JP5896687B2 - レーザ処理された乾燥食品 - Google Patents

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Description

本発明は、熱湯又は水により復元して喫食する乾燥食品に関するものである。
熱湯や水により復元して喫食する乾燥食品は種々の分野で用いられている。例えば、カップ入り即席麺では、カップに収納された即席麺塊や乾燥具材に熱湯を注ぎ、3〜5分程度置くことで喫食可能な状態になる。
食品の乾燥方法には、熱風乾燥方法や凍結乾燥方法等種々の方法があるが、いずれの方法によっても乾燥食品を熱湯や水で復元する場合には、乾燥食品の厚みや大きさが小さい方が熱湯や水の浸透が早く、短時間で復元しやすい。従って、例えば即席麺においては、麺線の厚みが太いと熱湯を注加しても復元するのに時間が過度に必要となったり、時間をかけても復元するのが困難な場合があった。
また、乾燥された肉や野菜等の乾燥具材についても厚みや素材の種類によって復元が困難となる場合があった。このため、従来まで、より太い麺線や厚みがあり大きな具材を復元する方法が望まれていた。
復元性の改良の方法として、種々の先願技術が開示されている。例えば、特許文献1は麺類の麺生地原料に対して、ガティガムを添加する方法が開示されている。また、特許文献2には、アラビアガムを添加する方法が記載されている。
しかし、これらの先願においては新たに資材を必要とするため、余分のコストが発生するという問題がある。
特開2008−136361 特開平10−155445
そこで、本発明者らは原料への新たな添加物を要することなく、物理的に乾燥食品の表面に作用することで復元性を改良できる方法を検討した。
種々の検討を行った結果、即席麺塊や乾燥エビ等を調製するに際し、当該対象物を乾燥前や乾燥後において、レーザ処理することにより物理的に複数の細孔を設けることで水又は熱湯等による復元性を改良できることを見出した。
すなわち、本願第一の発明は、
「水又は熱湯により復元して喫食する乾燥食品であって、レーザ処理により複数の細孔が設けられていることを特徴とする乾燥食品。」、
である。
また、前記レーザ処理は、乾燥食品の乾燥処理前に行うと、細孔の存在が目視で認識しにくくなるため、外観上も好ましい。
すなわち、本願第二の発明は、
「前記乾燥食品において、乾燥処理後にレーザ処理される請求項1に記載の乾燥食品。」
である。
さらに、本願発明においては、乾燥処理後においてレーザ処理する方法でよいことはもちろんである。
すなわち、本願第三の発明は、
「前記乾燥食品において、乾燥処理前にレーザ処理される請求項1に記載の乾燥食品。」
である。
さらに、本願発明における乾燥食品は即席麺の麺塊であると好適に利用できる。すなわち、本願第四の発明は、
「前記乾燥食品が即席麺塊である請求項1〜3のいずれかに記載の乾燥食品。」である。
次に、本願発明における乾燥食品は乾燥具材の場合にも好適に利用できる。すなわち、本願第五の発明は、
「前記乾燥食品が乾燥具材である請求項1〜3のいずれかに記載の乾燥食品。」である。
本発明によるレーザ処理によって複数の細孔を設けた乾燥食品は、水又はお湯により復元する際に、良好な復元性を得ることができる。これによって、従来まで短時間での復元が困難であった大きめの具材や又は、即席麺の麺線であれば、従来までは復元が十分にできなかった程度の厚みの麺線も復元することができる。すなわち、水又はお湯で復元する乾燥食品の範囲を大きく広げるとともに、即席麺等の乾燥食品の分野の発展に一層寄与することができるものとなる。
麺帯に対してレーザ処理を行った後の麺帯表面の写真である。(a)照射面である。 (b)裏面である。
1 細孔
以下に、本発明を実施するための形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。

