JP2004529889A - 殺ウイルス性組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
発明の背景
1.発明の分野
この発明は、ヘルペスウイルス科およびポックスウイルス科のウイルスによる口内炎ならびに潰瘍を含む表在性の病変もしくは潰瘍の治療および/または予防のため、ならびに感冒(かぜ)による症状の治療および/または改善のための殺ウイルス性組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
2.先行技術の説明
病原性ウイルスは、ウイルスの構造に関して、一般に2つの種類、すなわち、脂質を含むものおよび脂質を含まないものに分類することができる。「エンベロープ」ウイルスとして知られる脂質を含む病原性ウイルスは、よく知られるものに、単純ヘルペス1型および2型などのヘルペスウイルス、インフルエンザウイルスなどのミクソウイルス、麻疹(はしか)および流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)の原因となるウイルスおよびクループの原因となる呼吸性合胞体ウイルスなどのパラミクソウイルス、これも感冒に関係するコロナウイルス、風疹ウイルスおよび脳炎ならびに出血熱の原因であるウイルスなどのトガウイルスがある。他の多くの病原性ウイルスには外側の包膜がないため、「裸の」ウイルスとして特徴付けられる。ライノウイルス(感冒の主要な原因物質)、インフルエンザウイルス、ポリオウイルスおよびアデノウイルスがこの部類に含まれる。
【0003】
ウイルスの感染は、ひどい不快感、疾患を引起し、致命的となり得る。サイトメガロウイルス(CMV)、ヒトリンパ球向性ウイルス(たとえば、HTLV−1)、およびヒト免疫不全ウイルス(たとえば、HIV−1)などのウイルスは、重大な罹患率および死亡率をもたらす。単純ヘルペスウイルス(HSV−1およびHSV−2)は、口辺ヘルペス、熱性疱疹および陰部ヘルペスを含む皮膚ならびに粘膜の炎症および病変に関連する。水痘帯状ヘルペスウイルス(VZV)は水痘および帯状ヘルペスを引起し、エプスタインバーウイルス(EBV)は単核細胞症に関連する。インフルエンザウイルスは、インフルエンザ症状を引起し、致命的となり得る。HIVは、後天性免疫不全を引起し、感染した個人を衰弱させ、死亡させる。これらウイルスは、さまざまな期間細胞に潜伏するが、一般にウイルスの複製は感染した細胞の不可逆的な破壊に繋がり、それらが引起す疾患のさまざまな臨床症状を発現させる。
【0004】
単純ヘルペスの感染は、身体の多くの領域および器官で発生、再発するが、特に皮膚ならびに粘膜領域で発生、再発する。およそ5000万人のアメリカ人が熱性疱疹または口辺ヘルペスを患い、年間で1億件の症状発現があると推定される。この状態を医学用語では再発性口唇ヘルペスという。これは、単純ヘルペスウイルス(HSV)によって起こり、このウイルスは一次感染後、生涯にわたって永久的に滞留し、神経節に潜伏している。さまざまな刺激によって再活性化すると、このウイルスは神経経路に沿って唇および口に向かって移動し、そこで病変または疱疹として現れる。醜い病変は通常7日から10日間続く。HSVによる発症がよく見られるその他の部位は、耳、鼻、胸、腹、腕、掌、手の甲、指、腿および脚などの皮膚上である。他に発症がよく見られる部位は、目および頚部である。あまり頻繁ではないが、口、気道および中枢神経系にも見られる。
【0005】
「感冒」という表現は、急性の軽微な呼吸系疾患の同定のため、医者および専門外の人の両方に使用される。1956年のライノウイルスの同定以来、感冒の原因および疫学に関してかなりの量の知識が蓄積されてきた。感冒は1つの実体ではなく、パラインフルエンザウイルス、ライノウイルス、呼吸性合胞体ウイルス、エンテロウイルスおよびコロナウイルスを含む、いくつかのウイルス科の一員によって起こる疾患のグループであることがわかっている。感冒を引起すウイルスの特徴付けにおいて、多くの研究が行なわれてきた。さらに、最も重要な感冒のウイルスであるライノウイルスの分子生物学は非常に詳しく理解されている。これに対して、感冒治療での進歩は、これらの前進にも拘らず遅々としている。現在では、感冒ウイルスに対して抗ウイルス活性を示すことがわかっている化合物が多数あるが、多くの抗ウイルス性化合物の効力は、患者においては限界がある。
【0006】
現在市販されている感冒およびアレルギー性鼻炎の治療薬に対して、患者に広く不満があるため、より効果的かつ安全な治療薬が必要とされている。この発明は、そのような治療薬を提供する。
【0007】
当該技術分野では、塩化ベンザルコニウムなどの第4級アンモニウム化合物はバクテリアに対して有効であるが、殺ウイルス性ではないことが知られている。ヘンドリー(Hendley)らの(抗菌剤および化学療法(Antimicrobial Agents and Chemotherapy)14:690−694(1978))では、エチルアルコール、塩化ベンザルコニウム(BAK)およびヘクサクロロフェンを含む泡沫が評価された。エチルアルコールだけでは効果がなく、エチルアルコールとBAKとの組合せは、ライノウイルスを殺すのに全く効果がなかった。
【0008】
当該技術分野では、「エンベロープ」ウイルスは比較的繊細であるため、これまでに知られている殺ウイルス性の消毒薬によって不活性化できることが知られている。これに対し、裸のウイルスは、従来の消毒薬に対して実質的に安定しており、比較的高い濃度のホルムアルデヒドによってしか不活性化できないため、大きな問題が起こる。しかしながら、毒性のためホルムアルデヒドは望ましくなく、身体の汚染された部分を診療所または実験室でホルムアルデヒドで消毒することはできない。
