JP2013538082A - 組み合わせ薬物送達方法および装置 - Google Patents

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Abstract

方法および装置は、第1の治療剤および第2の治療剤による処置を長時間にわたり提供する。第1の治療剤は、VEGF阻害剤を含んでもよく、第2の治療剤は、非ステロイド性抗炎症剤、例えばシクロオキシゲナーゼ阻害剤などの抗炎症剤を含んでもよい。注入された治療剤を長時間にわたり放出するために眼中に移植された治療用デバイスに注入された第1の治療剤または第2の治療剤の1または2以上を、眼中に注入することができる。

Description

関連出願への相互参照
本PCT出願は、2010年8月5日に出願された米国仮特許出願第61/371168号に対する優先権を主張し、その全開示は本明細書において参考として組み込まれる。
連邦政府の支援による研究および開発の下でなされた研究についての権利に関する声明
非適用
発明の背景
本発明は、後眼部への治療剤の送達に関する。抗体または抗体フラグメントを含む高分子の後眼部への送達について具体的な言及がなされるが、本発明の態様は、多くの治療剤を身体の多くの組織へと送達するために用いることができる。例えば、本発明の態様は、治療剤を以下の組織:血管内、関節内、髄腔内、心嚢内、腔内および腸の1または2以上へ送達するために用いることができる。
眼は、視覚のために重要である。眼は、角膜および水晶体を有し、これらが網膜上に像を形成する。網膜上に形成される像は、杆体錐体により検出される。網膜の杆体錐体により検出される光は、視神経を介して後頭の皮質脳へと伝達され、これにより個体は網膜上に形成された像を見ることができる。視力は、網膜上の杆体錐体の密度に関係する。網膜は、高密度の錐体を有する黄斑を含み、これにより、ユーザーは、高い視力により色像を知覚することができる。
残念ながら、疾患は、視覚に影響を及ぼし得る。幾つかの例において、視覚に影響を及ぼす疾患は、網膜に対する損傷、少なくとも一部の例においては失明を引き起こし得る。視覚に影響を及ぼし得る疾患の一例は、加齢黄斑変性(本明細書において以下AMD)である。網膜の変性を最少化するために提供することができる治療薬は知られているが、少なくとも一部の例において、これらの薬物の送達は、理想的とは言い得ない。
幾つかの例において、薬物は、強膜を通して眼へ注入される。AMDの処置のために有望な1つのクラスの薬物は、血管内皮増殖因子VEGF阻害剤として知られる。残念ながら、少なくとも幾つかの例において、薬物の注入は患者にとって苦痛であり得、少なくとも幾らかの感染および出血および網膜剥離のリスクを伴い、医師および患者にとって時間を要し得る。それ故に、少なくとも幾つかの例において、薬物は、理想的であるよりもより低い頻度で送達される場合があり、その結果、少なくとも一部の患者が、少なくとも幾つかの場合において理想的であるよりも少ない薬物を受け取る場合がある。
本発明の態様に関する研究はまた、針を用いた薬物の注射は、薬物のボーラス送達をもたらすことを示唆し、これは、少なくとも幾つかの例において、理想的とは言い得ない。例えば、薬物のボーラス注射により、患者の硝子体液中の薬物の濃度は、必要とされる治療的量の数倍でピークとなり、次いで、次の注射の前に治療的量より低くまで低下し得る。
幾つかの移植デバイスが提案されているが、既知のデバイスの多くは、少なくとも幾つかの例において、少なくとも幾つかの側面において不十分である。既知の移植デバイスの少なくとも一部は、治療薬の長期にわたる持続放出を提供しない。例えば、既知の移植デバイスの少なくとも一部は、薬物放出の速度を制御するためにポリマー膜またはポリマーマトリックスに依存し得、既知の膜およびマトリックスの多くは、少なくとも幾つかの例において、イオン性薬物および高分子タンパク質薬物などの少なくとも幾つかの治療剤と不適合であり得る。既知の半透過性ポリマー膜の少なくとも一部は、抗体または抗体フラグメントなどの高分子タンパク質の長期放出のために理想的とは言えない透過性を有し得る。また、本発明の態様に関する研究はまた、既知の半透過性膜の少なくとも一部は、経時的に変化し得る高分子の透過性を有し得、既知の半透過性膜の少なくとも一部は、幾らか壊れやすく、したがって、少なくとも幾つかの例において、長期間にわたる薬物放出は理想的とは言い得ない。キャピラリー管が薬物放出のために示唆されているが、本発明の態様に関する研究は、キャピラリー管を通しての流動は、少なくとも幾つかの例において、恐らくは例えば泡の形成および部分的な目詰まりに起因して、理想的とは言い得ない。
既知の移植可能デバイスの少なくとも一部は、少なくとも幾つかの例において、眼の状態を処置するために十分な量の薬物が送達された場合に、患者に副作用をもたらし得る。例えば、市販の低分子薬送達デバイスの少なくとも一部は、少なくとも幾つかの例において、患者に白内障、眼内圧の上昇、眩暈または霧視などの副作用をもたらし得る。副腎皮質ステロイドおよびそのアナログは、炎症を処置するために移植デバイスにより送達することができるが、薬物送達プロフィールは、少なくとも幾つかの例において、患者は白内障を発症する場合があるため、理想的とは言い得ない。
提案された移植デバイスの少なくとも一部は、デバイス中への注入を可能にし得るが、1つの潜在的な問題は、移植デバイス中への注入は、少なくとも幾つかの例において、患者にとって少なくとも幾らかの感染のリスクを引き起こし得ることである。また、少なくとも幾つかの例において、移植デバイスの薬物放出速度は、経時的に変化し得、したがって、少なくとも幾つかの例において、注入後の薬物の放出速度は、理想的とは言い得ない。提案された移植デバイスの少なくとも一部は、患者に対する感染のリスクを最少化するようには移植されない場合がある。例えば、孔およびキャピラリーに依存する提案されたデバイスの少なくとも一部は、細菌などの微生物がキャピラリーおよび/または孔を通過することを許容し得、したがって、少なくとも幾つかの例において、感染が拡大する場合がある。また、本発明の態様に関する研究は、提案された移植デバイスの少なくとも一部は、マクロファージおよび抗体などの患者の免疫系からの適切な保護を行わず、したがって少なくとも幾つかの例において治療効果が限定されることを示唆する。
上記のことを考慮して、上記の欠陥の少なくとも一部を克服する、例えば、移植された場合に長期にわたり維持される改善された薬物放出を有する、改善された治療用デバイスおよび方法を提供することが望ましい。
発明の要旨
本発明の態様は、第1の治療剤または第2の治療剤の1または2以上の治療的量を、長時間にわたり、例えば少なくとも約1か月間の長時間にわたり、後眼部へ送達する、治療用デバイスを提供する。第1の治療剤は、血管新生を阻害する剤、例えばVEGF阻害剤などの抗腫瘍剤を含み得る。第2の治療剤は、抗炎症性の、例えばシクロオキシゲナーゼ(本明細書において以下「COX」)阻害剤を含み得る。第1の治療剤および第2の治療剤は多くの方法により長時間にわたり送達することができるが、治療用デバイスは、疼痛、網膜剥離、出血および感染などの直接的な眼内注入に関連する負の副作用の頻度を低減するために役立ち得る。なぜならば、注入が、より低頻度であり、眼内へではなくデバイスのリザーバチャンバー中へ行うことができるからである。治療用デバイスは、デバイスが少なくとも部分的に患者の眼内に移植された場合に治療剤を置き換えるように、構成することができる。治療用デバイスは、眼の強膜を通して伸長するように、眼内へ移植することができ、治療用デバイスは、ある量の治療剤を受け取るよう構成された容器およびポートまたは透過障壁を備える。治療剤は、多くの方法において、例えば、ポートを通して容器の内部へ固体のインサートを配置することにより、または、透過障壁を通して容器中に治療剤の処方物を注入することにより、容器中に配置することができる。
より少ない注入により患者を処置することができるように、1または2以上の治療剤を長時間にわたり送達するために、1または2以上の治療用デバイスを、多くの方法において構成することができる。眼を処置するために、第1の治療用デバイスを第1の治療剤と共に注入し、第2の治療剤の硝子体液中への注入と組み合わせてもよい。あるいは、または組み合わせて、第1の治療用デバイスを第2の治療用デバイスと共に眼の毛様体扁平部上またはその付近に移植して、第1のデバイスを眼の毛様体扁平部に沿って第2のデバイスと並べてもよく、この場合、第1のデバイスは第1の治療剤を長時間にわたり放出し、第2の治療用デバイスは第2の治療剤を第2の長時間にわたり放出する。第1の治療剤および第2の治療剤が第1の治療用デバイスから送達され、第2の治療用デバイスは多くの態様において用いられなくともよいように、第1の治療用デバイスが第1の治療剤および第2の治療剤を含んでもよい。第1の治療剤は、VEGF阻害剤などの抗腫瘍剤を含んでもよく、第2の治療剤は、非ステロイド性抗炎症剤、例えばシクロオキシゲナーゼ阻害剤などの抗炎症剤を含んでもよい。
多くの態様において、治療用デバイスは、治療用デバイス中への注入の頻度および感染のリスクを実質的に低減することができるように、1または2以上の治療剤の治療的量の、少なくとも3か月間、例えば6か月間の長時間にわたる持続放出を提供するように構成される。さらなる態様において、治療用デバイスは、少なくとも1つの治療剤の治療的量の、少なくとも12か月間、または少なくとも2年間、または少なくとも3年間の長時間にわたる持続放出を提供するように構成される。
治療用デバイスは、1または2以上の治療剤を長時間にわたり放出するように、多くの方法において構成することができ、治療剤を長時間にわたり放出するようなサイズの開口、細長い構造、多孔構造、または多孔性の表面の少なくとも1つを備えていてもよい。例えば、治療用デバイスは、当該多孔構造を通して長期間にわたり治療剤を放出するための、多孔構造を備えていてもよい。多孔構造は、多くのチャネル、例えば互いに連結するチャネルを有し、互いに接着した多くの粒子の周囲に広がる、焼結材料を備えていてもよい。多孔構造は、リザーバと連結した第1の複数の開口を備える第1の側面、および硝子体液に連結した第2の複数の開口を備える第2の側面を備えていてもよい。互いに連結するチャネルは、例えば、少なくとも幾つかの開口が遮断された場合に多孔構造を通した治療剤の放出を維持するために、第1の側面の第1の複数の開口の各々と、第2の側面の第2の複数の開口との間に伸長してもよい。多孔構造は、強固であってよく、例えば多孔構造が長時間にわたり移植されて薬物リザーバが再充填された場合に、組織または細胞が開口の少なくとも一部を被覆した場合、互いに連結するチャネルを通しての治療剤の放出を維持する。
多くの態様において、治療用デバイスのリザーバは、洗い流すことが可能であり、および/または再充填可能である。このことは、治療剤が患者から排出されるのを待つのではなく、剤を治療用デバイスのリザーバから洗い流すことにより、医師が治療剤を患者から除去することができるという、さらなる利点を提供する。この除去は、患者が有害な薬物反応、または時に休薬期間と称される治療の中断からの利益を有する場合に、有利であり得る。治療剤を長時間にわたり放出することができるように、リザーバの容積および多孔構造の放出速度を、市販の処方薬の一定容積を受け取るように調整することができる。例えば、市販の治療剤の一定容積は、例えば1か月間の処置期間を有するボーラス注入に相当し得、その処方物の容積を受け取るように調整されたリザーバの容積および放出速度は、注入された容積の処置期間を、少なくとも約2倍、例えば1か月間から2または3か月以上へと延長することができる。
第1の側面において、態様は、強膜および硝子体液を有する眼を処置する方法を提供する。第1の治療剤の第1の治療的量は、眼の硝子体液へ送達され、ここで、第1の治療剤は、第1の長時間にわたり有効である。第2の治療剤の第2の治療的量が送達され、第2の治療剤は、第2の長時間にわたり有効である。
多くの態様において、第1の治療剤は、抗腫瘍剤を含み、第1の長時間にわたり有効であって、ここで第2の治療剤はCOX阻害剤、LOX阻害剤、TNF阻害剤、または抗ヒスタミン剤の1または2以上を含む。
多くの態様において、第1の治療剤は、第1の長時間にわたり有効な血管増殖阻害剤を含み、ここで第2の治療剤は、第2の長時間にわたり有効な炎症応答阻害剤を含む。
多くの態様において、血管増殖阻害剤は、VEGF阻害剤の1または2以上を含む。
多くの態様において、炎症応答阻害剤は、シクロオキシゲナーゼ(本明細書において以下「COX」)阻害剤を含む。
多くの態様において、COX阻害剤は、サリチル酸誘導体、プロピオン酸誘導体、酢酸誘導体、およびエノール酸(enolic acid)(本明細書において以下「オキシカム(Oxicam)」)誘導体、フェナム酸誘導体、選択的COX-2阻害剤(本明細書において以下「コキシブ(Coxibs)」)の1または2以上を含む。
多くの態様において、炎症応答阻害剤は、プロピオン酸誘導体を含み、ここで、プロピオン酸系阻害剤は、イブプロフェン、ナプロキセン、フェノプロフェン、ケトプロフェン、フルルビプロフェンまたはオキサプロジンの1または2以上を含む。
多くの態様において、炎症応答阻害剤は、酢酸誘導体を含み、ここで、酢酸誘導体は、インドメタシン、スリンダク、エトドラク、ジクロフェナクまたはナブメトンの1または2以上を含む。
多くの態様において、炎症応答阻害剤は、エノール酸(本明細書において以下「Oxicam」)誘導体を含み、ここで、エノール酸誘導体は、ピロキシカム、メロキシカム、テノキシカム、ドロキシカム、ロルノキシカムまたはイソキシカムの1または2以上を含む。
多くの態様において、炎症応答阻害剤は、フェナム酸誘導体を含み、ここでフェナム酸誘導体は、メフェナム酸、メクロフェナム酸、フルフェナム酸またはトルフェナム酸の1または2以上を含む。
多くの態様において、炎症応答阻害剤は、選択的COX-2阻害剤(本明細書において以下「Coxibs」)を含み、ここで選択的COX-2阻害剤は、セレコキシブ、ロフェコキシブ、バルデコキシブ、パレコキシブ、ルミラコキシブまたはエトリコキシブの1または2以上を含む。
多くの態様において、第1の治療剤は、眼の硝子体液中へ注入される。
多くの態様において、第2の治療剤は、眼の硝子体液中へ注入される。
多くの態様において、容器は、硝子体液および強膜に容器を連結するために、少なくとも部分的に強膜を通して導入される。
多くの態様において、第1の治療剤は、容器が硝子体液および強膜に連結されるときに、容器のチャンバー中へ注入され、ここで、前記容器は、第1の治療剤の第1の治療的量をチャンバーから硝子体液中へ第1の長時間にわたり放出するための、多孔構造および容積により構成される。
多くの態様において、第2の治療剤は、容器が硝子体液および強膜に連結されるとき、容器のチャンバー中へ注入される。
多くの態様において、第1の治療剤は、VEGF阻害剤を含み、第2の治療剤は、シクロオキシゲナーゼ阻害剤を含む。
多くの態様において、シクロオキシゲナーゼ阻害剤は、長時間にわたり第2の治療剤を放出するための容器に連結された固体を含む。
多くの態様において、固体のシクロオキシゲナーゼ阻害剤は、容器のチャンバー内に配置され、多孔構造を通して放出される。
多くの態様において、固体のシクロオキシゲナーゼ阻害剤は、容器の第2のチャンバー内に配置され、第2の多孔構造を通して放出される。
多くの態様において、第2のチャンバーは、第1のチャンバーから分離している。
多くの態様において、第1の治療剤が第1の多孔構造および第2の多孔構造を通過して硝子体液に到達するように、第2のチャンバーは、第1の多孔構造により第1のチャンバーに連結し、第2の多孔構造により硝子体に連結される。
多くの態様において、固体のシクロオキシゲナーゼ阻害剤は、チャンバーから離れて配置され、硝子体液と連結している。
多くの態様において、容器は、第1の治療剤の治療的量を硝子体液中に第1の長時間にわたり放出するように構成される。
多くの態様において、第1の治療剤は、第1の長時間にわたり有効な血管増殖阻害剤を含み、ここで、第2の治療剤は、第2の長時間にわたり有効なリポキシゲナーゼ経路(本明細書において以下「LOX」)阻害剤を含む。
多くの態様において、LOX阻害剤は、5-LOX阻害剤を含む。
多くの態様において、第1の治療剤は、第1の長時間にわたり有効な血管増殖阻害剤を含み、ここで、第2の治療剤は、第2の長時間にわたり有効な抗線維化剤を含む。
多くの態様において、第1の治療剤は、第1の長時間にわたり有効な血管増殖阻害剤を含み、ここで、第2の治療剤は、第2の長時間にわたり有効な腫瘍壊死因子(本明細書において以下「TNF」)阻害剤を含む。
多くの態様において、TNF阻害剤は、第2の長時間にわたり有効なペントキシフィリンを含む。
多くの態様において、第1の治療剤は、第1の長時間にわたり有効な血管増殖阻害剤を含み、ここで、第2の治療剤は、第2の長時間にわたり有効な二重COX/LOX阻害剤を含む。
多くの態様において、二重COX/LOX阻害剤は、リコフェロンを含む。
多くの態様において、第1の治療剤は、第1の長時間にわたり有効な血管増殖阻害剤を含み、ここで、第2の治療剤は、は、抗ヒスタミン剤を含む。
多くの態様において、抗ヒスタミン剤は、アゼラスチンを含む。
多くの態様において、抗ヒスタミン剤は、H1受容体アンタゴニストを含む。
多くの態様において、H1受容体アンタゴニストは、クレマスチン、ジフェンヒドラミン(ベネドリル)、ドキシラミン、ロラタジン、デスロラタジン、フェキソフェナジン、フェニラミン、セチリジン、エバスチン、プロメタジン、クロルフェニラミン、レボセチリジン、オロパタジン、クエチアピン、メクリジン、ジメンヒドリナート、エンブラミン、ジメチンデンまたはデスクロルフェニラミンの1または2以上を含む。
多くの態様において、抗ヒスタミン剤は、H2受容体アンタゴニストを含む。
多くの態様において、H2受容体アンタゴニストは、シメチジン、ファモチジン、ラニチジン、ニザチジン、ロキサチジン、ラフチジンの1または2以上を含む。
多くの態様において、抗ヒスタミン剤は、H3受容体アンタゴニストを含む。
多くの態様において、H3受容体アンタゴニストは、A-349,821、ABT-239、シプロキシファン、クロベンプロピットまたはチオペラミドの1または2以上を含む。
多くの態様において、抗ヒスタミン剤は、H4受容体アンタゴニストを含む。
多くの態様において、H4受容体アンタゴニストは、チオペラミド、JNJ 7777120またはVUF-6002の1または2以上を含む。
別の側面において、態様は、強膜および硝子体液を有する眼を処置する装置を提供する。治療用デバイスは、強膜に連結するように構成される。治療用デバイスは、第1の治療剤を保持するための第1の容器を備え、該第1の容器は、該容器内に、治療用デバイスが眼内に挿入された場合に第2の治療剤の治療的量を硝子体液中へ第2の長時間にわたり放出するための、第2の治療剤を有する。
別の側面において、態様は、強膜および硝子体液を有する眼を処置する装置を提供する。治療用デバイスは、強膜に連結するように構成される。治療用デバイスは、第1の治療剤を保持するための第1の容器、および第2の治療剤を保持するための第2の容器を備える。前記第1の容器は、第1の治療剤の第1の治療的量を硝子体液中へ第1の長時間にわたり放出するように構成され、前記第2の容器は、第2の治療剤の第2の治療的量を硝子体液中へ第2の長時間にわたり放出するように構成される。
別の側面において、強膜および硝子体液を有する眼を処置する装置は、第1の治療用デバイスおよび第2の治療用デバイスを含む。第1の治療用デバイスは、強膜に連結されて第1の治療剤を保持するように構成された第1の容器を備える。該第1の容器は、第1の治療剤の第1の治療的量を硝子体液中へ第1の長時間にわたり放出するように構成される。前記第2の治療用デバイスは、強膜に連結されて第2の治療剤を保持するように構成された第2の容器を備える。該第2の容器は、第2の治療剤の第2の治療的量を硝子体液中へ第2の長時間にわたり放出するように構成される。
多くの態様において、第1の治療用デバイスおよび第2の治療用デバイスは、各々、強膜に連結するための部分を備え、該部分は、毛様体扁平部に沿って伸長する切開に適合するサイズの長円形の断面を有する。
多くの態様において、第1の治療剤はVEGF阻害剤を含み、第2の治療剤はCOX阻害剤を含む。
多くの態様において、治療用デバイスは、第1の治療剤の注入を受ける第1のチャンバーを備え、該第1のチャンバーは、第1の治療剤を含んで第1の治療剤の治療的量を第1の放出速度プロフィールにより第1の長時間にわたり放出するための第1の多孔構造に連結する。
多くの態様において、COX阻害剤は、治療剤を第2の放出速度プロフィールにより第2の長時間にわたり放出するために、実質的に非水溶性のCOX阻害剤を含む。
多くの態様において、非水溶性COX阻害剤に対する第2のチャンバーと、非水溶性COX阻害剤を第2の多孔構造を通して放出するための前記第2のチャンバーに連結した第2の多孔構造とをさらに備える。
多くの態様において、第1のチャンバーは第1の多孔構造により第2のチャンバーに連結し、第1の多孔構造は第1の放出速度指標を有し、第2の多孔構造は第2の放出速度指標を有し、第1の治療剤の放出速度プロフィールが実質的に第1の放出速度指標に基づいて決定され、第2の治療剤の放出速度プロフィールが実質的に第2の放出速度指標に基づいて決定されるように、前記第1の放出速度指標は前記第2の放出速度指標よりも小さい。
別の側面において、治療剤の治療的量を長期間にわたり放出するための手段を備える、患者を処置するための治療用デバイス。
別の側面において、第1および第2の治療剤を含む持続的薬物送達処方物であって、ここで、該第1および第2の治療剤は、請求項42〜51のいずれか1項の少なくとも1つの装置/治療用デバイス中のリザーバ中に含まれ/配置され、第1および第2の治療剤のうち少なくとも1つは、移植された場合にリザーバ内での半減期を有し、前記リザーバ内での半減期は、眼の硝子体中に直接注入された場合の前記第1および第2の治療剤の少なくとも1つの対応する半減期よりも実質的に長い。
多くの態様において、デバイスは、リザーバ容積と、所望の有効な半減期を達成するために適切な放出速度指数を有する多孔構造との選択により、構成することができる。
多くの態様において、放出速度指数は、約0.01〜約5である。
多くの態様において、第1の治療剤はVEGF阻害剤であり、第2の治療剤は炎症応答阻害剤である。
多くの態様において、VEGF阻害剤は、ラニビズマブ、ベバシズマブおよびアフリベルセプト(商標)からなる群より選択される。
多くの態様において、VEGF阻害剤は、ラニビズマブである。
多くの態様において、炎症応答阻害剤は、ピロキシカム、メロキシカム、テノキシカム、ドロキシカム、ロルノキシカム、イソキシカム、メフェナム酸、メクロフェナム酸、フルフェナム酸およびトルフェナム酸からなる群より選択される。
多くの態様において、炎症応答阻害剤は、シクロオキシゲナーゼ(COX)阻害剤、リポキシゲナーゼ(LOX)阻害剤および腫瘍壊死因子(TNF)からなる群より選択される。
多くの態様において、COX阻害剤は、セレコキシブ、バルデコキシブ、ロフェコキシブ、パレコキシブ、ルミラコキシブ、エトリコキシブ、アスピリン、イブプロフェン、ナプロキセン、フェノプロフェン、ケトプロフェン、フルルビプロフェン、オキサプロジン、インドメタシン、スリンダク、エトドラク、ジクロフェナク、ナブメトン、メロキシカム、ケトロラック、フルルビプロフェン、ブロムフェナク、ネパフェナクおよびアンフェナクからなる群より選択される。
多くの態様において、LOX阻害剤は、アゼラスチンおよびジロートンからなる群より選択される。
多くの態様において、TNFは、ブプロピオン、ペントキシフィリン、インフリキシマブ、アダリムマブおよびエタネルセプトからなる群より選択される。
多くの態様において、第1の治療剤の濃度は、約40mg/mlより高い。
多くの態様において、第1の治療剤の濃度は、約50mg/ml〜約300mg/mlである。
多くの態様において、第1の治療剤の濃度は、 約100mg/ml〜約250mg/mlである。
多くの態様において、第1の治療剤の濃度は、 約150mg/ml〜約200mg/mlである。
多くの態様において、第1の治療剤の量は、約50mgより多い。
多くの態様において、第1または第2の治療剤の少なくとも1つは、治療的投与量未満において投与される。
多くの態様において、第1または第2の治療剤の少なくとも1つは、ミセル中に含まれる/配置される。
多くの態様において、第1および第2の治療剤のうち少なくとも1つは、眼から洗い流すことができる固体基質または高分子上への吸着により安定化される。
多くの態様において、第1および第2の治療剤は、1つの装置/治療用デバイス中に含まれる/配置される。
多くの態様において、第1の治療剤は、第1の装置/治療用デバイス中に含まれ/配置され、第2の治療剤は、第2の装置/治療用デバイス中に含まれる/配置される。
多くの態様において、第1および第2の治療剤は、同時に投与される。
多くの態様において、第1および第2の治療剤は、連続的に投与される。
図1は、本発明の態様による治療用デバイスの組み込みに好適な眼を示す;
図1A−1は、図1におけるもののような、少なくとも部分的に眼の強膜内に移植される治療用デバイスを示す;
図1A−1−1および1A−1−2は、本発明の態様により、網膜を処置するために治療剤を眼の硝子体液中へ放出するための、結膜下に移植されて強膜へ及ぶ治療用デバイスを示す; 図1A−1−1および1A−1−2は、本発明の態様により、網膜を処置するために治療剤を眼の硝子体液中へ放出するための、結膜下に移植されて強膜へ及ぶ治療用デバイスを示す;
図1A−2は、本発明の態様による、図1A−1および1A−1−1におけるもののような、眼中の配置のために構成された治療用デバイスの構造を示す;
図1A−2−1は、挿入カニューレ中にロードされた治療用デバイスを示し、ここで、デバイスは、強膜中への挿入のために細長い狭い形状を備え、ここで、デバイスは、少なくとも部分的に強膜において保持するために第2の細長く幅広い形状に展開するように構成されている;
図1A2−2は、カニューレ中にロードされるために好適なリザーバを備える治療用デバイスを示す;
図1Bは、本発明の態様による、図IA−1および1A−1−1におけるもののような、眼における配置のために構成された治療用デバイスを示す;
図1Cは、本発明の態様による、図IA−1および1A−1−1におけるもののような、眼における配置のために構成された治療用デバイスを示す;
図1C−Aは、本発明の態様による、少なくとも1つの出口ポートを示す;
図1C−1は、本発明の態様による、結合材料を除去する方法を示す;
図1C−2、およびその上にTAが結合した第2の挿入物による治療剤の挿入;
図1C−3は、態様による、治療用デバイス中への注入のための市販の治療剤の処方物で充填されたシリンジを示す;
図2は、患者を処置するための、第1のインジェクター中に含まれた第1の治療剤および第2のインジェクター中に含まれた第2の治療剤を示す;
図3は、患者を処置するための、眼の硝子体液中へ直接的に注入される第1のインジェクター中に含まれた第1の治療剤、および治療用デバイス中に注入される第2のインジェクター中に含まれた第2の治療剤を示す;
図4は、第1の治療剤および第2の治療剤の治療的量を送達するために眼中へ移植される複数の治療用デバイスを示す;
図5は、第1のリザーバおよび第2のリザーバを含む複数の平行リザーバを有する治療用デバイスを示す;
図6Aは、第1のリザーバおよび第2のリザーバを連続して備えて構成された、複数のリザーバを有する治療用デバイスを示す;
図6Bは、図6Aにおけるもののようなデバイスによる持続放出のために構成された強固な多孔構造を示す;
図6B−1は、図6Bにおけるもののような多孔構造の第1の側面から第2の側面へと伸長する互いに連結するチャネルを示す;
図6B−2は、図6Bおよび6B1におけるもののような多孔構造の第1の側面から第2の側面へと伸長する互いに連結するチャネルに沿った治療剤の複数の通路を示す;
図6B−3は、図6Bおよび6B−1におけるもののような多孔構造の第1の側面から第2の側面へと伸長する互いに連結するチャネルに沿った被覆物による開口の遮断および治療剤の複数の通路を示す;
図6B−4は、図6Bおよび6B−1におけるもののような多孔構造の第1の側面から第2の側面へと伸長する互いに連結するチャネルに沿った粒子による開口の遮断および治療剤の複数の通路を示す;
図6B−5は、図6Bおよび6B−1におけるもののような多孔構造の第1の側面から第2の側面へと伸長する互いに連結するチャネルに沿った治療剤の複数の通路に対応する、有効な断面のサイズおよび面積を示す;
図6Cは、図6Bにおけるもののような強固な多孔構造であって、強膜のタックに組み込まれたものを示す;
図6Dは、図6Bにおけるもののような強固な多孔構造であって、持続放出のためのリザーバに連結したものをを示す;
図6Eは、図6Bにおけるもののような強固な多孔構造であって、持続放出のための中空体または管を備えるものを示す;
図6Fは、図6Bにおけるもののような強固な多孔構造であって、持続放出のための非線形のらせん構造を備えるものを示す;
図6Gは、態様による、多孔質ナノ構造を示す;
図7は、態様による、デバイスから材料を除去し治療剤をデバイス中へ注入するインジェクターに連結した治療用デバイスを示す;
図7Aは、第1の治療剤の第1の量および第2の治療剤の第2の量の注入を受けるように調整されたリザーバを有する治療用デバイスを示す;
図7A−1は、態様による、多孔質フリット構造を通した液体処方物の排出によりリザーバを洗い流すために針の遠位端の位置をデバイスの近位端の近傍に合わせる停止点を備えるインジェクターの針に連結した治療用デバイスを示す;
図7A−2は、態様による、リザーバ中の液体が注入された処方物で交換されるようにデバイスに材料を注入しこれから材料を除去するインジェクターに連結した透過障壁を備える治療用デバイスを示す;
図7B−1は、細長い切開中に適合するようなサイズの断面を有する保持構造を備える治療用デバイスの垂直断面図を示す;
図7B−2は、図7B−1におけるもののような治療用デバイスの等角図を示す;
図7B−3は、図7B−1におけるもののような治療用デバイスの上面図を示す;
図7B−4は、図7B−1におけるもののような治療用デバイスの保持構造の短辺に沿った垂直断面図を示す;
図7B−5は、強膜中に移植された図7B−1におけるもののような治療用デバイスの底面図を示す;
図7B−5Aは、障壁の周囲および狭窄部分の周囲に対応する幅を有する刃を備える切断ツールを示す;
図8Aおよび8A1は、それぞれ、実質的に結膜と強膜との間に配置するための治療用デバイスの垂直断面図および上面図を示す; 図8Aおよび8A1は、それぞれ、実質的に結膜と強膜との間に配置するための治療用デバイスの垂直断面図および上面図を示す;
図8A2は、細長い構造が強膜を通して伸長してリザーバチャンバーを硝子体液に連結するように結膜と強膜との間にリザーバと共に移植される治療用デバイスを示す;
図9は、容器のチャンバーに対する開口の近傍のチャネル中に配置された治療用デバイスの多孔構造を示す;
図10は、放出速度プロフィールを提供するために容器のチャンバー内に配置されて細長い構造の第1の開口に連結した多孔構造を示す;
図11は、容器のリザーバチャンバーの液体を注入および交換し、容器のリザーバチャンバー中に治療剤を注入するための、間隔を開けた複数の注入ポートを示す;ならびに
図12は、容器の中心から離れて、および容器の近傍、および容器の一端の近傍に配置されて、容器に連結した細長い構造を示す;
図13は、焼結多孔質チタンシリンダーを通したBSAタンパク質の累積放出を示す;
図13−1は、180日間まで測定した図13のBSAの累積放出を測定したものを示す;
図14は、実験的態様による、条件1においてマスクされた焼結多孔質チタンシリンダーを通したBSAタンパク質の累積放出を示す;
図15は、実験的態様による、条件2においてマスクされた焼結多孔質チタンシリンダーを通したBSAタンパク質の累積放出を示す;
図16は、実験的態様による、条件3においてマスクされた焼結多孔質チタンシリンダーを通したBSAタンパク質の累積放出を示す;
図17は、0.1媒質グレードの焼結多孔質ステンレス鋼シリンダーを通したBSAの累積放出を示す;
