JP5041134B2 - 液晶の配向剤、配向膜および液晶表示素子 - Google Patents
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Description
このような液晶セルにおいては、液晶を基板面に対し所定の方向に配向させるため、基板表面に液晶配向膜を設ける必要がある。この液晶配向膜は、通常、基板表面に形成された有機膜表面をレーヨンなどの布材で一方向にこする方法(ラビング法)により形成されている。しかし、液晶配向膜の形成をラビング処理により行うと、工程内でほこりが発生したり、静電気が発生したりしやすいために、配向膜表面にほこりが付着して表示不良発生の原因となるという問題があった。特にTFT(Thin Film Transistor)素子を有する基板の場合には、発生した静電気によってTFT素子の回路破壊が起こり、歩留まり低下の原因となるという問題もあった。さらに、今後ますます高精細化される液晶表示素子においては、画素の高密度化に伴い基板表面に凹凸が生じるために、均一にラビング処理を行うことが課題となる。
液晶セルにおける液晶を配向させる別の手段として、基板表面に形成したポリビニルシンナメート、ポリイミド、アゾベンゼン誘導体などの感光性薄膜に偏光または非偏光の放射線を照射することにより、液晶配向能を付与する光配向法が知られている。この方法によれば、静電気やほこりを発生することなく、均一な液晶配向を実現することができる(特許文献3〜13参照)。
また、上記とは別の液晶表示素子の動作モードとして、負の誘電異方性を有する液晶分子を基板に垂直に配向させる垂直(ホメオトロピック)配向モードも知られている。この動作モードでは、基板間に電圧を印加して液晶分子が基板に平行な方向に向かって傾く際に、液晶分子が基板法線方向から基板面内の一方向に向かって傾くようにする必要がある。このための手段として、例えば、基板表面に突起を設ける方法、透明電極にストライプを設ける方法、ラビング配向膜を用いることにより液晶分子を基板法線方向から基板面内の一方向に向けてわずかに傾けておく(プレチルトさせる)方法などが提案されている。
このように、前記光配向法により製造した液晶配向膜は、各種の液晶表示素子に有効に適用されうるものである。しかしながら、従来の光配向膜には、大きなプレチルト角を得るのに必要な放射線照射量が多いという問題があった。例えば、アゾベンゼン誘導体を含有する光配向膜においては、十分なプレチルト角を得るために、その光軸が基板法線から傾斜された放射線を、1J/cm2以上照射しなければならないことが報告されている(特許文献13〜14及び非特許文献1参照)。
−P1−CR1=CR2−CO−D1−L1−S1 (I)
−P2−CR3=CR4−CO−Q2−L2−S2 (II)
−D3−CO−CR5=CR6−P3−L3−S3 (III)
−Q4−CO−CR7=CR8−P4−L4−S4 (IV)
ここで、P1、P2、P3、P4、Q2およびQ4は、互いに独立に、ハロゲンまたは有機基で置換されていてもよい、2価の芳香族基又は不飽和複素環基であり、D1およびD3は、互いに独立に、酸素原子またはNR(ただし、Rは水素原子又は炭素数12以下のアルキル基を表す。)であり、S1、S2、S3およびS4は、互いに独立に、炭素数11〜30の縮合脂環式基を含む1価の有機基であり、L1、L2、L3およびL4は、互いに独立に、単結合又は2価の結合基であり、そしてR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8は、互いに独立に、水素原子又は炭素数12以下のアルキル基である。
(a)偏光した放射線を基板法線方向から照射したとき、偏光軸と直交する方向への液晶配向能が付与される。
(b)偏光した放射線を、基板法線から傾いた方向から、基板法線と放射線の入射軸がなす面内に偏光軸が存在するようにして照射したとき、基板法線から入射軸方向に傾いた方向への液晶配向能が付与される。
(c)非偏光の放射線を、基板法線から傾いた方向から照射したとき、基板法線から放射線の入射軸方向に傾いた方向への液晶配向能が付与される。
放射線の照射によりプレチルト角を含む液晶配向方位が制御される原理は、より具体的には、次のように考えることができる。
図2のように、本発明の重合体の薄膜に非偏光の放射線を照射した場合、図中で*印を付した側鎖がその方位を変えることになるので、基板法線から偏光の入射方向に傾いた方向への液晶配向能を持つ液晶配向膜が得られる。
前記特定構造は、上記式(I)、(II)、(III)および(IV)のそれぞれで表される構造のいずれかである。
