JP2002097201A - 液晶配向剤 - Google Patents

液晶配向剤

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JP2002097201A
JP2002097201A JP2000287001A JP2000287001A JP2002097201A JP 2002097201 A JP2002097201 A JP 2002097201A JP 2000287001 A JP2000287001 A JP 2000287001A JP 2000287001 A JP2000287001 A JP 2000287001A JP 2002097201 A JP2002097201 A JP 2002097201A
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film
halogen
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JP2000287001A
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Shoichi Nakada
正一 中田
Koji Kumano
厚司 熊野
Yasumasa Takeuchi
安正 竹内
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ラビング処理を行わずに、直線偏光された放
射線の照射によって液晶配向能を付与することが可能な
且つ熱安定性に優れた液晶配向膜の形成に用いられる液
晶配向剤を提供すること。 【解決手段】 放射線に感応する特定の構造を側鎖とし
て有するセルロース誘導体を含有する液晶配向剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶配向剤に関す
る。さらに詳しくは、ラビング処理を行わずに、直線偏
光された放射線の照射によって液晶配向能を付与するこ
とが可能な液晶配向膜の形成に用いられる液晶配向剤に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、正の誘電異方性を有するネマチッ
ク型液晶を、液晶配向膜を有する透明電極付き基板でサ
ンドイッチ構造にし、液晶分子の長軸が基板間で90度
以上連続的に捻れるようにしてなるTN(Twiste
d Nematic)型、STN(Super Twi
sted Nematic)型液晶セルを有する液晶表
示素子が知られている。
【0003】前記、液晶セルにおける液晶を配向させる
手段には、基板表面に有機膜を形成し、次いでその有機
膜表面をレーヨンなどの布材で一方向にこすることによ
り液晶配向能を付与する(ラビング処理を施す)方法、
基板表面に酸化珪素を斜方蒸着する方法、ラングミュア
・ブロジェット法(LB法)を用いて長鎖アルキル基を
有する単分子膜を形成する方法などがあるが、処理する
基板のサイズに制約があったり、液晶の配向均一性が不
十分なため、工業的には処理時間や処理コストの面で有
利なラビング処理による液晶の配向が一般的である。
【0004】しかし、液晶の配向をラビング処理によっ
て行うと、その工程中にほこりが発生したり、静電気が
発生しやすいという問題点がある。静電気が発生する
と、配向膜表面にほこりが付着し、表示不良が発生する
原因となり、また、TFT(thin film tr
ansistor)素子を有する基板の場合、発生した
静電気によってTFT素子の回路破壊が起こり、歩留ま
り低下の原因ともなる。さらに、今後ますます高精彩化
される液晶表示素子においては、画素の高密度化にとも
なう基板表面の凹凸のため、ラビング処理の均一性が問
題になる。
【0005】液晶セルにおける液晶を配向させる別の手
段は、基板表面に形成したポリビニルシンナメート、ポ
リ(4’−メタクリロイロキシカルコン)などの感光性
高分子膜に直線偏光された紫外線を照射することによ
り、液晶配向能を付与することである(光配向法)。こ
の方法によれば、静電気やほこりを発生することなく、
均一な液晶配向を実現できる。
