JP2013536792A - クロロシランに富む混合物からのモノシランの分離方法 - Google Patents

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Abstract

モノシラン及びクロロシランを含む混合物から、モノシランを分離する方法であって、a)混合物を、高沸点クロロシランに富む凝縮液から低沸点クロロシラン含有モノシランを分離するために、冷却器(3)に導入すること、b)前記高沸点凝縮液を、前述の冷却器(3)に接続された凝縮液バッファ(19)中に凝縮液供給管(8)によって集めること、c)高沸点クロロシランに富む凝縮液を、前述の凝縮液バッファ(19)から、クロロシラン吸収装置(20)の上部に接続された還流液供給管(7)上に設置した過冷却装置(21)中に送ること、d)低沸点クロロシラン含有モノシランを、モノシランを分離するために、前述のクロロシラン吸収装置(20)に供給すること、e)モノシランに富むガスを、前述のクロロシラン吸収装置(20)の上部から抽出することを含む方法。

Description

本発明は、クロロシランに富む混合物からのモノシランの分離方法に関する。特に、前記方法は、モノシランを連続的に製造する方法の下流であり、モノシランの需要が、例えば、高純度を有するシリコンのエピタキシーの原料として、また太陽電池向け非晶質シリコンの原料として最近増加している。
公知のモノシラン製造方法は、触媒としての第三級アミン塩酸塩の存在において、水素化した塩化ケイ素例えばトリクロロシランを不均化する(disproportionating)ことによりモノシランガスを製造する方法である(JP−B−64−3804およびJP−B−63−33422)。
さらに、別の公知方法は、反応塔(reaction column)中に固体触媒を充填し、その中でジクロロシランを不均化することによりモノシランガスを製造する方法である(JP2,648,615)。しかし、モノシランへの変換反応が平衡反応なので、これまで平衡変換比が10%〜18%で必ずしも高いとは限らず、また所望の生産量を達成するには大型の装置が必要であった。
別の公知方法は、原料としてのトリクロロシランおよびジクロロシランからモノシランを大量生産(同一の反応性能を有する装置の使用における1時間当り生産量)して、容易かつ効率的にモノシランを連続的に製造する方法である。EP2085358は、反応塔、反応塔の頂部に直列に接続された還流液供給管をそれぞれが有する複数の上部冷却器(upper condensers)、反応塔の底部リボイラー、ならびに反応塔の底部に接続された蒸発槽を備えるモノシラン製造装置によって、モノシランを連続的に製造する方法を開示している。この方法は、トリクロロシランおよびジクロロシランの少なくとも1種を反応塔の中間段に供給すること、触媒として第三級脂肪族炭化水素置換アミンおよび第三級脂肪族炭化水素置換アミン塩酸塩の少なくとも1種を反応塔の上段に供給すること、モノシラン、モノクロロシラン、ジクロロシランおよびトリクロロシランを含有する得られた混合物を、反応塔の頂部から複数の上部冷却器に導入すること、上部冷却器において50℃〜−50℃の温度でモノクロロシラン、ジクロロシランおよびトリクロロシランを含有する凝縮液(condensate)からモノシランを分離すること、モノシランを分離した後、還流液供給管を通って反応塔の上段に凝縮液を再循環すること、凝縮液を反応塔内の触媒と接触させること、テトラクロロシランおよび触媒を含有する底部回収液を反応塔の底部から抜き出すこと、底部回収液を蒸発槽中に導入すること、ならびに蒸発槽の底部から回収した触媒を反応塔に再循環することを含む。
この資料によれば、50℃〜−50℃の温度における凝縮液は、そのそれぞれが反応塔の頂部に直列に接続された還流液供給管を有する上部冷却器によって反応塔に還流される。還流液供給管を有する上部冷却器の数は、少なくとも2台である。所望の生成物としてのモノシランの生産量(モル基準1時間当り生産量)は、冷却器の数によって決まるが、例えば、あまり多数の冷却器を使用しても、モノシランの生産量が低下する。したがって、この種の方法において、これを主な不利点とすることができよう。
その上、互いに隣接する上部冷却器の凝縮液間の温度差が、還流液供給管を有する上部冷却器の数に従っておよそ決定される。反応塔の頂部から(i+1)番目の上部冷却器(iは、少なくとも1の整数)の凝縮液の温度をTiとし、(i+1)番目の上部冷却器の凝縮液の温度をTi+1とし、かつ上部冷却器の数を2〜5台とする場合、温度差は、上部冷却器の特定の数に応じて、好ましくはTi−Ti+1≧10℃の範囲、より好ましくは15℃〜100℃の範囲において決まる。
