JP2014125855A - 被覆剤組成物及び床面被覆方法 - Google Patents

被覆剤組成物及び床面被覆方法 Download PDF

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文大 田靡
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Abstract

【課題】 揮発、拡散する有機溶剤を含まず、床材を剥がさなくても、既に床材が施工された床に汚染防止コートを施すことを可能にする活性エネルギー線硬化性被覆剤組成物を提供する。
【解決手段】 (メタ)アクリロイル基を有する化合物と光重合開始剤とを含む活性エネルギー線硬化性被覆剤組成物であって、前記活性エネルギー線硬化性被覆剤組成物により形成された硬化塗膜の引張ひずみが25%以下であり、引張強さが10MPa以上であり、且つ引張弾性率が1000MPa以上であり、前記(メタ)アクリロイル基を有する化合物が、少なくともカルボキシル基含有ウレタン(メタ)アクリレートを含むことを特徴とする活性エネルギー線硬化性被覆剤組成物を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、被覆剤組成物及び床面被覆方法に関する。より詳細には、既に床材が施工された床に汚染防止コートを施すことを可能とする活性エネルギー線硬化性被覆剤組成物、及び、前記活性エネルギー線硬化性被覆剤組成物を用いた床面被覆方法に関する。
被覆剤組成物は、主に床面等に塗布、乾燥して塗膜を形成し、汚染を防止し、基材を保護する目的で、木製床材あるいは合成樹脂の原料を用いた化学床材等に利用されている。
具体的には、特定の官能基を有するアクリレートを用いた床材が知られている(特許文献1参照)。また、官能基を規定したウレタンアクリレートを特定の比率で配合した床材も知られている(特許文献2参照)。さらに、熱可塑性樹脂層及び電子線硬化型樹脂の硬化物層等を設けてなる床材用シートも知られている(特許文献3参照)。
特開1994−136668号公報 特開1994−256444号公報 特開2001−260282号公報
しかしながら、上記の床材、床材用シート等の従来の床材等は、何れも工場内で床材を被覆した後に、その床材を床に施工することを前提としており、また、これらの被覆剤組成物は有機溶剤を含むため、既に床材が施工された床に汚染防止コートを施すことは容易ではないという問題があった。有機溶剤の揮発又は拡散による環境問題を起こしたり、塗布作業者や近隣居住者への健康問題を起こしたりするからである。したがって、既に床材が施工された床を防汚染性とするためには、既施工の床材を剥がして、汚染防止コートされた床材を再施工する必要があった。
具体的には、例えば、病院、オフィスのトイレに、汚染防止コートをするには、施工してある床材を剥がして、汚染防止コートされた床材を再施工する必要があった。仮に、有機溶剤を含む従来の汚染防止コート剤を塗布すると、有機溶剤が拡散し、病院の患者、オフィスで働く人、塗布作業員の健康に悪影響を及ぼし、また、環境汚染にもなるという問題が生じる。
そのため、揮発、拡散する有機溶剤を含まず、床材を剥がさなくても、既に床材が施工された床に汚染防止コートを施すことを可能にする被覆剤組成物及び床面被覆方法が求められている。
従って、本発明の目的は、揮発、拡散する有機溶剤を含まず、床材を剥がさなくても、既に床材が施工された床に汚染防止コートを施すことを可能にする被覆剤組成物及び床面被覆方法を提供することにある。
そこで、本発明者らが、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、硬化塗膜が特定の機械的性質を有するカルボキシル基含有ウレタン(メタ)アクリレートを含む活性エネルギー線硬化性被覆剤組成物を用いることで、耐久性と耐汚染性を発揮することを見いだし、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、
(メタ)アクリロイル基を有する化合物と光重合開始剤とを含む活性エネルギー線硬化性被覆剤組成物であって、
前記活性エネルギー線硬化性被覆剤組成物により形成された硬化塗膜の引張ひずみが25%以下であり、引張強さが10MPa以上であり、且つ引張弾性率が1000MPa以上であり(何れも、温度23±5℃、湿度65±20%RHの環境下にて、JIS K 7161に準拠して測定されたものとする。)、
前記(メタ)アクリロイル基を有する化合物が、少なくともカルボキシル基含有ウレタン(メタ)アクリレートを含むことを特徴とする活性エネルギー線硬化性被覆剤組成物を提供する。