図18Aは、0.2媒質グレードの焼結多孔質ステンレス鋼シリンダーを通したBSAの累積放出を示す;
図18Bは、0.2媒質グレードの焼結多孔質ステンレス鋼シリンダーを通した180日間にわたるBSAの累積放出を示す;
図19Aは、計算されたLucentis(商標)の薬物動態プロフィールと、例8におけるデバイスについて予測された薬物動態プロフィールとを比較する;
図19Bは、態様による、25uLのデバイスのリザーバ中への第1の50uLのLucentis(商標)注入および90日における第2の50uLの注入について決定されたラニビズマブの硝子体液中濃度を示す:
図19Cは、態様による、32uLのデバイスのリザーバ中への第1の50uLのLucentis(商標)注入および90日における第2の50uLの注入について決定されたラニビズマブの硝子体液中濃度を示す;
図19Dは、態様による、50uLのデバイスのリザーバ中への第1の50uLのLucentis(商標)注入および90日における第2の50uLの注入について決定されたラニビズマブの硝子体液中濃度を示す;
図19Eは、態様による、50uLのデバイスのリザーバ中への第1の50uLのLucentis(商標)注入および130日における第2の50uLの注入について決定されたラニビズマブの硝子体液中濃度を示す;
図19Fは、態様による、0.05の放出速度指標を有する50uLのデバイス中への50uLのLucentis(商標)注入について決定されたラニビズマブの硝子体液中濃度を示す;
図19Gは、態様による、0.05の放出速度指標を有する75uLのデバイス中への50uLのLucentis(商標)注入について決定されたラニビズマブの硝子体液中濃度を示す;
図19Hは、態様による、0.05の放出速度指標を有する100uLのデバイス中への50uLのLucentis(商標)注入について決定されたラニビズマブの硝子体液中濃度を示す;
図19Iは、態様による、0.05の放出速度指標を有する125uLのデバイス中への50uLのLucentis(商標)注入について決定されたラニビズマブの硝子体液中濃度を示す;
図19Jは、態様による、0.05の放出速度指標を有する150uLのデバイス中への50uLのLucentis(商標)注入について決定されたラニビズマブの硝子体液中濃度を示す;
図19Kは、態様による、0.1の放出速度指標を有する100uLのデバイス中への50uLのLucentis(商標)注入について決定されたラニビズマブの硝子体液中濃度を示す;
図19Lは、態様による、0.105の放出速度を有する125uLのリザーバデバイス中への50uLのLucentis(商標)注入について決定されたラニビズマブの硝子体液中濃度プロフィールを示す;
図19Mは、態様による、0.095の放出速度を有する125uLのリザーバデバイス中への50uLのLucentis(商標)注入について決定されたラニビズマブの硝子体液中濃度プロフィールを示す;
図19Nは、態様による、0.085の放出速度を有する125uLのリザーバデバイス中への50uLのLucentis(商標)注入について決定されたラニビズマブの硝子体液中濃度プロフィールを示す;
図19Oは、態様による、0.075の放出速度を有する125uLのリザーバデバイス中への50uLのLucentis(商標)注入について決定されたラニビズマブの硝子体液中濃度プロフィールを示す;
図19Pは、態様による、0.065の放出速度を有する125uLのリザーバデバイス中への50uLのLucentis(商標)注入について決定されたラニビズマブの硝子体液中濃度プロフィールを示す;
図19Qは、態様による、0.01の放出速度指標を有する10uLのデバイス中への10uLの濃縮Lucentis(商標)(40mg/ml)の注入について決定されたラニビズマブの硝子体液中濃度を示し、ここで、ラニビズマブは、約9日間の硝子体液中半減期を有する;
図19Rは、態様による、0.01の放出速度指標を有する10uLのデバイス中への10uLの濃縮Lucentis(商標)(40mg/ml)の注入について決定されたラニビズマブの硝子体液中濃度を示し、ここで、ラニビズマブは、約5日間の硝子体液中半減期を有する;
図19Sは、態様による、0.01の放出速度指標を有する10uLのデバイス中への10uLの標準Lucentis(商標)(10mg/ml)の注入について決定されたラニビズマブの硝子体液中濃度を示し、ここで、ラニビズマブは、約9日間の硝子体液中半減期を有する;
図19Tは、態様による、0.01の放出速度指標を有する10uLのデバイス中への10uLの標準Lucentis(商標)(10mg/ml)の注入について決定されたラニビズマブの硝子体液中濃度を示し、ここで、ラニビズマブは、約5日間の硝子体液中半減期を有する;
図20は、態様による、リザーバ中の治療剤懸濁液の計算された時間放出プロフィールを示す。
図21は、実質的に類似する多孔質フリット構造および16uLのリザーバおよび33uLのリザーバを備える治療用デバイスによるAvastin(商標)についての累積放出を示す;
図22Aは、0.049”の厚みを有する多孔質フリット構造によるAvastin(商標)についての累積放出を示す;
図22B−1は、0.029”の厚みを有する多孔質フリット構造によるAvastin(商標)についての累積放出を示す;
図22B−2は、図22B−1におけるもののような、0.029”の厚みを有する多孔質フリット構造によるAvastin(商標)の放出の速度を示す;
図23Aは、20uLのリザーバ容積によるAvastin(商標)についての累積放出を示す;
図23A−1は、図23Aにおけるもののような、20uLのリザーバ容積によるAvastin(商標)についての約90日目までの累積放出を示す;
図23Bは、図23Aにおけるもののような放出の速度を示す;
図23B−1は、図23A−1におけるもののような放出の速度を示す;
図24Aは、0.1媒質グレードの多孔質フリット構造によるAvastin(商標)についての累積放出を示す;
図24A−1は、図24Aにおけるもののような0.1媒質グレードの多孔質フリット構造によるAvastin(商標)についての約90日目の放出までの累積放出を示す;
図24Bは、図24Aにおけるもののようなデバイスの放出の速度を示す;
図24B−1は、図24A−1におけるもののようなデバイスの放出の速度を示す;;
図25Aは、0.2媒質グレードの多孔質フリット構造を通したフルオレセインの累積放出を示す;
図25A−1は、図25Aにおけるもののような、0.2媒質グレードの多孔質フリット構造を通したフルオレセインの約90日目までの累積放出を示す;
図25Bは、図25Aにおけるもののようなデバイスの放出の速度を示す;
図25B−1は、図25A−1におけるもののようなデバイスの放出の速度を示す;
図25Cは、0.038インチの直径および0.029インチの長さ(厚み)を有する0.2媒質グレードの多孔質フリット構造を通したLucentis(商標)についての約30日目までの累積放出を示す;
図25Dは、図25Cにおけるもののようなデバイスの放出の速度を示す;
図25Eは、約0.015〜約0.090のRRIを有する30uLのデバイスについてのLucentis(商標)についての約30日目までの累積放出を示す;
図25Fは、図25Eにおけるもののようなデバイスの放出の速度を示す;
図26Aは、態様による、治療剤を放出するための多孔構造を示すための、多孔質フリット構造の破砕された端部からの走査型電子顕微鏡画像を示す; 図26Bは、態様による、治療剤を放出するための多孔構造を示すための、多孔質フリット構造の破砕された端部からの走査型電子顕微鏡画像を示す;
図27Aは、態様による、多孔質フリット構造の表面からの走査型電子顕微鏡画像を示す; 図27Bは、態様による、多孔質フリット構造の表面からの走査型電子顕微鏡画像を示す;
図28は、本明細書において記載される態様による治療用デバイスにより用いるために好適な多孔質フリット構造を同定するための、多孔構造について用いるための圧減衰試験および試験装置を示す;ならびに
図29は、本明細書において記載される態様による治療用デバイスにより用いるために好適な多孔質フリット構造を同定するための、多孔構造について用いるために好適な圧力流動試験および試験装置を示す。
発明の詳細な説明
抗体または抗体フラグメントを含む高分子の後眼部への送達について具体的な言及がなされるが、本発明の態様は、多くの治療剤を身体の多くの組織へ送達するために用いることができる。例えば、本発明の態様は、治療剤を長期間にわたり以下の組織の1または2以上に送達するために用いることができる:血管内、関節内、髄腔内、心嚢内、腔内および腸。
本明細書において記載される治療剤およびデバイスは、治療剤の組み合わせを長時間にわたり送達するために用いることができる。組み合わされた治療剤は、眼の多くの疾患、例えば加齢黄斑変性(本明細書において以下「AMD」)を処置するために用いることができる。
本明細書において記載される態様は、2010年1月29日に出願された米国仮出願第12/696,678号、表題「Posterior Segment Drug Delivery」、米国仮出願公開第2010/0255061号(代理人整理番号026322-003750US)として公開;PCT/US2010/022631、W02010/088548、表題「Posterior Segment Drug Delivery」として公開;および2010年8月5日に出願された優先権米国仮特許出願第61/371168号において記載される方法および装置の1または2以上の成分を組み合わせてもよく、これらの全開示は本明細書において参考として組み込まれる。
本発明の態様は、治療剤の後眼部または前眼部またはこれらの組み合わせへの持続放出を提供する。治療効果のために、治療剤を網膜または脈絡膜もしくは毛様体などの他の眼組織への拡散または対流の少なくとも1つにより輸送することができるように、治療剤の治療的量を眼の硝子体液中へ放出することができる。
本明細書において用いられる場合、放出速度指標は、(PA/FL)を包含し、ここで、Pは多孔度を含み、Aは有効面積を含み、Fは有効長に対応する曲線適合パラメーターを含み、Lは多孔構造の長さまたは厚みを含む。放出速度指標(RRI)の単位は、他に示されない限りにおいて、mmの単位を含み、本明細書において記載される教示に従って当業者により決定され得る。
本明細書において用いられる場合、持続放出は、治療的量長期間にわたる治療剤の活性成分の放出を包含する。持続放出は、活性成分の一次放出、活性成分のゼロ次放出、または中間〜ゼロ次および一次までの他の放出、またはこれらの組み合わせの動力学を包含してもよい。
本明細書において用いられる場合、治療剤は、商品名と共に言及される場合、商品名の下で市販される治療剤の処方物、市販の処方物の活性成分、活性成分の一般名、または活性成分を含む分子の1または2以上を包含する。
本明細書において用いられる場合、類似の数字は類似の構造および/または類似の工程を示す。
本明細書において用いられる場合、用語、第1および第2は、組み合わせの成分を同定し、本明細書において記載される教示および態様に従って、任意の順序、例えば、逆または同時であってよい。
本明細書において用いられる場合、眼中へ移植される治療用デバイスは、眼の結膜下に配置される治療用デバイスの少なくとも一部を包含する。
治療剤は、容器のチャンバー内、例えば容器及びチャンバーを備えるリザーバ内に含まれていてもよい。治療剤は、例えば、治療剤の溶液、治療剤の懸濁液、または治療剤の分散などの処方物を含んでもよい。治療用デバイスの態様による使用のために好適な治療剤の例は、本明細書において、例えば以下の表IAおよび他を参照して記載される。
治療剤は、高分子、例えば抗体または抗体フラグメントを含んでもよい。治療用高分子は、VEGF阻害剤、例えば、市販のLucentis(商標)を含んでもよい。VEGF(血管内皮増殖因子)阻害剤は、眼の硝子体液中に放出された場合に、異常な血管の退縮および視力の改善を引き起こすことができる。VEGF阻害剤の例として、Lucentis(商標)、Avastin(商標)、Macugen(商標)およびVEGF Trapが挙げられる。
治療剤は、副腎皮質ステロイドおよびそのアナログなどの低分子を含んでもよい。例えば、治療用の副腎皮質ステロイドは、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド、デキサメタゾン、酢酸デキサメタゾン、フルオシノロン、酢酸フルオシノロンまたはこれらのアナログの1または2以上を含んでもよい。あるいは、または併用して、低分子の治療剤は、例えば、アキシチニブ、ボスチニブ、セジラニブ、ダサチニブ、エルロチニブ、ゲフィチニブ、イマチニブ、ラパチニブ、レスタウルチニブ、ニロチニブ、セマキサニブ、スニチニブ、トセラニブ、バンデタニブ、またはバタラニブの1または2以上を含むチロシンキナーゼ阻害剤を含んでもよい。
治療剤は、抗VEGF治療剤を含んでもよい。抗VEGF治療および剤は、特定の癌および加齢黄斑変性の処置において用いることができる。本明細書において記載される態様による使用のために好適な抗VEGF治療剤の例として、ベバシズマブ(Avastin(商標))などのモノクローナル抗体もしくはラニビズマブ(Lucentis(商標))などの抗体誘導体、またはラパチニブ(Tykerb(商標))、スニチニブ(Sutent(商標))、sorafenib(Nexavar(商標))、アキシチニブもしくはパゾパニブなどのVEGFにより刺激されるチロシンキナーゼを阻害する低分子の1または2以上が挙げられる。
治療剤は、Sirolimus(商標)(ラパマイシン)、Copaxone(商標)(酢酸グラチラマー)、Othera(商標)、相補性C5aR遮断薬、毛様体神経栄養因子、フェンレチニドまたは血液体外循環(Rheopheresis)の1または2以上などの萎縮型(dry)AMDの処置のために好適な治療剤を含んでもよい。
治療剤は、REDD14NP(Quark)、Sirolimus(商標)(ラパマイシン)、ATG003;Regeneron(商標)(VEGF Trap)または相補性阻害剤(POT-4)の1または2以上などの滲出型(wet)AMDの処置のために好適な治療剤を含んでもよい。
治療剤は、ベバシズマブ(モノクローナル抗体)、BIBW 2992(低分子標的化EGFR/Erb2)、セツキシマブ(モノクローナル抗体)、イマチニブ(低分子)、トラスツズマブ(モノクローナル抗体)、ゲフィチニブ(低分子)、ラニビズマブ(モノクローナル抗体)、ペガプタニブ(低分子)、ソラフェニブ(低分子)、ダサチニブ(低分子)、スニチニブ(低分子)、エルロチニブ(低分子)、ニロチニブ(低分子)、ラパチニブ(低分子)、パニツムマブ(モノクローナル抗体)、バンデタニブ(低分子)またはE7080(標的化VEGFR2/VEGFR2、エーザイ株式会社から販売される低分子)の1または2以上などのキナーゼ阻害剤を含んでもよい。
治療用デバイス内の治療剤の量は、治療剤の治療的量を、長時間、例えば、少なくとも30日間にわたり提供するために、約0.01mg〜約1mgの例えばLucentis(商標)を含んでもよい。長時間は、少なくとも90日間またはそれより長く、例えば少なくとも180日間、または例えば少なくとも1年間、少なくとも2年間もしくは少なくとも3年間もしくはそれより長くを含んでもよい。Lucentis(商標)などの治療剤の硝子体中での標的閾値治療的濃度は、少なくとも0.1ug/mLの治療的濃度を含んでもよい。例えば、標的閾値濃度は、長時間にわたり、約0.1ug/mL〜約5ug/mLを含んでもよく、ここで、上限値は、公開されたデータを用いた例9において示す計算に基づく。標的閾値濃度は、薬物依存的であり、したがって他の治療剤については異なる場合がある。
送達プロフィールは、持続放出デバイスからの治療的利益を得るために、多くの方法において構成することができる。例えば、当該治療用デバイスについて、治療用デバイスの濃度をその治療剤についての安全なプロトコルまたは効率的なプロトコルより確実に高くするために、例えば一か月毎またはより低頻度の容器中への注入により、ある量の治療剤を一か月間隔で容器中へ挿入してもよい。持続放出は、送達プロフィールの改善をもたらし、結果の改善をもたらし得る。例えば、治療剤の濃度は、長時間にわたり、一貫して閾値量、例えば0.1ug/mLより高くあり続けてもよい。
挿入方法は、用量を治療用デバイスの容器中に挿入することを含んでもよい。例えば、Lucentis(商標)の一回の注入を、治療用デバイス中に注入してもよい。
治療剤の持続送達の期間は、デバイスが患者の眼中へ挿入される場合、12週間またはそれより長く、例えばデバイス中への治療剤の一回の挿入から4〜6か月間、延長してもよい。
治療剤は、長時間にわたる持続放出を提供するために、多くの方法において送達することができる。例えば、治療用デバイスは、治療剤および結合剤を含んでもよい。硝子体液中への挿入の後で治療剤が長時間にわたり放出されるように、結合剤は、放出可能なようにまたは可逆的に治療剤と結合するように構成された小粒子を含んでもよい。粒子は、眼の硝子体液中に長時間にわたり留まるようなサイズであってよい。
治療剤は、眼中に移植されたデバイスにより送達することができる。例えば、薬物送達デバイスは、当該薬物送達デバイスを眼の強膜に長期間にわたり連結するように、少なくとも部分的に眼の強膜内に移植することができる。治療用デバイスは、薬物および結合剤を含んでもよい。薬物および結合剤は、持続放出を長時間にわたり提供するように構成することができる。薬物を長時間にわたり放出するために、膜または他の拡散障壁もしくは機構が、治療用デバイスの成分であってもよい。
治療用デバイスの寿命および注入の数は、患者の処置のために最適化することができる。例えば、デバイスは、30年間の寿命にわたり、例えばAMDに関しては約10〜15年間、働き続けることができる。例えば、デバイスを、少なくとも2年間の移植期間について、8回の注入(3か月ごと)により、2年間の期間にわたる治療剤の持続放出のために、構成してもよい。デバイスを、治療剤の持続放出のために、少なくとも10年間の移植期間について、40回の注入(3か月ごと)により、構成してもよい。
治療用デバイスは、多くの方法において再充填することができる。例えば、医師のオフィスにおいて治療剤をデバイス中へ再充填してもよい。
治療用デバイスは、多くの構成および物理学的性質を備えていてもよい。例えば、治療用デバイスの物理学的特徴は、視力が損なわれないような構造、配置およびサイズを有する薬物送達デバイス、ならびに生体適合材料の少なくとも1つを含んでもよい。デバイスは、約0.005cc〜約0.2cc、例えば約0.01cc〜約0.1ccのリザーバの容量、および約2cc以下のデバイス容積を備えていてもよい。0.1ccより大きなデバイス容積のために、硝子体切除を行ってもよい。デバイスの長さは患者の視力に干渉しないものであってよく、デバイスの形状、ならびに眼に関する移植デバイスの配置に依存し得る。デバイスの長さはまた、デバイスが挿入される角度に依存し得る。例えば、デバイスの長さは、約4〜6mmを含み得る。眼の直径は約24mmであるので、強膜から硝子体中へ約6mmより長くは伸長しないデバイスは、患者の視力に対して最小の影響を有し得る。
態様は、移植される薬物送達デバイスの多くの組み合わせを含んでもよい。治療用デバイスは、薬物および結合剤を含んでもよい。デバイスはまた、治療剤の治療的量を長時間にわたり放出するために、膜、開口、拡散障壁、拡散機構の少なくとも1つを備えていてもよい。
図1は、治療用デバイスの組み込みに好適な眼10を示す。眼は、網膜26上に像を形成するように構成された角膜12および水晶体22を有する。角膜は、眼の角膜縁14まで伸長することができ、角膜縁は、眼の強膜24に結合する。眼の結膜16は、強膜の上に配置され得る。水晶体は、患者により見られた物体上に焦点を合わせるように遠近調節することができる。眼は、虹彩18を有し、これは光に応答して伸縮することができる。眼はまた、強膜24と網膜26との間に配置された脈絡膜28を含む。網膜は、黄斑32を含む。眼は、毛様体扁平部25を含み、これは、本明細書において記載されるような治療用デバイス100の配置および保持、例えば固着(anchoring)のために好適な眼の領域の例を含む。毛様体扁平部領域は、網膜と角膜との間に配置された強膜および結膜を含み得る。治療用デバイスは、毛様体扁平部領域から硝子体液30中へ伸長して治療剤を放出するように配置することができる。黄斑に対する治療効果のために治療剤が網膜および脈絡膜に到達するように、治療剤を硝子体液30中へ放出することができる。眼の硝子体液は、水晶体と網膜との間に配置された液体を含む。硝子体液は、治療剤を黄斑に送達する対流を含み得る。
図1A−1は、図1におけるような眼10の強膜24内に少なくとも部分的に移植された治療用デバイス100を示す。治療用デバイスは、デバイスを強膜に連結するための保持構造、例えば突出を備えていてもよい。治療用デバイスは、治療用デバイスが治療剤を硝子体液中へ放出できるように、強膜を通して硝子体液30へ伸長してもよい。
図1A−1−1および1A−1−2は、眼の網膜を処置するために、結膜16下に移植されて、強膜24を通して伸長し、治療剤110を眼10の硝子体液30中に放出する、治療用デバイス100を示す。治療用デバイス100は、結膜が治療用デバイスを被覆して治療用デバイス100を保護するように、強膜に沿った結膜下の配置のために構成された、滑らかな突出などの保持構造120を備えていてもよい。治療剤110がデバイス100中に挿入された場合、結膜は、治療用デバイスにアクセスするために、持ち上げられるか、切開されるか、または針で穿刺される。眼は、眼の強膜を上直筋へ連結するための上直筋の腱27の挿入を含んでもよい。デバイス100は、毛様体扁平部領域の多くの位置、例えば、腱27から離れて、腱の後部、腱の後部、腱の下、または鼻によるまたは耳による(temporal)治療用デバイスの配置の1または2以上に配置することができる。
インプラントは、眼中において多くの方法において配置することができるが、態様に関連した研究は、毛様体扁平部領域における配置により、網膜を処置するために、治療剤、例えば大分子からなる活性成分を含む治療剤を、硝子体中に放出することができることを示唆する。
デバイス100による使用のために好適な治療剤110は、例えば本明細書において以下の表1Aにおいて示すような多くの治療剤を含むことができる。デバイス100の治療剤110は、治療剤の活性成分、治療剤の処方物、市販の治療剤の処方物、医師に調製された治療剤の処方物、薬剤師に調製された治療剤の処方物、賦形剤を有する市販の治療剤の処方物の1または2以上を含んでもよい。治療剤は、表1Aにおいて示すような一般名または商品名により言及することができる。
治療用デバイス100は、患者にとって有用であり有益である限り長期にわたり、眼を処置するために眼に移植することができる。例えば、デバイスは、少なくとも約5年間にわたり、例えば患者の寿命の間恒久的に移植されていてもよい。あるいは、または組み合わせて、デバイスは、もはや患者の処置のために有用または有益でなくなった場合、取り除くことができる。
図1A−2は、図1A−1、1A−1−1および1A−1−2におけるもののような眼中の配置のために構成された治療用デバイス100の構造を示す。デバイスは、デバイス100を強膜に連結するための保持構造120、例えば、デバイスの近位端において配置される突出を備えていてもよい。デバイス100は、保持構造120に取り付けられた容器130を備えていてもよい。活性成分、例えば、治療剤110は、リザーバ140内、例えばデバイスの容器130により規定されるチャンバー132に含まれていてもよい。容器130は、多孔質材料152を備える多孔構造150、例えば多孔質ガラスフリット154、および、治療剤の放出を阻害するための障壁160、例えば非透過性膜162を備えていてもよい。非透過性膜162は、実質的に非透過性の材料164を備えていてもよい。非透過性膜162は、治療剤の治療的量110を長時間にわたり放出するサイズの開口166を備えていてもよい。多孔構造150は、治療剤の治療的量を長時間にわたり放出するように、開口166との結合において構成された厚み150Tおよび孔サイズを備えていてもよい。容器130は、治療剤110の長時間にわたる放出のための治療的量を含有するサイズの容積142を有するチャンバーを有するリザーバ140を備えていてもよい。デバイスは、針止170を備えていてもよい。硝子体液中のタンパク質は、デバイスに入り、多孔構造上の吸着部位について競合し得、それにより治療剤の放出に寄与し得る。リザーバ140中に含有される治療剤110は、システムを平衡化させ、治療剤110を治療的量において放出するように、硝子体液中でタンパク質と平衡化することができる。
非透過性膜162、多孔質材料152、リザーバ140および保持構造120は、治療剤110を送達するための多くの構成を備えていてもよい。非透過性膜162は、治療剤を放出するためにディスク上に形成された少なくとも1つの開口を有するディスクにより結合した、環状の管を備えていてもよい。多孔質材料152は、環状多孔質ガラスフリット154およびその上に配置された環状の末端を備えていてもよい。リザーバ140は、挿入の容易性のために形状が変化するものであってよい。すなわち、それは、強膜を通しての挿入の間は細長い形状をとり、次いで、一旦治療剤で充填されると伸長してバルーン形状をとることができる。
多孔構造150は、意図される放出プロフィールに従って治療剤を放出するために、多くの方法において構成することができる。例えば、多孔構造は、リザーバに面した第1の側面上の複数の開口および硝子体液に面した第2の側面上の複数の開口、ならびに、第1の側面の開口を第2の側面の開口と連結するために、それらの間に配置された複数の互いに連結するチャネルを有する多孔構造、例えば強固な焼結材料を備えていてもよい。多孔構造150は、透過性膜、半透過性膜、その中に配置された少なくとも1つの孔を有する材料、ナノチャネル、強固な材料中にエッチングされたナノチャネル、レーザーエッチングされたナノチャネル、キャピラリーチャネル、複数のキャピラリーチャネル、1または2以上の屈曲したチャネル、屈曲したマイクロチャネル、焼結ナノ粒子、連続気泡発泡体または連続気泡ヒドロゲル(open cell hydrogel)などのヒドロゲルの1または2以上を備えていてもよい。
図1A−2−1は、挿入装置200の挿入カニューレ210中にロードされた治療用デバイス100を示し、ここでデバイス100は、強膜中への挿入のために、細長い狭窄形状を備え、ここでデバイスは、少なくとも部分的な強膜中での保持のために、第2の細長い幅広の形状に膨張するように構成される。
図1A−2−2は、カニューレにおけるローディングのために好適なリザーバ140を備える治療用デバイス100を示し、ここでリザーバ140は、膨張した構成を備える。
図1Bは、図1A−1および1A−1−1におけるもののように眼中での配置のために構成された治療用デバイス100を示す。デバイスは、強膜に連結する、例えば強膜とぴったり重なるための保持構造120、および管168を備える障壁160を備える。治療剤110を含む活性成分112は、非透過性材料164を備える管168内に含有される。多孔質材料152は、治療的濃度における長期間にわたる治療剤の持続放出を提供するために、管168の遠位端において配置される。非透過性材料164は、デバイスが眼中に挿入された場合に多孔質材料152を硝子体液に連結するための開口を規定するために、多孔質材料152の周囲を遠心的に伸長してもよい。
管168および保持構造120は、ガラス棒を受けるように構成され、これは、表面処理されており、該ガラス棒に治療剤を注入することができる。治療剤が長時間にわたる溶出を終了したとき、棒を新しい棒と交換することができる。
デバイス100は、治療剤と、キャリア、例えば、治療剤を送達するための結合剤を含む結合媒(binding medium)とを含んでもよい。治療剤は、腐食除去される固体支持体を含むカラムで囲まれていてもよい。
図1Cは、図1A−1および1A−1−1におけるもののような眼中での配置のために構成された治療用デバイスを示す。ガラスウールなどの結合剤190を含む結合媒に、治療剤110を、デバイス中への注入に先立ちアクセスポート180を通してロードすることができる。デバイス100は、治療剤を長時間にわたり送達するために、結合、漏出および障壁機能を備えていてもよい。結合媒192および治療剤110を吸引して、結合媒および治療剤を交換することができる。治療剤の少なくとも大部分が放出された場合、第2の注入された治療剤を含む結合媒からさらなる治療剤を送達することができるように、結合媒を少なくとも洗い流すかまたは交換することができる。膜195は、治療用デバイス100の周囲上に配置することができる。膜195は、メチルセルロース、再生セルロース、酢酸セルロース、ナイロン、ポリカーボネート、ポリ(テトラフルオロエチレン)(PTFE)、ポリエーテルスルホンおよび二フッ化ポリビニリデン(PVDF)を含んでもよい。治療用デバイスは、開口166が出口ポートを備えるような形状を有する障壁160を備えていてもよい。治療剤は、拡散機構または対流機構の少なくとも1つを通して放出することができる。出口ポートの数、サイズおよび構成は、治療剤の放出速度を決定し得る。出口ポートは、対流ポート、例えば浸透圧により駆動される対流ポートまたはばねにより駆動される対流ポートの少なくとも1つを備えていてもよい。出口ポートはまた、治療剤が一時的に結合し、次いで特定の物理学的または化学的条件下において放出される、管状路を備えていてもよい。
図1C−Aは、少なくとも1つの出口ポート167を示し、該出口ポートは、例えば、デバイスの注入ポート182中に液体が注入された場合に、またはガラスフリットなどの挿入物がデバイス中に挿入された場合に、デバイス内部から外部に液体が流れるのを可能にするために、デバイス100上に配置することができる。治療用デバイスは、注入および/または除去のためのアクセスポート180、例えば隔壁を備えていてもよい。さらに、または代替物において、治療用デバイスが再充填された場合、デバイスを、眼の硝子体中に洗い流すことができる。
図1C−1は、結合剤194を除去する方法を示す。インジェクター187のシリンジ188に連結した針189を、治療用デバイス100のアクセスポート180中に挿入することができる。結合剤194は、針により吸引することができる。
図1C−2は、治療剤110を、治療剤110がそれに結合した第2の結合剤190と共に挿入する方法を示す。治療剤は、長時間にわたる持続放出のために、デバイスの容器130中に注入することができる。
図1C−3は、治療用デバイス中への注入のために治療剤の処方物で充填されているシリンジを示す。インジェクター187のシリンジ188に連結した針189を、治療剤110を容器110Cから引き出すために用いることができる。容器110Cは、隔壁を有するボトル、単回投与容器、または処方物を混合するために好適な容器などの市販の容器を含んでもよい。量110Vの治療剤110を、眼内に配置された治療用デバイス100中への注入のために、インジェクター187中へ引き出すことができる。量110Vは、例えば治療用デバイス110の容器の容積および意図された硝子体液中への注入に基づいて、予め決定された量を含んでもよい。量110Vの例は、治療用デバイスを通して量110Vの第1の部分を硝子体液中に注入するために、および、治療用デバイス110の容器内の量110Vの第2の部分を含むために、容器の容積を超えてもよい。容器110Cは、治療剤110の処方物110Fを含んでもよい。処方物110Fは、治療剤の市販の処方物、例えば本明細書において表1Aを参照して記載される治療剤を含んでもよい。本明細書において記載される態様による使用のために好適であり得る市販の処方物の非限定的な例として、例えばLucentis(商標)およびトリアムシノロンが挙げられる。処方物110Fは、市販の治療剤、例えばAvastin(商標)の濃縮または希釈された処方物であってよい。硝子体液のモル浸透圧濃度および浸透圧は、約290〜約320の範囲であってよい。例えば、Avastin(商標)の市販の処方物を、硝子体液のモル浸透圧濃度および浸透圧と実質的に類似する、例えば約280〜約340の範囲内、例えば約300mOsmのモル浸透圧濃度および浸透圧を有する処方物を含むように、希釈してもよい。治療剤110は、硝子体液に実質的に類似するモル浸透圧濃度および浸透圧を備えていてもよいが、一方で、治療剤110は、硝子体液に対して高浸透圧の溶液または硝子体液に対して低浸透圧の溶液を含んでもよい。当業者は、治療剤の長時間にわたる放出を提供するために、処方物および治療剤のモル浸透圧濃度を実験的に決定するために、本明細書において記載される教示に基づいて実験を行うことができる。
