JP2023042249A - ビール様発酵麦芽飲料 - Google Patents
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Abstract
【課題】苦味が低減され、ビールらしいドリンカビリティに優れたビール様発酵麦芽飲料を提供すること。【解決手段】イソα酸を実質的に含有せず、麦芽使用比率が50~100質量%であり、外観最終発酵度が90%以上である、ビール様発酵麦芽飲料。【選択図】なし
Description
本発明はビール様発酵麦芽飲料に関し、特に、苦味が低減されたビール様発酵麦芽飲料に関する。
麦芽飲料は、原料に麦芽を使用して製造される飲料をいう。例えば、麦芽由来の糖液を発酵させて得られる飲料、麦芽由来の糖液を混合して得られる飲料などは麦芽飲料に該当する。麦芽飲料の具体例にはビール様発酵麦芽飲料等が該当する。
ビールとは、麦芽、ホップ、及び水を原料として、これらを、酵母を用いて発酵させて得られる飲料をいう。ビール様発酵麦芽飲料は、味及び香りがビールを想起させる程度に同様になるように設計された麦芽飲料をいう。ビール及び発泡酒はビール様発酵麦芽飲料に含まれる。
ビール様発酵麦芽飲料では、原料として、麦芽が使用されることによって、麦芽特有の旨味及び豊潤な味わいが提供される。原料としてホップが使用されることによって、ホップ特有の苦味や渋味が提供される。また、原料を発酵させることによって、発酵産物による香気、複雑味が提供され、エタノール及び炭酸による刺激感が提供され、糖類が減少して、すっきりした後味が提供される。
ビール様発酵麦芽飲料は、独特の苦味や香味を有しており、止渇感・ドリンカビリティ(飽きずに何杯も飲み続けられる性質)を主たる特徴とする。特に、爽快感は、ビールのドリンカビリティに重要な品質である。
苦味の強いビールは、その苦味が後を引いて口の中に残り、ビールの爽快感、後味のさっぱり感、キレのよさ等を損なう結果となり、ビールの嗜好性やドリンカビリティが低下するといった問題がある。そこで、ホップの使用量を少なくして苦味を低減したビールテイスト飲料が検討されている。
特許文献1及び2には、実質的にホップを使用せず、麦芽に由来するビールらしい味わいを維持し、窒素源が不足することによる発酵不良を防止するために、麦芽比率を一定以上に保ったビールテイスト飲料が記載されている。原料にホップを使用しない場合、麦芽の風味が際立ち、上記ビールテイスト飲料はもったりした重い飲み口となってしまう。かかる課題に関しては、全窒素量及び総ポリフェノール量含有量を特定範囲に調整し、酒石酸又は4ビニルグアイアコールの含有量を特定範囲に調整することで解決されて、ビールテイスト飲料らしい後味のすっきり感が提供されている。
特許文献3には、良好な味わいを維持するために麦芽比率が50質量%以上と高く、外観発酵度を100%以上となるように高めて爽快感を向上させたビールテイスト飲料が記載されている。外観発酵度を高めた場合、ビールテイスト飲料の味わいが単調となってしまう。かかる課題に関しては、麦芽比率、外観発酵度、及びピログルタミン酸の含有量を調製することで解決されて、良質な味わいの複雑さを付与し、爽快感のある飲料が提供されている。
ビール様発酵麦芽飲料については、原料としてホップを使用しない場合、酵母の発酵が旺盛になり、エステル類の生成量が増大する結果、エステル由来の甘味が強く、粘ついたものとなり、ビールの持つドリンカビリティが低下する問題が明らかになった。
本発明は上記従来の問題を解決するものであり、その目的とするところは、苦味が低減され、ビールらしいドリンカビリティに優れたビール様発酵麦芽飲料を提供することにある。
本発明は、
イソα酸を実質的に含有せず、
麦芽使用比率が50~100質量%であり、
外観最終発酵度が90%以上である、ビール様発酵麦芽飲料を提供する。
