JP2014093262A - 固体電解質 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】リチウム(Li)元素、リン(P)元素、硫黄(S)元素及びハロゲン元素を含む固体電解質であって、固体31PNMRスペクトルの92.5±0.6ppm、87.4±0.6ppm、及び76.9±0.5ppmの位置に結晶に起因するピークを有し、前記固体電解質全体に占める前記結晶の比率(xc)が60mol%〜100mol%である固体電解質。
【選択図】図1
Description
非特許文献1では、高いリチウムイオン伝導性を示す硫化物系結晶化ガラスからなる固体電解質が開示されている。しかし、非特許文献1に記載の電解質は、高価なリチウムを多量に必要とするため工業的に不利である。
また、特許文献3ではヨウ化リチウムを添加することで電解質のイオン伝導度が1.0×10−3S/cmまで向上することを開示しているが、さらなるイオン伝導度の向上が必要であった。
本発明によれば、以下の固体電解質等が提供される。
1.リチウム(Li)元素、リン(P)元素、硫黄(S)元素及びハロゲン元素を含む固体電解質であって、
固体31PNMRスペクトルの92.5±0.6ppm、87.4±0.6ppm、及び76.9±0.5ppmの位置に結晶に起因するピークを有し、
前記固体電解質全体に占める前記結晶の比率(xc)が60mol%〜100mol%である固体電解質。
2.下記式(1)で表される組成を有する1に記載の固体電解質。
LiaMbPcSdXe・・・(1)
(式中、MはB,Al,Si,Ge,As,Se,Sn,Sb,Te,PbもしくはBi、又はこれらの組合せを示し、XはI,Cl,BrもしくはF又はこれらの組合せを示す。a〜eは、0<a≦12、0≦b≦0.2、c=1、0<d≦9、0<e≦9を満たす。)
3.前記ハロゲン元素又はXが臭素(Br)である1又は2に記載の固体電解質。
4.構成元素の98原子%以上がリチウム(Li)元素、リン(P)元素、硫黄(S)元素及びハロゲン元素である1〜3のいずれかに記載の固体電解質。
5.リチウム(Li)元素、リン(P)元素、硫黄(S)元素及びハロゲン元素を含み、
熱物性測定により2つの結晶化ピーク温度が観察される硫化物ガラスを、
前記2つの結晶化ピーク温度のうち低温側の第1結晶化ピーク温度Tc1以上、高温側の第2結晶化ピーク温度Tc2以下の温度で熱処理する、
固体電解質の製造方法。
6.前記熱処理を、第1結晶化ピーク温度Tc1以上、高温側の第2結晶化ピーク温度Tc2と前記Tc1との中間温度以下の温度で行う5に記載の固体電解質の製造方法。
7.Li2S及びP2S5をLi2S:P2S5=70:30〜80:20のモル比で用いて前記硫化物ガラスを製造する5又は6に記載の製造方法。
8.5〜7のいずれかに記載の製造方法により製造された固体電解質。
9.1〜4及び8のいずれかに記載の固体電解質と電極材を含む合材。
10.1〜4及び8のいずれかに記載の固体電解質と電極材から製造された合材。
11.1〜4及び8のいずれかに記載の固体電解質を含む電極。
12.1〜4及び8のいずれかに記載の固体電解質から製造された電極。
13.1〜4及び8のいずれかに記載の固体電解質を含む電解質層。
14.1〜4及び8のいずれかに記載の固体電解質から製造された電解質層。
15.9又は10に記載の合材又は13又は14に記載の電解質層を電解質層、正極及び負極の1以上に含むリチウムイオン電池。
(1)固体31PNMRスペクトルの76.9±0.5ppm、87.4±0.6ppm及び92.5±0.6ppmに、結晶に起因するピークを有する。
(2)固体電解質全体に占める(1)のピークを生じる結晶の比率(xc)が60mol%〜100mol%である。
条件(2)は、固体電解質中に占める上記結晶の比率xcを規定するものである。