例えば、米国において、Lucentis(商標)(活性成分ラニビズマブ)は、10mMのヒスチジンHCl、10%のα,α−トレハロース二水和物、0.01%のポリソルベート20(pH5.5)を含む、0.05mLの10mg/mlのLucentis(商標)水溶液を送達するように設計された単回使用のガラスバイアル中の、保存剤フリーの無菌溶液として供給される。欧州においては、Lucentis(商標)の処方物は、合衆国の処方物と実質的に類似し得る。
例えば、Genentechおよび/またはNovartisによる開発におけるLucentis(商標)の持続放出処方物は、デバイス100注入された治療剤を含んでもよい。持続放出処方物は、活性成分を含む粒子を含んでもよい。
例えば、合衆国において、Avastin(商標)(ベバシズマブ)は、抗癌薬として承認されており、AMDについて臨床治験が進行している。癌については、市販の溶液は、静脈内注入のためにpH6.2である。Avastin(商標)は、4mLまたは16mLのAvastin(商標)(25mg/ml)を送達するために、100mgおよび400mgの保存剤フリーの単回使用バイアルにおいて供給される。100mgの製品は、240mgのα,α−トレハロース二水和物、23.2mgのリン酸ナトリウム(一塩基性、一水和物)、4.8mgリン酸ナトリウム(二塩基性、無水物)、1.6mgのポリソルベート20および注入のための水(USP)中に処方されている。400mgの製品は、960mgのα,α−トレハロース二水和物、92.8mgのリン酸ナトリウム(二塩基性、無水物)、6.4mgのポリソルベート20および注入のための水(USP)中に処方されている。市販の処方物を、投与の前に100mLの0.9%塩化ナトリウム中に希釈し、用いられる市販の処方物の量は、患者および適応症により異なる。本明細書において記載される教示に従って、当業者本は、治療用デバイス100中に注入するAvastin(商標)の処方を決定することができる。欧州においては、Avastin(商標)の処方物は、合衆国の処方物と実質的に類似し得る。
例えば、合衆国においては、2つの形態、アセトニドおよびヘキサアセトニドの、注射可能溶液において用いられるトリアムシノロンが存在する。合衆国において、アセトアミドは硝子体内注入について承認されている。アセトアミドは、TRIVARIS(Allergan)中の活性成分であり、2.3重量%のヒアルロン酸ナトリウム;0.63%塩化ナトリウム;0.3%リン酸ナトリウム、二塩基性;0.04%リン酸ナトリウム、一塩基性;および注入のための水(pH7.0〜7.4)を含有するビヒクル中の0.1mL(8%懸濁液)中の8mgのトリアムシノロンアセトニドである。アセトアミドはまた、Triesence(商標)(Alcon)の40mg/m1懸濁液中の活性成分である。
当業者は、本明細書において記載される処方物について、モル浸透圧濃度を決定することができる。溶液中の活性成分の解離の程度を決定して、これらの処方物におけるモル浸透圧濃度とモル濃度との差異を決定するために用いることができる。例えば、処方物の少なくとも一部は濃縮されている(または懸濁液)ことを考慮して、モル濃度はモル浸透圧濃度とは異なり得る。
治療用デバイス100中に注入することができる治療剤の処方物は、多くの既知の治療剤の処方物、および長時間にわたるデバイス100からの放出のために好適なモル浸透圧濃度を含む治療剤処方物を含んでもよい。表1Bは、食塩水および表1Aの市販の処方物の一部のモル浸透圧濃度(Osm)の例を示す。
表1B
眼の硝子体液は、約290mOsm〜約320mOsmのモル浸透圧濃度を含む。約280mOsm〜約340mOsmのモル浸透圧濃度を有する治療剤の処方物は、眼の硝子体液に関して、実質的に等張であり、実質的に等浸透圧である。表1Bにおいて列記される処方物は、眼の硝子体に関して実質的に等浸透圧および等張であり、治療用デバイス中への注入のために好適であるが、治療用デバイス中に注入される治療剤の処方物は、硝子体の浸透圧およびモル浸透圧濃度に関して高張(高浸透圧)または低張(低浸透圧)であってもよい。態様に関する研究は、高浸透圧性処方物は、注入された処方物の溶質が硝子体のモル浸透圧濃度と平衡化する場合、当初いくらか速く治療剤の活性成分を硝子体中に放出すること、および、Avastin(商標)などの低浸透圧性処方物は、注入された処方物の溶質が眼と平衡化する場合、当初いくらか遅く治療剤の活性成分を硝子体中に放出することを示唆する。当業者は、治療剤の治療的量を長時間にわたり放出するために、および、最少阻害濃度より高い治療的濃度の範囲内において長時間にわたり硝子体中の治療剤の治療的濃度を提供するために、リザーバチャンバー中に配置される治療剤の処方物のために適切なリザーバチャンバーの容積および多孔構造を実験的に決定するために、本明細書において記載される教示に基づいて実験を行うことができる。
治療用デバイスは、安全対策を提供するために構成された少なくとも1つの構造を備えていてもよい。デバイスは、リザーバ体内のマクロファージまたは他の免疫細胞;細菌の浸透;または網膜剥離の少なくとも1つを抑えるための少なくとも1つの構造を備えていてもよい。
治療用デバイスは、体内での他の摘要のために構成されていてもよい。薬物の他の投与の経路として、眼内、経口、皮下、筋肉内、腹腔内、鼻内、経皮、髄腔内、血管内、関節内、心嚢内、臓器および腸などの腔内の、少なくとも1つを挙げることができる。
本明細書において記載される薬物送達デバイスおよび方法を用いて処置および/または予防することができる状態として、以下の少なくとも1つを挙げることができる:血友病および他の血液疾患、成長障害、糖尿病、白血病、肝炎、腎不全、HIV感染、セレブロシダーゼ欠損およびアデノシンデアミナーゼ欠損などの遺伝性疾患、高血圧、敗血症性ショック、多発性硬化症、グレーヴス病、全身性エリテマトーデスおよび関節リウマチなどの自己免疫疾患、ショックおよび衰弱性障害、嚢胞性線維症、乳糖不耐症、クローン病、炎症性腸疾患、胃腸および他の癌、変性疾患、外傷、貧血などの多重全身症状、ならびに例えば網膜剥離、増殖網膜症、増殖糖尿病網膜症などの他の眼疾患、変性疾患、血管疾患、閉塞、穿通性外傷により引き起こされる感染、内因性/全身性感染などの眼内炎、術後感染、後部ブドウ膜炎、網膜炎または脈絡膜炎などの炎症、ならびに新生物および網膜芽細胞腫などの腫瘍。
治療用デバイス100により送達することができる治療剤110の例は、表1Aにおいて記載され、トリアムシノロンアセトニド、ビマトプロスト(Lumigan)、ラニビズマブ (Lucentis(商標))、トラボプロスト(Travatan、Alcon)、チモロール(Timoptic、Merck)、レボブノロール(Betagan、Allergan)、ブリモニジン(Alphagan、Allergan)、ドルゾラミド(Trusopt、Merck)、ブリンゾラミド(Azopt、Alcon)を含み得る。治療用デバイスにより送達することができる治療剤のさらなる例として、テトラサイクリン、クロルテトラサイクリン、バシトラシン、ネオマイシン、ポリミキシン、グラミシジン、セファレキシン、オキシテトラサイクリン、クロラムフェニコール、カナマイシン、リファンピシン、シプロフロキサシン、トブラマイシン、ゲンタマイシン、エリスロマイシンおよびペニシリンなどの抗生物質;アムホテリシンBおよびミコナゾールなどの抗真菌剤;スルホンアミド、スルファジアジン、スルファセタミド、スルファメチゾール、スルフイソキサゾールおよびニトロフラゾンおよびプロピオン酸ナトリウムなどの抗菌剤;イドクスウリジン、トリフルオロサイミジン、アシクロビル、ガンシクロビル、インターフェロンなどの抗ウイルス剤;クロモグリク酸ナトリウム、アンタゾリン、メタピリレン、クロルフェニラミン、ピリラミン、セチリジンおよびプロフェンピリダミンなどの抗アレルギー剤;ヒドロコルチゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、デキサメタゾン、デキサメタゾン21−ホスフェート、フルオシノロン、メドリゾン、プレドニゾロン、プレドニゾロン21−ホスフェート、酢酸プレドニゾロン、フルオロメトロン、ベタメタゾンおよびトリアムシノロンなどの抗炎症剤;サリチル酸、インドメタシン、イブプロフェン、ジクロフェナク、フルルビプロフェンおよびピロキシカムなどの非ステロイド性抗炎症剤;フェニレフリン、ナファゾリンおよびテトラヒドロゾリンなどの鬱血除去薬;ピロカルピン、サリチル酸、塩化アセチルコリン、フィゾスチグミン、エゼリン、カルバコール、ジイソプロピルフルオロリン酸、ヨウ化ホスホリンおよび臭化デメカリウムなどの縮瞳薬および抗コリンエステラーゼ薬;硫酸アトロピン、シクロペントラート、ホマトロピン、スコポラミン、トロピカミド、ユーカトロピンおよびヒドロキシアンフェタミンなどの散瞳薬;エピネフリンなどの交感神経摸倣薬;カルムスチン、シスプラチンおよびフルオロウラシルなどの抗悪性腫瘍薬;ワクチンおよび免疫刺激剤などの免疫学的薬物;エストロゲン、エストラジオール、プロゲステロン作用薬(progestational)、プロゲステロン、インスリン、カルシトニン、副甲状腺ホルモンおよびペプチドおよびバソプレシン視床下部放出因子などのホルモン剤;マレイン酸チモロール、レボブノロールHclおよびベタキソロールHclなどのベータアドレナリン遮断薬;上皮細胞増殖因子、線維芽細胞増殖因子、血小板由来増殖因子、トランスフォーミング増殖因子ベータ、ソマトトロピンおよびフィブロネクチンなどの増殖因子;ジクロルフェナミド、アセタゾラミドおよびメタゾラミドなどの炭酸脱水素酵素阻害剤、ならびに、プロスタグランジン、抗プロスタグランジンおよびプロスタグランジン前駆体などの他の薬物が挙げられる。当業者に公知の他の治療剤で、本明細書において記載される様式における眼中への制御された持続放出が可能なものもまた、本発明の態様による使用のために好適である。
治療剤110は、以下の1または2以上を含んでもよい:アバレリックス、アバタセプト、アブシキシマブ、アダリムマブ、アルデスロイキン、アレファセプト、アレムツズマブ、アルファ−1−プロテイナーゼ阻害剤、アルテプラーゼ、アナキンラ、アニストレプラーゼ、抗血友病因子、抗胸腺細胞グロブリン、アプロチニン、アルシツモマブ、アスパラギナーゼ、バシリキシマブ、ベカプレルミン、ベバシズマブ、ビバリルジン、ボツリヌス毒素A型、ボツリヌス毒素B型、カプロマブ、セトロレリクス、セツキシマブ、胎盤性性腺刺激ホルモンアルファ、凝固因子IX、凝固因子VIIa、コラゲナーゼ、コルチコトロピン、コシントロピン、シクロスポリン、ダクリズマブ、ダルベポエチンアルファ、デフィブロチド、デニロイキンジフチトクス、デスモプレシン、ドルナーゼアルファ、ドロトレコギンアルファ、エクリズマブ、エファリズマブ、エンフビルチド、エポエチンアルファ、エプチフィバチド、エタネルセプト、エキセナチド、フェリプレシン、フィルグラスチム、フォリトロピンベータ、ガルスルファーゼ、ゲムツズマブオゾガマイシン、酢酸グラチラマー、グルカゴン組換体、ゴセレリン、ヒト血清アルブミン、ヒアルロニダーゼ、イブリツモマブ、イデュルスルファーゼ、免疫グロブリン、インフリキシマブ、インスリングラルギン組換体、インスリンリスプロ組換体、インスリン組換体、インスリン、ブタ、インターフェロンアルファ−2a、組換体、インターフェロンアルファ−2b、組換体、インターフェロンアルファコン−1、インターフェロンアルファ−n1、インターフェロンアルファ−n3、インターフェロンベータ−lb、インターフェロンガンマ−lb、レピルジン、ロイプロリド、ルトロピンアルファ、メカセルミン、メノトロピン、ムロモナブ、ナタリズマブ、ネシリチド、オクトレオチド、オマリズマブ、オプレルベキン、OspAリポタンパク質、オキシトシン、パリフェルミン、パリビズマブ、パニツムマブ、ウシペガデマーゼ、ペガプタニブ、ペグアスパルガーゼ、ペグフィルグラスチム、ペグインターフェロンアルファ−2a、ペグインターフェロンアルファ−2b、ペグビソマント、プラムリンチド、ラニビズマブ、ラスブリカーゼ、レテプラーゼ、リツキシマブ、サケカルシトニン、サルグラモスチム、セクレチン、セルモレリン、ヨウ化血清アルブミン、ソマトロピン組換体、ストレプトキナーゼ、テネクテプラーゼ、テリパラチド、サイロトロピンアルファ、トシツモマブ、トラスツズマブ、ウロフォリトロピン、ウロキナーゼ、またはバソプレシン。分子の分子量およびこれらの治療剤の適応症は、以下の表1Aにおいて示す。
治療剤110は、細胞タンパク質のイムノフィリンファミリーの部材に結合することにより作用する化合物の1または2以上を含んでもよい。かかる化合物は、「イムノフィリン結合化合物」として知られる。イムノフィリン結合化合物として、限定されないが、「リムス(limus)」ファミリーの化合物が挙げられる。用いることができるリムス化合物の例として、限定されないが、シロリムス(ラパマイシン)およびその水溶性アナログSDZ-RAD、タクロリムス、エベロリムス、ピメクロリムス、CCI -779(Wyeth)、AP23841(Ariad)およびABT-578(Abbott Laboratories)を含むシクロフィリンおよびFK506結合タンパク質(FKBP)が挙げられる。
リムスファミリーの化合物は、脈絡膜血管新生を含む血管新生により媒介される眼の疾患および状態の処置、予防、阻害、発症の遅延、または退縮を引き起こすための組成物、デバイスおよび方法において用いることができる。リムスファミリーの化合物は、滲出型AMDを含むAMDを予防、処置、阻害するか、その発症を遅延させるか、その退縮を引き起こすために用いることができる。ラパマイシンは、脈絡膜血管新生を含む血管新生により媒介される眼の疾患および状態を予防、処置、阻害するか、その発症を遅延させるか、その退縮を引き起こすために用いることができる。ラパマイシンは、滲出型AMDを含むAMDを予防、処置、阻害するか、その発症を遅延させるか、その退縮を引き起こすために用いることができる。
治療剤110は、以下の1または2以上を含んでもよい:ピロリジン、ジチオカルバメート(NFカッパーB阻害剤);スクアラミン;TPN 470アナログおよびフマギリン;PKC(タンパク質キナーゼC)阻害剤;Tie-1およびTie-2キナーゼ阻害剤;VEGF受容体キナーゼの阻害剤;Velcade(商標)などのプロテオソーム阻害剤(ボルテゾミブ、注入のため;ラニビズマブ(Lucentis(商標))および同じ標的に対する他の抗体;ペガプタニブ(Macugen(商標));ビトロネクチン受容体型インテグリンの環状ペプチドアンタゴニストなどのビトロネクチン受容体アンタゴニスト;アルファ−v/ベータ−3インテグリンアンタゴニスト;アルファ−v/ベータ−1インテグリンアンタゴニスト;ロシグリタゾンまたはトログリタゾンなどのチアゾリジンジオン;ガンマ−インターフェロンまたはデキストランおよび金属配位の使用によりCNVを標的とするインターフェロンを含むインターフェロン;色素上皮由来因子(PEDF);エンドスタチン;アンジオスタチン;タムスタチン;カンスタチン;酢酸アネコルタブ;アセトニド;トリアムシノロン;テトラチオモリブナート;VEGF発現を標的とするリボザイムを含む血管新生因子のRNAサイレンシングまたはRNA干渉(RNAi);Accutane(商標)(13−シスレチノイン酸);キナプリル、カプトプリルおよびペリンドプリルを含むがこれらに限定されないACE阻害剤;mTORの阻害剤(ラパマイシンの哺乳動物標的);3−アミノサリドマイド;ペントキシフィリン;2−メトシキエストラジオール;コルヒチン;AMG-1470;ネパフェナク、ロフェコキシブ、ジクロフェナク、ロフェコキシブ、NS398、セレコキシブ、バイオックス、および(E)−2−アルキル−2(4−メタンスルホニルフェニル)−1−フェニルエタンなどのシクロオキシゲナーゼ阻害剤;t-RNAシンターゼのモジュレーター;メタロプロテアーゼ13阻害剤;アセチルコリンエステラーゼ阻害剤;カリウムチャネル遮断薬;エンドレペリン(endorepellin);6−チオグアニンのプリンアナログ;環状ぺルオキシドANO-2;(組換体)アルギニンデイミナーゼ;エピガロカテキン−3−没食子酸;セリバスタチン;スラミンのアナログ;VEGF捕捉分子;アポトーシス阻害剤;光線力学的治療(PDT)により用いることができるVisudyne(商標)、snET2および他の光感受性物質;肝細胞増殖因子の阻害剤(増殖因子またはその受容体に対する抗体、c-metチロシンキナーゼの低分子阻害剤、HGFの切断型バージョン、例えばNK4)。
治療剤110は、血管新生または血管新生、特にCNVの処置のために有用な剤および治療を非限定的に含む他の治療剤および治療との組合せを含んでもよい。かかるさらなる剤および治療の非限定的な例として、ピロリジン、ジチオカルバメート(NFカッパーB阻害剤);スクアラミン;TPN 470アナログおよびフマギリン;PKC(タンパク質キナーゼC)阻害剤;Tie-IおよびTie-2キナーゼ阻害剤;VEGF受容体キナーゼの阻害剤;Velcade(商標)などのプロテオソーム阻害剤(注入についてはボルテゾミブ;ラニビズマブ(Lucentis(商標))および同じ標的に対する他の抗体;ペガプタニブ(Macugen(商標));ビトロネクチン受容体型インテグリンの環状ペプチドアンタゴニストなどのビトロネクチン受容体アンタゴニスト;アルファ−v/ベータ−3インテグリンアンタゴニスト;アルファ−v/ベータ−1インテグリンアンタゴニスト;ロシグリタゾンまたはトログリタゾンなどのチアゾリジンジオン;ガンマ−インターフェロンまたはデキストランおよび金属配位の使用によりCNVを標的とするインターフェロンを含むインターフェロン;色素上皮由来因子(PEDF);エンドスタチン;アンジオスタチン;タムスタチン;カンスタチン;酢酸アネコルタブ;アセトニド;トリアムシノロン;テトラチオモリブナート;VEGF発現を標的とするリボザイムを含む血管新生因子のRNAサイレンシングまたはRNA干渉(RNAi);Accutane(商標)(13−シスレチノイン酸);キナプリル、カプトプリル、およびペリンドプリルを非限定的に含むACE阻害剤;mTORの阻害剤(ラパマイシンの哺乳動物標的);3−アミノサリドマイド;ペントキシフィリン;2−メトシキエストラジオール;コルヒチン;AMG-1470;ネパフェナク、ロフェコキシブ、ジクロフェナク、ロフェコキシブ、NS398、セレコキシブ、バイオックスおよび(E)−2−アルキル−2(4−メタンスルホニルフェニル)−1−フェニルエタンなどのシクロオキシゲナーゼ阻害剤;t-RNAシンターゼのモジュレーター;メタロプロテアーゼ13阻害剤;アセチルコリンエステラーゼ阻害剤;カリウムチャネル遮断薬;エンドレペリン;6−チオグアニンのプリンアナログ;環状ぺルオキシドANO-2;(組換体)アルギニンデイミナーゼ;エピガロカテキン−3−没食子酸;セリバスタチン;スラミンのアナログ;VEGF捕捉分子;肝細胞増殖因子の阻害剤(増殖因子またはその受容体に対する抗体、c-metチロシンキナーゼの低分子阻害剤、HGFの切断型バージョン、例えばNK4);アポトーシス阻害剤;Visudyne(商標)、snET2および光線力学的治療(PDT)による他の光感受性物質;およびレーザー凝固が挙げられる。
治療剤は、例えば、デンプン、ゼラチン、糖、アラビアゴムなどの天然ゴム、アルギニン酸ナトリウムおよびカルボキシメチルセルロースなどの固体;シリコーンゴムなどのポリマー;無菌水、食塩水、デキストロース、水または食塩水中のデキストロースなどの液体;ヒマシ油および酸化エチレン、低分子脂肪酸の液体グリセリルトリエステルの濃縮製品;低級アルカノイル;コーン油、ピーナッツ油、ゴマ油、ヒマシ油等の油脂であって、脂肪酸のモノ−もしくはジ−グリセリド、またはレシチン、ポリソルベート80などのリン脂質などの乳化剤を含むもの;グリコールおよびポリアルキレングリコール;懸濁剤、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、ポリ(ビニルピロリドン)および類似の化合物の存在下における水性溶媒であって、単独またはレシチン、ステアリン酸ポリオキシエチレンなどの好適な分配剤(dispensing agent)を含むものなどの薬学的に受容可能なキャリアと組み合わせて用いてもよい。キャリアはまた、保存剤、安定化剤、湿潤剤、乳化剤または他の関連する材料などのアジュバントを含んでもよい。
治療用デバイスは、少なくとも1つの治療剤を保持するように構成された容器を備えていてもよく、該容器は、少なくとも1つの治療剤を硝子体液に放出するための少なくとも1つの開口と、該少なくとも1つの開口内に配置された多孔構造150とを有する、少なくとも1つの治療剤を保持するためのチャンバーを備える。多孔構造150は、少なくとも1つの治療剤の硝子体液への送達の速度を制御する既定の多孔度および屈曲度を有する、固定され、屈曲した、焼結金属、焼結ガラスまたは焼結ポリマーなどの多孔質材料を含んでもよい。強固な多孔構造は、治療用デバイスからの治療剤または薬剤の放出を制御するための機構として、キャピラリー管、腐食性ポリマーおよび膜に対して特定の利点を提供する。これらの利点として、強固な多孔構造が針の停止点を備えることができること、より簡便であり最も費用効果の高い製造、移植の前または後のいずれにおいても洗浄または目詰まりの除去のために洗い流すことが可能であること、構造内の不規則な通路と、膜または腐食性ポリマーマトリックスと比較してより高い構造の固さおよび厚みに起因するより高い堅牢性とにより提供される、高効率の微生物の深層濾過が挙げられる。さらに、強固な多孔構造が焼結金属、セラミック、ガラスまたは特定のプラスチックから製造される場合、それを、加熱または照射に基づく無菌化およびパイロジェン除去(これらはポリマーおよび他の膜を損傷する場合がある)などの無菌化および洗浄の手順に供することができる。ある態様において、例9において説明されるように、強固な多孔構造は、治療剤の治療有効濃度を少なくとも6か月間にわたり硝子体内に提供するように構成することができる。強固な多孔構造の特定の構成により提供されるこの放出プロフィールにより、より小さなデバイスが可能となり、これは、より大きなデバイスが視力を変化させる化合物または損なう可能性がある眼のような小さな臓器において好ましくあり得る。
処方物の注入に基づく持続放出のための治療用デバイスの調整
治療用デバイス100は、デバイス中に注入される処方物の容積に基づいて、例えば、その全開示が先に参考として組み込まれている米国特許出願第12/696,678号、公開番号2010/0255061において記載されるように、標的治療濃度プロフィールを送達するために調整することができる。注入される容器は、実質的に固定された容積を備えていてもよく、例えば意図された予め決定された標的容積の約+/−30%内であってもよい。リザーバの容積は、相当するボーラス注入の処置時間より実質的に長い時間にわたり治療剤を放出するために、放出速度指標によりサイズを決定することができる。デバイスはまた、眼における治療剤の半減期に基づいて治療剤を放出するために調整することができる。デバイスの容積および放出速度指標は、注入される処方物の容積および眼における治療剤の半減期に基づいて、一緒に調節することができるパラメーターを含む。以下の式は、デバイスを調整するために好適な治療用デバイスのパラメーターを決定するために用いることができる:
速度=Vr(dCr/dt)=−D(PA/TL)Cr
ここで、速度=デバイスからの治療剤の放出の速度
Cr=リザーバ中の治療剤の濃度
Vr=リザーバの容積
D=拡散定数
PA/TL=RRI
P=多孔度
A=面積
T=屈曲度=F=チャネルパラメーター。
実質的に固定された容積の注入について、
Cr0=(注入容積)(処方物の濃度)/Vr
ここで、Cr0=処方物の注入の後でのリザーバ中の最初の濃度。
注入容積=50 uLについて、
Cr0=(0.05 mL)(10 mg/ml)/Vr (1000 ug/ 1 mg)=500 ug / Vr
速度=x(500 ug)exp(-xt)
ここで、t=時間
x=(D/Vr)(PA/TL)。
硝子体における物質収支により、
Vv(dCv/dt)=デバイスからの速度=kVvCv
ここで、Vv=硝子体中の容積(約4.5ml)
Cv=硝子体中の治療剤の濃度
k=硝子体からの薬物の速度(1/硝子体中の薬物の半減期に比例する)
Cvが実質的に一定であり続け、時間とともにゆっくりと変化する(すなわち、dCv/dtが約0である)、本明細書において記載される態様のために適切な状況について、
Cv=(デバイスからの速度)/(kVv)
kVvが実質的に一定であるので、Cvの最大値は、デバイスからの速度を最大化する条件に対応する。デバイスからの注入から所与の時点において、(例えば180日目)、最大Cvは、最高速度を提供するxの値において見出される。xの最適値は、
所与の時点におけるd(速度)/dx=0
を満たす。
速度=500(x)exp(-xt)=f(x)g(x)、ここで、f(x)=500xおよびg(x)=exp (-xt)
d(速度)/dx=f'(x)g(x) + f(x)g'(x)=500(1-xt)exp(-xt)
所与の時点tについて、1-xt=0およびxt=1の場合、 d(速度)/dx=0
速度は、(D/Vr)(PA/TL)t=1である場合に最大である。
所与の容積について、最適PA/TL=最適RRI=Vr/(Dt)
したがって、所与の時間tにおける最大Cvは、所与のVrについての最適RRI=(PA/FL)について起こる。
また、比(Vr)/(RRI)=(Vr)/(PA/TL)=Dtは、その時間における最適速度を決定する。
上記の式は、数値的シュミレーションと組み合わせた場合にVrおよびPA/TLの最適値を提供することができる、およその最適値を提供する。最終最適値は、充填効率などのさらなるパラメーターに依存し得る。
上記のパラメーターは、最適RRIを決定するために用いることができ、治療用デバイスは、最適値の約+/−50%内、例えば最適値の約+/−30%での、デバイスのリザーバ容積および放出速度指標により、デバイス中に注入される処方物の容積に対して調整することができる。例えば、多孔構造の最適放出速度指標、および、予め決定された量、例えば50uL、の治療剤を受け取るサイズの最適リザーバ容積について、最少阻害濃度より高い治療的濃度を、90日間などの予め決定された長時間にわたり達成するために、リザーバの最大容積は、最適容積の約2倍以下に限定することができる。注入された市販の処方物の容積に対するこのリザーバ容積および多孔構造の調整により、同じ容積の市販の注入可能処方物を受け取るはるかにより大きいリザーバ容積と比較して、デバイスからの治療的量の放出の時間を増大することができる。本明細書において記載される多くの例は、一定量の処方物を受け取り、長時間にわたる放出を提供するために一緒に調製された多孔質フリット構造およびリザーバ容積を示すが、リザーバと共に調整された多孔構造は、多孔質フリット、透過性膜、半透過性膜、キャピラリー管または屈曲したチャネル、ナノ構造体、ナノチャネルまたは焼結ナノ粒子の1または2以上を含んでもよく、当業者は、1または2以上の多孔構造および容積を、その量の処方物を受け取り、治療的量を長時間にわたり放出するように調整するために、放出速度の特徴、例えば放出速度指標を決定することができる。
一例として、180日における最適RRIを、約125uLのリザーバ容積について決定することができる。上記の式(Vr/Dt)=最適RRIに基づくと、デバイス中に注入される50uLの処方物容積についての180日における最適RRIは約0.085である。180日におけるデバイスからの薬物放出の速度、および硝子体からの薬物の速度に基づいて、対応するCvは180日において約3.19ug/mLである(kは、約9日間の半減期に対応する)。63uLのリザーバ容積の容器および0.044のRRIを有するデバイスはまた、Vr対PA/TLの比もまた最適であるため、180日における最適Cvを提供する。最適値を決定することができるが、治療用デバイスは、最適値付近、例えば最適値の約+/−50%以内における多くの値のリザーバ容積および多くの値の放出速度指標により、標的時間、例えば180日において薬物の治療的量を提供するように調整することができる。リザーバの容積は実質的に固定され得るが、バルーン型リザーバなどの拡張可能なリザーバによるもののように、リザーバの容積は、例えば約+/−50%内において、変化してもよい。
眼の硝子体液中での薬物の半減期は、治療剤および眼の型、例えばヒト、ウサギまたはサル、に基づき、したがって、半減期は、例えば眼の種に基づいて決定することができる。少なくとも幾つかの動物モデルにより、硝子体液中での治療剤の半減期は、ヒトの眼についてのものよりも、例えば少なくとも幾つかの例においては2倍、短い場合がある。例えば、治療剤Lucentis(商標)(ラニビズマブ)の半減期は、ヒトの眼においては約9日間であり得、ウサギおよびサルの動物モデルにおいては約2〜4日間であり得る。低分子については、ヒトの眼の硝子体液中での半減期は、約2〜3時間であり得、サルおよびウサギの動物モデルにおいては約1時間であり得る。治療用デバイスは、ヒトの硝子体液、または動物の硝子体液、またはこれらの組み合わせ中での治療剤の半減期に基づいて、処方物の容積を受け取るように調整することができる。本明細書において記載される教示に従って、当業者は、処方物の容積を受け取り治療的量を長時間にわたり提供するためにリザーバおよび多孔構造を一緒に調整することができるように、眼および治療剤の型に基づいて眼における治療剤の半減期を実験的に決定することができる。
組み合わせた治療剤処置
本明細書において記載される治療剤およびデバイスは、治療剤の組み合わせを長時間にわたり送達するために用いることができる。組み合わされた治療剤は、眼の疾患、例えば加齢黄斑変性(本明細書において以下「AMD」)を処置するために用いることができる。
本明細書において記載される態様は、その全開示が本明細書において参考として先に組み込まれている2010年1月29日に出願された米国仮出願第12/696,678号、表題「Posterior Segment Drug Delivery」、米国仮出願公開第2010/0255061号(代理人整理番号026322-003750US)において記載される方法および装置の1または2以上の成分を組み込んでもよい。
本明細書において用いられる場合、例えば、本明細書において記載される態様によるように、米国仮出願第12/696,678号の類似の構造および方法の工程と組み合わされた場合のように、類似の数字および文字は、類似の装置の構造および類似の方法の工程を表わす。
AMDを処置するための組み合わせ治療は、異なる疾患ステージを通して患者を処置するために用いることができる。AMDの早期において、炎症および酸化ストレスは、当該疾患の早期および中間期のステージの発達において役割を果たす。AMDの進行期が発達する場合、進行期は、VEGFの活性および炎症成分により増強される場合がある。脈絡膜血管新生(本明細書において以下「CNV」)が、処置している医師の良好な制御下にある場合、進行中の炎症性ストレスに起因する瘢痕形成およびCNVの再発を制御する(−50%)利益が存在する場合がある。
AMDを処置するための組み合わせ治療は、疾患のステージおよび標的とする治療的処置に基づいて、多様な化合物を、組み合わせにおいて、または連続して、またはそれらの組み合わせにおいて収容することができる、本明細書において記載される持続放出治療用デバイス100の1または2以上を配置するための手段を備えていてもよい。
例えば、早期AMDを有し、中間期または進行期AMDへ進行するリスクがあるする患者は、単独または抗酸化剤との組み合わせにおける補体阻害剤などの抗炎症処置から利益を受ける場合がある。疾患がCNVへ進行する場合、同じデバイスに、単独または抗炎症剤との組合せにおける抗VEGF剤を注入してもよい。その後、CNVが良好に制御された場合、線維症および再発の確率を低減するために、COX阻害剤などの局所の炎症を制御する剤をデバイスに注入してもよい。
