JP2013226093A - 練り菓子およびその製法 - Google Patents

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Abstract

【課題】非加熱で得られ、しかもべたつきや歯付きのない良好な食感で、長期間保存しても包材の貼り付き等のトラブルが生じない、優れた練り菓子およびその製法を提供する。
【解決手段】結晶性糖質からなる糖質成分と、油脂および乳化剤の混合・均質化物であるなじみ成分と、粘弾性付与成分とを主成分とする練り生地材料の非加熱混練物が、所定形状に成形されている練り菓子である。
【選択図】なし

Description

本発明は、食感がよく、しかも経日安定性に優れた練り菓子およびその製法に関するものである。
従来、加熱溶融した砂糖や水飴等からなる糖ベースに、香料や着色料、きなこ等の風味材料を練り合わせて、ハードキャンディやソフトキャンディとは異なる、比較的やわらかい口当たりの練り菓子としたものが、いわゆる駄菓子的な味わいがあるとして、幅広い人気を獲得している。
このような、比較的やわらかい口当たりの練り菓子としては、例えば、糖ベースにきな粉と植物性油脂を練り込んだもの(特許文献1を参照)や、糖ベースにきなこやライ麦、くるみ等の植物性食材と油脂とを混ぜ合わせたもの(特許文献2を参照)が知られている。
これらの練り菓子は、ソフトな食感と、糖ベースに配合されるきなこや他の食材の風味を楽しむことができる反面、ソフトな食感を維持させるために比較的高い割合で水分を含有保持させる必要がある。そのため、油脂の酸化促進等の問題から練り菓子の品質を守るために、賞味期限を短く設定せざるを得ないという問題がある。また、糖ベースを煮詰める工程において、水分にばらつきが生じ、品質が安定しないという問題もある。
一方、本出願人は、結晶性糖質と、非結晶性糖質と、所定のなじみ成分とを組み合わせることにより、糖質成分を加熱溶解して煮詰めることなく、すなわち非加熱によって練り菓子調の飴菓子を得る技術を開発し、すでに出願している(特許文献3を参照)。
特開2002−27913号公報 特開平11−221020号公報 特開2012−5366号公報
上記特許文献3の技術によれば、原料を高温で煮詰める作業がないため、品質が安定するとともに、熱に弱い原料を添加することができるという利点を有している。しかし、その一方で、成形性と粘りのある食感を得るために、水飴等の非結晶性糖質を比較的多く配合していることから、多少べたつき感があったり、口中で歯にくっつく(いわゆる「歯付き」)という問題や、長く保存すると包材が貼り付いてうまく剥がせなくなるという問題を生じるおそれがあり、その改善が望まれている。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、非加熱で得られ、しかもべたつきや歯付きのない良好な食感で、長期間保存しても包材の貼り付き等のトラブルが生じない、優れた練り菓子およびその製法の提供を、その目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、結晶性糖質からなる糖質成分と、油脂および乳化剤の混合・均質化物であるなじみ成分と、粘弾性付与成分とを主成分とする練り生地材料の非加熱混練物が、所定形状に成形されていることを特徴とする練り菓子を第1の要旨とする。
なお、上記「主成分とする」とは、全体が「主成分」のみからなる場合と、「主成分」と他の成分とを組み合わせて用いる場合の両方を含む趣旨である。
また、本発明は、そのなかでも、特に、上記なじみ成分における油脂と乳化剤との割合が、重量基準で油脂:乳化剤=200:1〜1:1に設定されている練り菓子を第2の要旨とする。
