JP2014129372A - カリシウイルス不活化方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】次亜塩素酸ナトリウム水溶液のような危険性を有さず、かつ被消毒物に含まれるノロウイルス等のカリシウイルスを、タンパク質を主成分とする有機物の共存下であっても有効に失活化または不活化できる方法を提供する。
【解決手段】カリシウイルスの存在が疑われ、かつタンパク質を含有する物に、有効成分としてエタノールと酸を含み、pHが2.5〜5.0の範囲にある水溶液からなる組成物を接触させることを含む、タンパク質共存下のカリシウイルスを不活化する方法。前記カリシウイルスは、例えば、ノロウイルスである。
【選択図】なし

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2008年10月24日出願の日本特願2008−274103号および2009年7月13日出願の日本特願2009−164896号の優先権を主張し、それらの全記載は、ここに特に開示として援用される。
本発明は、ネコカリシウイルスやノロウイルス等のカリシウイルス科に属するウイルス(以下、カリシウイルスという)を不活化する方法に関する。
厚生労働省によると、冬の急性胃腸炎患者の10分の1はノロウイルス感染が原因している。ノロウイルスの感染経路はほとんどが経口感染であり、食品取扱者や調理器具からの2次汚染を防止するという観点から、ノロウイルスの失活化または不活化方法が重要である。
厚生労働省によると、ノロウイルス失活化には消毒用エタノールや逆性石鹸は効果がなく、次亜塩素酸ナトリウム水溶液がノロウイルス失活化に効果があるとされている(厚生労働省 ノロウイルスに関するQ&A Q16参照、http://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/03.html#3-3)(非特許文献1)
しかし、次亜塩素酸ナトリウム水溶液は、特有の臭気が強く、皮膚に付着して肌荒れを起こす、衣服や絨毯を脱色してしまう等、問題点も存在する。また、酸と混合すると塩素ガスを発生し、中毒症状を起こすこともあり、危険な場合もある。
一方、エタノールについては酒類等の食品に含まれる成分のため、安全性が高いが、上記のように単独ではノロウイルス失活化に効果はない。
それに対して、エタノールと天然抽出物(グレープフルーツ種子抽出液)とフィチン酸を併用したカリシウイルス用除菌液が報告されている(特許文献1)。
また、一般の細菌の抑制や除菌にはエタノールと有機酸が組み合わされて用いられており、食品用防腐剤として知られている(特許文献2)が、ノロウイルスに対する効果は知られていない。
それに対して、つい最近公開された特許文献3には、以下の(a)、(b)、(c)及び(d)を含み、かつ殺菌消毒を目的とする他の殺菌消毒剤を含まない消毒剤が開示されている。この消毒剤は、手指や皮膚に適用できるものであり、かつ殺ウィルス用であるとも記載されている。
(a)エタノール、イソプロピルアルコール、又はこれらの混合物を、消毒剤全体に対して40〜90%(w/w)
(b)乳酸を、消毒剤全体に対して0.1〜2%(w/w)
(c)クエン酸を、消毒剤全体に対して0.01〜2%(w/w)
(d)溶液中で亜鉛イオンを遊離する亜鉛含有化合物を、消毒剤全体に対して0.001〜0.1%(w/w)
特開2007-320924号公報 特公昭60-35106号公報 特許4163249号公報
http://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/03.html#3-3上記特許文献及び非特許文献の全記載は、ここに特に開示として援用される。
上記のように、厚生労働省によって、ノロウイルス失活化に効果があるとされている次亜塩素酸ナトリウム水溶液には、いくつかの問題があり、また、エタノールは、単独ではノロウイルス失活化に効果がなく、特殊な天然抽出物(グレープフルーツ種子抽出液)とフィチン酸の併用により、カリシウイルス用除菌液として知られているにすぎない。
特許文献3に記載の消毒剤は、明細書の記載によれば、ノロウイルスなどのノンエンベロープウイルスに対して高い有効性を有するとのことである。しかし、この消毒剤の適用対象は、主に手指や皮膚に限られていた。
それに対して、手指や皮膚の消毒も必要であるが、それと同等に、医療や介護の現場において必要とされている物として、ノロウイルスなどのノンエンベロープウイルスを含む吐瀉物や糞尿等に対するウイルスの不活化方法である。医療や介護の現場においては、ノンエンベロープウイルスに感染したまたは感染が疑われる患者が排泄する吐瀉物や糞尿等が、ときに床などに散乱することがあり、これを安全に処理する必要に迫られる。これまでは、そのような排泄物を使い捨てのシートや紙で拭き取り、その後を次亜塩素酸ナトリウム水溶液で処理している。しかし、次亜塩素酸ナトリウム水溶液には上述のような問題があるのに加えて、吐瀉物や糞尿等には、ウイルスに加えてタンパク質を主成分とする有機物が含まれており、ウイルスを不活化する前に次亜塩素酸が消費され、不活化効果が著しく低減するという問題があった。
