JP2013248777A - インク再充填方法、インクカートリッジ、及びインクカートリッジの製造方法 - Google Patents

インク再充填方法、インクカートリッジ、及びインクカートリッジの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】インクカートリッジに対してインクの再充填を行っているときに、インクの充填状態を確認することができない。
【解決手段】インクカートリッジ1に対してインクを再充填するインク再充填方法であって、インクカートリッジ1には、当該インクカートリッジ1に収容されたインクの量を光学的に検出するために用いられるプリズムユニット40が設けられ、プリズムユニット40が設けられた位置からインクの再充填を行う。
【選択図】図3

Description

本発明は、インク再充填方法、インクカートリッジ、及びインクカートリッジの製造方法に関する。
従来のインクジェットプリンターでは、インクカートリッジのインクが消費されて残量がなくなると、新品のインクカートリッジに交換されていた。しかし、使用後のインクカートリッジを一度の使用で廃棄することは、廃棄物の増加や環境負荷等の問題を招いてしまうため、使用後のインクカートリッジにインクを再充填して再利用する試みがなされている。例えば、特許文献1では、インクカートリッジの蓋部材に貫通孔を開けて貫通孔からインクを再充填するようにしている。また、特許文献2では、インクカートリッジから蓋部材を取り外し、インクカートリッジ本体に溶着されているフィルムの一部に孔を開けて、この孔からインクを再充填するようにしている。
特開2010−005958号公報 特開2008−044193号公報
しかしながら、特許文献1の場合、蓋部材に開けた貫通孔からインクを再充填することから、充填を行っているときに、インクカートリッジへのインクの充填状態を確認することができない。また、特許文献2の場合、溶着されているフィルムを通してインクの充填状態が確認できたとしても、インクカートリッジから蓋部材を取り外してフィルムに孔を開けることから、蓋部材の取り外しや再度取り付け等の作業が必要となり、手間を掛けないで短時間にインクの再充填を行うことは困難である。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]インクカートリッジに対してインクを再充填するインク再充填方法であって、前記インクカートリッジには、当該インクカートリッジに収容されたインクの量を光学的に検出するために用いられる透明部が設けられ、前記透明部が設けられた位置からインクの再充填を行うことを特徴とするインク再充填方法。
上記したインク再充填方法によれば、インクの量を光学的に検出するために用いられるインクカートリッジの透明部を利用して、インクの再充填を行う。これにより、インクカートリッジへのインクの充填状態を透明部を介して確認しながら再充填を行うことができる。この結果、インクの再充填時における作業ミスが少なくなり、再充填を確実に行うことができる。また、蓋部材の取り外しや再度取り付け等の作業が必要なくなり、手間を掛けないで短時間にインクの再充填を行うことができる。
[適用例2]前記インクカートリッジは、インクが収容される複数のインク収容室を有し、前記透明部は、複数の前記インク収容室の中で最も容積の大きい前記インク収容室に設けられていることを特徴とする上記インク再充填方法。
上記したインク再充填方法によれば、複数のインク収容室の中で最も容積の大きいインク収容室に透明部が設けられている。これにより、最も容積の大きいインク収容室へのインクの充填状態を確認しながらインクカートリッジ全体へ充填することができ、インクの再充填作業を効率的に行うことができる。
[適用例3]前記透明部は、前記インクカートリッジに収容されたインクの量に応じて、前記インクカートリッジの外部から入射した光の反射状態が変化するプリズムからなる第1透明部と、光を透過する部材からなる第2透明部を有し、前記第2透明部を貫通する貫通孔を形成し、前記貫通孔からインクの再充填を行うことを特徴とする上記インク再充填方法。
上記したインク再充填方法によれば、第1透明部を構成するプリズムに入射した光の反射状態の変化に基づいて、インクカートリッジに収容されたインクの量を光学的に検出することができる。また、第2透明部に形成された貫通部からインクの再充填を行っているときに、貫通部以外の透明部の部分を介してインクの充填状態を確認することができる。
[適用例4]前記インクカートリッジに対してインクの再充填を行った後に、光を吸収する部材によって前記貫通孔を封止することを特徴とする上記インク再充填方法。
