JP2014001361A - 修飾セルロースナノファイバーとその製造方法、樹脂組成物、成形体 - Google Patents

修飾セルロースナノファイバーとその製造方法、樹脂組成物、成形体 Download PDF

Info

Publication number
JP2014001361A
JP2014001361A JP2013049653A JP2013049653A JP2014001361A JP 2014001361 A JP2014001361 A JP 2014001361A JP 2013049653 A JP2013049653 A JP 2013049653A JP 2013049653 A JP2013049653 A JP 2013049653A JP 2014001361 A JP2014001361 A JP 2014001361A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cellulose nanofiber
modified
resin composition
modified cellulose
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013049653A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6150569B2 (ja
Inventor
Kohei Shiromizu
航平 白水
Hirokazu Kamioka
弘和 上岡
Takeshi Iizuka
武史 飯塚
Kunihisa Koo
邦寿 小尾
Norichika Fukushima
徳近 福島
Takashi Magara
敬 真柄
Tetsuya Endo
哲也 遠藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Olympus Corp filed Critical Olympus Corp
Priority to JP2013049653A priority Critical patent/JP6150569B2/ja
Publication of JP2014001361A publication Critical patent/JP2014001361A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6150569B2 publication Critical patent/JP6150569B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Materials For Medical Uses (AREA)
  • Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)

