JP3495837B2 - 即席麺類の製造方法 - Google Patents

即席麺類の製造方法

Info

Publication number
JP3495837B2
JP3495837B2 JP01948696A JP1948696A JP3495837B2 JP 3495837 B2 JP3495837 B2 JP 3495837B2 JP 01948696 A JP01948696 A JP 01948696A JP 1948696 A JP1948696 A JP 1948696A JP 3495837 B2 JP3495837 B2 JP 3495837B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
noodles
instant
water content
weight
drying
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP01948696A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0951775A (ja
Inventor
房樹 鍛治尾
和宏 小俣
明男 藤田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nisshin Foods Inc
Original Assignee
Nisshin Foods Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nisshin Foods Inc filed Critical Nisshin Foods Inc
Priority to JP01948696A priority Critical patent/JP3495837B2/ja
Publication of JPH0951775A publication Critical patent/JPH0951775A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3495837B2 publication Critical patent/JP3495837B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Noodles (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は即席麺類およびその
製造方法に関する。より詳細には、短時間で湯戻しなど
によって喫食可能に復元でき、しかも復元された麺が滑
らかさに富む良好な口当たり、および弾力性に富む良好
な食感を有する高品質のノンフライ即席麺類の製造方
法、およびそれにより得られた即席麺類に関する。
【0002】
【従来の技術】即席麺類は、熱湯を注いだり短時間湯煮
するだけで極めて簡単に喫食可能に復元できるという即
席性、および良好な保存性などの点から消費者の幅広い
支持を得ている。そして、当初はインスタントラーメン
のみであった即席麺も、近年は種々のものが開発販売さ
れるようになっており、即席麺類をその乾燥方法により
分類すると、油揚即席麺、熱風乾燥即席麺および凍結乾
燥即席麺に分けられ、またその種類で分類すると即席中
華麺類、即席和風麺類、即席欧風麺類、スナック麺類な
どに大別される。
【0003】油揚即席麺は、製造が容易であり、しかも
短時間で喫食可能に復元できるところから、従来から即
席麺類の主流をなしていた。しかしながら、油揚即席麺
は、油を用いていることによって、その食感が油っぽ
く、且つ高カロリーであり、しかも保存時に油が変質し
て食感の低下や品質の低下を招き易く、長期保存ができ
ないという欠点がある。そこで、油揚即席麺に代わるも
のとして、熱風乾燥即席麺および凍結乾燥即席麺が製造
されるようになっている。熱風乾燥即席麺および凍結乾
燥即席麺は、乾燥時に油を用いないノンフライ即席麺で
あるために、油っぽさのないさっぱりした食感を有し、
且つ低カロリーであり、しかも保存時に油の変質による
品質の低下や食感の低下がないことから、消費者の低カ
ロリー志向などとも相俟って、近年その生産量が伸びて
いる。
【0004】そして、熱風乾燥即席麺の製造法として
は、α化処理した麺線を一段階ないしは二段階の熱風乾
燥工程で加熱して麺類の保存が可能になるまで水分含量
を低減させる方法や、麺線をα化処理すると同時に熱風
乾燥して麺類の保存が可能になるまで水分含量を低減さ
せる方法などが従来から知られている(例えば特開昭5
2−125646号公報、特開昭53−32145号公
報、特開昭54−86642号公報、特開昭59−17
3060号公報、特開昭62−126946号公報、特
公昭60−40819号公報、特公昭62−62138
号公報など)。しかしながら、それらの従来法による場
合は、多量の水分を含有するα化した麺類を直接加熱乾
燥しているため、麺線の膨化が過度になって、麺線表面
の滑らかさが失われたり、麺が硬くなったりして、食感
が不良になり易く、しかも湯戻しなどで喫食可能に復元
するのに時間がかかるという欠点がある。
【0005】また、凍結乾燥即席麺の製造に当たって
は、通常、凍結した麺線を真空乾燥してその水分含量を
保存可能な状態にまで低減させる方法が一般に採用され
ている(特開昭56−75074号公報、特開昭60−
27351号公報、特開平4−75564号公報な
ど)。しかしながら、従来の凍結乾燥即席麺の製法によ
る場合は、凍結真空乾燥に長い時間を要するために生産
性が低く、しかも運転コストの高い真空凍結乾燥を長時
間にわたって行う必要があることから即席麺の製造コス
トが高くなるという問題がある。その上、従来の凍結乾
燥即席麺は、湯戻しなどにより喫食可能に復元するのに
時間がかかり、しかも復元された麺の色が異常に白く
て、不自然な色調になり易いという欠点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、湯戻
しなどによって短時間で喫食可能に復元することがで
き、しかも復元した麺類は滑らかさに富んでいて口当た
りがよく且つ弾力性があって食感にも優れる、高品質の
ノンフライ即席麺類(油で揚げてない即席麺類)を提供
することである。そして、本発明の目的は、上記した優
れた特性を有する高品質のノンフライ即席麺類を、その
製造に過度の時間をかけることなく、生産性よく、経済
的なコストで円滑に製造することのできる方法を提供す
ることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を解決すべく
本発明者らが検討を重ねた結果、α化した麺線を凍結し
た後、その水分含量が30〜55重量%になるまで凍結
真空乾燥し、ついでそれをその水分含量が3〜30重量
%になるまで加熱乾燥することからなる特定の2段階の
乾燥工程を採用し、しかも凍結真空乾燥処理により得ら
