JP5717830B2 - 非発酵ビールテイスト飲料及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、発酵感が付与された非発酵ビールテイスト飲料及びその製造方法に関する。
近年、アルコール含量を1質量%未満とした酒税法上の酒類に属さないビールテイストを有する清涼飲料(いわゆる、ノンアルコールビールテイスト飲料)が消費者の間に広まっている。このようなノンアルコールビールテイスト飲料は、ビールテイストを楽しむために多量に摂取する場合であっても摂取される総アルコール量が低いため、水分補給に適し、且つ近年の健康指向にも沿った製品となっている(例えば、特開平8−228753号公報、特開平8−509855号公報、及び特開平5−068528号公報参照)。
このようなノンアルコールビールテイスト飲料の中には、製造工程におけるアルコール発酵を抑制し(不十分なものとし)、発酵により生成されるアルコール含量を低減することにより製造されるもの、及び発酵を全く行わず、発酵以外の手段によりビール様の風味を付与することにより製造されるもの(非発酵ビールテイスト飲料)が知られている。ここで、特に、非発酵ビールテイスト飲料は、製造にあたって、特別な発酵装置を必要とせずにビール風味の飲料を製造できる利点を有し、飲酒運転規制の強化の中、運転を前提とした消費者でも飲用できる飲料として、現在、広く販売されている。
しかしながら、ビールが有する風味の大部分は、酵母によるアルコール発酵の際に生成する香気成分に由来するものである。このため、従来、非発酵ビールテイスト飲料においてビールらしい香気を付与することは非常に困難であった。
従って、本発明は、発酵感が付与された非発酵ビールテイスト飲料、及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の発明者らは、上記課題に鑑み、鋭意研究を行った。その結果、含硫化合物を含有する香料組成物を、前記含硫化合物の含有量が所定の濃度となるように非発酵ビールテイスト飲料に添加する工程を含む製造方法によれば、良好な発酵感が付与された非発酵ビールテイスト飲料を製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
具体的には、本発明は、以下のものを提供する。
本発明の第一の態様は、含硫化合物を含有する香料組成物を、前記含硫化合物の含有量が1×102ppt以上1×103ppt以下となるように非発酵ビールテイスト飲料に添加する工程を含む非発酵ビールテイスト飲料の製造方法である。
本発明の第二の態様は、含硫化合物を1×102ppt以上1×103ppt以下含有する非発酵ビールテイスト飲料である。
本発明においては、非発酵ビールテイスト飲料に、含硫化合物の含有量が所定の濃度となるように含硫化合物を含有する香料組成物を添加するので、ビールに特有の良好な発酵感が付与された非発酵ビールテイスト飲料を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
<非発酵ビールテイスト飲料の製造方法>
本発明の非発酵ビールテイスト飲料の製造方法は、含硫化合物を含有する香料組成物を、含硫化合物の含有量が1×102ppt以上1×103ppt以下となるように非発酵ビールテイスト飲料に添加する工程を含む。
ここで、まず、非発酵ビールテイスト飲料の一般的な製造方法を示す。
本発明において、非発酵ビールテイスト飲料は、基本的には麦芽等を利用して調製される液糖溶液を、酵母により発酵させずに炭酸ガスを添加することにより製造されるが、麦芽等を利用せずに調製された水溶液を、酵母により発酵させずに炭酸ガスを添加することにより製造してもよい。
麦芽等を利用して非発酵ビールテイスト飲料を調製する場合、まず、一般には、麦芽等の粉砕物等と、必要に応じて米やコーンスターチ等の澱粉質に温水を加えて混合・加温し、主に麦芽の酵素を利用して澱粉質を糖化させる。この液糖溶液を濾過して得られた濾液に、例えば、糖類、穀物シロップ、穀物エキス、食物繊維、果汁、苦味料、色素、ホップ等の副原料を加え煮沸する。
