JP5696811B2 - コネクタ用めっき端子および端子対 - Google Patents
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Description
本発明は、コネクタ用めっき端子に関し、さらに詳しくは合金めっき層を有するコネクタ用めっき端子に関する。そして、そのようなめっき端子を用いて構成される端子対に関する。
電気接続端子等に用いられる導電部材には、導電率が高く、延性に富み、適度な強度を有する銅や銅合金が利用されるが、これらの表面には酸化膜や硫化膜等の絶縁性の被膜が形成されるため、他の導体との接触時における接触抵抗が高くなる。そこで従来、自動車の電気部品等を接続するコネクタ端子として一般に、図7(b)に示すように、銅又は銅合金などの母材22の表面にスズめっき21が施されたものが用いられていた。例えば特許文献1に、スズめっき層を有するコネクタ端子が記載される。他の金属と比較して、スズは非常に軟らかい点に特徴を有する。スズめっき端子においては、金属スズ層の表面に比較的硬い絶縁性の酸化スズ被膜が形成されるが、酸化スズ被膜は弱い力で破壊され、容易に軟らかいスズ層が露出するので、良好な電気的接触が形成される。
スズめっき層が形成されたコネクタ端子においては、スズの軟らかさのために、上記のように良好な電気的接触の形成が可能である反面、同じくスズの軟らかさに起因して、端子嵌合時の摩擦係数が高くなるという問題がある。図7(b)に示したように、軟らかいスズめっき層21の表面では、コネクタ接点の摺動時にスズ層21の掘り起こしやスズ同士の凝着が容易に起こる。これによって、スズめっき層21表面の摩擦係数が高くなり、コネクタ端子の挿入に必要な力(挿入力)が上昇する。特に、端子数の多い多極の嵌合コネクタの端子にスズめっきが使用された場合、挿入力は端子数に伴って大きくなり、嵌合作業が困難になる。
本発明が解決しようとする課題は、スズめっきコネクタ端子よりも、摩擦係数が低減されたコネクタ用めっき端子および端子対を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明にかかるコネクタ用めっき端子は、銅又は銅合金よりなる母材の表面に、スズとパラジウムよりなり、スズ−パラジウム合金を含む合金含有層が形成されていることを要旨とする。
ここで、前記合金含有層におけるパラジウムの含有量は、1原子%以上であるとよい。
そして、前記合金含有層におけるパラジウムの含有量は、20原子%未満である場合が好適である。
また、前記合金含有層は、スズとパラジウムの合金よりなる第一金属相のドメイン構造が、純スズ又は前記第一金属相よりもパラジウムに対するスズの割合が高い合金よりなる第二金属相の中に形成されたものであるとよい。
さらに、前記合金含有層の表面に占める前記第一金属相の露出面積率が10%以上であるとよい。
そして、前記合金含有層の表面に占める前記第一金属相の露出面積率が80%以下であるとよい。
そして、前記コネクタ端子は、表面の光沢度が10〜300%の範囲にあるとよい。
また、前記合金含有層の厚さが0.8μm以上である場合が好適である。
さらに、前記合金含有層の表面を相互に摩擦させた時の動摩擦係数が0.4以下であるとよい。
またさらに、前記合金含有層のビッカース硬度が100以上であるとよい。
そして、他の導電部材と電気的に接触する接点部の表面に、前記接点部を横切る直線のうち最長の直線よりも短い径を有する前記第一金属相のドメインが露出されているとよい。
そして、前記接点部は、エンボスとして形成されていることが好ましい。そして、前記エンボスの半径が3mm以上であるとよい。
本発明にかかる端子対は、雄型コネクタ端子と雌型コネクタ端子とからなり、前記雄型コネクタ端子と前記雌型コネクタ端子の少なくとも一方が上記のコネクタ用めっき端子よりなることを要旨とする。
ここで、前記雄型コネクタ端子と前記雌型コネクタ端子とが相互に接触する接点部に印加される接触荷重が、2N以上であることが好ましく、さらには、5N以上であることが好ましい。
上記発明にかかるコネクタ用めっき端子によると、母材表面に硬度の高いスズ−パラジウム合金含有層が形成されているため、コネクタ接点において、めっき層の掘り起こしや凝着が起こりにくい。これにより、表面の摩擦係数が低減され、端子の挿入力が低く抑制される。
ここで、合金含有層の組成及び構造や、動摩擦係数及び硬さがさらに上記のように規定されていると、摩擦係数が一層効果的に低減される。特に、スズとパラジウムの合金よりなる第一金属相が摩擦係数の低減に高い効果を有するため、合金含有層の表面に占める第一金属相の露出面積率が10%以上とされることにより、コネクタ接点部の摩擦係数が効果的に低減される。
一方、純スズ又は第一金属相よりもパラジウムに対するスズの割合が高い合金よりなる第二金属相が、低い接触抵抗を有しているため、合金含有層の表面に占める第一金属相の露出面積率が80%以下とされることにより、コネクタ接点部の接触抵抗が小さく抑えられ、良好な電気的接触を形成することができる。これにより、摩擦係数の低減と接続信頼性の確保を両立することができる。簡便な方法で計測でき、第一金属層の露出面積率とよい相関を有する表面の光沢度を、このような低摩擦係数と高接続信頼性を両立するコネクタ端子を得るための指標とすることもできる。
そして、他の導電部材と電気的に接触する接点部の表面に、接点部を横切る直線のうち最長の直線よりも短い径を有する第一金属相のドメインが露出されている場合には、接点部内に第一金属相と第二金属相の両方が露出されることになるため、第一金属相による摩擦係数低減の効果と、第二金属相による接触抵抗低減の効果を、同時に享受することができる。特に、接点部が平板状ではなく、エンボス状に形成されている場合、さらに、そのエンボスの半径が3mm以上である場合には、摩擦係数低減の効果が大きくなる。
