JP2014061688A - 液体収容容器の製造方法、液体収容容器 - Google Patents

液体収容容器の製造方法、液体収容容器 Download PDF

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Abstract

【課題】従来の液体収容容器では、残量の検出にかかる検出精度が低下しやすい。
【解決手段】液体を収容する収容部が設けられたケースと、収容部内の液体を外部に供給する供給口33と、収容部内の液体の量を検出するためのプリズム部127と、を有し、ケースにおいて、収容部は、液体を収容する第1収容室85と、第1収容室85の下流に設けられた第2収容室87と、第2収容室87の下流に設けられた第3収容室89と、第3収容室89の下流に設けられた第4収容室93とに区画されており、第4収容室93は、第3収容室89内に設けられており、且つ、第1シート部材によって第3収容室89から仕切られており、プリズム部127が、第4収容室93内に設けられている、液体収容容器に対して、第4収容室93を含めて第4収容室93から下流側に、収容部内に通じる注入口を形成し、注入口から液体を注入する、ことを特徴とする液体収容容器の製造方法。
【選択図】図7

Description

本発明は、液体収容容器の製造方法、液体収容容器等に関する。
従来、液体噴射装置の一例であるプリンターにインクを供給する技術として、インクカートリッジ(単に「カートリッジ」ともいう。)を利用する技術が知られている。カートリッジは、内部にインクを注入することで製造される。プリンターに装着されたカートリッジは、供給口を介して内部のインクをプリンターに流通させる。従来、カートリッジは、インクが消費され、内部の残量がゼロ、又は、少量になると、新たな製品に取り替えられていた。また、使用済のカートリッジに再度インクを注入することで、カートリッジを再度製造する場合がある。カートリッジとしては、従来、インク残量状態(インク残量の有無や、インク残量)を検出するために利用できる検出部材(例えば、圧電素子やプリズム。第1部材ともいう。)を備える場合がある(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−5958号公報
ところで、カートリッジ内部のインクの量を増大させるために、カートリッジにおけるインクを収容する収容部の容量を増大させることが考えられる。収容部の容量を増大させる方法として、例えば、カートリッジの使用状態において鉛直方向とは交差する方向に収容部の面積を広げる方法が挙げられる。これにより、カートリッジが鉛直方向に突出していくことを避けることができる。しかしながら、鉛直方向とは交差する方向に収容部の面積を広げる場合、インク残量検出にかかる検出精度が低下しやすい。これは、同等のインク残量であっても、収容部の容量が多いカートリッジの方が、容量が少ないカートリッジよりも、インクの液面の高さが低くなるためである。
このようなことに対処するために、収容部よりも容積が小さい小部屋を区画して、検出部材をその小部屋内に設けることが考えられる。このような小部屋であれば、インク残量が少なくなった状態においても、小部屋内の液面を高く保ちやすい。このため、インク残量検出にかかる検出精度の低下を避けることができる。このような構成を有するカートリッジに対するインク注入方法として、小部屋を除く小部屋以外の箇所からインクを注入する方法が採用され得る。しかしながら、小部屋を除く小部屋以外の箇所からインクを注入する方法では、小部屋内にインクを十分に行き届かせることが困難である。この結果、インク残量の検出にかかる検出精度が低下しやすくなるという課題がある。このような課題は、インクを内部に収容するカートリッジに限られず、インク以外の他の液体を収容する液体収容容器にも共通する課題である。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現され得る。
[適用例1]液体を収容する収容部が設けられたケースと、前記収容部内の前記液体を外部に供給する供給口と、前記収容部内の前記液体の量を検出するための検出部材と、を有し、前記ケースにおいて、前記収容部は、前記液体を収容する第1収容室と、前記収容部側から前記供給口側に向かう前記液体の流れにおいて、前記第1収容室の下流に設けられ、前記第1収容室に通じる第2収容室と、前記第2収容室の下流に設けられ、前記第2収容室に通じる第3収容室と、前記第3収容室の下流に設けられ、前記第3収容室に通じる第4収容室と、に区画されており、前記第4収容室は、前記第3収容室内に設けられており、且つ、第1シート部材によって前記第3収容室から仕切られており、前記検出部材が、前記第4収容室内に設けられている、液体収容容器に対して、前記第4収容室を含めて前記第4収容室から下流側に、前記収容部内に通じる注入口を形成し、前記注入口から液体を注入する、ことを特徴とする液体収容容器の製造方法。
この適用例では、検出部材が設けられた第4収容室を含めて第4収容室から下流側に形成した注入口から液体を収容部内に注入するので、注入した液体を第4収容室内に導入しやすい。このため、液体の量の検出にかかる精度が低下することを避けやすい。
[適用例2]上記の液体収容容器の製造方法であって、前記第4収容室に、前記注入口を形成する、ことを特徴とする液体収容容器の製造方法。
この適用例では、第4収容室に直接的に液体を注入することができるので、注入した液体を第4収容室内に導入しやすい。
[適用例3]上記の液体収容容器の製造方法であって、前記ケースでは、前記第3収容室から前記第4収容室に至る流路が、前記ケースの第2の外壁に設けられた第1外壁流路を含み、前記第1外壁流路が、第3シート部材によって前記ケースの外側から封止されており、前記第3シート部材において、前記第1外壁流路から前記第4収容室内に向かって開口する連通口に重なる領域に、前記第2の外壁側から前記注入口を形成する、ことを特徴とする液体収容容器の製造方法。
この適用例では、第4収容室に直接的に液体を注入することができるので、注入した液体を第4収容室内に導入しやすい。
[適用例4]上記の液体収容容器の製造方法であって、前記ケースの第1の外壁に、前記ケースの外側から前記第4収容室内に向かって開口する開口部が設けられており、前記検出部材は、光透過性を有し、且つ、前記ケースの外側から前記開口部を覆った状態で、前記開口部から前記第4収容室内に突出しており、前記検出部材に前記注入口を形成する、ことを特徴とする液体収容容器の製造方法。
この適用例では、第4収容室に直接的に液体を注入することができるので、注入した液体を第4収容室内に導入しやすい。
[適用例5]上記の液体収容容器の製造方法であって、前記ケースの第1の外壁に、前記ケースの外側から前記第4収容室内に向かって開口する開口部が設けられており、前記検出部材は、光透過性を有し、且つ、前記ケースの外側から前記開口部を覆った状態で、前記開口部から前記第4収容室内に突出しており、前記検出部材を前記ケースから外して前記開口部を露呈させることによって前記注入口を形成し、前記注入口としての前記開口部から前記液体を注入する、ことを特徴とする液体収容容器の製造方法。
この適用例では、第4収容室に直接的に液体を注入することができるので、注入した液体を第4収容室内に導入しやすい。
[適用例6]上記の液体収容容器の製造方法であって、前記ケースでは、前記第4収容室と前記供給口との間に、前記第4収容室側から前記供給口側への前記液体の流れを許容し、且つ前記供給口側から前記第4収容室側への前記液体の流れを遮断する弁が設けられており、前記第4収容室から前記弁に至る流路に前記注入口を形成する、ことを特徴とする液体収容容器の製造方法。
この適用例では、第4収容室よりも下流側の流路から液体を注入することができるので、液体は、第4収容室よりも下流側の流路を経由して第4収容室に至る。注入した液体に気泡が混入していた場合、液体が流路を経由するときに、気泡が流路で捕らえられやすい。これにより、第4収容室内に気泡が混入することを避けやすい。この結果、検出部材に気泡が付着することを抑制しやすいので、液体の量の検出にかかる精度が低下することを一層避けやすい。
[適用例7]上記の液体収容容器の製造方法であって、前記第4収容室から前記弁に至る前記流路が、前記ケースの第2の外壁に設けられた第2外壁流路を含み、前記第2外壁流路が、前記第3シート部材によって前記ケースの外側から封止されており、前記第2外壁流路において、前記第3シート部材に前記注入口を形成する、ことを特徴とする液体収容容器の製造方法。
この適用例では、第3シート部材に注入口を形成するので、ケースに注入口を形成することを避けることができる。
[適用例8]上記の液体収容容器の製造方法であって、前記ケースの第1の外壁に、前記ケースの外側から前記第4収容室内に向かって開口する開口部が設けられており、前記検出部材は、光透過性を有し、且つ、前記ケースの外側から前記開口部を覆った状態で、前記開口部から前記第4収容室内に突出しており、前記第4収容室から前記弁に至る前記流路が、前記ケースの前記第1の外壁に設けられた第3外壁流路を含み、前記第3外壁流路が、光透過性を有する第2シート部材によって前記ケースの外側から封止されており、前記第3外壁流路において、前記第2シート部材に前記注入口を形成する、ことを特徴とする液体収容容器の製造方法。
この適用例では、光透過性を有する検出部材が設けられた第1の外壁側から第3外壁流路を介して収容部内に液体を注入することができる。これにより、液体を注入するときに、検出部材を介して液体の注入の様子を視認することができる。
[適用例9]上記の液体収容容器の製造方法であって、前記第4収容室から前記弁に至る前記流路に屈曲部が設けられており、前記屈曲部から前記弁までの間の少なくとも一部の流路が前記弁に重なっており、前記屈曲部から前記弁までの間の前記流路のうち前記弁に重なっている部位に前記注入口を形成する、ことを特徴とする液体収容容器の製造方法。
