JP2021123676A - 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物、粘着剤組成物及び粘着剤 - Google Patents

活性エネルギー線硬化性樹脂組成物、粘着剤組成物及び粘着剤 Download PDF

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一直 草野
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由佳 堤
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Abstract

【課題】 植物由来の原料を用いてなるウレタン(メタ)アクリレート系化合物を用い、各種部材への密着性、とりわけ粘着剤とした際に良好な粘着力を有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】 ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)及びエチレン性不飽和モノマー(B)を含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物であって、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)が、ポリファルネセンポリオール(a1)、多価イソシアネート(a2)および水酸基含有(メタ)アクリレート(a3)の反応生成物であり、数平均分子量が5000〜50000であることを特徴とする活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に関するものであり、更に詳しくは植物由来の原料を用いてなるウレタン(メタ)アクリレート系化合物を含有し、各種部材への密着性、とりわけ粘着剤とした際に良好な粘着力を有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に関するものである。
従来より、水添ポリオレフィンポリオールと、イソホロンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物、及びヒドロキシエチルアクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリレート化合物を反応させたウレタン(メタ)アクリレート系化合物は、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物として知られており、主に粘着剤等の用途に使用されている(例えば、特許文献1および2参照。)。
しかしながら、それらのウレタン(メタ)アクリレート系化合物は、それらの原料を石油由来のもので構成されており、地球温暖化等の環境問題に配慮したものではないのが現状である。
また、植物由来の原料を用いたウレタン(メタ)アクリレート系化合物の研究も活発に行われている中で、植物由来の原料であるファルネセンを使用したポリオールを用いたウレタン(メタ)アクリレート系化合物が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開平04−183770号公報 特開2002−069138号公報 特表2018−527424号公報
しかしながら、上記特許文献3におけるウレタン(メタ)アクリレート系化合物を含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物では、得られる粘着剤の粘着力に劣るものであり、環境対応と粘着物性の両立の点から更なる改良が求められるものであった。
そこで、本発明はこのような背景下において、植物由来の原料を用いてなるウレタン(メタ)アクリレート系化合物を用い、各種部材への密着性、とりわけ粘着剤とした際に良好な粘着力を有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を提供すること、及びそれを用いた粘着剤組成物、更には粘着剤を提供することを目的とする。
しかるに、本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物を含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物において、ポリファルネセンポリオール(a1)、多価イソシアネート(a2)および水酸基含有(メタ)アクリレート(a3)の反応生成物であり、数平均分子量が大きいウレタン(メタ)アクリレート系化合物を用いることにより、環境対応に適したものでありながらも、各種部材への密着性、とりわけ粘着剤とした際に良好な粘着力を有することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の要旨は、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)を含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物であって、
ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)が、ポリファルネセンポリオール(a1)、多価イソシアネート(a2)および水酸基含有(メタ)アクリレート(a3)の反応生成物であり、数平均分子量が5000〜50000であることを特徴とする活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
更に本発明は、前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物からなる粘着剤組成物、および、かかる粘着剤組成物が硬化されてなる粘着剤に関するものである。