Abstract

【課題】耐熱性が高く、補強効果に優れた修飾セルロースナノファイバーとその製造方法、前記修飾セルロースナノファイバーを含有する樹脂組成物、前記樹脂組成物を成形した成形体の提供。
【解決手段】本発明の修飾セルロースナノファイバーは、セルロースナノファイバーの水酸基が修飾基により修飾されている修飾セルロースナノファイバーであって、前記修飾基が、フッ素原子が結合した炭素原子が2つ以上である化学構造を有することを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、修飾セルロースナノファイバーとその製造方法、樹脂組成物、成形体に関する。
従来、セルロースナノファイバーは、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、エラストマー、ゴムなどの高分子化合物(以下、これらを総称して「樹脂」という。)の補強材として使用されている。
例えば特許文献1には、ゴム成分中にセルロースナノファイバーを含むゴム組成物が開示されている。
ところで、フッ素を含む熱可塑性樹脂(フッ素樹脂)、エラストマー(フッ素エラストマー)、ゴム(フッ素ゴム)は、耐薬品性や摺動性などに優れているので、医療機器、自動車、産業機械、OA機器、電気電子機器等の幅広い分野で使用されている。特にフッ素エラストマーやフッ素ゴムは適度な弾性を有するので、柔軟性を必要とする成形体の材料として好適に用いられる。
しかし、フッ素を含むこれらの樹脂は、他の樹脂に比べると強度が低い。そのため、フッ素を含む樹脂に補強材を配合して強度を高めることもある。
特開2009−263417号公報
しかしながら、樹脂、特にフッ素を含む樹脂にセルロースナノファイバーを配合した樹脂組成物は、セルロースナノファイバーの分散性が悪かった。そのため、セルロースナノファイバーによる補強効果が十分に得られず、樹脂組成物を成形した成形体は、強度を十分に満足するものではなかった。
また、樹脂組成物を成形した成形体は必ずしも耐熱性が十分ではなく、従来のセルロースナノファイバーは耐熱性の面でも改良の余地があった。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたもので、耐熱性が高く、補強効果に優れた修飾セルロースナノファイバーとその製造方法、前記修飾セルロースナノファイバーを含有する樹脂組成物、および前記樹脂組成物を成形した成形体を提供することを目的とする。
本発明は以下の態様を有する。
[1]セルロースナノファイバーの水酸基が修飾基により修飾されている修飾セルロースナノファイバーであって、前記修飾基が、フッ素原子が結合した炭素原子が2つ以上である化学構造を有することを特徴とする修飾セルロースナノファイバー。
[2]平均重合度が600〜30000であり、アスペクト比が20〜10000であり、平均直径が1〜800nmであり、2θの範囲を0°〜30°とするX線回折パターンが、14°≦2θ≦18°に1つ又は2つのピークと、20°≦2θ≦24°に1つ又は2つのピークとを有し、他にはピークを有さないセルロースナノファイバーの水酸基が、前記修飾基により修飾されていることを特徴とする[1]に記載の修飾セルロースナノファイバー。
[3][1]又は[2]に記載の修飾セルロースナノファイバーを樹脂中に含有することを特徴とする樹脂組成物。
[4]前記樹脂がエラストマー又はゴムであることを特徴とする[3]に記載の樹脂組成物。
[5]前記樹脂がフッ素を含むエラストマー又はフッ素を含むゴムであることを特徴とする[4]に記載の樹脂組成物。
[6][3]又は[4]に記載の樹脂組成物を成形したことを特徴とする成形体。
[7]医療用チューブ又は医療用パイプであることを特徴とする[6]に記載の成形体。
[8]セルロースナノファイバーの水酸基を修飾基で修飾する修飾セルロースナノファイバーの製造方法であって、前記修飾基が、フッ素原子が結合した炭素原子が2つ以上である化学構造を有することを特徴とする修飾セルロースナノファイバーの製造方法。
[9]平均重合度が600〜30000であり、アスペクト比が20〜10000であり、平均直径が1〜800nmであり、2θの範囲を0°〜30°とするX線回折パターンが、14°≦2θ≦18°に1つ又は2つのピークと、20°≦2θ≦24°に1つ又は2つのピークとを有し、他にはピークを有さないセルロースナノファイバーの水酸基を、前記修飾基により修飾することを特徴とする[8]に記載の修飾セルロースナノファイバーの製造方法。
本発明によれば、耐熱性が高く、補強効果に優れた修飾セルロースナノファイバーとその製造方法を提供することができ、前記修飾セルロースナノファイバーを含有する樹脂組成物、前記樹脂組成物を成形した成形体を提供することができる。
セルロースナノファイバーのX線回折分析結果である。
以下、本発明について詳細に説明する。
[修飾セルロースナノファイバー]
本発明の修飾セルロースナノファイバーは、セルロースナノファイバーの水酸基が修飾基により修飾(水酸基の水素原子が修飾基で置換)されている。
修飾基は、フッ素原子が結合した炭素原子が2つ以上である化学構造を有する。
水酸基が修飾されることで修飾セルロースナノファイバーの耐熱性が高まるため、これを含有する樹脂組成物を成形した成形体の耐熱性も向上する。
本発明の修飾セルロースナノファイバーは、熱分解温度が330℃以上であることが好ましく、350℃以上であることがより好ましい。330℃以上の熱分解温度は、従来のセルロースナノファイバーにはない高いものである。修飾基の化学構造が、フッ素原子が結合した炭素原子を2つ以上有する構造であれば、修飾セルロースナノファイバーの熱分解温度が330℃以上になりやすい。
また、フッ素原子が結合した炭素原子が2つ以上である化学構造を有する修飾基により水酸基が修飾された修飾セルロースナノファイバーは、修飾前のセルロースナノファイバー(以下、「未修飾セルロースナノファイバー」という。)に比べて、ファイバー表面に存在する水酸基が減少しているため、ファイバー間の水素結合による強い密着が抑制されている。そのため樹脂中での修飾セルロースナノファイバーの分散の均一性が向上し、優れた補強効果を発揮する。よって、これを含有する樹脂組成物を成形した成形体の強度も向上する。特に、フッ素を含む樹脂に本発明の修飾セルロースナノファイバーを配合すれば、フッ素を含む樹脂に対する修飾セルロースナノファイバーの親和性が高まるため、修飾セルロースナノファイバーの補強効果がより効果的に発揮され、成形体の強度がより向上する。
なお、修飾基の化学構造が、フッ素原子が結合した炭素原子を1つ有する構造の場合は、樹脂中で修飾セルロースナノファイバーが十分に分散せず、十分な補強効果が得られない。よって、成形体の強度も不十分となる。
セルロースナノファイバーの修飾率、つまり修飾セルロースナノファイバー中の全体の水酸基(修飾されている水酸基と修飾されていない水酸基との合計)のうち、修飾されている水酸基の割合は、0.01〜50%であることが好ましく、20〜40%であることがより好ましい。
修飾率は、元素分析により得られた炭素、水素、酸素の元素割合から算出できる。
本発明に用いる未修飾セルロースナノファイバーの平均重合度は、600〜30000であることが好ましく、600〜5000であることがより好ましく、800〜5000であることがさらに好ましい。平均重合度が600以上であれば、十分な補強効果が得られる。一方、平均重合度が30000以下であれば、混練時に粘性が高くならず、樹脂と混練しにくいといった問題点が生じにくい。
補強効果の観点から、未修飾セルロースナノファイバーのアスペクト比は、20〜10000であることが好ましく、20〜2000であることがより好ましい。アスペクト比が20以上であれば、十分な補強効果が得られる。一方、アスペクト比が10000以下であれば、修飾セルロースナノファイバーを含有した樹脂組成物の成形性が良好となる。また、アスペクト比が上記範囲内であれば、修飾セルロースナノファイバーは、分子同士の絡まりや網目構造が強固となり、成形体の機械的強度がより向上する。
なお、本発明において「アスペクト比」とは、未修飾セルロースナノファイバーにおける平均繊維長と平均直径の比(平均繊維長/平均直径)を意味する。
未修飾セルロースナノファイバーの平均直径は、1〜800nmであることが好ましく、1〜300nmであることがより好ましく、1〜100nmであることがさらに好ましい。平均直径が1nm以上であれば、製造コストがかからない。一方、平均直径が800nm以下であれば、アスペクト比が低下しにくく、その結果、安価で十分な補強効果が得られる。
未修飾セルロースナノファイバーの平均直径及び平均繊維長は、走査電子顕微鏡(SEM)により測定できる。例えば、未修飾セルロースナノファイバーが分散した分散液を基板上にキャストしてSEMで観察し、得られた1枚の画像当たり20本以上の繊維について直径と長さの値を読み取り、これを少なくとも3枚の重複しない領域の画像について行い、最低30本の繊維の直径と長さの情報を得る。得られた繊維の直径のデータから平均直径を算出し、長さのデータから平均繊維長を算出することができ、数平均繊維長と平均直径との比からアスペクト比を算出することができる。
セルロースI型はIα型結晶とIβ型結晶の複合結晶であり、木綿などの高等植物由来セルロースはIβ型結晶成分が多いが、バクテリアセルロースの場合はIα型結晶成分が多い。
未修飾セルロースナノファイバーは、X線回折パターンにおいて、Iβ型の結晶ピークを有することが好ましい。このとき、図1に示されるように2θの範囲を0°〜30°とするX線回折パターンが、Iβ型結晶特有のパターンを示す。該パターンは、14°≦2θ≦18°に1つ又は2つのピークと、20°≦2θ≦24°に1つ又は2つのピークとを有し、他にはピークを有さないことが好ましい。このようなX線回折パターンであれば、Iα型結晶成分の多いバクテリアセルロースに比べて補強効果がより高まる。
<修飾セルロースナノファイバーの製造方法>
本発明の修飾セルロースナノファイバーは、フッ素原子が結合した炭素原子が2つ以上である化学構造を有する修飾基で、上述した未修飾セルロースナノファイバーの水酸基を修飾することで得られる。
未修飾セルロースナノファイバーの水酸基の修飾は、未修飾セルロースナノファイバーに修飾剤を反応させることにより実施できる。
修飾方法としては、水酸基と反応し得るものであればよく、例えばエーテル化反応、エステル化反応、アリル化反応、シアノエチル化反応、アセタール化反応、ウレタン化反応などが挙げられる。これらの中でも、簡便で効率がよい点から、エーテル化反応、エステル化反応、ウレタン化反応が特に好ましい。
なお、目的のフッ素原子が結合した炭素原子を有する構造を一段階で水酸基に修飾できない場合は、中間体を作製してから修飾してもよい。
修飾剤としては、水酸基と反応し得るものであり、かつ水酸基を修飾して修飾基となったときに、フッ素原子が結合した炭素原子が2つ以上である化学構造を有するものであれば特に制限されないが、例えばエーテル化反応により修飾する場合はエーテル化剤を用い、エステル化反応により修飾する場合はエステル化剤を用いる。
エーテル化剤としては、例えばアルキルエーテル化剤、シリルエーテル化剤などが挙げられる。
