JP2018196336A - ビールテイスト発酵アルコール飲料およびその製造方法 - Google Patents

ビールテイスト発酵アルコール飲料およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 プリン体濃度が低減されつつも、ビールらしさや味の厚みが実現されたビールテイスト発酵アルコール飲料の提供。【解決手段】 プリン体濃度が低減されたビールテイスト発酵アルコール飲料であって、飲料中のオリジナルエキス濃度に対する飲料中の分子量20〜100kDa(HPLCゲル濾過法)のペプチド濃度の比率が所定値の範囲内である、ビールテイスト発酵アルコール飲料が提供される。本発明の飲料は麦芽および/または未発芽の麦類を原料の少なくとも一部とすることができる。【選択図】なし

Description

本発明はビールテイスト発酵アルコール飲料およびその製造方法に関し、より詳細にはプリン体濃度が低減されたビールテイスト発酵アルコール飲料およびその製造方法に関する。
発酵麦芽飲料であるビール中には、プリン体化合物が40〜100mg/L程度存在するといわれている。プリン体化合物は、食餌として摂取された場合、尿酸に分解される。高尿酸血症における食餌制限では、このプリン体化合物の摂取の制限がなされる場合があるが、より高含有食物としての肉、卵、肝等の制限に加えて、ビールなどの発酵麦芽飲料についても食餌制限を受けることがある。このため、ビールなどの発酵麦芽飲料についてもプリン体化合物を低減した製品が望まれる。
これまでに、ビールなどの発酵麦芽飲料においてプリン体化合物を低減化する技術としては、ビールの麦汁にヌクレオシド・フォスフォリラーゼおよび/またはヌクレオシダーゼを作用させて、麦汁中のヌクレオシドを分解させ、プリン体化合物の濃度を低減させる技術(特許文献1)が知られている。また、発酵麦芽飲料の製造工程において、プリン体化合物を選択的に吸着する吸着剤でプリン体化合物を吸着、除去する処理を、糖化工程以降、ホップ添加前の工程において、25℃以上、かつ糖化工程に用いる温度以下の温度範囲で行うことにより、発酵麦芽飲料のプリン体化合物濃度を低減させる技術(特許文献2)も知られている。
国際公開第96/25483号 特開2004−290071号公報
本発明者らが確認したところ、プリン体濃度が低減されたビールテイスト発酵アルコール飲料では、ビールらしさや味の厚みに改善の余地があることが分かった。
本発明は、プリン体濃度が低減されつつも、ビールらしさや味の厚みが実現されたビールテイスト発酵アルコール飲料およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、プリン体濃度が低減されたビールテイスト発酵アルコール飲料において、飲料中のオリジナルエキス濃度(OE濃度)(°P)に対する飲料中の分子量20〜100kDa(HPLCゲル濾過法)のペプチド濃度の比率(ペプチド濃度/OE濃度、以下単に「ペプチド比率」ということがある)を特定範囲内にすることで、プリン体濃度が低減されたビールテイスト発酵アルコール飲料においてビールらしさや味の厚みを実現できることを見出した。本発明はこれらの知見に基づくものである。
本発明によれば以下の発明が提供される。
[1]ビールテイスト発酵アルコール飲料であって、飲料中のプリン体濃度と、飲料中のオリジナルエキス濃度(OE濃度)(°P)に対する飲料中の分子量20〜100kDa(HPLCゲル濾過法)のペプチド濃度(mg/100mL)の比率(ペプチド濃度/OE濃度)とが、下記(A)、(B)および(C):
(A)プリン体濃度が4.5mg/100mL未満であり、かつ、ペプチド濃度(mg/100mL)/OE濃度(°P)が2.7〜8.5である、
(B)プリン体濃度が3.0mg/100mL未満であり、かつ、ペプチド濃度(mg/100mL)/OE濃度(°P)が2.6〜12.4である、
(C)プリン体濃度が0.5mg/100mL未満であり、かつ、ペプチド濃度(mg/100mL)/OE濃度(°P)が2.7〜16.1である、
の少なくとも一つを満たす、ビールテイスト発酵アルコール飲料。
[2]プリン体濃度とペプチド濃度/OE濃度とが、前記(B)および前記(C)の少なくとも一つを満たす、上記[1]に記載のビールテイスト発酵アルコール飲料。
[3]プリン体濃度とペプチド濃度/OE濃度とが、前記(C)を満たす、上記[1]または[2]に記載のビールテイスト発酵アルコール飲料。
[4]麦芽および/または未発芽の麦類を少なくとも原料の一部とする、上記[1]〜[3]のいずれかに記載のビールテイスト発酵アルコール飲料。
[5]麦芽として少なくとも小麦麦芽を使用する、上記[1]〜[4]のいずれかに記載のビールテイスト発酵アルコール飲料。
