉への添加量との兼ね合いから、より好ましくは、13〜18重量%配合することが好ましい。
結着材料としては、食塩やピロリン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウムなどのリン酸塩、大豆蛋白や卵白、乳蛋白などの動植物性蛋白、小麦粉、澱粉、加工澱粉、デキストリン、増粘多糖類、食物繊維、トランスグルタミナーゼなどの酵素などが挙げられる。本実施形態では、後述するピックル液添加工程において原料肉に添加するピックル液の添加量が原料肉に対し45〜80重量%と多く添加する必要があり、これらの結着材料添加することでピックル液を原料肉に保持することができる。好ましい結合材料としては、調味材料で挙げた食塩を除き、リン酸塩、動植物性タンパク質が挙げられるが、これらの結着材料の他に、その他の結着材料と組み合わせて使用することができる。原料肉に対するピックル液の添加量により、好ましい配合量が異なるが、リン酸塩のピックル液の配合量としては、0.1〜1.5重量%程度、動植物性蛋白としては、2〜9重量%程度配合すればよい。
その他のピックル液の材料としては、酢酸、ワイン等の醸造酒、パパインなどの蛋白分解酵素、重曹などの炭酸塩、アスコルビン酸ナトリウムやトコフェロールなどの保存料、亜硝酸ナトリウムや硝酸カリウムなどの発色剤、香料等も添加することができる。
上記のピックル液原料を用いてピックル液を調整するが、このときピックル液の可溶性固形分値が22〜38となるように調整する。可溶性固形分値については、Brix計にて測定すればよい。可溶性固形分値はBrix値とも言い、水溶液のおおよその固形分含量を測定するのに用いられている。可溶性固形分値が38よりも高くなるとピックル液の固形分含量が多いため原料肉にピックル液が分散しにくく、味付けムラや復元ムラなどが起こり、食感も硬く、肉の繊維感がない食感となるため好ましくない。従って可溶性固形分値が38以下であればよいが、後述するピックル液の添加量が最大でも原料肉に対し80重量%であることから可溶性固形分値は22以上であることが好ましい。後述するピックル液の原料肉への添加量との兼ね合いから、より好ましい可溶性固形分値としては、29〜37であることが好ましい。
2.前処理
原料肉の前処理として、始めに脂身や、筋膜、筋、骨等をトリミングする。次にトリミングした原料肉に対してジャガードやミートハンマー等を用いてテンダライズを行う。テンダライズすることで後述するピックル液添加工程においてピックル液が肉全体に行渡り易くなる。ミンチ肉を用いた成形肉にする場合には、テンダライズした原料肉をチョッパー等によってミンチ肉にする。このとき、原料肉の他に豚脂、牛脂などを別途原料肉に加えることができる。
3.ピックル液添加工程
前処理した原料肉に調味材料と結着材料を含んだピックル液を添加する。添加方法としては、注射針を用いて直接ピックル液を原料肉にインジェクションするか、ミンチ肉を用いた成形肉の場合には、ピックル液をミンチした原料肉に混合することで添加できる。ピックル液の添加量としては、原料肉の重量に対して45〜80重量%となるように添加する。45重量%未満の場合には、即席乾燥味付肉の風味や柔軟性、保存性に必要な量のピックル液原料をピックル液に配合した場合、ピックル液の固形分含量が高くなり、原料肉へのピックル液の分散性が悪く、食感及び復元性が悪くなる。80重量%よりも多く添加する場合には、原料肉にピックル液を保持させることができない。また、充填量が多い場合には、後述する蒸気加熱工程において、加熱によるドリップ量が多くなり、風味や歩留が低下ことや、後述する乾燥工程において乾燥する時間が長くなるなどの問題があり、好ましい添加量としては、原料肉に対し50〜60重量%となるように添加することが好ましい。
4.浸透、成形工程