上記発明にかかる端子対によると、雌型コネクタ端子と雄型コネクタ端子のいずれか一方の表面に硬度の高いスズ−パラジウム合金含有層が形成され、表面の摩擦係数が低減されているため、端子挿入に必要な力が小さく抑えられている。
ここで、雄型コネクタ端子と雌型コネクタ端子とが相互に接触する接点部に印加される接触荷重が、2N以上である場合には、第二金属相の表面に形成された酸化被膜を破って両端子間に導通を形成することができるので、第二金属相が有する良好な電気的接続特性を、効果的に利用することができる。さらに、接触荷重が5N以上である場合には、摩擦係数低減の効果も非常に大きくなる。
以下に、本発明の実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。
本発明にかかるコネクタ用めっき端子(以下、単にめっき端子またはコネクタ端子と称する場合がある)は、図1に断面の構成を示すように、母材2の表面にスズ−パラジウム合金含有層1(以下、単に合金含有層と称する場合がある)が形成されたものである。合金含有層1は、コネクタ用めっき端子の、少なくとも相手方端子と接触する部位に形成される。
母材2は、コネクタ端子の基材となるものであり、銅又は銅合金等から形成されている。図1(a)のように、母材2の上に直接スズ−パラジウム合金含有層1が形成されていてもよいし、図1(b)のように、母材2の表面にニッケル又はニッケル合金よりなる下地めっき層3が形成された上に、スズ−パラジウム合金含有層1が形成されていてもよい。下地めっき層3は、母材2から合金含有層1への銅原子の拡散を抑制する効果を有する。
パラジウムが非常に高い硬度を有することに起因し、スズ−パラジウム合金含有層1は高い硬度を有する。これによって、めっき端子表面は低い摩擦係数を有する。つまり、図7(a)に示すように、表面を摩擦しても、硬い合金含有層1は容易に掘り起こされたり、凝着を起こしたりすることがない。これにより、めっき端子の挿入力が小さく抑えられる。
また、摩擦係数の低減を効果的に達成するためには、スズ−パラジウム合金含有層1全体、つまり後述する合金部11及びスズ部12を合わせたスズ−パラジウム合金含有層1の全領域に占めるパラジウムの含有量が1原子%以上であることが好ましい。
スズ−パラジウム合金含有層1の全領域に占めるパラジウムの含有量を4原子%以上とすると、一層効果的に摩擦係数が低減される。
また、スズ−パラジウム合金は、PdSn4なる安定な金属間化合物を形成することが知られており、スズ−パラジウム合金含有層1にこの金属間化合物を形成するという観点から、Pdの含有量が20原子%以下であることが好ましい。
パラジウムの含有量の上限値は、より好ましくは7原子%である。スズ−パラジウム合金含有層1にパラジウムが7原子%よりも多く含まれていても、硬度の上昇及び摩擦係数の低減の効果は、飽和傾向をとる。また、パラジウムの含有量が多くなると、スズとパラジウムの間での合金化を十分に進行させるのに、高温までの加熱が必要となる。
スズ−パラジウム合金含有層1におけるパラジウムの含有量が20原子%未満の場合、スズ−パラジウム合金含有層1全体が均一な組成の合金よりなるのではなく、図1に示したように、スズとパラジウムが一定の組成比で合金を形成した合金部11(第一金属相)と、純スズ又は合金部11におけるよりもスズの割合が大きい合金よりなるスズ部12(第二金属相)とから構成される。スズ部12の中に、合金部11が偏析し、三次元ドメイン状(海島状、クラスター状)の構造を形成している。
例えば、スズ−パラジウム合金含有層1全体が合金部11と同じ組成を有するスズ−パラジウム合金より形成されている場合にも、摩擦係数の低減の効果を得ることができると考えられる。しかしながら、硬いスズ−パラジウム合金よりなる合金部11が合金含有層1の一部としてドメイン状に形成されていることで、合金含有層1全体がスズ−パラジウム合金で形成される場合よりも低い材料コスト及び製造コストで、十分に低い摩擦係数を達成することが可能になっている。
この意味において、合金含有層1の表面に占める合金部11の露出面積率(以下単に、合金部11の露出面積率と称する)が、10%以上である場合に、摩擦係数の低減が効果的に達成され、好適である。合金部11の露出面積率は、30%以上であれば一層効果的である。なお、合金部11の露出面積率は、(表面に露出する合金部11の面積)/(合金含有層1の表面全体の面積)×100(%)として算出される。
また、スズ−パラジウム合金の硬さによる摩擦係数の低減の作用を効果的に享受するため、めっき端子において、スズ−パラジウム合金含有層1は0.8μm以上の厚みを有していることが好ましい。
車載用コネクタ端子としての用途に鑑みると、合金含有層1の表面を相互に摺動させた時の動摩擦係数が0.4以下である場合が好適である。より好ましくは、動摩擦係数は0.3以下であるとよい。また、一般に、摩擦係数は材料の硬度が高いほど低減される傾向があるが、合金含有層1のビッカース硬度が100以上であることが望ましい。パラジウムをはじめとする貴金属は、一般に凝着しやすい性質を有しているが、スズ−パラジウム合金含有層が100以上という高いビッカース硬度を有することで、硬度による掘り起こし及び凝着の低減の効果が、パラジウムが有する凝着性を上回り、全体として低い摩擦係数が達成されると考えられる。
また、コネクタ端子の導電部材としての用途に鑑みると、コネクタ端子の他の導電部材と電気的に接触する接点部は、低い摩擦係数を有することに加え、接触抵抗が低い値に抑制されていることが好ましい。スズは非常に低い体積抵抗率を有するうえ軟らかく、さらに、表面に形成される酸化被膜が容易に破壊されることから、コネクタ端子の接点部を被覆することで、低い接触抵抗を与え、良好な電気的接触を形成する。合金含有層1を構成するスズ部12は、純スズ又は合金部11におけるよりもスズの割合が大きい合金よりなるため、合金含有層1の表面に露出されることで、スズの上記のような特性により、コネクタ端子の接点部の接触抵抗を低い値に抑制し、高い接続信頼性を提供することができる。そこで、合金含有層1の表面における合金部11の露出面積率を80%以下とすれば、コネクタ端子の接点部の接触抵抗を効果的に抑制することができる。