この適用例では、注入口から注入した液体の少なくとも一部は、屈曲部を経由して第4収容室に至る。注入した液体に気泡が混入していた場合、液体が屈曲部を経由するときに、気泡が屈曲部で捕らえられやすい。これにより、第4収容室内に気泡が混入することを一層避けやすい。
[適用例10]上記の液体収容容器の製造方法で製造された、ことを特徴とする液体収容容器。
この適用例の液体収容容器は、注入した液体を第4収容室内に導入しやすい製造方法によって製造されている。このため、この液体収容容器では、液体の量の検出にかかる精度が低下することを避けやすい。
本実施形態における液体噴射システムの概略構成を示す図。 本実施形態におけるカートリッジの外観を示す斜視図。 本実施形態におけるカートリッジの分解斜視図。 本実施形態におけるカートリッジの分解斜視図。 本実施形態におけるケースの外観を示す斜視図。 本実施形態におけるケースの外観を示す斜視図。 本実施形態における大気開放口から供給口に至る流路を模式的に示す図。 本実施形態におけるケースを示す平面図。 本実施形態におけるケースを示す側面図。 本実施形態におけるケースを示す側面図。 本実施形態におけるケースを示す底面図。 本実施形態におけるカートリッジの製造方法の流れを示すフローチャート。 本実施形態における注入システムの概略の構成を示す図。 本実施形態における注入工程の流れを示すフローチャート。 本実施形態におけるプリンターの他の例を示す図。 本実施形態におけるプリンターの他の例の外観を示す斜視図。 本実施形態におけるプリンターの他の例におけるインクの流れを説明する図。
液体噴射システムを例に、実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、各図面において、それぞれの構成を認識可能な程度の大きさにするために、構成や部材の縮尺が異なっていることがある。
[液体噴射システムの構成]
液体噴射システム1000は、図1に示すように、液体噴射装置の一例であるプリンター1と、液体としてのインクを収容する液体収容容器の一例であるカートリッジ10と、を有している。プリンター1は、印刷ヘッドから印刷用紙PAに向けてインクを吐出することによって印刷用紙PAに印刷を行うインクジェット式の印刷装置である。プリンター1は、ホルダー3と、第1のモーター5と、第2のモーター7と、制御ユニット9と、操作部12と、インターフェイス13と、検出装置15と、を有している。
ホルダー3は印刷用紙PAと対向する側にインクを吐出する印刷ヘッド(図示せず)を備える。また、ホルダー3は、カートリッジ10を着脱可能に搭載している。各カートリッジ10には、シアン、マゼンタ、イエロー等のインクがそれぞれ収容されている。カートリッジ10に収容されているインクがホルダー3の印刷ヘッドに供給され、印刷用紙PAにインクが吐出される。
第1のモーター5は、ホルダー3を主走査方向に駆動させる。第2のモーター7は、印刷用紙PAを副走査方向に搬送させる。制御ユニット9はプリンター1の動作全般を制御する。検出装置15は、プリンター1に設けられており、カートリッジ10内のインクの残量を光学的に検出する。本実施形態では、インク残量の検出方法として、カートリッジ10内のインク残量が所定量を下回ったか否かを検出する方法が採用されている。
制御ユニット9は、所定のインターフェイス13を介して接続されたコンピューター17等から受信した印刷データに基づいて、第1のモーター5、第2のモーター7、印刷ヘッドを制御して印刷を行わせる。また、制御ユニット9は、検出装置15から受信した結果に基づいてカートリッジ10のインク残量状態(インク残量又はインク有無)を判定する。制御ユニット9には、操作部12が接続されており、利用者からの種々の操作を受け付ける。
[カートリッジの構成]
カートリッジ10は、カートリッジ10の第1の外観斜視図である図2(a)、及びカートリッジ10の第2の外観斜視図である図2(b)に示すように、略長方体形状を呈している。なお、図2には、相互に直交する座標軸であるXYZ軸が付されている。これ以降に示す図についても必要に応じてXYZ軸が付されている。水平な平面に配置されたプリンター1にカートリッジ10が装着された装着状態(装着姿勢)において、Z軸負方向が鉛直下方向となる。また、水平な平面は、X軸方向とY軸方向に平行な平面である。
カートリッジ10の外表面(外殻)は6つの面11を含んでいる。以下において、6つの面11のそれぞれを識別する場合に、6つの面11は、それぞれ、底面11a、上面11b、正面11c、背面11d、右側面11e、及び左側面11fと表記される。6つの面11は、カートリッジ10の外殻を構成する外殻部材であるともみなされ得る。各面11は、平面状である。平面状とは、面全域が完全に平坦である場合と、面の一部に凹凸を有する場合を含む。つまり、面の一部に多少の凹凸があっても良い。各面11の平面視における外形は、いずれも略長方形である。カートリッジ10の外表面(外殻)は、左側面11fの一部を構成するフィルム21と、ケース23と、蓋25と、右側面11eを構成する蓋27と、を含む。
また、底面11aは、装着状態においてカートリッジ10の底壁を形成する壁を含む概念であり、「底面壁部(底壁)」とも呼ぶことができる。また、上面11bは、装着状態においてカートリッジ10の上壁を形成する壁を含む概念であり、「上面壁部(上壁)」とも呼ぶことができる。また、正面11cは、装着状態においてカートリッジ10の正面壁を形成する壁を含む概念であり、「正面壁部(正面壁)」とも呼ぶことができる。また、背面11dは、装着状態において背面壁を形成する壁を含む概念であり、「背面壁部(背面壁)」とも呼ぶことができる。また、右側面11eは、装着状態において右側壁を形成する壁を含む概念であり「右側面壁部(右側面壁)」とも呼ぶことができる。また、左側面11fは、装着状態において左側壁を形成する壁を含む概念であり、「左側面壁部(左側面壁)」とも呼ぶことができる。なお、「壁部」や「壁」とは、単一の壁によって形成されている必要はなく、複数の壁によって形成されていても良い。例えば、底面壁部(底面11a)は、装着状態において、カートリッジ10の内部空間に対してZ軸負方向側に位置する壁である。言い換えれば、図2(b)に示すように、底面壁部(底面11a)は、蓋25やケース23、後述する検出部材29等によって形成されている。
底面11aと上面11bとは、互いにZ軸方向に間隔をあけて対向している。正面11cと背面11dとは、互いにX軸方向に間隔をあけて対向している。右側面11eと左側面11fとは、互いにY軸方向に間隔をあけて対向している。カートリッジ10の、長さ(X軸方向の長さ)、幅(Y軸方向の長さ)、高さ(Z軸方向の長さ)は、長さ、幅、高さの順に大きい。なお、カートリッジ10の長さ、幅、高さの大小関係は任意に変更可能であり、例えば、高さ、長さ、幅の順に大きくても良いし、高さ、長さ、幅がそれぞれ等しくても良い。
図2(a)に示すように、底面11aには、供給部31が設けられている。供給部31は、底面11aからZ軸負方向に突出している。供給部31は、略円筒形状である。底面11aは、装着状態において水平な面である。供給部31には、ホルダー3に設けられ印刷ヘッドにインクを流通させるための液体供給針が挿入される。供給部31の端面にはカートリッジ10内部のインクを外部に向けて流通させるための供給口33が形成されている。供給口33に液体供給針が挿入されてカートリッジ10がホルダー3に接続される。プリンター1に装着される前のカートリッジ10は、供給口33がフィルム35で塞がれている。フィルム35は、液体供給針によって破られるように構成されている。
底面11aには、検出部材29が設けられている。本実施形態では、正面11cよりも背面11dに近い位置に検出部材29が設けられている。言い換えれば、検出部材29は、底面11aのうち供給部31が設けられた位置よりも背面11d側に設けられている。検出部材29は、検出装置15を用いたカートリッジ10の液体残量状態の検出に利用される。検出部材29は、透明であり、ケース23の底面11aに設けられた開口部(後述する)を、外側から覆っている。ケース23の底面11aに設けられた開口部は、インクを収容する収容部(後述する)に通じている。本実施形態では、検出部材29を介して収容室を視認することができる。なお、検出部材29は半透明であっても良い。
図2(a)及び図2(b)に示すように、正面11cは、底面11aと交わる。また、正面11cは、上面11bとも交わる。正面11cのうち、上面11bよりも底面11aに近い位置に、回路基板40が設けられている。回路基板40の表面には、複数の端子41が形成されている。複数の端子41のそれぞれは、装着状態においてホルダー3に設けられた複数の装置側端子の対応する端子と接触する。これにより、回路基板40は、プリンター1の制御ユニット9と電気的に接続される。また、回路基板40の裏面には、書き換え可能なメモリーが設けられている。メモリーには、カートリッジ10のインク消費量やインク色等の、カートリッジ10に関する情報が記録されている。また、正面11cのうち、回路基板40よりも上面11bに近い位置には、レバー43が設けられている。レバー43は、弾性変形して、カートリッジ10のプリンター1への着脱に利用される。
図2(a)に示すように、上面11bには大気開放口45が形成されている。大気開放口45は、カートリッジ10内部に空気を導入するための開口である。インクが収容された後の使用前のカートリッジ10には、大気開放口45を封止するためのフィルム47が貼り付けられている。カートリッジ10を使用する際には、ユーザーはフィルム47を剥がしてから、カートリッジ10をホルダー3に装着する。