アルキルエーテル化剤としては、例えば炭素数が2以上であるアルキル基のうち、少なくとも2つの炭素原子に結合した水素原子の一部または全部がフッ素原子に置換されたフルオロアルキル基を有するハロゲン化アルキル(ペンタフルオロエチルクロライド、n−ヘプタフルオロプロピルクロライド等);前記フルオロアルキル基を有する炭酸ジアルキル(パーフルオロジエチルカーボネート等);前記フルオロアルキル基を有する硫酸ジアルキル(パーフルオロジエチルサルフェイト等);炭素数が2以上であるアルキレン基のうち、少なくとも2つの炭素原子に結合した水素原子の一部または全部がフッ素原子に置換されたフルオロアルキレン基を有するアルキレンオキサイド(ヘキサフルオロプロピレンオキサイド等)などが挙げられる。
シリルエーテル化剤としては、例えば炭素数が2以上であるアルコキシ基のうち、少なくとも2つの炭素原子に結合した水素原子の一部または全部がフッ素原子に置換されたフルオロアルコキシ基を有する有機ケイ素化合物(2,2,2−トリフルオロエトキシトリメチルシラン、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロポキシトリメチルシラン、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブトキシトリメチルシラン、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロポキシトリエチルシラン、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロポキシジメチルエチルシラン等);シリルトリフルオロメタンスルホネート(tert−ブチルジメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート等)などが挙げられる。
エステル化剤としては、例えば炭素数が2以上であるアルキル基のうち、少なくとも2つの炭素原子に結合した水素原子の一部または全部がフッ素原子に置換されたフルオロアルキル基を有するカルボン酸(ペンタフルオロプロピオン酸、ヘプタフルオロブタン酸等);前記フルオロアルキル基を有するカルボン酸無水物(ペンタフルオロプロピオン酸無水物、ヘプタフルオロブタン酸無水物等);前記フルオロアルキル基を有するカルボン酸ハロゲン化物(ペンタフルオロプロピオン酸クロライド、ヘプタフルオロブタン酸クロライド等)などが挙げられる。
上述したエーテル化剤を用いれば、修飾基として、少なくとも2つの炭素原子に結合した水素原子の一部または全部がフッ素原子に置換されたフルオロアルキル基、フルオロアルキレン基、フルオロアルコキシ基が導入される。
また、上述したエステル化剤を用いれば、修飾基として、少なくとも2つの炭素原子に結合した水素原子の一部または全部がフッ素原子に置換されたフルオロアルキルカルボニル基が導入される。
また、ウレタン化反応により未修飾セルロースナノファイバーの水酸基を修飾する場合は、イソシアネートを有するフッ素化合物等の修飾剤で直接水酸基を修飾してもよいが、中間体を作製してから修飾してもよい。例えば2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートなどのイソシアネートとアクリル基の両方を有する化合物を未修飾セルロースナノファイバーの水酸基と反応させ中間体を作製した後、得られた中間体のアクリル基と、修飾剤としてアクリル基とフッ素原子が結合した炭素原子を両方有する構造を持つ化合物とを反応させるのが好ましい。
アクリル基とフッ素原子が結合した炭素原子を両方有する構造を持つ化合物としては、フルオロアルキル基を有するアルコールの(メタ)アクリル酸エステル((メタ)アクリル酸1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシル、(メタ)アクリル酸2,2,2−トリフロロエチル、(メタ)アクリル酸2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル、(メタ)アクリル酸2,2,3,3−テトラフルオロプロピル、(メタ)アクリル酸2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル、(メタ)アクリル酸1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル、(メタ)アクリル酸1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチル、(メタ)アクリル酸1H,1H,9H−ヘキサデカフルオロノニル等)などが挙げられる。
修飾剤としては、上述したエーテル化剤、エステル化剤、アクリル基とフッ素原子が結合した炭素原子を両方有する構造を持つ化合物に限定されず、例えば含フッ素系ポリマーを用いてもよい。
含フッ素ポリマーは、フッ素原子が結合した炭素原子を2つ以上有するモノマーを重合することで得られる。このようなモノマーとしては、例えば上述したフルオロアルキル基を有するアルコールの(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられる。
未修飾セルロースナノファイバーの修飾は、未修飾セルロースナノファイバーを含む溶液中に上述した修飾剤を添加し、反応させることにより実施できる。また、上述したように、中間体を作製してから修飾剤を添加して反応させてもよい。
修飾剤の使用量は、未修飾セルロースナノファイバーの所望の修飾率に応じて設定される。
未修飾セルロースナノファイバーと修飾剤との反応条件は、特に限定されるものではなく、公知のエーテル化反応、エステル化反応、ウレタン化反応等の反応条件に準ずればよい。
未修飾セルロースナノファイバーの修飾を行った後の処理液をろ過することにより、処理液中の修飾セルロースナノファイバーを回収できる。
未修飾セルロースナノファイバーとしては、市販品を用いてもよいし、公知の製造方法により製造したものを用いてもよい。
以下に、未修飾セルロースナノファイバーの製造の一例について説明する。
未修飾セルロースナノファイバーは、公知の方法により製造できる。例えば、含セルロース原料に、機械的せん断、化学的処理等の解繊処理を施すことにより製造できる。
含セルロース原料としては、特に限定されないが、リンター、綿、麻などの天然セルロース原料;クラフトパルプ、サルファイトパルプなどの木材化学処理パルプ;セミケミカルパルプ;古紙またはその再生パルプ等が挙げられる。コスト面、品質面、環境面から、木材化学処理パルプ、木材化学処理パルプが好ましく、平均重合度の高いリンターがより好ましい。含セルロース原料の形状は特に限定されないが、機械的せん断の容易さ、化学的処理における溶媒の浸透促進の観点から、含セルロース原料を適宜粉砕してから用いることが好ましい。
解繊処理には、機械的せん断、化学的処理のいずれも利用できる。化学的処理としては、N−メチルモルフォリン−N−オキシド(NMMO)法、銅アンモニア溶液法、イオン液体法、テトラアルキルアンモニウムアセテートと非プロトン性極性溶媒を含む溶液法等が挙げられる。
未修飾セルロースナノファイバーの製造方法としては、イオン液体や、テトラアルキルアンモニウムアセテートと非プロトン性極性溶媒を含む溶液を用いる方法が好ましい。この方法によれば、結晶化度が高く、アスペクト比の大きい未修飾セルロースナノファイバーの作製が可能となる。かかる未修飾セルロースナノファイバーは補強効果が高く、該未修飾セルロースナノファイバーを修飾した修飾セルロースナノファイバーを含有する樹脂組成物の成形体の強度向上効果に優れる。例えばアスペクト比が大きい未修飾セルロースナノファイバーは、分子同士の絡まりや網目構造が強固となるため、成形体に優れた機械的強度を付与する。
イオン液体を用いた未修飾セルロースナノファイバーの製造方法は、イオン液体を含む溶液(以下、処理液)中で含セルロース原料を解繊処理する工程を含む。
具体的には、処理液に含セルロース原料を添加し、撹拌すると、含セルロース原料が膨潤、溶解して未修飾セルロースナノファイバーが得られる。このときの処理液中のイオン液体の種類や濃度、撹拌条件、処理時間等を調節することで、未修飾セルロースナノファイバーの解繊度、結晶化度等を調節することができる。解繊度が高いほど、処理液中に含まれる未修飾セルロースナノファイバーの直径が小さくなる。このとき、機械せん断、粉砕、研磨、ホモジナイズ、超音波処理等の従来公知の手段を併用することもできる。これらの手段は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
処理液に用いるイオン液体としては、例えば、下記一般式(I)で表されるものが挙げられる。
Figure 2014001361
式(I)中、Rは炭素数1〜4のアルキル基であり、Rは炭素数1〜4のアルキル基またはアリル基であり、Xはハロゲン、擬ハロゲン、炭素数1〜4のカルボキシレート、またはチオシアネートである。
前記式(I)で表されるイオン液体としては、塩化1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム、臭化1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム、塩化1−アリル−3−メチルイミダゾリウム、臭化1−アリル−3−メチルイミダゾリウム、臭化1−プロピル−3−メチルイミダゾリウム等が挙げられる。
イオン液体のみで含セルロース原料を解繊処理することも出来るが、溶解力が高すぎて微細繊維まで溶解してしまうおそれがある場合、処理液としては、イオン液体と有機溶剤を含有する溶液を使用することが好ましい。
イオン液体に添加する有機溶剤は、イオン液体との相溶性、セルロースとの親和性、イオン液体との混合後の未修飾セルロースナノファイバーの溶解性、粘度などを考慮し適宜選択すればよいが、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルフォキサイド、アセトニトリル、メタノール、エタノールから選ばれる少なくとも1種が好ましい。これらの有機溶剤の共存により、セルロースの微細繊維間へのイオン液体の浸透が促進される。またイオン液体による微細繊維の結晶構造の破壊を防ぐことができる。
前記処理液中のイオン液体の含有量は、含セルロース原料、イオン液体、有機溶剤の種類に依存するため適宜調整すればよいが、膨潤、溶解能力の観点から、20質量%以上が好ましい。特に、含セルロース原料に対する溶解力の高い有機溶剤を用いる場合には30質量%以上がより好ましい。メタノールなどのアルコール溶媒では、含セルロース原料に対する溶解力は低いため、イオン液体の含有量は50質量%以上であることが好ましく、より好ましくは70質量%以上である。
前記処理液に対する含セルロース原料の添加量は、添加前の処理液の質量を100質量%とした場合、0.5〜30質量%の範囲にあることが好ましい。経済的な効率の観点から0.5質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましい。解繊度の均一性の観点から30質量%以下が好ましく、20質量%がより好ましい。
