JP2013526286A5 - - Google Patents
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本明細書において、単一細胞を置くことおよびフィーダー混合物の存在下におけるフィーダー細胞との共培養により実験動物由来のB細胞集団から得られた単一B細胞によって分泌されるモノクローナル抗体の少なくとも可変ドメインのアミノ酸配列を得るための方法を報告する。
発明の背景
モノクローナル抗体を分泌する細胞を得るためには、KoehlerおよびMilsteinによって開発されたハイブリドーマ技術が広く用いられている。しかし、ハイブリドーマ技術では、免疫化実験動物から得られたB細胞のごく一部のみが融合され、増殖され得るにすぎない。B細胞の供給源は一般的に、免疫化実験動物の脾臓などの臓器である。
モノクローナル抗体を分泌する細胞を得るためには、KoehlerおよびMilsteinによって開発されたハイブリドーマ技術が広く用いられている。しかし、ハイブリドーマ技術では、免疫化実験動物から得られたB細胞のごく一部のみが融合され、増殖され得るにすぎない。B細胞の供給源は一般的に、免疫化実験動物の脾臓などの臓器である。
Zublerらは、1984年に、モノクローナル抗体を分泌する細胞を得るための異なるアプローチを開発し始めた(例えば、Eur. J. Immunol. 14 (1984) 357-63 (非特許文献1), J. Exp. Med. 160 (1984) 1170-1183 (非特許文献2)を参照されたい)。そこでは、免疫化実験動物の血液からB細胞を採取し、フィーダー混合物を構成するサイトカインの存在下でこれをマウスEL-4 B5フィーダー細胞と共培養する。この方法論では、共培養の10〜12日後に、最大50 ng/mlまでの抗体を得ることができる。
Weitkamp, J-H.ら(J. Immunol. Meth. 275 (2003) 223-237 (非特許文献3))は、蛍光ウイルス様粒子を用いて選択された単一の抗原特異的B細胞からの、ロタウイルスに対する組換えヒトモノクローナル抗体の作製を報告している。複数の同族抗原に対する複数の単離された抗体を生成する方法は、US 2006/0051348 (特許文献1)において報告されている。WO 2008/144763 (特許文献2)およびWO 2008/045140 (特許文献3)では、IL-6に対する抗体およびその使用、ならびに抗原特異的B細胞のクローン集団を得るための培養法がそれぞれ報告されている。抗原特異的B細胞のクローン集団を得るための培養法は、US 2007/0269868 (特許文献4)において報告されている。Masriら(Mol. Immunol. 44 (2007) 2101-2106 (非特許文献4))は、炭疽毒素に対する単一のヒトリンパ球から得られた機能的Fab断片の大腸菌(E. coli)におけるクローニングおよび発現を報告している。免疫グロブリンライブラリーを調製するための方法は、WO 2007/ 031550 (特許文献5)において報告されている。
Zublerら、Eur. J. Immunol. 14 (1984) 357-63
Zublerら、J. Exp. Med. 160 (1984) 1170-1183
Weitkamp, J-H.ら、J. Immunol. Meth. 275 (2003) 223-237
Masriら、Mol. Immunol. 44 (2007) 2101-2106
本明細書において、B細胞集団から特異的性質を有するB細胞を単離するための方法を報告する。第一に、実験動物の最初の免疫化後の4週間以内に既に、誘導された抗体産生細胞を単離し、該抗体の結合特異性を決定することができる。第二に、以下の段階のいずれか1つにより、抗体産生細胞の数および/または質(例えば、抗体産生/分泌能)を強化することが可能である:1) プレインキュベーション段階、および/またはii) 遠心分離段階、および/またはiii) パニング段階。第三に、B細胞とフィーダー細胞の共培養に用いられるフィーダー混合物を、IL-21またはIL-6またはSACまたはBAFFの添加により改善することができる。
したがって、本明細書において、以下の段階を含む、B細胞を選択するための方法を1つの局面として報告する:
a) B細胞集団のB細胞を任意に標識する段階、
b) 単一細胞として置かれた、B細胞集団の各B細胞をフィーダー細胞と個々に共培養する段階、
c) 段階b)における、増殖しかつ抗体を分泌するB細胞クローンを選択する段階。
a) B細胞集団のB細胞を任意に標識する段階、
b) 単一細胞として置かれた、B細胞集団の各B細胞をフィーダー細胞と個々に共培養する段階、
c) 段階b)における、増殖しかつ抗体を分泌するB細胞クローンを選択する段階。
本明細書において、以下の段階を含む、B細胞クローンを得るための方法を1つの局面としてさらに報告する:
a) 実験動物からB細胞を採取する段階、
b) B細胞を標識する段階、
c) 標識されたB細胞を単一細胞として置く段階、
d) 単一細胞として置かれたB細胞をフィーダー細胞と個々に共培養する段階、
e) 段階d)における、増殖しかつ抗体を分泌するB細胞クローンを選択し、それによってB細胞クローンを得る段階。
a) 実験動物からB細胞を採取する段階、
b) B細胞を標識する段階、
c) 標識されたB細胞を単一細胞として置く段階、
d) 単一細胞として置かれたB細胞をフィーダー細胞と個々に共培養する段階、
e) 段階d)における、増殖しかつ抗体を分泌するB細胞クローンを選択し、それによってB細胞クローンを得る段階。
本明細書において、以下の段階を含む、標的抗原に特異的に結合する抗体を生成するための方法を別の局面として報告する:
a) B細胞集団の細胞を少なくとも1つの蛍光色素で任意に標識する段階、
b) 個々の容器に単一細胞として置かれた、B細胞集団の各B細胞をフィーダー細胞およびフィーダー混合物の存在下で培養して、個々のB細胞クローンおよび培養上清を得る段階、
c) 標的抗原に特異的に結合する抗体を産生するB細胞クローンを選択する段階、
d) 段階c)において選択されたB細胞クローンによって産生される、標的抗原に特異的に結合する抗体をコードする核酸、またはそのヒト化変種を含む細胞を培養し、細胞または培養上清から抗体を回収し、それによって抗体を生成する段階。
a) B細胞集団の細胞を少なくとも1つの蛍光色素で任意に標識する段階、
b) 個々の容器に単一細胞として置かれた、B細胞集団の各B細胞をフィーダー細胞およびフィーダー混合物の存在下で培養して、個々のB細胞クローンおよび培養上清を得る段階、
c) 標的抗原に特異的に結合する抗体を産生するB細胞クローンを選択する段階、
d) 段階c)において選択されたB細胞クローンによって産生される、標的抗原に特異的に結合する抗体をコードする核酸、またはそのヒト化変種を含む細胞を培養し、細胞または培養上清から抗体を回収し、それによって抗体を生成する段階。
1つの態様において、本方法は以下の段階の1つまたは複数を含む:
段階c)の後の:c1) 逆転写PCRにより、抗体の可変軽鎖ドメインおよび可変重鎖ドメインをコードする核酸配列を決定する段階、
段階c1)の後の:c2) 抗体の可変軽鎖ドメインおよび可変重鎖ドメインをコードする核酸配列を含む核酸を細胞にトランスフェクトする段階。
段階c)の後の:c1) 逆転写PCRにより、抗体の可変軽鎖ドメインおよび可変重鎖ドメインをコードする核酸配列を決定する段階、
段階c1)の後の:c2) 抗体の可変軽鎖ドメインおよび可変重鎖ドメインをコードする核酸配列を含む核酸を細胞にトランスフェクトする段階。
本明細書においてはまた、以下の段階を含む、抗体を生成するための方法を1つの局面として報告する:
a) (実験動物の血液から採取された)(成熟)B細胞集団を提供する段階、
b) B細胞集団の細胞を少なくとも1つの蛍光色素で(1つの態様においては、1つ〜3つまたは2つ〜3つの蛍光色素で)標識する段階、
c) 個々の容器(1つの態様においては、容器はマルチウェルプレートのウェルである)に、標識されたB細胞集団の単一細胞を置く段階、
d) 置かれた個々のB細胞をフィーダー細胞およびフィーダー混合物(1つの態様においてフィーダー細胞はEL-4 B5細胞であり、1つの態様においてフィーダー混合物は天然TSNであり、1つの態様においてフィーダー混合物は合成フィーダー混合物である)の存在下で培養する段階、
e) 個々のB細胞の培養液中に分泌された抗体の結合特異性を決定する段階、
f) 逆転写PCRおよびヌクレオチド配列決定により、特異的結合抗体の可変軽鎖および重鎖ドメインのアミノ酸配列を決定し、それによってモノクローナル抗体可変軽鎖および重鎖ドメインをコードする核酸を得る段階、
g) モノクローナル抗体可変軽鎖および重鎖可変ドメインをコードする核酸を、抗体発現用の発現カセットに導入する段階、
h) 該核酸を細胞に導入する段階、
i) 細胞を培養し、細胞または細胞培養上清から抗体を回収し、それによって抗体を生成する段階。
a) (実験動物の血液から採取された)(成熟)B細胞集団を提供する段階、
b) B細胞集団の細胞を少なくとも1つの蛍光色素で(1つの態様においては、1つ〜3つまたは2つ〜3つの蛍光色素で)標識する段階、
c) 個々の容器(1つの態様においては、容器はマルチウェルプレートのウェルである)に、標識されたB細胞集団の単一細胞を置く段階、
d) 置かれた個々のB細胞をフィーダー細胞およびフィーダー混合物(1つの態様においてフィーダー細胞はEL-4 B5細胞であり、1つの態様においてフィーダー混合物は天然TSNであり、1つの態様においてフィーダー混合物は合成フィーダー混合物である)の存在下で培養する段階、
e) 個々のB細胞の培養液中に分泌された抗体の結合特異性を決定する段階、
f) 逆転写PCRおよびヌクレオチド配列決定により、特異的結合抗体の可変軽鎖および重鎖ドメインのアミノ酸配列を決定し、それによってモノクローナル抗体可変軽鎖および重鎖ドメインをコードする核酸を得る段階、
g) モノクローナル抗体可変軽鎖および重鎖可変ドメインをコードする核酸を、抗体発現用の発現カセットに導入する段階、
h) 該核酸を細胞に導入する段階、
i) 細胞を培養し、細胞または細胞培養上清から抗体を回収し、それによって抗体を生成する段階。
本明細書において報告されるすべての局面の1つの態様において、本方法は、単一細胞を置く前に、B細胞集団を共培養培地中でインキュベートする段階を含む。1つの態様において、インキュベーションは約37℃で行われる。1つの態様において、インキュベーションは0.5〜2時間行われる。特定の態様において、インキュベーションは約1時間行われる。1つの態様において、インキュベーションは約37℃で約1時間行われる。
本明細書において報告されるすべての局面の1つの態様において、本方法は、共培養の前に、単一細胞として置かれたB細胞を遠心分離する段階を含む。1つの態様において、遠心分離は約1分〜約30分間行われる。特定の態様において、遠心分離は約5分間行われる。1つの態様において、遠心分離は約100×g〜約1,000×gで行われる。特定の態様において、遠心分離は約300×gで行われる。1つの態様において、遠心分離は約300×gで約5分間行われる。
本明細書において報告されるすべての局面の1つの態様において、本方法は標識段階の直前に以下の段階を含む:固定化抗原を用いてB細胞をパニングする段階。
本明細書において報告されるすべての局面の1つの態様において、B細胞集団は密度勾配遠心分離によって動物の血液から採取される。
本明細書において報告されるすべての局面の1つの態様において、B細胞集団は、免疫化後の4日後に実験動物の血液から採取される。別の態様において、B細胞集団は、免疫化の4日〜少なくとも9日後の実験動物の血液から採取される。さらなる態様において、B細胞集団は、免疫化の4日〜9日後の実験動物の血液から採取される。