前記カルボキシル基含有ウレタン(メタ)アクリレートは、分子中に少なくとも1つのカルボキシル基を有するポリオール化合物、分子中に少なくとも2つのイソシアネート基を有するイソシアネート化合物、並びに(メタ)アクリロイル基及び水酸基を少なくとも1つずつ有する化合物の反応物であることが好ましい。
前記(メタ)アクリロイル基を有する化合物の重量平均分子量は、10000〜30000であることが好ましい。
前記(メタ)アクリロイル基を有する化合物は、水分散体であることが好ましい。
また、前記活性エネルギー線硬化性被覆剤組成物は、床面に塗布する用途に用いられることが好ましい。
また、本発明は、床面に塗布された前記活性エネルギー線硬化性被覆剤組成物を活性エネルギー線により硬化する硬化工程を有する床面被覆方法を提供する。
本発明の活性エネルギー線硬化性被覆剤組成物及び床面被覆方法によれば、汚染防止コートの現場施工が可能であるため、例えば床材等の汚染防止コートの際にも、これらの床材を貼り替える必要がない。また、必要な部分のみに汚染防止コートすることもできるので経済的である。
また、活性エネルギー線による硬化で被覆されるため、硬化の時間が非常に短く、また、被覆層は活性エネルギー線による硬化により三次元に架橋しているため、高度な耐汚染性、特に、靴底や家具の底部に使用されるゴムからの着色汚染等のゴム汚染に対する高度な耐汚染性を実現できる。さらに、高度な耐汚染性とともに、高度な耐久性、弾性を発揮することもできる。
[A.活性エネルギー線硬化性被覆剤組成物]
本発明の活性エネルギー線硬化性被覆剤組成物は、活性エネルギー線硬化性であり、例えば、可視光、紫外線、電子線等の何れによって硬化しても良く、特に限定されないが、反応性、コストなどの観点から、紫外線硬化性であることが好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化性被覆剤組成物は、安定な水分散体を得る観点から、不揮発分は10〜70重量%が好ましく、より好ましくは15〜30重量%である。70重量%を超えると水分散体が凝集する等の安定性が低下し、塗布作業時の乾燥が速くなり刷毛目が目立つ等の仕上がり外観が低下する。10重量%未満の場合、水分散体が沈降、分離する等の安定性が低下し、塗布作業時の乾燥が遅くなり作業性が低下する。
(粘度)
本発明の活性エネルギー線硬化性被覆剤組成物の粘度(25℃)は、塗布作業性の観点から、1〜5000mPa・sが好ましく、より好ましくは1〜100mPa・sである。粘度は、増粘剤の添加、又は前記(メタ)アクリロイル基を有する化合物が水分散体である場合は水分散体の粒子径によって制御することが可能である。
(硬化塗膜の引張ひずみ)
本発明の活性エネルギー線硬化性被覆剤組成物により形成された硬化塗膜の引張ひずみは25%以下であるが(温度23±5℃、湿度65±20%RHの環境下にて、JIS K 7161に準拠して測定されたものとする。)、密着性および耐傷付性の観点から、20%以下(例えば、1〜20%)であることが好ましく、10%以下(例えば、1〜10%)であることがより好ましい。
(硬化塗膜の引張強さ)
本発明の活性エネルギー線硬化性被覆剤組成物により形成された硬化塗膜の引張強さは10MPa以上であるが(温度23±5℃、湿度65±20%RHの環境下にて、JIS K 7161に準拠して測定されたものとする。)、密着性の観点から、15MPa以上(例えば、15〜50MPa)であることが好ましく、20MPa以上(例えば、20〜50MPa)であることがより好ましい。
(硬化塗膜の引張弾性率)
本発明の活性エネルギー線硬化性被覆剤組成物により形成された硬化塗膜の引張弾性率は1000MPa以上であるが(温度23±5℃、湿度65±20%RHの環境下にて、JIS K 7161に準拠して測定されたものとする。)、耐ゴム汚染性の観点から、1500MPa以上(例えば、1500〜3000MPa)であることが好ましく、2000MPa以上(例えば、2000〜3000MPa)であることがより好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化性被覆剤組成物を用いて床材を被覆する場合には、床の上で紫外線硬化作業が可能なため、作業性が向上する。
本発明の活性エネルギー線硬化性被覆剤組成物は、ビル、工場、駅、駐車場、家屋等の床面や壁面に直接塗布される被覆剤の他、長尺シート、合板、ボード、タイル等の床材、壁材、天井材、家具材等に塗布される被覆剤等としても好ましく用いることができる。中でも、硬化時間が短時間であることから、建造物の床面や壁面の被覆用途に特に好ましく用いられる。なおかつ、既に床材が施行された床を被覆する用途に特に好ましく用いられる。また、塗布される相手材の材質は、特に限定されないが、樹脂材料、木材、石材、セラミックタイル、金属等が挙げられ、被覆剤との付着性の観点から、樹脂材料であることが好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化性被覆剤組成物の硬化物は、活性エネルギー線硬化により架橋密度が高いため、上記作業性向上に加え、耐汚染性に優れ、また耐摩耗性、耐傷付性等の耐久性も優れている。
