JP2014124122A - ビールテイスト飲料の製造方法 - Google Patents

ビールテイスト飲料の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2014124122A
JP2014124122A JP2012282245A JP2012282245A JP2014124122A JP 2014124122 A JP2014124122 A JP 2014124122A JP 2012282245 A JP2012282245 A JP 2012282245A JP 2012282245 A JP2012282245 A JP 2012282245A JP 2014124122 A JP2014124122 A JP 2014124122A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
beer
taste beverage
soybean protein
raw material
taste
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012282245A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6105277B2 (ja
Inventor
Katsuya Sasaki
克哉 佐々木
Nami Matsumura
奈美 松村
Koichiro Takahashi
浩一郎 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Breweries Ltd
Original Assignee
Asahi Breweries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Breweries Ltd filed Critical Asahi Breweries Ltd
Priority to JP2012282245A priority Critical patent/JP6105277B2/ja
Publication of JP2014124122A publication Critical patent/JP2014124122A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6105277B2 publication Critical patent/JP6105277B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Abstract

【課題】香気への影響を抑制しつつ、泡持ちが改善されたビールテイスト飲料を製造する方法の提供。
【解決手段】ビールテイスト飲料の製造方法において、大豆タンパク、脱脂大豆、又は濃縮大豆タンパクを中性プロテアーゼによりpH5.0〜6.0で分解することにより得られた大豆タンパク分解物を原料として用いることを特徴とするビールテイスト飲料の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、特定のタンパク分解物を原料として用いたビールテイスト飲料の製造方法に関する。
ビールや発泡酒等のビールテイスト飲料においては、泡は重要な外観品質であり、泡持ちがよいものが好まれる。ビールの泡は麦芽由来の泡タンパク質によるものである。そこで、大豆タンパクや大豆タンパクの分解物を添加してタンパク質含量を増加させることによってビールテイスト飲料の泡持ちを改善する方法が知られている。
一般的に、添加する大豆タンパクやその分解物の量が多いほど、ビールテイスト飲料の泡持ち改善効果は高くなる。しかしながら、大豆タンパク分解物の添加量が多くなるにつれ、ビールテイスト飲料にとって好ましくない香気(主に吟醸香、日本酒様臭)が強くなるという問題がある。この問題を解決する方法として、特許文献1には、中性プロテアーゼにより分解された大豆タンパク分解物を用いる方法が開示されている。アルカリ条件下でタンパクを変性させた方がタンパク分解効率が高いため、大豆タンパク等のタンパクの酵素分解物は通常はアルカリプロテアーゼを用いて調製されるが、中性プロテアーゼにより分解された大豆タンパク分解物を用いることにより、好ましくない香気を抑制しつつ、泡持ちを向上させたビールテイスト飲料を製造できる。
国際公開第2012/008063号
一般的に、中性プロテアーゼによる大豆タンパクの分解反応は、pH7付近で行われる。これは、中性プロテアーゼが活性を示す中性領域(pH5〜8)のうち、比較的高い領域のほうが、タンパク分解効率が高いためである。一方で、pH7付近のpH条件下で中性プロテアーゼにより製造された大豆タンパク分解物を原料とした場合には、得られたビールテイスト飲料中のプリン体の含量が増大するという問題がある。
本発明は、ビールテイスト飲料において、プリン体の含量の増大を抑制しつつ、泡持ちを改善する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、中性プロテアーゼによる分解反応をpH7付近で行った大豆タンパク分解物ではなく、pH5.0〜6.0で行った大豆タンパク分解物を用いることにより、大豆タンパク分解物添加による泡持ち改善効果は維持しつつ、プリン体含量が低いビールテイスト飲料を製造し得ることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、
