JP2014105035A - エレベーターの主ロープ交換方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】大型の揚重機や仮設足場を使用することなく、少人数で安全かつ短期間で既設エレベーターの主ロープを交換可能とする。
【解決手段】乗りかご5と釣合いおもり7を昇降行程の中間位置に配置して、主ロープ15の一部について釣合いおもり7との連結を解除し、乗りかご5を上昇運転してドラム16に主ロープ15を巻き取り、乗りかご5が上部に到達した状態で連結解除した主ロープ15の乗りかご5との連結を解除して空ドラム16に収容し、新ドラム20の新規主ロープ18をシーブ3に巻掛けて乗りかご5に連結し、乗りかご5を下降運転して釣合いおもり7との対向位置で停止させ、新規主ロープ18を、予長24を持って切断してロープ把持具21と牽引具22を取り付け、牽引ロープ27によってシンプルロッド28と連結し、新規主ロープ18と他の複数本の主ロープ15に掛かる張力を調整した後、新規主ロープ18をシンプルロッド28に連結する。
【選択図】図2

Description

本発明は、乗りかごと釣合いおもりとが主ロープでつるべ式に連結保持されたエレベーターの主ロープ交換方法に関する。
従来からエレベーターの主ロープ交換作業として3種の方法が知られている。第1の方法は、
・ かごを最上階へ、釣合いおもりを最下階へ配置した状態で、エレベーター塔内底部に釣合いおもり上部まで届く作業用の仮設足場を組み立てる。
・ 重量物であるかごおよび釣合いおもりを躯休の梁やエレベーターのレールブラケット等の堅牢物に揚重用のチェーンブロックを取り付けて0.5〜2m程度吊り上げ、主ロープの負荷を全部取り除く。
・ かご側ロープを外して別途設置した専用の揚重機を使用して取り外したロープを垂下回収する。
・ 新規ロープを逆手順で取り付けて交換する。
という工程を備えたものである。
この方法は危険を伴い、かつ、大掛かりな仮設足場や専用の揚重機が必要で、作業者も多人数となる。
そこで、このような煩雑・大掛かりな作業をなくし、合理的にエレベーターの主ロープを交換する方法として第2の方法がある。この方法は、
・ かごを最上階へ、釣合いおもりを最下階へ配置する。
・ 適当な位置に設置した狭圧式仮設ブレーキ装置を主ロープに設け、ロープが自重で落下しないようにする。
・ ロープが自重で落下しないようにした上で、かご上のロープ端末を外し、ストランド(ワイヤーロープの編組)を解して新規主ロープと編み込み接続する。
・ 巻上機のシーブ(駆動輪)抵抗と狭圧式仮設ブレーキを利用して旧主ロープを垂下させながら新規主ロープを送り出し、旧主ロープの撤去と新規主ロープの敷設を同時に行う。
という工程を備えたものである。
この方法では、ロープの編み込み接続に専門技術が必要であり、仮設ブレーキも必要となる。また、ロープの送り出しにそれ相応の作業員が必要であり、さらにシーブの滑り抵抗を利用することから最も重要なシーブの“ロープ溝”を磨耗変形させてしまう可能性があるという欠点がある。
そこで、さらに、第3の方法として、特開平10−218529号(特許文献1)に提案された方法がある。この方法は、
・ 複数本の原主索により互いに連結されたかごおよび釣合おもりの両者を昇降路の昇降行程の中間の互いに対向する位置に仮吊持する。
・ 上記複数本の原主索の一部について上記釣合おもりとの連結を解除し上記両者の仮吊持を解除して上記かごを上昇運転し、このかごに積載したドラムに上記連結解除原主索を巻き取る。
・ 上昇運転された上記かごが上記昇降路の上部に到達した状態で上記連結解除原主索の上記かごとの連結を解除して上記ドラムに収容する。
・ 上記かごに積載した新ドラムの新主索の一端を引き上げて上記昇降路に対応して設置された巻上機に巻掛けて上記新主索の一端を上記かごに連結する。
・ 上記新主索の一端が連結された上記かごを下降運転して上記新ドラムから上記新主索を繰り出し上記釣合おもりとの対向位置で停止させ上記両者を仮吊持する。
・ 繰り出された上記新主索を切断してこの端部を上記釣合おもりに連結する。
