JP2013253364A - ガラス繊維用集束剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】シランカップリング剤やpH調整剤等を配合した場合における安定性と集束性に優れるガラス繊維集束剤を提供する。
【解決手段】ポリウレタン樹脂水分散体を含有するガラス繊維集束剤であって、該ポリウレタン樹脂水分散体におけるポリウレタン樹脂は、スルホン酸基の中和塩を含有していることを特徴とするガラス繊維集束剤であり、好ましくは、前記ポリウレタン樹脂水分散体は、スルホン酸基の中和塩を含有するイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(A)を、乳化剤(B)の存在下で水中に分散させると同時または分散後に、水およびポリアミン(C)で鎖伸長させることによって生成させたものである。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリウレタン樹脂水分散体を含有するガラス繊維集束剤に関する。
ガラス繊維は、各種合成樹脂の強化材料等として用いられており、FRPやFRTP等のガラス繊維強化樹脂製品は良好な成形性や2次加工性を有することから注目されている。
ガラス繊維は、溶融したガラスを紡糸してフィラメントを形成し、それらを数千本束ねて1本のストランドとし、これを3〜6mmの長さに切断してチョップドストランドとするか、あるいは更にそれら数十本を集めてロービングを形成させることにより得られる。その製造においては、摩擦によって生じる糸切れやケバ立ちを防ぎ、フィラメントを保護するためにガラス繊維集束剤が用いられている。
ガラス繊維集束剤は、デンプン、加工デンプン、デキストリン、アミロースなどのデンプン類、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、アクリルアミド−酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン樹脂水分散体などの各種合成高分子化合物が使用されている。 例えば、特許文献1では、特定の乳化剤の存在下でカルボキシル基を有するウレタンプレポリマーを水中に分散させて製造したポリウレタン樹脂水分散体を使用したガラス繊維集束剤が開示されている。
特開2007−145609号公報
ガラス繊維集束剤には、マトリックス樹脂との接着性をさらに向上させる目的で、シランカップリング剤やpH調整剤が配合される。しかしながら、特許文献1のポリウレタン樹脂水分散体にこれらを配合すると凝集物が発生し、その凝集物が、集束剤の塗布工程で堆積し、ガラス繊維の糸切れを起こしやすいという問題がある。また、ガラス繊維のケバ立ちが発生しやすくなり、集束性が低下するという問題がある。本発明の課題は、シランカップリング剤やpH調整剤等を配合した場合における安定性と集束性に優れるガラス繊維集束剤を提供することである。
すなわち本発明に係る繊維集束剤は、ポリウレタン樹脂水分散体を含有するガラス繊維集束剤であって、該ポリウレタン樹脂水分散体におけるポリウレタン樹脂は、スルホン酸基の中和塩を含有していることを特徴とする。
ここで、スルホン酸基の中和塩とは、スルホン酸基がアルカリ金属水酸化物や第3級アミンなどの塩基により中和されたものをいう。
この構成によれば、ポリウレタン樹脂がスルホン酸基の中和塩を含有していることによって、前記ガラス繊維集束剤は、安定性と集束性に優れたものとなる。
また、前記ポリウレタン樹脂水分散体は、スルホン酸基の中和塩を含有するイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(A)を、乳化剤(B)の存在下で水中に分散させると同時または分散後に、水およびポリアミン(C)で鎖伸長させることによって生成させたものであることが好ましい。
この構成によれば、前記ガラス繊維集束剤の安定性と集束性が、より優れたものとなる。
さらに、前記スルホン酸基の中和塩を含有するイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(A)は、少なくとも、スルホン酸基及びその中和塩を有しないポリオール(a)と、ポリイソシアネート(b)と、スルホン酸基及び/又はその中和塩を有する活性水素基含有化合物(c)とを反応させ、必要により該スルホン酸基を中和することによって生成させたものであることが好ましい。
この構成によれば、前記ガラス繊維集束剤の安定性と集束性が、より優れたものとなる。
以上のように、本発明のガラス繊維集束剤は、シランカップリング剤やpH調整剤等を配合した場合における安定性に優れるとともに、ガラス繊維の集束性に優れる。
