JP4378667B2 - ポリウレタン繊維の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はポリウレタン繊維の製造方法に関する。さらに詳しくは、バッチ方式によって溶液安定性に優れたポリウレタン樹脂溶液を製造し、かかるポリウレタン樹脂溶液を紡糸して、良好な品質のポリウレタン繊維を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、実質的に架橋構造を有しないポリウレタン樹脂溶液を用いて弾性繊維、弾性フィルム、エラストマー状の各種成形品、人工皮革の表面膜や各種塗料などの表面被覆物、含浸剤などに優れたゴム状弾性を有する種々の物品が製造されている。このポリウレタン樹脂溶液は、一般に極性溶媒中において有機ジイソシアネートと比較的高分子量のジオールおよび鎖延長剤とを反応させることにより製造され、その後、溶媒を除去することにより成形物が製造される。
【0003】
しかしながら、ポリウレタン樹脂溶液を製造した後、透明な溶液が白濁したり、粘度上昇を起こしたり、また、溶液を加熱すると解重合を起こして粘度が低下するといったポリウレタン樹脂溶液の不安定性が、その溶液をしようするポリウレタン繊維の成形性や物性を低下させたり、ポリウレタン樹脂溶液の可使時間を制限するなど、工業的に効率良く製品を生産するためには解決すべき種々の問題がある。
【0004】
これらの問題を解決するために、ポリウレタン樹脂溶液の粘度を安定化する方法として、例えば、アミンおよび有機酸、あるいは有機酸のアミン塩を添加する方法(特公昭41−3472号公報)、水を含んだ極性溶媒中で鎖延長反応を行う方法(特公昭44−22311号公報)、脂環式ジアミン、芳香族ジメチルアミン、置換イミノビス脂肪族アミンを用いたポリウレタン重合体溶液の製造方法(特公昭49−40006号公報)、金属アセチルアセトンを用いたポリウレタン重合体溶液の製造方法(特開昭47−15498号公報)、蟻酸リチウム、アセチルアセトンナトリウム等を添加してポリ尿素エラストマー溶液を安定化する方法(特開昭48−12347号公報)、リチウム塩、脂肪族もしくは脂環式連鎖停止剤を用いたポリウレタン尿素エラストマー(特開平3−139514号公報)、対称性ジアミン、非対称性ジアミンを用いたポリウレタン弾性繊維(特開平3−279415号公報)、ヒドラジンやジアミン液の添加条件を特定してポリウレタン樹脂溶液を製造する方法(特開昭50−78698号公報)等が知られているが、これらの方法は粘度の安定性や色相などを若干は改善するものの、ポリウレタン繊維用の溶液としては、未だ満足するまでには至っていない。
【0005】
またポリウレタン樹脂溶液の加熱保管時の粘度安定化については、特公昭47−35317号公報に、鎖延長剤の量をイソシアネート(以下、NCOと略記する)基の当量以下にし残りを水で鎖延長する方法が記載されているが、粘度が安定するまでに粘度が低下し、安定化した粘度は合成直後の粘度の半分程度になってしまうという欠点があり、満足できるものとは言い難い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、前述のような問題点を解決し、透明で粘度安定性が良く、着色や増粘がなく、熱による解重合を起こさないポリウレタン樹脂溶液から耐光性、耐酸化窒素性などが高く、またかつヒートセット性が高い利点を有し、フィット性、良好な外観品位、優れた着用感が得られるポリウレタン繊維を得ることが可能なポリウレタン繊維の製造方法を提供することにある。すなわち、本発明の目的は、優れた品質のポリウレタン繊維を工業的に効率良く製造することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、着色、増粘、熱安定性の低下等の溶液物性の低下はウレタン化反応と同時に起こる副反応、すなわち、ウレタン結合にNCO基が反応して生成するアロファネート結合やウレア結合にNCO基が反応して生成するビュレット結合の形成が、ポリウレタン樹脂溶液の保管時に粘度上昇させたり、加熱保管時の安定性を低下させる原因であることを突き止めた。さらにこれらの副反応を低減する方法について鋭意検討した結果、ウレタン化反応時、NCO基に対して特定量の1価アルコールの存在下でウレタン化反応し、反応末期に、反応系に残存するNCO基に対して過剰量の1価アルコールまたはモノアミンを加えて反応停止することにより、着色、増粘、熱安定性の低下等の溶液物性の低下がなく、しかも紡糸した後の糸の物性低下のないポリウレタン繊維の製造方法を見出し、本発明に到達した。
【0008】
すなわち、有機ジイソシアネート(a)、数平均分子量が500〜5,000の高分子ジオール(b)、分子量300以下の低分子ジオール(c)および分子量200以下の1価アルコール(d1)を、有機溶媒中で反応させるに際し、前記1価アルコール(d1)が、前記高分子ジオール(b)と前記低分子ジオール(c)の合計に対して、0.001〜0.03当量となるようになし、樹脂分当たりの遊離イソシアネート基含量が0.01〜0.1重量%となった段階で、1価アルコール(d2)を加えることにより、ポリウレタン樹脂溶液を作り、該ポリウレタン樹脂溶液を紡糸することを特徴とするポリウレタン繊維の製造方法である。