上記式(I)、(II)、(III)および(IV)中、S1、S2、S3、およびS4で表される構造が、前記の嵩高い構造に相当し、具体的には、炭素数11〜30の縮合脂環式基を含む有機基である。ここで、縮合脂環式基とは、互いに同一でも異なっていてもよい2個以上の脂環からなる基であって、基中の1つの共有結合を切断することにより2つの部分に分割することができない基をいう。かかる有機基としては、例えば、パーヒドロアントラセン構造を有する基、ステロイド骨格を有する基、および環状トリテルペン骨格を有する基を挙げることができる。これらのうちステロイド骨格を有する基および環状トリテルペン骨格を有する基が好ましい。
上記式(I)で表わされる構造からL1およびS1を除いた残部ならびに上記式(III)で表わされる構造からL3およびS3を除いた残部が桂皮酸誘導体構造に相当する。
また、上記式(II)で表わされる構造からL2およびS2を除いた残部ならびに上記式(IV)で表わされる構造からL4およびS4を除いた残部が共役エノン構造に相当する。これらの式中、P1、P2、P3、P4、Q2およびQ4は、互いに独立に、ハロゲンまたは有機基で置換されていてもよい、2価の芳香族基又は不飽和複素環基である。
本発明で用いられる重合体の骨格には特に制限はなく、具体的には、ポリアミック酸、ポリイミド、ポリアミック酸エステル、ポリエステル、ポリアミド、ポリシロキサン、セルロース誘導体、ポリアセタール、ポリスチレン誘導体、ポリ(スチレン−フェニルマレイミド)誘導体、ポリ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。耐熱性に優れている点から、ポリアミック酸、ポリイミド、ポリアミック酸エステル、ポリスチレン誘導体およびポリ(スチレン−フェニルマレイミド)誘導体が好ましく、ポリアミック酸エステル、ポリアミック酸及びポリイミドがより好ましく、ポリアミック酸及びポリイミドが特に好ましい。
ポリアミック酸は、テトラカルボン酸二無水物と、ジアミン化合物とを反応させることにより得られる。また、ポリイミドは、上記ポリアミック酸を脱水閉環することにより得られる。本発明の光配向剤に含有される重合体として用いられるポリアミック酸およびポリイミドの合成には、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物のうちの少なくとも1つの成分に特定構造を有する化合物が用いられる。好ましくは、ジアミン化合物に特定構造を有する化合物が用いられる。
ポリアミック酸エステルは、上記ポリアミック酸と、有機ハロゲン化物、アルコール類またはフェノール類とを反応させることにより得られる。本発明の特定重合体として用いられるポリアミック酸エステルは、特定構造が、テトラカルボン酸二無水物またはジアミン化合物の少なくともいずれか一方に含まれていてもよく、有機ハロゲン化物、アルコール類またはフェノール類に含まれていてもよい。好ましくは、有機ハロゲン化物、アルコール類またはフェノール類に特定構造が含まれる。
およびオリザニル(3,5−ジアミノベンゾエート)、オリザニル(3,5−ジアミノベンゾエート)、2−(オリザニルオキシ)エチル(3,5−ジアミノベンゾエート)、オリザニル(2−(2,4−ジアミノフェノキシ)アセテート)、6−(オリザニルオキシ)ヘキシル(3,5−ジアミノベンゾエート)、1,3−ジアミノ−4−(オリザニルオキシ)ベンゼン、1,3−ジアミノ−4−(2(オリザニルオキシ)エトキシ)ベンゼン、1,3−ジアミノ−4−(6(オリザニルオキシ)ヘキシルオキシ)ベンゼン、3−コレステリル−4−(3,5−ジアミノベンゾイルオキシ)シンナメート、3−コレスタニル−4−(3,5−ジアミノベンゾイルオキシ)シンナメート、3−コレステリル−4−(2(3,5−ジアミノベンゾイルオキシ)エトキシ)シンナメート、3−コレスタニル−4−(2(3,5−ジアミノベンゾイルオキシ)エトキシ)シンナメート、3−コレステリル−4−(6(3,5−ジアミノベンゾイルオキシ)ヘキシルオキシ)シンナメート、3−コレスタニル−4−(6(3,5−ジアミノベンゾイルオキシ)ヘキシルオキシ)シンナメート、3−コレステリル−4−(2,4−ジアミノフェノキシ)シンナメート、3−コレスタニル−4−(2,4−ジアミノフェノキシ)シンナメート、3−コレステリル−4−(2(2,4−ジアミノフェノキシ)エトキシ)シンナメート、3−コレスタニル−4−(2(2,4−ジアミノフェノキシ)エトキシ)シンナメート、3−コレステリル−4−(6(2,4−ジアミノフェノキシ)ヘキシルオキシ)シンナメート、3−コレスタニル−4−(6(2,4−ジアミノフェノキシ)ヘキシルオキシ)シンナメート、4’−(3−コレステリルオキシ)−4−(3,5−−ジアミノベンゾイルオキシ)カルコン、4’−(3−コレスタニルオキシ)−4−(3,5−ジアミノベンゾイルオキシ)カルコン、4’−(3−コレステリルオキシ)−4−(2(3,5−ジアミノベンゾイルオキシ)エトキシ)カルコン、4’−(3−コレスタニルオキシ)−4−(2(3,5−ジアミノベンゾイルオキシ)エトキシ)カルコン、4’−(3−コレステリルオキシ)−4(6(3,5−ジアミノベンゾイルオキシ)ヘキシルオキシ)カルコン、4’−(3−コレスタニルオキシ)−4−