【0006】しかしながら、そのような感光性高分子か
らなる配向膜は熱安定性が低いことが大きな欠点であ
る。例えば、ポリビニルシンナメート膜を光配向法に用
いた場合、100℃以上の温度で液晶配向が不安定にな
ることが実験的に見いだされている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、液晶
配向剤を提供することにある。本発明の他の目的は、ラ
ビング処理を行わずに、直線偏光された放射線の照射に
よって液晶配向能を付与することが可能な液晶配向膜の
形成に用いられる液晶配向剤を提供することにある。本
発明のさらに他の目的は、熱安定性に優れた液晶配向膜
の形成に用いられる液晶配向剤を提供することにある。
本発明のさらに他の目的および利点は、以下の説明から
明らかになろう。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、本発明
の上記目的および利点は、下記式(I)
【化2】 ここで、Z1、Z2およびZ3は、互いに独立に、下記式
(I)−1 −R1−P1−CH=CH−CO−Q1 … (I)−1 ここで、P1は芳香環を有する2価の有機基であり、Q1
は芳香環を有する1価の有機基でありそしてR1は2価
の有機基または単結合である、で表される基、下記式
(I)−2 −R2−P2−CO−CH=CH−Q2 … (I)−2 ここで、P2は芳香環を有する2価の有機基であり、Q2
は芳香環を有する1価の有機基でありそしてR2は2価
の有機基または単結合である、で表される基、水素原
子、無置換またはハロゲンで置換されたアルキル基、無
置換またはハロゲンで置換されたアリール基、無置換ま
たはハロゲンで置換されたアラルキル基、および無置換
またはハロゲンで置換されたアシル基よりなる群から選
ばれる一価の有機基である、但しZ1、Z2およびZ3
中の少なくとも1つは上記式(I)−1の基または上記
式(I)−2の基であるものとする、で表される繰返し
単位を有する重合体を含有することを特徴とする液晶配
向剤によって達成される。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。液晶配向剤 本発明の液晶配向剤は、放射線に官能する構造を有する
重合体からなる。ここでいう”官能”とは、放射線の照
射を受けると、光励起反応によってエネルギー準位が高
まり、次いでエネルギーを放出して安定状態に戻ること
を意味する。このような構造としては、上記式(I)中
に含まれる、式(I)−1で表される基および式(I)
−2で表される基(以下、「特定構造」ともいう)が挙
げられる。上記式(I)−1および式(I)−2におけ
るP1およびP2は芳香環を有する2価の有機基でありま
たQ1およびQ2は芳香環を有する1価の有機基である。
1、P2、Q1およびQ2としては、ハロゲン原子で置換
されていてもよい炭素数6〜20の有機基が好ましい。
芳香環を有する1価の有機基(Q1、Q2)としては、具
体的には、4−ペンチルフェニル基、4−フルオロフェ
ニル基、3,4−ジフルオロフェニル基、3,4,5−
トリフルオロフェニル基、4−オクチルフェニル基、4
−ペンチルビフェニル基、4−オクチルビフェニル基、
4−フルオロビフェニル基、3,4−ジフルオロビフェ
ニル基、3,4,5−トリフルオロビフェニル基、4−オ
クチル−1−ナフチル基、5−ペンチル−1−ナフチル
基、6−オクチル−2−ナフチル基、9−アントラセニ
ル基、10−ペンチル−9−アントラセニル基を挙げる
ことができる。また、芳香環を有する2価の有機基(P
1、P2)としては、具体的に、1,2−フェニレン基、
1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基、4,4’
−ビフェニレン基などが挙げられる。Z1、Z2およびZ
3は、上記式(I)−1および(I)−2で表される基
の他に、水素原子、無置換またはハロゲンで置換された
アルキル基、無置換またはハロゲンで置換されたアリー
ル基または無置換またはハロゲンで置換されたアシル基
であることができる。それらの具体例としては、メチル