【0009】
または、有機ジイソシアネート(a)、数平均分子量が500〜5,000の高分子ジオール(b)、分子量300以下の低分子ジオール(c)および分子量200以下の1価アルコール(d1)を、有機溶媒中で反応させるに際し、前記1価アルコール(d1)が、前記高分子ジオール(b)と前記低分子ジオール(c)の合計に対して、0.001〜0.03当量となるようになし、樹脂分当たりの遊離イソシアネート基含量が0.01〜0.1重量%となった段階で、モノアミン(d3)を加えることにより、ポリウレタン樹脂溶液を作り、該ポリウレタン樹脂溶液を紡糸することを特徴とするポリウレタン繊維の製造方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明において、有機ジイソシアネート(a)としては、従来からポリウレタン製造に使用されているものが使用できる。このような有機ジイソシアネートには、炭素数(NCO基中の炭素を除く、以下同様)6〜20の芳香族ジイソシアネート、炭素数2〜18の脂肪族ジイソシアネート、炭素数4〜15の脂環式ジイソシアネート、炭素数8〜15の芳香脂肪族ジイソシアネート、これらのジイソシアネートの変性体(カーボジイミド変性体、ウレタン変性体、ウレトジオン変性体など)およびこれらの2種以上の混合物などが含まれる。
【0011】
上記芳香族ジイソシアネートの具体例としては、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、MDIと略記する)、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、1,5−ナフチレンジイソシアネートなどが挙げられる。
【0012】
上記脂肪族ジイソシアネートの具体例としては、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエートなどが挙げられる。
【0013】
上記脂環式ジイソシアネートの具体例としては、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキシレン−1,2−ジカルボキシレート、2,5−ノルボルナンジイソシアネート、2,6−ノルボルナンジイソシアネートなどが挙げられる。
【0014】
上記芳香脂肪族ジイソシアネートの具体例としては、m−キシリレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどが挙げられる。
【0015】
これらのうち、各種用途において、最終製品の強度を向上させ、優れた耐熱性を得る観点から、芳香族ジイソシアネートが好ましく、特に好ましいものはMDIである。
【0016】
本発明で用いられる高分子ジオール(b)としては、例えば、ポリアルキレンエーテルジオール(b1)、ポリエステルジオール(b2)、ポリブタジエンジオール(b3)およびこれらの2種以上の混合物が好ましく使用される。
【0017】
高分子ジオール(b)の数平均分子量は、好ましくは500〜5,000であり、より好ましくは700〜4,500であり、さらに好ましくは1,000〜4,000である。
【0018】
ポリアルキレンエーテルジオール(b1)としては、2価アルコールにアルキレンオキサイド(以下、AOと略記する)が付加した構造の化合物およびこれらの2種以上の混合物などが挙げられる。
【0019】
上記2価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール(以下、EGと略記する)、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール(以下、14BGと略記する)、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール(以下、DEGと略記する)、ネオペンチルグリコール、ドデカンジオールなどの炭素数2〜12の脂肪族2価アルコール、または、例えば、1,4−シクロヘキサンジオール、ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンなどの炭素数6〜10の脂環式2価アルコール、または、例えば、キシリレングリコール、ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼン、ビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物などの炭素数8〜20の芳香環含有2価アルコール等が好ましく使用される。2価アルコールは2種以上を併用することも好ましい。
【0020】