本明細書において報告されるすべての局面の1つの態様において、B細胞集団は密度勾配遠心分離によって単離される。
本明細書において報告されるすべての局面の1つの態様において、B細胞は成熟B細胞である。
本明細書において報告されるすべての局面の1つの態様において、標識化は1つ〜3つの蛍光色素を用いて行われる。特定の態様において、標識化は2つまたは3つの蛍光色素を用いて行われる。
本明細書において報告されるすべての局面の1つの態様において、B細胞の標識化は、全B細胞集団の細胞の0.1%〜2.5%の標識化をもたらす。
本明細書において報告されるすべての局面の1つの態様において、B細胞はマウスB細胞またはハムスターB細胞またはウサギB細胞である。
本明細書において報告されるすべての局面の1つの態様において、単一細胞を置くことはマルチウェルプレートのウェル中で行われる。
本明細書において報告されるすべての局面の1つの態様において、フィーダー細胞はマウスEL-4 B5細胞である。
本明細書において報告されるすべての局面の1つの態様において、抗体はモノクローナル抗体である。
本明細書において報告されるすべての局面の1つの態様において、標識化は、IgG+CD19+ B細胞、IgG+CD38+ B細胞、IgG+CD268+ B細胞、IgG-CD138+ B細胞、CD27+CD138+ B細胞、またはCD3-CD27+ B細胞のものである。
本明細書において報告されるすべての局面の1つの態様において、B細胞はマウス起源のものであり、標識化はIgG+CD19+ B細胞および/またはIgG-CD138+ B細胞のものである。
本明細書において報告されるすべての局面の1つの態様において、B細胞はハムスター起源のものであり、標識化はIgG+IgM- B細胞のものである。
本明細書において報告されるすべての局面の1つの態様において、B細胞はウサギ起源のものであり、標識化はIgG+ B細胞および/もしくはCD138+ B細胞、またはCD138+IgG+ B細胞および/もしくはIgG+IgM- B細胞のものである。
本明細書において報告されるすべての局面の1つの態様において、共培養は、10%(v/v) FCS、ペニシリンおよびストレプトマイシンを含む1%(w/v)の200 mMグルタミン溶液、2%(v/v)の100 mMピルビン酸ナトリウム溶液、ならびに1%(v/v)の1 M 2-(4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジン)-エタンスルホンサン(HEPES)緩衝液を補充したRPMI 1640培地中で行われる。別の態様において、共培養培地は0.05 mMβメルカプトエタノールをさらに含む。
本明細書において報告されるすべての局面の1つの態様において、B細胞の共培養はフィーダー細胞およびフィーダー混合物と共に行われる。1つの態様において、フィーダー混合物は天然胸腺細胞培養上清(TSN)または合成フィーダー混合物である。
1つの特定の態様において、フィーダー混合物は合成フィーダー混合物である。1つの態様において、合成フィーダー混合物はインターロイキン1βおよび腫瘍壊死因子αを含む。1つの態様において、合成フィーダー混合物はインターロイキン2(IL-2)および/またはインターロイキン10(IL-10)を含む。1つの態様において、合成フィーダー混合物は黄色ブドウ球菌(Staphylocuccus aureus)株Cowans細胞(SAC)をさらに含む。1つの態様において、合成フィーダー混合物はインターロイキン21(IL-21)を含む。1つの態様において、合成フィーダー混合物は腫瘍壊死因子ファミリーのB細胞活性化因子(BAFF)を含む。1つの態様において、合成フィーダー混合物はインターロイキン-6(IL-6)を含む。1つの態様において、合成フィーダー混合物はインターロイキン4(IL-4)を含む。
1つの態様において、共培養は、フィーダー混合物としての胸腺細胞培養上清の存在下で行われる。特定の態様において、胸腺細胞培養上清は若年動物の胸腺の胸腺細胞から得られる。
1つの態様において、B細胞クローンを得るための方法は、
f) 逆転写PCRおよびヌクレオチド配列決定により、段階e)の選択されたB細胞クローンによって産生される抗体の可変軽鎖および重鎖ドメインのアミノ酸配列を決定し、それによってモノクローナル抗体アミノ酸可変ドメイン配列を得る段階
をさらに含む。
f) 逆転写PCRおよびヌクレオチド配列決定により、段階e)の選択されたB細胞クローンによって産生される抗体の可変軽鎖および重鎖ドメインのアミノ酸配列を決定し、それによってモノクローナル抗体アミノ酸可変ドメイン配列を得る段階
をさらに含む。
1つの態様において、実験動物はマウス、ハムスター、およびウサギより選択される。
発明の詳細な説明
本明細書において報告される方法により、個々のB細胞クローンから得られたモノクローナル抗体の結合特異性の迅速な特徴づけが可能になる、すなわち実験動物の最初の免疫化後の4週間以内に、誘導された抗体産生細胞を単離することができ、それらから産生された抗体の結合特異性を決定することができ、そのためにはB細胞共培養上清中の抗体量/濃度のために少なくとも4回の異なる実験が行われ得る。
本明細書において報告される方法により、個々のB細胞クローンから得られたモノクローナル抗体の結合特異性の迅速な特徴づけが可能になる、すなわち実験動物の最初の免疫化後の4週間以内に、誘導された抗体産生細胞を単離することができ、それらから産生された抗体の結合特異性を決定することができ、そのためにはB細胞共培養上清中の抗体量/濃度のために少なくとも4回の異なる実験が行われ得る。
免疫化:
多くの場合、抗体に基づく治療法を評価するための動物モデルとして、マウス、ウサギ、ハムスター、およびラットなどの非ヒト動物が用いられる。したがって、非ヒト動物抗原およびヒト抗原に結合する交差反応性抗体を提供することが必要である場合が多い。本明細書において報告される方法を用いて、交差反応性抗体を提供することができる。本明細書において報告される方法では、例えばマウス、ハムスター、およびウサギから採取されたB細胞を用いることができる。1つの態様において、マウスはNMRIマウスまたはbalb/cマウスである。別の態様において、ハムスターは、アルメニアンハムスター(タビキヌゲネズミ(Cricetulus migratorius))、チャイニーズハムスター(モンゴルキヌゲネズミ(Cricetulus griseus))、およびシリアンハムスター(ゴールデンハムスター(Mesocricetus auratus))より選択される。特定の態様において、ハムスターはアルメニアハムスターである。1つの態様において、ウサギは、ニュージーランドホワイト(NZW)ウサギ、ツィンマーマンウサギ(ZIKA)、Alicia変異株ウサギ、basilea変異株ウサギ、ヒト免疫グロブリン遺伝子座を有するトランスジェニックウサギ、rbIgMノックアウトウサギ、およびそれらの交雑種より選択される。
多くの場合、抗体に基づく治療法を評価するための動物モデルとして、マウス、ウサギ、ハムスター、およびラットなどの非ヒト動物が用いられる。したがって、非ヒト動物抗原およびヒト抗原に結合する交差反応性抗体を提供することが必要である場合が多い。本明細書において報告される方法を用いて、交差反応性抗体を提供することができる。本明細書において報告される方法では、例えばマウス、ハムスター、およびウサギから採取されたB細胞を用いることができる。1つの態様において、マウスはNMRIマウスまたはbalb/cマウスである。別の態様において、ハムスターは、アルメニアンハムスター(タビキヌゲネズミ(Cricetulus migratorius))、チャイニーズハムスター(モンゴルキヌゲネズミ(Cricetulus griseus))、およびシリアンハムスター(ゴールデンハムスター(Mesocricetus auratus))より選択される。特定の態様において、ハムスターはアルメニアハムスターである。1つの態様において、ウサギは、ニュージーランドホワイト(NZW)ウサギ、ツィンマーマンウサギ(ZIKA)、Alicia変異株ウサギ、basilea変異株ウサギ、ヒト免疫グロブリン遺伝子座を有するトランスジェニックウサギ、rbIgMノックアウトウサギ、およびそれらの交雑種より選択される。
1つの態様において、免疫化のために選択される実験動物、例えばマウス、ハムスター、およびウサギは12週齢以下である。
B細胞の供給源および単離:
実験動物の血液は、高度な多様性の抗体産生B細胞を提供する。そこから採取されたB細胞は、CDR内にほとんど同一ではないまたは重複しないアミノ酸配列を有する抗体を産生し、よって高度な多様性を示す。
実験動物の血液は、高度な多様性の抗体産生B細胞を提供する。そこから採取されたB細胞は、CDR内にほとんど同一ではないまたは重複しないアミノ酸配列を有する抗体を産生し、よって高度な多様性を示す。
1つの態様において、例えば血液に由来する実験動物のB細胞は、免疫化の4日後から免疫化または最も近い追加免疫化の少なくとも9日後までに採取される。この期間により、本明細書において報告される方法における高い適応性が可能になる。この期間中に、最も親和性の高い抗体を産生するB細胞が脾臓から血液に移動する可能性が高い(例えば、Paus, D., et al., JEM 203 (2006) 1081-1091;Smith, K.G.S., et al., The EMBO J. 16 (1997) 2996-3006;Wrammert, J., et al., Nature 453 (2008) 667-672を参照されたい)。
実験動物の血液由来のB細胞は、当業者に公知の任意の方法によって採取することができる。例えば、密度勾配遠心分離(DGC)または赤血球溶解(溶解)を用いることができる。密度勾配遠心分離は低張溶解と比較して、より高い全収率、すなわちB細胞クローン数を提供する。加えて、密度勾配遠心分離によって採取された細胞からは、共培養段階においてより多数の細胞が分裂し、増殖する。また、分泌された抗体の濃度は、異なる方法で採取された細胞と比較してより高い。したがって、1つの態様において、B細胞集団の提供は密度勾配遠心分離によって行われる。
共培養前の選択段階:
抗原と特異的に結合する抗体を産生するB細胞を、末梢血単核細胞(PBMC)から濃縮することができる。したがって、本明細書において報告されるすべての方法の1つの態様において、B細胞集団は末梢血単核細胞(PBMC)から濃縮される。
抗原と特異的に結合する抗体を産生するB細胞を、末梢血単核細胞(PBMC)から濃縮することができる。したがって、本明細書において報告されるすべての方法の1つの態様において、B細胞集団は末梢血単核細胞(PBMC)から濃縮される。
「特異的に結合する」という用語およびその文法的同等物は、抗体がその標的に10-7 M以下、1つの態様においては10-8 M〜10-13 M、さらなる態様においては10-9 M〜10-13 Mの解離定数(Kd)で結合することを意味する。本用語はさらに、抗体が、存在するその他の生体分子に特異的に結合しないこと、すなわち抗体が他の生体分子に10-6 M以上、1つの態様においては10-6 M〜1 Mの解離定数(Kd)で結合することを示すために用いられる。
本明細書において報告されるすべての方法の1つの態様では、PBMCからマクロファージを枯渇させる。このことは、共培養段階のために、以下に概説されるように、例えばウサギ起源のB細胞に関する1つの態様などの場合に有利である。
マクロファージは、細胞培養プレートの表面への接着によってPBMCから枯渇させることができる(プレインキュベーション段階を参照されたい)。
