JP2014089428A - 電子写真用トナー、現像剤、画像形成方法、プロセスカートリッジ、画像形成装置、トナー容器 - Google Patents

電子写真用トナー、現像剤、画像形成方法、プロセスカートリッジ、画像形成装置、トナー容器 Download PDF

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Abstract

【課題】結晶性樹脂を結着樹脂に用いた場合でも、高い色再現性と低温定着性及び保存性を両立させることができる電子写真用トナー、これを用いた現像剤、この現像剤を用いた画像形成方法及びプロセスカートリッジの提供。
【解決手段】(1)ウレタン結合及び/又はウレア結合を有する結晶性結着樹脂と着色剤を含み、該着色剤の分散粒径が個数平均粒径で0.5μm以下であり、個数粒度分布における粒径が0.7μm以上の粒子の割合が5個数%以下である電子写真用トナー。
(2)前記電子写真用トナーのX線回折装置によって得られる回折スペクトルにおいて、前記結着樹脂の結晶性構造に由来するスペクトルの積分強度を(Cr)、非結晶性構造に由来するスペクトルの積分強度を(Am)とした時の比率(Cr)/〔(Cr)+(Am)〕が、0.15以上である(1)に記載の電子写真用トナー。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真用トナー、これを用いた現像剤、該現像剤を用いた画像形成方法、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び前記トナーを収容したトナー容器に関する。
石油資源の枯渇問題、石油資源を大量消費して二酸化炭素を大気中へ排出することによる温暖化問題が懸念されている。そこで、トナーに使われている結着樹脂を植物由来の樹脂にすれば、該結着樹脂から生じる二酸化炭素は環境中で循環するだけとなり、温暖化問題と石油資源の枯渇問題を同時に解決できる可能性がある。また、環境問題へのもう一つの取り組みとして、省エネルギーの複写機が求められている。複写機の消費エネルギーの多くは、トナーを溶融させて紙に定着させるときの熱エネルギーである。そこで、低温でトナーを溶融させることができれば、省エネルギーで環境負荷の少ない複写機を実現できることから、低温定着トナーが求められている。低温定着トナーを得る手段としては、結着樹脂のガラス転移点を低くすることが一般的に行われている。しかし、ガラス転移点をあまり低くし過ぎるとトナーの保存性が悪くなる。保存性と低温定着性を両立する手段として結晶性樹脂を結着樹脂として用いることが知られているが、結着樹脂中の結晶性樹脂の割合が多いと、顔料の分散性が悪化し定着画像の色再現性が悪化する問題がある。
また、結晶性樹脂の結晶化度が高いと、結着樹脂中に顔料が入りにくくなるという問題が生じる。それにより顔料はトナー粒子中に偏在してしまい、トナーで画像形成し紙に定着させたとき、顔料が拡がらず、色再現性の低い画像となってしまう。その対策として、顔料を予め樹脂に分散させておくマスターバッチを使用することが知られているが、結晶性樹脂をマスターバッチに用いると、やはり樹脂中に顔料がうまく分散しない。マスターバッチに非結晶性樹脂を用いれば顔料をうまく分散させることができるが、結晶性樹脂による低温定着性を阻害する要因となる。
したがって、色再現性と低温定着性、保存性に優れた結晶性樹脂からなるトナー、及びその関連技術は未だ得られておらず、更なる改良、開発が望まれているのが現状である。
本発明に近い技術として、特許文献1では、低温定着性及び耐ブロッキング性に優れたトナーの提供を目的として結晶性樹脂を用いている。しかし、顔料分散性などは検討しておらず、色再現性の問題も解消できていない。また、特許文献2では、バインダー樹脂としてポリエステル樹脂(樹脂A)を用い、当該樹脂Aよりも高い分子量のポリエステル樹脂(樹脂B)により予め顔料を被覆し、この被覆された顔料を樹脂A中に分散させてカラートナーを得ている。しかし、結晶性樹脂に関する記載はない。
本発明は、結晶性樹脂を結着樹脂に用いた場合でも、高い色再現性と低温定着性及び保存性を両立させることができる電子写真用トナー、これを用いた現像剤、この現像剤を用いた画像形成方法及びプロセスカートリッジの提供を目的とする。
上記課題は、次の1)〜14)の発明によって解決される。
1) ウレタン結合及び/又はウレア結合を有する結晶性結着樹脂と着色剤を含み、該着色剤の分散粒径が個数平均粒径で0.5μm以下であり、個数粒度分布における粒径が0.7μm以上の粒子の割合が5個数%以下であることを特徴とする電子写真用トナー。
2) 前記電子写真用トナーのX線回折装置によって得られる回折スペクトルにおいて、前記結着樹脂の結晶性構造に由来するスペクトルの積分強度を(Cr)、非結晶性構造に由来するスペクトルの積分強度を(Am)とした時の比率(Cr)/〔(Cr)+(Am)〕が、0.15以上であることを特徴とする1)に記載の電子写真用トナー。
3) 前記ウレタン結合及び/又はウレア結合を有する結晶性結着樹脂として、ウレタンウレア基濃度が異なる2種以上の樹脂を含むことを特徴とする1)又は2)に記載の電子写真用トナー。
4) 少なくとも、着色剤とマスターバッチ用結晶性結着樹脂(A)からなるマスターバッチ、結晶性結着樹脂(B)、及びワックスからなり、前記(A)中のウレタンウレア基濃度(α)と、前記(B)中のウレタンウレア基濃度(β)が、次の式(1)の関係を満たすことを特徴とする1)〜3)のいずれかに記載の電子写真用トナー。
0<β≦α (単位:%) …(1)
5) 前記マスターバッチ用結晶性結着樹脂(A)が、結晶性部(aa)のみの樹脂、又は、結晶性部(aa)と非結晶性部(ab)とで構成されるブロック樹脂である4)記載の電子写真用トナー。
6) 前記結晶性部(aa)及び/又は非結晶性部(ab)が、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリエーテル樹脂、及びそれらの複合樹脂から選ばれる樹脂である5)記載の電子写真用トナー。
7) 前記結晶性結着樹脂(B)が、結晶性部(ba)のみの樹脂、又は、結晶性部(ba)と非結晶性部(bb)とで構成されるブロック樹脂である4)〜6)のいずれかに記載の電子写真用トナー。
8) 前記結晶性部(ba)及び/又は非結晶性部(bb)が、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリエーテル樹脂、及びそれらの複合樹脂から選ばれる樹脂である7)記載の電子写真用トナー。
9) 前記マスターバッチ用結晶性結着樹脂(A)中の結晶性部(aa)の含有量が50質量%以上、かつ前記結晶性結着樹脂(B)中の結晶性部(ba)の含有量が50質量%以上である4)〜8)のいずれかに記載の電子写真用トナー。
10) 1)〜9)のいずれかに記載の電子写真用トナーとキャリアからなることを特徴とする二成分現像剤。
11) 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像を現像剤により現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含む画像形成方法であって、前記現像工程が、内部に固定された磁界発生手段を有し表面上に磁性キャリアとトナーとからなる現像剤を担持して回転する現像剤担持体を有する現像手段を用いて行われ、前記現像剤が10)記載の二成分現像剤であることを特徴とする画像形成方法。
12) 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に形成された静電潜像を現像剤により現像して可視像を形成する現像手段とを少なくとも有し、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジであって、前記現像剤が、10)記載の二成分現像剤であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
13) 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像を現像剤により現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも備え、前記現像手段が、内部に固定された磁界発生手段を有し表面上に磁性キャリアとトナーとからなる現像剤を担持して回転する現像剤担持体を有する現像手段を用いて行われ、前記現像剤が10)記載の二成分現像剤であることを特徴とする画像形成装置。
14) 1)〜9)のいずれかに記載の電子写真用トナーが収容され、画像形成装置に着脱可能であることを特徴とするトナー容器。
本発明によれば、結晶性樹脂を結着樹脂に用いた場合でも、高い色再現性と低温定着性及び保存性を両立させることができる電子写真用トナー、これを用いた現像剤、この現像剤を用いた画像形成方法及びプロセスカートリッジを提供できる。
画像形成装置の一例を示す図。 プロセスカートリッジの一例を示す図。 色再現性の測定結果を示す図。 図3−1の部分拡大図。 図3−1の部分拡大図。 図3−1の部分拡大図。 X線回折測定によって得られる回折スペクトルの例を示す図。 X線回折測定によって得られる回折スペクトルの例を示す図。
以下、上記本発明について詳しく説明する。
(電子写真用トナー)
本発明の電子写真用トナーは、ウレタン結合及び/又はウレア結合を有する結晶性結着樹脂と着色剤を含む。該着色剤の分散粒径が個数平均粒径で0.5μm以下であり、個数粒度分布における粒径が0.7μm以上の粒子の割合が5個数%以下である。
トナー中の着色剤の個数平均粒径は0.5μm以下とする。好ましくは0.4μm以下、より好ましくは0.3μm以下である。着色剤の個数平均粒径が0.5μmより大きいと、着色剤の分散性が十分でなく色再現性が損なわれる。基本的に0.1μmより小さい粒径の着色剤は光の反射、吸収性に悪影響を及ぼさないと考えられる。0.1μmより小さい粒径の着色剤粒子は、良好な色再現性に貢献する。一方、0.5μmより大きな粒径の着色剤が多く存在していると、画像の明るさ及び鮮やかさが低下する傾向にあり、色再現性が損なわれる。
更に、上記トナー粒子中に含まれる顔料系着色剤の分散粒径で、個数粒度分布における粒径が0.7μm以上の粒子の割合を5個数%以下にコントロールする。これにより、低温定着性、帯電安定性及び流動性に優れたトナーが得られると共に、高品質の画像を与え、特に透明性の良い光沢性に優れたカラー画像を与えるトナーが得られる。
本発明のトナーのX線回折装置によって得られる回折スペクトルにおいて、結着樹脂の結晶性構造に由来するスペクトルの積分強度を(Cr)、非結晶性構造に由来するスペクトルの積分強度を(Am)とした時の比率(Cr)/〔(Cr)+(Am)〕が0.15以上であることが、定着性と耐熱保存性の両立の観点から好ましく、0.20以上がより好ましく、0.30以上が更に好ましく、0.45以上が特に好ましい。
なお、本発明のトナーがワックスを含有する場合、2θ=23.5〜24°の位置にワックス固有の回折ピークが現れることが多い。しかし、トナー全重量に対するワックス含有量が15質量%未満の場合は、ワックス固有の回折ピークの寄与が僅かであることから考慮しなくてもよい。15質量%以上の場合には、結着樹脂の結晶構造に由来するスペクトルの積分強度から、ワックスの結晶構造に由来するスペクトルの積分強度を差し引いた値を上記の「結着樹脂の結晶性構造に由来するスペクトルの積分強度(Cr)」と置き換えることとする。
前記比率(Cr)/〔(Cr)+(Am)〕は、トナー中の結晶化部位の量(主にトナーの主成分たる結着樹脂中の結晶化部位の量)を示す指標である。本発明におけるX線回折測定は、2次元検出器搭載X線回折装置(D8 DISCOVER with GADDS/Bruker社製)を用いて測定した。なお、従来公知の、結晶性樹脂やワックスを添加剤程度に含むようなトナーは、この比率がおおよそ0.15未満である。
測定にはキャピラリーとして、マークチューブ(リンデンマンガラス)の直径0.70mmを使用した。試料はこのキャピラリー管の上部まで詰めて測定した。また、サンプルを詰める際はタッピングを行い、タッピング回数は100回とした。
測定の詳細条件を以下に示す。
・管電流 : 40mA
・管電圧 : 40kV
・ゴニオメーター2θ軸 : 20.0000°
・ゴニオメーターΩ軸 : 0.0000°
・ゴニオメーターφ軸 : 0.0000°
・検出器距離 : 15cm(広角測定)
・測定範囲 : 3.2≦2θ(゜)≦37.2
・測定時間 : 600sec
入射光学系には、φ1mmのピンホールを持つコリメーターを用いた。得られた2次元データを、付属のソフトで(χ軸が3.2°〜37.2°で)積分し、回折強度と2θの1次元データに変換した。得られたX線回折測定結果を基に、前記比率(Cr)/〔(Cr)+(Am)〕を算出する方法を、以下に説明する。
X線回折測定によって得られる回折スペクトルの例を図4及び図5に示す。横軸は2θ(°)、縦軸はX線回折強度であり、両方とも線形軸である。図4のX線回折スペクトルにおいて、2θ=21.3°、24.2°に主要なピーク(P1、P2)があり、この2つのピークを含む広範囲にハロー(h)が見られる。ここで、前記主要なピークは、結晶性構造に由来するものであり、ハローは非結晶性構造に由来するものである。
下記〔式A1〕〔式A2〕〔式A3〕に示すように、上記2つの主要なピーク(P1、P2)とハローに対応するガウス関数をfp1(2θ)、fp2(2θ)、fh(2θ)とし、下記〔式A4〕に示すこれらの3つの関数の和、f(2θ)を、X線回折スペクトル全体のフィッティング関数(図5参照)として、最小二乗法によるフィッティングを行った。
式A1: fp1(2θ)=ap1exp{−(2θ−bp1)/(2cp1)
式A2: fp2(2θ)=ap2exp{−(2θ−bp2)/(2cp2)
式A3: fh(2θ)=ahexp{−(2θ−bh)/(2ch)
式A4: f(2θ)=fp1(2θ)+fp2(2θ)+fh(2θ)
フィッティング変数は、ap1、bp1、cp1、ap2、bp2、cp2、ah、bh、chの9つである。各変数のフィッティングの初期値として、bp1、bp2、bhにはX線回折のピーク位置(図4の例では、bp1=21.3、bp2=24.2、bh=22.5)を、他の変数には適宜の値を入力し、2つの主要ピークとハローがX線回折スペクトルとできる限り一致するように値を設定した。フィッティングは例えばMicrosoft社製Excel2003のソルバーを利用して行うことができる。
フィッティング後のfp1(2θ)、fp2(2θ)、fh(2θ)の各々に関する積分面積(Sp1、Sp2、Sh)を求め、(Sp1+Sp2)を(Cr)、Shを(Am)とすれば、結晶化部位の量を示す指標である比率(Cr)/〔(Cr)+(Am)〕を算出することができる。
また、本発明の電子写真用トナーは、マスターバッチ用結晶性結着樹脂(A)中のウレタンウレア基濃度(α)と結晶性結着樹脂(B)中のウレタンウレア基濃度(β)の関係が、β(%)≦α(%)であることが好ましい。これにより、マスターバッチ用結着樹脂への着色剤の分散性が向上し、色再現性に優れたトナーとなる。
結着樹脂中のウレタンウレア基濃度は、トナーの耐熱保存性の点から2%以上が好ましく、更に好ましくは5%以上である。割合が大きいほど着色剤と結着樹脂との親和性が高まり、色再現性が増す。α、βの上限は、樹脂の結晶化度の低下により低温定着性が悪化するため13%程度である。
また、結着樹脂として結晶性樹脂を用いることにより、低温定着性、耐熱保存性に優れたトナーとなる。
なお、上記ウレタンウレア基濃度は、樹脂合成の仕込み量から、次の式により算出されるものをいう。
ウレタンウレア基濃度(%)=〔合成に用いるイソシアネート量から計算したNCOユニット質量/溶媒を除く樹脂原材料の仕込み量(質量)〕×100
マスターバッチ用結晶性結着樹脂(A)は、結晶性部(aa)のみからなる樹脂でもよいが、結晶性部(aa)と非結晶性部(ab)とで構成されるブロック樹脂であってもよく、結晶性部(aa)と非結晶性部(ab)とが線状に結合されているものが好ましい。 また、結晶性結着樹脂(B)も、結晶性部(ba)のみからなる樹脂でもよいが、結晶性部(ba)と非結晶性部(bb)とで構成されるブロック樹脂であってもよく、結晶性部(ba)と非結晶性部(bb)とが線状に結合されているものが好ましい。
結晶性結着樹脂(A)が結晶性部(aa)と非結晶性部(ab)とで構成されるブロック樹脂であり、結晶性結着樹脂(B)が結晶性部(ba)と非結晶性部(bb)とで構成されるブロック樹脂である場合、結晶性部(aa)又は(ba)が結晶性結着樹脂(A)又は(B)中に占める割合は、50質量%以上が好ましく、より好ましくは60〜100質量%、更に好ましくは70〜100質量%である。結晶性部の割合が50質量%以上であると、樹脂の結晶性が損なわれず、低温定着性がより良好である。
本発明における樹脂の「結晶性」とは、高架式フローテスターにより測定される軟化温度と、示差走査熱量計(DSC)により測定される融解熱の最大ピーク温度との比(軟化温度/融解熱の最大ピーク温度)が0.8〜1.55であって、熱により急峻に軟化する性状のことであり、この性状を有する樹脂を「結晶性樹脂」とする。
また、「非結晶性」とは、軟化温度と融解熱の最大ピーク温度との比(軟化温度/融解熱の最大ピーク温度)が1.55より大きく、熱により緩やかに軟化する性状のことであり、この性状を有する樹脂を「非結晶性樹脂」とする。
なお、樹脂及びトナーの軟化温度は、高化式フローテスター(例えば、島津製作所製:CFT−500D)を用いて測定できる。
試料として1gの樹脂を昇温速度6℃/分間で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押出し、温度に対するフローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化温度とする。
また、樹脂及びトナーの融解熱の最大ピーク温度は、示差走査熱量計(DSC、例えば、島津製作所製:TA−60WS及びDSC−60)を用いて測定できる。
測定に供する試料は、前処理として、130℃で溶融した後、130℃から70℃まで1.0℃/分間の速度で降温し、次に70℃から10℃まで0.5℃/分間の速度で降温する。ここで、一度DSCにより、昇温速度20℃/分間で昇温して吸発熱変化を測定し、「吸発熱量」と「温度」とのグラフを描き、このとき観測される20〜100℃にある吸熱ピーク温度を「Ta*」とする。吸熱ピークが複数ある場合は、最も吸熱量が大きいピークの温度をTa*とする。次いで、試料を(Ta*−10)℃で6時間保管した後、更に(Ta*−15)℃で6時間保管する。次いで、上記試料を、DSCにより、降温速度10℃/分間で0℃まで冷却した後、昇温速度20℃/分間で昇温して吸発熱変化を測定し、同様のグラフを描き、吸発熱量の最大ピークに対応する温度を、融解熱の最大ピーク温度とする。
<結晶性樹脂>
結晶性樹脂としては、結晶性を有するものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂、ビニル樹脂、変性結晶性樹脂などが挙げられる。
これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。中でも、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂が好ましい。特にウレタン骨格とウレア骨格の少なくとも一方を有する樹脂が好ましく、また直鎖型ポリエステル樹脂及び直鎖型ポリエステル樹脂を含む複合樹脂が好ましい。
ここで、ウレタン骨格とウレア骨格の少なくとも一方を有する樹脂としては、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ウレタン変性ポリエステル樹脂、ウレア変性ポリエステル樹脂などが好適に挙げられる。
前記ウレタン変性ポリエステル樹脂は、末端にイソシアネート基を有するポリエステル樹脂とポリオールとを反応させて得られる樹脂である。また、前記ウレア変性ポリエステル樹脂は、末端にイソシアネート基を有するポリエステル樹脂とアミン類とを反応させて得られる樹脂である。
結晶性樹脂の融解熱の最大ピーク温度は、低温定着性と耐熱保存性の両立の観点から、45〜70℃が好ましく、53〜65℃がより好ましく、58〜62℃が特に好ましい。最大ピーク温度が45℃以上であれば、耐熱保存性が悪化するようなことはなく、70℃以下であれば、低温定着性が悪化するようなことはない。
結晶性樹脂の軟化温度と融解熱の最大ピーク温度との比(軟化温度/融解熱の最大ピーク温度)は、0.8〜1.55が好ましく、0.85〜1.25がより好ましく、0.9〜1.2が更に好ましく、0.9〜1.19が特に好ましい。前記比が小さい程、樹脂が急峻に軟化する性状を持ち、低温定着性と耐熱保存性の両立の観点から優れている。
結晶性樹脂の粘弾特性において、(融解熱の最大ピーク温度)+20℃における貯蔵弾性率G′は、5.0×10Pa・s以下が好ましく、より好ましくは1.0×10〜5.0×10Pa・sであり、更に好ましくは1.0×10〜1.0×10Pa・sである。また、(融解熱の最大ピーク温度)+20℃における損失弾性率G″は、5.0×10Pa・s以下が好ましく、より好ましくは1.0×10〜5.0×10Pa・sであり、更に好ましくは1.0×10〜1.0×10Pa・sである。
結着樹脂中に着色剤や層状無機鉱物を分散させるとG′及びG″が上昇することを考慮すると、定着強度や耐ホットオフセット性の観点から、結晶性樹脂の粘弾特性が前記範囲にあることが好ましい。
結晶性樹脂の粘弾特性は、樹脂を構成する結晶性モノマーと非結晶性モノマーの比率や樹脂の分子量を調整すること等により変えることができる。例えば結晶性モノマーの比率を増加させると、G′(Ta+20)の値は小さくなる。
結晶性樹脂及びトナーの動的粘弾特性値(貯蔵弾性率G′、損失弾性率G″)は、動的粘弾性測定装置(TAインスツルメント社製:ARESなど)を用いて測定できる。
例えば、試料を、直径8mm、厚み1〜2mmのペレットに成形し、直径8mmのパラレルプレートに固定した後、40℃で安定させ、周波数1Hz(6.28rad/s)、歪み量0.1%(歪み量制御モード)に設定し、昇温速度2.0℃/分間で200℃まで昇温させて測定する。
結晶性樹脂の質量平均分子量(Mw)は、定着性の観点から、2,000〜100,000が好ましく、5,000〜60,000がより好ましく、8,000〜30,000が特に好ましい。質量平均分子量が、2,000以上であれば、耐ホットオフセット性が悪化するようなことはなく、100,000以下であれば、低温定着性が悪化するようなことはない。