[6]ビールテイスト発酵アルコール飲料の製造方法であって、少なくとも小麦麦芽が配合された麦汁を発酵させることを含んでなり、製造された飲料中のプリン体濃度と、製造された飲料中のオリジナルエキス濃度(OE濃度)(°P)に対する製造された飲料中の分子量20〜100kDa(HPLCゲル濾過法)のペプチド濃度(mg/100mL)の比率(ペプチド濃度/OE濃度)とが、下記(A)、(B)および(C):
(A)プリン体濃度が4.5mg/100mL未満であり、かつ、ペプチド濃度(mg/100mL)/OE濃度(°P)が2.7〜8.5である、
(B)プリン体濃度が3.0mg/100mL未満であり、かつ、ペプチド濃度(mg/100mL)/OE濃度(°P)が2.6〜12.4である、
(C)プリン体濃度が0.5mg/100mL未満であり、かつ、ペプチド濃度(mg/100mL)/OE濃度(°P)が2.7〜16.1である、
の少なくとも一つを満たす、ビールテイスト発酵アルコール飲料の製造方法。
[7]製造されたビールテイスト発酵アルコール飲料のプリン体濃度とペプチド濃度/OE濃度とが、前記(B)および前記(C)の少なくとも一つを満たす、上記[6]に記載の製造方法。
[8]製造されたビールテイスト発酵アルコール飲料のプリン体濃度とペプチド濃度/OE濃度とが、前記(C)を満たす、上記[6]または[7]に記載の製造方法。
本発明によれば、プリン体濃度が4.5mg/100mL未満のビールテイスト発酵アルコール飲料において、ペプチド比率を特定範囲内に調整することによって、プリン体濃度を低減しながら、ビールらしさや味の厚みを実現したビールテイスト発酵アルコール飲料を提供できることから、消費者の健康志向など、多様なニーズに応えることが出来る点で有利である。
図1は、実施例1で製造した試験区1および試験区2のビールテイスト発酵アルコール飲料におけるHPLCゲル濾過法による画分ごとのペプチド量を示したグラフである。
発明の具体的説明
本発明において「ビールテイスト」とは通常にビールを製造した場合、すなわち、酵母等による発酵に基づいてビールを製造した場合に得られるビール特有の味わい、香りを意味する。
本発明において「ビールテイスト発酵アルコール飲料」は、炭素源、窒素源および水などを原料として酵母により発酵させた飲料を意味し、ビール、発泡酒および原料として麦芽を使用するビールや発泡酒にアルコールを添加してなる飲料(例えば、酒税法上、「リキュール(発泡性)(1)」に分類されるリキュール系新ジャンル飲料)が挙げられる。ビールテイスト発酵アルコール飲料の好ましい態様としては、麦芽および/または未発芽の麦類を原料の少なくとも一部とするビールテイスト発酵アルコール飲料(すなわち、発酵麦芽飲料)が挙げられる。
本発明のビールテイスト発酵アルコール飲料は麦芽および/または未発芽の麦類を原料の少なくとも一部とするものとすることができ、好ましくは、麦由来の原料として少なくとも麦芽(例えば、小麦麦芽、大麦麦芽)を使用するものとすることができる。本発明のビールテイスト発酵アルコール飲料が麦芽を原料の少なくとも一部として使用する場合、麦芽使用比率にかかわらずビールらしさや味の厚みを実現することができるが、その場合の麦芽使用比率は、例えば、50%未満、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、3分の2未満あるいは3分の2以上とすることができる。本発明において「麦芽使用比率」とは、醸造用水を除く全原料の質量に対する麦芽質量の割合をいう。
本発明のビールテイスト発酵アルコール飲料は、プリン体濃度が低減されており、具体的には、本発明のビールテイスト発酵アルコール飲料のプリン体濃度は、4.5mg/100mL未満であり、これよりも低い濃度(例えば、4.2mg/100mL未満、3.0mg/100mL未満、2.8mg/100mL未満、1.5mg/100mL未満、1.0mg/100mL未満、0.5mg/100mL未満)に設定することができる。なお、プリン体濃度が0.5mg/100mL未満の飲料は「プリン体ゼロ飲料」に対応する。
プリン体の測定は公知の方法によって行うことができ、例えば、過塩素酸による加水分解後にLC−MS/MS(液体クロマトグラフィー質量分析法)を用いて検出する方法(「酒類中のプリン体の微量分析のご案内」、一般財団法人・日本食品分析センター、URL:http://www.jfrl.or.jp/item/nutrition/post-31.html 参照)により測定することができる。なお、本明細書中、「プリン体濃度」とは、アデニン、キサンチン、グアニン、ヒポキサンチンのプリン体塩基4種の総量を指す。