ここで、相互に直交する座標軸であるXYZ軸を用いてカートリッジ10の方向を以下のように規定できる。すなわち、底面11aと上面11bとが対向する方向がZ軸方向である。また、Z軸方向のうち、底面11aから上面11bに向かう方向がZ軸正方向である。また、Z軸方向のうち、上面11bから底面11aに向かう方向がZ軸負方向である。また、正面11cと背面11dが対向する方向がX軸方向である。また、X軸方向のうち、背面11dから正面11cに向かう方向がX軸正方向である。また、X軸方向のうち、正面11cから背面11dに向かう方向がX軸負方向である。また、右側面11eと左側面11fが対向する方向がY軸方向である。また、Y軸方向のうち、左側面11fから右側面11eに向かう方向がY軸正方向である。また、Y軸方向のうち、右側面11eから左側面11fに向かう方向がY軸負方向である。
また、相互に直交する座標軸であるXYZ軸を用いてカートリッジ10の方向を以下のように規定できる。底面11aから供給部31が延びる方向がZ軸方向である。Z軸方向のうち、流体の流れ方向において上流側から下流側に向かう方向がZ軸負方向である。また、Z軸方向のうち、流体の流れ方向において下流側から上流側に向かう方向がZ軸正方向である。また、カートリッジ10をホルダー3に着脱する際の移動方向がZ軸方向であるとも言える。Z軸方向のうち、カートリッジ10をホルダー3に装着する際の移動方向がZ軸負方向である。また、Z軸方向のうち、カートリッジ10がホルダー3から取り外す際の移動方向がZ軸正方向である。また、ホルダー3に装着されたカートリッジ10が第1のモーター5(図1)の駆動により主走査方向に移動する方向がY軸方向である。また、カートリッジ10の長さ方向がX軸方向であり、幅方向がY軸方向であり、高さ方向がZ軸方向であるとも言える。
カートリッジ10は、図3に示すように、上記の構成の他に、弁ユニット51と、供給部ユニット53と、フィルター55と、フィルム57と、を有している。また、カートリッジ10は、図4に示すように、ラベル59と、フィルム61と、補強部材63と、フィルム65と、を有している。
ここで、ケース23について説明する。ケース23は、ケース23の第1の外観斜視図である図5(a)、及びケース23の第2の外観斜視図である図5(b)に示すように、5つの壁71を有している。ケース23は、5つの壁71によって囲まれた凹状の形状を呈している。以下において、5つの壁71のそれぞれを識別する場合に、5つの壁71は、それぞれ、第1壁71a、第2壁71b、第3壁71c、第4壁71d、及び第5壁71eと表記される。第1壁71aは、カートリッジ10の底面11aの一部を構成する。第2壁71bには、フィルム21が接合される。第3壁71cは、カートリッジ10の上面11bの一部を構成する。第4壁71dは、カートリッジ10の正面11cの一部を構成する。第5壁71eは、カートリッジ10の背面11dの一部を構成する。
第1壁71aと第3壁71cとは、互いにZ軸方向に間隔をあけて対向している。第4壁71dと第5壁71eとは、互いにX軸方向に間隔をあけて対向している。第2壁71bは、第1壁71aと、第3壁71cと、第4壁71dと、第5壁71eとに交わっている。第1壁71aは、第4壁71dと第5壁71eとに交わっている。第3壁71cも、第4壁71dと第5壁71eとに交わっている。これにより、ケース23は、第2壁71bを底とする凹状の形状を呈している。そして、各壁71の裏面は、凹状の形状を呈するケース23の内壁73を構成する。ケース23では、5つの壁71のそれぞれに対応して、5つの内壁73がある。以下において、5つの内壁73のそれぞれを識別する場合に、5つの内壁73は、それぞれ、第1内壁73a、第2内壁73b、第3内壁73c、第4内壁73d、及び第5内壁73eと表記される。第1内壁73aは、第1壁71aに対応している。同様に、第2内壁73bが第2壁71bに対応し、第3内壁73cが第3壁71cに対応し、第4内壁73dが第4壁71dに対応し、第5内壁73eが第5壁71eに対応している。
ケース23の内側には、複数の仕切板75が設けられている。ケース23の内側は、複数の仕切板75によって複数の部屋に仕切られている。本実施形態では、ケース23内に3つの仕切板75が設けられており、これら3つの仕切板75によって、ケース23の内側が5つの部屋に仕切られている。以下において、3つの仕切板75のそれぞれを識別する場合に、3つの仕切板75は、それぞれ、第1仕切板75a、第2仕切板75b、第3仕切板75cと表記される。第1仕切板75aは、Z軸方向に第3内壁73cから第1内壁73a(第1壁71aの裏面)にわたって設けられている。第2仕切板75bは、X軸方向に第4内壁73d(第4壁71dの裏面)から第5内壁73eにわたって設けられている。第1仕切板75aと第2仕切板75bとは、互いに交差している。第3仕切板75cは、第1仕切板75aと第5内壁73eとの間に位置しており、Z軸方向に第3内壁73cから第2仕切板75bにわたって設けられている。
3つの仕切板75によって仕切られた5つの部屋のうち、第1仕切板75aと第5内壁73eとに挟まれた3つの部屋は、インクを収容する収容部81としての機能を有する。他方で、第1仕切板75aと第4内壁73d(第4壁71dの裏面)とに挟まれた2つの部屋は、大気を導入する大気導入部83としての機能を有する。大気導入部83は、第1大気室84aと、第2大気室84bと、を含む。収容部81は、第1収容室85と、第2収容室87と、第3収容室89と、を含む。第3収容室89内には、土手91が設けられている。土手91は、第2内壁73bに環状に設けられており、第2内壁73bから突出している。土手91によって囲まれた領域内が、第4収容室93として、第3収容室89から仕切られている。つまり、第3収容室89は、第4収容室93を内包している。
3つの仕切板75の第2内壁73b側とは反対側の端部と、第2壁71bを除く4つの壁71の第2内壁73b側とは反対側の端部とは、Y軸方向における高さが相互に同一である。そして、3つの仕切板75の第2内壁73b側とは反対側の端部と、第2壁71bを除く4つの壁71の第2内壁73b側とは反対側の端部とにわたって、図4に示すフィルム65が接合される。これにより、3つの仕切板75によって仕切られた5つの部屋が個別に封止される。なお、ケース23には、図5(a)に示すように、3つの仕切板75の第2内壁73b側とは反対側の端部と、第2壁71bを除く4つの壁71の第2内壁73b側とは反対側の端部とにわたって、土手97が設けられている。本実施形態では、図4に示すフィルム65は、土手97に溶着されている。
土手91の第2内壁73b側とは反対側の端部は、3つの仕切板75の第2内壁73b側とは反対側の端部よりも第2内壁73b側に位置している。つまり、土手91のY軸方向における高さは、3つの仕切板75のY軸方向における高さよりも低い。このため、土手91によって囲まれた第4収容室93は、第3収容室89内に収まっている。そして、ケース23にフィルム61を接合した状態を示す斜視図である図6(a)に示すように、土手91の第2内壁73b側とは反対側の端部に、フィルム61が接合される。これにより、第4収容室93が第3収容室89から仕切られる。なお、第1収容室85内には、リブ95が設けられている。リブ95は、第1仕切板75aと第3仕切板75cとの間に位置しており、第2内壁73bと第3内壁73cとに交わっている。上記の構成を有するケース23は、例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂を成形することによって製造され得る。
図5(b)に示すように、第2壁71bには、弁室101と、分離室103と、複数の溝105と、が設けられている。弁室101の底部には、弁孔106が形成されている。弁室101、分離室103、及び複数の溝105は、それぞれ、第2壁71bから第2内壁73b側に向かって凹となる凹状の形態を呈している。弁室101、分離室103、及び複数の溝105は、それぞれ、大気やインクの流路の一部を構成している。弁室101、分離室103、及び複数の溝105のそれぞれの周囲には、第2壁71bから第2内壁73b側とは反対側に向かって凸となる土手107が設けられている。土手107には、図3に示すフィルム21が接合される。これにより、弁室101、分離室103、及び複数の溝105のそれぞれが個別に封止される。
図3に示すように、弁室101には、弁ユニット51が収容される。分離室103は、フィルター55によって外側から覆われる。弁室101に弁ユニット51が収容され、且つ分離室103がフィルター55で覆われた状態で、ケース23にフィルム21が接合される。このため、弁ユニット51は、フィルム21とケース23とによって囲まれる。また、フィルター55も、フィルム21とケース23とによって囲まれる。フィルター55は、気体の透過を許容すると共に、液体の透過を許容しない素材で構成されている。ケース23にフィルム21が接合されることによって、弁室101、分離室103、及び複数の溝105が、大気やインクの流路としての機能を果たす。
弁ユニット51は、弁体111と、バネ113と、バネ座115と、を含む。大気開放口45から供給口33に至る流体の流れ方向において、弁体111を挟んだ流路の圧力差に基づいて弁体111が変形することで、弁ユニット51は流路を開閉させる。バネ113は、弁体111を弁孔106に押し付ける方向に、弁体111を付勢する。弁体111により、弁室101より下流側(「弁下流側」とも呼ぶ。)の圧力は、弁室101より上流側(「弁上流側」とも呼ぶ。)の圧力より低く調整され、弁下流側が大気圧を基準とした負圧となる。カートリッジ10がプリンター1に装着され、弁下流側のインクが消費されると、弁下流側の負圧の絶対値が大きくなり、弁体111が弁孔106から離れるように変形する。すると、弁室101内のインクが弁室101よりも下流側に供給され、所定範囲の負圧に弁下流側が戻る。これにより、弁体111がバネ113の力によって弁孔106を塞ぐように変形する。また、収容部81内のインクが消費されるに伴って大気開放口45を介して収容部81に大気(空気)が導入される。