本発明においては、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)の分子量が大きいものを調製し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物としているが、ポリファルネセンポリオールといった一般的に植物由来の原料としてよく用いられるものを用いたウレタン(メタ)アクリレート系化合物では、植物由来であることから不純物が含まれていることがあり、分子量を大きくするとゲル化したり、不純物により粘着物性に悪影響をもたらしたりする懸念もあり、分子量の大きいウレタン(メタ)アクリレート系化合物を得ようとする場合には、ポリファルネセンポリオールなどは通常選択し難いものであるが、意外にも環境対応も維持しながら、分子量も向上し、粘着力の向上も得られることを見出したのである。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、植物由来のポリファルネセンポリオール(a1)、多価イソシアネート(a2)および水酸基含有(メタ)アクリレート(a3)の反応生成物であり、数平均分子量が所定範囲のウレタン(メタ)アクリレート系化合物を含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物である。そのため、環境対応に適したものでありながらも、各種部材への密着性、とりわけ粘着剤とした際に良好な粘着力を有するものであり、コーティング剤、塗料、インキ、粘着剤等、各種の用途に適用できる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物である。とりわけ、本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、良好な粘着力を有することから粘着剤として有用である。
以下、本発明を実施するための形態について具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、本発明において、(メタ)アクリルとはアクリルあるいはメタクリルを、(メタ)アクリレートとはアクリレートあるいはメタクリレートをそれぞれ意味するものである。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)を含有するものであり、好ましくは更に、エチレン性不飽和モノマー(B)を含有するものである。
以下、各成分について説明する。
<ウレタン(メタ)アクリレート系化合物>
本発明におけるウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)は、ポリファルネセンポリオール(a1)、多価イソシアネート(a2)および水酸基含有(メタ)アクリレート(a3)の反応生成物である。
上記ポリファルネセンポリオール(a1)としては、ファルネセンを含むモノマーをアニオン重合した、末端基がヒドロキシル基で官能化されたポリファルネセンジオールが挙げられ、なかでも上記ポリファルネセンジオールを水素添加した水素添加ポリファルネセンジオールが好ましく用いられる。
本発明において、ポリファルネセンポリオール(a1)の数平均分子量は取り扱い性、粘着剤とした場合の粘着力の点で800〜10000であることが好ましく、特には1000〜8000、更には2000〜5000であることが好ましい。かかる数平均分子量が小さすぎると粘着剤とした場合に粘着力が低くなる傾向があり、大きすぎるとポリファルネセンポリオール(a1)の粘度が高くなり、取り扱い性や反応性が低下する傾向がある。
なお、上記の数平均分子量は、水酸基価から求めることができる。水酸基価は、JIS K1557−1(2007)に準拠し、アセチル化試薬またはフタル化試薬を用いた方法にて測定することができる。
本発明で用いる多価イソシアネート(a2)としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、リジントリイソシアネート、等の脂肪族系多価イソシアネート;水添化キシリレンジイソシアネート、水添化ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート等の脂環族系多価イソシアネート;トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリフェニルメタンポリイソシアネート、変性ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族系多価イソシアネート;等の多価イソシアネート、および、前記多価イソシアネートの3量体化合物、前記多価イソシアネートの多量体化合物等が挙げられる。また、アロファネート型ポリイソシアネート、ビュレット型ポリイソシアネート等も挙げられる。これらは1種または2種以上組み合わせて使用することができる。
これらの中でも、粘着剤とした場合の粘着物性の点で脂肪族系多価イソシアネート、脂環族系多価イソシアネートが好ましく、さらにはイソホロンジイソシアネート、水添化ジフェニルメタンジイソシアネート、水添化キシレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートが好ましく、特にはイソホロンジイソシアネートが好ましい。
本発明で用いる水酸基含有(メタ)アクリレート(a3)としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、脂肪酸変性−グリシジル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート等のエチレン性不飽和基を1個含有する水酸基含有(メタ)アクリレート;グリセリンジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイル−オキシプロピルメタクリレート等のエチレン性不飽和基を2個含有する水酸基含有(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等のエチレン性不飽和基を3個以上含有する水酸基含有(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは1種または2種以上組み合わせて使用することができる。