2価アルコールに付加するAOとしては、エチレンオキサイド(以下、EOと略記する)、プロピレンオキサイド(以下、POと略記する)、1,2−ブチレンオキサイド、2,3−ブチレンオキサイド、1,3−ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン(以下、THFと略記する)、3−メチルテトラヒドロフラン(以下、3M−THFと略記する)、スチレンオキサイド、α−オレフィンオキサイド、エピクロルヒドリンなどが挙げられる。
【0021】
AOは単独でも2種以上の併用でもよく、2種以上の併用の場合はチップ型、バランス型、活性セカンダリー型などのブロック付加もしくはランダム付加でもよく、さらにブロック付加とランダム付加の混合系であってもよく、例えば、ランダム付加後にチップしたもの、すなわち、好ましくは0〜50重量%、より好ましくは5〜40重量%のエチレンオキサイド鎖を分子中に任意に分布し、好ましくは0〜30重量%、より好ましくは5〜25重量%のエチレンオキサイド鎖が分子末端にチップされたものでもよい。
【0022】
これらのAOのうちで、ポリウレタン繊維の伸度を大きくし、しかも柔軟性に富み、回復性も高くする観点から、特にTHF単独のもの、EOとTHFの併用のもの、THFと3M−THFの併用(併用の場合、ランダム付加、ブロック付加、および両者の混合系であってもよい)が好ましい。
【0023】
ポリアルキレンエーテルジオール(b1)の具体例としてはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(以下、PTMGと略記する)、ポリ−3−メチルテトラメチレンエーテルグリコール、THF/EO共重合ジオール、THF/3M−THF共重合ジオールなどが挙げられる。これらのうち好ましいものはPTMG、THF/EO共重合ジオールおよびTHF/3M−THF共重合ジオール等である。
【0024】
2価アルコールへのAOの付加は、通常の方法で行うことができ、無触媒でまたは触媒(アルカリ触媒、アミン系触媒、酸性触媒など)の存在下(とくにAO付加の後半の段階で)に常圧または加圧下に1段階または多段階で行なわれるのが好ましい。
【0025】
ポリアルキレンエーテルジオール(b1)の数平均(OH価から計算)分子量は、好ましくは500〜5,000であり、より好ましくは700〜4,500であり、更に好ましくは1,000〜4,000である。
【0026】
また、ポリアルキレンエーテルジオール(b1)の第1級水酸基含有率は、触媒を使用しない場合でも反応性を向上させ、触媒添加による残留触媒等の問題点を防止する観点から、好ましくは0〜100%であり、より好ましくは30〜100%であり、更に好ましくは50〜100%であり、最も好ましくは70〜100%である。
【0027】
ポリエステルジオール(b2)には、2価アルコールおよび/または分子量1,000以下のポリアルキレンエーテルジオールとジカルボン酸とを反応させて得られる縮合ポリエステルジオール、ラクトンの開環重合により得られるポリラクトンジオール、2価アルコールと低級アルコール(メタノールなど)の炭酸ジエステルとを反応させて得られるポリカーボネートジオールなどが含まれるのが好ましい。
【0028】
前記2価アルコールとしては前述のポリアルキレンエーテルジオール(b1)の出発物質として例示した2価アルコールと同様のものが挙げられる。
【0029】
また、分子量1,000以下のポリアルキレンエーテルジオールとしては、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、およびこれらの2種以上の混合物などが挙げられる。
【0030】
また、ジカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸、ドデカン酸などの炭素数2〜12の脂肪族ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸などの炭素数8〜115の芳香族ジカルボン酸、これらのジカルボン酸のエステル形成性誘導体(酸無水物、炭素数1〜4の低級アルキルエステルなど)およびこれらの2種以上の混合物などが挙げられる。ラクトンとしてはε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトンおよびこれらの2種以上の混合物などが挙げられる。
【0031】
ポリエステル化は、通常の方法、例えば、2価アルコールおよび/または分子量1,000以下のポリエーテルジオールを、ジカルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体、またはその無水物およびAO(例えば、EOおよび/またはPO)とを反応(縮合)させる方法、あるいは開始剤(低分子ジオールおよび/または分子量1,000以下のポリエーテルジオール)にラクトンを付加させる方法により製造することができる。
【0032】