AMDのステージを処置するための治療剤。
1.AMD患者は、幾つかの異なる疾患のステージを通過し得、治療用デバイスまたは剤の1または2以上の組み合わせは、疾患の各々のステージを処置するために用いることができる。眼の状態に適合する1または2以上の対応する治療剤を、血管新生および炎症を処置するために注入することができる。
a.早期/中間期AMD−主にドルーゼの存在により顕化する(また萎縮型AMDとして言及される)
b.進行期AMD(また滲出型AMDとして言及される)
i.CNV
1.新規CNV
2.良好な処置サイクルの後でのCNV再発
ii.地図状萎縮
2.炎症は、全てのこれらのステージにおいて役割を果たし得、抗炎症処置剤は、各々のステージにおいて用いることができる。
a.補体システムの遺伝的多様性は、補体システムの不完全な調節を引き起こし得る。増強された補体の活性は、炎症を増大させる場合があり、これは次いで、VEGFの発現およびCNVの発症を増大させる。デバイス100中に注入される治療剤は、処置に対する患者の応答に基づいて注入することができる。
b.補体因子は、ドルーゼおよびCNVの両方において見出されており、細胞のアポトーシスに寄与し得る。
c.炎症性成分は、CNVが退縮している間に存在し、瘢痕形成に寄与し得、これは、さらなる網膜の損傷を引き起こし得る。瘢痕形成を阻害するために、抗炎症剤を注入することができる。
3.酸化ストレスは、早期AMDを引き起こし得、かつ、中間期から進行期AMDへの転換に関与し得る。
4.滲出期のAMDに対して効果を有し、治療用デバイス100中への注入のために好適な抗炎症剤として、以下の1または2以上が挙げられる:
a.ステロイド
b.腫瘍壊死因子(本明細書において以下「TNF」)阻害剤
c.COX阻害剤
5.早期、中間期および進行期のAMDの処置のために、補体システム阻害剤を、本明細書において記載される態様により組み合わせることができる。
AMDを処置するための組み合わせ治療は、治療剤110を硝子体液中に針から直接的に注入すること、治療剤をデバイス100中に貯蔵するために治療剤を治療用デバイス100中に注入すること、治療剤をデバイス100中に注入して、多孔構造を通して治療剤110のボーラスを送達して治療剤110をデバイス100中に貯蔵すること、第1の治療剤110を第1のデバイス100中に、第2の治療剤110を第2の治療用デバイス100中に注入することの1または2以上を含んでもよい。以下の表2は、態様による組み合わせ処置を示す。
表2
表2において示す組み合わせは、患者を処置するための多くの方法において用いることができる。
図2は、患者を処置するための、第1のインジェクター187中に含有される第1の治療剤110A、および第2のインジェクター187中に含有される第2の治療剤110Bを示す。眼を処置するために、第1の治療剤110Aを第2の治療剤110Bと組みわせてもよい。第1の治療剤110Aおよび第2の治療剤110Bは、眼の硝子体液中に注入することができる。第1の治療剤110Aは、VEGF阻害剤などの、悪性腫瘍を阻害する、例えば血管新生を阻害するための治療剤を含んでもよい。第2の治療剤110Bは、抗炎症剤、例えばCOX阻害剤などのステロイド性または非ステロイド性抗炎症剤を含んでもよい。第1の治療剤および第2の治療剤は多くの方法において送達することができる一方で、第1の治療剤および第2の治療剤を、各々、インジェクターの針を用いて硝子体液中に直接注入してもよい。
図3は、患者を処置するために、眼の硝子体液中に直接注入される第1のインジェクター187中に含有される第1の治療剤110A、および治療用デバイス100中に注入される第2のインジェクター187中に含有される第2の治療剤110Bを示す。治療用デバイスは、本明細書において記載されるように、第1の治療剤110Aを長時間にわたり放出するように構成することができる。第1の治療剤は、腫瘍形成を阻害する剤を含んでもよく、第2の治療剤は、抗炎症剤を含んでもよい。あるいは、第2の治療剤が腫瘍形成を阻害する剤を含んでもよく、第1の治療剤が抗炎症剤を含んでもよい。
図4は、第1の治療剤110Aおよび第2の治療剤110Bの治療的量を送達するために眼中に移植される複数の治療用デバイスを示す。複数の治療用デバイスは、第1の治療用デバイス100および第2の治療用デバイス100を備える。第1の治療用デバイス100は、眼中に移植された第1のデバイス100中に第1の治療剤110Aが注入された場合に、第1の治療剤の持続放出を提供するための容積および放出速度指標を有するように構成することができ、第2の治療用デバイス100は、第2のデバイス100が眼中に移植された場合に、第2の治療剤110Bの持続放出を提供するための第2の容積および第2の放出速度指標を有するように構成することができる。
図5は、第1のリザーバ140Aおよび第2のリザーバ140Bを含む複数の平行リザーバを有する治療用デバイスを示す。第1のリザーバ140Aは、第1の多孔構造150Xに連結された第1のチャンバー132Aを有する第1の容器130Aを備える。第2のリザーバ140Bは、第2の多孔構造150Yに連結された第2のチャンバー132Bを有する第2の容器130Bを備える。第1のインジェクター187Aは、第1の量の治療剤110Aを含んでもよく、第1の治療剤110Aの治療的量を送達するために、第1のリザーバ140Aに連結されていてもよい。第2のインジェクター187Bは、第2の量の第2の治療剤110Bを含んでもよく、第2の治療剤110Bの治療的量を送達するために、第2のリザーバ140Bに連結されていてもよい。第1の容器および第2の容器の各々は、本明細書において記載されるように、それぞれの容器中に注入される治療剤の量に対して調整することができる。第1のチャンバー132Aは、容積および第1の多孔構造150Xにより構成することができ、これは、眼中に移植された第1のデバイス100中に第1の治療剤110Aが注入された場合に、第1の治療剤110Aの持続放出を提供するための、放出速度指標を構成することができる。第2のチャンバー132Bは、第2の容積および第2の多孔構造150Yにより構成することができ、これは、眼中に移植されたデバイス100中に第2の治療剤110Bが注入された場合に、第2の治療剤110Bの持続放出を提供するための、第2の放出速度指標により構成することができる。障壁160は、第1のチャンバー132Aおよび第2のチャンバー132Bの間に伸長し得る。本明細書において記載される教示に従って、当業者は、治療剤を長時間にわたり放出するための各々のチャンバーの容積および放出速度指標を決定することができる。
図6Aは、第1のリザーバ140Aおよび第2のリザーバ140Bを連続して備えるように構成された複数のリザーバを有する治療用デバイスを示す。第1のリザーバ140Aは、第1の多孔構造150Xに連結された第1のチャンバー132Aを有する第1の容器130Aを備える。第2のリザーバ140Bは、第2の多孔構造150Yに連結された第2のチャンバー132Bを有する第2の容器130Bを備える。インジェクター187は、治療剤110Aの第1の量を含んでもよく、第1の治療剤110Aの治療的量を注入するために、第1のリザーバ140Aに連結されていてもよい。第2のインジェクター132Bは、第1の治療剤110Aの治療的量を送達するために第2のリザーバ140B内に配置される固体を含む、第2の治療剤110Bの第2の量を備えていてもよい。第1の容器は、チャンバー132A中に注入される治療剤の量に対して調整することができる。第1のチャンバー132Aは、容積および第1の多孔構造150Xにより構成することができ、これは、眼中に移植された第1のデバイス100中に第1の治療剤110Aが注入された場合に第1の治療剤110Aの持続放出を提供するための放出速度指標により構成される。第2のチャンバー132Bは、第2の容積および第2の多孔構造150Yにより構成することができ、これは、固体の第2の治療剤110Bおよび第1の治療剤110Aの持続放出を提供するための第2の放出速度指標により構成される。第1の多孔構造150Xは、第1のチャンバー132Aと第2のチャンバー132Bとの間に伸長し得、第1の多孔構造150Xの多孔度およびRRIは、第1の治療剤110Aの放出速度が、実質的に第1の多孔構造の多孔度およびRRIに基づいて決定され、第2の治療剤の放出速度が、実質的に第2の多孔構造の多孔度およびRRIに基づいて決定されるように、第2の多孔構造150Yの多孔度およびRRIよりも小さい。第1の治療剤110Aは、連続的に、第1の多孔構造150Xを通して放出し、その後第2の多孔構造150Yを通して放出することができるが、第1の治療剤の放出速度プロフィールを第1の多孔構造150Xの第1のRRIおよび第1の多孔度に実質的に基づいて決定することができるように、第2の多孔構造150Yの多孔度およびRRIは、実質的に第1の多孔構造150Xよりも大きい。第2のチャンバー132Bは、複数回の第1の治療剤の注入にわたり第2のチャンバー中に固体が残り得るように、例えば、デバイス100が眼中に移植された場合に、第2のチャンバー132B中に少なくとも約1年間にわたり残り得るように、十分量の固体の第2の治療剤を含んでもよい。第1のチャンバーは、抗悪性腫瘍剤、例えばLuentis(商標)などのVEGF阻害剤を含んでもよく、第2のチャンバーは、抗炎症剤、例えば、例えばセロコキシブ(celocoxib)などのCOX阻害剤などの非ステロイド性抗炎症剤を含んでもよい。本明細書において記載される教示に従って、当業者は、第1の治療剤110Aを第1の長時間にわたり放出するための第1の放出速度指標、第1のチャンバーの容積、および注入される第1の量を決定し、第1の治療剤110Aを第1の長時間にわたり、第2の治療剤110Bを第2の長時間にわたり放出するための、第2の放出速度指標、第2のチャンバーの容積、および第2の治療剤110Bの第2の量を決定するために、実験およびシュミレーションを行うことができる。
図6Bは、図6Aにおけるもののような、強固な多孔構造を示す。強固な多孔構造158は、複数の互いに連結するチャネル156を備える。多孔構造は、互いに連結する材料の粒155からなる焼結材料を含む。互いに連結する材料の粒は、治療剤を放出するために多孔質材料を通して伸長するチャネルを規定する。チャネルは、チャネルが、多孔質材料を通して伸長する互いに連結するチャネルを含むように、材料の焼結粒の周囲を伸長してもよい。
強固な多孔構造は、容器中への治療剤の注入のために、多くの方法において構成することができる。強固な多孔構造のチャネルは、治療剤がリザーバ中に圧力により注入される場合、実質的に固定されたチャネルを備えていてもよい。強固な多孔構造は、約160ビッカース〜約500ビッカースの範囲内の堅牢性パラメーターを備える。一部の態様において、強固な多孔構造は、焼結ステンレス鋼から形成され、約200ビッカース〜約240ビッカースの範囲内の堅牢性パラメーターを備える。一部の態様において、治療用デバイスのリザーバを液体で充填または再充填している間、多孔構造を通しての治療剤の駆出を阻害することが好ましい。これらの態様において、前記溶液または懸濁液が治療用デバイスのリザーバ中に注入された場合に、強固な多孔構造を通しての前記溶液または懸濁液の駆出が実質的に阻害されるように、強固な多孔構造のチャネルは、30ゲージの針を通して注入された溶液または懸濁液の流動に対する耐性を備える。さらに、これらの態様は、随意に、リザーバの充填または再充填を容易にするために、真空下における排除ベントまたは排除リザーバまたは両方を備える。
リザーバおよび多孔構造は、治療剤の治療的量を放出するように、多くの方法において構成することができる。リザーバおよび多孔構造は、硝子体液1mlあたり少なくとも約0.1ugの濃度に相当する治療剤の治療的量を、少なくとも約3か月間の長期間にわたり放出するように構成することができる。リザーバおよび多孔構造は、硝子体液1mlあたり少なくとも約0.1ugかつ約10ug以下の濃度に相当する治療剤の治療的量を、少なくとも約3か月間の長期間にわたり放出するように構成することができる。治療剤は、少なくとも抗体のフラグメントであって、少なくとも約10kダルトンの分子量のものを含んでもよい。例えば、治療剤は、ラニビズマブまたはベバシズマブの1または2以上を含んでもよい。あるいは、または組み合わせて、治療剤は、持続放出のために好適な低分子薬物を含んでもよい。リザーバおよび多孔構造は、硝子体液1mlあたり少なくとも約0.1ugかつ約10ug以下の濃度に相当する治療剤の治療的量を、少なくとも約3か月間または少なくとも約6か月間の長期間にわたり放出するように構成することができる。リザーバおよび多孔構造は、硝子体液1mlあたり少なくとも約0.1ugかつ約10ug以下の濃度に相当する治療剤の治療的量を、少なくとも約12か月間または少なくとも約2年間または少なくとも約3年間の長期間にわたり放出するように、構成することができる。リザーバおよび多孔構造はまた、硝子体液1mlあたり少なくとも約0.01ugかつ約300ug以下の濃度に相当する治療剤の治療的量を、少なくとも約3か月間または6か月間または12か月間または24か月間長期間にわたり放出するように構成することができる。
強固な多孔構造のチャネルは、強固な多孔構造のチャネルを通過するように分子のサイズを限定するように構成されたヒドロゲルを含む。例えば、ヒドロゲルは、チャネル内に形成されてもよく、アクリルアミドゲルを含んでもよい。ヒドロゲルは、少なくとも約70%の水分含有量を含む。例えば、治療剤の分子量を約30kダルトンに限定するために、ヒドロゲルは、約90%以下の水分含有量を含んでもよい。治療剤の分子量を約100kダルトンに限定するために、ヒドロゲルは、約95%以下の水分含有量を含んでもよい。多孔質材料のチャネルが、Lucentis(商標)を通過させ、Avastin(商標)を実質的に通過させないように構成されるように、ヒドロゲルは、約90%〜約95%の範囲内の水分含有量を含んでもよい。
強固な多孔構造は、広範な異なる形状および構成においてまたはこれへ容易に形成することができる複合多孔質材料を含んでもよい。例えば、多孔質材料は、金属、エアロゲルまたはセラミック泡体の複合体(すなわち、網状の細胞間構造であって、内部の細胞が互いに連結して構造の容積を通過する多重の孔を提供し、細胞の壁はそれら自体が実質的に連続的であって非孔質であり、細胞壁を形成する材料の容積に相対的な細胞の容積は、細胞間構造の全体的な密度が、理論上の密度の約30%未満となるもの)であってもよく、その孔を通して、焼結粉末またはエアロゲルを浸透させる。最終的な複合多孔質材料の厚み、密度、多孔度および多孔質のは、治療剤の所望の放出に適合するように変化し得る。
態様は、統合された(すなわち、単一の成分の)多孔構造を作製する方法を含む。方法は、粒子を、多孔構造のための所望の形状を有する鋳型(mold)中に導入することを含む。形状は、複数の近位の多孔質チャネルの開口がリザーバに連結するように規定する近位端、複数の流出チャネル開口が眼の硝子体液に連結するように規定する遠位端、近位の開口からフィルター中へ伸長する複数の開口部のない(blind)流入孔、および流出チャネル開口から多孔構造中へ伸長する複数の開口部のない(blind)流出孔を備える。方法はさらに、鋳型に圧力を適用すること、それにより粒子を凝集させて単一の成分を形成させること、および成分を焼結して多孔構造を形成させることを含む。粒子を圧縮して凝集させ、ポリマー性結合剤を用いることなく成分を形成させることができ、実質的に機械加工(machining)することなく多孔構造を形成することができる。
鋳型は、垂直方向に向けて、一方の開放端を上に向けて配置することができ、20マイクロメートル未満の粒子サイズを有する金属粉末を、空洞中での金属粉末の実質的に均一な充填を達成するために鋳型を振動させながら、鋳型の開放端を通して空洞中に導入することができる。鋳型の他方の開放端にキャップを配置してもよく、鋳型に対して圧力を適用し、それにより空洞中の金属粉末に対して圧力を適用することにより、金属粉末を凝集させて、鋳型に対応する形状を有するカップ形の粉末金属構造を形成させる。成形された粉末金属構造を、鋳型から取り除き、焼結して多孔質焼結金属の多孔構造を得ることができる。
金属多孔構造を、多孔構造とぴったりはまるように構成された開口を有する非透過性構造中への圧入により、デバイス中に組み込んでもよい。デバイス中に多孔構造を組み込むために、溶接などの、当業者の公知の他の手段を用いてもよい。あるいは、または組み合わせにおいて、鋳型の一部が成形された粉末金属構造と共に残ってデバイスの部分となる鋳型中で粉末金属構造を形成してもよい。これは、多孔構造とデバイスとの間に良好な密閉状態を達成するために有益である場合がある。
焼結多孔質金属構造または多孔質ガラス構造などの多孔質体を通しての治療剤の放出速度は、チャネルパラメーターにより、および、リザーバを充填する液体中での治療剤の拡散係数に、多孔質体の多孔度およびチャネルパラメーターを乗じたものに等しい有効拡散係数により、多孔構造内での治療剤の拡散により記載することができる:
放出速度指標(本明細書において以下RRI)は、治療剤の放出を決定するために用いることができる。RRIは、(PA/FL)として定義することができ、RRI値は、本明細書において、他に示さない限り、mmの単位を有する。本明細書において記載される治療用送達デバイスにおいて用いられる多孔構造の奥は、約5.0未満、しばしば約2.0未満のRRIを有し、これは約1.2mm未満であり得る。
チャネルパラメーターは、多孔構造を通して放出される治療剤の通路の伸長に対応し得る。多孔構造は、多くの互いに連結するチャネルを備えていてもよく、チャネルパラメーターは、治療剤が放出された場合に多孔構造の互いに連結するチャネルに沿ってリザーバ側から硝子体側へ移動する有効長に対応し得る。チャネルパラメーターに多孔構造の厚み(長さ)を乗算することにより、治療剤が互いに連結するチャネルに沿ってリザーバ側から硝子体側へ移動する有効長を決定することができる。例えば、約1.5のチャネルパラメーター(F)は、約50%の治療剤が移動する長さの有効な増大を提供する互いに連結するチャネルに対応し、1mmの厚みの多孔構造について、治療剤が互いに連結するチャネルに沿ってリザーバ側から硝子体側へ移動する有効長は、約1.5mmに対応する。少なくとも約2のチャネルパラメーター(F)は、約100%の治療剤が移動する長さの有効な増大を提供する互いに連結するチャネルに対応し、1mmの厚みの多孔構造について、治療剤が互いに連結するチャネルに沿ってリザーバ側から硝子体側へ移動する有効長は、少なくとも約2.0mmに対応する。多孔構造は、治療剤の放出のための多くの代替的通路を提供する多くの互いに連結するチャネルを備えるので、チャネルの一部の遮断は、多孔構造を通しての通路の有効長に実質的な変化をもたらさない。なぜならば、代替的な互いに連結するチャネルが利用可能であり、したがって、チャネルの一部が遮断された場合において多孔構造を通しての拡散の速度および治療剤の放出が実質的に維持されるためである。
リザーバ溶液が水性であるか、または水と類似の粘度を有する場合、目的の温度における水中での治療剤(TA)の拡散係数の値を用いることができる。以下の式は、20℃における水中でのウシ血清アルブミンについての測定されたDBSA,20Cの値=6.1 e-7 cm2/sから、37℃における拡散係数を概算するために用いることができる(Molokhiaら、Exp Eye Res 2008):
ここで、MWは、BSAまたは試験化合物のいずれかの分子量を指し、ηは、水の粘度であり、表3は、目的のタンパク質の拡散係数を列記する。
表3
多孔構造は、長期間にわたり治療的量を放出するように構成された多孔度、厚み、チャネルパラメーターおよび表面積を備える。多孔質材料は、材料内を伸長するチャネルの中空の比率に相当する多孔度を備えていてもよい。多孔度は、約3%〜約70%の範囲内の値を含む。他の態様において、多孔度は、約5%〜約10%または約10%〜約25%、または例えば約15%〜約20%の範囲内の値を含む。多孔度は、重量および巨視的容積から決定しても、窒素ガス吸着を介して測定してもよい。
多孔構造は、複数の多孔構造を含んでもよく、上記の式において用いられる面積は、複数の多孔構造の組み合わせ面積を含んでもよい。
チャネルパラメーターは、チャネルの屈曲度に対応する適合パラメーター(fit parameter)を備えていてもよい。表面パラメーターの既知の多孔度、表面積および厚みについて、チャネルの屈曲度に対応する曲線適合パラメーターFは、実験的測定に基づいて決定することができる。パラメーターPA/FLは、所望の持続放出プロフィール、および決定されるP、A、FおよびLの値を決定するために用いることができる。治療剤の放出の速度は、チャネルパラメーターに対する多孔度の比に対応し、多孔構造が治療剤を長期間にわたり放出するように、チャネルパラメーターに対する多孔度の比は、約0.5未満であってよい。例えば、多孔構造が治療剤を長期間にわたり放出するように、チャネルパラメーターに対する多孔度の比は、約0.1未満、または例えば約0.2未満である。チャネルパラメーターは、少なくとも約1の値、例えば少なくとも約1.2を含んでもよい。例えば、チャネルパラメーターの値は、少なくとも約1.5、例えば少なくとも約2を含んでもよく、少なくとも約5を含んでもよい。チャネルパラメーターは、約1.1〜約10の範囲内、例えば約1.2〜約5の範囲内であってもよい。当業者は、本明細書において記載される教示に従って、意図される放出速度プロフィールにのために治療剤を放出するためのチャネルパラメーターを実験的に決定するために、実験を行うことができる。
モデルにおける面積は、流動の単位において輸送された質量の記載;すなわち、単位面積当たりの質量輸送の速度に由来する。均等な厚みの非透過性のスリーブにおいてマウントされた多孔質ディスクなどの単純な形状について、面積は、ディスクの一面に対応し、厚みLは、ディスクの厚みである。円錐台の形状における多孔質体などのより複雑な形状については、有効面積は、治療剤が多孔質体に侵入する面積と、治療剤が多孔質体を出る面積との間の値である。
モデルは、上記のリザーバ中の濃度の変化を放出速度に関連付けることにより、放出速度を時間の関数として記載するように誘導することができる。このモデルは、リザーバ中の濃度が実質的に均一である治療剤の溶液を仮定する。さらに、受け取る液体または硝子体中の濃度は、無視し得るものと考えられる(cV=0)。微分方程式および再配列(rearrangement)を解くことにより、多孔構造を通してのリザーバ中の溶液からの治療剤の放出について、リザーバ中の濃度を、時間tおよびリザーバの容積VRの関数として記載する以下の式を得る。
リザーバが懸濁液を含む場合、リザーバ中の濃度cRは、固体と平行にある溶解濃度(すなわち、治療剤の溶解度)である。この場合、リザーバ中の濃度は、時間により一定であり、放出速度は、ゼロ次であり、累積放出は、固体が枯渇するまで時間とともに直線的に増大する。
多くの眼科的治療剤についての治療的濃度は、治療効果を惹起する硝子体液中の濃度を測定することにより、実験的に決定することができる。したがって、放出速度の予測を硝子体中の濃度の予測まで拡大することに価値が存在する。眼組織からの治療剤の排出を説明するために、一区画(one-compartment)モデルを用いることができる。
Lucentis(商標)などの治療剤の現行の硝子体内投与は、ボーラス注入を含む。硝子体中へのボーラス注入は、速度定数k=0.693/半減期およびcmax=容量/Vvによる単一指数としてモデル化することができ、ここでVvは硝子体容積である。一例として、ラニビズマブについての半減期は、ウサギおよびサルにおいて約3日間であり(Gaudreaultら)、ヒトにおいて9日間である(Lucentis(商標)添付文書)。硝子体容積は、ウサギおよびサルについて約1.5mLであり、ヒトの眼については4.5mLである。モデルは、0.5mgのLucentis(商標)のサルの眼中へのボーラス注入について333ug/mLの初期濃度を予測する。この濃度は、約1か月後に0.1ug/mLの硝子体濃度へと減衰する。
長期放出を有するデバイスについて、硝子体内の濃度は、時間とともにゆっくりと低下する。この状況において、モデルは、デバイスからの放出速度(上記の式により説明される)を眼からの排出速度k cV Vvと同等とみなす質量平衡から誘導することができる。再配列により、硝子体内の濃度についての以下の式を得る:
治療剤の溶液によるデバイスからの放出速度は時間とともに指数関数的に減少するため、硝子体内の濃度は、同じ速度定数により指数関数的に減少する。言い換えると、硝子体濃度は、D PA / FL VRに等しい速度定数により減少し、したがって、多孔構造およびリザーバの容積の特性に依存的である。
治療剤の懸濁液によるデバイスからの放出速度はゼロ次であるため、硝子体濃度もまた時間依存的である。放出速度は、比PA/FLを介して多孔構造の特性に依存するが、薬物が枯渇する時点まで、リザーバの容積には非依存的である。
強固な多孔構造のチャネルは、意図される治療剤を放出するために、様々なサイズであってよい。例えば、強固な多孔構造のチャネルは、少なくとも約100ダルトンまたは例えば少なくとも約50kダルトンの分子量を有する分子を含む治療剤を通過させるようなサイズであってもよい。強固な多孔構造のチャネルは、約10nm以下のサイズの断面を含む治療剤を通過させるようなサイズであってもよい。強固な多孔構造のチャネルは、互いに連結するチャネルの間で治療剤を通過させるように構成された互いに連結するチャネルを含む。強固な多孔構造は、強固な材料の粒を含み、ここで、互いに連結するチャネルは、少なくとも部分的に強固な材料の粒の周囲を伸長し、多孔質材料を通して治療剤を通過させる。強固な材料の粒は、結合の場所において一緒に連結していてもよく、ここで、互いに連結するチャネルは、少なくとも部分的に、結合の場所の周囲を伸長する。
多孔構造およびリザーバは、網膜−脈絡膜における炎症を抑制するために、糖質コルチコイドを少なくとも約6か月間の長時間にわたり放出するように、約0.05ug/mL〜約4ug/mL、例えば0.1ug/mL〜約4ug/mLの範囲内のin situ濃度に対応する糖質コルチコイドの治療的量により構成されていてもよい。
多孔構造は、焼結材料を含む。焼結材料は、粒が約20um以下の平均サイズを備える材料の粒を含んでもよい。例えば、焼結材料は、材料の粒を含んでもよく、ここで、粒は、約10um以下の平均サイズ、約5um以下の平均サイズ、または約1um以下の平均サイズを備える。チャネルは、焼結材料の粒サイズ、ならびに圧縮力および時間および炉内の温度などの処理パラメーターに基づいて、焼結材料を通して長時間にわたり治療剤の治療的量を通過させるサイズである。チャネルは、焼結材料を通しての細菌および真菌の胞子を含む微生物の浸透を阻害するサイズであってよい。
焼結材料は、材料のチャネル内の泡を防ぐために、加湿可能な材料を含む。
焼結材料は、金属、セラミック、ガラスまたはプラスチックの少なくとも1つを含む。焼結材料は、焼結複合材料を含んでもよく、複合材料は、金属、セラミック、ガラスまたはプラスチックの2または3以上を含む。金属は、304、304L、316もしくは316L、コバルトクロム、エルジロイ(elgiloy)、ハステロイ(hastealloy)、c-276合金またはニッケル200合金などの合金を含む、Ni、Ti、ニチノール、ステンレス鋼の少なくとも1つを含む。焼結材料は、セラミックを含んでもよい。焼結材料は、ガラスを含んでもよい。プラスチックは、チャネル中での泡形成を防ぐために加湿可能なコーティングを含んでもよく、プラスチックは、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメタクリレートまたはポリアミドの少なくとも1つを含んでもよい。
強固な多孔構造は、リザーバに連結して治療剤を長期間にわたり放出するように構成された複数の強固な多孔構造を含んでもよい。例えば、さらなる強固な多孔構造を容器に沿って配置することができ、例えば、容器の末端は多孔構造を備えていてもよく、さらなる多孔構造を、容器の遠位部分に沿って、例えば容器の管状の側壁に沿って配置してもよい。
治療用デバイスは、治療剤のボーラス注入に基づいて、治療剤の最少阻害濃度より高い治療的量を長時間にわたり放出するように、調整することができる。例えば、リザーバのチャンバーの容積は、ボーラス注入の容積に基づいて、多孔構造の放出速度によりサイズ決定することができる。治療剤の処方物は、既知の硝子体内注入処方物を提供することができる。治療剤は、処方物が、眼を処置するためのボーラス注入の各々の間に対応する期間を有するように、ボーラス注入により眼を処置することができる。例えば、ボーラス注入は、毎月の注入を含んでもよい。ボーラス注入の各々は、一定容積、例えば50uLの処方物を含む。治療剤のボーラス注入の各々は、注入の間の時間経過にわたって、硝子体液内の治療剤の治療的濃度の範囲に対応し得、デバイスは、デバイスから放出された治療剤が対応するボーラス注入の治療的濃度の範囲内であるように、治療剤の治療的量を放出するように調整することができる。例えば、治療剤は、眼を処置するための最少阻害濃度、例えば少なくとも約3ug/mLを含んでもよく、治療的濃度の範囲の値は、少なくとも約3ug/mLであってもよい。治療用デバイスは、例えば浸透可能な障壁を通しての、デバイス中への処方物の毎月の容積の注入により眼を処置するために、構成することができる。容器のリザーバは、一定容積、例えば35uLの治療剤を含むチャンバー、および治療剤をチャンバーから硝子体液へ放出する機構を有する。
容器の容積および放出機構は、硝子体液内の治療剤の濃度が、治療剤の範囲内であり続け、少なくとも最少阻害濃度を含むように、ボーラス注入に対応する量の各々の注入により、長時間にわたり治療的範囲内の硝子体濃度を有する治療剤により眼を処置するために、調整することができる。長時間は、対応するボーラス注入の期間の少なくとも約2倍を含んでもよい。放出機構は、多孔質フリット、焼結多孔質適合体、透過性膜、半透過性膜、キャピラリー管または屈曲したチャネル、ナノ構造体、ナノチャネルまたは焼結ナノ粒子の1または2以上を備える。例えば、多孔質フリットは、治療剤を長時間にわたり放出するための多孔度、断面積および厚みを備えていてもよい。容器リザーバの容積は、注入される処方物の容積に関連して様々なサイズであってよく、注入される処方物の容積より大きくても、注入される処方物の容積より小さくても、または注入される処方物の容積と実質的に同じであってもよい。例えば、リザーバ中に注入される処方物の少なくとも一部がリザーバを通過し、患者をただちに処置するためにボーラス注入を含むように、容器の容積は、処方物の容積以下を備えていてもよい。リザーバの容積が増大するにつれて、注入の際に多孔構造を通して眼へ放出される処方物の量は、リザーバ内の治療剤の活性成分の濃度と共に減少し得、放出速度指標は、治療剤の治療的量を長時間にわたる提供するために適切に増大し得る。例えば、Lucentis(商標)の毎月の注入に相当する注入容積により、少なくとも約5か月間、例えば6か月間にわたり治療的量を提供するために、容器のリザーバの容積は、ボーラス注入に相当する容積よりも大きくてもよい。例えば、処方物は、50uLの市販のLucentis(商標)を含んでもよく、リザーバは、約100uLの容積を備えていてもよく、これは、リザーバ中に注入された50uLのLucentis(商標)により、少なくとも約3ug/mLの硝子体濃度を6か月間にわたり提供することができる。
複数の注入の各々の注入により治療剤の放出を長時間にわたり最少阻害濃度より高くに維持するために、チャンバーは、実質的に固定された容積を備えていてもよく、放出速度機構は、実質的に強固な構造を備える。
処方物が注入された場合、注入の第1の部分は、放出機構を通して通過して、患者を処置することができ、処方物が注入された場合、処方物の第2の部分は、チャンバー中に含有されることができる。
