JP2020074731A - 軟化食品製造方法 - Google Patents

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【課題】見た目や形状、食味の悪化を抑えつつ、肉類を原材料とする軟化食品を製造できる軟化食品製造方法を提供する。【解決手段】肉類からなる軟化食品を製造する方法であって、肉類を所定温度まで加熱する前処理工程と、加熱した肉類を凍結乾燥する凍結乾燥工程と、凍結乾燥した肉類に、当該肉類中の所定の基質を分解する酵素を浸透させる浸透工程と、酵素を浸透させた肉類を、酵素の活性温度まで加熱する加熱工程とを実施する。【選択図】なし

Description

本発明は、肉類からなる軟化食品を製造する方法に関する。
近年の高齢化に伴い、嚥下障害を有する者や咀嚼力が低下した者が増加していることから、歯茎や舌で容易に潰すことができる軟化食品(所謂、やわらか食)の開発が求められている。従来の軟化食品は、食材を細かく刻む、ミキサー等ですり潰すといった手法を用いて製造されていた。しかしながら、これらの手法で製造した軟化食品は、食材が原形をとどめておらず、見た目や食味が元の食材と比較して悪化していることで、軟化食品を食する者の食欲の減退を招いていた。
そこで、近年、食品業界では、食材の形状をできる限り維持したまま食材を軟化させる方法の一つとして、酵素によりタンパク質などの基質を分解して食材を軟化させる方法に注目が集まっている。
例えば、特許文献1には、魚介類を原材料とする加工食品を製造する方法が開示されており、当該特許文献1に開示された方法によれば、魚介類中の酵素基質を所定の分解酵素の作用によって分解させる工程を行うことで、形状を保持した柔軟な食感を有する加工食品を製造することができる。
特許第4986188号公報
ところで、肉類は、酵素処理によって基質の分解が進み過ぎると、未処理の肉類と異なった味や食感を伴う食味となるため、軟化食品を食する者は、未処理の肉類の食味との違いに違和感を抱き、また、単純に酵素を浸透させただけの肉類を酵素の活性温度まで加熱して軟化食品を製造した場合、酵素処理後の肉類の見た目や形状が悪化し、未処理の肉類との見た目や形状の違いにも違和感を抱くことになり、この違和感が原因で食欲が減退するという問題がある。
そのため、酵素処理によって基質を分解し、肉類を軟化させて軟化食品を製造する場合、食味や見た目、形状の悪化を抑えつつ、適度な硬さに軟化させる必要があるが、そのような製造方法は依然として確立されていないのが現状である。
本発明は以上の実情に鑑みなされたものであり、見た目や形状、食味の悪化を抑えつつ、肉類を原材料とする十分な柔らかさを備えた軟化食品を製造できる方法の提供を、その目的とする。
上記目的を達成するための本発明に係る軟化食品製造方法は、肉類からなる軟化食品を製造する方法であって、
前記肉類を所定温度まで加熱する前処理工程と、
加熱した前記肉類を凍結乾燥する凍結乾燥工程と、
凍結乾燥した前記肉類に、当該肉類中の所定の基質を分解する酵素を浸透させる浸透工程と、
前記酵素を浸透させた前記肉類を、前記酵素の活性温度まで加熱する加熱工程とを実施する。
上記特徴構成によれば、前処理工程において肉類を所定温度まで加熱することによって、肉類中のタンパク質が適度に変性、分解する。その後、このタンパク質が適度に変性、分解した肉類を凍結乾燥することにより、タンパク質が変性、分解した状態を維持しつつ、肉類を乾燥させる。しかる後、凍結乾燥により乾燥させた肉類に酵素を浸透させ、当該酵素を浸透させた肉類を酵素の活性温度まで加熱する。これにより、酵素による分解作用によって肉類中のタンパク質(基質)が分解されて肉類が軟化する。ここで、本発明に係る軟化食品製造方法では、前処理工程を実施することで、肉類中のタンパク質複合体が予め適度に複数のサブユニットに分解された状態となり、軟化食品中にタンパク質複合体が残存し難くなり、後工程で酵素によるタンパク質の分解が進み易くなる。また、前処理工程を実施することで肉類中のタンパク質が予め適度に変性された状態となり、当該変性したタンパク質には酵素が作用せず分解されないため、変性していないタンパク質が酵素によって適度に分解されることになる。したがって、前処理工程を実施することによって、肉類中に残存するタンパク質複合体の量が減り、また、肉類中のタンパク質が適度に分解されるようになることで、軟化食品は、食味や見た目、形状の悪化が抑えられつつ、十分な柔らかさを備えたものとなる。また、本発明に係る軟化食品製造方法では、凍結乾燥工程を実施することで、後の浸透工程において、肉類の内部まで酵素が浸透し易くなり、肉類全体に均一に酵素が浸透し易くなる。
