JP2018197195A - エタノール製剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】非塩素酸系のエタノール製剤を提供することである。【解決手段】エタノールと、グリセリン脂肪酸(脂肪酸は炭素数が8〜12の脂肪酸)エステルと、有機酸と、水とを含有してなるエタノール製剤であって、前記エタノール50質量部に対して、前記グリセリン脂肪酸エステルが0.02〜0.4質量部、前記有機酸が0.9〜3質量部である。【選択図】なし

Description

本発明は、例えば消毒剤・不活性剤などのエタノール製剤に関する。
ノロウイルス(Norovirus)は、カリシウイルス科ノロウイルス属に分類される直径が約30nmのエンベロープを持たないプラス鎖の一本鎖RNAウイルスである。1963年に米国で食中毒・急性胃腸炎の病原体として発見されて以来、世界各国で検出されている。我が国における過去のノロウイルスによる食中毒発生状況を見ると、発生件数は毎年約270件(全食中毒件数の約18%)、患者数は毎年約1万人(全食中毒患者数の約30%)にも至っている。感染源としては、カキなどの二枚貝を原因食とする食材からの感染と、患者の吐物・排泄物からの二次感染が有る。後者が感染拡大の大きな原因である。ノロウイルスは感染力が強く、10個程度のウイルスで感染するとも謂われている。
ノロウイルスに対するワクチンや治療薬は未だ提案されていない。食品の加熱、調理器具や手の消毒によって、ノロウイルスの感染を予防することが大事と言われている。
ところで、飲食店、給食施設などの調理・加工場所において、現在、抗菌剤として使用されている塩化ベンザルコニウムやエタノール類にはノロウイルスに対する効果が無いと言われて来た。塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム水溶液、次亜塩素酸水、亜塩素酸水など)が或る程度有効と言われて来た。
しかしながら、前記塩素系漂白剤は、人体(皮膚など)に対する安全性への配慮から、好ましくない。
このような観点から、タンニンを含有するカキノキ属の植物の抽出物(カキ抽出物)を有効成分とする抗ノロウイルス剤が提案(WO2008/153077)されている。
WO2008/153077
前記特許文献のカキ抽出物にも或る程度の効果は認められた。しかし、満足できるものではなかった。
従って、本発明が解決しようとする課題は、生体安全性に富み、かつ、消毒効果に優れたエタノール製剤を提供することである。
前記課題を解決する為の検討が、本発明者によって、鋭意、推し進められた。その結果、エタノールとグリセリン脂肪酸(脂肪酸は炭素数が8〜12の脂肪酸)エステルと有機酸とを含有したエタノール製剤は生体安全性および消毒効果に優れていることが判って来た。
この知見に基づいて本発明が達成された。
本発明は、
エタノールと、グリセリン脂肪酸(脂肪酸は炭素数が8〜12の脂肪酸)エステルと、有機酸と、水とを含有してなるエタノール製剤であって、
前記エタノール50質量部に対して、前記グリセリン脂肪酸エステルが0.01〜0.4質量部、前記有機酸が0.9〜3質量部である
エタノール製剤を提案する。
本発明は、前記エタノール製剤であって、前記有機酸がクエン酸および乳酸の群の中から選ばれる少なくとも一種以上であるエタノール製剤を提案する。
本発明は、前記エタノール製剤であって、前記有機酸がクエン酸であるエタノール製剤を提案する。
本発明は、前記エタノール製剤であって、前記グリセリン脂肪酸エステルはグリセリン脂肪酸(脂肪酸は炭素数が9〜11の脂肪酸)エステルであるエタノール製剤を提案する。
本発明は、前記エタノール製剤であって、前記グリセリン脂肪酸エステルはグリセリン脂肪酸(脂肪酸は炭素数が10の脂肪酸)エステルであるエタノール製剤を提案する。
本発明は、前記エタノール製剤であって、酸化防止・消臭作用を有する物質を含有してなり、前記物質は、前記エタノール50質量部に対して、0.05〜1質量部であるエタノール製剤を提案する。
本発明は、前記エタノール製剤であって、有機酸塩を含有してなり、前記有機酸塩は、前記エタノール50質量部に対して、0.001〜0.1質量部であるエタノール製剤を提案する。