これらの中でも、特に粘着剤とした場合の粘着物性の点でエチレン性不飽和基を1個含有する水酸基含有(メタ)アクリレートが好ましく、更にはヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートが好ましく用いられ、特にはアルキル基の炭素数が1〜4のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、殊には2−ヒドロキシエチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレートが好ましい。
本発明におけるウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)は、上記(a1)〜(a3)成分を反応させることにより得られる。その製造方法は、公知の方法に従い製造すればよい。具体的には次のようにして製造することができる。
例えば、
(i)上記の、ポリファルネセンポリオール(a1)、多価イソシアネート(a2)、水酸基含有(メタ)アクリレート(a3)を反応器に一括または別々に仕込み反応させる方法、
(ii)ポリファルネセンポリオール(a1)と多価イソシアネート(a2)とを予め反応させて得られる末端イソシアネート基含有反応生成物に、水酸基含有(メタ)アクリレート(a3)を反応させる方法、
(iii)多価イソシアネート(a2)と水酸基含有(メタ)アクリレート(a3)とを予め反応させて得られる反応生成物に、ポリファルネセンポリオール(a1)を反応させる方法、
等が挙げられるが、反応の安定性や副生成物の低減等の点から(ii)の方法が好ましい。
上記(ii)の方法について、ポリファルネセンポリオール(a1)と多価イソシアネート(a2)との反応は、公知の反応手段を用いて反応させることができる。その際、例えば、多価イソシアネート系化合物(a2)中のイソシアネート基:ポリファルネセンポリオール(a1)中の水酸基とのモル比を通常2n:(2n−2)(nは2以上の整数)程度にすることにより、イソシアネート基を残存させ、水酸基含有(メタ)アクリレート(a3)との付加反応を可能にする。
上記モル比は、nが3以上、15以下であることであることが好ましい。更にその下限は、好ましくは4、より好ましくは5、さらに好ましくは6である。また上限は好ましくは12、より好ましくは10、さらに好ましくは8である。上記モル比が小さすぎると、粘着剤とした場合に粘着力が低くなる傾向があり、大きすぎると、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の粘度が高くなり取り扱い性が低下する傾向がある。
末端イソシアネート基含有反応生成物と水酸基含有(メタ)アクリレート(a3)との反応モル比は、例えば、末端イソシアネート基含有反応生成物のイソシアネート基が2個で、水酸基含有(メタ)アクリレート(a3)の水酸基が1個である場合は、通常、末端イソシアネート基含有反応生成物:水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(a3)が1:2程度であり、末端イソシアネート基含有反応生成物のイソシアネート基が3個で、水酸基含有(メタ)アクリレート(a3)の水酸基が1個である場合は、通常、末端イソシアネート基含有反応生成物:水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(a3)が1:3程度である。
この末端イソシアネート基含有反応生成物と水酸基含有(メタ)アクリレート(a3)との付加反応においては、反応系の残存イソシアネート基含有率が、通常0.1重量%以下になる時点で反応を終了させることにより、本発明のウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)を得ることができる。
本発明において、ポリファルネセンポリオール(a1)と多価イソシアネート(a2)との反応、更にその末端イソシアネート基含有反応生成物と水酸基含有(メタ)アクリレート(a3)との反応においては、反応を促進する目的で触媒を用いることも好ましい。
かかる触媒としては、例えば、ジブチル錫ジラウレート、トリメチル錫ヒドロキシド、テトラ−n−ブチル錫等の有機金属化合物、オクチル酸亜鉛、オクチル酸錫、ナフテン酸コバルト、塩化第1錫、塩化第2錫等の金属塩、トリエチルアミン、ベンジルジエチルアミン、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン、N,N,N′,N′−テトラメチル−1,3−ブタンジアミン、N−エチルモルホリン等のアミン系触媒、硝酸ビスマス、臭化ビスマス、ヨウ化ビスマス、硫化ビスマス等の他、ジブチルビスマスジラウレート、ジオクチルビスマスジラウレート等の有機ビスマス化合物や、2−エチルヘキサン酸ビスマス塩、ナフテン酸ビスマス塩、イソデカン酸ビスマス塩、ネオデカン酸ビスマス塩、ラウリル酸ビスマス塩、マレイン酸ビスマス塩、ステアリン酸ビスマス塩、オレイン酸ビスマス塩、リノール酸ビスマス塩、酢酸ビスマス塩、ビスマスリビスネオデカノエート、ジサリチル酸ビスマス塩、ジ没食子酸ビスマス塩等の有機酸ビスマス塩等のビスマス系触媒等が挙げられる。これらの中でも、ジブチル錫ジラウレート、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセンが好適である。
また、ポリファルネセンポリオール(a1)と多価イソシアネート(a2)との反応、更にその末端イソシアネート基含有反応生成物と水酸基含有(メタ)アクリレート(a3)との反応においては、イソシアネート基に対して反応する官能基を有しない有機溶剤、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族類等の有機溶剤を用いることができる。
反応温度は、通常30〜90℃、好ましくは40〜80℃であり、反応時間は、通常2〜12時間、好ましくは3〜10時間である。
かくして上記ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)が得られる。