質量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフイー(GPC)測定装置(東ソー社製:GPC−8220GPCなど)を用いて測定できる。
例えば、TSKgel SuperHZM―H 15cm 3連(東ソー社製)をカラムとして使用し、測定する樹脂を、テトラヒドロフラン(THF)(安定剤含有、和光純薬社製)で0.15質量%溶液とし、0.2μmフィルターで濾過した後、濾液を試料とする。そして、THF試料溶液を測定装置に100μL注入し、40℃の環境下で、流速0.35mL/分間で測定する。試料の分子量測定にあたっては、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。
標準ポリスチレン試料としては、昭和電工社製:ShowdexSTANDARDのStd.No.S−7300、S−210、S−390、S−875、S−1980、S−10.9、S−629、S−3.0、S−0.580を用いる。検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
<<ポリエステル樹脂>>
前記ポリエステル樹脂としては、例えば、ポリオールとポリカルボン酸とから合成される重縮合ポリエステル樹脂、ラクトン開環重合物、ポリヒドロキシカルボン酸などが挙げられる。これらの中でも、ジオールとジカルボン酸との重縮合ポリエステル樹脂が、結晶性発現の観点から好ましい。
−ポリオール−
前記ポリオールとしては、例えば、ジオール、3価〜8価又はそれ以上のポリオールなどが挙げられる。
前記ジオールとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、直鎖型脂肪族ジオール、分岐型脂肪族ジオール等の脂肪族ジオール;炭素数4〜36のアルキレンエーテルグリコール;炭素数4〜36の脂環式ジオール;該脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(以下、AOと略記する);ビスフェノール類のAO付加物;ポリラクトンジオール;ポリブタジエンジオール;カルボキシル基を有するジオール、スルホン酸基又はスルファミン酸基を有するジオール、及びこれらの塩やその他の官能基を有するジオールなどが挙げられる。これらの中でも、鎖炭素数が2〜36の脂肪族ジオールが好ましく、直鎖型脂肪族ジオールがより好ましい。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
直鎖型脂肪族ジオールのジオール全体に対する含有量は、80モル%以上が好ましく、90モル%以上がより好ましい。含有量が80モル%以上であれば、樹脂の結晶性が向上し、低温定着性と耐熱保存性の両立性が良く、樹脂硬度が向上する傾向にあるので好ましい。
前記直鎖型脂肪族ジオールとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオールなどが挙げられる。これらのうち、入手容易性を考慮するとエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールが好ましい。
鎖炭素数が2〜36の前記分岐型脂肪族ジオールとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記直鎖型脂肪族ジオール以外のプロパンジオール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、デカンジオール、ドデカンジオール、テトラデカンジオール、及びネオペンチルグリコール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオールなどが挙げられる。
前記炭素数4〜36のアルキレンエーテルグリコールとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなどが挙げられる。
前記炭素数4〜36の脂環式ジオールとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなどが挙げられる。
前記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(以下、AOと略記する)としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレンオキサイド(以下、EOと略記する)、プロピレンオキサイド(以下、POと略記する)、ブチレンオキサイド(以下、BOと略記する)等の付加物(付加モル数1〜30)などが挙げられる。
前記ビスフェノール類としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等のAO(EO、PO、BO等)付加物(付加モル数2〜30)などが挙げられる。
前記ポリラクトンジオールとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリ−ε−カプロラクトンジオールなどが挙げられる。
前記カルボキシル基を有するジオールとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2,2−ジメチロールプロピオン酸(DMPA)、2,2−ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロールヘプタン酸、2,2−ジメチロールオクタン酸等の炭素数6〜24のジアルキロールアルカン酸などが挙げられる。
前記スルホン酸基又はスルファミン酸基を有するジオールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)スルファミン酸及びN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)スルファミン酸PO2モル付加物等のスルファミン酸ジオール、N,N−ビス(2−ヒドロキシアルキル)スルファミン酸(アルキル基の炭素数1〜6)及びそのAO付加物(AOとしてはEO、POなど、AOの付加モル数1〜6);ビス(2−ヒドロキシエチル)ホスフェートなどが挙げられる。
上記カルボキシル基、スルホン酸基又はスルファミン酸基を有するジオールは、それらの中和塩として用いても良い。中和塩基としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、炭素数3〜30の3級アミン(トリエチルアミン等)、アルカリ金属(ナトリウム塩等)などが挙げられる。
上記したポリオールの中でも、炭素数2〜12のアルキレングリコール、カルボキシル基を有するジオール、ビスフェノール類のAO付加物、及びこれらの併用が好ましい。
また、必要に応じて用いられる前記3価〜8価又はそれ以上のポリオールとしては特に制限はなく、目的により適宜選択することができ、例えば、アルカンポリオール及びその分子内又は分子間脱水物(例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ソルビタン、ポリグリセリン等)、糖類及びその誘導体(例えば、ショ糖、メチルグルコシド等)等の炭素数3〜36の3価〜8価又はそれ以上の多価脂肪族アルコール;トリスフェノール類(トリスフェノールPA等)のAO付加物(付加モル数2〜30);ノボラック樹脂(フェノールノボラック、クレゾールノボラック等)のAO付加物(付加モル数2〜30);ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと他のビニル系モノマーとの共重合物等のアクリルポリオールなどが挙げられる。これらの中でも、3価〜8価又はそれ以上の多価脂肪族アルコール及びノボラック樹脂のAO付加物が好ましく、ノボラック樹脂のAO付加物がより好ましい。
−ポリカルボン酸−
前記ポリカルボン酸としては、例えば、ジカルボン酸、3価〜6価又はそれ以上のポリカルボン酸が挙げられる。
前記ジカルボン酸としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、直鎖型脂肪族ジカルボン酸、分岐型脂肪族ジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸;芳香族ジカルボン酸などが好適に挙げられる。これらの中でも、直鎖型脂肪族ジカルボン酸がより好ましい。
前記脂肪族ジカルボン酸としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジカルボン酸、オクタデカンジカルボン酸、デシルコハク酸等の炭素数4〜36のアルカンジカルボン酸;ドデセニルコハク酸、ペンタデセニルコハク酸、オクタデセニルコハク酸などのアルケニルコハク酸、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸等の炭素数4〜36のアルケンジカルボン酸;ダイマー酸(2量化リノール酸)等の炭素数6〜40の脂環式ジカルボン酸などが好適に挙げられる。
前記芳香族ジカルボン酸としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、t−ブチルイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4′−ビフェニルジカルボン酸等の炭素数8〜36の芳香族ジカルボン酸などが好適に挙げられる。
また、必要に応じて用いられる前記3価〜6価又はそれ以上のポリカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸等の炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸などが挙げられる。
なお、前記ジカルボン酸又は前記3価〜6価又はそれ以上のポリカルボン酸としては、上述のものの酸無水物又は炭素数1〜4の低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステル等)を用いてもよい。
前記ジカルボン酸の中でも、脂肪族ジカルボン酸(好ましくは、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等)を単独で用いることが特に好ましいが、脂肪族ジカルボン酸と共に芳香族ジカルボン酸(好ましくは、テレフタル酸、イソフタル酸、t−ブチルイソフタル酸等;これら芳香族ジカルボン酸の低級アルキルエステル類等)を共重合したものも同様に好ましい。芳香族ジカルボン酸の共重合量は、20モル%以下が好ましい。
−ラクトン開環重合物−
前記ラクトン開環重合物としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン等の炭素数3〜12のモノラクトン(環中のエステル基数1個)等のラクトン類を、金属酸化物、有機金属化合物等の触媒を用いて開環重合させて得られるラクトン開環重合物;開始剤としてグリコール(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール等)を用い、前記炭素数3〜12のモノラクトン類を開環重合させて得られる末端にヒドロキシル基を有するラクトン開環重合物などが挙げられる。
前記炭素数3〜12のモノラクトンとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、結晶性の観点からε−カプロラクトンが好ましい。
また、前記ラクトン開環重合物としては市販品を用いてもよく、例えば、ダイセル社製のPLACCELシリーズのH1P、H4、H5、H7等の高結晶性ポリカプロラクトンなどが挙げられる。
−ポリヒドロキシカルボン酸−
前記ポリヒドロキシカルボン酸の調製方法としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、グリコール酸、乳酸(L体、D体、ラセミ体等)等のヒドロキシカルボン酸を直接脱水縮合する方法;グリコリド、ラクチド(L体、D体、ラセミ体等)などのヒドロキシカルボン酸の2分子間又は3分子間脱水縮合物に相当する炭素数4〜12の環状エステル(環中のエステル基数2〜3個)を、金属酸化物、有機金属化合物等の触媒を用いて開環重合する方法などが挙げられるが、分子量の調整の観点から開環重合する方法が好ましい。
前記環状エステルの中でも、結晶性の観点からL−ラクチド及びD−ラクチドが好ましい。また、これらのポリヒドロキシカルボン酸は、末端がヒドロキシル基やカルボキシル基となるように変性したものであってもよい。
<<ポリウレタン樹脂>>
前記ポリウレタン樹脂としては、ジオール、3価〜8価又はそれ以上のポリオール等のポリオールと、ジイソシアネート、3価以上のポリイソシアネート等のポリイソシアネートとから合成されるポリウレタン樹脂などが挙げられる。これらの中でも、ジオールとジイソシアネートとから合成されるポリウレタン樹脂が好ましい。
前記ジオール及び3価〜8価又はそれ以上のポリオールとしては、前記ポリエステル樹脂において挙げたジオール及び3価〜8価又はそれ以上のポリオールと同様のものが挙げられる。
−ポリイソシアネート−
前記ポリイソシアネートとしては、例えば、ジイソシアネート、3価以上のポリイソシアネートなどが挙げられる。
前記ジイソシアネートとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、芳香族ジイソシアネート類、脂肪族ジイソシアネート類、脂環式ジイソシアネート類、芳香脂肪族ジイソシアネート類などが挙げられる。これらの中でも、NCO基中の炭素を除く炭素数が6〜20の芳香族ジイソシアネート、2〜18の脂肪族ジイソシアネート、4〜15の脂環式ジイソシアネート、8〜15の芳香脂肪族ジイソシアネート、これらのジイソシアネートの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基、オキサゾリドン基含有変性物等)、これらの2種以上の混合物などが好ましい。また必要に応じて、3価以上のイソシアネートを併用してもよい。
前記芳香族ジイソシアネート類としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1,3−及び/又は1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−及び/又は2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、2,4′−及び/又は4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、粗製MDI{粗製ジアミノフェニルメタン〔ホルムアルデヒドと芳香族アミン(アニリン)又はその混合物との縮合生成物;ジアミノジフェニルメタンと少量(例えば5〜20質量%)の3官能以上のポリアミンとの混合物〕のホスゲン化物:ポリアリルポリイソシアネート(PAPI)}、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4′,4″−トリフェニルメタントリイソシアネート、m−及びp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネートなどが挙げられる。
前記脂肪族ジイソシアネート類としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエートなどが挙げられる。
前記脂環式ジイソシアネート類としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水添TDI)、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート、2,5−及び2,6−ノルボルナンジイソシアネートなどが挙げられる。
前記芳香脂肪族ジイソシアネート類としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばm−及びp−キシリレンジイソシアネート(XDI)、α,α,α′,α′−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)などが挙げられる。
また、前記ジイソシアネートの変性物としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基、オキサゾリドン基含有変性物などが挙げられる。具体的には、ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDI、トリヒドロカルビルホスフェート変性MDI等の変性MDI、イソシアネート含有プレポリマー等のウレタン変性TDIなどのジイソシアネートの変性物;これらジイソシアネートの変性物の2種以上の混合物(例えば、変性MDIとウレタン変性TDIとの併用)などが挙げられる。
これらのジイソシアネートの中でも、NCO基中の炭素を除く炭素数が、6〜15の芳香族ジイソシアネート、4〜12の脂肪族ジイソシアネート、4〜15の脂環式ジイソシアネートが好ましく、TDI、MDI、HDI、水添MDI、及びIPDIが特に好ましい。
<<ポリウレア樹脂>>
前記ポリウレア樹脂としては、ジアミン、3価以上のポリアミン等のポリアミンと、ジイソシアネート、3価以上のポリイソシアネート等のポリイソシアネートとから合成されるポリウレア樹脂等が挙げられる。これらの中でも、ジアミンとジイソシアネートとから合成されるポリウレア樹脂が好ましい。
前記ジイソシアネート及び3価以上のポリイソシアネートとしては、前記ポリウレタン樹脂において挙げたジイソシアネート及び3価以上のポリイソシアネートと同様のものが挙げられる。
−ポリアミン−
前記ポリアミンとしては、例えばジアミン、3価以上のポリアミンなどが挙げられる。
前記ジアミンとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、脂肪族ジアミン類、芳香族ジアミン類が挙げられる。これらの中でも、炭素数2〜18の脂肪族ジアミン類、炭素数6〜20の芳香族ジアミン類が好ましい。
前記炭素数2〜18の脂肪族ジアミン類としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の炭素数2〜6のアルキレンジアミン;ジエチレントリアミン、イミノビスプロピルアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン等の炭素数4〜18のポリアルキレンジアミン;ジアルキルアミノプロピルアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、アミノエチルエタノールアミン、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサメチレンジアミン、メチルイミノビスプロピルアミン等の前記アルキレンジアミン又は前記ポリアルキレンジアミンの炭素数1〜4のアルキル又は炭素数2〜4のヒドロキシアルキル置換体;1,3−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、メンセンジアミン、4,4′−メチレンジシクロヘキサンジアミン(水添メチレンジアニリン)等の炭素数4〜15の脂環式ジアミン;ピペラジン、N−アミノエチルピペラジン、1,4−ジアミノエチルピペラジン、1,4−ビス(2−アミノ−2−メチルプロピル)ピペラジン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン等の炭素数4〜15の複素環式ジアミン;キシリレンジアミン、テトラクロル−p−キシリレンジアミン等の炭素数8〜15の芳香環含有脂肪族アミン類などが挙げられる。
前記炭素数6〜20の芳香族ジアミン類としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1,2−、1,3−及び1,4−フェニレンジアミン、2,4′−及び4,4′−ジフェニルメタンジアミン、クルードジフェニルメタンジアミン(ポリフェニルポリメチレンポリアミン)、ジアミノジフェニルスルホン、ベンジジン、チオジアニリン、ビス(3,4−ジアミノフェニル)スルホン、2,6−ジアミノピリジン、m−アミノベンジルアミン、トリフェニルメタン−4,4′,4″−トリアミン、ナフチレンジアミン等の非置換芳香族ジアミン;2,4−及び2,6−トリレンジアミン、クルードトリレンジアミン、ジエチルトリレンジアミン、4,4′−ジアミノ−3,3′−ジメチルジフェニルメタン、4,4′−ビス(o−トルイジン)、ジアニシジン、ジアミノジトリルスルホン、1,3−ジメチル−2,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジメチル−2,6−ジアミノベンゼン、1,4−ジイソプロピル−2,5−ジアミノベンゼン、2,4−ジアミノメシチレン、1−メチル−3,5−ジエチル−2,4−ジアミノベンゼン、2,3−ジメチル−1,4−ジアミノナフタレン、2,6−ジメチル−1,5−ジアミノナフタレン、3,3′,5,5′−テトラメチルベンジジン、3,3′,5,5′−テトラメチル−4,4′−ジアミノジフェニルメタン、3,5−ジエチル−3′−メチル−2′,4′−ジアミノジフェニルメタン、3,3′−ジエチル−2,2′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノ−3,3′−ジメチルジフェニルメタン、3,3′,5,5′−テトラエチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン、3,3′,5,5′−テトラエチル−4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、3,3′,5,5′−テトライソプロピル−4,4′−ジアミノジフェニルスルホン等の炭素数1〜4の核置換アルキル基を有する芳香族ジアミン;前記非置換芳香族ジアミン乃至前記炭素数1〜4の核置換アルキル基を有する芳香族ジアミンの異性体の種々の割合の混合物;メチレンビス−o−クロロアニリン、4−クロロ−o−フェニレンジアミン、2−クロル−1,4−フェニレンジアミン、3−アミノ−4−クロロアニリン、4−ブロモ−1,3−フェニレンジアミン、2,5−ジクロル−1,4−フェニレンジアミン、5−ニトロ−1,3−フェニレンジアミン、3−ジメトキシ−4−アミノアニリン;4,4′−ジアミノ−3,3′−ジメチル−5,5′−ジブロモジフェニルメタン、3,3′−ジクロロベンジジン、3,3′−ジメトキシベンジジン、ビス(4−アミノ−3−クロロフェニル)オキシド、ビス(4−アミノ−2−クロロフェニル)プロパン、ビス(4−アミノ−2−クロロフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−3−メトキシフェニル)デカン、ビス(4−アミノフェニル)スルフイド、ビス(4−アミノフェニル)テルリド、ビス(4−アミノフェニル)セレニド、ビス(4−アミノ−3−メトキシフェニル)ジスルフイド、4,4′−メチレンビス(2−ヨードアニリン)、4,4′−メチレンビス(2−ブロモアニリン)、4,4′−メチレンビス(2−フルオロアニリン)、4−アミノフェニル−2−クロロアニリン等の核置換電子吸引基(Cl、Br、I、F等のハロゲン;メトキシ、エトキシ等のアルコキシ基;ニトロ基など)を有する芳香族ジアミン;4,4′−ジ(メチルアミノ)ジフェニルメタン、1−メチル−2−メチルアミノ−4−アミノベンゼン等の二級アミノ基を有する芳香族ジアミン〔前記非置換芳香族ジアミン、前記炭素数1〜4の核置換アルキル基を有する芳香族ジアミン、及びこれらの異性体の種々の割合の混合物、前記核置換電子吸引基を有する芳香族ジアミンの一級アミノ基の一部又は全部がメチル、エチルなどの低級アルキル基で二級アミノ基に置き換ったもの〕などが挙げられる。