ホップを含む液糖溶液の煮沸条件は、100℃以上の温度で60分から90分程度とすることが好ましい。高温で一定時間煮沸することにより、ホップ中のα酸をイソα酸に変換することができる。
本発明において用いられる麦芽の粉砕物、米やコーンスターチ等の澱粉質、炭素源を含有する液糖、麦又は麦芽以外のアミノ酸含有材料としての窒素源等の原料は、特に限定されるものではなく、従来のビールテイスト飲料を製造する場合に、通常用いられるものを、通常用いられる量で用いればよい。
原料を添加された溶液には、煮沸後にホップ粕等の沈殿物を除去し、炭酸ガスを添加して、目的の非発酵ビールテイスト飲料を得ることができる。
なお、麦芽等を利用せずに非発酵ビールテイスト飲料を調製する場合、穀類及び/又は豆類の原料と、澱粉質及びタンパク質を加水分解可能な酵素剤を用いて液糖溶液を調製し、これを酵母により発酵させずに炭酸ガスを添加すればよい。麦芽等を利用せずに調製される非発酵ビールテイスト飲料においても、麦芽等を利用して調製される非発酵ビールテイスト飲料に用いられる副原料と同様の副原料を用いることができる。
また、本発明の非発酵ビールテイスト飲料を調製する場合には、原料溶液に気体の状態で炭酸ガスを添加する方法ではなく、濃厚な原料溶液を調製した後に、炭酸水を添加する方法により非発酵ビールテイスト飲料を調製してもよい。斯かる方法は、通常のソフトドリンクの製造プロセスにおいて行われるものであるため、発酵設備を利用しなくても、簡便に非発酵ビールテイスト飲料を調製することができる。
(含硫化合物を含有する香料組成物)
本発明の非発酵ビールテイスト飲料の製造方法においては、含硫化合物を含有する香料組成物を、含硫化合物の含有量が所定の含有量となるように非発酵ビールテイスト飲料に添加する。従来、ビールやビールテイスト飲料において、含硫化合物は日光を照射された際に生じる不快臭(「スカンクの味」、「光で壊された味」、「日射病にかかった味」)を生じさせる原因となっていた(例えば、特開昭59−179058号参照)。このため、通常のビールやビールテイスト飲料においては、その風味を良好なものとするために、特に、3−メチル−2−ブテン−1−チオール等の含硫化合物の含有量を、可能な限り低く抑える試みがなされてきた。
しかしながら、本発明の発明者らは、従来の常識に反して含硫化合物を添加することにより、非発酵ビールテイスト飲料に優れたビールらしい発酵感を付与できることを見出した。即ち、予想外にも、3−メチル−2−ブテン−1−チオール及び3−メチル−2−ブタンチオール等の含流化合物を、所定の濃度となるように非発酵ビールテイスト飲料に添加することにより、発酵を経ていないビールテイスト飲料においても、不快臭の発生を抑えつつ、良好な発酵感を付与できることを見出したものである。
ここで、香料組成物は、任意の段階で非発酵ビールテイスト飲料に添加すればよい。例えば、香料組成物は、麦汁等の原料溶液の糖化前に添加してもよく、液糖溶液の煮沸前、煮沸時、及び煮沸後に添加しても良いが、特に製品充填の直前に添加することが好ましい。また、本発明の非発酵ビールテイスト飲料の製造方法において、ホップを添加する場合、香料組成物はホップと同時に添加してもよく、ホップとは別に添加しても良い。
本発明において、非発酵ビールテイスト飲料に添加される香料組成物に含有される含硫化合物としては、チオール基を有する揮発性物質であることが好ましい。チオール基を有する揮発性物質としては、ビール類等に含まれる含硫化合物であれば、特に限定されるものではなく、例えば、3−メチル−2−ブテン−1−チオール、3−メチル−2−ブタンチオール、3−メチル−1−ブタンチオール及び2−メチル−1−ブタンチオール等の化合物を挙げることができる。これらの中でも、不快臭の発生を抑制しつつ、非発酵ビールテイスト飲料に良好な発酵感を付与できる点から、含硫化合物として、3−メチル−2−ブテン−1−チオール及び3−メチル−2−ブタンチオールを用いることが好ましい。これら含硫化合物は単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。また、上記香料組成物は、含硫化合物と、含硫化合物以外の他の成分との混合物であってもよいし、含硫化合物のみを含むものであってもよい。