また、本発明に係る軟化食品製造方法の更なる特徴構成は、前記前処理工程において、前記肉類を90℃以上に加熱する点にある。
前処理工程における肉類の加熱が不十分であると、タンパク質が変性しないか、或いは、適度に変性した状態とならない場合や肉類中のタンパク質複合体の分解が不十分になる場合がある。この場合、酵素による分解作用によってタンパク質が必要以上に分解された状態となったり、タンパク質複合体の残存量が多くなったりすることで、食味や見た目、形状が悪化したり、十分な柔らかさを有したものならなかったりする虞がある。しかしながら、上記特徴構成によれば、前処理工程において、肉類を90℃以上に加熱することで、酵素による分解作用を受けるタンパク質(変性していないタンパク質)の量を適度な量にすることができ、酵素によって肉類中のタンパク質を適度に分解することができる。また、タンパク質複合体を適度に分解することができる。
また、本発明に係る軟化食品製造方法の更なる特徴構成は、前記浸透工程において、0.02MPa以下の減圧下で前記酵素を浸透させる点にある。
上記特徴構成によれば、凍結乾燥後の肉類に酵素を浸透させる際に、0.02MPa以下の減圧下であれば、肉類の内部にまで酵素が短時間で浸透し易くなり、肉類全体に短時間で均一に酵素を浸透させることができる。
また、本発明に係る軟化食品製造方法の更なる特徴構成は、前記浸透工程では、前記酵素を含有する処理液に前記肉類を浸漬させて、当該肉類に前記酵素を浸透させ、
前記処理液は、前記酵素の濃度が0.001質量%以上1質量%以下である点にある。
上記特徴構成によれば、酵素を含有する処理液を肉類に浸漬させる場合、処理液中の酵素濃度が高すぎると、酵素自身の味が軟化食品の味に強く現れすぎたり、分解作用が強くなり過ぎて形状の維持が困難となったりする一方、酵素濃度が低すぎると、分解作用が弱くなり過ぎて処理に要する時間が増大する。上記特徴構成によれば、処理液中の酵素の濃度が0.001質量%以上1質量%以下であることで、酵素自身の味が軟化食品の味に強く現れることもなく、分解作用が適度な強さとなることで適切な処理時間で形状が維持された軟化食品を製造することができる。
また、本発明に係る軟化食品製造方法の更なる特徴構成は、前記酵素は、プロテアーゼである点にある。
上記酵素は、タンパク質加水分解酵素であり、タンパク質が酵素基質である。したがって、上記特徴構成によれば、タンパク質を分解して肉類を柔らかくでき、十分な柔らかさを備えた軟化食品を製造することができる。
また、本発明に係る軟化食品製造方法の更なる特徴構成は、前記前処理工程において、前記肉類を蒸すことで前記所定温度まで加熱する点にある。
上記特徴構成によれば、前処理工程において肉類を蒸すようにしていることで、調理中のドリップが少なくなり、軟化食品の食味が悪化し難くなる。
ところで、肉類がとりわけ鳥獣肉である場合、当該鳥獣肉は、酵素処理によって基質の分解が進み過ぎると、レバーのような独特な苦みやペースト状の食感・舌触りといった、所謂レバー感を伴う独特の食味となり、また、表面側の基質の分解が進み過ぎた場合の見た目や形状の悪化が著しいため、軟化食品を食する者は、未処理の鳥獣肉との食味や見た目、形状の違いにより違和感を抱き易く、食欲が減退し易い。したがって、本発明に係る軟化食品製造方法は、肉類が鳥獣肉である場合に特に好適に採用できる。
即ち、本発明に係る軟化食品製造方法の更なる特徴構成は、前記肉類は、鳥獣肉である点にある。