れる麺類の水分含量と加熱乾燥処理により得られる麺類
の水分含量が8重量%以上になるようにすると、その製
造工程に過度の時間を要することなく、高い生産性及び
経済的なコストで、湯戻し等によって短時間で喫食可能
に復元することができ、しかも復元した麺類は滑らかさ
に富む良好な口当たりと、弾力性に富む良好な食感を有
する、高品質のノンフライ即席麺類が得られることを見
出して本発明を完成した。
【0008】すなわち、本発明は、即席麺類の製造方法
であって、 (a)麺類をα化処理する工程; (b)α化処理した麺類を凍結処理する工程; (c)凍結処理した麺類をその水分含量が30〜55重
量%になるまで凍結真空乾燥する工程;および (d)前記の工程(c)で得られる麺類をその水分含量
が3〜30重量%になるまで加熱乾燥する工程;からな
り、且つ工程(c)で得られる麺類の水分含量と工程
(d)で得られる麺類の水分含量の差が8重量%以上に
なるように工程(c)および工程(d)を行うことを特
徴とする即席麺類の製造方法である。そして、本発明は
上記方法により製造された即席麺類を包含する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に説明
する。本発明では即席麺類の種類は特に限定されず、即
席和風麺類(即席うどん、即席きしめん、即席日本そば
など)、即席欧風麺類(即席スパゲティー、即席マカロ
ニなど)、即席中華麺類(即席ラーメン)などを包含
し、それらのうちでも特に即席うどん、即席スパゲティ
ーなどの製造に適している。
【0010】本発明では、まず麺類をα化処理するが
[工程(a)]、α化する前の麺類は、生麺、乾麺また
は半乾燥麺のいずれでもよい。その場合に、麺類は、例
えば小麦粉、ライ麦粉、大麦粉、オーツ粉、そば粉、米
粉、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、コーンスターチ、カタ
クリ粉、やまいも粉などの種々の穀粉類の1種または2
種以上を使用して製造しておくことができ、そのうちで
も通常の麺類と同様に、小麦粉から製造してあるのが好
ましい。また麺類は、上記した穀粉類の他に、必要に応
じて、食塩、かん水(かん粉)、油脂類、縮合リン酸
塩、乳化剤、蛋白強化剤などの他の成分を含有していて
もよい。α化処理する前の麺類の製法も特に制限され
ず、例えば、混捏−圧延−麺線への切出し、混捏−麺帯
押出し−麺線への切出し、混捏−麺線押出しなどの通常
の方法によって生麺類を製造して、その生麺類をそのま
ま使用しても、または生麺類を半乾燥または乾燥して得
られる半乾燥麺類または乾燥麺類を使用してもよい。
【0011】工程(a)における麺類のα化処理は、茹
で処理、蒸熱処理、それらの組合せ、またはその他の処
理によって行うことができるが、特に最初に蒸熱した後
に茹で処理を行うと麺線の保形性を高めることができ
る。茹で処理によってα化する場合の最適茹で時間は、
麺の種類、麺線の太さ、茹上げ温度等により異なるが、
一般には約10〜30分の範囲が望ましい。また、蒸熱
後に茹で処理を行う場合は、蒸熱処理を約3〜5分行っ
た後に茹で処理を約10〜20分間行うのが好ましい。
【0012】α化処理した麺類の歩留りは、麺類の種
類、麺線の太さなどに応じて調整することができるが、
本発明では、この工程(a)のα化処理において、麺類
をα化するとともにその歩留りを350〜400%に調
整するのが、喫食可能にするための復元時間が短くてす
み、且つ復元した麺類が滑らかで且つ弾力性に富む高品
質のものとなるので好ましい。なお、ここでいう麺類の
歩留りは下記の数式(1)により求めた値をいう。
【0013】
【数1】A(%)=(B/C)×100 (1) 式中、A=α化処理した麺類の歩留り(%) B=α化処理した麺類の重量(g) C=麺類の製造に用いた小麦粉、そば粉およびその他の
主原料たる穀粉類の重量(g)(但し水分含量14重量%
に換算した重量とする)
【0014】そして、上記の数式(1)から、下記の数
式(2)にしたがって、α化した麺類の水分含量Mが求
められる。
【0015】
【数2】 M(重量%)=[{(A−100)+D}/A]×100 (2) 式中、A=α化処理した麺類の歩留り(%) D=原料粉中の水分含量(重量%) M=α化処理した麺類の水分含量(重量%)
【0016】そこで、上記数式(2)にしたがって歩留り
350〜400%の麺類の水分含量を計算すると、原料
粉の水分含量が14重量%の小麦粉を使用した場合に
は、約75〜79重量%の水分含量となる。通常、α化
した麺類を喫食する際の最適の歩留りは、例えば、スパ
ゲティーの場合で250%前後、うどんの場合で320
%前後であり、そのため上記した350〜400%の歩
留りは、それよりも水分含量が多く、いわゆる茹過ぎの
状態にあるが、工程(a)のα化処理において麺線の歩
留りを350〜400%にすると、上記したように、湯
戻しなどによって短時間で喫食可能に復元でき、しかも
滑らかさおよび弾力性に富む、口当たりおよび食感の良
好な高品質の即席麺類が得られる。α化した麺類の歩留
りが350%よりも低いと、湯戻しなどによって喫食可
能に復元させるのに時間がかかるようになる。一方、α
化した麺類の歩留りが400%よりも高いと、復元後の
麺類は滑らかさおよび弾力性に欠けて、口当たりおよび
食感が不良になり易い。
【0017】工程(a)における麺類の歩留りの調整
は、麺類のα化前に行っても、麺類のα化と同時に行っ
ても、または麺類のα化後に行ってもよい。具体的に
は、例えば製麺時に水分の添加を多くして多加水麺をつ
くりこれを常法により茹でる方法、茹で時間を長くする
方法、通常の含水量の麺類を茹で処理や蒸熱処理によっ
てα化した後に水または湯中に浸漬処理する方法等が採
用できる。そして、水または湯中に浸漬処理する前記の
方法による場合は、親水性物質を使用することが好まし
く、例えば、シュガーエステル、ソルビタン脂肪酸エス
テル、大豆リン脂質等の親水性界面活性剤;エタノー
ル、プロピレングリコール、エチレングリコール、グリ
セリン等のアルコール類;ソルビトール、マルチトール
等の糖アルコール類;砂糖、フラクトース、グルコー
ス、マルトース等の糖類;食塩などを含有する水または
湯を用いて浸漬処理を行うと、歩留りを一層高めること
ができ、しかも食感がより良好になる。上記の親水性物
質は単独で使用しても複数併用してもよく、いずれの場
合も通常約0.25〜5重量%程度の濃度にして用いる
のが好ましい。また、本発明では、上記でα化処理した
麺類の歩留りを350〜400%に調整した後、約30
分〜1時間程度放置して麺類における水の分布を均一に
して、いわゆる「麺のび」の状態にしてから次の凍結処
理を行うようにするのが好ましい。
【0018】次に、上記のようにしてα化処理し、好ま
しくは歩留りを350〜400%に調整した麺類を凍結
処理する[工程(b)]。麺類の凍結処理を行うに当た