そこで本発明の目的は、次亜塩素酸ナトリウム水溶液のような危険性を有さず、かつ被消毒物に含まれるノロウイルス等のカリシウイルスを、タンパク質を主成分とする有機物の共存下であっても有効に失活化または不活化できる方法を提供することにある。
本発明者らは、エタノール水に対して特定の範囲のpHを示すように酸を共存させたエタノール製剤(組成物)を用いることで、タンパク質を主成分とする有機物が共存するカリシウイルスを不活化できることを見出して、本発明を完成させた。尚、本明細書において、カリシウイルスの不活化と失活化は同義で使用し、カリシウイルスが不活化または失活化した状態とは、ウイルスの感染力が実質的に失われ、無毒化された状態を意味し、具体的にはウイルスの感染価がコントロールに比べ10-4以下になった場合を意味する。
上記課題を解決する本発明は以下のとおりである。
[1]
カリシウイルスの存在が疑われ、かつタンパク質を含有する物に、有効成分としてエタノールと酸を含み、pHが2.5〜5.0の範囲にある水溶液からなる組成物を接触させることを含む、タンパク質共存下のカリシウイルスを不活化する方法。
[2]
前記カリシウイルスの存在が疑われ、かつタンパク質を含有する物が、施設または物品表面に存在し、
前記施設または物品表面の少なくとも一部または全部に水透過性及び/又は保持性のシートを被覆する工程、
前記シート上に前記組成物を供給して、シート下の前記表面に前記組成物を接触させる工程、及び
接触後、所定時間放置する工程
を含む、[1]に記載の方法。
[3]
前記表面に存在する前記物の少なくとも一部を拭き取り、前記物を拭き取った後の施設または物品表面に前記シートを被覆する[2]に記載の方法。
[4]
前記シートは、予め前記組成物を含有するものである[2]または[3]に記載の方法。
[5]
前記カリシウイルスの存在が疑われ、かつタンパク質を含有する物が、吐瀉物または糞尿である[1]〜[4]のいずれかに記載の方法。
[6]
前記カリシウイルスの存在が疑われ、かつタンパク質を含有する物が、カリシウイルス感染者の吐瀉物または糞尿である[1]〜[4]のいずれかに記載の方法。
[7]
前記組成物におけるエタノール濃度が40〜85%(w/w)の範囲である[1]〜[6]のいずれかに記載の方法。
[8]
前記酸が有機酸または無機酸である[1]〜[7]のいずれかに記載の方法。
[9]
前記酸の濃度が1〜10%の範囲である[1]〜[8]のいずれかに記載の方法。
[10]
前記酸は、1〜10%の濃度において、前記水溶液のpHが2.5〜5.0の範囲を示す酸である[1]〜[9]のいずれかに記載の方法。
[11]
前記酸は、クエン酸、乳酸またはリン酸である[8]に記載の方法。
[12]
前記組成物はポリグリセリン脂肪酸エステルをさらに含有する[1]〜[11]のいずれかに記載の方法。
[13]
前記カリシウイルスが、ノロウイルスである[1]〜[12]のいずれかに記載の方法。
[14]
前記カリシウイルスの存在が疑われ、かつタンパク質を含有する物の容量1に対して前記組成物の供給量(容量比)が、0.5〜100の範囲である[1]〜[13]のいずれかに記載の方法。
本発明によれば、エタノール製剤(組成物)を用いて、タンパク質と共存するカリシウイルスを不活化できる方法を提供でき、特にノロウイルスの蔓延抑制に有効である。さらに、本発明によれば、医療や介護の現場において必要とされている、ノロウイルスなどのノンエンベロープウイルスを含む吐瀉物や糞尿等に対するウイルスの有効かつ安全な不活化方法を提供することができる。
本発明は、カリシウイルスの存在が疑われ、かつタンパク質を含有する物に、有効成分としてエタノールと酸を含み、pHが2.5〜5.0の範囲にある水溶液からなる組成物を接触させることを含む、タンパク質共存下のカリシウイルスを不活化する方法に関する。
本発明で用いる組成物は、有効成分としてエタノールと酸を含む。エタノール(エチルアルコール)は、上述のように、単独での使用では、ノロウイルス失活化または不活性に対する効果はないと言われている。それに対して、本発明者らは、エタノールに酸を併用し、かつpHを2.5〜5.0の範囲とすることで、次亜塩素酸ナトリウム水溶液では不活化効果が得られない、タンパク質が共存するノロウイルスに対して不活化効果を示すことを見出した。
本発明に用いる組成物におけるエタノール濃度は、組成物の使用方法(原液のままで使用するのか、あるいは適当に希釈したものを使用するのか等)によって適宜選択できるが、例えば、40〜85%(w/w)の範囲であることが、カリシウイルスの不活化が確実に得られるという観点からは適当である。エタノール濃度がこの範囲であれば、細菌への効果も同時に期待されることが多く、一般的にこの濃度が細菌の殺菌に効果が高いと言われている。また、エタノール濃度が低いと噴霧等の適用後の乾燥が遅くなり、次の作業に移るまでに時間がかかってしまうため、一定以上の濃度とすることが適当である。エタノールのさらに好ましい濃度は、40〜59%(w/w)である。60%を超えると消防法上の危険物となり、取り扱いに制限が生じるからである。また、エタノール濃度が高くなると、酸および塩として、クエン酸、クエン酸塩等の溶解性が低くなるため、製造面、製品の安定性の面で扱いにくい場合がある。