【0009】
ポリ(Poli)らは、(Food Chem. (England) 4(4):251−258(1979))有機酸(クエン酸、リンゴ酸等)の殺ウイルス性作用の研究を説明している。これらの研究者は、とりわけ、クエン酸、リンゴ酸、ピルビン酸、コハク酸が「エンベロープ」ウイルス(ヘルペスウイルス、オルトミクソウイルスおよびラブドウイルス(狂犬病ウイルス))に対して生体外(in vitro)で有効であることを発見した。彼らの実験は、純粋な酸の水溶液を用いて室温で行なわれた。基質または担体は使用されなかった。これらの研究者が研究のために選んだ3つのウイルスは、すべて「エンベロープ」ウイルスであった。ポリらは、これらの酸が「裸の」ウイルスであるアデノウイルスには効果がないことを発見した。このことに基づき、彼らは、これらの酸は生体外で「エンベロープ」ウイルスに有効であるが、「裸の」ウイルスには効果がないと結論付けた。生体内(in vivo)では、酸溶液は皮膚の外側の層に浸透できず、ウイルスが複製されるところに到達できないため、作用しない。
【0010】
あるアルコール(すなわち、ある分子鎖長のアルコール)を使用して脂質を含むウイルスを不活性化することがW.スナイプス(Snipes)らによって開示されている(抗菌剤および化学療法(Antimicrobial Agents and Chemotherapy)、11(1):98−104(1977))。著者らはC4からC18のアルコールを使用したが、殺ウイルス活性のピークは、10から14の炭素の鎖長の飽和アルコールで見られたと指摘した。10以上の炭素を有する長鎖のアルコールは、水性媒体に極度に不溶性であるため、好ましいC10〜C14のアルコールは、95%エタノール中で所望の最終的な濃度の100倍で準備しなければならなかった。最終的な処理は、少なくともpHが7.2に調整された溶液内で行なわれた。したがって、C10からC14のアルコールは優れた殺ウイルス性作用を有するが、水への溶解性が比較的低く、最初に準備のステップが必要であるため不利である。
【0011】
コノワルチュク(Konowalchuk)らは、ワインの自然のpH(pH3.3から4.4)またはpH7.0で24時間、4℃で葡萄果汁を用いて培養した後、ポリオウイルスの伝染力が1000分の1に減少することを報告しており、中性のpHの市販の葡萄果汁が単純ヘルペスウイルスを不活性化することを発見した。赤ワインは白ワインよりも抗ウイルス性が高いと報告された。自然のpHでのワインの単純ヘルペスウイルスに対する効果は調べられなかった。
【0012】
ノダ(Noda)ら(J. Jap. Ass. Infect. Dis. 55:355−366(1981))は、純粋なメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノールまたはブタノールが80%前後またはそれ以上の非常に高い濃度で生体外で、顕著であるが限られた殺ウイルス性効果を持つと報告している。低濃度のこれらのアルコールには、十分な効果はなかった。純粋なプロパノール、イソプロパノールまたはさまざまなブタノールは、個々には「裸の」親水性のウイルスに対して十分活性ではなかった。活性物質の合計含有量が20%から40%のエタノールおよびイソプロパノールの公知の混合物も殺ウイルス活性を示さない。
【0013】
フォン・ラインハーベン(Von Rheinbaben)ら(米国特許第5,728,404号)は、「裸の」ウイルス(たとえば、ポリオウイルス、アデノウイルス、ワクシニアウイルス、およびSV40腫瘍ウイルス)に対して殺ウイルス活性を有する組成物を開示しており、これは、C1からC4の脂肪族一価アルコールからなるグループから選択された50重量%から90重量%の少なくとも1つの要素、および0.1重量%から1.0重量%の少なくとも1つの亜鉛塩などの金属塩を含む。フォン・ラインハーベンらは、40重量%〜80重量%のエタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、またはそれらの混合物を含む組成物は、ポリオウイルス、アデノウイルス、ワクシニアウイルスおよびSV40腫瘍ウイルスに対して効果がなかったが、これらアルコール組成物に金属塩を添加することで殺ウイルス性にできることを発見した。
【0014】
レビシ(Revici)ら(米国特許第4,513,008号)はエンベロープウイルス(HSV−2)を不活性化する方法を開示しており、これは、ウイルスを殺すのに有効な量のC20からC24の直鎖ポリ不飽和酸、アルデヒドまたは5から7個の二重結合を有する第一アルコールにウイルスを接触させるステップを含む。
【0015】
ブラウン−スクロボット(Brown-Skrobot)ら(米国特許第4,975,217号)は、グラム陰性菌のセラチア・マルセセンス(Serratia marcescens)で汚染された手に適用した場合に殺菌作用を有する組成物を開示しており、この組成物は、アニオン界面活性剤(たとえば、アルキルスルホン酸塩)および有機酸(リンゴ酸、クエン酸、およびその混合物)から主になる。ブラウン−スクロボットらは、界面活性剤のみ、および酸のみでは殺菌作用は見られなかったとしており、有意の殺菌作用を得るには有機酸およびアニオン界面活性剤の両方を使用しなければならないことを強調している。ブラウン−スクロボットらの組成物では、アルコールは任意の成分として記載されている。しかしながら、ブラウン−スクロボットらは、ウイルスに対するこの組成物の効果を検証していない。
【0016】