本発明は、前記エタノール製剤であって、前記エタノール製剤は着色物質を含有していないエタノール製剤を提案する。
本発明は、前記エタノール製剤であって、pHが2〜4であるエタノール製剤を提案する。
本発明は、前記エタノール製剤であって、ネコカリシウイルス不活性剤であるエタノール製剤を提案する。
本発明は、前記エタノール製剤であって、前記エタノール製剤は乳酸菌、サルモネラ菌、大腸菌、ブドウ球菌、及び/又はカンピロバクター抑制剤であるエタノール製剤を提案する。
本発明は、前記エタノール製剤が噴霧される方法を提案する。
塩素系漂白剤を用いていないので、生体安全性が高い。
エタノール製剤は消毒(不活性)効果が弱いと謂われて来たにも拘わらず、消毒(不活性)効果が大きい。
カキ抽出物などの着色物質を含有していない場合には、白衣などに飛び散っても、汚れが目立にくい。白衣に限らず、カキ抽出物が飛び散った場合、汚れが目立ってしまう。カキ抽出物などの着色物質を含有している場合、その適用用途が制限を受ける。
カキ抽出物を含有していなくても、消毒(不活性)効果が高い。
第1の発明はエタノール製剤である。前記エタノール製剤はエタノールを含有する。前記エタノール製剤はグリセリン脂肪酸(脂肪酸(飽和または不飽和の脂肪酸)は炭素数が8〜12の脂肪酸:カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸など)エステルを含有する。前記エタノール製剤は有機酸を含有する。前記エタノール製剤は水を含有する。前記グリセリン脂肪酸エステルは、前記エタノール50質量部に対して、0.01〜0.4質量部であった。前記有機酸は、前記エタノール50質量部に対して、0.9〜3質量部であった。
前記グリセリン脂肪酸エステルは、好ましくは、グリセリン脂肪酸(脂肪酸は炭素数が9〜11の脂肪酸)エステルであった。更に好ましくはグリセリン脂肪酸(脂肪酸は炭素数が9〜11の飽和脂肪酸)エステルであった。特に好ましくはグリセリン脂肪酸(脂肪酸は炭素数が10の飽和脂肪酸(CH(CHCOOH))エステルであった。例えば、グリセリン脂肪酸(脂肪酸はCH(CHCOOH)エステルであった。グリセリン脂肪酸エステルとして、例えばグリセリン−カプロン酸(C11COOH)エステルが用いられた場合、本発明が奏する特長は奏されなかった。この意味において、本発明で用いられたグリセリン脂肪酸(脂肪酸は炭素数が8〜12の脂肪酸)エステルは大きな特長を奏するものであった。前記グリセリン脂肪酸エステルは、好ましくは、前記エタノール50質量部に対して、0.3質量部以下であった。更に好ましくは0.2質量部以下であった。もっと好ましくは0.1質量部以下であった。特に好ましくは0.08質量部以下であった。好ましくは0.02質量部以上であった。
前記有機酸は、好ましくは、クエン酸および乳酸の群の中から選ばれる少なくとも一種以上であった。特に好ましくはクエン酸であった。前記有機酸は、好ましくは、前記エタノール50質量部に対して、1質量部以上であった。更に好ましくは1.5質量部以上であった。好ましくは2.5質量部以下であった。
前記エタノール製剤は、好ましくは、酸化防止・消臭作用を有する物質を含有する。例えば、酸化防止・消臭作用を有する食品素材抽出物を含有する場合であった。これは、有機酸(特に、クエン酸)を含有していることから、前記有機酸による臭い(或いは、及びエグ味)が感じられた。ところが、前記酸化防止・消臭作用を有する物質、例えば食品素材抽出物を含有させていた場合、前記有機酸による弊害が抑制された。前記物質(食品素材抽出物)は、前記エタノール50質量部に対して、好ましくは、0.05〜1質量部であった。更に好ましくは0.1質量部以上であった。もっと好ましくは0.15質量部以上であった。更に好ましくは0.8質量部以下であった。もっと好ましくは0.5質量部以下であった。
前記エタノール製剤は、有機酸塩を含有する。例えば、乳酸塩を含有する。例えば、乳酸ナトリウムを含有する。前記有機酸塩は、好ましくは、前記エタノール50質量部に対して、0.001〜0.1質量部であった。更に好ましくは0.002質量部以上であった。更に好ましくは0.05質量部以下であった。もっと好ましくは0.01質量部以下であった。