上記したインク再充填方法によれば、インクの再充填を行った後に、光を吸収する部材によって貫通孔を封止する。光を吸収する部材であることから、インクの量を光学的に検出する際に、貫通孔を封止した部材からの反射光が悪影響を及ぼすのを抑えることができる。この結果、インクの量の検出精度を向上させることができる。
[適用例5]前記透明部は、前記インクカートリッジに収容されたインクの量に応じて、前記インクカートリッジの外部から入射した光の反射状態が変化するプリズムからなる第1透明部と、光を透過する部材からなる第2透明部を有し、前記第1透明部を貫通する貫通孔を形成し、前記貫通孔からインクの再充填を行うことを特徴とする上記インク再充填方法。
上記したインク再充填方法によれば、第1透明部を構成するプリズムに貫通孔を形成することから、プリズムを利用してインクカートリッジに収容されたインクの量を検出することができなくなる。しかし、第1透明部の貫通孔からインクの再充填を行っているときに、第2透明部の全体を介してインクの充填状態をより見易く確認することができる。
[適用例6]前記インクカートリッジから前記透明部を取り除き、前記透明部を取り除くことで形成される開口部からインクの再充填を行うことを特徴とする上記インク再充填方法。
上記したインク再充填方法によれば、透明部を取り除くことで形成される開口部からインクの再充填を行う。これにより、インクカートリッジに貫通孔を形成するのではなく、透明部を取り除くだけで容易に対応することができる。また、インクカートリッジを穿孔して貫通孔を形成した場合に発生する穿孔カスがインクカートリッジ内部に入ってしまうのを回避することができる。
[適用例7]前記インクカートリッジは黒色の材料で構成されていることを特徴とする上記インク再充填方法。
上記したインク再充填方法によれば、インクカートリッジは黒色の材料で構成されている。このため、インクカートリッジに入射した光が吸収され易くなる。これにより、インクの量を光学的に検出する際に、インクカートリッジからの反射光が悪影響を及ぼすのを抑えることができる。この結果、インクの量の検出精度を向上させることができる。更に、インクカートリッジに対して透明部等のレーザー溶着が容易に行えるようになる。
[適用例8]前記第1透明部と前記第2透明部とは接していないことを特徴とする上記インク再充填方法。
上記したインク再充填方法によれば、第1透明部を構成するプリズムとは異なるインクカートリッジの場所に第2透明部を設けることになる。これにより、第2透明部を介して、プリズムとは異なる場所でのインクの充填状態を確認することができる。
[適用例9]上記インク再充填方法によって再充填されたインクカートリッジ。
上記したインクカートリッジによれば、インクの再充填時における作業ミスが抑制されることにより、品質の高いインクカートリッジとすることができる。
[適用例10]上記インク再充填方法によって再充填するインクカートリッジの製造方法。
上記したインクカートリッジの製造方法によれば、インクの再充填時における作業ミスが抑制されることにより、品質の高いインクカートリッジを製造することができる。
インクカートリッジの外観斜視図。 インクカートリッジの内部構造を示す外観斜視図。 (a)は第1実施形態におけるインク再充填時のインクカートリッジの外観斜視図、(b)はインク再充填時のプリズムユニットの拡大図。 (a)は第2実施形態におけるインク再充填時のインクカートリッジの外観斜視図、(b)は第2実施形態におけるインク再充填時のプリズムユニットの拡大図。 (a)は第3実施形態におけるインク再充填時のインクカートリッジの外観斜視図、(b)は第3実施形態における開口部を封止したインクカートリッジの外観斜視図。
(第1実施形態)
以下、第1実施形態に係るインク再充填方法について、図面を参照して説明する。
<インクカートリッジの構成>
図1は、本実施形態に係るインク再充填方法を適用するために準備されるインクカートリッジ1の外観斜視図である。図2は、インクカートリッジ1の内部構造を示す外観斜視図である。以降の図では、方向を特定するためのXYZ軸が図示されている。
インクカートリッジ1は、内部に液体(インク)を収容する。また、インクカートリッジ1は、インクジェットプリンターに備えたキャリッジ(図示略)に装着され、当該インクジェットプリンターにインクを供給する。
