JP2014031545A - コネクタ端子及びコネクタ端子用材料 - Google Patents

コネクタ端子及びコネクタ端子用材料 Download PDF

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Abstract

【課題】アルミニウム又はアルミニウム合金を母材とし、ニッケル層を有し、ニッケル層の表面にスズ層を有するコネクタ端子において、長時間高温環境で使用されても、ニッケル−スズ合金の形成によって最表面の接触抵抗の増大が起きず、高い接続信頼性と耐熱性を有するコネクタ端子を提供すること、及びそのようなコネクタ端子を製造するための材料を提供すること。
【解決手段】アルミニウム又はアルミニウム合金よりなる母材の、他の導電部材と電気的に接触する接点部を含む領域の表面を被覆して、ニッケル層が形成され、ニッケル層の表面を被覆して最表面にスズ層が形成され、スズ層が、ニッケル層よりも厚く、ニッケル層全体と合金を形成しても余剰のスズが最表面に残される厚さを有するような材料、またはそれを加熱してスズ−ニッケル合金層を形成した材料を用いてコネクタ端子を形成する。スズ層の厚さはニッケル層の厚さの2〜10倍の範囲にあるとよい。
【選択図】図5

Description

本発明は、コネクタ端子及びそれを形成するための材料に関し、さらに詳しくはアルミニウム又はアルミニウム合金を母材とし、最表面にスズ層が形成されたコネクタ端子及びそれを形成するための材料に関する。
従来、自動車用配線に使用される電線導体やコネクタ端子の母材としては、銅や銅合金が広く利用されてきた。しかし近年、電線の軽量化による車両の軽量化を目的とし、銅又は銅合金よりなる電線導体の代わりに、アルミニウム又はアルミニウム合金よりなる電線導体が用いられることも増えている。アルミニウム及びアルミニウム合金は、銅及び銅合金に比べ、リサイクルが容易であり、資源量も豊富であるという利点もある。
電線導体とそれに接続されるコネクタ端子が異種金属より形成されると、それらの酸化還元電位の差により、大気中の塩分などの影響で電線導体とコネクタ端子との接続部で腐食が発生するおそれがある。これを回避するため、電線導体としてアルミニウム又はアルミニウム合金からなるものが使用される時に、コネクタ端子にもアルミニウム又はアルミニウム合金からなる母材が使用される場合がある。
母材表面の酸化膜等の絶縁性の被膜が、他の導体との接点部において接触抵抗を上昇させることを避けるため、コネクタ端子の接点部には従来からスズめっきが施されることが一般的である。スズめっき端子においては、最表面に比較的硬い絶縁性の酸化スズ被膜が形成されるが、酸化スズ被膜は弱い力で破壊され、容易に軟らかいスズ層が露出するので、良好な電気的接触が形成される。アルミニウム又はアルミニウム合金を母材とするコネクタ端子においても、スズ層が最表面に形成されることが、電気的接触特性の向上のために有効である。
しかし、アルミニウムとスズは合金を形成しないため、アルミニウム又はアルミニウム合金よりなる端子母材の表面にスズ層を直接形成した場合には、スズ層の母材表面に対する密着性が低くなってしまい、界面において強度不足や剥離が生じるおそれがある。そこで、アルミニウムとスズの双方と合金化し、双方に対して高い密着性を示すニッケルよりなる下地層を母材とスズ層の間に形成することが考えられる。すると、ニッケル下地層を介して、スズ層と母材との間の密着性が高められる。
ところで、銅又は銅合金を母材とするめっき積層構造の一部として、ニッケル層は従来から使用されている。例えば、銅又は銅合金よりなる母材表面にニッケル層、銅−スズ合金層、スズ層がこの順に積層された構造が特許文献1〜3に開示されている。ここで、ニッケル層は、母材の銅原子の最表面への拡散の防止や、亜硫酸ガスによる母材の腐食の防止などの役割を担っている。
特開2004−68026号公報 特開2006−118054号公報 特開2007−2341号公報
ニッケルとスズは相互の間で合金を形成しやすい性質を有する。よって、端子母材表面にスズ層の下地としてニッケル層が形成されていると、高温環境での使用や通電による発熱等に伴い、スズとニッケルの合金化が進行し、最表面にニッケル−スズ合金が形成される場合がある。ニッケル−スズ合金は高い接触抵抗値を有するので、これが端子接点部の最表面に形成されると、端子の接続信頼性が低下してしまう。自動車用のコネクタ端子の場合、高温環境で使用されることも多く、また長期にわたる接続信頼性が要求されるので、このような問題は深刻である。しかしながら、アルミニウム又はアルミニウム合金を母材とするコネクタ端子が広く普及していないこともあり、コネクタ端子の母材がアルミニウム又はアルミニウム合金である場合に、スズ層と母材との間に十分な密着性を確保しつつ、このようなスズと下地金属との間の合金形成による影響を回避する方法は、従来検討されていなかった。