これらのポリエステルジオール(b2)の具体例としては、ポリエチレンアジペートジオール、ポリブチレンアジペートジオール、ポリヘキサメチレンアジペートジオール、ポリネオペンチルアジペートジオール、ポリエチレンプロピレンアジペートジオール、ポリエチレンブチレンアジペートジオール、ポリブチレンヘキサメチレンアジペートジオール、ポリジエチレンアジペートジオール、ポリ(ポリテトラメチレンエーテル)アジペートジオール、ポリエチレンアゼレートジオール、ポリエチレンセバケートジオール、ポリブチレンアゼレートジオール、ポリブチレンセバケートジオール、ポリカプロラクトンジオール、3メチルペンタンジオールと炭素数2〜20の脂肪族ジカルボン酸とから合成されるポリエステル系ジオール、ポリヘキサメチレンカーボネートジオールなどが挙げられる。
【0033】
ポリエステルジオール(b2)の数平均(OH価から計算)分子量は、好ましくは500〜5,000であり、より好ましくは700〜4,500であり、さらに好ましくは1,000〜4,000である。
【0034】
ポリブタジエンジオール(b3)としては、1,2−ビニル構造を有するもの、1,2−ビニル構造と1,4−トランス構造とを有するもの、および1,4−トランス構造を有するものが挙げられる。1,2−ビニル構造と1,4−トランス構造の割合は種々にかえることができ、例えば、モル比で好ましくは100:0〜0:100である。またポリブタジエングリコール(b3)にはホモポリマーおよびコポリマー(スチレン−ブタジエンコポリマー、アクリロニトリル−ブタジエンコポリマーなど)、ならびにこれらの水素添加物も含まれ、かかる水素添加物の水素添加率は好ましくは20〜100%である。
【0035】
ポリブタジエンジオール(b3)の数平均(OH価から計算)分子量は、好ましくは500〜5,000であり、より好ましくは700〜4,500であり、さらに好ましくは1,000〜4,000である。
【0036】
高分子ジオール(b)として好ましいのはポリアルキレンエーテルジオール(b1)であり、特に好ましいのはPTMG、THF/EO共重合ジオールおよびTHF/3M−THF共重合ジオールである。
【0037】
本発明で用いられる低分子ジオール(c)としては、得られるポリウレタン繊維の強度が大きく、耐熱性、耐光性などに優れた高物性の最終製品を得る観点から、例えば、EG、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール(以下、3Gと略記する)、1,3−ブチレングリコール、14BG、1,6−ヘキサンジオール、DEG、ネオペンチルグリコールなどの炭素数2〜8の脂肪族グリコール、例えば、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンなどの炭素数6〜10の脂環式ジオール、例えば、キシリレングリコール、ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼン、ビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物などの炭素数8〜20の芳香環含有ジオールなどが好ましい。これらのうちより好ましいものは脂肪族グリコールであり、さらに好ましいものはEG、DEG、14BG、3Gであり、さらに一層、好ましいものはEG、14BG、3Gである。
【0038】
低分子ジオール(c)の分子量は、300以下が好ましく、より好ましくは62〜120である。
【0039】
本発明で用いられる分子量200以下の1価アルコール(d1)としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、オクチルアルコールなどのアルカノール類、例えば、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブなどのセロソルブ類、例えば、エチルカルビトール、ブチルカルビトールなどのカルビトール類などの炭素数1〜10の脂肪族1価アルコール、例えば、シクロヘキサノールなどの炭素数6〜10の脂環族1価アルコール、例えば、N,N−ジメチルアミノエタノール、N−ヒドロキシエチルモルホリンなどの3級アミノ基含有1価アルコール、例えば、ベンジルアルコールなどの炭素数7〜15の芳香環含有1価アルコール、例えば、フェノール、クレゾールなどの1価フェノール類のAO(例えば、EOおよび/またはPO)付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは脂肪族1価アルコールであり、特に好ましいものはアルカノール類、とくにn−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコールおよびイソブチルアルコールである。
【0040】
