JP6282205B2 - 電気接点材料の製造方法 - Google Patents

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本発明は、電気接点材料を製造する方法に関する。
自動車用ワイヤーハーネス等に用いられる端子は、Cu(銅)合金よりなる基材の表面にSn(スズ)めっき膜を有する電気接点材料から構成されていることが多い。このような電気接点材料よりなる端子は、軟らかいSnめっき膜の存在により、相手方端子との間の接触抵抗を低減することができる。
表面にSnめっき膜を有する電気接点材料を用いた端子の例として、例えば特許文献1には、Cu合金からなる基材の表面に、順次、Niめっき層、Cuめっき層及びSnめっき層を積層してなるめっき皮膜を有する基板用端子が開示されている。
特開2003−147579号公報
しかしながら、Snめっき膜は軟らかいSnより構成されているため、外力を受けた際に変形や摩耗等が発生しやすいという問題がある。例えば、表面にSnめっき膜を有する電気接点材料から作製した端子は、相手方端子との摺動時における摩擦係数が大きくなり、その結果、端子挿入力が大きくなりやすい。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、接触抵抗及び摩擦係数の低い電気接点材料の製造方法を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、金属よりなる基材上に、Snめっき膜と、該Snめっき膜上に積層され表面に露出したPdめっき膜とを含む多層金属膜を形成し、
その後、該多層金属膜を230〜400℃の加熱温度で0.3〜120秒間加熱するリフロー処理を施して、Sn系母相中にSn−Pd合金相が分散した金属層と、該金属層上に形成された不導体皮膜とを含む被覆層を形成することを特徴とする電気接点材料の製造方法にある。
上記電気接点材料の製造方法によれば、上記多層金属膜にリフロー処理を施すことにより、上記Sn−Pd(スズ−パラジウム)合金を含む被覆層を形成することができる。Sn−Pd合金は純Snに比べて硬いため、Sn−Pd合金を含む被覆層は、外力を受けた際の変形や摩耗等を抑制することができる。それ故、例えば上記電気接点材料から作製した端子は、従来のSnめっき膜を有する端子に比べて低い摩擦係数を有し、端子挿入力を低減することができる。
また、上記の製造方法は、上記多層金属膜の表面に上記Pdめっき膜が露出した状態でリフロー処理を施すよう構成されている。そのため、得られる電気接点材料は、従来のSnめっき膜を有する電気接点材料に比べて低い接触抵抗を有する。
上記の作用効果は、例えば以下のような理由によるものと考えられる。即ち、上記リフロー処理においては、上記多層金属膜の表面が酸化され、被覆層の表面に不導体皮膜が形成される。上記Snめっき膜よりも酸化されにくい上記Pdめっき膜が多層金属膜の表面に存在することにより、リフロー処理後の不導体皮膜の厚みを低減することができ、ひいては接触抵抗を低減できると考えられる。
以上のように、上記電気接点材料の製造方法によれば、接触抵抗及び摩擦係数の低い電気接点材料を容易に作製することができる。
実施例における、基材及び基材上に形成した多層金属膜の断面図。 実施例における、Sn系母相中にSn−Pd合金相が分散した合金分散層を含む被覆層を有する電気接点材料の断面図。 実施例における、Sn−Pd合金層を含む被覆層を有する電気接点材料の断面図。 実験例における、試料E1の接触抵抗測定の結果を示すグラフ。 実験例における、試料C1の接触抵抗測定の結果を示すグラフ。 実験例における、摩擦係数測定の結果を示すグラフ。
上記電気接点材料の製造方法において、基材は、導電性を有する種々の金属から選択することができる。例えば、基材としては、Cu(銅)、Al(アルミニウム)、Fe(鉄)及びこれらの金属を含む合金を採用することができる。また、基材の形状は、棒状、板状等の種々の形状から適宜選択することができる。例えば、板状の基材を用いる場合には、通常、0.2〜2mm程度の厚みを有するものが用いられる。