このように、合金含有層1の表面に露出される合金部11が摩擦係数の低減に高い効果を有し、スズ部12が接触抵抗の抑制に高い効果を有することから、コネクタ端子の接点部の表面に、合金部11とスズ部12の両方が露出されていれば、摩擦係数低減の効果と、接触抵抗抑制の効果を同時に享受することができる。接点部の長径、つまり接点部を横切る直線のうち最長の直線の長さよりも、表面に露出された合金部11のドメインの径(ドメインを横切る最長の直線の長さ)が短くなっていれば、確実に合金部11とスズ部12の両方が接点部の表面に露出されることになり、好適である。
合金部11の露出面積率を規定することで、摩擦係数の低減と接触抵抗の抑制を両立することができるが、合金部11は、微細なドメイン構造をなして合金含有層1の表面に露出されているため、その露出率を見積るためには、電子顕微鏡、プローブ顕微鏡等を用いた表面観察が必要となり、大きな費用と労力を有する。そこで、合金部11の露出率と高い相関性を有する巨視的なパラメータである合金含有層1の表面の光沢度を指標とすることで、より簡便に、低摩擦係数と低接触抵抗を担保することができる。合金部11は、スズ部12よりも低い反射率を有しており、合金部11の露出面積率が高いほど、合金含有層1表面の光沢度が低くなる。
具体的には、合金部11の表面の光沢度が10〜300%の範囲にあれば、摩擦係数の低減と接触抵抗の抑制を高度に両立することができる。ここで、光沢度とは、JIS Z 8741−1997に準拠し、屈折率1.567であるガラス表面において規定された入射角θでの鏡面光沢度を基準とし、この値を100%として表したものであり、ここでは測定角(入射角)θ=20°で測定を行う。
なお、めっき端子が車載用として使用される場合、使用環境が高温になることや、通電によって発熱が起こることがあり、めっき端子は、耐熱性を有すること、つまり高温環境を経た後の接触抵抗値の上昇が低く抑えられていることが望ましい。スズ−パラジウム合金含有層1が形成された本発明にかかるめっき端子においては、加熱を経た際の接触抵抗値上昇は、従来のスズめっき端子と同程度に抑えられている。
端子表面に硬いめっき層が形成されている場合の方が、軟らかいめっき層が形成されている場合よりも、加熱による接触抵抗値の上昇が大きくなる傾向がある。なぜなら、加熱により、母材やニッケルなどの下地めっきと合金化しためっき層は、硬くなり、加えてその硬くなっためっき層の表層に形成されたスズおよびその合金酸化膜は、容易に皮膜破壊しにくくなる性質があるからである。スズ−パラジウム合金含有層1は、上記のように非常に硬いものであるにもかかわらず、加熱による抵抗値の上昇が軟らかいスズめっき層と同等程度に抑えられている。これは、加熱によって表面の一部にスズ酸化膜が形成されたとしても、貴金属であるパラジウムは酸化されにくく、最表面から合金含有層1の内部及び母材2までの導通が形成されやすいためであると考えられる。
スズ−パラジウム合金含有層1は、どのような方法により形成されたものでもよい。例えば、母材2の表面又は下地めっき層3の表面にスズめっき層とパラジウムめっき層を積層し、加熱によって合金化させ、合金含有層1を形成することができる。又は、スズとパラジウムの両方を含むめっき液を使用して、共析によって合金含有層1を形成してもよい。簡便性の観点からは、スズめっき層とパラジウムめっき層を積層してから合金化させる前者の方法が好適である。合金化の際の加熱温度と加熱時間を調整することで、合金部11の露出面積率、合金部11のドメインの径を制御することが可能となる。合金化を高温で行うほど、また長時間の加熱を行うほど、合金部11のドメインは大きく成長する。
上記スズ−パラジウム合金含有層1を有するコネクタ用めっき端子は、雄型コネクタ端子として形成されても、雌型コネクタ端子として形成されてもよい。本発明の実施形態にかかる端子対は、一対の雄型コネクタ端子と雌型コネクタ端子の組よりなるものであり、雄型と雌型のいずれか一方の端子が合金含有層1を有していてもよいし、両方が合金含有層1を有していてもよい。雄型と雌型の両方のコネクタ端子が合金含有層1を有している方が、いずれか一方が合金含有層1を有している場合よりも、摩擦係数の低減による端子挿入力の低減の効果が得られやすい。
雌型コネクタ端子にエンボス状の接点部が形成され、このエンボス部が平板状の雄型コネクタ端子タブの表面を摺動して嵌合される形式の端子対がしばしば用いられる。この場合、雌型コネクタ端子に合金含有層1を形成するならば、合金含有層1は少なくともエンボス状接点部の表面に形成されていれば、摩擦係数低減の効果を発揮することができる。一方、雄型コネクタ端子に合金含有層1を形成するならば、平板状端子タブ上の雌型コネクタ端子のエンボス状接点部が摺動する領域全体に合金含有層1が形成されていることが、全摺動領域にわたって摩擦係数低減の効果を享受する意味で好ましい。
このように、上記スズ−パラジウム合金含有層1は、エンボス状の接点部に形成されても、平板状の接点部に形成されても、摩擦係数低減の効果を享受することができるが、エンボス状の接点部に形成される方が、特にエンボスの半径が大きい場合に、摩擦係数低減の効果が大きい。つまり、エンボス状接点部を有する雌型コネクタ端子と、平板状端子タブを有する雄型コネクタ端子のいずれか一方のみにスズ−パラジウム合金含有層1を形成するならば、雌型コネクタ端子の方に形成する方が、特に接点部のエンボスの半径が大きい場合に、摩擦係数低減の効果が高くなる。