前記ジアミンとして、これらの他、ジカルボン酸(ダイマー酸等)と過剰の(酸1モル当り2モル以上の)前記ポリアミン(前記アルキレンジアミン、ポリアルキレンポリアミン等)との縮合により得られる低分子量ポリアミドポリアミン等のポリアミドポリアミン;ポリエーテルポリオール(ポリアルキレングリコール等)のシアノエチル化物の水素化物等のポリエーテルポリアミンなどが挙げられる。
<<ポリアミド樹脂>>
前記ポリアミド樹脂としては、ジアミン、3価以上のポリアミン等のポリアミンと、ジカルボン酸、3価〜6価又はそれ以上のポリカルボン酸等のポリカルボン酸から合成されるポリアミド樹脂等が挙げられる。これらの中でも、ジアミンとジカルボン酸から合成されるポリアミド樹脂が好ましい。
前記ジアミン及び3価以上のポリアミンとしては、前記ポリウレア樹脂において挙げたジアミン及び3価以上のポリアミンと同様のものが挙げられる。
前記ジカルボン及び前記3価〜6価又はそれ以上のポリカルボン酸としては、前記ポリエステル樹脂において挙げたジカルボン及び3価〜6価又はそれ以上のポリカルボン酸と同様のものが挙げられる。
<<ポリエーテル樹脂>>
前記ポリエーテル樹脂としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、結晶性ポリオキシアルキレンポリオールなどが挙げられる。
前記結晶性ポリオキシアルキレンポリオールの製造方法としては特に制限はなく、目的に応じて従来公知の方法を適宜選択することができ、例えば、キラル体のAOを、通常AOの重合で使用される触媒で開環重合させる方法(例えば、Journal of the American Chemical Society、1956年、第78巻、第18号、p.4787−4792に記載)や、安価なラセミ体のAOを立体的に嵩高い特殊な化学構造の錯体を触媒として開環重合させる方法などが挙げられる。 また、特殊な錯体を用いる方法としては、ランタノイド錯体と有機アルミニウムを接触させた化合物を触媒として用いる方法(例えば、特開平11−12353号公報に記載)やバイメタル−μ−オキソアルコキサイドとヒドロキシル化合物をあらかじめ反応させる方法(例えば、特表2001−521957号公報に記載)などが知られている。
また、非常にアイソタクティシティの高い結晶性ポリオキシアルキレンポリオールを得る方法として、サレン錯体を触媒として用いる方法(例えば、Journal of the American Chemical Society、2005年、第127巻、第33号、p.11566−11567に記載)が知られている。
例えば、キラル体のAOを用い、その開環重合時に、開始剤としてグリコール又は水を用いると、末端にヒドロキシル基を有するアイソタクティシティが50%以上のポリオキシアルキレングリコールが得られる。このポリオキシアルキレングリコールは、その末端を、例えばカルボキシル基になるように変性したものであってもよい。なお、アイソタクティシティが50%以上であると、通常、結晶性となる。
また、前記グリコールとしては前記ジオールなどが挙げられ、カルボキシ変性するのに用いるカルボン酸としては、前記ジカルボン酸などが挙げられる。
前記結晶性ポリオキシアルキレンポリオールの製造に用いるAOとしては、炭素数3〜9のものが挙げられ、例えば、PO、1−クロロオキセタン、2−クロロオキセタン、1,2−ジクロロオキセタン、エピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン、1,2−BO、メチルグリシジルエーテル、1,2−ペンチレンオキサイド、2,3−ペンチレンオキサイド、3−メチル−1,2−ブチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、1,2−へキシレンオキサイド、3−メチル−1,2−ペンチレンオキサイド、2,3−ヘキシレンオキサイド、4−メチル−2,3−ペンチレンオキサイド、アリルグリシジルエーテル、1,2−へプチレンオキサイド、スチレンオキサイド、フェニルグリシジルエーテルなどが挙げられる。これらのAOの中でも、PO、1,2−BO、スチレンオキサイド及びシクロへキセンオキサイドが好ましく、PO、1,2−BO、シクロへキセンオキサイドがより好ましい。また、これらのAOは、1種を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
また、前記結晶性ポリオキシアルキレンポリオールのアイソタクティシティは、得られる結晶性ポリエーテル樹脂の高シャープメルト性と耐ブロッキング性の観点から、70%以上が好ましく、80%以上がより好ましく、90%以上が特に好ましく、95%以上が最も好ましい。
前記アイソタクティシティは、Macroモルecules、vol.35、No.6、2389−2392頁(2002年)に記載の方法で算出することができ、以下のようにして求めることができる。
測定試料約30mgを直径5mmの13C−NMR用試料管に秤量し、約0.5mLの重水素化溶媒を加えて溶解させ、分析用試料とする。重水素化溶媒としては特に制限はなく、試料を溶解させることのできる溶媒を適宜選択することができ、例えば、重水素化クロロホルム、重水素化トルエン、重水素化ジメチルスルホキシド、重水素化ジメチルホルムアミドなどが挙げられる。13C−NMRの3種類のメチン基由来の信号は、それぞれシンジオタクチック値(S)75.1ppm付近とヘテロタクチック値(H)75.3ppm付近とアイソタクチック値(I)75.5ppm付近に観測される。
アイソタクティシティは、次の計算式により算出する。
アイソタクティシティ(%)=[I/(I+S+H)]×100
ただし、上記計算式中、Iはアイソタクチック信号の積分値、Sはシンジオタクチック信号の積分値、Hはヘテロタクチック信号の積分値である。
<<ビニル樹脂>>
前記ビニル樹脂としては、結晶性を有するものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、結晶性を有するビニルモノマーと、必要に応じて結晶性を有しないビニルモノマーとを構成単位として有するものが好ましい。
前記結晶性を有するビニルモノマーとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ラウリル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート等のアルキル基の炭素数が12〜50の直鎖アルキル(メタ)アクリレート(炭素数12〜50の直鎖アルキル基が結晶性基である)などが挙げられる。
前記結晶性を有しないビニルモノマーとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、分子量が1,000以下のビニルモノマーが好ましく、例えば、スチレン類、(メタ)アクリルモノマー、カルボキシル基含有ビニルモノマー、他のビニルエステルモノマー、脂肪族炭化水素系ビニルモノマーなどが挙げられる。
これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記スチレン類としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スチレン、アルキル基の炭素数が1〜3のアルキルスチレンなどが挙げられる。
前記(メタ)アクリルモノマーとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル基の炭素数が1〜11のアルキル(メタ)アクリレート、及びアルキル基の炭素数が12〜18の分岐アルキル(メタ)アクリレート;ヒドロキシルエチル(メタ)アクリレート等のアルキル基の炭素数1〜11のヒドロキシルアルキル(メタ)アクリレート;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアルキル基の炭素数が1〜11のアルキルアミノ基含有(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
前記カルボキシル基含有ビニルモノマーとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、桂皮酸等の炭素数3〜15のモノカルボン酸;(無水)マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等の炭素数4〜15のジカルボン酸;マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル、シトラコン酸モノアルキルエステル等の前記ジカルボン酸のモノアルキル(炭素数1〜18)エステル等のジカルボン酸モノエステルなどが挙げられる。
前記他のビニルエステルモノマーとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、イソプロペニルアセテート等の炭素数4〜15の脂肪族ビニルエステル;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等の炭素数8〜50の不飽和カルボン酸多価(2価〜3価又はそれ以上)アルコールエステル;メチル−4−ビニルベンゾエート等の炭素数9〜15の芳香族ビニルエステルなどが挙げられる。
前記脂肪族炭化水素系ビニルモノマーとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、オクテン等の炭素数2〜10のオレフィン;ブタジエン、イソプレン、1,6−ヘキサジエン等の炭素数4〜10のジエンなどが挙げられる。
<<変性結晶性樹脂(結着樹脂前駆体)>>
前記変性結晶性樹脂としては、活性水素基と反応可能な官能基を有する結晶性樹脂であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、活性水素基と反応可能な官能基を有する結晶性ポリエステル樹脂、結晶性ポリウレタン樹脂、結晶性ポリウレア樹脂、結晶性ポリアミド樹脂、結晶性ポリエーテル樹脂、結晶性ビニル樹脂などが挙げられる。変性結晶性樹脂は、トナーの製造過程において、活性水素基を有する樹脂や、活性水素基を有する架橋剤や伸長剤等の活性水素基を有する化合物と反応させることにより樹脂を高分子量化させ、結着樹脂を形成することができる。したがって、これらの変性結晶性樹脂は、トナーの製造において、結着樹脂前駆体として使用することができる。
なお、結着樹脂前駆体とは、上述の結着樹脂を構成するモノマーやオリゴマー、及び活性水素基と反応可能な官能基を有する変性された樹脂、オリゴマー類を含む伸長又は架橋反応が可能な化合物を指し、これらの条件を満たしていれば、結晶性樹脂でも非結晶性樹脂でもよい。これらの中でも、結着樹脂前駆体としては、少なくとも末端にイソシアネート基を有する変性結晶性樹脂が好ましく、水系媒体中に分散乃至乳化してトナー粒子を造粒する際に、活性水素基との反応によって、伸長乃至架橋反応して結着樹脂を形成することが好ましい。
このような結着樹脂前駆体から形成される結着樹脂としては、活性水素基と反応可能な官能基を有する変性された樹脂と、活性水素基を有する化合物とを伸長乃至架橋反応させた結晶性樹脂が好ましく、これらの中でも、末端にイソシアネート基を有するポリエステル樹脂と、前記ポリオールとを伸長乃至架橋反応させたウレタン変性ポリエステル樹脂;末端にイソシアネート基を有するポリエステル樹脂と、アミン類とを伸長乃至架橋反応させたウレア変性ポリエステル樹脂などが好ましい。
前記活性水素基と反応可能な官能基としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イソシアネート基、エポキシ基、カルボン酸基、酸クロリド基などが挙げられる。これらの中でも、反応性や安定性の観点から、イソシアネート基が好ましい。
前記活性水素基を有する化合物としては、活性水素基を有していれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、活性水素基と反応可能な官能基がイソシアネート基である場合には、水酸基(アルコール性水酸基及びフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などを活性水素基として有する化合物が挙げられる。これらの中でも、反応速度の観点から、アミノ基を有する化合物(即ち、アミン類)が特に好ましい。
前記アミン類としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばフェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノ−3,3′−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミン、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリン、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタン、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。また、これらのアミン類のアミノ基をケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)でブロックした、ケチミン化合物、オキサゾリゾン化合物などが挙げられる。
前記結晶性樹脂は、結晶性部と非結晶性部を持つブロック樹脂であってもよく、結晶性部は前述した結晶性樹脂で構成されていてもよい。非結晶性部の形成に用いられる樹脂としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂、ビニル樹脂(ポリスチレン、スチレンアクリル系ポリマー等)、エポキシ樹脂などが挙げられる。
ただし、結晶性部としては、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂であることが好ましいので、相溶性の観点から、非結晶性部の形成に用いられる樹脂も、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂、及びそれらの複合樹脂であることが好ましく、ポリウレタン樹脂及びポリエステル樹脂がより好ましい。これらの非結晶性部の組成としては、非結晶性樹脂となるものであれば特に制限はなく、目的に種々の組合せを選択することができ、使用するモノマーとしては、前記したポリオール、ポリカルボン酸、ポリイソシアネート、ポリアミン、AOなどが挙げられる。
[ブロックポリマーの製法]
結晶性部と非結晶性部とで構成されるブロックポリマーは、それぞれの末端官能基の反応性を考慮して結合剤の使用、非使用を選択し、また使用の際は末端官能基に合った結合剤種を選択し、結晶性部と非結晶性部を結合させてブロックポリマーとする。
結合剤を使わない場合、必要に応じて加熱減圧しつつ、結晶性部を形成する樹脂の末端官能基と非結晶性部を形成する樹脂の末端官能基の反応を進める。特に酸とアルコールとの反応や酸とアミンとの反応の場合、片方の樹脂の酸価が高く、もう一方の樹脂の水酸基価やアミン価が高い場合、反応がスムーズに進行する。反応温度は180〜230℃が好ましい。
結合剤を使う場合は、種々の結合剤が使用できる。多価カルボン酸、多価アルコール、多価イソシアネート、多官能エポキシ、酸無水物等を用いて、脱水反応や付加反応を行うことができる。
多価カルボン酸及び酸無水物としては、前記ジカルボン酸成分と同様のものが挙げられる。多価アルコールとしては、前記ジオール成分と同様のものが挙げられる。多価イソシアネートとしては、前記ジイソシアネート成分と同様のものが挙げられる。多官能エポキシとしては、ビスフェノールA型及びF型エポキシ化合物、フェノールノボラック型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物、水添ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールA又はFのAO付加体のジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAのAO付加体のジグリシジルエーテル、ジオール(エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコール等)のジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジ及び/又はトリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールトリ及び/又はテトラグリシジルエーテル、ソルビトールヘプタ及び/又はヘキサグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、ジシクロペンタジエン・フェノール付加型グリシジルエーテル、メチレンビス(2,7−ジヒドロキシナフタレン)テトラグリシジルエーテル、1,6−ジヒドロキシナフタレンジグリシジルエーテル、ポリブタジエンジグリシジルエーテルなどが挙げられる。
結晶性部と非結晶性部を結合させる方法のうち、脱水反応の例としては、結晶性部、非結晶性部とも両末端アルコール樹脂で、これらを結合剤(例えば多価カルボン酸)で結合させる反応が挙げられる。この場合、例えば、無溶媒下、反応温度180〜230℃で反応させれば、ブロックポリマーが得られる。
付加反応の例としては、結晶性部、非結晶性部とも末端に水酸基を有する樹脂で、これらを結合剤(例えば多価イソシアネート)で結合させる反応や、結晶性部、非結晶性部の片方が末端に水酸基を有する樹脂、もう一方が末端にイソシアネート基を有する樹脂で、結合剤を用いずにこれらを結合させる反応が挙げられる。この場合、例えば、結晶性部、非結晶性部ともに溶解可能な溶媒に溶解させ、これに必要に応じて結合剤を投入し、反応温度80〜150℃で反応させれば、ブロックポリマーが得られる。
結晶性樹脂としては、上記のブロックポリマーが好ましいが、非結晶性部を有さず結晶性部のみからなる樹脂を用いることもできる。
結晶性部のみからなる樹脂の組成としては、前記の結晶性部を構成する樹脂と同様のもの、及び結晶性ビニル樹脂が挙げられる。
結晶性ビニル樹脂としては、結晶性基を有するビニルモノマー(m)と、必要に応じて結晶性基を有しないビニルモノマー(n)を構成単位として有するものが好ましい。
ビニルモノマー(m)としては、アルキル基の炭素数が12〜50の直鎖アルキル(メタ)アクリレート(m1)(炭素数12〜50の直鎖アルキル基が結晶性基である)、及び結晶性部(b)の単位を有するビニルモノマー(m2)等が挙げられる。
結晶性ビニル樹脂としては、ビニルモノマー(m)として、アルキル基の炭素数が12〜50(好ましくは16〜30)の直鎖アルキル(メタ)アクリレート(m1)を含むものが更に好ましい。
(m1)としては、各アルキル基がいずれも直鎖状のラウリル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート、及びベヘニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
なお、本発明において、アルキル(メタ)アクリレートとは、アルキルアクリレート及び/又はアルキルメタアクリレートを意味し、以下同様の記載法を用いる。
結晶性部の単位を有するビニルモノマー(m2)において、結晶性部の単位をビニルモノマーに導入する方法は、それぞれの末端官能基の反応性を考慮して、結合剤(カップリング剤)を使用するかしないかを選択し、また使用する場合は、末端官能基にあった結合剤を選択し、結晶性部とビニルモノマーを結合させ、結晶性部の単位を有するビニルモノマー(m2)とすることができる。
前記(m2)の作製時に結合剤を使わない場合、必要に応じて加熱減圧しつつ、結晶性部の末端官能基とビニルモノマーの末端官能基の反応を進める。特に末端の官能基がカルボキシル基と水酸基との反応や、カルボキシル基とアミノ基との反応の場合には、片方の樹脂の酸価が高く、もう一方の樹脂の水酸基価やアミン価が高い場合に、反応がスムーズに進行する。反応温度は180〜230℃が好ましい。
結合剤を使う場合は、末端の官能基の種類に合わせて、種々の結合剤が使用できる。
結合剤の具体例、及び結合剤を用いたビニルモノマー(m2)の作製法としては、前記のブロックポリマーの製法と同様の方法が挙げられる。
結晶性基を有しないビニルモノマー(n)としては特に限定されず、結晶性基を有するビニルモノマー(m)以外のビニル樹脂の製造に通常用いられる分子量が1000以下のビニルモノマー(n1)、及び前記非結晶性部の単位を有するビニルモノマー(n2)等が挙げられる。
ビニルモノマー(n1)としては、スチレン類、(メタ)アクリルモノマー、カルボキシル基含有ビニルモノマー、他のビニルエステルモノマー、及び脂肪族炭化水素系ビニルモノマー等が挙げられ、2種以上を併用してもよい。
スチレン類としては、スチレン、アルキル基の炭素数が1〜3のアルキルスチレン〔例えば、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン〕などが挙げられ、好ましくはスチレンである。
(メタ)アクリルモノマーとしては、アルキル基の炭素数が1〜11のアルキル(メタ)アクリレート及びアルキル基の炭素数が12〜18の分岐アルキル(メタ)アクリレート〔例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート〕、アルキル基の炭素数1〜11のヒドロキシルアルキル(メタ)アクリレート〔例えば、ヒドロキシルエチル(メタ)アクリレート〕、アルキル基の炭素数が1〜11のアルキルアミノ基含有(メタ)アクリレート〔例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート〕、及びニトリル基含有ビニルモノマー〔例えば、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル〕などが挙げられる。