基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−
ブチル基、i−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシ
ル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ヘキサデ
シル基、n−オクタデシル基、フルオロメチル基、ジフ
ルオロメチル基、トリフルオロメチル基、フルオロエチ
ル基、1,1,1−トリフルオロエチル基、パーフルオロ
エチル基、1,1,1−トリフルオロ−n−プロピル基、
1,1,1,2,2−ペンタフルオロ−n−プロピル基、パ
ーフルオロプロピル基、パーフルオロヘキシル基の如き
無置換またはハロゲンで置換されたアルキル基、フェニ
ル基、ナフチル基、4−ビフェニル基、4−フルオロフ
ェニル基、3,4−ジフルオロフェニル基、3,4,5−
トリフルオロフェニル基、4−(トリフルオロメチル)
フェニル基、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェ
ニル基、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル
基、4’−フルオロ−4−ビフェニル基の如き無置換ま
たはハロゲンで置換されたアリール基、ベンジル基、
4’−フルオロベンジル基の如き無置換またはハロゲン
で置換されたアラルキル基、アセチル基、プロピオニル
基、パルミトイル基、ステアロイル基、ベンゾイル基、
トリフルオロアセチル基、4−フルオロベンゾイル基、
4−(トリフルオロメチル)ベンゾイル基の如き無置換
またはハロゲンで置換されたアシル基を挙げることがで
きる。上記式(I)中のZ1、Z2およびZ3は、それぞ
れ同一でも異なっていてもよい。但し、Z1、Z2および
3の中の少なくとも1つは、上記式(I)−1および
上記式(I)−2で表される基であるものとする。
【0010】本発明の液晶配向剤を構成する重合体は、
上記特定構造を側鎖に有する重合体すなわちセルロース
誘導体(以下「特定重合体」ともいう)である。
【0011】特定重合体は、下記式(I’)で表される
構造のものが好ましい。
【化3】 前記特定重合体は、セルロースまたは残留水酸基を有す
るセルロース誘導体に、特定構造を有するハロゲン化物
を塩基存在下で反応させることにより得られる。
【0012】特定構造を有するハロゲン化物としては、
例えば1−ブロモ−3−(4−カルコニルオキシ)プロ
パン、1−ブロモ−3−(4’−カルコニルオキシ)プ
ロパン、1−ブロモ−4−(4−カルコニルオキシ)ブ
タン、1−ブロモ−4−(4’−カルコニルオキシ)ブ
タン、1−ブロモ−6−(4−カルコニルオキシ)ヘキ
サン、1−ブロモ−6−(4’−カルコニルオキシ)ヘ
キサン、1−クロロ−3−(4−カルコニルオキシ)プ
ロパン、1−クロロ−3−(4’−カルコニルオキシ)
プロパン、1−クロロ−4−(4−カルコニルオキシ)
ブタン、1−クロロ−4−(4’−カルコニルオキシ)
ブタン、1−クロロ−6−(4−カルコニルオキシ)ヘ
キサン、1−クロロ−6−(4’−カルコニルオキシ)
ヘキサン、塩化4−カルコンカルボキシル、塩化4’−
カルコンカルボキシル、3−(4−カルコニルオキシ)
プロパン酸塩化物、3−(4’−カルコニルオキシ)プ
ロパン酸塩化物、4−(4−カルコニルオキシ)ブタン
酸塩化物、4−(4’−カルコニルオキシ)ブタン酸塩
化物、6−(4−カルコニルオキシ)ヘキサン酸塩化
物、6−(4’−カルコニルオキシ)ヘキサン酸塩化
物、1−ブロモ−3−(4’−フルオロ−4−カルコニ
ルオキシ)プロパン、1−ブロモ−3−(4−フルオロ
−4’−カルコニルオキシ)プロパン、1−ブロモ−4
−(4’−フルオロ−4−カルコニルオキシ)ブタン、
1−ブロモ−4−(4−フルオロ−4’−カルコニルオ
キシ)ブタン、1−ブロモ−6−(4’−フルオロ−4
−カルコニルオキシ)ヘキサン、1−ブロモ−6−(4
−フルオロ−4’−カルコニルオキシ)ヘキサン、1−
クロロ−3−(4’−フルオロ−4−カルコニルオキ
シ)プロパン、1−クロロ−3−(4−フルオロ−4’
−カルコニルオキシ)プロパン、1−クロロ−4−