供給部ユニット53は、供給部31の内部に設けられる。供給部ユニット53は、シール部材117と、バネ座119と、バネ121と、を含む。シール部材117は、供給部31にプリンター1の液体供給針が挿入されているときに、供給部31の内壁と液体供給針との外壁との間に隙間が生じないようにシールする。バネ座119は、カートリッジ10がホルダー3に装着されていないときに、シール部材117に当接して供給部31内の流路を閉塞する。バネ121は、バネ座119をシール部材117に当接させる方向に付勢する。液体供給針が供給部31内に挿入されると、液体供給針がバネ座119をZ軸正方向に押し上げ、バネ座119とシール部材117との間に隙間が生じ、この隙間から液体供給針にインクが供給される。
図3に示すように、ケース23の第1壁71a(底面11a)には、開口部123と、複数の溝125と、が設けられている。開口部123には、検出部材29に設けられたプリズム部127が挿入される。開口部123は、プリズム部127が挿入された状態において、検出部材29によって封止されている。複数の溝125は、それぞれ、第1壁71aから第3内壁73c(図5)側、すなわちケース23の内側に向かって凹となる凹状の形態を呈している。複数の溝125は、それぞれ、大気やインクの流路の一部を構成している。複数の溝125のそれぞれの周囲には、第1壁71aからケース23の内側とは反対側に向かって凸となる土手129が設けられている。土手129には、フィルム57が接合される。これにより、複数の溝125のそれぞれが個別に封止される。蓋25は、フィルム57を覆うようにケース23に取り付けられる。蓋25は、ケース23の第1壁71aの一部を覆うことで、底面11aの一部も構成する。
プリズム部127は、第4収容室93内に突出しており、プリンター1に設けられた検出装置15によって光学的にインクが存在するか否かを検出するための検出部材として機能する。プリズム部127は、例えばポリプロピレン等の合成樹脂により形成された光透過性を有する部材である。プリズム部127を含む検出部材29を構成する部材は、適度な光透過性を持っていれば、透明でなくても良い。また、光学的な検出を行わない場合には、検出部材29が光透過性を有していなくてもよい。また、光学的な検出を行わない場合には、プリズム部127の表面に光を透過させない部材を貼り付けたり、塗装を施したりしてもよい。第4収容室93内にインクが存在するか否かは、例えば次のように検出される。プリンター1に設けられた検出装置15には、発光素子と受光素子とを有する光学センサーが設けられている。発光素子から、検出部材29のプリズム部127に向けて光が射出される。インクがプリズム部127の周辺に存在する場合は、光はプリズム部127を透過して、第4収容室93内へ向う。一方、インクがプリズム部127の周辺に存在しない場合は、発光素子から射出された光はプリズム部127の2つの反射面によって反射され、受光素子に到達する。受光素子に光が到達したかどうかに基づいて、第4収容室93内にインクが存在するか否かをプリンター1が判定する。
前述したように、第4収容室93は、第3収容室89内に設けられている。第4収容室93の容積は、第3収容室89の容積よりも小さい。第3収容室89は、第4収容室93に比較して、鉛直方向とは交差する方向に底面積が広い。そして、第3収容室89よりも容積が小さい第4収容室93内にプリズム部127が突出している。つまり、本実施形態では、第4収容室93内に設けたプリズム部127を介して、第4収容室93内のインク量を検出することによってインク残量を検出する構成が採用されている。
ここで、例えば、第4収容室93を省略し、且つ第3収容室89内にプリズム部127を設ける構成でも、インクが存在するか否かを検出すること(インク残量検出)が可能である。この構成では、第3収容室89内のインク量を検出することによってインク残量検出が行われる。しかしながら、この構成では、本実施形態に比較して、インク残量検出にかかる検出精度が低下しやすい。これは、インク残量検出をするインク液面の高さが同じだけばらついた場合、鉛直方向とは交差する方向に収容部の面積を広げると、絶対的なインク量のばらつきが大きくなってしまうためである。
このようなことに対して、本実施形態では、第3収容室89内に、第3収容室89よりも容積が小さい第4収容室93が区画され、第4収容室93内にプリズム部127を設ける構成が採用されている。これにより、インク残量検出をするインク液面の高さがばらついた場合でも、絶対的なインク量のばらつきを小さくできる。この結果、インク残量検出にかかる検出精度の低下を避けることができる。
図4に示すフィルム61は、前述したように、第3収容室89内の土手91に接合される。本実施形態では、フィルム61は、土手91に溶着されている。補強部材63は、フィルム61が土手91に接合されてから、第3収容室89内に設けられる。補強部材63は、ケース23に補強部材63を組み込んだ状態を示す斜視図である図6(b)に示すように、第3収容室89内に嵌め込まれる。この補強部材63によってケース23が補強され、ケース23のたわみや変形が軽減され得る。そして、補強部材63が第3収容室89内に嵌め込まれてから、ケース23にフィルム65が接合される。本実施形態では、フィルム65は、3つの仕切板75の端部と、第2壁71bを除く4つの壁71の端部とにわたって溶着されている。
フィルム65のケース23側とは反対側には、図4に示すように、蓋27が設けられている。蓋27のケース23側とは反対側の面は、右側面11eを構成している。また、蓋27は、ケース23の第1壁71aの一部を覆うことで、底面11aの一部も構成する。また、蓋27は、ケース23の第4壁71dの一部を覆うことで、正面11cの一部も構成する。また、蓋27は、ケース23の第5壁71eの一部を覆うことで、背面11dの一部も構成する。
図4に示すように、ケース23の第3壁71c(上面11b)には、溝131が設けられている。溝131は、第3壁71cから第1内壁73a側、すなわちケース23の内側に向かって凹となる凹状の形態を呈している。溝131は、大気やインクの流路の一部を構成している。溝131の周囲には、第3壁71cからケース23の内側とは反対側に向かって凸となる土手133が設けられている。土手133には、ラベル59が接合される。これにより、溝131が封止される。
大気開放口45から供給口33に至る流路について説明する。ここでは、理解を容易にするために、まず、大気開放口45から供給口33に至る流路を概念的に説明する。なお、大気開放口45から供給口33に向かう向きを、流体が流れる向きとする。そして、この向きが「上流」、「下流」の基準とされる。大気開放口45から供給口33に至る流路100は、図7に示すように、分離室103と、第1大気室84aと、第2大気室84bと、第1収容室85と、第2収容室87と、第3収容室89と、第4収容室93と、弁室101と、を含む。分離室103は、大気開放口45の下流側に設けられている。第1大気室84aは、分離室103の下流側に設けられている。第2大気室84bは、第1大気室84aの下流側に設けられている。第1収容室85は、第2大気室84bの下流側に設けられている。第2収容室87は、第1収容室85の下流側に設けられている。第3収容室89は、第2収容室87の下流側に設けられている。第4収容室93は、第3収容室89の下流側に設けられている。弁室101は、第4収容室93の下流側に設けられている。
大気開放口45と、分離室103とは、第1内部流路141と、蛇行流路143とを介して互いに通じている。第1内部流路141は、大気開放口45の下流側に設けられている。大気開放口45は、第1内部流路141に通じている。蛇行流路143は、第1内部流路141の下流側に設けられている。第1内部流路141と、蛇行流路143とは、連通口145を介して互いに通じている。蛇行流路143と、分離室103とは、連通口147を介して互いに通じている。蛇行流路143は、大気開放口45から第1収容室85までの流路長を長くするために細長く蛇行して形成されている。これにより、収容部81内のインクの液体成分の蒸発を抑制することができる。分離室103の途中には、流路を区画するようにフィルター55が配置されている。フィルター55によって、第1収容室85側から上流に向かってインクが逆流した場合でも、インクがフィルター55よりも上流に進入することを抑制できる。
分離室103と、第1大気室84aとは、上面流路149と、第1表面流路151とを介して互いに通じている。上面流路149は、分離室103の下流側に設けられている。分離室103は、連通口153を介して上面流路149に通じている。第1表面流路151は、上面流路149の下流側に設けられている。上面流路149と、第1表面流路151とは、連通口155を介して互いに通じている。第1表面流路151と、第1大気室84aとは、連通口157を介して互いに通じている。
第1大気室84aと、第2大気室84bとは、第2表面流路159を介して互いに通じている。第2表面流路159は、第1大気室84aの下流側に設けられている。第1大気室84aは、連通口161を介して第2表面流路159に通じている。第2表面流路159と、第2大気室84bとは、連通口163を介して互いに通じている。
第1大気室84a及び第2大気室84bは、温度上昇などにより収容部81内の大気が膨張し、収容部81内のインクが第1収容室85よりも上流側に逆流した際、逆流したインクを捕捉(トラップ)する。これにより、第1収容室85よりも上流側に向かって逆流したインクが大気開放口45から漏れることを防止することができる。本実施形態では、複数の大気室のうち、第1収容室85に近い第2大気室84bの容積が、第1大気室84aの容積よりも大きい。これにより、仮にインクが逆流した場合であっても、より下流側(大気開放口45から遠い側)でインクをトラップすることができる。