前記エタノール製剤は、好ましくは、着色(呈色)物質を含有していない。例えば、WO2008/153077提案の如きのカキ抽出物を含有していない。これによって、エタノール製剤の飛散による衣類の汚染が起き難くなる。前記カキ抽出物を含有していた場合、これが白衣に飛散すると、汚れが目立つ。この点から、前記酸化防止・消臭作用を有する食品素材抽出物も着色(呈色)物質ではない。そして、前記エタノール製剤を構成する各成分も着色物質ではない。
前記エタノール製剤は、好ましくは、pHが2〜4であつた。pHが高すぎたり低すぎたりした場合、本発明の特長が奏され難かった。
前記エタノール製剤は、ネコカリシウイルス不活性剤として効果が大きなものであった。
前記エタノール製剤は、乳酸菌、サルモネラ菌、大腸菌、ブドウ球菌、及び/又はカンピロバクター抑制剤として効果が大きなものであった。
前記エタノール製剤にあっては、好ましくは、前記エタノール濃度は45〜80質量%が好ましかった。更に好ましくは50質量%以上であった。但し、前記エタノール濃度が60質量%以上になると、保管に際して消防法が適用になる。従って、前記エタノール濃度が60質量%未満であることが好ましかった。なぜならば、消防法が未適用となり、保管が容易になるからである。
第2の発明は前記エタノール製剤が噴霧される方法である。すなわち、前記エタノール製剤(原液または希釈液)が、例えば人体の一部(例えば、手)、食器、調理器具、調理用装置、食材、おう吐物などのウイルス汚染が疑われる部位に、噴霧される。噴霧後には、水洗を、別段、要さない。
以下、具体的な実施例が挙げられる。但し、本発明は以下の実施例にのみ限定されない。本発明の特長が大きく損なわれない限り、各種の変形例や応用例も本発明に含まれる。
[実施例1]
下記組成物のエタノール製剤(pH=3)が用意された。何れの成分も食品添加物として認められている物質である。
エタノール :55.180質量%
グリセリン脂肪酸(脂肪酸(飽和脂肪酸)の炭素数は10)エステル: 0.040質量%
クエン酸 : 2.000質量%
食品素材抽出物(無色) : 0.200質量%
乳酸ナトリウム : 0.005質量%
精製水 :42.575質量%
[比較例1]
下記組成物のエタノール製剤が用意された。何れの成分も食品添加物として認められている物質である。
エタノール :50.18質量%
グリセリン−カプロン酸(炭素数6)エステル : 0.20質量%
カキ抽出物 : 0.15質量%
フェルラ酸 : 0.05質量%
精製水 :49.42質量%
[比較例2]
下記組成物のエタノール製剤が用意された。何れの成分も食品添加物として認められている物質である。
エタノール :64.80質量%
グリセリン−カプロン酸(炭素数6)エステル : 0.50質量%
グリセリン : 0.50質量%
卵白リゾチウム : 0.50質量%
精製水 :33.70質量%
[比較例3]
下記組成物のエタノール製剤が用意された。何れの成分も食品添加物として認められている物質である。
エタノール :55.00質量%
グリセリン−カプロン酸(炭素数6)エステル : 0.03質量%
乳酸 : 2.13質量%
乳酸ナトリウム : 0.02質量%
精製水 :42.82質量%
[比較例4]
下記組成物のエタノール製剤が用意された。何れの成分も食品添加物として認められている物質である。
エタノール :57.22質量%
グリセリン−カプロン酸(炭素数6)エステル : 0.30質量%
DL−リンゴ酸 : 0.35質量%
DL−リンゴ酸ナトリウム : 0.06質量%
精製水 :42.07質量%
[比較例5]
下記組成物のエタノール製剤が用意された。何れの成分も食品添加物として認められている物質である。
エタノール :67.89質量%
乳酸 : 0.05質量%
乳酸ナトリウム : 0.02質量%
精製水 :32.04質量%
[比較例6]
下記組成物のエタノール製剤が用意された。何れの成分も食品添加物として認められている物質である。
エタノール :50.00質量%
グリセリン−カプロン酸(炭素数6)エステル : 0.20質量%