本明細書において報告される方法の1つの態様において、細胞はタンパク質免疫化動物に由来し、標識化の前にそこからマクロファージを枯渇させる。
単一細胞を置く前にB細胞集団を共培養培地中でインキュベートすることにより、実験動物の血液からB細胞集団を単離し、任意に濃縮した直後に単一細胞を置く場合と比較して、単一細胞を置いた後に得られる抗体分泌細胞の総数が増加することが見出された(ウサギの例、表2aおよび2bを参照されたい)。具体的には、インキュベーションは、例えば細胞培養インキュベーターを用いて、EL-4 B5培地中で約37℃で約1時間行われる。
本明細書において報告される方法の1つの態様において、細胞はタンパク質免疫化動物から採取され、そこからマクロファージを枯渇させる。
抗原と結合する抗体を産生しない細胞、または同様に抗原に結合する抗体を産生する細胞を、パニングアプローチを用いてそれぞれ減少させるまたは濃縮することができる。そこでは、結合パートナーが表面に結合して提示され、それに結合する細胞は、結合した細胞がさらに処理される場合には、細胞集団内で選択的に濃縮され、または溶液中に残存する細胞がさらに処理される場合には、細胞集団内で減少する。
本明細書において報告される方法は、1つの態様において、単一細胞を置く前に、特異的および/または非交差反応性抗体を産生するB細胞が細胞表面マーカーおよび蛍光活性化細胞選別/ゲーティングに基づいて選択される選択段階を含む。1つの態様において、成熟B細胞が選別/濃縮/選択される。異なる実験動物種からB細胞を選択するためには、異なる細胞表面マーカーを用いることができる。利用可能な細胞表面マーカーの多くは、個々にまたは組み合わせて、適切な標識化を提供しないことが見出されている。
非標的細胞集団および非特異的結合リンパ球を標識することにより、これらの細胞を選択的に枯渇させることが可能である。この枯渇段階では、完全ではない枯渇が達成され得るにすぎない。枯渇は定量的でないにもかかわらず、妨害細胞の数が減少し得るかまたはさらには最小限にされ得るために、これは残存細胞のその後の蛍光標識化において利点を提供する。以下に概説されるような標識化を用いた蛍光活性化細胞選別による成熟B細胞(記憶B細胞、親和性成熟形質芽球、および形質細胞)を単一細胞として置くことによって、共培養段階においてより多くの数のIgG+ウェル/細胞クローンを得ることができる。
「標識化」という用語は、特異的に結合しかつ標識された抗表面マーカー抗体の添加によって決定され得る表面マーカーの有無を意味する。したがって、表面マーカーの存在は、例えば蛍光標識の場合には蛍光の出現によって決定され、表面マーカーの非存在は、特異的に結合しかつ標識された各抗表面マーカー抗体とのインキュベーション後の蛍光の非存在によって決定される。
異なる細胞集団は、CD3+細胞(T細胞)、CD19+細胞(B細胞)、IgM+細胞(成熟ナイーブB細胞)、IgG+細胞(成熟B細胞)、CD38+細胞(例えば、形質芽球)、およびIgG+CD38+細胞(前形質細胞)などの異なる表面マーカーを用いることによって標識することができる。
本明細書において報告されるように、記憶B細胞、形質芽球、および形質細胞などの成熟IgG+ B細胞を選択するための免疫蛍光標識化が開発されている。B細胞の選択または濃縮のためには、細胞を単一標識するか、または二重標識するか、または三重標識する。全細胞集団のうちの約0.1%〜2.5%の標識細胞をもたらす標識化もまた必要である。1つの態様において、B細胞は、集団内のB細胞の0.1%〜2.5%、別の態様では集団のB細胞の0.3%〜1.5%、さらなる態様では集団のB細胞の0.5%〜1%上に存在する表面分子の標識化によって選択される単一細胞として置かれる。
PBMC集団内のIgG+ B細胞のうち、0.5%〜1%がIgG+CD19+細胞、IgG+CD38+細胞、およびIgG+CD268+細胞として二重標識され得る。したがって、本明細書において報告されるすべての方法の1つの態様では、IgG+CD19+ B細胞、IgG+CD38+ B細胞、またはIgG+CD268+ B細胞を単一細胞として置かれる。
PBMC集団内のIgG- B細胞のうち、0.5%〜1%がIgG-CD138+細胞として二重標識され得る。したがって、本明細書において報告されるすべての方法の1つの態様では、IgG-CD138+ B細胞を単一細胞として置かれる。
CD27+CD138+細胞またはCD3-CD27+細胞の標識化はそれぞれ、標識される細胞集団の細胞の約1.5%をもたらす。したがって、本明細書において報告されるすべての方法の1つの態様では、CD27+CD138+ B細胞またはCD3-CD27+ B細胞を単一細胞として置かれる。
PBMC集団内のIgG+ハムスターB細胞のうち、0.6%±0.1%がIgG+IgM-ハムスターB細胞として二重標識され得る。したがって、本明細書において報告されるすべての方法の1つの態様では、IgG+IgM-ハムスターB細胞を単一細胞として置かれる。
1つの態様では、免疫化動物から採取されたB細胞から、IgG-CD138+ B細胞を単一細胞として置く。本明細書において報告されるすべての方法の1つの態様では、非免疫化動物から採取されたB細胞から、IgG+CD19+ B細胞を単一細胞として置く。本明細書において報告されるすべての方法の別の態様では、非免疫化動物または免疫化動物から採取されたB細胞から、IgG+IgM- B細胞を単一細胞として置く。本明細書において報告されるすべての方法の1つの態様では、IgG+CD19+マウスB細胞を単一細胞として置く。この選択段階は、その後の共培養段階において、IgG+ウェルの収率向上またはさらには最高収率をもたらす。本明細書において報告されるすべての方法の別の態様では、IgG-CD138+マウスB細胞を単一細胞として置く。それと共に、第一には最大量のB細胞クローンを生じ、および第二には最高濃度のIgGを産生する細胞が選択される(表5を参照されたい)。本明細書において報告されるすべての方法の別の態様では、IgG+CD19+マウスB細胞およびIgG-CD138+マウスB細胞を単一細胞として置く。1つの特定の態様において、本方法は、細胞がウサギ起源のものである場合には、標識化はIgG+ B細胞および/またはCD138+ B細胞のものではないという条件付きである。
IgG+マウスB細胞は抗マウスIgG抗体227(Ab 227)で標識することができ、IgG+ハムスターB細胞は抗ハムスターIgG抗体213(AB 213)および/または抗ハムスターIgG抗体225(AB 225)で標識することができ、ウサギB細胞は抗IgG抗体184で標識することができる(表4を参照されたい)。
(表4)B細胞の免疫蛍光標識化‐本表は、マウスB細胞(A〜E)、ハムスターB細胞(F〜H)、およびウサギB細胞(I〜J)の集団の平均標識率を示す。
PE:フィコエリトリン
APC:アロフィコシアニン
FITC:フルオレセインイソチオシアネート
PE:フィコエリトリン
APC:アロフィコシアニン
FITC:フルオレセインイソチオシアネート
特異性が低いかまたは存在しないために、すべての市販抗体を標識段階に用いることができるわけではないことに留意されたい。
マウスB細胞は抗IgG抗体227で標識することができ、ハムスターB細胞は抗IgG抗体213で標識することができる。
IgG+CD19+マウスB細胞は抗体227および抗体218で標識することができ、IgG+IgM-マウスB細胞は抗体227および抗体219で標識することができ、IgG+IgM-ハムスターB細胞は抗体213および抗体224で標識することができ、IgG+ウサギB細胞は抗体184で標識することができ、IgG+IgM-ウサギB細胞は抗体184および抗体254およびSA263で標識することができ、IgG+CD138+ウサギB細胞は抗体259および抗体256で標識することができる。
マウスB細胞は、抗CD27抗体235または236(AB 235、AB 236)、抗CD38抗体192(AB 192)、抗CD138抗体233(AB 233)、および抗CD268抗体246(AB 246)で標識することができる。
(表5)成熟マウスB細胞(A〜J)、ハムスターB細胞(K)、およびウサギB細胞(L〜N)を決定するための免疫蛍光標識化。
A647:Alexa Fluor(登録商標) 647
FITC:フルオレセインイソチオシアネート
A647:Alexa Fluor(登録商標) 647
FITC:フルオレセインイソチオシアネート
1つの態様において、本方法は、B細胞集団からマクロファージを枯渇させ、標的抗原と特異的に結合する抗体を分泌するB細胞集団のB細胞を濃縮する段階を含む。
単一細胞を置くこと:
本明細書において報告される方法は、B細胞集団のB細胞を単一細胞として置く段階を含む。本明細書において報告されるすべての方法の1つの態様において、単一細胞として置くことは蛍光活性化細胞選別(FACS)によって行われる。FACSで単一細胞を置くことに必要な標識化は、前項において報告されるように行うことができる。
本明細書において報告される方法は、B細胞集団のB細胞を単一細胞として置く段階を含む。本明細書において報告されるすべての方法の1つの態様において、単一細胞として置くことは蛍光活性化細胞選別(FACS)によって行われる。FACSで単一細胞を置くことに必要な標識化は、前項において報告されるように行うことができる。
本明細書において報告されるすべての方法の1つの態様では、特異的に標識されたB細胞を単一細胞として置く。本明細書において報告されるすべての方法のさらなる態様において、標識化は蛍光標識抗体による細胞表面マーカーの標識化である。別の態様において、本明細書において報告される方法はモノクローナル抗体を提供する。本明細書において報告されるすべての方法の1つの態様では、成熟B細胞を単一細胞として置く。
単一細胞を置いた後かつ共培養前のさらなる遠心分離段階が、抗体分泌細胞数の増加をもたらし、かつ分泌されるIgGの量を増加させることもまた見出された(ヒト免疫グロブリン遺伝子座を有する実験動物例、表6を参照されたい)。
本明細書において報告されるすべての方法の1つの態様において、本方法は、共培養の前に、単一の置かれた細胞を遠心分離する段階を含む。1つの特定の態様において、遠心分離は300×gで5分間行われる。
共培養:
いくつかの付加的な段階が先行しておよびまた後続して、フィーダー細胞との共培養段階を行うことができる。
いくつかの付加的な段階が先行しておよびまた後続して、フィーダー細胞との共培養段階を行うことができる。
本明細書において報告されるすべての方法の1つの態様では、単一の置かれたB細胞をフィーダー混合物の存在下でフィーダー細胞と共培養する。特定の態様では、B細胞をマウスEL-4 B5フィーダー細胞と共培養する。上記に概説されるような適切な免疫蛍光標識化により、共培養段階における収率(IgG+ウェル/細胞クローンの数およびIgG濃度)の増加、およびまたPBMCからの成熟IgG+ B細胞の濃縮または単離が達成され得る。
新たに単離されたPBMCからのIgG+CD19+ B細胞および/またはIgG+CD38+ B細胞を単一細胞として置くことにより、最大数のIgG+ウェル/細胞クローンが得られ得る。マクロファージまたはKLH特異的細胞(キーホールリンペットヘモシアニン)の枯渇後のIgG+CD19+ B細胞、IgG+CD38+ B細胞、および/またはIgG-CD138+ B細胞を単一細胞として置くことにより、良好な結果が得られ得る。抗原特異的B細胞の枯渇後のIgG+CD19+ B細胞、IgG+CD38+ B細胞、および/またはIgG-CD138+ B細胞を単一細胞として置くことにより、改善された結果が得られ得る。したがって、本明細書において報告されるすべての方法の1つの態様では、IgG+CD19+ B細胞、IgG+CD38+ B細胞、および/またはIgG-CD138+ B細胞を単一細胞として置く。