ホフラー(Hoffler)ら(米国特許第5,043,357号)は、裸のウイルス(たとえば、ポリオウイルス1型)に対して殺ウイルス活性を有し、少なくとも70重量%のエタノールおよび/またはプロパノール、ならびに0.5重量%から5重量%の短鎖の酸を有する組成物を開示している。エタノールおよびプロパノールだけでは、裸のウイルスに対して十分な作用は示さなかった。これらの組成物は、エンベロープウイルスに対する効果については検証されておらず、これらの組成物の生体内での殺ウイルス性活性も検証されていない。
【0017】
ヘンドリー(Hendley)ら(6,034,133)は、裸のライノウイルスに対して有効であり、リンゴ酸、クエン酸、およびC1からC6アルコールを含む、ライノウイルスの手から手への伝染を予防するためのハンドローションを開示している。ヘンドリーらは、ローションのアルコールの濃度が25%〜90%の間である限りローションが殺ウイルス活性を保持すると記載している。ローションのpHは、肌を刺激するのを避けるため、pH3からpH6の間に調整される。
【0018】
ダブ(Dove)ら(米国特許第5,071,650号)は、水溶液を中級アルコール(C4からC10)を用いて約pH4からpH5で4℃の温度で処理することで、生物学的に活性のタンパク質(たとえば、血漿または細胞の培養組織)の水溶液中に存在するVSV(脂質で被覆されたウイルス)などのウイルスを生体外で非活性化する方法を開示しており、殺ウイルス活性は炭素の鎖長をC8まで増やすにつれて向上した。エタノールおよびブタノールは、これらの条件では全く不活性であることがわかった。
【0019】
最近、FDAは、ドコサノール(10%クリーム)を再発性の口、顔のヘルペス(口辺ヘルペスおよび熱性疱疹)の治療薬として承認した(カッツ(Katz)らの米国特許第5,952,392号および第5,534,554号を参照のこと)。この長鎖の(C26)アルコールは水への溶解性が低いため、この組成物は、懸濁液または乳濁液を作るためには二官能性ブロック重合体の非イオン性界面活性剤を必要とする。さらに、米国特許第5,534,554号は、ある賦形剤はn−ドコサノールの活性に有害であると記載しており、n−ドコサノールを含み、安定かつ有効な組成物を準備することは予期せぬほどに難しかったと強調している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
エンベロープウイルスおよび裸のウイルスに対して活性であり、かつ毒性が非常に低い局所用の組成物が引続き必要とされている。特に、安価で使用しやすく、ヘルペスウイルス科およびポックスウイルス科のウイルスに対して有効な局所用の殺ウイルス性組成物が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0021】
発明の概要
これらの必要性および他の必要性は、広範囲のウイルスに非常に有効であり、かつ安全に生産、使用できる殺ウイルス性組成物を提供するこの発明によって満たされる。
【0022】
特に、この発明は、真皮または表皮の細胞に滞留し、および/またはそれらによって伝染し、および/またはそれらに感染するウイルスによって起こる口内炎および病変を治療および/または予防するためのこの発明の局所用の組成物を使用した方法を提供する。そのようなウイルスの例には、ヘルペスウイルス科のウイルスおよびポックスウイルス科のウイルスが含まれる。この発明の組成物は、口辺ヘルペスおよび口内炎を治療するために唇に局所的に適用したり、ヘルペス感染を治療するために皮膚に局所的に適用したり、そのようなウイルスによって起こる感染を治療および予防するために陰茎、膣または直腸の周辺の皮膚などに局所的に適用するのに好適である。この発明の組成物は、たとえば、口腔、膣腔、直腸腔、および周辺組織などの生体の他の部分にも適用することができる。
【0023】
この発明はさらに、検査台、手袋、タオル、および診察中および歯科の診察中に動物の身体または人体に触れる可能性のあるその他の表面などの器具および表面のウイルスを殺すために使用することができ、かつ臨床環境で安全な対ウイルス性消毒薬として使用することのできる組成物を提供する。そのような組成物は、エアロゾル缶に入れて、組成物をスプレーによって送達することができる。
【0024】
この発明はさらに、ライノウイルス、アデノウイルス、エンテロウイルス、コロナウイルス、呼吸性合胞体ウイルス、インフルエンザウイルスおよびパラインフルエンザウイルスなどの感冒を起すウイルスに対して有効な組成物を提供する。
【0025】
したがって、この発明の一局面は、好適な酸でpHを4.6以下に調整した、短鎖のアルコールまたはジオールの水溶液を含む、ウイルスを殺すのに有効な組成物を提供する。局所的な適用および鼻から送達可能な形態に好適な組成物も提供される。
【0026】
別の実施形態では、この発明はウイルスを不活性化する方法を提供し、これは、ウイルスの部位またはウイルス自身をウイルスを殺すのに有効な量のこの発明の組成物に接触させるステップを含む。
【0027】
別の実施形態では、この発明は、動物またはヒトの被験体のヘルペス感染などのウイルス感染に関連する病変を治療する方法を提供し、これは、そのような病変を低減または阻止するのに有効なこの発明の殺ウイルス性組成物のある量を患部に適用するステップを含む。
【0028】
別の実施形態では、この発明は、動物またはヒトの被験体のヘルペス感染などのウイルス感染に関連する病変を予防する方法を提供し、これは、そのような病変の形成を予防するのに有効なこの発明の殺ウイルス性組成物のある量を皮膚のある領域に適用するステップを含む。
【0029】
この発明の他の新規の特徴および利点は、以下の説明の中に記載されるものもあれば、以下の明細書を検討すれば当業者に明らかになるものもあるであろうし、または、この発明を実行することによって知ることができる。この発明の利点および新規の特徴は、特に請求項に記載された、手段、組合せならびに方法によって実現および獲得することができる。