基材上に形成する多層金属膜は、少なくともSnめっき膜とPdめっき膜とを含んでいれば良い。例えば、多層金属膜がSnめっき膜及びPdめっき膜の2層構造を有する場合には、基材上に直接Snめっき膜が積層される。Snめっき膜及びPdめっき膜は、電気めっき法等の従来公知の方法により作製することができる。
Pdめっき膜の膜厚は、Pdの使用によるコスト増大を抑制する観点から、2μm以下であることが好ましい。即ち、被覆層中にSn−Pd合金を形成して摩擦係数低減の効果を得るためには、ごく薄い膜厚のPdめっき膜が多層金属膜中に存在していればよい。Pdめっき膜の膜厚が2μmを超える場合には、使用するPd量に見合った効果を得ることが難しい。Pdの使用によるコスト増大を抑制しつつ、Sn−Pd合金による摩擦係数低減の効果を十分に得るためには、Pdめっき膜の膜厚を2μm以下とすることが好ましく、0.05μm以下とすることがより好ましい。
一方、Pdめっき膜の膜厚が0.01μm未満の場合には、被覆層に含まれるPd量が不足するおそれがあり、Sn−Pd合金による摩擦係数低減の効果が不十分となるおそれがある。それ故、Pdめっき膜は、0.01〜0.05μmの膜厚を有することが更に好ましい。
Snめっき膜の膜厚は、0.2〜20μmであることが好ましい。この場合には、被覆層中にSn−Pd合金を確実に形成することができ、その結果、摩擦係数低減の効果を確実に得ることができる。Snめっき膜の膜厚が0.2μm未満の場合には、被覆層中に含まれるSn量が不足するため、所望の電気特性が得られなくなるおそれがあり、場合によっては接触抵抗を低減する効果が不十分となるおそれがある。一方、Snめっき膜の膜厚が20μmを超える場合には、被覆層中に含まれるPd量が不足するおそれがあり、摩擦係数低減の効果が不十分となるおそれがある。接触抵抗低減及び摩擦係数低減の効果を十分に得るためには、Snめっき膜の膜厚を0.2〜20μmとすることが好ましく、0.5〜5μmとすることがより好ましい。
また、多層金属膜は、基材上に積層された下地めっき膜を含んでいてもよい。基材上に下地めっき膜を設ける場合には、下地めっき膜、Snめっき膜及びPdめっき膜が基材上に順次積層される。下地めっき膜は、1層の金属膜であっても良く、2層以上の金属膜より構成されていてもよい。
下地めっき膜に含まれる金属膜は、リフロー処理が施された後に、例えば、基材を構成する金属元素の拡散を抑制する作用や、下地めっき膜よりも表面側の層と基材との密着性を向上させる作用を有するように、基材の材質に応じて適宜選択することができる。下地めっき膜としては、例えば、Ni(ニッケル)めっき膜、Cuめっき膜、Co(コバルト)めっき膜等の金属膜を採用することができる。基材がCuまたはCu合金である場合には、下地めっき膜として、膜厚0.5〜3.0μmのNiめっき膜を採用することが好ましい。
リフロー処理は、大気雰囲気下で行われる。リフロー処理における加熱温度は230〜400℃であり、加熱時間は0.3〜120秒である。この場合には、被覆層中にSn−Pd合金を確実に形成することができる。リフロー処理における温度範囲が上記の範囲より低い場合及び時間範囲が上記の範囲よりも短い場合には、被覆層中のSn−Pd合金の含有量が不十分となるおそれがあり、摩擦係数低減の効果が不十分となるおそれがある。一方、リフロー処理における温度範囲が上記の範囲より高い場合及び時間範囲が上記の範囲よりも長い場合には、基材からの金属元素の拡散等の問題が発生するおそれがあり、場合によっては接触抵抗を低減する効果が不十分となるおそれがある。
上記の製造方法により得られた電気接点材料は、基材上にSn−Pd合金を含む被覆層を有している。被覆層の表面には、リフロー処理に伴って金属酸化物よりなる不導体皮膜が形成される。また、不導体皮膜の直下には、Sn−Pd合金を含む金属層が存在している。上記金属層において、Sn−Pd合金は種々の態様で存在し得る。