─乾燥食品─
本願発明における乾燥食品は、水又はお湯等で復元後に喫食するタイプの食品をいう。熱湯を注加して喫食するタイプの食品には種々のものがあるが、最終的に乾燥される食品が該当する。
乾燥方法については特に限定されないが、熱風乾燥や凍結乾燥等が挙げられる。また、油で揚げて水分を飛ばす油熱乾燥方法についても適用可能であることはもちろんである。
乾燥する対象物としては、野菜、肉(畜肉、魚肉)等に利用可能である。また、小麦粉等を主原料として製造する加工食品である麺塊等にも利用可能である。これらを含めて特に限定されるものではなく、食品全般に適用可能である。
乾燥食品の形状についても特に限定されないが、レーザ処理時において概ね扁平状であることが好ましい。通常レーザ処理は対象物の上部より照射するが、扁平状の場合には、照射位置や間隔等を設定しやすく、レーザによる細孔の形成がし易いという利点が挙げられるためである。
─即席麺塊─
本願発明にいう即席麺塊とは、カップ麺や袋麺に用いられる乾燥された即席麺の塊である。即席麺塊は丼状の容器に収納し、熱湯を注加することで復元し、喫食可能となる。通常、即席麺塊の製造は、製造された生麺線を蒸煮や茹で等を施しα化した後に乾燥して製造する。乾燥方法については、油熱乾燥や熱風乾燥が挙げられるがこれらに限定されるものではない。尚、いわゆる袋麺タイプとして、鍋等で茹で処理して喫食する即席麺塊を含むのはもちろんである。
─乾燥具材─
本願発明にいう乾燥具材とは、熱湯を注いで復元した後に喫食する乾燥された具材をいう。具材としては、牛、豚、鶏等の畜肉系や、魚やエビやイカ等の魚肉系が含まれる動物系食品の乾燥具材や、キャベツやニンジン等の野菜系の植物食品の乾燥具材のいずれも適用が可能である。また、上述の各種食品の練り製品(かまぼこ等)の乾燥具材でも適用可能である。次に、乾燥方法としては特に限定されず、上述のように熱風による乾燥や、凍結乾燥、また、油熱乾燥ももちろん含まれる。
─レーザ照射時の対象食品の乾燥状態─
レーザ照射時の乾燥食品の状態については、乾燥処理を行ってからレーザ照射を実施してもよい。また、乾燥前において処理を行ってもよい。
但し、乾燥処理後にレーザ処理を行う場合であると外観的に細孔が大きい場合、細孔の存在が目立つ場合がある。
一方、乾燥処理前のレーザにより細孔を形成させる方法であると、比較的高い水分を含有している場合にはレーザによって細孔を設けたとしても対象食品の破損等がなく、その後乾燥することで細孔が細孔の周辺部分の乾燥により凝縮等により細孔の存在が外部より認識しづらくなるため、外観的にも良好な状況を保持することができる。
具体的には、例えば、エビや肉等の食品の場合には、乾燥前の水分を含んだ状態でレーザ処理を行うことで細孔を設けておくと、その後の乾燥処理によって細孔の存在がカモフラージュされるため外観上は好ましいものとなる。
また、即席麺塊を対象とする場合には、一般に、即席麺塊が、小麦粉及び水等の混練 → 複合 → 圧延 → 切出 → 蒸煮 → カット → 乾燥(油揚げ又は熱風乾燥)の各工程のうち、乾燥後にレーザ処理を行ってもよいが、乾燥前の圧延後に行ってもよい。圧延後の麺帯は柔軟性を有しているため、乾燥処理後のレーザ処理による麺塊の破損等の問題が生じない。麺帯の状態でレーザ処理により複数の細孔を設けておき、その後、切出 → 蒸煮 → 乾燥の工程を経て即席麺塊を製造することができる。
─レーザ処理時の対象食品の形状─
本発明ではレーザ処理を行うが、通常のレーザ処理であると乾燥対象となる食品を平面状態となるように処理台に置き、上部よりレーザで処理する方法が採用される。このため、レーザ処理前の食品は扁平状である方がレーザ処理を行い易い。
特に、麺帯に対してレーザ処理を行う場合、麺帯は扁平状の形状をしているため、上部より連続的にレーザ処理を行うことができる。また、麺帯の状態は、通常約3mm以下の薄膜状であるため、レーザによる細孔の貫通を容易に行うことができる。
また、麺帯の状態においては、扁平状の形態を有しているため、レーザ処理により細孔を所定間隔を置き、規則正しく設けることができる。このため、その後、蒸煮(α化) → 麺線へのカット → 麺線のリテーナ内への収納 → 乾燥処理後において麺線内にほぼ均一な間隔で細孔を保持させることができる。
─細孔─
本発明においてはレーザにて細孔を形成させる。本発明にいう細孔とは、概ねその直径が1mm以下のものをいう。尚、1mm程度であると孔が目立つため、0.02〜0.3mm程度の細孔を設けるのが好適である。
尚、細孔については、必ずしも対象食品を完全に貫通する必要はない。すなわち、厚みが2mm程度のものであれば、1mm程度の深さの細孔を設けることで十分に復元性の改良の効果を得ることができる。細孔を設ける間隔(ピッチ)としては、特に限定されないが、実質的な効果の点から考えると、概ね0.3〜3.0mm程度であれば十分である。
例えば、前述した麺帯であれば、2mm程度の厚さの麺帯に対して1mm程度のピッチ(細孔と細孔との間隔)をもたせて細孔を設けることでその後の、蒸煮→カット→乾燥の工程を経て製造される麺線に対して復元性を付与することができる。
─レーザの照射程度・回数─
レーザの照射程度については必ずしも貫通する程度までは必要ではない。レーザを照射して貫通していない細孔を設けるスタイルでもよい。 照射するレーザの波長については、赤外線、紫外線、可視光線等の種々の波長の範囲を用いることができる。また、媒体については、ガスレーザ、固体レーザ、液体レーザ、半導体レーザ等の種々の媒体を用いることができる。また、発信方式については連続的にレーザ光を出す(CWレーザ)と、断続的にレーザを出すパルスレーザーのいずれも用いることができる。
また、所定のスポットにレーザ光を集束させることによって細孔を形成させることができる。また、一回のみでなく複数回の照射又はパルス照射を行うことで対象食品の過剰な温度上昇を防ぐことが可能となる。
─レーザ処理後の処置─
対象食品のレーザ処理後の工程については、対象食品を乾燥してからレーザ処理するのであれば、そのまま即席麺等の乾燥食品に使用することができる。
また、乾燥前の水分状態である場合には、レーザ処理後において、さらに乾燥処理を行い、必要な乾燥状態まで導くことができる。
─乾燥後の復元方法─
本発明により製造された乾燥食品は種々の用途が可能である。例えば、即席麺塊であれば、これを即席麺に使用することでカップ入り即席麺等に利用することが可能となる。すなわち、喫食事に熱湯を注加して復元して喫食することができる。
また、牛、豚、鶏等の畜肉系や、魚、エビやイカ等の動物系食品の乾燥具材や、キャベツ等の植物系食品の乾燥具材であれば、同様にカップ入り即席麺や即席スープの具材として利用することができる。これらの乾燥食品についても熱湯を注加して復元する。尚、熱湯での復元のみならず、水戻しでもよいことはもちろんである。
以下、本発明の実施例を記載する。本発明は以下の実施例に限定されるものではない。