本発明のビールテイスト発酵アルコール飲料ではオリジナルエキス濃度(OE濃度)(°P)の上限値は適宜設定することができるが、例えば14とすることができる。OE濃度の下限値は飲み応え付与の観点から、2以上とすることができ、好ましくは6以上、より好ましくは8以上である。本発明において、OE濃度の範囲は、2〜14とすることができ、好ましくは6〜14、より好ましくは8〜14である。本発明において「オリジナルエキス濃度」はビールのコクや味の濃淡に影響し、ビール濃度の指標となるものであり、市販の機器(例えば、アルコライザー(アントンパール社製))を用いて測定することができる。なお、麦芽および/または未発芽の麦類を原料の少なくとも一部とするビールテイスト発酵アルコール飲料では「オリジナルエキス濃度」を「原麦汁エキス濃度」と言い換えることができる。
本発明のビールテイスト発酵アルコール飲料では、飲料中のオリジナルエキス濃度(OE濃度)(°P)に対する飲料中の分子量20〜100kDaのペプチド濃度(mg/100mL)の比率(ペプチド濃度/OE濃度、ペプチド比率)が特定範囲であることを特徴とする。本明細書においてペプチド比率の算出の元になる「ペプチド濃度」は、20〜100kDaの分子量を有する1種または2種以上のペプチドの含有量を合計して算出されるものである。また本明細書においてペプチドの「分子量」はHPLCゲル濾過法により測定されるものであり、測定の具体例は後記実施例1に示される通りである。ペプチドの定量はローリー法(Lowry法)により実施することができる。
本発明において、ペプチド比率の上限は16.1とすることができ、ペプチド比率の下限は2.6または2.7とすることができる。ペプチド比率の範囲としては、2.6〜16.1および2.7〜16.1が挙げられる。
本発明のビールテイスト発酵アルコール飲料においては、プリン体濃度が4.5mg/100mL未満または4.2mg/100mL未満である場合には、ペプチド比率は以下のように設定することができる。すなわち、ペプチド比率の上限は8.5とすることができ、好ましくは8.0である。ペプチド比率の下限は2.7とすることができ、好ましくは5.3である。ペプチド比率の範囲としては、2.7〜8.5が挙げられ、好ましくは2.7〜8.0、より好ましくは5.3〜8.0である。
本発明のビールテイスト発酵アルコール飲料においては、プリン体濃度が3.0mg/100mL未満または2.8mg/100mL未満である場合には、ペプチド比率は以下のように設定することができる。すなわち、ペプチド比率の上限は12.4とすることができ、好ましくは11.7である。ペプチド比率の下限は2.6とすることができ、好ましくは3.3、より好ましくは7.8である。ペプチド比率の範囲としては、2.6〜12.4が挙げられ、好ましくは2.6〜11.7、より好ましくは3.3〜11.7または7.8〜11.7である。
本発明のビールテイスト発酵アルコール飲料においては、プリン体濃度が0.5mg/100mL未満である場合には、ペプチド比率は以下のように設定することができる。すなわち、ペプチド比率の上限は16.1とすることができ、好ましくは15.3である。ペプチド比率の下限は2.7とすることができ、好ましくは3.4、より好ましくは4.2、特に好ましくは8.3である。ペプチド比率の範囲としては、2.7〜16.1が挙げられ、好ましくは2.7〜15.3または3.4〜15.3、より好ましくは4.2〜15.3または8.3〜15.3である。
本発明のビールテイスト発酵アルコール飲料は、プリン体濃度が低減されているにもかかわらず、ビールらしさと味の厚みが付与されたことを特徴とする。ここで、「ビールらしさ」とは、ビールに備わっていると想定される、甘味、苦味、酸味、旨味等の味のバランスが取れた状態であり、かつ、雑味がなく飲みやすい状態を意味する。また、「味の厚み」とは、味の広がり、複雑さ、ボディ感等により認識される香味感覚を意味する。
本発明のビールテイスト発酵アルコール飲料は、飲料中のプリン体濃度が所定の範囲内に低減され、かつ、飲料中のペプチド比率が所定の範囲内に調整される限り、その製造手順に制限はなく、例えば、下記のように製造することができる。すなわち、麦芽、ホップ、副原料、醸造用水等の醸造原料から調製された麦汁に発酵用ビール酵母を添加して発酵を行い、得られた発酵液を低温にて貯蔵した後、濾過工程により酵母を除去することによりビールテイスト発酵アルコール飲料を製造することができる。飲料におけるプリン体含量の低減は後記に記載の通り公知の方法に従って行うことができる。このようにして得られたプリン体濃度が低減されたビールテイスト発酵アルコール飲料に、ペプチド比率が所定値となるように分子量20〜100kDaのペプチドを添加し、本発明のビールテイスト発酵アルコール飲料とすることができる。ビールテイスト発酵アルコール飲料への該ペプチドの配合は発酵後の発酵液への添加により行うことができ、このようにしてプリン体濃度が低減され、かつ、分子量20〜100kDaのペプチドが配合されたビールテイスト発酵アルコール飲料を製造することができる。分子量20〜100kDaのペプチドは、例えば、実施例1および2に記載された手順に従って、麦芽および/または未発芽の麦類を原料の少なくとも一部とするビールテイスト発酵アルコール飲料から調製することができる。