さらに、上部冷却器の数を3または4台とする場合、温度差は、上部冷却器の特定の数に応じて、好ましくはTi−Ti+1≧15℃の範囲において決まり、より好ましくは20℃〜60℃の範囲において決まる。上部冷却器間の温度差があまりに小さいと、モノシラン、モノクロロシラン、ジクロロシランおよびトリクロロシランを含有する混合物からの分離効率またはモノシランの収率が低下する恐れがあり、あるいはモノクロロシラン、ジクロロシランおよびトリクロロシランの回収効率が低下する恐れがあるであろう。したがって、この方法は、実行するのに非常に困難であり、また種々のパラメーター(冷却器の台数、それぞれの冷却器中の温度...)を決定するのに間違いを起こし易いと理解される。
さらに、上述の方法に比べて、冷却電力(refrigeration power)を低減する方法を実行する必要がある。
したがって、本発明は、この問題の解決、すなわち上述の方法の不利点を取り除くこと、および冷却電力の低減について改善することを目的としている。
本発明は、少なくともモノシラン、モノクロロシラン、ジクロロシランおよびトリクロロシランを含む混合物から、モノシランを分離する方法であって、
a)前記混合物を、高沸点(higher-boiling)クロロシランに富む凝縮液から低沸点(lower-boiling)クロロシラン含有モノシランを分離するため、冷却器に導入すること、
b)前記高沸点凝縮液を、前述の冷却器に接続された凝縮液バッファ(buffer)中に凝縮液供給管によって集めること、
c)高沸点クロロシランに富む凝縮液を、前述の凝縮液バッファから、クロロシラン吸収装置(chlorosilane absorber)の上部に接続された還流液供給管上に設置した、過冷却装置(subcooler)中に送ること、
d)前述の低沸点クロロシラン含有モノシランを、モノシランを分離するために、前述のクロロシラン吸収装置に供給すること、
e)モノシランに富むガスを、前述のクロロシラン吸収装置の上部から抽出すること
を含む方法において、
この方法の間、1台の冷却器だけが使用されることを特徴とする方法にある。
高沸点とは、冷却水温度で凝縮可能である沸騰温度を意味する。
低沸点とは、冷却水温度で凝縮可能ではない沸騰温度を意味する。
吸収装置の上部とは、吸収装置の底部から半分を超える高さの領域を意味する。
モノシランに富むガスとは、60モル%を超えるモノシランを含有するガス状混合物を意味する。
本発明の他の態様は次の通りである:
− 上に規定した方法は、
f):純粋なモノシランガスを、クロロシラン吸収装置の下流の蒸留塔から抽出するステップを含む。
純粋なモノシランガスは、80%を超えるモノシランを含んでいるガスである。
− 上に規定した方法において、ステップc)は、高沸点クロロシランに富む凝縮液を、冷媒(refrigerant)によって過冷却し、かつ還流液として前述のクロロシラン吸収装置の上部に供給することを含む。
− 上に規定した方法において、冷媒が、前述の高沸点クロロシランに富む凝縮液を、−100℃〜20℃を占める温度まで冷却する。このような冷媒は、例えば、塩水(Brine)(例えば臭化リチウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム)、クロロフルオロカーボン(普通フレオンと呼ばれる)、アンモニア、炭化水素、および不凍剤溶液(例えばエチレングリコール水溶液)などから選択される。20℃を超える温度では、前述のクロロシラン吸収装置における吸収工程が非効率的になり、また−100℃未満の温度ではヒドロクロロシランが固化する危険を有する。
− 上に規定した方法において、前記混合物は、
a)モノクロロシラン(MCS)、ジクロロシラン(DCS)、トリクロロシラン(TCS)およびテトラクロロシラン(STC)を含む、50モル%を超える混合物と、
b)0.1〜40モル%のモノシランと
を含む。
− 上に規定した方法において、吸収装置から抽出された前記モノシランに富むガスが、60モル%を超えるモノシランを含む。
− 上に規定した方法において、ステップd)の間、前述の吸収装置におけるモノシランの分離は、蒸留である。
− 上に規定した方法は、
g)前述のクロロシラン吸収装置の底部から、再循環されるクロロシラン凝縮液を抽出することを含む。