(1) ビールテイストの製造方法において、大豆タンパク、脱脂大豆、又は濃縮大豆タンパクを中性プロテアーゼによりpH5.0〜6.0で分解することにより得られた大豆タンパク分解物を原料として用いることを特徴とするビールテイスト飲料の製造方法、
(2) 前記大豆タンパク分解物が、大豆タンパク、脱脂大豆、又は濃縮大豆タンパクを中性プロテアーゼによりpH5.5〜6.0で分解することにより得られた、前記(1)のビールテイスト飲料の製造方法、
(3) 前記大豆タンパク分解物の重量平均分子量が6000以上である、前記(1)又は(2)のビールテイスト飲料の製造方法。
(4) 酵母による発酵工程を有し、酵母による発酵前の発酵原料液を煮沸する工程中又は当該煮沸工程の前に、前記大豆タンパク分解物を、当該発酵原料液に添加・混合する、前記(1)〜(3)のいずれかのビールテイスト飲料の製造方法、
(5) 前記中性プロテアーゼが、Bacillus属由来の中性プロテアーゼである、前記(1)〜(4)のいずれかのビールテイスト飲料の製造方法、
を提供するものである。
本発明に係るビールテイスト飲料の製造方法により、プリン体含量が低く、かつ泡持ちの良好なビールテイスト飲料を製造することができる。泡持ちがよいこととプリン体含量が低いことは、いずれも消費者がビールテイスト飲料を選択する上で重要な要素であり、本発明に係る製造方法により、嗜好性の高い優れたビールテイスト飲料が製造できる。
本発明及び本願明細書において、ビールテイスト飲料とは、アルコール含有量や麦芽の使用の有無に関わらず、ビールと同等の又はそれと似た風味・味覚及びテクスチャーを有し、高い止渇感・ドリンカビリティーを有する発泡性飲料を意味する。すなわち、ビールテイスト飲料は、アルコール飲料であってもよく、アルコール含量が1容量%未満であるいわゆるノンアルコール飲料又はローアルコール飲料であってもよい。ノンアルコール飲料であってもよい。また、麦芽を原料とする飲料であってもよく、麦芽を原料としない飲料であってもよい。さらに、酵母による発酵工程を経た発酵飲料であってもよく、発酵工程を経ずに製造された飲料であってもよい。ビールテイスト飲料としては、具体的には、ビール、麦芽を原料とする発泡酒、麦芽を使用しない発泡性アルコール飲料、ローアルコール飲料、ノンアルコールビール等が挙げられる。その他、麦芽を原料とし、発酵工程を経て製造された飲料又は発酵工程を経ずに製造された飲料を、アルコール含有蒸留液と混和して得られたリキュール類であってもよい。
なお、アルコール含有蒸留液とは、蒸留操作により得られたアルコールを含有する溶液であり、一般に蒸留酒に分類されるものを用いることができる。例えば、スピリッツ、ウィスキー、ブランデー、ウオッカ、ラム、テキーラ、ジン、焼酎等を用いることができる。呈味に対する影響が少ないため、本発明においては、該アルコール含有蒸留液は、スピリッツであることがより好ましい。
本発明に係るビールテイスト飲料の製造方法は、ビールテイストの製造方法において、大豆タンパク、脱脂大豆、又は濃縮大豆タンパクを中性プロテアーゼによりpH5.0〜6.0で分解することにより得られた大豆タンパク分解物を原料として用いることを特徴とする。大豆タンパク分解物を原料として添加することにより、充分量のタンパク質を含有し、泡持ちが良好なビールテイスト飲料を製造することができる。
本発明に係るビールテイスト飲料の製造方法においては、アルカリプロテアーゼ(プロテアーゼ活性の至適pH値がアルカリ性領域にある酵素)により分解された大豆タンパク分解物ではなく、中性プロテアーゼ(プロテアーゼ活性の至適pH値が中性領域(例えば、pH5.0〜8.0)にある酵素)により分解された大豆タンパク分解物を用いる。これにより、泡持ちが顕著に改善されたビールテイスト飲料が得られる。このような効果が得られる理由は明らかではないが、中性プロテアーゼにより得られた大豆タンパク分解物は、アルカリプロテアーゼにより得られたものに比べて分子量の大きい画分が多く、このため、泡持ちが顕著に改善されると推察される。
また、本発明に係るビールテイスト飲料の製造方法においては、中性プロテアーゼによる分解反応を、一般的なpH7.0ではなく、比較的低いpH5.0〜6.0で行うことによって調製された大豆タンパク分解物を用いる。pH5.0〜6.0でプロテアーゼ処理することにより、pH7付近でプロテアーゼ処理する場合よりも、プリン体含量が明らかに低い大豆タンパク分解物を調製することができる。このため、pH5.0〜6.0でプロテアーゼ処理された大豆タンパク分解物を用いることにより、プリン体含量が低く、かつ泡持ちの良好なビールテイスト飲料を製造することができる。本発明に係るビールテイスト飲料の製造方法においては、タンパク分解効率が高く、かつプリン体の低減効果も高いため、中性プロテアーゼによる分解反応を、pH5.5〜6.0で行うことがより好ましい。
一般的な方法で製造された中性プロテアーゼ剤や市販の中性プロテアーゼ剤には、通常、ヌクレアーゼ剤が混入している。そして、中性プロテアーゼ剤からヌクレアーゼ剤を除去することは困難である。このため、大豆タンパク等を常法により中性プロテアーゼ処理した場合には、中性プロテアーゼと共に反応系に持ち込まれたヌクレアーゼによりプリン体が合成されるため、プリン体含量が高い大豆タンパク分解物が調製される。本発明においては、pH5.0〜6.0でプロテアーゼ処理することにより、混入しているヌクレアーゼの活性は低く抑えつつ、中性プロテアーゼ処理を行うことができる。