本発明が解決しようとする課題は、アルミニウム又はアルミニウム合金を母材とし、ニッケル層を有し、ニッケル層の表面にスズ層を有するコネクタ端子において、長時間高温環境で使用されても、ニッケル−スズ合金の形成によって最表面の接触抵抗の増大が起きず、高い接続信頼性と耐熱性を有するコネクタ端子を提供すること、及びそのようなコネクタ端子を製造するための材料を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明にかかる第一のコネクタ端子は、アルミニウム又はアルミニウム合金よりなる母材の、他の導電部材と電気的に接触する接点部を含む領域の表面を被覆して、ニッケル層が形成され、前記ニッケル層の表面を被覆して最表面にスズ層が形成され、前記スズ層が、前記ニッケル層よりも厚く、前記ニッケル層全体と合金を形成しても余剰のスズが最表面に残される厚さを有することを要旨とする。
ここで、前記スズ層の厚さが前記ニッケル層の厚さの2〜10倍の範囲にあることが好適である。
また、前記ニッケル層の厚さが0.1〜0.8μmの範囲にあり、前記スズ層の厚さが1〜3μmの範囲にあるとよい。
さらに、前記ニッケル層の厚さが0.1〜0.4μmの範囲にあるとよい。
本発明にかかる第二のコネクタ端子は、アルミニウム又はアルミニウム合金よりなる母材の表面に、前記母材側からこの順にニッケル層と、前記ニッケル層全体と合金を形成しても余剰のスズが残される厚さを有するスズ層とが積層されたものが加熱されて形成され、加熱によって形成されるニッケル−スズ合金層と、前記ニッケル−スズ合金層を被覆し最表面に露出するスズ層とを、他の導電部材と電気的に接触する接点部を含む領域の前記母材表面に有することを要旨とする。
本発明にかかる第一のコネクタ端子用材料は、アルミニウム又はアルミニウム合金よりなる母材の表面の少なくとも一部を被覆してニッケル層が形成され、前記ニッケル層の表面を被覆して最表面にスズ層が形成され、前記スズ層が、前記ニッケル層よりも厚く、前記ニッケル層全体と合金を形成しても余剰のスズが最表面に残される厚さを有することを要旨とする。
本発明にかかる第二のコネクタ端子用材料は、アルミニウム又はアルミニウム合金よりなる母材の表面に、前記母材側からこの順にニッケル層と、前記ニッケル層全体と合金を形成しても余剰のスズが残される厚さを有するスズ層とが積層されたものが加熱されて形成され、加熱によって形成されるニッケル−スズ合金層と、前記ニッケル−スズ合金層を被覆し最表面に露出するスズ層とを前記母材表面の少なくとも一部に有することを要旨とする。
上記発明にかかる第一のコネクタ端子によると、アルミニウム又はアルミニウム合金よりなる母材とスズ層との間にニッケル層が形成されているので、ニッケルとアルミニウム及びスズとの間の合金形成により、母材とスズ層との間の密着性が高められている。かつ、スズ層がニッケル層よりも厚く、スズ層がニッケル層全体と合金を形成しても余剰のスズが最表面に残される厚さを有すること及びアルミニウム又はアルミニウム合金はスズとの間に合金層を形成しないことにより、長時間高温環境で使用することにより、ニッケルがスズ層中に拡散し、ニッケル−スズ合金が形成されたとしても、接点部の最表面は常に純スズ層に被覆されていることになる。これにより、高温環境での使用を経ても、最表面のスズ層の効果によって、接触抵抗が低減された状態が維持される。つまり、高い接続信頼性と耐熱性が達成される。
ここで、スズ層の厚さがニッケル層の厚さの2〜10倍の範囲にあると、ニッケル−スズ合金が形成された場合にも、確実に最表面をスズ層が被覆する状態が保たれ、高い接続信頼性を有する状態が維持される。
また、スズ層の厚さが1〜3μmの範囲にあることで、十分に最表面における接続信頼性向上の効果が発揮されるとともに、めっき法等の手法でによって簡便に形成できる。このスズ層の厚さに対して、ニッケル層の厚さが0.1〜0.8μmの範囲にあれば、スズ層と母材表面の密着性向上の効果を十分に発揮しつつ、合金形成を経ても最表面にスズ層が残される上記条件を満足することができる。また、ニッケル層が過度の厚さを有さないことで、ニッケル層の硬さによる加工性の低下が回避される。
さらに、ニッケル層の厚さが0.1〜0.4μmの範囲にあると、ニッケル−スズ合金形成後に最表面にスズ層が十分な厚みで残され、接続信頼性と耐熱性がさらに効果的に発揮される。加工性の低下も一層抑制される。
本発明にかかる第二のコネクタ端子によると、接点部において、ニッケル−スズ合金層の表面がスズによって被覆されているので、低い接触抵抗を有し、高い接続信頼性が達成される。また、ニッケル−スズ合金の形成がさらに進行することがなく、かつ、アルミニウム及びアルミニウム合金はスズと合金を形成しないので、高温環境で使用し続けても、最表面をスズ層が被覆している状態が維持され続け、高い耐熱性と接続信頼性が得られる。さらに、ニッケル層とスズ層をこの順に積層し、加熱することで形成されるので、簡便に製造することができる。
本発明にかかる第一のコネクタ端子用材料によると、ニッケル層とスズ層が積層された箇所に接点部が形成されるようにコネクタ端子を製造すれば、コネクタ端子を長時間高温で使用し、ニッケル−スズ合金の形成が進行したとしても、接点部の最表面には純スズ層が残されるので、高い接続信頼性と耐熱性が得られる。
