JP6686274B2 - 光硬化性樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、光硬化性樹脂組成物に関する。
近年、電子材料の接着剤や粘着剤として、光重合性樹脂を含有する組成物が知られている。
例えば、特許文献1には、(A)重量平均分子量が1万〜30万である(メタ)アクリル基含有ポリオレフィン化合物、(B)ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステル、(C)ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステル以外の光重合性単量体、及び(D)光重合開始剤を含有してなる光硬化性透明粘着シート用組成物であって、(A)重量平均分子量が1万〜30万である(メタ)アクリル基含有ポリオレフィン化合物が、ポリオレフィンポリオールと多官能イソシアネート化合物を反応させ、次いで、残存する水酸基又はイソシアネート基に対し、50〜80mol%の(メタ)アクリル基を有する化合物を反応させることで、分子中に(メタ)アクリル基を導入させて得られるウレタン(メタ)アクリレート化合物であり、(C)ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステル以外の光重合性単量体に含まれるカルボキシル基含有単量体が(C)ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステル以外の光重合性単量体の全量に対して、0.1質量%以下であることを特徴とする光硬化性透明粘着シート用組成物が記載されている(請求項1)。また、特許文献1の実施例2には、イソホロンジイソシアネート1モル及び水酸基末端水素添加ポリブタジエン2モルを反応させ、残存イソシアネート基が0.1%以下となった時点で、2−イソシアネートエチルアクリレート1.4モルを反応をさせて得られる(メタ)アクリル基含有ポリオレフィン化合物(A−2)、ヒドロキシエチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、光重合開始剤等を含有する組成物が記載されている。
国際公開第2012/043550号公報
このようななか、本発明者らは特許文献1をもとに(メタ)アクリル基含有ポリオレフィン化合物を含有する組成物を調製したところ、このような組成物を使用して接着させた際の接着強度が低くなる場合があることを知見した。また、上記組成物を使用した場合、高温高湿の条件下における接着強度が低くなる場合があることを知見した。
そこで、本発明は、接着強度(特に高温高湿の条件下における接着強度。以下同様)に優れる光硬化性樹脂組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、主鎖の骨格としてブタジエン及びイソプレンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含むモノマーから形成される重合体又はその水素化物を有し、末端に2つの(メタ)アクリロイルオキシ基を備える特定の官能基を有する(メタ)アクリロイルオキシ基含有重合体aを含有する組成物によれば、接着強度を高くすることができることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、以下の構成により上記課題を解決できることを見出した。
1. (メタ)アクリロイルオキシ基含有重合体(A)と、単官能(メタ)アクリレート化合物と、光重合開始剤とを含有し、
前記(メタ)アクリロイルオキシ基含有重合体(A)の一部又は全部が、
主鎖の骨格としてブタジエン及びイソプレンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含むモノマーから形成される重合体又はその水素化物を有し、末端に下記式(1)で表される官能基を有する(メタ)アクリロイルオキシ基含有重合体aである、光硬化性樹脂組成物。
(式中、R1、R2はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、m、nはそれぞれ独立に1〜5であり、*は前記主鎖との結合位置を表す。)
2. 前記主鎖と前記官能基とが、直接又はヘテロ原子若しくは有機基を介して結合する、上記1に記載の光硬化性樹脂組成物。
3. 前記有機基が、ウレタン結合を2個以上有する、上記2に記載の光硬化性樹脂組成物。
4. 前記骨格が、下記式(Ia)〜式(Ic)で表される繰り返し単位からなる群から選ばれる少なくとも1種を有する、上記1〜3のいずれか1つに記載の光硬化性樹脂組成物。
(式(Ia)〜式(Ic)中、破線と実線との二重線は単結合または二重結合を表す。)
5. 前記式(Ia)で表される繰り返し単位の含有量1が、前記式(Ia)〜式(Ic)で表される繰り返し単位の合計に対して、0〜40モル%であり、
前記式(Ib)で表される繰り返し単位の含有量2が、前記式(Ia)〜式(Ic)で表される繰り返し単位の合計に対して、0〜100モル%であり、
前記式(Ic)で表される繰り返し単位の含有量3が、前記式(Ia)〜式(Ic)で表される繰り返し単位の合計に対して、0〜100モル%である、上記4に記載の光硬化性樹脂組成物。
6. 前記(メタ)アクリロイルオキシ基含有重合体aが、1分子中に(メタ)アクリロイルオキシ基を3個以上有する、上記1〜5のいずれか1つに記載の光硬化性樹脂組成物。
7. 前記(メタ)アクリロイルオキシ基含有重合体aの含有量が、前記(メタ)アクリロイルオキシ基含有重合体(A)全量に対して、10〜100質量%である、上記1〜6のいずれか1つに記載の光硬化性樹脂組成物。