エタノールに併用する酸は、例えば、有機酸または無機酸であることができ、有機酸として、酢酸、酒石酸、コハク酸、リンゴ酸、フマル酸、フィチン酸、無機酸として硫酸、塩酸、硝酸、リン酸等を挙げることができる。酸の濃度は、組成物のpHを考慮して適宜決定できるが、例えば、1〜10%の範囲であることができる。酸の濃度は、低すぎると吐瀉物等の使用対象に含まれるタンパク質の緩衝能により、不活化効果が低下する可能性があり、他方、高すぎると、エタノール製剤の使用後、水やエタノールが揮発した後に固形分が残存して洗浄等で除去が必要な場合が出てくるので、上記範囲が好ましい。また、酸の種類によっては、酸が濃縮されて金属腐食を促進する恐れが生じる場合もある。酸の好ましい濃度は、1%〜5%程度である。5%より濃い場合には、組成物の使用後、水やエタノールが揮発した後に固形分が残存し易く、見た目に目立つこともあるからである。酸のより好ましい濃度は、1%〜3%程度である。
上記組成物は、pHを2.5〜5.0の範囲に設定する。pHが2.5未満となり、低くなりすぎると、金属腐食等の悪影響がより大きくなるためpH2.5以上が好ましい。pHのより好ましい範囲は、カリシウイルスの不活化効果が確実に得られるという観点から、2.5〜4.5の範囲であり、さらに好ましくは2.8〜4.0、より好ましくは3.0〜3.5の範囲である。この範囲であればほぼ確実にウイルスを不活化できるが、3.5を超えると使用条件により不活化効果が低下することがある。例えば、吐瀉物等、使用対象が緩衝能をもつ場合、不活化効果が低下する傾向がある。但し、pH4.0以下であれば、多くの場合ウイルス不活化効果は発揮される。
酸としては、上記1〜10%の濃度範囲において、組成物である水溶液のpHが2.5〜5.0の範囲を示す酸であることが適当である。そのような酸の具体例として、上記のクエン酸、乳酸およびリン酸を挙げることができる。尚、酸は、単独で使用しても、複数の酸を併用しても、組成物のpH範囲が上記範囲であれば良い。また、上記酸の少なくとも一部は、塩であってもよく、塩とすることで緩衝作用も働いてpHの調整が容易になる場合もある。塩としては、例えば、乳酸、クエン酸等の有機酸、またはリン酸等の無機酸のアルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウム)塩を挙げることができる。
上記組成物は、水溶性である酸や酸の金属塩を水に溶解させ、その後エタノールを加えることにより調製することができる。
上記組成物は、上記エタノールおよび酸以外に、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルやグリシン、植物抽出物や植物エキス等の抗菌成分を混合することにより、細菌、真菌への殺菌効果を強化して、衛生面で総合的に機能の高いエタノール製剤を調製することができる。中でもポリグリセリン脂肪酸エステルは、エタノール製剤の表面張力を低下させることにより、接触面積を広くすることができ、また、細かい隙間にも浸透しやすくなるため、上記組成物のカリシウイルス不活化効果の有効性を高めることができる。ポリグリセリン脂肪酸エステルの好適な例としては、ラウリン酸テトラグリセリド、ラウリン酸ペンタグリセリド、ラウリン酸ヘキサグリセリド等を挙げることができる。
尚、本発明の上記組成物は、亜鉛含有化合物を含有しない。有機酸や無機酸を多く添加する場合、亜鉛イオンとの塩を形成し、溶解性が悪くなる恐れがあるからである。
本発明の方法は、上記組成物を、カリシウイルスの存在が疑われ、かつタンパク質を含有する物に接触させることを含む。カリシウイルスの存在が疑われ、かつタンパク質を含有する物は、例えば、吐瀉物または糞尿であることができ、さらには、カリシウイルス感染者または感染が疑われる者の吐瀉物または糞尿であることができる。吐瀉物または糞尿には、多量のタンパク質が含有され、その中にカリシウイルスが存在する場合、通常用いられる濃度の次亜塩素酸ナトリウム水溶液では、カリシウイルスを不活化することは困難である。それに対して、本発明で用いる上記組成物では、そのような吐瀉物または糞尿であっても、カリシウイルスを不活化することができる。
上記のようにカリシウイルスの存在が疑われ、かつタンパク質を含有する物が吐瀉物または糞尿である場合、床や寝床等に排泄等される場合があり、これの適切かつ安全な処理方法が、医療現場や介護現場で望まれている。本発明の方法では、吐瀉物または糞尿が、床や寝床等の施設または物品表面に排泄等され、存在する場合、即ち、カリシウイルスの存在が疑われ、かつタンパク質を含有する物が、床や寝床等の施設または物品表面に存在する場合、前記施設または物品表面の少なくとも一部または全部に水透過性及び/又は保持性のシートを被覆する。好ましくは、前記表面に存在する前記物の少なくとも一部を拭き取り、前記物を拭き取った後の施設または物品表面に前記シートを被覆する。次いで、前記シート上に前記組成物を供給して、シート下の前記表面に前記組成物を接触させ、接触後、所定時間放置する。所定時間は、例えば、1〜10分、好ましくは3〜5分とすることができる。