本発明のガラス繊維集束剤はポリウレタン樹脂水分散体を含有しており、該ポリウレタン樹脂水分散体におけるポリウレタン樹脂は、スルホン酸基の中和塩を含有している。ここで、スルホン酸基の中和塩とは、スルホン酸基がアルカリ金属水酸化物や第3級アミンなどの塩基により中和されたものであり、例えば、スルホン酸ナトリウム、スルホン酸カリウムなどのスルホン酸アルカリ金属塩、スルホン酸トリエチルアンモニウムなどのスルホン酸アンモニウム塩などが挙げられる。これらのうち、機械的安定性により優れることから、スルホン酸アルカリ金属塩が好ましく、スルホン酸ナトリウムがより好ましい。スルホン酸基の中和塩の含有量は、ガラス繊維集束剤の安定性がより向上することから、ポリウレタン樹脂1gに対して0.01〜1.0mmolであることが好ましく、0.01〜0.5mmolであることがより好ましく、0.02〜0.3mmolであることがさらに好ましい。
本発明に用いるポリウレタン樹脂水分散体は、例えば、スルホン酸基の中和塩を含有するイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(A)を乳化剤(B)の存在下で水中に分散させると同時または分散後に、水およびポリアミン(C)で鎖伸長することにより得ることができる。
前記スルホン酸基及び/ 又はその中和塩を有するイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(A)は、例えば、スルホン酸基及びその中和塩を有しないポリオール(a)と、ポリイソシアネート(b)と、スルホン酸基及び/又はその中和塩を有する活性水素基含有化合物(c)とを反応させ、必要により該スルホン酸基を中和することにより得ることができる。
スルホン酸基及びその中和塩を有しないポリオール(a)としては、スルホン酸基及びその中和塩を有しないポリエステルポリオール(a1)、スルホン酸基及びその中和塩を有しないポリエーテルポリオール(a2)およびスルホン酸基及びその中和塩を有しない他のポリオール(a3)などが挙げられる。
スルホン酸基及びその中和塩を有しないポリエステルポリオール(a1)は、スルホン酸基及びその中和塩を有しないジオール(a11)と、スルホン酸基及びその中和塩を有しないジカルボン酸またはその誘導体(a12)とを、公知の方法で反応させることにより得られる。
スルホン酸基及びその中和塩を有しないジオール(a11)としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオールおよび3−メチル−1,5−ペンタンジオールなどのスルホン酸基及びその中和塩を有しない脂肪族ジオール、ビスフェノールA、ビスフェノールFおよびビスフェノールSなどのスルホン酸基及びその中和塩を有しない芳香族ジオールなどが挙げられる。これらのうち、ガラス繊維の集束性がより優れることから、スルホン酸基及びその中和塩を有しない脂肪族ジオールが好ましい。
スルホン酸基及びその中和塩を有しないジカルボン酸(a12)としては、例えば、アジピン酸などのスルホン酸基及びその中和塩を有しない脂肪族ジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸およびテレフタル酸などのスルホン酸基及びその中和塩を有しない芳香族ジカルボン酸などが挙げられる。また、これらの誘導体としては、ジメチルフタル酸、ジメチルイソフタル酸およびジメチルテレフタル酸などのジアルキルエステル、無水マレイン酸などの酸無水物を用いることもできる。これらのうち、耐熱性がより優れることから、スルホン酸基及びその中和塩を有しない芳香族ジカルボン酸またはその誘導体を用いることが好ましい。また、ガラス繊維の集束性がより優れることから、スルホン酸基及びその中和塩を有しない脂肪族ジカルボン酸とスルホン酸基及びその中和塩を有しない芳香族ジカルボン酸を併用することがより好ましい。これらの割合は特に限定されないが、スルホン酸基及びその中和塩を有しない芳香族ジカルボン酸1モルに対してスルホン酸基及びその中和塩を有しない脂肪族ジカルボン酸が0.5〜1.5モルであることが好ましい。
スルホン酸基及びその中和塩を有しないポリエステルポリオール(a1)の数平均分子量は500〜4000であることが好ましく、1000〜3000がより好ましい。上記範囲とすることにより、ガラス繊維の集束性がより優れたものとなる。
スルホン酸基及びその中和塩を有しないポリエーテルポリオール(a2)は、スルホン酸基及びその中和塩を有しないポリオールにアルキレンオキサイドを公知の方法で付加することにより得られる。このようなスルホン酸基及びその中和塩を有しないポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオールおよび3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ビスフェノールA、ビスフェノールFおよびビスフェノールSなどの水酸基を2つ有するポリオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールおよびショ糖などの水酸基を3つ以上有する化合物が挙げられる。また、アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなどが挙げられる。