8. 更に可塑剤を含有する、上記1〜7のいずれか1つに記載の光硬化性樹脂組成物。
本発明によれば、接着強度に優れる光硬化性樹脂組成物を提供することができる。
本発明について以下詳細に説明する。
なお、本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレートまたはメタクリレートを表し、(メタ)アクリロイルとは、アクリロイルまたはメタクリロイルを表し、(メタ)アクリルとは、アクリルまたはメタクリルを表す。
また、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
また、本明細書において、成分が2種以上の化合物を含む場合、上記成分の含有量とは、2種以上の化合物の合計の含有量を指す。
[光硬化性樹脂組成物]
本発明の光硬化性樹脂組成物(本発明の組成物)は、
(メタ)アクリロイルオキシ基含有重合体(A)と、単官能(メタ)アクリレート化合物と、光重合開始剤とを含有し、
前記(メタ)アクリロイルオキシ基含有重合体(A)の一部又は全部が、
主鎖の骨格としてブタジエン及びイソプレンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含むモノマーから形成される重合体又はその水素化物を有し、末端に下記式(1)で表される官能基を有する(メタ)アクリロイルオキシ基含有重合体aである、光硬化性樹脂組成物である。
(式中、R1、R2はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、m、nはそれぞれ独立に1〜5であり、*は前記主鎖との結合位置を表す。)
本発明の組成物は(メタ)アクリロイルオキシ基含有重合体a(重合体a)を含有することによって、所望の効果が得られるものと考えられる。その理由は明らかではないが、およそ以下のとおりと推測される。
すなわち、上記重合体aの末端にある官能基が(メタ)アクリロイルオキシ基を2個備えるため、末端における(メタ)アクリロイルオキシ基が1つである重合体に比べて、反応性(重合性)が高いと推測される。
このように反応性が高いことによって、上記重合体aを含有する本発明の組成物は接着強度(特に、高温高湿条件下における接着強度)に優れると推測される。
以下、本発明の組成物に含有される各成分について詳述する。
〔(メタ)アクリロイルオキシ基含有重合体a〕
本発明の組成物に含有される(メタ)アクリロイルオキシ基含有重合体a(重合体a)は、
主鎖の骨格として、ブタジエン及びイソプレンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含むモノマーから形成される重合体又はその水素化物を有し、
末端に、下記式(1)で表される官能基を有する、(メタ)アクリロイルオキシ基含有重合体である。
(式中、R1、R2はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、m、nはそれぞれ独立に1〜5であり、*は前記主鎖との結合位置を表す。)
(主鎖)
上記重合体aは、その主鎖の骨格として、ブタジエン及びイソプレンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含むモノマーから形成される重合体又はその水素化物を有する。
上記主鎖は、単独重合体、共重合体のいずれであってもよい。主鎖が共重合体である場合、上記共重合体としては、例えば、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体、これらの組合せが挙げられる。重合体としては、例えば、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ブタジエンイソプレン共重合体が挙げられる。
また、上記主鎖は、上記モノマーから形成される重合体の水素化物であってもよい。上記水素化物は、上記重合体が有する一部又は全ての二重結合が水素化されたものとすることができる。上記重合体の水素化率は特に制限されない。
上記重合体aの主鎖の骨格は、下記式(Ia)〜式(Ic)で表される繰り返し単位からなる群から選ばれる少なくとも1種を有するのが好ましい。
(式(Ia)〜式(Ic)中、破線と実線との二重線は単結合または二重結合を表す。)
上記式(Ia)で表される繰り返し単位の含有量1は、上記式(Ia)〜式(Ic)で表される繰り返し単位の合計に対して、0〜40モル%であるのが好ましく、0〜35モル%がより好ましい。
上記式(Ib)で表される繰り返し単位の含有量2は、上記式(Ia)〜式(Ic)で表される繰り返し単位の合計に対して、0〜100モル%であるのが好ましく、0〜90モル%がより好ましい。
上記式(Ic)で表される繰り返し単位の含有量3は、上記式(Ia)〜式(Ic)で表される繰り返し単位の合計に対して、0〜100モル%であるのが好ましく、0〜50モル%がより好ましい。
式(Ia)〜式(Ic)で表される繰り返し単位の組合せとしては、例えば、式(Ia)と式(Ib)で表される繰り返し単位の組合せが好ましい態様の1つとして挙げられる。
また、上記重合体aを製造する際に使用される原料ポリマーが有する、式(Ia)〜式(Ic)で表される繰り返し単位の各比率を、上記含有量1、2及び3に反映させることができる。
上記含有量1、2及び3はH−NMRおよび13C−NMR分析の結果から算出することができる。
(官能基)
上記重合体aは、その末端に、下記式(1)で表される官能基を有する。
(式中、R1、R2はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、m、nはそれぞれ独立に1〜5であり、*は前記主鎖との結合位置を表す。)
mは1〜3が好ましい。
nは1〜3が好ましい。