本発明においては、上記で得られるウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)の数平均分子量が5000〜50000であることが重要であり、好ましくは6000〜40000、より好ましくは8000〜30000、さらに好ましくは9000〜20000、特に好ましくは10000〜15000である。かかる数平均分子量が小さすぎると粘着剤とした場合の粘着力が低くなり、大きすぎると樹脂組成物の粘度が高くなり取り扱い性が悪くなったり、植物由来であるファルネセンに含まれる不純物によりゲル化したりするなどの不具合がある。
ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)の重量平均分子量は、8000〜100000であり、好ましくは12000〜80000、より好ましくは16000〜60000、さらに好ましくは18000〜40000、特に好ましくは20000〜30000であることが好ましい。かかる重量平均分子量が小さすぎると粘着剤とした場合の粘着力が低くなる傾向があり、大きすぎると樹脂組成物の粘度が高くなり取り扱い性が低下したり、植物由来であるファルネセンに含まれる不純物によりゲル化したりするなどの不具合が生じる傾向がある。
なお、上記の数平均分子量、重量平均分子量は、標準ポリスチレン分子量換算による数平均分子量、重量平均分子量であり、高速液体クロマトグラフ(Waters社製、「ACQUITY APCシステム」)に、カラム:ACQUITY APC XT 450×1本、ACQUITYAPC XT 200×1本、ACQUITY APC XT 45×2本の4本直列を用いることにより測定される。その際、測定物中に後述のエチレン性不飽和モノマー(B)を含んでいる場合は、エチレン性不飽和モノマー(B)を除いて数平均分子量、重量平均分子量を求める。
また、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)をエチレン性不飽和モノマー(B)で80%に希釈した時の25℃における粘度が、100,000mPa・s以下であることが好ましく、より好ましくは80,000mPa・s以下、さらに好ましくは50,000mPa・s以下、特に好ましくは30,000mPa・s以下、殊に好ましくは10,000mPa・s以下である。かかる粘度が高すぎると取り扱い性が低下する傾向にある。
ここで、前記の粘度の測定法はE型粘度計によるものである。
<エチレン性不飽和モノマー(B)>
本発明で用いるエチレン性不飽和モノマー(B)としては、1分子中に1個以上のエチレン性不飽和基を有するエチレン性不飽和モノマーであればよく、例えば、単官能モノマー、2官能モノマー、3官能以上のモノマーが挙げられる。
単官能モノマーとしては、エチレン性不飽和基を1つ含有するモノマーであればよく、例えば、スチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン、α−メチルスチレン、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、アクリロニトリル、酢酸ビニル、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、n−ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノールエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノールプロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルフタレート等のフタル酸誘導体のハーフエステル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルフォリン、2−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピロリドン、2−ビニルピリジン、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェートモノエステル等が挙げられる。
また、前記の単官能モノマーの他にアクリル酸のマイケル付加物あるいは2−アクリロイルオキシエチルジカルボン酸モノエステルも挙げられ、アクリル酸のマイケル付加物としては、アクリル酸ダイマー、メタクリル酸ダイマー、アクリル酸トリマー、メタクリル酸トリマー、アクリル酸テトラマー、メタクリル酸テトラマー等が挙げられる。また、特定の置換基をもつカルボン酸である2−アクリロイルオキシエチルジカルボン酸モノエステルとしては、例えば2−アクリロイルオキシエチルコハク酸モノエステル、2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸モノエステル、2−アクリロイルオキシエチルフタル酸モノエステル、2−メタクリロイルオキシエチルフタル酸モノエステル、2−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸モノエステル、2−メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸モノエステル等が挙げられる。更に、オリゴエステルアクリレートも挙げられる。
2官能モノマーとしては、エチレン性不飽和基を2つ含有するモノマーであればよく、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールエチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、フタル酸ジグリシジルエステルジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性ジアクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェートジエステル等が挙げられる。