イソα酸を実質的に含有せず、
麦芽使用比率が50~100質量%であり、
外観最終発酵度が90%以上である、ビール様発酵麦芽飲料を提供する。
ある一形態においては、前記ビール様発酵麦芽飲料は、酢酸エチル濃度が15ppmを超える値である。
ある一形態においては、前記ビール様発酵麦芽飲料は、麦芽使用比率が90~100質量%である。
ある一形態においては、前記ビール様発酵麦芽飲料は、ホップ由来成分を実質的に含有しない。
ある一形態においては、前記ビール様発酵麦芽飲料は、ホップ由来成分が実質的に除去された酵母による発酵物を含むものである。
ある一形態においては、前記ビール様発酵麦芽飲料は、外観最終発酵度が95~100質量%である。
ある一形態においては、前記ビール様発酵麦芽飲料は、酢酸エチル濃度が20~35ppmである。
また、本発明は、麦芽使用比率が50~100質量%になるように原料の組成を調節する工程;及び
外観最終発酵度が90%以上になるように原料の糖化条件を調節する工程;
を包含する、ビール様発酵麦芽飲料の製造方法であって、
ホップ又はホップ由来成分を含有させる工程を有しない、ビール様発酵麦芽飲料の製造方法を提供する。
外観最終発酵度が90%以上になるように原料の糖化条件を調節する工程;
を包含する、ビール様発酵麦芽飲料の製造方法であって、
ホップ又はホップ由来成分を含有させる工程を有しない、ビール様発酵麦芽飲料の製造方法を提供する。
ある一形態においては、前記ビール様発酵麦芽飲料の製造方法は、発酵に使用する酵母が、ホップ由来成分が実質的に除去された酵母を含むものである。
本発明によれば、苦味が低減され、ビールらしいドリンカビリティに優れたビール様発酵麦芽飲料が提供される。
<ビール様発酵麦芽飲料の製造方法>
本発明のビール様発酵麦芽飲料は、麦芽使用比率が50質量%以上になるように原料の組成を調節すること、外観最終発酵度が90%以上になるように糖化条件を調節すること、及びホップ又はホップ由来成分を使用しないこと以外は、ビール又は発酵麦芽飲料を製造する際に通常行われる方法及び条件に従って製造される。ホップ由来成分の具体例としては、ホップエキス又はホップに含まれる化合物が挙げられる。
本発明のビール様発酵麦芽飲料は、麦芽使用比率が50質量%以上になるように原料の組成を調節すること、外観最終発酵度が90%以上になるように糖化条件を調節すること、及びホップ又はホップ由来成分を使用しないこと以外は、ビール又は発酵麦芽飲料を製造する際に通常行われる方法及び条件に従って製造される。ホップ由来成分の具体例としては、ホップエキス又はホップに含まれる化合物が挙げられる。
本発明のビール様発酵麦芽飲料の製造方法では、ホップ又はホップ由来成分を添加する工程を含まない。つまり、得られるビール様発酵麦芽飲料はイソα酸又はホップ由来成分を実質的に含有しない。ここでいう「実質的に含有しない」とは、含有量が通常使用される分析法の検出限界量未満であることをいう。その結果、得られるビール様発酵麦芽飲料の苦味が低減される。以下に、具体的に説明する。
まず、所定の麦芽使用比率にて、麦芽の破砕物、大麦等の副原料、及び温水を仕込槽に加えて混合してマイシェを調製する。麦芽使用比率とは、ホップと醸造用水を除く全原料の質量に対する麦芽質量の割合をいう。麦芽使用比率が高いほど、得られる麦汁の麦芽由来の旨味やコク感が強くなる。また、麦芽使用比率が高いほど得られる麦汁中の窒素化合物の含有量が多くなり、麦汁が発酵に供される場合に発酵不順が発生しにくくなり、不快臭が発生し難くなる。
麦芽使用比率は、50質量%以上、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上である。麦芽使用比率は100質量%であってもよい。糖化するためのデンプン質原料として、麦芽のみを使用してもよい。本発明のビール様発酵麦芽飲料はイソα酸を実質的に含有しないので苦味が少なく、麦芽由来の穀物味が強くなりやすい。そのため、麦芽使用比率を上記範囲に調節することで、ビール様発酵麦芽飲料にビールらしいコクとキレのバランスが付与され易くなる。