第2大気室84bと、第1収容室85とは、第2内部流路165と、第3表面流路167と、第3内部流路169とを介して互いに通じている。第2内部流路165は、第2大気室84bの下流側に設けられている。第2大気室84bは、連通口171を介して第2内部流路165に通じている。第3表面流路167は、第2内部流路165の下流側に設けられている。第2内部流路165と、第3表面流路167とは、連通口173を介して互いに通じている。第3内部流路169は、第3表面流路167の下流側に設けられている。第3表面流路167と、第3内部流路169とは、連通口175を介して互いに通じている。第3内部流路169と、第1収容室85とは、連通口177を介して互いに通じている。
本実施形態では、大気開放口45を介して流路100の内部に取り込んだ大気(空気)を、大気開放口45から第3内部流路169までの流路によって、第1収容室85を含む第1収容室85の下流側に流通させることができる。
第1収容室85と、第2収容室87とは、第4表面流路179を介して互いに通じている。第4表面流路179は、第1収容室85の下流側に設けられている。第1収容室85は、連通口181を介して第4表面流路179に通じている。第4表面流路179と、第2収容室87とは、連通口183を介して互いに通じている。
第2収容室87と、第3収容室89とは、第5表面流路185を介して互いに通じている。第5表面流路185は、第2収容室87の下流側に設けられている。第2収容室87は、連通口187を介して第5表面流路185に通じている。第5表面流路185と、第3収容室89とは、連通口189を介して互いに通じている。
第3収容室89と、第4収容室93とは、第1下面流路191と、第4内部流路193と、第6表面流路195とを介して互いに通じている。第1下面流路191は、第3収容室89の下流側に設けられている。第3収容室89は、連通口197を介して第1下面流路191に通じている。第4内部流路193は、第1下面流路191の下流側に設けられている。第1下面流路191と、第4内部流路193とは、連通口199を介して互いに通じている。第6表面流路195は、第4内部流路193の下流側に設けられている。第4内部流路193と、第6表面流路195とは、連通口201を介して互いに通じている。第6表面流路195と、第4収容室93とは、連通口203を介して互いに通じている。
第4収容室93と、弁室101とは、第7表面流路205と、第2下面流路207と、第1ケース内流路209とを介して互いに通じている。第7表面流路205は、第4収容室93の下流側に設けられている。第4収容室93は、連通口211を介して第7表面流路205に通じている。第2下面流路207は、第7表面流路205の下流側に設けられている。第7表面流路205と、第2下面流路207とは、連通口213を介して互いに通じている。第1ケース内流路209は、第2下面流路207の下流側に設けられている。第2下面流路207と、第1ケース内流路209とは、連通口215を介して互いに通じている。第1ケース内流路209と、弁室101とは、連通口217を介して互いに通じている。
弁室101と、供給口33とは、第2ケース内流路219と、第3下面流路221と、第8表面流路223と、供給路225とを介して互いに通じている。第2ケース内流路219は、弁室101の下流側に設けられている。弁室101は、弁孔106を介して第2ケース内流路219に通じている。第3下面流路221は、第2ケース内流路219の下流側に設けられている。第2ケース内流路219と、第3下面流路221とは、連通口227を介して互いに通じている。第8表面流路223は、第3下面流路221の下流側に設けられている。第3下面流路221と、第8表面流路223とは、連通口229を介して互いに通じている。供給路225は、第8表面流路223の下流側に設けられている。第8表面流路223と、供給路225とは、連通口231を介して互いに通じている。そして、供給路225の下流側に供給口33が設けられている。
次に、上述した流路100を、ケース23の構成に照合しながら説明する。
大気開放口45は、図8に示すように、ケース23の第3壁71cに開口している。大気開放口45から連通口145に至る第1内部流路141は、ケース23内をY軸方向に沿って延在している。第1内部流路141は、大気開放口45を起点として、第3壁71cから第2壁71bに至る。第2壁71bには、図9に示すように、連通口145が開口している。第1内部流路141は、第3壁71cから連通口145に至る。
蛇行流路143は、第2壁71bに設けられており、連通口145につながる溝105によって構成されている。蛇行流路143は、連通口147を介して分離室103に通じている。なお、図9では、構成をわかりやすく示すため、溝105や分離室103、弁室101の周囲を囲む土手107にハッチングが施されている。分離室103は、第2壁71bに設けられている。分離室103内には連通口153が開口している。第2壁71bに開口している連通口153は、図8に示すように、上面流路149に通じている。上面流路149は、第3壁71cに設けられており、連通口153につながる溝131によって構成されている。なお、図8では、構成をわかりやすく示すため、溝131の周囲を囲む土手133にハッチングが施されている。上面流路149は、連通口153を起点として、第3壁71cから第2壁71bの連通口155に至る。
連通口155は、図9に示すように、第2壁71bに開口している。連通口155につながる溝105は、第1表面流路151として連通口157に通じている。連通口157は、第2壁71bに開口している。連通口157は、図10に示すように、第1大気室84aに通じている。なお、図10では、構成をわかりやすく示すため、土手97にハッチングが施されている。第1大気室84a内には連通口161が開口している。第1大気室84a内に開口している連通口161は、図9に示すように、第2壁71bにも開口している。連通口161につながる溝105は、第2表面流路159として連通口163に通じている。連通口163は、第2壁71bに開口している。連通口163は、図10に示すように、第2大気室84bに通じている。
第2大気室84b内には連通口171が開口している。第2大気室84b内に開口している連通口171は、図11に示すように、第2内部流路165に通じている。第2内部流路165は、ケース23内をY軸方向に沿って延在している。第2内部流路165は、連通口171を起点として、ケース23をY軸方向に貫通してから第2壁71bに至る。第2壁71bには、図9に示すように、連通口173が開口している。第2内部流路165は、連通口173に至る。連通口173は、第2壁71bに開口している。連通口173につながる溝105は、第3表面流路167として連通口175に通じている。連通口175は、第2壁71bに開口している。連通口175は、図8に示すように、第3内部流路169に通じている。第3内部流路169は、ケース23内をY軸方向に沿って延在している。第3内部流路169は、連通口175を起点として、ケース23をY軸方向に貫通してから連通口177に至る。連通口177は、図10に示すように、第1収容室85に通じている。
第1収容室85内には連通口181が開口している。第1収容室85内に開口している連通口181は、図9に示すように、第2壁71bにも開口している。連通口181につながる溝105は、第4表面流路179として連通口183に通じている。連通口183は、第2壁71bに開口している。連通口183は、図10に示すように、第2収容室87に通じている。
第2収容室87内には連通口187が開口している。第2収容室87内に開口している連通口187は、図9に示すように、第2壁71bにも開口している。連通口187につながる溝105は、第5表面流路185として連通口189に通じている。連通口189は、第2壁71bに開口している。連通口189は、図10に示すように、第3収容室89に通じている。
第3収容室89内には連通口197が開口している。第3収容室89内に開口している連通口197は、図11に示すように、第1壁71aにも開口している。連通口197につながる溝125は、第1下面流路191として連通口199に通じている。連通口199は、第1壁71aに開口している。連通口199は、図9に示すように、第4内部流路193に通じている。第4内部流路193は、ケース23内をZ軸方向に沿って延在している。第4内部流路193は、連通口199を起点として、第1壁71aから第2壁71bに至る。第2壁71bには、連通口201が開口している。第4内部流路193は、第1壁71aから連通口201に至る。
連通口201につながる溝105は、第6表面流路195として連通口203に通じている。連通口203は、第2壁71bに開口している。連通口203は、図10に示すように、第4収容室93に通じている。第4収容室93内には連通口211が開口している。第4収容室93内に開口している連通口211は、図9に示すように、第2壁71bにも開口している。連通口211につながる溝105は、第7表面流路205として連通口213に通じている。連通口213は、図11に示すように、溝125によって構成された第2下面流路207を介して連通口215に通じている。連通口215は、第1壁71aに開口している。連通口215は、図10に示すように、第1ケース内流路209に通じている。第1ケース内流路209は、連通口217に通じている。