さらに、本発明は、それらのなかでも、特に、上記粘弾性付与成分が、ゲル化剤と増粘多糖類を組み合わせたものである練り菓子を第3の要旨とし、上記練り生地材料に、風味付与成分および機能性付与成分の少なくとも一方が含有されている練り菓子を第4の要旨とする。
そして、本発明は、上記第1の要旨である練り菓子の製法であって、油脂と乳化剤とを、両者の融点以上の温度に加熱した状態で混合・均質化することによりなじみ成分を得る工程と、上記なじみ成分に、結晶性糖質および粘弾性付与成分を添加混合して非加熱下で混練することにより、練り生地を得る工程とを備えた練り菓子の製法を第5の要旨とする。
また、本発明は、そのなかでも、特に、上記なじみ成分における油脂と乳化剤との割合が、重量基準で油脂:乳化剤=200:1〜1:1に設定されている練り菓子の製法を第6の要旨とする。
さらに、本発明は、それらのなかでも、特に、上記粘弾性付与成分として、ゲル化剤と増粘多糖類を組み合わせて用いるようにした練り菓子の製法を第7の要旨とし、上記練り生地を得る工程において、結晶性糖質および粘弾性付与成分を添加混合する際に、風味付与成分および機能性付与成分の少なくとも一方を同時に添加混合するようにした練り菓子の製法を第8の要旨とする。
すなわち、本発明の練り菓子は、油脂と乳化剤とを予め混合・均質化して得られるなじみ成分と、結晶性糖質と、粘弾性付与成分とを主成分とする練り生地材料が、非加熱下で混練され、成形されたものである。この練り菓子は、糖質成分として、従来から汎用されている粘稠な非結晶性糖質を用いず、粉末状の結晶性糖質のみを用い、これを非加熱下で混練しただけのものであるにもかかわらず、上記なじみ成分による乳化力と粘弾性付与成分の保水力の相互作用によって、全体が緻密に練り上げられて互いに粘着し、充分な成形性を備えた練り生地から成形されている。したがって、亀裂や変形がなく、良好な外観を有したものとなる。そして、適度の粘弾性を有し、べたつき感や歯付きがなく、歯の入りのよい、優れた食感を有する。また、練り生地が、非結晶性糖質を含有せず、しかも加熱によって煮詰められていないため、長期にわたる品質安定性(=経日安定性)に優れているという利点を有する。
しかも、上記練り菓子は、糖質に由来する水分が少ないにもかかわらず、その少量の水分が偏在することなく全体に均質に分散し、かつ均質化されたなじみ成分によってどの部分の水分も充分に乳化されているため、組織が安定しており、長期保存後に菓子表面に包材が貼り付いたり、固く劣化したりしにくい構造になっている。したがって、従来の練り菓子やソフトキャディに比べて非常に長期間、良好に保存することができ、賞味期間が長いという利点を有する。
また、本発明の練り菓子のなかでも、特に、上記なじみ成分における油脂と乳化剤との割合が、重量基準で油脂:乳化剤=200:1〜1:1に設定されているものは、より品質安定性、成形性に優れている。
さらに、本発明の練り菓子のなかでも、特に、上記粘弾性付与成分が、ゲル化剤と増粘多糖類を組み合わせたものである場合には、両者の粘弾性と保水性のバランスが良好で、とりわけ食感と経日安定性に優れている。
そして、上記本発明の練り菓子のなかでも、特に、練り生地材料に、風味付与成分および機能性付与成分の少なくとも一方が含有されているものは、それらの成分による効果が、加熱によって損なわれることがないため、上記風味付与成分に由来する風味を味わって楽しんだり、機能性付与成分に由来する付加的な効果を得ることができる。
また、本発明の練り菓子の製法によれば、所定の材料を非加熱で混練するだけで、食感に優れた、高品質の練り菓子を得ることができる。しかも、この練り菓子に用いる練り生地が、成形性、経日安定性に優れているため、取り扱いやすく、コスト面、作業面で非常に有利である。
つぎに、本発明を実施するための形態について説明する。
本発明の練り菓子は、結晶性糖質からなる糖質成分と、特定のなじみ成分と、粘弾性付与成分とを主成分とする練り生地材料の非加熱混練物が、所定形状に成形されている練り菓子である。