っては、麺類を所定の重量に玉取りしてから凍結処理を
行うのが好ましい。凍結処理は急速凍結および緩慢凍結
のいずれで行ってもよい。また、α化し、好ましくは玉
取りした麺類をそのまま直接凍結処理してもよいが、凍
結処理前に予備凍結処理を施すのがよく、それによって
麺の保形性および麺線のほぐれが著しく改良される。予
備凍結処理は、通常、玉取りした麺線を約−10〜−5
0℃の雰囲気のトンネル中に約2〜10分保つことによ
り行うが、玉取りした麺類の中心部に未氷結層を有する
状態で停止するのがよい。
【0019】そして、凍結処理を行った麺類を、次い
で、麺類の水分含量が30〜55重量%になるまで凍結
真空乾燥処理する[工程(c)]。この凍結真空乾燥処
理は、例えば約10〜50℃の温度のプレート上に凍結
した麺塊を載せ、約10〜500mm Torrの真空下に
約1〜10時間保つことにより行う。凍結真空乾燥後の
麺類の水分含量が30重量%未満であると、次の加熱乾
燥工程[工程(d)]によって麺類の最終的な水分含量
を3〜30重量%の範囲に調整しても、得られる即席麺
類は湯戻しなどによって短時間に喫食可能に復元されな
くなり、しかも復元して得られる麺類は滑らかさに欠け
ていて口当たりが悪く、しかも弾力性がなく食感の劣っ
たものとなる。その上、この凍結真空乾燥工程で麺類の
水分含量が30%未満になるまで乾燥を行うと、凍結真
空乾燥処理に時間がかかり過ぎて生産性が低下し、しか
も乾燥コストの高い凍結真空乾燥処理を長時間にわたっ
て行うために即席麺類の製造コストが上昇する。一方、
凍結真空乾燥後の麺類の水分含量が55重量%を超える
場合は、次の加熱乾燥工程[工程(d)]によって最終
製品である即席麺類の水分含量を3〜30重量%の範囲
に調整しても、得られる即席麺類は湯戻しなどによって
短時間に喫食可能に復元されなくなり、しかも復元して
得られる麺類は滑らかさに欠けていて口当たりが悪く、
しかも弾力性がなく食感の劣ったものとなる。
【0020】そして、水分含量が30〜55重量%にな
るまで凍結真空乾燥した麺線を、その水分含量が3〜3
0重量%になるまで加熱乾燥して即席麺類をつくる[工
程(d)]。加熱乾燥処理後の即席麺類の水分含量が3
重量%未満であると、即席麺類を湯戻しなどによって喫
食可能に復元するのに長い時間がかかるようになってし
まい、しかも復元した麺類は食感が硬くなり易い。一
方、加熱乾燥処理後の即席麺類の水分含量が30重量%
よりも多いと、腐敗し易くなって保存ができなくなる。
【0021】そして、本発明では、工程(d)の加熱乾
燥処理を40〜180℃の温度で行うのが好ましい。加
熱乾燥温度が40℃よりも低いと麺類の水分含量を3〜
30重量%にするのに長い乾燥時間が必要になって生産
性が低下し、一方加熱乾燥温度が180℃よりも高い
と、復元して得られる麺類は滑らかさに欠け、低品質の
ものとなり易い。
【0022】工程(d)の加熱乾燥処理は、温風加熱、
熱風加熱、輻射熱加熱などによって行うことができる
が、約40〜180℃の温風または熱風を用いて行うの
が均一な加熱を行うことができるので好ましい。その場
合に、温風および熱風は湿分含量の低い乾燥気体であっ
ても、湿分を含む気体であってもよく、一般に湿分含量
が10〜50重量%程度の温風または熱風を用いるのが
好ましい。麺類の水分含量を3〜30重量%にするため
の加熱時間は、加熱温度(温風や熱風の温度)、凍結真
空乾燥処理で得られる麺類の水分含量、麺線の太さなど
に応じて調整するとよい。
【0023】そして、この工程(d)の加熱乾燥処理に
よって麺類の最終的な水分含量を20〜30重量%の範
囲にする場合は、この加熱乾燥工程を40〜100℃の
範囲の温度で行うのが好ましく、それによって最終的に
得られる即席麺類は多孔質の構造となっていて、湯戻し
などによって喫食可能に復元した際に、その復元時間が
短くて、しかも復元された麺類が滑らかさおよび弾力性
に富む、口当たりおよび食感に優れたものとなる。ま
た、この工程(d)によって麺類の最終的な水分含量を
3〜20重量%の範囲にする場合は、この工程(d)の
加熱乾燥処理を100〜180℃の範囲の温度で行うの
が好ましく、それによって最終的に得られる即席麺類は
多孔質で膨化した構造となっていて、やはり、湯戻しな
どによって喫食可能に復元した際に、その復元時間が短
くて、しかも復元された麺類が滑らかさおよび弾力性に
富む、口当たりおよび食感に優れたものとなる。
【0024】さらに、本発明の方法を行うに当たって
は、凍結真空乾燥処理[工程(c)]で得られる麺類の
水分含量から、加熱乾燥処理[工程(d)]で得られる
麺類(最終的な即席麺類)の水分含量を差し引いた値
(以下「水分除去率差」という)が、8重量%以上であ
ることが必要である。水分除去率が8重量%未満である
と、工程(d)の加熱乾燥処理によって、麺類が多孔質
構造、または多孔質/膨化構造とならず、湯戻しなどに
よって短時間に喫食可能に復元させることができず、し
かも復元した麺類は滑らかさおよび弾力性に欠けて、口
当たりおよび食感が不良となる。一方、水分除去率の上
限値は、工程(c)の水分含量の上限値55重量%と工
程(d)の水分含量の下限値3重量%との差である52
重量%となる。
【0025】上記により得られる即席麺類は、必要に応
じて包装して、常温で、また場合によっては冷蔵状態で
流通、販売することができる。即席麺類の復元に当たっ
ては、単に熱湯を注いだり、熱湯中に浸漬するだけでも
よく、場合によっては熱湯中で短時間煮てもよいが、上
記により得られる本発明の即席麺類は、通常、熱湯を注
ぐだけで約5分程度で喫食可能に復元することができ
る。
【0026】
【実施例】以下に実施例などにより本発明を具体的に説
明するが、本発明はそれにより限定されない。以下の例
において、α化処理した麺類の歩留りは上記の数式
(1)により、またα化処理した麺類の水分含量は上記
の数式(2)により求めた。また、凍結真空乾燥して得
られた麺類の水分含量は、下記の数式(3)により、そ
して加熱乾燥処理して得られた即席麺類の水分含量は、
下記の数式(4)により求めた。更に、湯戻した麺類の
品質(滑らかさおよび食感)は、下記の表1に記載した
評価基準によって10人のパネラーに評価してもらっ
て、その平均値を採った。
【0027】凍結真空乾燥して得られた麺類の水分含
:下記の数式(3)により凍結真空乾燥して得られた
麺類の水分含量を求めた。
【0028】
【数3】 E={(F−0.86C)/F}×100 (3) 式中、E=凍結真空乾燥して得られた麺類の水分含量
(重量%) C=麺類の製造に用いた小麦粉、そば粉およびその他の
主原料たる穀粉類の重量(g)(但し水分含量14重量
%に換算した重量とする) F=凍結真空乾燥して得られた麺類の重量(g)
【0029】加熱乾燥して得られた即席麺類の水分含
:下記の数式(4)により加熱乾燥して得られた即席
麺類の水分含量を求めた。
【0030】