3官能以上のモノマーとしては、エチレン性不飽和基を3個以上含有するモノマーであればよく、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリロイルオキシエトキシトリメチロールプロパン、グリセリンポリグリシジルエーテルポリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性トリアクリレート、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、コハク酸変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、エチレン性不飽和モノマー(B)として、ポリイソシアネート系化合物および1個の水酸基を含有する(メタ)アクリレート系化合物を反応してなるウレタン(メタ)アクリレート系化合物や、ポリイソシアネート系化合物、1個の水酸基を含有する(メタ)アクリレート系化合物およびポリオール系化合物を反応してなるウレタン(メタ)アクリレート系化合物(但し、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)を除く。)を用いてもよい。
これらのエチレン性不飽和モノマー(B)の中でも、粘着剤としての粘着力としての観点から、単官能モノマーが好ましく、脂環族系の単官能モノマーがより好ましい。脂環系の単官能モノマーとしては、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレートが挙げられ、なかでもイソボルニルアクリレートが最も好ましい。
これらエチレン性不飽和モノマー(B)は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、エチレン性不飽和モノマー(B)はウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)に別途配合するものであってもよいし、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)の製造原料として製造時に一部または全部を系中に存在させたものであってもよい。更に、上記(a1)〜(a3)の反応における反応溶媒として含有されたものであってもよい。
本発明において、エチレン性不飽和モノマー(B)の含有量としては、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)100重量部に対して、粘着剤とした場合の粘着力の点で20〜400重量部であることが好ましく、より好ましくは30〜300重量部、さらに好ましくは40〜200重量部、特に好ましくは50〜150重量部、殊に好ましくは60〜100重量部である。エチレン性不飽和モノマー(B)の含有量が少なすぎたり多すぎたりすると粘着剤とした場合に充分な粘着力が得られにくい傾向がある。
<光重合開始剤(C)>
本発明では、更に、活性エネルギー線による硬化をより効率的に行うために光重合開始剤(C)を含有することが好ましい。
光重合開始剤(C)としては、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノンオリゴマー、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、フェニルグリオキシリックアシッドメチルエステル等のアセトフェノン類;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン類;ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4′−メチル−ジフェニルサルファイド、3,3′,4,4′−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−N−[2−(1−オキソ−2−プロペニルオキシ)エチル]ベンゼンメタナミニウムブロミド、(4−ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド等のベンゾフェノン類;2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−(3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシ)−3,4−ジメチル−9H−チオキサントン−9−オンメソクロリド等のチオキサントン類;2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフォンオキサイド類;等があげられる。なお、これら光重合開始剤(C)は、1種のみが単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
また、これらの助剤として、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4,4′−ジメチルアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、4,4′−ジエチルアミノベンゾフェノン、2−ジメチルアミノエチル安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、2,4−ジエチルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン等を併用することも可能である。
これらの中でも、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインイソプロピルエーテル、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンを用いることが好ましい。
光重合開始剤(C)の含有量としては、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)及びエチレン性不飽和モノマー(B)の合計100重量部に対して、0.1〜40重量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜20重量部、さらに好ましくは1〜10重量部である。光重合開始剤(C)の含有量が少なすぎると硬化不良となる傾向があり、多すぎると塗工とした際に析出するなど溶液安定性が低下する傾向があったり、脆化や着色の問題が起こりやすい傾向がある。