【発明の効果】
【0030】
発明の詳細な説明
この発明は、真皮または表皮の細胞に滞留し、および/またはそれらによって伝染し、および/またはそれらに感染するウイルスによって起こる病変の治療および/または予防に好適な、殺ウイルス活性を有する組成物を提供する。そのようなウイルスの例は、単純ヘルペスウイルス、水痘帯状ヘルペスウイルス、サイトメガロウイルス、エプスタインバーウイルスなどのヘルペスウイルス科のウイルス、および伝染性軟属腫などのポックスウイルス科のウイルスがある。この組成物は口内炎にも有効である。単純ヘルペスは、ヘルペス1型ウイルスおよびヘルペス2型ウイルスによって起こるさまざまな感染を指す。1型の感染は、通常、唇の唇紅部または外鼻孔に1つまたは複数のグループの小水泡が出現することが特徴であり、2型の感染は、性器でのそのような病変が特徴である。
【0031】
特に、この発明は、たとえば、ヘルペスウイルス科もしくはポックスウイルス科のウイルスからの感染に関連する口内炎またはウイルスの病変を予防もしくは低減するため、またはそのような潰瘍もしくは病変の治癒時間を短縮するための局所用の組成物を提供する。
【0032】
この発明はさらに、ライノウイルス、アデノウイルス、エンテロウイルス、コロナウイルス、呼吸性合胞体ウイルス、インフルエンザウイルスおよびパラインフルエンザウイルスなどの感冒を起すウイルスに対して有効な殺ウイルス性組成物を提供する。そのような組成物は、鼻から送達可能な形態など、あらゆる形態で提供可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
この発明の組成物は、無機酸または有機酸を加えてpHを4.6以下に調整した、C1からC3の一価アルコールまたはC3からC4のジオールの希薄水溶液を含む。ここで使用される「C1」、「C2」、「C3」および「C4」は、それぞれ炭素を1つ、2つ、3つ、または4つ有するアルコールを指す。そのようなアルコールは直鎖のアルコールでも、分岐アルコールでもよい。1つの実施形態では、組成物は、好ましくは組成物のpHを維持する緩衝液を用いて緩衝される。そのような緩衝液は当業者に周知である。
【0034】
好ましい実施形態では、組成物は、0.2体積%から13体積%の間のアルコールを有する水溶液を含む。組成物は、約5体積%から10体積%の間のアルコール水溶液を含むことがさらに好ましい。好適なアルコールには、メタノール、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオールおよび2,3−ブタンジオールを含む、短鎖のアルコールおよびジオールが含まれる。
【0035】
この発明の組成物で使用可能な有機酸は、酢酸、クエン酸、グルタル酸、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、コハク酸、および吉草酸を含むが、これらに限らない。有機酸はグリコール酸であることが好ましい。
【0036】
この発明の組成物で使用可能な無機酸は、塩酸、亜塩素酸、硫酸、次亜塩素酸、次亜リン酸、ヨウ素酸、亜硝酸、過ヨウ素酸、リン酸、亜リン酸および亜硫酸を含むが、これらに限らない。無機酸は塩酸であることが好ましい。
【0037】
1つの実施形態では、この発明の組成物は、10体積%の95%エタノール水溶液を含み、組成物のpHはグリコール酸またはHClを加えることで4.6以下に調整される。たとえば、pHは、0.6%グリコール酸水溶液または0.1M HCl溶液を加えることで4.6に調整することができる。
【0038】
この発明の組成物は、感染部位に局所的に適用した場合に、個々には効力のある抗ウイルス性物質でない成分、すなわち、アルコールおよび酸を含む。たとえば、ジカルボン酸などのある有機酸は生体外では殺ウイルス性であるが、局所的に適用した場合には効果がないことがわかっている。さらに、エタノールおよびプロパノールなどの短鎖のアルコールは、生体外および生体内の両方でエンベロープウイルスに対して効果がないことがわかっている。しかしながら、驚くべきことに、これらの成分(すなわち、有機酸または無機酸、およびC1、C2、またはC3アルコールもしくはC2、C3またはC4ジオール)をこの発明の組成物で組合せて使用した場合に相乗的な抗ウイルス効果が認められる。たとえば、驚くべきことに、pH4.6以下であるこの発明の殺ウイルス性組成物の有効な量を、HSV−1などのウイルスによって起こる病変または病変が起こる可能性のある部位に局所的に適用した場合、ウイルスが実質的に不活性化されるため、ウイルスが広がるのがさえぎられ、予防されることが発見された。
【0039】
組成物のpHを4.6以下に調整する量で加えられる有機酸または無機酸と組合せて使用される短鎖のアルコールを含む希薄水性組成物によって有効な局所用の殺ウイルス性組成物が得られることが発見されたが、これは驚くべきことであり、予期せぬことであった。このことは、中鎖または長鎖のアルコール(すなわち、C8からC26)および/または高濃度のアルコール(特に短鎖のアルコールの場合)が殺ウイルス活性に必要だとする先行技術の教示とは異なる。
【0040】
一つの実施例では、この発明の局所用組成物が、HSV−1(口辺ヘルペスおよび熱性疱疹を起こす)、HSV−2(性器ヘルペスを起こす)および帯状ヘルペス(帯状ヘルペスを起こす)に対して生体内で活性であることがわかった。しかしながら、これらの組成物は、水痘ウイルス(水痘を起こす)を含む、構造または感染の仕組みが類似であるヘルペスウイルス科の他のウイルスに対しても活性であると考えられる。この発明の殺ウイルス性組成物が生体外および生体内の両方でHSV−1に対して有効であることの証拠は、後述の実施例に記載した標準的な検定手順を使用して得られた。