本発明において用いられる大豆タンパク分解物は、大豆タンパク、脱脂大豆、又は濃縮大豆タンパクを中性プロテアーゼによりpH5.0〜6.0で分解することにより得られる。大豆は非常に優れた栄養的性質を有しており、消化吸収性も良いため、近年高まっている消費者の健康志向にも添う。大豆タンパク分解物の状態は特に限定されるものではなく、分解物溶液の状態でもよく、乾燥粉末の状態でもよい。
大豆タンパク分解物の調製に用いられる中性プロテアーゼは、特に限定されるものではない。例えば、市販されている中性プロテアーゼのうち、いずれの酵素を用いても良く、またこれらを組み合わせて用いることもできる。エキソ型プロテアーゼ活性の高い酵素は、短鎖ペプチドや遊離アミノ酸を多く産生するため、タンパク質を部分分解するためには、エキソ型プロテアーゼ活性の高い酵素よりも、エンド型プロテアーゼ活性の高い酵素の方が好ましい。このような中性プロテアーゼとしては、具体的には、Bacillus属由来の中性プロテアーゼ等が挙げられる。
本発明において用いられる大豆タンパク分解物の重量平均分子量は、6000以上であることが好ましく、6000〜35000であることがより好ましく、8000〜35000であることがさらに好ましい。重量平均分子量が6000以上であることにより、得られたビールテイスト飲料の泡持ちが改善されやすい。
本発明に係るビールテイスト飲料の製造方法は、前記大豆タンパク分解物を原料とする以外は、一般的なビールテイスト飲料と同様にして製造できる。一般的なビールテイスト飲料の製造工程を下記に示す。酵母による発酵工程を経て製造される場合と、発酵工程を経ずに製造される場合を、それぞれ分けて示す。
ビールや発泡酒等の麦芽を原料として使用し、酵母による発酵工程を経て製造されるビールテイスト飲料は、次の工程で製造される。まず、仕込工程として、穀物原料及び水を含む混合物を糖化した後、煮沸して麦汁を調製する。具体的には、主原料である麦芽の破砕物と、副原料である米やコーンスターチ等の澱粉質に、温水を加えて混合・加温し、主に麦芽の酵素を利用して、澱粉質を糖化させる。この糖化液を濾過して得られた濾液にホップを加え、煮沸する。この糖化液の濾液に替わり、麦芽エキスに温水を加えたものにホップを加えて煮沸してもよい。ホップは煮沸開始から煮沸終了前であればどの段階で混合してもよい。煮沸後、得られた麦汁から、ワールプールと呼ばれる槽でホップ粕等の沈殿物を除去し、プレートクーラーにより適切な発酵温度まで冷却する。次いで、発酵工程として、冷却した濾液に酵母を接種して、発酵を行う。その後、得られた発酵液を熟成させた後(貯酒工程)、濾過により酵母及びタンパク質等を除去して(濾過工程)、目的のビールテイスト飲料を得る。
麦芽を使用せず、酵母による発酵工程を経て製造されるビールテイスト飲料を製造する場合には、仕込工程として、まず、炭素源を含有する液糖、麦又は麦芽以外のアミノ酸含有材料としての窒素源、ホップ、色素等を、温水と共に混合し、液糖溶液を調製する。該液糖溶液を、麦芽を原料として使用するビールテイスト飲料の製造工程と同様に、煮沸し、ホップ粕等の沈殿物を除去して冷却後、酵母を接種して発酵させ(発酵工程)、得られた発酵液を熟成させた後(貯酒工程)に濾過する(濾過工程)ことにより、目的のビールテイスト飲料を得る。ホップは煮沸開始前ではなく、煮沸中に、該液糖溶液に混合してもよい。
また、発酵工程におけるアルコール発酵を抑制し、発酵により生成されるアルコール含量を低減することにより、アルコール含量が1容量%未満であるいわゆるローアルコール飲料を製造することもできる。
前記大豆タンパク分解物は、酵母による発酵前の発酵原料液の原料として用いられる。つまり、大豆タンパク分解物は、発酵工程前の任意の時点で、発酵原料液に添加又は混合される。なお、発酵原料液は、麦芽を原料として使用するビールテイスト飲料の場合には、糖化液を濾過して得られた濾液であり、麦芽を使用しないビールテイスト飲料の場合には、液糖等を混合した液糖溶液である。
例えば、大豆タンパク分解物を、濾過前の糖化液や液糖溶液に混合してもよく、糖化液等を濾過して得られた濾液に混合してもよく、この濾液を煮沸前及び煮沸中に混合してもよく、煮沸終了後沈殿物除去前に混合してもよく、冷却後発酵前に混合してもよい。なお、大豆タンパク分解物は不溶物を含むものであってもよい。本発明においては、発酵原料液の煮沸処理完了時までに発酵原料液に混合することが好ましい。
発酵工程を経ずに製造されるビールテイスト飲料は、例えば、前記発酵工程、貯酒工程、及び濾過工程に代えて、前記仕込工程により調製された麦汁(麦芽を原料としない場合は、液糖溶液)を濾過し、得られた濾過液に炭酸ガスを加える、又は、前記仕込工程により調製された麦汁等に炭酸ガスを加えた後に濾過し、濾過液を回収すること(炭酸ガス導入工程)によって製造できる。酵母による発酵工程を有さないことにより、ノンアルコールビール等のアルコールを含有しないビールテイスト飲料を製造することができる。炭酸ガス導入工程後に得られたビールテイスト飲料は、通常、充填工程により瓶詰めされて、製品として出荷される。なお、炭酸ガス導入工程における濾過方法や炭酸ガスの添加方法は、常法により行うことができる。また、炭酸ガス以外にも、糖類、穀物シロップ、穀物エキス、食物繊維、果汁、苦味料、着色料、香草、香味料等を添加することもできる。
前記大豆タンパク分解物は、仕込工程により調製される麦汁(麦芽を原料としない場合は、液糖溶液)の原料として用いられる。前記大豆タンパク分解物の添加時期は、炭酸ガス導入工程前(つまり、炭酸ガス導入、又はその前処理である濾過の前)であれば特に限定されないが、糖化処理後に添加・混合されることが好ましく、糖化処理後から麦汁等の煮沸処理完了時までに添加・混合されることがより好ましい。