式(1)で表される官能基としては、例えば、下記式(1′)で表される官能基が挙げられる。
式中、R1、R2、m、n、*は式(1)と同じである。
*に隣接する酸素原子は、酸素原子を有する結合(例えばウレタン結合)の一部を形成してもよい。酸素原子を有する結合は後述する有機基に含まれてもよい。
上記重合体aが1分子中に有する式(1)で表される官能基の数は、1個又は2個以上である。上記官能基の数は10個以下とすることができる。上記官能基の数は1個又は2個が好ましい。
上記重合体aは、少なくとも1つの末端又は全ての末端に、式(1)で表される官能基を有することができる。上記主鎖が直鎖状である場合、主鎖の片方の末端又は両末端に式(1)で表される官能基を有することができる。
上記重合体aにおいて、上記主鎖と上記官能基とは、直接又はヘテロ原子若しくは有機基を介して結合することができる。
<ヘテロ原子>
ヘテロ原子は少なくとも2価であればよい。2価のヘテロ原子としては、例えば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子が挙げられる。
(有機基)
上記主鎖と上記官能基とを結合する有機基は特に制限されない。例えば、ヘテロ原子を有してもよい炭化水素基が挙げられる。なお有機基は2価以上とすることができる。
炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基(脂環式を含む)、芳香族炭化水素基、これらの組合せが挙げられる。炭化水素基は、直鎖状、分岐状のいずれでもよい。炭化水素基は不飽和結合を有することができる。
炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、ヘキサメチレン基のような炭素数1〜10のアルキル基の残基;シクロヘキサンのような脂環式炭化水素基の残基:ベンゼンのような芳香族炭化水素基の残基;イソホロンジイソシアネートなどに由来する、アルキル基と脂環式炭化水素基との組合せの残基が挙げられる。
ヘテロ原子としては、例えば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ハロゲン、これらの組合せが挙げられる。ヘテロ原子を組み合わせた置換基としては、例えば、ウレタン結合、エステル結合、ウレア結合が挙げられる。なかでもウレタン結合が好ましい態様の1つとして挙げられる。
1つの有機基が有する上記置換基の数は、1個又は2個以上とすることができる。上記数は2個であるのが好ましい態様の1つとして挙げられる。
1つの有機基が有する上記置換基の数が2個である場合、2個の置換基の間に、ヘテロ原子を有してもよい炭化水素基を配置することができる。この場合、有機基は、−置換基1−ヘテロ原子を有してもよい炭化水素基−置換基2−と表すことができる。置換基1、2は同じでも異なってもよい。
上記重合体aが1分子中に有する(メタ)アクリロイルオキシ基の数は、2個以上であるのが好ましく、3〜6個がより好ましく、4個であるのが更に好ましい。このうち、少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基は上記式(1)で表される官能基に由来する。
上記重合体aは、更に、上記官能基とは別の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する基(別の基)を有することができる。
上記別の基の結合位置は特に制限されないが、例えば、上記重合体aの末端が挙げられる。
上記別の基としては、例えば、CH2=CR−CO−O−R1−*(式中、Rは水素原子又はメチル基であり、R1は炭化水素基であり、*は主鎖との結合位置を示す。)で表される基が挙げられる。
1としての炭化水素基は上記と同様である。例えば、炭素数1〜10のアルキレン基が挙げられ、具体的には例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、ブチレン基が挙げられる。
上記重合体aが1分子中に有することができる上記別の基の数は、0個又は1個以上とすることができる。上記別の基の数は10個以下とすることができる。上記別の基の数は1個又は2個が好ましい。
上記別の(メタ)アクリロイルオキシ基は主鎖と直接又はヘテロ原子若しくは有機基を介して結合することができる。ヘテロ原子、有機基は上記と同様である。
上記重合体aとしては、例えば、下記式(4)で表される重合体が挙げられる。
式(4):
[官能基−置換基1−ヘテロ原子を有してもよい炭化水素基−置換基2]2−主鎖
式中、官能基は式(1)で表される官能基又は上記別の基を表し、少なくとも1つの官能基は式(1)で表される官能基である。
式(4)中、置換基1−ヘテロ原子を有してもよい炭化水素基−置換基2が有機基に該当する。
式(1)で表される官能基、別の基、ヘテロ原子を有してもよい炭化水素基は上記と同様である。置換基1、2は上記置換基と同様である。
重合体aの数平均分子量は、5,000〜100,000であるのが好ましく、10,000〜70,000であるのがより好ましい。重合体aの数平均分子量は、テトラヒドロフランを溶媒とするポリスチレン換算によるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定により求めた値である。
<(メタ)アクリロイルオキシ基含有重合体(A)>
本発明の組成物に含有される(メタ)アクリロイルオキシ基含有重合体(A)は、その一部又は全部が上記重合体aである。上記重合体aはそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