ピックル液を添加した原料肉を10℃以下で12〜24時間冷置し、ピックル液を原料肉全体に浸透させる。インジェクションによりピックル液を原料肉に添加した場合には、冷置処理の前にピックル液を添加した原料肉を低温・減圧下にて数時間回転させながらピックル液を原料肉に浸透させるタンブリング処理を行うことができる。次いでピックル液を浸透させた原料肉を成形する。成形方法としては、型枠やケーシングに充填する方法や糸巻き等が挙げられ、目的とする即席乾燥味付肉の形状となるように成形することができる。
5.蒸気加熱工程
成形した原料肉を蒸気により加熱する。蒸気条件は特に問わないが70℃以上の加熱温度で品温が70℃以上に加熱すればよい。ここでいう加熱温度とは、原料肉がさらされる蒸気庫内の雰囲気温度をいい、品温とは、原料肉の中心部の温度をいう。本実施形態において、肉厚な即席乾燥味付肉を復元したい場合には、蒸気による加熱温度が90〜100℃であることが好ましい。このように高い温度で加熱することにより、肉のタンパク変性は進んでしまうが、即席乾燥味付肉を熱湯等により復元した際には、復元性がよくなり、加熱にかかる時間も短縮できる。より好ましくは95〜100℃であることが好ましい。また、復元性の改善に伴い、肉本来の風味や繊維感が増す。品温に関しては、70℃以上であれば充分殺菌できるが、品温が高くなるほど復元性は良くなるため、肉厚な即席乾燥味付肉を復元したい場合には、本実施形態では、品温を80℃以上に加熱することが好ましい。
6.カット工程
蒸気加熱工程にて加熱殺菌した原料肉を冷却または凍結し、スライサーやギロチンカッターにて目的の形状にカットする。カット形状は、特に限定なく、ダイス状や平板状など当業者が適宜設定できる。後述する乾燥工程が真空凍結乾燥である場合には、復元性が良く、8mm〜15mm角のダイス状やスライス厚3〜8mm程度の平板状の肉厚な形状にすることもできる。
7.乾燥工程
カットされた原料肉を水分が14%以下になるように乾燥する。乾燥方法は、熱風乾燥、マイクロウェーブ乾燥、真空凍結乾燥を行うことができる。熱風乾燥、マイクロウェーブ乾燥に比べ真空凍結乾燥は、復元性がよく、肉厚な即席乾燥味付肉を復元したい場合には、真空凍結乾燥を行うことが好ましい。真空凍結乾燥を行う場合には、カットされた原料肉をトレーに並べて再度凍結する。真空凍結乾燥した原料肉は、水分が3%以下と低く脆いため、湿度を調整した庫内で水分が4〜14重量%となるように調湿し、柔軟性を持たせた後、即席乾燥味付肉とすることができる。
8.その他工程
乾燥した即席乾燥味付肉は、異物検査、微生物検査等の検査を経て、バルク状にケース梱包されるか、個食用にパックされてケースに梱包され、インスタント食品の製造工場に輸送され、インスタント食品に使用される。
図1は本実施形態の即席乾燥味付肉の製造工程の1例を示した図であり、図2は、一般的な即席乾燥味付肉の製造方法を示した図である。図1、2で示すように原料肉への味付け工程が1回に簡略することにより製造時間が短縮され、工程が少なくなることにより、製造ロスや廃棄物を削減することができる。
以上のように、結着材料と調味材料を混合したピックル液の固形分含量を調整し、原料肉への添加量を増やすことにより、味付け工程を1回に簡略化した場合の問題であった食感や復元性が改善し、本発明により味付け工程を1回に簡略した場合でも、食感、復元性に優れた即席乾燥味付肉の製造可能となる。また、本実施形態により即席乾燥味付肉を製造することにより、従来の方法と比較して製造工程を簡略でき、製造期間の短縮、製造ロス、廃棄物の削減が可能となる。
以下に実施例を挙げて本実施形態をさらに詳細に説明する。
(実験1)
<ピックル液配合の検討>
(実施例1−1)
豚バラ肉をトリミングし、ジャガードで筋を切断した後、注射針を用いて表1で示した可溶性固形分値を37に調整したピックル液を豚バラ肉の重量に対して50重量%となるようにインジェクションした。
インジェクションした豚バラ肉を温度10〜14℃、−0.08MPa以下の減圧条件で6時間タンブリングを行い、10℃以下で12時間静置した。静置した豚バラ肉の折径109mm、7mm千鳥穿孔のファイブラ素材のケーシングに長手方向に56g/cmとなるように充填した。