【数4】 G={(H−0.86C)/H}×100 (4) 式中、G=加熱乾燥して得られた即席麺類の水分含量
(重量%) C=麺類の製造に用いた小麦粉、そば粉およびその他の
主原料たる穀粉類の重量(g)(但し水分含量14重量%
に換算した重量とする) H=加熱乾燥して得られた即席麺類の重量(g)
【0031】
【表1】 喫食可能に復元(湯戻し)した麺類の品質 滑らかさ: 5点:非常に滑らかであり、口当たりが非常に良好である。 4点:滑らかさに富んでおり、口当たりが良好である。 3点:滑らかさがあり、口当たりがほぼ良好である。 2点:滑らかさに欠け、口当たりが悪い。 1点:滑らかさが全くなく、口当たりが極めて悪い。 食 感: 5点:弾力性に非常に富んでおり、食感が極めて良好である。 4点:弾力性に富んでおり、食感が良好である。 3点:弾力性があり、ほぼ良好な食感である。 2点:弾力性よりも硬さがつよく、食感がやや不良である。 1点:非常に硬く、食感が極めて不良である。
【0032】《実施例 1》 (1) 市販の乾燥スパゲティー(マ・マーマカロニ社
製;直径1.8mm)1kgを沸騰した熱湯10リット
ル中で24分間茹で(歩留り350%;水分含量75重
量%)、これを4℃の冷水中に入れて急冷した後、水切
りをして200gずつに個分けして容器に入れた。 (2) 次に、上記(1)で個分けして容器入れた茹ス
パゲティーを、−40℃に120分保って急速凍結した
後、温度20℃、真空度100mmTorrのプレート
上で、その水分含量が55.0%になるまで4時間凍結
真空乾燥した。 (3) 上記(2)で得られた凍結真空乾燥麺を、温度
80℃、風速50m/秒の温風を用いて6分間温風乾燥
して、水分含量が25%の即席スパゲティーを製造し
た。 (4) 上記(3)で得られた即席スパゲティーを試食
用容器に入れて、そこに温度100℃の熱湯500cc
を注いで、通常の茹でスパゲティーと同じような状態に
なるまで熱湯中に放置して、その時の復元時間を測定す
ると共に、復元したスパゲティーの品質を上記の表1で
示した評価基準にしたがって評価したところ、下記の表
2に示すとおりの結果であった。
【0033】《実施例 2》 (1) 実施例1において、その(3)の加熱乾燥処理
を、温度150℃、風速50m/秒の熱風を用いて5分
間乾熱乾燥(熱風乾燥)して、水分含量が5重量%の即
席スパゲティーを製造した他は実施例1と同様にして即
席スパゲティーを製造した。 (2) 上記(1)で得られた即席スパゲティーを実施
例1の(4)と同様にして湯戻しし、その時の復元時間
を測定すると共に、復元したスパゲティーの品質を上記
の表1で示した評価基準にしたがって評価したところ、
下記の表2に示すとおりの結果であった。
【0034】《実施例 3》 (1) 実施例1の(1)と同じ工程を行って、200
gずつに個分けして容器に入れた茹スパゲティーを、−
40℃に120分保って急速凍結した後、温度20℃、
真空度100mmTorrのプレート上で、その水分含
量が30.0重量%になるまで6時間凍結真空乾燥し
た。 (2) 上記(1)で得られた凍結真空乾燥麺を、さら
に温度80℃、風速50m/秒の温風を用いて1分間温
風乾燥して、水分含量が20重量%の即席スパゲティー
を製造した。 (3) 上記(2)で得られた即席スパゲティーを実施
例1の(4)と同様にして湯戻しし、その時の復元時間
を測定すると共に、復元したスパゲティーの品質を上記
の表1で示した評価基準にしたがって評価したところ、
下記の表2に示すとおりの結果であった。
【0035】《実施例 4》 (1) 実施例3において、その(2)の加熱乾燥処理
を、温度150℃、風速50m/秒の熱風を用いて2.
5分間乾熱乾燥(熱風乾燥)して、水分含量が5重量%
の即席スパゲティーを製造した他は実施例3と同様にし
て即席スパゲティーを製造した。 (2) 上記(1)で得られた即席スパゲティーを実施
例1の(4)と同様にして湯戻しし、その時の復元時間
を測定すると共に、復元したスパゲティーの品質を上記
の表1で示した評価基準にしたがって評価したところ、
下記の表2に示すとおりの結果であった。
【0036】《比較例 1》 (1) 実施例1の(1)と同じ工程を行って、200
gずつに個分けして容器に入れた茹スパゲティーを、−
40℃に120分保って急速凍結した後、温度20℃、
真空度100mmTorrのプレート上で、その水分含
量が25.0重量%になるまで7時間凍結真空乾燥し
た。 (2) 上記(1)で得られた凍結真空乾燥麺を、温度
80℃、風速50m/秒の温風を用いて1.5分間温風
乾燥して、水分含量が15重量%の即席スパゲティーを
製造した。 (3) 上記(2)で得られた即席スパゲティーを実施
例1の(4)と同様にして湯戻しし、その時の復元時間
を測定すると共に、復元したスパゲティーの品質を上記
の表1で示した評価基準にしたがって評価したところ、
下記の表2に示すとおりの結果であった。
【0037】《比較例 2》 (1) 実施例1の(1)と同じ工程を行って、200
gずつに個分けして容器に入れた茹スパゲティーを、−
40℃に120分保って急速凍結した後、温度20℃、
真空度100mmTorrのプレート上で、その水分含
量が60.0重量%になるまで3.5時間凍結真空乾燥
した。 (2) 上記(1)で得られた凍結真空乾燥麺を、温度
80℃、風速50m/秒の温風を用いて9分間温風乾燥
して、水分含量が20重量%の即席スパゲティーを製造
した。 (3) 上記(2)で得られた即席スパゲティーを実施
例1の(4)と同様にして湯戻しし、その時の復元時間
を測定すると共に、復元したスパゲティーの品質を上記
の表1で示した評価基準にしたがって評価したところ、
下記の表2に示すとおりの結果であった。
【0038】《比較例 3》 (1) 実施例1の(1)と同じ工程を行って、200
gずつに個分けして容器に入れた茹スパゲティーを、−
40℃に120分保って急速凍結した後、温度20℃、
真空度100mmTorrのプレート上で、その水分含
量が30.0重量%になるまで6時間凍結真空乾燥し
た。 (2) 上記(1)で得られた凍結真空乾燥麺を、温度
80℃、風速50m/秒の温風を用いて45秒間温風乾
燥して、水分含量が25重量%の即席スパゲティーを製
造した。 (3) 上記(2)で得られた即席スパゲティーを実施
例1の(4)と同様にして湯戻しし、その時の復元時間
を測定すると共に、復元したスパゲティーの品質を上記
の表1で示した評価基準にしたがって評価したところ、
下記の表2に示すとおりの結果であった。
【0039】《比較例 4》 (1) 実施例1の(1)と同じ工程を行って、200
gずつに個分けして容器に入れた茹スパゲティーを、−
40℃に120分保って急速凍結した後、温度20℃、
真空度100mmTorrのプレート上で、24時間凍
結真空乾燥して、水分含量が6%の凍結真空乾燥即席ス
パゲティーを製造した。 (2) 上記(1)で得られた凍結真空乾燥即席スパゲテ