これらのうち、ガラス繊維集束剤の機械的安定性がより優れることから、エチレンオキサイドを50重量%以上含有するスルホン酸基及びその中和塩を有しないポリエーテルポリオールが好ましく、ポリオキシエチレンポリオールがより好ましい。
スルホン酸基及びその中和塩を有しないポリエーテルポリオール(a2)の数平均分子量は、ガラス繊維集束剤の機械的安定性がより優れることから、200〜4000であることが好ましく、400〜3000がより好ましい。
スルホン酸基及びその中和塩を有しない他のポリオール(a3)としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールFなどのビスフェノール化合物、トリメチロールプロパンなどが挙げられる。
スルホン酸基及びその中和塩を有しないポリオール(a)は、耐熱性およびガラス繊維の集束性がより優れることから、前記ポリエステルポリオール(a1)を含有することが好ましい。
また、スルホン酸基及びその中和塩を有しないポリオール(a)は、ガラス繊維の集束性および機械的安定性がより優れることから、前記ポリエステルポリオール(a1)および前記ポリエーテルポリオール(a2)を含有することが好ましい。また、スルホン酸基及びその中和塩を有しないポリオール(a)の使用割合は、得られるイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(A)100重量部に対して、35〜94重量部であることが好ましく、55〜92重量部であることがより好ましい。
本発明のポリイソシアネート(b)としては、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネートおよび芳香族ポリイソシアネートなどが挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネートおよび3−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネートなどが挙げられる。
脂環族ポリイソシアネートとしては、イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサンなどが挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジベンジルジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、α,α,α,α−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどが挙げられる。
これらのうち、黄変をより抑制できることから、脂肪族ポリイソシアネート及び/又は脂環族ポリイソシアネートであることが好ましい。また、ポリイソシアネート(b)の使用割合は、得られるイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(A)100重量部に対して、5〜35重量部であることが好ましく、7〜25重量部であることがより好ましい。
本発明のスルホン酸基及び/またはその中和塩を有する活性水素基含有化合物(c)は、分子内にスルホン酸基及び/またはその中和塩を有するとともに、イソシアネート基と反応しうる活性水素基を、少なくとも1つ有する化合物である。ここで、スルホン酸基及び/またはその中和塩は一般式「−SOM」で表されるものであり、式中、Mは水素原子、アルカリ金属原子またはNR基であり、Rは水素または炭素数1〜4の炭化水素基であることが好ましい。アルカリ金属原子としては、例えば、ナトリウム、カリウムなどが挙げられる。また、NR基としては、例えば、アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミントリプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミンなどが挙げられる。
このようなスルホン酸基及び/またはその中和塩を有する活性水素基含有化合物としては、スルホン酸基及び/またはその中和塩を有する水酸基含有化合物(c1)、スルホン酸基及び/またはその中和塩を有するアミノ基含有化合物(c2)などが挙げられる。
スルホン酸基及び/またはその中和塩を有する水酸基含有化合物(c1)としては、スルホン酸基及び/またはその中和塩を有するポリエステルポリオールが挙げられ、例えば、前記ポリエステルポリオール(a1)におけるスルホン酸基及びその中和塩を有しないジカルボン酸(a12)の一部または全部を、スルホン酸基及び/またはその中和塩を有するジカルボン酸(c11)に置き換えることにより得られる。また、スルホン酸基及び/またはその中和塩を有するジカルボン酸(c11)に代えて、スルホン酸基及び/またはその中和塩を有するジカルボン酸のジアルキルエステル(c12)を用いることもできる。