上記に概説されるような標識化に基づく単一細胞を置くことは、最大率のIgG+ウェル/細胞クローン、および上清中に最高IgG濃度を有するウェル/細胞クローンをもたらすことが見出された。したがって、本明細書において報告されるすべての方法の1つの態様では、IgG+CD19+マウスB細胞および/またはIgG-CD138+マウスB細胞を単一細胞として置く。本明細書において報告されるすべての方法の1つの態様では、IgG+IgM-ハムスターB細胞を単一細胞として置く。本明細書において報告されるすべての方法の1つの態様では、IgG+ウサギB細胞および/またはIgG+CD138+ウサギB細胞および/またはCD138+ウサギB細胞および/またはIgG+IgM-ウサギB細胞を単一細胞として置く。
マウスB細胞については、各濃縮(enr.)段階および/または枯渇(depl.)段階後のIgG+CD19+細胞を単一細胞として置くことにより、共培養後の最大数のIgG+ウェル/細胞クローンが得られ得る。あるいは、IgG-CD138+細胞を単一細胞として置くことにより、上清中に最大IgG濃度を有するウェル/細胞クローンが得られ得る。IgG-CD138+細胞を単一細胞として置くことは、免疫化動物由来のB細胞に対して用いることができる。IgG+CD19+細胞を単一細胞として置くことは、非免疫化動物由来のB細胞に対して用いることができる。IgG+IgM-細胞を単一細胞として置くことは、免疫化動物および非免疫化動物のハムスターB細胞に対して用いることができる。IgG+ B細胞および/またはIgG+CD138+ B細胞および/またはCD138+ B細胞および/またはIgG+IgM- B細胞を単一細胞として置くことは、ウサギB細胞に対して用いることができる。
実験動物の血液から採取されたB細胞に対して用いられる免疫蛍光標識化はまた、マウス、ハムスター、およびウサギなどの実験動物の脾臓およびその他の免疫器官から採取されたB細胞の標識化に用いることもできる。マウスB細胞については、脾臓由来のIgG+ B細胞の割合は、IgG+CD19+細胞の0.4%に対して約0.8%である。ハムスターB細胞については、それぞれの数は1.9%および0.5% IgG+IgM-細胞である。ウサギ血液由来B細胞については、マクロファージの枯渇後に0.2%のIgG+細胞が見出された。マクロファージの枯渇後に、ウサギ由来のパイエル板は0.4%のIgG+細胞を示し、脾臓は0.3%のIgG+細胞を示した。
本明細書において報告される方法により、共培養の約7日後に、すなわち5日、6日、7日、または8日後に、特に7日または8日後に、約30 ng/mlから最大15μg/mlまでまたはそれ以上の抗体濃度が得られ得る(平均値約500 ng/ml)。例えば結合特異性に関して、より詳細に抗体を特徴づけるために、それによって提供される抗体量を用いて、多数の異なる解析を行うことができる。スクリーニング/選択過程のこの初期段階における抗体の特徴づけの改善により、行うべき必要な核酸単離および配列決定反応の回数を減らすことが可能である。加えて、B細胞クローンは、縮重PCRプライマーの使用を可能にする一定量の、モノクローナル軽鎖および重鎖可変領域をコードするmRNAを提供し、それによって高度に特異的なプライマーの必要性がなくなる。また、必要なPCRサイクル数も減少する。したがって、1つの態様において、逆転写PCRは、軽鎖および重鎖可変ドメイン用の縮重PCRプライマーを用いて行われる。
本明細書において報告されるすべての方法の1つの態様において、フィーダー混合物は胸腺細胞培養上清である。特定の態様において、胸腺細胞培養上清は各若年動物の胸腺の胸腺細胞から得られる。血液成体動物からの胸腺細胞の単離と比較して、若年動物の胸腺を用いることが特に適している。「若年動物」という用語は、性成熟が起こる前の動物を意味する。若年ハムスターは、例えば6週齢未満、特に4週齢未満のものである。若年マウスは、例えば8週齢未満、特に5週齢未満のものである。
培養胸腺細胞の上清(胸腺細胞培養上清‐TSN)に由来するフィーダー混合物の起源に起因して、相当なバッチ間の変動が起こる。この変動性を克服するために、合成成分からなる合成フィーダー混合物が開発された。Tucci, A., et al., J. Immunol. 148 (1992) 2778-2784により、IL-1β(インターロイキン1β)、TNFα(腫瘍壊死因子α)、IL-2(インターロイキン2)、およびIL-10(インターロイキン10)からなるフィーダー混合物が知られている。
単一の置かれたB細胞とフィーダー細胞の共培養のための合成フィーダー混合物を本明細書において報告する。各B細胞クローンによる分泌抗体の量を増加させるための合成フィーダー混合物用のB細胞種特異的添加物もまた、本明細書において報告する。同時に、高産生細胞はより多くのmRNAを含み、次にこれにより、例えば重複非特異的プライマーセットを用いたコード核酸の逆転写および配列決定が容易になる。
SAC(黄色ブドウ球菌株Cowans細胞、単一のSACロットを使用した)の添加により、共培養後の抗体分泌B細胞の数および上清中の平均IgG濃度を増加させることができる。共培養におけるSACの添加については、SAC濃度の低下および上昇により、分泌抗体の量が減少するため、濃度範囲が規定され得ることが見出された。
(表8a)SACを添加してまたは添加せずに、EL-4 B5フィーダー細胞およびフィーダー混合物としてのTSNと共培養した、ヒトIgG遺伝子座を有する実験動物または野生型ウサギ(NZW)から採取されたB細胞の細胞培養上清のhuCk ELISA(huCk=ヒトCκ)またはrbIgG ELISAの結果。
1:20000〜1:150000のSAC比がIgG+ウェル/細胞クローンの数の増加を提供し、1:50000〜1:100000の比率が最大数を示すことが理解され得る。1つの態様において、培養液に添加するSACの量は、希釈系列を提供し、添加したSACが最大数のIgG陽性ウェル/細胞クローンを提供する希釈を決定することによって決定される。
フィーダー混合物へのSACの添加により、単一の置かれたB細胞のみが増殖において利点を有し、一方で共培養にPBL(例えば、B細胞および内因性T細胞)混合物を用いた場合にはB細胞増殖が阻害されるというように、B細胞の共培養が驚くべきことに変化することが観察された。
(表8b)SACを添加して、EL-4 B5フィーダー細胞およびフィーダー混合物としてのTSNと共培養したPBLおよび単一の置かれたB細胞の細胞培養上清のhuCk ELISAまたはrbIgG ELISAの結果。
*マクロファージが枯渇
*マクロファージが枯渇
異なるフィーダー混合物を用いて得られたさらなるデータを以下の表9および10に示す。
本明細書において報告されるすべての方法の1つの態様において、B細胞の共培養のための合成フィーダー混合物は、IL-1β、TNFα、IL-2、IL-10、およびIL-21(インターロイキン21)を含む。本明細書において報告されるすべての方法の1つの態様において、B細胞の共培養のための合成フィーダー混合物は、IL-1β、TNFα、IL-2、IL-10、およびSACを含む。1つの特定の態様において、IL-1β、TNFα、IL-2、IL-10、およびIL-21は、組換えマウスIL-1β、マウスTNFα、マウスIL-2、マウスIL-10、およびマウスIL-21である。
本明細書において報告されるすべての方法の1つの態様において、マウスB細胞の共培養のための合成フィーダー混合物は、IL-1β、IL-2、IL-10、TNF-α、およびBAFFを含む。1つの特定の態様において、BAFFは5 ng/mlの濃度で添加される。
本明細書において報告されるすべての方法の1つの態様において、ハムスタースB細胞の共培養のための合成フィーダー混合物は、IL-1β、IL-2、IL-10、TNF-α、IL-6、およびSACを含む。1つの特定の態様において、IL-6は10 ng/mlの濃度で添加される。1つの特定の態様において、SACは1:75,000比で添加される。
IL-2なし、IL-10なし、ならびにIL-2およびIL-10なしでのフィーダー細胞とマウスB細胞の共培養は、IgG濃度が低下するにもかかわらず、IgG+ウェルの収率の増加をもたらす。TNFαなしでは、IgG濃度がやはり低下する。IL-1βなしでは、上清中にIgGが認められない。
それぞれIL-2なしまたはIL-10なしでのハムスターB細胞の共培養は、検出可能なIgG濃度を有するIgG+ウェルをもたらす。これと比較して、IL-2およびIL-10なしでの共培養は、B細胞増殖がほとんど検出され得ない。TNF-αまたはIL-1βの非存在下では、IgG分泌は検出され得ない。
EL-4 B5フィーダー細胞の存在下において、マウス、ハムスター、およびウサギB細胞の共培養には少なくともIL-1βおよびTNFαが必要である。マウス細胞の共培養には、IL-2およびIL-10を省略することができる。ハムスターB細胞は、IL-2またはIL-10のいずれかの非存在下で培養することができる。ウサギB細胞は、IL-2またはIL-10またはIL-6のいずれかの非存在下で培養することができる。
マウスおよびハムスターB細胞については、フィーダー混合物へのIL-4の添加により、IgG+ウェル/細胞クローンの数および上清中のIgG濃度が増加する。したがって、本明細書において報告されるすべての方法の1つの態様において、マウスまたはハムスターB細胞の共培養のためのフィーダー混合物はIL-4を含む。
マウスB細胞またはハムスターB細胞の共培養のためのフィーダー混合物へのIL-6の添加は、それぞれIgG+ウェル/細胞クローンの数の増加またはIgG濃度の上昇をもたらす。したがって、本明細書において報告されるすべての方法の1つの態様において、マウスB細胞またはハムスターB細胞の共培養のためのフィーダー混合物はIL-6を含む。1つの特定の態様において、IL-6は50 ng/mlの濃度で添加される。1つの特定の態様において、高いIgG濃度が必要である場合には、IL-6は10 ng/mlの濃度で添加される。1つの特定の態様において、IL-6の添加は、選択されたB細胞とIL-4 B5細胞の共培養の3日後に行われる。
本明細書において報告される1つの局面は、IL-1β、TNFα、IL-10、ならびにIL-21、SAC、BAFF、IL-2、IL-4、およびIL-6より選択される1つまたは複数を含む、B細胞とフィーダー細胞の共培養のための合成フィーダー混合物である。
本明細書において報告される1つの局面は、IL-1β、TNFα、IL-2、IL-10、およびSACを含む、B細胞とフィーダー細胞の共培養のための合成フィーダー混合物である。
本明細書において報告される1つの局面は、IL-1β、TNFαからなり、任意にIL-21および/またはSACおよび/またはBAFFおよび/またはIL-6を含む、マウスB細胞とフィーダー細胞の共培養のための合成フィーダー混合物である。
本明細書において報告される1つの局面は、IL-1β、IL-2、IL-10、TNF-α、およびBAFFを含む、マウスB細胞とフィーダー細胞の共培養のための合成フィーダー混合物である。
本明細書において報告される1つの局面は、IL-1β、TNFα、IL-2、IL-10、およびIL-6を含む、マウスまたはハムスターB細胞とフィーダー細胞の共培養のための合成フィーダー混合物である。
本明細書において報告される1つの局面は、IL-1β、TNFα、およびIL-2またはIL-10からなり、任意にIL-21および/またはSACおよび/またはBAFFを含む、ハムスターB細胞とフィーダー細胞の共培養のための合成フィーダー混合物である。