なお、本発明で得られる活性エネルギー線硬化性組成物を製造するにあたり、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)、エチレン性不飽和モノマー(B)、光重合開始剤(C)の混合方法については、特に限定されるものではなく、種々の方法により混合することができる。例えば、各成分を一括混合したり、任意の成分を先に混合した後に残りの成分を混合したりするなど適宜選択することができる。
かくして、本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が得られる。
また、必要に応じて更に、表面調整剤、レベリング剤、重合禁止剤等を配合することができる。
表面調整剤としては、特に限定されず、例えば、アルキッド樹脂等をあげることができる。
かかるアルキッド樹脂は、塗工時の造膜性を付与する作用や、金属薄膜面との接着性を上げる作用を有する。
レベリング剤としては、塗液の基材への濡れ性付与作用、表面張力の低下作用を有するものであれば、公知一般のレベリング剤を用いることができ、例えば、シリコーン変性樹脂、フッ素変性樹脂、アルキル変性の樹脂等を用いることができる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。
重合禁止剤としては、例えば、p−ベンゾキノン、ナフトキノン、トルキノン、2,5−ジフェニル−p−ベンゾキノン、ハイドロキノン、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、メチルハイドロキノン、メトキシフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、モノ−t−ブチルハイドロキノン、p−t−ブチルカテコール等が挙げられる。なかでもメトキシフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールが好ましい。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、各種基材上に塗布し、有機溶剤を含有する場合は乾燥した後に、活性エネルギー線を照射することにより硬化される。
上記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の塗工方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、スプレー、シャワー、ディッピング、ロール、スピン、カーテン、フロー、スリット、ダイ、グラビア、コンマ、ディスペンサー、スクリーン印刷、インクジェット印刷等のようなウェットコーティング法が挙げられる。
上記の塗工に際しては、必要に応じて、有機溶剤を配合し、粘度を調整して行うこともでき、かかる有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、エチルセロソルブ等のセロソルブ類、トルエン、キシレン等の芳香族類、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル類、ジアセトンアルコール等が挙げられる。これら上記の有機溶剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、上記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が固体、あるいは高粘度液体の場合は、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を加熱し、粘度を低下させた後に上記方法により塗工するホットメルト法等も挙げられる。
かかる活性エネルギー線としては、例えば、遠紫外線、紫外線、近紫外線、赤外線等の光線、X線、γ線等の電磁波の他、電子線、プロトン線、中性子線等が利用できるが、硬化速度、照射装置の入手のし易さ、価格等から紫外線照射による硬化が有利である。なお、電子線照射を行う場合は、光重合開始剤(C)を用いなくても硬化し得る。
紫外線照射により硬化させる方法としては、150〜450nm波長域の光を発する高圧水銀ランプ、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ、無電極放電ランプ、LED等を用いて、30〜3,000mJ/cm程度照射すればよい。
紫外線照射後は、必要に応じて加熱を行って硬化の完全を図ることもできる。
硬化塗膜の膜厚としては、光重合開始剤(C)が均一に反応するべく光線透過を鑑みると、通常1〜300μmであり、好ましくは2〜250μm、更に好ましくは5〜200μmである。
本発明において、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度(Tg)は、−30℃以上が好ましく、より好ましくは−30〜50℃、さらに好ましくは−20〜45℃、特に好ましくは−10〜40℃、殊に好ましくは0〜30℃である。かかるガラス転移温度(Tg)が上記範囲から外れてくると粘着剤とした場合に粘着力が低下する傾向にある。
上記ガラス転移温度(Tg)の測定方法は以下のとおりである。
即ち、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を、硬化後の膜厚が100μmとなるように易接着処理ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ125μm)にアプリケーターを用いて塗布し、卓上UV照射装置(アイグラフィックス社製、「コンベア式卓上照射装置」)にて80W/cm(高圧水銀ランプ)×18cmH×1.9m/min×3Pass(積算照射量2,400mJ/cm)の条件下で紫外線を照射し、硬化させて作製した粘着力測定用粘着シートから、長さ20mm×幅3mmの試験片を切り出して、かかる試験片を用いて、アイティー計測制御社製動的粘弾性測定装置「DVA−225」の引張モードを用いて、周波数1Hz、昇温速度3℃/分、歪0.1%で測定を行い、得られた複素弾性率の実数部(貯蔵弾性率)に対する虚数部(損失弾性率)の比(tanδ)を求め、このtanδの最大ピーク温度をガラス転移温度(℃)とする。
