JP2013541035A - 吸音障壁 - Google Patents

Abstract

【解決手段】吸音障壁１０は、多孔質の第１カバー５０と第２カバー６０の間に配置された吸音層４０を有する。障壁１０は、第１カバー５０と第２の吸音層４０の間に防水の音透過性メンブレン７０を有する。吸音層４０は第１カバー５０および第２カバー６０によって損傷から保護され、音透過性メンブレン７０によって水の進入が防止される。第２カバー６０は、吸音層４０を通過した音波を反射して吸音層４０に戻す非多孔質であってもよい。代替的に、第２カバーが多孔質であり二方向からの音を吸収可能であってもよい。
【選択図】図３

Description

本発明は、柔軟な吸音障壁に関する。より詳細には、本発明は、建設現場などの音響遮蔽用の吸音障壁に関する。本発明は、例えば音楽コンサートやスポーツイベントなどの他の用途にも容易に適用することができる。

このような用途の典型的な騒音障壁は、騒音の伝達を防ぐために、金属、合板またはアクリルガラスなどの材料から作成される。これらの障壁は、音波を吸収するというよりも反射しがちである。したがって、全体の騒音レベルは通常は減少しない。実際には、障壁によって画成された囲いの内部での騒音レベルが、障壁の存在によって増加することもある。

代替的に、騒音障壁は、全体の騒音レベルを低減する吸音材を備えてもよい。典型的に、このような障壁は吸音材としてロックウールまたはグラスファイバーを備える。吸音については有効だが、これらの材料は吸入により人体に取り込まれて目、皮膚および気道を刺激することがあるので、その取り扱いに注意を払う必要がある。通常、このタイプの吸音材は例えばＰＶＣなどの材料の二枚の固体層の間に包まれており、吸音材が漏れるのを防止している。しかしながら、固体の不浸透性の材料の中に吸音材を詰めることによって、吸音材の内部に音が浸透することができなくなるので、吸音材としての障壁の有効性は減少する。

非保護の吸音材層を有する音響障壁も知られている。しかしながら、これらは雨から水を吸収し、重量の増加や、障壁を車両で搬送したり保管しているときの水漏れや、材料が腐食してかびが生えるといった問題を引き起こす。

吸音材を覆うスキンとして薄いプラスチックフィルムを備えた堅固な障壁も知られている。しかしながら、フィルムは防水であるが空気を通さないので、音のかなりの割合を反射してしまい、吸音材の性能を低下させる。

従来、吸音の騒音障壁は、保管および搬送のために平らに折り畳まれている。これは障壁のサイズをある程度まで小さくするが、このような障壁は依然として扱いにくく、過度に柔軟であり管理が困難である。

さらに、従来の吸音障壁は、例えば足場やＨｅｒａｓ（登録商標）のフェンスなどの支持構造からケーブルタイを用いて通常は吊り下げられる。したがって、その据え付けには時間がかかり、少なくとも二人の人間の協力が必要である。例えば夜間に実行される鉄道保守から生じる音を遮蔽すべく、短時間の内に障壁を据え付けたり取り外す場合は特に、このことが大きな欠点となり得る。

本発明によると、第１の多孔質音透過性カバーと第２カバーとの間に配置される吸音層と、第１カバーと吸音層との間に配置される防水の音透過性織物メンブレンと、を備える柔軟な吸音障壁が提供される。

この構造を用いると、第１および第２カバーによって損傷から吸音層が保護されるとともに水の進入が防止される。さらに、多孔質の第１カバーと音透過性のメンブレンとにより、音が騒音源へと反射されるのではなく、吸音層に音を進入させることができる。

好ましくは、第２カバーは多孔質で音透過性を有する。この構成によると、音障壁の両面で吸音することができる。

代替的に、第２カバーは非多孔質である。この結果、第１カバーおよび吸音層を通過するあらゆる音が第２カバーによって反射されて戻されるので、吸音層を音が二回通過する。したがって、障壁によりもたらされる音の減衰を改善することができる。