重合体(A)の一部が上記重合体aである場合、重合体(A)が更に含むことができる他の(メタ)アクリロイルオキシ基含有重合体としては、例えば、すべての末端に1つの(メタ)アクリロイルオキシ基を有する重合体bが挙げられる。
重合体bは、主鎖を有し、上記主鎖と(メタ)アクリロイルオキシ基とは直接又は有機基を介して結合することができる。重合体bが有する主鎖の骨格、有機基は上記と同様である。重合体bが有する(メタ)アクリロイルオキシ基としては、例えば、上記の官能基とは別の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する基(別の基)が挙げられる。
他の(メタ)アクリロイルオキシ基含有重合体の数平均分子量は、5,000〜100,000であるのが好ましく、10,000〜70,000であるのがより好ましい。他の(メタ)アクリロイルオキシ基含有重合体の数平均分子量は、テトラヒドロフランを溶媒とするポリスチレン換算によるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定により求めた値である。
重合体bはそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
重合体aの含有量は、重合体(A)全量に対して、10〜100質量%であるのが好ましく、10〜80質量%であるのがより好ましく、20〜65質量%であるのが更に好ましい。
<(メタ)アクリロイルオキシ基含有重合体(A)の製造方法>
重合体(A)の製造方法としては、例えば、末端に活性水素含有基を有する原料ポリマーとポリイソシアネートとを反応させ、末端にイソシアネート基を有するイソシアネート基含有重合体を製造する工程1と、次に、イソシアネート基含有重合体と、(メタ)アクリロイルオキシ基と活性水素含有基とを有する(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物とを反応させて、(メタ)アクリロイルオキシ基含有重合体(A)を製造する工程2とを有する方法1;上記重合体(A)と上記重合体bとを混合する方法2が挙げられる。上記方法2において混合方法は特に制限されない。
(方法1について)
上記方法1について以下に説明する。
・工程1
工程1は、末端に活性水素含有基を有する原料ポリマーとポリイソシアネートとを反応させ、末端にイソシアネート基を有するイソシアネート基含有重合体を製造する工程である。イソシアネート基含有重合体は少なくとも1つの末端又は全ての末端にイソシアネート基を有することができる。
(i)原料ポリマー
工程1において使用される原料ポリマーとしては、例えば、主鎖の骨格として、ブタジエン及びイソプレンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含むモノマーから形成される重合体又はその水素化物を有し、末端に活性水素含有基(例えば、水酸基)を有する、活性水素含有重合体が挙げられる。活性水素含有重合体は少なくとも1つの末端又は全ての末端に活性水素基を有せばよい。
原料ポリマーの主鎖の骨格としては、例えば、下記式(Ia)〜式(Ic)で表される繰り返し単位からなる群から選ばれる少なくとも1種を有するものが挙げられる。
(式(Ia)〜式(Ic)中、破線と実線との二重線は単結合または二重結合を表す。)
原料ポリマーにおける式(Ia)で表される繰り返し単位の含有量4は、上記重合体aにおける上記含有量1と同様である。原料ポリマーにおける式(Ib)の含有量5は上記含有量2と同様であり、原料ポリマーにおける式(Ic)の含有量6は上記含有量3と同様である。
原料ポリマーとしては、例えば、下記式(a1)〜式(a4)で表される両末端水酸基ポリブタジエンが好適に挙げられる。
(式(a1)および(a2)中、mは、15〜90の整数を表す。)
式(a3)中、mは0〜50の整数である。nは0から90の整数であり、5〜90が好ましい。mとnの合計は140以下とすることができ、90以下が好ましい。mとnは同時に0ではない。
式(a4)中、mは10〜90の整数である。
原料ポリマーの数平均分子量は、1000〜10000であるのが好ましく、1500〜5000であるのがより好ましい。原料ポリマーの数平均分子量は、テトラヒドロフランを溶媒とするポリスチレン換算によるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定により求めた値である。
原料ポリマーはそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
(ii)ポリイソシアネート
工程1において使用されるポリイソシアネートは、分子内にイソシアネート基を2個有するものであれば特に限定されない。
ポリイソシアネートとしては、具体的には、例えば、TDI(例えば、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI))、MDI(例えば、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4′−MDI)、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,4′−MDI))、1,4−フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、トリフェニルメタントリイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHDI)、リジンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート(NBDI)、トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン(H6XDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)などの脂肪族ジイソシアネート(脂環式炭化水素基を有するジイソシアネートを含む);上述したジイソシアネートのイソシアヌレート体、ビウレット体、アダクト体;等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