さらに、スズ−パラジウム合金含有層1を形成するエンボスのR形状(エンボスを半球殻に近似した際の半径)を3mm以上とすれば、スズめっき層が表面に形成されている場合と比較した摩擦係数低減の効果が一層大きくなる。これは、エンボス半径が大きくなると、平板との接触面積が大きくなるため、軟らかいスズめっき層においてはm摺動時の凝着摩耗が激しくなり、摩擦係数が大きくなる一方、硬度の高いスズ−パラジウム合金含有層1においては、接触面積が大きくなっても凝着摩耗の増加が抑制されることにより、スズめっき層との摩擦係数の差が顕著になるためである。
また、端子対の接点部に印加される接触荷重は、2N以上であることが好ましい。これにより、合金含有層1の表面に露出されたスズ部12の表面に形成された酸化被膜が破られる。すると、軟らかく、低い接触抵抗を有する金属状態のスズ部12が、最表面に露出されて電気的接触に与るようになるので、高い接続信頼性が達成される。なお、接触荷重が2N未満である場合には、接触荷重に対する依存性が大きい被膜抵抗が接触抵抗に支配的に寄与し、接触荷重が2N以上である場合には、接触荷重に対する依存性が小さい集中抵抗が支配的に寄与する。
さらに、接触荷重が5N以上であれば、摩擦係数が効果的に低減される。接触荷重が大きくなると摩擦係数が小さくなる傾向が見られるが、スズ−パラジウム合金含有層1の場合とスズめっき層の場合を比較すると、スズめっき層においては、上記のように、摩擦係数がエンボス形状による影響を受けやすく、5N以上の接触荷重を印加しても摩擦係数が低減されにくい場合もあるが、スズ−パラジウム合金めっき層においては、摩擦係数がエンボス形状による影響を受けにくく、5N以上の荷重を印加すると、効果的に摩擦係数が低減される。このように、端子対の接触荷重を5N以上としておけば、高い接続信頼性を満足しながら、顕著な摩擦係数低減効果を享受することができる。
以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明する。
<実施例1:スズ−パラジウム合金含有層の硬度および摩擦係数の評価>
(試料の作製)
清浄な銅基板の表面に、厚さ1μmのニッケル下地めっき層を形成し、その上にパラジウムめっき層を形成した。続いて、パラジウムめっき層の上にスズめっき層を形成した。これを大気中にて280℃で加熱することにより、スズ−パラジウム合金含有層を形成し、実施例にかかるめっき部材を形成した。
(試料の作製)
清浄な銅基板の表面に、厚さ1μmのニッケル下地めっき層を形成し、その上にパラジウムめっき層を形成した。続いて、パラジウムめっき層の上にスズめっき層を形成した。これを大気中にて280℃で加熱することにより、スズ−パラジウム合金含有層を形成し、実施例にかかるめっき部材を形成した。
ここで、スズめっき層及びパラジウムめっき層の厚さを調整することで、スズ−パラジウム合金含有層に占めるパラジウムの含有量を規定した。具体的には、スズめっき層の厚さを2μmとし、パラジウムめっき層の厚さを0.02μm、0.05μm、0.09μmとすることで、パラジウムの含有量がそれぞれ1原子%、4原子%、7原子%であるスズ−パラジウム合金含有層を形成した。なお、スズ−パラジウム合金含有層におけるパラジウムの含有量は、エネルギー分散X線分光法(EDX)によって見積もった。
得られた各めっき部材の断面について走査型イオン顕微鏡(SIM)による観察を行い、スズ−パラジウム合金よりなるドメイン(合金部)が、純スズ相、又はほぼスズよりなる金属相(スズ部)の中に形成されている構造を確認した。なお、このような構造が明確に観察されるかどうかは、顕微鏡観察の条件に大きく左右され、詳細な構造の検討は、より鮮明な像が得られた後述する実施例2の走査電子顕微鏡(SEM)の観察結果に基づいて行う。ただし、本実施例1においても、実施例2と同様の合金部とスズ部よりなる構造が観察された。
さらに、銅母材上のニッケル下地めっき層の上に、厚さ1μmのスズめっき層のみを形成し、比較例にかかるめっき部材とした。
(スズ−パラジウム合金含有層の硬度の評価)
3種のスズ−パラジウム合金めっき部材の硬度を、ビッカース硬度計を用いてそれぞれ測定した。それぞれのめっき部材について測定荷重を増加させてビッカース硬度を測定し、測定荷重をそれ以上増加させても硬度の測定値が上昇しない状態で測定した硬度を、そのめっき部材のビッカース硬度とした。その際の測定荷重は、スズ−パラジウム合金含有層中のパラジウムの含有量が1原子%及び4原子%の場合については25mN、パラジウムの含有量が7原子%の場合については50mNであった。
3種のスズ−パラジウム合金めっき部材の硬度を、ビッカース硬度計を用いてそれぞれ測定した。それぞれのめっき部材について測定荷重を増加させてビッカース硬度を測定し、測定荷重をそれ以上増加させても硬度の測定値が上昇しない状態で測定した硬度を、そのめっき部材のビッカース硬度とした。その際の測定荷重は、スズ−パラジウム合金含有層中のパラジウムの含有量が1原子%及び4原子%の場合については25mN、パラジウムの含有量が7原子%の場合については50mNであった。
パラジウムの含有量に対するビッカース硬度(Hv)の測定結果を図2に示す。スズ−パラジウム合金含有層中のパラジウムの含有量が1原子%の時にはビッカース硬度が43であるのに対し、パラジウムの含有量が4原子%になると、ビッカース硬度は124と約4倍にまで上昇している。一方、さらにパラジウムの含有量を7原子%に増加させた時のビッカース硬度は148であり、硬度はパラジウムの含有量が4原子%の時と比べて上昇してはいるものの、その増加率はパラジウムの含有量を1原子%から4原子%に増加させた時よりも小さく、飽和傾向を示している。
(摩擦係数の評価)
端子の挿入力の指標として、実施例及び比較例にかかるめっき部材について、動摩擦係数を評価した。つまり、平板状のめっき部材と半径1mmのエンボス状にしためっき部材を鉛直方向に接触させて保持し、ピエゾアクチュエータを用いて鉛直方向に3Nの荷重を印加しながら、10mm/min.の速度でエンボス状のめっき部材を水平方向に引張り、ロードセルを使用して摩擦力を測定した。摩擦力を荷重で割った値を摩擦係数とした。