1.即席麺塊(麺帯)の場合
乾燥食品として、カップ入り即席麺に用いる即席麺塊の製造においてレーザ処理を施すことで復元性の改良が可能となるかどうかを試験した。
尚、以下の検討においては、一般的な即席麺の製造工程である、小麦粉及び水等の混練 → 複合 → 圧延 → 切出 → 蒸煮 → カット → 乾燥(油揚げ又は熱風乾燥)の各工程のうち、圧延後の麺帯に対してレーザ処理を行い、最終的な乾燥後の即席麺塊において復元性がどのように改善されるかを検討した。
(1)即席麺塊(中華麺タイプ)
<実施例1-1>(フライ麺塊の実施例)(フライ麺 中華麺タイプ)
小麦粉900g、澱粉100g及び食塩15gを混合し、これにかん水2.0g、水340gを入れてドウを調製した。当該ドウを複合した後、複数回の圧延を繰り返し、厚み0.75mmの麺帯(450mm×220mm)を調製した。当該製造した厚さ0.75mmの麺帯を商業的に入手可能なレーザ装置(ロフィンバーゼル社 : MCT-600-CNC CO2レーザ)によりレーザ処理を行った。
すなわち、上記麺帯を、平板状のレーザ加工台に置き、加工点、座標を入力しガルバノ操作によってレーザ処理を行った。当該操作によって多数の貫通した細孔を設けた。レーザ出力は100W、ピーク出力は230W、スポット径約0.2mm、ピッチ1mmで行った。尚、照射回数は10回行った。細孔は貫通していた。レーザ照射後の麺帯の顕微鏡写真を図1に示す。
当該処理後の麺帯を、角刃第20番の切刃装置にて麺線に切り出した。当該麺線を蒸煮装置にて99℃、2分蒸煮し、着味液を通過させた後、30cm程度にカットしてから当該麺線105gをフライリテイナーに収納して、当該リテーナを150℃のフライオイル(パーム油)中に2分30秒間、浸漬し、フライ処理を行った。
当該フライ後の麺塊(65g)を用いて、以下のように復元性の試験を行った。すなわち、当該麺塊を丼状の容器に収納し、熱湯300gを添加し、2分間放置してから麺線の復元性について評価した。
<比較例1−1>(フライ麺塊の比較例1)
実施例1−1に記載した圧延後の麺帯にレーザ処理を施さない点を除いては実施例1−1と同様に行った。
<比較例1−2>(フライ麺塊の比較例2)(針によって細孔を開ける場合)
実施例1−1に記載した圧延後の麺帯に対して、レーザ処理を施さず、麺帯に通常の縫い針によって刺して貫通させてから抜く操作を行った。尚、ピッチは1mm程度として行った。その他は実施例1−1と同様に行った。
─評価方法─
評価は熟練のパネラー5人で丼状の容器に当該即席麺塊を入れて、熱湯を注いで2分経過後に当該乾燥食品を喫食することにより復元性を5段階で評価した。評価基準を表1に示す。また、結果を表2に示す。