連通口217は、図9に示すように、第2壁71bにおいて、弁室101内に開口している。弁室101内には、弁孔106が開口している。弁室101内に開口している弁孔106は、図10に示すように、第2内壁73bにも開口しており、第2ケース内流路219に通じる。第2ケース内流路219は、連通口227に通じている。連通口227は、図11に示すように、第1壁71aに開口している。連通口227は、溝125によって構成された第3下面流路221を介して連通口229に通じている。連通口229は、図9に示すように、第2壁71bに開口している。連通口229につながる溝105は、第8表面流路223として連通口231に通じている。連通口231は、第2壁71bに開口している。連通口231は、供給路225に通じている。供給路225は、ケース23内をZ軸方向に延在しており、供給口33に通じている。
インクは、カートリッジ10の製造時には、例えば、図7に示すように、破線で示される液面の位置である液位ML1まで充填される。本実施形態では、液位ML1は、第1収容室85内に設定される。カートリッジ10の内部のインクがプリンター1によって消費されていくと、液位は下流側に移動し、その代わりに大気開放口45を介して上流側から大気がカートリッジ10内部に流入する。そして、インクの消費が進むと、液位が、第4収容室93内の液位ML2まで下がる。このとき、プリズム部127が液位ML2から突出する。そうすると、検出装置15を用いて制御ユニット9がカートリッジ10のインク残量がなくなった、又は少なくなったことを検出する。そして、制御ユニット9は、カートリッジ10内部のインクが完全に消費されるより前の段階で、印刷を停止し、ユーザーにインク切れを通知する。これにより、インクが皆無になった状態で印刷ヘッドを駆動することを避けることができる。インクが皆無になった状態で印刷ヘッドを駆動すると、印刷ヘッドに空気が混入し、不具合が発生することがある。本実施形態では、このような事態を避けることができる。
[カートリッジの製造方法]
カートリッジ10の製造方法について説明する。本実施形態では、インクが消費され、インク残量が所定値以下になったカートリッジ10に対し、インクを再び注入すること(リフィル処理)によってカートリッジ10を製造する方法について説明する。なお、以下に説明するカートリッジ10の製造方法は、インクを収容する前の未使用のカートリッジ10にインクを注入することによってカートリッジ10を製造する方法にも利用できる。
本実施形態におけるカートリッジ10の製造方法は、図12に示すように、上記に説明したカートリッジ10を準備する準備工程S1と、インクを注入して収容部81にインクを収容する注入工程S2と、情報更新工程S3と、を含む。なお、本実施形態では、注入工程S2でのインクの注入方法として、大気開放口45から供給口33に至る流路100において、第4収容室93よりも上流側からインクを注入する注入方法が採用されている。
情報更新工程S3は、カートリッジ10の回路基板40に設けられたメモリーのインク消費量の情報を使用可能値に書き換える工程である。インクが使用され、カートリッジ10のインク残量が所定値以下になった場合、メモリーに所定値以下となったインク残量を表す情報が記憶されている場合がある。この場合、プリンター1は、カートリッジ10にインクが入っていないと判断し、正常な印刷動作に移行しない場合がある。本実施形態では、情報更新工程S3において、メモリーのインク消費量の情報をインクが所定値以上入っていることを示す使用可能値に更新する。これにより、カートリッジ10をプリンター1に装着したときに、プリンター1が正常に印刷動作に移行する。なお、工程S3は省略可能である。
注入工程S2でのインク注入には、例えば、図13に示す注入システム1100が活用され得る。注入システム1100は、注入装置1200と、真空装置1300と、吸引装置1400とを備える。注入装置1200は、チューブ1110と、バルブ1120と、注入ポンプ1130と、タンク1140とを備える。バルブ1120はチューブ1110の上流に配置されている。注入ポンプ1130は、バルブ1120の上流に配置されている。タンク1140は注入ポンプ1130の上流に配置されている。チューブ1110は、例えば、針状のチューブを用いることができる。チューブ1110の先端部1110aは開口し、先端部1110aからインクを外部に流出できる。図13では、第4収容室93からインクを注入する様子を模式的に示している。真空装置1300は、チューブ1150と、バルブ1160と、真空室1170と、真空ポンプ1180とを備える。バルブ1160は、チューブ1150の上流に配置されている。真空室1170は、バルブ1160の上流に配置されている。真空ポンプ1180は、真空室1170の上流に配置されている。チューブ1150は、例えば、針状のチューブを用いることができる。注射器状の吸引装置1400はチューブ1190を備える。チューブ1190は針状であり、供給口33内に挿入されてバネ座119を押上げる。
注入工程S2は、図14に示すように、注入口形成工程S11と、チューブ装着工程S12と、大気吸引工程S13と、注入工程S14と、注入口封止工程S15と、吸引工程S16と、封止工程S17と、を含む。注入口形成工程S11では、インクをカートリッジ10内部に注入するための注入口250をカートリッジ10に形成する。注入口250は、カートリッジ10の流路100のうち、第4収容室93を含めて第4収容室93から下流側、且つ弁孔106よりも上流側の流路を構成する壁に穴を開けることによって形成される。注入口250は、インクを直接注入する所定部分を構成する壁に設けても良い。例えば、第4収容室93(図10)からインクを注入する場合には、第4収容室93を構成する壁に穴を開けて注入口250を形成する。ここで、第4収容室93を構成する壁の1つは、フィルム61(図6(a))である。また、第4収容室93を構成する壁の他の1つは、第2壁71b(図5(b))である。注入口250は、例えばドリルを用いて壁に穴を開けることによって形成され得る。また、例えば、注入口250は、チューブ1110を壁に突き刺して穴を開けることによっても形成され得る。
上記のように、流路100を構成する壁に穴を開けることによって注入口250を形成することができる。また、注入口250を形成することで、注入口250を介してカートリッジ10内部にインクを注入することができる。また、流路100を構成する壁のうちフィルム21や、フィルム57、フィルム61、ラベル59等に穴を開けることで容易に注入口250を形成できる。
チューブ装着工程S12では、チューブ1110を注入口250に装着する。なお、チューブ1110を直接に形成壁に突き刺す場合は、注入口形成工程S11及びチューブ装着工程S12が同時に行われる。
大気吸引工程S13では、大気開放口45に装着された真空装置1300によって、大気開放口45からカートリッジ10内の大気を吸引する。このとき、バルブ1160(図13)を閉状態にしてから真空ポンプ1180を稼働させることによって、真空室1170の内部を十分に減圧した後に、バルブ1160を開状態にすることで、大気開放口45からカートリッジ10内の大気を吸引する。これにより、カートリッジ10の流路100内が減圧される。なお、大気開放口45への真空装置1300の装着時期は、大気吸引工程S13が開始される前であれば任意のタイミングで行うことができる。
図14に示す注入工程S14では、カートリッジ10の注入口250からインクをカートリッジ10内部に注入する。注入工程S14では、大気開放口45(図13)からの大気の吸引を維持した状態で、注入ポンプ1130を駆動すると共にバルブ1120を開く。これにより、タンク1140内のインクがカートリッジ10の注入口250から注入される。収容部81に所定量のインクが収容されると、注入装置1200の駆動を停止させる。これにより、インク注入が停止する。このとき、真空装置1300の駆動も停止させる。そして、注入装置1200及び真空装置1300がカートリッジ10から取り外される。
注入口封止工程S15では、注入口250を封止する。注入口250は、例えば、フィルムや、ゴム等の弾性を有する部材によって封止され得る。これにより、カートリッジ10内部に収容されたインクが注入口250を介して外部に流出する可能性を低減できる。
吸引工程S16では、図13に示す吸引装置1400を駆動させる。真空装置1300で大気開放口45からカートリッジ10内部を吸引した場合、弁ユニット51は閉状態になる。このため、弁ユニット51より下流側にはインクが導入されない。よって、図14に示す吸引工程S16において、供給口33から流路100内の大気を吸引する。これにより、弁ユニット51が開き、弁ユニット51の上流側から下流側にインクが導入される。
封止工程S17では、大気開放口45をフィルム47で封止し、且つ供給口33をフィルム35で封止する。これにより、注入工程S2が終了する。
上記により、カートリッジ10が製造され得る。本実施形態では、流路100のうち第4収容室93を含めて第4収容室93から下流側、且つ弁孔106よりも上流側に形成した注入口250からインクを収容部81内に注入する方法が採用されている。この方法によれば、注入したインクを第4収容室93内に導入しやすい。この結果、インクの量の検出にかかる精度が低下することを避けやすい。なお、本実施形態では、検出部材29が設けられた第4収容室93に形成した注入口250からインクを収容部81内に注入するので、第4収容室93に直接的にインクを注入することができる。このため、注入したインクを第4収容室93内に導入しやすい。これにより、インクの量の検出にかかる精度が低下することを避けやすい。
なお、注入口250の形成箇所は、第4収容室93に限定されない。注入口250の形成箇所としては、例えば、フィルム21において連通口203に重なる部位も採用され得る。連通口203は、第2壁71bに開口している。また、連通口203は、第4収容室93内にも開口している。このため、フィルム21において連通口203に重なる部位に注入口250を形成すれば、第4収容室93に直接的にインクを注入することができる。