固体31PNMRスペクトル及びxcの測定方法、測定条件は、実施例において詳細に説明する。
従って、固体電解質中の非結晶部分(ガラス部分)や、高イオン伝導性を示さない結晶格子(例えば、P2S6 4−)を移動する場合に比べて、リチウムイオン伝導度が向上する。
xcは65mol%〜100mol%であることが好ましく、80mol%〜100mol%であることがより好ましく、90mol%〜100mol%であることがさらに好ましく、93mol%〜100mol%であることが最も好ましい。
xcは、原料である硫化物ガラスの熱処理時間及び温度を調整することにより制御できる。
LiaMbPcSdXe・・・(1)
(式中、MはB,Al,Si,Ge,As,Se,Sn,Sb,Te,PbもしくはBi、又はこれらの組合せを示し、XはI,Cl,BrもしくはF又はこれらの組合せを示す。a〜eは、0<a≦12、0≦b≦0.2、c=1、0<d≦9、0<e≦9を満たす。)
BfAlgSihGeiAsjSekSnlSbmTenPboBip…(2)
式(2)において、f〜pはそれぞれ各元素の組成比を示す。f、g、h、i、j、k、l、m、o,pは、それぞれ0以上1以下であり、かつ、f+g+h+i+j+k+l+m+n+o+p=1である。式(2)は、B,Al,Si,P,S,Ge,As,Se,Sn,Sb,Te,Pb及びBiから選択される1種の元素、又は、2種以上の元素の組み合わせを表す。
式(2)において、i、j、k、l、m、n、o及びpが0である場合、即ち、BfAlgSih(f、g、hは0以上1以下であり、かつf+g+h=1)が好ましい。
FsItCluBrv…(3)
式(3)において、s、t、u及びvはそれぞれ各元素の組成比を示す。s、t、u及びvは、それぞれ0以上1以下であり、かつ、s+t+u+v=1である。式(3)は、F、Cl、Br及びIから選択される1種のハロゲン元素、又は、2種以上のハロゲン元素の組み合わせを表す。
好ましくは、sとtが0である場合、即ち、CluBrv(u、vはそれぞれ0以上1以下であり、u+v=1)である。より好ましくは、sとtとuが0である場合、即ち、Brである場合である。
Xは、F、Cl、Br及びIから選択される1つのハロゲン原子であることが好ましく、特に、I,Br又はClであることが好ましく、より好ましくはBrである。
好ましくは、bは0であり、より好ましくは、a、c、d及びeの比(a:c:d:e)がa:c:d:e=1〜9:1:3〜7:0.05〜3、さらに好ましくは、a:c:d:e=2〜6.5:1:3.5〜5:0.1〜1.5である。最も好ましくは、a:c:d:e=2〜6.5:1:3.5〜4.95:0.1〜1.5である。
dは4であると好ましい。
具体的に、本発明の固体電解質の構成元素の98原子%以上、99原子%以上、又は不可避不純物を除く100原子%を、Li、P、S及びハロゲンとしてもよい。
固体電解質は、原料(A)〜(C)と原料(D)ハロゲン元素を含む化合物とを所定の方法により反応させることにより製造することができる。
以下、各原料について説明する。
リチウム化合物としては、Li2S(硫化リチウム)、Li4SiO4(オルト珪酸リチウム)、Li3PO4(燐酸リチウム)、Li4GeO4(ゲルマン酸リチウム)、LiBO2(メタホウ酸リチウム)、LiAlO3(リチウムアルミネート)等を用いることができる。これらは2種以上混合して使用してもよい。
硫化リチウムは、特に制限なく使用できるが、高純度のものが好ましい。硫化リチウムは、例えば、特開平7−330312号公報、特開平9−283156号公報、特開2010−163356号公報、特開2011−084438号公報に記載の方法により製造することができる。
好ましい精製法としては、例えば、国際公開2005/40039号パンフレットに記載された精製法等が挙げられる。具体的には、上記のようにして得られた硫化リチウムを、有機溶媒を用い、100℃以上の温度で洗浄する。