図6B−1は、図6Bにおける多孔構造の第1の側面150S1から第2の側面150S2へ伸長する、互いに連結するチャネル156を示す。互いに連結するチャネル156は、第1の側面150S1上の、第1の開口158A1、第2の開口158A2およびN番目の開口158ANに伸長する。互いに連結するチャネル156は、第2の側面150S2上の、第1の開口158B1、第2の開口158B2およびN番目の開口158BNに伸長する。チャネルに沿って移動する有効長が厚み150Tよりも長くなるように、第1の側面上の複数のチャネルの開口の各々は、第2の側面上の複数のチャネルの開口の各々に連絡する。有効長が厚み150Tの約1.1〜10倍の範囲内であるように、チャネルパラメーターは、約1.1〜約10の範囲内であってよい。例えば、有効長が厚み150Tの少なくとも約5倍に相当するように、チャネルパラメーターは約1、多孔度は約0.2であってもよい。
図6B−2は、図6Bおよび6B−1における多孔構造の第1の側面150S1から第2の側面150S2に伸長する互いに連結するチャネルに沿った、治療剤の複数の通路を示す。複数の通路は、第1の側面から第2の側面に伸長する第1の通路156P1、第1の側面から第2の側面に伸長する第2の通路156P2、および第1の側面から第2の側面に伸長する第3の通路、および多数のさらなる通路を備える。第1の側面上の開口が、治療剤を、第2の側面上の各々の互いに連結する開口に放出することができるように、第1の通路P1、第2の通路P2および第3の通路P3の各々の有効長は、実質的に類似する。実質的に類似する通路の長さは、焼結材料の粒、および焼結材料の周囲を伸長するチャネルに関連し得る。多孔構造は、無作為に志向して連絡した材料の粒、充填された材料のビーズまたはこれらの組み合わせを含んでもよい。チャネルパラメーターは、焼結材料の粒の構造、ならびに対応する互いに連結するチャネル、材料の多孔度および浸出閾値に関連し得る。態様に関連する研究は、チャネルが高度に互いに連絡されるように、焼結粒の浸出閾値は多孔質フリット構造の多孔度より低い場合があることを示す。焼結材料の粒は、互いに連結するチャネルを提供することができ、粒は、本明細書において記載されるように、所望の多孔度およびチャネルパラメーターおよびRRIを提供するために選択することができる。
チャネルパラメーターおよび第1の側面から第2の側面への有効長は、多くの方法において構成することができる。有効長が厚み150Tの約1.2〜5.0倍の範囲内であるように、チャネルパラメーターは、1よりも大きくてもよく、約1.2〜約5.0の範囲内であってもよいが、チャネルパラメーターは、5より大きくても、例えば約1.2〜10の範囲内であってもよい。例えば、有効長が厚み150Tの約1.3〜2.0倍であるように、チャネルパラメーターは、約1.3〜約2.0であってもよい。例えば、実験的試験は、有効長が厚み150Tの約1.4〜1.8倍、例えば、厚みの約1.6倍であるように、チャネルパラメーターが約1.4〜約1.8であってもよいことを示している。これらの値は、焼結材料の粒の周囲のチャネルの通路に対応し、例えば、材料の充填ビーズの周囲のチャネルの通路に対応し得る。
図6B−3は、図6Bおよび6B−1におけるもののような、被覆材156Bと、多孔構造の第1の側面から第2の側面へと伸長する互いに連結するチャネルに沿った治療剤の複数の通路とによる、開口の遮断を示す。複数の通路156PRは、第1の側面から第2の側面に伸長し、第1の側面を第2の側面に連結し、ここで、側面の一方が部分的に被覆されている場合に流動速度が維持されるように、側面の一方は被覆されている。
図6B−4は、図6Bおよび6B−1におけるもののような、粒子156PBと、多孔構造の第1の側面から第2の側面へと伸長する互いに連結するチャネルに沿った治療剤の複数の通路とによる、開口の遮断を示す。複数の通路156PRは、第1の側面から第2の側面に伸長し、第1の側面を第2の側面に連結し、ここで、側面の一方が部分的に被覆されている場合に流動速度が維持されるように、側面の一方は被覆されている。
図6B−5は、図6Bおよび6B−1におけるもののような、多孔構造の第1の側面から第2の側面へと伸長する互いに連結するチャネルに沿った治療剤の複数の通路に対応する、有効断面のサイズ150DEおよび面積150EFFを示す。第1の側面および第2の側面においてチャネルが遮断された場合に、放出の速度が実質的に維持され得るように、互いに連結するチャネルの有効断面積は、第1の側面の開口と第2の側面の開口との間に配置された多孔構造の内部断面の面積に対応する。
強固な多孔構造は、多くの方法において、例えば管状の形状、円錐形の形状、ディスクおよび半球の形状により、成形および鋳型成形(mold)することができる。強固な多孔構造は、鋳型成形された強固な多孔構造を備えていてもよい。鋳型成形された強固な多孔構造は、リザーバに連結し、治療剤を長期間にわたり放出するように構成された、ディスク、らせんおよび管の少なくとも1つを備えていてもよい。
図6Cは、図6Bにおけるもののような、米国特許第5,466,233号において記載されるような強膜のタック601中に組み込まれた、強固な多孔構造を示す。強膜のタックは、前部602、中央部603および後部604を備える。後部は、上記のようなリザーバ605および強固な多孔構造606を備えていてもよい。多孔構造は、鋳型成形された、患者への挿入のために構成された鋭利な先端を有する円錐形構造を備えていてもよい。あるいは、または組み合わせて、先端は、円くなっていてもよい。
図6Eは、図6Bにおけるもののような、米国特許第5,972,369号において記載されるような持続放出のための薬物送達デバイスと組み合わされた、複数の強固な多孔構造を示す。治療用デバイスは、治療剤を含むためのリザーバ613、ならびに非透過性および非多孔質の外部表面614を備える。リザーバは、強固な多孔構造615に連結され、これは、遠位端617に伸長する。強固な多孔構造は、遠位端において、治療剤を放出するための露出面積616を備え、非透過性および非多孔質の外部表面が、遠位端に伸長していてもよい。
図6Dは、図6Bにおけるもののような、米国特許公開2003/0014036 A1において記載されるような持続放出のためのデバイスと組み合わされた、強固な多孔構造を示す。薬物送達デバイスは、近位端における流入ポート608および流入ポートに連結した中空体609を備える。中空体は、溶液が流入ポート中に注入されて中空体からバルーン610中へ通過することを可能にする、多数の開口612を備える。バルーンは、注入ポートの反対側に配置された遠位端611を備える。バルーンは、上記のように、複数の強固な多孔構造607を備える。複数の多孔質強固な構造の各々は、バルーンの内部に露出した第1の表面、および硝子体に連絡するように構成された第2の表面を備える。計算される面積は、上記のような複数の多孔質の強固な構造の組み合わせ面積であってもよい。
図6Fは、図6Bにおけるもののような、米国特許第6,719,750号において記載されるような、持続放出のための非線形体の部材618と組み合わされた強固な多孔構造を示す。非線形の部材は、らせん形状を備えていてもよい。非線形の部材は、近位端620においてキャップ619に連結していてもよい。非線形の部材は、リザーバ622を備えるために、治療剤で充填された内腔621を備えていてもよい。多孔構造623は、治療剤を放出するために、非線形の部材の遠位端624上に配置されていてもよい。多孔構造は、非線形の部材のさらなる、または代替的な位置において配置されていてもよい。例えば、キャップが強膜に対して位置する場合に治療剤を硝子体液中に放出するために、複数の多孔構造は、非線形の部材に沿って、キャップと遠位端との間に配置された位置において配置されていてもよい。
図6Gは、態様による多孔質ナノ構造を示す。多孔構造150は、多孔構造の第1の側面150S1から多孔構造の第2の側面150S2へ伸長する複数の細長いナノチャネル156NCを備えていてもよい。多孔構造150は、その上に形成された穴を有する強固な材料を備えていてもよく、穴は、直径などの最大横断寸法(dimension across)を備えていてもよい。ナノチャネルの直径は、例えば直径約10nm〜直径約1000nmまたはそれより大きな横断寸法を備えていてもよい。チャネルは、材料のエッチング、例えば材料のリソグラフエッチングにより形成してもよい。チャネルパラメーターFが、約1を含み、パラメーター面積Aおよび厚みまたは長さLが、組み合わされたチャネルの断面の面積と多孔構造の厚みまたは長さとに対応するように、チャネルは、実質的に一直線のチャネルを含んでもよい。
多孔構造150は、例えば焼結ナノ材料により形成された、互いに連結するナノチャネルを備えていてもよい。
本明細書において記載されるデバイス100中への治療剤の注入は、眼中への移植の前に、あるいは治療用デバイスが眼中へ移植されているときに、行うことができる。
図7は、デバイスから材料を除去し、治療剤702をデバイス中に注入するインジェクター701に連結した、治療用デバイス100を示す。インジェクターは、使用済みの媒質703を取り上げ、インジェクターを新しい治療剤で再充填する。治療剤は治療用デバイス中に注入される。使用済の媒質は、インジェクター中に引き上げられる。インジェクターは、停止機構704を備えていてもよい。
インジェクター701は、治療剤の処方物702を含有するための第1の容器702C、および使用済媒質703を受け取るための第2の容器703Cを備えていてもよい。態様に関連する研究は、治療用デバイスの容器リザーバからの材料を含む使用済媒質703の除去により、治療用デバイスから粒子、例えばタンパク質などの凝集した治療剤からなる粒子を取り除くことができることを示唆する。使用済媒質703が、デバイス100の容器リザーバからインジェクターへ通過するように、針189は、第1の容器に連結した第1の内腔と、第2の容器に連結した第2の内腔とを有する二重内腔針(double lumen needle)を備えていてもよい。第2の内腔と第2の容器との間に、弁703V、例えばベントを配置してもよい。弁が開き治療剤が注入される場合、治療用デバイス内の使用済媒質の少なくとも一部が、処方物と交換されるように、治療用デバイス100の容器リザーバからの使用済媒質703は、インジェクターの第2の容器を通過する。弁が閉じて治療剤が注入される場合、治療剤の一部は、治療用デバイスのリザーバから眼中へ通過する。例えば、弁が開いた場合、処方物の第1の部分がリザーバ内の材料と交換されるように、治療剤の処方物の第1の部分を、治療用デバイス100中に注入することができる。次いで、第1の部分の少なくとも一部は多孔構造を通して眼中へ通過するように、弁が閉じ、処方物の第2の部分が治療用デバイス100中に注入される。あるいは、または組み合わせて、第2の部分が眼中に注入される場合、注入される処方物の第2の部分の一部は、多孔構造を通過することができる。弁が閉じている場合に注入された処方物の第2の部分は、患者をただちに処置するために多孔構造を硝子体液中へと通過する処方物の容積に対応し得る。
針189は、例えば二重内腔針を備えていてもよい。
図7Aは、第1の治療剤110Aの第1の量および第2の治療剤110Bの第2の量の注入を受けるように調整されたリザーバ140を有する、治療用デバイスを示す。第1の治療剤110Aの第1の量および第2の治療剤110Bの第2の量は、一緒に混合されてインジェクター187から注入されてもよい。リザーバ140は、多孔構造150に連結したチャンバー132を有する容器130を備える。容器は、多孔構造の容積およびRRIにより、第1の量を有するチャンバー132中に注入される第1の治療剤110Aの第1の量および第2の治療剤110Bの第2の量を受け取るように、調整することができる。本明細書において記載される教示に従って、当業者は、第1の治療剤110Aを第1の長時間にわたり、第2の治療剤110Bを第2の長時間にわたり放出するための放出速度指標、チャンバーの容積、第1の量および第2の量を決定するために、実験およびシュミレーションを行うことができる。
図7A−1は、態様による、多孔質フリット構造を通した液体処方物の駆出によりリザーバを洗い流すために、針の遠位端がデバイスのリザーバ130の近位端付近に位置する停止点189Sを備えるインジェクターの針189に連結した透過障壁を備える、治療用デバイス100を示す。例えば、インジェクターの針は、針の先端から針のシャフト軸に沿って針の環状部分へ約0.5mm伸長する先端面取り部(bevel)を有する、単一の内腔針を備えていてもよい。停止点は、針の先端が停止点距離189SDを超えてリザーバ中に伸長するように、針の軸に沿ってサイズ決定および配置することができ、これは、停止点から先端までの針の長さ、および透過障壁の厚みにより規定され、ここで、停止点距離は、約0.5〜約2mmの範囲内である。リザーバは、治療用デバイスの軸に沿って、約4〜8mmの範囲内の長さで伸長してもよい。約20〜約200uLの範囲の一定量、例えば約50uLの液体処方物を含む容積は、遠位端において配置される針の先端により、治療用デバイス中に注入することができる。液体が多孔構造150を通して洗い流されるように、リザーバの容積は、治療剤の処方物の注入容積よりも少なくてもよい。例えば、リザーバは、約20〜40uLの範囲内の容積を備えていてもよく、液体治療剤の処方物の注入容積は、約40〜100uL、例えば約50uLを含んでもよい。
図7A−2は、リザーバ130中の液体が注入された処方物により交換されるように、デバイスに材料を注入しこれを除去するために、インジェクター701の針189に連結した透過障壁を備える、治療用デバイスを示す。針は、少なくとも1つの内腔を備え、治療剤の処方物を治療用デバイス中に注入するために内側の内腔に連結した遠位端、および、処方物が注入された場合に液体を針中に受け取るために近位のベント189Vを有する、同心二重内腔針189DLを備えていてもよい。あるいは、ベントは、針の内側の内腔の遠位端における開口に対応してもよく、外側の内腔は、治療剤処方物を容器リザーバの近位部分に注入するために、近位の開口を備えていてもよい。
インジェクターの態様に関連する研究は、上記のインジェクター装置および針により、少なくとも約80%、例えば90%またはそれより高い充填効率を達成することができることを示唆する。
図7B−1は、細長い切開中に適合するサイズの断面を有する保持構造を備える、治療用デバイス100の垂直断面図を示す。示される保持構造は、本明細書において記載される1または2以上の治療剤と組み合わせることができる。例えば、容積およびRRIは、一定量の第1の治療剤を注入により受け取るように調整することができ、第2の治療剤110Bは、チャンバー132中に位置する固体を含んでもよい。放出速度指標およびチャンバー132の容積は、一定量の第1の治療剤110Aを受け取るようなサイズであってよい。放出速度指標は、第2の治療剤110Bの治療的量を第2の長時間にわたり放出するようなサイズであってもよい。本明細書において記載される教示に従って、当業者は、多孔構造150を通して、第1の治療剤110Aを第1の長時間にわたり、第2の治療剤110Bを第2の長時間にわたり放出するための、放出速度指標、チャンバーの容積、第1の量および第2の量を決定するために、実験およびシュミレーションを行うことができる。
細長い切開中に適合するサイズの断面は、フランジ122よりも小さいサイズの保持構造120の狭窄部分120Nを備えていてもよい。細長い切開中に適合するサイズの狭窄部分120Nは、切開中に適合するサイズの細長い断面120NEを備えていてもよい。狭窄部分120Nは、第1の横断直径または第1の次元の幅、および第2の横断直径または第2の次元の幅を有する断面を備えていてもよく、ここで、狭窄部分120Nが細長い断面のプロフィールを備えるように、第1の横断直径は、第2の横断直径よりも大きい。
狭窄部分120Nの細長い断面120NEは、切開に適合するために、多様なサイズであってよい。細長い断面120NEは、第2の寸法より長い第1の寸法を含み、拡張した溝、拡張したスリット、両凸レンズ形、卵円、卵形または楕円形などの多くの形状の1または2以上を備えていてもよい。拡張したスリット形および拡張した溝は、強膜組織が切開されて拡張した場合に取る形状に対応し得る。両凸レンズ形は、二凸面の水晶体の形状に対応し得る。狭窄部分の細長い断面は、第1の軸に沿った第1の曲線、および第1の曲線とは異なる第2の軸に沿った第2の曲線を備えていてもよい。
保持構造の狭窄部分120Nと同様に、容器のリザーバは、断面のプロフィールを備えていてもよい。
図7B−2は、図7B−1におけるもののような治療用デバイスの等角図を示す。
図7B−3は、図7B−1におけるもののような治療用デバイスの上面図を示す。
図7B−4は、図7B−1におけるもののような治療用デバイスの保持構造の短辺に沿った垂直断面図を示す。
図7B−5は、図7B−1におけるもののような、強膜中に移植される治療用デバイスの底面図を示す。
図7B−5Aは、障壁160の周囲160Pおよび狭窄部分の周囲160NPに対応する幅712を有する刃714を備える切開用具710を示す。切開用具は、狭窄部分が強膜に対して位置する場合に、切開を狭窄部分により密封するために、狭窄部分120Nに対するサイズであってよい。例えば、幅712は、障壁160の周囲160Pの約2分の1、および狭窄部分160Nの周囲160NPの約2分の1を含んでもよい。例えば、160Pの周囲が約6mmを含むように、障壁160の管の外側直径は、約3mmを含んでもよく、狭窄部分周囲160NPは、約6mmを含んでもよい。狭窄部分160Pにより切開を密封するために、切開が約6mmの周囲を有する開口を備えるように、刃710の幅712は、約3mmを含んでもよい。あるいは、障壁160の周囲160Pは、切開および狭窄部分の周囲よりも僅かに大きなサイズを含んでもよい。
保持構造は、眼の毛様体扁平部に沿った細長い切開中に適合するために、短い距離12ONSおよび長い距離120NLを有する狭窄部位120Nを備える。保持構造は、延長部122を備える。保持構造120Eの延長部は、保持構造120の狭窄部分120Nの短い距離122NSおよび長い距離122NLと並んだ、短い直径122Sおよび長い直径122Sを備える。狭窄部分120は、強膜を受けるようなサイズのへこみ120Iを備えていてもよい。
図8Aおよび8A1は、それぞれ、実質的に結膜と強膜との間での配置のための治療用デバイス100の垂直断面図および上面図を示す。デバイス100が移植された場合、本明細書において記載される治療剤110を注入することができる。治療用デバイス100は、本明細書において記載される結膜に対しての配置のために上面に配置される透過障壁184を有する、本明細書において記載される容器130を備える。細長い構造172は、容器130に連結する。細長い構造172は、容器のチャンバーに連結した第1の開口から、細長い構造の遠位端における第2の開口176に伸長するチャネル174を備える。本明細書において記載される多孔構造150は、細長い構造172上に位置し、治療剤を長期間にわたり放出するために、容器130に連結しており、保持構造120は、強膜と結膜とを連結するために容器130から外部に突出している延長部を備える。容器は、本明細書において記載される、リザーバの少なくとも一部を定義する障壁160を備えていてもよく、容器は、幅、例えば直径を備えていてもよい。容器130のチャンバーの容積が、本明細書において記載されるような実質的に一定の容積を備えるように、障壁160は、強固な材料、例えば、強固なシリコーンもしくは強固なゴムまたは本明細書において記載される他の材料を含んでもよい。あるいはまたは組み合わせて、例えばチャンバーのサイズが減少した場合にチャンバーのサイズが減少しても容積が実質的に一定であるように、障壁160は、柔らかい材料を含んでもよい。柔らかい障壁材料を、強固な材料、例えば支持材料と組み合わせてもよい。直径は、例えば約1〜約8mmの範囲内、例えば約2〜6mmの範囲内、および例えば約3mmのサイズであってもよい。
容器は、サイズ決定された細長い構造172に連結されていてもよく、細長い構造は、治療剤を硝子体中へ放出するために硝子体に対する結合部から伸長するためのサイズの長さを有する。長さは、例えば約2〜約14mmの範囲、例えば約4〜10mmの範囲、および例えば約7mmのサイズであってよい。透過障壁は、容器の近位端上に配置された隔壁を備えていてもよく、ここで、隔壁は、治療剤の注入のために針などの鋭利な物体により浸透され得る障壁を備える。多孔構造は、治療剤を長期間にわたり放出するサイズの断面積を備えていてもよい。細長い構造172は、容器130の中心付近に位置しても、中心からずれていてもよい。
細長い構造172は、本明細書において記載されるように、毛様体扁平部領域において強膜中に挿入することができる。
障壁160は、結膜と強膜との間における配置のために、鋭利なプロフィールを有していてもよい。下部表面は、強膜と接触するための形状であってもよく、球状凹面または円環状面などの凹面形状を備えていてもよい。上部表面は、結膜と接触するための形状であってもよく、球状凸面または円環状面などの凸面形状を備えていてもよい。障壁160は、移植された場合に上部から見て卵円、楕円または円の形状を備えていてもよく、細長い構造172は、中心であっても、楕円に対して偏心であってもよい。移植された場合、卵円の長い寸法は、毛様体扁平部の外周に沿って伸長するように並んでもよい。
細長い構造172の横断直径は、デバイス100の侵襲性を低減するサイズであってもよく、細長い構造172が取り除かれた場合に浸透された強膜が実質的に密封し、細長い構造172の除去の際に眼がそれ自体を密封することができるように、約1mm以下、例えば約0.5mm以下、例えば約0.25mm以下の直径を備えていてもよい。細長い構造172は、針を備えていてもよく、チャネル174は、針、例えば30ゲージの針の内腔を備えていてもよい。
多孔構造150は、本明細書において記載されるリザーバに連結した第1の側面、および硝子体に連結した第2の側面を備えていてもよい。第1の側面は、本明細書において記載される第1の面積150を備えていてもよく、第2の側面は、第2の面積を備えていてもよい。多孔構造は、本明細書において記載されるような厚みを備えていてもよい。多孔構造は、直径を備えていてもよい。多孔構造は、放出速度指標を備えていてもよく、リザーバの容積140を定義する容器130のチャンバーは、多孔構造および容積が、一定容積の治療剤の処方物を注入されて治療剤の量を受け取るように調整され、治療的量を長時間にわたり放出するように調整されるようなサイズであってもよい。本明細書において記載される多くの放出速度機構は、本明細書において記載されるように注入された治療剤の量に対して、放出速度および容積を調整するために用いることができる。
容器のチャンバーにより定義されるリザーバ140の容積は、約5uL〜約2000uLの治療剤、または例えば約10uL〜約200uLの治療剤を含んでもよい。
多孔構造は、針の浸透を制限する針止を備えていてもよい。多孔構造は、治療剤の持続放出のために構成された複数のチャネルを備えていてもよい。多孔構造は、材料の持続放出のために好適な特徴を有する強固な焼結材料を備えていてもよい。
図8A2は、細長い構造172が強膜を通して伸長し、リザーバチャンバーを硝子体液に連結するように、結膜と強膜との間にリザーバと共に移植される治療用デバイス100を示す。移植された場合、多孔構造150は、硝子体液中に位置するか、または結膜と強膜との間に位置するか、または強膜を通して伸長するか、またはこれらの組み合わせであってよい。
図9は、チャネル174において容器のチャンバー130に対する開口付近に位置する治療用デバイス100の多孔構造150を示す。多孔構造は、実質的に細長い構造172の長さに沿って伸長してもよい。
図10は、容器150のチャンバー内に位置し、放出速度プロフィールを提供するために、細長い構造172の第1の開口に連結した多孔構造150を示す。本明細書において記載されるように、治療的量が長時間にわたり放出されるように、多孔構造は、細長い構造172の開口を被覆することができる。
図11は、容器のチャンバー130の液体を注入して交換し、治療剤をリザーバ容器のチャンバー130中に注入するために間隔を空けた、複数の注入ポートを示す。透過障壁184は、障壁160中に形成された第1のアクセスポートにおいて位置する第1の透過障壁、および障壁160中に形成された第2のアクセスポートにおいて位置する第2の透過障壁を備えていてもよく、第1の障壁は、第2の障壁から、少なくとも約1mm離れていてもよい。
上記のインジェクター701は、本明細書において記載されるように、結膜と強膜との間に位置するリザーバに連結するように構成することができる。第2の内腔189Bが治療剤110をチャンバー702Cからデバイス100中へ注入し、第1の内腔が第2の内腔から、それらの間に伸長する、上記のように第1の内腔を第1の隔壁に、第2の内腔を第2の隔壁において配置するようなサイズの距離により、間隔をあけていてもよいように、インジェクター701は、二重内腔針189Lに連結してもよい。第2の容器703Cは、リザーバ容器のチャンバーが結膜と強膜との間に配置された場合に、デバイス100の液体が交換されるように、リザーバ容器のチャンバーに伸長してデバイス100からの液体を受け取る第1の内腔189Aに連結してもよい。切替弁703Vは、意図された量の液体と意図された量の治療剤110の処方物とを交換し、例えば、上記のようなボーラス量の治療剤がデバイス100から注入されるように、意図された量のデバイス100中に注入される治療剤を注入する。デバイス100中に注入された治療剤の処方物の一部を、長時間にわたる放出のために、デバイス100中に保持してもよい。
インジェクター701は、第1および第2の治療剤を一緒に注入して、リザーバ中の液体と交換するように、抗悪性腫瘍剤、例えばVEGF阻害剤などの第1の治療剤、およびCOX阻害剤、例えばケトロラックなどの第2の治療剤を含む液体を交換するために用いることができる。リザーバは、強膜と結膜との間、または硝子体内に位置するか、またはこれらの組み合わせであってよい。
図12は、容器130の中心から離れて容器の末端付近に位置して容器130に連結した、細長い構造172を示す。
本明細書において記載される態様により、第1の治療用デバイスは、硝子体液中に位置するリザーバを有するデバイスを含んでもよく、第2の治療用デバイスは、結膜と強膜との間に位置するリザーバを有するデバイスを備えていてもよい。
以下の例は、本明細書において記載される本発明の態様による非限定的な例として提供される。
例A−第1の抗悪性腫瘍治療剤および第2の抗炎症治療剤による組み合わせ処置
抗血管新生剤、例えばLucentisなどのVEGF阻害剤などの抗悪性腫瘍剤を含む第1の治療剤を、トリアムシノロンアセトニドを含むステロイドなどの抗炎症剤と組みわせる事ができる。トリアムシノロンアセトニド懸濁液の放出は、例10および11ならびに対応する図20において上に記載される。第1のリザーバは、第1のリザーバが50uLのLucentisの注入を受けて硝子体液中で約3ug/mLの濃度を提供するように調整されるように、約125uLの容積および約0.1のRRIを備えていてもよい。第2のリザーバは、上の例11において記載されるように、1.2のRRIを有するトリアムシノロンアセトニドを備えていてもよい。第2のリザーバは、本明細書において記載されるように、平行して、または連続して構成されていてもよく、トリアムシノロンアセトニドを、例えば第0日および第180日における少なくとも2回の連続した50uLのLucentisの注入の経過にわたって、約400日間にわたり提供することができる。
トリアムシノロンアセトニドが治療的量において、6か月間隔での約4回の連続した50uLのLucentis(商標)の注入に相当する少なくとも約800日間の長時間にわたり送達され得るように、市販の薬剤製品を用いて0.8mg(40mg/mlのトリアムシノロンアセトニド)をロードした約20uLのリザーバ容積を含むために、第2のチャンバー中の酢酸トリアムシノロンの懸濁液の量は、増加していてもよい。トリアムシノロンのIC50は、VEGFにより誘導される細胞増殖または受容体結合の1または2以上などの標的アッセイに依存して、約1.5nMであってよい。
第1のチャンバー中のラニビズマブの量は、剤は、例えば約2.5mgまで増加してもよく、したがって、例えば、治療的量において長時間にわたり送達されるラニビズマブの量およびRRIを調節することができ、例えば、RRIは約0.02であってもよく、約10ug/mLのラニビズマブを約6か月において提供することができる。
例B:COX阻害剤と組み合わせたVEGF阻害剤
抗血管新生剤、例えばLucentisなどのVEGF阻害剤などの抗悪性腫瘍剤を含む第1の治療剤を、例えばセレコキシブを含むCOX阻害剤などの非ステロイド性抗炎症剤と組み合わせてもよい。多孔質フリット構造150を通しての低分子セレコキシブの放出は、例10および11ならびに対応する図20において上に記載されるようなトリアムシノロンアセトニドに類似し得る。第1のリザーバは、第1のリザーバが50uLのLucentisの注入を受けて硝子体液中で約3ug/mLの濃度を提供するように調整されるように、約125uLの容積および約0.1のRRIを備えていてもよい。第2のリザーバは、固体のセレコキシブを含んでもよく、上の例11において記載されるものと類似する1.2のRRIを有してもよい。第2のリザーバは、本明細書において記載されるように、平行して、または連続して構成されていてもよく、セレコキシブの治療的量を提供することができる。
セレコキシブの治療的量を長時間にわたり提供するために、第2のチャンバー中のレコキシブ固体の量は、増加していてもよい。本明細書において記載される教示に従って、当業者は、AMDの1または2以上のステージの処置のためにCOXの治療的阻害を達成するための、硝子体液中のセレコキシブの濃度を決定することができ、RRI、リザーバ容積、および固体の量を決定することができる。セレコキシブのIC50は、約40nMであってよく、これは、トリアムシノロンアセトニドよりも約40倍弱い。セレコキシブを、別個のチャンバーから、例えば別個のデバイスから放出してもよく、別個のデバイスから放出されたセレコキシブ固体の量は、例えば約20mgを約200日間にわたって放出したものを含んでもよい。
表3A
表3B
表3C
表3D
表3E
上記の表に基づいて、ケトロラックは、約0.9ug/mLの硝子体濃度による、最初の定常状態での懸濁液からの318日間にわたる放出速度プロフィールを有し、その後、約70日間にわたり約0.07ug/mLより高くで残りのケトロラック溶液を放出し、約400日間の全時間について、0.07より高かった。本明細書において記載される教示に従って、当業者は、VEGF阻害剤、例えばLucentisなどの抗悪性腫瘍剤と共に放出機構を通して放出するために好適な多くのCOX阻害剤を決定することができる。
COX阻害剤を、治療用デバイスのチャンバーにおいてVEGF阻害剤と組みわ合わせて、多孔質フリット構造を通して放出してもよい。ケトロラックについて示される0.02のRRIは、治療的量を少なくとも約120日間、例えば少なくとも約180日間にわたり送達することができるように、上記のラニビズマブと共に用いることができる。例えば、処方物は、ラニビズマブとケトロラックとが治療用デバイス中に一緒に注入されたものを含んでもよい。上記のラニビズマブのRRIおよび濃度および容積の値は、ケトロラック懸濁液との組み合わせに好適である。処方物中のラニビズマブの濃度は、約10mg/mlから、約300〜350mg/mlの安定な溶解度の上限の範囲内であってよい。組み合わせに好適なさらなるVEGF阻害剤およびCOX阻害剤は、本明細書において記載される教示に従って、当業者により決定され得る。
本明細書において記載される教示により、硝子体半減期(薬物の眼からの排出速度)は、実験的に決定することができるものである。当業者は、トリアムシノロンに類似のMW(セレコキシブの381に対してトリアムシノロンアセトニドの394)に基づいて決定することができ、最初に、パラメーターが実質的に同じであることを概算することができる。
IC50は、特定のアッセイにおいて50%の阻害をもたらす薬物の濃度として定義される。セレコキシブについて、IC50は約15ng/mlであり、これは、標的組織(網膜、脈絡膜)における所望の最少阻害濃度に相当する。概算として、硝子体内において、この濃度よりも高いものを標的とすることができる。水中でのセレコキシブの溶解度は約3ug/mlであり、したがって、これは相対的に「非水溶性」である。トリアムシノロンアセトニドの溶解度は、37℃において0.2Mの塩化カリウム中で約19ug/mLと測定され、5 e-6 cm2/sの拡散係数は、低分子を表わすものである。セレコキシブについてのRRIは、上記の溶解度およびIC50データ、例えば約60のRRIに基づいて、トリアムシノロンアセトニドについてのRRIの約600倍である。