スルホン酸基及び/またはその中和塩を有するジカルボン酸(c11)としては、例えば、5−スルホイソフタル酸、2−スルホテレフタル酸、4−スルホフタル酸および5−[4−スルホフェノキシ]イソフタル酸などのジカルボン酸などのスルホン酸基を有するジカルボン酸、5−スルホソディウムイソフタル酸、2−スルホソディウムテレフタル酸、4−スルホソディウムフタル酸および5−[4−スルホソディウムフェノキシ]イソフタル酸、5−スルホポタジウムイソフタル酸、2−スルホポタジウムテレフタル酸、4−スルホポタジウムフタル酸および5−[4−スルホポタジウムフェノキシ]イソフタル酸などのアルカリ金属塩を有するジカルボン酸、5−スルホアンモニウムイソフタル酸、2−スルホアンモニウムテレフタル酸、4−スルホアンモニウムフタル酸および5−[4−スルホアンモニウムフェノキシ]イソフタル酸、5−スルホトリエチルアンモニウムイソフタル酸、2−スルホトリエチルアンモニウムテレフタル酸、4−スルホトリエチルアンモニウムフタル酸および5−[4−スルホトリエチルアンモニウムフェノキシ]イソフタル酸などのスルホン酸アンモニウム塩を有するジカルボン酸などが挙げられ、これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
また、スルホン酸基及び/またはその中和塩を有するジカルボン酸のジアルキルエステル(c12)としては、上記スルホン酸基及び/またはその中和塩を有するジカルボン酸として例示された化合物のジメチルエステル、ジエチルエステルなどが挙げられ、具体的には、5−スルホイソフタル酸ジメチル、5−スルホイソフタル酸ジエチル、5−スルホソディウムイソフタル酸ジメチル、5−スルホポタジウムイソフタル酸ジエチル、5−スルホアンモニウムイソフタル酸ジメチル、5−スルホトリエチルアンモニウムイソフタル酸ジメチル、などが挙げられ、これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらのうち、5−スルホソディウムイソフタル酸ジメチルが好ましい。
スルホン酸基及び/またはその中和塩を有する水酸基含有化合物(c1)の数平均分子量は、500〜4000であることが好ましく、1000〜3000がより好ましい。
スルホン酸基及び/またはその中和塩を有するアミン化合物(c2)としては、例えば、アミノエチルスルホン酸およびアミノエチルアミノエタンスルホン酸などのスルホン酸基を有するアミン化合物、アミノエチルスルホン酸ナトリウム、アミノエチルスルホン酸カリウム、アミノエチルアミノエタンスルホン酸ナトリウムおよびアミノエチルアミノエタンスルホン酸カリウムなどのスルホン酸アルカリ金属塩を有するアミン化合物、アミノエチルスルホン酸アンモニウム、アミノエチルスルホン酸トリエチルアンモニウム、アミノエチルアミノエタンスルホン酸アンモニウムおよびアミノエチルアミノエタンスルホン酸トリエチルアンモニウムなどのスルホン酸アンモニウム塩を有するアミン化合物などが挙げられ、これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらのうち、スルホン酸アルカリ金属塩を有するアミン化合物が好ましく、スルホン酸ナトリウム塩を有するアミン化合物がより好ましい。
スルホン酸基及び/またはその中和塩を有する活性水素基含有化合物(c)は、ガラス繊維集束剤の安定性がより優れたものとなることから、ポリウレタン樹脂1gに対してスルホン酸基及びその中和塩の合計量が0.01〜1.0mmolとなるように用いることが好ましく、0.01〜0.5mmolとなるように用いることがより好ましく、0.02〜0.3mmolとなるように用いることがさらに好ましい。また、スルホン酸基及び/またはその中和塩を有する活性水素基含有化合物(c)の使用割合は、得られるイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(A)100重量部に対して、0.05〜30重量部であることが好ましく、0.1〜20重量部であることがより好ましい。
スルホン酸基及び/またはその中和塩を有する活性水素基含有化合物(c)がスルホン酸基を有する場合は、中和剤により中和することができる。このような中和剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、トリメチルアミン、トリエチルアミンおよびトリプロピルアミンなどの3級アミン、アンモニアなどが挙げられる。これらのうち、機械的安定性により優れることから、アルカリ金属水酸化物が好ましく、水酸化ナトリウムがより好ましい。
本発明の乳化剤(B)としては、例えば、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールなどのポリオキシアルキレングリコール、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテルなどのポリオキシアルキレンスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテルおよびポリオキシエチレンラウリルエーテルなどのポリオキシアルキレングリコール、ポリオキシエチレンソルビタンモノココエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレートおよびポリオキシエチレン硬化ひまし油などのポリオキシアルキレン脂肪酸エステルなどの非イオン性界面活性剤が挙げられ、これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらのうち、ガラス繊維集束剤の安定性および機械的安定性がより優れることから、ポリオキシアルキレングリコールおよびポリオキシアルキレン脂肪酸エステルが好ましい。