端子の挿入力の指標として、実施例及び比較例にかかるめっき部材について、動摩擦係数を評価した。つまり、平板状のめっき部材と半径1mmのエンボス状にしためっき部材を鉛直方向に接触させて保持し、ピエゾアクチュエータを用いて鉛直方向に3Nの荷重を印加しながら、10mm/min.の速度でエンボス状のめっき部材を水平方向に引張り、ロードセルを使用して摩擦力を測定した。摩擦力を荷重で割った値を摩擦係数とした。
パラジウムの組成を変化させて測定した摩擦係数の測定結果を図3に示す。図3では、各実施例にかかるスズ−パラジウム合金含有層を形成しためっき部材の測定結果を太線で示し、比較例にかかるスズめっき部材の測定結果を細線で示してある。これらの結果を見ると、パラジウム含有量がいずれの場合にも、摩擦係数がスズめっき部材のものよりも小さくなっていることが分かる。これは、パラジウム−スズ合金含有層が高い硬度を有していることの効果によるものであると考えられる。
グラフから摩擦係数の値を読み取ると、パラジウム含有量が1原子%の場合には約0.3、4原子%の場合には約0.2、7原子%の場合にも、約0.2となっている。パラジウム含有量が4原子%及び7原子%の場合には、摩擦係数が、スズめっきのみの場合の約半分にも低減されている。
パラジウム含有量が1原子%から4原子%に増加するのに伴い摩擦係数が小さくなっているが、パラジウム含有量がさらに4原子%から7原子%に増加しても、摩擦係数の低減は頭打ちの傾向を示している。この挙動は、パラジウム含有量の増加に対するビッカース硬度の上昇の傾向と対応するものである。つまり、ビッカース硬度の上昇が、主な要因として摩擦係数の低減に寄与していることが推測される。
以上のように、スズ−パラジウム合金含有層が形成されためっき部材においては、スズめっき部材よりも摩擦係数が低減されることが明らかになった。しかし、パラジウムが7原子%よりも多く含まれていても、摩擦係数低減の効果がさらに大きく向上することはない。
<実施例2:スズ−パラジウム合金含有層の構造および接触抵抗値の評価>
(試料の作製)
実施例1にかかるめっき部材と同様にして、スズ−パラジウム合金含有層を有するめっき部材を銅基板の表面に形成した。ここでも、加熱前のパラジウムめっき層の厚さを変化させることで、合金部の露出面積率を異ならせた。具体的には、露出面積率が12%、45%、78%の3種のめっき部材を作製した。これらはそれぞれ、パラジウムの含有量で1原子%、4原子%、7原子%に対応する。なお、合金部の露出面積率は、後述する断面のSEM画像から算出した。
(試料の作製)
実施例1にかかるめっき部材と同様にして、スズ−パラジウム合金含有層を有するめっき部材を銅基板の表面に形成した。ここでも、加熱前のパラジウムめっき層の厚さを変化させることで、合金部の露出面積率を異ならせた。具体的には、露出面積率が12%、45%、78%の3種のめっき部材を作製した。これらはそれぞれ、パラジウムの含有量で1原子%、4原子%、7原子%に対応する。なお、合金部の露出面積率は、後述する断面のSEM画像から算出した。
ここでも、銅母材上のニッケル下地めっき層の上に、厚さ1μmのスズめっき層のみを形成したものを比較例にかかるめっき部材とした。
(構造の評価)
実施例にかかる各めっき部材の断面をSEMによって観察し、その構造を評価した。
実施例にかかる各めっき部材の断面をSEMによって観察し、その構造を評価した。
図4に、スズ−パラジウム合金含有層を形成した各実施例にかかるめっき部材の断面SEM像を示す。これを見ると、ニッケルめっき層の上に形成したスズめっき層とパラジウムめっき層が加熱によって合金化し、単層の合金含有層を形成していることが分かる。
露出面積率が12%(a)、45%(b)の場合に顕著であるが、スズ−パラジウム合金含有層の中には、周囲よりも明るく観察される長細いドメイン状の構造が多数存在している。EDXの結果によると、このドメイン状の構造はスズ−パラジウム合金よりなる部分(合金部)である。また、それ以外の部分が、純スズ相、又はほぼスズよりなる金属相(スズ部)である。
なお、ニッケル層とスズ−パラジウム合金含有層の間に、厚さ0.3〜0.5μm程度の、比較的明るく観察される薄い層が形成されているが、これは、ニッケル−スズ合金層であると考えられる。
スズ−パラジウム合金の状態相図によると、パラジウムの含有量が20原子%未満の領域においては、PdSn4なる金属間化合物が安定に存在する。よって、上記で観察されたドメイン状の合金部は、PdSn4の組成を有していると推定される。
(光沢度の評価)
各実施例及び比較例にかかるめっき部材について、JIS Z 8741−1997に準拠して、測定角(θ)20°で、光沢度を測定した。同一のめっき部材に対して40回の測定を行い、その平均値を得た。得られた光沢度を、上記のSEM観察によって見積もられた合金部の露出面積率に対する関数として、近似曲線とともに図5に示す。また、下記の表1にも、光沢度の値を示す。
各実施例及び比較例にかかるめっき部材について、JIS Z 8741−1997に準拠して、測定角(θ)20°で、光沢度を測定した。同一のめっき部材に対して40回の測定を行い、その平均値を得た。得られた光沢度を、上記のSEM観察によって見積もられた合金部の露出面積率に対する関数として、近似曲線とともに図5に示す。また、下記の表1にも、光沢度の値を示す。
図5によると、合金部の露出面積率が高くなるほど、表面の光沢度が低くなっている。しかも、プロット点は滑らかな近似曲線でよく近似されている。つまり、合金部の露出面積率と表面の光沢度の間には、単調減少の高い相関性がある。また、露出面積率の異なる各めっき部材について測定された光沢度は、誤差の範囲まで含めて、10〜300%の範囲に入っている。
(接触抵抗の評価)