(6(3,5−ジアミノベンゾイルオキシ)ヘキシルオキシ)カルコン、4’−(3−コレステリルオキシ)−4−(2,4−ジアミノフェノキシ)カルコン、4’−(3−コレスタニルオキシ)−4−(2,4−ジアミノフェノキシ)カルコン、4’−(3−コレステリルオキシ)−4−(2(2,4−ジアミノフェノキシ)エトキシ)カルコン、4’−(3−コレスタニルオキシ)−4−(2(2,4−ジアミノフェノキシ)エトキシ)カルコン、4’−(3−コレステリルオキシ)−4−(6(2,4−ジアミノフェノキシ)ヘキシルオキシ)カルコン、4’−(3−コレスタニルオキシ)−4−(6(2,4−ジアミノフェノキシ)ヘキシルオキシ)カルコン、(2(3,5−ジアミノベンゾイルオキシ)エチル)−4−(3−コレステリルオキシ)シンナメート、(2(3,5−ジアミノベンゾイルオキシ)エチル)−4−(3−コレスタニルオキシ)シンナメート、(6(3,5−ジアミノベンゾイルオキシ)ヘキシル)−4−(3−コレステリルオキシ)シンナメート、(6(3,5−ジアミノベンゾイルオキシ)ヘキシル)−4−(3−コレスタニルオキシ)シンナメート、(2,4−ジアミノフェニル)−4−(3−コレステリルオキシ)シンナメート、(2,4−ジアミノフェニル)−4−(3−コレスタニルオキシ)シンナメート、(2(2,4−ジアミノフェノキシ)エチル)−4−(3−コレステリルオキシ)シンナメート、(2(2,4−ジアミノフェノキシ)エチル)−4−(3−コレスタニルオキシ)シンナメート、(6(2,4−ジアミノフェノキシ)ヘキシル)−4−(3−コレステリルオキシ)シンナメート、(6(2,4−ジアミノフェノキシ)ヘキシル)−4−(3−コレスタニルオキシ)シンナメート、4−(3−コレステリルオキシ)−4’−(3,5−ジアミノベンゾイルオキシ)カルコン、4−(3−コレスタニルオキシ)−4’−(3,5−ジアミノベンゾイルオキシ)カルコン、4−(3−コレステリルオキシ)−4’−(2(3,5−ジアミノベンゾイルオキシ)エトキシ)カルコン、4−(3−コレスタニルオキシ)−4’−(2(3,5−ジアミノベンゾイルオキシ)エトキシ)カルコン、4−(3−コレステリルオキシ)−4’−(6(3,5−ジアミノベンゾイルオキシ)ヘキシルオキシ)カルコン、4−(3−コレスタニルオキシ)−4’−(6(3,5−ジアミノベンゾイルオキシ)ヘキシルオキシ)カルコン、4−(3−コレステリルオキシ)−4’−(2,4−ジアミノフェノキシ)カルコン、4−(3−コレスタニルオキシ)−4’−(2,4−ジアミノフェノキシ)カルコン、4−(3−コレステリルオキシ)−4’−(2(2,4−ジアミノフェノキシ)エトキシ)カルコン、4−(3−コレスタニルオキシ)−4’−(2(2,4−ジアミノフェノキシ)エトキシ)カルコン、4−(3−コレステリルオキシ)−4’−(6(2,4−ジアミノフェノキシ)ヘキシルオキシ)カルコン、及び、4−(3−コレスタニルオキシ)−4’ −(6(2,4−ジアミノフェノキシ)ヘキシルオキシ)カルコンを挙げることができる。これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
前記ポリアミック酸の合成においては、その性状を改善し、さらに、プレチルト角発現または垂直配向性などの機能を付与するために、特定構造を含むテトラカルボン酸二無水物およびジアミン化合物とともに、特定構造を含まない他のテトラカルボン酸二無水物および他のジアミン化合物を併用することができる。
ポリアミック酸の合成反応は、有機溶媒中において、好ましくは−20〜150℃、より好ましくは0〜100℃の温度条件下で行われる。ここで、有機溶媒としては、合成されるポリアミック酸を溶解できるものであれば特に制限はなく、例えばN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルイミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルトリアミドなどの非プロトン系極性溶媒;m−クレゾール、キシレノール、フェノール、ハロゲン化フェノールなどのフェノール系溶媒を挙げることができる。また、有機溶媒の使用量(a)は、好ましくはテトラカルボン酸二無水物およびジアミン化合物の総量(b)が、反応溶液の全量(a+b)に対して0.1〜30重量%になるような量であることが好ましい。
上記(i)のポリアミック酸を加熱する方法における反応温度は、好ましくは50〜200℃であり、より好ましくは60〜170℃である。反応温度が50℃未満では脱水閉環反応が十分に進行せず、反応温度が200℃を超えると得られるイミド化重合体(ポリアミック酸)の分子量が低下することがある。
特定構造を有するフェノール類としては、例えば、γ−オリザノール、4’−ヒドロキシ−4−(3−コレステリルオキシ)カルコン、4’−ヒドロキシ−4−(3−コレスタニルオキシ)カルコン、4−ヒドロキシ−4’−(3−コレステリルオキシ)カルコン及び4−ヒドロキシ−4’−(3−コレスタニルオキシ)カルコンを挙げることができる。これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