原料ポリマーとポリイソシアネートとの量比は、活性水素含有基とイソシアネート基とのモル比(活性水素含有基/イソシアネート基)が1より大きい値(例えば、1.1〜2)とすることができる。
工程1において、原料ポリマーとポリイソシアネートとを混合し、窒素雰囲気下、50〜150℃の条件で加熱することによって、イソシアネート基含有重合体を製造することができる。
なお、工程1において、1つのポリイソシアネートが有する複数のイソシアネート基と原料ポリマーとが反応することによって、原料ポリマーが高分子量化されてもよい。
・工程2
工程2は、工程1で得られたイソシアネート基含有重合体と、(メタ)アクリロイルオキシ基と活性水素含有基とを有する(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物とを反応させて、(メタ)アクリロイルオキシ基含有重合体(A)を製造する工程である。
(i)(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物
工程2において使用される(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物は、(メタ)アクリロイルオキシ基と活性水素含有基とを有する化合物である。活性水素含有基としては例えば、水酸基、アミノ基等が挙げられる。
(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物としては、例えば、下記式(3)で表される化合物が挙げられる。
(式中、R1、R2はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、m、nはそれぞれ独立に1〜5であり、Xは活性水素含有基であり、*は前記主鎖との結合位置を表す。)
m、nは上記式(1)と同様である。活性水素含有基は上記と同様である。
式(3)で表される化合物としては、例えば、下記式(3−1)で表される化合物が挙げられる。
式中、R1、R2、m、nは式(1)と同様である。
式(3)で表される化合物としては、具体的には例えば、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル(メタ)アクリレートが挙げられる。
工程2において、(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物として、上記式(3)で表される化合物に、別の(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物を併用することができる。別の(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物としては、例えば、1分子中に1つの(メタ)アクリロイルオキシ基と活性水素含有基とを有する化合物が挙げられる。
上記別の(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物としては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートモノ(メタ)アクリレート)のような、ヒドロキシ基を1個又は2個以上有するモノ(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物が挙げられる。
(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物はその製造について特に制限されない。例えば従来公知のものが挙げられる。また(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物として市販品を用いることができる。上記式(3−1)で表される化合物は例えば特開2007−28995号公報に記載されている製造方法に従って製造することができる。
工程2において使用される(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物の合計に対する式(3)で表される化合物のモル比率(式(3)で表される化合物/工程2において使用される(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物の合計)は、50モル%以上であるのが好ましい。
(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物はそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物の使用量は、上記イソシアネート基含有重合体100質量部に対して、1〜100質量部であるのが好ましく、5〜30質量部であるのがより好ましい。
工程2において、イソシアネート基含有重合体と(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物とを混合して、50〜150℃の条件下に加熱することによって、重合体(A)を製造することができる。
上記のとおり製造された重合体(A)は混合物であってもよい。混合物としては例えば、重合体aを2種以上含むもの、重合体aと重合体a以外の重合体(例えば重合体b)とを含むものが挙げられる。
(方法2について)