上記副原料とは、麦芽とホップ以外の原料を意味する。該副原料として、例えば、大麦、小麦、コーンスターチ、コーングリッツ、米、こうりゃん等のデンプン質原料や、液糖や砂糖等の糖質原料がある。ここで、液糖とは、デンプン質を酸又は糖化酵素により分解、糖化して製造されたものであり、主にグルコース、マルトース、マルトトリオース等が含まれている。その他、香味を付与又は改善することを目的として用いられるスパイス類、ハーブ類、及び果物等も、副原料に含まれる。
マイシェの調製は、常法により行うことができ、例えば、はじめに35~60℃で20~90分間保持することにより原料に由来するたんぱく質をアミノ酸などへ分解し、糖化工程へ移行する。その際、必要に応じて、主原料と副原料以外にも、後述する糖化酵素やプロテアーゼ等の酵素剤や、スパイスやハーブ類等の香味成分等を添加してもよい。
その後、該マイシェを徐々に昇温して所定の温度で一定期間保持することにより、麦芽由来の酵素やマイシェに添加した酵素を利用して、澱粉質を糖化させる。糖化処理時の温度や時間は、用いる酵素の種類やマイシェの量、目的とする麦芽アルコール飲料の品質等を考慮して、適宜決定することができ、例えば、60~72℃にて30~90分間保持することにより行うことができる。糖化処理後、76~78℃で10分間程度保持した後、マイシェを麦汁濾過槽にて濾過することにより、透明な糖液を得る。また、糖化処理を行う際に、酵素剤を必要な範囲で適当量添加してもよい。
上記糖化酵素とは、澱粉質を分解して糖を生成する酵素を意味する。該糖化酵素として、例えば、α-アミラーゼ、グルコアミラーゼ、プルナラーゼ等がある。
麦汁煮沸の操作は、ビールを製造する際に通常行われる方法及び条件に従って行えばよい。例えば、pHを調節した糖液を煮沸釜に移し、煮沸する。糖液のpHは、麦汁中の蛋白質凝固を促進するために、3.8~6.0、好ましくは4.0~5.7、より好ましくは4.2~5.5に調節される。
糖液のpHの調節は、食品添加物として認められている、人体に無害な酸性物質を添加して行う。そのような酸性物質としては、例えば、リン酸、乳酸、りんご酸、酒石酸等が挙げられる。糖液は次いでワールプールと呼ばれる沈殿槽に移し、煮沸により生じたホップ粕や凝固した蛋白質等を除去した後、プレートクーラーにより適切な温度まで冷却する。上記麦汁煮沸の操作により、麦汁が得られる。
得られた麦汁は、発酵させて、発酵麦芽飲料を製造する。麦汁の発酵は常法に従って行えばよい。例えば、冷却した麦汁に酵母を接種して、発酵タンクに移し、アルコール発酵を行う。麦汁はイソα酸等のホップ由来成分を実質的に含有しない。そのため、アルコール発酵時に酵母の発酵が旺盛になり、エステル類の生成量が増大する。ここでいうエステル類には、酢酸エチル、酢酸イソアミル、カプロン酸エチル、カプリル酸エチル、酢酸フェニルエチルなどがある。(なお、ASBC法では、同時に高級アルコールであるイソアミルアルコール、フェニルエチルアルコールも検出される。)
得られるビール様発酵麦芽飲料において、酢酸エチル濃度は15ppmを超える値、好ましくは16~60ppm、より好ましくは20~35ppmである。ビール様発酵麦芽飲料の酢酸エチル濃度が上記範囲である場合に、エステル由来甘味が強く感じられる。
ビール様発酵麦芽飲料の酢酸エチル濃度は、ビール様発泡性飲料の酢酸エチルの濃度は、ASBC(The American Society of Brewing Chemists)が発行している分析法の規定「ASBC Methods of Analysis」に従って測定することができる。