すなわち、本発明によれば、麦芽および/または未発芽の麦類を原料の少なくとも一部とするビールテイスト発酵アルコール飲料に由来する分子量20〜100kDaのペプチドを配合してなるプリン体濃度が低減されたビールテイスト発酵アルコール飲料が提供され、該飲料は本発明のビールテイスト発酵アルコール飲料の一部である。該ペプチドが配合されてなるビールテイスト発酵アルコール飲料は、プリン体濃度が低減されているにもかかわらず、ビールテイスト発酵アルコール飲料としての風味が改善あるいは向上されており、具体的には、ビールらしさと味の厚みが増強された飲料である。
ビールテイスト発酵アルコール飲料におけるプリン体含量の低減は公知の方法に従って行うことができ、例えば、発酵前液や発酵液を活性炭やゼオライトなどの吸着剤と接触させて飲料中のプリン体含量を低減させる方法(特開2003−169658号公報、特開2004−290071号公報、特開2004−290072号公報、特開2015−112090号公報など参照)や、プリン体の持込みが少ない麦芽以外の原料(例えば、大豆タンパク、コーングリッツ)を用いて飲料中のプリン体含量を低減させる方法(特開2014−117204号公報、特開2014−117205号公報など参照)により飲料中のプリン体濃度を所定値にすることができる。
上記製造手順において麦汁の作製は常法に従って行うことができる。例えば、醸造原料と醸造用水の混合物を糖化し、濾過して、麦汁を得、その麦汁にホップを添加した後、煮沸し、煮沸した麦汁を冷却することにより麦汁を調製することができる。また、麦汁は、糖化工程中に市販の酵素製剤を添加して作製することもできる。例えば、タンパク分解のためにプロテアーゼ製剤を、糖質分解のためにα−アミラーゼ製剤、グルコアミラーゼ製剤、プルラナーゼ製剤等を、繊維素分解のためにβ−グルカナーゼ製剤、繊維素分解酵素製剤等をそれぞれ用いることができ、あるいはこれらの混合製剤を用いることもできる。
本発明のビールテイスト発酵アルコール飲料の製造において、製造飲料中のペプチド比率を所定値の範囲内に調整するためには、例えば、原料である麦芽および/または未発芽の麦類の仕込み・糖化工程におけるタンパク分解を抑制することや、原料である麦芽の製麦工程におけるタンパク分解度を抑制することなどにより、調整することができる。なお、タンパク分解としては、麦芽や未発芽の麦類に内在するプロテアーゼ、あるいは外から添加するプロテアーゼ製剤によるものが挙げられる。分解の抑制は、プロテアーゼ製剤の添加量を減じる、タンパク分解の作用温度における処理時間を減じる、作用pHを至適条件から変更するなどにより行うことができる。
本発明のビールテイスト発酵アルコール飲料の製造では、麦芽以外に、未発芽の麦類(例えば、未発芽大麦(エキス化したものを含む)、未発芽小麦(エキス化したものを含む));米、とうもろこし、こうりゃん、馬鈴薯、でんぷん、糖類(例えば、液糖)等の酒税法で定める副原料;タンパク質分解物や酵母エキス等の窒素源;香料、色素、起泡・泡持ち向上剤、水質調整剤、発酵助成剤等のその他の添加物を醸造原料として使用することができる。本発明のビールテイスト発酵アルコール飲料は、醸造用水以外の使用原料を少なくとも麦芽およびホップとすることができ、場合によっては更に糖類、米、とうもろこし、でんぷん等を使用原料とすることができる。なお、ビールテイスト発酵アルコール飲料のうちオールモルトビールは、麦芽、ホップ、水から製造できることはいうまでもない。
本発明のビールテイスト発酵アルコール飲料は、また、少なくとも小麦麦芽が配合された麦汁を発酵させることにより製造することができる。すなわち、本発明によれば、少なくとも小麦麦芽が配合された麦汁を発酵させることを含んでなり、製造された飲料中のプリン体濃度と、製造された飲料のペプチド比率(ペプチド濃度/OE濃度)とが、下記(A)、(B)および(C):
(A)プリン体濃度が4.5mg/100mL未満であり、かつ、ペプチド濃度(mg/100mL)/OE濃度(°P)が2.7〜8.5である、
(B)プリン体濃度が3.0mg/100mL未満であり、かつ、ペプチド濃度(mg/100mL)/OE濃度(°P)が2.6〜12.4である、