これらのうち、臭化ステアリル、1,1,1−トリフルオロ−2−ヨードエタン、塩化アセチルおよび塩化ステアロイルが好ましい。これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
これらのうち、セチルアルコール、ステアリルアルコール、1,1,1−トリフルオロエタノールが好ましい。これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
前記ポリアミック酸エステルは、前記テトラカルボン酸二無水物成分とジアミン成分を重縮合させてポリアミック酸を得て、次いで、必要に応じて触媒の存在下で、有機ハロゲン化物、アルコール類またはフェノール類と反応させることにより得られる。
ポリアミック酸と有機ハロゲン化物を反応する際に用いられる触媒としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、ナトリウムプロポキシド、カリウムプロポキシド、ナトリウムブトキシド、カリウムブトキシド、トリメチルアミン、トリエチルアミンおよびピリジンの如き塩基触媒を挙げることができる。また、このエステル化反応に用いられる有機溶媒としては、ポリアミック酸の合成に用いられるものとして例示した有機溶媒を挙げることができる。
ポリアミック酸とアルコール類またはフェノール類を反応する際に用いられる触媒としては、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド、クロロぎ酸メチルのような脱水触媒を挙げることができる。これらの脱水触媒は、必要に応じて、ジメチルアミノピリジン等の助触媒と組み合わせて用いることができる。
本発明の液晶配向剤は、特定構造を側鎖に有する重合体を含有する溶液からなる。この際用いられる溶剤としては、該重合体を溶解し得る有機溶剤であれば特に制限はない。このような溶媒としては、例えば、ポリアミック酸の合成に用いられるものとして例示した有機溶媒を挙げることができる。これらは、単独でまたは2種以上組み合わせて使用できる。また、ポリアミック酸の合成に用いられるものとして例示した貧溶媒を併用することもできる。好ましい溶媒組成は、前記の溶媒を組み合わせて得られる組成であって、配向剤中で重合体が析出せず、かつ、配向剤の表面張力が25〜40mN/mの範囲となるような組成である。
本発明の液晶配向剤における固形分濃度は、粘性、揮発性などを考慮して選択される。好ましくは1〜10重量%の範囲である。すなわち、本発明の液晶配向剤は、基板表面に塗布され、液晶配向膜となる塗膜を形成するが、固形分濃度が1重量%未満である場合には、この塗膜の膜厚が過小となって良好な液晶配向膜を得難い。固形分濃度が10重量%を超える場合には、塗膜の膜厚が過大となって良好な液晶配向膜を得難く、また、液晶配向剤の粘性が増大して塗布特性が劣り易くなる。
また、本発明の液晶配向剤を調製する際の温度は、好ましくは、0℃〜200℃、より好ましくは20℃〜60℃である。
本発明の液晶配向剤は、溶液特性および電気特性の改善のため、特定構造を持たない重合体を含有することができる。かかる重合体としては、例えば、ポリアミック酸、ポリイミド、ポリアミック酸エステル、ポリエステル、ポリアミド、ポリシロキサン、セルロース誘導体、ポリアセタール、ポリスチレン誘導体、ポリ(スチレン−フェニルマレイミド)誘導体、ポリ(メタ)アクリレート等を挙げることができるが、耐熱性および電気特性の点から、ポリアミック酸が好ましい。また、液晶配向剤に含有される全重合体に対する、特定構造を有しない重合体の比率は、0〜99重量%が好ましく、10〜90重量%がより好ましく、50〜90重量%が特に好ましい。
さらに、前述の多官能エポキシ含有化合物を使用する際、架橋反応を効率良く起こす目的で、1−ベンジル−2−メチルイミダゾールなどの塩基触媒を添加することができる。
本発明の液晶配向剤を用いて液晶配向膜を形成する方法としては、例えば次の方法が挙げられる。まず、透明導電膜が設けられた基板の透明導電膜側に、本発明の液晶配向剤を、例えばロールコーター法、スピンナー法、印刷法、インクジェット法等により塗布し、例えば40〜200℃の温度で加熱して塗膜を形成させる。塗膜の膜厚は、固形分として、好ましくは0.001〜1μm、より好ましくは0.005〜0.5μmである。
前記基板としては、例えばフロートガラス、ソーダガラスの如きガラス、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネートの如きプラスチックフィルムからなる透明基板を用いることができる。