─結果─
麺帯の厚さが0.75mmのタイプの油揚げ即席麺塊においては、麺帯に予めレーザ処理を施したタイプであると(実施例1−1)、2分間で良好な復元性を得ることができた。一方、レーザ処理を施さないタイプ(比較例1−1)であると、硬い部分が残っていた。さらに、針を用いて処理したタイプ(比較例1−2)では、レーザ処理を施さない比較例1−1と同様の復元性しか得られなかった。
(2)即席麺塊(うどんタイプ)
<実施例2−1>
小麦粉850g、澱粉150g及び食塩15gを混合し、これに水340gを添加してドウを調製した。当該ドウを複合した後、複数回の圧延を繰り返し、厚み2.3mmの麺帯(450mm×220mm)を調製した。当該製造した厚さ2.3mmの麺帯を実施例1−1に示した場合と同様に、レーザ加工台に置き、加工点、座標を入力しガルバノ操作によってレーザ処理を行った。
当該操作によって複数の貫通した細孔を設けた。レーザ出力は100W、ピーク出力は230W、スポット径約0.2mm、ピッチ1mmで行った。尚、照射回数は20回行った。細孔は貫通していた。
当該処理後の麺帯を角刃第9番の切刃装置にて麺線に切り出した。当該麺線を蒸煮装置にて140℃、1分30秒間蒸煮し、着味液を通過させた後、30cm程度にカットしてから当該麺線150gをフライリテイナーに収納して、当該リテーナを148℃のフライオイル(パーム油)中に2分間、浸漬し、フライ処理を行った。
当該フライ後の麺塊を用いて、以下のように復元性の試験を行った。すなわち、当該麺塊(78g)を丼状の容器に収納し、熱湯430gを添加し、5分間放置してから麺線の復元性について評価した。評価基準は表1に示したものと同様である。
<比較例2−1>
実施例2−1に記載した圧延後の麺帯にレーザ処理を施さない点を除いては実施例2−1と同様に行った。
<比較例2−2>(針によって細孔を開ける場合)
実施例2−1に記載した圧延後の麺帯に対して、レーザ処理を施さず、麺帯に通常の縫い針を刺して貫通させてから抜く操作を行った。尚、ピッチは1mm程度とした。その他は実施例2−1と同様に行った。
実施例2−1、比較例2−1、比較例2−2についての復元性の評価結果を表3に示す。