(C)プリン体濃度が0.5mg/100mL未満であり、かつ、ペプチド濃度(mg/100mL)/OE濃度(°P)が2.7〜16.1である、
の少なくとも一つを満たす、ビールテイスト発酵アルコール飲料の製造方法が提供される。
本発明の製造方法においては、少なくとも小麦麦芽を麦芽原料として用いること以外は、通常のビールテイスト発酵アルコール飲料の製造手順に従って製造することができる。すなわち、麦芽(一部または全部が小麦麦芽である)、ホップ、副原料、醸造用水等の醸造原料から調製された麦汁に発酵用ビール酵母を添加して発酵を行い、得られた発酵液を低温にて貯蔵した後、濾過工程により酵母を除去することによりビールテイスト発酵アルコール飲料を製造することができる。
上記製造手順において麦汁の作製は、前記と同様に常法に従って行うことができる。また、麦芽以外の使用可能な醸造原料も、前記と同様のものを用いることができる。
本発明の製造方法において、原料として配合する炭素源および窒素源は、麦芽のみとすることができ、この場合、オールモルトビールを製造することができる。本発明の製造方法においてはまた、原料として配合する炭素源および窒素源は、麦芽に加えて、米、とうもろこし、こうりゃん、馬鈴薯、でんぷん、糖類(例えば、液糖)等の酒税法で定める副原料等を使用することができ、麦芽使用比率は50%未満、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、3分の2未満あるいは3分の2以上とすることができる。
本発明の製造方法において、原料として配合する麦芽は、少なくとも小麦麦芽を含むものであり、小麦麦芽のみを原料麦芽として配合しても、小麦麦芽以外の麦芽(例えば、大麦麦芽)をさらに配合してもよい。原料麦芽に占める小麦麦芽の割合は、例えば、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上あるいは100%とすることができる。
本発明の別の面によれば、麦芽および/または未発芽の麦類を原料の少なくとも一部とするビールテイスト発酵アルコール飲料に由来する、分子量20〜100kDa(HPLCゲル濾過法)のペプチドを有効成分として含んでなる、プリン体濃度が低減されたビールテイスト発酵アルコール飲料の風味改善剤と、該飲料の風味改善方法が提供される。本明細書において「ビールテイスト発酵アルコール飲料の風味改善」とは、プリン体濃度が低減されたビールテイスト発酵アルコール飲料において、ビールらしさや味の厚みが実現されることを意味するものとする。本発明の風味改善剤と風味改善方法は本発明のビールテイスト発酵アルコール飲料および該飲料の製造方法についての記載に従って実施することができる。
以下の例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
実施例1:ビールテイスト発酵アルコール飲料に好ましい香味を付与するペプチド画分の特定
(1)ビールテイスト発酵アルコール飲料の製造
ラボスケールで以下の操作によりビールテイスト発酵アルコール飲料の製造を行った。試験区1は65℃の湯100質量部に対して、大麦麦芽34質量部、酵素製剤を投入して80分保持し、78℃に昇温して5分保持した後、濾過を行い、濾液を得た。試験区2は65℃の湯100質量部に対して、大麦麦芽17質量部、小麦麦芽17質量部、酵素製剤を投入して80分保持し、78℃に昇温して5分保持した後、濾過を行い、濾液を得た。各濾液にホップを投入して100℃で90分間煮沸した後、麦汁静置を行ない、トリューブを分離した後、冷却して発酵前液を得た。発酵前液に下面発酵酵母を添加し、常法に従って主発酵および後発酵を行った。続いて、後発酵後の発酵液をより低温で保持することにより貯蔵を行ない酵母を沈降させ、清澄なビールテイスト発酵アルコール飲料(試験区1、2)を得た。
(2)ビールテイスト発酵アルコール飲料の官能評価
試験区1と試験区2の飲料を官能評価に供した。具体的には、「味の厚み」について、最低点は1点、最高点は5点として5段階で評価を行った。「味の厚み」とは、味の広がり、複雑さ、ボディ感等により認識される香味感覚をいう。官能評価は6名の訓練されたパネラーにより実施し、パネラー6名の評価スコアの平均点を算出した。官能評価の結果とパネラーの香味印象を表1に示す。
Figure 2018196336
表1の結果から、試験区2では試験区1に比べて味の厚みが増すことが確認された。また、試験区2では試験区1に比べて雑味が少なくバランスがとれていることが確認された。
(3)ペプチド定量
(ア)ゲル濾過分画用のサンプル調製