本発明で用いられる有機溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(以下、DMFと略記する)、N,N−ジメチルアセトアミド(以下、DMACと略記する)、N−メチルピロリドンなどのアミド系溶媒、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒、メチルエチルケトンなどのケトン系溶媒、ジオキサン、THFなどのエーテル系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶媒、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶媒などおよびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。これらのうち好ましいものはアミド系溶媒であり、特に好ましいものはDMFおよびDMACである。
【0041】
本発明で用いられる反応停止剤としての1価アルコール(d2)は、前述の1価アルコール(d1)と同様のものが好ましい。
【0042】
本発明で用いられる反応停止剤としてのモノアミン(d3)は、例えば、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ−n−ブチルアミンなどのアルキル基の炭素数1〜8のモノもしくはジアルキルアミン、例えば、シクロヘキシルアミンなどの炭素数6〜10の脂環式モノアミン、例えば、アニリンなどの炭素数6〜10の芳香族モノアミン、例えば、モノエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジエタノールアミン、ジソプロパノールアミンなどのアルカノール基の炭素数2〜4のモノ−もしくはジアルカノールアミン、例えばモルホリンなどの複素環式モノアミンなどおよびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。これらのうち好ましいものはジアルキルアミンである。
【0043】
本発明のポリウレタン繊維用のポリウレタン樹脂溶液の製造において、目的の粘度および分子量のものを得られやすくし、溶液の粘度安定性を優れたものとし、得られるポリウレタン繊維の強度を優れたものとする観点から、有機ジイソシアネート(a)と、高分子ジオール(b)、低分子ジオール(c)および1価アルコール(d1)からなる活性水素基含有化合物との当量比は、好ましくは0.95:1〜1.1であり、より好ましくは0.97:1〜1.05:1である。
【0044】
高分子ジオール(b)と低分子ジオール(c)の当量比は、ポリウレタン繊維の強度および伸度を優れたものとする観点から、好ましくは1:0.5〜1:8であり、より好ましくは1:0.8〜1:5である。
【0045】
本発明において、高分子ジオール(b)と低分子ジオール(c)の合計と1価アルコール(d1)の当量比は、1:0.001〜1:0.03であることが重要である。
【0046】
1価アルコール(d1)の比率が0.001未満の場合にはポリウレタン繊維用溶液の粘度安定性が不良となる問題がある。
【0047】
また、1価アルコール(d1)の比率が0.03を越えると目的の粘度および分子量のものが得られずポリウレタン繊維の強度が不良となる問題がある。
【0048】
なお、高分子ジオール(b)と低分子ジオール(c)の合計と1価アルコール(d1)の当量比は、好ましくは1:0.002〜1:0.02である。
【0049】
本発明のポリウレタン繊維用のポリウレタン樹脂の数平均分子量(GPC法による)は、繊維の強度を優れたものとし、粘度安定性を良好なものとする観点から、好ましくは20,000〜200,000であり、より好ましくは40,000〜150,000である。
【0050】
反応停止剤の1価アルコール(d2)の使用量は、溶液の経時的な増粘を防止して、良好な粘度安定性を得る観点から、反応系中の残存遊離NCO基に対して3〜50倍当量であるのが好ましく、5〜30倍当量であるのがより好ましい。
【0051】
1価アルコール(d2)で封止反応される反応系中に残存する遊離NCO基含量は樹脂固形分当たり0.01〜0.1重量%であるのが好ましく、0.02〜0.06重量%であるのがより好ましい。
【0052】
反応停止剤がモノアミン(d3)である場合の使用量は、残存遊離NCO基に対して1〜1.5当量であるのが好ましく、1〜1.1当量であるのがより好ましい。
【0053】
本発明に用いるポリウレタン樹脂溶液の製造は、有機溶媒の存在下で、有機ジイソシアネート(a)と高分子ジオール(b)と低分子ジオール(c)と1価アルコール(d1)とをワンショット法で反応せしめ、残存するNCO基が特定量となった段階で該NCO基を1価アルコール(d2)またはモノアミン(d3)で末端停止反応させることにより行われる。
【0054】
本発明に使用するポリウレタン樹脂溶液の樹脂分濃度は、ポリウレタン繊維の製造の容易さ、また目的の溶液粘度とし、経時的に増粘して粘度安定性が不良となることを防止し、用途の多様性、貯蔵性、デリバリー性を得る観点から、好ましくは30〜50重量%であり、より好ましくは37〜45重量%である。
【0055】
反応温度はポリウレタン化反応に通常採用される温度と同じでよく、好ましくは20〜100℃であり、より好ましくは40〜80℃である。
【0056】