乳化剤(B)の使用量は、ポリウレタン樹脂100重量部に対して1〜15重量部であることが好ましく、2〜10重量部であることがより好ましい。
本発明のポリアミン(C)は、1級または2級のポリアミンであり、スルホン酸基及び/又はその中和塩を有するイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(A)同士を、これを介して反応させるものである。ポリアミン(C)を用いることにより、ガラス繊維集束剤の安定性がより優れる。
ポリアミン(C)としては、例えば、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどの脂肪族ポリアミン、ピペラジンおよびイソホロンジアミンなどの脂環族ポリアミン、4,4’−ジフェニルメタンジアミン、メタキシリレンジアミンなどの芳香族ポリアミンなどが挙げられ、これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらのうち、黄変をより抑制できることから、脂肪族ポリアミンおよび脂環族ポリアミンが好ましい。
ポリアミン(C)の割合は、ガラス繊維集束剤の安定性がより優れることからスルホン酸基及び/又はその中和塩を有するイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(A)100重量部に対して、0.1〜10重量部であることが好ましく、0.2〜5重量部であることがより好ましい。
次いで、本発明のポリウレタン樹脂水分散体の製造方法の一例について説明する。
まず、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、酢酸エチル等の溶媒中で、スルホン酸基及びその中和塩を有しないポリオール(a)と、スルホン酸基及び/又はその中和塩を有する活性水素基含有化合物(c)と、過剰量のポリイソシアネート(b)とを反応させてイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(A)を生成させる。
このとき、必要により、前記活性水素基含有化合物(c)のスルホン酸基を、トリエチルアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどにより中和することができる。
次に、乳化剤(B)を添加し、前記イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(A)を水に分散させつつポリアミン(C)を添加し、ポリアミン(C)を介して鎖伸長反応させて乳化させる。その後、溶媒を減圧留去する。
これにより、前記ポリウレタン樹脂水分散体が得られる。
本発明のガラス繊維集束剤は、前記ポリウレタン樹脂水分散体を含有するものである。前記ガラス繊維集束剤におけるポリウレタン樹脂の濃度は特に限定されないが、1〜20重量%であることが好ましく、3〜15重量%であることがより好ましい。
本発明のガラス繊維集束剤には、シランカップリング剤、pH調整剤を添加することができる。
シランカップリング剤としては、例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−N’−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、などのアミノ基含有シランカップリング剤、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、などのエポキシ基含有シランカップリング剤、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、などのビニル基含有シランカップリング剤、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランなどのアクリル基またはメタクリル基含有シランカップリング剤、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのメルカプト基含有シランカップリング剤などが挙げられる。これらシランカップリング剤は単独または2種以上を併用することができる。
pH調整剤としては、例えば、酢酸、リン酸塩、クエン酸、クエン酸ナトリウム、アジピン酸などが挙げられる。
また、本発明のガラス繊維集束剤には、帯電防止剤、潤滑剤、熱安定剤、光安定剤、消泡剤、防腐剤、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂など、従来よりガラス繊維集束剤に用いられるものを添加することができる。