上記(1)で得られた飲料(試験区1、2)をそれぞれ計量して凍結乾燥した。乾燥物を50mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0 150mM NaCl含む)で溶解して2.5倍濃縮液を調製し、分画用サンプルとした。
(イ)HPLCゲル濾過法
サンプルは、以下の条件にてゲル濾過分画を行った。
<HPLCゲル濾過法分析条件>
カラム:Superdex 75 10/300(GEヘルスケア社製)
サンプル注入量:100μL
溶離液組成:50mMリン酸ナトリウム(pH7.0)、20%(v/v)アセトニトリル、150mM NaCl
流速:0.5mL/分(流速一定)
検出波長:215nm
分画プログラム:表2に示す通りである。
Figure 2018196336
(ウ)分画範囲の設定
上記(イ)のHPLCゲル濾過法分析条件に記載のカラム、溶離液、流速、検出波長において、分子量既知のペプチドを0.1〜5mg/mLで適宜超純水に溶解したものを50μL注入してHPLC分析を行い、保持時間を確認した(表3)。その保持時間と分子量から検量線を作成し、分子量範囲と分画範囲を決定した。
Figure 2018196336
(エ)Lowry法によるタンパク定量
上記(イ)のゲル濾過分画によって得られたペプチド画分のタンパク定量は、市販のキット(DCプロテインアッセイ、Bio−Rad社製)を用いたLowry法により行った。具体的には、まず、上記分画液を50μL採って遠心減圧濃縮乾固し、超純水10μLを加えて再溶解して分析サンプルとした。そこにA液を50μL加えて撹拌し、続いてB液を400μL加えて攪拌した。室温で15分間発色反応を行った後、96ウェルプレートに350μL移して750nmの吸光度を測定した。得られた吸光度と予め作成した検量線に基づき、ペプチド濃度を算出した。なお、検量線はBSA(ウシ血清アルブミン)を用いて作成した。試験区1および試験区2の各画分のペプチド濃度(mg/100mL飲料)を図1に示す。両試験区では、画分No.2の20〜100kDaにおけるペプチド濃度の差が最も顕著であった。
(4)ゲル濾過分画
上記(1)で得られた飲料(試験区1、2)をそれぞれ計量して凍結乾燥した。乾燥物を100mM NaCl溶液で溶解して5倍濃縮液を調製し、分画用サンプルとした。サンプルは、以下の条件にてゲル濾過分画を行った。
カラム:Hiload Superdex 30pg 26/600(GEヘルスケア社製)
サンプル注入量:5mL
溶離液組成:100mM NaCl
流速:2.5mL/分(流速一定)
検出波長:215nm
分取:0.29cv(カラム・ボリューム)から19.1mL(フラクション0)、その後0.35cvから5mLずつ分画(フラクション1〜51)
分画物の官能評価により、香味の特徴の違いによって、表4のようにフラクションをプレ画分、A1、A2、B、C、D、E、F、Gの9つのグループに分けた。
Figure 2018196336
(5)ペプチド画分の精製・濃縮
上記(4)で得られたプレ画分について硫安沈殿を行い0〜70%飽和硫安沈殿物を得た。沈殿を超純水に溶解し、透析により塩を除去した。透析膜はSpectra/Por 1(Spectrum Laboratories社製)を使用した。さらに、凍結乾燥を行い超純水に溶解することで濃縮液を得た。ペプチド分画物をSuperdex 75 10/300カラムにて分析し、大きさを推定したところ、約20〜100kDaを中心に分布している事が確認された(データ示さず)。よって、プレ画分は20〜100kDaペプチド画分であることが確認された(以下、「20〜100kDaペプチド画分」という)。
(6)ペプチド画分のビールテイスト発酵アルコール飲料への添加と官能評価
上記(5)で得られた試験区1と試験区2の各20〜100kDaペプチド画分を、市販のビールテイスト発酵アルコール飲料に添加した。具体的には、試験区1の該ペプチド画分を添加先の飲料に含まれる20〜100kDaペプチド量が30%増加するように加えた(試験区1添加飲料)。また、試験区2の該ペプチド画分については、該ペプチド画分を添加した後の飲料(試験区2添加飲料)に含まれる20〜100kDaペプチド量と、試験区1添加飲料の20〜100kDaペプチド量との比が、図1に示した試験区1と試験区2の画分No.2(20〜100kDa)の量比となるように、市販のビールテイスト発酵アルコール飲料に添加した。各添加後の飲料の「味の厚み」について、6名の訓練されたパネラーにより上記(2)に記載の方法と同様にして官能評価を行った。
試験区1および試験区2のいずれの20〜100kDaペプチド画分を添加しても味の厚みが増加したが、特に、試験区2の20〜100kDaペプチド画分を添加した方が味の厚みが増し、かつ雑味が少なくバランスがとれていることが確認された。これは表1に示した官能評価結果および香味印象と一致した。以上より、試験区1と試験区2の飲料の味の違いは、各飲料に含まれる20〜100kDaペプチド濃度の違いによるものと判断した。