解繊処理の処理温度は特に限定されるものではなく、含セルロース原料を膨潤し微細繊維間の結合物を軟化・溶解できるための適切な温度を選択すればよいが、通常は20〜120℃がよい。20℃未満であると、処理速度が低い、処理液の粘度が高い等により解繊効果が低くなるおそれがある。そのため、解繊の工程が別途必要になってくる。120℃を超えると、ナノファイバーまで溶解してしまい、ナノファイバーにダメージを与える、ナノファイバーの収率が低くなる等のおそれがある。
上記のようにして解繊処理を行った後の処理液を、ろ過や遠心分離やその他公知の分離法を行うことにより、処理液中の未修飾セルロースナノファイバーを回収できる。
前記処理液中で、解繊処理と並行して、または解繊処理後に、セルロースナノファイバーの修飾を行ってもよい。
並行して行う場合も、処理液中の修飾セルロースナノファイバーをろ過や遠心分離やその他公知の分離法により回収できる。
なお、化学的処理で、イオン液体やイオン液体と有機溶剤を含有する溶液の代わりに、テトラアルキルアンモニウムアセテートと非プロトン性極性溶媒を含む溶液を用いても、イオン液体と同様に補強効果に優れたセルロースナノファイバーが得られる。
テトラアルキルアンモニウムアセテートにおけるアルキル基としては、炭素数3〜6のアルキル基が好ましい。テトラアルキルアンモニウムアセテートにおけるアルキル基の炭素数が3〜6である場合、セルロースを十分に膨潤および/または部分溶解することができる。
テトラアルキルアンモニウムアセテートの具体例としては、テトラプロピルアンモニウムアセテート、テトラブチルアンモニウムアセテート、テトラペンチルアンモニウムアセテート、テトラヘキキルアンモニウムアセテート等が挙げられる。中でも、テトラブチルアンモニウムアセテートがより好ましい。テトラアルキルアンモニウムアセテートとしては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
非プロトン性極性溶媒としては、アミド系溶媒、スルホキシド系溶媒およびピリジン系溶媒から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
具体的には、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、N,N’−ジメチルプロピレン尿素、N,N’−ジメチルエチレン尿素、テトラメチル尿素、テトラエチル尿素、N,N,N’N’−テトラメチル尿素、ピリジン、4−メチルピリジン、2,6−ジメチルピリジン、2,4,6−トリメチルピリジン、およびこれらの誘導体等が挙げられる。中でも、N,N−ジエチルアセトアミドが好ましい。非プロトン性極性溶媒としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
非プロトン性極性溶媒を用いることにより、セルロースナノファイバー間への溶液の浸透が促進され、解繊を効率よく行うことができる。また、セルロースナノファイバーの結晶構造の破壊も防止できる。
<作用効果>
以上説明した本発明の修飾セルロースナノファイバーによれば、フッ素原子が結合した炭素原子が2つ以上である化学構造を有する修飾基により水酸基が修飾されているので、耐熱性に優れる。また、ファイバー間の水素結合による強い密着が抑制されるので、樹脂中での修飾セルロースナノファイバーの分散の均一性が向上し、優れた補強効果を発揮する。
また、本発明によれば、未修飾セルロースナノファイバーの水酸基を修飾する修飾基の化学構造が、フッ素原子が結合した炭素原子を2つ以上有する構造である。よって、フッ素を含む樹脂に本発明の修飾セルロースナノファイバーを配合すれば、フッ素を含む樹脂に対する修飾セルロースナノファイバーの親和性が高まるため、修飾セルロースナノファイバーの補強効果がより効果的に発揮される。
[樹脂組成物]
本発明の樹脂組成物は、本発明の修飾セルロースナノファイバーを樹脂中に含有する。
修飾セルロースナノファイバーは、1種を単独で用いてもよく、結晶化度、結晶構造、修飾基の種類や修飾率等が異なる2種以上を併用してもよい。
樹脂組成物における修飾セルロースナノファイバーの含有量は、樹脂組成物100質量%中、1〜50質量%が好ましく、2〜30質量%がより好ましく、3〜20質量%がさらに好ましい。樹脂組成物中の修飾セルロースナノファイバーの含有量が1質量%以上であれば、補強効果が十分に得られ、樹脂組成物を成形した成形体の強度が向上する。一方、樹脂組成物中の修飾セルロースナノファイバーの含有量が50質量%以下であれば、流動性の低下が抑えられ成形しやすい。
樹脂組成物中の樹脂の種類としては、熱可塑性樹脂であっても熱硬化性樹脂であってもよい。具体的には、植物性由来樹脂、二酸化炭素を原料とした樹脂、ABS樹脂、ポリエチレンやポリプロピレン等のアルキレン樹脂、スチレン樹脂、ビニル樹脂、アクリル樹脂、アミド樹脂、アセタール樹脂、カーボネート樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、イミド樹脂、ユリア樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エステル樹脂、アクリル樹脂、アミド樹脂、フッ素樹脂、スチロール樹脂、エンジニアリングプラスチックなどを例示できる。また、エンジニアリングプラスチックとしては、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアセタール、変性ポリフェニレンオキサイド、変性ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリアリレート、ポリアリルエーテルニトリルなどが好適に用いられる。これらの中でも、フッ素樹脂は耐薬品性や摺動性に優れるため、ポリカーボネートは衝撃強度が強いため、特に好ましい。
これら熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、樹脂としては、上述した熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂以外にも、エラストマーやゴムなど、変形が容易な弾性体を用いることができる。
エラストマーとしては、例えばウレタン系エラストマー、スチレン系エラストマー、エステル系エラストマー、塩化ビニル系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ニトリル系エラストマー、ポリアミド系エラストマーなどが挙げられる。
ゴムとしては、例えば天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、1,2−ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴムなどが挙げられる。
これらエラストマーやゴムは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上述したエラストマーやゴムの中でも、耐薬品性や摺動性が要求される成形体を製造する場合には、フッ素を含むエラストマー(フッ素エラストマー)やフッ素を含むゴム(フッ素ゴム)が好ましい。具体的には、フッ化ビニリデン−四フッ化エチレン−プロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン共重合体などのフッ化ビニリデンとこれと共重合可能な少なくとも一種の他のエチレン性不飽和単量体との含フッ素共重合体;テトラフルオロエチレン−プロピレン共重合体;テトラフルオロエチレン−パーフルオロビニルエーテル共重合体;フルオロシリコーン系ゴムなどが挙げられる。これらの中でも、耐熱性と耐薬品性がより向上することから、テトラフルオロエチレン−プロピレン共重合体が好ましい。
また、本発明の樹脂組成物は、その他、フィラー、難燃剤、難燃助剤、酸化防止剤、離形剤、着色剤、分散剤、受酸剤、過酸化物、架橋剤、過酸化物加硫−架橋剤等の添加剤を含有してもよい。
フィラーとしては、例えばカーボン繊維、ガラスファイバー、クレー、酸化チタン、シリカ、タルク、炭酸カルシウム、チタン酸カリウム、マイカ、モンモリロナイト、硫酸バリウム、バルーンフィラー、ビーズフィラー、カーボンナノチューブなどを使用できる。
難燃剤としては、ハロゲン系難燃剤、窒素系難燃剤、金属水酸化物、リン系難燃剤、有機アルカリ金属塩、有機アルカリ土類金属塩、シリコーン系難燃剤、膨張性黒鉛などを使用できる。
難燃助剤としては、ポリフルオロオレフィン、酸化アンチモンなどを使用できる。
酸化防止剤としては、リン系酸化防止剤やフェノール系酸化防止剤などを使用できる。
離型剤としては、高級アルコール、カルボン酸エステル、ポリオレフィンワックス及びポリアルキレングリコールなどを使用できる。
着色剤としては、カーボンブラックやフタロシアニンブルーなど、任意の着色剤を使用できる。
分散剤としては、セルロースナノファイバーが樹脂に分散できるものであればよく、アニオン性、カチオン性、ノニオン性又は両性の界面活性剤、高分子型分散剤を使用でき、これらを併用してもよい。
受酸剤としては、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉛などを使用できる。
過酸化物としては、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、(1,1,4,4−テトラメチルテトラメチレン)ビス(tert−ブチルパーオキサイド)などを使用できる。
過酸化物加硫−架橋剤としては、トリ(メタ)アリルイソシアヌレート、イソシアヌレートなどを使用できる。
架橋剤としては、公知の加硫剤を用いることができるが、例えばパーオキサイド系加硫剤、ポリオール系加硫剤、アミン系加硫剤などが挙げられる。
パーオキサイド系加硫剤としては、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、(1,1,4,4−テトラメチルテトラメチレン)ビス(tert−ブチルパーオキサイド)などを使用できる。
ポリオール系加硫剤としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン等のビスフェノールAFタイプなどを使用できる。
アミン系加硫剤としては、ヘキサメチレンジアミンカーバメート、N,N−ジシンナミリデン−1,6−ヘキサンジアミンなどを使用できる。
加硫剤としては、上記の中でも、成形体を医療用チューブなどの医療機器に用いたときの人体への影響や、滅菌処理時の耐薬品性を考慮すると、パーオキサイド系加硫剤が特に好ましい。
<作用効果>
以上説明した本発明の樹脂組成物は、耐熱性が高く、補強効果に優れた本発明の修飾セルロースナノファイバーを含有するので、耐熱性および強度の面で優れている。従って、本発明の樹脂組成物は、耐熱性および強度が要求される用途に特に好適に使用される。
特に、樹脂がフッ素樹脂、フッ素エラストマー、フッ素ゴムなどのフッ素を含む樹脂であれば、これら樹脂に対する本発明の修飾セルロースナノファイバーの親和性が高まるため、修飾セルロースナノファイバーの補強効果がより得られやすくなる。
[成形体]
本発明の成形体は、本発明の樹脂組成物を成形したものである。
成形体の成形方法としては、特に限定されないが、従来公知の各種成形方法、例えば射出成形法、射出圧縮成形法、押出成形法、ブロー成形法、プレス成形法、真空成形法及び発泡成形法などの方法が挙げられる。
<作用効果>
本発明の成形体は、本発明の修飾セルロースナノファイバーを含有するため、強度や耐熱性において優れている。