(4’−フルオロ−4−カルコニルオキシ)ブタン、1
−クロロ−4−(4−フルオロ−4’−カルコニルオキ
シ)ブタン、1−クロロ−6−(4’−フルオロ−4−
カルコニルオキシ)ヘキサン、1−クロロ−6−(4−
フルオロ−4’−カルコニルオキシ)ヘキサン、塩化
4’−フルオロ−4−カルコンカルボキシル、塩化4−
フルオロ−4’−カルコンカルボキシル、3−(4’−
フルオロ−4−カルコニルオキシ)プロパン酸塩化物、
3−(4−フルオロ−4’−カルコニルオキシ)プロパ
ン酸塩化物、4−(4’−フルオロ−4−カルコニルオ
キシ)ブタン酸塩化物、4−(4−フルオロ−4’−カ
ルコニルオキシ)ブタン酸塩化物、6−(4’−フルオ
ロ−4−カルコニルオキシ)ヘキサン酸塩化物、6−
(4−フルオロ−4’−カルコニルオキシ)ヘキサン酸
塩化物などが挙げられる。これらは単独でまたは2種以
上を組み合わせて使用できる。
【0013】これらのうち、1−ブロモ−6−(4−カ
ルコニルオキシ)ヘキサン、および、1−ブロモ−6−
(4’−フルオロ−4−カルコニルオキシ)ヘキサンが
好ましい。
【0014】本発明において用いられる特定重合体の合
成においては、その性状を改善し、また、プレチルト角
発現などの機能を付与するために、特定構造を含むハロ
ゲン化物とともに、特定構造を含まないハロゲン化物ま
たは酸無水物を用いることができる。
【0015】かかる他のハロゲン化物としては、例えば
臭化セチル、臭化ステアリル、塩化セチル、塩化ステア
リル、1,1,1−トリフルオロ−2−ヨードエタン、塩
化アセチル、塩化パルミトイルおよび塩化ステアロイル
を挙げることができる。これらのうち、臭化ステアリ
ル、1,1,1−トリフルオロ−2−ヨードエタン、塩化
アセチルおよび塩化ステアロイルが好ましい。これらは
単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
【0016】また、他の酸無水物としては、例えば無水
酢酸およびトリフルオロ酢酸無水物が挙げられる。これ
らのうち、トリフルオロ酢酸無水物が好ましい。これら
は単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。さ
らに、前記残留水酸基を有するセルロース誘導体として
は、部分的にエステル化されたアセチルセルロース、部
分的にエーテル化されたメチルセルロース、エチルセル
ロース、ベンジルセルロースなどをあげることができ
る。
【0017】溶剤 本発明の液晶配向剤は、前記式(I)で表される放射線
に官能する構造を含有する重合体の溶液から成る。この
際用いられる溶剤としては、該重合体を溶解し得る有機
溶剤であれば特に制限はない。このような溶媒として
は、例えばN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメ
チルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジ
メチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、テトラメチ
ル尿素、ヘキサメチルホスホルトリアミドなどの非プロ
トン系極性溶媒;m−クレゾール、キシレノール、フェ
ノール、ハロゲン化フェノールなどのフェノール系溶
媒;クロロベンゼン、ジクロロエタン、テトラクロロエ
タンのようなハロゲン化溶媒;シクロヘキサノンのよう
なケトン系溶媒を例示することができる。これらは、単
独でまたは2種以上組み合わせて使用できる。なお、前
記溶媒には、用いられる重合体の貧溶媒を、重合体が析
出しない範囲で併用することができる。
【0018】液晶配向膜 本発明の液晶配向剤を用いて液晶配向膜を形成する方法
としては、例えば次の方法が挙げられる。まず、透明導
電膜が設けられた基板の透明導電膜側に、本発明の液晶
配向剤をロールコーター法、スピンナー法、印刷法等に
より塗布し、40〜200℃の温度で加熱して塗膜を形
成させる。塗膜の膜厚は、固形分として、好ましくは
0.001〜1μm、より好ましくは0.005〜0.5
μmである。前記基板としては、例えばフロートガラ