好ましくは、第２カバーと吸音層の間に第２の防水の音透過性織物メンブレンが配置される。この結果、障壁の吸音特性を大きく減じることなく、第２カバーを通した吸音層への水の進入を防止することができる。

好ましくは、吸音層はオープンセル型フォームを含む。

好ましくは、複数のリッジまたは突起を有する凹凸面を吸音層が備えている。

好ましくは、吸音障壁は巻き取れるように十分に柔軟である。

好ましくは、吸音障壁を巻かれた状態で保持する締結手段をさらに備える。

このように、障壁のサイズを小さくし、また不使用時の構造的硬直性を高めることができる。これは、障壁の保管および運搬の助けとなる。さらに、支持構造から一旦吊されると、締結手段を解放したときに自重によって障壁が展開するので、障壁の据え付けをより容易に行うことができる。

好ましくは、第２カバーがＰＶＣで形成される。

第２カバーに隣接して柔軟で非多孔質の第３カバーが設けられてもよい。第３カバーがＰＶＣで形成されてもよい。

好ましくは、吸音障壁は、吸音障壁を支持構造から吊り下げるための取付装置をさらに備える。

好ましくは、取付装置がフック部材を含む。

好ましくは、取付装置は、吸音障壁の平面と略直角方向に吸音障壁に対してフック部材がスライドできるようにフック部材をスライド可能に接続するキャリアをさらに備える。取付装置は、フック部材のスライドに抵抗する戻り止め手段を備えてもよいし、および／またはフック部材のスライド変位を個別の増分に分割する戻り止め手段を備えてもよい。

好ましくは、フック部材は、支持構造から障壁を吊り下げるための第１フックと、フック部材から障壁を吊り下げるための第２フックと、を備える。

好ましくは、第１および第２フック手段が異なるサイズであり、異なるサイズのフェンスポストにクリップされるように構成される。

好ましくは、多孔質のインナーカバーが柔軟なプラスチック材料で形成される。

好ましくは、防水の音透過性メンブレンがゴアテックス（登録商標）または等価の材料で形成される。

本発明の好適な実施形態について、添付の図面を参照して以下で説明する。

本発明の第１実施形態に係る吸音障壁の正面図である。 明確にするために締結手段と取付装置とを取り除いた図１の吸音障壁の正面図である。 図１の吸音障壁の部分断面図である。 図１の吸音障壁の取付装置の断面図である。 明確にするための取付装置のキャリアの大半を取り除いた図４の取付装置の正面図である。 図４の取付装置の上面図である。 吸音障壁を丸めた状態を示す、図１の吸音障壁の側面図である。 図１の吸音障壁の側面図であり、支持構造から吊された吸音障壁を示す図である。 リッジ付きの断面を有する吸音層の正面図である。 図９の吸音層の部分断面図である。 本発明の第２実施形態に係る代替的な吸音障壁の部分断面図である。 本発明の第３実施形態に係る代替的な吸音障壁の部分断面図である。 図１２の吸音障壁の正面図である。 図１の吸音障壁の代替的な取付装置の断面図である。 図１の吸音障壁のさらなる代替的な取付装置の断面図である。 図１の吸音障壁のさらなる代替的な取付装置の断面図である。 図１の吸音障壁のさらなる代替的な取付装置の第１構成の断面図である。 図１５の取付装置の第２構成の断面図である。

簡単にするために図面は模式的に描かれており、必ずしも縮尺通りではないことに注意すべきである。

図１は、本発明の吸音障壁１０であり、吸音障壁１０の主要部品を示している。障壁１０は、騒音を吸収するスクリーン本体２０と、障壁１０をフェンスまたは足場などの支持構造（図示せず）に取り付ける取付装置３０とを有する。障壁１０は、不使用時に障壁を巻いた状態で固定するための締結手段３２も備えている。