また、注入口250の形成箇所としては、例えば、検出部材29も採用され得る。検出部材29は、ケース23に開口された開口部123をケース23の外側から覆っている。このため、検出部材29に注入口250を形成すれば、注入口250は、第4収容室93内に向かって開口する。そして、検出部材29に形成した注入口250を介してインクを第4収容室93内に直接的に注入することができる。
また、注入口250の形成方法としては、例えば、ケース23に開口された開口部123を注入口250とする方法も採用され得る。この方法では、ケース23から検出部材29を外して開口部123を露呈させることによって、開口部123を注入口250とする。そして、注入口250としての開口部123を介してインクを第4収容室93内に直接的に注入することができる。
また、注入口250の形成箇所としては、例えば、第4収容室93と弁室101との間も採用され得る。この場合、第4収容室93よりも下流側の流路からインクを注入することができるので、インクは、第4収容室93よりも下流側の流路を経由して第4収容室93に至る。注入したインクに気泡が混入していた場合、インクが流路を経由するときに、気泡が流路で捕らえられやすい。これにより、第4収容室93内に気泡が混入することを避けやすい。この結果、検出部材29に気泡が付着することを抑制しやすいので、インクの量の検出にかかる精度が低下することを一層避けやすい。
また、注入口250の形成箇所としては、例えば、第7表面流路205も採用され得る。第7表面流路205は、第4収容室93よりも下流側に位置している。第4収容室93よりも下流側の流路からインクを注入することができるので、インクは、第4収容室93よりも下流側の流路を経由して第4収容室93に至る。注入したインクに気泡が混入していた場合、インクが流路を経由するときに、気泡が流路で捕らえられやすい。これにより、第4収容室93内に気泡が混入することを避けやすい。この結果、検出部材29に気泡が付着することを抑制しやすいので、インクの量の検出にかかる精度が低下することを一層避けやすい。
また、第7表面流路205に注入口250を形成するときに、フィルム21に注入口250を形成する方法を採用すれば、ケース23に注入口250を形成することを避けることができる。
また、注入口250の形成箇所としては、例えば、第2下面流路207も採用され得る。この場合、フィルム57に注入口250を形成する方法が採用され得る。本実施形態では、フィルム57が光透過性を有している。フィルム57に形成した注入口250を介して第2下面流路207からインクを注入すれば、インクを注入するときに、検出部材29を介してインクの注入の様子を視認することができる。
また、注入口250の形成箇所としては、例えば、第1ケース内流路209も採用され得る。ここで、第1ケース内流路209には、図10に示すように、屈曲部253が設けられている。屈曲部253は、連通口215と連通口217との間に位置している。第1ケース内流路209では、連通口217と屈曲部253との間の一部の流路が、平面視で弁体111に重なっている。そして、本実施形態では、連通口217と屈曲部253との間の流路のうち弁体111に重なっている部位に注入口250を形成する。これにより、注入口250から注入されたインクは、屈曲部253を経由してから連通口215を介して第4収容室93内に至る。このとき、注入したインクに気泡が混入していた場合、インクが屈曲部253を経由するときに、気泡が屈曲部253で捕らえられやすい。これにより、第4収容室93内に気泡が混入することを一層避けやすい。
なお、本実施形態では、検出部材29として、プリズム部127を有する光学部材が採用されている。しかしながら、検出部材29は、これに限定されず、カートリッジ10のインク残量状態を検出するために用いられる部材であれば、種々の部材が採用され得る。検出部材29としては、例えば、圧電素子なども採用され得る。
上記の実施形態において、フィルム61が第1シート部材に対応し、フィルム57が第2シート部材に対応し、フィルム21が第3シート部材に対応している。また、第1壁71aが第1の外壁に対応し、第2壁71bが第2の外壁に対応している。また、第6表面流路195が第1外壁流路に対応し、第7表面流路205が第2外壁流路に対応し、第2下面流路207が第3外壁流路に対応し、屈曲部253が屈曲部に対応している。
上記のように、本実施形態によれば、インクを注入するときに第4収容室93内に気泡が混入することを避けやすい。第4収容室93内に気泡が混入すると、第4収容室93内に混入した気泡が印刷ヘッドに到達することがある。印刷ヘッド内に気泡が到達すると、印刷ヘッドにおけるインクの吐出性能が低下してしまうことがある。つまり、第4収容室93内に気泡が混入すると、インクの吐出性能が低下してしまうことがあるという課題がある。
第4収容室93を含めて第4収容室93の下流側からインクを収容部81内に注入すると、第4収容室93の下流側に気泡が混入しやすい。しかしながら、供給口33は、第4収容室93の下流側に設けられている。このため、例えば、カートリッジ10をプリンター1に装着したときにインクの吸引動作などによって、第4収容室93の下流側に混入した気泡を初期的に供給口33から排出させやすい。
これに対して、第4収容室93よりも上流側からインクを収容部81内に注入すると、第4収容室93よりも上流側に気泡が混入しやすい。第4収容室93よりも上流側に混入した気泡は、初期的に排出されにくい。このため、第4収容室93よりも上流側に混入した気泡は、印刷の過程で、第4収容室93を経て印刷ヘッドに到達することがある。よって、印刷過程で気泡が印刷ヘッドに到達することを避けやすいという観点からも、第4収容室93を含めて第4収容室93の下流側からインクを収容部81内に注入することが好ましい。
また、第4収容室93は、第3収容室89内においてフィルム61によって区画されている。つまり、フィルム61は、第3収容室89内に設けられている。このため、第4収容室93よりも上流側に注入口250を形成すると、フィルム61に損傷を与えてしまう可能性が高まる。特に、フィルム65側からインクを注入する場合に可能性が高まる。損傷したフィルム61を修復することが困難である。フィルム61に損傷を与えることを避ける観点からも、第4収容室93を含めて第4収容室93の下流側からインクを収容部81内に注入することが好ましい。
本実施形態におけるプリンター1では、カートリッジ10に収容されているインクの残量が少なくなる、又はなくなると、十分な残量を有する新たなカートリッジ10に交換される。しかしながら、プリンター1の形態は、これに限定されない。プリンター1の形態としては、カートリッジ10よりもインクの収容量が多いタンクから印刷ヘッドにインクを供給する形態も採用され得る。このような形態を有するプリンター2000は、図15に示すように、タンク2100と、中継ユニット2200と、を有している。タンク2100は、インクを貯留する。タンク2100内のインクは、チューブ2300を介して中継ユニット2200に供給される。中継ユニット2200は、ホルダー3に装着されている。ホルダー3は、中継ユニット2200を着脱可能に搭載している。このプリンター2000では、中継ユニット2200として、上述したカートリッジ10が採用されている。
タンク2100内のインクは、チューブ2300を介して中継ユニット2200に供給される。中継ユニット2200に供給されたインクは、ホルダー3に設けられている印刷ヘッド(図示せず)に供給される。つまり、中継ユニット2200は、タンク2100内のインクを印刷ヘッドに中継する機能を有している。そして、タンク2100内のインク残量が少なくなる、又はなくなると、ユーザーがタンク2100にインクを補充することができる。タンク2100には、図示しない注入口が設けられている。ユーザーは、この注入口からインクをタンク2100内に補充することができる。
なお、プリンター2000としては、図16(a)に示すように、タンク2100をプリンター1の外装ケース(筐体)2400の外側に付設した形態が採用され得る。タンク2100が外装ケース2400の外側に付設されている形態は、タンク2100の外設形態と呼ばれる。また、プリンター2000としては、図16(b)に示すように、タンク2100をプリンター1の外装ケース2400の内側に内蔵した形態も採用され得る。タンク2100が外装ケース2400の内側に内蔵されている形態は、タンク2100の内蔵形態と呼ばれる。
タンク2100内のインクは、図17に示すように、チューブ2300を介して、中継ユニット2200としてのカートリッジ10の注入口250から収容部81内に供給される。収容部81内に供給されたインクは、供給口33から印刷ヘッド2500に供給される。プリンター2000においても、カートリッジ10の注入口250は、第4収容室93を含めて第4収容室93の下流側に形成される。これにより、プリンター2000においても、プリンター1と同様の効果が得られる。カートリッジ10の注入口250は、第4収容室93を含めて第4収容室93の下流側であれば、上述した種々の箇所に形成され得る。
本発明は、インクジェットプリンター及びそのインクカートリッジに限らず、インク以外の他の液体を消費する任意の液体噴射装置、及び、それらの液体噴射装置に用いられる液体収容容器にも適用することができる。例えば、以下のような各種の液体噴射装置に用いられる液体収容容器として本発明は適用可能である。