前記透明導電膜としては、SnO2からなるNESA膜、In2O3−SnO2からなるITO膜等を用いることができる。これらの透明導電膜のパターニングには、フォト・エッチング法、予めマスクを用いる方法等が用いられる。
液晶配向剤の塗布に際しては、基板および透明導電膜と塗膜との接着性をさらに良好にするために、基板および透明導電膜上に、予め官能性シラン含有化合物、チタネート等を塗布することもできる。
(なお、本発明における「プレチルト角」とは、基板面と平行な方向からの液晶分子の傾きの角度を表す。)
本発明の液晶配向剤を用いて形成される液晶表示素子は、次のようにして製造される。前記液晶配向膜が形成された基板を準備し、その2枚を液晶配向膜を照射した直線偏光放射線の偏光方向が所定の角度となるように対向させ、基板の間の周辺部をシール剤でシールし、液晶を充填し、充填孔を封止して液晶セルを構成する。次いで、液晶セルを、用いた液晶が等方相をとる温度まで加熱した後、室温まで冷却して、注入時の流動配向を除去することが望ましい。
そして、その両面に偏光板の偏光方向がそれぞれ基板の液晶配向膜の配向容易軸と所定の角度を成すように偏光板を張り合わせることにより、液晶表示素子とする。液晶配向膜が水平配向性である場合、液晶配向膜が形成された2枚の基板における、照射した直線偏光放射線の偏光方向の成す角度および、それぞれの基板と偏光板との角度を調整することにより、TN型またはSTN型液晶セルを有する液晶表示素子を任意に得ることができる。一方、液晶配向膜が垂直配向性である場合には、液晶配向膜が形成された2枚の基板における配向容易軸の方向が平行となるようにセルを構成し、これに、偏光板を、その偏光方向が配向容易軸と45度の角度をなすように張り合わせて、垂直配向型液晶セルを有する液晶表示素子とすることができる。
前記液晶としては、例えばネマティック型液晶、スメクティック型液晶などを用いることができる。TN型液晶セルおよびSTN型液晶セルの場合、ネマティック型液晶を形成させる正の誘電異方性を有するものが好ましく、例えばビフェニル系液晶、フェニルシクロヘキサン系液晶、エステル系液晶、ターフェニル系液晶、ビフェニルシクロヘキサン系液晶、ピリミジン系液晶、ジオキサン系液晶、ビシクロオクタン系液晶、キュバン系液晶等が用いられる。また前記液晶に、例えばコレスチルクロライド、コレステリルノナエート、コレステリルカーボネート等のコレステリック液晶や商品名C−15,CB−15(メルク社製)として販売されているようなカイラル剤等をさらに添加して使用することもできる。さらに、p−デシロキシベンジリデン−p−アミノ−2−メチルブチルシンナメート等の強誘電性液晶も使用することができる。また、垂直配向型液晶セルの場合、ネマティック型液晶を形成させる負の誘電異方性を有するものが好ましく、例えば、ジシアノベンゼン系液晶、ピリダジン系液晶、シッフベース系液晶、アゾキシ系液晶、ビフェニル系液晶、フェニルシクロヘキサン系液晶等が用いられる。
T.J.Scheffer et. al. J. Appl. Phys.vo.19, p.2013(1980)に記載の方法に準拠し、He−Neレーザー光を用いる結晶回転法により測定した。
液晶表示素子に電圧をオン・オフ(印加・解除)したときの異常ドメインの有無を偏光顕微鏡で観察し、異常ドメインのない場合を「良好」と判定した。
液晶表示素子に5Vの電圧を60マイクロ秒の印加時間、167ミリ秒のスパンで印加した後、印加解除から167ミリ秒後の電圧保持率を測定した。測定装置は(株)東陽テクニカ製VHR−1を使用した。電圧保持率が90%以上の場合を良、それ以外の場合を不良と判断した。
ポリアミック酸の重合
2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物0.1モル(22.4g)と、天然のγ−オリザノールから特願2006−13115に記載した方法により合成された2−(オリザニルオキシ)エチル(3,5−ジアミノベンゾエート)78.1gを、N−メチル−2−ピロリドン400gに溶解させ、60℃で6時間反応させた。次いで、反応混合物を大過剰のメタノールに注ぎ、反応生成物を沈澱させた。その後、メタノールで洗浄し、減圧下40℃で15時間乾燥させて、ポリアミック酸(以下、「重合体1a」という)99gを得た。
重合体1a 20.1gに、N−メチル−2−ピロリドン380g、ピリジン3.2gおよび無水酢酸4.08gを添加し、120℃で4時間イミド化反応をさせた。次いで、反応混合液を大過剰のメタノールに注ぎ、反応生成物を沈澱させた。その後メタノールで洗浄し減圧下で15時間乾燥させて、ポリイミド(以下、「重合体1b」という)19gを得た。
ポリアミック酸の重合
2−(オリザニルオキシ)エチル(3,5−ジアミノベンゾエート)0.1モル(78.1g)に換えて、同様に合成された6−(オリザニルオキシ)ヘキシル(3,5−ジアミノベンゾエート)83.7gを用いたほかは合成例1と同様にして、ポリアミック酸(以下、「重合体2a」という)104gを得た。