この例では、締結手段３２は、障壁１０の一端でストラップに取り付けられる雌部３４と、障壁１０の反対端に向けて障壁１０に固定される調節可能なストラップに取り付けられる雄部３６とを有する二辺のプラスチッククリップを備える。他の固定手段、例えば面ファスナー（hook and loop fastener）またはバックル等も使用可能である。締結手段３２のストラップは、障壁が巻かれた状態で障壁を搬送するためのハンドルとしても機能する。この構成により、障壁１０は、不使用時にしっかりと巻かれた状態を保持することができるため、収納に要する空間が減少し、取り扱いの容易さが向上する。これは、足場などのアクセスが制限される構造に障壁を取り付けるときに特に有用である。

図２および３に示すように、スクリーン本体２０は、第１カバー５０と第２カバー６０との間に包まれた吸音材の柔軟な長方形パネル４０を備える。スクリーン本体２０は典型的に長さ２０５０ｍｍ、幅１３００ｍｍであるが、様々な応用先に適合するようにこれらの寸法を変えることができる。

この例では、吸音パネル４０は、「Ｌａｍａｐｈｏｎ」などのオープンセル型ポリウレタンフォームで形成されるが、他のタイプの吸音材、例えば「Ｌａｍａｃｅｌｌ」などのクローズドセル型フォームやその等価物を使用してもよい。しかしながら、オープンセル型フォームが最大の吸音能力を提供する。

第１カバー５０は、適度に耐久性があるが軽量かつ柔軟なプラスチックシート材料を含み、多孔質である。すなわち、第１カバーは、カバー５０を通してより簡単に音波が伝達されるとともに第１カバー５０により反射される音の量を少なくするように複数の開口を有している。例えば、緩く目の粗い織りのプラスチック織物シートで多孔性を提供してもよい。こうして、第１カバー５０は、音を伝達可能でありながら吸音パネル４０の上に保護メッシュを形成する。第１カバー５０の開口は、長さまたは幅が実質的に１ｍｍを越えないことが好ましい。

第２カバー６０は、適切な厚さの非多孔質であり柔軟で防水性のシート材料で形成され、音の伝達を防止または低減するマスバリアとして機能する。この例では、第２カバー６０は９００ｇ／ｍ^２のＰＶＣで形成されるが、様々な厚さまたは様々な材料を使用することができる。重さを考慮すると、第２カバー６０は１５００ｇ／ｍ^２以下のＰＶＣで形成されることが好ましい。

第２カバー６０は、その外面に一つまたは複数の光反射材料（スコッチライトなど）ストリップ６２を備え、障壁の視認性を高めている。反射ストリップ６２は、特定タイプの車両のヘッドライトを対象にして配置されてもよい。例えば、自動車のヘッドライトを反射するために、障壁の底部から約７７０ｍｍのところに配置してもよいし、および／または、重量物運搬車のヘッドライトを反射するために、障壁の底部から約１３００ｍｍのところに配置してもよい。

本体２０は、第１カバー５０と吸音パネル４０との間に配置された、防水であるが空気透過性および音透過性のメンブレン７０をさらに備える。メンブレン７０により、吸音パネル４０に音波を伝達することはできるが、水の進入は防止する。水を吸収するとパネル４０の吸音材としての有効性が減少し、また障壁１０が非常に重くなって取り扱いが困難になるので、吸音パネル４０が親水性である場合には、これは特に有益なものとなる。メンブレン７０は、適切な厚さの防水性、空気透過性、音透過性の織物材料で形成される。この例では、メンブレン７０は、約１０ｇ／ｍ^２から１００ｇ／ｍ^２の間のゴアテックス（登録商標）または同等材料で形成される。

第１カバー５０、第２カバー６０、およびメンブレン７０は重ねられ、糸８０を用いて縫い合わされる。障壁１０をさらに強化するために、本体２０の縁にウェビング９０を配置してもよい。カバー５０、６０、およびメンブレン７０を第２列の糸１００で縫い合わせ、パネル４０を特定の位置に、例えば図２に示すようにスクリーン本体２０の中心に揃うように保持することができる。