本発明の活性エネルギー線硬化性被覆剤組成物の硬化物の、スチールウール(#0000)を用いて、荷重1kg/cm2で表面を10往復擦過する試験を行った際の光沢保持率(試験後の光沢度(60°)/試験前の光沢度(60°)×100)は80%以上であることが好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化性被覆剤組成物には、必要に応じ、本発明の硬化を損なわない範囲内で、反応性希釈剤(モノマー)、光重合触媒や、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、造膜助剤、可塑剤、撥水剤、増粘剤、着色剤、顔料、珪素化合物などの各種添加剤が含まれていてもよい。
[A−1.カルボキシル基含有ウレタン(メタ)アクリレート]
前記カルボキシル基含有ウレタン(メタ)アクリレートとしては、分子中に少なくとも1つのカルボキシル基を有するポリオール化合物(以後、ポリオール(a)と称することがある。)、分子中に少なくとも2つのイソシアネート基を有するイソシアネート化合物(以後、イソシアネート(b)と称することがある。)、並びに、(メタ)アクリロイル基及び水酸基を少なくとも1つずつ有する化合物(以後、化合物(c)と称することがある。)の反応物であることが好ましい。
ポリオール(a)の水酸基とイソシアネート(b)のイソシアネート基の当量は、ポリオール(a)の水酸基1に対して、イソシアネート(b)のイソシアネート基は1.2〜2であることが好ましく、より好ましくは1.4〜1.8である。
化合物(c)の水酸基の当量が、イソシアネート(b)のイソシアネート基とポリオール(a)の水酸基の当量差以上になる((a)と(c)の水酸基当量の合計がイソシアネート基の当量以上となる)ように各成分を適宜に調整して使用するのが好ましい。イソシアネートは有害であるため、イソシアネート基が前記被覆組成物中に0.1重量%以上残らないようにする事が好ましい。
前記カルボキシル基含有ウレタン(メタ)アクリレートとしては、ポリオール(a)、イソシアネート(b)、化合物(c)の他に、鎖伸長剤としてポリアミンを反応させた反応物であっても良い。前記ポリアミンとしては、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン等が好ましく例示される。
前記カルボキシル基含有ウレタン(メタ)アクリレートの重量平均分子量は、ポリオール(a)の分子量、ポリオール(a)、イソシアネート(b)及び化合物(c)の官能基当量、仕込み比等によって制御することが可能である。上記重量平均分子量を好ましい範囲に制御するためには、ポリオール(a)の分子量は100〜5000が好ましく、より好ましくは500〜2000であり、ポリオール(a)の1分子中の水酸基数は2〜3が好ましい。また、イソシアネート(b)の1分子中のイソシアネート基数は2〜3が好ましい。さらに、(a)の水酸基当量を1とした場合の(b)のイソシアネート基当量は1.2〜2が好ましく、より好ましくは1.4〜1.8である。また、化合物(c)の1分子中の水酸基数は、末端封止機能を発揮する観点から1であることが好ましい。
[A−1−1.ポリオール(a)]
ポリオール(a)は、分子中に少なくとも1つのカルボキシル基を有するポリオール化合物であればよく、特に限定されないが、例えば、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸等が挙げられる。ポリオール(a)は、分子中に少なくとも1つのカルボキシル基を有するポリオール化合物1種のみで構成されていてもよいし、分子中に少なくとも1つのカルボキシル基を有するポリオール化合物2種以上の混合物であってもよい。
ポリオール(a)の酸価は、15〜40mgKOH/gが好ましく、より好ましくは20〜35mgKOH/gである。酸価が15mgKOH/g未満である場合には、前記カルボキシル基含有ウレタン(メタ)アクリレートの親水性が低下し、ディスパージョンの貯蔵安定性が低下する場合がある。また、酸価が40mgKOH/gを超える場合には、ディスパージョンが高粘度となり、塗布作業性が低下する場合がある。
[A−1−2.イソシアネート(b)]