成形体の用途としては特に制限されないが、強度や耐熱性が求められる用途に特に好適である。具体的には、カテーテル、内視鏡用処置具チューブ、内視鏡可撓管等の医療用チューブ;注射針、耳鼻科用ノズル等の医療用パイプなどの医療機器として好適である。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
<未修飾セルロースナノファイバー(A−1)の製造>
ハサミで3mm角に切断したろ紙(東洋濾紙株式会社製、ADVANTEC(登録商標)のFILTER PAPER)15gを200mlのフラスコに入れ、さらにN,N−ジメチルアセトアミド50mlと、イオン液体として塩化1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム60gを加え、攪拌した。次に、さらに硫酸水溶液を加え、攪拌した後、ろ過し、固形物を洗浄した。これをホモジナイザーで処理することにより、未修飾セルロースナノファイバー(A−1)を得た。
<修飾セルロースナノファイバー(B−1)の製造>
未修飾セルロースナノファイバー(A−1)1gをピリジンに加え、これにペンタフルオロプロピオン酸無水物16gを加えて、60℃で反応させた。反応物を遠心分離した後、得られた固形物を洗浄、乾燥させ、未修飾セルロースナノファイバー(A−1)の水酸基が修飾基で修飾された修飾セルロースナノファイバー(B−1)(修飾率30%)を得た。該修飾基の化学構造は、フッ素原子が結合した炭素原子を2つ有する構造である。
<樹脂組成物及び成形体の製造>
樹脂としてフッ素ゴム(デュポンエラストマー株式会社製、「Viton GLT」)100質量部と、修飾セルロースナノファイバー(B−1)10質量部と、受酸剤として酸化カルシウム3質量部と、過酸化物(日油株式会社製、「パーヘキサ25B−40」)3質量部と、過酸化物加硫−架橋剤(デュポンエラストマー株式会社製、「DiaK #7」)3質量部とを混合し、乾燥させ、修飾セルロースナノファイバー(B−1)を含有する樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物を170℃で10分間熱プレスし、シート状の成形体を得た。また、単軸押出成形機を用いて200℃の条件で厚さ0.5mmのチューブ状の成形体を得た。
[実施例2]
<修飾セルロースナノファイバー(B−2)の製造>
2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートおよびジメチルホルミアミドの1:1混合液に、ジブチルスズラウレートを添加し、さらに実施例1と同様にして製造した未修飾セルロースナノファイバー(A−1)1gを加えて、40℃で反応させた。反応物を遠心分離した後、得られた固形物を洗浄、乾燥させ、未修飾セルロースナノファイバー(A−1)を前処理した。
別途、アクリル酸1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシルをジメチルホルムアミドに溶解させ、さらに2,2’アゾビスイソブチロニトリルを加えて溶解させた。これに、前処理した未修飾セルロースナノファイバー(A−1)1gを加え、70℃で10分間反応させた。反応物を遠心分離した後、得られた固形物を洗浄、乾燥させ、未修飾セルロースナノファイバー(A−1)の水酸基が修飾基で修飾された修飾セルロースナノファイバー(B−2)(修飾率20%)を得た。該修飾基の化学構造は、フッ素原子が結合した炭素原子を8つ以上有する構造である。
<樹脂組成物及び成形体の製造>
修飾セルロースナノファイバー(B−2)を用いた以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を製造し、シート状の成形体を得た。
[実施例3]
<修飾セルロースナノファイバー(B−3)の製造>
ナタデココ(株式会社フジッコ製、平均重合度:3000、平均アスペクト比:1000、平均直径:70nm)を乾燥して、バクテリアセルロースを得た。
該バクテリアセルロースを未修飾セルロースナノファイバー(A−2)として用いた以外は実施例1と同様にして、未修飾セルロースナノファイバー(A−2)の水酸基が修飾基で修飾された修飾セルロースナノファイバー(B−3)(修飾率40%)を得た。該修飾基の化学構造は、フッ素原子が結合した炭素原子を2つ有する構造である。
<樹脂組成物及び成形体の製造>
修飾セルロースナノファイバー(B−3)を用いた以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を製造し、シート状の成形体を得た。
[実施例4]
<樹脂組成物及び成形体の製造>
樹脂としてエチレン−プロピレンゴム(JSR株式会社製、「EP51」)100質量部と、修飾セルロースナノファイバー(B−1)10質量部と、架橋剤(日油株式会社製、「パークミルD」)1質量部とを混合し、乾燥させ、修飾セルロースナノファイバー(B−1)を含有する樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物を150℃で10分間熱プレスし、シート状の成形体を得た。
[実施例5]
<樹脂組成物及び成形体の製造>
予めジクロロメタンに溶解させたポリカーボネート(帝人化成株式会社製、「パンライト L−1225L」)と、修飾セルロースナノファイバー(B−1)とをジクロロメタン中に混合し、乾燥させ、修飾セルロースナノファイバー(B−1)を含有する樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物を260℃で30秒間熱プレスし、シート状の成形体を得た。
[比較例1]
<樹脂組成物及び成形体の製造>
微結晶セルロース(メルク株式会社製、平均重合度:250、平均アスペクト比:10、直径:1〜10μmが混在)を未修飾セルロースナノファイバー(A−3)として用いた。
該未修飾セルロースナノファイバー(A−3)を用いた以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を製造し、シート状の成形体を得た。
[比較例2]
<樹脂組成物及び成形体の製造>
ナタデココ(株式会社フジッコ製、平均重合度:3000、平均アスペクト比:1000、平均直径:70nm)を乾燥して得られたバクテリアセルロースを未修飾セルロースナノファイバー(A−2)として用いた。
該未修飾セルロースナノファイバー(A−2)を用いた以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を製造し、シート状の成形体を得た。
[比較例3]
<修飾セルロースナノファイバー(B−4)の製造>
未修飾セルロースナノファイバー(A−2)1gをピリジンに加え、これにトリフルオロ酢酸無水物16gを加えて、60℃で反応させた。反応物を遠心分離した後、得られた固形物を洗浄、乾燥させ、未修飾セルロースナノファイバー(A−2)の水酸基が修飾基で修飾された修飾セルロースナノファイバー(B−4)(修飾率10%)を得た。該修飾基の化学構造は、フッ素原子が結合した炭素原子を1つ有する構造である。
<樹脂組成物及び成形体の製造>
修飾セルロースナノファイバー(B−4)を用いた以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を製造し、シート状の成形体を得た。
[測定・評価]
実施例1〜3及び比較例3で用いた未修飾セルロースナノファイバー(A−1)、(A−2)と、比較例1、2で用いた未修飾セルロースナノファイバー(A−2)、(A−3)について、以下に示す方法により平均重合度、アスペクト比、平均直径を測定し、結晶構造を解析した。結果を表1に示す。
また、実施例1〜3及び比較例3で得られた修飾セルロースナノファイバー(B−1)、(B−2)、(B−3)、(B−4)と、比較例1、2で用いた未修飾セルロースナノファイバー(A−2)、(A−3)について、以下に示す方法により耐熱性を評価した。結果を表1に示す。
なお、実施例4、5で用いた未修飾セルロースナノファイバー及び修飾セルロースナノファイバーは、実施例1と同じであるため、測定および評価は省略した。
(1)平均重合度の測定
未修飾セルロースナノファイバーの平均分子量を粘度法(参考文献:Macromolecules,18,2394−2401,1985)により求めた。
(2)アスペクト比、平均直径の測定
未修飾セルロースナノファイバーの平均直径(数平均繊維径)及び平均繊維長(数平均繊維長)は、SEM解析により評価した。詳細には、未修飾セルロースナノファイバー分散液をウェーハ上にキャストしてSEM観察し、得られた1枚の画像当たり20本以上の繊維について繊維径と繊維長の値を読み取り、これを少なくとも3枚の重複しない領域の画像について行い、最低30本の繊維径と繊維長の情報を得た。得られた繊維径のデータから平均直径を算出した。また、繊維長のデータから平均繊維長を算出し、平均繊維長と平均直径との比から平均アスペクト比(平均繊維長/平均直径)を算出した。
(3)結晶構造の解析(XRD)
未修飾セルロースナノファイバーの結晶構造は、粉末X線回折装置Rigaku Ultima IVを用いて分析した。
分析結果から、2θの範囲を0°〜30°とするX線回折パターンが、14°≦2θ≦18°に1つ又は2つのピークと、20°≦2θ≦24°に1つ又は2つのピークとを有し、他にはピークを有さない場合にはIβ型の結晶型であると判断し「○」とした。そうでない場合には「×」と判定した。
(4)耐熱性の評価
修飾セルロースナノファイバー又は未修飾セルロースナノファイバーの熱分解温度を、熱分析装置THERMO plus TG8120を用いて測定した。縦軸に質量減少率、横軸に温度をプロットしたグラフを描き、大きく質量減少する時の接線と質量減少前の接線との交点の温度を熱分解温度とした。熱分解温度が高いほど、耐熱性に優れる。
Figure 2014001361
表1に示すとおり、実施例1〜3で得られた修飾セルロースナノファイバー(B−1)、(B−2)、(B−3)は、熱分解温度が高く、耐熱性に優れていた。
一方、比較例1〜2で用いた未修飾セルロースナノファイバー(A−2)、(A−3)及び比較例3で得られた修飾セルロースナノファイバー(B−4)は、実施例1〜3に比べると熱分解温度が低かった。
次に、実施例1〜5及び比較例1〜3で得られたシート状の成形体について、以下に示す方法により強度及び耐熱性を評価した。結果を表2に示す。
(5)強度の評価
JIS K 6251に準拠し、オートグラフAG−X PLUS(株式会社島津製作所製)を用いて、引張強度を測定した。
引張強度が20MPa以上の場合には「◎」、15MPa以上20MPa未満の場合には「○」、15MPa未満の場合には「×」と判定した。
(6)耐熱性の評価
樹脂組成物を260℃30秒で0.3mmの厚さにプレスしたシート状成形体の外観を目視にて観察した。DICカラーガイドDIC−647よりも全体的に色が薄い場合を「○」、濃い場合を「×」と判定した。
Figure 2014001361
表2に示すとおり、実施例1〜5で得られた成形体は、強度が高く、耐熱性に優れていた。これらの結果より、本発明の修飾セルロースナノファイバーは、補強効果に優れることが示された。
一方、比較例1〜3で得られた成形体は、強度が低く、耐熱性にも劣っていた。