【0041】
表1は、0.1Nまたは1.0N HClを加えてpH3.5に調整したさまざまな濃度のエタノール水溶液を使用して、溶液を希薄しない場合と溶液をイーグル培地を用いて1/4、1/16または1/64に希薄した後の場合との両方の場合における単純ヘルペスウイルス1型(HSV−1)の増殖の抑制に必要な時間を示す。実験は、実施例1に記載するように行なわれた。
【0042】
【表1】
【0043】
表1に示すように、5分間の暴露時間後では、12.5%のエタノール溶液のみがウイルスを抑制した。しかしながら、暴露時間を10分間に延ばすと、かなり希薄な組成物(たとえば、1/4に希釈した2.5%エタノール溶液)でも効果的にウイルスの増殖を抑制した。
【0044】
表2に示すように、さまざまな酸の水溶液を殺ウイルス活性について検証した。pHが3.8のグリコール酸溶液は、0.6重量%のグリコール酸水溶液を準備することで準備され、残りのグリコール酸溶液は、0.1Nまたは1.0N水酸化ナトリウムを加えて0.6%グリコール酸溶液のpHを調整することで準備された。コハク酸溶液は、コハク酸の0.2重量%水溶液である。
【0045】
【表2】
【0046】
別の実験では、濃度が0.2体積%のさまざまなアルコールをさまざまなpHに調整して、各アルコールについて、酸性アルコール溶液がHSV−1に対して抗ウイルス活性を示すのに必要なpHの上限を決定した。pHを0.2単位で増やしたpH4.0から6.8までの各アルコールのサンプルを2分間ウイルストとともに保温した後、実施例1に説明されるように平板培養した。つまり、表3の各アルコールは、pH4.0、pH4.2、pH4.4、pH4.6、pH4.8、pH5.0、pH5.2、pH5.4、pH5.6、pH5.8、pH6.0、pH6.2、pH6.4、pH6.6、およびpH6.8で検証された。pHは、0.1Nまたは1.0N HClを使用して調整された。メタノール、n−ブタノールおよび2,3ブタンジオールは、pH4.6までHSV−1を完全に不活性化するのに有効であった。エタノールはpH4.4まで有効であった。1,2−ブタンジオールはpH4.2まで有効であった。
【0047】
【表3】
【0048】
エタノールまたはプロパノールだけではエンベロープウイルスに対して殺ウイルス活性を持たないことがよく知られている。特定の理論に縛られたくないが、アルコールによって、酸が外側の皮膚の層を通ってHSV複製の部位まで浸透しやすくなると考えられる。つまり、有意の局所的な殺ウイルス活性を得るには酸およびアルコールの両方を使用しなければならないという点において、酸とアルコールとの間には相乗効果が見られる。さらに、組成物の殺ウイルス性効果は、組成物のpHを下げるために使用される酸よりも、組成物のpHによって決定されることがわかった。したがって、この発明の低pHの組成物は、個々の成分だけの場合より、皮膚の感染した層により深く浸透し、アルコールおよび/または酸のウイルスを不活性化する効果を高める。たとえば、アルコールがなければ、酸は組織に浸透することができず、ウイルスに対して効果的な作用をもたらすことはできない。この発明の殺ウイルス性組成物の中で短鎖のアルコールを使用するのは、酸の浸透を促進し、保持時間を延長するためである。
【0049】
この発明の組成物のさらなる利点は、短鎖のアルコールでは、長鎖のアルコールに関連する不溶解性の問題および不快な臭いが避けられる点である。
【0050】
実施例2に説明するように、再発性の口−顔単純ヘルペス感染の治療について組成物を評価した。ある患者のグループが、10体積%の95%エタノールおよび0.6重量%のグリコール酸水溶液を含み、pH2.45に調整された溶液を紅斑期、丘疹期または小水痘期に適用した。疱疹の進行は阻止され、治療から2、3日以内に小水痘は急速にかさぶたになったが、治療しない場合は10日以上かかった。同じ組成物を感染の前駆期から24時間以内、つまり灼熱感、刺痛または痒みを感じるが疱疹が進行する前に適用すると、この被験者では丘疹は進行しなかった。したがって、この発明の組成物は、病変の形成を予防し、病変の治癒時間を低減するのに有効であると思われる。
【0051】
再発性の顔の帯状ヘルペスを患う別の患者が、組成物のpHを3.1にするためにグリコール酸水溶液と混合した13.5%エタノールを含むこの発明の組成物を適用した。組成物は20分間隔で3回適用された。病変の部位の痛みは、適用直後に治まった。同じ患者の前回の発症が3ヶ月続いたのに対し、帯状ヘルペスの病変は2日で治癒した。当然のことながら、治癒時間は病変のサイズに依存する。たとえば、6インチの病変を有する別の帯状ヘルペスの患者の場合、治療しない場合は治癒時間は3〜6ヶ月であったのに対し、治癒時間は20分間隔で3回適用した後、約10日であった。
【0052】
どのような理論にも縛られたくないが、この発明の組成物は、皮膚/表皮の接合部で24時間以上活性であり、目標の細胞壁に浸透するためにウイルスが付着および/または使用する受容部位に結合するか、または受容部位を不活性化すると考えられる。これは、1)ウイルスが細胞に浸透した場合、細胞が破裂してウイルスが放出されるまでに24時間以上かかる、2)この発明の組成物の20分間隔で3回の適用が疱疹の進行を阻止し、さらなる発症を予防するのに十分であったことを含む、いくつかの所見に基づく。したがって、この発明の組成物は、ヒトの間でウイルスが広がるのを予防するための予防薬としても使用することができる。たとえば、一方のパートナーにHSV−2による進行中の発症がある場合、他方のパートナーは、この発明の組成物を性器の周りに適用してHSV−2による感染を予防することができる。