例えば、上記金属層は、そのほぼ全体がSn−Pd合金から構成されている態様をとることができる。Sn−Pd合金は、Sn及びPdからなる2元系Sn合金であってもよく、少なくともSnとPdとを含む多元系Sn合金であってもよい。Sn及びPd以外にSn−Pd合金に含まれ得る元素としては、基材から拡散する金属元素、下地めっき膜に含まれる金属元素及び不可避不純物等がある。
また、上記金属層は、Sn系母相中にSn−Pd合金相が分散した海島構造を有していてもよい。ここで、Sn−Pd合金相は、上記のSn−Pd合金よりなる相である。また、Sn系母相には、主成分としてのSn以外に、Sn−Pd合金相に含まれなかった微量のPd、基材から拡散する金属元素、下地めっき膜に含まれる金属元素及び不可避不純物等が含まれ得る。
上記金属層は、以上に例示する態様以外の態様をとることも可能である。上記被覆層にSn−Pd合金が含まれていれば、摩擦係数を低減する効果を奏することができる。
以上により得られた電気接点材料には、用途に応じた形状となるように加工が施される。例えば、電気接点材料を用いて端子を作製する場合には、打ち抜き加工や曲げ加工等を施すことにより、公知の形状を有するオス型端子、メス型端子、PCB(Printed Circuit Board)用コネクタピン等とすることができる。
(実施例)
上記電気接点材料の製造方法の実施例について、図を用いて説明する。まず、図1に示すように、金属よりなる基材2上に、Snめっき膜31と、Snめっき膜31上に積層され表面300に露出したPdめっき膜32とを含む多層金属膜3を形成する。その後、多層金属膜3を加熱するリフロー処理を施して、図2または図3に示すようにSn−Pd合金を含む被覆層4(4a、4b)を形成する。以上により電気接点材料1を作製することができる。以下、詳説する。
まず、基材2として、Cu、Al、Fe及びこれらの合金等からなる金属部材を準備し、必要に応じて前処理を実施した。本例においては、Cu合金よりなる板材を基材2として用いた。なお、前処理には、例えば、加工油を除去するための脱脂洗浄や、自然酸化膜を除去するための酸洗浄等の処理が含まれており、用いる基材2の材質等に応じて適宜組み合わせることができる。
次いで、電気めっき法により基材2上に多層金属膜3を形成した。本例の多層金属膜3は、図1に示すように3層構造を有しており、基材2上に下地めっき膜としてのNiめっき膜5、Snめっき膜31及びPdめっき膜32が順次積層されている。Niめっき膜5、Snめっき膜31及びPdめっき膜32の膜厚は、それぞれ、3μm、1.0μm及び0.02μmとした。また、めっき膜を形成する際の浴組成及び析出条件は、従来公知の条件から適宜選択した。
その後、多層金属膜3を280℃で1分程度加熱するリフロー処理を施し、Sn−Pd合金を含む被覆層4を形成した。以上により、電気接点材料1を得た。
図2及び図3に、リフロー処理後の電気接点材料1における、基材2上に存在する被覆層4a、4bの構造の例を示す。電気接点材料1は、例えば図2に示すように、基材2上に、Ni層41、Sn−Ni合金層42及び合金分散層43が順次積層された被覆層4aを有することがある。合金分散層43の表面には、リフロー処理の際に形成された不導体皮膜431が存在している。合金分散層43は、Snめっき膜31とPdめっき膜32とが合金化して形成された層であり、Sn系母相432中にSn−Pd合金相433が分散した海島構造を有している。
Ni層41及びSn−Ni合金層42は、多層金属膜3中のNiめっき膜5に由来する層である。Ni層41は、基材2のCuが合金分散層43へ拡散することを防止する作用を有する。また、Sn−Ni合金層42は、Niめっき膜5の一部とSnめっき膜31の一部とが合金化して形成された層であり、合金分散層43の密着性を向上させる作用を有する。
また、電気接点材料1は、例えば図3に示すように、基材2上に、Ni層41、Sn−Ni合金層42、Sn層44及びSn−Pd合金層45が順次積層された被覆層4bを有することがある。Sn−Pd合金層45は、Snめっき膜31とPdめっき膜32とが合金化して形成された層であり、全面がSn−Pd合金より構成されている。Sn−Pd合金層45の表面には、リフロー処理の際に形成された不導体皮膜451が存在している。また、Sn層44は、Pdと合金化しなかったSnめっき膜31よりなる層である。なお、Ni層41及びSn−Ni合金層42については、上述と同様である。