ス、ソーダガラス等のガラス、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスル
ホン、ポリカーボネートの如きプラスチックフィルムか
らなる透明基板を用いることができる。
【0019】前記透明導電膜としては、SnO2からな
るNESA膜、In23−SnO2からなるITO膜等
を用いることができる。これらの透明導電膜のパターニ
ングには、フォト・エッチング法、予めマスクを用いる
方法等が用いられる。液晶配向剤の塗布に際しては、基
板および透明導電膜と塗膜との接着性をさらに良好にす
るために、基板および透明導電膜上に、予め官能性シラ
ン含有化合物、チタネート等を塗布することもできる。
【0020】次いで、前記塗膜に直線偏光ないしは部分
偏光した放射線、または、無偏光の放射線を照射し、場
合によってはさらに150〜250℃の温度で加熱処理
を行い、液晶配向能を付与する。放射線としては、15
0nm〜800nmの波長を有する紫外線および可視光
線を用いることができるが、320nm〜450nmの
波長を有する紫外線が好ましい。用いた放射線が直線偏
光ないしは部分偏光している場合には、照射は基板面に
垂直の方向から行っても、プレチルト角を付与するため
に斜め方向から行ってもよく、また、これらを組み合わ
せて行ってもよい。無偏光の放射線を照射する場合に
は、照射の方向は斜め方向である必要がある。前記光源
としては、例えば低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、重
水素ランプ、メタルハライドランプ、アルゴン共鳴ラン
プ、キセノンランプ、エキシマーレーザー等が使用でき
る。前記の好ましい波長領域の紫外線は、フィルター、
回折格子等を前記光源と併用する手段等により得ること
ができるが、簡便には、偏光板としてパイレックス(登
録商標)ガラス製偏光板など320nmより短い波長の
紫外線を透過しないものを、前記光源とともに用いても
よい。
【0021】液晶表示素子 本発明の液晶配向剤を用いて形成される液晶表示素子
は、次のようにして製造される。前記液晶配向膜が形成
された基板を準備し、その2枚を液晶配向膜を照射した
直線偏光放射線の偏光方向が所定の角度となるように対
向させ、基板の間の周辺部をシール剤でシールし、液晶
を充填し、充填孔を封止して液晶セルを構成する。次い
で、液晶セルを、用いた液晶が等方相をとる温度まで加
熱した後、室温まで冷却して、注入時の流動配向を除去
することが望ましい。
【0022】そして、その両面に偏光板の偏光方向がそ
れぞれ基板の液晶配向膜の配向容易軸と所定の角度を成
すように偏光板を張り合わせることにより、液晶表示素
子とする。液晶配向膜が形成された2枚の基板におけ
る、照射した直線偏光放射線の偏光方向の成す角度およ
び、それぞれの基板と偏光板との角度を調整することに
より、TN型、STN型またはIPS型液晶セルを有す
る液晶表示素子を任意に得ることができる。
【0023】前記シール剤としては、例えば硬化剤およ
びスペーサーとしての酸化アルミニウム球を含有したエ
ポキシ樹脂等を用いることができる。前記液晶として
は、ネマティック型液晶、スメクティック型液晶などを
用いることができる。TN型液晶セルおよびSTN型液
晶セルの場合、ネマティック型液晶を形成させるものが
好ましく、例えばシッフベース系液晶、アゾキシ系液
晶、ビフェニル系液晶、フェニルシクロヘキサン系液
晶、エステル系液晶、ターフェニル系液晶、ビフェニル
シクロヘキサン系液晶、ピリミジン系液晶、ジオキサン
系液晶、ビシクロオクタン系液晶、キュバン系液晶等が
用いられる。また前記液晶に、例えばコレスチルクロラ
イド、コレステリルノナエート、コレステリルカーボネ
ート等のコレステリック液晶や商品名C−15,CB−
15(メルク社製)として販売されているようなカイラ
ル剤等をさらに添加して使用することもできる。さら
に、p−デシロキシベンジリデン−p−アミノ−2−メ
チルブチルシンナメート等の強誘電性液晶も使用するこ
とができる。
【0024】液晶セルの外側に使用される偏光板として
は、ポリビニルアルコールを延伸配向させながら、ヨウ