ィーを実施例1の(4)と同様にして湯戻しし、その時
の復元時間を測定すると共に、復元したスパゲティーの
品質を上記の表1で示した評価基準にしたがって評価し
たところ、下記の表2に示すとおりの結果であった。
【0040】《比較例 5》 (1) 実施例1の(1)と同じ工程を行って、200
gずつに個分けして容器に入れた茹スパゲティーを、温
度150℃、風速50m/秒の熱風を用いて3分間乾熱
乾燥(熱風乾燥)した後、更に温度80℃、風速50m
/秒の温風を用いて15分間温風乾燥して、水分含量が
14重量%の即席スパゲティーを製造した。 (2) 上記(1)で得られた即席スパゲティーを実施
例1の(4)と同様にして湯戻しし、その時の復元時間
を測定すると共に、復元したスパゲティーの品質を上記
の表1で示した評価基準にしたがって評価したところ、
下記の表2に示すとおりの結果であった。
【0041】《比較例 6》 (1) 実施例1の(1)と同じ工程を行って、200
gずつに個分けして容器に入れた茹スパゲティーを、温
度80℃、風速50m/秒の温風を用いて12分間温風
乾燥した後、更に温度150℃、風速50m/秒の熱風
を用いて2分間乾熱乾燥(熱風乾燥)して、水分含量が
14重量%の即席スパゲティーを製造した。 (2) 上記(1)で得られた即席スパゲティーを実
施例1の(4)と同様にして湯戻しし、その時の復元時
間を測定すると共に、復元したスパゲティーの品質を上
記の表1で示した評価基準にしたがって評価したとこ
ろ、下記の表2に示すとおりの結果であった。
【0042】
【表2】
【0043】上記の表2の結果から、本発明の方法にし
たがって製造した実施例1〜4の即席スパゲティーは、
短時間で喫食可能に湯戻しすることができ、しかも湯戻
しによって復元されたスパゲティーは、滑らかさおよび
食感の両方において優れていることがわかる。また、工
程(c)の凍結真空乾燥処理により得られる麺の水分含
量が本発明における上記した30〜55重量%の範囲か
ら外れている比較例1および比較例2により得られる即
席スパゲティーは、実施例1〜4で得られる即席スパゲ
ティーに比べて喫食可能にするのに長い湯戻し時間が必
要であり、しかも湯戻しによって復元されたスパゲティ
ーは、滑らかさおよび食感の両方で実施例1〜4のもの
に比べて劣っていることがわかる。
【0044】また、上記の表2の結果から、工程(a)
〜工程(d)は本発明の範囲内の条件で行ってはいる
が、工程(c)で得られる麺の水分含量と工程(d)で
得られる麺(即席スパゲティー)の水分含量との差(す
なわち水分除去率)が8重量%よりも低くなっている比
較例3により得られる即席スパゲティーは、実施例1〜
4で得られる即席スパゲティーに比べて喫食可能にする
のに長い湯戻し時間が必要であり、しかも湯戻しによっ
て復元されたスパゲティーは、滑らかさおよび食感の両
方で実施例1〜4のものに比べて劣っていることがわか
る。更に、上記の表2の結果から、凍結真空乾燥処理の
みによって乾燥処理を行って得られた比較例4の即席ス
パゲティー、および2段階の熱風(温風)乾燥処理工程
を行って得られた比較例5および比較例6の即席スパゲ
ティーは、いずれも、実施例1〜4で得られる即席スパ
ゲティーに比べて、喫食可能にするのに極めて長い湯戻
し時間が必要であり、しかも湯戻しによって復元された
スパゲティーは、滑らかさおよび食感の両方で実施例1
〜4のものに比べて劣っていることがわかる。
【0045】《実施例 5》 (1) 中力小麦粉1kg、食塩30g、水350gを
常法によって混練した後、複合、圧延して麺帯をつく
り、これを#12角の切刃を用いて麺線に切り出して、
幅2.5mm、厚み2.0mmの生うどん(水分含量3
5重量%)を製造した。 (2) 上記(1)で得られた生うどん1kgを沸騰し
た熱湯10リットル中で24分間茹で(歩留り360
%;水分含量76重量%)、これを4℃の冷水中に入れ
て急冷した後、水切りをして200gずつに個分けして
容器に入れた。 (3) 次に、上記(2)で個分けして容器に入れた麺
を、−40℃に120分保って急速凍結した後、温度2
0℃、真空度100mmTorrのプレート上で、その
水分含量が55.0重量%になるまで4時間凍結真空乾
燥した。 (4) 上記(3)で得られた凍結真空乾燥麺を、温度
80℃、風速50m/秒の温風を用いて9分間温風乾燥
して、水分含量が25重量%の即席うどんを製造した。 (5) 上記(4)で得られた即席うどんを試食用容器
に入れて、そこに温度100℃の熱湯500ccを注い
で、通常の茹でうどんと同じような状態になるまで熱湯
中に放置して、その時の復元時間を測定すると共に、復
元したうどんの品質を上記の表1で示した評価基準にし
たがって評価したところ、下記の表3に示すとおりの結
果であった。
【0046】《実施例 6》 (1) 実施例5において、その(4)の加熱乾燥処理
を、温度150℃、風速50m/秒の熱風を用いて7.
5分間乾熱乾燥(熱風乾燥)して、水分含量が5重量%
の即席うどんを製造した他は実施例5と同様にして即席
うどんを製造した。 (2) 上記(1)で得られた即席うどんを実施例5の
(5)と同様にして湯戻しし、その時の復元時間を測定
すると共に、復元したうどんの品質を上記の表1で示し
た評価基準にしたがって評価したところ、下記の表3に
示すとおりの結果であった。
【0047】《実施例 7》 (1) 実施例5の(1)および(2)と同じ工程を行
って、200gずつに個分けして容器に入れた茹で麺
を、−40℃に120分保って急速凍結した後、温度2
0℃、真空度100mmTorrのプレート上で、その
水分含量が30.0重量%になるまで6時間凍結真空乾
燥した。 (2) 上記(1)で得られた凍結真空乾燥麺を、温度
80℃、風速50m/秒の温風を用いて1.5分間温風
乾燥して、水分含量が20重量%の即席うどんを製造し
た。 (3) 上記(2)で得られた即席うどんを実施例5の
(5)と同様にして湯戻しし、その時の復元時間を測定
すると共に、復元したうどんの品質を上記の表1で示し
た評価基準にしたがって評価したところ、下記の表3に
示すとおりの結果であった。
【0048】《実施例 8》 (1) 実施例7において、その(2)の加熱乾燥処理
を、温度150℃、風速50m/秒の熱風を用いて4分
間乾熱乾燥(熱風乾燥)して、水分含量が5重量%の即
席うどんを製造した他は実施例7と同様にして即席うど
んを製造した。 (2) 上記(1)で得られた即席うどんを実施例5の
(5)と同様にして湯戻しし、その時の復元時間を測定
すると共に、復元したうどんの品質を上記の表1で示し
た評価基準にしたがって評価したところ、下記の表3に
示すとおりの結果であった。
【0049】《比較例 7》 (1) 実施例5の(1)および(2)と同じ工程を行
って、200gずつに個分けして容器に入れた茹で麺
を、−40℃に120分保って急速凍結した後、温度2
0℃、真空度100mmTorrのプレート上で、その