本発明のガラス繊維集束剤を用いてガラス繊維を処理する方法は、特に限定されないが、例えば、溶融したガラスを溶融炉の底部に設けられた多数のノズルから繊維状に引き出してこれを集束する際に、ロールコーターまたはスプレーで本発明のガラス繊維集束剤を塗布して集束し、これを巻き取って乾燥する方法が挙げられる。また、本発明のガラス繊維集束剤を塗布後、所定の長さに切断してから乾燥することもできる。
以下、本発明を実施例などを挙げて具体的に説明する。
なお、実施例において使用した原料は、下記の通りである。
スルホン酸基及びその中和塩を有しないポリオール(a)
(a1−1)
ジオールとしてネオペンチルグリコール、ジカルボン酸としてアジピン酸とテレフタル酸の混合物(モル比:1/1)を用いて得られる、数平均分子量2000のポリエステルポリオール
(a1−2)
ジオールとしてヘキシレングリコール、ジカルボン酸としてアジピン酸とテレフタル酸の混合物(モル比:1/1)を用いて得られる、数平均分子量2000のポリエステルポリオール
(a2−1)
ポリエチレングリコール(数平均分子量600)
(a2−2)
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(数平均分子量3000、プロピレンオキサイドとエチレンオキサイド(重量比で50/50)をこの順でブロック付加)
(a2−3)
ポリエチレングリコール(数平均分子量400)
(a3−1)
トリメチロールプロパン
ポリイソシアネート(b)
(b−1)
ヘキサメチレンジイソシアネート
(b−2)
イソホロンジイソシアネート
(b−3)
ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート
スルホン酸基及び/ 又はその中和塩を有する活性水素基含有化合物(c)
(c−1)
アミノエチルスルホン酸ナトリウム
(c−2)
アミノエチルアミノエタンスルホン酸ナトリウム
(c−3)
下記合成例1で得られるスルホン酸ナトリウム塩を有するポリエステルポリオール
(c−4)
アミノエチルスルホン酸
(合成例1 スルホン酸ナトリウム塩を有するポリエステルポリオールの合成)
温度計、窒素ガス導入管及び撹拌機を備えた反応容器中で窒素ガスをバブリングしながら、アジピン酸1100部と、1,6−ヘキサンジオール900部と、テトラブチルチタネート0.5部とを仕込み、塔頂温度が55℃になるように反応温度165℃に設定し、酸価が0.3mgKOH/g以下になるまで反応を行った。
次に、180℃、5kPaの減圧条件下で2時間反応を行い、平均水酸基価112mgKOH/g、酸価0.2mgKOH/gのポリエステルポリオールを得た。
続いて、このポリエステルポリオール2000部に、5−スルホソディウムイソフタル酸ジメチル267部及びテトラブチルチタネート4部を仕込み、塔頂温度が60℃になるよう反応温度を175℃に設定して反応を行い、平均水酸基価53mgKOH/g、酸価0.3mgKOH/gのスルホン酸ナトリウム塩を有するポリエステルポリオールを得た。
乳化剤(B)
(B−1)
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(製品名:エパンU−108、第一工業製薬社製)
(B−2)
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(製品名:ソルゲンTW−20、第一工業製薬社製)
(B−3)
ポリオキシエチレン硬化ひまし油(製品名:ノイゲンHC−400、第一工業製薬社製)
ポリアミン(C)
(C−1)
ジエチレントリアミン
(C−2)
エチレンジアミン
(製造例1)
撹拌機、還流冷却管、温度計および窒素吹き込み管を備えた4つ口フラスコに、(a−1)88.9重量部、(b−1)10.5重量部および溶媒としてメチルエチルケトン60重量部を加え、75℃で4時間反応させた。続いて、(c−1)0.6重量部を含む水溶液6重量部を加えて45℃で30分反応させることにより、スルホン酸基及び/又はその中和塩を有するイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(A)のメチルエチルケトン溶液を得た。この溶液中の遊離イソシアネート量は1.2%であった。
この溶液に、(B−1)6重量部を添加して混合した後、水120重量部を加えて乳化分散した。次に、(C−1)0.42重量部および(C−2)0.28重量部を含む水溶液10重量部を添加し、30℃で60分間反応させた後、減圧下でメチルエチルケトンを留去し、固形分50重量%のポリウレタン樹脂水分散体(ポリウレタン樹脂1gに対するスルホン酸基の中和塩の含有量:0.04mmol/g)を得た。
なお、遊離イソシアネート量は、JIS K 7301−1995に準じて測定した。
また、ポリウレタン樹脂水分散体の不揮発分は、JIS K 6828−1−2003に準じて測定した。
(製造例2〜7、9〜13)