カルボキシル基含有ビニルモノマーとしては、モノカルボン酸〔炭素数3〜15、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、桂皮酸〕、ジカルボン酸〔炭素数4〜15、例えば、(無水)マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸〕、ジカルボン酸モノエステル〔上記ジカルボン酸のモノアルキル(炭素数1〜18)エステル、例えば、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル、シトラコン酸モノアルキルエステル〕などが挙げられる。
他のビニルエステルモノマーとしては、脂肪族ビニルエステル〔炭素数4〜15、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、イソプロペニルアセテート〕、不飽和カルボン酸多価(2〜3価又はそれ以上)アルコールエステル〔炭素数8〜50、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート〕、芳香族ビニルエステル〔炭素数9〜15、例えば、メチル−4−ビニルベンゾエート〕などが挙げられる。
脂肪族炭化水素系ビニルモノマーとしてはオレフィン〔炭素数2〜10、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、オクテン〕、ジエン(炭素数4〜10、例えば、ブタジエン、イソプレン、1,6−ヘキサジエン〕などが挙げられる。
これら(b1)の中で好ましいのは、(メタ)アクリルモノマー、及びカルボキシル基含有ビニルモノマーである。
非結晶性部の単位を有するビニルモノマー(n2)において、非結晶性部の単位をビニルモノマーに導入する方法は、前記の結晶性部の単位を有するビニルモノマー(m2)において、結晶性部の単位をビニルモノマーに導入する方法と同様の方法が挙げられる。
結晶性基を有するビニルモノマー(m)の構成単位が結晶性ビニル樹脂中に占める割合は、30質量%以上が好ましく、更に好ましくは35〜95質量%であり、特に好ましくは40〜90質量%である。この範囲であればビニル樹脂の結晶性が損なわれず、耐熱保存安定性が良好である。また(m)中のアルキル基の炭素数が12〜50の直鎖アルキル(メタ)アクリレート(m1)の含有量は、好ましくは30〜100質量%、更に好ましくは40〜80質量%である。
これらのビニルモノマーを公知の方法で重合させることにより、結晶性ビニル樹脂が得られる。
結晶性樹脂は、本発明の結晶性樹脂粒子を構成する樹脂として単独で用いても構わないが、非結晶性樹脂と共に用いてもよい。
非結晶性樹脂としては、例えば、数平均分子量(以下、Mnと記載)が1000〜100万のポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ビニル樹脂、及びそれらの併用が挙げられる。好ましいのはポリエステル樹脂及びビニル樹脂であり、更に好ましいのはポリエステル樹脂である。ただし、低温定着性及び光沢性の観点から、樹脂中の結晶性樹脂の割合は60質量%以上が好ましく、より好ましくは65質量%以上、更に好ましくは70質量%以上である。
<非結晶性樹脂>
前記非結晶性樹脂としては非結晶性であれば特に制限はなく、公知の樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリスチレン、ポリ−p−スチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン又はその置換体の単重合体、スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸共重合体、スチレン−メタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプロピル共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体、ポリチメルメタクリレート樹脂、ポリブチルメタクリレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアクリル酸樹脂、ロジン樹脂、変性ロジン樹脂、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は芳香族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂など、及び、これらの樹脂類を活性水素基と反応可能な官能基を有するように変性したものが挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<着色剤>
着色剤としては特に制限はなく、公知の染料及び顔料の中から目的に応じて適宜選択することができる。例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミウムレッド、カドミウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボンなどが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
着色剤の色には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、黒色用の着色剤、マゼンダ、シアン、イエロー等のカラー用の着色剤などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
黒色用の着色剤としては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料などが挙げられる。
マゼンタ用着色剤としては、例えばC.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48、48:1、49、50、51、52、53、53:1、54、55、57、57:1、58、60、63、64、68、81、83、87、88、89、90、112、114、122、123、163、177、179、202、206、207、209、211;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35などが挙げられる。
シアン用の着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントブルー2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17、60;C.I.バットブルー6;C.I.アシッドブルー45又フタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料、グリーン7、グリーン36などが挙げられる。
イエロー用着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー0−16、1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、55、65、73、74、83、97、110、151、154、180;C.I.バットイエロー1、3、20、オレンジ36などが挙げられる。
トナー中の着色剤の含有量は特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1〜15質量%が好ましく、3〜10質量%がより好ましい。含有量が1質量%以上であれば、トナーの着色力が低下することはなく、15質量%以下であれば、トナー中での着色剤の分散不良が起こって、着色力が低下したり、トナーの電気特性が低下したりするようなことはない。
着色剤は、樹脂と複合化されたマスターバッチとして使用してもよい。該樹脂としては、前記トナー用の結着樹脂と同様の構成のものを用いるとよい。同様の構成の樹脂を用いることにより、マスターバッチが結着樹脂と混合し、着色剤の分散が向上する。更に、マスターバッチ樹脂中のウレタンウレア基濃度を、該結着樹脂中のウレタンウレア基濃度以上にすると、極性基であるウレタンウレア基によりマスターバッチ樹脂中の着色剤の分散性が向上し、トナー化後も良好な着色剤の分散性を維持できる。その結果、トナーの色再現性が向上する。
マスターバッチは、マスターバッチ用樹脂と着色剤とを、高せん断力をかけて混合乃至混練させて製造することができる。この際、着色剤と樹脂の相互作用を高めるために有機溶媒を添加することが好ましい。また、いわゆるフラッシング法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いることができ、乾燥する必要がない点で好適である。フラッシング法とは、着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶媒とともに混合乃至混練し、着色剤を樹脂側に移行させて水分及び有機溶媒成分を除去する方法である。混合乃至混練には、例えば、三本ロールミル等の高せん断分散装置が好適に用いられる。
<その他の成分>
本発明のトナーは、本発明の効果を損なわない範囲で、結着樹脂や着色剤の他に、離型剤、帯電制御剤、外添剤、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性材料、有機変性層状無機鉱物などのその他の成分を必要に応じて含有させてもよい。
<<離型剤>>
前記離型剤としては特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、カルボニル基含有ワックス、ポリオレフィンワックス、長鎖炭化水素等のワックス類が挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、カルボニル基含有ワックスが好ましい。
前記カルボニル基含有ワックスとしては、例えば、ポリアルカン酸エステル、ポリアルカノールエステル、ポリアルカン酸アミド、ポリアルキルアミド、ジアルキルケトンなどが挙げられる。
前記ポリアルカン酸エステルとしては、例えば、カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレートなどが挙げられる。前記ポリアルカノールエステルとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなどが挙げられる。前記ポリアルカン酸アミドとしては、例えば、ジベヘニルアミドなどが挙げられる。前記ポリアルキルアミドとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリルアミドなどが挙げられる。前記ジアルキルケトンとしては、例えば、ジステアリルケトンなどが挙げられる。これらのカルボニル基含有ワックスの中でも、ポリアルカン酸エステルが特に好ましい。
前記ポリオレフィンワッックスとしては、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどが挙げられる。
前記長鎖炭化水素としては、例えば、パラフィンワッックス、サゾールワックスなどが挙げられる。
離型剤の融点には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、40〜160℃が好ましく、50〜120℃がより好ましく、60〜90℃が特に好ましい。
融点が40℃未満では耐熱保存性に悪影響を与えることがあり、160℃を超えると、低温での定着時にコールドオフセットを起こし易いことがある。
離型剤の融点は、例えば、示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分間で0℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/分間で昇温し、融解熱の最大ピーク温度を融点として求めることができる。
離型剤の溶融粘度は、ワックスの融点より20℃高い温度での測定値として、5〜1,000cpsが好ましく、10〜100cpsがより好ましい。溶融粘度が5cps未満では、離型性が低下することがあり、1,000cpsを超えると、耐ホットオフセット性、低温定着性への向上効果が得られなくなることがある。
トナー中の離型剤の含有量には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、40質量%以下が好ましく、3〜30質量%がより好ましい。含有量が40質量%を超えると、トナーの流動性が悪化することがある。
<<帯電制御剤>>
前記帯電制御剤としては特に制限はなく、公知のもの中から目的に応じて適宜選択することができるが、有色材料を用いると色調が変化することがあるため、無色乃至白色に近い材料が好ましい。そのような帯電制御剤の例としては、トリフェニルメタン系染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又はその化合物、タングステンの単体又はその化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸の金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
帯電制御剤は市販品を使用してもよく、例えば、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(いずれもオリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(いずれも保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(いずれもヘキスト社製);LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製);キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物などが挙げられる。
帯電制御剤は、前記マスターバッチと共に溶融混練させた後、溶解乃至分散させてもよく、あるいは前記トナーの各成分と共に、溶解乃至分散させる際に添加してもよく、あるいはトナー粒子製造後にトナー表面に固定させてもよい。
トナー中の帯電制御剤の含有量は、前記結着樹脂の種類、添加剤の有無、分散方法等により異なり、一概に規定することはできないが、例えば、結着樹脂100質量部に対し、0.1〜10質量部が好ましく、0.2〜5質量部がより好ましい。含有量が0.1質量部未満では帯電制御性が得られないことがあり、10質量部を超えると、トナーの帯電性が大きくなりすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させて現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や画像濃度の低下を招くことがある。
<<外添剤>>
前記外添剤としては特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、シリカ微粒子、疎水化されたシリカ微粒子、脂肪酸金属塩(例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム等);金属酸化物(例えば、酸化チタン、アルミナ、酸化錫、酸化アンチモン等)、疎水化された金属酸化物微粒子、フルオロポリマーなどが挙げられる。これらの中でも、疎水化されたシリカ微粒子、疎水化された酸化チタン微粒子、疎水化されたアルミナ微粒子が好適に挙げられる。
前記シリカ微粒子としては、例えば、HDK H 2000、HDK H 2000/4、HDK H 2050EP、HVK21、HDK H1303(いずれもヘキスト社製);R972、R974、RX200、RY200、R202、R805、R812(いずれも日本アエロジル社製)などが挙げられる。
前記酸化チタン微粒子としては、例えば、P−25(日本アエロジル社製)、STT−30、STT−65C−S(いずれもチタン工業社製)、TAF−140(富士チタン工業社製)、MT−150W、MT−500B、MT−600B、MT−150A(いずれもテイカ社製)などが挙げられる。
前記疎水化処理された酸化チタン微粒子としては、例えば、T−805(日本アエロジル社製);STT−30A、STT−65S−S(いずれもチタン工業社製);TAF−500T、TAF−1500T(いずれも富士チタン工業社製);MT−100S、MT−100T(いずれもテイカ社製)、IT−S(石原産業社製)などが挙げられる。
前記疎水化されたシリカ微粒子、疎水化された酸化チタン微粒子、疎水化されたアルミナ微粒子は、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子、アルミナ微粒子等の親水性の微粒子をメチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤で処理して得ることができる。
また、前記外添剤として、シリコーンオイルで、必要ならば熱を加えて無機微粒子を処理したシリコーンオイル処理無機微粒子も好適である。
前記シリコーンオイルとしては、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、エポキシ・ポリエーテル変性シリコーンオイル、フェノール変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、アクリル又はメタクリル変性シリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイルなどが使用できる。
前記無機微粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化鉄、酸化銅、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸パリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。これらの中でも、シリカ、二酸化チタンが特に好ましい。
外添剤の添加量は、トナーに対し0.1〜5質量%が好ましく、0.3〜3質量%がより好ましい。
前記無機微粒子の一次粒子の個数平均粒径は100nm以下が好ましく、3〜70nmがより好ましい。個数平均粒径が3nm未満では、無機微粒子がトナー中に埋没し、その機能が有効に発揮されにくい。また70nmを超えると、静電潜像担持体表面を不均一に傷つけ好ましくない。
外添剤としては、前記無機微粒子や疎水化処理無機微粒子を併用することができるが、疎水化処理された一次粒子の個数平均粒径は、1〜100nmが好ましく、中でも、5〜70nmの無機微粒子を少なくとも2種含むことがより好ましい。更に、疎水化処理された一次粒子の個数平均粒径が20nm以下の無機微粒子を少なくとも2種類含み、かつ、30nm以上の無機微粒子を少なくとも1種類含むことがより好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m/gであることが好ましい。
前記酸化物微粒子を含む外添剤の表面処理剤としては、例えば、ジアルキルジハロゲン化シラン、トリアルキルハロゲン化シラン、アルキルトリハロゲン化シラン、ヘキサアルキルジシラザンなどのシランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、シリコーンワニスなどが挙げられる。
外添剤として樹脂微粒子を添加することもできる。樹脂微粒子としては、例えば、ソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン;メタクリル酸エステル、アクリル酸エステルの共重合体;シリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロン等の重縮合系重合体粒子;熱硬化性樹脂による重合体粒子などが挙げられる。このような樹脂微粒子を併用することによってトナーの帯電性が強化でき、逆帯電のトナーを減少させ、地肌汚れを低減することができる。樹脂微粒子の添加量は、トナー全体の0.01〜5質量%が好ましく、0.1〜2質量%がより好ましい。
<<流動性向上剤>>
前記流動性向上剤は、トナーの表面処理を行って疎水性を上げ、高湿度下でもトナーの流動特性や帯電特性の悪化を防止できるものを意味し、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが挙げられる。
<<クリーニング性向上剤>>
前記クリーニング性向上剤は、静電潜像担持体や中間転写体に残存する転写後の現像剤を除去するためにトナーに添加され、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩;ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合により製造されたポリマー微粒子などが挙げられる。
該ポリマー微粒子は、比較的粒度分布が狭いものが好ましく、質量平均粒径が0.01〜1μmのものが好適である。
<<磁性材料>>
前記磁性材料としては特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、鉄粉、マグネタイト、フェライトなどが挙げられる。これらの中でも、色調の点で白色のものが好ましい。
[トナーの製造方法]
本発明のトナーの製法は特に限定されないが、混練粉砕法や水系媒体中でトナー粒子を造粒する方法(ケミカル工法)が挙げられる。
前記混練粉砕法は、少なくとも着色剤と結着樹脂を有するトナー材料を溶融混練したものを粉砕し分級することにより、トナーの母体粒子を製造する方法である。
溶融混練では、トナー材料を混合し、該混合物を溶融混練機に仕込んで溶融混練する。溶融混練機としては、例えば、一軸又は二軸の連続混練機や、ロールミルによるバッチ式混練機を用いることができる。例えば、神戸製鋼所製KTK型二軸押出機、東芝機械社製TEM型押出機、ケイシーケイ社製二軸押出機、池貝鉄工所製PCM型二軸押出機、ブス社製コニーダー等が好適に用いられる。この溶融混練は、結着樹脂の分子鎖の切断を招来しないような適正な条件で行うことが好ましい。具体的には、溶融混練温度は、結着樹脂の軟化点を参考にして設定され、該軟化点より高温すぎると切断が激しく、低温すぎると分散が進まないことがある。
前記粉砕では、混練で得られた混練物を粉砕する。この粉砕においては、まず、混練物を粗粉砕し、次いで微粉砕することが好ましい。この際、ジェット気流中で衝突板に衝突させて粉砕したり、ジェット気流中で粒子同士を衝突させて粉砕したり、機械的に回転するローターとステーターの狭いギャップで粉砕する方式が好ましく用いられる。