・ 上記各工程からなる初期工程およびこの初期工程の終了後に上記複数本の原主索の残余の本数の一部について上記初期工程と同様の工程を繰り返す次期工程。
という工程を備えたものである。
特開平10−218529号公報
第1の方法は、主として10階以下の低階床のエレベーターで採用されていた。しかし、その後の建築物の高層化に伴い、第2の方法が採用され、現在主流の方法となっている。他方、第2の方法を採用した場合、近年の建築物の超高層化に伴い、当該第2の方法による前記欠点として挙げられたシーブのロープ溝を磨耗変形させてしまう可能性がある点について事前検証が必要になっている。また、さらにその上の超超高層エレベーターでは、第3の方法も新規主ロープの切断長を決めるのに乗りかごおよび釣合いおもりの仮吊持を複数次行わなければならないが、この仮吊持は危険で重労働の作業であり、問題も多い。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、大型の揚重機や仮設足場を使用することなく、少人数で安全かつ短期間で既設エレベーターの主ロープを交換可能とすることにある。
前記課題を解決するため、本発明は、複数本の主ロープにより乗りかごおよび釣合いおもりがつるべ式に互いに連結されたエレベーターの主ロープ交換方法において、前記乗りかごおよび前記釣合いおもりの両者を昇降路の昇降行程の中間の互いに対向する位置に配置する第1工程と、前記複数本の主ロープの一部について前記釣合いおもりとの連結を解除する第2工程と、前記乗りかごを上昇運転して前記乗りかごに積載したドラムに前記連結を解除した主ロープを巻き取る第3工程と、前記乗りかごが前記昇降路の上部に到達した状態で前記連結を解除した主ロープの前記乗りかごとの連結を解除して前記ドラムに収容する第4工程と、前記乗りかごに積載した新ドラムの新規主ロープの一端を引き上げて前記昇降路に対応して設置された巻上機のシーブに巻掛けて前記新規主ロープの一端を前記乗りかごに連結する第5工程と、前記新規主ロープの一端が連結された前記乗りかごを下降運転して前記新ドラムから前記新規主ロープを繰り出し、前記釣合いおもりとの対向位置で停止させる第6工程と、繰り出された前記新規主ロープを、予長を持って切断し、切断した端部より上部にロープ把持具と牽引具を取り付け、牽引ロープによって前記釣合いおもりのシンプルロッドと連結し、前記新規主ロープと他の複数本の主ロープに掛かる張力を調整した後、前記新規主ロープを前記シンプルロッドに連結する第7工程と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、大型の揚重機や仮設足場を使用することなく、少人数で安全かつ短期間で既設エレベーターの主ロープを交換することができる。なお、前記以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明によって明らかになる。
本発明の実施形態において旧主ロープ1本目を取り外すときの全体要領図である。 ロープ交換作業手順を示すフローチャートである。 最初の作業である釣合いおもり側の旧主ロープを取り外し、乗りかご内の空ドラムに回収する要領図である。 釣合いおもり側の旧主ロープをかご内のドラムへ回収する要領図である。 旧主ロープのかご側端末を機械室へ回収する要領図である。 旧主ロープのかご側端末をかご上へ回収する要領図である。 旧主ロープのかご側端末を乗りかご内へ回収する要領図である。 旧主ロープの回収が完了し、新規主ロープをかご内へ搬入する要領図である。 新規主ロープのかご上側端末を機械室へ引き上げる準備図である。 新規主ロープのかご上側端末を機械室へ引き上げる要領図である。 新規主ロープのかご上側端末を機械室巻上機のシーブへ装填する要領図である。 新規主ロープのかご上側端末をかご上へ垂下する要領図である。 新規主ロープのかご上側端末をかご上シンプルロッドに連結する要領図である。 新規主ロープの釣合いおもり側ロープを、エレベーターを下降運転しながら塔内釣合いおもりまで垂下する要領図である。 新規主ロープの釣合いおもり側ロープ長さを決めるためロープに張力を加える要領図である。 図15の詳細図である。 新規主ロープの釣合いおもり側ロープのロープソケットをシンプルロッドに接続する準備図である。 新規主ロープの釣合いおもり側ロープのロープソケットをシンプルロッドに接続する要領図である。