重合体1a 20.1gに換えて、重合体2a 21.2gを用いたほかは合成例1と同様にして、ポリイミド(以下、「重合体2b」という)20gを得た。
ポリアミック酸の重合
2−(オリザニルオキシ)エチル(3,5−ジアミノベンゾエート)0.1モル(78.1g)に換えて、同様に合成された1,3−ジアミノ−4−(6(オリザニルオキシ)ヘキシルオキシ)ベンゼン80.9gを用いたほかは合成例1と同様にして、ポリアミック酸(以下、「重合体3a」という)102gを得た。
重合体1a 20.1gに換えて、重合体3a 20.7gを用いたほかは合成例1と同様にして、ポリイミド(以下、「重合体3b」という)19gを得た。
ポリアミック酸の重合
2−(オリザニルオキシ)エチル(3,5−ジアミノベンゾエート)0.1モル(78.1g)に換えて、天然のγ−オリザノールから合成されたオリザニルオキシ(2(2,4−ジアミノフェノキシ)アセテート)76.7gを用いたほかは合成例1と同様にして、ポリアミック酸(以下、「重合体4a」という)97gを得た。
重合体1a 20.1gに換えて、重合体4a 19.5gを用いたほかは合成例1と同様にして、ポリイミド(以下、「重合体4b」という)18gを得た。
ポリアミック酸の重合
2−(オリザニルオキシ)エチル(3,5−ジアミノベンゾエート)0.1モル(78.1g)に換えて、天然のγ−オリザノールから特願2006−13115に記載した方法により合成されたオリザニル(3,5−ジアミノベンゾエート)74.0gを用いたほかは合成例1と同様にして、ポリアミック酸(以下、「重合体5a」という)85gを得た。
重合体1a 20.1gに換えて、重合体5a 18.9gを用いたほかは合成例1と同様にして、ポリイミド(以下、「重合体5b」という)17gを得た。
ポリアミック酸の重合
2−(オリザニルオキシ)エチル(3,5−ジアミノベンゾエート)0.1モル(78.1g)に換えて、オリザニルオキシ(2(2,4−ジアミノフェノキシ)アセテート) 38.4gとp−フェニレンジアミン 0.05モル(5.4g)を併せて用いたほかは合成例4と同様にして、ポリアミック酸(以下、「重合体6a」という)70gを得た。
重合体1a 20.1gに換えて、重合体6a 14.3gを用いたほかは合成例1と同様にして、ポリイミド(以下、「重合体6b」という)13gを得た。
ポリアミック酸の重合
オリザニルオキシ(2(2,4−ジアミノフェノキシ)アセテート)38.4gに換えて、オリザニルオキシ(3,5−ジアミノベンゾエート)37.0gを用いたほかは合成例6と同様にして、ポリアミック酸(以下、「重合体7a」という)69gを得た。
重合体1a 20.1gに換えて、重合体6a 14.0gを用いたほかは合成例1と同様にして、ポリイミド(以下、「重合体7b」という)13gを得た。
ポリアミック酸の重合
2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物0.1モル(22.4g)に換えて、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物0.1モル(19.6g)を用い、重合反応を室温で行なったほかは合成例7と同様にして、ポリアミック酸(以下、「重合体8a」という)59gを得た。
ポリアミック酸の重合
1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−8−メチル−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン0.1モル(31.3g)、天然のγ−オリザノールから特願2006−13115に記載した方法により合成されたオリザニルオキシ(3,5−ジアミノベンゾエート)0.04モル(29.6g)と、p−フェニレンジアミン 0.06モル(6.5g)とを、N−メチル−2−ピロリドン400gに溶解させ、室温で24時間反応させた。次いで、反応混合物を大過剰のメタノールに注ぎ、反応生成物を沈澱させた。その後、メタノールで洗浄し、減圧下40℃で15時間乾燥させて、ポリアミック酸(以下、「重合体9a」という)64gを得た。
重合体1a 20.1gに換えて、重合体9a 13.5gを用いたほかは合成例1と同様にして、ポリイミド(以下、「重合体9b」という)12gを得た。
ポリアミック酸の重合
2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物0.1モル(22.4g)とp−フェニレンジアミン0.1モル(10.8g)をN−メチル−2−ピロリドン300gに溶解させ、60℃で6時間反応させた。次いで、反応混合物を大過剰のメタノールに注ぎ、反応生成物を沈澱させた。その後、メタノールで洗浄し、減圧下40℃で15時間乾燥させて、ポリアミック酸(以下、「重合体Aa」という)27.4gを得た。