本明細書において報告される1つの局面は、IL-1β、IL-2、IL-10、TNF-α、IL-6、およびSACを含む、ハムスターB細胞とフィーダー細胞の共培養のための合成フィーダー混合物である。
本明細書において報告される1つの局面は、IL-1β、TNFα、IL-10、およびIL-6を含む、ウサギB細胞とフィーダー細胞の共培養のための合成フィーダー混合物である。
本明細書において報告される1つの局面は、IL-1β、TNFα、IL-10、IL-6またはIL-2、およびSACを含む、ウサギB細胞とフィーダー細胞の共培養のための合成フィーダー混合物である。
1つの特定の態様において、IL-1β、TNFα、IL-2、IL-10、およびIL-21は、組換えマウスIL-1β、マウスTNFα、マウスIL-2、マウスIL-10、およびマウスIL-21である。
1つの特定の態様において、BAFFは5 ng/mlの濃度で添加される。
1つの特定の態様において、IL-6は10 ng/mlの濃度で添加される。
1つの特定の態様において、SACは1:75,000比で添加される。
1つの特定の態様において、フィーダー細胞はマウスEL-4 B5細胞である。
ある種のカリウムチャネルの阻害剤(=PAP-1,5-(4-フェノキシブトキシ)ソラレン)の添加により、驚くべきことに、B細胞クローンの数が減少することなく、濃度依存的様式でB細胞のrbIgG分泌が増加する。通常は、rbIgG生産性を誘導したサイトカインは、B細胞クローンの総数の減少と相関し得る。これはPAP-1には当てはまらなかった。
(表11)TSNおよびSAC(=w/o)ならびに異なる濃度のPAP-1の存在下でEL-4 B5フィーダー細胞と共培養したB細胞の細胞培養上清のrbIgG ELISAの結果。DMSO:PAP-1の溶媒(1μM)。
7.5%のTSN濃度で、上清中の最高IgG濃度が得られ得る。
96ウェルプレートのウェル当たり30,000個のフィーダー細胞を用いて、上清中のIgG濃度と併せてIgG+ウェルの最大数が得られ得る。本明細書において報告されるすべての方法の1つの態様において、単一の置かれたB細胞当たりのフィーダー細胞の数は約30,000個である。
共培養は、本明細書において報告されるすべての方法の1つの態様において、丸底を有するウェルを備えたポリスチレンマルチウェルプレート中で行われる。ウェルの作業容積は、本明細書において報告されるすべての方法の1つの態様において、50μl〜250μlである。1つの特定の態様において、ウェルは、ポリマープラスチック樹脂と両親媒性分子の混合物から調製された非繊維性基材で少なくとも部分的にコーティングされ、両親媒性分子は親水性部分および疎水性部分を含み、疎水性領域は該基材内に固定され、親水性部分は該基材上に露出している。1つの特定の態様において、両親媒性分子は、エトキシ化アルキルアミン、ポリ(エチレンイミン)、オクチルデカミン、またはそれらの混合物より選択される(例えば、EP 1 860 181を参照されたい)。
共培養した細胞の特徴づけ:
共培養後の分泌されたIgGの(定性的および定量的)測定には、一般的に、ELISAなどの当業者に公知のすべての方法を用いることができる。本明細書において報告されるすべての方法の1つの態様では、ELISAが用いられる。マウスB細胞によって分泌されたIgGの測定に関する1つの特定の態様では、抗IgG抗体AB 216(捕獲抗体)およびAB 215(トレーサー抗体)によるELISAが用いられる。ハムスターB細胞によって分泌されたIgGの測定に関する1つの特定の態様では、モノクローナル抗体AB 220(捕獲抗体)およびAB 213(トレーサー抗体)によるELISAが用いられる。
共培養後の分泌されたIgGの(定性的および定量的)測定には、一般的に、ELISAなどの当業者に公知のすべての方法を用いることができる。本明細書において報告されるすべての方法の1つの態様では、ELISAが用いられる。マウスB細胞によって分泌されたIgGの測定に関する1つの特定の態様では、抗IgG抗体AB 216(捕獲抗体)およびAB 215(トレーサー抗体)によるELISAが用いられる。ハムスターB細胞によって分泌されたIgGの測定に関する1つの特定の態様では、モノクローナル抗体AB 220(捕獲抗体)およびAB 213(トレーサー抗体)によるELISAが用いられる。
特徴づけの結果に応じて、B細胞クローンを得ること、すなわち選択することができる。「クローン」という用語は、単一のB細胞から生じる/起こる、分裂しかつ抗体を分泌するB細胞の集団を意味する。したがって、B細胞クローンはモノクローナル抗体を産生する。
mRNAの単離、クローニング、および配列決定:
B細胞から全mRNAを単離し、cDNAに転写することができる。特異的プライマーを用いて、同族のVH領域およびVL領域コード核酸を増幅することができる。それと共に得られた核酸の配列決定により、ほとんどの場合に(71〜95%)、得られた抗体がモノクローナル抗体であることが確認された。個々のB細胞の配列決定から、同一の配列がほとんど得られないこともまた理解され得る。したがって、本方法は、同一抗原に結合する高度に多様な抗体を提供する。
B細胞から全mRNAを単離し、cDNAに転写することができる。特異的プライマーを用いて、同族のVH領域およびVL領域コード核酸を増幅することができる。それと共に得られた核酸の配列決定により、ほとんどの場合に(71〜95%)、得られた抗体がモノクローナル抗体であることが確認された。個々のB細胞の配列決定から、同一の配列がほとんど得られないこともまた理解され得る。したがって、本方法は、同一抗原に結合する高度に多様な抗体を提供する。
VHコード核酸を増幅するために用いられるプライマーは、NMRIマウス、アルメニアンハムスター、Balb/cマウス、ならびにシリアンハムスターおよびウサギに由来する細胞から得られたcDNAに用いることができる。
本明細書において報告されるすべての方法の1つの態様において、アミノ酸配列は増幅されたVHコード核酸から導かれ、正確な開始点および終点は、EVQL/QVQL〜VSS(VH領域)およびDIVM/DIQM〜KLEIK(VL領域)のアミノ酸配列を位置づけることによって同定される。
「抗体」という用語は、免疫グロブリン遺伝子によって実質的にコードされる1つまたは複数のポリペプチド鎖からなるタンパク質を意味する。認識されている免疫グロブリン遺伝子には、異なる定常領域遺伝子および無数の免疫グロブリン可変領域遺伝子が含まれる。免疫グロブリンは、例えば、Fv、Fab、およびF(ab)2、ならびに一本鎖(scFv)、ダイアボディ(diabody)、一価、二価、三価、または四価形態、およびまた二重特異性、三重特異性、または四重特異性形態を含む種々の形式で存在し得る(例えば、Huston, J.S., et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85 (1988) 5879-5883;Bird, R.E., et al., Science 242 (1988) 423-426;一般的には、Hood et al., Immunology, Benjamin N.Y., 2nd edition (1984);およびHunkapiller, T. and Hood, L., Nature 323 (1986) 15-16を参照されたい)。
本明細書においてはまた、以下の段階を含む、抗体を生成するための方法を報告する:
a) (実験動物の血液から採取された)(成熟)B細胞集団を提供する段階、
b) B細胞集団の細胞を少なくとも1つの蛍光色素で(1つの態様においては、1つ〜3つまたは2つ〜3つの蛍光色素で)染色する段階、
c) 個々の容器(1つの態様においては、容器はマルチウェルプレートのウェルである)に、染色されたB細胞集団の単一細胞を置く段階、
d) 置かれた個々のB細胞をフィーダー細胞およびフィーダー混合物(1つの態様においてフィーダー細胞はEL-4 B5細胞であり、1つの態様においてフィーダー混合物は天然TSNであり、1つの態様においてフィーダー混合物は合成フィーダー混合物である)の存在下で培養する段階、
e) 個々のB細胞の培養中に分泌された抗体の結合特異性を決定する段階、
f) 逆転写PCRおよびヌクレオチド配列決定により、特異的結合抗体の可変軽鎖および重鎖ドメインのアミノ酸配列を決定し、それによってモノクローナル抗体可変軽鎖および重鎖ドメインをコードする核酸を得る段階、
g) モノクローナル抗体軽鎖および重鎖可変ドメインをコードする核酸を、抗体発現用の発現カセットに導入する段階、
h) 該核酸を細胞に導入する段階、
i) 細胞を培養し、細胞または細胞培養上清から抗体を回収し、それによって抗体を生成する段階。
a) (実験動物の血液から採取された)(成熟)B細胞集団を提供する段階、
b) B細胞集団の細胞を少なくとも1つの蛍光色素で(1つの態様においては、1つ〜3つまたは2つ〜3つの蛍光色素で)染色する段階、
c) 個々の容器(1つの態様においては、容器はマルチウェルプレートのウェルである)に、染色されたB細胞集団の単一細胞を置く段階、
d) 置かれた個々のB細胞をフィーダー細胞およびフィーダー混合物(1つの態様においてフィーダー細胞はEL-4 B5細胞であり、1つの態様においてフィーダー混合物は天然TSNであり、1つの態様においてフィーダー混合物は合成フィーダー混合物である)の存在下で培養する段階、
e) 個々のB細胞の培養中に分泌された抗体の結合特異性を決定する段階、
f) 逆転写PCRおよびヌクレオチド配列決定により、特異的結合抗体の可変軽鎖および重鎖ドメインのアミノ酸配列を決定し、それによってモノクローナル抗体可変軽鎖および重鎖ドメインをコードする核酸を得る段階、
g) モノクローナル抗体軽鎖および重鎖可変ドメインをコードする核酸を、抗体発現用の発現カセットに導入する段階、
h) 該核酸を細胞に導入する段階、
i) 細胞を培養し、細胞または細胞培養上清から抗体を回収し、それによって抗体を生成する段階。
「発現カセット」とは、プロモーターおよびポリアデニル化部位などの、少なくとも含まれている核酸を細胞内で発現させるために必要な調節エレメントを含む構築物を指す。
「実験動物」という用語は、非ヒト哺乳動物を意味する。1つの態様において、実験動物は、ラット、マウス、ハムスター、ウサギ、非ヒト霊長類、ヒツジ、イヌ、ウシ、ニワトリ、両生類、および爬虫類より選択される。
以下の実施例は本発明の理解を助けるために提供され、その真の範囲は添付の特許請求の範囲に記載されている。本発明の精神から逸脱することなく、記載の手順において変更がなされ得ることが理解される。
実施例1
培地および緩衝液:
ELISA用のブロッキング緩衝液は、1×PBSおよび1% BSAを含む。
培地および緩衝液:
ELISA用のブロッキング緩衝液は、1×PBSおよび1% BSAを含む。
ELISA用のコーティング緩衝液は4.29 g Na2CO3* 10 H2Oおよび2.93 g NaHCO3を含み、1リットルの最終量になるように水を添加し、2 N HClでpH 9.6に調整する。
RNA単離用のエタノール溶液は、70%エタノールまたは80%エタノールを含む。
免疫蛍光染色用のFACS緩衝液は、1×PBSおよび0.1% BSAを含む。
ELISA用のIMDM緩衝液は、1×PBS、5% IMDM、および0.5% BSAを含む。
ELISA用のインキュベーション緩衝液1は、1×PBS、0.5% CroteinCを含む。
ELISA用のインキュベーション緩衝液2は、1×PBS、0.5% CroteinC、および0.02% Tween 20を含む。
ELISA用のインキュベーション緩衝液3は、1×PBS、0.1% BSAを含む。