イソシアネート(b)は、分子内に反応性イソシアネート基を2つ以上有するイソシアネート類であり、特に限定されないが、例えば、1,6−ヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等が挙げられる。また、上記のジイソシアネートから得られる3量体、該ジイソシアネート類をトリメチロールプロパンなどの多価アルコールと反応させたプレポリマー、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート等を用いることも可能である。イソシアネート(b)は、分子内に反応性イソシアネート基を2つ以上有するイソシアネート類1種のみで構成されていてもよいし、分子内に反応性イソシアネート基を2つ以上有するイソシアネート類2種以上の混合物であってもよい。
[A−1−3.化合物(c)]
化合物(c)は、(メタ)アクリロイル基及び水酸基を少なくとも1つずつ有する化合物であればよく、特に制限されないが、例えば、水酸基含有(メタ)アクリレートが例示される。特に1分子中に1つの水酸基を有することが好ましい。水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類、2−ヒドキシアルキル(メタ)アクリレートのε−カプロラクトン縮合物、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシフェノキシプロピル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ポリエポキシアクリレート等のポリオールポリアクリレート類などが挙げられる。化合物(c)は、(メタ)アクリロイル基及び水酸基を少なくとも1つずつ有する化合物1種のみで構成されていてもよいし、(メタ)アクリロイル基及び水酸基を少なくとも1つずつ有する化合物2種以上の混合物であってもよい。
[A−2.(メタ)アクリロイル基を有する化合物]
前記(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては、(メタ)アクリロイル基を有する化合物であれば良く、その他の点では特に制限されない。また、前記(メタ)アクリロイル基を有する化合物は、前記カルボキシル基含有ウレタン(メタ)アクリレートを含み、前記カルボキシル基含有ウレタン(メタ)アクリレート以外には、例えば、一般的に反応性希釈剤として用いられる単官能モノマーや多官能モノマー、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられ、アクリル当量(二重結合当量)の観点から、多官能モノマーが好ましく、中でもペンタエリスリトール(トリまたはテトラ)アクリレート、ジペンタエリスリトール(ペンタまたはヘキサ)アクリレートがより好ましい。
前記(メタ)アクリロイル基を有する化合物は、塗布作業性の観点から、分散体であることが好ましく、水分散体であることがより好ましい。分散体にすることで、高分子量体を低粘度で取り扱うことができる。前記(メタ)アクリロイル基を有する化合物が水や溶媒に溶解している場合には、前記カルボキシル基含有ウレタン(メタ)アクリレートの分子量を高くしてタックを抑制した場合に、被覆剤組成物溶液の粘度が高くなりすぎて塗布作業性が低下し、水に対して相分離を起こす場合には、保存安定性が悪いため、いずれも作業性、取り扱い性に劣る。
前記(メタ)アクリロイル基を有する化合物が水に分散している場合の、前記(メタ)アクリロイル基を有する化合物と水との比率(重量比)としては、特に制限されないが、例えば、前記(メタ)アクリロイル基を有する化合物100重量部に対して、水が45〜400重量部であり、好ましくは100〜300重量部であり、より好ましくは100〜250重量部である。
前記(メタ)アクリロイル基を有する化合物の重量平均分子量(ポリスチレン換算)は、10000〜30000であり、より好ましくは16000〜25000である。重量平均分子量が10000未満の場合には、被覆剤組成物を塗布後、活性エネルギー線照射前において、被覆層がタック性(粘着性)を有するため、活性エネルギー線照射作業の作業性が低下したり、被覆層の汚染原因となったりする。重量平均分子量が30000を超える場合には、カルボキシル基含有ウレタン(メタ)アクリレート製造時の攪拌トルクが大きくなる等の理由で、歩留まりが低下し製造コストが高くなる。
前記(メタ)アクリロイル基を有する化合物の硬化前のガラス転移温度(Tg)は、0℃以上が好ましく、より好ましくは30℃以上である。Tgが0℃未満の場合には、被覆剤組成物を塗布後、活性エネルギー線照射前において、被覆層がタック性を示し、作業性が低下したり、硬化後の被覆層の耐熱性、耐傷つき性などの物性が低下したりすることがある。
[A−3.光重合開始剤]