前記分級では、粉砕で得られた粉砕物を分級して所定粒径の粒子に調整する。分級は、例えば、サイクロン、デカンター、遠心分離器等を用いて微粒子部分を取り除くことにより行うことができる。
前記粉砕及び分級が終了した後に、粉砕物を遠心力などで気流中に分級し、所定の粒径のトナー母体粒子を製造することができる。
前記ケミカル工法としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、モノマーを出発原料として製造する懸濁重合法、乳化重合法、シード重合法、分散重合法等;結着樹脂や結着樹脂前駆体を有機溶媒などに溶解乃至分散し水系媒体中で分散乃至乳化させる溶解懸濁法;結着樹脂や結着樹脂前駆体と適当な乳化剤からなる溶液に水を加えて転相させる転相乳化法;これらの工法によって得られた結着樹脂粒子を水系媒体中に分散させた状態で凝集させて加熱溶融等により所望サイズの粒子に造粒する凝集法などが挙げられる。これらの中でも、結晶性結着樹脂による造粒性(粒度分布制御の容易さ、粒子形状の制御など)の観点から、溶解懸濁法で得られるトナーがより好ましい。
結着樹脂を含む樹脂微粒子を製造する方法としては特に限定はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、以下の(a)〜(h)などが挙げられる。
(a)ビニル系樹脂の場合において、モノマーを出発原料として、懸濁重合法、乳化重合法、シード重合法、分散重合法等の重合反応により、直接、樹脂微粒子の水性分散液を製造する方法。
(b)ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の重付加あるいは縮合系樹脂の場合において、前駆体(モノマー、オリゴマー等)又はその溶媒溶液を適当な分散剤存在下で水性媒体中に分散させ、その後、加熱したり硬化剤を加えたりして硬化させ、樹脂微粒子の水性分散体を製造する方法。
(c)ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の重付加あるいは縮合系樹脂の場合において、前駆体(モノマー、オリゴマー等)又はその溶媒溶液(液体であることが好ましく、加熱により液状化させたものでもよい。)中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化する方法。
(d)あらかじめ高分子化反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい。)により作製した樹脂を機械回転式、ジェット式等の微粉砕機を用いて粉砕し、次いで、分級することによって樹脂微粒子を得た後、適当な分散剤存在下で水中に分散させる方法。
(e)あらかじめ高分子化反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい。)により作製した樹脂を溶媒に溶解した樹脂溶液を、霧状に噴霧することにより樹脂微粒子を得た後、適当な分散剤存在下で水中に分散させる方法。
(f)あらかじめ高分子化反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい。)により作製した樹脂を溶媒に溶解した樹脂溶液に溶媒を添加するか、又はあらかじめ溶媒に加熱溶解した樹脂溶液を冷却することにより樹脂微粒子を析出させ、次いで、溶媒を除去して樹脂微粒子を得た後、適当な分散剤存在下で水中に分散させる方法。
(g)あらかじめ高分子化反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい。)により作製した樹脂を溶媒に溶解した樹脂溶液を、適当な分散剤存在下で水性媒体中に分散させ、これを加熱、減圧等によって溶媒を除去する方法。
(h)あらかじめ高分子化反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい。)により作製した樹脂を溶媒に溶解した樹脂溶液中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化する方法。
また、水系媒体中への乳化乃至分散に際し、必要に応じて、界面活性剤や高分子系保護コロイド等を用いることもできる。
−界面活性剤−
前記界面活性剤としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステル等の陰イオン界面活性剤;アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリン等のアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウム等の四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤;脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体等の非イオン界面活性剤;アラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシン、N−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタイン等の両性界面活性剤などが挙げられる。
また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果を上げることができる。フルオロアルキル基を有する界面活性剤としては、例えば、フルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤、フルオロアルキル基を有するカチオン性界面活性剤などが挙げられる。
前記フルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、例えば、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−〔ω−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ〕−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−〔ω−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ〕−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及び金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。
前記フルオロアルキル基を有するカチオン性界面活性剤としては、例えば、フルオロアルキル基を有する脂肪族1級又は2級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩等の脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩などが挙げ
られる。
−高分子系保護コロイド−
前記高分子系保護コロイドとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸等の酸類;アクリル酸−β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−β−ヒドロキシエチル、アクリル酸−β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−3−クロロ−2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等の水酸基を有する(メタ)アクリル系単量体;ビニルアルコール;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル等のビニルアルコールとのエーテル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルアルコールとカルボキシル基を有する化合物のエステル類;アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、及びこれらのメチロール化合物;アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライド等の酸クロライド類;ビニルビリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミン等の窒素原子乃至その複素環を有するもの等のホモポリマー乃至共重合体;ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフエニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステル等のポリオキシエチレン系;メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース類などが挙げられる。
−有機溶媒−
前記結着樹脂、結着樹脂前駆体、着色剤及び有機変性層状無機鉱物を含むトナー組成物を溶解乃至分散させる場合に用いる有機溶媒としては、沸点が100℃未満の揮発性であることが、後の溶媒除去が容易になる点から好ましい。
前記有機溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。
前記結着樹脂、結着樹脂前駆体、着色剤を含むトナー組成物を溶解乃至分散させて得られる油相の固形分濃度としては、40〜80質量%が好ましい。濃度が高すぎると、溶解又は分散が困難になり、また粘度が高くなって扱いづらく、濃度が低すぎると、トナーの製造量が少なくなる。
前記着色剤などの樹脂以外のトナー材料、及びそれらのマスターバッチなどは、それぞれ個別に有機溶媒に溶解乃至分散させ、前記樹脂溶解液乃至分散液に混合してもよい。
−水系媒体−
前記水系媒体としては、水単独でもよいが、水と混和可能な溶媒を併用することもできる。混和可能な溶媒としては、例えば、アルコール(メタノール、イソプロパノール、エチレングリコール等)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブ等)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)などが挙げられる。
前記水系媒体のトナー組成物100質量部に対する使用量は特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、通常50〜2,000質量部であり、100〜1,000質量部が好ましい。使用量が50質量部未満では、トナー組成物の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。また、使用量が2,000質量部を超えると経済的でない。
前記水系媒体中には、無機分散剤乃至有機樹脂微粒子をあらかじめ分散させておいてもよく、粒度分布がシャープになるとともに分散安定性の観点で好ましい。
前記無機分散剤としては、例えば、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ハイドロキシアパタイトなどが用いられる。
前記有機樹脂微粒子を形成する樹脂としては、水性分散体を形成しうる樹脂であれば特に限定されず、熱可塑性樹脂であっても熱硬化性樹脂であってもよいが、例えば、ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、微細球状樹脂粒子の水性分散体が得やすいという観点から、ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂及びそれらの併用が好ましい。
水系媒体中への乳化乃至分散の方法としては特に限定されず、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。これらの中でも、粒子の小粒径化の観点から高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合の回転数は特に限定されないが、通常1,000〜30,000rpmであり、5,000〜20,000rpmが好ましい。分散時の温度は、通常0℃〜150℃(加圧下)であり、20℃〜80℃が好ましい。
トナー組成物に前記結着樹脂前駆体を有する場合、結着樹脂前駆体が伸長乃至架橋反応するのに必要な前記活性水素基を有する化合物などを、水系媒体中でトナー組成物を分散する前に油相中にあらかじめ混合しておいてもよいし、水系媒体中で混合してもよい。
得られた乳化分散体から有機溶媒を除去するには、公知の方法を使用することができ、例えば、常圧又は減圧下で系全体を徐々に昇温し、液滴中の有機溶媒を完全に蒸発除去する方法を採用することができる。
水系媒体中で凝集法を用いる場合は、上記の方法で得られた樹脂微粒子分散液、着色剤分散液、有機変性層状無機鉱物分散液、及び必要ならば離型剤などの分散液を混合し、一緒に凝集させることにより造粒する。樹脂微粒子分散液の種類は、単独でもよいし、二種類以上の樹脂微粒子分散液を加えてもよく、一度に加えてもよいし、何度かに分けて加えてもよい。その他の分散液に関しても同様である。
凝集状態の制御には、熱を加える、金属塩を添加する、pHを調整するなどの方法が好ましく用いられる。
前記金属塩としては特に制限はなく、ナトリウム、カリウム等の塩を構成する一価の金属;カルシウム、マグネシウム等の塩を構成する二価の金属;アルミニウム等の塩を構成する三価の金属などが挙げられる。
前記塩を構成する陰イオンとしては、例えば、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、炭酸イオン、硫酸イオンが挙げられる。
これらの中でも、塩化マグネシウムや塩化アルミニウム及びその複合体や多量体が好ましい。
また、凝集の途中や凝集完了後に加熱することにより樹脂微粒子同士の融着を促進することができ、トナーの均一性の観点から好ましい。更に、加熱によりトナーの形状を制御することができ、通常、加熱すればトナーは球状に近くなっていく。
水系媒体に分散されたトナーの母体粒子を洗浄、乾燥する工程は、公知の技術が用いられる。即ち、遠心分離機、フィルタープレスなどで固液分離した後、得られたトナーケーキを常温〜約40℃程度のイオン交換水に再分散させ、必要に応じて酸やアルカリでpH調整した後、再度固液分離するという工程を数回繰り返すことにより、不純物や界面活性剤などを除去した後、気流乾燥機や循環乾燥機、減圧乾燥機、振動流動乾燥機などにより乾燥することによってトナー粉末を得る。この際、遠心分離などでトナーの微粒子成分を取り除いてもよいし、また、乾燥後に必要に応じて公知の分級機を用いて所望の粒径分布
にしてもよい。
得られた乾燥後のトナー粉体を、前記帯電制御性微粒子、流動化剤微粒子等の異種粒子と共に混合したり、混合粉体に機械的衝撃力を与えることによって表面で固定化、融合化させ、得られる複合体粒子の表面からの異種粒子の脱離を防止することができる。
具体的手段としては、例えば、高速で回転する羽根によって混合物に衝撃力を加える方法、高速気流中に混合物を投入し、加速させ、粒子同士又は複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法などが挙げられる。
装置としては、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して、粉砕エアー圧カを下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、自動乳鉢などが挙げられる。
(現像剤)
本発明の現像剤は、前記本発明のトナーを含み、更に必要に応じて適宜選択したキャリアなどのその他の成分を含む。
現像剤としては、一成分現像剤でも二成分現像剤でもよいが、近年の情報処理速度の向上に対応した高速プリンター等に使用する場合には、寿命向上等の点で二成分現像剤が好ましい。
一成分現像剤の場合、トナーの収支、即ち、現像剤へのトナー供給と現像によるトナー消費とが行われても、トナーの粒子径の変動が少なく、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するためのブレード等の層厚規制部材へのトナーの融着がなく、現像手段の長期の使用(撹拌)においても、良好で安定した現像性及び画像が得られる。
また、二成分現像剤の場合、長期にわたるトナーの収支が行われても、現像剤中のトナー粒子径の変動が少なく、現像手段における長期の撹拌においても、良好で安定した現像性が得られる。
<キャリア>
前記キャリアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、芯材と、該芯材を被覆する樹脂層とを有するものが好ましい。
前記芯材の材料としては特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、50〜90emu/gのマンガン−ストロンチウム(Mn−Sr)系材料、マンガン−マグネシウム(Mn−Mg)系材料などが好ましく、画像濃度の確保の点では、鉄粉(100emu/g以上)、マグネタイト(75〜120emu/g)等の高磁化材料が好ましい。また、トナーが穂立ち状態となっている静電潜像担持体への当りを弱くでき高画質化に有利である点で、銅−ジンク(Cu−Zn)系(30〜80emu/g)等の弱磁化材料が好ましい。これらは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記芯材の粒径は、平均粒径〔質量平均粒径(D50)〕で、10〜200μmが好ましく、40〜100μmがより好ましい。平均粒径が10μm未満では、キャリア粒子の分布において微粉系が多くなり、1粒子当たりの磁化が低くなってキャリア飛散を生じることがあり、200μmを超えると、比表面積が低下し、トナーの飛散が生じることがあり、ベタ部分の多いフルカラーでは、特にベタ部の再現が悪くなることがある。
前記樹脂層の材料としては特に制限はなく、公知の樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アミノ系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリフッ化ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、フッ化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、フッ化ビニリデンとフッ化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンと非フッ化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー(フッ化三重(多重)共重合体)、シリコーン樹脂などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、シリコーン樹脂が特に好ましい。
前記シリコーン樹脂としては特に制限はなく、一般的に知られているシリコーン樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オルガノシロサン結合のみからなるストレートシリコーン樹脂;アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等で変性したシリコーン樹脂などが挙げられる。
シリコーン樹脂としては市販品を用いることができ、ストレートシリコーン樹脂として、例えば、信越化学工業社製のKR271、KR255、KR152;東レ・ダウコーニング・シリコーン社製のSR2400、SR2406、SR2410などが挙げられる。また、変性シリコーン樹脂として、例えば、信越化学工業社製のKR206(アルキド変性)、KR5208(アクリル変性)、ES1001N(エポキシ変性)、KR305(ウレタン変性);東レ・ダウコーニング・シリコーン社製のSR2115(エポキシ変性)、SR2110(アルキド変性)などが挙げられる。
なお、シリコーン樹脂を単体で用いることも可能であるが、架橋反応する成分、帯電量調整成分等を同時に用いることも可能である。
前記樹脂層には必要に応じて導電粉等を含有させてもよく、該導電粉としては、例えば金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛などが挙げられる。これらの導電粉の平均粒子径は1μm以下が好ましい。平均粒子径が1μmを超えると、電気抵抗の制御が困難になることがある。
前記樹脂層は、例えば、前記シリコーン樹脂等を溶媒に溶解させて塗布溶液を調製した後、該塗布溶液を前記芯材の表面に公知の塗布方法により均一に塗布し、乾燥した後、焼付を行うことにより形成することができる。前記塗布方法としては、例えば、浸漬法、スプレー法、ハケ塗り法などが挙げられる。
前記溶媒としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えばトルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、セルソルブ、ブチルアセテートなどが挙げられる。
前記焼付としては特に制限はなく、外部加熱方式であってもよいし、内部加熱方式であってもよく、例えば、固定式電気炉、流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉等を用いる方法、マイクロウエーブを用いる方法などが挙げられる。
前記キャリアにおける樹脂層の割合は、0.01〜5.0質量%が好ましい。割合が、0.01質量%未満では、芯材の表面に均一な樹脂層を形成できないことがあり、5.0質量%を超えると、樹脂層が厚くなり過ぎてキャリア同士の造粒が発生し、均一なキャリア粒子が得られないことがある。
前記現像剤が二成分現像剤である場合には、該二成分現像剤におけるキャリアの含有量には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、90〜98質量%が好ましく、93〜97質量%がより好ましい。
前記二成分系現像剤のトナーとキャリアの混合割合は、一般にキャリア100質量部に対しトナー1.0〜10.0質量部が好ましい。
(画像形成方法)
本発明の画像形成方法は、静電潜像形成工程、現像工程と、転写工程と、定着工程を少なくとも含み、前記現像工程が、内部に固定された磁界発生手段を有し、表面上に磁性キャリアとトナーとからなる現像剤を担持して回転する現像剤担持体を有する現像手段を用いて行われるものであり、前記現像剤として、本発明の二成分現像剤を用いる。これにより、低温定着性にすぐれ、かつ省エネルギーの画像形成方法となる。