表1および表2に示した原料および配合量とした以外は、製造例1と同様の操作を行い、表1および表2に記載のポリウレタン樹脂水分散体を得た。
(製造例8)
撹拌機、還流冷却管、温度計および窒素吹き込み管を備えた4つ口フラスコに、(a−1)79.5重量部、(a2−1)2重量部、(b−1)11重量部、(c−3)8重量部および溶媒としてメチルエチルケトン60重量部を加え、75℃で4時間反応させ、スルホン酸基及び/又はその中和塩を有するイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(A)のメチルエチルケトン溶液を得た。この溶液中の遊離イソシアネート量は1.2%であった。
この溶液に、(B−1)6重量部を添加して混合した後、水120重量部を加えて乳化分散した。次に、(C−1)0.42重量部および(C−2)0.28重量部を含む水溶液10重量部を添加し、30℃で60分間反応させた後、減圧下でメチルエチルケトンを留去し、固形分50重量%のポリウレタン樹脂水分散体(ポリウレタン樹脂1gに対するスルホン酸基の中和塩の含有量:0.04mmol/g)を得た。
(製造例14)
撹拌機、還流冷却管、温度計および窒素吹き込み管を備えた4つ口フラスコに、(a−1)78.4重量部、(a2−1)2重量部、(a3−1)1.8重量部、(b−1)14.8重量部および溶媒としてメチルエチルケトン60重量部を加え、75℃で4時間反応させた。続いて、(c−1)3重量部を含む水溶液30重量部を加えて45℃で30分反応させることにより、スルホン酸基及び/又はその中和塩を有するイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(A)のメチルエチルケトン溶液を得た。この溶液中の遊離イソシアネート量は1.2%であった。
この溶液に、(B−1)3重量部を添加して混合した後、水175重量部を加えて乳化分散した。次に、(C−1)0.55重量部を含む水溶液10重量部を添加し、30℃で60分間反応させた後、減圧下でメチルエチルケトンを留去し、固形分40重量%のポリウレタン樹脂水分散体(ポリウレタン樹脂1gに対するスルホン酸基の中和塩の含有量:0.2mmol/g)を得た。
(製造例15)
撹拌機、還流冷却管、温度計および窒素吹き込み管を備えた4つ口フラスコに、(a−1)86.5重量部、(b−1)11重量部および溶媒としてメチルエチルケトン60重量部を加え、75℃で4時間反応させた。続いて、(c−4)0.51重量部を含む水溶液10.2重量部を加えて45℃で30分反応させることにより、スルホン酸基を含有するイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(A)のメチルエチルケトン溶液を得た。この溶液中の遊離イソシアネート量は1.0%であった。
この溶液に、水酸化ナトリウム0.09重量部を含む水溶液0.9重量部を加えてスルホン酸基を中和し、さらに(B−1)6重量部を添加して混合した後、水120重量部を加えて乳化分散した。次に、(C−1)0.42重量部および(C−2)0.28重量部を含む水溶液10重量部を添加し、30℃で60分間反応させた後、減圧下でメチルエチルケトンを留去し、固形分50重量%のポリウレタン樹脂水分散体(ポリウレタン樹脂1gに対するスルホン酸基の中和塩の含有量:0.04mmol/g)を得た。
(製造例16)
撹拌機、還流冷却管、温度計および窒素吹き込み管を備えた4つ口フラスコに、(a−1)87.8重量部、(b−1)11.2重量部、ジメチロールプロピオン酸1重量部および溶媒としてメチルエチルケトン60部を加え、75℃で4時間反応させることにより、カルボキシル基を含有するイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーのメチルエチルケトン溶液を得た。この溶液中の遊離イソシアネート量は1.2%であった。
この溶液に、水酸化ナトリウム0.3重量部を含む水溶液3重量部を加えてカルボキシル基を中和し、さらに(B−1)6重量部を添加して混合した後、水120重量部を加えて乳化分散した。次に、(C−1)0.42重量部および(C−2)0.28重量部を含む水溶液10重量部を添加し、30℃で60分間反応させた後、減圧下でメチルエチルケトンを留去し、固形分50重量%のポリウレタン樹脂水分散体を得た。
(製造例17)
表2に示した原料を使用した以外は、製造例16と同様の操作を行い、表1記載のポリウレタン樹脂水分散体を得た。
(製造例18)
撹拌機、還流冷却管、温度計および窒素吹き込み管を備えた4つ口フラスコに、(a−1)85.5重量部、(a2−1)2重量部、(b−1)11.5重量部、ジメチロールプロピオン酸1重量部および溶媒としてメチルエチルケトン60部を加え、75℃で4時間反応させることにより、カルボキシル基を含有するイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーのメチルエチルケトン溶液を得た。この溶液中の遊離イソシアネート量は1.2%であった。