各実施例および比較例にかかる各めっき部材について、接触荷重−接触抵抗特性の計測によって接触抵抗値を評価した。つまり、各めっき部材について、接触抵抗を四端子法によって測定した。この際、開放電圧を20mV、通電電流を10mA、荷重印加速度を0.1mm/min.とし、0〜40Nの荷重を増加させる方向と減少させる方向に印加した。電極は、一方を平板とし、一方を半径1mmのエンボス形状とした。この荷重−抵抗特性の評価を、初期(作成直後)のめっき部材に対して行った。荷重10Nにおいて測定した接触抵抗値を、各めっき部材間で比較した。
各実施例および比較例にかかる各めっき部材について、接触荷重−接触抵抗特性の計測によって接触抵抗値を評価した。つまり、各めっき部材について、接触抵抗を四端子法によって測定した。この際、開放電圧を20mV、通電電流を10mA、荷重印加速度を0.1mm/min.とし、0〜40Nの荷重を増加させる方向と減少させる方向に印加した。電極は、一方を平板とし、一方を半径1mmのエンボス形状とした。この荷重−抵抗特性の評価を、初期(作成直後)のめっき部材に対して行った。荷重10Nにおいて測定した接触抵抗値を、各めっき部材間で比較した。
各実施例にかかる各めっき部材について荷重10Nで測定した接触抵抗値を表1に示す。表1には、各めっき部材の光沢度および摩擦係数も併せて示す。摩擦係数は、比較例にかかるスズめっき部材について測定した摩擦係数を100%とした相対値で示してある。なお、摩擦係数の値が実施例1の場合と若干異なるのは、測定荷重の違いとめっき部材の作製条件および摩擦係数の計測条件における不可避的なばらつきによるものである。
表1によると、いずれの露出面積率においても、0.7〜1.0mΩの接触抵抗値を示している。銅母材上に形成したスズめっき層は、おおむね0.5〜1.0mΩ程度の接触抵抗を示すが、実施例にかかるめっき部材は、これと同程度の接触抵抗が得られている。また、実施例にかかる3種の露出面積率のめっき部材の間で、接触抵抗値の差は非常に小さい。つまり、いずれの露出面積率においても、スズめっき部材と比較して、同程度の低い値に抑制された接触抵抗が得られている。
さらに、表1によると、いずれの露出面積率においても、摩擦係数が、スズめっき部材と比較して大きく低減されている。これらの結果から、スズ−パラジウム合金含有層におけるスズ部の露出面積率を10〜80%の範囲とすることで、また、表面の光沢度を10〜300%とすることで、表面の接触抵抗をスズめっき部材と同程度に抑制する効果と、摩擦係数をスズめっき部材よりも大きく低減する効果の両方を、同時に享受することができる。
図4によると、スズ−パラジウム合金の最表面に露出した合金部のドメイン径は、1μm以下である。一方、エンボス状めっき部材と平板状めっき部材の間に形成されている実質的な接点部の径は、100μm程度である。つまり、合金部のドメイン径が、接点部の径に対して2桁小さい。これにより、接点部の中に多数の合金部のドメインとスズ部が両方とも露出し、ともに電気的接触に寄与している。そのために、接触抵抗抑制と摩擦係数低減が効果的に両立されている。
さらに、良好な電気的接触を得るのに必要な最低限の接触荷重を見積もるために、合金部の露出面積部が45%の場合について得られた接触荷重−接触抵抗特性を両対数表示したものを図6に示す。
一般に、導体間の接触抵抗の主な発生要因は、被膜抵抗と集中抵抗に分けられる。被膜抵抗とは、導体表面に形成された酸化被膜等の絶縁性被膜の存在により発生する接触抵抗であり、集中抵抗とは、導体表面の微視的な凹凸に由来し、巨視的な(見かけの)接触面積のうち、微小面積に形成される真実接触の箇所のみを経由して電流が流れることによるものである。接触荷重を大きくすると、絶縁被膜の物理的な破壊により、被膜抵抗が小さくなる。つまり、絶縁皮膜を破るのに必要な接触荷重を接点部に印加すれば、被膜抵抗の影響をほとんど受けず、集中抵抗領域での導通形成が可能となる。集中抵抗及び被膜抵抗の接触荷重に対する依存性は、特開2002−5141号公報に示されるように、既にモデルを用いて定式化されている。それによると、平らな接触面を有する2つの導体を接触させた場合に、集中抵抗と被膜抵抗の総和である接触抵抗Rkは、下記の式(1)によって記述される。
ここで、Fは接触荷重、Sは見かけの接触面積、Kは表面粗度、Hは硬度、ρは金属抵抗率、ρfは被膜抵抗率、dは絶縁被膜の厚さである。
式(1)において、右辺第1項が集中抵抗の寄与を表し、第2項が被膜抵抗の寄与を表す。式(1)から分かるように、集中抵抗は接触荷重Fに対して−1/2乗の依存性を示すのに対し、被膜抵抗は荷重Fに対して−1乗の依存性を示す。つまり、接触抵抗の接触荷重に対する依存性を両対数表示したとき、被膜抵抗が支配的な領域が傾き−1の直線に近似され、集中抵抗が支配的な領域が傾き−1/2の直線に近似されるはずである。そして、両直線の間の交点において、被膜抵抗が支配的な領域から集中抵抗が支配的な領域に切り替わるはずである。
図6によると、図中に近似直線を細線で示したように、低荷重側に傾き−1の直線で近似可能な領域が観測され、高荷重側に傾き−1/2の直線で近似可能な領域が観測されている。それぞれ、被膜抵抗が支配的な領域と集中抵抗が支配的な領域に対応すると考えられる。そして、両直線の交点が、2Nに得られている。つまり、少なくとも2Nの接触荷重を印加すれば、値が大きくしかも荷重依存性の大きい被膜抵抗の寄与をほぼ排除し、値が小さくしかも荷重依存性の小さい集中抵抗領域で電気的接触が行われることになる。よって、2N以上の接触荷重を端子対の接点部に印加することで、接触抵抗が小さくかつ安定した、良好な電気的接触を得ることができる。