水分含量が25.0重量%になるまで7時間凍結真空乾
燥した。 (2) 上記(1)で得られた凍結真空乾燥麺を、温度
80℃、風速50m/秒の温風を用いて2.5分間温風
乾燥して、水分含量が15重量%の即席うどんを製造し
た。 (3) 上記(2)で得られた即席うどんを実施例5の
(5)と同様にして湯戻しし、その時の復元時間を測定
すると共に、復元したうどんの品質を上記の表1で示し
た評価基準にしたがって評価したところ、下記の表3に
示すとおりの結果であった。
【0050】《比較例 8》 (1) 実施例5の(1)および(2)と同じ工程を行
って、200gずつに個分けして容器に入れた茹で麺
を、−40℃に120分保って急速凍結した後、温度2
0℃、真空度100mmTorrのプレート上で、その
水分含量が60.0重量%になるまで3.5時間凍結真
空乾燥した。 (2) 上記(1)で得られた凍結真空乾燥麺を、温度
80℃、風速50m/秒の温風を用いて13.5分間温
風乾燥して、水分含量が20重量%の即席うどんを製造
した。 (3) 上記(2)で得られた即席うどんを実施例5の
(5)と同様にして湯戻しし、その時の復元時間を測定
すると共に、復元したうどんの品質を上記の表1で示し
た評価基準にしたがって評価したところ、下記の表3に
示すとおりの結果であった。
【0051】《比較例 9》 (1) 実施例5の(1)および(2)と同じ工程を行
って、200gずつに個分けして容器に入れた茹で麺
を、−40℃に120分保って急速凍結した後、温度2
0℃、真空度100mmTorrのプレート上で、その
水分含量が30.0重量%になるまで6時間凍結真空乾
燥した。 (2) 上記(1)で得られた凍結真空乾燥麺を、温度
80℃、風速50m/秒の温風を用いて1分15秒間温
風乾燥して、水分含量が25重量%の即席うどんを製造
した。 (3) 上記(2)で得られた即席うどんを実施例5の
(5)と同様にして湯戻しし、その時の復元時間を測定
すると共に、復元したうどんの品質を上記の表1で示し
た評価基準にしたがって評価したところ、下記の表3に
示すとおりの結果であった。
【0052】《比較例 10》 (1) 実施例5の(1)および(2)と同じ工程を行
って、200gずつに個分けして容器に入れた茹で麺
を、−40℃に120分保って急速凍結した後、温度2
0℃、真空度100mmTorrのプレート上で、24
時間凍結真空乾燥して、水分含量が5%の凍結真空乾燥
即席うどんを製造した。 (2) 上記(1)で得られた凍結真空乾燥即席うどん
を実施例5の(5)と同様にして湯戻しし、その時の復
元時間を測定すると共に、復元したうどんの品質を上記
の表1で示した評価基準にしたがって評価したところ、
下記の表3に示すとおりの結果であった。
【0053】《比較例 11》 (1) 実施例5の(1)および(2)と同じ工程を行
って、200gずつに個分けして容器に入れた茹で麺
を、温度150℃、風速50m/秒の熱風を用いて4.
5分間乾熱乾燥(熱風乾燥)した後、更に温度80℃、
風速50m/秒の温風を用いて22.5分間温風乾燥し
て、水分含量が14重量%の即席うどんを製造した。 (2) 上記(1)で得られた即席うどんを実施例5の
(5)と同様にして湯戻しし、その時の復元時間を測定
すると共に、復元したうどんの品質を上記の表1で示し
た評価基準にしたがって評価したところ、下記の表3に
示すとおりの結果であった。
【0054】《比較例 12》 (1) 実施例5の(1)および(2)と同じ工程を行
って、200gずつに個分けして容器に入れた茹で麺
を、温度80℃、風速50m/秒の温風を用いて18分
間温風乾燥した後、更に温度150℃、風速50m/秒
の熱風を用いて3分間乾熱乾燥(熱風乾燥)して、水分
含量が14重量%の即席うどんを製造した。 (2) 上記(1)で得られた即席うどんを実施例5の
(5)と同様にして湯戻しし、その時の復元時間を測定
すると共に、復元したうどんの品質を上記の表1で示し
た評価基準にしたがって評価したところ、下記の表3に
示すとおりの結果であった。
【0055】
【表3】
【0056】上記の表3の結果から、本発明の方法にし
たがって製造した実施例5〜8の即席うどんは、短時間
で喫食可能に湯戻しすることができ、しかも湯戻しによ
って復元されたうどんは、滑らかさおよび食感の両方に
おいて優れていることがわかる。また、工程(c)の凍
結真空乾燥処理により得られる麺の水分含量が本発明に
おける上記した30〜55%の範囲から外れている比較
例7および比較例8により得られる即席うどんは、実施
例5〜8で得られる即席うどんに比べて喫食可能にする
のに長い湯戻し時間が必要であり、しかも湯戻しによっ
て復元されたうどんは、滑らかさおよび食感の両方で実
施例5〜8のものに比べて劣っていることがわかる。
【0057】また、上記の表3の結果から、工程(a)
〜工程(d)は本発明の範囲内の条件で行ってはいる
が、工程(c)で得られる麺の水分含量と工程(d)で
得られる麺(即席うどん)の水分含量との差(すなわち
水分除去率)が8重量%よりも低くなっている比較例9
により得られる即席うどんは、実施例5〜8で得られる
即席うどんに比べて喫食可能にするのに長い湯戻し時間
が必要であり、しかも湯戻しによって復元されたうどん
は、滑らかさおよび食感の両方で実施例5〜8のものに
比べて劣っていることがわかる。更に、上記の表3の結
果から、凍結真空乾燥処理のみによって乾燥処理を行っ
て得られた比較例10の即席うどん、および2段階の熱
風(温風)乾燥処理工程を行って得られた比較例11お
よび比較例12の即席うどんは、いずれも、実施例5〜
8で得られる即席うどんに比べて、喫食可能にするのに
極めて長い湯戻し時間が必要であり、しかも湯戻しによ
って復元されたうどんは、滑らかさおよび食感の両方で
実施例5〜8のものに比べて劣っていることがわかる。
【0058】
【発明の効果】本発明の方法による場合は、湯戻しなど
によって短時間に喫食可能に復元できて即席性に優れ、
しかも復元された麺が滑らかさに富む良好な口当たり、
および弾力性に富む良好な食感を有する高品質のノンフ
ライ即席麺類を円滑に製造することができる。そして、
本発明の即席麺類は、乾燥に油を用いていないので、油
っぽくなく且つ低カロリーであり、しかも保存時に油の
変質のよる食感の低下や品質の低下が生じず、良好な食
味および食感を保ちながら、長期にわたって保存、流通
が可能である。 更に、本発明の方法では、凍結真空乾燥処理と加熱乾燥
処理を併用しているので、凍結真空乾燥処理のみによっ
て即席麺類を製造する従来法に比べて、即席麺類の製造
時間が短縮され、生産性が高く、しかも製造コストを低
く抑えることができ、しかも得られる即席麺類は湯戻し
による復元時間が短く、滑らかさ、弾力性の非常に良好
なものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/16 - 1/162