図1に示すように、インクカートリッジ1は、略直方体形状を有し、Z軸正方向側の面1aと、Z軸負方向側の面1bと、X軸正方向側の面1cと、X軸負方向側の面1dと、Y軸正方向側の面1eと、Y軸負方向側の面1fとを有している。以下では、説明の便宜上、面1aを上面1a、面1bを底面1b、面1cを右側面1c、面1dを左側面1d、面1eを正面1e、面1fを背面1fとも呼ぶ。また、これらの面1a〜1fのある側を、それぞれ上面側、底面側、右側面側、左側面側、正面側、背面側とも呼ぶ。
底面1bには、インクジェットプリンターにインクを供給するための供給孔を有するインク供給部50が設けられている。インク供給部50は、封止フィルム54によって開口部が封止されている。封止フィルム54は、インクカートリッジ1がインクジェットプリンターのキャリッジに装着された際に、キャリッジに備えられたインク供給針(図示略)によって破られるように構成されている。
左側面1dには、係合レバー11が設けられている。係合レバー11には、突起11aが形成されている。インクカートリッジ1をインクジェットプリンターのキャリッジへ装着するときに、突起11aがキャリッジに形成された凹部(図示略)と係合することにより、キャリッジに対してインクカートリッジ1が固定される。インクジェットプリンターの印刷時には、キャリッジは、印刷ヘッド(図示略)と一体になって、印刷媒体の紙幅方向(主走査方向)に往復移動する。係合レバー11の下方には、回路基板35が設けられている。回路基板35上には、複数の電極端子35aが配設されており、これらの電極端子35aは、キャリッジに配設された電極端子(図示略)を介して、インクジェットプリンターと電気的に接続される。また、回路基板35には、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)などの書き換え可能な不揮発性メモリーが設けられており、インクジェットプリンターのインク消費量の情報を始め、インクに関連する情報が記録される。
インクカートリッジ1の上面1aと背面1fには、外表面フィルム70が貼り付けられている。また、インクカートリッジ1は、カートリッジ本体10と、カートリッジ本体10の正面側(正面1e側)を覆う蓋部材20とを有している。インクカートリッジ1の正面側の内部には、様々な形状を有するリブ10aが形成されている。カートリッジ本体10と蓋部材20との間には、カートリッジ本体10の正面側を覆うフィルム(図示略)が設けられている。正面側を覆うフィルムは、カートリッジ本体10のリブ10aの正面側の端面に隙間が生じないように緻密に貼り付けられている。これらのリブ10aと正面側を覆うフィルムにより、インク収容室110、インク収容室120、バッファー室130等の複数の小部屋がインクカートリッジ1の内部に区画形成される。
インク収容室110、インク収容室120、及びバッファー室130のそれぞれは、カートリッジ本体10を厚さ方向に貫通する貫通孔を介して、カートリッジ本体10の背面側(背面1f側)に形成されたインク流路(図示略)に連通しており、このインク流路を介してインク収容室間をインクが移動可能となっている。
インク収容室110は、インク収容室120に貯留されているインクが導入されるインク収容室である。また、インク収容室110は、カートリッジ本体10の正面側に形成されるインク収容室の中で最も容積の大きいインク収容領域であり、カートリッジ本体10の略半分から下の部分に形成されている。インク収容室120は、カートリッジ本体10内の最上流のインク収容室であり、カートリッジ本体10の正面側の略半分から上の部分に形成されている。バッファー室130は、インク収容室120とインク収容室110との間でリブ10aによって区画形成された小部屋であり、カートリッジ本体10の背面側の差圧弁60の直前のインク貯留空間として形成されている。
差圧弁60は、上流側に対して下流側を減圧することで、インク供給部50に供給されるインクが負圧となるように構成されている。差圧弁60に流入したインクは、差圧弁60によって下流側に導かれ、インク供給部50に差し込まれたインク供給針を介してインクがインクジェットプリンターに供給される。
また、インクカートリッジ1の底面1bには、インク収容室110のインク残量状態を光学的に検出するために用いられるプリズムユニット40(透明部)が設けられている。プリズムユニット40は、例えばポリプロピレン等の合成樹脂により形成されて光を透過する透明な部材で構成される。プリズムユニット40は、直角二等辺三角柱状のプリズム41(第1透明部)と、プリズム41が取り付けられる板状のベース部42(第2透明部)とを備えている。プリズム41は、ベース部42における長手方向の略半分の部分に取り付けられている。また、プリズムユニット40は、プリズム41がインク収容室110内に位置するように、例えばレーザー溶着によって底面1bに取り付けられている。