ELISA用のインキュベーション緩衝液4は、1×PBS、0.5% BSA、0.05% Tween、PBS(10×)、0.01 M KH2PO4、0.1 M Na2HPO4、1.37 M NaCl、0.027 M KCl、pH 7.0を含む。
PCR緩衝液は、500 mM KCl、15 mM MgCl2、100 mM Tris/HCl、pH 9.0を含む。
ELISA用の洗浄緩衝液1は、1×PBS、0.05% Tween 20を含む。
ELISA用の洗浄緩衝液2は、1×PBS、0.1% Tween 20を含む。
ELISA用の洗浄緩衝液3は、水、0.9% NaCl、0.05% Tween 20を含む。
EL-4 B5培地は、RPMI 1640、10% FCS、1%グルタミン/ペニシリン/ストレプトマイシン混合物、2% 100 mMピルビン酸ナトリウム、1% 1 M HEPES緩衝液を含む。
実施例2
動物の管理および免疫化
実験動物は、ドイツ動物保護法(TierSCHG)に従って、および各欧州指針に従って維持した。
動物の管理および免疫化
実験動物は、ドイツ動物保護法(TierSCHG)に従って、および各欧州指針に従って維持した。
マウスおよびハムスターは6〜8週齢の時点で入手し、12週齢よりも前に免疫化した。最初は、抗原を完全フロイントアジュバント(CFA)と共に適用した。さらなる適用は、不完全フロイントアジュバント(IFA)と共に行った。抗原含有乳濁液を皮下に適用し、該乳濁液は、受け取る実験動物の体重に応じて50〜100μgの量の抗原を含んだ。
免疫化には、NZWウサギ(Charles River Laboratories International, Inc.)を使用した。抗原を1 mg/mlの濃度でK3PO4緩衝液pH 7.0に溶解し、安定した乳濁液が作製されるまで完全フロイントアジュバント(CFA)と共に混合した(1:1)。ウサギに2 mlの乳濁液を皮内(i.d.)注射し、その後1週間間隔でそれぞれ1 mlを2度目には筋肉内(i.m.)注射および3度目には皮下(s.c.)注射した。2週間後に4度目の1 mlのi.m.注射を行い、続いて4週間間隔で1 mlの2回のさらなるs.c.注射を行った。
免疫化の期間中に、抗原特異的アッセイを用いて血清抗体価を測定した。抗体価が1:10000のIC50を有する時点で、免疫化動物の血液または脾臓を除去した。抗原特異的B細胞の再活性化のため、血液または脾臓を除去する3日前に、30μg〜50μgの抗原を実験動物の静脈内に適用した。
実施例3
器官、血液、およびマクロファージの除去
マウスおよびハムスター由来の血液は、眼球後静脈の中断によって採取した。ウサギ由来の血液は、耳静脈、またはより大量の場合には耳動脈の中断によって採取した。3度目、4度目、5度目、および6度目の免疫化の4〜6日後にウサギから全血(10 ml)を回収し、FACSによる単一細胞選別に使用した。
器官、血液、およびマクロファージの除去
マウスおよびハムスター由来の血液は、眼球後静脈の中断によって採取した。ウサギ由来の血液は、耳静脈、またはより大量の場合には耳動脈の中断によって採取した。3度目、4度目、5度目、および6度目の免疫化の4〜6日後にウサギから全血(10 ml)を回収し、FACSによる単一細胞選別に使用した。
マクロファージは、細胞培養プラスチックへの接着により、採取された血液から単離した。マウスおよびハムスターからは、この方法により各動物から約3*105個のマクロファージが得られ得る。
より大量のマウスまたはハムスターマクロファージが必要である場合には、腹腔マクロファージを単離した。このためには、動物は少なくとも3ヵ月齢でなくてはならない。腹腔マクロファージの除去のため、動物を屠殺し、37℃のEL-4 B5培地5 mlを直ちに腹腔内に注入した。動物の腹部を5分間もんだ後、該細胞を含む溶液を除去した。
実施例4
EL-4 B5細胞の培養
凍結EL-4 B5細胞を37℃の水浴中で迅速に融解し、EL-4 B5培地10 mlで希釈した。300×gで10分間遠心分離した後、上清を廃棄し、ペレットを培地に再懸濁した。さらなる遠心分離段階の後、上清を再度廃棄し、ペレットを培地1 mlに再懸濁した。
EL-4 B5細胞の培養
凍結EL-4 B5細胞を37℃の水浴中で迅速に融解し、EL-4 B5培地10 mlで希釈した。300×gで10分間遠心分離した後、上清を廃棄し、ペレットを培地に再懸濁した。さらなる遠心分離段階の後、上清を再度廃棄し、ペレットを培地1 mlに再懸濁した。
EL-4 B5細胞を175 m2培養フラスコ中に3×104個細胞/mlの細胞密度で接種した。細胞密度を1日おきに測定し、3×104個細胞/mlになるように調整した。細胞はおよそ12時間の倍加時間を有し、細胞密度が高いと細胞の促進特性が失われるという理由で、5×105個細胞/ml未満の細胞密度で培養しなければならない。
全細胞数が約1.5×109個細胞になった時点で、遠心分離により培地を除去した。その後、細胞を50グレイ(5000ラド)で照射した。トリパンブルー染色によって生細胞数を測定した後、5×106個〜1×107個細胞に等分して-80℃で凍結した。
共培養については、細胞を融解し、EL-4 B5培地で2回洗浄した。生細胞数の測定については、細胞懸濁液を0.4%(w/v)トリパンブルー溶液で1:10に希釈し、10μlの混合物をNeubauer計数チャンバーに移し、細胞数を計数した。
実施例5
密度勾配遠心分離
末梢血単核細胞(PBMC)の単離は、製造業者の説明書A(Lympholyte(登録商標)-哺乳動物、cedarlane)に従ってLympholyte(登録商標)を用いて密度勾配遠心分離により行った。
密度勾配遠心分離
末梢血単核細胞(PBMC)の単離は、製造業者の説明書A(Lympholyte(登録商標)-哺乳動物、cedarlane)に従ってLympholyte(登録商標)を用いて密度勾配遠心分離により行った。
採血した血液をリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で2:1に希釈した。遠心分離バイアル中に同量の密度分離培地を提供し、希釈した血液をバイアルの壁を介して注意深く添加した。バイアルを、ブレーキをかけずに800×gで20分間遠心分離した。白い中間層からリンパ球を採取した。除去した細胞にPBS 10 mlを補充し、800×gで10分間遠心分離した。上清を廃棄し、ペレットを再懸濁し、洗浄し、遠心分離した。最終ペレットをPBSに再懸濁した。
実施例6
赤血球の低張溶解
低張溶解による赤血球の破壊のため、塩化アンモニウム溶液(BD Lyse(商標))を水で1:10に希釈し、全血に対して1:16の比で添加した。赤血球を溶解するため、この混合物を暗下で15分間インキュベートした。無傷細胞から細胞残屑を分離するため、溶液を800×gで10分間遠心分離した。上清を廃棄し、ペレットをPBSに再懸濁し、再度洗浄し、遠心分離し、ペレットをPBSに再懸濁した。
赤血球の低張溶解
低張溶解による赤血球の破壊のため、塩化アンモニウム溶液(BD Lyse(商標))を水で1:10に希釈し、全血に対して1:16の比で添加した。赤血球を溶解するため、この混合物を暗下で15分間インキュベートした。無傷細胞から細胞残屑を分離するため、溶液を800×gで10分間遠心分離した。上清を廃棄し、ペレットをPBSに再懸濁し、再度洗浄し、遠心分離し、ペレットをPBSに再懸濁した。
実施例7
実験動物の内部器官からの細胞の調製
脾臓細胞および胸腺細胞を調製するため、各器官をペトリ皿内で切断し、細胞をPBS中に取り出した。残存組織を除去するため、細胞懸濁液を100μm篩を通して濾過した。脾臓細胞からリンパ球を採取するため、密度勾配遠心分離を使用した。胸腺細胞については、さらなる濃縮段階は必要ではなかった。
実験動物の内部器官からの細胞の調製
脾臓細胞および胸腺細胞を調製するため、各器官をペトリ皿内で切断し、細胞をPBS中に取り出した。残存組織を除去するため、細胞懸濁液を100μm篩を通して濾過した。脾臓細胞からリンパ球を採取するため、密度勾配遠心分離を使用した。胸腺細胞については、さらなる濃縮段階は必要ではなかった。
実施例8
マクロファージの枯渇
滅菌6ウェルプレート(細胞培養等級)を使用して、非特異的接着によりマクロファージおよび単球を枯渇させた。ウェルをKLH(キーホールリンペットヘモシアニン)またはストレプトアビジンのいずれかおよび対照ペプチドでコーティングした。各ウェルを3ml〜最大4 mlの培地、および免疫化ウサギ由来の最大6×106個までの末梢血単核細胞で満たし、インキュベーター内で37℃で60〜90分間結合させた。その後、リンパ球含有上清を遠心分離バイアルに移し、800×gで10分間遠心分離した。ペレットをPBSに再懸濁した。
マクロファージの枯渇
滅菌6ウェルプレート(細胞培養等級)を使用して、非特異的接着によりマクロファージおよび単球を枯渇させた。ウェルをKLH(キーホールリンペットヘモシアニン)またはストレプトアビジンのいずれかおよび対照ペプチドでコーティングした。各ウェルを3ml〜最大4 mlの培地、および免疫化ウサギ由来の最大6×106個までの末梢血単核細胞で満たし、インキュベーター内で37℃で60〜90分間結合させた。その後、リンパ球含有上清を遠心分離バイアルに移し、800×gで10分間遠心分離した。ペレットをPBSに再懸濁した。
上清中の細胞の50%をパニング段階に使用した;残りの50%の細胞は、免疫蛍光染色および単一細胞選別に直接供した。
実施例9
KLH特異的B細胞の枯渇
マルチウェルプレートのウェル中で、4 mlのキーホールリンペットヘモシアニン(KLH)を含む溶液を、コーティング緩衝液と共に2μg/mlの濃度で室温で一晩インキュベートした。枯渇段階の前に、上清を除去し、ウェルをPBSで2回洗浄した。その後、血液細胞を2×106個細胞/mlの細胞密度に調整し、3 mlをマルチウェルプレートの各ウェルに添加した。その後、マルチウェルプレートを37℃で60〜90分間インキュベートした。上清を遠心分離バイアルに移し、ウェルをPBSで2回洗浄し、これら上清を遠心分離バイアル中で混合した。細胞を800×gで10分間遠心分離してペレット化し、ペレットをPBSで再懸濁した。
KLH特異的B細胞の枯渇
マルチウェルプレートのウェル中で、4 mlのキーホールリンペットヘモシアニン(KLH)を含む溶液を、コーティング緩衝液と共に2μg/mlの濃度で室温で一晩インキュベートした。枯渇段階の前に、上清を除去し、ウェルをPBSで2回洗浄した。その後、血液細胞を2×106個細胞/mlの細胞密度に調整し、3 mlをマルチウェルプレートの各ウェルに添加した。その後、マルチウェルプレートを37℃で60〜90分間インキュベートした。上清を遠心分離バイアルに移し、ウェルをPBSで2回洗浄し、これら上清を遠心分離バイアル中で混合した。細胞を800×gで10分間遠心分離してペレット化し、ペレットをPBSで再懸濁した。
実施例10
抗原特異的B細胞の濃縮
各抗原を、最終濃度が2μg/mlになるようにコーティング緩衝液で希釈した。この溶液3 mlを6ウェルマルチウェルプレートのウェルに添加し、室温で一晩インキュベートした。使用する前に上清を除去し、ウェルをPBSで2回洗浄した。B細胞溶液を2×106個細胞/mlの濃度に調整し、3 mlを6ウェルマルチウェルプレートの各ウェルに添加した。プレートを37℃で60〜90分間インキュベートした。上清を除去し、ウェルをPBSで2〜4回洗浄した。抗原特異的B細胞を回収するため、1 mlのトリプシン/EDTA溶液をマルチウェルプレートのウェルに添加し、37℃で10〜15分インキュベートした。培地を添加することによりインキュベーションを停止し、上清を遠心分離バイアルに移した。ウェルをPBSで2回洗浄し、この上清を他の上清と混合した。細胞を800×gで10分間遠心分離してペレット化した。ペレットをPBSで再懸濁した。