上記所定時間の放置により、施設または物品表面に存在する物にカリシウイルスの存在する場合、タンパク質が共存するにも関わらずカリシウイルスを不活化することができる。前記組成物の供給量は、床や寝床等の施設または物品表面に存在するカリシウイルスの存在が疑われ、かつタンパク質を含有する物の量に応じて適宜決定できる。後述の実施例に示すように、前記組成物は、その組成に応じて、組成物が前記タンパク質を含有する物に供給された状態(混在状態)において、40mg/ml以下のタンパク質量の場合にカリシウイルス不活化効果を奏する。従って、前記組成物の供給量は、この点を考慮して適宜決定でき、カリシウイルスの存在が疑われ、かつタンパク質を含有する物の量が多い場合には、それに応じた量の前記組成物を供給する。カリシウイルスの存在が疑われ、かつタンパク質を含有する物の量1に対して前記組成物の供給量(容量比)で、例えば、0.5〜100の範囲、好ましくは1〜20の範囲とすることができる。上記シートを被覆することなしに上記組成物を施設または物品表面に存在するカリシウイルスの存在が疑われ、かつタンパク質を含有する物に供給し、接触させることもできる。但し、カリシウイルスの存在が疑われるため、飛散の防止のために上記シートの被覆が好ましい。さらに、シートを被覆しつつ上記接触をさせることで、組成物に含まれるエタノールの蒸発を抑制でき、比較的長い時間不活化効果を持続できるという効果もある。被覆用のシートは液体の保持力が高いものが、比較的多量の組成物を保持して、カリシウイルスに対する高い不活化効果が得られるという観点から好ましい。そのような液体保持力の高いシートとしては、吸水性シート(吸水性樹脂を内蔵したもの)や不織布等を挙げることができる。
前記物を拭き取った後の施設または物品表面に被覆する前記シートは、予め前記組成物を含有するものであることもできる。また、前記表面に存在する前記物の少なくとも一部の拭き取りに使用する物、例えば、不織布等にも、予め前記組成物を含有させておくことができる。前記シート等への前記組成物への含有(供給)は、使用の直前に実施することができるが、予めシート等への前記組成物を含有させ、密閉容器(例えば、袋)に密閉状態に保管したものであることもできる。
上記組成物の接触時の前記シートへの供給方法は特に制限はないが、例えば、組成物を注ぐか、あるいは噴霧することができる。
本発明の方法においては、上記の方法で処置された施設または物品の表面に対して、さらに上記組成物をさらに噴霧し、カリシウイルスの不活化を徹底することもできる。
本発明の組成物は、カリシウイルスの中でもノロウイルスの不活化に有効である。
本発明の方法の具体的な方法の一例は以下のとおりである。
床等に飛び散った患者の吐瀉物や糞便を処理するときには、使い捨てのガウン(エプロン)、マスクと手袋を着用し汚物中のウイルスが飛び散らないように、糞便、吐しゃ物をペーパータオル等で静かに拭き取ることが適当である。拭き取った後は、床をシートで被覆し、被覆したシートに前記組成物を供給し、シート下の床を消毒する。さらに、シートで被覆されていない床も念のため前記組成物を噴霧する等して、飛び散った可能性がある飛沫も処理することが好ましい。あるいは、拭き取った後に、シートで被覆することなく、前記組成物で浸すように床をさらに拭き取ることもできる。シートを用いない方法は、飛び散った吐瀉物等が少量の場合には適当である場合がある。これらの処理後、必要により、水拭きをすることもできる。
尚、上記組成物は、タンパク質を含有するカリシウイルスの存在が疑われる物に対してだけではなく、例えば、食器類、食品用機械、食品用機器、手袋、手指等の皮膚、食卓、まな板、ふきん等に付着しているウイルスを不活化するのにも使用できる。食器類や食品用機械器具のウイルス不活化には、浸漬しての使用が有効である。浸漬できない場合はこれらの物へ噴霧して使用することもできる。浸漬、噴霧ができない場合、ダスターに本発明の組成物を染み込ませて、対象表面を拭き取って使用することもできる。この場合は酸やエタノールの濃度が高い方が好ましい。
[実施例]
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明する。
例1(参考例)ネコカリシウイルスに対する感染性不活化効果試験(エタノール濃度依存性)
エタノール試薬特級99.5%をW/W%で80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%となるようにM/100リン酸緩衝液pH7.2(以下、PBSと略記する)で希釈しサンプルを調製し、以下に示す試験方法にてサンプルの消毒効果(ウイルス不活化効果)を測定した。結果を表1に示す。
試験方法
1)サンプルの消毒効果(ウイルス不活化効果)を測定するための使用ウイルスは、ネコカリシウイルスF9株を用いた。
2)サンプル1およびサンプル2の原液および2倍希釈液(M/100 リン酸緩衝食塩液pH7.2:PBSにて希釈)を用いた。消毒効果のエンドポイントが得られなかった場合は、さらにサンプルを希釈した。
3)それぞれのサンプル液900μlに、ウイルス液を100μl加え、室温にて1分間と30分間作用させた。