上記糖質成分に用いられる結晶性糖質は、糖質の過飽和水溶液から水分を蒸発させて結晶化することにより得られる、水分5重量%以下の固体であり、粉粒状のものが好適に用いられる。このような結晶性糖質としては、砂糖、粉末水飴、粉末還元水飴、ぶどう糖、果糖、乳糖、麦芽糖等の糖類や、ソルビトール、マルチトール、キシリトール等の糖アルコール等があげられ、これらは、単独で用いても2種以上を併用してもよい。なかでも、砂糖、粉末水飴、粉末還元水飴、ソルビトールが好適である。そして、これらは、粒状体のまま用いても、粉糖のように、さらに細かく粉砕した粉末(パウダー)を用いてもよい。なお、この結晶性糖質は、練り生地材料全体に対し、1〜95重量%(以下「%」と略す)含有させることが好適であり、さらに望ましくは50〜80%である。すなわち、結晶性糖質が多すぎると、ぼそぼそとしたつなぎのない組織となって成形品に亀裂や割れが生じる等の成形上の不具合が生じるおそれがあり、また、食感が悪くなるおそれもあり、好ましくない。逆に、結晶性糖質が少なすぎると、やはり食感が悪くなるとともに、品質安定性、経日安定性が低下するおそれがあり、好ましくない。
また、上記なじみ成分は、油脂と乳化剤を用いて得られるもので、上記油脂としては、バター、ラード、魚油、卵油等の動物性油脂、マーガリン、カカオバター、大豆油、菜種油、コーン油、パーム硬化油、パーム核油等の植物性油脂、カカオ代替油、中鎖トリグリセリド等の加工油脂があげられ、これらも、単独で用いても2種以上を併用してもよい。なかでもパーム硬化油、コーン油が、風味の点および貯蔵安定性の点で好適である。
また、上記乳化剤としては、蔗糖脂肪酸エステル、モノグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、レシチン等があげられ、これらも、単独で用いても2種以上を併用してもよい。なかでも蔗糖脂肪酸エステル、モノグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルを用いることが、風味の点および抗菌性の点で好適である。
本発明のなじみ成分は、上記油脂と乳化剤とを、予め互いに混合し均質化したものである。両者を混合し均質化するには、両者を充分に混練することが重要であるが、このとき、両者の融点以上の温度に加熱した状態で混合、均質化を行うことが望ましい。すなわち、両者の融点以上の加熱により、両者をともに液体状にして混合できるため短時間で均質化することができるからである。そして、充分に均質化されたなじみ成分が結晶性糖質および粘弾性付与成分に対して偏ることなく浸透して、その乳化力と保水力によって、練り生地に、優れた成形性、粘弾性を与えることができる。
なお、上記油脂と乳化剤の混合割合は、油脂を乳化剤より多めに用いることが好ましく、その割合は、乳化剤の乳化力にもよるが、重量基準で、油脂:乳化剤=200:1〜1:1に設定することが好適であり、より望ましくは20:1〜1:1、さらに望ましくは10:1〜6:4である。すなわち、上記油脂が多すぎると、得られる練り菓子を長期保存すると、油脂が分離して浮きでてくるおそれがあり、逆に、上記油脂が少なすぎると、練り菓子中に含有される水分を充分に乳化することができず、品質安定性、成形性が悪くなるおそれがある。そして、このなじみ成分の練り生地材料全体に対する割合は、3〜20%に設定することが好適であり、より望ましくは5〜15%である。すなわち、なじみ成分が多すぎると、成形品表面に油浮きが生じるおそれがあり、逆に、少なすぎると、成形品表面に水分の浮きが生じるおそれがあるからである。