充填した豚バラ肉を蒸気により、70℃,60分、80℃,30分、95℃,20分、100℃,75分と段階的に加熱温度を上昇させながら、豚バラ肉の品温が100℃になるまで加熱した。
加熱殺菌した豚バラ肉を冷却し、−25℃の凍結庫にて10時間凍結した。凍結した豚バラ肉を−5℃程度になるまで解凍し、スライサーを用いて肉厚が40mmとなるようにスライスした。



スライスした豚バラ肉をトレーに並べ、再びー25℃の凍結庫にて品温が−20℃になるまで凍結した。凍結した豚バラ肉を真空度60Pa以下、棚温60℃で品温が一定になるまで真空凍結乾燥し、48℃の調湿庫で調湿し、即席乾燥味付肉(乾燥チャーシュー)を製造した。
(実施例1−2)
注射針を用いて表1で示した可溶性固形分値を38に調整したピックル液を豚バラ肉の重量に対して45重量%となるようにインジェクションする以外は、実施例1−1の方法に従って製造した。
(実施例1−3)
注射針を用いて表1で示した可溶性固形分値を35に調整したピックル液を豚バラ肉の重量に対して50重量%となるようにインジェクションする以外は、実施例1−1の方法に従って製造した。
(実施例1−4)
注射針を用いて表1で示した可溶性固形分値を41に調整したピックル液を豚バラ肉の重量に対して60重量%となるようにインジェクションする以外は、実施例1−1の方法に従って製造した。
(比較例1−1)
豚バラ肉をトリミングし、ジャガードで筋を切断した後、注射針を用いて一回目の味付けとして表1で示した醤油を含まない、可溶性固形分値を35に調整したピックル液を豚バラ肉の重量に対して42重量%となるようにインジェクションした。
インジェクションした豚バラ肉を温度10〜14℃、−0.08MPa以下の減圧条件で6時間タンブリングを行い、10℃以下で12時間静置した。静置した豚バラ肉の折径109mm、7mm千鳥穿孔のファイブラ素材のケーシングに長手方向に56g/cmとなるように充填した。
充填した豚バラ肉を蒸気により、70℃,60分、80℃,30分、95℃,20分、100℃,75分と段階的に加熱温度を上昇させながら、豚バラ肉の品温が100℃になるまで加熱した。
加熱殺菌した豚バラ肉を冷却し、−25℃の凍結庫にて10時間凍結した。凍結した豚バラ肉を−5℃程度になるまで解凍し、スライサーを用いて肉厚が40mmとなるようにスライスした。
スライスした豚バラ肉を2回目の味付けとして表2で示した調味液にスライスした豚バラ肉の重量に対し400重量%の30分浸漬し、浸漬後、目開き1mmのメッシュにて5分間液切りした。
液切りした豚バラ肉をトレーに並べ、再びー25℃の凍結庫にて品温が−20℃になるまで凍結した。凍結した豚バラ肉を真空度60Pa以下、棚温60℃で品温が一定になるまで真空凍結乾燥し、48℃の調湿庫で調湿し、2回味付け工程を行った即席乾燥味付肉(乾燥チャーシュー)を製造した。
(比較例1−2)
注射針を用いて表1で示したに可溶性固形分値を41に調整したピックル液を豚バラ肉の重量に対して42重量%となるようにインジェクションする以外は、実施例1−1の方法に従って製造した。
これらのサンプルをポリスチレン製の容器にいれて350mlの熱湯を注加し、蓋をし
て5分放置して復元し、喫食した。喫食時の評価方法は、ベテランのパネラー5人によって5段階評価で食感、復元性について官能評価を行った。評価は、食感は、硬さ、肉の繊維感、弾力性を総合評価し、評価5が非常に良好、評価4が良好、評価3が概ね良好、評価2が悪い、評価1が著しく悪い、とした。また、復元性については、全体的な水の入りや復元ムラを総合的に評価し、評価5が非常に良好、評価4が良好、評価3が概ね良好、評価2が悪い、評価1が著しく悪い、とした。以後の実験の官能評価も同様に行った。
実験1に使用したピックル液および調味液の配合を表1及び表2に示す。
Figure 0006293531
Figure 0006293531
実験1の官能評価結果ならびに5分復元後の水分について表3に示す。
Figure 0006293531

比較例1−1は、味付け工程を2回に分けて製造したものだが、復元ムラもなく戻りもよく良好であった。食感は、肉本来の繊維感や弾力感を感じ良好であった。