発酵原料液の一部として用いる大豆タンパク分解物量は、特に限定されるものではないが、発酵原料液に0.01%(重量/体積)〜3%(重量/体積)配合されることが好ましい。同様に、発酵工程を経ずに製造されるビールテイスト飲料において、仕込工程により調製される麦汁(麦芽を原料としない場合は、液糖溶液)に混合される大豆タンパク分解物量は、特に限定されるものではないが、麦汁等に対して0.01%(重量/体積)〜3%(重量/体積)配合されることが好ましい。
本発明において用いられる麦芽の破砕物、米やコーンスターチ等の澱粉質、ホップ、炭素源を含有する液糖、麦又は麦芽以外のアミノ酸含有材料としての窒素源、色素等の原料は、特に限定されるものではなく、通常ビールテイスト飲料を製造する場合に用いられるものを、通常用いられる量で用いることができる。
次に実施例及び参考例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例等に限定されるものではない。なお、以下の実施例等において、大豆タンパク分解溶液及びビールテイスト飲料の物理化学分析は、ASBC(American Society of Brewing Chemists)及びEBC(European Brewery Convention)の両組織に採用されており、ビール分析の国際基準とされている分析法に準じて行った(ビール酒造組合著、「BCOJビール分析法」1996年)。ただし、アデニン、グアニンなどのプリン体含量分析については、HPLCを用いた方法(藤森ら、「尿酸」第9巻、第2号、第128ページ、1985年)に準じて行った。
[製造例1]
大豆タンパクを中性プロテアーゼにより、pH4.0〜7.0で酵素処理し、得られた大豆タンパク分解物の全窒素量、アデニン含量、及びグアニン含量を測定した。なお、全窒素量が多いほど、タンパク分解率が高いといえる。また、アデニン含量及びグアニン含量が高いほど、プリン体含量が高いといえる。
まず、水25Lに精製大豆タンパク0.7kgを加え、pH4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5又は7.0となるように適宜リン酸を添加して調整した。その後、Bacillus属由来の中性プロテアーゼを大豆タンパク重量に対して1.5%重量とを添加した。攪拌しながら50℃で2時間酵素反応を行い、大豆タンパク分解物溶液を得た。
これらの大豆タンパク分解物溶液の全窒素量(mg/100mL)、アデニン含量(ppm)、及びグアニン含量(ppm)を測定した。結果を表1に示す。この結果、大豆タンパク分解物溶液のアデニン含量とグアニン含量は、中性プロテアーゼによる酵素反応時のpHが5.0〜6.0において、pH7.0の場合よりも明らかに少なかった。一方で、大豆タンパク分解物溶液の全窒素量は、中性プロテアーゼによる酵素反応時のpHが高くなるほど多くなる傾向にあった。特に、pH5.5〜6.6の全窒素量は、pH7.0とほぼ同程度であり、pH5.5〜6.5においても、プロテアーゼ処理によるタンパク分解率は充分に高いといえた。また、pH5.0の全窒素量はpH7.0よりも少ないが、泡持ち改善効果が期待できる充分な量であった。これらの結果から、pHが5.0〜6.0で中性プロテアーゼ処理を行うことにより、全窒素量を維持しつつ、プリン体生成を抑制できることがわかった。
Figure 2014124122
[実施例1]
製造例1において、pH6.0で酵素反応を行って得られた大豆タンパク分解物溶液[分解物溶液(pH6.0)]とpH7.0で酵素反応を行って得られた大豆タンパク分解物溶液[分解物溶液(pH7.0)]を用いて、ビールテイスト飲料を製造した。
具体的には、麦芽エキス2kg、液糖30kg、アミノ酸0.2kg、ホップ0.02kg、及び分解物溶液(pH6.0)又は分解物溶液(pH7.0)を全量混合し、さらに温水を加えることにより、約200Lの発酵原料液を調製した。当該発酵原料液を100℃で90分間煮沸した後、ワールプールでホップ粕を除去した。除去後の発酵原料液約180Lに温水20Lを加えて糖度12.0%に調製した後、プレートクーラーにより5℃まで冷却した。得られた冷却された発酵原料液約170Lを発酵タンクに移し、液汁1mLあたり25×10個の泥状酵母を接種し、10℃で168時間発酵を行った。得られた発酵液を、−1℃で7日間熟成(後発酵)させた。得られた発酵液を、キャンドルフィルターを用いて珪藻土濾過を行い、酵母及びタンパク等を除去し、目的のビールテイスト飲料(アルコール度5容量%)を得た。
得られた2種類のビールテイスト飲料の全窒素量(mg/100mL)、プリン体含量(アデニンとグアニンの総含量)(ppm)、及びNIBEM値を測定した。なお、NIBEM値は、注がれた泡の崩壊速度を電気伝導度で測定したものであり、ビール等の泡持ち評価に一般的に用いられているものである。結果を表2に示す。この結果、分解物溶液(pH6.0)を用いて製造したビール(試験)と分解物溶液(pH7.0)を用いて製造したビール(対照)を比較すると、両者の全窒素量と泡持ちは同程度であったが、プリン体含量は、ビール(対照)よりもビール(試験)のほうが明らかに低かった。
Figure 2014124122
本発明に係るビールテイスト飲料の製造方法により、プリン体含量が低く、泡持ちに優れたビールテイスト飲料を製造することができるため、ビール、発泡酒、ノンアルコールビール等の飲料の製造分野で利用が可能である。