クエン酸 : 0.50質量%
クエン酸ナトリウム : 0.10質量%
グリセリン : 0.10質量%
精製水 :49.10質量%
上記各例で得たエタノール製剤について消毒効果を調べた。ノロウイルスの代替ウイルスであるネコカリシウイルスを用いて前記エタノール製剤の不活化効果の判定試験を実施した。試験方法は食品衛生検査指針微生物編(2015)の「ウイルス不活化試験」及び平成19年度〜平成21年の「ノロウイルスの不活化条件に関する調査報告書」を参考にした。
ウイルスの感染価については50%感染終末点法(TCID50/ml)を用いて測定した。反応後のウイルスの希釈を7倍階段希釈で行った。実測値(log)をlog10に換算した。不活化効果については、A:十分な効果あり(4log10以上の減少)、B:効果あり(2log10以上で4log10未満の減少)、C:効果なし(2log10未満)として判定した。
各被検製剤については、ウイルス液の代わりに、等量のMEM培地液と混合し中和を行った後、反応液及びその希釈液をCRFK細胞に接種して細胞に与える影響を確認した。不活化試験は各製剤に関して3回繰り返した。
負荷試験に用いた有機物は次の通りである。食品衛生検査指針微生物編(2015)「ウイルス不活化試験」には、有機物負荷試験にはウシ血清アルブミン(BSA)、ポリペプトン、肉エキス、酵母エキス液に0.5〜1%添加するように記載されている。本試験では、BSA(シグマ、A9576−50ML)、肉エキス(ナカライテスク、15837−55)、ポリペプトン(日本製薬、ハイポリペプトンN、397−02121)を10%含むようにMEM培地で希釈したものとウイルス液とを1:1で混合し、5%有機物添加ウイルス液として使用した。
前記エタノール製剤の試験方法は次の通りである。(1)ウイルス液(FCV F9株)と各エタノール製剤とを1:9で混和し、室温で30秒、1分または3分放置した後、直ちに2%FBS加DMEM培地で7倍希釈し反応を停止した。 (2)7倍階段希釈し、各希釈液をCRFK細胞に接種し、50%感染終末点法(TCID50/ml)で生存ウイルス量を定量した。 (3)10%肉エキス加MEM培地とウイルス液を等量混和した5%肉エキスウイルス液を調整し、このウイルス液についても同様の操作を行った。
試験結果は次の通りであった。
実施例1のエタノール製剤のウイルス液感染価は8.9×10TCLD50/ml、検出限界値は6.3TCLD50/ml、1分後におけるLRV:log10(初期感染価−エタノール製剤作用後の感染価)は6.0、減少率:(1−1/10LRV)×100は99.9999%であった。すなわち、A判定であった。
これに対して、比較例1のエタノール製剤はC判定、比較例2のエタノール製剤はC判定、比較例3のエタノール製剤はB判定、比較例4のエタノール製剤はC判定、比較例5のエタノール製剤はC判定、比較例6のエタノール製剤はC判定であった。
これによれば、前記エタノール製剤は短時間でノロウイルスに有効なことが判る。
大腸菌に対する除菌能力は次の通りであった。生理的食塩水では作用時間が30秒で5.0×10CFU/mL(初期時は5.0×10CFU/mL)であったのに対して、前記実施例1のエタノール製剤(原液)では作用時間が30秒で<10CFU/mL(初期時は5.0×10CFU/mL)であった。LRVは5.7、減少率は99.999%であった。これによれば、前記エタノール製剤は短時間で大腸菌に有効なことが判る。
腸管出血性大腸菌O157に対する除菌能力は次の通りであった。生理的食塩水では作用時間が30秒で3.4×10CFU/mL(初期時は3.6×10CFU/mL)であったのに対して、前記実施例1のエタノール製剤(原液)では作用時間が30秒で<10CFU/mL(初期時は3.6×10CFU/mL)であった。LRVは5.5、減少率は99.999%であった。これによれば、前記エタノール製剤は短時間で腸管出血性大腸菌O157に有効なことが判る。