─結果─
厚さが2.3mm程度もある厚めの麺帯から油揚げ即席麺塊(うどんタイプ)を製造した場合、麺帯に予めレーザ処理を施したタイプであると(実施例2−1)、5分間で良好な復元性を得ることができた。一方、レーザ処理を施さないタイプ(比較例2−1)であると、硬い部分が微妙に残っていた。さらに、針を用いて処理したタイプ(比較例2−2)では、レーザ処理を施さない比較例2−1と同様の復元性しか得られなかった。

2.乾燥エビ(凍結乾燥品)の場合
凍結乾燥エビの製造においてレーザ処理を施すことで復元性の改良が可能となるかどうかを試験した。
尚、以下の検討においては、一般的な凍結乾燥エビの製造工程である、原料エビの洗浄 → ボイル → 着味液への浸漬 → 凍結 → 乾燥、の各工程のうち、原料エビの洗浄後及び乾燥後のそれぞれについてレーザ処理を行い、最終的な凍結乾燥エビに対して復元性がどのように改善されるかを検討した。復元性の検討は以下のように行った。
(1)生エビ(小)の場合
<実施例3−1>生エビ(小)ピッチ1mm
洗浄後の生エビ(大きさ約20mm:厚さ約6mm)ついてレーザ加工台に置き、加工点、座標を入力しガルバノ操作によってレーザ処理を行った。その後、ボイル→着味液への浸漬 → 凍結(−20℃、10時間以上) → 凍結乾燥(12時間以上)の各工程を行い、凍結乾燥エビを完成させた。
レーザ出力は100W、ピーク出力は230W、スポット径約0.2mm、ピッチ1mmで行った。尚、照射回数は150回行った。細孔は貫通していた。
復元性の評価は以下のように行った。凍結乾燥後のエビを丼状の容器に収納し、熱湯300gを添加し、2分間放置して復元性について評価した。評価基準は表1に示したものと同様である。
<実施例3−2>生エビ(小)ピッチ2mm
実施例3−1においてピッチを2mmとしたこと以外を除いては実施例3−1と同様に行った。尚、照射回数は200回行った。細孔は貫通していた。
<比較例3−1>
実施例3−1においてレーザ処理を行わなかった点を除いては、実施例3−1に示したものと同様である。
実施例3−1、実施例3−2、比較例3−1の評価結果を表4に示す。