比較例1−2は、味付け工程を1回に簡略し、味付け工程を2回に分けて行った場合と原料肉に対して添加する原材料量が等量となるようにピックル液を調整したもので、ピックル液の可溶性固形分値は41であった。これを比較例1−1と同じ原料肉に対して42重量%となるようにピックル液をインジェクションした。復元後の食感は硬く、肉本来の繊維感がなく、ハムのような詰まった食感になり、肉に粘りが発生した。また、全体的な水の入りも悪く、味付けムラや復元性が悪い部分が目立った。
実施例1−1では、ピックル液の可溶性固形分値を37に調整し、原料肉に対して50重量%となるようにピックル液をインジェクションしたものだが、食感は、肉本来の繊維感や弾力感を充分感じ良好であった。復元性についても全体的な水の入りも良く、復元ムラもなく良好であった。
実施例1−2では、ピックル液の可溶性固形分値を38に調整し、原料肉に対して45重量%となるようにピックル液をインジェクションしたものだが、復元後の食感は、やや硬さが残るものの肉の繊維感や弾力感を感じ概ね良好であった。復元性は、僅かにムラがあるが全体的に復元しており概ね良好であった。
実施例1−3では、ピックル液の可溶性固形分値を35に調整し、原料肉に対して50重量%となるようにピックル液をインジェクションしたものだが、復元後の食感は、実施例1−1と比較しても、適度な弾力感があり、肉本来の繊維感があり、非常に良好であった。復元性に関しても、復元ムラもなく、全体的な水の入りも非常に良く、非常に良好であった。
実施例1−4では、ピックル液の可溶性固形分値を29に調整し、原料肉に対して60重量%となるようにピックル液をインジェクションしたものだが、復元後の食感、復元性は、実施例1−3ほどではないが良好であった。
(実験2)
<蒸気加熱条件の検討>
(実施例2−1)
蒸気による加熱を80℃,130分行い、品温が80℃に達温するまで加熱すること以外は、実施例1−1の方法に従って製造した。
(実施例2−2)
蒸気による加熱を90℃,130分行い、品温が90℃に達温するまで加熱すること以外は、実施例1−1の方法に従って製造した。
(実施例2−3)
蒸気による加熱を95℃,110分行い、品温が90℃に達温するまで加熱すること以外は、実施例1−1の方法に従って製造した。
(実施例2−4)
蒸気による加熱を98℃,95分行い、品温が90℃に達温するまで加熱すること以外は、実施例1−1の方法に従って製造した。
(実施例2−5)
蒸気による加熱を100℃,65分行い、品温が80℃に達するまで加熱すること以外は、実施例1−1の方法に従って製造した。
(実施例2−6)
蒸気による加熱を100℃,85分行い、品温が90℃に達するまで加熱すること以外は、実施例1−1の方法に従って製造した。
(実施例2−7)
蒸気による加熱を100℃,135分行い、品温が100℃に達するまで加熱すること以外は、実施例1−1の方法に従って製造した。
実験2の官能結果を表4に示す。
Figure 0006293531
実施例2−1は、蒸気による加熱温度が80℃で品温が80℃になるまで加熱したもので加熱にかかった時間は、130分であった。復元後の食感は、やや硬さが残るものの肉の繊維感や弾力感を感じ概ね良好であった。復元性は、全体的な水の入りがやや悪いが全体的に復元しており、復元ムラもなく概ね良好であった。
実施例2−2は、蒸気による加熱温度が90℃で品温が90℃になるまで加熱したものだが、加熱にかかった時間は、130分であった。復元後の食感は、適度な弾力感があり、繊維感も感じ、良好であった。復元性についても全体的な水の入りもよく、復元ムラなく良好であった。
実施例2−3は、蒸気による加熱温度が95℃で品温が90℃になるまで加熱したものだが、加熱にかかった時間は、110分であった。復元後の食感は、適度な弾力感があり、繊維感も感じ、良好であった。復元性についても全体的な水の入りもよく、復元ムラなく良好であった。また、風味に関しても肉の味を感じ良好であった。