また、本発明の二成分現像剤を用いて、静電潜像担持体上に形成された静電潜像を現像して可視像を形成する現像手段を少なくとも有する、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジを作製してもよい。
(画像形成装置)
本発明の画像形成方法に用いる画像形成装置は、静電潜像担持体と、帯電手段と、露光手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段とを少なくとも有し、更に必要に応じて適宜その他の手段を有する。
前記現像手段は、トナーを用いて静電潜像を現像して可視像を形成する手段である。
図1は、トナーと磁性キャリアからなる二成分現像剤を用いた二成分現像装置の一例を示す概略図である。この画像形成装置は、複写装置本体と、給紙テーブル200と、スキャナ300と、原稿自動搬送装置(ADF)400とを備えている。
複写装置本体100には、無端ベルト状の中間転写体10が中央部に設けられている。そして、中間転写体10は、支持ローラ14、15及び16に張架され、図1中、時計回りに回転可能とされている。支持ローラ15の近傍には、中間転写体10上の残留トナーを除去するための中間転写体クリーニング手段17が配置されている。支持ローラ14と支持ローラ15とにより張架された中間転写体10には、その搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ、及びブラックの4つの画像形成手段18が対向して並置されたタンデム型現像器20が配置されている。タンデム型現像器20の近傍には、露光手段21が配置されている。中間転写体10における、タンデム型現像器20が配置された側とは反対側には、二次転写手段22が配置されている。二次転写手段22においては、無端ベ
ルトである二次転写ベルト24が一対のローラ23に張架されており、二次転写ベルト24上を搬送される記録媒体と中間転写体10とは互いに接触可能である。二次転写手段22の近傍には定着手段25が配置されている。
なお、画像形成装置においては、二次転写手段22及び定着手段25の近傍に、記録媒体の両面に画像形成を行うために該記録媒体を反転させるための反転装置28が配置されている。
次に、タンデム型現像器20を用いたフルカラー画像の形成について説明する。
即ち、先ず、原稿自動搬送装置(ADF)400の原稿台30上に原稿をセットするか、あるいは原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じる。スタートスイッチ(不図示)を押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットした時は、原稿が搬送されてコンタクトガラス32上へと移動された後で、一方、コンタクトガラス32上に原稿をセットした時は、直ちにスキャナ300が駆動し、第1走行体33及び第2走行体34が走行する。このとき第1走行体33により光源からの光が照射されると共に、原稿面からの反射光が第2走行体34におけるミラーで反射され、結像レンズ35を通して読み取りセンサ36で受光されてカラー原稿(カラー画像)が読み取られ、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの画像情報とされる。そして、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各画像情報は、タンデム型現像器20における各画像形成手段18にそれぞれ伝達され、各画像形成手段において、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各トナー画像が形成される。
即ち、タンデム型現像器20における各画像形成手段18は、図1に示すように、それぞれ、静電潜像担持体40(感光体)と、該静電潜像担持体を一様に帯電させる帯電器60と、各カラー画像情報に基づいて各カラー画像対応画像様に前記静電潜像担持体を露光し、該静電潜像担持体上に各カラー画像に対応する静電潜像を形成する露光器と、該静電潜像を各カラートナー(ブラックトナー、イエロートナー、マゼンタトナー、及びシアントナー)を用いて現像して各カラートナーによるトナー画像を形成する現像器61と、該トナー画像を中間転写体10上に転写させるための一次転写装置62と、クリーニング手段63と、除電装置64とを備えており、それぞれのカラーの画像情報に基づいて各単色の画像(ブラック画像、イエロー画像、マゼンタ画像、及びシアン画像)を形成可能である。こうして形成された該ブラック画像、該イエロー画像、該マゼンタ画像及び該シアン画像は、支持ローラ14、15及び16により回転移動される中間転写体10上にそれぞれの色の感光体40上に形成された画像が、順次転写(一次転写)される。そして、中間転写体10上に前記ブラック画像、前記イエロー画像、マゼンタ画像及びシアン画像が重ね合わされて合成カラー画像(カラー転写像)が形成される。
一方、給紙テーブル200においては、給紙ローラ42の1つを選択的に回転させ、ペーパーバンク43に多段に備える給紙カセット44の1つから記録媒体を繰り出し、分離ローラ45で1枚ずつ分離して給紙路46に送出し、搬送ローラ47で搬送して複写機本体内の給紙路48に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。なお、レジストローラ49は、一般には接地されて使用されるが、記録媒体の紙粉除去のためにバイアスが印加された状態で使用されてもよい。そして、中間転写体10上に合成された合成カラー画像(カラー転写像)にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転させ、中間転写体10と2次転写装置22との間に記録媒体を送出させ、2次転写装置22により該合成カラー画像(カラー転写像)を該記録媒体上に転写(二次転写)することにより、該記録媒体上にカラー画像が転写され形成される。なお、画像転写後の中間転写体10上の残留ト
ナーは、中間転写体クリーニング装置17によりクリーニングされる。
カラー画像が転写され形成された前記記録媒体は、2次転写手段22により搬送されて
、定着手段25へと送出され、定着手段25において、熱と圧力とにより前記合成カラー
画像(カラー転写像)が該記録媒体上に定着される。その後、該記録媒体は、切換爪55
で切り換えて排出ローラ56により排出され、排紙トレイ57上にスタックされ、あるいは、切換爪55で切り換えて反転装置28により反転されて再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録した後、排出ローラ56により排出され、排紙トレイ57上にスタックされる。なお、図1中の符号26及び27は、それぞれ定着ベルト及び加圧ローラを示す。
図2は本発明のプロセスカートリッジの一例を示す図である。
このプロセスカートリッジ1は、本発明のキャリアを使用し、感光体2、近接型のブラシ状接触帯電手段3、本発明の現像剤を収納する現像手段4、クリーニング手段としてのクリーニングブレード5を少なくとも有するクリーニング手段を一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在のものである。本発明においては、上述の各構成要素をプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やプリンタ等の画像形成装置本体に対して着脱可能に構成することができる。
また本発明のトナーは、画像形成装置に着脱可能な容器に収容して用いてもよい。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、説明中の配合量に関する「部」は、何れも「質量部」である。
−キャリアの製造−
製造例1
下記処方の材料をホモミキサーで10分間分散し、アルミナ粒子を含むアクリル樹脂、及びシリコーン樹脂のブレンド被覆層形成溶液を調製した。
〔被覆層形成溶液の組成〕
・アクリル樹脂溶液[固形分50質量%、日立化成工業社製]・・・21.0部
・グアナミン溶液[固形分70質量%]・・・6.4部
・アルミナ微粒子[0.3μm、固有抵抗1014(Ω・cm)]・・・7.6部
・シリコーン樹脂溶液[固形分23質量%、SR2410、
東レ・ダウコーニング・シリコーン社製]・・・65.0部
・アミノシラン[固形分100質量%、SH6020、
東レ・ダウコーニング・シリコーン社製]・・・0.3部
・トルエン・・・60部
・ブチルセロソルブ・・・60部

次に、芯材として焼成フェライト粉[(MgO)1.8(MnO)49.5(Fe48.0、平均粒径=35μm]を用い、上記被覆層形成溶液を、芯材表面に厚み0.15μmになるようにスピラコーター(岡田精工社製)により塗布し、乾燥した。
次いで、電気炉中、150℃で1時間放置して焼成し、冷却した後、フェライト粉バルクを目開き106μmの篩を用いて解砕し、キャリアを得た。
−マスターバッチ用結晶性結着樹脂Aの製造−
製造例2
反応容器に、ドデカン二酸286部、1,6−ヘキサンジオール190部及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)1部を入れ、窒素気流下、生成する水を留去しながら180℃で8時間反応させた。次いで窒素気流下、220℃まで徐々に昇温しながら、かつ生成する水を留去しながら4時間反応させ、更に、5〜20mmHgの減圧下で反応させて、質量平均分子量(Mw)がおよそ10000になった時点で取り出した。次いで取り出した樹脂を室温まで冷却した後、粉砕して粒子化し、結晶性重縮合ポリエステル樹脂[結晶性部aa1]を得た。この[結晶性部aa1]の数平均分子量(Mn)は4900、Mwは10000、水酸基価は34であった。
別の反応容器に、トリレンジイソシアネート38部及びメチルエチルケトン(MEK)100部を入れ、この溶液に1,2−プロピレングリコール14部を入れて80℃で2時間反応させ、末端にイソシアネート基を有する非結晶性ポリウレタン樹脂[非結晶性部ab1]のMEK溶液を得た。
次に、この[非結晶性部ab1]のMEK溶液138部を、MEK150部に[結晶性部aa1]150部を溶解させた溶液へ投入し、80℃で4時間反応させて、結晶性部と非結晶性部で構成される[結晶性結着樹脂A1]のMEK溶液を得た。溶媒を除いた後の[結晶性結着樹脂A1]の融点は64℃、Mnは9000、Mwは34000であった。
製造例3
反応容器に、セバシン酸159部、アジピン酸11部、1,4−ブタンジオール318部、縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)1.5部を入れ、窒素気流下、生成する水を留去しながら180℃で8時間反応させた。次いで窒素気流下で225℃まで徐々に昇温しながら、かつ生成する水及び1,4−ブタンジオールを留去しながら4時間反応させ、更に5〜20mmHgの減圧下で反応させて、Mwがおよそ10000になった時点で取り出し、結晶性ポリエステル樹脂[結晶性部aa2]を得た。
別の反応容器に、トリレンジイソシアネート44部及びMEK100部を入れ、この溶液にシクロヘキサンジメタノール32部を入れて80℃で2時間反応させ、非結晶性ポリウレタン樹脂[非結晶性部ab2]のMEK溶液を得た。
次に、この[非結晶性部ab2]のMEK溶液176部を、MEK320部に[結晶性部aa2]320部を溶解させた溶液へ投入し、80℃で4時間反応させて、結晶性部と非結晶性部で構成される[結晶性結着樹脂A2]のMEK溶液を得た。溶媒を除いた後の[結晶性結着樹脂A2]の融点は55℃、Mnは14000、Mwは28000であった。
製造例4
反応容器に、セバシン酸159部、アジピン酸11部と1,4−ブタンジオール108部、縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)0.5部を入れ、窒素気流下、生成する水を留去しながら180℃で8時間反応させた。次いで窒素気流下で225℃まで徐々に昇温しながら、かつ生成する水及び1,4−ブタンジオールを留去しながら4時間反応させ、更に5〜20mmHgの減圧下で反応させて、Mwがおよそ10000になった時点で取り出し、結晶性ポリエステル樹脂[結晶性部aa3]を得た。
別の反応容器に、トリレンジイソシアネート50部及びMEK100部を入れ、この溶液にシクロヘキサンジメタノール46部を入れて80℃で2時間反応させ、非結晶性ポリウレタン樹脂[非結晶性部ab3]のMEK溶液を得た。
次に、この[非結晶性部ab3]のMEK溶液196部を、MEK140部に[結晶性部aa3]110部を溶解させた溶液へ投入し、80℃で4時間反応させて、結晶性部と非結晶性部で構成される[結晶性結着樹脂A3]のMEK溶液を得た。溶媒を除いた後の[結晶性結着樹脂A3]の融点は58℃、Mnは15000、Mwは30000であった。
製造例5
反応容器に、セバシン酸159部、アジピン酸28部と1,4−ブタンジオール124部及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)1部を入れ、窒素気流下に、生成する水を留去しながら180℃で8時間反応させた。次いで、窒素気流下で210℃まで徐々に昇温しながら、かつ生成する水及び1,4−ブタンジオールを留去しながら2時間反応させ、更に、5〜20mmHgの減圧下で反応させて、Mwがおよそ5000になった時点で取り出した。次いで、取り出した樹脂を室温まで冷却した後、粉砕して粒子化し、結晶性重縮合ポリエステル樹脂[結晶性部aa4]を得た。この[結晶性部aa4]の融点は55℃、Mnは2300、Mwは5000、水酸基価は83であった。
別の反応容器にトリレンジイソシアネート44部及びMEK100部を入れ、この溶液にシクロヘキサンジメタノール32部を入れて80℃で2時間反応させ、末端にイソシアネート基を有する非結晶性ポリウレタン樹脂[非結晶性部ab4]のMEK溶液を得た。
次に、この[非結晶性部ab4]のMEK溶液176部を、MEK110部に[結晶性部aa4]110部を溶解させた溶液へ投入し、80℃で4時間反応させて、結晶性部と非結晶性部で構成される[結晶性結着樹脂A4]のMEK溶液を得た。溶媒を除いた後の[結晶性結着樹脂A4]の融点は54℃、Mnは9000、Mwは20000であった。
製造例6
(S)−プロピレンオキサイド540部とKOH90部を1Lのオートクレーブに入れ、室温で48時間攪拌して重合させた。得られた重合物を70℃に昇温して溶融し、KOHを水洗するため、トルエン300部、水300部を加えて分液する操作を3回繰り返した。そのトルエン相を、0.1モル/Lの塩酸で中和し、水を各300部加えて更に分液を3回行い、そのトルエン相からトルエンを留去し、得られた樹脂を室温まで冷却した後、粉砕して粒子化し、結晶性ポリエーテル樹脂[結晶性部aa5]を得た。この[結晶性部aa5]のMwは9000、水酸基価は20、アイソタクティシティは99%であった。
別の反応容器に、トリレンジイソシアネート44部及びMEK100部を入れ、この溶液にシクロヘキサンジメタノール32部を入れて80℃で2時間反応させ、非結晶性ポリウレタン樹脂[非結晶性部ab5]のMEK溶液を得た。
次に、この[非結晶性部ab5]のMEK溶液176部を、MEK250部に[結晶性部aa5]500部を溶解させた溶液へ投入し、80℃で4時間反応させて、結晶性部と非結晶性部で構成される[結晶性結着樹脂A5]のMEK溶液を得た。溶媒を除いた後の[結晶性結着樹脂A5]の融点は64℃、Mnは9000、Mwは13000であった。
製造例7
反応容器に、ドデカン二酸500部、1,6−ヘキサンジオール350部及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)1部を入れ、窒素気流下、生成する水を留去しながら180℃で8時間反応させた。次いで、窒素気流下で220℃まで徐々に昇温しながら、かつ、生成する水を留去しながら4時間反応させ、更に、5〜20mmHgの減圧下で反応させて、質量平均分子量(Mw)がおよそ10000になった時点で取り出した。次いで取り出した樹脂を室温まで冷却した後、粉砕して粒子化し、結晶性重縮合ポリエステル樹脂[結晶性部aa6]を得た。この[結晶性部aa6]の数平均分子量(Mn)は4900、Mwは10000、水酸基価は34であった。
別の反応容器に、トリレンジイソシアネート38部及びMEK100部を入れ、この溶液に[結晶性部aa6]300部をMEK300部に溶解させた状態で投入し、80℃で4時間反応させて、結晶性部のみで構成される[結晶性結着樹脂A6]のMEK溶液を得た。溶媒を除いた後の[結晶性結着樹脂A6]の融点は62℃、Mnは8800、Mwは30000であった。
製造例8
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、1,4−ブタンジアミン123部、1,6−ヘキサンジアミン211部及びMEK100部を入れて攪拌した後、ヘキサメチレンジイソシアネート341部を加え、窒素気流下、60℃で5時間反応させた。次いで、減圧下でMEKを留去し、Mwがおよそ22,000、融点63℃の[結晶性結着樹脂A7](結晶性ポリウレア樹脂)を得た。
製造例9
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応槽中に、セバシン酸185部(0.91モル)、アジピン酸13部(0.09モル)、1,4−ブタンジオール125部(1.39モル)、及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)0.5部を入れ、窒素気流下、180℃で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで、窒素気流下、220℃まで徐々に昇温しながら、かつ生成する水及び1,4−ブタンジオールを留去しながら4時間反応させ、更に5〜20mmHgの減圧下、Mwがおよそ10,000に達するまで反応を行い、[結晶性結着樹脂A8]を得た。得られた[結晶性結着樹脂A8]は、Mw9,500、融点57℃であった。
−マスターバッチ用非結晶性結着樹脂Dの製造−
製造例10
反応容器に、ビスフェノールA・PO2モル付加物456部(9.0モル)、ビスフェノールA・EO2モル付加物321部(7.0モル)、テレフタル酸247部(10.0モル)、及びテトラブトキシチタネート3部を入れ、窒素気流下、発生する水を留去しながら230℃で5時間反応させた。次いで、5〜20mmHgの減圧下で反応させ、酸価が2になった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸74部(2.6モル)を加え、常圧密閉下、2時間反応させた後、取り出し、非結晶性樹脂[非結晶性部dd]を得た。この[非結晶性部dd]の融点は55℃、Mwは7500であった。
別の反応容器にトリレンジイソシアネート44部及びMEK100部を入れ、この溶液に1,2−プロピレングリコール32部を入れて80℃で2時間反応させ、末端にイソシアネート基を有する非結晶性ポリウレタン樹脂[非結晶性部de]のMEK溶液を得た。
次に、この[非結晶性部de]のMEK溶液176部を、MEK260部に[非結晶性部dd]200部を溶解させた溶液へ投入し80℃で4時間反応させて、非結晶性部のみで構成される[非結晶性結着樹脂D]のMEK溶液を得た。溶媒を除いた後の[非結晶性結着樹脂D]の融点は64℃、Mnは14000、Mwは28000であった。
−結晶性結着樹脂Bの製造−
製造例11
反応容器に、セバシン酸240部、アジピン酸17部と1,4−ブタンジオール162部、縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)0.8部を入れ、窒素気流下、生成する水を留去しながら180℃で8時間反応させた。次いで、窒素気流下で225℃まで徐々に昇温しながら、かつ生成する水及び1,4−ブタンジオールを留去しながら4時間反応させ、更に5〜20mmHgの減圧下で反応させて、Mwがおよそ10000になった時点で取り出し結晶性ポリエステル樹脂[結晶性部ba1]を得た。
別の反応容器に、トリレンジイソシアネート44部及びMEK100部を入れ、この溶液にシクロヘキサンジメタノール32部を入れて80℃で2時間反応させ、非結晶性ポリウレタン樹脂[非結晶性部bb1]のMEK溶液を得た。
次に、この[非結晶性部bb1]のMEK溶液176部を、MEK320部に[結晶性部ba1]320部を溶解させた溶液へ投入し、80℃で4時間反応させて、結晶性部と非結晶性部で構成される[結晶性結着樹脂B1]のMEK溶液を得た。溶媒を除いた後の[結晶性結着樹脂B1]の融点は55℃、Mnは14,000、Mwは20,000であった。
製造例12
反応容器に、セバシン酸159部、アジピン酸28部、1,4−ブタンジオール124部及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)1部を入れ、窒素気流下、生成する水を留去しながら180℃で8時間反応させた。次いで、窒素気流下で210℃まで徐々に昇温しながら、かつ生成する水及び1,4−ブタンジオールを留去しながら2時間反応させ、更に5〜20mmHgの減圧下で反応させて、Mwがおよそ5000になった時点で取り出した。次いで、取り出した樹脂を室温まで冷却した後、粉砕して粒子化し、結晶性重縮合ポリエステル樹脂[結晶性部ba2]を得た。この[結晶性部ba2]の融点は55℃、Mnは2300、Mwは5000、水酸基価は83であった。
別の反応容器にトリレンジイソシアネート44部及びMEK100部を入れ、この溶液にシクロヘキサンジメタノール32部を入れて80℃で2時間反応させ、末端にイソシアネート基を有する非結晶性ポリウレタン樹脂[非結晶性部bb2]のMEK溶液を得た。
次に、この[非結晶性部bb2]のMEK溶液176部を、MEK110部に[結晶性部ba2]110部を溶解させた溶液へ投入し、80℃で4時間反応させて、結晶性部と非結晶性部で構成される[結晶性結着樹脂B2]のMEK溶液を得た。溶媒を除いた後の[結晶性結着樹脂B2]の融点は52℃、Mnは6000、Mwは13000であった。
製造例13
反応容器に、ドデカン二酸500部、1,6−ヘキサンジオール350部及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)1部を入れ、窒素気流下、生成する水を留去しながら180℃で8時間反応させた。次いで窒素気流下、220℃まで徐々に昇温しながら、かつ、生成する水を留去しながら4時間反応させ、更に、5〜20mmHgの減圧下で反応させて、質量平均分子量(Mw)がおよそ10000になった時点で取り出した。次いで、取り出した樹脂を室温まで冷却した後、粉砕して粒子化し、結晶性重縮合ポリエステル樹脂[結晶性部ba3]を得た。この[結晶性部ba3]の数平均分子量(Mn)は4900、Mwは10000、水酸基価は34であった。