以下、本発明に係るエレベーターの主ロープ交換方法について図面を参照しながら説明する。
図1は本発明に係るエレベーターのロープ掛け方法の実態形態における全体の作業要領を示す図、図2は本実施形態におけるロープ交換作業の作業手順を示すフローチャート、図3ないし図18は図2のフローチャートに沿った各作業の作業要領を示す図である。
図1において、本実施形態に示すエレベーター装置100は、昇降路(塔内)51と、昇降路51の上部51aに配置された機械室1とを備えている。機械室1には、巻上機2、シーブ3およびビームプーリー4が設置されている。
昇降路51には、下部のピット52から機械室1の下部までかごガイドレール6および釣合いおもりレール8が垂直方向に設置されている。かごガイドレール6は乗りかご5の昇降を案内し、釣合いおもりレール8は釣合いおもり7の昇降を案内する。
乗りかご5と釣合いおもり7はシーブ3とビームプーリー4に掛け渡された主ロープ15の両端部に吊り下げられている。乗りかご5と釣合いおもり7は、主ロープ15の末端に設けられたロープソケット14および乗りかご5側および釣合いおもり7側に設けられたシンプルロッド13により主ロープ15に連結されている。乗りかご5は巻上機2によってシーブ3を駆動することにより最下階から最上階まで移動し、所望の階床で停止し、かごドア10およびホールドア9を開放することにより、乗客の乗降が可能となっている。
なお、乗りかご5の天井の上(以下、かご上と称す。)には、作業者M1が乗り込んで作業したときの安全性を確保するために手摺り、所謂、かご上手摺り12が設けられている。
大略、図1のように構成されたエレベーター装置100において、主ロープ15を交換する場合、本実施形態では、図2のフローチャートに示す手順で交換作業が行われる。この交換作業は、かご上5aで作業する第1の作業者M1、機械室1で作業する第2の作業者M2、および乗りかご5内で作業する第3の作業者M3のにより行われる。
この手順では、まず、エレベーターをかご上低速運転によって図1に示すように乗りかご5と釣合いおもり7が相対する位置になるように乗りかご5の位置を移動させる(手順1)。次いで、この移動した位置で、乗りかご5のかご上5aに乗り込んだ第1の作業者M1が、図1に示すように複数ある主ロープ15の内、最初に交換するロープのロープソケット14を釣合いおもり7のシンプルロッド13から切り離す(手順2)。
ロープソケットをシンブルロッド13から切り離した後、乗りかご5を2〜3m上昇運転させ、図3に示すように乗りかご5内の第3の作業者M3が切り離したロープソケット14をかごドア10またはかご救出開口部11から乗りかご5内へ取り込み、予め乗りかご5内に準備した空ドラム16にセットする(手順3)。
そして、図4に示すように乗りかご5を上昇運転させる。これにより、釣合いおもり7側の主ロープ15が自動的に下降してくる。そこで、その下降に合わせて乗りかご5内の空ドラム16を回転させ、旧主ロープ15aを巻き取って行く(手順4)。
旧主ロープ15aを最上部まで巻き取ったら、図5に示すように第1の作業者M1が当該旧主ロープ15aのかご側ロープソケット14をシンプルロッド13から切り離し、機械室1へ引き上げる(手順5)。
旧主ロープ15aを機械室1に引き上げた後、図6に示すように第2の作業者M2が前述のロープソケット14を機械室1の釣合いおもり7側の床開口部53から塔内(昇降路51)へ垂下させて、乗りかご5の上に回収する(手順6)。そして、図7に示すように第3の作業者M3がかご内の空ドラム16に旧主ロープ15aを巻き取って、旧主ロープ15a1本の取り外し作業が完了する(手順7)。