多くの量、例えば約0.5mg〜約10mgの範囲内、例えば約1mg〜約5mg、例えば約1.5mg〜約3mgのラニビズマブを用いることができ、リザーバ容積および放出速度指標は、長時間にわたる持続放出を証明するように、本明細書において記載される教示に基づいてサイズ決定することができる。チャンバー中のラニビズマブの量は、約2mgであってよく、したがって、例えば、ラニビズマブが治療的量において長時間にわたり送達される量およびRRIを調節することができ、例えば、RRIは約0.02であってよく、約10ug/mLのラニビズマブを少なくとも約6か月間提供することができる。
実験
例1−4(例5−17Cと共に)は、2010年8月5日に出願された優先の米国仮特許出願第61/371,168号;2010年1月29日に出願された米国仮出願第12/696,678号、表題「Posterior Segment Drug Delivery」、米国仮出願公開第2010/0255061(代理人整理番号026322-003750US)として公開;および2010年8月5日にW02010/088548として公開されたPCT/US2010/022631、表題「Posterior Segment Drug Delivery」において記載される。
例5:円筒形焼結多孔質チタンシリンダーを通してのタンパク質の放出
リザーバは、シリンジおよび焼結多孔質チタンシリンダー(Applied Porous Technologies, Inc., Mott CorporationまたはChand Eisenmann Metallurgicalから入手可能)から製造した。これらは、チタン粒子から製造された直径0.062インチおよび厚み0.039インチの焼結多孔質シリンダーである。多孔度は0.17であり、平均孔サイズは約3〜5マイクロメーターである。多孔質シリンダーは、泡立ち点の測定に従って、0.2の媒質グレードとして特徴づけられる。多孔質シリンダーを、Delrin製の機械加工のスリーブに圧入した。スリーブは、1.9平方ミリメートルの面積に相当する一方の全平面をリザーバ中の溶液に、他方の全平面をバイアル中のレシーバ溶液に露出した。先端は、1mLのポリプロピレンシリンジを切除したものであり、シリンジの内側の直径よりも僅かに大きな外側の直径を有するポリマーのスリーブを受容するように機械加工した。多孔質シリンダー/スリーブを、改変シリンジ中に圧入した。
リン酸緩衝化食塩水(PBS、Sigma、P3813)中300mg/mlのウシ血清アルブミン(BSA、Sigma、A2153-00G)を含む溶液を調製した。溶液を、ピストンを取り除き、約200マイクロリットルをシリンジのバレル中に分配することにより、シリンジ中に導入した。泡を上部へ弾いて、多孔質シリンダーを通して空気を外へ出した。次いで、BSA溶液を、多孔質シリンダーを通してシリンジが100uLを保持するまで(これはシリンジ上のマークにより示される)押出した。押し出されたBSA溶液を拭きとり、次いで、PBS中に浸漬することによりリンスした。リザーバを、次いで、2mLのPBSを含む4mLバイアル中に室温で置いた。リザーバの上部をPBSの高さと一致するように配置するため、シリコンのチューブから切断したカラー(collar)を、シリンジのバレルの周りに置いた。シリコンのチューブは、バイアルの内部に適合し、また、蒸発を防ぐためのストッパーとして役立った。周期的なインターバルにおいて、リザーバを、PBSを含有する新しいバイアルに移した。多孔質シリンダーを通してリザーバから輸送されたBSAの量を、BCA(商標)Protein Assay kit(Pierce、23227)を用いてバイアル中のBSAの量を測定することにより決定した。
図13は、測定された焼結多孔質チタンディスクを通してのBSAの累積放出、および多孔質体を通しての放出を説明するモデルからの予測を示す。測定されたデータとモデルとの間の最小二乗適合(MicroSoft Excel)を介して1.7のチャネルパラメーターを決定した。多孔質シリンダーは、リザーバおよびレシーバ溶液に対して露出した等しい面積を有するので、チャネルパラメーターは、0.2の媒質グレードから調製された多孔質チタンシリンダーについての1.7の屈曲度を示唆する。
図13−1は、180日間まで測定された図13の測定されたBSAの累積放出を示す。測定されたデータとモデルとの間の最小二乗適合(MicroSoft Excel)を介して、1.6のチャネルパラメーターを決定した。これは、0.21mmの放出速度指標に相当する。チャネルパラメーターは、1.6の有効通路長のチャネルパラメーターに相当し、0.2の媒質グレードから調製された多孔質チタンシリンダーについての1.6の屈曲度を示唆する。
例6:マスクされた焼結多孔質チタンシリンダーを通してのタンパク質の放出
例5におけるものと同様のシリンジおよび多孔質焼結チタンシリンダーからリザーバを製造した。多孔質焼結チタンシリンダー(Applied Porous Technologies, Inc., Mott CorporationまたはChand Eisenmann Metallurgicalから入手可能)は、0.082インチの直径および0.039インチの厚みを有し、媒質グレードは0.2であり、チタン粒子から調製される。多孔度は0.17であり、平均孔サイズは約3〜5マイクロメートルである。多孔質シリンダーは、泡立ち点の測定に従って、0.2の媒質グレードとして特徴づけられる。多孔質シリンダーを、Delrin製の機械加工のスリーブに圧入した。スリーブは、3.4平方ミリメートルの面積に相当する一方の全平面をリザーバ中の溶液に、他方の全平面をバイアル中のレシーバ溶液に露出した。先端は、1mLのポリプロピレンシリンジを切除したものであり、シリンジの内側の直径よりも僅かに大きな外側の直径を有するポリマーのスリーブを受容するように機械加工した。多孔質シリンダー/スリーブを、改変シリンジ中に圧入した。粘着剤を有するカプトン膜を、露出した表面に添付して、マスクを作り、露出面積を減少させた。第1の場合において、マスクの直径は0.062インチであり、1.9平方ミリメートルの面積をリザーバ溶液に対して露出した。第2の場合において、マスクの直径は0.027インチであり、0.37平方ミリメートルの面積をリザーバ溶液に対して露出した。
この研究において3つの条件を実行した:1)例5におけるマスクされていない多孔質シリンダーを有するリザーバと比較するために、0.062インチの直径のマスク、100uLのドナー容積、室温;2)0.062インチの直径のマスク、60uLのドナー容積、37℃;および3)0.027インチの直径のマスク、60uLのドナー容積、37℃。シリンジを、例5と類似のリン酸緩衝化食塩水(Sigma、P3813)中300mg/mlのウシ血清アルブミン(BSA、Sigma、A2153-00G)を含む溶液で充填した。さらに、リザーバ中に置かれたBSA溶液およびレシーババイアル中に置かれたPBSの両方に、0.02wt%のアジ化ナトリウム(Sigma、438456-5G)を保存剤として添加し、両方の溶液を、0.2マイクロンのフィルターを通して濾過した。今回は、シリンジ中に分配されたBSA溶液の量を測定し、リンスすることおよびリンス中のBSAの量を測定することにより、多孔質シリンダーを通して押し出された量を決定した。BSA溶液についての単位密度を推定して、分配された量は、113+/−2uL(条件1)および66+/−3uLの(条件2)であった。リンス中の量を除算することにより、103+/−5uLの(条件1)および58+/−2uLの(条件2)の最終的なリザーバ容積を得た。リザーバを、次いで、加熱ブロック中で37℃において1mLのPBSを含有する5mLのバイアル中に置いた。周期的なインターバルにおいて、PBSを含有する新しいバイアルにリザーバを移動し、例5において記載される方法を用いて、レシーバ溶液中のBSA濃度を決定した。
図14は、条件1(0.062インチの直径のマスク、100uLのドナー容積、室温)における、マスクされた焼結多孔質チタンディスクを通してのBSAタンパク質の累積放出が、同じ露出面積を有するマスクされていない多孔質シリンダーを通しての放出(例5空のデータ)よりも速いことを示す。また、例5において決定された1.7のチャネルパラメーターを用いて、20℃におけるBSAの拡散係数(6.1e-7 cm2/s)、100uLのリザーバ容積、およびレシーバ溶液に露出した多孔質シリンダーの面積(A=1.9mm)またはリザーバに露出した多孔質シリンダーの面積(A=3.4mm)を用いて、予測を示す。マスクされた多孔質シリンダーについてのデータは、リザーバに露出した面積が大きいほど、より緊密に一致する。したがって、0.7mmの幅を有するこのマスクは、この多孔質シリンダーの寸法についての多孔質シリンダーの有効面積を減少させるためには十分ではない。
図15は、条件2(0.062インチの直径のマスク、60uLのドナー容積、37℃)における、マスクされた焼結多孔質チタンシリンダーを通してのBSAタンパク質の累積放出を示す。図はまた、例5において決定された1.7のチャネルパラメーター、37℃におけるBSAの拡散係数(9.1e-7 cm2/s)、58uLのリザーバ容積、およびレシーバ溶液に露出した多孔質シリンダーの面積(A=1.9mm)またはリザーバに露出した多孔質シリンダーの面積(A=3.4mm)を用いる予測を示す。やはり、このマスクされた多孔質シリンダーについてのデータは、リザーバに露出した面積が大きいほど緊密に一致した。2つの温度におけるデータとモデルとの一致は、モデルが温度の効果を組み込む方法を支持する。
図16は、条件3(0.027インチの直径のマスク、60uLのドナー容積、37℃)における、マスクされた焼結多孔質チタンシリンダーを通してのBSAタンパク質の累積放出を示す。図はまた、例5において決定された1.7のチャネルパラメーター、37℃におけるBSAの拡散係数(9.1e-7 cm2/s)、58uLのリザーバ容積、およびレシーバ溶液に露出した多孔質シリンダーの面積(A=0.37mm)またはリザーバに露出した多孔質シリンダーの面積(A=3.4mm)を用いる予測を示す。このマスクは、リザーバに露出した面積とレシーバ溶液に露出した面積との間の有効面積に相当する放出速度を達成する。図15および16における結果の組み合わせは、レシーバ溶液に対してより小さい面積を露出するマスクを用いて、よりゆっくりとした放出が達成されることを示す。
図13−16は、予想外の結果を示す。多孔構造の露出面積を減少させるための多孔質フリット構造の面積のマスキングにより、相当する面積の変化よりも低く放出速度が減少した。多孔構造を通しての放出速度は、実質的に、リザーバに露出した第1の側面とレシーバ溶液に露出した第2の側面との間に配置された多孔質フリット構造の互いに連結するチャネルに相当し、したがって、多孔質フリット構造の一部が被覆された場合に、放出の速度が維持される。互いに連結するチャネルの放出の速度は、実質的に、多孔質フリット構造の有効面積に相当し、有効面積は、上記のとおり、多孔構造内の互いに連結するチャネルの有効面積に相当し得る。放出の速度は、互いに連結するチャネルに依存的であるので、例えば多孔構造の一部の被覆により、または粒子による互いに連結するチャネルの一部の遮断により、チャネルの少なくとも一部が遮断された場合に、放出速度が維持され得る。
例7:焼結多孔質ステンレス鋼シリンダー(媒質グレード0.1)を通したタンパク質の放出
チューブおよび焼結多孔質ステンレス鋼シリンダー(Applied Porous Technologies, Inc., Mott CorporationまたはChand Eisenmann Metallurgicalから入手可能)から、試作のデバイスを製造し、これは、直径0.155インチおよび厚み0.188インチの円筒形であり、316Lステンレス鋼粒子から製造した。多孔質シリンダーは、泡立ち点の測定に従って、0.1媒質グレードとして特徴づけられる。12mmの面積を有するこれらの大きな既製品の多孔質シリンダーにより、0.1媒質グレードのステンレス鋼の耐性の特性を特徴づけるために、この研究を行った。
これらのデバイスは、Teflon-FEP熱収縮チューブ(Zeus, #37950)、および多孔質シリンダーの周りで一端において収縮させるための熱い空気銃、および他端における特注の隔壁(0.145インチの直径に鋳型成形したNusil MEDI 4013シリコーン)を用いて製造した。空のシステムとPBSをロードしたシステムとの間の重量の差異からリザーバ容積(46+/−2uL)を決定した。システムをPBS中に浸漬して真空にすることによりPBSをロードした。システムを、次いで、250°Fまでの加熱により、15psiにおいて15分間無菌化し、圧力釜中に置いた微小遠心管中でPBS中に浸漬した(Deni、9760)。2本の30Gの針を、隔壁中に挿入し、PBSをBSA容積で置換した。一方をBSA溶液を注入するために用い、他方を曲げて、置換されたPBSのためのベントとして用いた。ベントの針のハブ(hub)を約3/4充満まで充填するために十分なBSA溶液を注入した。例6と同様に、BSAおよびPBSは、アジ化ナトリウムを含み、見かけのBSAの濃度は300mg/mlであった。デバイスを、1mLのPBSを含む1.5mLの微小遠心管中に置き、加熱ブロック中で37℃に保った。シリコーンチューブの一片(チューブの内側、隔壁のための穴に固く適合する)を用いて、デバイスをPBS中で懸濁し、隔壁の底部をPBSの高さとおよそ同じとした。第1のチューブにおける濃度は、充填の工程からのBSAを含んでおり、破棄した。周期的なインターバルにおいて、PBSを含有する新しいチューブにデバイスを移し、例5において記載される方法を用いて、レシーバ溶液中のBSAの濃度を決定した。
図17は、0.1媒質グレードのステンレス鋼焼結チタンディスクを通しての測定されたBSAの累積放出を示す。今回、多孔度Pが販売者から得られなかったので、データに対するモデルの最小二乗適合により、チャネルパラメーターにより分割される多孔度の単一のパラメーターを決定した。焼結多孔構造は円筒形であるので、チャネルパラメーターは、屈曲度Tとして解釈することができ、P/Tは0.07に等しいと決定した。
例8:焼結多孔質ステンレス鋼シリンダー(媒質グレード0.2)を通してのタンパク質の放出
チューブおよび焼結多孔質ステンレス鋼シリンダー(Applied Porous Technologies, Inc., Mott CorporationまたはChand Eisenmann Metallurgicalから入手可能)から試作のデバイスを製造し、これは、直径0.031インチおよび厚み0.049インチの円筒形であり、316Lステンレス鋼粒子から製造した。多孔質シリンダーは、泡立ち点の測定に従って、0.2媒質グレードとして特徴づけられる。この多孔質シリンダーを、先の研究から決定された特性を有する特別注文品の大直径を有する0.2媒質グレード多孔質ステンレス鋼シリンダー(データは示さず)、および本明細書において記載されるモデルに基づく予測として得た。この多孔質シリンダーの各々の面の面積は、0.5mmである。
これらのデバイスを、Teflon-FEP熱収縮チューブ(Zeus、0.125インチのOD)、および多孔質シリンダーの周りで一端において収縮させるための熱い空気銃、および他端における特注の隔壁(0.113インチの直径に鋳型成形したNusil MEDI 4013シリコーン)を用いて製造した。空のシステムとPBSをロードしたシステムとの間の重量の差異からリザーバ容積(17+/−1uL)を決定した。システムをPBS中に浸漬して真空にすることによりPBSをロードした。乾燥したデバイスを微小遠心管中でPBS中に浸漬し、圧力釜中での250°Fまでの加熱により、15psiにおいて15分間無菌化した(Deni、9760)。2本の30Gの針を、隔壁中に挿入し、デバイスをPBSで充填した。一方をPBSを注入するために用い、他方を曲げてベントとして用いた。PBSで充填されたデバイスを重量測定した後で、二本の新しい針を隔壁を通して挿入し、ベントの針のハブ(hub)を約3/4充満まで充填するために十分なBSA溶液を注入した。実験の残りの詳細は、例7と同じである。
図18Aは、0.2媒質グレードの焼結多孔質ステンレス鋼シリンダー0.2媒質グレードの焼結多孔質ステンレス鋼シリンダー測定されたBSAの累積放出を示す。データに対するモデルの最小二乗適合により、チャネルパラメーターで分割される単一の多孔度のパラメーターを、0.12であると決定した。焼結多孔構造は円筒形であるので、チャネルパラメーターは互いに連結するチャネルの有効長として解釈することができ、これは屈曲度Tに相当し得る。販売者により決定された0.17の多孔度を用いて、屈曲度に相当し得るチャネルの有効長を、1.4であると決定した。さらに、これは、0.0475mmのPA/FLの比(放出速度指標)に相当する。
図18Bは、180日間にわたる、0.2媒質グレードの焼結多孔質ステンレス鋼シリンダーを通しての測定されたBSAの累積放出を示す。データに対するモデルの最小二乗適合により、チャネルパラメーターで分割される単一の多孔度のパラメーターを、0.10であると決定した。焼結多孔構造は円筒形であるので、チャネルパラメーターは互いに連絡するチャネルの有効長として解釈することができ、これは屈曲度Tに相当し得る。販売者により決定された0.17の多孔度を用いて、互いに連絡するチャネルの屈曲度に相当し得る互いに連絡するチャネルのチャネル有効長を、1.7であると決定した。さらに、これは、0.038mmのPA/FLの比(放出速度指標)に相当する。
例9:Lucentis(商標)の硝子体濃度の計算
治療剤の硝子体濃度は、本明細書において記載される式に基づいて予測することができる。表4は、シュミレーション1、シュミレーション2、シュミレーション3、シュミレーション4およびシュミレーション5の各々について適用されるパラメーターの値を示す。サルモデルに対応する半減期および硝子体容積(J. Gaudreault et al.., Preclinical Pharmacokinetics of Ranibizumab (rhuFabV2) after a Single Intravitreal Administration, Invest Ophthalmol Vis Sci 2005; 46: 726-733)(Z. Yao et al., Prevention of Laser Photocoagulation Induced Choroidal Neovascularization Lesions by Intravitreal Doses of Ranibizumab in Cynomolgus Monkeys, ARVO 2009年抄録D906)。パラメーターPA/FLは、放出速度プロフィールを決定するために変化させることができる。例えば、PA/TLが約0.05mmとなるように、Aの値は約1mmであってもよく、多孔度は約0.1であってもよく(PA=0.1mm)、長さは約1mmであり、屈曲度に相当し得るチャネル適合パラメーターは約2であってよい(FL=2mm)。当業者は、長期間にわたる治療剤の持続放出のための面積、多孔度、長さおよびチャネル適合パラメーターを、本明細書において記載される教示に従って、実験的に決定することができる。
表4A
表4Bは、サルの眼中に注入された0.5mgのLucentis(商標)のボーラス注入について、本明細書において記載される式および表4Aにおいて列記したサルについて測定された半減期を用いて計算された硝子体濃度を示す。第1のカラムは、測定されたCmax(Gaudreaultら)を用い、一方、第2のものは、用量および硝子体の容積に基づいて計算されたCmaxを用いる。Lucentis(商標)の平均濃度は、約46ug/mlである。Lucentis(商標)の最小治療濃度は、約0.1ug/mLであり、これは、約100%のVGEF阻害に相当し得る(Gaudreaultら)。表4Bは、測定されたCmaxまたは計算されたCmaxのいずれを用いても、0.5mgのLucentis(商標)のボーラス注入が、硝子体濃度を約1か月間にわたり0.1ug/mLよりも高くに維持することを示す。これは、毎月の投与が、臨床研究において治療的であることが示されたことと一致する。
表4B
表4C1、4C2、4C3、4C4および4C5は、それぞれシュミレーション1、シュミレーション2、シュミレーション3、シュミレーション4およびシュミレーション5についての、硝子体液中でのLucentis(商標)の計算された濃度を示す。これらの結果は、Lucentis(商標)の硝子体濃度が、PA/FL<0.0225mmおよびリザーバ容積>10uLにより特徴づけられる多孔構造を有するデバイスから放出される場合、約1年間またはそれより長くにわたり最小治療レベルより高くに維持され得ることを示す。
シュミレーション5は、例8において記載される実験において用いられるデバイスに相当する。このデバイスは、17uLのリザーバ容積、およびPA/FL=0.047mmにより特徴づけられる多孔構造を有した。このデバイスにLucentis(商標)をロードした場合、ローディング用量は、現行で毎月注入される50uLの3分の1に相当する。硝子体濃度を予測する計算は、毎月の用量の3分の1によるこのデバイスが、Lucentis(商標)の治療的濃度を約6か月間にわたり維持し得ることを示す。用量の半分は最初の月において送達され、98%より多くが6か月目において送達されるが、6か月間にわたり治療レベルを維持することができる。
デバイスが治療剤を長時間にわたり放出する能力は、有効なデバイスの半減期により記載することができる。例8におけるにおけるデバイスについて、Lucentis(商標)の送達についての有効なデバイスの半減期は、29日間である。デバイスは、リザーバ容積および多孔構造の選択により、所望の有効半減期を達成するために適切なPA/FLにより構成することができる。
表4C1
表4C2
表4C3
表4C4
表4C5
Z. Yaoら(Prevention of Laser Photocoagulation Induced Choroidal Neovascularization Lesions by Intravitreal Doses of Ranibizumab in Cynomolgus Monkeys, ARVO 2009年抄録D906)は、カニクイザルにおいて、レーザー凝固処置により誘導されるグレードIVの脈絡膜血管新生(CNV)病変の100%の予防をもたらすLucentis(商標)の最低用量を決定するために前臨床研究を行った。このモデルは、AMDに関連することが示されている。試験された全ての用量において、Lucentis(商標)の硝子体内注入は、グレードIVのCNV病変の発症を完全に阻害した。表4Dは、本明細書において記載される式および表4Aにおいて列記される薬物動態学的パラメーターを用いて、調査されたLucentis(商標)(第1、6、11、16、21および26日における5ugの硝子体内注入)の最も低い全量についてのLucentis(商標)の硝子体濃度の予測を示す。このデータは、0.5mgの単回ボーラス注入の高いCmaxを達成することが、治療的であるために必要ではないことを示す。
図19Aは、この予測されたプロフィールを、例8におけるデバイスについて予測されたものと比較する。このデータはさらに、本発明の態様によるデバイスからの放出プロフィールが、少なくとも約6か月間にわたり治療的であることを支持する。500ugの単回注入は、1か月間隔で受けるLucentis(商標)の50uLのボーラス注入に相当し、硝子体中でのLucentis(商標)(ラニビズマブ)の治療的濃度の範囲は、例えば約1か月において、約100ug/mLから約0.1ug/mLの最少阻害(治療的)濃度まで拡大する。硝子体液中での治療的濃度の範囲の下限に相当する最少阻害濃度は、本明細書において記載される例に従って、当業者により実験的に決定することができる。例えば、少なくとも約1ug/mLの硝子体中濃度を提供するために、一連の6回のLucentis(商標)の注入(各5ug)の低用量試験物を投与して、注入の治療的利益を、本明細書において記載されるように評価してもよい。
表4D
Lucentis(商標)を含む治療剤の濃度プロフィールを、本明細書において記載される教示に従って、ヒトの眼においてLucentis(商標)についての9日間の薬物半減期を用いて以下に示す通り決定した。以下に示す市販の処方物Lucentis(商標)の注入および9日間の半減期についての例は、予想外の結果を示し、本明細書において記載されるデバイス中への毎月のボーラス注入に相当する処方物の容積は、少なくとも約2か月間にわたり治療的利益を提供することができる。デバイス容積および多孔構造は、予め決定された処方物の容積を受け取り、長時間にわたり持続放出を提供するように調整することができる。デバイスのさらなる調節は、本明細書において記載される教示に基づいた、眼における治療剤の半減期、例えばLucentis(商標)については9日間、および治療剤の最少阻害濃度を含んでもよい。
図19Bは、25uLのデバイス中への第1の50uLの注入、および90日目における第2の50uLの注入について決定された硝子体液中でのLucentis(商標)の濃度を示す。計算は、毎月のFDAに承認されたボーラス注入の50uLの投与量は、眼を約90日間にわたり処置するために用いることができ、眼を処置するために、例えば約90日の間隔において、注入を繰り返してもよい。Lucentis(商標)は、デバイス中に注入された市販の処方物の予め決定された量を含んでもよい。Lucentis(商標)の市販の処方物は、10mg/mlのラニビズマブの濃度を有するが、例えば本明細書において以下に注入されたラニビズマブの40mg/mlの溶液に関して記載されるように、他の濃度を用いてもよい。予め決定された量は、毎月のボーラス注入の量、例えば50uLに相対する。治療用デバイスは、50uLの注入のうちの第1の25uLの部分が、持続および/または制御放出のためにリザーバ中に含有され、50uLの注入のうちの第2の25uLの部分は、多孔構造を通過して、25uLのボーラスにより硝子体中に放出されるように、25uLの容積を有する実質的に容積が固定された容器リザーバを備えていてもよい。デバイス中への注入の充填効率は、100%未満を含んでもよく、リザーバ容積および注入容積は、充填効率に基づいて、本明細書において記載される教示に従って調節することができる。例えば、治療用デバイス中に注入された50uLについて、第1の部分が容器のチャンバーリザーバ中に含有された約22.5uLを含み、第2の部分が、デバイスを通過した約27.5uLを含むように、充填効率は、約90%を含んでもよい。硝子体液中でのLucentis(商標)の初期濃度は、リザーバデバイス中への注入の直後において、約60ug/mLに相当する。硝子体液中のLucentis(商標)の濃度は、90日目において約3.2ug/mLまで減少する。第1の注入の約90日後のLucentis(商標)の第2の50uLの注入は、約63ug/mLの濃度まで増加する。硝子体液中でのLucentis(商標)の濃度は、第1の注入の180日後および第2の注入の90日後において約3.2ug/mLまで減少する。これらの計算は、Lucentis(商標)の濃度を、デバイス中への50uLの注入により、約3ug/mLの最少阻害濃度より高くに継続的に維持し得ることを示す。患者を処置するために治療剤を送達するために、さらなる注入を、例えば90日毎に数年間にわたり行ってもよい。
図19Cは、32uLのデバイス中への第1の50uLの注入、および90日よりも後における第2の50uLの注入について決定された硝子体液中のLucentis(商標)濃度を示す。計算は、毎月のFDAに承認された50uLの投与量のボーラス注入は、90日間にわたり眼を処置するために用いることができること、および、眼を処置するために、例えば約90日間隔で注入を繰り返すことができることを示す。Lucentis(商標)は、デバイス中に注入された予め決定された量の市販の処方物を含んでもよい。予め決定された量は、毎月のボーラス注入の量、例えば50uLに相当する。治療用デバイスは、50uLの注入のうちの第1の32uLの部は、持続および/または制御放出のためにリザーバ中に含有され、50uLの注入のうちの第2の18uLの部分は、多孔構造を通過して18uLのボーラスにより硝子体中に放出されるように、32uLの容積を有する実質的に容積が固定された容器リザーバを備えていてもよい。デバイス中への注入の充填効率は、100%未満を含んでもよく、リザーバ容積および注入容積は、本明細書において記載される教示に従って、充填効率に基づいて調節することができる。例えば、治療用デバイス中に注入された50uLのLucentis(商標)について、第1の部分は、リザーバ容器のチャンバー中に含有される約29uLを含み、第2の部分は、デバイスを通過する約21uLを含むように、充填効率は約90%を含んでもよい。初期の硝子体液中のLucentis(商標)の濃度は、リザーバデバイス中への注入の直後で、約45ug/mLに相当する。硝子体液中のLucentis(商標)の濃度は、90日目において約4ug/mLまで減少する。第1の注入の約90日後の第2の50uLのLucentis(商標)の注入は、濃度を約50ug/mLまで増加させる。硝子体液中のLucentis(商標)の濃度は、第1の注入の後180日後および第2の注入の後90日後において約4ug/mLまで減少する。これらの計算は、Lucentis(商標)の濃度を、デバイス中への50uLの注入により、約4ug/mLの最少阻害濃度より高くに継続的に維持できることを示す。患者を処置するために治療剤を送達するために、120日間毎に数年間にわたりさらなる注入をおこなってもよい。注入は、最少阻害濃度、放出速度プロフィールおよび処置している医師の裁量に依存して、より高頻度に行っても低頻度に行ってもよい。
図19Dは、50uLのデバイス中への第1の50uLの注入および90日目における第2の50uLの注入について決定された硝子体液中のLucentis(商標)濃度を示す。計算は、毎月のFDAに承認された50uLの投与量のボーラス注入は、90日間にわたり眼を処置するために用いることができること、および、眼を処置するために、例えば約90日間隔で注入を繰り返すことができることを示す。Lucentis(商標)は、デバイス中に注入された予め決定された量の市販の処方物を含んでもよい。デバイス中への注入の充填効率は、100%未満を含んでもよく、リザーバ容積および注入容積は、本明細書において記載される教示に従って、充填効率に基づいて調節することができる。例えば、治療用デバイス中に注入された50uLのLucentis(商標)について、第1の部分は、リザーバ容器のチャンバー中に含有される約45uLを含み、第2の部分は、デバイスを通過する約5uLを含むように、充填効率は約90%を含んでもよい。初期の硝子体液中のLucentis(商標)の濃度は、リザーバデバイス中への注入の直後で、約11ug/mLに相当する。硝子体液中のLucentis(商標)の濃度は、90日目において約5.8ug/mLまで減少する。第1の注入の約90日後の第2の50uLのLucentis(商標)の注入は、濃度を約17ug/mLまで増加させる。硝子体液中のLucentis(商標)の濃度は、第1の注入の後180日後および第2の注入の後90日後において約5.8ug/mLまで減少する。これらの計算は、Lucentis(商標)の濃度を、デバイス中への50uLの注入により、約5ug/mLの最少阻害濃度より高くに継続的に維持できることを示す。患者を処置するために治療剤を送達するために、90日間毎に数年間にわたりさらなる注入をおこなってもよい。