実施例2:各種ビールテイスト発酵アルコール飲料への20〜100kDaペプチドの添加と官能評価
(1)サンプル飲料の調製
プリン体濃度が異なる市販のビールテイスト発酵アルコール飲料(対照A、BおよびC、以下「対照サンプル」という)に、飲料に元々含まれる20〜100kDaペプチドの含有量を考慮した上で、飲料中のオリジナルエキス濃度(OE濃度)(°P)に対する飲料中の分子量20〜100kDa(HPLCゲル濾過法)のペプチド濃度(mg/100mL)の比率(ペプチド比率)が表5に示す数値となるように20〜100kDaペプチドを添加した。ペプチドには、実施例1(5)で調製したものを用い、サンプル飲料(A1〜A4、B1〜B5およびC1〜C6)を調製した。
(2)プリン体濃度の測定
BCОJビール分析法(ビール酒造組合、8.30 プリン体;HPLC−UV法によるビール、発泡酒、新ジャンルの総プリン体定量)を参考に、試料を70%過塩素酸で分解し、遊離型のプリン体化合物濃度(mg/100mL)を液体クロマトグラフィー質量分析計により測定した。
(3)ペプチド比率の分析
サンプル飲料中のペプチド比率は以下の算出式にて求めた。
Figure 2018196336
サンプル中のペプチド濃度(mg/100mL)の測定は、実施例1(3)に記載の方法に従って行った。サンプル中のオリジナルエキス濃度はBCOJビール分析法(ビール酒造組合、8.3.6、8.4.3および8.5)に準じて測定した。測定はアルコライザー(アントンパール社製)を用いて実施した。
(4)官能評価
各サンプル飲料を官能評価に供した。具体的には、「ビールらしさ」および「味の厚み」の2項目について、感じられる(9点)から感じられない(1点)の9段階で評価を行った。「ビールらしさ」とは、ビールに備わっていると想定される、甘味、苦味、酸味、旨味等の味のバランスが取れた状態であり、かつ、雑味がなく飲みやすい状態をいう。「味の厚み」とは、味の広がり、複雑さ、ボディ感等により認識される香味感覚をいう。
官能評価は4名の訓練されたパネラーにより実施し、パネラー4名の評価スコアの平均点を算出した。対照サンプルのスコアに対する各サンプル飲料の該平均点の比率(百分率)を求め、以下の基準に基づいて、各サンプルの評点を付した。
「ビールらしさ」の評点
101%未満 :1
101%以上115%未満:2
115%以上125%未満:3
125%以上135%未満:4
135%以上 :5
「味の厚み」の評点
101%未満 :1
101%以上120%未満:2
120%以上130%未満:3
130%以上140%未満:4
140%以上 :5
また、総合評価として、上記2項目の評価で得られた点数に基づいて、「ビールらしさ」と「味の厚み」がやや向上したものを「C」、「ビールらしさ」と「味の厚み」が向上したものを「B」、「ビールらしさ」と「味の厚み」が大きく向上したものを「A」と評価した。なお、対照品は「−」とした。
(5)評価結果
各サンプル飲料のプリン体濃度、オリジナルエキス濃度およびペプチド比率と、官能評価の結果およびパネラーの香味印象を表5に示す。
Figure 2018196336
表5の結果から、プリン体濃度が4.5mg/100mL未満のビールテイスト発酵アルコール飲料であっても、プリン体濃度に応じて、ペプチド比率を2.6〜16.1の範囲内で調整することでビールらしさや味の厚みを実現できることが確認された。
実施例3:ビールテイスト発酵アルコール飲料の調製および20〜100kDaペプチドがビールらしさと味の厚みに与える影響の分析
(1)ビールテイスト発酵アルコール飲料の製造
パイロットプラントでビールテイスト発酵アルコール飲料の製造を行った。ビールテイスト発酵アルコール飲料の製造においては、主原料として大麦麦芽あるいは小麦麦芽を使用した。糖化の温度および時間を調整し、濾過することで、異なる組成の煮沸前麦汁を得た。
(ア)サンプル番号1の糖化条件
50℃の湯100質量部に対して、小麦麦芽35質量部および酵素製剤を投入して40分保持後、68℃に昇温して15分保持した。その後、78℃に昇温して5分保持してから濾過して煮沸前麦汁を得た。得られた煮沸前麦汁にホップを投入し、以降は(エ)の操作に従った。
(イ)サンプル番号2の糖化条件
50℃の湯100質量部に対して、小麦麦芽21質量部および酵素製剤を投入して25分保持した。その後、65℃に昇温して50分保持し、78℃に昇温して5分保持してから濾過して煮沸前麦汁を得た。得られた煮沸前麦汁にホップ、さらに、糖類9質量部を投入し、以降は(エ)の操作に従った。
(ウ)サンプル番号3の糖化条件