なお、「透明」とは、半透明でも良く、使用前のインクカートリッジをインクジェットプリンターに装着し印字する際にインクジェットプリンター側に設けられた光学センサーでインクが有ると判断されるものであれば良い。
プリズム41は、接触する流体(インク又は空気)の屈折率に応じて光の反射状態が変化する。インク残量状態の検出の際には、インクジェットプリンターに設けられている光学センサー(図示略)からプリズム41に向けて光が射出される。そして、インクジェットプリンターでは、プリズム41からの反射光を光学センサーが受け取り、受け取った反射光の量に基づいてインク残量状態を検出する。
本実施形態では、インクカートリッジ1の上面1a、底面1b、右側面1c、左側面1d、正面1e、及び背面1fは黒色の材料で構成されている。インクカートリッジ1のこれらの面が黒色であることから、上記したプリズムユニット40などのレーザー溶着を容易に行うことができる。また、底面1bが黒色であることから、インク残量状態を検出する際に光学センサーから照射される光が底面1bで吸収され易くなる。この結果、光学センサーでは、プリズム41からの反射光以外の受光を抑えることができ、インク残量状態の検出精度を向上させることができる。
<インク再充填方法>
次に、インクカートリッジ1へのインク再充填方法について説明する。
図3(a)は、インク再充填時のインクカートリッジ1の外観斜視図である。図3(a)では、図1に示すインクカートリッジ1が上下逆転して置かれており、図3(a)の上側に底面1bが位置し、下側に上面1aが位置している。図3(a)に示すように、底面1bに設けられたプリズムユニット40のベース部42には貫通孔45が形成されている。貫通孔45は、例えばドリルなどによって形成される。図3(b)は、インク再充填時のプリズムユニット40の拡大図である。図3(b)では、プリズムユニット40をプリズム41の頂角の方向、即ちインクカートリッジ1のインク収容室110内から見た図を示している。図3(b)に示す貫通孔45により、インク収容室110とインクカートリッジ1の外部とが連通することになる。
インクカートリッジ1へインクを再充填する際には、例えばインク注入用のチューブをプリズムユニット40のベース部42に形成された貫通孔45に挿入する。そして、貫通孔45からインクをインク収容室110に注入することにより、インクカートリッジ1内にインクが充填される。
インクカートリッジ1へのインクの再充填が終了すると、ベース部42に形成された貫通孔45を封止する。貫通孔45は、例えば、樹脂、ゴム、エラストマーなどの弾性を有する封止部材を挿入することによって封止する。これにより、貫通孔45が確実に封止されると共に、再び貫通孔45から封止部材を取り外すことによってインクを複数回に亘って再充填することが可能になる。
更に、インクカートリッジ1の回路基板35に設けられた不揮発性メモリーのインク消費量の情報を使用可能値に書き換える。なお、不揮発性メモリーの情報を書き換えるのではなく、不揮発性メモリーを交換することによってインク消費量の情報を使用可能値となるようにしても良い。
上述した実施形態では、インクカートリッジ1に対してインクを再充填する際、インク残量状態を検出するために用いられるプリズムユニット40のベース部42に貫通孔45を形成する。そして、貫通孔45からインクを注入することによってインクカートリッジ1を再充填する。このとき、インクの再充填作業を行うユーザーは、プリズムユニット40の貫通孔45以外の透明部分を介して、インクの充填状態を目視しながら確認することができる。これにより、インクの再充填作業において、例えば、インクがインクカートリッジ1から溢れ出たり、再充填したインクの量が規定の量に足りなかったりする等の作業ミスを少なくすることができ、インクの再充填を効率良く確実に行うことが可能になる。また、プリズムユニット40は、インク収容室の中で最も容積の大きいインク収容室110に設けられていることから、インクカートリッジ全体への充填状態の確認が容易になる。
(第2実施形態)
以下、第2実施形態に係るインク再充填方法について、図面を参照して説明する。
図4(a)は、第2実施形態におけるインク再充填時のインクカートリッジ1の外観斜視図である。図4(b)は、第2実施形態におけるインク再充填時のプリズムユニット40の拡大図である。図4(b)では、図3(b)と同様に、プリズムユニット40をプリズム41の頂角の方向、即ちインクカートリッジ1のインク収容室110内から見た図を示している。図4(a),(b)に示すように、第2実施形態では、第1実施形態と異なり、プリズムユニット40のベース部42ではなくプリズム41に貫通孔45が形成されている。