図19Eは、50uLのデバイス中への第1の50uLの注入および90日目における第2の50uLの注入について決定された硝子体液中のLucentis(商標)の濃度を示す。計算は、毎月のFDAに承認された50uLの投与量のボーラス注入は、130日間にわたり眼を処置するために用いることができること、および、眼を処置するために、例えば約120日間隔で注入を繰り返すことができることを示す。Lucentis(商標)は、デバイス中に注入された予め決定された量の市販の処方物を含んでもよい。デバイス中への注入の充填効率は、100%未満を含んでもよく、リザーバ容積および注入容積は、本明細書において記載される教示に従って、充填効率に基づいて調節することができる。例えば、治療用デバイス中に注入された50uLのLucentis(商標)について、第1の部分は、リザーバ容器のチャンバー中に含有される約45uLを含み、第2の部分は、デバイスを通過する約5uLを含むように、充填効率は約90%を含んでもよい。初期の硝子体液中のLucentis(商標)の濃度は、リザーバデバイス中への注入の直後で、約11ug/mLに相当する。硝子体液中のLucentis(商標)の濃度は、133日目において約4ug/mLまで減少する。第1の注入の約130日後の第2の50uLのLucentis(商標)の注入は、濃度を約15ug/mLまで増加させる。これらの計算に基づいて、硝子体液中のLucentis(商標)の濃度は、第1の注入の266日後および第2の注入の90日後において約4ug/mLまで減少する。これらの計算は、Lucentis(商標)の濃度を、デバイス中への50uLの注入により、約4ug/mLの最少阻害濃度より高くに継続的に維持できることを示す。患者を処置するために治療剤を送達するために、90日間毎に数年間にわたりさらなる注入をおこなってもよい。
図19B〜19Pは、販の既製品のLucentis(商標)の処方物の注入への言及を行うが、治療用デバイス100は、治療剤本明細書において記載される多くの処方物(例えば表lA、ならびにFDAに承認された処方物のオレンジブック(Orange Book)、ならびに欧州連合などの多くの国、連合(unions)および法域において承認された薬物の類似の書籍を参照)を放出するように、同様に構成することができる。例えば、本明細書において記載される教示に従って、毎月のボーラス注入に相当する市販の処方物の注入を受け取り、注入された治療剤を、最少阻害濃度より高い量により、例えば少なくとも約2か月間、例えば少なくとも約3か月間、または例えば約4か月間の長時間にわたり放出するようにデバイスを調節するために、治療用デバイス100のパラメーターを実験的に決定することができる。
図19Fは、0.05の放出速度指標を有する50uLのデバイス中への50uLのLucentis(商標)の注入について決定されたラニビズマブの硝子体液中濃度を示す。硝子体液中でのラニビズマブの濃度は、9ug/mL付近でピークとなり、約145日間にわたり4ug/mLまたはそれより高い。濃度は、約300日間にわたり約1ug/mLより高くであり続ける。濃度は、360日目において約0.6ug/mLであり、約0.5の最少阻害濃度に基づいて、1年間までの単回の注入による処置のために好適であり得る。最少阻害濃度は、当業者により、本明細書において記載される教示に従って、実験的に決定することができる。
図19Gは、0.05の放出速度指標を有する75uLのデバイス中への50uLのLucentis(商標)の注入について決定されたラニビズマブの硝子体液中濃度を示す。硝子体液中でのラニビズマブの濃度は、6.5ug/mL付近でピークとなり、約140日間にわたり4ug/mLまたはそれより高い。濃度は、約360日間にわたり約1ug/mLより高くであり続ける。
図19Hは、0.05の放出速度指標を有する100uLのデバイス中への50uLのLucentis(商標)の注入について決定されたラニビズマブの硝子体液中濃度を示す。硝子体液中でのラニビズマブの濃度は、5ug/mL付近でピークとなり、約116日間にわたり4ug/mLまたはそれより高い。濃度は、360日間より長くにわたり約1ug/mLより高くであり続け、360日目において約1.5ug/mLである。
図191は、0.05の放出速度指標を有する125uLのデバイス中への50uLのLucentis(商標)の注入について決定されたラニビズマブの硝子体液中濃度を示す。硝子体液中でのラニビズマブの濃度は、4.3ug/mL付近でピークとなり、4ug/mLと等しくなったりまたはこれを超えることはない。濃度は、360日間より長くにわたり約1ug/mLより高くであり続け、360日目において約1.5ug/mLである。
図19Jは、0.05の放出速度指標を有する150uLのデバイス中への50uLのLucentis(商標)の注入について決定されたラニビズマブの硝子体液中濃度を示す。硝子体液中でのラニビズマブの濃度は、3.5ug/mL付近でピークとなり、4ug/mLと等しくなったりまたはこれを超えることはない。濃度は、360日間より長くにわたり約1ug/mLより高くであり続け、360日目において約1.5ug/mLである。
図19Kは、0.1の放出速度指標を有する100uLのデバイス中への50uLのLucentis(商標)注入について決定されたラニビズマブの硝子体液中濃度を示す。これらの決定された濃度は、図19Fの決定された濃度に類似し、デバイス容積により、治療濃度プロフィールを長時間にわたり提供するために、多孔構造の放出速度指標を調節することができることを示す。例えば、硝子体中の治療剤の濃度を半分にするためにリザーバの容積を2倍にし、類似の治療濃度プロフィールを提供するために、放出速度指標を2倍にすることができる。硝子体液中でのラニビズマブの濃度は、9ug/mL付近でピークとなり、約145日間にわたり4ug/mLまたはそれより高い。濃度は、約300日間にわたり、約1ug/mLより高くであり続ける。濃度は、360日目において約0.6ug/mLである。
図19L〜19Pは、約0.065〜約0.105で変化するRRIを有する125uLのリザーバデバイスによる放出速度プロフィールの例であって、これらのデバイスが、50uLのLucentis(商標)の注入を受け取って、最少阻害濃度より高くでの持続放出を少なくとも約180日間にわたり提供するように調節されるようなものを示す。これらの計算は、プロフィールおよび100%の注入効率を決定するために、硝子体中の半減期が9日間の薬物を用いた。
図19Lは、0.105の放出速度を有する125uLのリザーバデバイス中への50uLのLucentis(商標)注入について決定されたラニビズマブの硝子体液中濃度プロフィールを示す。180日目における硝子体中でのラニビズマブの濃度は、約3.128ug/mLである。
図19Mは、0.095の放出速度を有する125uLのリザーバデバイス中への50uLのLucentis(商標)注入について決定されたラニビズマブの硝子体液中濃度プロフィールを示す。180日目における硝子体中でのラニビズマブの濃度は、約3.174ug/mLである。
図19Nは、0.085の放出速度を有する125uLのリザーバデバイス中への50uLのLucentis(商標)注入について決定されたラニビズマブの硝子体液中濃度プロフィールを示す。180日目における硝子体中でのラニビズマブの濃度は、約3.185ug/mLである。
図19Oは、0.075の放出速度を有する125uLのリザーバデバイス中への50uLのLucentis(商標)注入について決定されたラニビズマブの硝子体液中濃度プロフィールを示す。180日目における硝子体中でのラニビズマブの濃度は、約3.152ug/mLである。
図19Pは、0.065の放出速度を有する125uLのリザーバデバイス中への50uLのLucentis(商標)注入について決定されたラニビズマブの硝子体液中濃度プロフィールを示す。180日目における硝子体中でのラニビズマブの濃度は、約3.065ug/mLである。
125uLのリザーバ容積および50uLのLucentis(商標)の注入についての、180日目におけるラニビズマブの濃度についての最適RRIは、本明細書において記載される式に基づいて計算することができ、約0.085である。最適値は0.085であるが、上のグラフは、予め決定された量のLucentis(商標)処方物について、多くのRRIおよびリザーバ容積の値、例えば最適値の約+/−30%〜+1−50%内の値により、3ug/mLの最少阻害濃度より高いラニビズマブの治療的量を提供するように、リザーバおよび放出速度指標を調節することができることを示す。
表4Eは、図19K〜19Pにおけるもののようなラニビズマブの濃度プロフィールを決定するために用いられたパラメーターの値を示す。
表4E
図19B〜19Pの治療濃度プロフィールの例は、ヒトの硝子体中で9日間の薬物半減期により決定した。治療濃度プロフィールは、眼中の治療剤の半減期に従って図ることができる。例えば、18日間の半減期により、これらの例の濃度は、延長された時間においてグラフにおいて示されたものの約2倍の値となり、4.5日の半減期により、濃度は、延長された時間においてグラフにおいて示されたものの約半分の値となる。一例として、9日間の代わりに18日間の薬物半減期は、360日目において、図19Fおよび19Kにおいて示されるような約0.6ug/mLの代わりに約1.4ug/mLの濃度に相当する。硝子体中の薬物半減期に基づくこの濃度プロフィールの計測は、治療用デバイスの容積および持続放出構造を調整するために、例えば最少阻害濃度と組み合わせて用いることができる。上記の例は、Lucentis(商標)について計算されたが、本明細書において記載される、例えば表1Aを参照して本明細書において記載される治療剤および処方物についても同様の計算を行うことができる。
本明細書において記載される教示に従って、当業者は、デバイス中に注入される処方物の容積および最少阻害濃度に基づいた治療剤の放出速度指標および容積を決定することができる。注入された処方物の容積に基づいたこのデバイス容積および放出速度指標の調整は、予想外の結果をもたらし得る。例えば、臨床的に有益な約4ug/mLの最少阻害濃度により、1か月の注入に相当する単回のボーラス注入は、予想外の3か月間またはそれより長く(4か月間など)にわたり治療的利益をもたらし得る。また、臨床的に有益な少なくとも約1.5ug/mLの最少阻害濃度について、1か月の注入に相当する単回のボーラス注入は、予想外の12か月間またはそれより長くにわたり治療的利益をもたらし得る。臨床的に有益な最少阻害濃度は、本明細書において記載される臨床研究に基づいて、実験的に決定することができる。
図19F〜19Kの例は、100%の充填効率を仮定するが、当業者は、本明細書において記載される教示に基づいて、100%未満の充填効率についての、例えば上で示すような90%の充填効率による放出速度プロフィールを決定することができる。かかる充填効率は、本明細書において、例えば図7、7A、7A1および7A2を参照して記載されるインジェクター装置および針により達成することができる。
図19Qは、0.01の放出速度指標を有する10uLのデバイス中への10uLの濃縮Lucentis(商標)(40mg/ml)の注入について決定されたラニビズマブの硝子体液中濃度を示し、ここで、ラニビズマブは、約9日間の硝子体液中半減期を有する。これらのデータは、硝子体中でのLucentis(商標)の半減期が少なくとも約9日間である場合に、10uLのリザーバデバイス中への10uLの濃縮(40mg/ml)Lucentis(商標)の注入は、Lucentis(商標)の濃度を、少なくとも約2ug/mLより高くに、少なくとも約180日間にわたり維持することができること、および、最少阻害濃度が約2ug/mL以下を含む場合に、デバイスは、治療的濃度を少なくとも約180日間の長時間にわたり提供することができることを示す。
図19Rは、0.01の放出速度指標を有する10uLのデバイス中への10uLの濃縮Lucentis(商標)(40mg/ml)の注入について決定されたラニビズマブの硝子体液中濃度を示し、ここで、ラニビズマブは、約5日間の硝子体液中半減期を有する。これらのデータは、硝子体中でのLucentis(商標)の半減期が少なくとも約5日間である場合に、10uLのリザーバデバイス中への10uLの濃縮(40mg/ml)Lucentis(商標)の注入は、Lucentis(商標)の濃度を、少なくとも約1ug/mLより高くに、少なくとも約180日間にわたり維持することができること、および、最少阻害濃度が約1ug/mL以下を含む場合に、デバイスは、治療的濃度を少なくとも約180日間の長時間にわたり提供することができることを示す。
図19Sは、0.01の放出速度指標を有する10uLのデバイス中への10uLの標準Lucentis(商標)(10mg/ml)の注入について決定されたラニビズマブの硝子体液中濃度を示し、ここで、ラニビズマブは、約9日間の硝子体液中半減期を有する。これらのデータは、硝子体中でのLucentis(商標)の半減期が少なくとも約9日間である場合に、10uLのリザーバデバイス中への10uLの標準的な市販の(10mg/ml)Lucentis(商標)の注入は、Lucentis(商標)の濃度を、少なくとも約0.5ug/mLより高くに、少なくとも約180日間にわたり維持することができること、および、最少阻害濃度が約0.5ug/mL以下を含む場合に、デバイスは、治療的濃度を少なくとも約180日間の長時間にわたり提供することができることを示す。
図19Tは、0.01の放出速度指標を有する10uLのデバイス中への10uLの標準Lucentis(商標)(10mg/ml)の注入について決定されたラニビズマブの硝子体液中濃度を示し、ここで、ラニビズマブは、約5日間の硝子体液中半減期を有する。これらのデータは、硝子体中でのLucentis(商標)の半減期が少なくとも約5日間である場合に、10uLのリザーバデバイス中への10uLの標準的な市販の(10mg/ml)Lucentis(商標)の注入は、Lucentis(商標)の濃度を、少なくとも約0.25ug/mLより高くに、少なくとも約180日間にわたり維持することができること、および、最少阻害濃度が約0.25ug/mL以下を含む場合に、デバイスは、治療的濃度を少なくとも約180日間の長時間にわたり提供することができることを示す。
例10:懸濁液から薬物を放出するデバイスについての標的のデバイスの特徴の計算
トリアムシノロンアセトニドは、ブドウ膜炎および眼の炎症を伴う他の疾患の処置のために用いられる副腎皮質ステロイドである。4mgのトリアムシノロンアセトニドの懸濁液の硝子体内注入は、局所副腎皮質ステロイドに応答しない患者に投与することができる。本明細書において記載される計算は、治療的量を長時間にわたり放出するであろうデバイスの特徴を決定するために行った。
10uLのリザーバ容積を有し、0.4mgの市販の薬品(40mg/mlのトリアムシノロンアセトニド)を用いてロードされたデバイスを考える。19ug/mLの値を用いて行った。37℃において0.2Mの塩化カルシウム中で低分子の代表である5 e-6 cm2/sの拡散係数により測定されたトリアムシノロンアセトニドの溶解度について、計算を行った。公開された臨床データに基づく標的放出速度は、1ug/日である。一例として、例8において特徴づけられたP/F=0.12および0.5mmの厚みを有する0.2媒質グレードステンレス鋼を考える。これらの値を用いて、計算は、5mmの面先を有する多孔質シリンダーを備えるデバイスにより、治療的放出速度を達成することができることを示唆する。これは、2mmの内側直径および1mmの多孔質チューブの長さを有する円筒形デバイスにより達成することができた。あるいは、デバイスの末端は、0.8mmの高さ(厚み0.5mmの多孔質面プラス長さ0.3mm)の多孔質チューブを有する多孔質のカップであってもよい。
硝子体中の低分子の半減期について代表的な3時間を仮定して、これらの計算は、デバイスが、0.12ug/mLの定常状態のトリアムシノロンアセトニドの硝子体濃度を達成することを示唆する。
例11:リザーバ中に配置され多孔質フリット構造を通して放出される治療剤懸濁液についての放出速度プロフィールの計算。
図20は、例10におけるもののような治療剤懸濁液の計算された時間放出プロフィールを示す。1.2mmのRRIを有する10uLのデバイスについて、ヒトの硝子体中のトリアムシノロンアセトニド濃度を決定し、示す。計算は、懸濁液について上で示す式に基づいた。数値シュミレーションによりプロフィールを作製した。1ug/日の定量送達速度が、T=0において瞬時に開始することを仮定して、ヒトの眼の硝子体内の濃度は、1日において、定常状態値の99%以内に達し得る。薬物放出プロフィールの対極において、シュミレーションは、実質的に全ての固体薬物が失われたときの硝子体内濃度を示す。溶解した薬物の99%より多くが、1日以内に送達された。
硝子体中の低分子の半減期について代表的な3時間を仮定して、これらの計算は、デバイスが、ウサギまたはサル(1.5mLの硝子体容積)において0.12ug/mLまたはヒトの眼(4.5mLの硝子体容積)において0.04ug/mLの、実質的に定常状態のトリアムシノロンアセトニドの硝子体濃度を達成することを示す。定常状態の硝子体濃度は、リザーバ中の懸濁液の固体のトリアムシノロンアセトニドが存在しなくなるまで維持される。図20において示すように、10uLのリザーバ容積および1.2mmの放出速度指標を有するデバイは、ヒトの硝子体において、実質的に一定の薬物濃度量を、約400日間にわたり提供することができる。本ヒト患者におけるin situでの放出速度プロフィール、ならびに、標的時間にわたる薬物放出についての治療的利益のために適切に構成される薬物リザーバ容積および放出速度指標を決定するために、明細書において記載される教示に従ってさらなる実験および臨床研究を行ってもよい。実質的に一定の薬物濃度量は、実質的な治療を提供し、副作用を低減することができる。本明細書において記載される多くの治療剤の多くの懸濁液、例えば、本明細書において記載される副腎皮質ステロイドおよびそのアナログの懸濁液を用いて、類似の研究を行ってもよい。
例12:Avastin(商標)についての、異なるサイズのリザーバに連結された多孔質フリット構造を通しての放出速度プロフィールの測定、およびリザーバのサイズに対する依存性。
図21は、実質的に類似の多孔質フリット構造と、16uLのリザーバおよび33uLのリザーバとを備える、治療用デバイスの放出速度プロフィールを示す。各々のフリットの放出速度指標は約0.02であった。各々16uLのリザーバを備える2つの治療用デバイス、および各々33uLのリザーバを備える2つの治療用デバイスについての放出速度を示す。33uLのリザーバを備えるデバイスは、16uLのリザーバを備えるデバイスの約2倍の速度でAvastin(商標)を放出した。これらの測定データは、治療剤を長時間にわたり放出するように放出速度指標およびリザーバを構成することができるように、放出速度指標およびリザーバのサイズにより放出速度プロフィールを決定することができることを示す。
第1の研究:以下のような16uLの容積のリザーバにより、データを測定した:25mg/mlのAvastin(商標);フリット#2(0.031×0.049”、媒質グレード0.2um、316L SS、Mott Corporation);上記の例8と実質的に類似の材料(テフロン(登録商標)の熱収縮チューブおよびシリコーンの隔壁);37C;1または2以上の複製が泡を形成した場合、データを切り捨てる。以下の表5Aにおけるデータを参照。
第2の研究:以下のような33uLのリザーバにより、データを測定した:25mg/mlのAvastin(商標);フリット#2(0.031×0.049”、媒質グレード0.2um、316L SS, Mott Corporation);固体ビーズから機械加工し、金属ロッドで密封したもの;37C;1または2以上の複製が泡を形成した場合、データを切り捨てる。
表5A
SSは、予測された速度と測定された速度との間の自乗差の平均であり、%CVは、公知の統計学的パラメーターである変動係数を指す。
例13:測定された多孔質フリット構造を通してのAvastin(商標)についての放出速度プロフィール
図22Aは、0.049”の厚みを有する多孔質フリット構造によるAvastin(商標)についての累積放出を示す。実験は、以下を用いた:25mg/mlのAvastin(商標);フリット#2(0.031×0.049”、媒質グレード0.2um、316L SS、Mott Corporation);機械加工されたねじを有するポリカーボネート代用品;リザーバ容積37uL;37C。デバイスの数および各々の試験されたデバイスについての対応するRRIを、以下の表5Bにおいて列記する。測定に基づいて決定されたRRIは、0.02であり、これは、本明細書において記載される治療剤の放出についてのモデルと一致する。各々の試験デバイスについて測定されたRRIに関して幾つかの変数が記述されるが、各々のデバイスについてのRRIを、治療剤の放出を決定するために用いることができ、患者への配置に先立ちRRIを決定するために、本明細書において記載される気体の流動により、多孔構造をさらに特徴づけることができる。
表5B
図22B1は、0.029”の厚みを有する多孔質フリット構造によるAvastin(商標)についての累積放出を示す。実験は、以下を用いた:25mg/mlのAvastin(商標);フリット#3(0.038×0.029”、媒質グレード0.2um、316L SS、Mott Corporation);機械加工されたねじを有するポリカーボネート代用品;リザーバ容積37uL;37C。デバイスの数および各々の試験されたデバイスについての対応するRRIを、以下の表5Cにおいて列記する。測定に基づいて決定されたRRIは、0.034であり、これは、本明細書において記載される治療剤の放出についてのモデルと一致する。各々の試験デバイスについて測定されたRRIに関して幾つかの変数が記述されるが、各々のデバイスについてのRRIを、治療剤の放出を決定するために用いることができ、患者への配置に先立ちRRIを決定するために、本明細書において記載される気体の流動により、多孔構造をさらに特徴づけることができる。
表5C
表5Dは、表5Bに対するアップデートを示し、130日目までの実験結果を示す。同様に、表5Eは、表5C対するアップデートである。いずれの場合においても、RRIは各々のデバイスからの速度データを適合させることにより決定した。130日目までのデータの分析について、第1のデータポイントを、適合から除外した。なぜならば、モデルは、最大送達速度が時間ゼロにおいて起こることを仮定しているが、一方で、測定された放出プロフィールとしばしば関連した幾つかの起動時間が存在したからである。起動時間は、フリット中の空気の全てを置換するためにかかる時間に関連し得る。フリット中の空気を置換するあめの異なる技術の使用により、起動時間を短縮することができる。
この初期データは、デバイスを充填することからねじ上に存在して実験の開始時において完全にリンス除去されなかった過剰なタンパク質からの汚染などの、実験的問題に関連すると考えられる幾らかのノイズを有する。レシーバ液は、幾つかの時点においてバイアルからバイアルへデバイスを移しながらタンパク質をリンス除去し、別の時点においてはそれを行わない場合があるので、汚染は無作為に発生すると考えられる。低いSSの値により示されるように、より少ない外れ値を有するかまたは外れ値を有さないデバイスを用いることにより、より正確なRRIの評価を得ることができる。これを行った後で、表5Dおよび5EからのRRIは、それぞれ0.014および0.030mmであった。RRIについての類似の値が、45日目までのデータおよび130日目までのデータから得られ、モデルの正確性を支持する。
表5D
表5E
図22B2は、図22B1におけるもののような0.029”の厚みを有する多孔質フリット構造によるAvastin(商標)についての放出の速度を示す。放出の速度は、測定値および累積放出から決定することができる。このデータ中の外れ値は、汚染などの測定エラーに関連し得、これはmBCAタンパク質アッセイにおけるシグナルをもたらす。
図23Aは、20uLのリザーバ容積によるAvastin(商標)についての累積放出を示す。実験は、以下を用いた:25mg/mlのAvastin(商標);フリット#6(0.038×0.029”、媒質グレード0.2um、316L SS、Mott Corporation);機械加工されたねじを有するポリカーボネート代用品;37C。測定に基づいて決定されたRRIは、0.05mmであり、これは、本明細書において記載される治療剤の放出についてのモデルと一致する。
図23A−1は、図23Aにおけるもののような、20uLのリザーバ容積によるAvastin(商標)についての約90日目までの累積放出を示す。0.053mmのRRIは、図23の0.05のRRIに実質的に相当し、多孔構造を通した治療剤の放出の安定性を示す。
図23Bは、図23Aにおけるもののような、放出の速度を示す。放出速度データは、約5ug/日〜約8ug/日の放出の速度を示す。1日目における初期の放出速度は、その後の速度よりもわずかに低いが、放出の速度は、薬物放出モデルに従って治療的効果を提供するために十分に高い。放出速度プロフィールが進展するための約数日間の初期期間が存在し、これは、多孔構造の互いに連結するチャネルの湿潤化に関連する可能性があるが、放出速度プロフィールは、0.05の放出速度指標(RRI)に実質的に相当する。長時間にわたる放出速度プロフィールを決定するために、本明細書において記載される教示に従って、当業者は、少なくとも約1か月間、例えば少なくとも約3か月間、6か月間またはそれより長くの長時間にわたるさらなるデータにより、放出速度プロフィールを決定することができる。
図23B−1は、図23A−1におけるもののような放出の速度を示す。
図24Aは、0.1の媒質グレードの多孔質フリット構造によるAvastin(商標)についての累積放出を示す。この実験は、以下を用いた:25mg/mlのAvastin(商標);フリット#5(0.038×0.029”、媒質グレード0.1um、316L SS、Mott Corporation);ねじを有する機械加工されたポリカーボネート代用品;リザーバ容積20uL;37C。測定に基づいて決定されたRRIは、0.03であり、これは、明細書において記載される治療剤の放出についてのモデルと一致する。
図24A−1は、図24Aにおけるもののような、0.1の媒質グレードの多孔質フリット構造による、Avastin(商標)についての約90日目までの累積放出を示す。0.038mmの放出速度は、図24Aの0.03の放出速度に実質的に相当し、多孔構造を通しての治療剤の放出の安定性を示す。
図24Bは、図24Aにおけるもののような、放出の速度を示す。放出速度データは、約2ug/日〜約6ug/日の放出の速度を示す。1日目における初期の放出速度は、その後の速度よりもわずかに低いが、放出の速度は、薬物放出モデルに従って治療的効果を提供するために十分に高い。放出速度プロフィールが進展するための約数日間の初期期間が存在し、これは、多孔構造の互いに連結するチャネルの湿潤化に関連する可能性があるが、放出速度プロフィールは、0.03の放出速度指標(RRI)に実質的に相当する。長時間にわたる放出速度プロフィールを決定するために、本明細書において記載される教示に従って、当業者は、少なくとも約1か月間、例えば少なくとも約3か月間、6か月間またはそれより長くの長時間にわたるさらなるデータにより、放出速度プロフィールを決定することができる。
図24B−1は、図24A−1におけるもののような放出の速度を示す。
例14:治療剤のin vivoでの最少阻害濃度に基づいた治療用デバイスのサイズおよび寿命の決定。
治療用デバイスのサイズ、放出速度プロフィールおよび予想される治療剤リザーバ中の濃度を決定するために、数値的計算を行った。リザーバ中の濃度は、デバイスの有用な寿命、またはリザーバ中への治療剤の注入もしくは治療剤の他の交換の間の時間に相当し得る。
表6Aは、MICまたはそれより高い濃度量によりデバイスから治療剤が放出される日数を示す。これらの日数は、デバイスの有効寿命またはデバイス中への注入の間の有効時間に相当する。計算は、10mg/mlの薬物濃度が配置された20uLのリザーバ容積についてのRRIおよびMICに基づく、長期放出の日数を示し、本明細書において記載される実験および臨床研究により決定することができる。ヒトのデータに基づいて、硝子体中での治療剤の半減期を9日間としてモデル化した。Cmaxは、例えばデバイス中への治療剤の配置または注入の数日以内の、硝子体液中の治療剤の最大濃度を示す。これらのデータは、デバイスが、治療剤の濃度を、0.1、0.5、1、2および4ug/mlのMICについて、それぞれ、約756日間、385日間、224日間および62日間にわたり維持することができることを示す。例えば、治療剤は、約0.5のMICを有するLucentis(商標)を含んでもよく、デバイスは、剤の治療的濃度を1年間にわたり維持することができる。これらの数値データはまた、デバイスから放出される治療剤の濃度が現行の臨床でのボーラス注入の範囲内であることを示す。例えば、Lucentis(商標)などの治療剤の最大放出が患者にとっての安全範囲内であるように、Cmaxは、0.01〜0.1のRRIに基づいて、それぞれ2.1〜11.9の範囲である。
当業者は、Lucentis(商標)などの治療剤のリザーバ中での安定性を決定するために、実験を行って、リザーバのサイズ、注入の間または除去の時間を調節することができる。治療用デバイスにおける使用のために好適な安定性を備えるために、治療剤を選択して処方することができる。
表6A
表6Bは、20μLの容積、硝子体T1/2=9日間およびリザーバ中の薬物濃度=40mg/mlを備える治療用デバイスについて、MICより高い時間(日)についての計算を示す。表6Bの態様は、表6Aの態様に類似の成分、および40mg/mlの濃度により達成されたMICより高い時間の改善を含む。例えば、MICより高い時間は、0.1、0.5、1、2、4および7ug/mlのMICについて、それぞれ、1079、706、546、385、225、95であり得る。例えば、治療剤は、約0.5のMICを有するLucentis(商標)を含んでもよく、デバイスは、治療剤の治療的濃度を約2年間にわたり維持することができる。これらの数値データはまた、デバイスから放出される治療剤の濃度が現行の臨床でのボーラス注入の範囲内であることを示す。例えば、Lucentis(商標)などの治療剤の最大放出が患者にとっての安全範囲内であるように、Cmaxは、0.01〜0.1のRRIに基づいて、それぞれ8.4〜47.6の範囲である。
当業者は、Lucentis(商標)などの治療剤のリザーバ中での安定性を決定するために、実験を行って、リザーバのサイズ、注入の間または除去の時間を調節することができる。治療用デバイスにおける使用のために好適な安定性を備えるために、治療剤を選択して処方することができる。
表6B
表6Cは、50μLの容積、硝子体T1/2=9日間およびリザーバ中の薬物濃度=40mg/mlを備える治療用デバイスについて、MICより高い時間(日)についての計算を示す。表6Bの態様は、表6Aの態様に類似の成分、および40mg/mlの濃度により達成されたMICより高い時間の改善を含む。例えば、MICより高い時間は、0.1、0.5、1、2、4および7ug/mlのMICについて、それぞれ、2706、1737、1347、944、542および218であり得る。例えば、治療剤は、約0.5のMICを有するLucentis(商標)を含んでもよく、デバイスは、治療剤の治療的濃度を約2年間にわたり維持することができる。これらの数値データはまた、デバイスから放出される治療剤の濃度が現行の臨床でのボーラス注入の範囲内であることを示す。例えば、Lucentis(商標)などの治療剤の最大放出が患者にとっての安全範囲内であるように、Cmaxは、0.01〜0.1のRRIに基づいて、それぞれ9.1〜64.7ug/mlの範囲である。
当業者は、Lucentis(商標)などの治療剤のリザーバ中での安定性を決定するために、実験を行って、リザーバのサイズ、注入の間または除去の時間を調節することができる。治療用デバイスにおける使用のために好適な安定性を備えるために、治療剤を選択して処方することができる。
表6C
表6A〜6Cにおいて示される例は、当業者により、本明細書において記載される教示に従って、さまざまに改変されてもよい。例えば、50uLのリザーバは、治療用デバイスの注入後にリザーバが拡張する構成を備えていてもよい。リザーバおよび/または治療剤の量は、所望の長時間にわたる放出を提供するために調整することができる。