この溶液に、(B−1)6重量部を添加して混合した後、水120重量部を加えて乳化分散した。次に、(C−1)0.42重量部および(C−2)0.28重量部を含む水溶液10重量部を添加し、30℃で60分間反応させた後、減圧下でメチルエチルケトンを留去し、固形分50重量%のポリウレタン樹脂水分散体を得た。
(実施例1〜13、15、比較例1〜3)
表1および表2に示すポリウレタン樹脂水分散体100重量部、シランカップリング剤として3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(商品名:KBE−403、信越化学工業社製)5重量部、pH調整剤として酢酸0.2重量部および水450重量部とを、プ・BR>鴻Yラ(回転数300rpm)を用いて25℃で30分間攪拌することにより、ポリウレタン樹脂を9重量%含有するガラス繊維集束剤を得た。これを用いて、安定性、機械的安定性、耐熱性および集束性の評価を下記の方法で行った。結果を表3および表4に示す。
(実施例14)
表2に示す製造例14のポリウレタン樹脂水分散体125重量部、シランカップリング剤として3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(商品名:KBE−403、信越化学工業社製)5重量部、pH調整剤として酢酸0.2重量部および水425重量部とを、プロペラ(回転数300rpm)を用いて25℃で30分間攪拌することにより、ポリウレタン樹脂を9重量%含有するガラス繊維集束剤を得た。これを用いて、安定性、機械的安定性、耐熱性および集束性の評価を下記の方法で行った。結果を表4に示す。
<評価方法>
(1)安定性
得られたガラス繊維集束剤100gを105℃で3時間乾燥し、ガラス繊維集束剤の固形分重量を測定した。別途、ガラス繊維集束剤100gを50μmの金網でろ過し、その残渣を105℃で3時間乾燥して重量を測定した。ガラス繊維集束剤の固形分重量に対する残渣の重量の割合(重量%)を算出し、凝集物の重量割合を測定した。
(2)機械的安定性
得られたガラス繊維集束剤500gを、ジュースミキサー(商品名:Abitelax AM−808、吉井電気社製)を用いて15分間攪拌した後、50μmの金網でろ過し、その残渣を105℃で3時間乾燥して重量を測定した。続いて、前記ガラス繊維集束剤の固形分重量に対する残渣の重量の割合(重量%)を算出し、凝集物の重量割合を測定した。
(3)耐熱性
得られたガラス繊維集束剤を、乾燥膜厚が200μmとなるように離型紙に塗布し、105℃で3時間乾燥することにより、試験片を作製した。これを、20℃、20%RHで18時間静置して十分に乾燥させた後、試験片重量を測定した。続いて、示差熱天秤(商品名:Thermo plus EVO TG8120、リガク社製)を用いて、初期温度20℃、昇温速度10℃/分、窒素雰囲気下の条件で350℃到達時点の重量を測定し、試験前後における重量減少率(重量%)を測定した。
(4)集束性
直径13μmのEガラス繊維表面に、ガラス繊維に対する固形分が1重量%となるようにガラス繊維集束剤を塗布した。このガラス繊維を2000本集束した後、3mm長に切断し、乾燥することによりチョップドストランドを作製した。このチョップドストランド300gを1Lのビーカーに入れ、プロペラ(回転数500rpm)を用いて15分間攪拌した。これを、目開き3.35mmの篩にかけ、篩上に残った固形分の重量を測定することにより毛羽の割合(重量%)を求めた。
表3および表4より、本発明のガラス繊維集束剤は、安定性、機械的安定性、耐熱性およびガラス繊維の集束性に優れている。一方、カルボキシル基を有するポリウレタン樹脂の水分散体を用いた場合、安定性が劣り、また、ガラス繊維に用いた場合に糸切れが発生することがわかる。

Claims (3)

  1. ポリウレタン樹脂水分散体を含有するガラス繊維集束剤であって、
    該ポリウレタン樹脂水分散体におけるポリウレタン樹脂は、スルホン酸基の中和塩を含有していることを特徴とするガラス繊維集束剤。
  2. 前記ポリウレタン樹脂水分散体は、スルホン酸基の中和塩を含有するイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(A)を、乳化剤(B)の存在下で水中に分散させると同時または分散後に、水およびポリアミン(C)で鎖伸長させることによって生成させたものであることを特徴とする、請求項1に記載のガラス繊維集束剤。
  3. 前記スルホン酸基の中和塩を含有するイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(A)は、少なくとも、スルホン酸基及びその中和塩を有しないポリオール(a)と、ポリイソシアネート(b)と、スルホン酸基及び/又はその中和塩を有する活性水素基含有化合物(c)とを反応させ、必要により該スルホン酸基を中和することによって生成させたものであることを特徴とする、請求項2記載のガラス繊維集束剤。
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