上記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化後のゲル分率については、耐久性と粘着力の点から10重量%以上であることが好ましく、より好ましくは20〜95重量%、さらに好ましくは30〜90重量%、特に好ましくは40〜85重量%である。ゲル分率が低すぎると凝集力が低下することにより耐久性が低下する傾向がある。なお、ゲル分率が高すぎると凝集力の上昇により粘着力が低下する懸念がある。
上記ゲル分率は、架橋度の目安となるもので、例えば、以下の方法にて算出される。すなわち、基材となる高分子シート(例えば、PETフィルム等)に硬化塗膜が形成されてなる硬化塗膜シート(セパレーターを設けていないもの)を200メッシュのSUS製金網で包み、トルエン中に23℃×24時間浸漬し、浸漬前の硬化塗膜成分の重量に対する、浸漬後の金網中に残存した不溶解の硬化塗膜成分の重量百分率をゲル分率とする。ただし、基材の重量は差し引いておく。
本願発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は植物由来のファルネセンを使用しており、環境負荷を低減した活性エネルギー線硬化性樹脂組成物である。そのバイオマス率は、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に含まれる全炭素のうちの植物由来の炭素数の割合によって表すことができ、好ましくは30C%(C%は炭素の割合を表す)以上、より好ましくは40C%以上、さらに好ましくは50C%以上、特に好ましくは60C%以上、殊に好ましくは70C%以上である。バイオマス率は、ポリファルネセンポリオール(a1)の他、多価イソシアネート(a2)、水酸基含有(メタ)アクリレート(a3)、エチレン性不飽和モノマー(B)の、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を構成する原料全ての炭素数から、植物由来である原料の炭素数の割合を計算することにより算出することができる。またより正確には、ASTM D6866に規定されている方法により測定することもできる。
本発明で得られる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を塗工する対象である基材としては、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS)、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド樹脂等やそれらの成型品(フィルム、シート、カップ、等)、金属基材(金属蒸着層、金属板(銅、ステンレス鋼(SUS304、SUSBA等)、アルミニウム、亜鉛、マグネシウム等))、ガラス等やそれらの複合基材等が挙げられる。
本発明において、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)を含有してなる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、各種部材への密着性、とりわけ粘着剤とした際に良好な粘着力を有するものであり、コーティング剤、塗料、インキ、粘着剤等、各種の用途に適用できる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物であり、とりわけ、良好な粘着力を有することから粘着剤として非常に有用である。
以下、実施例をあげて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、例中、「部」、「%」は重量基準を意味する。
また、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物の数平均分子量、重量平均分子量、ガラス転移温度(Tg)、粘度、ゲル分率は、前述の方法にしたがって測定し、バイオマス率は前述の方法により計算した。
ポリファルネセンポリオール(a1)として、以下の「KRASOL F 3100」を使用した。また比較例では、以下の「NISSO PB GI−2000」を使用した。
・「KRASOL F 3100」:CRAY VALLEY社製、水素添加ポリファルネセンジオール(水酸基価0.68meq/g、数平均分子量2941)
・「NISSO PB GI−2000」:日本曹達株式会社製、水素添加ポリブタジエンジオール(水酸基価46.6mgKOH/g、数平均分子量2408)
<実施例1>
〔ウレタンアクリレート(A−1)の作製〕
内温計、撹拌機、冷却管を備えたフラスコに、ジイソシアネートとしてイソホロンジイソシアネート(IPDI)13.1部、ポリファルネセンポリオールとして「KRASOL F 3100」144.0部、エチレン性不飽和モノマー(B−1)としてブチルアクリレート(BA)40部、重合禁止剤として2,6−ジ−tert−ブチルクレゾール0.01部と4−メトキシフェノール0.08部、反応触媒としてジブチル錫ジラウレート0.02部を加え、60℃で反応させた。残存イソシアネート基が0.4%以下となった後、ヒドロキシアクリレートとして4−ヒドロキシブチルアクリレート(4HBA)2.9部を加え、60℃で反応させ、残存イソシアネート基が0.1%以下となった時点で反応を終了し、ウレタンアクリレート(A−1)を含有する組成物を得た。得られたウレタンアクリレート(A−1)の数平均分子量、重量平均分子量、分散度は表1の通りである。
〔活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の調製〕
上記ウレタンアクリレート(A−1)とエチレン性不飽和モノマー(B−1)の合計量100部に対して、エチレン性不飽和モノマー(B−2)としてイソボルニルアクリレート(IBOA)35部、光重合開始剤(C)として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン4部を均一に混合し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を得た。
得られた活性エネルギー線硬化性樹脂組成物について、下記の通り粘着性の評価を行った。
〔粘着性〕
(粘着力測定用粘着シートの作製)