実施例2−4は、蒸気による加熱温度が98℃で品温が90℃になるまで加熱したものだが、加熱にかかった時間は、95分であった。復元後の食感は、適度な弾力感があり、繊維感も強く、非常に良好であった。復元性についても全体的な水の入りも非常によく、復元ムラなく非常に良好であった。また、風味に関しても肉の味を強く感じ非常に良好であった。
実施例2−5は、蒸気による加熱温度が100℃で品温が80℃になるまで加熱したものだが、加熱にかかった時間は、65分であった。復元後の食感は、弾力感がやや強いものの、繊維感が強く、良好であった。復元性についても全体的な水の入りもよく、復元ムラなく良好であった。また、風味に関しても肉の味を感じ良好であった。
実施例2−6は、蒸気による加熱温度が100℃で品温が90℃になるまで加熱したものだが、加熱にかかった時間は、85分であった。復元後の食感は、適度な弾力感があり、繊維感も強く、非常に良好であった。復元性についても全体的な水の入りも非常によく、復元ムラなく非常に良好であった。また、風味に関しても肉の味を強く感じ非常に良好であった。
実施例2−7は、100℃で品温が100℃になるまで加熱したものだが、加熱にかかった時間は、135分であった。復元後の食感は、実施例2−6と比較し柔らかくなり、弾力感が弱くなるが肉本来の繊維感があり良好であった。復元性については、非常に良好だが、水の入りが良好すぎて食感が柔らかくなるように感じた。風味に関しては、実施例2−4と比較し、僅かに弱いが良好であった。
以上のように実施例の結果から、ピックル液の固形分含量を調整し、原料肉へのピックル液の充填量を増やすことで、味付け工程を1回に簡略した場合でも、食感、復元に優れた即席乾燥味付肉を製造できることがわかる。また、蒸気による加熱温度が高いほど食感、復元性に優れた即席乾燥味付肉を製造でき且つ加熱時間を短縮できることがわかる。
なお、本願発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を
逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。さらに、前記実施形態には種々の段
階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されたり、幾つかの構成要件が異なる形態にして組み合わされても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除されたり組み合わされた構成が発明として抽出され得るものである。

Claims (4)

  1. 原料肉に対して、調味材料と結着材料を混合したピックル液を注入るピックル液添加工程と、
    前記ピックル液添加工程の後、ピックル液を添加された原料肉を蒸気にて加熱する蒸気加熱工程と、
    前記蒸気加熱工程の後、加熱された原料肉をカットするカット工程と、
    前記カット工程の後、カットされた原料肉を真空凍結乾燥する乾燥工程と、を順次行う即席乾燥味付肉の製造方法であって、
    前記ピックル液の可溶性固形分値が29〜37であり、
    前記ピックル液の原料肉への添加量が原料肉の重量に対して50〜60重量%であり、
    前記ピックル液以外の味付工程を行わないことを特徴とする即席乾燥味付肉の製造方法。
  2. 前記蒸気加熱工程は、原料肉を段階的に蒸気庫の温度を上昇させて加熱する工程ではなく、蒸気による加熱温度が90〜100℃である蒸気庫内で原料肉を加熱する工程であり、原料肉の品温を80℃以上に加熱することを特徴とする請求項1記載の即席乾燥味付肉の製造方法。
  3. 前記蒸気加熱工程において、蒸気による加熱温度が95〜100℃であることを特徴とする請求項2記載の即席乾燥味付肉の製造方法。
  4. 前記蒸気加熱工程において、原料肉の品温を90℃以上に加熱することを特徴とする請求項2または3記載の即席乾燥味付肉の製造方法。
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