本発明にかかる第二のコネクタ端子用材料によると、ニッケル−スズ合金層とスズ層が積層された箇所に接点部が形成されるようにコネクタ端子を製造すれば、コネクタ端子を高温で使用し続けても、それ以上に合金化が進行してスズ層が消費されることがなく、接点部の最表面を純スズ層が被覆する状態が維持されるので、高い接続信頼性と耐熱性が得られる。
本発明にかかるコネクタ端子用材料における積層構造の一例を示す断面図であり、(a)が母材表面にニッケル層とスズ層が形成された状態を示し、(b)が(a)を加熱してニッケル−スズ合金層が形成された状態を示している。 本発明にかかるコネクタ端子の構造の一例を示す斜視図である。 アルミニウム合金母材表面にニッケル層とスズ層を積層した試料片のテープ剥離試験の結果を示す写真であり、ニッケル層の厚みが、(a)は0μm(ニッケルなし)、(b)は0.1μm、(c)は0.3μm、(d)は0.5μm、(e)は0.8μmである。 上記試料片の走査電子顕微鏡(SEM)像であり、(a)〜(e)は表面像、(f)〜(j)は断面像である。ニッケル層の厚みが、(a)、(f)は0μm(ニッケルなし)、(b)、(g)は0.1μm、(c)、(h)は0.3μm、(d)、(i)は0.5μm、(e)、(j)は0.8μmである。 上記試料片の断面SEM像であり、(a)〜(e)は初期状態、(f)〜(j)は120℃で120時間放置した後の状態を示している。ニッケル層の厚みが、(a)、(f)は0μm(ニッケルなし)、(b)、(g)は0.1μm、(c)、(h)は0.3μm、(d)、(i)は0.5μm、(e)、(j)は0.8μmである。 アルミニウム合金母材表面に種々の厚さを有するニッケル層とスズ層を積層した試料片と、銅合金母材表面にスズ層を形成した試料片について、初期状態と120℃で120時間放置した後の状態における接触荷重5Nで測定した接触抵抗を示す図である。
以下に、本発明の実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。
本発明にかかる第一のコネクタ端子用材料10は、少なくともコネクタ端子の接点部となる箇所、つまり他の導電部材と電気的に接触する箇所に、図1(a)に示す積層構造10aを有する。つまり、アルミニウム又はアルミニウム合金よりなる母材1の表面に、ニッケル層2が形成され、ニッケル層2の表面にさらにスズ層3が形成されている。スズ層3は、ニッケル層2よりも厚い。さらに、スズとニッケルは、ほぼ1:1の体積比で合金(金属間化合物)を形成するが、スズ層3がニッケル層2よりも厚いことにより、ニッケル層2を構成するニッケル原子の全量がスズ層3を構成するスズ原子と合金を形成したとしても、最表面に純スズ層3が残されるように、ニッケル層2及びスズ層3の厚さが選択されている。
母材1は、コネクタ端子の基材となるものであり、アルミニウム又はアルミニウム合金から形成されている。そのため、コネクタ端子をアルミニウム又はアルミニウム合金よりなる電線導体に接続した際にも、それらの界面で腐食が発生しにくい。
スズ層3は、接点部において、別の導電部材との間に良好な電気的接触を確保する役割を果たす。スズ層3の最表面には比較的硬いスズ酸化膜が形成されるが、荷重を印加することで容易に破壊され、軟らかい金属スズが露出して別の導電部材と密着する。これによって、接点部の表面における接触抵抗値が低減され、コネクタ端子の接続信頼性が高められる。
ニッケル層2は、母材1とスズ層3の間の密着性を高める役割を果たす。ニッケルはアルミニウムとスズの双方と合金を形成しうるため、双方に対して高い密着性を有する。これにより、ニッケル層2は、スズ層3の母材1に対する密着性を高める。
ニッケル原子は、加熱を受けるとスズ層中に拡散しやすく、スズ原子との間に合金を形成しやすい。つまり、ニッケルとスズの積層構造を加熱すると、ニッケル層中のニッケル原子とスズ層中のスズ原子を原料として、ニッケル層とスズ層の界面からニッケル−スズ合金層が形成される。もし、ニッケル−スズ合金が端子最表面に露出されると、最表面の接触抵抗が初期状態の値から増大する。すると、初期状態においてスズ層3が最表面に露出して接点部における接続信頼性を向上させていた効果が失われ、接続信頼性が低下してしまう。
しかし、本発明にかかる第一のコネクタ端子用材料10においては、加熱環境下に晒されて、ニッケル−スズ合金が形成された場合にも、図1(b)に示すように、余剰のスズがスズ層3として、ニッケル−スズ合金層5の表面を被覆して、最表面に残される。換言すると、もとのスズ層3の全てが合金形成に消費されることはなく、最表面は純スズよりなるスズ層3で被覆された状態に維持される。更に、アルミニウム又はアルミニウム合金はスズと合金層を形成しない為、スズがアルミニウムとの合金形成で消費されることはない。コネクタ端子が長時間高温環境に晒されたとしても、最表面にニッケル−スズ合金層5が露出せず、最表面を被覆する純スズ層3の効果により、表面の接触抵抗が低い値に維持され、高い接続信頼性を示す状態が保たれる。つまり、高い耐熱性が発揮される。