次の新規主ロープ敷設作業では、旧主ロープ15aの撤去作業の逆手順を追い、図8に示すように予め最上階まで揚重運搬しておいたロープソケット付新規主ロープ18を巻いた新ドラム20を、第3の作業者M3が乗りかご5内に搬入してドラム回し装置17にセットする(手順8)。なお、旧主ロープ15aを巻き取ったドラム16と新規主ロープ18が巻かれた新ドラム20の入替え時にドラム回し装置17ごとそれぞれ入替えるようにしておいてもよい。このようにすれば重量物であるロープの巻かれたドラムをドラム回し装置17に置き換える作業を軽減することができる。この場合、ドラム回し装置17の底面に回転の許容と固定が可能なキャスター等を設けておいてもよい。
次に最上階で、機械室1で作業する第2の作業者M2から図9に示すようにかご上5aの第1の作業者M1に手渡された引き上げ用ロープ19は、第1の作業者M1から乗りかご5内へ垂下される。第3の作業者M3は、図10に示すようにこの引き上げ用ロープ19を新規主ロープ18のロープソケット14に結び付ける(手順9)。
次いで、第1の作業者M1は、かごドア10の開口部またはかご救出開口部11からかご上5aにかご側端末となるロープ端末(ロープソケット14)を乗りかご5外へ引き上げ、さらに機械室1の釣合いおもり7側の床開口部53から第2の作業者M2が機械室1へ引き上げる(手順10)。
前述の要領で新規主ロープ18を機械室1に引き上げた後、第2の作業者M2は、図11に示すように機械室1の巻上機2のそらせ車であるビームプーリー4、および巻上機2に設けられたシーブ3に新規主ロープ18を周回させ(手順11)、図12に示すようにそのままかご上5aへ垂下させる(手順12)。第1の作業者M1は、垂下してきた新規主ロープ18のロープソケット14を図13に示すようにかご上5aのかご上ロープ端末装置であるシンプルロッド13に連結する(手順13)。
新規主ロープ18をシンプルロッド13に連結したら、図14に示すように乗りかご5をそのまま釣合いおもり7の位置まで低速下降運転しながら下降する(手順14)。その間、第3の作業者M3は、乗りかご5内の空ドラム16を回転させてロープを繰り出し、釣合いおもり7の上部までおもり側に新規主ロープ18を垂下し、敷設する。
次に、図15および図16に示すように、第1の作業者M1は、新規主ロープ18を想定される新規主ロープ18の切断位置25よりも数メートル長い予長分24を持って切断する。新規主ロープ18に予長分を持たせると、適正位置で切断する必要があるが、無負荷の状態で切断すると敷設作業を行っていない他の主ロープ、例えばここではこれを旧主ロープ15とすると、旧主ロープ15との張力がアンバランスになってしまう。そこで旧主ロープ15と張力を合わせるため、図15および図16に示すように新規主ロープ18の想定された切断位置25付近の1〜3m上部にロープ把持具21とチェーンブロック等の牽引具22を取り付け、牽引ロープ27で当該シンプルロッド28と連結する(手順15)。
本実施形態ではシンプルロッド28との接続に、図16に示すように、シャックル26を使用している。連結後、牽引具(チェーンブロック)22でシンプルロッド28のスプリング13のスプリング圧縮量Lが他の主ロープのシンプルロッド28のスプリング圧縮量Lと同一になるまで牽引して新規主ロープ18に張力を与える。
シンプルロッド28のスプリング13の圧縮量Lが同じになるということは、他の旧主ロープ15と張力が同じになることである。しかし、このとき、この張力はシーブ3やビームプーリ4の摩擦力によって阻害され、新規主ロープ18の乗りかご5側へは十分に伝播されない。そのため、この時点でスプリング圧縮量Lが同じでもエレベータ装置が運転されるとロープ張力が不均一になってしまう。
そこでスプリング圧縮量Lの調整後、エレベーターを数回、目安的には1〜2回全高往復運転させてかご側ロープにも張力を十分伝搬させ、ロープ張力をロープ全長に平均化させる。1〜2往復すると当該新規主ロープ18の張力が減少するので、再度牽引具22によってスプリング圧縮量Lが同じになるよう牽引し、スプリング圧縮量Lを再度調整する。この作業を複数回、目安的には2〜3度行う。このように新規主ロープ18の全長に均一に張力を伝播させた上で、新規主ロープ18の適正な切断位置25を決めて(手順16)切断する(手順17)。この作業が交換作業での重要なポイントとなる。