以下、本発明の実施形態に係る軟化食品製造方法について説明する。尚、以下に好適な実施例を記すが、これら実施例はそれぞれ、本発明をより具体的に例示するために記載されたものであって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々変更が可能であり、本発明は、以下の記載に限定されるものではない。
[軟化食品製造方法]
本発明の実施形態に係る軟化食品製造方法は、肉類からなる軟化食品を製造する方法であって、肉類を所定温度まで加熱する前処理工程と、加熱した肉類を凍結乾燥する凍結乾燥工程と、凍結乾燥した肉類に、この肉類中の所定の基質を分解する酵素を浸透させる浸透工程と、酵素を浸透させた肉類を、酵素の活性温度まで加熱する加熱工程とを実施する。
この軟化食品製造方法によれば、前処理工程において肉類を所定温度(例えば90℃)まで加熱することによって、肉類中のタンパク質が適度に変性、分解する。その後、このタンパク質が適度に変性、分解した肉類を凍結乾燥することにより、タンパク質が変性、分解した状態を維持しつつ、肉類を乾燥させる。しかる後、凍結乾燥により乾燥させた肉類に酵素を浸透させ、当該酵素を浸透させた肉類を酵素の活性温度まで加熱する。これにより、酵素による分解作用によって肉類中のタンパク質が分解されて肉類が軟化する。
ここで、実施形態に係る軟化食品製造方法では、前処理工程を実施することで、以下のような利点がある。即ち、前処理工程を実施することによって、肉類中のタンパク質複合体を予め適度に複数のサブユニットに分離した状態にできるため、軟化食品中にタンパク質複合体が残り難くなり、後工程で酵素によるタンパク質の分解が進み易くなる。また、前処理工程を実施することで肉類中のタンパク質が予め適度に変性された状態となり、当該変性したタンパク質には酵素が作用せず分解されないため、変性していないタンパク質が酵素によって適度に分解されることになる。したがって、前処理工程を実施することによって、肉類中に残存するタンパク質複合体の量が減り、また、肉類中のタンパク質が適度に分解されるようになることで、軟化食品は、食味や見た目、形状の悪化が抑えられつつ、十分な柔らかさを備えたものとなる。
前処理工程においては、具体的に、蒸す、煮る、炒めるといった加熱方法を用いて肉類を加熱し、肉類中のタンパク質を適度に変性、分解させる。尚、肉類を蒸して加熱することで、調理中のドリップが少なくなり、軟化食品の食味が悪化し難くなるため、前処理工程では、肉類を蒸すことで所定温度まで加熱することが好ましい。尚、所定温度とは、例えば、90℃以上120℃以下である。
凍結乾燥工程においては、例えば、超低温冷凍機や液体窒素などを用いて加熱処理済みの肉類を凍結した後、既知の凍結乾燥装置を用いて乾燥させる。これにより、肉類は、タンパク質が適度に変性、分解した状態が維持されたまま乾燥される。
浸透工程においては、具体的に、酵素を含有する処理液に肉類を浸漬させて、当該肉類に酵素を浸透させることができる。尚、処理液としては、酵素を水やアルコールなどを含む水系の溶媒に分散させたものを用いることができ、当該処理液は、酵素の他、pH調整剤や調味料(塩、醤油、酒類、みりん、砂糖、ソース等)、増粘剤など各種添加剤を含有していても良い。
また、処理液中の酵素の濃度は、いずれであってもよいが、酵素の濃度が0.001質量%未満であると、酵素の分解作用が弱くなり過ぎて処理に要する時間が増大する一方、1質量%より高いと、酵素自身の味が製造される軟化食品の味に強く現れすぎる、或いは、酵素の分解作用が強くなり過ぎて形状の維持が困難になる。したがって、処理液中の好適な酵素の濃度は、0.001質量%以上1質量%以下である。
また、浸透工程においては、0.02MPa以下の減圧下において、凍結乾燥後の肉類に酵素を浸透させるようにすることが好ましい。このようにすれば、肉類の内部にまでこそが短時間で浸透し易くなり、肉類全体に短時間で均一に酵素を浸透させることができる。