前記光重合開始剤は、活性エネルギー線の種類や、前記カルボキシル基含有ウレタン(メタ)アクリレートの種類によっても異なり、特に限定されないが、公知の光ラジカル重合開始剤や光カチオン重合開始剤を用いることができる。具体的には、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン系光重合開始剤;ベンジルジメチルケタール、ジエトキシアセトフェノン、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−トリクロロアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1等のアセトフェノン系光重合開始剤;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系光重合開始剤;チオキサンソン、2−クロルチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、2,4−ジメチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、2,4−ジクロロチオキサンソン、2,4−ジエチルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン等のチオキサントン系光重合開始剤などが挙げられる。中でも、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンが特に好ましく例示される。
前記光重合開始剤としては、市販品を用いることもでき、例えば、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製「ダロキュア1173」や「イルガキュア500、651、184、907」などが挙げられる。中でも、「ダロキュア1173」、「イルガキュア500」は液状であるため、被覆剤組成物の分散安定性が良好となるため好ましい。
上記光重合開始剤の含有量は、特に制限されないが、反応性と耐久性の観点から、前記(メタ)アクリロイル基を有する化合物の総量100重量部に対して、例えば1〜10重量部であり、好ましくは2〜8重量部であり、より好ましくは3〜7重量部である。
[A−4.活性エネルギー線硬化性被覆剤組成物の製造方法]
以下に、本発明の活性エネルギー線硬化性被覆剤組成物の製造方法を説明するが、製造方法は、ここに挙げる方法に限定されるものではない。
[A−4−1.カルボキシル基含有ウレタン(メタ)アクリレートの製造方法]
カルボキシル基含有ウレタン(メタ)アクリレートは、上記のポリオール(a)、イソシアネート(b)及び化合物(c)の各成分を反応させることにより製造することが好ましい。この場合の製造方法としては、特に制限されないが、例えば、主に(1)有機溶媒の存在下、上記3成分を反応させる反応工程、(2)得られたカルボキシル基含有ポリウレタン(メタ)アクリレートのカルボキシル基を中和する中和工程、(3)水を加えて乳化する乳化工程、及び(4)有機溶媒を除去して水分散液とする有機溶媒除去工程を含む製造方法等が挙げられる。
また、カルボキシル基含有ウレタン(メタ)アクリレートは、前記製造方法等で製造することができる他、Cytec Industries社製Uceocat 7571、7655、7699、7849、7631等の市販品を用いることも可能である。
カルボキシル基含有ウレタン(メタ)アクリレートの前記製造方法における各工程について、以下にその詳細を述べる。
<(1)反応工程>
(1)反応工程としては、例えば、以下の態様が挙げられる。
まず、有機溶媒の存在下において、ポリオール(a)、イソシアネート(b)および化合物(c)の各成分を反応させる。各成分は一括仕込みにより同時に反応させてもよいし、ポリオール(a)とイソシアネート(b)を先に反応させてもよい。反応制御の観点からは、先ずポリオール(a)とイソシアネート(b)を反応させて、末端イソシアネート基含有のウレタンプレポリマーとし、さらに、ウレタンプレポリマーの末端イソシアネート基に対して、化合物(c)を反応させるのが好ましい。
上記反応の反応温度は、反応効率と劣化・副生成物抑制の観点から、40〜100℃が好ましく、より好ましくは60〜80℃である。全反応時間は4〜12時間が好ましい。なお、反応の終了は、反応溶液をサンプリングして、イソシアネート残基をIRまたは滴定で定量することにより容易に確認しうる。イソシアネート残基量が0.1%以下となれば反応終了である。
上記のウレタン化反応(ポリオール(a)とイソシアネート(b)の反応)の際には、反応促進の観点から、オクチル酸第一スズなどの公知のウレタン化触媒を使用することが好ましい。また、さらに、ウレタン化反応に際して、化合物(c)の重合防止の観点から、重合防止剤を添加したり、エアーシールを行ったりすることが好ましい。重合防止剤としては、例えば、ハイドロキノン、メトキシフェノール、フェノチアジンなどが挙げられる。また、重合防止剤の添加量は、保存時の安定性及び使用時の反応性の観点から、反応系全体に対して10〜5000ppmが好ましく、より好ましくは50〜2000ppmである。