(1)ファクシミリ装置等の画像記録装置(2)液晶ディスプレイ等の画像表示装置用のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射装置(3)有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイや、面発光ディスプレイ(Field Emission Display、FED)等の電極形成に用いられる電極材噴射装置(4)バイオチップ製造に用いられる生体有機物を含む液体を噴射する液体噴射装置(5)精密ピペットとしての試料噴射装置(6)潤滑油の噴射装置(7)樹脂液の噴射装置(8)時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置(9)光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂液等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置(10)基板などをエッチングするために酸性又はアルカリ性のエッチング液を噴射する液体噴射装置(11)他の任意の微小量の液滴を吐出させる液体消費ヘッドを備える液体噴射装置。
なお、「液滴」とは、液体噴射装置から吐出される液体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう「液体」とは、液体噴射装置が消費できるような材料であれば良い。例えば、「液体」は、物質が液相であるときの状態の材料であれば良く、粘性の高い又は低い液状態の材料、及び、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような液状態の材料も「液体」に含まれる。また、物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散または混合されたものなども「液体」に含まれる。上記のような「液体」を、「液状体」とも表現することができる。液体や液状体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インクおよび油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種の液体状組成物を包含するものとする。
1…プリンター、10…カートリッジ、11…面、11a…底面、11b…上面、11c…正面、11d…背面、11e…右側面、11f…左側面、21…フィルム、23…ケース、25…蓋、27…蓋、29…検出部材、31…供給部、33…供給口、35…フィルム、40…回路基板、41…端子、43…レバー、45…大気開放口、47…フィルム、51…弁ユニット、53…供給部ユニット、55…フィルター、57…フィルム、59…ラベル、61…フィルム、63…補強部材、65…フィルム、71…壁、71a…第1壁、71b…第2壁、71c…第3壁、71d…第4壁、71e…第5壁、73…内壁、73a…第1内壁、73b…第2内壁、73c…第3内壁、73d…第4内壁、73e…第5内壁、75…仕切板、75a…第1仕切板、75b…第2仕切板、75c…第3仕切板、81…収容部、83…大気導入部、84a…第1大気室、84b…第2大気室、85…第1収容室、87…第2収容室、89…第3収容室、91…土手、93…第4収容室、95…リブ、97…土手、100…流路、101…弁室、103…分離室、105…溝、106…弁孔、107…土手、111…弁体、113…バネ、115…バネ座、117…シール部材、119…バネ座、121…バネ、123…開口部、125…溝、127…プリズム部、129…土手、131…溝、133…土手、141…第1内部流路、143…蛇行流路、145…連通口、147…連通口、149…上面流路、151…第1表面流路、153…連通口、155…連通口、157…連通口、159…第2表面流路、161…連通口、163…連通口、165…第2内部流路、167…第3表面流路、169…第3内部流路、171…連通口、173…連通口、175…連通口、177…連通口、179…第4表面流路、181…連通口、183…連通口、185…第5表面流路、187…連通口、189…連通口、191…第1下面流路、193…第4内部流路、195…第6表面流路、197…連通口、199…連通口、201…連通口、203…連通口、205…第7表面流路、207…第2下面流路、209…第1ケース内流路、211…連通口、213…連通口、215…連通口、217…連通口、219…第2ケース内流路、221…第3下面流路、223…第8表面流路、225…供給路、227…連通口、229…連通口、231…連通口、250…注入口、251…屈曲部、253…屈曲部、1000…液体噴射システム、1100…注入システム、1110…チューブ、1120…バルブ、1130…注入ポンプ、1140…タンク、1110a…先端部、1150…チューブ、1160…バルブ、1170…真空室、1180…真空ポンプ、1190…チューブ、1200…注入装置、1300…真空装置、1400…吸引装置、2000…プリンター、2100…タンク、2200…中継ユニット、2300…チューブ、2400…外装ケース、2500…印刷ヘッド。

Claims (10)

  1. 液体を収容する収容部が設けられたケースと、前記収容部内の前記液体を外部に供給する供給口と、前記収容部内の前記液体の量を検出するための検出部材を有し、
    前記ケースにおいて、前記収容部は、
    前記液体を収容する第1収容室と、
    前記収容部側から前記供給口側に向かう前記液体の流れにおいて、前記第1収容室の下流に設けられ、前記第1収容室に通じる第2収容室と、
    前記第2収容室の下流に設けられ、前記第2収容室に通じる第3収容室と、
    前記第3収容室の下流に設けられ、前記第3収容室に通じる第4収容室と、に区画されており、
    前記第4収容室は、前記第3収容室内に設けられており、且つ、第1シート部材によって前記第3収容室から仕切られており、
    前記検出部材が、前記第4収容室内に設けられている、液体収容容器に対して、
    前記第4収容室を含めて前記第4収容室から下流側に、前記収容部内に通じる注入口を形成し、前記注入口から液体を注入する、
    ことを特徴とする液体収容容器の製造方法。
  2. 前記第4収容室に、前記注入口を形成する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の液体収容容器の製造方法。
  3. 前記ケースでは、前記第3収容室から前記第4収容室に至る流路が、前記ケースの第2の外壁に設けられた第1外壁流路を含み、前記第1外壁流路が、第3シート部材によって前記ケースの外側から封止されており、
    前記第3シート部材において、前記第1外壁流路から前記第4収容室内に向かって開口する連通口に重なる領域に、前記第2の外壁側から前記注入口を形成する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の液体収容容器の製造方法。
  4. 前記ケースの第1の外壁に、前記ケースの外側から前記第4収容室内に向かって開口する開口部が設けられており、
    前記検出部材は、光透過性を有し、且つ、前記ケースの外側から前記開口部を覆った状態で、前記開口部から前記第4収容室内に突出しており、
    前記検出部材に前記注入口を形成する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の液体収容容器の製造方法。
  5. 前記ケースの第1の外壁に、前記ケースの外側から前記第4収容室内に向かって開口する開口部が設けられており、
    前記検出部材は、光透過性を有し、且つ、前記ケースの外側から前記開口部を覆った状態で、前記開口部から前記第4収容室内に突出しており、
    前記検出部材を前記ケースから外して前記開口部を露呈させることによって前記注入口を形成し、前記注入口としての前記開口部から前記液体を注入する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の液体収容容器の製造方法。
  6. 前記ケースでは、前記第4収容室と前記供給口との間に、前記第4収容室側から前記供給口側への前記液体の流れを許容し、且つ前記供給口側から前記第4収容室側への前記液体の流れを遮断する弁が設けられており、
    前記第4収容室から前記弁に至る流路に前記注入口を形成する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の液体収容容器の製造方法。
  7. 前記第4収容室から前記弁に至る前記流路が、前記ケースの第2の外壁に設けられた第2外壁流路を含み、前記第2外壁流路が、第3シート部材によって前記ケースの外側から封止されており、
    前記第2外壁流路において、前記第3シート部材に前記注入口を形成する、
    ことを特徴とする請求項6に記載の液体収容容器の製造方法。
  8. 前記ケースの第1の外壁に、前記ケースの外側から前記第4収容室内に向かって開口する開口部が設けられており、
    前記検出部材は、光透過性を有し、且つ、前記ケースの外側から前記開口部を覆った状態で、前記開口部から前記第4収容室内に突出しており、
    前記第4収容室から前記弁に至る前記流路が、前記ケースの前記第1の外壁に設けられた第3外壁流路を含み、前記第3外壁流路が、光透過性を有する第2シート部材によって前記ケースの外側から封止されており、
    前記第3外壁流路において、前記第2シート部材に前記注入口を形成する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の液体収容容器の製造方法。
  9. 前記第4収容室から前記弁に至る前記流路に屈曲部が設けられており、前記屈曲部から前記弁までの間の少なくとも一部の流路が前記弁に重なっており、
    前記屈曲部から前記弁までの間の前記流路のうち前記弁に重なっている部位に前記注入口を形成する、
    ことを特徴とする請求項6に記載の液体収容容器の製造方法。
  10. 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の製造方法で製造された、ことを特徴とする液体収容容器。
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