得られた活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を、硬化後の膜厚が100μmとなるように易接着処理ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ125μm)にアプリケーターを用いて塗布し、卓上UV照射装置(アイグラフィックス社製、「コンベア式卓上照射装置」)にて80W/cm(高圧水銀ランプ)×18cmH×1.9m/min×3Pass(積算照射量2,400mJ/cm)の条件下で紫外線を照射し、硬化させることにより、粘着力測定用粘着シートを得た。
(試験方法)
得られた粘着力測定用粘着シートを25mm×100mmに切断した後、被着体としてのステンレス板(SUS304BA板)に、23℃、相対湿度50%の雰囲気下で2kgゴムローラーを用いて2往復させることにより圧着し、試験片を作製した。この試験片を同雰囲気下で30分静置した後、剥離速度0.3m/分により、180度剥離試験を行い、粘着力(N/25mm)を測定した。測定結果を表1に示した。
<比較例1および2>
実施例1において、ポリオール、多価イソシアネート、ヒドロキシアクリレート、エチレン性不飽和モノマー(B−1)、エチレン性不飽和モノマー(B−2)の種類や仕込量を表1に記載の通りに変更した以外は同様に行い、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を得た。なお、ヒドロキシアクリレートの添加は残存イソシアネート基が0.5%以下となった後に行った。
得られた活性エネルギー線硬化性樹脂組成物について、実施例1と同様にして、粘着性を評価した。結果を表1に示す。
Figure 2021123676
上記表1の結果より、実施例1の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、ファルネセン由来の構造部位を有するポリオールを用いて得られたウレタンアクリレートであって、バイオマス率が75C%で環境対応に適したものでありながらも、粘着剤とした際に良好な粘着力を有しており、さらに粘度が低くて取り扱い性に優れたものである。それに対して、比較例1の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、水素添加ポリブタジエンジオールを用いて得られたウレタンアクリレートであるため、粘着剤とした際に良好な粘着力を有しているものの、バイオマス率が低く、また粘度が高くて取り扱い性が悪いものであった。
また、比較例2の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、ファルネセン由来の構造部位を有するポリオールを用いて得られたウレタンアクリレートであるが、分子量が低いために粘着剤とした際の粘着力に劣るものであり、更には凝集破壊するため、粘着剤としての使用には適さないものであった。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、環境対応に適したものでありながらも、各種部材への密着性、とりわけ粘着剤とした際に良好な粘着力を有するものであり、コーティング剤、塗料、インキ、粘着剤等、各種の用途に適用できる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物である。とりわけ、本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、良好な粘着力を有することから粘着剤として有用である。

Claims (10)

  1. ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)を含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物であって、
    ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)が、ポリファルネセンポリオール(a1)、多価イソシアネート(a2)および水酸基含有(メタ)アクリレート(a3)の反応生成物であり、数平均分子量が5000〜50000であることを特徴とする活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  2. 前記多価イソシアネート(a2)が、脂肪族系多価イソシアネート及び脂環族系多価イソシアネートの少なくとも一方であることを特徴とする請求項1記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  3. 前記ポリファルネセンポリオール(a1)が、水添化されたポリファルネセンポリオールであることを特徴とする請求項1または2記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  4. 更にエチレン性不飽和モノマー(B)を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  5. 前記エチレン性不飽和モノマー(B)が、脂環族系エチレン性不飽和モノマーであることを特徴とする請求項4に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  6. 更に光重合開始剤(C)を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  7. 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物のゲル分率が10重量%以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  8. 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物のバイオマス率が30C%以上であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物からなることを特徴とする粘着剤組成物。
  10. 請求項9に記載の粘着剤組成物が硬化されてなることを特徴とする粘着剤。
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