本発明にかかるポリウレタン樹脂溶液の粘度(20℃)は、紡糸のしやすさ、また、貯蔵性、デリバリー性および粘度安定性の観点から、好ましくは500,000〜1,500,000mPa・sであり、より好ましくは600,000〜1、300,000mPa・sである。
【0057】
反応を促進させるために、所望によりポリウレタン反応に通常使用される触媒を使用することも好ましい。
【0058】
触媒としては、例えば、トリエチルアミン、トリエチレンジアミンなどのアミン系触媒、ジブチルチンジラウレート、ジオクチルチンジラウレートなどの錫系触媒等が好ましい。
【0059】
触媒の使用量はポリウレタン樹脂に対して1重量%以下とするのが好ましい。
【0060】
本発明のポリウレタン繊維はかかる方法により製造される溶液を紡糸することにより製造される。本発明では紡糸方法として乾式紡糸または湿式紡糸法等が好ましい。乾式紡糸法、湿式紡糸法とも任意の方法を採用でき、特に限定されるものではない。特に、細い糸を作るときには、乾式紡糸法が生産性、また糸の透明性などから好ましい。
【0061】
ポリウレタン繊維の製造においては、紡糸溶液に、所望により酸化チタンなどの着色剤、紫外線吸収剤や酸化防止剤などの各種安定剤、無機充填剤、有機改質剤、その他の添加剤、各種の滑剤等を含有させることが好ましい。
【0062】
また、適宜、油剤の付与などを行ってもよい。
【0063】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが本発明はこれに限定されるものではない。実施例および比較例中の部は重量部、%は重量%を表す。
【0064】
なお、実施例中の粘度、溶液粘度安定性、樹脂の数平均分子量、ポリウレタン繊維の糸物性(セット性、応力緩和、強度、伸度)の測定は次の方法に従って行った。
(1)粘度
試料(ポリウレタン樹脂溶液)を20℃の恒温槽で5時間温調した後、B型粘度計[東機産業(株)社製BH型粘度計]で測定した。
(2)溶液粘度安定性
試料(ポリウレタン樹脂溶液)を40℃の恒温槽に20日間保管し、保管後20℃に温調して粘度を測定した。
(3)数平均分子量
東ソー(株)社製HLC−8020(カラム:東ソーGMH−XL)を用いて分子量を測定した。
(4)[セット性、応力緩和、強度、伸度]
セット性、応力緩和、強度、伸度は、ポリウレタン繊維をインストロン4502型引張試験機を用い、引張テストを行うことにより得られた。
【0065】
これらは下記により定義される。
【0066】
5cm(L1)の試料を50cm/分の引張速度で300%伸長を5回繰返した。このときの応力を(G1)とした。
【0067】
次に該長さを30秒間保持した。30秒間保持後の応力を(G2)とした。
【0068】
次に該伸長を回復せしめ応力が0になった時の試料の長さを(L2)とした。
【0069】
さらに6回目にポリウレタン繊維が切断するまで伸長した。
【0070】
この破断時の応力を(G3)、破断時の試料長さを(L3)とした。
【0071】
以下、前記特性は下記式により得られた。
【0072】
強度=(G3)
応力緩和=100×[((G1)−(G2))/(G1)]
セット性=100×[((L2)−(L1))/(L1)]
伸度=100×[((L3)−(L1))/(L1)]
[実施例1]
撹拌機および温度計を備えた四つ口フラスコに、数平均(OH価から計算)分子量2,300のPTMG230部、分子量90の14BG21.1部、MDI84.5部、n−プロピルアルコール2.03部およびDMAC503部を仕込み、乾燥窒素雰囲気下で70℃で5時間反応させ、次ぎにn−プロピルアルコール3.4部を加えて[この時の反応系中の遊離NCO含量は(樹脂固形分換算で)0.038%であった]1時間末端停止反応を行い、樹脂濃度40%、粘度700,000mPa・s/20℃、数平均分子量65,000のポリウレタン樹脂溶液(A1)を得た。得られたポリウレタン樹脂溶液(A1)を40℃で20日間保管したが、特に粘度変化、また濁りなどは生じなかった。
得られたポリウレタン樹脂溶液を口金に通し、350℃の乾燥窒素中に吐出し、引き取り速度600m/分でモノフィラメント糸を乾式紡糸した。
紡糸性は糸切れもなく良好であった。
得られたポリウレタン繊維は表1に示すとおり良好な特性のものであった。
【0073】
【表1】
Figure 0004378667
【0074】
[実施例2]
実施例1と同様の反応容器に、数平均(OH価から計算)分子量3,100のPTMG310部、分子量62のEG16.3部、MDI91.5部、n−ブチルアルコール5.42部およびDMF577部を仕込み、乾燥窒素雰囲気下で70℃で5時間反応させ、次ぎにn−ブチルアルコール7.0部を加えて[この時の反応系中の遊離NCO含量は(樹脂固形分換算で)0.048%であった]1時間末端停止反応を行い、樹脂濃度42%、粘度1,000,000mPa・s/20℃、数平均分子量58,000のポリウレタン樹脂溶液(A2)を得た。得られたポリウレタン樹脂溶液(A2)を40℃で20日間保管したが、特に粘度変化、また濁りなどは生じなかった。