図2及び図3に例示するように、上記電気接点材料1の製造方法によれば、多層金属膜3にリフロー処理を施すことにより、基材2上にSn−Pd合金を含む被覆層4を形成することができる。それ故、上述したように、接触抵抗及び摩擦係数の低い電気接点材料1を容易に作製することができる。
(実験例)
本例は、上記の製造方法により作製した電気接点材料1の性能評価を行った例である。本例においては、実施例の製造方法により作製した電気接点材料1から採取した試料(以下、「試料E1」という。)を用いて、以下の方法により摩擦係数及び接触抵抗の測定を行った。
本例においては、試料E1との比較のために、試料C1及び試料C2を作製し、測定に供した。試料C1は、Snめっき膜31とPdめっき膜32との積層順を入れ替えた以外は、実施例と同様の手順により作製した電気接点材料1から採取した試料である。また、試料C2は、Snめっき膜を表面に有する従来の電気接点材料1から採取した試料である。
<接触抵抗測定>
実施例の電気接点材料1から採取した板状材にプレス加工を施し、半径1mmの半球状エンボス部を有する相手部材を準備した。次いで、試料E1に相手部材の半球状エンボス部を当接させ、被覆層4同士を接触させた。この状態から相手部材に加える荷重を徐々に大きくし、40Nまで印加した。その後、相手部材に加える荷重を徐々に小さくした。そして、相手部材に荷重が印加されている間の、試料E1と相手部材との間の接触抵抗を測定した。
また、試料E1に替えて試料C1を用い、上述と同様の手順により、試料C1と相手部材との間の接触抵抗を測定した。
図4及び図5に、試料E1の測定結果及び試料C1の測定結果をそれぞれ示す。なお、図4及び図5の縦軸は接触抵抗(mΩ)の値であり、横軸は相手部材に加えた荷重(N)である。また、縦軸及び横軸の目盛りは対数表示とした。
図4及び図5より知られるように、試料E1は、荷重を増加させて1Nに達した時点(符号P)での接触抵抗の値が10mΩ以下であった。この結果は、コネクタ端子に要求される特性を十分に満足できる結果である。一方、試料C1は、荷重を増加させて1Nに達した時点(符号P)での接触抵抗の値が10mΩ以下であったものの、試料E1に比べて測定初期における接触抵抗が大きかった。
また、図4においては、荷重を増加させる際に接触抵抗が一定の傾きで直線的に減少する傾向があったが、図5においては、2N程度の荷重を境界(符号Q)として、低荷重領域(符号Q1)における接触抵抗の傾きが高荷重領域(符号Q2)における接触抵抗の傾きよりも大きくなる傾向があった。この結果は、以下のように解釈することができる。
導体間の接触抵抗は、主に、不導体皮膜の存在に由来する皮膜抵抗と、導体間の真実接触面積に由来する集中抵抗とに分けることができる。皮膜抵抗及び接触抵抗は、特開2002−5141号公報等に示されているように、既にモデルを用いて定式化されている。例えば、平坦な接触面を有する導体同士を接触させた場合に、接触抵抗Rkは、下記式(1)により表すことができる。なお、下記式(1)の第1項は集中抵抗を表し、第2項は皮膜抵抗を表す項である。
Figure 0006282205
ここで、上記式(1)におけるFは接触荷重、Sは見かけの接触面積、Kは表面粗度、Hは硬度、ρは金属抵抗率、ρfは皮膜抵抗率、dは不導体皮膜の厚さである。
上記式(1)より知られるように、集中抵抗は荷重の−1/2乗に比例し、皮膜抵抗は荷重の−1乗に比例する。それ故、低荷重領域においては皮膜抵抗の寄与が大きく、荷重の増大に伴う接触抵抗の減少割合が比較的大きくなる。一方、高荷重領域においては集中抵抗の寄与が大きくなり、低荷重領域に比べて接触抵抗の減少割合が小さくなる。接触抵抗の値を縦軸にとり、荷重の値を横軸にとった両対数プロットにおいて、集中抵抗の寄与が支配的な場合のプロット点の近似直線の傾きは、理想的には−0.5となる。同様に、皮膜抵抗の寄与が支配的な場合のプロット点の近似直線の傾きは、理想的には−1となる。