上記で用いる有機溶媒は、各成分および生成物との親和性の観点から、極性の高い有機溶剤が好ましく、特に、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤や酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤などが好ましい。なお、有機溶剤は、反応系の粘度が高くなり撹拌が困難となる前に加えればよく、反応開始時から系に加えておいても、反応途中で加えてもよい。
<(2)中和工程>
(2)中和工程としては、例えば、以下の態様が挙げられる。
(1)反応工程で得られたカルボキシル基含有ポリウレタン(メタ)アクリレートのカルボキシル基を、アミンにより中和して、アミン塩にする。上記アミンは、特に限定されないが、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、メチルジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等の3級アミンが好ましく例示される。上記の中和反応におけるカルボキシル基の中和率は70%以上が好ましく、特に好ましくは完全中和である。中和率が70%未満の場合には、カルボキシル基含有ポリウレタン(メタ)アクリレートの親水性が不十分であり、得られたディスパージョンの貯蔵安定性が低下することがある。なお、中和反応はカルボキシル基含有ポリウレタン(メタ)アクリレートの製造途中に行なってもよく、また製造終了後に行なってもよい。製造時の安定性の観点からは、終了後が好ましい。
<(3)乳化工程>
(3)乳化工程としては、例えば、以下の態様が挙げられる。
反応生成物の有機溶剤溶液に、撹拌しながら水を加えて乳化し、ディスパージョンとする。ポリウレタン(メタ)アクリレートの分散性の観点から、水の添加は数回に分割して加える方が好ましい。水の添加量は、反応生成物の固形分量100重量部に対して、100〜900重量部であることが好ましい。添加量が100重量部未満の場合には、被覆剤組成物の粘度が高くなり、塗布作業性が低下することがある。また、添加量が900重量部を超える場合には、被覆剤組成物塗布後の水の乾燥に長時間を要することがある。
<(4)有機溶媒除去工程>
(4)有機溶媒除去工程としては、例えば、得られたディスパージョンから有機溶剤を除去することにより、水に分散した前記カルボキシル基含有ウレタン(メタ)アクリレートを得る工程等が挙げられる。有機溶媒の除去方法としては、特に制限されず、従来公知の方法が挙げられる。
[A−4−2.光重合開始剤の添加]
活性エネルギー線硬化性被覆剤組成物の製造方法は、上記で得られたカルボキシル基含有ウレタン(メタ)アクリレートに光重合開始剤を添加して活性エネルギー線硬化性被覆剤組成物を得る光重合開始剤添加工程を有していても良い。
[A−4−3.活性エネルギー線硬化性被覆剤組成物の製造方法その他]
活性エネルギー線硬化性被覆剤組成物の製造方法は、必要に応じて、各種添加剤を添加する添加剤添加工程を有していてもよい。
[A−5.活性エネルギー線硬化性被覆剤組成物の塗布方法]
本発明の活性エネルギー線硬化性被覆剤組成物を塗布する場合、塗布方法としては、特に限定されず、刷毛、ローラー刷毛、ワイパー、スクイジー、ポリッシャーなどを用いることが可能である。塗布される被覆剤組成物の被覆量も、同様に特に限定されないが、一般的には5〜50g/m2が好ましい。
[A−6.活性エネルギー線硬化性被覆剤組成物の乾燥方法]
塗布された被覆層から、被覆剤組成物を分散させていた水の乾燥方法としては、特に限定されず、自然乾燥でもよいし、熱風ドライヤーやヒーター等を用いて強制乾燥を行ってもよい。
[A−7.活性エネルギー線硬化性被覆剤組成物の硬化方法]
被覆剤組成物の塗膜を硬化させ、硬化物を作製する場合には、活性エネルギー線を照射することが好ましい。この際に、照射する活性エネルギー線としては、可視光、赤外線、紫外線、X線、α線、β線、γ線、電子線などを用いることができる。中でも、安全性、反応効率などの作業性の観点などから紫外線が最も好ましく用いられる。用いられる紫外線の波長は200〜400nmが好ましく、好ましい照射条件としては、例えば、照度1〜1000mW/cm2、照射量0.1〜10000mJ/cm2である。活性エネルギー線の照射装置としては、例えば、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、エキシマランプなどのランプ光源、アルゴンイオンレーザーやヘリウムネオンレーザーなどのパルス、連続のレーザー光源などを用いることが可能である。
[B.床面被覆方法]
本発明の床面被覆方法は、
床面に塗布された前記活性エネルギー線硬化性被覆剤組成物を活性エネルギー線により硬化する硬化工程を有していれば良く、その他の点では特に制限されない。