− 上に規定した方法において、少なくともモノシラン、モノクロロシラン、ジクロロシランおよびトリクロロシランを含む処理される前記混合物は、反応塔、反応塔の底部リボイラー、および反応塔の底部に接続された蒸発槽を含む製造装置によって前記混合物を製造するステップを含む方法のおかげで製造される;この方法は、トリクロロシランおよびジクロロシランの少なくとも1種を反応塔に(または本発明の前述の過冷却装置に、もしくは前述のクロロシラン吸収装置に、も可能である)供給すること、触媒として第三級脂肪族炭化水素置換アミンおよび第三級脂肪族炭化水素置換アミン塩酸塩の少なくとも1種を反応塔の上段に供給することを含む。
− 上に規定した方法は、
− ステップg)の間に抽出した凝縮液を、反応塔内の触媒と接触させるステップと、
− テトラクロロシランおよび触媒を含有する底部回収液を、反応塔の底部から抜き出すステップと、
− この底部回収液を蒸発槽中に導入するステップと、
− 蒸発槽の底部から回収した触媒を、反応塔の上段に再循環するステップと
を含む。
クロロシランに富む混合物とは、次の2つの条件:モノクロロシラン(MCS)、ジクロロシラン(DCS)、トリクロロシラン(TCS)およびテトラクロロシラン(STC)の合計含量が50モル%を超えることと、モノシランの合計含量が0.1〜40モル%であることとを満たす混合物を意味する。
本発明の方法は、モノシランを含有する、クロロシランに富む混合物を製造する方法であって、
反応塔、反応塔の底部リボイラー、および反応塔の底部に接続された蒸発槽を含む製造装置によって、モノシランを含有する、クロロシランに富む混合物を製造するステップを含み、トリクロロシランおよびジクロロシランの少なくとも1種を反応塔に供給すること、触媒として第三級脂肪族炭化水素置換アミンおよび第三級脂肪族炭化水素置換アミン塩酸塩の少なくとも1種を反応塔の上段に供給することを含む方法
の下流で実行される。
別の態様によれば、本発明の方法は、
− ステップg)の間に抽出した凝縮液を、反応塔内の触媒と接触させるステップと、
− テトラクロロシランおよび触媒を含有する底部回収液を、反応塔の底部から抜き出すステップと、
− この底部回収液を蒸発槽中に導入するステップと、
− 蒸発槽の底部から回収した触媒を、反応塔に再循環するステップと
を含む。
使用される原料は、トリクロロシランおよびジクロロシランの少なくとも1種である。ジクロロシランの量は、トリクロロシランおよびジクロロシランの合計量に対して、好ましくは2〜100モル%、より好ましくは5〜55モル%である。この量が2モル%未満である場合、モノシランの生産性が改善されない恐れもある。ジクロロシランの量は、経済的観点からせいぜい55モル%の範囲にあることがより好ましい。
使用される触媒は、第三級脂肪族炭化水素置換アミンおよび第三級脂肪族炭化水素置換アミン塩酸塩の少なくとも1種である。式R123N(A)およびR123NH+Cl-(B)によって表される化合物が、それぞれ第三級脂肪族炭化水素置換アミン、および第三級脂肪族炭化水素置換アミン塩酸塩のために適当に使用される。
式(A)および(B)において、それぞれのR1、R2およびR3は脂肪族炭化水素基であり、それぞれのR1、R2およびR3の炭素数は少なくとも2個であり、またR1、R2およびR3は、同一または異なっていてもよい。
第三級脂肪族炭化水素置換アミンは、例えば、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−ブチルアミンなどであってもよい。上式(A)および(B)において、それぞれの脂肪族炭化水素基の炭素数は、好ましくは少なくとも2個、より好ましくは6〜15個である。脂肪族炭化水素基の炭素数が2個未満である場合、この触媒は、トリクロロシランと接触して固体になる可能性があるかも知れない。触媒が固体になると、平滑かつ連続的運転において障害を招くような、反応塔のトレイ、充填などにおける詰まりの原因になるかも知れない。
本発明において、上述の触媒が適用され、トリクロロシラン/ジクロロシランと接触させると、それにより下記の不均化反応式(1)、(2)および(3)に従って、ジクロロシラン、モノクロロシランおよびモノシランを形成する。
Figure 2013536792
なかんずく、98〜50モル%、特に好ましくは98〜60モル%の第三級脂肪族炭化水素置換アミン、および2〜50モル%、特に好ましくは2〜40モル%の第三級脂肪族炭化水素置換アミン塩酸塩を使用することが好ましい。
後者の割合が2モル%未満である場合、触媒活性が低い;この割合が40モル%を超える場合、反応中に塩酸が放出され、それにより以下の反応が進行し、モノシランが効率的に生成されない。