【0053】
この発明の局所用の殺ウイルス性組成物は、単独に投与してもよいし、または1日に用量を分けて投与してもよい。HSV−1を抑制する場合、ウイルス、特にヘルペスに感染している動物またはヒトの被験体の口、唇、粘膜、目の周りの領域の皮膚の表面などの感染した領域にウイルスを殺すのに有効な量のこの発明による組成物を適用するが、これは、たとえば、治療する領域、症状のひどさ、用いられる殺ウイルス性物質および賦形剤の性質によって、一般に1日に約1回から3回行なわれる。好ましい局所用製剤は、水または緩衝液ミリリットル当り約0.2%から13%のアルコールが使用され、溶液のpHが酸によってpH4.5以下、好ましくはpH約2.6に調整されている酸性アルコール溶液である。この発明の組成物は、浸漬する、スプレーするか、または綿棒で塗ることで保護もしくは治療する位置に局所的に投与する。
【0054】
性器ヘルペス、すなわちHSV−2感染を抑制する場合、好ましくは、この発明の組成物を製薬用担体との混合剤で膣内に投与する。当然のことながら、担体は、意図する経路および投与方法に関して選択される。この発明では、投与は局所的に行なわれる。すなわち、特定の場所または位置、この場合は膣に、たとえば、クリーム、軟膏、泡沫、ゼリー、錠剤、小卵(ovule)、または局所的に膣に投薬する形態に向いたその他の好適な組成物の形態で投与される。クリームおよび軟膏が好ましい形態である。
【0055】
この発明の組成物は、感冒の原因であるウイルスによって起こる症状の治療または緩和にも好適である。そのようなウイルスには、ライノウイルス、アデノウイルス、エンテロウイルス、コロナウイルス、呼吸性合胞体ウイルス、インフルエンザウイルスおよびパラインフルエンザウイルスが含まれる。たとえば、感冒のために鼻が充血している一人の患者がこの発明の組成物を鼻腔内に適用したところ、そのような症状が急速に軽減した。
【0056】
そのような組成物は、鼻から送達可能な形態など、さまざまな形態で提供することができる。患者が使用しやすくするため、組成物を予めパッケージされたキットとして提供してもよく、このキットは、鼻腔内で使用するために組合された薬剤の計量された用量を鼻腔内に送達するためのスプレー装置またはスポイト装置を含んでもよい。
【0057】
この発明の殺ウイルス性組成物の適用の1つの態様は、局所用物質としてのものである。局所用物質は溶液であること、すなわち、水性アルコールおよび酸を含む液体製剤であることが好ましい。その他の好適な形態には、担体が組成物の酸またはアルコールと反応して有害とならないという条件の下で、局所的な適用に固有の担体を含み、好ましくは水よりも動的粘度が高い半固体または固体の形態が含まれる。好適な製剤は、リップバーム、懸濁液、乳濁液、クリーム、軟膏、粉末、塗布剤、膏薬等が含まれるが、これらにかぎらない。所望であれば、これらを滅菌してもよいし、または防腐剤、安定剤、湿潤剤、緩衝液または浸透圧に作用するための塩等の助剤と混合してもよい。半固体または固体の形態の局所用製剤に好ましい賦形剤は、ポリエチレングリコール−1000(PEG−1000)などの軟膏基剤、従来の眼科用賦形剤、HEBクリームなどのクリーム、K−Yジェルなどのジェル、およびワセリン等が含まれる。これらの局所用製剤は、添加物が組成物の酸またはアルコールと反応して有害とならないという条件で、さまざまな用途で受入れられやすいように皮膚軟化薬、香料および/または色素も含んでもよい。
【0058】
スプレー可能なエアロゾル製剤も局所的な適用に好適である。この場合、好ましくは固体または液体の不活性な担体物質と組合された殺ウイルス性化合物がスクイーズボトルにパッケージされているか、または加圧された揮発性物質、たとえばフレオン(クロロフルオロカーボン)などの普通は気体の噴射剤もしくは環境的に許容される揮発性噴射剤との混合剤である。そのような組成物は、たとえば、検査台、便座等の環境表面、および/または皮膚もしくは粘膜に適用するために使用可能である。エアロゾル製剤またはスプレー製剤は、この発明の殺ウイルス性化合物に加えて、溶剤、緩衝液、界面活性剤、香料、および/または酸化防止剤を含んでもよい。
【0059】
この発明の組成物は、従来の賦形剤、すなわち、組成物の酸またはアルコールと反応して有害とならない局所的な適用に好適な製薬で許容される有機担体物質または無機担体物質と混合して用いてもよい。好適な製薬で許容される担体には、水、塩溶液、アルコール、植物油、ポリエチレングリコール、ゼラチン、ラクトース、アミロース、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ケイ酸、粘性パラフィン、香油、脂肪酸モノグリセリド、ジグリセリド、ペンタエリトリトール脂肪酸エステル、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、潤滑剤、防腐剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、浸透圧に作用するための塩、緩衝液、着色物質、着香物質および/または芳香物質等、組成物の酸またはアルコールと反応して有害とならないものが含まれるが、これらに限らない。
【0060】
この発明の殺ウイルス性組成物は、真皮または表皮の細胞に滞留し、および/またはそれらによって伝染し、および/またはそれらに感染するウイルスの感染が広がるのを予防するために使用することもできる。つまり、この発明の別の実施形態では、この発明の組成物をハンドクリームまたはローションにとり入れて、ウイルス感染の疑いのある患者の診察の前後に医療関係者が使用してもよい。この発明の組成物は、検査台、器具、手袋、タオル、および診察中にウイルスの粒子と接触する可能性のあるその他の表面のウイルスを殺すために使用する流体で使用してもよい。さらに、この発明の組成物に用いられる成分は、すべて一般に安全だとみなされている。この発明の化合物の毒性の低さが、そのような予防的な使用での魅力を高めている。