インクカートリッジ1へインクを再充填する際には、例えばインク注入用のチューブをプリズムユニット40のプリズム41に形成された貫通孔45に挿入する。そして、貫通孔45からインクをインク収容室110に注入することにより、インクカートリッジ1内にインクが充填される。
インクカートリッジ1へのインクの再充填が終了すると、第1実施形態で用いたものと同様の封止部材により、プリズム41に形成された貫通孔45を封止する。これにより、貫通孔45が確実に封止されると共に、再び貫通孔45から封止部材を取り外すことによってインクを複数回に亘って再充填することが可能になる。
上述した実施形態では、インクカートリッジ1に対してインクを再充填する際、インク残量状態を検出するために用いられるプリズムユニット40のプリズム41に貫通孔45を形成する。そして、貫通孔45からインクを注入することによってインクカートリッジ1を再充填する。このとき、インクの再充填作業を行うユーザーは、プリズムユニット40の貫通孔45以外の透明部分を介してインクの充填状態を目視しながら確認することができる。ここで、第1実施形態ではベース部42に貫通孔45を形成するので、インクの再充填後にプリズム41を用いてインク残量状態を検出することが可能であるが、第2実施形態ではプリズム41に貫通孔45を形成するので、インクの再充填後にプリズム41を用いてインク残量状態を検出することが不可能になる。しかし、第2実施形態では、ベース部42に貫通孔45が形成されていないことにより、第1実施形態より広い透明部分を介してインクの充填状態を目視することができるので確認が容易になる。
(第3実施形態)
以下、第3実施形態に係るインク再充填方法について、図面を参照して説明する。
図5(a)は、第3実施形態におけるインク再充填時のインクカートリッジ1の外観斜視図である。図5(a)に示すように、第3実施形態では、プリズムユニット40がインクカートリッジ1の底面1bから取り外されている。また、プリズムユニット40が取り外された底面1bの場所には開口部46が形成されている。
インクカートリッジ1へインクを再充填する際には、例えばインク注入用のチューブを底面1bに形成された開口部46に挿入する。そして、開口部46からインクをインク収容室110に注入することにより、インクカートリッジ1内にインクが充填される。
インクカートリッジ1へのインクの再充填が終了すると、図5(b)に示すように、底面1bに形成された開口部46に対して外側から封止フィルム47を溶着することによって封止する。これにより、開口部46が確実に封止されると共に、再び開口部46から封止フィルム47を取り外すことによってインクを複数回に亘って再充填することが可能になる。
上述した実施形態では、インクカートリッジ1に対してインクを再充填する際、インク残量状態を検出するために用いられるプリズムユニット40をインクカートリッジ1から取り外す。そして、取り外した後の開口部46からインクを注入することによってインクカートリッジ1を再充填する。このとき、インクの再充填作業を行うユーザーは、開口部46からインクの充填状態を目視しながら確認することができる。ここで、本実施形態では第1及び第2実施形態のようにプリズムユニット40に対してドリル等によって貫通孔45を形成するのではなく、インクカートリッジ1からプリズムユニット40を取り外して開口部46を形成する。これにより、インクカートリッジ1を加工することなく簡単に対応を行うことができる。また、ドリル等によって貫通孔45を形成するときの穿孔カスがインク収容室110に入ってしまうことにより、インクカートリッジ1に目詰まり等のトラブルが発生するのを防止できる。
なお、再充填した後の封止部材は「透明」であっても良いし「黒色」であっても良い。即ち、再充填されたインクカートリッジをインクジェットプリンターに装着し印字する際にインクジェットプリンター側に設けられた光学センサーでインクが有ると判断されるものであれば限定されない。また、「黒色」とは、例えば、Lab系での標記がa**平面上で半径10の円周及びその内側にあり、かつL*が40以下で表される色相範囲内の色ということもできる。
(変形例1)