Figure 2013536792
反応塔は、蒸留塔型の1種であり、適当に使用される反応塔は、多孔板塔(sieve tray)、泡鐘(bubble cap)トレイなどで仕切られた段塔(plate column)、または充填材料例えばラシヒリングもしくはポールリング(pall ring)を充填した充填塔としてもよい。モノシランの生成は、不均化反応による液相反応なので、反応塔は大きな液体ホールドアップ容量を有するものが好ましい。
反応塔内の温度分布のため反応温度も一定ではないが、例えば、10℃〜150℃、好ましくは30℃〜120℃の範囲において反応が行われる。反応温度が10℃未満である場合、反応温度が低過ぎて不均化反応が実質的に進行しない恐れがある。他方、温度が150℃を超える場合、触媒の熱分解が起きる可能性があり、これは望ましくない。反応は沸騰状態で好ましく行われるので、反応温度を上述の範囲内に保持するために、ゲージ圧は、好ましくは100kPaG〜1000kPaG、より好ましくは100kPaG〜500kPaGのレベルである。
底部の温度は底部リボイラーによって制御され、また反応塔に戻す必要のないテトラクロロシランは、底部から選択的に回収されることが好ましい。したがって、底部リボイラーの温度は好ましくは100℃〜150℃、より好ましくは90℃〜120℃である。
反応塔の頂部における反応によって形成される混合物は、モノクロロシラン、ジクロロシランおよびトリクロロシランであるクロロシラン、ならびにモノシランを含有する。本発明の方法は、クロロシラン吸収装置を提供することによってクロロシランに富むモノシランからモノシランを分離することを目的とするが、一方従来技術では上段の直列冷却器が採用されている。さらに、クロロシランに富む凝縮液(約40℃、現場で利用できる冷却水温度および上部冷却器の設計に応じて)は、還流冷却器内で、冷媒を使用することによって−100℃〜20℃、より好ましくは経済的観点から−60℃〜20℃を占める温度まで過冷却され、その還流液として前述の吸収塔の頂部に供給される。一方従来技術では、クロロシランに富む凝縮液は単に、蒸留塔または/および不均化反応のための反応器に送り返されるのみである。
従来技術では、冷却温度(−100℃〜20℃)周辺のモノシランおよびクロロシラン族ガス状混合物の凝縮液は、凝縮できないガスが存在するため、冷却器において熱伝達を阻害し、このため大型熱交換器が必要とされる。
本発明の利点は、熱伝達のこのような阻害が起きなかったことである。というのは、液相中の凝縮物が、液相中の冷媒によって過冷却され(液−液熱交換装置)、したがって熱伝達の阻害が全く起きなかったからである。
したがって、熱交換器の規模が、従来技術に比べてより小型である。
図1は本発明の方法において使用される装置の一例を示す概略図である。
トリクロロシランとジクロロシランとの混合物が、原料供給管4を通って反応塔1に供給される。反応塔1は、ステンレス鋼製の蒸留塔であり、それぞれのトレイは多孔板塔である。反応塔1の上方(上部トレイの上方の領域)に、独特の上部冷却器3があり、これは冷却水を供給することによって冷却することができる。反応塔1の下側部分に、底部リボイラー2が備えられている。
不均化反応、および蒸留による分離が、反応塔1内で同時に進行し、不均化反応において生成した低沸点成分例えばモノシランに富むガスが、上方に移動する。反応塔の頂部から排出される、モノシラン、モノクロロシラン、ジクロロシランおよびトリクロロシランを含む、結果として生じた混合物は、上部冷却器3に供給されて、冷却される(約40℃に)。ここで、クロロシランに富むモノシランが、クロロシラン凝縮液から分離される。クロロシランに富むモノシランは、管6を経て、再活性化蒸留塔1と純粋モノシラン蒸留塔22との間に設置されているクロロシラン吸収装置20の底部に送られる。この吸収装置20において、クロロシランに富むモノシランからのモノシランの分離があり、次いで塔22において、この塔22の下流で純粋なモノシラン(80モル%を超えるモノシランを含有する)を得るための蒸留がある。これが、純粋なモノシランガス(すなわち、100モル%のガスから、80モル%を超えるモノシランを含有する)を得る、本発明の方法の目的である。吸収装置20の底部にある管5のおかげで、吸収装置20からのクロロシラン凝縮液は、反応塔1の頂部に向かって再循環される。