反応後100μl採取し、多量のタンパク質を含む日水製薬社製ブイヨン液(肉エキス5mg、ペプトン15mg/ml)900μlに加えた。日水製薬社製ブイヨンを用いたのは、作用後の試験サンプルの消毒効果の進行を阻止するためである。
4)用いたウイルスのウイルスコントロール群は、消毒薬サンプルの代わりにブイヨン液で希釈し感染価を測定した。
5)ブイヨン液で10倍に希釈したウイルス液は、ブイヨン液にてさらに10-1〜10-4に希釈した(階段希釈液)。
6)6穴プレート上に4日間培養させたCrFK細胞の細胞増殖用培地(ウシ胎児血清10%含むMEM培地)をアスピレーターにて取り除き、各階段希釈したウイルス液について3穴の細胞を使用し、それぞれに100μl接種した。
7)インキュベータ内で1時間ウイルス吸着を行った後、ウシ胎児血清を含まない組織培養液(MEM培地;MINIMUM ESSENTIAL MEDIUM EAGLE (MODIFIED) WITH EARLE`S SALTS(MIP Biomedicals,Inc)を重炭酸ナトリウムにてpH7.1に調整)を1穴あたり3ml加え、そして取り除くことにより細胞の洗浄を行った。(検査サンプルの細胞への毒性を除くため)
8)0.7%寒天を含むMEM寒天培地(0.03%L−グルタミン、0.22%重炭酸ナトリウム含有)をプレート1穴あたり3ml加え(40℃)、寒天培地が固形化したら6穴プレートを反転し、5%CO2インキュベータにて72時間培養した。
9)培養終了後の6穴プレートに1穴あたり1.5mlの10%ホルマリンPBS液を加え1時間室温で放置し細胞固定後、流水で寒天培地を取り除き、メチレンブルー染色を行った。この方法により、ウイルス数をプラークとして数えることができるようになった。
10)消毒薬サンプルを加えないウイルスの感染価に対し、消毒薬を加えたウイルスの感染価を比較することで消毒効果を評価した。
Figure 2014129372
まとめ:上記結果から、エタノール単独ではネコカリシウイルスの不活化には有効でないことが分かる。
例2(参考例) ネコカリシウイルスに対する感染性不活化効果試験(エタノール含有液のpH依存性)1
表2に示す組成のサンプルを調製し、例1に記載した試験方法にてサンプルの消毒効果(ウイルス不活化効果)を測定した。結果を表3に示す。
Figure 2014129372
※グリセリン脂肪酸エステル:(モノ)カプリン酸モノグリセリド
Figure 2014129372
まとめ:アルカリ性を示すサンプル1はネコカリシウイルスに対する消毒効果を認めなかった。酸性を示すサンプル2には消毒効果が認められ、1分間の作用時間で検出限界以下、2倍に希釈した場合でもウイルスの感染価を1万分の1に下げることが分かった。
例3(参考例)ネコカリシウイルスに対する感染性不活化効果試験(エタノール含有液のpH依存性)2
表4に記載のサンプルにネコカリシウイルス原液を等量加え、室温1分間反応後、5倍濃度のブイヨン液(タンパク質量80mg/ml)で10倍に希釈し細胞毒性を消失させた。更に10倍段階希釈で10-6までサンプルの希釈列には希釈液にMEMを用いた。各希釈液をコンフルエントになった3日間培養ネコ肝臓細胞(CrFK)6穴プレートの3穴に各100μl接種し、ウイルス吸着90分後に、0.7%寒天を含むMEM培地を重層した。34℃、5%CO2培養インキュベータにて50時間培養した。10%ホルマリンを用いた数時間の固定後、寒天培地を除去し、メチレンブルー染色液を加え、染色後のプラーク数をカウントした。結果を表5に示す。
Figure 2014129372
※組成の%は%(W/W)を示す。
※次亜塩素酸ナトリウムは、純正化学(株)製であり、有効塩素濃度の測定値は5.6%である。
※ネコカリシウイルス:F9株
※サンプル1〜4のエタノール濃度、サンプル1〜8のクエン酸濃度およびサンプル9〜13の次亜塩素酸ナトリウム濃度は、ウイルスと等量混合後2倍に希釈されるのでいずれも濃度は2分の1になる。
Figure 2014129372
まとめ
1.クエン酸とエタノールの混合製剤は、ネコカリシウイルスに対してクエン酸5%から1.25%まで優れたウイルス不活化効果を認めたが、0.625%では効果が減少した。
2.一方、エタノールを含まないクエン酸のみのグループでは、5%に於いても効果がなかった。
3.例1の結果を併せるとそれぞれ単体では効果のないものが、混合することにより効果を発揮したことが明らかになった。
4.次亜塩素酸ナトリウムのウイルス完全不活化には、最終濃度200ppmが必要であった。
例4(実施例) タンパク質共存下のネコカリシウイルスに対する感染性不活化効果1
表6に示すサンプルを調製し、例3に記載した方法に従って消毒効果(ウイルス不活化効果)を測定した。但し、ネコカリシウイルス液はタンパク質量の異なる普通ブイヨンを含むもの、および普通ブイヨンを含まないMEM培地のみ含むものを用いた。比較として次亜塩素酸ナトリウムについても同様の試験を行った。
ブイヨンは極東製薬工業社製の普通ブイヨンを5倍濃度で使用した(タンパク質量85mg/ml)。ブイヨンとウイルスを等量混合したので42.5mg/mlとなり、さらにサンプルとウイルス液を等量混合したので最終タンパク質濃度は21.5mgである。反応時間は室温1分間とした。