ある好ましい一形態において、ドリンカビリティを高める観点から、アルコール発酵は、麦汁の温度を5.0~8.0℃、好ましくは6.0~7.0℃に調節して、下面発酵酵母を使用して行う。
得られるビール様発酵麦芽飲料にイソα酸を混入させないために、酵母は、ホップ由来成分が付着していないものを使用する。例えば、ホップを含む麦汁又はビールに接触した酵母を再利用する場合は、水洗するなどして、酵母からホップ由来成分を実質的に除去することが好ましい。ここでいう実質的に除去するとは、通常使用される分析法によって検出されない量まで低減することをいう。
本発明の発酵麦芽飲料の外観最終発酵度は90%以上に調節する。発酵麦芽飲料の外観最終発酵度が90%未満であると、得られる発酵麦芽飲料はエステル様の甘味が強く粘つき、ビールらしいドリンカビリティが得られなくなる。本発明の発酵麦芽飲料の外観最終発酵度は、好ましくは、90~110%、より好ましくは、95%~100%である。
発酵度とは、発酵後のビールにおいて、どれだけ発酵が進んだか、発酵の進み方を示す重要な指標である。そして、さらに最終発酵度とは、原麦汁エキスに対して、ビール酵母が資化可能なエキスの割合を意味する。ここで、ビール酵母が資化可能なエキスとは、原麦汁エキスから、製品ビールに含まれるエキス(即ち、ビール酵母が利用可能なエキスをすべて発酵させた後に残存するエキス(最終エキスという))を差し引いたものである。外観最終発酵度とは、最終エキスの値に、外観エキス、即ち、アルコールを含んだままのビールの比重から求めたエキス濃度(%(w/w))、を使用して計算した最終発酵度をいう。
尚、「エキス」とは、麦汁の蒸発残留固形分をいう。エキスは、主として糖分からなる。エキスの含有量は、原料である麦芽や各種澱粉、糖類の仕込み量を変えることにより調整することができる。ビール様発酵麦芽飲料の真正エキス濃度は、例えばEBC法(ビール酒造組合編集:BCOJビール分析法、7.2(2004))により測定することができる。エキスという文言は、文脈に応じて、不揮発性固形分そのもの、不揮発性固形分の量、又は不揮発性固形分の濃度(%(w/w))を意味する。
麦汁発酵液の外観最終発酵度Vendは、例えば下記式(1)により、求めることができる。
Vend(%)={(P-Eend)/P}×100 (1)
[式中、Pは原麦汁エキスであり、Eendは、外観最終エキスである。]
[式中、Pは原麦汁エキスであり、Eendは、外観最終エキスである。]
原麦汁エキスPは、製品ビールのアルコール濃度とエキスの値から、Ballingの式に従い、理論上アルコール発酵前の麦汁エキスの値を逆算するものである。具体的には、Analytica-EBC(9.4)(2007)に示される方法により、求めることができる。また、外観最終エキスEendはビールをフラスコに採取し、新鮮な圧搾酵母を多量に添加し、25℃で攪拌しながら、エキスの値がこれ以上低下しなくなるまで発酵させて(24時間)、残存ビール中の外観エキスの値を測定することにより、求めることができる。
外観最終エキスEendは、最終エキスのアルコールを含んだ比重から計算されるため、マイナスの値を示すことがある。その結果、外観最終発酵度は100%を超える場合がある。
外観最終発酵度は、例えば、原料を糖化させる際の酵素の使用有無、及び、原材料の種類や配合量などの糖化条件を調整することにより、制御することができる。例えば、原料の糖化時間を長くすれば、酵母が使用する事ができる糖濃度を高めることができ、外観最終発酵度を高めることができる。
発酵終了後、さらに、熟成工程として、得られた麦汁発酵液を、貯酒タンク中で熟成させ、0℃程度の低温条件下で貯蔵し安定化させる。次いで濾過工程として、熟成後の麦汁発酵液を濾過することにより酵母及びタンパク質等を除去して、目的のビール様発行麦芽飲料が得られる。
<ビール様発酵麦芽飲料>