本発明の非発酵ビールテイスト飲料の製造方法において、含硫化合物を含有する香料組成物を添加する際の添加量は、非発酵ビールテイスト飲料中の含硫化合物の濃度が1×102ppt以上1×103ppt以下となる添加量であり、2×102ppt以上5×102ppt以下となる添加量であることが好ましい。上記添加量の範囲内で非発酵ビールテイスト飲料に香料組成物を添加することにより、優れたビールらしさと良好な発酵感を有する、おいしさに優れた非発酵ビールテイスト飲料を提供することができる。
本発明の非発酵ビールテイスト飲料の製造方法においては、非発酵ビールテイスト飲料中の銅イオンの濃度が0.1ppm以下となるように調整されていることが好ましい。
通常、ビール類を製造する場合、健全な熱トルーブの形成のため、煮沸完了後に乳酸等のpH調整剤を用いてpHを5前後に調整する。その後、発酵工程で酵母により乳酸等の有機酸が生成されると、ビール類のpHは4前後にまで低下する。しかしながら、発酵工程を経ない非発酵ビールテイスト飲料の製造方法においては、酵母により有機酸が生成しないため、ビールらしい香味の実現と微生物耐久性の向上のため、煮沸完了時までにビールのpHを4程度にまで低下させることが通常である。
ここで、ビール類の製造に用いる煮沸装置は、熱伝導率の高い銅を熱部位に用いることがある。銅は低いpHで溶液中に溶出することが知られており、pH4以下の酸性溶液では特にその傾向が顕著である。一般には、pH5程度の溶液を、銅を含む容器に接触させても銅が溶出することはないが、pH4以下の溶液を、銅を含む容器に接触させた場合、銅が溶出しやすくなる。含硫化合物は銅イオンと反応することにより、非発酵ビールテイスト飲料から除去されるため、煮沸容器に銅を含む容器を用いる場合には、煮沸工程の後でpH調整を行うことが好ましい。
本発明の非発酵ビールテイスト飲料は、非発酵でありアルコールを含まないものであるが、アルコールを添加してアルコール飲料とすることもできる。非発酵ビールテイスト飲料に添加できるアルコールは限定されず、例えば、原料用アルコール、ビール、焼酎、泡盛、ウイスキー、ブランデー、ウォッカ、ラム、テキーラ、ジン、スピリッツ等を挙げることができる。アルコールの添加量は非発酵ビールテイスト飲料の最終アルコール濃度を想定して適宜調整することができる。非発酵ビールテイスト飲料に添加されるアルコールは、任意の段階で添加すればよい。
<非発酵ビールテイスト飲料>
本発明の非発酵ビールテイスト飲料は、含硫化合物を1×102ppt以上1×103ppt以下含有する。上述の通り、非発酵ビールテイスト飲料に、含硫化合物を上記の含有量で含有させることにより、優れたビールらしさと良好な発酵感を有する、おいしさに優れた非発酵ビールテイスト飲料を提供することができる。
含硫化合物の含有量は、1×102ppt以上1×103ppt以下であるものの、2×102ppt以上5×102ppt以下であることがより好ましい。また、含硫化合物としては、チオール基を有する揮発性物質を用いることが好ましく、例えば、3−メチル−2−ブテン−1−チオール、3−メチル−2−ブタンチオール、3−メチル−1−ブタンチオール及び2−メチル−1−ブタンチオール等の化合物を用いることができる。これらの中でも、不快臭の発生を抑制しつつ、非発酵ビールテイスト飲料に良好な発酵感を付与できる点から、含硫化合物として、3−メチル−2−ブテン−1−チオール及び3−メチル−2−ブタンチオールを用いることが好ましい。
本発明の非発酵ビールテイスト飲料は、麦芽等を利用してもよいし利用しなくてもよいが、麦芽等を利用する場合には、例えば、麦芽等の粉砕物等に加えて、米やコーンスターチ等の澱粉質を糖化させた糖化液を必要に応じて加え、更に種々の副原料を添加したものとすることが好ましい。糖化液に添加される副原料としては、食物繊維や、ホップ及び/又は苦味料を挙げることができる。非発酵ビールテイスト飲料が、ホップ又は苦味料を含有することにより、非発酵ビールテイスト飲料に適度な苦味が付与され、ビール様の味と風味を呈するものとなる。