Claims (9)

  1. セルロースナノファイバーの水酸基が修飾基により修飾されている修飾セルロースナノファイバーであって、
    前記修飾基が、フッ素原子が結合した炭素原子が2つ以上である化学構造を有することを特徴とする修飾セルロースナノファイバー。
  2. 平均重合度が600〜30000であり、アスペクト比が20〜10000であり、平均直径が1〜800nmであり、2θの範囲を0°〜30°とするX線回折パターンが、14°≦2θ≦18°に1つ又は2つのピークと、20°≦2θ≦24°に1つ又は2つのピークとを有し、他にはピークを有さないセルロースナノファイバーの水酸基が、前記修飾基により修飾されていることを特徴とする請求項1に記載の修飾セルロースナノファイバー。
  3. 請求項1又は2に記載の修飾セルロースナノファイバーを樹脂中に含有することを特徴とする樹脂組成物。
  4. 前記樹脂がエラストマー又はゴムであることを特徴とする請求項3に記載の樹脂組成物。
  5. 前記樹脂がフッ素を含むエラストマー又はフッ素を含むゴムであることを特徴とする請求項4に記載の樹脂組成物。
  6. 請求項3又は4に記載の樹脂組成物を成形したことを特徴とする成形体。
  7. 医療用チューブ又は医療用パイプであることを特徴とする請求項6に記載の成形体。
  8. セルロースナノファイバーの水酸基を修飾基で修飾する修飾セルロースナノファイバーの製造方法であって、
    前記修飾基が、フッ素原子が結合した炭素原子が2つ以上である化学構造を有することを特徴とする修飾セルロースナノファイバーの製造方法。
  9. 平均重合度が600〜30000であり、アスペクト比が20〜10000であり、平均直径が1〜800nmであり、2θの範囲を0°〜30°とするX線回折パターンが、14°≦2θ≦18°に1つ又は2つのピークと、20°≦2θ≦24°に1つ又は2つのピークとを有し、他にはピークを有さないセルロースナノファイバーの水酸基を、前記修飾基により修飾することを特徴とする請求項8に記載の修飾セルロースナノファイバーの製造方法。
JP2013049653A 2012-05-25 2013-03-12 修飾セルロースナノファイバーとその製造方法、樹脂組成物、成形体 Active JP6150569B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013049653A JP6150569B2 (ja) 2012-05-25 2013-03-12 修飾セルロースナノファイバーとその製造方法、樹脂組成物、成形体