障壁１０は、スクリーン２０の周縁に複数の小穴１１０を備える。これらの小穴により、フェンス、足場または他の支持構造に、あるいは隣接する障壁１０に障壁１０を固定することが可能になる。フック、ケーブルタイ、または他の固定機構によって障壁１０を固定することができる。以下で述べるように、取付装置３０を用いて障壁１０を固定することが好ましい。典型的には、小穴の直径は２５ｍｍである。このサイズは、支持構造に障壁１０を固定する助けとなり、または隣接する障壁１０をより容易に位置合わせし互いに固定するのに十分な大きさである。障壁１０は、隣接する障壁１０の相対位置および重なり合いを調節できるように、少なくとも二つの小穴１１０からなる一つまたは複数の列を有していてもよい。

図４および５は、スクリーン本体２０に接続される取付装置３０を示す。取付装置３０は、キャリア１２０とフック部材１３０とを備える。キャリア１２０はプラスチックで形成されてもよいし、または複合材料や鋼鉄などの他の適切な材料で形成されてもよく、障壁１０の上縁に適合する略Ｕ字形断面を有している。キャリア１２０に接続され障壁１０の小穴１１０のうち一つを通過することができる固定手段１４０を介して、キャリア１２０を本体２０に固定することができる。固定手段１４０は、例えばクリップまたはナットとボルトの構成を含んでもよい。この構成を用いて、必要に応じて取付装置３０をスクリーン本体２０に容易に固定し、またはスクリーン本体２０から容易に取り外すことができる。

フック部材１３０は、鋼鉄、プラスチックまたは複合材料などの適切な厚さの変形可能な材料で形成される。このため、フック部材１３０は、踏みつけられたり上を走行された場合に、破壊や折損する代わりに変形する。さらに、障壁１０の柔軟性のために取付装置３０が移動することができ、この結果、取付装置３０に損傷を与える可能性が低下する。これは、作業者を負傷させたり装置を損傷したりする鋭いエッジを取付装置３０が持つことを防止し、また障壁１０自体への損傷を防止する。フック部材１３０は、上部１５０と、上部１５０から下方に突出する少なくとも一つのサイドアーム部１６０とを備える。

フック部材１３０の上部１５０は、キャリア１２０の開口１７０の中に支持されている。そのため、フック部材１３０は、スクリーン２０の平面と略直角の方向にキャリア１２０に対してスライドすることができる。この構成を用いると、フック部材１３０のサイドアーム部１６０とキャリア１２０との間の距離を変化させて、様々なサイズの支持構造に対応することができる。キャリア１２０とフック部材１３０との相対運動が図６に描かれている。これは、第１位置Ｐ１および第２位置Ｐ２におけるフック部材を示している。

片側のフック構成の代替として、フック部材１３０は両側の構成であってもよい。すなわち、図４に示すようにフック部材１３０が二つのアーム部１６０を有してもよい。これにより、支持構造Ａのいずれの側にも障壁１０を据え付けることが可能になる。

フック部材のスライド変位に抵抗し、および／またはフック部材１３０の変位を個別の増分に分割するために、キャリア１２０およびフック部材１３０が戻り止め部材（図示せず）を用いて固定されてもよい。これにより、取付装置３０が支持構造Ａを締め付けることが可能になり、障壁１０がよりしっかりと固定される。

図７および８を参照して、障壁１０の据え付け方法について説明する。

障壁１０はユーザによって把持され、図７に示すように巻かれた状態で所望の位置へと搬送される。障壁１０の各取付装置３０のフック部材１３０が支持構造Ａの上方に配置される。障壁１０が支持構造Ａの内側、例えば建設現場の境界フェンスの内側に配置される場合、取付装置３０のフック部材１３０は、第２カバー６０に対応する障壁１０の側に配置される（片側フック構成の場合）かまたは延びる（両側フック構成の場合）べきでる。反対に、支持構造Ａの外側、例えば足場の外面に障壁１０が吊される場合、フック部材１３０は、第１カバー５０に対応する障壁１０の側に配置されるかまたは延びるべきである。これにより、第１カバー５０が確実に騒音源の方を向くことになる。