上部凝縮液3内に限定された分離からのクロロシラン凝縮液は、凝縮液バッファ19内に集められ、そこでは、温度は約40℃である(現場で利用できる冷却水温度および上部冷却器3の設計に応じて)。このバッファ19の下流において、管7を経て、クロロシラン凝縮液は還流冷却器21に送られ、そこで凝縮液は、冷媒を使用することによって−100℃〜20℃を占める温度、例えば−10℃に過冷却され、その還流液として前述の吸収装置20の頂部23に供給される。一方従来技術では、クロロシランに富む凝縮液は単に、蒸留塔または/および不均化反応のための反応器に送り返されるのみである。本発明では、凝縮液が冷媒によって過冷却されるので(液−液熱交換器)、凝縮できないガスが存在するための熱伝達の阻害が全く起きない。
前記冷媒は、−100℃〜20℃、より好ましくは−60℃〜20℃の範囲にある過冷却温度によって選択される。例えば、塩水(例えば臭化リチウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム)、クロロフルオロカーボン(普通フレオンと呼ばれる)、アンモニア、炭化水素、および不凍剤溶液(例えばエチレングリコール水溶液)などである。
ガス吸収系(または吸収装置)は、ガス混合物の可溶性成分が液体中に溶解される単位操作である。吸収には、気相と液相を密接に接触させるための特別な設備を利用する。吸収操作は通常、中に段または充填エレメントなどの器具が置かれている垂直な円筒形のカラム内または塔内で行われる。ガスおよび液体は普通は向流で流れ、これらの器具が、物質移動が行われる境界面の接触および展開をもたらす役割を果たす。
反応塔1の頂部における反応から得られる高沸点成分例えばテトラクロロシランは、反応塔1の底部(最下トレイよりも下の領域)に移動し、触媒と一緒に底部リボイラー2から蒸発槽12へと抜き出され、この間その液体レベルが制御される。蒸発槽12は、攪拌機を取り付けたステンレス鋼の容器としてもよく、またそれにはジャケットが備えられる。熱媒がジャケット内を循環して、蒸発槽12を加熱する。蒸発槽12は、不均化反応によって形成されるテトラクロロシランの沸点を超える、かつ触媒の沸点未満である温度で操作される;テトラクロロシランおよび他のものは蒸発し、冷却水で冷却される下部冷却器13内に集められ、収集槽14中に回収される。蒸発槽12内に残っている触媒は、ポンプ11によって抜き出され、管24を経て反応塔1の上段に再循環される。この場合、触媒中の第三級脂肪族炭化水素置換アミン塩酸塩の濃度が所定の濃度未満であると、場合によって要求されてもよい塩化水素が、供給管15を通って供給される。
別の態様において、吸収装置20から反応塔1に戻るクロロシラン凝縮液の一部は、過冷却装置21でより多くの流量を過冷却させるバルブを通って凝縮液バッファ19に再循環されて戻り、クロロシラン吸収装置20に還流される。それにより、冷凍能力(refrigeration duty)が増大するが、吸収装置20を設計するのに温度差が狭すぎる場合、吸収装置における温度差を広げることができる。
別の態様において、トリクロロシランとジクロロシランとの供給混合物4は、クロロシラン凝縮液7と混合した後に、過冷却装置21に供給される。この供給混合物4は、普通は不飽和液体であり、飽和したクロロシラン凝縮液7よりも吸収容量が大きいので、それにより、過冷却温度レベルを軽減し、数度高くすることができる。
別の態様において、クロロシラン吸収装置20は、2つの部分に分割してもよい。それぞれ、トリクロロシランとジクロロシランとの供給混合物4は、第一の吸収装置20−aに供給され、一方クロロシラン凝縮液7は、第二の吸収装置20−bに供給される。これにより、これらの2台の吸収装置を並列で設置することが可能になり、したがって、設置高さを低くすることができる。この方法では、普通は全く異なる組成物濃度を有するクロロシラン凝縮液の2つの帰還ライン5−aおよび5−bが存在するので、帰還ライン5を上流工程とどのように接続するかについて柔軟性をもたらすであろう。
本発明の技術により、本発明者らは、従来技術の問題を解決した。
一方で、熱交換器ユニットの規模は、従来技術に比較してより小さくなり(EP2085358において記述されている方法の熱伝達面積と比較して1/10の熱伝達面積)、また他方で冷却のための電力消費量が10%〜60%低下している。
例えば、表1に詳述される条件において、本発明の方法は、冷却のための電力消費量の40%を超える低下をもたらしている。
Figure 2013536792
電力消費量は、冷却器3において10〜12kWeであり、また還流冷却器21において約25〜30kWeである。したがって、冷却のための合計電力消費量は、約35〜40kWeである。