本発明のビール様発酵麦芽飲料は、上述の通り、イソα酸又はホップ由来成分を実質的に含有せず、所定の麦芽使用比率、及び所定の外観最終発酵度を有する。好ましい一形態において、本発明のビール様発酵麦芽飲料は、上述の通り、所定の酢酸エチル濃度を有する。削除ください。
本発明のビール様発酵麦芽飲料は、上述の通り、イソα酸又はホップ由来成分を実質的に含有せず、所定の麦芽使用比率、及び所定の外観最終発酵度を有する。好ましい一形態において、本発明のビール様発酵麦芽飲料は、上述の通り、所定の酢酸エチル濃度を有する。削除ください。
本発明のビール様発酵麦芽飲料は、樽、缶及びビン等の密閉可能な容器に充填されることで、製品化されることがある。
以下の実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
<実施例1>
ホップ成分を含むビールの製造に使用した下面酵母を4kg回収し、12Lの水に投入し、撹拌することを4回繰り返すことにより洗浄した。5回目の洗浄水を酵母から分離し、HPLC法を使用してイソα酸濃度を測定した。洗浄水中にイソα酸は検出されなかった。
ホップ成分を含むビールの製造に使用した下面酵母を4kg回収し、12Lの水に投入し、撹拌することを4回繰り返すことにより洗浄した。5回目の洗浄水を酵母から分離し、HPLC法を使用してイソα酸濃度を測定した。洗浄水中にイソα酸は検出されなかった。
麦芽40kgを粉砕し、グルコアミラーゼ0.2kg及び湯と混合し、糖化させ、ろ過して麦汁160Lを調製した。麦汁から沈殿物を取り除き、エキス12%に調整し、冷却した。冷却した麦汁に洗浄した酵母を適量添加した。主発酵は10℃、7日、熟成は10℃10日実施し、冷却しろ過後、所定量の炭酸ガスを溶解させて、約5.0v/v%のエタノールを含有するビール様発酵麦芽飲料を得た。得られたビール様発酵麦芽飲料を試料1とする。試料1の外観最終発酵度は95%であった。ASBC法を使用して試料1の酢酸エチル濃度を測定したところ20ppmであった。
試料1に所定量の酢酸エチル主体の香料を添加して試料2~6を製造した。
<官能評価>
作製した試料を約4℃の液温に調温し、官能評価を行った。評価項目として、「ドリンカビリティの高さ」を設定し、訓練されたビール専門のパネリスト6名が、後述の基準に従って採点した。パネリスト全員の採点の平均値を各評価項目の評点とした。官能評価の結果を表1に記載する。
作製した試料を約4℃の液温に調温し、官能評価を行った。評価項目として、「ドリンカビリティの高さ」を設定し、訓練されたビール専門のパネリスト6名が、後述の基準に従って採点した。パネリスト全員の採点の平均値を各評価項目の評点とした。官能評価の結果を表1に記載する。
[評価基準]
ビールらしいドリンカビリティの高さ:
ビールらしいドリンカビリティは、アサヒビール株式会社製「アサヒスーパードライ」(商品名)を5点、市販品1(ジャパンスペシャル アサヒビール株式会社製)を3点、市販品2(麦芽100%ビール)を2点とし、5段階で採点した。評価点が3点以上の場合に良いと判断される。
ビールらしいドリンカビリティの高さ:
ビールらしいドリンカビリティは、アサヒビール株式会社製「アサヒスーパードライ」(商品名)を5点、市販品1(ジャパンスペシャル アサヒビール株式会社製)を3点、市販品2(麦芽100%ビール)を2点とし、5段階で採点した。評価点が3点以上の場合に良いと判断される。
なお、アサヒスーパードライは、最終発酵度:88%、酢酸エチル濃度:15ppmであった。
市販品1は、最終発酵度:89%、酢酸エチル濃度:19ppmであった。
市販品2は、最終発酵度:83%、酢酸エチル濃度:33ppmであった。
市販品1は、最終発酵度:89%、酢酸エチル濃度:19ppmであった。
市販品2は、最終発酵度:83%、酢酸エチル濃度:33ppmであった。
<実施例2>