実施形態に係る軟化食品製造方法で使用する酵素は、肉類中の基質を分解することができるものであれば、特に限定されないが、例えば、プロテアーゼである。尚、プロテアーゼとしては、ブロメラインF(活性温度65〜75℃)、パパインW−40(活性温度70〜90℃)、アロアーゼ(登録商標)XA−10(活性温度60〜75℃)、アロアーゼAP−10(活性温度50〜65℃)、プロチンNY100(活性温度50〜55℃)、プロチンSD−AY10(活性温度70〜80℃)、ヌクレイシン(登録商標)(活性温度55〜65℃)、アルカラーゼ(登録商標)、ビオプラーゼ(登録商標)OP(活性温度50〜60℃)、ビオプラーゼSP−20(活性温度60〜70℃)、オリエンターゼ(登録商標)22BF(活性温度60〜70℃)、オリエンターゼAY(活性温度50〜60℃)、オリエンターゼOP、プロテアーゼA「アマノ」SD(活性温度40〜50℃)、プロテアーゼP「アマノ」SD(活性温度40〜50℃)、プロテアーゼM「アマノ」G、スミチーム(登録商標)AP、スミチームACP−G、スミチームLP−G、スミチームFP−G、スミチームFLAP−G、スミチームDPP−G、デナプシン2P、デナチーム(登録商標)プロテアーゼYP−SS、デナチームAP(活性温度45〜55℃)、デナチームPMC SOFTER(活性温度40〜60℃)、パンチダーゼ(登録商標)NP−2(活性温度50〜60℃)、サモアーゼ(活性温度50〜60℃)、コラゲナーゼ(活性温度30〜50℃)、ニューラーゼF3G(活性温度40〜50℃)を例示することができる。また、酵素は、1種又は相互に阻害しないものを2種以上組み合わせて使用することができる。また、酵素は、植物由来であっても微生物由来であってもよく、植物由来のものと微生物由来のものとを組み合わせて使用しても良い。
加熱工程においては、具体的に、酵素を浸透させた肉類を所定温度(例えば60℃)まで加熱し、その後、所定温度を一定時間(例えば30分)維持することで、酵素による分解反応によってタンパク質を分解して肉類を軟化させる。尚、肉類を所定温度に加熱して所定温度を一定時間維持する方法としては、酵素を浸透させた肉類をジッパー付保存袋内に入れ、60℃の恒温槽内に一定時間放置する方法を例示することができる。
そして、この軟化食品製造方法は、肉類が鳥獣肉である場合に特に好適に採用できることを実験により確認している。
尚、本願において「鳥獣肉」とは、鶏肉や鴨肉、牛肉、馬肉、羊肉、猪肉などの鳥類及び獣類の肉であれば、特に種類は限定されないが、魚介類の肉は含まないものとする。一方、本願において「肉類」とは、鳥獣肉だけでなく、魚介類の肉も含む広い概念である。
[実施例及び比較例]
具体的な実施例及び比較例について説明する。
[実施例1]
サンプルとして牛モモ肉100gを使用し、サンプルを圧力鍋で30分間蒸して少なくとも100℃以上に加熱した後(前処理工程)、凍結乾燥装置を用いて2日間乾燥させた(凍結乾燥工程)。乾燥後のサンプルを0.1質量%のパパインW−40(天野エンザイム株式会社製)を溶かした水に入れ、1時間吸水させた後、0.02MPaの減圧下で内部まで浸透させた(浸透工程)。しかる後、サンプルをジッパー付保存袋に入れ、60℃の恒温槽中で30分間反応させた(加熱工程)。反応後のサンプルをテクスチャーメーター(株式会社山電製のRE2 33005B)で破断試験を行って硬さを計測するとともに、形状について「維持」又は「崩壊」、食味について「良い」又は「悪い」で評価した。
[実施例2〜4]
実施例2は、浸透工程において、パパインW−40及びアロアーゼを酵素として使用した点を除き、実施例1と同じ要領で行った。尚、各酵素は、0.1質量%である。
実施例3は、サンプルとして鶏肉を使用した点を除き、実施例1と同じ要領で行った。
実施例4は、サンプルとして豚肉を使用した点を除き、実施例1と同じ要領で行った。
[比較例1〜3]
比較例1は、サンプルとして牛モモ肉100gを使用し、サンプルを圧力鍋で30分間蒸して加熱した。加熱後のサンプルについて、実施例1と同様に、硬さを計測するとともに、形状及び食味を評価した。
比較例2は、前処理工程を実施していない点を除き、実施例1と同じ要領で行った。