リン化合物としては、P2S3(三硫化二リン)、P2S5(五硫化二リン)等の硫化リン、単体リン(P)、Na3PO4(リン酸ナトリウム)等が挙げられる。
好ましくは、P2S5である。P2S5は、工業的に製造され、販売されているものであれば、特に限定なく使用することができる。
上記原料(A)、(B)に加えて、単体の硫黄(S)、シリコン(Si)、Na2S(硫化ナトリウム)、SiS2(硫化珪素)、Al2S3(硫化アルミニウム)、GeS2(硫化ゲルマニウム)、B2S3(三硫化二砒素)、Na4SiO4(オルト珪酸ナトリウム)、NaAlO3(アルミン酸ナトリウム)、Na4GeO4(ゲルニウム酸ナトリウム)、NaBO2(メタホウ酸ナトリウム)等を用いることができる。これらは2種以上混合して使用してもよい。
ハロゲン元素を含む化合物としては、下記式(4)に示す化合物を用いることができ、1化合物であってもよく、複数の化合物を用いてもよい。
Mw−Xx・・・(4)
式(4)において、Mは、Li,B,Al,Si,P,S,Ge,As,Se,Sn,Sb,Te,Pb又はBiを示す。特にP又はLiが好ましい。wは1〜2の任意の整数、xは1〜10の範囲の任意の整数である。
Xは、F、Cl、Br及びIから選択される1つのハロゲン原子であることが好ましく、特に、I,Br又はClであることが好ましく、より好ましくはBrである。
この場合、硫化リチウム及び五硫化二りんのモル量の合計に対するハロゲン化リチウムのモル比は、好ましくは50:50〜99:1であり、より好ましくは55:45〜97:3であり、さらに好ましくは60:40〜96:4であり、特に好ましくは70:30〜96:4である。
その際、硫化リチウム及び五硫化二りんのモル量の合計に対するハロゲン化合物のモル比は好ましくは50:50〜99:1であり、より好ましくは80:20〜98:2であり、さらに好ましくは85:15〜98:2であり、特に好ましくは90:10〜98:2である。
以下、これらの方法を説明する。
溶融急冷法は、例えば、特開平6−279049号公報、国際公開第2005/119706号パンフレットに記載されている。具体的には、P2S5とLi2Sとハロゲンを含む化合物とを所定量乳鉢にて混合しペレット状にしたものを、カーボンコートした石英管中に入れ真空封入する。所定の反応温度で反応させた後、氷中に投入し急冷することにより、固体電解質が得られる。
反応時間は、好ましくは0.1時間〜12時間、より好ましくは、1〜12時間である。
MM法は、例えば、特開平11−134937号公報、特開2004−348972号公報、特開2004−348973号公報に記載されている。
具体的には、P2S5とLi2Sとハロゲンを含む化合物とを所定量乳鉢にて混合し、例えば、各種ボールミル等を使用して所定時間反応させることにより、固体電解質が得られる。
また、MM法では固体電解質の製造と同時に、微粉末化できるという利点もある。
MM法の条件としては、例えば、遊星型ボールミル機を使用した場合、回転速度を数十〜数百回転/分とし、0.5時間〜100時間処理すればよい。
また、特開2010−90003号公報に記載されているように、ボールミルのボールは異なる径のボールを混合して使用してもよい。
また、特開2010−30889号公報に記載のようにMM処理の際のミル内の温度を調整してもよい。
MM処理時の原料温度が、60℃以上160℃以下になるようにすることが好ましい。
スラリー法は、国際公開第2004/093099号パンフレット、国際公開第2009/047977号パンフレットに記載されている。
具体的には、所定量のP2S5粒子とLi2S粒子とハロゲンを含む化合物とを有機溶媒中で所定時間反応させることにより、固体電解質が得られる。