図4においては、荷重を増加させる際の近似直線の傾きは、約−0.5であった。このことは、試料E1においては、測定開始直後から集中抵抗の寄与が支配的であることを示している。一方、図5においては、荷重が2N以下の低荷重領域における近似直線の傾きは約−1であり、2N以上の高荷重領域における近似直線の傾きは約−0.5であった。このことは、低荷重領域においては皮膜抵抗の寄与が支配的であり、高荷重領域においては集中抵抗の寄与が支配的であることを示している。以上の結果から、試料E1は、試料C1に比べて、接触抵抗への不導体皮膜の寄与が小さいことが理解できる。これは、例えば、試料E1の不導体皮膜の膜厚が試料C1よりも薄いなどの原因によるものと考えられる。
<摩擦係数測定>
上記の相手部材における半球状エンボス部と試料E1の被覆層4とを当接させ、両者の間に3Nの荷重を印加した。そして、この荷重を維持しつつ、半球状エンボス部を試料E1に対して6mm/秒の速度で移動させ、試料E1の動摩擦係数を測定した。
また、試料E1に替えて試料C2を用い、上述と同様の手順により、試料C2の動摩擦係数を測定した。
動摩擦係数の測定結果を図6に示す。図6の縦軸は動摩擦係数の値であり、横軸は半球状エンボス部の移動距離(mm)である。なお、図6においては、試料E1の測定結果を実線(符号R)により示し、試料C2の測定結果を破線(符号S)により示した。
図6より知られるように、試料E1の動摩擦係数は、半球状エンボス部の移動を開始した直後に0.35程度まで上昇し、その後、さらに上昇することなく、0.35程度の値を維持した。一方、試料C2の動摩擦係数は、半球状エンボス部の移動を開始した直後に0.35程度まで上昇した後、移動距離が大きくなるにつれて徐々に増加した。この結果から、試料E1は、従来の電気接点材料に比べて摩擦係数を長期間に亘って低い値に保つことができ、摺動に伴う摩耗等を抑制できることが理解できる。
本例より知られるように、上記製造方法により作製した電気接点材料1は、接触抵抗及び摩擦係数の両方が低い。また、電気接点材料1は、端子に要求される特性を容易に満足することができ、端子の素材として好適である。
1 電気接点材料
2 基材
3 多層金属膜
31 Snめっき膜
32 Pdめっき膜
300 表面

Claims (6)

  1. 金属よりなる基材上に、Snめっき膜と、該Snめっき膜上に積層され表面に露出したPdめっき膜とを含む多層金属膜を形成し、
    その後、該多層金属膜を230〜400℃の加熱温度で0.3〜120秒間加熱するリフロー処理を施して、Sn系母相中にSn−Pd合金相が分散した金属層と、該金属層上に形成された不導体皮膜とを含む被覆層を形成することを特徴とする電気接点材料の製造方法。
  2. 上記Pdめっき膜の膜厚は2μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の電気接点材料の製造方法。
  3. 上記Snめっき膜の膜厚は0.2〜20μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気接点材料の製造方法。
  4. 上記多層金属膜は、上記基材上に積層された下地めっき膜を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電気接点材料の製造方法。
  5. 上記下地めっき膜は、膜厚0.5〜3.0μmのNiめっき膜であることを特徴とする請求項4に記載の電気接点材料の製造方法。
  6. 上記被覆層は、半径1mmのエンボス部を有する相手部材を当接させた後、該相手部材に加える荷重を徐々に大きくしながら上記被覆層と上記相手部材との接触抵抗を測定した場合に、測定開始直後から集中抵抗の寄与が支配的となる特性を有していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電気接点材料の製造方法。
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