本発明の第一のコネクタ端子用材料10においては、スズ層3が、ニッケル層2全体とニッケル−スズ合金を形成したとしても余剰の純スズ層3が残されるだけの厚さを有しているので、加熱環境での放置が長時間に及び、ニッケル層2全体がニッケル−スズ合金層5の形成に費やされてしまったとしても、最表面には必ずスズ層3が残される。ニッケル−スズ合金の形成は、ニッケル層2とスズ層3の界面から徐々に進行するので、合金化に費やされなかったスズが残される場所は、ニッケル層2との界面から最も離れた場所、つまり最表面である。なお、局所的にニッケル−スズ合金が最表面に露出される箇所が存在したとしても、その面積に対して、純スズ層3が露出している面積が十分に大きければ、加熱環境での放置を経ても実用上要求される水準の接続信頼性を維持することができる。
また、一旦ニッケル−スズ合金層5が形成されると、そのニッケル−スズ合金が残されたスズ層3中を拡散して最表面に達するようなことはない。さらに、アルミニウムはスズとの間に合金を形成しないので、長時間加熱環境中で放置しても、母材中のアルミニウムがニッケル−スズ合金層5を通過して最表面のスズ層3に達し、スズとの間に合金を形成するようなことは起こらない。
なお、上記のように、ニッケル層2は、アルミニウム又はアルミニウム合金よりなる母材1とスズ層3の双方と合金を形成し、それによってスズ層3の母材1への密着性を高めるものであるが、ニッケル−スズ合金の形成に比べて、アルミニウム−ニッケル合金の形成は非常に遅い。よって、高温環境下で放置された際に、ニッケル層2と母材1との間の合金形成は無視することができ、ニッケル層2を構成するニッケル原子の合金化の全てが、スズ層3を構成するスズとの間において起こると近似することができる。ニッケル−スズ合金層5形成後に最表面に純スズ層3を残存させることを目的として定めた上記のスズ層3とニッケル層2の厚さの関係は、この近似に基づくものである。
スズとニッケルは、化学量論的には約1:1の体積比で合金を形成するが、ニッケル層2とスズ層3の界面から合金化が進行する際、面内の厚さが均一な合金層が層状に成長していくのではなく、ニッケル−スズ合金層5が厚い部分や薄い部分を含んで空間的に不均一に成長する傾向がある。ニッケル−スズ合金層5が厚く形成される箇所においても、最表面に十分な厚さの純スズ層3が残されるように、スズ層3の厚さはニッケル層2の厚さの2倍以上であることが好ましい。合金形成後に十分な厚さの純スズ層を残すという観点からは、スズ層3の厚さの上限は特に定められないが、端子母材表面に形成されるニッケル層及びスズ層としての現実的な厚さの範囲を勘案すると、ニッケル層2の厚さの10倍以下とすることが好ましい。
スズ層3の厚さは、端子接点部における接続信頼性向上の効果を十分に発揮するために、1μm以上であることが望ましい。一方、端子母材表面にスズ層を形成する方法としては、めっき法が最も一般的であるが、めっき法によって実際的に形成可能なスズ層の厚さは3μm程度である。また、スズ層3が厚すぎると、スズの軟らかさに起因して、表面の摩擦力が大きくなり、コネクタ端子の挿入力が大きくなってしまう可能性がある。これらより、スズ層3の厚さの好ましい範囲は1〜3μmである。
スズ層3がこのような範囲の厚さを有する場合に、ニッケル層2の厚さは0.1〜0.8μmの範囲にあればよい。すると、加熱環境での使用によってニッケル−スズ合金層5が形成されても、実用上要求される接続信頼性を発揮するのに十分な量の純スズが最表面に残される。
また、ニッケル層2が0.1μm以上の厚さを有することで、スズ層3と母材1の間に十分に高い密着性を提供することができる。一方、ニッケルは硬い金属であるが、ニッケル層2の厚さが0.8μm以下とされることで、コネクタ端子用材料10の加工性の低下も抑制される。ニッケル層2の厚さは、0.1〜0.4μmの範囲にあればより好ましい。なお、コネクタ端子用材料の加工性の低下が問題になるのは、曲げ加工が施される場合であり、打ち抜き加工のみでコネクタ端子が形成される場合には、ニッケル層の厚さが0.8μmを超えても、加工性の点では問題とならない。
ニッケル層2及びスズ層3は、所定の厚さを有する層を形成できるのであれば、どのような方法で形成されても構わない。これらの層を形成する方法として、めっき法やクラッド法を例示することができる。簡便性などの点において、電解めっき法が優れている。ただし、アルミニウム又はアルミニウム合金は、低い酸化還元電位を有するうえ、表面が化学的、物理的に安定な厚い絶縁性の酸化物膜に覆われているため、表面に電場が形成されず、電解めっきによってニッケル層2及びスズ層3を直接形成することは困難である。そこで、母材1の表面に、あらかじめ無電解めっき(化学めっき)によって薄い亜鉛層を形成しておけば(ジンケート処理)、その表面に電解めっきによってニッケル層2及びスズ層3を形成することが可能となる。形成する亜鉛層の厚さとしては、0.01〜0.1μmの範囲にあることが好ましい。なお、亜鉛層の表面にニッケル層2を電解めっきによって形成すると、亜鉛の大部分はニッケルに置換され、最終的なコネクタ端子材料10において、母材1とニッケル層2の界面に亜鉛はごく少量しか残存しない。