次に、図17に示すように前述の手順で新規主ロープ18を切断した後、第1の作業者M1は、一旦、牽引具22の連結を外してロープソケット14とシンプルロッド13を分離し、当該新規主ロープ18の端部にロープソケット14を所定の方法で取り付ける(手順18)。
続いて、第1の作業者M1は、図18に示すように牽引具22の牽引ロープ27を釣合いおもり7のおもり枠7aに付け替えて牽引する(手順19)。この牽引により新規主ロープ18に取り付けたロープ把持具21とおもり枠7a間の距離を調整して、新規主ロープ18に取り付けたロープソケット14を当該シンプルロッド13に接続する。その後、牽引具22を取り外す(手順20)。なお、牽引具22によるロープ把持具21とおもり枠7a間の距離調整の際、ロープソケット14とシンプルロッド13の相対位置が「0」では両者の連結は困難なので、牽引具22を多少強めに牽引し、相対位置に余裕ができた所で、両者を連結するのがよい。これで1本目の主ロープの交換作業を完了する。
2本目以降、前述の作業を複数本の未交換主ロープ15に対して繰り返し、全旧主ロープ15を新規主ロープ18に交換する(手順21)。
このように手順1から手順20までの処理を主ロープ15の本数分繰り返し行うことにより、全主ロープの交換を完了することができる。その際、前述の作業を繰り返すだけで、かご・釣合いおもりの仮吊り等の危険作業を行うことなく、非常に効率よく、安全かつ少人数で作業を行うことができる。
以上のように本実施形態によれば、以下のような効果を奏する。
1) 本実施形態に係るエレベーターの主ロープ交換方法では、
乗りかご5および釣合いおもり7の両者を昇降路51の昇降行程の中間の互いに対向する位置に配置する第1工程(手順1:図1)、
複数本の主ロープ(旧主ロープ)15の一部について前記釣合いおもり7との連結を解除する第2工程と(手順2:図1)、前記乗りかご5を上昇運転して前記乗りかご5に積載した空ドラム16に前記連結を解除した主ロープ15を巻き取る第3工程(手順3、手順4:図3、図4)、
前記乗りかご5が前記昇降路51の上部51aに到達した状態で前記連結を解除した主ロープ15の前記乗りかご5との連結を解除して前記空ドラム16に収容する第4工程(手順5、手順6、手順7:図5、図6、図7)、
前記乗りかご5に積載した新ドラム20の新規主ロープ18の一端を引き上げて前記昇降路51に対応して設置された巻上機2のシーブ3に巻掛けて前記新規主ロープ18の一端を前記乗りかご5に連結する第5工程(手順10、手順11、手順12、手順13:図10、図11、図12、図13)、
前記新規主ロープ18の一端が連結された前記乗りかご5を下降運転して前記新ドラム20から前記新規主ロープ18を繰り出し、前記釣合いおもり7との対向位置で停止させる第6工程(手順14:図14)、
繰り出された前記新規主ロープ18を、予長24を持って切断し、切断した端部より上部にロープ把持具21と牽引具22を取り付け、牽引ロープ27によって前記釣合いおもり7のシンプルロッド28と連結し、前記新規主ロープ18と他の複数本の主ロープ15に掛かる張力を調整した後、前記新規主ロープ18を前記シンプルロッド28に連結する第7工程(手順15、手順16、手順17、手順18、手順19、手順20:図15、図16、図17、図18)、
の各工程によりエレベーターの主ロープを交換するようにした。
このような工程を経て交換することにより、
a. 最も危険かつ大掛かりな作業である重量物(乗りかごと釣合いおもり)の仮吊り・保持作業が不要である。このため、大型の揚重機も不要となる。
b. 特に特殊・専門的な工具は使用せず、全て一般的な工具だけで作業可能であることから、設備・工具費を大幅低減できる。
c. 作業に「玉掛け」「足場組み立て」等の専門資格が不要で、一般作業資格だけで作業を行うことができる。