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012120147 2012-05-25
JP2012120147 2012-05-25
JP2013049653A JP6150569B2 (ja) 2012-05-25 2013-03-12 修飾セルロースナノファイバーとその製造方法、樹脂組成物、成形体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014001361A true JP2014001361A (ja) 2014-01-09
JP6150569B2 JP6150569B2 (ja) 2017-06-21

Family

ID=50034836

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013049653A Active JP6150569B2 (ja) 2012-05-25 2013-03-12 修飾セルロースナノファイバーとその製造方法、樹脂組成物、成形体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6150569B2 (ja)

Cited By (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014001360A (ja) * 2012-05-25 2014-01-09 Olympus Corp エラストマー組成物および成形体
WO2016010016A1 (ja) * 2014-07-14 2016-01-21 中越パルプ工業株式会社 誘導体化cnf、その製造方法、及びポリオレフィン樹脂組成物
EP3098880A1 (en) * 2015-05-27 2016-11-30 Samsung Electronics Co., Ltd. Separator including microbial cellulose, method of producing the separator, and use of the separator
JP2017145320A (ja) * 2016-02-17 2017-08-24 公立大学法人 富山県立大学 テンプレート形成用重合性化合物及びその硬化性組成物並びにその硬化物
WO2017170745A1 (ja) * 2016-03-31 2017-10-05 古河電気工業株式会社 熱可塑性樹脂組成物、熱可塑性樹脂組成物の製造方法、セルロース強化樹脂成形品およびセルロース強化樹脂成形品の製造方法
WO2018012505A1 (ja) * 2016-07-11 2018-01-18 日本製紙株式会社 マスターバッチの製造方法
JP2019123830A (ja) * 2018-01-18 2019-07-25 関東電化工業株式会社 フッ素化セルロース
JP2019143113A (ja) * 2018-02-23 2019-08-29 スターライト工業株式会社 樹脂組成物及び樹脂組成物の製造方法
JP2020041255A (ja) * 2017-01-16 2020-03-19 株式会社Kri 硫酸エステル化修飾セルロースナノファイバーの製造方法
JP2020105516A (ja) * 2018-12-27 2020-07-09 花王株式会社 組成物
JP2020114924A (ja) * 2018-06-01 2020-07-30 旭化成株式会社 化学修飾されたセルロース微細繊維を含む高耐熱性樹脂複合体
WO2020209233A1 (ja) * 2019-04-09 2020-10-15 富士フイルム株式会社 内視鏡用架橋体、内視鏡、及び内視鏡用架橋体を形成するための組成物
JP2021011559A (ja) * 2019-07-09 2021-02-04 大阪瓦斯株式会社 ゴム状組成物およびその製造方法
US11352482B2 (en) * 2017-02-09 2022-06-07 Nippon Paper Industries Co., Ltd. Rubber composition and method for producing same
US11466140B2 (en) 2016-03-31 2022-10-11 Furukawa Electric Co., Ltd. Thermoplastic resin composition, method of producing thermoplastic resin composition, molded article of cellulose-reinforced resin, and method of producing molded article of cellulose-reinforced resin
US11578192B2 (en) 2017-09-29 2023-02-14 Furukawa Electric Co., Ltd. Molded article
US11597818B2 (en) 2017-09-29 2023-03-07 Furukawa Electric Co., Ltd. Molded article
US11629244B2 (en) 2016-03-31 2023-04-18 Furukawa Electric Co., Ltd. Thermoplastic resin composition, cellulose-reinforced thermoplastic resin composition, method of producing cellulose-reinforced thermoplastic resin composition, molded article of cellulose-reinforced resin, and method of producing molded article of cellulose-reinforced resin
US11746215B2 (en) 2017-09-29 2023-09-05 Furukawa Electric Co., Ltd. Molded article
US11891498B2 (en) 2017-10-31 2024-02-06 Furukawa Electric Co., Ltd. Molded article provided with a resin part

Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59129201A (ja) * 1983-01-12 1984-07-25 Daicel Chem Ind Ltd 弗素含有セルロ−ス誘導体
US4549012A (en) * 1984-08-13 1985-10-22 Sharma Ashok K Fluorinated cellulose acetate polymers
JPS61171702A (ja) * 1985-01-24 1986-08-02 Daicel Chem Ind Ltd 弗素含有セルロ−スエ−テル誘導体
JPH02212501A (ja) * 1989-02-10 1990-08-23 Daikin Ind Ltd 含フッ素セルロース誘導体
JPH04314703A (ja) * 1990-09-11 1992-11-05 Hoechst Ag 変性セルロースエーテル及び分散液塗料における該エーテルの用途
WO1998013389A1 (fr) * 1996-09-27 1998-04-02 Kao Corporation Nouveau derive de polysaccharide, son procede de preparation et preparation comsmetique a base de ce derive
JPH10330402A (ja) * 1997-06-03 1998-12-15 Daikin Ind Ltd セルロース系化合物のフッ素化方法及びフッ素化セルロース系化合物
JP2002097201A (ja) * 2000-09-21 2002-04-02 Jsr Corp 液晶配向剤
JP2011122014A (ja) * 2009-12-09 2011-06-23 Konica Minolta Opto Inc 樹脂複合体とその製造方法、及びそれに用いられるセルロースナノファイバーの製造方法
JP2011184816A (ja) * 2010-03-05 2011-09-22 Olympus Corp セルロースナノファイバーとその製造方法、複合樹脂組成物、成形体
JP2011213754A (ja) * 2010-03-31 2011-10-27 Kyoto Univ ミクロフィブリル化植物繊維及びその製造方法、並びにそれを用いた成形材料、及び樹脂成形材料の製造方法

Patent Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59129201A (ja) * 1983-01-12 1984-07-25 Daicel Chem Ind Ltd 弗素含有セルロ−ス誘導体
US4549012A (en) * 1984-08-13 1985-10-22 Sharma Ashok K Fluorinated cellulose acetate polymers
JPS61171702A (ja) * 1985-01-24 1986-08-02 Daicel Chem Ind Ltd 弗素含有セルロ−スエ−テル誘導体
JPH02212501A (ja) * 1989-02-10 1990-08-23 Daikin Ind Ltd 含フッ素セルロース誘導体
JPH04314703A (ja) * 1990-09-11 1992-11-05 Hoechst Ag 変性セルロースエーテル及び分散液塗料における該エーテルの用途
WO1998013389A1 (fr) * 1996-09-27 1998-04-02 Kao Corporation Nouveau derive de polysaccharide, son procede de preparation et preparation comsmetique a base de ce derive
JPH10330402A (ja) * 1997-06-03 1998-12-15 Daikin Ind Ltd セルロース系化合物のフッ素化方法及びフッ素化セルロース系化合物
JP2002097201A (ja) * 2000-09-21 2002-04-02 Jsr Corp 液晶配向剤
JP2011122014A (ja) * 2009-12-09 2011-06-23 Konica Minolta Opto Inc 樹脂複合体とその製造方法、及びそれに用いられるセルロースナノファイバーの製造方法
JP2011184816A (ja) * 2010-03-05 2011-09-22 Olympus Corp セルロースナノファイバーとその製造方法、複合樹脂組成物、成形体
JP2011213754A (ja) * 2010-03-31 2011-10-27 Kyoto Univ ミクロフィブリル化植物繊維及びその製造方法、並びにそれを用いた成形材料、及び樹脂成形材料の製造方法