Claims (5)

  1. ビールテイスト飲料の製造方法において、
    大豆タンパク、脱脂大豆、又は濃縮大豆タンパクを中性プロテアーゼによりpH5.0〜6.0で分解することにより得られた大豆タンパク分解物を原料として用いることを特徴とするビールテイスト飲料の製造方法。
  2. 前記大豆タンパク分解物が、大豆タンパク、脱脂大豆、又は濃縮大豆タンパクを中性プロテアーゼによりpH5.5〜6.0で分解することにより得られた、請求項1に記載のビールテイスト飲料の製造方法。
  3. 前記大豆タンパク分解物の重量平均分子量が6000以上である、請求項1又は2に記載のビールテイスト飲料の製造方法。
  4. 酵母による発酵工程を有し、
    酵母による発酵前の発酵原料液を煮沸する工程中又は当該煮沸工程の前に、前記大豆タンパク分解物を、当該発酵原料液に添加・混合する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のビールテイスト飲料の製造方法。
  5. 前記中性プロテアーゼが、Bacillus属由来の中性プロテアーゼである、請求項1〜4のいずれか一項に記載のビールテイスト飲料の製造方法。
JP2012282245A 2012-12-26 2012-12-26 ビールテイスト飲料の製造方法 Active JP6105277B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012282245A JP6105277B2 (ja) 2012-12-26 2012-12-26 ビールテイスト飲料の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012282245A JP6105277B2 (ja) 2012-12-26 2012-12-26 ビールテイスト飲料の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014124122A true JP2014124122A (ja) 2014-07-07
JP6105277B2 JP6105277B2 (ja) 2017-03-29