なお、苦味料としては、ホップ由来の苦味物質、カフェイン、ゲンチアナ抽出物、ペプチド類、テオブロミン、ナリンジン、ニガキ抽出物、ニガヨモギ抽出物、及びキナ抽出物等から選ばれる従来公知の苦味料を使用することができる。
<実施例1;3−メチル−2−ブテン−1−チオール(MBT)を添加した非発酵ビールテイスト飲料>
仕込槽に、粉砕麦芽30kgと温水100Lを投入し、50℃から76℃の範囲の温度でタンパク休止及び糖化を行った。この糖化液を濾過槽であるロイターにて濾過し、その後、煮沸釜に移して、液糖を主とする副原料10kgとホップ50gを添加し、液量を160Lにした上で60分間煮沸した。煮沸後、蒸発分の温水を追加し、ワールプール槽にて熱トルーブを除去した後、プレートクーラーを用いて3℃まで冷却し170Lの冷麦汁を得た。この冷麦汁に脱気水を加えて希釈後、珪藻土を用いて濾過することによって清澄な麦汁を得て、2.9ガスボリュームとなるように炭酸ガスを溶解させ、アルコールを含まない非発酵ビールテイスト飲料を得た。
この非発酵ビールテイスト飲料に、含硫化合物3−メチル−2−ブテン−1−チオールを含有する香料組成物を、非発酵ビールテイスト飲料中の濃度が25ppt、50ppt、100ppt、200ppt、500ppt、及び1000pptとなるように添加し、5名のパネリストによるブラインドでの官能評価を実施した。
なお、官能評価は、ビールらしさ/発酵感/おいしさについて、以下に示す5段階の評価基準のもと行った。結果を表1に示す。なお、表中の数値は各群の評価データの平均値を示す。
[評価基準]
5:非常に強く感じる
4:強く感じる
3:感じる
2:やや感じる
1:感じない
Figure 0005717830
<実施例2;3−メチル−2−ブタンチオールを添加した非発酵ビールテイスト飲料>
含硫化合物として、3−メチル−2−ブテン−1−チオールに代えて、3−メチル−2−ブタンチオールを用いた点以外は、実施例1と同様に非発酵ビールテイスト飲料を製造し、官能評価を実施した。結果を表2に示す。なお、表中の数値は各群の評価データの平均値を示す。
Figure 0005717830
表1及び2の結果から明らかなように、含硫化合物を1×102ppt以上添加することにより、ビールらしさ、及び発酵感の評価が向上し、結果としておいしさが大きく改善されている。
<参考例1;市販の非発酵ノンアルコールビールにおけるMBTの含有量>
市販の非発酵ノンアルコールビール3製品(A、B、C)及びビール7製品(D、E、F、G、H、I、J)について、岸本らの方法(Kishimoto, T. et al., Odorants comprising hop aroma of beer: hop-derived ordorants increased in the beer hopped with aged hops, Proceedings of the 31st EBC Comgress, Venice 2007)に従い3−メチル−2−ブテン−1−チオール(MBT)の含有量を測定した。結果を表3に示す。
Figure 0005717830
表3より明らかなように、いずれの非発酵ノンアルコールビール製品及びビール製品においても、3−メチル−2−ブテン−1−チオールの含有量が1×102ppt未満であった。
<実施例3;非発酵ビールテイスト飲料中の銅イオンと含硫化合物との濃度の関係>
仕込槽に、粉砕麦芽30kgと温水100Lを投入し、50℃から76℃の範囲の温度でタンパク休止及び糖化を行った。この糖化液を濾過槽であるロイターにて濾過し、その後、煮沸釜に移して、液糖を主とする副原料10kgとホップ50gを添加し、液量を160Lにした上で60分間煮沸した。煮沸後、蒸発分の温水を追加し、pH3.8となるように乳酸を添加した。ワールプール槽にて熱トルーブを除去した後、プレートクーラーを用いて3℃まで冷却し170Lの冷麦汁を得た。この冷麦汁に脱気水を加えて希釈後、珪藻土を用いて濾過することによって清澄な麦汁を得て、2.9ガスボリュームとなるように炭酸ガスを溶解させ、アルコールを含まない非発酵ビールテイスト飲料を得た。