d. 前項までの理由により、通常、高層エレベーターでは4〜5人の作業者で2日掛かる作業が本工法ではM1ないしM3の3人の作業者によって1日で作業することができ、高い作業効率での作業が可能となる。
e. エレベーターが高行程になればなるほど前記(a)〜(d)の効果が飛躍的に大きくなり、費用を大幅に低減することができる。
f. 既存のエレベーターの機能を利用した合理的な作業が可能であり、汎用性が非常に高い。
などの効果を奏する。
2) 前記第5工程は、前段に、新規主ロープ18が巻回された新ドラム20を乗りかご5内に搬入する工程(手順8:図8)と、機械室1からかご上5aを経由して引き上げ用ロープ19を乗りかご5内へ垂下し、この引き上げ用ロープ19を新規主ロープ18の一端のロープソケット14に結び付ける工程(手順9:図9)と、を含む。これにより、新規主ロープ18を引き上げ用ロープ19により機械室1側に容易に引き上げ、シーブ3に巻き掛けることができる。
3) 前記第7工程における新規主ロープ18と他の複数本の主ロープに掛かる張力の調整は、新規主ロープ18に取り付けられた牽引具22によって牽引ロープ27を牽引し、牽引ロープ27が連結されたシンプルロッド28のスプリング13の圧縮量Lを他の複数本の主ロープと揃え、その後、乗りかご5を全高往復運転する作業を複数回繰り返して行う(手順16:図15−図18)ことにより行われる。これにより、新規主ロープ18の張力をかご側ロープにも十分に伝搬させ、他の複数本の主ロープと新規主ロープ18の張力をロープ全長にわたって平均化させることができる。
4) 複数本の主ロープの内一部を新規主ロープ18に交換した後、前記第1ないし第7工程を繰り返して前記複数本の主ロープの内の未交換の主ロープを順次新規主ロープ18に交換する(手順20、手順21)ので、交換した各新規主ロープ18の張力を他の複数本の主ロープの張力と合わせながら、新規主ロープ18に交換することができる。
5) 既存エレベーターを懸垂している複数の主ロープの内、まず1本の主ロープを釣合いおもり7側で取り外した上、乗りかご内に引き込こんで、かご内の空ドラムに収納し、低速運転でかごを上昇運転することにより、かご内の空ドラムに主ロープを巻き取ることが可能で、最終的に旧主ロープをかご内に回収して取り外すことができる。
6) 新規主ロープ18は旧主ロープ15の取り外し作業手順を逆に作業することにより取り付け、その後、新規主ロープ18に掛かる張力を他の複数の主ロープの張力に揃えられるように調整して取り付ける。これにより、最も危険な重量物である乗りかご5および釣合いおもり7の仮吊り作業をロープ把持具21と牽引具22の使用により削減することが可能となる。この作業は、熟練を要しない少人数の作業者によって安全に施工することができる。さらに、前記新規主ロープの交換作業を、全ロープ数にわたって繰り返すだけなので、短期間で効率的にエレベーターの主ロープ交換作業を行うことが可能となる。
7) 通常、エレベーターの乗りかご5および釣合いおもり7の重量は2〜3ton、主ロープ15,18の重量は1本200kg以下であるが、近年の建築物の超超高層エレベーターまたはダブルデッキエレベーター等では各々その重量が10〜15ton、1〜1.5tonを越すものも現れている。このような重量ある乗りかご5および釣合いおもり7、主ロープ15,18では制動装置およびシーブ3の磨耗問題、および乗りかご5と釣合いおもり7の仮吊りの問題から、従来技術で説明した効率的な第2あるいは第3の方法を採用することができない。そこで、止む無く仮設設備を準備した大掛かりで危険な第1の方法で多大な費用と時間をかけているのが現状であった。
これに対し、本実施形態に係るエレベーターの主ロープ交換方法では、主ロープ15,18の重量に関係なく、また重量物である乗りかご5および釣合いおもり7の仮吊り等の危険な重労働作業もなく、安全で作業人員も3人での短時間作業が可能となる。
なお、本実施形態と特許請求の範囲における各構成要素の対応は、上記の通りである。