クラッド法を使用する場合には、母材1の表面に電場を形成する必要がないので、ジンケート処理は必要がなく、アルミニウム材又はアルミニウム合金材とニッケル材、スズ材をこの順に積層し、圧延等の工程によって、これらを接合すればよい。めっき法の場合は、ニッケル層2を形成する工程の後にスズ層3を形成する工程を実行しなければならないのに対し、クラッド法においては、ニッケル層2とスズ層3を同一の工程で同時に形成することができるので、製造工程が簡略化され、低コスト化できるという点において、クラッド法が優れている。
本発明にかかる第二のコネクタ端子用材料11は図1(b)に示される構成を有する。本コネクタ端子用材料11は、アルミニウム又はアルミニウム合金よりなる母材1の表面の少なくともコネクタ端子の接点部となる箇所に、ニッケル−スズ合金層5とその表面を被覆するスズ層3よりなる積層構造11aが形成されている。
第二のコネクタ端子用材料11は、少なくともコネクタ端子の接点部となる箇所に第一のコネクタ端子用材料10における積層構造10aと同様の構成、つまり母材1の表面にニッケル層2とスズ層3がこの順に積層された構造を作成し、これを加熱してニッケル−スズ合金層5を形成することによって製造される。加熱前の積層構造において、スズ層3がニッケル層2よりも厚く、ニッケル層2全体と合金を形成しても余剰の純スズが残されるだけの厚さを有するので、ニッケル層2全体を消費してニッケル−スズ合金層5が形成されても、ニッケル−スズ合金層5を被覆して、最表面に純スズ層3が残される。
最表面に純スズ層3が形成されていることにより、コネクタ端子用材料11を用いてコネクタ端子を形成すれば、最表面において低い接触抵抗が得られ、高い接続信頼性が達成される。また、高温環境での使用や通電による発熱を経ても、それ以上にニッケル−スズ合金層5が成長したり、ニッケル−スズ合金が最表面に露出したりすることがなく、スズ層3が最表面を被覆する状態が維持され、高い接続信頼性が保たれる。つまり、高い耐熱性を有する。コネクタ端子用材料11においては、ニッケル−スズ合金層5と母材1の界面に合金化していないニッケル層が残っていてもよいが、この場合にも、加熱を経た際に、残っているニッケルがニッケル−スズ合金層5を通ってスズ層に拡散し、さらにニッケル−スズ合金が形成されても、最表面に純スズ層が残るようにニッケル層とスズ層の厚みを調整しておけば問題ない。
本発明にかかる第一のコネクタ端子及び第二のコネクタ端子は、アルミニウム又はアルミニウム合金を母材とし、接点部にそれぞれ上記コネクタ端子用材料10にかかる積層構造10a及び上記コネクタ端子用材料11にかかる積層構造11aを有していれば、どのような形状を有していてもよい。図2に、一例として、公知のメス型コネクタ端子と同様の形状を有するメス型コネクタ端子20の構成を示す。
メス型コネクタ端子20は、公知のメス型コネクタ端子と同様の形状を有する。すなわち、メス型コネクタ端子20の挟圧部23は、前方が開口した四角筒状に形成され、挟圧部23内に相手方接続部材であるオス型端子29が挿入される。挟圧部23の底面の内側には、内側後方へ折り返された形状の弾性接触片21が形成されている。弾性接触片21は挟圧部23内部側へ膨出したエンボス部21aにおいてオス型端子29と接触し、オス型端子29に上向きの力を加える。弾性接触片21と相対する挟圧部23の天井部の表面が内部対向接触面22とされ、オス型端子29が弾性接触片21によって内部対向接触面22に押し付けられることにより、オス型端子29が挟圧部23内において挟圧保持される。
コネクタ端子20を形成する母材1のうち、弾性接触片21と内部対向接触面22の挟圧部23の内側に露出される表面に、積層構造10a又は積層構造11aが形成されている。これにより、弾性接触片21及び内部対向接触面22と、オス型端子29との接点部において、高い接続信頼性と耐熱性が実現されている。ここで、積層構造10a、11aは、弾性接触片21の表面全体に形成されていなくても、弾性接触片21のうち、エンボス部21aにのみ形成されていれば十分である。逆に、さらに広い領域にわたって積層構造10a、11aが形成されていてもよく、コネクタ端子20を構成する母材1の表面全体を被覆していてもよい。また、オス型端子29もアルミニウム又はアルミニウム合金を母材として形成されるものである場合にも、少なくともメス型端子と接触する部分の表面に積層構造10a、11aが形成されていれば、両端子の接点部において、高い接続信頼性が得られる。
メス型コネクタ端子20のようなコネクタ端子は、例えば、板状のコネクタ端子用材料10、11から端子の展開形状を打ち抜き、打ち抜いた展開形状の所定箇所に折り曲げ加工を施す等の工程を経て、端子形状を完成させることにより、形成することができる。本発明にかかる第二のコネクタ端子は、第一のコネクタ端子用材料10と同様の積層構造10aを形成した後に独立した加熱工程を経て製造された板状の第二のコネクタ端子用材料11を加工して製造してもよいし、あるいは、第一のコネクタ端子用材料10から第一のコネクタ端子を形成した後、独立した加熱工程、または高温環境での使用や通電による加熱の過程を経て得ることもできる。