外観最終発酵度を100%とすること以外は実施例1と同様にしてビール様発酵麦芽飲料を製造し、分析し、官能評価した。結果を表2に示す。
外観最終発酵度を100%とすること以外は実施例1と同様にしてビール様発酵麦芽飲料を製造し、分析し、官能評価した。結果を表2に示す。
<比較例>
外観最終発酵度を88%とすること以外は実施例1と同様にしてビール様発酵麦芽飲料を製造し、分析し、官能評価した。結果を表3に示す。
外観最終発酵度を88%とすること以外は実施例1と同様にしてビール様発酵麦芽飲料を製造し、分析し、官能評価した。結果を表3に示す。
<参考例>
麦芽40kgを粉砕し、グルコアミラーゼ0.2kg及び湯と混合し、糖化させ、ろ過して麦汁160Lを調製した。これに、ビターホップエキス(Hopsteiner社製)0.15kgおよびホップペレット(Hopsteiner社製)を製品ビールの苦味価が20.0B.U.になるような量を調整して添加し、90分煮沸した。麦汁から沈殿物を取り除き、エキス12%に調整し、冷却した。冷却した麦汁に、ホップ成分を含むビールの製造に使用した下面酵母を適量添加した。主発酵は10℃、7日、熟成は10℃10日実施し、冷却しろ過後、所定量の炭酸ガスを溶解させて、約5.0v/v%のエタノールを含有するビールを得た。得られたビールの外観最終発酵度は88%であった。ASBC法を使用して試料1の酢酸エチル濃度を測定したところ15ppmであった。
麦芽40kgを粉砕し、グルコアミラーゼ0.2kg及び湯と混合し、糖化させ、ろ過して麦汁160Lを調製した。これに、ビターホップエキス(Hopsteiner社製)0.15kgおよびホップペレット(Hopsteiner社製)を製品ビールの苦味価が20.0B.U.になるような量を調整して添加し、90分煮沸した。麦汁から沈殿物を取り除き、エキス12%に調整し、冷却した。冷却した麦汁に、ホップ成分を含むビールの製造に使用した下面酵母を適量添加した。主発酵は10℃、7日、熟成は10℃10日実施し、冷却しろ過後、所定量の炭酸ガスを溶解させて、約5.0v/v%のエタノールを含有するビールを得た。得られたビールの外観最終発酵度は88%であった。ASBC法を使用して試料1の酢酸エチル濃度を測定したところ15ppmであった。
実施例1と同様にしてビールの官能評価を行った。結果は、ドリンカビリティの高さは総じて3点以上であった。
Claims (9)
- イソα酸を実質的に含有せず、
麦芽使用比率が50~100質量%であり、
外観最終発酵度が90%以上である、ビール様発酵麦芽飲料。 - 酢酸エチル濃度が15ppmを超える値である、請求項1に記載のビール様発酵麦芽飲料。
- 麦芽使用比率が90~100質量%である、請求項1又は2に記載のビール様発酵麦芽飲料。
- ホップ由来成分を実質的に含有しない、請求項1~3のいずれか一項に記載のビール様発酵麦芽飲料。
- ホップ由来成分が実質的に除去された酵母による発酵物を含む請求項1~4のいずれか一項に記載のビール様発酵麦芽飲料。
- 外観最終発酵度が95~100質量%である、請求項1~5のいずれか一項に記載のビール様発酵麦芽飲料。
- 酢酸エチル濃度が20~35ppmである、請求項1~6のいずれか一項に記載のビール様発酵麦芽飲料。
- 麦芽使用比率が50~100質量%になるように原料の組成を調節する工程;及び
外観最終発酵度が90%以上になるように原料の糖化条件を調節する工程;
を包含する、ビール様発酵麦芽飲料の製造方法であって、
ホップ又はホップ由来成分を含有させる工程を有しない、ビール様発酵麦芽飲料の製造方法。 - 発酵に使用する酵母は、ホップ由来成分が実質的に除去された酵母を含む、請求項8に記載のビール様発酵麦芽飲料の製造方法。
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