一旦支持構造Ａの上に配置されると、支持構造Ａを締め付けるように各フック部材１３０を調節することができる。続いて、締結手段３２を開放すると、障壁１０が図８に示す位置まで方向Ｂに自重で展開する。

同様に、支持構造Ａ上に別の障壁１０を据え付け、隣接する障壁１０を重ね合わせて連続的な騒音保護層を提供することができる。小穴１１０同士を位置合わせし、小穴１１０を通るケーブルタイなどの締結手段を用いて、またはベルクロやジップなどの他の手段によって、隣接する障壁を互いに固定することができる。

第１カバー５０が騒音源の方を向くように所望の位置に障壁１０を一旦据え付けると、第１カバー５０のレセプタメッシュを音波が通過し、入射する音波のエネルギーの一部を熱として消散させる吸音パネル４０によって音波が吸収される。残りの音波の一部は第２カバー６０によって反射されて吸音パネルに戻される。この結果、騒音の吸収が高まる。

より大きな雑音減衰が必要な場合、例えば特に大きな騒音源にごく接近している場合、支持構造Ａから複数層の障壁１０を吊り下げることができる。そうするために、第２の別の障壁１０のフック部材１３０を、支持構造Ａにそれらが適合するように、第１障壁１０のフック部材よりもさらに大きく延在させてもよい。代替的に、両側フック構成を採用し、フェンスまたは足場の反対側に別の障壁を据え付けてもよい。

図９および１０を参照すると、代替的な吸音層４０が示されている。騒音源に対して平面を対峙させる代わりに、吸音層４０が凹凸面を有していてもよい。例えば、吸音層４０が複数のリッジ１８０、すなわちパネル４０の幅方向を横切って延びる突起部を有し、吸音材４０の表面積を増大させて吸音特性を変化させてもよい。このようなリッジ１８０は、障壁１０の巻き取りも容易にする。リッジ１８０は、図１０の中央部のリッジ１８２で示すように、規則的な断面を有していてもよいし、あるいは、例えば複数の鶏卵箱形突起のように形成されるか、図１０の上部および底部のリッジ１８４によって示すような不規則な断面であってもよい。

図１１は、第２実施形態に係る吸音障壁１０’を示す。上述した障壁１０と同様に、吸音障壁１０’のスクリーン本体２０’は、第１カバー５０’と第２カバー６０’の間に包まれた吸音材の柔軟パネル４０’を備える。

この構造では、第１カバー５０’と第２カバー６０’の両方が、適度に耐久性があるが軽量かつ柔軟な多孔質（すなわち、複数の開口を備える）のシート材料を含む。防水だが空気透過性で音透過性のメンブレン７０’が、吸音パネル４０’の両側に配置される。この結果、第１カバー５０’および第２カバー６０’が、吸音パネル４０’およびメンブレン７０’の上に音透過性の保護メッシュを形成する一方、メンブレン７０’が水の進入を防止する。この構造により、吸音障壁１０’の両面で効果的に音を吸収することが可能になる。