以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明する。
[実施例]
清浄な3000系アルミニウム合金基板をジンケート処理し、その上に、電解めっきにより、ニッケル層を0.1μm、0.3μm、0.5μm、0.8μmの4通りの厚さで形成した。さらにその上に、電解めっきにより、厚さ約1μmのスズ層を形成し、ニッケル層の厚さが異なる4通りの実施例にかかる試料片を作成した。
[比較例1]
ジンケート処理した3000系アルミニウム合金基板の上に、ニッケル層を形成せず、直接厚さ約1μmのスズ層を電解めっきによって形成し、比較例1にかかる試料片を作成した。
[比較例2]
清浄な銅合金基板の表面に、電解めっき法によって、厚さ約1μmのスズ層を形成し、比較例2にかかる試料片を作成した。
[試験方法]
(テープ剥離試験)
めっき層と母材との間の密着性を評価するため、テープ剥離試験を行った。つまり、各実施例及び比較例1の試料片の表面に、それぞれ粘着テープを貼り付けた。そして、粘着テープを試料片の表面から剥がし、めっき層がテープによって剥離されたかどうかを目視で確認した。
(SEMによる観察)
各実施例及び比較例1の試料片について、表面及び断面の走査電子顕微鏡(SEM)観察を行った。そして、層界面の密着性に注目して構造の評価を行った。
さらに、それぞれの試料片を120℃で120時間放置した後(以後この条件を「高温放置」と称する場合がある)、再び断面のSEM観察を行った。これにより、高温放置による層構造の変化を評価した。
(接触抵抗の評価)
各実施例及び比較例1、2にかかる試料片について、接触抵抗を四端子法によって測定した。まず、各試料片を用いて、平板状部材と、曲率半径3mmのエンボス状の接点部を形成した部材よりなるモデル接点部を作製した。平板状部材を水平に保持し、鉛直方向からエンボス状接点部の頂部を接触させ、水平方向に摺動させることなく、鉛直方向から接触荷重を印加した。この際、0〜40Nの荷重を増加させる方向及び減少させる方向に往復で印加した。また、接触抵抗測定における開放電圧は20mV、通電電流は10mAとした。
各試料片を120℃で120時間放置(高温放置)し、室温に放冷後に、同様に接触抵抗を測定した。そして、高温放置前後の各試料片について、荷重を増加させる方向で5Nの荷重を印加した際に計測された接触抵抗値を比較し、高温放置による接触抵抗値の変化を評価した。
[試験結果及び考察]
(テープ剥離試験)
図3に、各試料片について、テープを剥がした状態の写真を示す。(a)のニッケル層を有さない比較例1の場合においては、試料片上のスズ層が部分的に剥離され、テープの粘着面に付着している。一方、ニッケル層を有する各実施例にかかる試料片については、ニッケル層の厚さによらずスズ層及びニッケル層の剥離は起こっていない。
つまり、ニッケル層を有さず、スズ層がアルミニウム合金母材上に直接形成されている場合には、スズ層の母材に対する密着性が弱く、スズ層が容易に剥離されてしまうのに対し、ニッケル層が存在することで、スズ層とアルミニウム合金母材との間の密着性が高まり、界面の強度が増大している。
(SEMによる観察)
図4に、各試料片の表面及び断面のSEM像を示す。まず、(f)のニッケル層が存在しない場合の断面像を見る。画像下部の暗い部分がアルミニウム合金母材であり、その上の明るい層がスズ層である。アルミニウム合金母材とスズ層の間の界面には、矢印で示したひときわ暗く観察される空洞(ボイド)や、明るく観察される粒状の析出物のような多数の微構造が観察される。このことは、スズ層が母材表面に強く密着していないことを示している。アルミニウム合金/スズ界面の密着性が低いことに対応して、(a)の表面像において、凹凸構造が観察されている。特に画像中央部には、深い欠陥構造が見られる。このようなアルミニウム合金/スズ界面での微視的な密着性の低さが、テープ剥離試験で観察された(図3(a))スズ層の剥離のしやすさの原因となっている。この密着性の低さは、スズとアルミニウムが合金を形成しないことによるものである。
図4(g)〜(j)のニッケル層を有する場合の断面像においては、暗く観察される母材と明るく観察されるスズ層との間に、両者の中間の明るさでニッケル層が観察されている。いずれの画像においても、母材とニッケル層の間の界面及びニッケル層とスズ層の間の界面に、(f)でアルミニウム合金/スズ界面に見られたようなボイドや粒状析出物は観察されていない。このことは、ニッケル層がアルミニウム合金母材とスズ層の双方に強く密着していることを示している。
図4(b)〜(e)の表面像においては、(a)の像に見られた大きな欠陥構造のようなものは観察されず、均一な表面が形成されている。また、(b)〜(e)においてはニッケル層が厚くなるほど、小さなスズ粒子が緻密に配置された表面が形成されるようになり、表面の均一性が向上している。つまり、密着性の高い層界面が形成されることにより、最表面が均一になっている。