ハロゲンを含む化合物は、有機溶媒に溶解するか、又は粒子であることが好ましい。
また、国際公開第2009/047977号パンフレットに記載されているように、原料の硫化リチウムを予め粉砕しておくと効率的に反応を進行させることができる。
反応時間は、好ましくは1時間以上16時間以下、より好ましくは、2時間以上14時間以下である。
非プロトン性有機溶媒としては、非プロトン性の非極性有機溶媒(例えば、炭化水素系有機溶媒)、非プロトン性の極性有機化合物(例えば、アミド化合物,ラクタム化合物,尿素化合物,有機イオウ化合物,環式有機リン化合物等)を、単独溶媒として、又は、混合溶媒として、好適に使用することができる。
飽和炭化水素としては、ヘキサン、ペンタン、2−エチルヘキサン、ヘプタン、デカン、シクロヘキサン等が挙げられる。
不飽和炭化水素しては、ヘキセン、ヘプテン、シクロヘキセン等が挙げられる。
これらのうち、特にトルエン、キシレンが好ましい。
固相法は、例えば、「H−J.Deiseroth,et.al.,Angew.Chem.Int.Ed.2008,47,755−758」に記載されている。具体的には、P2S5とLi2Sとハロゲンを含む化合物を所定量乳鉢にて混合し、100〜900℃の温度で加熱することにより、固体電解質が得られる。
固体電解質の製造法としては、MM法、スラリー法又は固相法が好ましい。低コストで製造可能であることから、MM法、スラリー法がより好ましく、特にスラリー法が好ましい。
また、Li2Sとハロゲン化合物を混合しミリング処理した混合物と、ハロゲン化合物とP2S5を混合しミリングした混合物を混ぜ合わせた上でさらにミリング処理を行ってもよい。好ましくは、Li2とP2S5を反応させてハロゲン化合物を含まない固体電解質ガラスを得て、さらにハロゲン化合物を混合し反応させる。この手順で反応させることにより、後述するTc1が低下する効果がある。
具体的には、熱物性測定により2つの結晶化温度(ピーク)が観察される場合は、低温側の第1結晶化ピーク温度(Tc1)と高温側の第2結晶化ピーク温度(Tc2)との間で熱処理する。その際、熱処理温度は、通常、150℃〜360℃であり、例えば、160℃以上350℃以下、180℃以上310℃以下、180℃以上290℃以下、190℃以上270℃以下である。
加熱温度は、より好ましくは、Tc1以上Tc2以下、さらに好ましくは、(Tc+10℃)以上Tc2以下である。
昇温方法については特に指定がない。所定温度までゆっくり昇温してもよいし、急速に加熱してもよい。
本発明の固体電解質は、加水分解しにくく、高いイオン伝導度を有するため、固体電解質層等、電池の構成材料として好適である。
さらに、例えば、硫化物系として、硫化チタン(TiS2)、硫化モリブデン(MoS2)、硫化鉄(FeS、FeS2)、硫化銅(CuS)及び硫化ニッケル(Ni3S2)等、酸化物系として、酸化ビスマス(Bi2O3)、鉛酸ビスマス(Bi2Pb2O5)、酸化銅(CuO)、酸化バナジウム(V6O13)、コバルト酸リチウム(LiCoO2)、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)、マンガン酸リチウム(LiMnO2)等が使用できる。
上記の他にはセレン化ニオブ(NbSe3)、有機ジスルフィド化合物、カーボンスルフィド化合物、硫黄、金属インジウム等が使用できる。
(1)固体31PNMRスペクトル
装置:日本電子株式会社製 JNM−CMXP302NMR装置
観測核:31P
観測周波数:121.339MHz
測定温度:室温
測定法:MAS法
パルス系列:シングルパルス
90°パルス幅:4μs
マジック角回転の回転数:8600Hz
FID測定後、次のパルス印加までの待ち時間:100〜2000s
(最大のスピン−格子緩和時間の5倍以上になるよう設定)
積算回数:64回