Family

ID=51404181

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012282245A Active JP6105277B2 (ja) 2012-12-26 2012-12-26 ビールテイスト飲料の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6105277B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5859103B1 (ja) * 2014-12-18 2016-02-10 キリン株式会社 ビールテイストの発酵アルコール飲料およびその製造方法
WO2016143877A1 (ja) * 2015-03-10 2016-09-15 不二製油グループ本社株式会社 タンパク質原料中のプリン体低減方法
JP2017112965A (ja) * 2015-12-25 2017-06-29 アサヒビール株式会社 ビール様発泡性飲料
JP2018196335A (ja) * 2017-05-23 2018-12-13 キリン株式会社 ビールテイスト発酵アルコール飲料およびその製造方法
JP2018196336A (ja) * 2017-05-23 2018-12-13 キリン株式会社 ビールテイスト発酵アルコール飲料およびその製造方法
JP2020167955A (ja) * 2019-04-03 2020-10-15 サントリーホールディングス株式会社 ビールテイスト飲料

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001275599A (ja) * 2000-03-31 2001-10-09 Fuji Oil Co Ltd 低プリン含有大豆加工品の製造方法
WO2006068191A1 (ja) * 2004-12-21 2006-06-29 Fuji Oil Company, Limited ビール類の製造方法及びビール類製造用大豆ペプチド
WO2012008063A1 (ja) * 2010-07-16 2012-01-19 アサヒビール株式会社 発泡性発酵飲料の製造方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001275599A (ja) * 2000-03-31 2001-10-09 Fuji Oil Co Ltd 低プリン含有大豆加工品の製造方法
WO2006068191A1 (ja) * 2004-12-21 2006-06-29 Fuji Oil Company, Limited ビール類の製造方法及びビール類製造用大豆ペプチド
WO2012008063A1 (ja) * 2010-07-16 2012-01-19 アサヒビール株式会社 発泡性発酵飲料の製造方法