同一条件において、吸収装置を有する還流冷却器ではなく、直列の上部冷却器が存在するEP2085358によって記述されている方法では、冷却のための合計電力消費量は、約70kWeである。
図1は本発明の方法において使用される装置の一例を示す概略図である。

Claims (10)

  1. 少なくともモノシラン、モノクロロシラン、ジクロロシランおよびトリクロロシランを含む混合物から、モノシランを分離する方法であって、
    a)前記混合物を、高沸点クロロシランに富む凝縮液から低沸点クロロシラン含有モノシランを分離するために、冷却器(3)に導入すること、
    b)前記高沸点凝縮液を、前述の冷却器(3)に接続された凝縮液バッファ(19)中に凝縮液供給管(8)によって集めること、
    c)高沸点クロロシランに富む凝縮液を、前述の凝縮液バッファ(19)から、クロロシラン吸収装置(20)の上部に接続された還流液供給管(7)上に設置した過冷却装置(21)中に送ること、
    d)前述の低沸点クロロシラン含有モノシランを、モノシランを分離するために、前述のクロロシラン吸収装置(20)に供給すること、
    e)モノシランに富むガスを、前述のクロロシラン吸収装置(20)の上部から抽出すること
    を含む方法において、
    前記方法の間、1台の冷却器(3)だけが使用されることを特徴とする方法。
  2. f):純粋なモノシランガスを、クロロシラン吸収装置(20)の下流の蒸留塔(22)から抽出する
    ステップを含む、請求項1に記載の方法。
  3. ステップc)が、高沸点クロロシランに富む凝縮液を、冷媒によって過冷却し、かつ還流液として前述のクロロシラン吸収装置(20)の上部に供給することを含む、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記冷媒が、塩水(臭化リチウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム)、クロロフルオロカーボン(普通フレオンと呼ばれる)、アンモニア、炭化水素、および不凍剤溶液(例えばエチレングリコール水溶液)から選択される、請求項3に記載の方法。
  5. 前記混合物が、
    モノクロロシラン(MCS)、ジクロロシラン(DCS)、トリクロロシラン(TCS)およびテトラクロロシラン(STC)を含む、50モル%を超える混合物と、
    0.1〜40モル%のモノシランと
    を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記モノシランに富むガスが、60モル%を超えるモノシランを含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. ステップd)の間の、前述の吸収装置(20)におけるモノシランの分離が蒸留である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. g)再循環されるクロロシラン凝縮液を、前述のクロロシラン吸収装置(20)の底部から抽出すること
    を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 少なくともモノシラン、モノクロロシラン、ジクロロシランおよびトリクロロシランを含む、処理しようとする前記混合物が、反応塔(1)、前記反応塔の底部リボイラー(2)、および前記反応塔の底部に接続された蒸発槽(12)を含む製造装置によって前記混合物を製造するステップを含む方法により製造され、前記方法が、トリクロロシランおよびジクロロシランの少なくとも1種を反応塔(1)に供給すること、触媒として第三級脂肪族炭化水素置換アミンおよび第三級脂肪族炭化水素置換アミン塩酸塩の少なくとも1種を、反応塔(1)の上段(24)に供給することを含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. ステップg)の間に抽出した凝縮液を、反応塔(1)内の触媒と接触させるステップと、
    テトラクロロシランおよび触媒を含有する底部回収液を、反応塔(1)の底部から抜き出すステップと、
    前記底部回収液を、蒸発槽(12)中に導入するステップと、
    蒸発槽(12)の底部分から回収した触媒を、反応塔(1)の上段(24)に再循環するステップと
    を含む、請求項8および9のいずれか1項に記載の方法。
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