Figure 2014129372
サンプル( )内は、ウイルス液と合わせた時の最終濃度
まとめ
1.ネコカリシウイルスにブイヨンタンパク質を加えることにより、消毒効果の減少が認められた。
2.クエン酸5%+エタノールではタンパク質共存下でも消毒効果は減少しなかった。
3.乳酸5%単独では、ウイルス不活化効果を認めなかったが、エタノールを加えることにより効果を認めた。
4.次亜塩素酸ナトリウムは、高濃度(最終濃度800ppm)であるにもかかわらず、タンパク質共存下では消毒効果が消失した。
5.自然界のウイルスは何らかの形でタンパク質と混在しているため、クエン酸5%+エタノールのような、タンパク質混在下のウイルスを不活化する効果は、非常に有用である。
例5(実施例)タンパク質共存下のネコカリシウイルスに対する感染性不活化効果2
ネコカリシウイルスに混在するタンパク質量と、不活化効果の相関性を調べた。表7に示すサンプルを調製し、例3に記載した方法に従って消毒効果(ウイルス不活化効果)を測定した。但し、ネコカリシウイルス液はタンパク質量の異なる普通ブイヨンを含むもの、および普通ブイヨンを含まないMEM培地のみ含むものを用いた。比較として次亜塩素酸ナトリウムについても同様の試験を行った。
但し、ネコカリシウイルス液は、5倍濃度の普通ブイヨン(85mg/ml)を加え、タンパク質量40mg/ml、10mg/ml、8mg/mlとして物を用いた。タンパク質量0mg/mlについてはMEM(タンパク質を含まない組織培養液)で代用した。サンプルとウイルス液は、等量混合し、室温、60秒間反応させた。
Figure 2014129372
※および( )内の数字は、ウイルス液と混合した時の最終製剤濃度またはタンパク質濃度を示す。
まとめ
1.クエン酸5%(2.5%)+エタノールは、20mg/mlのタンパク質を含むウイルスを完全に不活化した。
2.クエン酸2.5%(1.25%)+エタノールは、10mg/mlのタンパク質を含むウイルスを完全に不活化した。
3.クエン酸1.25%(0.625%)+エタノールは、4mg/mlのタンパク質を含むウイルスを103まで不活化したが完全に不活化していない。
4.次亜塩素酸ナトリウム1600ppm(800ppm)は、4mg/mlのタンパク質を含むウイルスを完全に不活化したが10mg/ml、20mg/mlのタンパク質を含むウイルスについては不活化できなかった。
5.次亜塩素酸ナトリウム800ppm(400ppm)、次亜塩素酸ナトリウム400ppm(200ppm)は、4mg/mlのタンパク質を含むウイルスに対しても不活化できなかった。
例6(実施例)タンパク質共存下のネコカリシウイルスに対する感染性不活化効果3
表8に示すサンプルを調製し、例3に記載した方法に従って消毒効果(ウイルス不活化効果)を測定した。但し、ネコカリシウイルス液はタンパク質量の異なる普通ブイヨンを含むもの、および普通ブイヨンを含まないMEM培地のみ含むものを用いた。比較として次亜塩素酸ナトリウムについても同様の試験を行った。但し、ネコカリシウイルスに10倍濃度の普通ブイヨン(170mg/ml)を加え、タンパク質量80mg/ml、40mg/ml、または20mg/mlを含むウイルス液を作製し、これを用いた。タンパク質量0mg/mlについてはMEM(タンパク質を含まない組織培養液)で代用した。濃度の異なるクエン酸、エタノール、次亜塩素酸ナトリウム溶液に、タンパク質量の異なるネコカリシウイルス液を等量加え、室温、60秒間反応させた。
Figure 2014129372
NTはNon Test
※および( )内の数字は、ウイルス液と混合した時の最終製剤濃度またはタンパク質濃度
まとめ
1.クエン酸5%(2.5%)+エタノールは、最終濃度40mg/mlのタンパク質共存下でウイルスを完全に不活化した。
2.クエン酸2.5%(1.25%)+エタノールは、最終濃度10mg/mlのタンパク質共存下で約106の感染性の減少を示した。
3.次亜塩素酸ナトリウム3200ppm(1600ppm)は、10mg/mlのタンパク質共存下ではウイルスを完全に不活化したが、タンパク質濃度が高くなるにつれウイルスの不活化効果が急激に減少した。
4.次亜塩素酸ナトリウムは、1600ppm(800ppm)以下の濃度では、タンパク質共存下でウイルス不活化作用が消失することが判った。
例7(参考例)ノロウイルスに対する効果
RT-PCR法により抗ノロウイルスへの不活化効果の評価を行った。試験サンプルの組成は、エタノール68%、乳酸10%、水22%であり、試験材料としては糞便由来のノロウイルス(NV遺伝子2群に属する)を用いた。
ノロウイルス懸濁液100μLに試験サンプル400μLを添加し、ボルテックスミキサーにて撹拌し、30分後にRNA抽出を行った。RNA抽出物をDNaseで処理した後にRT-PCR(逆転写+ポリメラーゼ連鎖反応)を行い、さらにPCR法にて、増幅した。増幅物を2.5%アガロースゲル電気泳動に付し、電気泳動写真を撮影した。試験サンプルについては2度同様の操作を行った。