素を吸収させたH膜と呼ばれる偏光膜を酢酸セルロース
保護膜で挟んだ偏光板、またはH膜そのものからなる偏
光板等を挙げることができる。
【0025】本発明の液晶配向剤を用い、前記方法によ
り液晶配向膜を形成すれば、従来の光配向法によった場
合より、液晶配向、特に、傾斜配向の熱安定性の高い液
晶配向膜が形成できる。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例により、さらに具体的
に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるも
のではない。
【0027】合成例1特定重合体の合成 セルロース16.2g(0.1 mol)、ピリジン2
4.7g(0.3 mol)、および塩化4−カルコンカ
ルボキシル81.3g(0.3 mol)を200mlの
ニトロベンゼンに加え、120℃で8時間撹拌する。得
られた溶液をメタノールに投入し、生成物を沈殿させ
る。この沈殿を濾過により回収しメタノールで十分に洗
浄した後、真空乾燥することにより、カルコンカルボキ
シル化セルロース86g(以下特定重合体1という)を
得た。
【0028】合成例2特定重合体の合成 塩化4−カルコンカルボキシル81.3g(0.3 mo
l)に替えて、塩化4−カルコンカルボキシル27.1
g(0.1 mol)および無水酢酸20.4g(0.2
mol)を用いたこと以外は合成例1と同様にして、
45gのカルコンカルボキシル化アセチルセルロース
(以下特定重合体2という)を得た。 合成例3特定重合体の合成 アセチルセルロース(アセチル化度67%)24.6g
(0.1 mol)、カリウム−t−ブトキシド11.2
g(0.1 mol)、および4(6−ブロモヘキサノ
キシ)カルコン38.7g(0.1 mol)を1lのジ
メチルアセトアミドに溶解し、室温で1日撹拌した。得
られた溶液を水に投入し、生成物を沈殿させる。この沈
殿を濾過により回収し水で十分に洗浄した後、真空乾燥
することにより、カルコニルオキシヘキシル化アセチル
セルロース54g(以下特定重合体3という)を得た。
【0029】比較合成例ポリアミック酸の重合 2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物
0.1モル(22.4g)とp−フェニレンジアミン0.
1モル(10.8g)をN−メチル−2−ピロリドン3
00gに溶解させ、60℃で6時間反応させた。次い
で、反応混合物を大過剰のメタノールに注ぎ、反応生成
物を沈澱させた。その後、メタノールで洗浄し、減圧下
40℃で15時間乾燥させて、ポリアミック酸(以下、
「重合体Aa」という)27.4gを得た。
【0030】イミド化反応 得られた重合体Aa20.0gにN−メチル−2−ピロ
リドン380g、ピリジン9.5gおよび無水酢酸12.
3gを添加し、120℃で4時間イミド化反応をさせ
た。次いで、反応混合液を大過剰のメタノールに注ぎ、
反応生成物を沈澱させた。その後メタノールで洗浄し減
圧下で15時間乾燥させて、ポリイミド(以下、「重合
体Ab」という)15.3gを得た。
【0031】参考例 比較合成例で得られた重合体Abをγ−ブチロラクトン
に溶解させて、固形分濃度4重量%の溶液とし、この溶
液を孔径1μmのフィルターで濾過し、液晶配向剤溶液
を調製した。この溶液を、ITO膜からなる透明電極付
きガラス基板の上に透明電極面に、膜厚が0.1μmに
なるようにスピンナーを用いて塗布し、180℃で1時
間乾燥し薄膜を形成した。この薄膜に、ナイロン製の布
を巻き付けたロールを有するラビングマシーンにより、
ロールの回転数500rpm、ステージの移動速度1c
m/秒でラビング処理を行った。
【0032】次に、一対のラビング処理された基板の液
晶配向膜を有するそれぞれの外縁に、直径17μmの酸
化アルミニウム球入りエポキシ樹脂接着剤をスクリーン
印刷塗布した後、一対の基板を液晶配向膜面が相対する
ように、しかもラビング方向が直交するように重ね合わ
せて圧着し、150℃で1時間にわたり接着剤を熱硬化
させた。次いで、液晶注入口より一対の基板間に、ネマ
ティック型液晶(メルク社製、ZLI−1565)を充