この非発酵ビールテイスト飲料に400pptとなるようにMBTを添加し、銅イオンとして硫酸銅を、それぞれ、0.01ppm、0.03ppm、0.05ppm、0.1ppm、0.5ppmとなるように添加して、混合後のMBT及び銅イオンの濃度を測定した。なお、非発酵ビールテイスト飲料への添加後の銅イオンの濃度は、誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS法)を用いて測定した。結果を表4に示す。
Figure 0005717830
表4から明らかなように、銅イオンの濃度が0.5ppm以上となるとMBT濃度が顕著に低下して、本発明の効果が得られなかった。
<実施例4;pH調製のタイミングと溶液中の銅イオン濃度>
仕込槽に、粉砕麦芽30kgと温水100Lを投入し、50℃から76℃の範囲の温度でタンパク休止及び糖化を行った。この糖化液を濾過槽であるロイターにて濾過し、その後、過熱部に銅を含む煮沸釜に移して、液糖を主とする副原料10kgとホップ50gを添加し、液量を160Lにした上で60分間煮沸した。煮沸後、蒸発分の温水を追加し、(a)煮沸釜にてpHが3.8となるように乳酸を加えるか、(b)ワールプール槽にてpHが3.8となるように乳酸を加えた。ワールプール槽にて熱トルーブを除去した後、プレートクーラーを用いて3℃まで冷却し170Lの冷麦汁を得た。この冷麦汁に脱気水を加えて希釈後、珪藻土を用いて濾過することによって清澄な麦汁を得て、2.9ガスボリュームとなるように炭酸ガスを溶解させ、アルコールを含まない非発酵ビールテイスト飲料を得た。(a)及び(b)のそれぞれにおける非発酵ビールテイスト飲料中の銅イオン濃度を表5に示した。
Figure 0005717830
以下、本発明の態様を示す。
1.含硫化合物を含有する香料組成物を、前記含硫化合物の含有量が1×10 2 ppt以上1×10 3 ppt以下となるように非発酵ビールテイスト飲料に添加する工程を含む非発酵ビールテイスト飲料の製造方法。
2.前記含硫化合物がチオール基を有する揮発性物質である上記1の非発酵ビールテイスト飲料の製造方法。
3.前記含硫化合物が3−メチル−2−ブテン−1−チオール及び/又は3−メチル−2−ブタンチオールである上記1又は2の非発酵ビールテイスト飲料の製造方法。
4.前記非発酵ビールテイスト飲料中の前記含硫化合物の含有量が2×10 2 ppt以上5×10 2 ppt以下である上記1から3のいずれかの非発酵ビールテイスト飲料の製造方法。
5.前記非発酵ビールテイスト飲料中の銅イオンの濃度が0.1ppm以下となるように調整された上記1から4のいずれかの非発酵ビールテイスト飲料の製造方法。
6.含硫化合物を1×10 2 ppt以上1×10 3 ppt以下含有する非発酵ビールテイスト飲料。
7.前記含硫化合物がチオール基を有する揮発性物質である上記6の非発酵ビールテイスト飲料。
8.前記含硫化合物が3−メチル−2−ブテン−1−チオール及び/又は3−メチル−2−ブタンチオールである上記6又は7の非発酵ビールテイスト飲料。
9.銅イオンの濃度が0.1ppm以下となるように調整された上記6から8のいずれかの非発酵ビールテイスト飲料。
10.アルコールが添加された上記6から9のいずれかの非発酵ビールテイスト飲料。

Claims (5)

  1. 3−メチル−2−ブテン−1−チオール及び3−メチル−2−ブタンチオールから選択される含硫化合物を含有する香料組成物を、非発酵ビールテイスト飲料に添加する工程を含む、発酵感が付与された非発酵ビールテイスト飲料の製造方法。
  2. 前記非発酵ビールテイスト飲料中の銅イオンの濃度が0.1ppm以下となるように調整された請求項1非発酵ビールテイスト飲料の製造方法。
  3. 3−メチル−2−ブテン−1−チオール及び3−メチル−2−ブタンチオールから選択される含硫化合物を含有する、発酵感が付与された非発酵ビールテイスト飲料。
  4. 銅イオンの濃度が0.1ppm以下となるように調整された請求項の非発酵ビールテイスト飲料。
  5. アルコールが添加された請求項3又は4の非発酵ビールテイスト飲料。
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