50℃の湯100質量部に対して、大麦麦芽14質量部、小麦麦芽10質量部および酵素製剤を投入して25分保持した。その後、65℃に昇温して58分保持し、78℃に昇温して10分保持してから濾過して煮沸前麦汁を得た。得られた煮沸前麦汁にホップ、さらに、糖類9質量部を投入し、以降は(エ)の操作に従った。
(エ)煮沸および発酵工程
上記の煮沸前麦汁調製工程(ア)〜(ウ)に続いて100℃で90分間煮沸した後、麦汁静置を行ない、トリューブを分離した後、冷却して発酵前液を得た。その後、発酵前液に下面発酵酵母を添加し、常法に従って主発酵および後発酵を行なった。続いて、後発酵後の発酵液をより低温で保持することにより貯蔵を行ない、濾過して清澄なビールテイスト発酵アルコール飲料(サンプル番号1〜3)を得た。
(2)ビールテイスト発酵アルコール飲料の分析および官能評価
製造して得られたビールテイスト発酵アルコール飲料に関して、前述の記載に従ってプリン体濃度、オリジナルエキス濃度およびペプチド濃度を測定し、ペプチド比率を算出した。結果を表6に示す。
Figure 2018196336
いずれのサンプルも、プリン体濃度が4.5mg/100mL以下であり、かつ、ペプチド比率が2.6〜16.1の範囲内であることを確認した。
サンプル番号1〜3のサンプル飲料を、5名の訓練されたパネラーによる官能評価に供した。評価項目は実施例2(4)に記載されている「ビールらしさ」および「味の厚み」の2項目とした。官能評価の結果、いずれの飲料も、ビールらしさや味の厚みが実現されていることを確認した。すなわち、プリン体濃度が4.5mg/100mL未満のビールテイスト発酵アルコール飲料であっても、プリン体濃度に応じて、ペプチド比率が2.6〜16.1の範囲内で調整することでビールらしさや味の厚みを実現できることが確認された。

Claims (6)

  1. ビールテイスト発酵アルコール飲料であって、飲料中のプリン体濃度と、飲料中のオリジナルエキス濃度(OE濃度)(°P)に対する飲料中の分子量20〜100kDa(HPLCゲル濾過法)のペプチド濃度(mg/100mL)の比率(ペプチド濃度/OE濃度)とが、下記(A)、(B)および(C):
    (A)プリン体濃度が4.5mg/100mL未満であり、かつ、ペプチド濃度(mg/100mL)/OE濃度(°P)が2.7〜8.5である、
    (B)プリン体濃度が3.0mg/100mL未満であり、かつ、ペプチド濃度(mg/100mL)/OE濃度(°P)が2.6〜12.4である、
    (C)プリン体濃度が0.5mg/100mL未満であり、かつ、ペプチド濃度(mg/100mL)/OE濃度(°P)が2.7〜16.1である、
    の少なくとも一つを満たす、ビールテイスト発酵アルコール飲料。
  2. プリン体濃度とペプチド濃度/OE濃度とが、前記(B)および前記(C)の少なくとも一つを満たす、請求項1に記載のビールテイスト発酵アルコール飲料。
  3. プリン体濃度とペプチド濃度/OE濃度とが、前記(C)を満たす、請求項1または2に記載のビールテイスト発酵アルコール飲料。
  4. 麦芽および/または未発芽の麦類を少なくとも原料の一部とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のビールテイスト発酵アルコール飲料。
  5. 麦芽として少なくとも小麦麦芽を使用する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のビールテイスト発酵アルコール飲料。
  6. ビールテイスト発酵アルコール飲料の製造方法であって、少なくとも小麦麦芽が配合された麦汁を発酵させることを含んでなり、製造された飲料中のプリン体濃度と、製造された飲料中のオリジナルエキス濃度(OE濃度)(°P)に対する製造された飲料中の分子量20〜100kDa(HPLCゲル濾過法)のペプチド濃度(mg/100mL)の比率(ペプチド濃度/OE濃度)とが、下記(A)、(B)および(C):
    (A)プリン体濃度が4.5mg/100mL未満であり、かつ、ペプチド濃度(mg/100mL)/OE濃度(°P)が2.7〜8.5である、
    (B)プリン体濃度が3.0mg/100mL未満であり、かつ、ペプチド濃度(mg/100mL)/OE濃度(°P)が2.6〜12.4である、
    (C)プリン体濃度が0.5mg/100mL未満であり、かつ、ペプチド濃度(mg/100mL)/OE濃度(°P)が2.7〜16.1である、
    の少なくとも一つを満たす、ビールテイスト発酵アルコール飲料の製造方法。
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