【0061】
実施例1
pH3.5でのさまざまなアルコール濃度を使用した生体外でのHSV−1の増殖の抑制
以下のエタノール溶液は、95%エタノールをイーグル培地(pH4.2)を用いて希釈して作られたものであり、1%、2.5%、5%、10%および12.5%である。pHは、0.1N HClまたは1.0N HClを用いてpH3.5に調整された。各溶液は表1に示すようにイーグル培地を用いて1/4、1/16および1/64に希釈された。
【0062】
検定は、5%ウシ胎児血清を含む最低限不可欠なイーグル栄養培地でポリプロピレン12ウェルトレイの中で増殖されたアフリカミドリザルの腎臓のベロ細胞で行なわれた。トレイの底全体に細胞の単層が十分に増殖するまでトレイを培養した。各トレイスロットは、pH7に調整された約2mLイーグル培地を含む。
【0063】
ウイルスは、活性のヘルペス1型の病変のある被験者から採取された。サンプルは、pH7.3イーグル培地で増殖したベロ細胞を含む、のフラスコに接種された。ウイルスが細胞のすべてに感染した後、フラスコを数回冷凍、解凍し、細胞を破裂させてウイルスを放出させた。内容物を遠心分離機にかけて細胞の破片を取除き、ウイルスを含む上清をアンプルに分配し、−20℃で短期間保存した。1つの解凍されたウイルスのアンプルをpH7.3イーグル培地で希釈すると、0.25mLで、ウイルスコントロールのウェル毎に25から50のプラークを形成するのに十分なウイルスを含んでいた。
【0064】
活性について検証されるアルコール溶液は、イーグル培地に溶解され、pH4に調整され、次に順番に1/4、1/16および1/64等に希釈された。
【0065】
サンプルの希釈溶液毎に0.25mLのウイルスが加えられ、ある定められた期間保持された。プレートの2つのウェルの各々にパスツールピペットから2滴が加えられた。3日間培養した後、細胞変性効果についてウェルを調べた。コントロールウェルは通常25から50のプラークを示す。
【0066】
実施例2
生体内でのHSV−1の抑制
口唇ヘルペスの急性の再発の病歴があり、治療しない場合の症状の発現が平均10日間継続したと報告される3人のヒトの被験者が、10mLの95%エタノール、0.6gのグリコール酸、および90mLの蒸留水を含み、最終的なpHが2.45であった溶液を24時間中に少なくとも日に3回20分毎に患部に適用した。材料は指で軽く塗りつけ、適用と適用との間に空気乾燥させた。紅斑期、丘疹期または小水痘期に適用した場合、進行は阻止され、小水痘は急速にかさぶたになった。かさぶたが自然に剥がれ落ちるか、または活性の病変の形跡がなくなって、完全に治癒した。これらのデータは、口辺ヘルペスの継続が、上述の治療後、平均2日に大きく減少したことを示す。
【0067】
同じ組成物を自覚から24時間以内、すなわち、灼熱感、刺痛または痒みから24時間以内に適用した場合、さらに進行することはなかった。通常ヘルペスの発症に伴う水腫および痛みは解消された。
【0068】
上述の説明は、この発明の原則を例示するに過ぎないとみなされる。さらに、当業者にはさまざまな変更、修正が容易に明らかとなるため、この発明を上述の構成およびプロセスそのものに限定することは望まない。したがって、すべての好適な変形および均等物は、請求項に規定されるこの発明の範囲内に入り得る。
【0069】
この明細書および特許請求の範囲で使用される「含む(comprise)」、「含んでいる(comprising)」、「含む(include)」、「含んでいる(including)」および「含む(includes)」という言葉は、記載された特徴、完全体、成分またはステップの存在を特定することを意図するものであって、1つまたは複数の他の特徴、完全体、成分、ステップ、またはそれらのグループの存在または追加を排除しない。
Claims (43)
- 感染部位のエンベロープウイルスを不活性化するための局所用組成物であって、C1〜C3アルコールまたはC2〜C4ジオール、および上記組成物のpHを4.6に調整するために十分な量の酸から主になる、組成物。
- 前記アルコールは、メタノール、エタノール、1−プロパノールおよび2−プロパノールからなるグループから選択される、請求項1に記載の組成物。
- 前記アルコールは、2,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオールおよび1,4−ブタンジオールからなるグループから選択される、請求項1に記載の組成物。
- 前記アルコールはエタノールである、請求項2に記載の組成物。
- 前記酸は有機酸である、請求項1に記載の組成物。
- 前記有機酸は、グリコール酸、乳酸、コハク酸、リンゴ酸、クエン酸および酢酸からなるグループから選択される、請求項5に記載の組成物。
- 前記酸は無機酸である、請求項1に記載の組成物。
- 前記酸は塩酸である、請求項7に記載の組成物。
- 前記組成物のpHは2.45である、請求項1に記載の組成物。
- 前記組成物の前記アルコールの濃度は、約0.2体積%から12.5体積%の間である、請求項1に記載の組成物。
- 前記組成物は、ヘルペスウイルス科のウイルスに対して有効である、請求項1に記載の組成物。
- 前記組成物は、単純ヘルペス1型ウイルスに対して有効である、請求項11に記載の組成物。
- 前記組成物は、単純ヘルペス2型ウイルスに対して有効である、請求項11に記載の組成物。
- 前記組成物は、水痘帯状ヘルペスウイルスに対して有効である、請求項11に記載の組成物。