16.6gの重合体1aにN−メチル−2−ピロリドン350g、4−(6−ブロモヘキシルオキシ)−4’−(3−コレスタニルオキシ)カルコン 77.4gおよび炭酸カリウム13.8gを添加し、120℃で4時間反応させた。次いで、反応混合液を水に注ぎ、反応生成物を沈澱させた。得られた沈殿物を水で洗浄し減圧下で15時間乾燥させて、ポリアミック酸エステル(以下、「重合体10b」という)85gを得た。
1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物1.0モル(196.12g)および2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル1.0モル(212.3g)をN−メチル−2−ピロリドン4,500gに溶解させ、40℃で3時間反応させた。次いで、反応溶液を大過剰のメタノールに注いで反応生成物を沈澱させた。その後、メタノールで洗浄し、減圧下40℃で15時間乾燥させることにより、ポリアミック酸(以下、「重合体Ba」という)390gを得た。
イミド化反応
20.0gの重合体Aaに、N−メチル−2−ピロリドン380g、ピリジン9.5gおよび無水酢酸12.3gを添加し、120℃で4時間イミド化反応をさせた。次いで、反応混合液を大過剰のメタノールに注ぎ、反応生成物を沈澱させた。その後メタノールで洗浄し減圧下で15時間乾燥させて、ポリイミド(以下、「重合体Ab」という)15.3gを得た。
比較合成例で得られた重合体AbをN−メチル−2−ピロリドンに溶解させて固形分濃度2.5重量%の溶液とし、この溶液を孔径1μmのフィルターで濾過して、液晶配向剤(以下、「液晶配向剤P」という。)を調製した。この溶液をITO膜からなる透明電極付きガラス基板の透明電極面上に、膜厚が0.1μmになるようにスピンナーを用いて塗布し、180℃で1時間乾燥させて薄膜を形成した。この薄膜に、ナイロン製の布を巻き付けたロールを有するラビングマシーンを用いて、ロールの回転数500rpm、ステージの移動速度1cm/秒でラビング処理を行った。次に、前記ラビング処理を行った一対の基板について、液晶配向膜を形成した面に直径5.5μmの酸化アルミニウム球入りエポキシ樹脂接着剤をスクリーン印刷塗布した後、ラビング方向が反平行となるように基板を重ね合わせて圧着し、150℃で1時間かけて接着剤を熱硬化させた。次いで、液晶注入口より一対の基板間に、ネマティック型液晶(メルク社製、ZLI−1565)を充填した後、エポキシ系接着剤で液晶注入口を封止した。さらに、液晶注入時の流動配向を除くために、これを150℃で加熱してから室温まで徐冷した。次に、基板の外側両面に、偏光板を、その偏光方向が互いに直交し、かつ、液晶配向膜のラビング方向と45度の角度をなすように貼り合わせて液晶表示素子を作製したところ、液晶の配向性は良好であった。電圧5Vを印加すると、印加した電圧のON−OFFに応答して液晶表示素子の明暗の変化が観察された。また、この液晶セルにおけるプレチルト角は0.5°であり、電圧保持率の判定は良であった。
合成例1〜6で得られた重合体1a〜6aを、表1に示す組成でN−メチル−2−ピロリドン/ブチルセロソルブ(60/40)(重量比)の混合溶媒に溶解させて固形分濃度2.5重量%の溶液とし、この溶液を孔径1μmのフィルターで濾過して、液晶配向剤B−1〜B−8を調製した。
E−1: N,N,N’,N’ −テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフ
フェニルメタン
E−2: ビスフェノールAジグリシジルエーテル
次に、液晶配向剤Pに代えて液晶配向剤B−1〜B−8を用いたほかは参考例1と同様にして、基板上に薄膜を形成した。この薄膜表面に、Hg−Xeランプ及びグランテーラープリズムを用いて、313nmの輝線を含む偏光紫外線0.1J/cm2を、基板法線から40度傾いた方向から照射した。次に、基板および偏光板の張り合わせの際に、ラビング方向に代えて、紫外線の光軸の基板面への射影方向に従い、液晶として、メルク社製ZLI−1565に代えて、メルク社製MLC−6608を用いた以外は、参考例1と同様の方法で液晶表示素子を作製したところ、液晶の垂直配向性はいずれも良好であった。参考例1と同様の条件で電圧を印加すると、いずれの液晶表示素子においても印加した電圧のON−OFFに応答して、液晶表示素子の明暗の変化が観察された。
合成例1〜6および9で得られた重合体1b〜7bおよび9bを、表3に示す組成で溶媒に溶解させて固形分濃度2.5重量%の溶液とし、この溶液を孔径1μmのフィルターで濾過して、液晶配向剤B−9〜B−17を調製した。
これらの液晶表示素子のプレチルト角および電圧保持率の判定を表4に示す。
合成例1〜7および9で得られた重合体1b〜7bおよび9b、および、合成例10〜11で得られた重合体Aa〜Baを、表5に示す組成で溶媒に溶解させて固形分濃度2.5重量%の溶液とし、この溶液を孔径1μmのフィルターで濾過して、液晶配向剤B−18〜B−26を調製した。