─結果─
レーザ処理を施した場合、処理しない場合に比べて熱湯を注加後、2分間で十分に復元することができた。また、ピッチを2mmにした場合でも十分な復元性を得ることができた。
(2)生エビ(大)の場合
<実施例4−1>
洗浄後の生エビ(大きさ約30mm:厚さ約12mm)ついてレーザ加工台に置き、加工点、座標を入力しガルバノ操作によってレーザ処理を行った。その後、ボイル→着味液への浸漬 → 凍結(−20℃、10時間以上) → 凍結乾燥(12時間以上)の各工程を行い凍結乾燥エビを完成させた。
レーザ出力は100W、ピーク出力は230W、スポット径約0.2mm、ピッチ1mmで行った。尚、照射回数は300回行った。細孔は貫通していた。
復元性の検討は、凍結乾燥後のエビを丼状の容器に収納し、熱湯300gを添加し、3分間放置して復元性について評価した。評価基準は表1に示したものと同様である。
<比較例4−1>
レーザ処理を行わなかった点を除いては、実施例4−1に示したものと同様である。
結果を表5に示す。
─結果─
熱湯を注加後、3分間で十分に復元することができた。
(3)凍結乾燥後のエビ(小)
<実施例5−1>
実施例3−1で使用した生エビ(大きさ約20mm:厚さ約6mm)について常法により凍結乾燥処理まで行った。当該凍結乾燥後のエビについて、レーザ加工台に置き、加工点、座標を入力しガルバノ操作によってレーザ処理を行った。
レーザ出力は100W、ピーク出力は230W、スポット径約0.2mm、ピッチ2mmで行った。尚、照射は一方の面から20回、次に他方の面から20回の計40回行った。細孔は未貫通であった。
復元性の検討は、凍結乾燥後のエビを丼状の容器に収納し、熱湯300gを添加し、2分間放置して復元性について評価した。評価基準は表1に示したものと同様である。
<実施例5−2>
実施例5−1において照射を一方の面のみに50回行ったことを除いては実施例5−1と同様の条件で行った。細孔の一部は貫通していた。
<比較例5−1>
レーザ処理を行わなかった点を除いては、実施例5−1に示したものと同様である。
結果を表6に示す。

─結果─
実施例5−1及び5−2のいずれの場合も、熱湯を注加後、2分間で十分に復元することができた。但し、実施例5−1、5−2とも外観上、レーザによる細孔の存在が目立った。
(4)凍結乾燥後のエビ(大)
<実施例6−1>
実施例6−1で使用した生エビ(大きさ約30mm:厚さ約12mm)について常法により凍結乾燥処理まで行った。当該凍結乾燥後のエビについて、レーザ加工台に置き、加工点、座標を入力しガルバノ操作によってレーザ処理を行った。
レーザ出力は100W、ピーク出力は230W、スポット径約0.2mm、ピッチ2mmで行った。尚、照射回数は75回とした。細孔は一部貫通していた。
復元性の検討は、凍結乾燥後のエビを丼状の容器に収納し、熱湯300gを添加し、3分間放置して復元性について評価した。評価基準は表1に示したものと同様である。
<比較例6−1>
レーザ処理を行わなかった点を除いては、実施例6−1に示したものと同様である。
結果を表7に示す。

─結果─
大き目のサイズのエビを用いた場合であったが、熱湯を注加後、3分間で十分に復元することができた。但し、実施例6−1においては外観上においてレーザによる細孔の存在が目立った。

Claims (4)

  1. 水又は熱湯により復元して喫食する乾燥食品の製造方法であって、
    対象食品に対してレーザ処理により複数の細孔を設けた後に、蒸煮又はボイル処理を施し、その後に乾燥する工程を備えた、乾燥食品の製造方法。
  2. 前記乾燥食品が即席麺塊である請求項1に記載の乾燥食品の製造方法。
  3. 前記乾燥食品が乾燥具材である請求項1に記載の乾燥食品の製造方法。
  4. 前記レーザ処理が、小麦粉及び水等の混練、複合、圧延、切出、蒸煮、カット、乾燥の各工程を順番に経る即席麺塊の製造工程における、圧延後であって蒸煮前に実施される請求項2に記載の乾燥食品の製造方法。
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