サルモネラ菌に対する除菌能力は次の通りであった。生理的食塩水では作用時間が30秒で6.4×10CFU/mL(初期時は7.4×10CFU/mL)であったのに対して、前記実施例1のエタノール製剤(但し、5倍希釈液)では作用時間が30秒で1.1×10CFU/mL(初期時は7.4×10CFU/mL)であった。LRVは2.7、減少率は99.8%であった。これによれば、前記エタノール製剤は短時間でサルモネラ菌に有効なことが判る。
黄色ブドウ球菌に対する除菌能力は次の通りであった。生理的食塩水では作用時間が30秒で7.4×10CFU/mL(初期時は8.0×10CFU/mL)であったのに対して、前記実施例1のエタノール製剤(但し、5倍希釈液)では作用時間が30秒で1.0×10CFU/mL(初期時は8.0×10CFU/mL)であった。LRVは5.5、減少率は99.999%であった。これによれば、前記エタノール製剤は短時間で黄色ブドウ球菌に有効なことが判る。
カンピロバクターに対する除菌能力は次の通りであった。リン酸緩衝液では作用時間が30秒で4.3×10CFU/mL(初期時は4.8×10CFU/mL)であったのに対して、前記実施例1のエタノール製剤(原液)では作用時間が30秒で<100CFU/mL(初期時は4.8×10CFU/mL)であった。LRVは3.6、減少率は99.9%であった。これによれば、前記エタノール製剤は短時間でカンピロバクターに有効なことが判る。
前記エタノール製剤の成分は食品添加物として用いられている成分であるから、食品に掛かっても、又、食品に練り込まれていても安心である。
前記エタノール製剤は無色(特に、無色透明)であるから、衣類に飛散・付着しても、着色の問題はなかった。
前記エタノール製剤は酸性であるものの、エタノール濃度が高いので、刺激性が抑えられていた。

Claims (12)

  1. エタノールと、グリセリン脂肪酸(脂肪酸は炭素数が8〜12の脂肪酸)エステルと、有機酸と、水とを含有してなるエタノール製剤であって、
    前記エタノール50質量部に対して、前記グリセリン脂肪酸エステルが0.01〜0.4質量部、前記有機酸が0.9〜3質量部である
    エタノール製剤。
  2. 前記有機酸がクエン酸および乳酸の群の中から選ばれる少なくとも一種以上である
    請求項1のエタノール製剤。
  3. 前記有機酸がクエン酸である
    請求項1のエタノール製剤。
  4. 前記グリセリン脂肪酸エステルはグリセリン脂肪酸(脂肪酸は炭素数が9〜11の脂肪酸)エステルである
    請求項1〜請求項3いずれかのエタノール製剤。
  5. 前記グリセリン脂肪酸エステルはグリセリン脂肪酸(脂肪酸は炭素数が10の脂肪酸)エステルである
    請求項1〜請求項4いずれかのエタノール製剤。
  6. 更に、酸化防止・消臭作用を有する物質を含有してなり、
    前記物質は、前記エタノール50質量部に対して、0.05〜1質量部である
    請求項1〜請求項5いずれかのエタノール製剤。
  7. 更に、有機酸塩を含有してなり、
    前記有機酸塩は、前記エタノール50質量部に対して、0.001〜0.1質量部である
    請求項1〜請求項6いずれかのエタノール製剤。
  8. 前記エタノール製剤は着色物質を含有していない
    請求項1〜請求項7いずれかのエタノール製剤。
  9. pHが2〜4である
    請求項1〜請求項8いずれかのエタノール製剤。
  10. 前記エタノール製剤はネコカリシウイルス不活性剤である
    請求項1〜請求項9いずれかのエタノール製剤。
  11. 前記エタノール製剤は乳酸菌、サルモネラ菌、大腸菌、ブドウ球菌、及び/又はカンピロバクター抑制剤である
    請求項1〜請求項9いずれかのエタノール製剤。
  12. 前記請求項1〜請求項11いずれかのエタノール製剤が噴霧される方法。
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高橋 洋介: "茶抽出物の抗酸化効果と食品工業への有効利用", 月刊フードケミカル, vol. 20巻, 6号, JPN6020035430, 2004, pages 29 - 34, ISSN: 0004502702 *

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