得られたポリウレタン樹脂溶液を口金に通し、400℃の乾燥窒素中に吐出し、引き取り速度700m/分でモノフィラメント糸を乾式紡糸した。
紡糸性は糸切れもなく良好であった。
得られたポリウレタン繊維は表1に示すとおり良好な特性のものであった。
【0075】
[実施例3]
実施例1と同様の反応容器に、数平均(OH価から計算)分子量3,500のTHF/3M−THF(モル%比率:85/15の)共重合ジオール350部、分子量62のEG24.8部、MDI126部、n−プロピルアルコール1.82部およびDMAC784部を仕込み、乾燥窒素雰囲気下で70℃で8時間反応させ、次ぎにn−プロピルアルコール6.4部を加えて[この時の反応系中の遊離NCO含量は(樹脂固形分換算で)0.036%であった]1時間末端停止反応を行い、樹脂濃度39%、粘度800,000mPa・s/20℃、数平均分子量63,000のポリウレタン樹脂溶液(A3)を得た。得られたポリウレタン樹脂溶液(A3)を40℃で20日間保管したが、特に粘度変化、また濁りなどは生じなかった。
得られたポリウレタン樹脂溶液を口金に通し、400℃の乾燥窒素中に吐出し、引き取り速度700m/分でモノフィラメント糸を乾式紡糸した。
紡糸性は糸切れもなく良好であった。
得られたポリウレタン繊維は表1に示すとおり伸度が高く、かつ回復性も高い良好な特性のものであった。
【0076】
[実施例4]
実施例1と同様の反応容器に、数平均(OH価から計算)分子量2,900のTHF/EO(モル%比率:90/10の)共重合ジオール290部、分子量62のEG17.7部、MDI97.5部、n−ブチルアルコール1.73部およびDMAC583部を仕込み、乾燥窒素雰囲気下で70℃で9時間反応させ、次ぎにn−ブチルアルコール3.0部を加えて[この時の反応系中の遊離NCO含量は(樹脂固形分換算で)0.041%であった]1時間末端停止反応を行い、樹脂濃度41%、粘度900,000mPa・s/20℃、数平均分子量56,000のポリウレタン樹脂溶液(A4)を得た。得られたポリウレタン樹脂溶液(A4)を40℃で20日間保管したが、特に粘度変化、また濁りなどは生じなかった。
得られたポリウレタン樹脂溶液を口金に通し、400℃の乾燥窒素中に吐出し、引き取り速度700m/分でモノフィラメント糸を乾式紡糸した。
紡糸性は糸切れもなく良好であった。
得られたポリウレタン繊維は表1に示すとおり伸度が高く、かつ回復性も高い良好な特性のものであった。
【0077】
[実施例5]
実施例1と同様の反応容器に、数平均(OH価から計算)分子量2,300のPTMG230部、分子量90の14BG21.1部、MDI84.5部、n−プロピルアルコール0.20部およびDMAC503部を仕込み、乾燥窒素雰囲気下で70℃で5時間反応させ、次ぎにジ−n−ブチルアミン0.394部を加えて[この時の反応系中の遊離NCO含量は(樹脂固形分換算で)0.038%であった]1時間末端停止反応を行い、樹脂濃度40%、粘度710,000mPa・s/20℃、数平均分子量66,000のポリウレタン樹脂溶液(A5)を得た。得られたポリウレタン樹脂溶液(A5)を40℃で20日間保管したが、特に粘度変化、また濁りなどは生じなかった。
得られたポリウレタン樹脂溶液を口金に通し350℃の乾燥窒素中に吐出し、引き取り速度600m/分でモノフィラメント糸を乾式紡糸した。
紡糸性は糸切れもなく良好であった。
得られたポリウレタン繊維は表1に示すとおり良好な特性のものであった。
【0078】
[比較例1]
実施例1と同様の反応容器に、数平均分子量2,300のPTMG230部、14BG21.1部、MDI84.5部およびDMAC503部を仕込み、乾燥窒素雰囲気下で70℃で5時間反応させ、次ぎにn−プロピルアルコール0.4部を加えて[この時の反応系中の遊離NCO含量は(樹脂固形分換算で)0.043%であった]1時間末端停止反応を行い、樹脂濃度40%、粘度720,000mPa・s/20℃、数平均分子量65,000のポリウレタン樹脂溶液(H1)を得た。得られたポリウレタン樹脂溶液(H1)を得た。
得られたポリウレタン樹脂溶液(H1)を40℃で20日間保管後、実施例1と同様に繊維化しようとしたが、最初に1価アルコールを仕込んでいなかったので、増粘し、溶液粘度安定性が劣ったためか、糸切れが多発し、糸にはできなかった。
【0079】
[比較例2]
実施例1と同様の反応容器に、数平均(OH価から計算)分子量3,100のPTMG310部、分子量62のEG16.3部、MDI91.5部およびDMF577部を仕込み、乾燥窒素雰囲気下で70℃で5時間反応させ、次ぎにn−ブチルアルコール13.1部を加えて[この時の反応系中の遊離NCO含量は(樹脂固形分換算で)0.036%であった]1時間末端停止反応を行い、樹脂濃度42%、粘度610,000mPa・s/20℃、数平均分子量48,000のポリウレタン樹脂溶液(H2)を得た。得られたポリウレタン樹脂溶液(H2)を40℃で20日間保管した。最初に1価アルコールを仕込んでいなかったので溶液粘度安定性に劣ったものであった。