なお、スズめっき層のみを有する比較例にかかるめっき部材についても同様の接触荷重−接触抵抗特性の測定を行い、両対数表示を行ったところ、この場合も低荷重側の傾き−1の直線に近似される領域と、高荷重側の傾き−1/2の直線に近似される領域が見られ、両近似直線の交点が2Nに観測された。つまり、スズ−パラジウム合金層とスズ層とで、交点を与える接触荷重が同じである。このことは、スズ−パラジウム合金層の表面において、合金部ではなくスズ部が電気伝導を主に担い、スズ部の表面を覆う酸化スズ被膜が破壊されることで、金属スズの集中抵抗を主としてなる低い接触抵抗が得られることを意味している。
<実施例3:加熱による接触抵抗上昇の評価>
加熱環境下での使用に伴う接触抵抗値の上昇の程度を見積もるため、実施例1として使用したのと同一の試料を用いて、加熱による接触抵抗の上昇の程度を評価した。つまり、初期状態(作成直後)の各めっき部材について、実施例2における接触抵抗測定と同じ条件で、接触抵抗を四端子法によって測定した。次いで、各めっき部材を大気中160℃で120時間放置し(以下、この条件を「高温放置」と称する場合がある)、放置後の試料に対しても室温に放冷後、同様に接触抵抗の測定を行った。荷重10Nにおける接触抵抗値に着目し、初期状態から高温放置後に上昇した値を、抵抗上昇値とした。
加熱環境下での使用に伴う接触抵抗値の上昇の程度を見積もるため、実施例1として使用したのと同一の試料を用いて、加熱による接触抵抗の上昇の程度を評価した。つまり、初期状態(作成直後)の各めっき部材について、実施例2における接触抵抗測定と同じ条件で、接触抵抗を四端子法によって測定した。次いで、各めっき部材を大気中160℃で120時間放置し(以下、この条件を「高温放置」と称する場合がある)、放置後の試料に対しても室温に放冷後、同様に接触抵抗の測定を行った。荷重10Nにおける接触抵抗値に着目し、初期状態から高温放置後に上昇した値を、抵抗上昇値とした。
表2に、実施例及び比較例にかかるスズ−パラジウム合金含有層が形成されためっき部材およびスズめっき層が形成されためっき部材について、初期(高温放置前)と高温放置後に荷重10Nで計測した接触抵抗値とその上昇量を示す。
表2の結果によると、3種のスズ−パラジウム合金含有層を形成しためっき部材のいずれにおいても、高温放置による接触抵抗値の上昇は、スズめっき部材とほぼ同程度であった。つまり、硬いスズ−パラジウム合金含有層を表面に形成することによって、高温放置による接触抵抗値の上昇の程度がスズめっき部材よりも大きくなるような現象は生じていない。なお、合金化前のスズめっき層の厚さを2μmでなく1μmとしてスズ−パラジウム合金層を形成しためっき部材についても、同様の測定を行ったが、やはり高温放置による接触抵抗値の上昇はスズめっき部材と同程度であった。なお、Pd含有量が実施例2の場合と重複する領域にありながら、初期の接触抵抗に実施例2の場合と差があるのは、めっき部材の作製条件および接触抵抗の計測条件における不可避的なばらつきによるものである。
<実施例4:接点部の形状と摩擦係数の関係の評価>
摩擦係数は、接点部表面の金属層の構成のみならず、端子対を構成する接点部の形状にも影響されるものであるので、端子対の接点部の形状をどのようにすれば、スズ−パラジウム合金含有層による摩擦係数低減の効果が高くなるかを見積もるため、接点形状を変化させて摩擦係数の測定を行った。つまり、実施例1と同様に形成したPdの含有量が1原子%、4原子%、7原子%のめっき部材とスズめっき部材を用いて、平板状端子タブを有する雄型コネクタ端子と、エンボス状接点部を有する雌型コネクタ端子をそれぞれ形成した。そして、雄型コネクタ端子と雌型コネクタ端子の両方をスズ−パラジウム合金めっき部材より形成した場合、および、いずれか一方をスズ−パラジウム合金めっき部材より形成し、他方をスズめっき部材より形成した場合について、実施例1の場合と同様にして、摩擦係数を測定した。ここで、測定荷重は3N、5N、10Nの3通りとし、雌型コネクタ端子としては、エンボスの半径(R)が1mmのものと3mmのものの2通りを使用した。
摩擦係数は、接点部表面の金属層の構成のみならず、端子対を構成する接点部の形状にも影響されるものであるので、端子対の接点部の形状をどのようにすれば、スズ−パラジウム合金含有層による摩擦係数低減の効果が高くなるかを見積もるため、接点形状を変化させて摩擦係数の測定を行った。つまり、実施例1と同様に形成したPdの含有量が1原子%、4原子%、7原子%のめっき部材とスズめっき部材を用いて、平板状端子タブを有する雄型コネクタ端子と、エンボス状接点部を有する雌型コネクタ端子をそれぞれ形成した。そして、雄型コネクタ端子と雌型コネクタ端子の両方をスズ−パラジウム合金めっき部材より形成した場合、および、いずれか一方をスズ−パラジウム合金めっき部材より形成し、他方をスズめっき部材より形成した場合について、実施例1の場合と同様にして、摩擦係数を測定した。ここで、測定荷重は3N、5N、10Nの3通りとし、雌型コネクタ端子としては、エンボスの半径(R)が1mmのものと3mmのものの2通りを使用した。
表3に、各組み合わせについて測定された摩擦係数を示す。ここで、各摩擦係数は、雄型コネクタ端子と雌型コネクタ端子の両方をスズめっき部材より形成した場合に測定される摩擦係数を100%とした相対値で示してある。なお、摩擦係数の値が実施例1および実施例2の場合と若干異なるのは、めっき部材の作製条件および摩擦係数の計測条件における不可避的なばらつきによるものである。
表3の結果によると、雄型コネクタ端子、雌型コネクタ端子の両方がスズ−パラジウム合金めっき部材よりなる場合の方が、いずれか一方のみがスズ−パラジウム合金めっき部材よりなる場合よりも、摩擦係数が小さくなっている。とりわけ、表中に太字で示した、エンボスの半径が3mmの場合に、低い摩擦係数が得られている。エンボスの半径が3mmの場合に着目すると、雌型コネクタ端子のみがスズ−パラジウム合金めっき部材よりなる場合に、雄型コネクタ端子のみがスズ−パラジウム合金めっき部材よりなる場合よりも、摩擦係数が低くなっており、両方がスズ−パラジウム合金めっき部材よりなる場合と近い値が得られている。つまり、スズ−パラジウム合金めっきを平板状接点部に適用するよりも、エンボス状接点部、特に3mm以上のように大きな半径を有するエンボス状接点部に適用する場合の方が、その摩擦係数低減効果が大きく発揮されることが分かった。さらに、雄型コネクタ端子、雌型コネクタ端子の両方がスズ−パラジウム合金めっき部材よりなる場合において、測定荷重(接触荷重)が5N以上である場合に、とりわけ低い摩擦係数が得られている。