抗原特異的B細胞の濃縮
各抗原を、最終濃度が2μg/mlになるようにコーティング緩衝液で希釈した。この溶液3 mlを6ウェルマルチウェルプレートのウェルに添加し、室温で一晩インキュベートした。使用する前に上清を除去し、ウェルをPBSで2回洗浄した。B細胞溶液を2×106個細胞/mlの濃度に調整し、3 mlを6ウェルマルチウェルプレートの各ウェルに添加した。プレートを37℃で60〜90分間インキュベートした。上清を除去し、ウェルをPBSで2〜4回洗浄した。抗原特異的B細胞を回収するため、1 mlのトリプシン/EDTA溶液をマルチウェルプレートのウェルに添加し、37℃で10〜15分インキュベートした。培地を添加することによりインキュベーションを停止し、上清を遠心分離バイアルに移した。ウェルをPBSで2回洗浄し、この上清を他の上清と混合した。細胞を800×gで10分間遠心分離してペレット化した。ペレットをPBSで再懸濁した。
実施例11
B細胞とEL-4 B5細胞の共培養
a) 共培養は、丸底を有する96ウェルマルチウェルプレート中で行った。EL-4 B5培地中にEL-4 B5細胞(1.6×106個細胞/15.2 ml)およびサイトカインを含む基礎溶液を調製した。200μlの基礎溶液をマルチウェルプレートの各ウェルに添加した。各ウェルに対して、蛍光活性化細胞選別により単一B細胞を添加した。B細胞の添加後、プレートを300×gで5分間遠心分離した。プレートを37℃で7日間インキュベートした。
B細胞とEL-4 B5細胞の共培養
a) 共培養は、丸底を有する96ウェルマルチウェルプレート中で行った。EL-4 B5培地中にEL-4 B5細胞(1.6×106個細胞/15.2 ml)およびサイトカインを含む基礎溶液を調製した。200μlの基礎溶液をマルチウェルプレートの各ウェルに添加した。各ウェルに対して、蛍光活性化細胞選別により単一B細胞を添加した。B細胞の添加後、プレートを300×gで5分間遠心分離した。プレートを37℃で7日間インキュベートした。
b) 単一選別したB細胞を96ウェルプレート中で、Pansorbin細胞(1:20000)(Calbiochem(Merck)、Darmstadt, Deutschland)、5%ウサギ胸腺細胞上清、およびγ照射したEL-4-B5マウス胸腺腫細胞(2×104個/ウェル)を加えた210μl/ウェルEL-4 B5培地を用いて、インキュベーター内の5% CO2の雰囲気中で37℃で7日間培養した。スクリーニングのためにB細胞培養上清を除去し、細胞は可変領域遺伝子クローニングのために直ちに回収するか、または100μl RLT緩衝液(Qiagen、Hilden, Germany)中で-80℃で凍結した。
実施例12
T細胞の培養
それぞれ3〜4週齢のマウスおよびハムスターまたは4〜5週齢のウサギの胸腺からT細胞を単離した。細胞を遠心分離し、直ちに培養するか、または3×107個細胞の分割量で凍結した。胸腺細胞は、175 cm2培養フラスコ中で、5×105個細胞/EL-4 B5培地1 mlの最小細胞密度で播種し、37℃で48時間インキュベートした。
T細胞の培養
それぞれ3〜4週齢のマウスおよびハムスターまたは4〜5週齢のウサギの胸腺からT細胞を単離した。細胞を遠心分離し、直ちに培養するか、または3×107個細胞の分割量で凍結した。胸腺細胞は、175 cm2培養フラスコ中で、5×105個細胞/EL-4 B5培地1 mlの最小細胞密度で播種し、37℃で48時間インキュベートした。
実施例13
マクロファージの培養
それぞれ少なくとも3ヵ月齢のマウスおよびハムスターの腹腔からマクロファージを単離した。マウスもしくはハムスター由来の腹腔マクロファージ、またはウサギ由来の血液単核細胞を、175 cm2培養フラスコ中少なくとも1×105個細胞/mlの細胞密度で、EL-4 B5培地中で37℃にて1.5時間培養した。その後、培地を除去し、温めたEL-4 B5培地で洗浄することにより接着したマクロファージから接着しなかった細胞を除去し、続いて35 ml培地中で48時間培養した。
マクロファージの培養
それぞれ少なくとも3ヵ月齢のマウスおよびハムスターの腹腔からマクロファージを単離した。マウスもしくはハムスター由来の腹腔マクロファージ、またはウサギ由来の血液単核細胞を、175 cm2培養フラスコ中少なくとも1×105個細胞/mlの細胞密度で、EL-4 B5培地中で37℃にて1.5時間培養した。その後、培地を除去し、温めたEL-4 B5培地で洗浄することにより接着したマクロファージから接着しなかった細胞を除去し、続いて35 ml培地中で48時間培養した。
実施例14
T細胞とマクロファージの共培養
T細胞およびマクロファージを別々のフラスコ中で48時間培養した。両方の細胞集団を混合する前に、T細胞を800×gで10分間遠心分離した。細胞上清を破棄し、細胞ペレットを培地10 mlに再懸濁した。T細胞を5×105個細胞/mlの最小細胞密度に調整し、培地1 ml当たり10 pgホルボール-12-ミリステート-13-アセテート(PMA)および5 ngまたは50 ngフィトヘマグルチニンM(PHA-M)を添加した。マクロファージから培養液を除去し、マクロファージを含むフラスコにT細胞懸濁液を添加した。36時間の共培養後に培養液を除去し、これをTSN溶液と命名した。残存細胞を除去するため、TSN溶液を0.22μmフィルターを通して濾過した。TSN溶液を4 mlの分割量で-80℃で凍結した。
T細胞とマクロファージの共培養
T細胞およびマクロファージを別々のフラスコ中で48時間培養した。両方の細胞集団を混合する前に、T細胞を800×gで10分間遠心分離した。細胞上清を破棄し、細胞ペレットを培地10 mlに再懸濁した。T細胞を5×105個細胞/mlの最小細胞密度に調整し、培地1 ml当たり10 pgホルボール-12-ミリステート-13-アセテート(PMA)および5 ngまたは50 ngフィトヘマグルチニンM(PHA-M)を添加した。マクロファージから培養液を除去し、マクロファージを含むフラスコにT細胞懸濁液を添加した。36時間の共培養後に培養液を除去し、これをTSN溶液と命名した。残存細胞を除去するため、TSN溶液を0.22μmフィルターを通して濾過した。TSN溶液を4 mlの分割量で-80℃で凍結した。
実施例15
免疫蛍光染色
染色しようとする細胞の数に応じて、細胞をそれぞれ100μl培地(106個未満の細胞)または200μl培地(106個超の細胞)中に提供した。蛍光標識抗体を実験動物の5%血清およびFACS緩衝液で、それぞれ100μlまたは200μlの最終量に希釈した。反応混合物をローラーラック上で、暗下で4℃にて40分間インキュベートした。インキュベーション後、細胞を300×gで5分間、2回洗浄した。ペレットをPBS 400μlに再懸濁し、70μm篩を通して濾過した。濾過した溶液をFACSバイアルに移し、FACS実験の直前に、死細胞をヨウ化プロピジウム(6.25μg/ml)の添加により染色した。標識抗体がビオチンで標識されている場合には、抗体はストレプトアビジン標識Alexa Fluor(登録商標) 647(抗体197)により2段階で検出した。
免疫蛍光染色
染色しようとする細胞の数に応じて、細胞をそれぞれ100μl培地(106個未満の細胞)または200μl培地(106個超の細胞)中に提供した。蛍光標識抗体を実験動物の5%血清およびFACS緩衝液で、それぞれ100μlまたは200μlの最終量に希釈した。反応混合物をローラーラック上で、暗下で4℃にて40分間インキュベートした。インキュベーション後、細胞を300×gで5分間、2回洗浄した。ペレットをPBS 400μlに再懸濁し、70μm篩を通して濾過した。濾過した溶液をFACSバイアルに移し、FACS実験の直前に、死細胞をヨウ化プロピジウム(6.25μg/ml)の添加により染色した。標識抗体がビオチンで標識されている場合には、抗体はストレプトアビジン標識Alexa Fluor(登録商標) 647(抗体197)により2段階で検出した。
実施例16
IgGの定量
7日間の共培養後に、共培養を行った96ウェルマルチウェルプレートを300×gで5分間遠心分離した。上清150μlを除去し、第2の96ウェルマルチウェルプレート中でPBSで2:1の比に希釈した。
IgGの定量
7日間の共培養後に、共培養を行った96ウェルマルチウェルプレートを300×gで5分間遠心分離した。上清150μlを除去し、第2の96ウェルマルチウェルプレート中でPBSで2:1の比に希釈した。
実施例17に概説するようにELISAを行った。
抗体は50 ng/mlの濃度で使用した。5分間のインキュベーション時間後にODが1以上である場合には、0.8〜108 ng/ml IgGの希釈系列を試験した。
実施例17
抗原特異的IgGの検出
単一の置かれた、共培養されたB細胞により、または免疫化実験動物から採取されたB細胞により産生された抗体を、特異的抗原結合に関して特徴づけることができる。ELISAを室温で行い、個々の段階の間にELISA溶液を20×gの振盪機上でインキュベートした。第1段階では、抗原を96ウェルマルチウェルプレートのウェルに結合させた。抗原がタンパク質である場合には、それをコーティング緩衝液で希釈し、プレートに直接適用した。ペプチド抗原は、特異的結合対であるビオチン/ストレプトアビジンを介して結合させた。マルチウェルプレートのウェルは、製造業者によって可溶性CroteinC(CrC)で既にコーティングされていてよい。そうでない場合には、抗原の固定化後に、ウェルをブロッキング緩衝液200μlと共にインキュベートした。それぞれウェル当たり100μlの抗原溶液(予めコーティングされたマルチウェルプレート)またはブロッキング緩衝液200μlと共にインキュベートした後、非結合の抗原またはブロッキング緩衝液を洗浄緩衝液での洗浄により除去した。希釈したB細胞上清をウェル当たり100μlの量で添加し、インキュベートした。インキュベーション後、ウェルを洗浄した。その後、検出抗体をウェル当たり100μlの量で添加した。該抗体は、西洋ワサビペルオキシダーゼに結合していてもよいし、またはビオチンで標識されていてもよい。検出抗体は、ストレプトアビジン-西洋ワサビペルオキシダーゼコンジュゲートにより決定した。インキュベーション後、マルチウェルプレートを洗浄し、その後3,3',5,5'テトラメチルベンジジン(TMB)を含む基質溶液をウェル当たり50μl添加し、表Xに示される期間インキュベートした。硫酸50μlの添加により酵素反応を停止し、光度計(Rainbow Thermo ELISAリーダー)およびXread plusソフトウェアにより450 nmおよび680 nmの吸光度を測定した。
抗原特異的IgGの検出
単一の置かれた、共培養されたB細胞により、または免疫化実験動物から採取されたB細胞により産生された抗体を、特異的抗原結合に関して特徴づけることができる。ELISAを室温で行い、個々の段階の間にELISA溶液を20×gの振盪機上でインキュベートした。第1段階では、抗原を96ウェルマルチウェルプレートのウェルに結合させた。抗原がタンパク質である場合には、それをコーティング緩衝液で希釈し、プレートに直接適用した。ペプチド抗原は、特異的結合対であるビオチン/ストレプトアビジンを介して結合させた。マルチウェルプレートのウェルは、製造業者によって可溶性CroteinC(CrC)で既にコーティングされていてよい。そうでない場合には、抗原の固定化後に、ウェルをブロッキング緩衝液200μlと共にインキュベートした。それぞれウェル当たり100μlの抗原溶液(予めコーティングされたマルチウェルプレート)またはブロッキング緩衝液200μlと共にインキュベートした後、非結合の抗原またはブロッキング緩衝液を洗浄緩衝液での洗浄により除去した。希釈したB細胞上清をウェル当たり100μlの量で添加し、インキュベートした。インキュベーション後、ウェルを洗浄した。その後、検出抗体をウェル当たり100μlの量で添加した。該抗体は、西洋ワサビペルオキシダーゼに結合していてもよいし、またはビオチンで標識されていてもよい。検出抗体は、ストレプトアビジン-西洋ワサビペルオキシダーゼコンジュゲートにより決定した。インキュベーション後、マルチウェルプレートを洗浄し、その後3,3',5,5'テトラメチルベンジジン(TMB)を含む基質溶液をウェル当たり50μl添加し、表Xに示される期間インキュベートした。硫酸50μlの添加により酵素反応を停止し、光度計(Rainbow Thermo ELISAリーダー)およびXread plusソフトウェアにより450 nmおよび680 nmの吸光度を測定した。