得られたポリウレタン樹脂溶液(H2)を実施例2と同様に紡糸しようとしたが良好にできなかったので、紡糸速度を600m/分に低下したところ、引き取ることができた。
しかし、得られたポリウレタン繊維は、強度が低く、回復性に低いものであった。
【0080】
表1から明らかなように、実施例1〜5における本発明のポリウレタン繊維の製造方法は、良好な紡糸性を示し、かつ得られるポリウレタン繊維も良好な糸物性のものであった。
【0081】
一方、比較例1の場合、紡糸すらできず、さらに比較例2の場合、ポリウレタン繊維は得られたが、紡糸性に劣り、かつ得られたポリウレタン繊維も低強度で実用に供し得ない劣ったものであった。
【0082】
【発明の効果】
本発明の方法で得られるポリウレタン繊維は、基本的にウレアを含まないウレタン結合のみからなるので、耐光性、耐酸化窒素性などが高く、またかつヒートセット性が高い利点があるので、フィット性、良好な外観品位、優れた着用感が得られる。
【0083】
単独での使用はもとより、各種繊維との組み合わせにより、たとえば、ソックス、ゾッキパンスト、パンスト、ストッキング、丸編、トリコット、水着、スキーズボン、作業服、煙火服、洋服、ゴルフズボン、ウエットスーツ、ブラジャー、ガードル、手袋や靴下、またさらにこれらの繊維製品の締め付け用部材、似せ餌、紙おしめなどのサニタリー用品の漏れ防止部材、防水資材の締め付け具、造花、電気絶縁材料、ワイピングクロス、ガスケット、靴資材、ゴムひも代替品、模型飛行機のゴム代替品、花束の結束品、ストレツチ不織布部品、手袋、ストレッチ包帯部材、クリーンネーム用手袋、クリーンルーム用頭巾、かつら、マスクなど、種々の用途に展開可能である。

Claims (10)

  1. 有機ジイソシアネート(a)、数平均分子量が500〜5,000の高分子ジオール(b)、分子量300以下の低分子ジオール(c)および分子量200以下の1価アルコール(d1)を、有機溶媒中で反応させるに際し、前記1価アルコール(d1)が、前記高分子ジオール(b)と前記低分子ジオール(c)の合計に対して、0.001〜0.03当量となるようになし、樹脂分当たりの遊離イソシアネート基含量が0.01〜0.1重量%となった段階で、1価アルコール(d2)を加えることにより、ポリウレタン樹脂溶液を作り、該ポリウレタン樹脂溶液を紡糸することを特徴とするポリウレタン繊維の製造方法。
  2. 紡糸法が乾式紡糸または湿式紡糸であることを特徴とする請求項1に記載のポリウレタン繊維の製造方法。
  3. 1価アルコール(d2)を前記イソシアネート基に対して3倍当量以上とすることを特徴とする請求項1または2に記載のポリウレタン繊維の製造方法。
  4. 有機ジイソシアネート(a)、数平均分子量が500〜5,000の高分子ジオール(b)、分子量300以下の低分子ジオール(c)および分子量200以下の1価アルコール(d1)を、有機溶媒中で反応させるに際し、前記1価アルコール(d1)が、前記高分子ジオール(b)と前記低分子ジオール(c)の合計に対して、0.001〜0.03当量となるようになし、樹脂分当たりの遊離イソシアネート基含量が0.01〜0.1重量%となった段階で、モノアミン(d3)を加えることにより、ポリウレタン樹脂溶液を作り、該ポリウレタン樹脂溶液を紡糸することを特徴とするポリウレタン繊維の製造方法。
  5. 紡糸法が乾式紡糸または湿式紡糸であることを特徴とする請求項4に記載のポリウレタン繊維の製造方法。
  6. モノアミン(d3)を前記イソシアネート基に対して1〜1.5当量とすることを特徴とする請求項5に記載のポリウレタン繊維の製造方法。
  7. ポリウレタン樹脂の数平均分子量を20,000〜200,000とすることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリウレタン繊維の製造方法。
  8. 溶液の樹脂分濃度を30〜50重量%とすることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のポリウレタン繊維の製造方法。
  9. 溶液の粘度を500,000〜1,500,000mPa・s/20℃とすることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のポリウレタン繊維の製造方法。
  10. 前記有機ジイソシアネート(a)がジフエニルメタンジイソシアネートであり、前記高分子ジオール(b)がポリテトラメチレンエーテルグリコール、テトラハイドロフラン/エチレンオキサイド共重合ジオールおよびテトラハイドロフラン/3−メチルテトラハイドロフラン共重合ジオールからなる群のうちから選択された少なくとも1種であり、有機溶媒がN,N−ジメチルホルムアミドおよび/またはN,N−ジメチルアセトアミドであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項にポリウレタン繊維の製造方法。
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