上記方法2において使用される重合体bは、その製造について特に制限されない。例えば、上記工程2において上記式(3)で表される化合物を上記別の(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物に代える他は、重合体(A)の製造と同様に製造を行って、すべての末端に1つの(メタ)アクリロイルオキシ基を有する重合体bを製造する方法が挙げられる。
<単官能(メタ)アクリレート化合物>
本発明の組成物に含有される単官能(メタ)アクリレート化合物は、(メタ)アクリロイルオキシ基を1個有する化合物であれば特に限定されない。(メタ)アクリロイルオキシ基は炭化水素基に結合することができる。炭化水素基は特に制限されない。例えば、上記と同様のものが挙げられる。
単官能(メタ)アクリレート化合物の具体例としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、上記(メタ)アクリロイルオキシ基含有重合体(A)への相溶性が良好となり、耐候性にも優れる理由から、脂環式炭化水素基を有する化合物、鎖状炭化水素基を有する化合物が好ましく、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレートであるのがより好ましい。
上記単官能(メタ)アクリレート化合物の含有量は、上記(メタ)アクリロイルオキシ基含有重合体(A)100質量部に対して、10〜200質量部であるのが好ましく、30〜100質量部であるのがより好ましい。
<光重合開始剤>
本発明の組成物に含有される光重合開始剤は特に制限されない。例えば、アルキルフェノン系化合物、ベンゾインエーテル系化合物、ベンゾフェノン系化合物のようなカルボニル化合物、硫黄化合物、アゾ化合物、パーオキサイド化合物、ホスフィンオキサイド系化合物等が挙げられる。
より具体的には、例えば、アセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、アセトイン、ブチロイン、トルオイン、ベンジル、ベンゾフェノン、p−メトキシベンゾフェノン、ジエトキシアセトフェノン、α,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノン、メチルフェニルグリオキシレート、エチルフェニルグリオキシレート、4,4′−ビス(ジメチルアミノベンゾフェノン)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、下記式(1)で表される1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどのカルボニル化合物;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィドなどの硫黄化合物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−2,4−ジメチルバレロなどのアゾ化合物;ベンゾイルパーオキサイド、ジターシャリーブチルパーオキサイドなどのパーオキサイド化合物:等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、光安定性、光開裂の高効率性、上記(メタ)アクリロイルオキシ基含有重合体(A)との相溶性、低揮発、低臭気という観点から、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オンが好ましい。
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンの市販品としては、例えば、イルガキュア184(チバスペシャリティケミカルズ社製)が挙げられる。
上記光重合開始剤の含有量は、上記(メタ)アクリロイルオキシ基含有重合体(A)100質量部に対して1〜10質量部であるのが好ましく、2〜8質量部であるのがより好ましい。
<可塑剤>
本発明の組成物は更に可塑剤を含有するのが好ましい態様の1つとして挙げられる。
可塑剤は特に制限されない。例えば、エステル系可塑剤(例えば、テトラエチレングリコールエステル系可塑剤)、ポリエチレン系可塑剤が挙げられる。
可塑剤は室温で液状であるのが好ましい態様の1つとして挙げられる。
可塑剤はそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
可塑剤の含有量は、重合体(A)100質量部に対して、10〜100質量部であるのが好ましく、20〜70質量部であるのがより好ましい。
<溶剤、添加剤>
本発明の組成物は、作業性の観点から、溶剤を更に含有していてもよい。
溶剤としては、具体的には、例えば、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、シクロヘキサノン等が挙げられる。
本発明の組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、種々の添加剤、例えば、重合体(A)以外の多官能(メタ)アクリレート、充填剤、老化防止剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、接着性付与剤、レベリング剤、分散剤、消泡剤、艶消し剤、光安定剤(例えば、ヒンダードアミン系化合物等)、染料、顔料等を更に含有することができる。
(製造方法)
本発明の組成物はその製造方法について特に限定されず、例えば、反応容器に上記の各必須成分と任意成分とを入れ、減圧下で混合ミキサー等のかくはん機を用いて十分に混合する方法等により製造することができる。
本発明の組成物は、光によって硬化することができる。
本発明の組成物に照射する光は特に制限されない。例えば、紫外線が挙げられる。