比較として、(1)ノロウイルス懸濁液500μL、(2)ノロウイルス懸濁液100μLに消毒用エタノール400μLを添加したもの、(3)ノロウイルス懸濁液100μLに次亜塩素酸ナトリウム溶液(200ppm)400μLを添加したものについても同様の操作を行った。
その結果、試験サンプルおよび次亜塩素酸ナトリウム溶液を用いた系についてはノロウイルスのバンド(344bp)は観測されず、ノロウイルス懸濁液のみおよび消毒用エタノールを用いた系についてはノロウイルスのバンド(344bp)が観測された。
例8(実施例)
材料
1.ウイルス:ネコカリシウイルス F9株
2.細胞:CrFK細胞
3.ブイヨン液:10倍濃度 160mg/ml
4.ウイルス希釈液:MEM培地(FCS-)
Figure 2014129372
サンプル5:次亜塩素酸ナトリウム1600ppm水溶液
方法:
1.表9に示すサンプルとタンパク質量 80mg/ml,20mg/ml,10mg/ml,0mg/mlを含むネコカリシウイルス原液を100μlずつ等量混合し、室温で60秒間反応させた。
2.反応後直ちにサンプル・ウイルス混合液100μlを80mg/ml濃度のブイヨン液900μlに加え反応を止めた。これをMEM培地で10-2から10-5まで10倍階段希釈を行った。
3.培養3日目の6穴プレートに10倍階段希釈を行ったウイルス・サンプル液を100μl接種し、90分のウイルス吸着操作を行った後、0.7%寒天培地で重層し5%CO2インキュベーター内で34℃60時間培養した。
4.培養終了後10%ホルマリン固定、メチレンブルー染色により形成されたプラーク数を数え、感染価を判定した。
5.ウイルスコントロールは、サンプルの代わりにMEMを用い、方法はサンプルに準じた。
結果を表10に示す。
Figure 2014129372
まとめ
1.サンプル1についてはウイルス不活化効果を認め、タンパク質量10mg/mlの共存下に於いても、ウイルス感染性を完全に不活化した。
2.サンプル2についてはウイルス不活化を認めなかった。但し、後述の例11に示すように、サンプル2の組成でもウイルス液量に対する使用量を増大させるとウイルス不活化を認められるようになる。
3.サンプル3及び4についてはウイルス不活化効果を認めたが、サンプル1には及ばなかった。
例9(実施例)
材料
1.ウイルス:ネコカリシウイルス F9株
2.細胞:CrFK細胞
3.ブイヨン液:10倍濃度 160mg/ml
4.ウイルス希釈液:MEM培地(FCS-)
Figure 2014129372
方法:
1.表11に示すサンプルとタンパク質量20mg/ml,10mg/ml,0mg/mlを含むネコカリシウイルス原液を100μlずつ等量混合し、室温で60秒間反応させた。
2.反応後直ちにサンプル・ウイルス混合液100μlを80mg/ml濃度のブイヨン液900μlに加え反応を止めた。これをMEM培地で10-2から10-5まで10倍階段希釈を行った。
3.培養3日目の6穴プレートに10倍階段希釈を行ったウイルス・サンプル液を100μl接種し、90分のウイルス吸着操作を行った後、0.7%寒天培地で重層し5%CO2インキュベーター内で34℃、60時間培養した。
4.培養終了後10%ホルマリン固定、メチレンブルー染色により形成されたプラーク数を数え、感染価を判定した。
5.ウイルスコントロールは、サンプルの代わりにMEMを用い、方法はサンプルに準じた。
Figure 2014129372
まとめ
1.サンプル1〜6についてはウイルス不活化効果を認め、タンパク質量20mg/mlの共存下に於いても、ウイルス感染性を完全に不活化した。
2.サンプル7については、タンパク質量20mg/mlを含むウイルス液中のウイルスに対しては不活化効果が低い成績であったが10mg/mlより低濃度のタンパク質を含むウイルス液中のウイルスに対しては不活化効果を認めた。
例10(実施例)
材料
ウイルス:ネコカリシウイルス F9株
普通ブイヨン10倍濃度:160mg/ml
次亜塩素酸ナトリウム:有効塩素濃度 4%
Figure 2014129372
方法
1.表13に示すサンプルに加えるネコカリシウイルスに普通ブイヨンを加えることにより最終タンパク質濃度80mg/ml,40mg/ml,20mg/ml,0mg/mlとなるように調整した4種類のタンパク質濃度の異なるウイルス液を用意した。
2.サンプルごとに使用するウイルスは、タンパク質濃度の異なるウイルスでウイルス不活化活性を測定した。
3.サンプルを100μlとウイルス100μl等量混合し、ボルテックスにより室温25℃、60秒間攪拌作用させた後、100μlを採取し、900μlの80mg/mlタンパク質濃度のブイヨン液に加え10倍に希釈した。このような高濃度のブイヨン液を使用したのは、サンプルの作用停止とプラーク形成に用いるCrFK細胞に対する消毒薬の細胞毒性を無毒化させるためである。
4.10-2から10-5までの希釈液にはMEMを用い、6穴プレートに各希釈液を1希釈に付き2穴ずつ100μl接種した。
5.コントロールウイルス群は各濃度のタンパク質を含むウイルスにMEMを等量に加えた。
6.90分間の細胞へのウイルス吸着、寒天培地の重層、34℃で60時間培養した。
7.培養後のプレートに形成されたプラークは、ホルマリン固定の後、メチレンブルー染色しプラーク数により感染価を計算した。