なお、表3は、雄型コネクタ端子、雌型コネクタ端子の双方をスズめっき部材より構成した場合を比較例とした相対値で示しており、この比較例において既に低い摩擦係数が得られている場合には、いずれか一方をスズ−パラジウム合金めっき部材よりなるものとしても、測定精度の範囲内で、摩擦係数に有意な差が観測できない場合もある。このような場合に、表3中では「100%」と記載されており、絶対値としての摩擦係数の値は、コネクタ端子として用いるのに十分低いものとなっている。
<まとめ>
以上より、銅又は銅合金よりなる母材の上にスズ−パラジウム合金含有層を形成することにより、従来のスズめっきが形成された場合に比べて、高温放置による接触抵抗上昇値が増大することを回避しつつ、摩擦係数低減の効果が得られることが明らかになった。そして、スズ−パラジウム合金層表面における合金部の露出面積率を10〜80%、表面の光沢度を10〜300%とすることで、摩擦係数の低減と、接触抵抗の抑制を両立できることが分かった。また、接点部における接触荷重を2N以上とすれば、小さい値に安定した接触抵抗を得やすく、さらに5N以上とすれば、特に低い摩擦係数を得やすいことが分かった。また、スズ−パラジウム合金層をエンボス状接点部を有する雌型端子に適用し、さらにエンボスの半径を3mmとすることで、摩擦係数低減の効果が得やすいことが分かった。
以上より、銅又は銅合金よりなる母材の上にスズ−パラジウム合金含有層を形成することにより、従来のスズめっきが形成された場合に比べて、高温放置による接触抵抗上昇値が増大することを回避しつつ、摩擦係数低減の効果が得られることが明らかになった。そして、スズ−パラジウム合金層表面における合金部の露出面積率を10〜80%、表面の光沢度を10〜300%とすることで、摩擦係数の低減と、接触抵抗の抑制を両立できることが分かった。また、接点部における接触荷重を2N以上とすれば、小さい値に安定した接触抵抗を得やすく、さらに5N以上とすれば、特に低い摩擦係数を得やすいことが分かった。また、スズ−パラジウム合金層をエンボス状接点部を有する雌型端子に適用し、さらにエンボスの半径を3mmとすることで、摩擦係数低減の効果が得やすいことが分かった。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
Claims (14)
- 銅又は銅合金よりなる母材の上に、スズとパラジウムよりなり、スズ−パラジウム合金を含む合金含有層が形成されており、
前記合金含有層におけるパラジウムの含有量は、20原子%未満であり、
前記合金含有層は、スズとパラジウムの合金よりなる第一金属相のドメイン構造が、純スズ又は前記第一金属相よりもパラジウムに対するスズの割合が高い合金よりなる第二金属相の中に形成されたものであることを特徴とするコネクタ用めっき端子。 - 前記合金含有層におけるパラジウムの含有量は、1原子%以上であることを特徴とする請求項1に記載のコネクタ用めっき端子。
- 前記合金含有層の表面に占める前記第一金属相の露出面積率は10%以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のコネクタ用めっき端子。
- 前記合金含有層の表面に占める前記第一金属相の露出面積率は80%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のコネクタ用めっき端子。
- 表面の光沢度が10〜300%の範囲にあることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のコネクタ用めっき端子。
- 前記合金含有層の厚さが0.8μm以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のコネクタ用めっき端子。
- 前記合金含有層の表面を相互に摩擦させた時の動摩擦係数が0.4以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のコネクタ用めっき端子。
- 前記合金含有層のビッカース硬度が100以上であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のコネクタ用めっき端子。
- 他の導電部材と電気的に接触する接点部の表面に、前記接点部を横切る直線のうち最長の直線よりも短い径を有する前記第一金属相のドメインが露出されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のコネクタ用めっき端子。
- 前記接点部は、エンボスとして形成されていることを特徴とする請求項9に記載のコネクタ用めっき端子。
- 前記エンボスの半径が3mm以上であることを特徴とする請求項10に記載のコネクタ用めっき端子。
- 雄型コネクタ端子と雌型コネクタ端子とからなり、
前記雄型コネクタ端子と前記雌型コネクタ端子の少なくとも一方が請求項1〜11のいずれかに記載のコネクタ用めっき端子よりなることを特徴とする端子対。 - 前記雄型コネクタ端子と前記雌型コネクタ端子とが相互に接触する接点部に印加される接触荷重が、2N以上であることを特徴とする請求項12に記載の端子対。
- 前記接触荷重は、5N以上であることを特徴とする請求項13に記載の端子対。
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