- 前記組成物は、チンキ剤、ジェル、軟膏、クリーム、軟膏剤、ローション、リップバーム、泡沫からなるグループから選択される局所用製剤である、請求項1に記載の組成物。
- ヘルペスウイルスによる炎症もしくは病変を予防または治療するための局所用組成物であって10体積%のエタノールおよび0.6重量%のグリコール酸から主になる、組成物。
- 前記組成物は、チンキ剤、ジェル、軟膏、クリーム、軟膏剤、ローション、リップバーム、泡沫からなるグループから選択される局所用製剤である、請求項16に記載の組成物
。 - 前記組成物は、チンキ剤、ジェル、軟膏、クリーム、軟膏剤、ローション、リップバーム、泡沫からなるグループから選択される局所用製剤である、請求項17に記載の組成物。
- エンベロープウイルスを不活性化するための局所用組成物であって、アルコール、および前記組成物のpHを4.6以下に調整するために十分な量の酸から主になり、前記アルコールは、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、2,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオールおよび1,4−ブタンジオールからなるグループから選択される、組成物。
- ウイルスによる炎症または病変を治療するための方法であって、、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、2,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオールおよび1,4−ブタンジオールからなるグループから選択されるアルコール、および組成物のpHを4.6以下に調整するために十分な量の酸から主になる組成物のウイルスを殺すのに有効な量に前記炎症または病変を接触させるステップを含み、前記酸は、グリコール酸、乳酸、コハク酸、リンゴ酸、クエン酸、酢酸、および塩酸からなるグループから選択される、方法。
- 前記組成物のpHは2.45である、請求項20に記載の方法。
- 前記組成物内の前記アルコールの濃度は、約0.2体積%から12.5体積%の間である、請求項20に記載の方法。
- 前記組成物は、前記ウイルスに感染している動物またはヒトの病変を低減または抑制するために局所的に適用される、請求項20に記載の方法。
- 前記ウイルスは、前記ウイルスに感染しているヒトまたは動物の真皮または表皮に滞留する、請求項20に記載の方法。
- 前記ウイルスは、ヘルペスウイルス科の一員である、請求項20に記載の方法。
- 前記ウイルスは、単純ヘルペス1型である、請求項25に記載の方法。
- 前記ウイルスは、単純ヘルペス2型である、請求項25に記載の方法。
- 前記ウイルスは、水痘帯状ヘルペスウイルスである、請求項25に記載の方法。
- 前記ウイルスは、ポックスウイルス科の一員である、請求項20に記載の方法。
- 前記ウイルスは、伝染性軟属腫である、請求項29に記載の方法。
- 前記ウイルスは、ライノウイルス、アデノウイルス、エンテロウイルス、コロナウイルス、呼吸性合胞体ウイルス、インフルエンザウイルスおよびパラインフルエンザウイルスからなるグループから選択される、請求項20に記載の方法。
- 前記組成物は、チンキ剤、ジェル、軟膏、クリーム、軟膏剤、ローション、リップバーム、泡沫、スプレーおよびエアロゾルからなるグループから選択される局所用製剤である、請求項20に記載の方法。
- ヘルペスウイルスによる炎症または病変を治療するための方法であって、10体積%のエタノールおよび0.6重量%のグリコール酸から主になる組成物を前記炎症または病変に局所的に適用するステップを含む、方法。
- ヘルペスウイルス科またはポックスウイルス科のウイルスによる病変を予防するための方法であって、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、2,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオールおよび1,4−ブタンジオールからなるグループから選択されるアルコール、および組成物のpHを4.6に調整するために十分な量の酸から主になる組成物を局所的に適用するステップを含み、前記酸は、グリコール酸、乳酸、コハク酸、リンゴ酸、クエン酸、酢酸および塩酸からなるグループから選択され、前記組成物は、痛み、痒み、灼熱感または刺痛の症状の間に適用される、方法。
- 前記組成物のpHは2.45である、請求項34に記載の方法。
- 前記組成物の前記アルコールの濃度は、約0.2体積%から12.5体積%の間である、請求項34に記載の方法。
- 前記ウイルスは、前記ウイルスに感染したヒトまたは動物の真皮または表皮に滞留する、請求項34に記載の方法。
- 前記ウイルスは単純ヘルペス1型である、請求項34に記載の方法。
- 前記ウイルスは単純ヘルペス2型である、請求項34に記載の方法。
- 前記ウイルスは水痘帯状ヘルペスウイルスである、請求項34に記載の方法。
- 前記ウイルスは、伝染性軟属腫である、請求項34に記載の方法。
- 前記組成物は、チンキ剤、ジェル、軟膏、クリーム、軟膏剤、ローション、リップバーム、泡沫、スプレーおよびエアロゾルからなるグループから選択される局所用製剤である、請求項34に記載の方法。
- ヘルペスウイルス科またはポックスウイルス科のウイルスによる病変を予防するための方法であって、前記方法は、10体積%のエタノールおよび0.6重量%のグリコール酸から主になる組成物を局所的に適用するステップを含み、前記組成物は、痛み、痒み、灼熱感または刺痛の症状の間に適用される、方法。
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