以上において観察されたようなニッケル層と母材及びスズ層との密着性は、ニッケルがアルミニウムとスズの双方と合金を形成していることに起因するものである。この密着性は、テープ剥離試験においてスズ層及びニッケル層の剥離が観測されなかったことと対応している。
次に、図5に各試料片について、高温放置前後の断面像を示す。図5(a)〜(e)の高温放置前の断面像は、図4(f)〜(j)のものと同一である。
まず、図5(f)のニッケル層を有さない場合について見ると、高温放置によって、スズ層内部に厚さ方向に走る複数の亀裂が発生している。また、スズ層とアルミニウム合金母材の間の界面ほぼ全域にわたり、ひときわ暗い部分つまりボイドが生じている。これらより、高温放置によって、スズ層のアルミニウム合金母材に対する密着性が一層悪化していることが分かる。初期状態においてもアルミニウム合金母材にあまり密着していなかったスズ層が、高温放置による膨張などによって、さらにアルミニウム合金母材との密着性を失ったものと考えられる。
一方、図5(g)〜(j)のニッケル層を有する場合には、高温放置によって、ニッケル層とスズ層の間に、両層の中間の明るさを有する構造が観察されるようになっている。これは、高温放置によって形成されたニッケル−スズ合金に対応するものである。このニッケル−スズ合金の表面には、合金形成に消費されなかったスズが残っている。また、合金形成に伴い、ニッケル層は消失するか、初期状態よりも厚さが減少している。
合金形成は、ニッケル/スズ界面から平坦な層状の構造をとりながら進行しているのではなく、不均一に進行し、各画像中にニッケル−スズ合金層が厚い部分と薄い部分がドメイン状に混在している。これは、ニッケル層からスズ層へのニッケル原子の拡散が面内で均一に起こらないことによるものである。
このように、ニッケル−スズ合金の厚さには空間的な分布が存在するが、各断面像において、最表面の大部分にはニッケル−スズ合金よりも明るく観察されるスズ層が残存している。
さらに、ニッケル層を有する場合に、高温放置を経た後も、アルミニウム合金母材、ニッケル層、ニッケル−スズ合金層、スズ層の各層の内部に、図5(f)でスズ層に見られたような亀裂が形成されることはない。また、各層の界面にボイドが発生することもない。つまり、初期状態において、アルミニウム合金/ニッケル界面及びニッケル/スズ界面に高い密着性が付与されていたが、高温放置を経た後も、各層の間に高い密着性が保たれている。
(接触抵抗の評価)
図6に、各実施例と比較例1にかかる試料片について初期と高温放置後に測定した荷重5Nにおける接触抵抗値を、ニッケルの膜厚に対して示す。ニッケルの膜厚ごとのプロット点は、5つの同様に作成した試料片に対する測定の平均値であり、エラーバーはそれら5つの試料片についての測定値の分布範囲を示している。なお、データ点の重なりを解消し、見やすくするため、高温放置後の各データ点は、実際のニッケルの膜厚に0.02μmを加えて表示してある。
図には同時に、比較例2にかかる銅合金表面にスズめっき層を有する試料片についての結果を併せて示してある。スズめっきを施した銅合金は、コネクタ端子の材料として汎用されているものであり、この試料における接触抵抗値及び高温放置によるその上昇量は、コネクタ端子用材料の接触抵抗値を評価するのに、基準となるものだからである。この試料片は、初期状態においては平均で1.70mΩ、最大で2.18mΩの接触抵抗値を示している。これを高温放置すると、接触抵抗値は平均で1.79mΩ、最大で2.52mΩに上昇している。高温放置によって接触抵抗が上昇するのは、スズめっきに比べ圧倒的な量のある銅合金母材から潤沢な量の銅原子がめっき中に拡散し、高い接触抵抗を有する銅−スズ合金が形成され、最表面に露出されるとともに、表面の酸化が進むからであると考えられる。
図6によると、スズ層を有するアルミニウム合金試料片がニッケルめっき層を有さない場合(ニッケル膜厚:0μm)には、初期状態において、平均で0.65mΩと、スズめっきされた銅合金の場合の約1/3の接触抵抗値を有している。しかしながら、高温放置を経ると、接触抵抗値は初期状態の約4倍にまで増大し、スズめっきされた銅合金の場合よりも大きな値となっている。初期状態においては、テープ剥離試験及びSEM観察で明らかになったように、アルミニウム合金/スズ界面の密着性に劣るものの、接触抵抗の増大に寄与するような合金形成が界面において起こらないため、低い接触抵抗が得られていると考えられる。しかし、高温に放置することで、図5(f)で見られたように亀裂やボイドが発生して界面の密着性が一層悪化し、接触抵抗が増大されているものと考えられる。
ニッケル層が形成されている場合にも、その膜厚によらず、ニッケル層が形成されていない場合と同程度の接触抵抗値、つまり銅合金表面にスズ層が形成されている場合の1/3程度の低い接触抵抗値を有する。図6に示すように、ニッケル層を有する試料片が高温放置を経ても、ニッケル層を有さない場合とは異なり、その接触抵抗値はほとんど変化せず、スズめっきされた銅合金の場合の約1/3の接触抵抗値を保持し続けている。つまり、アルミニウム合金の表面にニッケル層とスズ層が積層された実施例の試料片においては、スズめっきされた銅合金よりも低い接触抵抗値と耐熱性を有し、さらにニッケル層が存在しない場合よりも高い耐熱性を有することが分かる。