本発明の床面被覆方法における具体的な硬化方法については、「A−6.活性エネルギー線硬化性被覆剤組成物の硬化方法」等で前述した方法等と同様に考えることができる。
本発明の床面被覆方法における床面とは、どのような形態および状態のものでよく、床面として通常使用される材料からなるものであればどのようなものでもよく、特に制限されないが、汎用性、経済性の観点から、ビニル床材が好ましい。
[C.物性の測定方法、及び効果の評価方法]
以下に、本願で用いられる測定方法および効果の評価方法について例示する。
(1)被覆剤組成物の不揮発分測定
被覆剤組成物(塗料)1gを105℃のオーブンにて2時間乾燥し、乾燥前後の重量変化から、不揮発分を算出した。
(2)塗膜の機械的性質
被覆剤組成物を、離型紙で作成した型枠に流し込み、温度23±5℃、湿度65±20%RHの恒温恒湿下で10日間乾燥し、膜厚75μm前後の塗膜を得た。更に、高圧水銀灯(アイグラフィックス社製、商品名「ECS−401」)を用いて、アクリルワックスおよびウレタン配合ワックス以外は、80Wの高圧水銀ランプで積算光量1000mJ/cm2の紫外線を照射し、塗膜を硬化させた。アクリルワックスおよびウレタン配合ワックスについては、活性エネルギー線硬化性は無いので紫外線の照射はせずに、乾燥のみで塗膜を硬化させた。
硬化塗膜を、温度23±5℃、湿度65±20%RHの恒温恒湿下で24時間置いた後、JIS K 7161に準拠して引張剥離試験を行い、引張ひずみ、引張強さおよび引張弾性率を測定した。
(3)密着性
被覆剤組成物を、ローラー刷毛を用いて、平米あたり20gをビニル床タイル(東リ社製、商品名「MSプレーン(MS5601)」)の表面に塗布した。被覆剤組成物を塗布したビニル床タイルを、温度23±5℃、湿度65±20%RHの恒温恒湿下に1時間置いて乾燥させた後、高圧水銀灯(アイグラフィックス社製、商品名「ECS−401」)を用いて、アクリルワックスおよびウレタン配合ワックス以外は、80Wの高圧水銀ランプで積算光量1000mJ/cm2の条件で紫外線を照射し、塗膜を硬化させた。硬化後、温度23±5℃、湿度65±20%RHの恒温恒湿下に24時間置いて、これを試験体とした。なお、アクリルワックスおよびウレタン配合ワックスについては、活性エネルギー線硬化性は無いので紫外線の照射はせずに、乾燥のみで塗膜を硬化させた。
JIS K 5400に準拠して、セロハンテープ剥離試験(クロスカットなし)を行い、剥離が見られない場合は密着性良好(○)、一部剥離が見られる場合は使用可能なレベル(△)、全面に剥離が見られる場合は密着性不良(×)と判断した。
(4)耐傷付性
(3)と同様にして得た試験体に対して、#0000スチールウールを用いて、1kg/cm2荷重で10回往復させた後の塗膜表面の傷付き状態を光沢保持率(試験後の光沢度(60°)/試験前の光沢度(60°)×100)で算出し、90%以上を耐傷付性良好(○)、80〜89%を使用可能なレベル(△)、79%未満を耐傷付性不良(×)と判断した。
(5)耐ゴム汚染性
(3)と同様にして得た試験体に対して、天然ゴム製(黒)シートを床材に合わせて100g/cm2の条件で荷重し、60℃雰囲気中で10日間養生した後の塗面の変色の有無を目視で観察し、全く変色が観察できない場合を耐ゴム汚染性良好(○)、実用上問題無い程度の変色が観察された場合を使用可能なレベル(△)、実用上問題となる程度の変色が観察された場合を耐ゴム汚染性不良(×)と判断した。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
[実施例1]
重量平均分子量13000、硬化前のTg40℃、固形分35重量%のカルボキシル基含有ポリウレタンアクリレートのディスパージョン(Cytec Industries社製、商品名「Uceocat 7571」。以後、UC7571と記載することがある。)を用い、カルボキシル基含有ポリウレタンアクリレートのディスパージョン100重量部に対して、表1に記載した量(重量部)の光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、商品名「ダロキュア 1173」)及び脱イオン水を添加、攪拌し、活性エネルギー線硬化性被覆剤組成物を得た。得られた活性エネルギー線硬化性被覆剤組成物は、表1に示すとおり、優れた密着性、及び耐ゴム汚染性を有しており、耐傷付性も実用に耐えるレベルのものであった。
[実施例2]
重量平均分子量13000、硬化前のTg60℃、固形分35重量%のカルボキシル基含有ポリウレタンアクリレートのディスパージョン(Cytec Industries社製、商品名「Uceocat 7655」。以後、UC7655と記載することがある。)を用い、実施例1と同様にして、活性エネルギー線硬化性被覆剤組成物を得た。得られた活性エネルギー線硬化性被覆剤組成物は、表1に示すとおり、優れた密着性、耐傷付性及び耐ゴム汚染性を有していた。