障壁１０’は、防水性を高め印刷用の表面を提供するために、障壁の上縁または他の縁に沿って不浸透性の縁取りストリップを備えてもよい。

図１２および１３は、第３実施形態に係る音障壁１０”を示す。この例では、図１１に示すスクリーン本体２０’を、例えばＰＶＣ層である柔軟な防水の非多孔質層６５に取り付けることができる。非多孔質層６５は、小穴１１０を用いて支持構造（図示せず）から吊り下げられる。非多孔質層６５はマス層として機能する。すなわち、障壁１０”を通る音の伝達を制限する。非多孔質のマス層６５を追加すると、スクリーン２０’を通過した音が非多孔質層６５によって反射されてスクリーン２０’に戻される。このため、この構成は、音の伝達の低減に加えて、音の吸収を改善することができる。非多孔質層６５およびスクリーンは、スクリーン２０’と同一の広がりを持ち、図１２に示すように支持構造から両方とも吊り下げられる。代替的に、図１３に示すように、ベルクロ（登録商標）、タイ、ポッパー、および／またはクリップ（図示せず）などの既知の技術を使用して、支持構造および非多孔質層６５に取り付けられたスクリーン２０’から、非多孔質層を吊り下げてもよい。後者の構成を用いると、非多孔質層６５を所与の据え付け要件に適合するような大きさにすることができる。

フック１３０を有する取付装置３０と、障壁１０を巻き取り状態で固定する締結手段３２とは、防水の音透過層を備えない吸音障壁や、視覚的なスクリーンなどの他の目的に使用される障壁などの、様々なタイプの障壁にも適用できることが認められるだろう。

図１４は、スクリーン本体２０に接続された取付装置２３０の代替構造を示す。取付装置２３０は、取付装置１３０と実質的に同一である。しかしながら、キャリアを用いてフック部材を固定する代わりに、取付装置２３０の固定手段２４０は、障壁１０の小穴２１０に直接フック部材２３５を固定する。代替的に、固定手段は、小穴が設けられていない場合、障壁１０を貫通する穴にフック部材２３５を固定する。いずれの場合も、第１実施形態のように障壁に対してフック部材２３５がスライドするのではなく、障壁に対してスライド可能に固定される。

図１４に示すように、サイドアーム部２６０の一方に障壁１０の方を向く後ろ向きの角度を付けて障壁１０をよりしっかりと吊り下げるように、サイドアーム部２６０を湾曲し、製造し、または成形してもよい。

図１５は、取付装置３３０のさらに代替的な構成を示す。取付装置３３０はフック部材３３５を備える。フック部材３３５は、支持構造Ａの上部に配置される第１サイドアーム部３６０と、その端部が内側すなわち第１サイドアーム部３６０の方を向く障壁フック部３８０である第２サイドアーム部３６５と、を備える。障壁フック部３８０は、障壁１０の小穴３１０を通過するか、または単純に障壁１０の穴を通過して、取付装置３３０から障壁１０をぶら下げる。

代替的に、図１６に示すように、取付装置３３０’の障壁フック部３８０’が外向きに、すなわち第１サイドアーム部３６０’と反対の方向を向くように構成されてもよい。この構成を用いると、障壁フック部３８０’の上方に障壁１０を容易に配置したり、障壁フック部３８０’から障壁１０を容易に取り外すことができる一方で、支持構造Ａ上の適所に取付装置３３０’を留めることができる。

図１７および１８は、取付装置４３０のさらなる構成を示す。取付装置４３０は、第１フック部４６０と第２フック部４６５とを有する、弾性があり実質的にＳ字形のフック部材４３５を備える。第１フック部４６０と第２フック部４６５は、異なる直径のチューブＢおよびＣの上にクリップするように異なって選択されてもよい。例えば、英国の建設業界で典型的に使用されるフェンスチューブは、それぞれ直径が約４０ｍｍおよび約３５ｍｍである。したがって、第１フック部４６０は４０ｍｍよりもわずかに小さい直径を有し、第２フック部４６５は３５ｍｍよりもわずかに小さい直径を有する。わずかに弾性のあるフック部材４３５が引っ張られて保持され、フェンスポストＢおよびＣをつかむ。

図１７および１８に示すように、各フック部４６０、４６５の開放端４９０、４９５がそれぞれのチューブＢまたはＣの直径よりも小さく、フック部材４３５をフェンスチューブＢまたはＣによりしっかりとクリップするようにしてもよい。