本発明の組成物を硬化させる際の温度条件は特に制限されない。例えば、0〜150℃とすることができる。
本発明の組成物は例えば、接着剤として使用することができる。
本発明の組成物を適用することができる基材(被着体)は特に制限されない。例えば、ガラス、プラスチック、ゴム、金属が挙げられる。
以下、実施例を用いて、本発明について詳細に説明する。ただし本発明はこれに限定されない。
<(メタ)アクリロイルオキシ基含有重合体(A)の製造>
(メタ)アクリロイルオキシ基含有重合体(A)の製造には、第1表に示す各成分を同表に示す量(単位g)で用いた。まず、各原料ポリマーを各ポリイソシアネートと混合し、窒素雰囲気下、70℃の条件において5時間反応させ、両末端にイソシアネート基を有するイソシアネート基含有重合体を得た。次に、NCO残量が0.96%以下となった時点で、反応系内に各(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物を添加し、70℃の条件下において5時間反応させて、(メタ)アクリロイルオキシ基含有重合体(A)を製造した。
製造例1で製造された(メタ)アクリロイルオキシ基含有重合体を重合体(A−1)とする。また他の製造例で製造された重合体を第1表に示すとおりとする。
上記のとおり製造された(メタ)アクリロイルオキシ基含有重合体の構造は、下記式(5)で表される。
式(5):
[官能基−ウレタン結合1−ポリイソシアネート残基−ウレタン結合2]2−原料ポリマー残基
式(5)において原料ポリマー残基は(メタ)アクリロイルオキシ基含有重合体の主鎖に該当する。上記のとおり製造された重合体は、原料ポリマーに由来する主鎖を有する。上記のとおり製造された重合体の主鎖は、原料ポリマーの2量体以上であってもよい。上記のとおり製造された重合体の主鎖は、製造の際に使用されたポリイソシアネートに由来するウレタン結合を含んでもよい。
また、式(5)においてウレタン結合1からウレタン結合2までが有機基に該当する。
・重合体(A−1)
重合体(A−1)が有する官能基は、2つとも、下記式(1−1)で表される基であった。
重合体(A−1)の含有量1は10モル%であり、含有量2は90モル%であった。
なおポリイソシアネート残基は、イソホロンジイソシアネート残基であった。
重合体(A−1)の数平均分子量は23,000であった。
・重合体(A−2)
重合体(A−2)の官能基は、2つとも、上記式(1−1)で表される基であった。
重合体(A−2)の含有量1は15モル%であり、含有量2は85モル%であった。
重合体(A−2)の数平均分子量は23,000であった。
・重合体(A−3)
重合体(A−3)は、重合体(A−3−1)、重合体(A−3−2)及び重合体(A−3−3)を含有する混合物であった。
重合体(A−3−1)〜(A−3−3)は、官能基以外は同じであった。
重合体(A−3)の含有量1は35モル%であり、含有量2は65モル%であった。
重合体(A−3−1)が有する官能基は2つとも上記式(1−1)で表される基であった。
重合体(A−3−2)が有する1つの官能基は上記式(1−1)で表される基であり、残りの1つは下記式(2−1)で表される基であった。
重合体(A−3−3)が有する官能基は2つとも上記式(2−1)で表される基であった。
・重合体(A−4)
重合体(A−4)は、重合体(A−4−1)、重合体(A−4−2)及び重合体(A−4−3)を含有する混合物であった。
重合体(A−4−1)〜(A−4−3)は、官能基以外は同じであった。
重合体(A−4)の含有量1は35モル%であり、含有量2は65モル%であった。
重合体(A−4−1)が有する官能基は2つとも下記式(1−2)で表される基であった。
重合体(A−4−2)が有する1つの官能基は上記式(1−2)で表される基であり、残りの1つは上記式(2−1)で表される基であった。
重合体(A−4−3)が有する官能基は2つとも上記式(2−1)で表される基であった。
・重合体(A−5)
重合体(A−5)の官能基は、2つとも、上記式(1−1)で表される基であった。
重合体(A−5)の含有量1は35モル%であり、含有量2は65モル%であった。なおポリイソシアネート残基は、ヘキサメチレンジイソシアネート残基であった。
・重合体(A−6)
重合体(A−6)の官能基は、2つとも、上記式(1−1)で表される基であった。
重合体(A−6)の含有量1は10モル%であり、含有量2は90モル%であった。なおポリイソシアネート残基は、イソホロンジイソシアネート残基であった。
・重合体(A−7)
重合体(A−7)の官能基は、2つとも、上記式(1−1)で表される基であった。
重合体(A−7)の含有量3は100モル%であった。なおポリイソシアネート残基は、イソホロンジイソシアネート残基であった。
・比較重合体(E−1)
比較重合体(E−1)の官能基は、2つとも、上記式(2−1)で表される基であった。
比較重合体(E−1)の含有量1は10モル%であり、含有量2は90モル%であった。なおポリイソシアネート残基はイソホロンジイソシアネート残基であった。
・比較重合体(E−2)
比較重合体(E−2)の官能基は、2つとも、下記式(2−2)で表される基であった。
比較重合体(E−2)の含有量1は10モル%であり、含有量2は90モル%であった。なおポリイソシアネート残基はイソホロンジイソシアネート残基であった。
第1表に示した各成分の詳細は以下のとおりである。
なお、各原料ポリマーの主鎖を構成する、式(Ia)〜式(Ic)で表される繰り返し単位の合計に対する式(Ia)で表される繰り返し単位の含有量を含有量4と表示した。式(Ib)については含有量5、式(Ic)については含有量6と表示した。
((メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物2の製造)