上述した実施形態では、透明部としてのプリズムユニット40が、第1透明部としてのプリズム41と第2透明部としてのベース部42とを備え、第1透明部と第2透明部とが接する構成とした。しかし、ベース部42を第2透明部としないで、第2透明部が、第1透明部、即ちプリズム41に接していない場所に設けられていても良い。例えば、インクカートリッジ1の底面1bにおいて、インク収容室110に対向する場所(ベース部42とは異なる場所)にインク収容室110内が目視できる透明部材を設けて、これを第2透明部としても良い。また、インクカートリッジ1の右側面1c又は正面1eにおいて、インク収容室110に対向する場所にインク収容室110内が目視できる透明部材を設けて、これを第2透明部としても良い。また、上述した実施形態では、プリズムユニット40(透明部)をインク収容室110のインク残量状態を光学的に検出するために用いられるものとしたが、インク収容室110のインクの有無を光学的に検出するために用いられるものも含まれる。
(変形例2)
上述した実施形態では、インクの再充填作業を行うユーザーが、プリズムユニット40の透明部分を介してインクの充填状態を目視しながら確認するようにした。しかし、これに限られず、インクカートリッジ1の外部からプリズムユニット40の透明部分をカメラ等の撮像装置によって撮像し、撮像画像に基づいて画像処理を行うことにより、インクの充填状態を自動的に確認するようにしても良い。
1…インクカートリッジ、1a…上面、1b…底面、1c…右側面、1d…左側面、1e…正面、1f…背面、10…カートリッジ本体、10a…リブ、11…係合レバー、11a…係合レバーの突起、20…蓋部材、35…回路基板、35a…電極端子、40…プリズムユニット、41…プリズム、42…ベース部、45…貫通孔、46…開口部、47…封止フィルム、50…インク供給部、54…封止フィルム、60…差圧弁、70…外表面フィルム、110,120…インク収容室、130…バッファー室。

Claims (10)

  1. インクカートリッジに対してインクを再充填するインク再充填方法であって、
    前記インクカートリッジには、当該インクカートリッジに収容されたインクの量を光学的に検出するために用いられる透明部が設けられ、
    前記透明部が設けられた位置からインクの再充填を行うことを特徴とするインク再充填方法。
  2. 前記インクカートリッジは、インクが収容される複数のインク収容室を有し、
    前記透明部は、複数の前記インク収容室の中で最も容積の大きい前記インク収容室に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のインク再充填方法。
  3. 前記透明部は、
    前記インクカートリッジに収容されたインクの量に応じて、前記インクカートリッジの外部から入射した光の反射状態が変化するプリズムからなる第1透明部と、
    光を透過する部材からなる第2透明部を有し、
    前記第2透明部を貫通する貫通孔を形成し、前記貫通孔からインクの再充填を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載のインク再充填方法。
  4. 前記インクカートリッジに対してインクの再充填を行った後に、光を吸収する部材によって前記貫通孔を封止することを特徴とする請求項3に記載のインク再充填方法。
  5. 前記透明部は、
    前記インクカートリッジに収容されたインクの量に応じて、前記インクカートリッジの外部から入射した光の反射状態が変化するプリズムからなる第1透明部と、
    光を透過する部材からなる第2透明部を有し、
    前記第1透明部を貫通する貫通孔を形成し、前記貫通孔からインクの再充填を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載のインク再充填方法。
  6. 前記インクカートリッジから前記透明部を取り除き、前記透明部を取り除くことで形成される開口部からインクの再充填を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載のインク再充填方法。
  7. 前記インクカートリッジは黒色の材料で構成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のインク再充填方法。
  8. 前記第1透明部と前記第2透明部とは接していないことを特徴とする請求項3から7のいずれか一項に記載のインク再充填方法。
  9. 請求項1から8のいずれか一項に記載のインク再充填方法によって再充填されたインクカートリッジ。
  10. 請求項1から8のいずれか一項に記載のインク再充填方法によって再充填するインクカートリッジの製造方法。
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