次に、液晶配向剤B−1に代えて液晶配向剤B−18〜B−26を用いたほかは実施例1と同様にして液晶表示素子を作製した。いずれの液晶表示素子においても、液晶は良好な垂直配向性を示していた。参考例1と同様の条件で電圧を印加すると、いずれの液晶表示素子においても印加した電圧のON−OFFに応答して液晶表示素子の明暗の変化が観察され、電圧印加時の液晶配向性は良好であった。
これらの液晶表示素子のプレチルト角および電圧保持率の判定を表6に示す。
合成例10で得られた重合体10bをN−メチル−2−ピロリドン/ブチルセロソルブ(60/40)(重量比)の混合溶媒に溶解させて固形分濃度2.5重量%の溶液とし、この溶液を孔径1μmのフィルターで濾過して、液晶配向剤B−27を調製した。
液晶配向剤B−1に代えて液晶配向剤B−27を用いたほかは実施例1と同様にして、基板上に薄膜を形成した。この薄膜表面に、Hg−Xeランプ及びグランテーラープリズムを用いて、313nmの輝線を含む偏光紫外線0.1J/cm2を、基板法線から40度傾いた方向から照射した。次に、実施例1と同様の方法で液晶表示素子を作製したところ、液晶の垂直配向性はいずれも良好であった。参考例1と同様の条件で電圧を印加すると、いずれの液晶表示素子においても印加した電圧のON−OFFに応答して、液晶表示素子の明暗の変化が観察された。
これらの液晶表示素子のプレチルト角および電圧保持率の判定を表7に示す。
偏光紫外線の照射方向を基板法線方向からとし、液晶として、メルク社製MLC−6608にかえて、二色性色素ジスパースレッドをメルク社製MLC−6608に0.1wt%溶解したものを用い、かつ偏光板の貼りあわせを行わなかった以外は、実施例1〜26のそれぞれと同様の方法で液晶表示素子を作製したところ、液晶の垂直配向性はいずれも良好であった。参考例1と同様の条件で電圧を印加し、偏光顕微鏡で観察したところ、偏光紫外線の偏光軸と直交する方向の偏光に対してのみ、赤色の着色が認められた。この結果は、得られた配向膜が、偏光紫外線の偏光軸と直交する方向への液晶配向能を持っていることを示している。
液晶配向剤B−1に代えて液晶配向剤Pを用いたほかは実施例1と同様にして、液晶表示素子を作製したところ、液晶配向は認められなかった。
Claims (7)
- 下記式(I)、(II)、(III)および(IV)のそれぞれで表わされる構造よりなる群から選ばれる少なくとも1つの構造を側鎖に有する重合体を含有することを特徴とする液晶配向剤。
−P1−CR1=CR2−CO−D1−L1−S1 (I)
−P2−CR3=CR4−CO−Q2−L2−S2 (II)
−D3−CO−CR5=CR6−P3−L3−S3 (III)
−Q4−CO−CR7=CR8−P4−L4−S4 (IV)
ここで、P1、P2、P3、P4、Q2およびQ4は、互いに独立に、ハロゲンまたは有機基で置換されていてもよい、2価の芳香族基又は不飽和複素環基であり、D1およびD3は、互いに独立に、酸素原子またはNR(ただし、Rは水素原子又は炭素数12以下のアルキル基を表わす。)であり、S1、S2、S3およびS4は、互いに独立に、炭素数11〜30の縮合脂環式基を含む1価の有機基であり、L1、L2、L3およびL4は、互いに独立に、単結合又は2価の結合基でありそしてR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8は、互いに独立に、水素原子又は炭素数12以下のアルキル基である。 - 前記重合体の主鎖がポリアミック酸又はポリイミドである請求項1に記載の液晶配向剤。
- 前記重合体の主鎖がポリアミック酸エステルである請求項1に記載の液晶配向剤。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の液晶配向剤からなる薄膜に、偏光または非偏光の放射線を照射して液晶配向能を付与してなる液晶配向膜。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の液晶配向剤からなり、下記(a)および(b)の特性をともに有する薄膜に、偏光または非偏光の放射線を照射して液晶配向能を付与してなる液晶配向膜。
(a)偏光した放射線を基板法線方向から照射したとき、偏光軸と直交する方向への液晶配向能が付与される。
(b)偏光した放射線を、基板法線から傾いた方向から、基板法線と放射線の入射軸がなす面内に偏光軸が存在するようにして照射したとき、基板法線から入射軸方向に傾いた方向への液晶配向能が付与される。
- 薄膜が、前記(a)および(b)の特性に加えて、下記(c)の特性を有する、請求項5に記載の液晶配向膜。
(c)非偏光の放射線を、基板法線から傾いた方向から照射したとき、基板法線から放射線の入射軸方向に傾いた方向への液晶配向能が付与される。 - 請求項4〜6のいずれかに記載の液晶配向膜を有することを特徴とする液晶表示素子。
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