別の反応容器に、トリレンジイソシアネート38部及びMEK100部を入れ、この溶液に[結晶性部ba3]300部をMEK300部に溶解させたて投入し、80℃で4時間反応させて、結晶性部のみで構成される[結晶性結着樹脂B3]のMEK溶液を得た。溶媒を除いた後の[結晶性結着樹脂B3]の融点は62℃、Mnは8800、Mwは30000であった。
製造例14
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、1,4−ブタンジアミン123部、1,6−ヘキサンジアミン211部及びMEK100部を入れて攪拌した後、ヘキサメチレンジイソシアネート341部を加え、窒素気流下、60℃で5時間反応させた。次いで、減圧下でMEKを留去し、Mwがおよそ22,000、融点63℃の[結晶性結着樹脂B4](結晶性ポリウレア樹脂)を得た。
製造例15
製造例10と同様にして結晶性ポリエステル樹脂[結晶性部ba1]を得た。
別の反応容器に、トリレンジイソシアネート30部及びMEK100部を入れ、この溶液にシクロヘキサンジメタノール22部を入れて80℃で2時間反応させ、非結晶性ポリウレタン樹脂[非結晶性部bb3]のMEK溶液を得た。
次に、この[非結晶性部bb3]のMEK溶液176部を、MEK320部に[結晶性部ba1]320部を溶解させた溶液に投入し、80℃で4時間反応させて、結晶性部と非結晶性部で構成される[結晶性結着樹脂B5]のMEK溶液を得た。溶媒を除いた後の[結晶性結着樹脂B5]の融点は50℃、Mnは12,000、Mwは18,000であった。
製造例16
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応槽中に、セバシン酸185部(0.91モル)、アジピン酸13部(0.09モル)、1,4−ブタンジオール125部(1.39モル)、及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)0.5部を入れ、窒素気流下、180℃で生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで、窒素気流下、220℃まで徐々に昇温しながら、かつ、生成する水及び1,4−ブタンジオールを留去しながら4時間反応させ、更に5〜20mmHgの減圧下で、Mwがおよそ10,000に達するまで反応を行い、[結晶性結着樹脂B6]を得た。得られた[結晶性結着樹脂B6]は、Mw9,500、融点57℃であった。
−非結晶性結着樹脂Eの製造−
製造例17
反応容器に、ビスフェノールA・PO(プロピレンオキシド)2モル付加物456部(9.0モル)、ビスフェノールA・EO(エチレンオキシド)2モル付加物321部(7.0モル)、テレフタル酸247部(10.0モル)、及びテトラブトキシチタネート3部を入れ、窒素気流下、発生する水を留去しながら230℃で5時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下で反応させ、酸価が2になった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸74部(2.6モル)を加え、常圧密閉下、2時間反応させた後、取り出し、非結晶性樹脂である[非結晶性部ed]を得た。この[非結晶性部ed]の融点は55℃、Mwは7500であった。
別の反応容器に、トリレンジイソシアネート38部及びMEK100部を入れ、この溶液に1,2−プロピレングリコール14部を入れて80℃で2時間反応させ、末端にイソシアネート基を有する非結晶性ポリウレタン樹脂[非結晶性部ee]のMEK溶液を得た。
次に、この[非結晶性部ee]のMEK溶液152部を、MEK250部に[非結晶性部ed]250部を溶解させた溶液へ投入し80℃で4時間反応させて、非結晶性部のみで構成される[非結晶性結着樹脂E]のMEK溶液を得た。溶媒を除いた後の[非結晶性結着樹脂E]の融点は64℃、Mnは9000、Mwは28000であった。
<ウレタンウレア基濃度>
上記のようにして製造したマスターバッチ用結晶性結着樹脂A、結晶性結着樹脂B、非結晶性結着樹脂D、非結晶性結着樹脂Eのウレタンウレア基濃度を、樹脂合成の仕込み量から、次の式により算出した。結果を表1に示す。

ウレタンウレア基濃度(%)=〔合成に用いるイソシアネート量から計算したNCOユニット質量/溶媒を除く樹脂原材料の仕込み量(質量)〕×100
<マスターバッチの作製>
製造例19
水25部、イエロー顔料(Pigment Yellow 155)50部、[結晶性結着樹脂A1]50部からなるトナー材料を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製のヘンシェル20B)を用いて1500rpmで3分間混合し、次いで2本ロールを用いて120℃で45分間混練した後、圧延冷却し、パルペライザーで粉砕して[マスターバッチY1]を得た。
[結晶性結着樹脂A1]を[結晶性結着樹脂A2〜A7][非結晶性結着樹脂D]に変えた点以外は、上記と同様にして[マスターバッチY2〜Y8]を得た。
製造例20
水25部、マゼンタ顔料(Pigment Red 269)50部、[結晶性結着樹脂A1]50部からなるトナー材料を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製のヘンシェル20B)を用いて1500rpmで3分間混合し、次いで2本ロールを用いて120℃で45分間混練した後、圧延冷却し、パルペライザーで粉砕して[マスターバッチM1]を得た。
[結晶性結着樹脂A1]を[結晶性結着樹脂A2〜A7][非結晶性結着樹脂D]に変えた点以外は、上記と同様にして[マスターバッチM2〜M8]を得た。
製造例21
水25部、シアン顔料(Pigment Blue 15:3)50部、[結晶性結着樹脂A1]50部からなるトナー材料を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製のヘンシェル20B)を用いて1500rpmで3分間混合し、次いで、2本ロールを用いて120℃で45分間混練した後、圧延冷却し、パルペライザーで粉砕して[マスターバッチC1]を得た。
[結晶性結着樹脂A1]を[結晶性結着樹脂A2〜A7][非結晶性結着樹脂D]に変えた点以外は、上記と同様にして[マスターバッチC2〜C8]を得た。
<トナーの作製>
実施例1
[結晶性結着樹脂B1]93部、[マスターバッチY1]14部、負帯電性荷電制御剤「ボントロン E−304」(オリエント化学工業社製)1部、及びポリプロピレンワックス「NP−105」(三井化学社製)1部を、110部の酢酸エチルに溶解し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)で分散させて樹脂溶液を得た。
この樹脂溶液を、水200部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(MON−7、三洋化成工業社製)4部、及び酢酸エチル20部の混合液中に投入し、TKホモミキサー(特殊機化社製)を用いて13,000rpmで2分間混合し、水系媒体分散液を得た。
次いで30℃で8時間放置して脱溶媒した後、水への分散、ろ過による洗浄作業を3回繰り返して粒子表面を洗浄し、ろ過を行い、45℃で48時間乾燥させ、目開き75μmの篩を通過させてトナー母体を得た。
このトナー母体100部に対し、外添剤として「アエロジルR−972」(日本アエロジル社製)1.0部を添加し、ヘンシェルミキサーで混合して[トナー1Y]を得た。
[マスターバッチY1]を[マスターバッチM1]又は[マスターバッチC1]に変えた点以外は、上記と同様にして、[トナー1M]又は[トナー1C]を得た。
実施例2
[結晶性結着樹脂B1]93部、[マスターバッチY2]14部、負帯電性荷電制御剤「ボントロン E−304」(オリエント化学工業社製)1部、及びポリプロピレンワックス「NP−105」(三井化学社製)1部を、110部の酢酸エチルに溶解し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)で分散させて樹脂溶液を得た。
この樹脂溶液を、水200部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(MON−7、三洋化成工業社製)4部、及び酢酸エチル20部の混合液中に投入し、TKホモミキサー(特殊機化社製)を用いて13,000rpmで2分間混合して水系媒体分散液を得た。
次いで30℃で8時間放置して脱溶媒した後、水への分散、ろ過による洗浄作業を3回繰り返して粒子表面を洗浄し、ろ過を行い、45℃で48時間乾燥させ、目開き75μmの篩を通過させてトナー母体を得た。
このトナー母体100部に対し、外添剤として「アエロジルR−972」(日本アエロジル社製)1.0部を添加し、ヘンシェルミキサーで混合して[トナー2Y]を得た。
[マスターバッチY2]を[マスターバッチM2]又は[マスターバッチC2]に変えた点以外は、上記と同様にして、[トナー2M]又は[トナー2C]を得た。
実施例3
[結晶性結着樹脂B2]93部、[マスターバッチY3]14部、負帯電性荷電制御剤「ボントロン E−304」(オリエント化学工業社製)1部、及びポリプロピレンワックス「NP−105」(三井化学社製)1部を、110部の酢酸エチルに溶解し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)で分散させて樹脂溶液を得た。
この樹脂溶液を、水200部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(MON−7、三洋化成工業社製)4部、及び酢酸エチル20部の混合液中に投入し、TKホモミキサー(特殊機化社製)を用いて13,000rpmで2分間混合して水系媒体分散液を得た。
次いで30℃で8時間放置して脱溶媒した後、水への分散、ろ過による洗浄作業を3回繰り返して粒子表面を洗浄し、ろ過を行い、45℃で48時間乾燥させ、目開き75μmの篩を通過させてトナー母体を得た。
このトナー母体100部に対し、外添剤として「アエロジルR−972」(日本アエロジル社製)1.0部を添加し、ヘンシェルミキサーで混合して[トナー3Y]を得た。
[マスターバッチY3]を[マスターバッチM3]又は[マスターバッチC3]に変えた点以外は、上記と同様にして、[トナー3M]又は[トナー3C]を得た。
実施例4
[結晶性結着樹脂B2]93部、[マスターバッチY4]14部、負帯電性荷電制御剤「ボントロン E−304」(オリエント化学工業社製)1部、及びポリプロピレンワックス「NP−105」(三井化学社製)1部を、110部の酢酸エチルに溶解し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)で分散させて樹脂溶液を得た。
この樹脂溶液を、水200部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(MON−7、三洋化成工業社製)4部、及び酢酸エチル20部の混合液中に投入し、TKホモミキサー(特殊機化社製)を用いて13,000rpmで2分間混合して水系媒体分散液を得た。
次いで30℃で8時間放置して脱溶媒した後、水への分散、ろ過による洗浄作業を3回繰り返して粒子表面を洗浄し、ろ過を行い、45℃で48時間乾燥させ、目開き75μmの篩を通過させてトナー母体を得た。
このトナー母体100部に対し、外添剤として「アエロジルR−972」(日本アエロジル社製)1.0部を添加し、ヘンシェルミキサーで混合して[トナー4Y]を得た。
[マスターバッチY4]を[マスターバッチM4]又は[マスターバッチC4]に変えた点以外は、上記と同様にして、[トナー4M]又は[トナー4C]を得た。
実施例5
[結晶性結着樹脂B3]93部、[マスターバッチY6]14部、負帯電性荷電制御剤「ボントロン E−304」(オリエント化学工業社製)1部、及びポリプロピレンワックス「NP−105」(三井化学社製)1部を、110部の酢酸エチルに溶解し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)で分散させて樹脂溶液を得た。
この樹脂溶液を、水200部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(MON−7、三洋化成工業社製)4部、及び酢酸エチル20部の混合液中に投入し、TKホモミキサー(特殊機化社製)を用いて13,000rpmで2分間混合して水系媒体分散液を得た。
次いで30℃で8時間放置して脱溶媒した後、水への分散、ろ過による洗浄作業を3回繰り返して粒子表面を洗浄し、ろ過を行い、45℃で48時間乾燥させ、目開き75μmの篩を通過させてトナー母体を得た。
このトナー母体100部に対し、外添剤として「アエロジルR−972」(日本アエロジル社製)1.0部を添加し、ヘンシェルミキサーで混合して[トナー5Y]を得た。
[マスターバッチY6]を[マスターバッチM6]又は[マスターバッチC6]に変えた点以外は、上記と同様にして、[トナー5M]又は[トナー5C]を得た。
実施例6
[結晶性結着樹脂B4]93部、[マスターバッチY7]14部、負帯電性荷電制御剤「ボントロン E−304」(オリエント化学工業社製)1部、及びポリプロピレンワックス「NP−105」(三井化学社製)1部を、110部の酢酸エチルに溶解し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)で分散させて樹脂溶液を得た。
この樹脂溶液を、水200部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(MON−7、三洋化成工業社製)4部、及び酢酸エチル20部の混合液中に投入し、TKホモミキサー(特殊機化社製)を用いて13,000rpmで2分間混合して水系媒体分散液を得た。
次いで30℃で8時間放置して脱溶媒した後、水への分散、ろ過による洗浄作業を3回繰り返して粒子表面を洗浄し、ろ過を行い、45℃で48時間乾燥させ、目開き75μmの篩を通過させてトナー母体を得た。
このトナー母体100部に対し、外添剤として「アエロジルR−972」(日本アエロジル社製)1.0部を添加し、ヘンシェルミキサーで混合して[トナー6Y]を得た。
[マスターバッチY7]を[マスターバッチM7]又は[マスターバッチC7]に変えた点以外は、上記と同様にして、[トナー6M]又は[トナー6C]を得た。
実施例7
[結晶性結着樹脂B2]70部、[非結晶性結着樹脂E]23部、[マスターバッチY3]14部、負帯電性荷電制御剤「ボントロン E−304」(オリエント化学工業社製)1部、及びポリプロピレンワックス「NP−105」(三井化学社製)1部を、110部の酢酸エチルに溶解し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)で分散させて樹脂溶液を得た。
この樹脂溶液を、水200部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(MON−7、三洋化成工業社製)4部、及び酢酸エチル20部の混合液中に投入し、TKホモミキサー(特殊機化社製)を用いて13,000rpmで2分間混合して水系媒体分散液を得た。
次いで30℃で8時間放置して脱溶媒した後、水への分散、ろ過による洗浄作業を3回繰り返して粒子表面を洗浄し、ろ過を行い、45℃で48時間乾燥させ、目開き75μmの篩を通過させてトナー母体を得た。
このトナー母体100部に対し、外添剤として「アエロジルR−972」(日本アエロジル社製)1.0部を添加し、ヘンシェルミキサーで混合して[トナー7Y]を得た。
[マスターバッチY3]を[マスターバッチM3]又は[マスターバッチC3]に変えた点以外は、上記と同様にして、[トナー7M]又は[トナー7C]を得た。
比較例1
[結晶性結着樹脂B1]93部、[マスターバッチY5]14部、負帯電性荷電制御剤「ボントロン E−304」(オリエント化学工業社製)1部、及びポリプロピレンワックス「NP−105」(三井化学社製)1部を、110部の酢酸エチルに溶解し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)で分散させて樹脂溶液を得た。
この樹脂溶液を、水200部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(MON−7、三洋化成工業社製)4部、及び酢酸エチル20部の混合液中に投入し、TKホモミキサー(特殊機化社製)を用いて13,000rpmで2分間混合して水系媒体分散液を得た。
次いで30℃で8時間放置して脱溶媒した後、水への分散、ろ過による洗浄作業を3回繰り返して粒子表面を洗浄し、ろ過を行い、45℃で48時間乾燥させ、目開き75μmの篩を通過させてトナー母体を得た。
このトナー母体100部に対し、外添剤として「アエロジルR−972」(日本アエロジル社製)1.0部を添加し、ヘンシェルミキサーで混合して[トナー8Y]を得た。
[マスターバッチY5]を[マスターバッチM5]又は[マスターバッチC5]に変えた点以外は、上記と同様にして、[トナー8M]又は[トナー8C]を得た。
比較例2
[結晶性結着樹脂B1]100部、イエロー顔料(Pigment Yellow 155)7部、負帯電性荷電制御剤「ボントロンE−304」(オリエント化学工業社製)1部、及びポリプロピレンワックス「NP−105」(三井化学社製)1部を、110部の酢酸エチルに溶解し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)で分散させて樹脂溶液を得た。
この樹脂溶液を、水200部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(MON−7、三洋化成工業社製)4部、及び酢酸エチル20部の混合液中に投入し、TKホモミキサー(特殊機化社製)を用いて13,000rpmで2分間混合して水系媒体分散液を得た。
次いで30℃で8時間放置して脱溶媒した後、水への分散、ろ過による洗浄作業を3回繰り返して粒子表面を洗浄し、ろ過を行い、45℃で48時間乾燥させ、目開き75μmの篩を通過させてトナー母体を得た。
このトナー母体100部に対し、外添剤として「アエロジルR−972」(日本アエロジル社製)1.0部を添加し、ヘンシェルミキサーで混合して[トナー9Y]を得た。
イエロー顔料を、マゼンタ顔料(Pigment Red 269)、又はシアン顔料(Pigment Blue 15:3)に変えた点以外は、上記と同様にして、[トナー9M]又は[トナー9C]を得た。
比較例3
[非結晶性結着樹脂E]93部、[マスターバッチY8]14部、負帯電性荷電制御剤「ボントロン E−304」(オリエント化学工業社製)1部、及びポリプロピレンワックス「NP−105」(三井化学社製)1部を、110部の酢酸エチルに溶解し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)で分散させて樹脂溶液を得た。
この樹脂溶液を、水200部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(MON−7、三洋化成工業社製)4部、及び酢酸エチル20部の混合液中に投入し、TKホモミキサー(特殊機化社製)を用いて13,000rpmで2分間混合して水系媒体分散液を得た。
次いで30℃で8時間放置して脱溶媒した後、水への分散、ろ過による洗浄作業を3回繰り返して粒子表面を洗浄し、ろ過を行い、45℃で48時間乾燥させ、目開き75μmの篩を通過させてトナー母体を得た。
このトナー母体100部に対し、外添剤として「アエロジルR−972」(日本アエロジル社製)1.0部を添加し、ヘンシェルミキサーで混合して[トナー10Y]を得た。
[マスターバッチY8]を[マスターバッチM8]又は[マスターバッチC8]に変えた点以外は、上記と同様にして、[トナー10M]又は[トナー10C]を得た。
比較例4
[結晶性結着樹脂B5]93部、[マスターバッチY5]14部、負帯電性荷電制御剤「ボントロン E−304」(オリエント化学工業社製)1部、及びポリプロピレンワックス「NP−105」(三井化学社製)1部を、110部の酢酸エチルに溶解し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)で分散させて樹脂溶液を得た。
この樹脂溶液を、水200部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(MON−7、三洋化成工業社製)4部、及び酢酸エチル20部の混合液中に投入し、TKホモミキサー(特殊機化社製)を用いて13,000rpmで2分間混合して水系媒体分散液を得た。
次いで30℃で8時間放置して脱溶媒した後、水への分散、ろ過による洗浄作業を3回繰り返して粒子表面を洗浄し、ろ過を行い、45℃で48時間乾燥させ、目開き75μmの篩を通過させてトナー母体を得た。
このトナー母体100部に対し、外添剤として「アエロジルR−972」(日本アエロジル社製)1.0部を添加し、ヘンシェルミキサーで混合して[トナー11Y]を得た。
[マスターバッチY5]を[マスターバッチM5]又は[マスターバッチC5]に変えた点以外は、上記と同様にして、[トナー11M]又は[トナー11C]を得た。
比較例5
[非結晶性結着樹脂B6]93部、[マスターバッチY8]14部、負帯電性荷電制御剤「ボントロン E−304」(オリエント化学工業社製)1部、及びポリプロピレンワックス「NP−105」(三井化学社製)1部を、110部の酢酸エチルに溶解し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)で分散させて樹脂溶液を得た。
この樹脂溶液を、水200部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(MON−7、三洋化成工業社製)4部、及び酢酸エチル20部の混合液中に投入し、TKホモミキサー(特殊機化社製)を用いて13,000rpmで2分間混合して水系媒体分散液を得た。
次いで30℃で8時間放置して脱溶媒した後、水への分散、ろ過による洗浄作業を3回繰り返して粒子表面を洗浄し、ろ過を行い、45℃で48時間乾燥させ、目開き75μmの篩を通過させてトナー母体を得た。
このトナー母体100部に対し、外添剤として「アエロジルR−972」(日本アエロジル社製)1.0部を添加し、ヘンシェルミキサーで混合して[トナー12Y]を得た。
マスターバッチY8]を[マスターバッチM8]又は[マスターバッチC8]に変えた点以外は、上記と同様にして、[トナー12M]又は[トナー12C]を得た。
比較例6