Cited By (28)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014001360A (ja) * 2012-05-25 2014-01-09 Olympus Corp エラストマー組成物および成形体
WO2016010016A1 (ja) * 2014-07-14 2016-01-21 中越パルプ工業株式会社 誘導体化cnf、その製造方法、及びポリオレフィン樹脂組成物
US10164230B2 (en) 2015-05-27 2018-12-25 Samsung Electronics Co., Ltd. Separator including microbial cellulose, method of producing the separator, and use of the separator
EP3098880A1 (en) * 2015-05-27 2016-11-30 Samsung Electronics Co., Ltd. Separator including microbial cellulose, method of producing the separator, and use of the separator
JP2017145320A (ja) * 2016-02-17 2017-08-24 公立大学法人 富山県立大学 テンプレート形成用重合性化合物及びその硬化性組成物並びにその硬化物
CN108884328A (zh) * 2016-03-31 2018-11-23 古河电气工业株式会社 热塑性树脂组合物、热塑性树脂组合物的制造方法、纤维素增强树脂成型品和纤维素增强树脂成型品的制造方法
US11629244B2 (en) 2016-03-31 2023-04-18 Furukawa Electric Co., Ltd. Thermoplastic resin composition, cellulose-reinforced thermoplastic resin composition, method of producing cellulose-reinforced thermoplastic resin composition, molded article of cellulose-reinforced resin, and method of producing molded article of cellulose-reinforced resin
US11597817B2 (en) 2016-03-31 2023-03-07 Furukawa Electric Co., Ltd Thermoplastic resin composition, method of producing thermoplastic resin composition, molded article of cellulose-reinforced resin, and method of producing molded article of cellulose-reinforced resin
EP3438207A4 (en) * 2016-03-31 2019-11-06 Furukawa Electric Co., Ltd. THERMOPLASTIC RESIN COMPOSITION, PRODUCTION METHOD FOR THERMOPLASTIC RESIN COMPOSITION, CELLULOSE REINFORCED RESIN PRODUCT AND CELLULOSE REINFORCED RESIN PRODUCT MANUFACTURING METHOD
WO2017170745A1 (ja) * 2016-03-31 2017-10-05 古河電気工業株式会社 熱可塑性樹脂組成物、熱可塑性樹脂組成物の製造方法、セルロース強化樹脂成形品およびセルロース強化樹脂成形品の製造方法
US11466140B2 (en) 2016-03-31 2022-10-11 Furukawa Electric Co., Ltd. Thermoplastic resin composition, method of producing thermoplastic resin composition, molded article of cellulose-reinforced resin, and method of producing molded article of cellulose-reinforced resin
WO2018012505A1 (ja) * 2016-07-11 2018-01-18 日本製紙株式会社 マスターバッチの製造方法
JP2020041255A (ja) * 2017-01-16 2020-03-19 株式会社Kri 硫酸エステル化修飾セルロースナノファイバーの製造方法
US11535682B2 (en) 2017-01-16 2022-12-27 Yokogawa Electric Corporation Sulfate ester modified cellulose nanofibers and method for producing cellulose nanofibers
US11352482B2 (en) * 2017-02-09 2022-06-07 Nippon Paper Industries Co., Ltd. Rubber composition and method for producing same
US11597818B2 (en) 2017-09-29 2023-03-07 Furukawa Electric Co., Ltd. Molded article
US11578192B2 (en) 2017-09-29 2023-02-14 Furukawa Electric Co., Ltd. Molded article
US11746215B2 (en) 2017-09-29 2023-09-05 Furukawa Electric Co., Ltd. Molded article
US11891498B2 (en) 2017-10-31 2024-02-06 Furukawa Electric Co., Ltd. Molded article provided with a resin part
JP2019123830A (ja) * 2018-01-18 2019-07-25 関東電化工業株式会社 フッ素化セルロース
JP7184524B2 (ja) 2018-02-23 2022-12-06 スターライト工業株式会社 樹脂組成物及び樹脂組成物の製造方法
JP2019143113A (ja) * 2018-02-23 2019-08-29 スターライト工業株式会社 樹脂組成物及び樹脂組成物の製造方法
JP2020114924A (ja) * 2018-06-01 2020-07-30 旭化成株式会社 化学修飾されたセルロース微細繊維を含む高耐熱性樹脂複合体
JP7239524B2 (ja) 2018-06-01 2023-03-14 旭化成株式会社 化学修飾されたセルロース微細繊維を含む高耐熱性樹脂複合体
JP2020105516A (ja) * 2018-12-27 2020-07-09 花王株式会社 組成物
WO2020209233A1 (ja) * 2019-04-09 2020-10-15 富士フイルム株式会社 内視鏡用架橋体、内視鏡、及び内視鏡用架橋体を形成するための組成物
JP2021011559A (ja) * 2019-07-09 2021-02-04 大阪瓦斯株式会社 ゴム状組成物およびその製造方法
JP7299087B2 (ja) 2019-07-09 2023-06-27 大阪瓦斯株式会社 ゴム状組成物およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6150569B2 (ja) 2017-06-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6150569B2 (ja) 修飾セルロースナノファイバーとその製造方法、樹脂組成物、成形体
JP6108929B2 (ja) 医療機器用樹脂多孔質体及びその製造方法
WO2013031444A1 (ja) セルロースナノファイバーとその製造方法、複合樹脂組成物、成形体
EP2905291B1 (en) Method for producing cellulose nanofibers
JP5677754B2 (ja) セルロースナノファイバーとその製造方法、複合樹脂組成物、成形体
JP6206529B2 (ja) セルロース繊維集合体およびセルロース繊維複合体
JP6014860B2 (ja) 変性セルロースファイバー及び変性セルロースファイバーを含むゴム組成物
US20140073776A1 (en) Cellulose nanofibers and method for producing same, composite resin composition, and molded body
JP5969262B2 (ja) グラフトポリマー修飾セルロースファイバーの製造方法
JP6357071B2 (ja) 修飾セルロース及びその製造方法
JP6357070B2 (ja) 修飾セルロース及びその製造方法
WO2010131602A1 (ja) セルロース繊維含有樹脂材料の製造方法
JP7102172B2 (ja) 改質セルロース繊維の製造方法
JP5851336B2 (ja) 複合ゴム材料、成形体、複合ゴム材料の製造方法
JP2014156677A (ja) 変性セルロースナノファイバー、樹脂組成物および成形体
JP6779158B2 (ja) 改質セルロース繊維の製造方法
JP2011144363A (ja) セルロース繊維複合体及びその製造方法
JP2012167202A (ja) 複合樹脂組成物及び成形体
JP2013018851A (ja) セルロース繊維、セルロース繊維含有重合体、樹脂組成物及び成形体。
JP2013227536A (ja) 繊維樹脂複合材料
JP5613996B2 (ja) セルロース繊維含有樹脂材料の製造方法
JP6871079B2 (ja) 解繊セルロース繊維の製造方法、及び樹脂組成物の製造方法
JP2011038193A (ja) セルロース繊維及び繊維複合材料
JP2017066274A (ja) 微細繊維状セルロース含有物
JP2014001360A (ja) エラストマー組成物および成形体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150806

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160712

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160905

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20160906

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170228

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170413

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20170414

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170509

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170523

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6150569

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250