このように、実施例にかかる試料片が初期状態において低い接触抵抗値を有するのは、テープ剥離試験及びSEM観察で明らかになったように、初期状態において最表面に低い接触抵抗を与える純スズ層が形成されており、さらにニッケル層の存在により、スズ層とアルミニウム合金母材との間の密着性が高められているからである。そして、高い耐熱性を有し、高温放置を経てもその低い接触抵抗値を有する状態が維持されるのは、高温放置を経てニッケル−スズ合金が形成されても、最表面は純スズ層に覆われた状態が維持され、かつ各層の間に高い密着性が維持されること、そしてアルミニウムとスズが合金層を形成せず、これらの合金化で純スズが減量されることがないことによる。
実施例にかかる各試料片について、ニッケルの膜厚が上昇するのに伴い、高温放置後の接触抵抗がわずかに上昇する傾向を示しているが、これは、高温放置の際にニッケルと合金化せずに最表面を被覆する純スズ層の厚さが、ニッケル層が厚くなるとともに減少しているため、もしくは最表面での純スズの面積が僅かに減少するためであると考えられる。
なお、上記の検討は、接触荷重5Nで計測された接触抵抗の値に基づいてなされたものであるが、全荷重領域にわたり、測定された接触抵抗値は同様の傾向を示した。従って、上記の議論は接触荷重によらず成り立つ。
(まとめ)
以上より、アルミニウム合金母材の表面にニッケル層とスズ層を積層した構造によれば、母材に対するスズ層の密着性が高められるとともに、スズ層とニッケル層の厚さを、高温放置によってニッケル−スズ合金が形成された後にも純スズ層が残されるような値に調節しておくことで、高温放置後も接触抵抗値が低い状態、つまり高い接続信頼性が維持されることが明らかになった。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
1 母材
2 ニッケル層
3 (純)スズ層
5 ニッケル−スズ合金層
10 (第一の)コネクタ端子用材料
10a 積層構造
11 (第二の)コネクタ端子用材料
11a 積層構造
20 メス型コネクタ端子
21 弾性接触片
21a エンボス部
22 内部対向接触面

Claims (10)

  1. アルミニウム又はアルミニウム合金よりなる母材の、他の導電部材と電気的に接触する接点部を含む領域の表面を被覆して、ニッケル層が形成され、前記ニッケル層の表面を被覆して最表面にスズ層が形成され、
    前記スズ層が、前記ニッケル層よりも厚く、前記ニッケル層全体と合金を形成しても余剰のスズが最表面に残される厚さを有することを特徴とするコネクタ端子。
  2. 前記スズ層の厚さが前記ニッケル層の厚さの2〜10倍の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載のコネクタ端子。
  3. 前記ニッケル層の厚さが0.1〜0.8μmの範囲にあり、前記スズ層の厚さが1〜3μmの範囲にあることを特徴とする請求項1又は2に記載のコネクタ端子。
  4. 前記ニッケル層の厚さが0.1〜0.4μmの範囲にあることを特徴とする請求項3に記載のコネクタ端子。
  5. アルミニウム又はアルミニウム合金よりなる母材の表面に、前記母材側からこの順にニッケル層と、前記ニッケル層全体と合金を形成しても余剰のスズが残される厚さを有するスズ層とが積層されたものが加熱されて形成され、
    加熱によって形成されるニッケル−スズ合金層と、前記ニッケル−スズ合金層を被覆し最表面に露出するスズ層とを、他の導電部材と電気的に接触する接点部を含む領域の前記母材表面に有することを特徴とするコネクタ端子。
  6. アルミニウム又はアルミニウム合金よりなる母材の表面の少なくとも一部を被覆してニッケル層が形成され、前記ニッケル層の表面を被覆して最表面にスズ層が形成され、
    前記スズ層が、前記ニッケル層よりも厚く、前記ニッケル層全体と合金を形成しても余剰のスズが最表面に残される厚さを有することを特徴とするコネクタ端子用材料。
  7. 前記スズ層の厚さが前記ニッケル層の厚さの2〜10倍の範囲にあることを特徴とする請求項6に記載のコネクタ端子用材料。
  8. 前記ニッケル層の厚さが0.1〜0.8μmの範囲にあり、前記スズ層の厚さが1〜3μmの範囲にあることを特徴とする請求項6又は7に記載のコネクタ端子用材料。
  9. 前記ニッケル層の厚さが0.1〜0.4μmの範囲にあることを特徴とする請求項8に記載のコネクタ端子用材料。
  10. アルミニウム又はアルミニウム合金よりなる母材の表面に、前記母材側からこの順にニッケル層と、前記ニッケル層全体と合金を形成しても余剰のスズが残される厚さを有するスズ層とが積層されたものが加熱されて形成され、
    加熱によって形成されるニッケル−スズ合金層と、前記ニッケル−スズ合金層を被覆し最表面に露出するスズ層とを前記母材表面の少なくとも一部に有することを特徴とするコネクタ端子用材料。
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