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 即席麺類の製造方法であって、 (a)麺類をα化処理する工程; (b)α化処理した麺類を凍結処理する工程; (c)凍結処理した麺類をその水分含量が30〜55重
    量%になるまで凍結真空乾燥する工程;および (d)前記の工程(c)で得られる麺類をその水分含量
    が3〜30重量%になるまで加熱乾燥する工程;からな
    り、且つ工程(c)で得られる麺類の水分含量と工程
    (d)で得られる麺類の水分含量の差が8重量%以上と
    なるように工程(c)および工程(d)を行うことを特
    徴とする即席麺類の製造方法。
  2. 【請求項2】 工程(a)において、麺類のα化処理と
    共にその歩留りを350〜400%に調整することから
    なる請求項1の製造方法。
  3. 【請求項3】 工程(d)において、麺類の水分含量が
    20〜30重量%になるまで40〜100℃の温度で加
    熱乾燥することからなる請求項1または2の製造方法。
  4. 【請求項4】 工程(d)において、麺類の水分含量が
    3〜20重量%になるまで100〜180℃の温度で加
    熱乾燥することからなる請求項1または2の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項の方法で製
    造された即席麺類。
JP01948696A 1995-06-09 1996-01-10 即席麺類の製造方法 Expired - Lifetime JP3495837B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP01948696A JP3495837B2 (ja) 1995-06-09 1996-01-10 即席麺類の製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7-167096 1995-06-09
JP16709695 1995-06-09
JP01948696A JP3495837B2 (ja) 1995-06-09 1996-01-10 即席麺類の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0951775A JPH0951775A (ja) 1997-02-25
JP3495837B2 true JP3495837B2 (ja) 2004-02-09