填した後、エポキシ系接着剤で液晶注入口を封止した。
さらに、液晶注入時の流動配向を除くためこれを150
℃に加熱した後、室温まで徐冷し、基板の外側の両面に
偏光板を、偏光板の偏光方向がそれぞれの基板の液晶配
向膜のラビング方向と一致するように張り合わせ、液晶
表示素子を作製したところ、液晶の配向性は良好であっ
た。電圧5Vを印加したところ、印加した電圧のON−
OFFに応答して、液晶表示素子の明暗の変化が観察さ
れた。
【0033】実施例1 合成例1で得られた特定重合体1を用いて、比較例と同
様に基板上に薄膜を形成した。薄膜表面に、Hg−Xe
ランプにより、パイレックスガラス製偏光板SPF−5
0C−32(シグマ光機製)を通して、365nmの波
長を主とする直線偏光した紫外線0.5J/cm2を照射
した。
【0034】次に、液晶配向膜を重ね合わせる向きをラ
ビング方向の代わりに紫外線の偏光方向に従った以外
は、参考例と同様の方法で液晶表示素子を作製したとこ
ろ、液晶の配向性は良好であった。参考例と同様の条件
で電圧を印加したところ、印加した電圧のON−OFF
に応答して、液晶表示素子の明暗の変化が観察された。
【0035】実施例2〜3 合成例2〜3で得られた特定重合体2〜3を用いた以外
は、実施例1と同様に液晶表示素子を作製したところ、
いずれも液晶の配向性は良好であった。実施例1と同様
の条件で電圧を印加したところ、印加した電圧のON−
OFFに応答して、液晶表示素子の明暗の変化が観察さ
れた。
【0036】比較例 比較合成例で得られた重合体AaまたはAbを用いて、
実施例1と同様に基板上に薄膜を形成し、直線偏光紫外
線を照射して液晶配向膜を作成し、それを用いて液晶表
示素子を作製したところ、液晶の配向は観察されなかっ
た。
【0037】
【発明の効果】本発明の液晶配向剤を用いて形成した液
晶配向膜は、従来の光配向法による液晶配向膜に比べ
て、液晶配向の熱安定性が高く、表示特性の優れた液晶
配向膜が形成できる。また、本発明の液晶配向剤を用い
て形成された液晶配向膜は面内均一性に優れているた
め、IPS型、TN型、STN型等の表示用として用い
た場合に高い表示品位を持つ液晶表示素子が得られ、種
々の装置に有効に使用でき、例えば卓上計算機、腕時
計、置時計、係数表示板、ワードプロセッサ、パーソナ
ルコンピューター、液晶テレビなどの表示装置に好適に
用いられる。
フロントページの続き (72)発明者 竹内 安正 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 Fターム(参考) 2H090 HB08Y JC07 KA05 KA08 LA09 MB12 4C090 AA05 BA26 BA29 BD18 CA36 DA40

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(I) 【化1】 ここで、Z1、Z2およびZ3は、互いに独立に、下記式
    (I)−1 −R1−P1−CH=CH−CO−Q1 … (I)−1 ここで、P1は芳香環を有する2価の有機基であり、Q1
    は芳香環を有する1価の有機基でありそしてR1は2価
    の有機基または単結合である、で表される基、下記式
    (I)−2 −R2−P2−CO−CH=CH−Q2 … (I)−2 ここで、P2は芳香環を有する2価の有機基であり、Q2
    は芳香環を有する1価の有機基でありそしてR2は2価
    の有機基または単結合である、で表される基、水素原
    子、無置換またはハロゲンで置換されたアルキル基、無
    置換またはハロゲンで置換されたアリール基、無置換ま
    たはハロゲンで置換されたアラルキル基、および無置換
    またはハロゲンで置換されたアシル基よりなる群から選
    ばれる一価の有機基である、但しZ1、Z2およびZ3
    中の少なくとも1つは上記式(I)−1の基または上記
    式(I)−2の基であるものとする、で表される繰返し
    単位を有する重合体を含有することを特徴とする液晶配
    向剤。
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