[実施例3]
重量平均分子量11000、硬化前のTg30℃、固形分35重量%のカルボキシル基含有ポリウレタンアクリレートのディスパージョン(Cytec Industries社製、商品名「Uceocat 7699」。以後、UC7699と記載することがある。)を用い、実施例1と同様にして、活性エネルギー線硬化性被覆剤組成物を得た。得られた活性エネルギー線硬化性被覆剤組成物は、表1に示すとおり、優れた密着性、耐傷付性及び耐ゴム汚染性を有していた。
[実施例4]
重量平均分子量15000、硬化前のTg50℃、固形分35重量%のカルボキシル基含有ポリウレタンアクリレートのディスパージョン(Cytec Industries社製、商品名「Uceocat 7849」。以後、UC7849と記載することがある。)を用い、実施例1と同様にして、活性エネルギー線硬化性被覆剤組成物を得た。得られた活性エネルギー線硬化性被覆剤組成物は、表1に示すとおり、優れた密着性、及び耐ゴム汚染性を有しており、耐傷付性も実用に耐えるレベルのものであった。
[実施例5]
重量平均分子量15000、硬化前のTg30℃、固形分35重量%のカルボキシル基含有ポリウレタンアクリレートのディスパージョン(Cytec Industries社製、商品名「Uceocat 7631」。以後、UC7631と記載することがある。)を用い、実施例1と同様にして、活性エネルギー線硬化性被覆剤組成物を得た。得られた活性エネルギー線硬化性被覆剤組成物は、表1に示すとおり、優れた密着性、及び耐ゴム汚染性を有しており、耐傷付性も実用に耐えるレベルのものであった。
[比較例1]
カルボキシル基含有ポリウレタンアクリレートに代えて、アクリルワックス(リンレイ社製、商品名「メガグロス」)、固形分20重量%を被覆剤組成物として用いた。表1に示すとおり、密着性は実用には耐えるレベルには留まってはいるものの実施例1〜5の場合に比べると劣り、耐傷付性及び耐ゴム汚染性は不良であった。
[比較例2]
カルボキシル基含有ポリウレタンアクリレートに代えて、ウレタン配合ワックス(ペンギンワックス社製、商品名「スーパーコアU」)、固形分25重量%を用い、光重合開始剤を用いず、脱イオン水の使用量を表1記載のようにした以外は実施例1と同様にして、被覆剤組成物を得た。得られた被覆剤組成物は、表1に示すとおり、耐傷付性及び耐ゴム汚染性が不良であった。
Figure 2014125855
本発明の活性エネルギー線硬化性被覆剤組成物及び床面被覆方法によれば、汚染防止コートの現場施工、必要な部分のみの汚染防止コートが可能であり、高度な耐汚染性、耐久性、弾性を発揮することもできるため、床材、特に長尺シートに代表される樹脂床材向け、あるいは、既に床材が施行された床に対する活性エネルギー線硬化性被覆剤組成物及び床面被覆方法として有用である。

Claims (6)

  1. (メタ)アクリロイル基を有する化合物と光重合開始剤とを含む活性エネルギー線硬化性被覆剤組成物であって、
    前記活性エネルギー線硬化性被覆剤組成物により形成された硬化塗膜の引張ひずみが25%以下であり、引張強さが10MPa以上であり、且つ引張弾性率が1000MPa以上であり(何れも、温度23±5℃、湿度65±20%RHの環境下にて、JIS K 7161に準拠して測定されたものとする。)、
    前記(メタ)アクリロイル基を有する化合物が、少なくともカルボキシル基含有ウレタン(メタ)アクリレートを含むことを特徴とする活性エネルギー線硬化性被覆剤組成物。
  2. 前記カルボキシル基含有ウレタン(メタ)アクリレートが、分子中に少なくとも1つのカルボキシル基を有するポリオール化合物、分子中に少なくとも2つのイソシアネート基を有するイソシアネート化合物、並びに(メタ)アクリロイル基及び水酸基を少なくとも1つずつ有する化合物の反応物である請求項1記載の活性エネルギー線硬化性被覆剤組成物。
  3. 前記(メタ)アクリロイル基を有する化合物の重量平均分子量が、10000〜30000である請求項1又は2記載の活性エネルギー線硬化性被覆剤組成物。
  4. 前記(メタ)アクリロイル基を有する化合物が水分散体である請求項1〜3の何れか1項に記載の活性エネルギー線硬化性被覆剤組成物。
  5. 床面に塗布する用途に用いられる請求項1〜4の何れか1項に記載の活性エネルギー線硬化性被覆剤組成物。
  6. 床面に塗布された請求項1〜5の何れか1項に記載の活性エネルギー線硬化性被覆剤組成物を活性エネルギー線により硬化する硬化工程を有する床面被覆方法。
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