Family

ID=26356314

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP01948696A Expired - Lifetime JP3495837B2 (ja) 1995-06-09 1996-01-10 即席麺類の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3495837B2 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4969678B2 (ja) * 2010-10-13 2012-07-04 サンヨー食品株式会社 即席麺およびその製造方法
JP5806882B2 (ja) * 2011-08-31 2015-11-10 天野実業株式会社 フリーズドライ麺類の製造方法
JP5806883B2 (ja) * 2011-08-31 2015-11-10 天野実業株式会社 フリーズドライ麺類の製造方法
JP5896687B2 (ja) * 2011-10-27 2016-03-30 日清食品ホールディングス株式会社 レーザ処理された乾燥食品
JP5190148B2 (ja) * 2012-02-20 2013-04-24 サンヨー食品株式会社 即席麺およびその製造方法
JP5172027B2 (ja) * 2012-03-21 2013-03-27 サンヨー食品株式会社 即席麺およびその製造方法
JP2012157361A (ja) * 2012-04-20 2012-08-23 Sanyo Shokuhin Kk 即席麺およびその製造方法
JP6463958B2 (ja) * 2014-12-02 2019-02-06 日清食品ホールディングス株式会社 即席熱風乾燥麺の製造方法及び即席熱風乾燥麺
MX2020001952A (es) 2017-12-13 2020-03-26 Nissin Foods Holdings Co Ltd Metodo para producir fideos instantaneos.

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0951775A (ja) 1997-02-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3495837B2 (ja) 即席麺類の製造方法
ES2209841T3 (es) Copos o granulados de patata que contienen amilopectina y su utilizacion en los tentempies.
KR102375174B1 (ko) 전자레인지용 즉석 쌀국수면의 제조방법
EP0738474A2 (en) Process for making noodles based on raw mung bean starch or potato starch
JPS61195655A (ja) 乾燥α化穀物の製造方法
JP3103459B2 (ja) 即席麺類の製造方法
US3189461A (en) Process for producing quick-cooking rice
JP3568520B2 (ja) 冷水復元性即席米飯及びその製造方法
JP6796599B2 (ja) ビーフン様米粉麺類の製造方法
JP3118396B2 (ja) 麺類の製造方法
JP3664570B2 (ja) 即席麺類の製造方法
JP3504415B2 (ja) 早茹でパスタ及び早茹で麺の製造法
JPS597296B2 (ja) 製菓用素材の製造方法
JP2911046B2 (ja) 即席冷凍麺類の製造方法
JP4153400B2 (ja) 低温乾燥即席麺類の製造方法
JPH02203757A (ja) 冷蔵加熱製品の製造方法
JP2000032933A (ja) 発酵風味米粒又は米粉の製造法ならびに含有食品
NL8403578A (nl) Gedehydrateerde voedingsmiddelen en werkwijze ter bereiding daarvan.
JP7161075B1 (ja) ノンフライ麺の製造方法
KR102318582B1 (ko) 산가수분해된 히드록시프로필 전분을 포함하는 만두피 조성물
JP7492382B2 (ja) 乾麺及びその製造方法並びに容器入り乾麺
JPH09191845A (ja) 早茹でパスタ又は早茹で麺の製造方法
JPS61152245A (ja) 油揚げ菓子の製造法
JP3891989B2 (ja) 麺状スナック菓子の製造方法
JP3179865B2 (ja) 即席パスタ類およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081121

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081121

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091121

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101121

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111121

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121121

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121121

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131121

Year of fee payment: 10

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term