本明細書において記載される多孔質フリット構造は、多くの治療剤について用いることができ、例えば粒子を形成するように劣化した治療剤の放出を制限することができる。態様に関連する研究は、少なくとも一部の治療剤が、粒子を形成するように劣化し得ること、および、劣化した治療剤を含む粒子は、望ましくない効果を患者に対して有し得ることを示唆し、本明細書において記載される多孔質フリット構造は、少なくとも部分的にかかる粒子を濾過して、劣化した治療剤の潜在的な副作用を防ぐことができる。
表6Dは、本明細書において記載される教示に従って構築することができる、容器内に好適な容積の薬物リザーバを提供するための治療用デバイスのサイズの例を示し、かかるデバイスは、本明細書において記載されるような多くの長さ、幅および構造を備えていてもよい。例えば、フリットの外側直径(outiside diameter:本明細書において以下「OD」)は、多くの方法において構成することができ、例えば約lmm、または約0.5mmを含んでもよい。フリットの長さ(厚み)は、約1mmを含んでもよい。フリットの容積は、例えば約0.785uL、または例えば約0.196uLであってよい。リザーバの容積は、例えば約0.4uL〜約160uLであってよい。治療用デバイスの容積は、約0.6uL〜約157uLであってよく、様々に配置されていてよく、例えば、内腔を有してもよく、容積が実質的に固定されたリザーバまたは拡張可能なリザーバを備えていてもよい。デバイスの断面の幅は、多くのサイズ、例えば多くの半径に対応し得、半径は、例えば約0.3mm〜約3.5mmの範囲内であってよい。デバイスの断面の幅および対応する直径は、約0.6mm〜約7mmの範囲内であってよい。多孔構造、容器および保持構造を備えるデバイスの長さは、多くのサイズであってよく、例えば約2mm〜約4mmの範囲内であってよい。デバイスは、実質的に固定された直径、または代替的に、拡張可能な直径を含んでもよく、本明細書において記載されるような、固定されたまたは拡張可能な保持構造を備えていてもよい。
表6D
例15A:多孔質フリット構造を通して放出される治療剤についてのモデルとしての小さい放出速度プロフィールの計算および測定。
多孔質フリット構造を通しての低分子薬物の放出を決定するために、多孔質フリット構造を通してのリザーバからのフルオレセインの放出の研究を行った。フルオレセインのモデルは、本明細書において記載される多孔質フリット構造およびリザーバが、低分子薬物の送達のために好適であることを示す。Avastin(商標)、Lucentis(商標)およびBSAの放出プロフィールと、フルオレセインのデータとの組合せは、多くの分子量およびサイズの多くの薬物、分子および治療剤の持続放出のために多孔質フリット構造およびリザーバを用いることができることを示す。
図25Aは、0.2媒質グレードの多孔質フリット構造を通してのフルオレセインについての累積放出を示す。実験は、以下を用いた:2mg/mlのフルオレセインナトリウム;フリット#2(0.031×0.049”、媒質グレード0.2um、316L SS、Mott Corporation);ねじを有する機械加工されたポリカーボネート代用品;37C。フルオレセインの試料は、プレートリーダーによる492nmにおけるUV吸収によりアッセイした。測定に基づいて決定されたRRIは、0.02であり、これは、明細書において記載される治療剤の放出についてのモデルと一致する。
図25A−1は、図25Aにおけるもののような、0.2媒質グレード多孔質フリット構造を通したフルオレセインについての約90日目までの累積放出を示す。第1の4つのデータポイントに基づく平均RRIは、0.02mmであった。90日間にわたり放出するための平均RRI(第1のポイントを除く)は、0.026mmである。これらのデータは、放出の速度の安定性、および、低分子の送達、大分子の送達またはこれらの組み合わせのために、多孔質フリット構造を用いることができることを示す。
図25Bは、図25Aにおけるもののような放出の速度を示す。放出速度のデータは、約1.0ug/日〜約1.8ug/日の放出の速度を示す。1日目における初期の放出速度は、その後の速度よりもわずかに低いが、放出の速度は、薬物放出モデルに従って治療的効果を提供するために十分に高い。放出速度プロフィールが進展するための約数日間の初期期間が存在し、これは、多孔構造の互いに連結するチャネルの湿潤化に関連する可能性があるが、放出速度プロフィールは、0.02の放出速度指標(RRI)に実質的に相当する。長時間にわたる放出速度プロフィールを決定するために、本明細書において記載される教示に従って、当業者は、少なくとも約1か月間、例えば少なくとも約3か月間、6か月間またはそれより長くの長時間にわたるさらなるデータにより、放出速度プロフィールを決定することができる。
図25B−1は、図25A−1におけるもののような放出の速度を示す。
例15B:測定された多孔質フリット構造を通してのLucentis(商標)についての放出速度プロフィール。
実験は以下を用いた:10mg/mlのLucentis(商標);ねじを有する機械加工されたポリ(メチルメタクリレート)代用品;およびリザーバ容積30uL;37C。全ての多孔質フリット構造は、316L SS(Mott Corporation)である。示されるデータは、泡の発生または低いレシーバ容積のいずれかを示した数個の試料を除いて、全てのデバイスからの測定データである。
表6Eは、48個のデバイスのうちの39個についての結果が、以下に示す表およびグラフに含まれることを示す。表6Eにおいて示すin vitro研究からのデータは、多孔質フリット構造を有するデバイスにより、Lucentis(商標)を送達することができることを示す。直径は0.031”〜0.038”の範囲であり、長さは0.029〜0.049の範囲である。媒質グレードは0.1〜0.3の範囲であり、RRIは0.014〜0.090の範囲である。データは、in vivoでのヒトの処置において好適な非常に低い可変性を示し、%CVは、全ての場合において10%未満であり、測定された5つのデバイス構成のうちの4つについて3%未満である。
測定値の一部は除外されているが、この除外は適切であり、in vivoでのモデルと実質的に異なるin vitroでの試験条件に関連する。5個のデバイスは、泡の形成のために除外し(10%)、4個は、そのデバイスについての1つの時点におけるレシーバ容積の問題のために除外した(8%)。後者は、実験的エラーであり得、不適切に密封されたバイアルからの蒸発に起因して、またはピペッティングのエラーに起因して、レシーバの容積が仮定された値よりも低いことと関連する。幾つかの例において、in vitroでの実験的試験装置は、泡の形成に対して感受性であり得、これはin vivoでのモデルとは実質的に異なり得る。なぜならば、生体の眼は治療用デバイスからの酸素を差異吸収するからである。泡は、レシーバ液が37℃まで加熱され、気体の濃度が37℃におけるその溶解度よりも高くなると発生し得る。泡の形成の発生を最少化するため、レシーバ液を、デバイスの挿入の前に脱気する。これらの実験的in vitro研究は、試料の脱気は、in vitroアッセイにおいて有益であり得ることを示唆する。
表6E
図25Cは、表6Eの2行目において示すような0.061の放出速度に相当する0.038の直径および0.029の長さ(厚み)を有する、0.2媒質グレードの多孔質フリット構造を通してのLucentis(商標)についての約30日までの累積放出を示す。
図25Dは、図25Cにおけるもののようなデバイスの放出の速度を示す。
図25Eは、約0.090〜約0.015のRRIを有する30uLのデバイスについての、Lucentis(商標)についての約30日までの累積放出を示す。
図25Fは、図25Eにおけるもののようなデバイスの放出の速度を示す。
これらの上記の実験的に測定されたデータは、広範なフリットの直径、厚みおよび媒質グレードについての、30日間にわたるLucentis(商標)の安定した放出を示し、これは、本明細書において記載される多孔構造およびリザーバの放出速度モデルと一致する。例えば、媒質グレード、厚み、直径およびリザーバ容積を、予め決定された期間にわたり予め決定された標的の最少阻害濃度より高い持続放出を提供するために調整することができる。Avastin(商標)およびフルオレセインのデータと組み合わせた場合、これらのデータは、本明細書において記載される放出モデルと一致する、長時間にわたる多くの治療剤についての安定な放出を達成することができることを示す。
例16:多孔質フリット構造の走査型電子顕微鏡画像
図26Aおよび26Bは、それぞれ、0.2媒質グレードおよび0.5媒質グレードの多孔質材料の多孔質フリット構造の破砕された端部からの走査型電子顕微鏡画像を示す。Mott Corporationから市販の試料を得、これは、316Lステンレススチールを含んだ。試料を、治療剤を放出するための材料中の多孔構造および互いに連結するチャネルを示すように、機械的に破砕した。顕微鏡画像は、第1の表面の開口と第2の表面の開口との間に配置された複数の互いに連結するチャネルを示す。
図27Aおよび27Bは、それぞれ、図26Aおよび26Bの試料からの、0.2および0.5の媒質グレードの多孔質フリット構造の表面からの走査型電子顕微鏡画像を示す。画像は、図26Aおよび26Bにおけるもののように、互いに連結するチャネルと連結した表面上の複数の開口を示す。
例17:治療剤送達デバイスによる使用のために好適な多孔質フリット構造を同定するための多孔質フリット構造の機械的流動試験
フリットを、圧減衰および流動を含むがこれらに限定されない多数の機械的試験に供することにより、試料エレメントの相対的特徴を決定することができる。これらの試験は、デバイスの放出プロフィールを決定するために、薬物放出速度情報、例えばRRIと組み合わせることができる。デバイスの多孔構造を通しての流動を定量し、多孔構造のうちの好適なものを決定するために、治療用デバイス上に配置された多孔構造について、これらの試験を用いることができる。類似の試験を用いて、治療用デバイスのマウントの前に多孔構造を定量することができる。例えば品質管理チェックとして、部分的に組み立てられた治療用デバイス上にマウントされた多孔構造の気体流動により、治療用デバイスの少なくとも一部を評価することができる。一部の態様において、多孔構造が治療剤の放出のために好適であり、デバイス、例えば治療用デバイスの支持体に装着されていることを確認するために、部分的に組み立てられたまたは実質的に組み立てられた治療用デバイスに対して、リザーバ中への治療剤の挿入の前に、および患者への挿入の前に、流動試験を行うことができる。
これらの試験は、多様な作業用流体を利用することができるが、空気または窒素などの容易に利用可能な気体を用いる可能性が最も高い。今日まで、流動および圧減衰試験は、異なるフリットの特徴を同定するために用いられており、これは、化学的または薬理学的性能などの他の試験の結果と相関し得る。
固定(Fixturing)
上記の試験方法の各々は、試験標本と試験ハードウェアとの機械的結合を用い得、多数の技術が開発され使用されてきている。これらの固定手段は、標本を確実に固定する手段(熱回収チューブ、伸縮チューブ、相対的に強固な成分中への圧入など)およびカップリングの手段(ルアー、かかりのついた固定具、急速継ぎ手カップリングなど)の両方のものであって、試験ハードウェアへの便利かつ繰り返しの結合を可能にするものを含む。
試験ハードウェア
所望の試験の各々は、市販のソリューションを用いて開発しても、容易に利用可能な器具を集積して特注の試験配置を作製することにより開発してもよい。やはり、これらのアプローチのいずれも、評価されている。作動するシステムは、試験標本、制御可能なソース(通常は圧力であるがこれに限定されない)、圧力計(または他の圧力測定デバイス)および1または2以上のトランスデューサー(圧力、流動など)を結合するための手段からなり、試験条件を測定する、および/またはさらなる分析のためのデータを集めるために用いられる。
例17A.治療薬送達デバイスによる使用のために好適な多孔構造を同定するための減衰圧試験
図28は、本明細書において記載される態様による治療用デバイスによる使用のために好適な多孔質フリット構造を同定するために、多孔構造に関して用いるための圧減衰試験および試験装置を示す。
圧減衰試験の一方法は、図28において模式的に示すハードウェアにより行った。初期の圧力は、シリンジ、圧縮空気、圧縮窒素などの外部ソースにより、システムに適用される。圧力計は、単純にソースのゲージ圧を、または標本にかかる実際の差圧を表示するように構成することができる。固定された標本の一方の側は、通常、雰囲気に対して解放されており、試験されているフリットの特性により決定される速度において減衰する圧力を造り出している。瞬間的な圧力は、圧力トランスデューサーにより測定することができ、これは、シグナルを変換してデータ取得モジュール(DAQ)に供給し、これがデータをコンピューターに移動する。圧力低下の速度を、次いで記録して、他のフリットの性能または受容性の要求/仕様との比較のために用いることができる。この比較は、所与の時間における圧力を肉眼で比較することにより、または出力された減衰圧曲線を直接的に比較することにより、行うことができる。
例示的な試験手順は、システムを、圧力計により表示される400mmHgよりも少し高くまで加圧する。コンピューターおよびDAQは、圧力が400mmHgより低く低下するとデータ取得を開始するように構成され、データポイントは、約109秒毎に取られる。試験は、任意の時点で停止することができるが、減衰圧データの経過に沿った標準的な慎重なポイントは、適合する流動性能(例えば、400mmHg〜300mmHg、および400mmHg〜200mmHgの減衰のための時間)の直接比較が可能となるように選択される。
例17B.治療薬送達デバイスによる使用のために好適な多孔構造を同定するための減衰圧試験。
図29は、本明細書において記載される態様による治療用デバイスによる使用のために好適な多孔質フリット構造を同定するための、多孔構造による使用のために好適な圧力流試験および試験装置を示す。
類似のハードウェアの設定を用いて、試験標本のフロースルーもまた特徴づけることができる。この試験において、ソースの圧力は、既知の圧力に一定に調節されており、作業用流体の流動は、質量流量計を流通して、次いで固定された試験フリットを流通することを可能にする。減衰圧試験におけるもののように、フリットの具体的な特徴は、作業用流体がシステムを流通する速度を決定する。さらなる正確性のために、背圧を制御するために、およびしたがって標本にかかる圧力低下を制御するために、固定された試験フリットの他に開放端における圧力を、調節することができる。
流動試験は、その方法の瞬間的な性質に起因して、減衰圧試験に対して利点を有し得る。圧力が低下するのを待つよりも、むしろ試料のフロースルーは迅速に安定化する筈であり、これが、多数の試料の試験を迅速な様式において行うことを可能にする。
例示的な試験手順において、調節された圧縮シリンダーは、システムに、30psigの一定のソース圧力、および1psigの一定の背圧を供給する。試験流体は、特徴的な速度(これは、圧力に依存的であるが、10〜500sccmの範囲であることが予想される)において試験フリットを通って流動し、これは質量流量計により測定される。
例17C:気体の流動に基づく治療的放出速度の決定
表7は、多孔構造を通しての酸素または窒素などの気体の流動に基づいて治療剤の放出、例えばRRIを決定するために用いることができる表を示す。多孔構造を通しての流動は、多孔構造にかかる流動速度について、本明細書において記載される多孔質フリット構造にかかる圧力低下による、気圧の減衰時間により測定することができる。流動速度およびRRIは、例えばMott Corp.から入手される市販の媒質グレードの材料などの材料の媒質グレードに基づいて決定することができる。治療剤を、多孔構造または類似の試験分子を通して、測定することができる。最初の測定は、示される多孔質フリット構造を通してのAvastin(商標)についてのRRIを測定した。本明細書において記載される教示に従って、当業者は、治療剤の放出速度に対する、気体による流動速度の対応を実験的に決定する実験を行うことができる。
表7
上記の部分的に埋められた表は、収集することができる適合するデータの量および性質を示す。以下を可能にするために、幾つかの形態の非破壊試験(すなわち薬物放出試験ではないもの)を用いることが企図される:
a)フリットの検査的試験を受けるQC
b)最終デバイス組み立て試験のQC
当業者は、1または2以上の「流動(flow)」試験および実際の薬物放出試験との間の相関を示すことができ、これは、強制的な気体の流動ではなくむしろ拡散に依存する。データは、フリットの流動試験は、信頼することができ、かつ予想と一致し得ることを示唆する。
予備的試験はまた、フリット単独についての試験は、組み立てられたデバイスとしてのフリットに実質的に類似し得ることを示す。
本明細書において記載される任意の構造および構造の組み合わせまたは方法の工程もしくは成分またはそれらの組み合わせは、本明細書において記載される態様により、当業者の知識および本明細書において記載される教示に基づいて、組み合わせることができる。さらに、本明細書において記載される任意の構造および構造の組み合わせまたは方法の工程もしくは成分またはそれらの組み合わせは、本明細書において記載される態様により、当業者の知識および本明細書において記載される教示に基づいて、任意の態様から特に除外することができる。
例として理解の明確性のために例示的態様を幾らかの詳細において説明したが、当業者は、多様な改変、適応および変更を使用することができることを理解するであろう。したがって、本発明の範囲は、添付の請求の範囲によってのみ、限定されるべきである。

Claims (74)

  1. 強膜および硝子体液を有する眼を処置する方法であって、
    第1の治療剤の第1の治療的量を眼の硝子体液へ送達すること、ここで、第1の治療剤は、第1の長時間にわたり有効である;および
    第2の治療剤の第2の治療的量を眼の硝子体液へ送達すること、ここで、第2の治療剤は、第2の長時間にわたり有効である、
    を含む、前記方法。
  2. 第1の治療剤が、抗腫瘍剤を含み、第1の長時間にわたり有効であり、第2の治療剤が、COX阻害剤、LOX阻害剤、TNF阻害剤または抗ヒスタミン剤の1または2以上を含む、請求項1の方法。
  3. 第1の治療剤が第1の長時間にわたり有効な血管増殖阻害剤を含み、第2の治療剤が第2の長時間にわたり有効な炎症応答阻害剤を含む、請求項1の方法。
  4. 血管増殖阻害剤がVEGF阻害剤の1または2以上を含む、請求項3の方法。
  5. 炎症応答阻害剤がシクロオキシゲナーゼ(以下「COX」)阻害剤を含む、請求項3の方法。
  6. COX阻害剤が、サリチル酸誘導体、プロピオン酸誘導体、酢酸誘導体、およびエノール酸(以下「Oxicam」)誘導体、フェナム酸誘導体、選択的COX-2阻害剤(以下「Coxibs」)の1または2以上を含む、請求項5の方法。
  7. 炎症応答阻害剤がプロピオン酸誘導体を含み、ここでプロピオン酸阻害剤が、イブプロフェン、ナプロキセン、フェノプロフェン、ケトプロフェン、フルルビプロフェンまたはオキサプロジンの1または2以上を含む、請求項6の方法。
  8. 炎症応答阻害剤が酢酸誘導体を含み、ここで、前記酢酸誘導体が、インドメタシン、スリンダク、エトドラク、ジクロフェナクまたはナブメトンの1または2以上を含む、請求項6の方法。
  9. 炎症応答阻害剤がエノール酸(以下「Oxicam」)誘導体を含み、ここで、前記エノール酸誘導体が、ピロキシカム、メロキシカム、テノキシカム、ドロキシカム、ロルノキシカム、またはイソキシカムの1または2以上を含む、請求項6の方法。
  10. 炎症応答阻害剤がフェナム酸誘導体を含み、ここで、前記フェナム酸誘導体が、メフェナム酸、メクロフェナム酸、フルフェナム酸またはトルフェナム酸の1または2以上を含む、請求項6の方法。
  11. 炎症応答阻害剤が選択的COX-2阻害剤(以下「Coxibs」)を含み、ここで、前記選択的COX-2阻害剤が、セレコキシブ、ロフェコキシブ、バルデコキシブ、パレコキシブ、ルミラコキシブまたはエトリコキシブの1または2以上を含む、請求項6の方法。
  12. 第1の治療剤が眼の硝子体液中へ注入される、請求項3の方法。
  13. 第2の治療剤が眼の硝子体液中へ注入される、請求項3の方法。
  14. 容器を硝子体液および強膜と連結するために、少なくとも部分的に強膜を通して容器を導入すること、
    をさらに含む、請求項3の方法。
  15. 請求項14の方法であって、第1の治療剤は、容器が硝子体液および強膜に連結されるときに、容器のチャンバー中へ注入され、ここで、前記容器は、第1の治療剤の第1の治療的量をチャンバーから硝子体液中へ第1の長時間にわたり放出するための多孔構造および容積により構成される、前記方法。
  16. 容器が硝子体液および強膜に連結されるときに第2の治療剤が容器のチャンバーへ注入される、請求項14の方法。
  17. 第1の治療剤がVEGF阻害剤を含み、第2の治療剤がシクロオキシゲナーゼ阻害剤を含む、請求項15の方法。
  18. シクロオキシゲナーゼ阻害剤は、第2の治療剤を長時間にわたり放出するために容器に連結した固体を含む、請求項17の方法。
  19. 固体のシクロオキシゲナーゼ阻害剤は、容器のチャンバー内に配置され、多孔構造を通して放出される、請求項18の方法。
  20. 固体のシクロオキシゲナーゼ阻害剤は、容器の第2のチャンバー内に配置され、第2の多孔構造を通して放出される、請求項18の方法。
  21. 第2のチャンバーが第1のチャンバーから分離している、請求項20の方法。
  22. 第1の治療剤が第1の多孔構造および第2の多孔構造を通過して硝子体液に到達するように、第2のチャンバーは、第1の多孔構造により第1のチャンバーに連結し、第2の多孔構造により硝子体に連結される、請求項20の方法。
  23. 固体のシクロオキシゲナーゼ阻害剤は、チャンバーから離れて配置され、硝子体液と連結している、請求項18の方法。
  24. 容器は、第1の治療剤の治療的量を硝子体液中に第1の長時間にわたり放出するように構成される、請求項14の方法。
  25. 請求項1の方法であって、第1の治療剤は、第1の長時間にわたり有効な血管増殖阻害剤を含み、ここで、第2の治療剤は、第2の長時間にわたり有効なリポキシゲナーゼ経路(以下「LOX」)阻害剤を含む、前記方法。
  26. LOX阻害剤が5-LOX阻害剤を含む、請求項25の方法。
  27. 第1の治療剤は、第1の長時間にわたり有効な血管増殖阻害剤を含み、第2の治療剤は、第2の長時間にわたり有効な抗線維化剤を含む、請求項1の方法。
  28. 第1の治療剤は、第1の長時間にわたり有効な血管増殖阻害剤を含み、第2の治療剤は、第2の長時間にわたり有効な腫瘍壊死因子(以下「TNF」)阻害剤を含む、請求項1の方法。
  29. TNF阻害剤が、第2の長時間にわたり有効なペントキシフィリンを含む、請求項28の方法。
  30. 第1の治療剤は、第1の長時間にわたり有効な血管増殖阻害剤を含み、第2の治療剤は、第2の長時間にわたり有効な二重COX/LOX阻害剤を含む、請求項1の方法。
  31. 二重COX/LOX阻害剤がリコフェロンを含む、請求項30の方法。
  32. 第1の治療剤は、第1の長時間にわたり有効な血管増殖阻害剤を含み、第2の治療剤は、抗ヒスタミン剤を含む、請求項1の方法。
  33. 抗ヒスタミン剤がアゼラスチンを含む、請求項30の方法。
  34. 抗ヒスタミン剤がH1受容体アンタゴニストを含む、請求項30の方法。
  35. H1受容体アンタゴニストは、クレマスチン、ジフェンヒドラミン(ベネドリル)、ドキシラミン、ロラタジン、デスロラタジン、フェキソフェナジン、フェニラミン、セチリジン、エバスチン、プロメタジン、クロルフェニラミン、レボセチリジン、オロパタジン、クエチアピン、メクリジン、ジメンヒドリナート、エンブラミン、ジメチンデンまたはデスクロルフェニラミンの1または2以上を含む、請求項34の方法。
  36. 抗ヒスタミン剤がH2受容体アンタゴニストを含む、請求項30の方法。
  37. H2受容体アンタゴニストが、シメチジン、ファモチジン、ラニチジン、ニザチジン、ロキサチジン、ラフチジンの1または2以上を含む、請求項36の方法。
  38. 抗ヒスタミン剤がH3受容体アンタゴニストを含む、請求項30の方法。
  39. H3受容体アンタゴニストが、A-349,821、ABT-239、シプロキシファン、クロベンプロピットまたはチオペラミドの1または2以上を含む、請求項38の方法。
  40. 抗ヒスタミン剤が、H4受容体アンタゴニストを含む、請求項30の方法。
  41. H4受容体アンタゴニストが、チオペラミド、JNJ 7777120またはVUF-6002の1または2以上を含む、請求項40の方法。
  42. 強膜および硝子体液を有する眼を処置する装置であって:
    強膜に連結するように構成され、第1の治療剤を保持するための第1の容器を備える、治療用デバイスであって、前記第1の容器は、治療用デバイスが眼中に挿入された場合に第2の治療剤の治療的量を硝子体液中へ第2の長時間にわたり放出するための容器内に第2の治療剤を有する、前記治療用デバイス、
    を備える、前記装置。
  43. 強膜および硝子体液を有する眼を処置する装置であって:
    強膜に連結するように構成され、第1の治療剤を保持するための第1の容器および第2の治療剤を保持するための第2の容器を備える、治療用デバイスであって、前記第1の容器は、前記第1の治療剤の第1の治療的量を硝子体液中へ第1の長時間にわたり放出するように構成され、前記第2の容器は、前記第2の治療剤の第2の治療的量を硝子体液中へ第2の長時間にわたり放出するように構成される、前記治療用デバイス、
    を備える、前記装置。
  44. 強膜および硝子体液を有する眼を処置する装置であって:
    強膜に連結して第1の治療剤を保持するように構成された第1の容器を備える、第1の治療用デバイスであって、前記第1の容器は、第1の治療剤の第1の治療的量を硝子体液中へ第1の長時間にわたり放出するように構成される、前記第1の治療用デバイス;および
    強膜に連結して第2の治療剤を保持するように構成された第2の容器を備える、第2の治療用デバイスであって、前記第2の容器は、第2の治療剤の第2の治療的量を硝子体液中へ第2の長時間にわたり放出するように構成される、前記第2の治療用デバイス、
    を備える、前記装置。
  45. 第1の治療用デバイスおよび第2の治療用デバイスが、各々、強膜に連結するための、毛様体扁平部に沿って伸長する切開に適合するサイズの長円形の断面を有する部分を備える、請求項44のいずれかの装置。
  46. 第1の治療剤はVEGF阻害剤を含み、第2の治療剤はCOX阻害剤を含む、請求項42、43または44のいずれか1項の装置。
  47. 治療用デバイスが、第1の治療剤の注入を受ける第1のチャンバーを備え、前記第1のチャンバーは、第1の治療剤を含み、該第1の治療剤の治療的量を第1の放出速度プロフィールにより第1の長時間にわたり放出するための第1の多孔構造に連結する、請求項46の装置。
  48. COX阻害剤が、治療剤を第2の放出速度プロフィールにより第2の長時間にわたり放出するために、非水溶性COX阻害剤を含む、請求項47の装置。
  49. 非水溶性COX阻害剤に対する第2のチャンバー、および、前記非水溶性COX阻害剤を第2の多孔構造を通して放出するための、前記第2のチャンバーに連結する第2の多孔構造をさらに備える、請求項48の装置。
  50. 第1のチャンバーは第1の多孔構造により第2のチャンバーに連結され、前記第1の多孔構造は第1の放出速度指標を有し、第2の多孔構造は第2の放出速度指標を有し、ここで、第1の治療剤の放出速度プロフィールが実質的に前記第1の放出速度指標に基づいて決定され、第2の治療剤の放出速度プロフィールが実質的に前記第2の放出速度指標に基づいて決定されるように、前記第1の放出速度指標は前記第2の放出速度指標より小さい、請求項49の装置。
  51. 患者を処置するための治療用デバイスであって:
    治療剤の治療的量を長期間にわたり放出するための手段
    を備える、前記治療用デバイス。
  52. 第1および第2の治療剤を含む持続的薬物送達処方物であって、ここで、前記第1および第2の治療剤は、請求項42〜51のいずれか1項の少なくとも1つの装置/治療用デバイス中のリザーバ中に含まれ/配置され、前記第1および第2の治療剤のうち少なくとも1つは、移植された場合にリザーバ内での半減期を有し、前記リザーバ内での半減期は、眼の硝子体中に直接注入された場合の前記第1および第2の治療剤の少なくとも1つの対応する半減期よりも実質的に長い、前記持続的薬物送達処方物。
  53. リザーバ容積と、所望の有効な半減期を達成するために適切な放出速度指数を有する多孔構造との選択により、デバイスを構成することができる、請求項52の処方物。
  54. 放出速度指数が約0.01〜約5である、請求項53の処方物。
  55. 第1の治療剤がVEGF阻害剤であり、第2の治療剤が炎症応答阻害剤である、請求項52の処方物。
  56. VEGF阻害剤が、ラニビズマブ、ベバシズマブおよびアフリベルセプト(商標)からなる群より選択される、請求項55の処方物。
  57. VEGF阻害剤がラニビズマブである、請求項56の処方物。
  58. 炎症応答阻害剤が、ピロキシカム、メロキシカム、テノキシカム、ドロキシカム、ロルノキシカム、イソキシカム、メフェナム酸、メクロフェナム酸、フルフェナム酸およびトルフェナム酸からなる群より選択される、請求項55の処方物。
  59. 炎症応答阻害剤が、シクロオキシゲナーゼ(COX)阻害剤、リポキシゲナーゼ(LOX)阻害剤および腫瘍壊死因子(TNF)からなる群より選択される、請求項55の処方物。
  60. COX阻害剤が、セレコキシブ、バルデコキシブ、ロフェコキシブ、パレコキシブ、ルミラコキシブ、エトリコキシブ、アスピリン、イブプロフェン、ナプロキセン、フェノプロフェン、ケトプロフェン、フルルビプロフェン、オキサプロジン、インドメタシン、スリンダク、エトドラク、ジクロフェナク、ナブメトン、メロキシカム、ケトロラック、フルルビプロフェン、ブロムフェナク、ネパフェナクおよびアンフェナクからなる群より選択される、請求項59の処方物。
  61. LOX阻害剤が、アゼラスチンおよびジロートンからなる群より選択される、請求項59の処方物。
  62. TNFが、ブプロピオン、ペントキシフィリン、インフリキシマブ、アダリムマブおよびエタネルセプトからなる群より選択される、請求項59の処方物。
  63. 第1の治療剤の濃度が約40mg/mlよりも高い、請求項57の処方物。
  64. 第1の治療剤の濃度が約50mg/ml〜約300mg/mlである、請求項63の処方物。
  65. 第1の治療剤の濃度が 約100mg/ml〜約250mg/mlである、請求項64の処方物。
  66. 第1の治療剤の濃度が 約150mg/ml〜約200mg/mlである、請求項65の処方物。
  67. 第1の治療剤の量が、約50mgよりも多い、請求項57の処方物。
  68. 第1または第2の治療剤の少なくとも1つは、治療的投与量未満において投与される、請求項52の処方物。
  69. 第1または第2の治療剤の少なくとも1つは、ミセル中に含まれる/配置される、請求項52の処方物。
  70. 第1および第2の治療剤のうち少なくとも1つは、眼から洗い流すことができる固体基質または高分子上への吸着により安定化される、請求項52の処方物。
  71. 第1および第2の治療剤が、1つの装置/治療用デバイス中に含まれる/配置される、請求項52の処方物。
  72. 第1の治療剤は第1の装置/治療用デバイス中に含まれ/配置され、第2の治療剤は第2の装置/治療用デバイス中に含まれる/配置される、請求項52の処方物。
  73. 第1および第2の治療剤が同時に投与される、請求項52の処方物。
  74. 第1および第2の治療剤が連続的に投与される、請求項52の処方物。
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