化学シフトは、外部基準として(NH4)2HPO4(化学シフト1.33ppm)を用い決定した。
試料充填時の空気中の水分による変質を防ぐため、乾燥窒素を連続的に流しているドライボックス中で密閉性の試料管に試料を充填した。
(1)の条件で試料を測定して得られる固体31PNMRスペクトルについて、70〜120ppmに観測される共鳴線を、非線形最小二乗法を用いてガウス曲線に分離し、各曲線の面積比から算出した。以下に、固体31PNMRスペクトルの例を挙げ、結晶化度xcの算出方法を具体的に説明する。尚、ピーク位置は波形分離後の位置である。
固体31PNMRスペクトルの70〜120ppmに観測される共鳴線(図1)について、非線形最小二乗法を用いて表1に示す7本のガウス曲線に分離する(図2)。尚、共鳴線は常に7本のガウス曲線に分離されるものではなく、帰属に示す組織が試料に存在しない場合には、その帰属に対応するガウス曲線が見られないこととなる。
xc=100×(I2+I3+I5)/(I1+I2+I3+I4+I5+I6+I7)
硫化リチウムの製造及び精製は、国際公開第2005/040039号パンフレットの実施例と同様に行った。具体的には、下記の通りである。
(1)硫化リチウムの製造
撹拌翼のついた10リットルオートクレーブにN−メチル−2−ピロリドン(NMP)3326.4g(33.6モル)及び水酸化リチウム287.4g(12モル)を仕込み、300rpm、130℃に昇温した。昇温後、液中に硫化水素を3リットル/分の供給速度で2時間吹き込んだ。
続いて、この反応液を窒素気流下(200cc/分)昇温し、反応した硫化水素の一部を脱硫化水素化した。昇温するにつれ、上記硫化水素と水酸化リチウムの反応により副生した水が蒸発を始めたが、この水はコンデンサにより凝縮し系外に抜き出した。水を系外に留去すると共に反応液の温度は上昇するが、180℃に達した時点で昇温を停止し、一定温度に保持した。脱硫化水素反応が終了後(約80分)反応を終了し、硫化リチウムを得た。
上記(1)で得られた500mLのスラリー反応溶液(NMP−硫化リチウムスラリー)中のNMPをデカンテーションした後、脱水したNMP100mLを加え、105℃で約1時間撹拌した。その温度のままNMPをデカンテーションした。さらにNMP100mLを加え、105℃で約1時間撹拌し、その温度のままNMPをデカンテーションし、同様の操作を合計4回繰り返した。デカンテーション終了後、窒素気流下230℃(NMPの沸点以上の温度)で硫化リチウムを常圧下で3時間乾燥した。得られた硫化リチウム中の不純物含有量を測定した。
撹拌機として、アシザワ・ファインテック社製スターミルミニツェア(0.15L)(ビーズミル)を用い、0.5mmφジルコニアボール444gを仕込んだ。温度保持槽として、撹拌機付の1.5Lガラス製反応器を使用した。
尚、上記計量、添加、密閉作業は全て乾燥大気下で実施し、使用する器具類は全て乾燥機で事前に水分除去したものを用いた。また、脱水トルエン中の水分量はカールフィッシャー法による水分測定で8.4ppmであった。
ミル本体は、液温が70℃に保持できるよう外部循環により温水を通水し、周速12m/sの条件で運転した。2時間ごとにスラリーを採取し、150℃にて乾燥し白黄色の粉体スラリー(クリーム状)を得た。
得られたスラリーをろ過・風乾後、160℃で2時間チューブヒーターにより乾燥し、固体電解質を粉体として得た。このときの回収率は95%であり、反応器内に付着物はみられなかった。
得られた電解質を示差熱分析したところ、201℃(Tc1)と265℃(Tc2)に結晶化に伴う発熱ピークがみられた。
実施例1及び以下に示す実施例、比較例で作製した固体電解質のイオン伝導度、結晶比率xc及びピーク2(92.5±0.5ppm),ピーク3(87.4±0.5ppm),ピーク5(76.9±0.5ppm)のピークの有無を表2に示す。