実施例18
リボ核酸(RNA)の単離
最初に、RNAを単離すべき細胞を遠心分離によってペレット化した。10μl/ml βメルカプトエタノールを含むRLT緩衝液100μlの添加により、細胞ペレットを溶解した。ピペットで複数回混合することにより、細胞を再懸濁した。溶液をマルチウェルプレートのウェルに移した。プレートに200×gで手短にショックを与え、これを-20℃で凍結した。
リボ核酸(RNA)の単離
最初に、RNAを単離すべき細胞を遠心分離によってペレット化した。10μl/ml βメルカプトエタノールを含むRLT緩衝液100μlの添加により、細胞ペレットを溶解した。ピペットで複数回混合することにより、細胞を再懸濁した。溶液をマルチウェルプレートのウェルに移した。プレートに200×gで手短にショックを与え、これを-20℃で凍結した。
RNAの単離は、製造業者の説明書に従ってRNeasy(登録商標)キット(Qiagen、Hilden, Germany)を用いて行った。
実施例19
逆転写ポリメラーゼ連鎖反応
逆転写は20μlの量で行った。各反応について、逆転写酵素を用いておよび用いずに対照を実施した。反応当たり1μl dNTP(それぞれ10 mM)、0.4μlオリゴ(dT)12-18 (0.2μg)、および0.6μlランダムヘキサマー(0.03μg)を予め混合し、H2O中のRNA 8.5μlに添加した。反応混合物を65℃で5分間インキュベートし、その後直接氷に移した。その後、2μl RT緩衝液(10×),4μl MgCl2(25 mM)、2μl DTT(0.1 M)、および1μl RNAse Out(商標)(40単位)を予め混合し、氷冷反応混合物に添加した。室温での2分間のインキュベーション時間の後、0.5μl Superscript(商標) II逆転写酵素(25単位)を添加した。反応混合物を室温で10分間インキュベートした。
逆転写ポリメラーゼ連鎖反応
逆転写は20μlの量で行った。各反応について、逆転写酵素を用いておよび用いずに対照を実施した。反応当たり1μl dNTP(それぞれ10 mM)、0.4μlオリゴ(dT)12-18 (0.2μg)、および0.6μlランダムヘキサマー(0.03μg)を予め混合し、H2O中のRNA 8.5μlに添加した。反応混合物を65℃で5分間インキュベートし、その後直接氷に移した。その後、2μl RT緩衝液(10×),4μl MgCl2(25 mM)、2μl DTT(0.1 M)、および1μl RNAse Out(商標)(40単位)を予め混合し、氷冷反応混合物に添加した。室温での2分間のインキュベーション時間の後、0.5μl Superscript(商標) II逆転写酵素(25単位)を添加した。反応混合物を室温で10分間インキュベートした。
翻訳は42℃で50分間行った。翻訳後、70℃で15分間のインキュベーションにより、逆転写酵素を不活化した。cDNAを-20℃で保存した。
実施例20
ポリメラーゼ連鎖反応は、製造業者の説明書に従ってTaq PCR Coreキット(Qiagen、Hilden, Germany)を用いて行った。PCRは20μlの量で行った。試料を95℃のMastercyler(登録商標)に移した。
ポリメラーゼ連鎖反応は、製造業者の説明書に従ってTaq PCR Coreキット(Qiagen、Hilden, Germany)を用いて行った。PCRは20μlの量で行った。試料を95℃のMastercyler(登録商標)に移した。
実施例21
配列決定
配列はすべて、SequiServe(Vaterstetten, Germany)によって決定された。
配列決定
配列はすべて、SequiServe(Vaterstetten, Germany)によって決定された。
実施例22
抗原上でのパニング
a) プレートのコーティング
ビオチン/ストレプトアビジン:滅菌ストレプトアビジンコーティング6ウェルプレート(細胞培養等級)を、PBS中の0.5〜2μg/mlの濃度のビオチン化抗原と共に室温で1時間インキュベートした。プレートは、使用する前に滅菌PBSで3回洗浄した。
抗原上でのパニング
a) プレートのコーティング
ビオチン/ストレプトアビジン:滅菌ストレプトアビジンコーティング6ウェルプレート(細胞培養等級)を、PBS中の0.5〜2μg/mlの濃度のビオチン化抗原と共に室温で1時間インキュベートした。プレートは、使用する前に滅菌PBSで3回洗浄した。
タンパク質の共有結合:細胞培養6ウェルプレートを、炭酸緩衝液(0.1 M炭酸水素ナトリウム、34 mM炭酸水素二ナトリウム、pH 9.55)中の2μg/mlタンパク質で、4℃で一晩コーティングした。プレートは、使用する前に滅菌PBSで3回洗浄した。
b) ペプチド上でのB細胞のパニング
各抗原でコーティングした6ウェル組織培養プレートに、培地4 ml当たり最大で6×106個までの細胞を播種し、インキュベーター内で37℃で1時間結合させた。ウェルを1×PBSで1〜2回注意深く洗浄することにより、非接着細胞を除去した。残存する付着細胞を、インキュベーター内で37℃で10分間にわたりトリプシンによって剥離し、次いで培地で2回洗浄した。細胞は、免疫蛍光染色まで氷上で維持した。
各抗原でコーティングした6ウェル組織培養プレートに、培地4 ml当たり最大で6×106個までの細胞を播種し、インキュベーター内で37℃で1時間結合させた。ウェルを1×PBSで1〜2回注意深く洗浄することにより、非接着細胞を除去した。残存する付着細胞を、インキュベーター内で37℃で10分間にわたりトリプシンによって剥離し、次いで培地で2回洗浄した。細胞は、免疫蛍光染色まで氷上で維持した。
Claims (21)
- 以下の段階を含む、B細胞を選択するための方法:
a) 単一細胞として置かれた、B細胞集団の各B細胞をフィーダー細胞と共培養する段階、
b) 段階a)における、増殖しかつ抗体を分泌するB細胞クローンを選択する段階。 - 以下の段階を含む、標的抗原に結合する抗体を生成するための方法:
a) 個々の容器に単一細胞として置かれたB細胞集団の各B細胞を、フィーダー細胞およびフィーダー混合物の存在下で共培養する段階、
b) 標的抗原に特異的に結合する抗体を産生するB細胞クローンを選択する段階、
c) 段階b)において選択されたB細胞クローンによって産生される抗体をコードする核酸またはそのヒト化変種を含む細胞を培養し、細胞または培養上清から抗体を回収し、それによって抗体を生成する段階。 - 単一細胞を置く前に、B細胞集団を共培養培地中でインキュベートする段階をさらに含む、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
- インキュベーションする段階が約37℃で約1時間であることを特徴とする、請求項3記載の方法。
- 共培養の前に、単一細胞として置かれたB細胞を遠心分離する段階をさらに含む、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
- 遠心分離が約300×gで約5分間行われることを特徴とする、請求項5記載の方法。
- B細胞集団が密度勾配遠心分離によって単離されることを特徴とする、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
- B細胞が成熟B細胞であることを特徴とする、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
- 標識化が2つまたは3つの蛍光色素を用いて行われることを特徴とする、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
- 全B細胞集団の細胞の0.1%〜2.5%が標識されることを特徴とする、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
- B細胞がマウスB細胞またはハムスターB細胞またはウサギB細胞であることを特徴とする、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
- フィーダー細胞がマウスEL-4 B5細胞であることを特徴とする、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
- 共培養する段階が、10%(v/v) FCS、ペニシリンおよびストレプトマイシンを含む1%(w/v)の200 mMグルタミン溶液、2%(v/v)の100 mMピルビン酸ナトリウム溶液、ならびに1%(v/v)の1 M 2-(4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジン)-エタンスルホンサン(HEPES)緩衝液を補充したRPMI 1640培地中で行われることを特徴とする、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
- B細胞がマウス起源のものであり、かつ標識化がIgG+CD19+ B細胞および/またはIgG-CD138+ B細胞のものであることを特徴とする、請求項1〜10および12〜13のいずれか一項記載の方法。
- B細胞がハムスター起源のものであり、かつ標識化がIgG+IgM- B細胞のものであることを特徴とする、請求項1〜10および12〜13のいずれか一項記載の方法。
- B細胞がウサギ起源のものであり、かつ標識化がIgG+ B細胞および/もしくはCD138+ B細胞、またはCD138+IgG+ B細胞および/もしくはIgG+IgM- B細胞のものであることを特徴とする、請求項1〜10および12〜13のいずれか一項記載の方法。
- 共培養する段階が、インターロイキン1βおよび腫瘍壊死因子α、ならびにインターロイキン2およびインターロイキン10および黄色ブドウ球菌(Staphylocuccus aureus)株Cowans細胞を含む合成フィーダー混合物の存在下で行われることを特徴とする、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
- 共培養する段階が、インターロイキン1βおよび腫瘍壊死因子α、ならびにインターロイキン2およびインターロイキン10およびインターロイキン21を含む合成フィーダー混合物の存在下で行われることを特徴とする、請求項1〜16のいずれか一項記載の方法。
- 共培養する段階が、インターロイキン1βおよび腫瘍壊死因子α、ならびにインターロイキン2およびインターロイキン10および腫瘍壊死因子ファミリーのB細胞活性化因子(BAFF)を含む合成フィーダー混合物の存在下で行われることを特徴とする、請求項1〜16のいずれか一項記載の方法。
- 共培養する段階が、フィーダー混合物としての胸腺細胞培養上清の存在下で行われることを特徴とする、請求項1〜16のいずれか一項記載の方法。
- 胸腺細胞培養上清が若年動物の胸腺の胸腺細胞から得られる、請求項20記載の方法。
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