特開2007−28995号公報(実施例2)に記載された製造方法に従って、グリセリンとアクリル酸メチルとを極性有機溶媒中リパーゼの存在下でエステル交換反応させることによって、(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物2を製造した。
<組成物の製造>
下記第3表に示す各成分を同表に示す組成(質量部)で、かくはん機を用いて混合し、各組成物を得た。
<組成物の硬化>
上記のとおり得られた各組成物を以下に示す硬化条件で硬化させた。
(積層体の作製)
各組成物を直径5mmの接着面積、接着厚み0.3mmとなるようにガラス基板に塗布し、上記ガラス基板と直行するように他のガラス基板を貼り合わせて積層体を作製した。
(硬化条件)
上記のとおり作製した積層体に、光照射装置(GS UVSYSTEM TYPE S250−01、ジーエス・ユアサ ライティング社製)を用いて、紫外線(光源:メタルハイドロランプ、波長250〜380nm)を、光量120mW/cm、積算光量1000mJ/cm2、窒素流通下、23℃の条件下で照射し、接着サンプルを作製した。
<評価>
上記のとおり作製した接着サンプルを用いて以下の評価を行った。結果を第3表に示す。
・初期接着強度
上記のとおり作製した接着サンプルの一方のガラス基板を固定して、23℃の条件下で、他のガラス基板を引張り試験速度5mm/minにて引張る引張試験を行い、接着強度を測定した。これらのガラス基板が剥がれたときの接着強度の最大値を、初期接着強度とした。
・高温高湿試験後の接着強度
上記のとおり作製した接着サンプルを65℃95%RHの高温高湿環境下に100時間置く高温高湿試験を行い、上記試験後の接着サンプルの接着強度を上記初期接着強度と同様の方法で測定した。
第3表に示した各成分の詳細は以下のとおりである。
第3表に示す結果から明らかなように、(メタ)アクリロイルオキシ基含有重合体(A)を含有しない比較例1、2は、接着強度が低く、高温高湿環境下に置いた後の接着強度が初期接着強度よりも低下した。(メタ)アクリロイルオキシ基含有重合体(A)を含有せず、多官能(メタ)アクリレートを含有する比較例3は、比較例1よりも、接着強度が低かった。
これに対して、実施例1〜14は接着強度に優れた。また、実施例1〜14は、高温高湿環境下に置いた後の接着強度が高く、初期における高い接着強度を高温高湿環境下に置いた後もほぼ維持することができた。
また、実施例6、11と実施例12とを比較すると、主鎖がポリブタジエン又はその水素化物である実施例6、11は、主鎖がポリイソプレンである実施例12よりも、高温高湿環境下に置いた後の接着強度がより高く、初期における高い接着強度を高温高湿環境下に置いた後も維持できることが分かった。
実施例6、11を比較すると、主鎖がポリブタジエンである実施例11が、主鎖がポリブタジエンの水素化物である実施例6よりも、接着強度により優れることが分かった。
実施例8〜10を比較すると、(メタ)アクリロイルオキシ基含有重合体を製造する使用される(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物の合計に対する特定の(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物のモル比率が大きいほど、つまり、重合体aが有する所定の官能基の量が多いほど、接着強度により優れ、初期における高い接着強度を高温高湿環境下に置いた後もより維持できるようになることが分かった。

Claims (6)

  1. (メタ)アクリロイルオキシ基含有重合体(A)と、単官能(メタ)アクリレート化合物と、光重合開始剤とを含有し、
    前記(メタ)アクリロイルオキシ基含有重合体(A)の一部又は全部が、
    主鎖の骨格としてポリブタジエン、その水素化物又はポリイソプレンを有し、末端に下記式(1)で表される官能基を有する(メタ)アクリロイルオキシ基含有重合体aであり、
    前記ポリブタジエン又はその水素化物が、下記式(Ia)で表される繰り返し単位及び下記式(Ib)で表される繰り返し単位を有し、
    前記式(Ia)で表される繰り返し単位の含有量1が、前記式(Ia)〜式(Ib)で表される繰り返し単位の合計に対して、10〜40モル%であり、
    前記式(Ib)で表される繰り返し単位の含有量2が、前記式(Ia)〜式(Ib)で表される繰り返し単位の合計に対して、60〜90モル%である、光硬化性樹脂組成物。

    (式中、R1、R2はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、m、nはそれぞれ独立に1〜5であり、*は前記主鎖との結合位置を表す。)

    (式(Ia)〜式(Ib)中、破線と実線との二重線は単結合または二重結合を表す。)
  2. 前記主鎖と前記官能基とが、直接又はヘテロ原子若しくは有機基を介して結合する、請求項1に記載の光硬化性樹脂組成物。
  3. 前記有機基が、ウレタン結合を2個以上有する、請求項2に記載の光硬化性樹脂組成物。
  4. 前記(メタ)アクリロイルオキシ基含有重合体aが、1分子中に(メタ)アクリロイルオキシ基を3個以上有する、請求項1〜のいずれか1項に記載の光硬化性樹脂組成物。
  5. 前記(メタ)アクリロイルオキシ基含有重合体aの含有量が、前記(メタ)アクリロイルオキシ基含有重合体(A)全量に対して、10〜100質量%である、請求項1〜のいずれか1項に記載の光硬化性樹脂組成物。
  6. 更に可塑剤を含有する、請求項1〜のいずれか1項に記載の光硬化性樹脂組成物。
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