比較例3は、凍結乾燥工程を実施していない点を除き、実施例1と同じ要領で行った。
実施例1〜4及び比較例1〜3の硬さ、形状、食味を以下の表1にまとめた。尚、表1にまとめた結果は、実施例1〜4及び比較例1〜3の条件で行った複数のサンプルの大凡の平均である。表1中の「区分1」、「区分2」とは、軟化食品に関する指標の一つである、日本介護食品評議会が定める区分表における4つの区分の中に含まれるものであり、「区分1」とは「容易に噛める(硬さ上限値:500kPa)」、「区分2」とは「歯茎で潰せる(硬さ上限値:50kPa)」と定義されている。尚、上記区分表において、「区分3」とは「舌で潰せる(硬さ上限値:20kPa)」と定義されている。
Figure 2020074731
サンプルの蒸し加熱のみを行った比較例1の場合、形状が維持されており、食味も良いものとなっているが、硬さが800kPa(区分1)程度になっている。また、前処理工程のみを実施しない比較例2の場合、形状は維持されているが、食味が悪く、硬さも300kPa(区分1)程度になっている。一方、凍結乾燥工程のみを実施しない比較例3の場合、形状が崩壊しており、食味も悪く、硬さも500kPa(区分1)程度になっている。これに対して、前処理工程及び凍結乾燥工程のいずれも実施した実施例1〜4の場合、形状が維持されており、食味も良く、硬さも30kPa又は40kPa(いずれも区分2に属する)程度であり、比較例1〜3とは異なって、形状及び食味の悪化が抑えられつつ、十分な柔らかさ(硬さが50kPa以下)を備えたものとなっている。
このことから、形状及び食味の悪化を抑えつつ、十分な柔らかさ(硬さが50kPa以下)を備えた軟化食品を製造するためには、酵素によるタンパク質の分解処理に先立って、前処理工程及び凍結乾燥工程の両方を実施することが必要不可欠であることが確認できた。
また、実施例1と実施例2とを比較した場合、実施例2の方が若干柔らかくなっているものの、いずれも形状及び食味の悪化を抑えつつ、十分な柔らかさを備えたものとなっている。このことから、使用する酵素を変えたとしても、硬さに多少の違いはあるが、形状及び食味の悪化を抑えつつ、十分な柔らかさ(硬さが50kPa以下)を備えた軟化食品を製造できることが確認できた。
また、実施例1と実施例3及び4との比較から、サンプルに違いがあっても、形状及び食味の悪化を抑えつつ、十分な柔らかさ(硬さが50kPa以下)を備えた軟化食品を製造できることが確認できた。
本発明の軟化食品製造方法は、見た目や形状、食味の悪化を抑えつつ、肉類を原材料とする十分な柔らかさを備えた軟化食品を製造するのに用いられる。

Claims (7)

  1. 肉類からなる軟化食品を製造する方法であって、
    前記肉類を所定温度まで加熱する前処理工程と、
    加熱した前記肉類を凍結乾燥する凍結乾燥工程と、
    凍結乾燥した前記肉類に、当該肉類中の所定の基質を分解する酵素を浸透させる浸透工程と、
    前記酵素を浸透させた前記肉類を、前記酵素の活性温度まで加熱する加熱工程とを実施する軟化食品製造方法。
  2. 前記前処理工程において、前記肉類を90℃以上に加熱する請求項1に記載の軟化食品製造方法。
  3. 前記浸透工程において、0.02MPa以下の減圧下で前記酵素を浸透させる請求項1又は2に記載の軟化食品製造方法。
  4. 前記浸透工程では、前記酵素を含有する処理液に前記肉類を浸漬させて、当該肉類に前記酵素を浸透させ、
    前記処理液は、前記酵素の濃度が0.001質量%以上1質量%以下である請求項1〜3のいずれか一項に記載の軟化食品製造方法。
  5. 前記酵素は、プロテアーゼである請求項1〜4のいずれか一項に記載の軟化食品製造方法。
  6. 前記前処理工程において、前記肉類を蒸すことで所定温度まで加熱する請求項1〜5のいずれか一項に記載の軟化食品製造方法。
  7. 前記肉類は、鳥獣肉である請求項1〜6のいずれか一項に記載の軟化食品製造方法。


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