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5859103B1 (ja) * 2014-12-18 2016-02-10 キリン株式会社 ビールテイストの発酵アルコール飲料およびその製造方法
JP2016116454A (ja) * 2014-12-18 2016-06-30 キリン株式会社 ビールテイストの発酵アルコール飲料およびその製造方法
WO2016143877A1 (ja) * 2015-03-10 2016-09-15 不二製油グループ本社株式会社 タンパク質原料中のプリン体低減方法
CN107404910A (zh) * 2015-03-10 2017-11-28 不二制油集团控股株式会社 蛋白质原料中的嘌呤体降低方法
JPWO2016143877A1 (ja) * 2015-03-10 2017-12-28 不二製油株式会社 タンパク質原料中のプリン体低減方法
CN107404910B (zh) * 2015-03-10 2021-01-22 不二制油集团控股株式会社 蛋白质原料中的嘌呤体降低方法
JP2017112965A (ja) * 2015-12-25 2017-06-29 アサヒビール株式会社 ビール様発泡性飲料
JP2018196335A (ja) * 2017-05-23 2018-12-13 キリン株式会社 ビールテイスト発酵アルコール飲料およびその製造方法
JP2018196336A (ja) * 2017-05-23 2018-12-13 キリン株式会社 ビールテイスト発酵アルコール飲料およびその製造方法
JP2020167955A (ja) * 2019-04-03 2020-10-15 サントリーホールディングス株式会社 ビールテイスト飲料
JP7403231B2 (ja) 2019-04-03 2023-12-22 サントリーホールディングス株式会社 ビールテイスト飲料

Also Published As

Publication number Publication date
JP6105277B2 (ja) 2017-03-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5778149B2 (ja) 発泡性発酵飲料の製造方法
US9848627B2 (en) Method for producing a non-alcoholic beverage
JP4275170B2 (ja) 発泡性アルコール飲料の製造方法
JP6105277B2 (ja) ビールテイスト飲料の製造方法
AU2016306247B2 (en) Beer-like effervescent beverage
JP6916660B2 (ja) 発酵アルコール飲料の製造方法
JP6849316B2 (ja) ビールテイスト飲料の製造方法及びビールテイスト飲料
WO2008069027A1 (ja) 泡安定剤及びそれを含有してなる発泡性飲料
JP5917166B2 (ja) 発酵麦芽飲料の製造方法
JP2010148371A (ja) 発泡性アルコール飲料及びその製造方法
JP2009028007A (ja) 麦芽アルコール飲料の製造方法
JP6309181B1 (ja) ビール様アルコール飲料
JP2017012092A (ja) 麦芽発酵飲料
JP7049821B2 (ja) ビール様発酵麦芽飲料の製造方法及びビール様発酵麦芽飲料の泡持ち向上方法
JP2019205385A (ja) 麦芽発酵飲料及びその製造方法
JP5855579B2 (ja) ピルビン酸含有量の高いビール様発泡性発酵飲料の製造方法
JP6284359B2 (ja) 発酵麦芽飲料
JP7419015B2 (ja) 発泡性アルコール飲料
JP5717830B2 (ja) 非発酵ビールテイスト飲料及びその製造方法
KR101995065B1 (ko) 보리 및 전분을 이용한, 맥주 풍미를 갖는 발효주의 제조 방법
JP7323730B1 (ja) 発酵ビールテイスト飲料及びその製造方法
JP7007200B2 (ja) 発酵アルコール飲料の製造方法
JP2023064993A (ja) 発酵ビール様発泡性飲料及びその製造方法
JP2023042249A (ja) ビール様発酵麦芽飲料
JP2023132525A (ja) 発酵ビール様発泡性飲料及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151104

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20151105

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160810

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160830

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161031

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20161101

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170221

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170302

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6105277

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250