[結晶性結着樹脂B5]93部、[マスターバッチY2]14部、負帯電性荷電制御剤「ボントロン E−304」(オリエント化学工業社製)1部、及びポリプロピレンワックス「NP−105」(三井化学社製)1部を、110部の酢酸エチルに溶解し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)で分散させて樹脂溶液を得た。
この樹脂溶液を、水200部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(MON−7、三洋化成工業社製)4部、及び酢酸エチル20部の混合液中に投入し、TKホモミキサー(特殊機化社製)を用いて13,000rpmで2分間混合して水系媒体分散液を得た。
次いで30℃で8時間放置して脱溶媒した後、水への分散、ろ過による洗浄作業を3回繰り返して粒子表面を洗浄し、ろ過を行い、45℃で48時間乾燥させ、目開き75μmの篩を通過させてトナー母体を得た。
このトナー母体100部に対し、外添剤として「アエロジルR−972」(日本アエロジル社製)1.0部を添加し、ヘンシェルミキサーで混合して[トナー13Y]を得た。
[マスターバッチY2]を[マスターバッチM2]又は[マスターバッチC2]に変えた点以外は、上記と同様にして、[トナー13M]又は[トナー13C]を得た。
比較例7
[結晶性結着樹脂B5]93部、[マスターバッチY1]14部、負帯電性荷電制御剤「ボントロン E−304」(オリエント化学工業社製)1部、及びポリプロピレンワックス「NP−105」(三井化学社製)1部を、110部の酢酸エチルに溶解し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)で分散させて樹脂溶液を得た。
この樹脂溶液を、水200部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(MON−7、三洋化成工業社製)4部、及び酢酸エチル20部の混合液中に投入し、TKホモミキサー(特殊機化社製)を用いて13,000rpmで2分間混合して水系媒体分散液を得た。
次いで30℃で8時間放置して脱溶媒した後、水への分散、ろ過による洗浄作業を3回繰り返して粒子表面を洗浄し、ろ過を行い、45℃で48時間乾燥させ、目開き75μmの篩を通過させてトナー母体を得た。
このトナー母体100部に対し、外添剤として「アエロジルR−972」(日本アエロジル社製)1.0部を添加し、ヘンシェルミキサーで混合して[トナー14Y]を得た。
[マスターバッチY1]を[マスターバッチM1]又は[マスターバッチC1]に変えた点以外は、上記と同様にして、[トナー14M]又は[トナー14C]を得た。
比較例8
[結晶性結着樹脂B2]93部、[マスターバッチY2]14部、負帯電性荷電制御剤「ボントロン E−304」(オリエント化学工業社製)1部、及びポリプロピレンワックス「NP−105」(三井化学社製)1部を、110部の酢酸エチルに溶解し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)で分散させて樹脂溶液を得た。
この樹脂溶液を、水200部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(MON−7、三洋化成工業社製)4部、及び酢酸エチル20部の混合液中に投入し、TKホモミキサー(特殊機化社製)を用いて13,000rpmで2分間混合して水系媒体分散液を得た。
次いで30℃で8時間放置して脱溶媒した後、水への分散、ろ過による洗浄作業を3回繰り返して粒子表面を洗浄し、ろ過を行い、45℃で48時間乾燥させ、目開き75μmの篩を通過させてトナー母体を得た。
このトナー母体100部に対し、外添剤として「アエロジルR−972」(日本アエロジル社製)1.0部を添加し、ヘンシェルミキサーで混合して[トナー15Y]を得た。
[マスターバッチY2]を[マスターバッチM2]又は[マスターバッチC2]に変えた点以外は、上記と同様にして、[トナー15M]又は[トナー15C]を得た。
比較例9
[非結晶性結着樹脂B1]93部、[マスターバッチY8]14部、負帯電性荷電制御剤「ボントロン E−304」(オリエント化学工業社製)1部、及びポリプロピレンワックス「NP−105」(三井化学社製)1部を、110部の酢酸エチルに溶解し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)で分散させて樹脂溶液を得た。
この樹脂溶液を、水200部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(MON−7、三洋化成工業社製)4部、及び酢酸エチル20部の混合液中に投入し、TKホモミキサー(特殊機化社製)を用いて13,000rpmで2分間混合して水系媒体分散液を得た。
次いで30℃で8時間放置して脱溶媒した後、水への分散、ろ過による洗浄作業を3回繰り返して粒子表面を洗浄し、ろ過を行い、45℃で48時間乾燥させ、目開き75μmの篩を通過させてトナー母体を得た。
このトナー母体100部に対し、外添剤として「アエロジルR−972」(日本アエロジル社製)1.0部を添加し、ヘンシェルミキサーで混合して[トナー16Y]を得た。
[マスターバッチY8]を[マスターバッチM8]又は[マスターバッチC8]に変えた点以外は、上記と同様にして、[トナー16M]又は[トナー16C]を得た。
比較例10
[非結晶性結着樹脂B1]を[非結晶性結着樹脂B2]に変更した点以外は比較例10と同様にして、[トナー17Y]、[トナー17M]、[トナー17C]を得た。
比較例11
[非結晶性結着樹脂B1]を[非結晶性結着樹脂B3]に変更した点以外は比較例10と同様にして、[トナー18Y]、[トナー18M]、[トナー18C]を得た。
比較例12
[非結晶性結着樹脂B1]を[非結晶性結着樹脂B4]に変更した点以外は比較例10と同様にして、[トナー19Y]、[トナー19M]、[トナー19C]を得た。
上記実施例及び比較例の各トナーについて、下記のようにして、分散粒径の個数平均粒径、個数粒度分布における分散粒径0.7μm以上の顔料粒子の割合、(Cr)/〔(Cr)+(Am)〕を測定乃至算出した。
<トナー中の顔料の個数平均粒径>
トナー中の顔料の個数平均粒径及び粒度分布を次のようにして測定した。
トナーをエポキシ樹脂に包埋し、ミクロトームMT6000−XL(盟和商事社製)により約100nmに超薄切片化した測定サンプルを作成した。次いで、電子顕微鏡(日立製作所製 H−9000NAR)を用い、加速電圧100kV、10000〜40000倍でTEM写真を複数個撮影し、その画像情報をIMAGE ANALYZERの画像処理解析装置LUZEX IIIにより画像データに変換した。対象顔料粒子は、0.1μm以上の粒径を有する粒子について無作為に300回を超えるまでサンプリングして測定を繰り返し、個数平均粒径と粒度(粒径)分布を求めた。
<分散粒径0.7μm以上の顔料粒子の割合>
上記個数平均粒径及び粒度分布の測定で得られた結果から、個数粒度分布における分散粒径が0.7μm以上の顔料粒子の割合を算出した。
<(Cr)/〔(Cr)+(Am)〕>
段落0011〜0014で説明したように、2次元検出器搭載X線回折装置(D8 DISCOVER with GADDS/Bruker社製)を用いてX線回折測定を行い、(Cr)/〔(Cr)+(Am)〕を算出した。
<二成分現像剤の作製>
上記各トナー5部と、95部の製造例1のキャリアとを、ターブラーミキサー(Willy A.Bachofen AG Maschinenfabrik社 T2F)で、5分間攪拌して、二成分現像剤を作製した。
上記各二成分現像剤について、下記のようにして各種特性を評価した。その結果を纏めて表1に示す。なお、各実施例及び比較例において、低温定着性と保存性の評価結果は、トナーY、トナーM、トナーCを入れ替えてもほぼ同じであった。
<低温定着性>
図1に示すような基本構成を有するデジタルフルカラープリンター(リコー社製imagio MP C−5000)を、定着装置の設定温度を変えられるように改造した。
これに、リコー社製タイプ6200紙をセットし、単色モードで、各実施および比較例のマゼンタ現像剤を用いてベタ画像を出力した。各定着温度で得られた画像を、「ユニセフセロハン」(三菱鉛筆社製、幅18mm、JIS Z−1522)を貼り付け、30℃に設定した上記定着装置の定着ローラを通過させた後、テープを剥し、テープ剥離前後の光学反射密度を反射濃度計「RD−915」(マクベス社製)を用いて測定した。両者の比率(剥離後/剥離前)が最初に95%を超える定着ローラの温度を最低定着温度とし、以下の評価基準に従って、低温定着性を評価した。
〔評価基準〕
○ :最低定着温度が130℃未満
△ :最低定着温度が130℃以上、160℃未満
× :最低定着温度が160℃以上
<保存性>
各トナー4gを、直径5cm、高さ2cmの円筒容器に入れ、温度45℃、相対湿度65%の環境下で、72時間放置した。放置後、トナーを入れた容器を軽く振り、トナーの凝集の発生の有無を目視により観察し、次の評価基準により保存性を評価した。
〔評価基準〕
○:トナーの凝集の粒が1〜2個観測される。
△:トナーの凝集の粒が3〜5個観測される。
×:トナーの凝集の粒が6個以上観測される。
<色再現性>
表1の実施例及び比較例の欄に示す3色のカラートナーを用いた二成分現像剤を、デジタルフルカラープリンター(リコー社製imagio MP C−5000)の改造機にセットし、単色モードで50%画像面積の画像チャートを300,000枚ランニング出力した後、2次色も含めた各色のベタ画像をリコー社製6000ペーパーに画像出力し、L*a*b*をX−Rite(XRite社製)により測定し、色再現性を比較した。
結果を、表2、並びに図3−1及びその部分拡大図である図3−2〜図3−4に示すが、これらの図において線で囲まれる範囲が広い方が色再現性が高い。
Figure 2014089428
Figure 2014089428
1 プロセスカートリッジ
2 感光体
3 帯電手段
4 現像手段
5 クリーニング手段
10 中間転写体
14 支持ローラ
15 支持ローラ
16 支持ローラ
17 中間転写体クリーニング装置
18 画像形成手段
20 タンデム型現像器
21 露光手段
22 2次転写手段
23 ローラ
24 2次転写ベルト
25 定着手段
26 定着ベルト
27 加圧ローラ
28 反転装置
30 原稿台
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
40 静電潜像担持体(感光体)
42 給紙ローラ
43 ペーパーバンク
44 給紙カセット
45 分離ローラ
46 給紙路
47 搬送ローラ
48 給紙路
49 レジストローラ
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排紙トレイ
60 帯電器
61 現像器
62 1次転写装置
63 クリーニング手段
64 除電装置
100 複写装置本体
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)
特開2010−77419号公報 特開昭62−28075号公報
上記課題は、次の1)〜13)の発明によって解決される。
1) ウレタン結合及び/又はウレア結合を有する結晶性結着樹脂と着色剤を含み、次の(1)及び(2)の要件を満たすことを特徴とする電子写真用トナー。
(1)着色剤の分散粒径が個数平均粒径で0.5μm以下であり、個数粒度分布における粒径が0.7μm以上の粒子の割合が5個数%以下である。
(2)X線回折装置によって得られる電子写真用トナーの回折スペクトルにおいて、結着樹脂の結晶性構造に由来するスペクトルの積分強度を(Cr)、非結晶性構造に由来するスペクトルの積分強度を(Am)とした時の比率、(Cr)/〔(Cr)+(Am)〕が0.13以上である
2) 前記比率(Cr)/〔(Cr)+(Am)〕が0.15以上であることを特徴とする1)に記載の電子写真用トナー。
3) 前記ウレタン結合及び/又はウレア結合を有する結晶性結着樹脂として、ウレタンウレア基濃度が異なる2種以上の樹脂を含むことを特徴とする1)又は2)に記載の電子写真用トナー。
4) 少なくとも、着色剤とマスターバッチ用結晶性結着樹脂(A)からなるマスターバッチ、結晶性結着樹脂(B)、及びワックスからなり、前記(A)中のウレタンウレア基濃度(α)と、前記(B)中のウレタンウレア基濃度(β)が、次の式(1)の関係を満たすことを特徴とする1)〜3)のいずれかに記載の電子写真用トナー。
0<β≦α (単位:%) …(1)
5) 前記マスターバッチ用結晶性結着樹脂(A)が、結晶性部(aa)のみの樹脂、又は、結晶性部(aa)と非結晶性部(ab)とで構成されるブロック樹脂である4)記載の電子写真用トナー。
6) 前記結晶性部(aa)及び/又は非結晶性部(ab)が、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリエーテル樹脂、及びそれらの複合樹脂から選ばれる樹脂である5)記載の電子写真用トナー。
7) 前記結晶性結着樹脂(B)が、結晶性部(ba)のみの樹脂、又は、結晶性部(ba)と非結晶性部(bb)とで構成されるブロック樹脂である4)〜6)のいずれかに記載の電子写真用トナー。
8) 前記結晶性部(ba)及び/又は非結晶性部(bb)が、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリエーテル樹脂、及びそれらの複合樹脂から選ばれる樹脂である7)記載の電子写真用トナー。
9) 前記マスターバッチ用結晶性結着樹脂(A)中の結晶性部(aa)の含有量が50質量%以上、かつ前記結晶性結着樹脂(B)中の結晶性部(ba)の含有量が50質量%以上である4)〜8)のいずれかに記載の電子写真用トナー。
10) 1)〜9)のいずれかに記載の電子写真用トナーとキャリアからなることを特徴とする二成分現像剤。
11) 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像を現像剤により現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含む画像形成方法であって、前記現像工程が、内部に固定された磁界発生手段を有し表面上に磁性キャリアとトナーとからなる現像剤を担持して回転する現像剤担持体を有する現像手段を用いて行われ、前記現像剤が10)記載の二成分現像剤であることを特徴とする画像形成方法。
12) 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に形成された静電潜像を現像剤により現像して可視像を形成する現像手段とを少なくとも有し、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジであって、前記現像剤が、10)記載の二成分現像剤であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
13) 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像を現像剤により現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも備え、前記現像手段が、内部に固定された磁界発生手段を有し表面上に磁性キャリアとトナーとからなる現像剤を担持して回転する現像剤担持体を有する現像手段を用いて行われ、前記現像剤が10)記載の二成分現像剤であることを特徴とする画像形成装置。
14) 1)〜9)のいずれかに記載の電子写真用トナーが収容され、画像形成装置に着脱可能であることを特徴とするトナー容器。
以下、上記本発明について詳しく説明する。
(電子写真用トナー)
本発明の電子写真用トナー(以下、トナーと略称することもある)は、ウレタン結合及び/又はウレア結合を有する結晶性結着樹脂と着色剤を含む。該着色剤の分散粒径が個数平均粒径で0.5μm以下であり、個数粒度分布における粒径が0.7μm以上の粒子の割合が5個数%以下である。
トナー中の着色剤の個数平均粒径は0.5μm以下とする。好ましくは0.4μm以下、より好ましくは0.3μm以下である。着色剤の個数平均粒径が0.5μmより大きいと、着色剤の分散性が十分でなく色再現性が損なわれる。基本的に0.1μmより小さい粒径の着色剤は光の反射、吸収性に悪影響を及ぼさないと考えられる。0.1μmより小さい粒径の着色剤粒子は、良好な色再現性に貢献する。一方、0.5μmより大きな粒径の着色剤が多く存在していると、画像の明るさ及び鮮やかさが低下する傾向にあり、色再現性が損なわれる。
更に、上記トナー粒子中に含まれる顔料系着色剤の分散粒径で、個数粒度分布における粒径が0.7μm以上の粒子の割合を5個数%以下にコントロールする。これにより、低温定着性、帯電安定性及び流動性に優れたトナーが得られると共に、高品質の画像を与え、特に透明性の良い光沢性に優れたカラー画像を与えるトナーが得られる。
本発明のトナーのX線回折装置によって得られる回折スペクトルにおいて、結着樹脂の結晶性構造に由来するスペクトルの積分強度を(Cr)、非結晶性構造に由来するスペクトルの積分強度を(Am)とした時の比率(Cr)/〔(Cr)+(Am)〕は、定着性と耐熱保存性の両立の観点から0.13以上とする。0.15以上が好ましく、0.20以上がより好ましく、0.30以上が更に好ましく、0.45以上が特に好ましい。
なお、本発明のトナーがワックスを含有する場合、2θ=23.5〜24°の位置にワックス固有の回折ピークが現れることが多い。しかし、トナー全重量に対するワックス含有量が15質量%未満の場合は、ワックス固有の回折ピークの寄与が僅かであることから考慮しなくてもよい。15質量%以上の場合には、結着樹脂の結晶構造に由来するスペクトルの積分強度から、ワックスの結晶構造に由来するスペクトルの積分強度を差し引いた値を上記の「結着樹脂の結晶性構造に由来するスペクトルの積分強度(Cr)」と置き換えることとする。
Figure 2014089428

Claims (14)

  1. ウレタン結合及び/又はウレア結合を有する結晶性結着樹脂と着色剤を含み、該着色剤の分散粒径が個数平均粒径で0.5μm以下であり、個数粒度分布における粒径が0.7μm以上の粒子の割合が5個数%以下であることを特徴とする電子写真用トナー。
  2. 前記電子写真用トナーのX線回折装置によって得られる回折スペクトルにおいて、前記結着樹脂の結晶性構造に由来するスペクトルの積分強度を(Cr)、非結晶性構造に由来するスペクトルの積分強度を(Am)とした時の比率(Cr)/〔(Cr)+(Am)〕が、0.15以上であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用トナー。
  3. 前記ウレタン結合及び/又はウレア結合を有する結晶性結着樹脂として、ウレタンウレア基濃度が異なる2種以上の樹脂を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の電子写真用トナー。
  4. 少なくとも、着色剤とマスターバッチ用結晶性結着樹脂(A)からなるマスターバッチ、結晶性結着樹脂(B)、及びワックスからなり、前記(A)中のウレタンウレア基濃度(α)と、前記(B)中のウレタンウレア基濃度(β)が、次の式(1)の関係を満たすことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真用トナー。
    0<β≦α (単位:%) …(1)
  5. 前記マスターバッチ用結晶性結着樹脂(A)が、結晶性部(aa)のみの樹脂、又は、結晶性部(aa)と非結晶性部(ab)とで構成されるブロック樹脂である請求項4記載の電子写真用トナー。
  6. 前記結晶性部(aa)及び/又は非結晶性部(ab)が、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリエーテル樹脂、及びそれらの複合樹脂から選ばれる樹脂である請求項5記載の電子写真用トナー。
  7. 前記結晶性結着樹脂(B)が、結晶性部(ba)のみの樹脂、又は、結晶性部(ba)と非結晶性部(bb)とで構成されるブロック樹脂である請求項4〜6のいずれかに記載の電子写真用トナー。
  8. 前記結晶性部(ba)及び/又は非結晶性部(bb)が、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリエーテル樹脂、及びそれらの複合樹脂から選ばれる樹脂である請求項7記載の電子写真用トナー。
  9. 前記マスターバッチ用結晶性結着樹脂(A)中の結晶性部(aa)の含有量が50質量%以上、かつ前記結晶性結着樹脂(B)中の結晶性部(ba)の含有量が50質量%以上である請求項4〜8のいずれかに記載の電子写真用トナー。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の電子写真用トナーとキャリアからなることを特徴とする二成分現像剤。
  11. 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像を現像剤により現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含む画像形成方法であって、前記現像工程が、内部に固定された磁界発生手段を有し表面上に磁性キャリアとトナーとからなる現像剤を担持して回転する現像剤担持体を有する現像手段を用いて行われ、前記現像剤が請求項10記載の二成分現像剤であることを特徴とする画像形成方法。
  12. 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に形成された静電潜像を現像剤により現像して可視像を形成する現像手段とを少なくとも有し、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジであって、前記現像剤が、請求項10記載の二成分現像剤であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  13. 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像を現像剤により現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも備え、前記現像手段が、内部に固定された磁界発生手段を有し表面上に磁性キャリアとトナーとからなる現像剤を担持して回転する現像剤担持体を有する現像手段を用いて行われ、前記現像剤が請求項10記載の二成分現像剤であることを特徴とする画像形成装置。
  14. 請求項1〜9のいずれかに記載の電子写真用トナーが収容され、画像形成装置に着脱可能であることを特徴とするトナー容器。
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