また、本発明は前述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であり、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項の全てが本発明の対象となる。前記実施形態は、好適な例を示したものであるが、当業者ならば、本明細書に開示の内容から、各種の代替例、修正例、変形例あるいは改良例を実現することができ、これらは添付の特許請求の範囲に記載された技術的範囲に含まれる。
1 機械室
2 巻上機
3 シーブ
4 そらせ車
5 乗りかご
5a かご上
7 釣合いおもり
13 スプリング
14 ロープソケット
15 主ロープ(旧主ロープ)
16 空ドラム
17 ドラム回し装置
18 新規主ロープ
19 引き上げ用ロープ
20 新ドラム
21 ロープ把持具
22 牽引具(チェーンブロック)
23 スプリング圧縮寸法L
24 予長
25 新規主ロープ切断位置
27 牽引ロープ
28 シンプルロッド
51 昇降路
51a (昇降路の)上部
100 エレベーター装置

Claims (4)

  1. 複数本の主ロープにより乗りかごおよび釣合いおもりがつるべ式に互いに連結されたエレベーターの主ロープ交換方法において、
    前記乗りかごおよび前記釣合いおもりの両者を昇降路の昇降行程の中間の互いに対向する位置に配置する第1工程と、
    前記複数本の主ロープの一部について前記釣合いおもりとの連結を解除する第2工程と、
    前記乗りかごを上昇運転して前記乗りかごに積載したドラムに前記連結を解除した主ロープを巻き取る第3工程と、
    前記乗りかごが前記昇降路の上部に到達した状態で前記連結を解除した主ロープの前記乗りかごとの連結を解除して前記ドラムに収容する第4工程と、
    前記乗りかごに積載した新ドラムの新規主ロープの一端を引き上げて前記昇降路に対応して設置された巻上機のシーブに巻掛けて前記新規主ロープの一端を前記乗りかごに連結する第5工程と、
    前記新規主ロープの一端が連結された前記乗りかごを下降運転して前記新ドラムから前記新規主ロープを繰り出し、前記釣合いおもりとの対向位置で停止させる第6工程と、
    繰り出された前記新規主ロープを、予長を持って切断し、切断した端部より上部にロープ把持具と牽引具を取り付け、牽引ロープによって前記釣合いおもりのシンプルロッドと連結し、前記新規主ロープと他の複数本の主ロープに掛かる張力を調整した後、前記新規主ロープを前記シンプルロッドに連結する第7工程と、
    を備えていることを特徴とするエレベーターの主ロープ交換方法。
  2. 請求項1に記載のエレベーターの主ロープ交換方法において、
    前記第7工程における前記新規主ロープと他の複数本の主ロープに掛かる張力の調整は、
    前記新規主ロープに取付けられた前記牽引具によって前記牽引ロープを牽引し、
    前記牽引ロープが連結されたシンプルロッドのスプリング圧縮量を前記他の複数本の主ロープと揃え、
    その後、前記乗りかごを全高往復運転する作業を複数回繰り返して行うこと
    を特徴とするエレベーターの主ロープ交換方法。
  3. 請求項1または2に記載のエレベーターの主ロープ交換方法において、
    前記複数本の主ロープの内一部を前記新規主ロープに交換した後、前記第1ないし第7工程を繰り返して前記複数本の主ロープの内の未交換の主ロープを順次新規主ロープに交換すること
    を特徴とするエレベーターの主ロープ交換方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載のエレベーターの主ロープ交換方法において、
    前記第5工程が、前段に、新規主ロープが巻回された前記新ドラムを前記乗りかご内に搬入する工程と、
    機械室からかご上を経由して引き上げ用ロープを乗りかご内へ垂下し、この引き上げ用ロープを新規主ロープの一端に結び付ける工程と、
    を含むことを特徴とするエレベーターの主ロープ交換方法。
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