硫化物ガラスの熱処理温度を210℃で2時間にした他は、実施例1と同様にして固体電解質を作製、評価した。この固体電解質のイオン伝導度は2.2×10−3S/cmであった。
硫化物ガラスの熱処理温度を220℃で2時間にした他は、実施例1と同様にして固体電解質を作製、評価した。この固体電解質のイオン伝導度は1.8×10−3S/cmであった。
硫化物ガラスの熱処理温度を230℃で2時間とした他は、実施例1と同様にして固体電解質を作製、評価した。この固体電解質のイオン伝導度は1.3×10−3S/cmであった。
実施例1において、硫化物ガラスの熱処理をしなかったものについて評価した。この硫化物ガラスのイオン伝導度は4.2×10−4S/cmであった。
硫化物ガラスの熱処理温度を、300℃で2時間とした他は、実施例1と同様にして固体電解質を作製、評価した。この固体電解質のイオン伝導度は2.3×10−5S/cmであった。
また、リチウム電池は、携帯情報末端、携帯電子機器、家庭用小型電力貯蔵装置、モーターを動力源とする自動二輪車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車等で使用するリチウム二次電池として使用できる。
Claims (15)
- リチウム(Li)元素、リン(P)元素、硫黄(S)元素及びハロゲン元素を含む固体電解質であって、
固体31PNMRスペクトルの92.5±0.6ppm、87.4±0.6ppm、及び76.9±0.5ppmの位置に結晶に起因するピークを有し、
前記固体電解質全体に占める前記結晶の比率(xc)が60mol%〜100mol%である固体電解質。 - 下記式(1)で表される組成を有する請求項1に記載の固体電解質。
LiaMbPcSdXe・・・(1)
(式中、MはB,Al,Si,Ge,As,Se,Sn,Sb,Te,PbもしくはBi、又はこれらの組合せを示し、XはI,Cl,BrもしくはF又はこれらの組合せを示す。a〜eは、0<a≦12、0≦b≦0.2、c=1、0<d≦9、0<e≦9を満たす。) - 前記ハロゲン元素又はXが臭素(Br)である請求項1又は2に記載の固体電解質。
- 構成元素の98原子%以上がリチウム(Li)元素、リン(P)元素、硫黄(S)元素及びハロゲン元素である請求項1〜3のいずれかに記載の固体電解質。
- リチウム(Li)元素、リン(P)元素、硫黄(S)元素及びハロゲン元素を含み、
熱物性測定により2つの結晶化ピーク温度が観察される硫化物ガラスを、
前記2つの結晶化ピーク温度のうち低温側の第1結晶化ピーク温度Tc1以上、高温側の第2結晶化ピーク温度Tc2以下の温度で熱処理する、
固体電解質の製造方法。 - 前記熱処理を、第1結晶化ピーク温度Tc1以上、高温側の第2結晶化ピーク温度Tc2と前記Tc1との中間温度以下の温度で行う請求項5に記載の固体電解質の製造方法。
- Li2S及びP2S5をLi2S:P2S5=70:30〜80:20のモル比で用いて前記硫化物ガラスを製造する請求項5又は6に記載の製造方法。
- 請求項5〜7のいずれかに記載の製造方法により製造された固体電解質。
- 請求項1〜4及び8のいずれかに記載の固体電解質と電極材を含む合材。
- 請求項1〜4及び8のいずれかに記載の固体電解質と電極材から製造された合材。
- 請求項1〜4及び8のいずれかに記載の固体電解質を含む電極。
- 請求項1〜4及び8のいずれかに記載の固体電解質から製造された電極。
- 請求項1〜4及び8のいずれかに記載の固体電解質を含む電解質層。
- 請求項1〜4及び8のいずれかに記載の固体電解質から製造された電解質層。
- 請求項9又は10に記載の合材又は請求項13又は14に記載の電解質層を電解質層、正極及び負極の1以上に含むリチウムイオン電池。
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