Figure 2014129372
※NT:試験せず
まとめ
タンパク質共存下でウイルスを不活化させる作用は、サンプル3が優れていると思われた。
例11(実施例)
材料
1. ウイルス:ネコカリシウイルス F9株
2. 細胞:CrFK細胞
3. ブイヨン液:10倍濃度 160mg/ml
4. ウイルス希釈液:MEM培地(FCS-)
Figure 2014129372
方法
1.表15に示すサンプルとタンパク質量 80mg/ml,20mg/ml,10mg/ml,0mg/mlを含むネコカリシウイルス原液を100μlずつ等量混合し、室温で60秒間反応させた。
6.2.反応後直ちにサンプル・ウイルス混合液100μlを80mg/ml濃度のブイヨン液900μlに加え反応を止めた。これをMEM培地で10-2から10-5まで10倍階段希釈を行った。
3.培養3日目の6穴プレートに10倍階段希釈を行ったウイルス・サンプル液を100μl接種し、90分のウイルス吸着操作を行った後、0.7%寒天培地で重層し5%CO2インキュベーター内で34℃60時間培養した。
4.培養終了後10%ホルマリン固定、メチレンブルー染色により形成されたプラーク数を数え、感染価を判定した。
5.ウイルスコントロールは、サンプルの代わりにMEMを用い、方法はサンプルに準じた。
Figure 2014129372
まとめ
1.ウイルス:薬剤=1:1の系において、サンプルB,F,Gについては、最終タンパク質10mg/ml存在下においてもウイルス不活化効果を認めた。
2.サンプルA,Cについてもウイルス不活化効果を認めたが、B,F,Gには及ばなかった。
3.ウイルス:薬剤=1:9の系において、サンプルA〜Dについては、最終タンパク質濃度16mg/ml存在下においてもウイルス不活化効果を認めた。
4.サンプルEについてもウイルス不活化効果を認めたが、A〜Dには及ばなかった。
本発明は、カリシウイルス、特にノロウイルスの失活化に関わる薬品製造と公衆衛生分野に有用である。

Claims (14)

  1. カリシウイルスの存在が疑われ、かつタンパク質を含有する物に、有効成分としてエタノールと酸を含み、pHが2.5〜5.0の範囲にある水溶液からなる組成物を接触させることを含む、タンパク質共存下のカリシウイルスを不活化する方法。
  2. 前記カリシウイルスの存在が疑われ、かつタンパク質を含有する物が、施設または物品表面に存在し、
    前記施設または物品表面の少なくとも一部または全部に水透過性及び/又は保持性のシートを被覆する工程、
    前記シート上に前記組成物を供給して、シート下の前記表面に前記組成物を接触させる工程、及び
    接触後、所定時間放置する工程
    を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記表面に存在する前記物の少なくとも一部を拭き取り、前記物を拭き取った後の施設または物品表面に前記シートを被覆する請求項2に記載の方法。
  4. 前記シートは、予め前記組成物を含有するものである請求項2または3に記載の方法。
  5. 前記カリシウイルスの存在が疑われ、かつタンパク質を含有する物が、吐瀉物または糞尿である請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 前記カリシウイルスの存在が疑われ、かつタンパク質を含有する物が、カリシウイルス感染者の吐瀉物または糞尿である請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  7. 前記組成物におけるエタノールの濃度が、40〜85%(w/w)の範囲である請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 前記酸が有機酸または無機酸である請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 前記酸の濃度が1〜10%の範囲である請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
  10. 前記酸は、1〜10%の濃度において、前記水溶液のpHが2.5〜5.0の範囲を示す酸である請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
  11. 前記酸は、クエン酸、乳酸またはリン酸である請求項8に記載の方法。
  12. 前記組成物はポリグリセリン脂肪酸エステルをさらに含有する請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
  13. 前記カリシウイルスが、ノロウイルスである請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
  14. 前記カリシウイルスの存在が疑われ、かつタンパク質を含有する物の容量1に対して前記組成物の供給量(容量比)が、0.5〜100の範囲である請求項1〜13のいずれかに記載の方法。
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