使用時に、第１フック部４６０または第２フック部４６５のいずれかを使用して、フェンスチューブＢまたはＣに一つまたは複数のフック部材４３５をクリップしてもよい。第１フック部４６０または第２フック部４６５の選択は、障壁１０が吊り下げられるフェンスチューブの直径によって決まる。続いて、フェンスチューブにクリップされていない方のフック部にスクリーン２０が引っかけられる。一例として、図１５は、フェンスチューブＢにクリップされた第１フック部４６０と、第２フック部４６５から吊り下げられたスクリーン２０とを示す。

このように、本発明は、吸収材の音響吸収特性を損なうことなく、高い柔軟性と防水性を有する吸音障壁を提供する。柔軟性があるために、典型的にフェンスまたは足場である支持構造に障壁を合わせることができ、運搬または保管のために障壁を巻いたり折り畳んだりすることができる。

Claims (21)

1. 第１の多孔質音透過性カバーと第２カバーとの間に配置される吸音層と、
   前記第１カバーと前記吸音層との間に配置される防水の音透過性織物メンブレンと、
   を備えることを特徴とする柔軟吸音障壁。
2. 前記第２カバーが多孔質で音透過性を有することを特徴とする請求項１に記載の柔軟吸音障壁。
3. 前記第２カバーが非多孔質であることを特徴とする請求項１に記載の柔軟吸音障壁。
4. 前記第２カバーと前記吸音層の間に第２の防水の音透過性織物メンブレンが配置されることを特徴とする請求項１ないし３のいずれかに記載の柔軟吸音障壁。
5. 前記吸音層がオープンセル型フォームを含むことを特徴とする請求項１ないし４のいずれかに記載の柔軟吸音障壁。
6. 前記吸音層が複数のリッジまたは突起を有する凹凸面を備えることを特徴とする請求項５に記載の柔軟吸音障壁。
7. 前記吸音障壁が巻き取れるように十分に柔軟であることを特徴とする請求項１に記載の柔軟吸音障壁。
8. 前記吸音障壁を巻かれた状態で保持する締結手段をさらに備えることを特徴とする請求項７に記載の柔軟吸音障壁。
9. 前記第２カバーがＰＶＣで形成されることを特徴とする請求項３に記載の柔軟吸音障壁。
10. 前記第２カバーに隣接して柔軟で非多孔質の第３カバーが設けられることを特徴とする請求項２に記載の柔軟吸音障壁。
11. 前記第３カバーがＰＶＣで形成されることを特徴とする請求項１０に記載の柔軟吸音障壁。
12. 前記吸音障壁を支持構造から吊り下げるための取付装置をさらに備えることを特徴とする請求項１ないし１１のいずれかに記載の柔軟吸音障壁。
13. 前記取付装置がフック部材を含むことを特徴とする請求項１２に記載の柔軟吸音障壁。
14. 前記取付装置は、前記吸音障壁の平面と略直角方向に前記吸音障壁に対して前記フック部材がスライドできるように該フック部材をスライド可能に接続するキャリアをさらに備えることを特徴とする請求項１３に記載の柔軟吸音障壁。
15. 前記取付装置が、前記フック部材のスライドに抵抗する戻り止め手段を備えることを特徴とする請求項１４に記載の柔軟吸音障壁。
16. 前記取付装置が、前記フック部材のスライド変位を個別の増分に分割する戻り止め手段を備えることを特徴とする請求項１４または１５に記載の柔軟吸音障壁。
17. 前記フック部材が、支持構造から前記障壁を吊り下げるための第１フックと、前記フック部材から前記障壁を吊り下げるための第２フックと、を備えることを特徴とする請求項１３に記載の柔軟吸音障壁。
18. 前記第１および第２フック手段が異なるサイズであることを特徴とする請求項１７に記載の柔軟吸音障壁。
19. 前記第１カバーが柔軟なプラスチック材料で形成されることを特徴とする請求項１ないし１８のいずれかに記載の吸音障壁。
20. 前記防水の音透過性メンブレンがゴアテックスまたは等価の材料で形成されることを特徴とする請求項１ないし１９のいずれかに記載の吸音障壁。
21. 添付の図面を参照して明細書に実質的に記載された吸音障壁。

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