そして、上記結晶性糖質、なじみ成分とともに用いられる粘弾性付与成分は、ゼラチン、ペクチン、プルラン、アラビアガム、グアガム、ローカストビーンガム等があげられ、これらは、単独で用いても2種以上を併用してもよい。なかでも、ゼラチン、ペクチン等のゲル化剤と、プルラン、アラビアガム等の増粘多糖類とを組み合わせて用いることが、結晶性糖質の結晶構造と相俟って、練り生地に優れた粘弾性を付与するため、好適である。そして、そのなかでも、特に、ゼラチンとプルランを組み合わせることが最適である。
そして、上記粘弾性付与成分として、ゼラチンとプルランを組み合わせて用いる場合、上記ゼラチン(固形分量)を、結晶性糖質100重量部に対して0.1〜10重量部、なかでも1〜5重量部に設定することが好適である。また、上記プルラン(固形分量)を、結晶性糖質100重量部に対して0.1〜8重量部、なかでも、1〜3重量部に設定することが好適である。そして、上記ゼラチンとプルランの総和量が、結晶性糖質100重量部に対して2〜15重量部、なかでも、3〜8重量部に設定することが、歯付きのない、優れた粘弾性と経日安定性を得る上で、好適である。
また、本発明の練り菓子には、これら主成分となる必須の材料以外に、練り菓子に所望の風味を加えることを目的として、各種の風味付与成分を含有させることができる。このような風味付与成分としては、天然食材に由来するものが好ましく、例えば、きなこ、小豆粉末、カカオ粉末、アーモンド粉末、いちご、バナナ、オレンジ等の果実粉末、ほうれん草、カボチャ等の野菜粉末、各種香料等があげられる。これらは、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
これら風味付与成分は、通常、練り菓子製造時の成形性や品質安定性を損なわないように、粉末化もしく微粉末化された状態で用いられるが、果汁や果実ペースト、洋酒等、液状のものをそのまま添加するようにしてもよい。ただし、粉末で用いる場合、その粉末の程度は、通常、20〜500メッシュパス程度に設定することが好適である。すなわち、上記範囲よりも微細すぎると練り生地製造時に取り扱いにくいものとなり、逆に上記範囲よりも大きいと成形性が損なわれるおそれがあるからである。
そして、上記風味付与成分の練り菓子における含有量は、練り生地材料全体に対し、0.01〜30%に設定することが好適である。すなわち、上記範囲よりも少ないと、充分な風味が得られないおそれがあり、逆に、上記範囲よりも多いと、やはり成形性が損なわれるおそれがあるからである。
さらに、本発明の練り菓子には、その機能性を高めるために、機能性付与成分として、いりこ粉末(カルシウム摂取訴求)や、小麦タンパク粉末(蛋白質摂取訴求)、食物繊維(便通改善)等を含有させることができる。同様に、各種ビタミン、アントシアニン、コラーゲン等を含有させることもできる。これらも、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
そして、この機能性付与成分も、粉末化もしく微粉末化された状態で用いる他、液状のものをそのまま添加するようにしてもよい。そして、粉末で用いる場合、その粉末の程度は、上記風味付与成分と同様の理由から、通常、20〜500メッシュパス程度に設定することが好適である。
なお、上記風味付与成分と機能性付与成分とを、ともに練り菓子に含有させるようにしてもよい。
また、色素等、上記風味付与成分、機能性付与成分以外の任意成分を、必要に応じて含有させることができる。
本発明の練り菓子は、これらの原料を用い、例えばつぎのようにして得ることができる。すなわち、まず、混合機を用いて油脂と乳化剤とを、両者の融点以上の温度に加熱した状態で混合・均質化することにより、なじみ成分を得る。そして、上記なじみ成分が得られた混合機内に、前記結晶性糖質と粘弾性付与成分とを添加混合する。このとき、混合・混練は非加熱下で行う。これによって練り生地を得た後、所定形状に成形することによって、目的とする練り菓子を得ることができる。
なお、練り菓子に、上記風味付与成分や他の任意成分を含有させる場合は、上記結晶性糖質を添加混合する際に、結晶性糖質とともに添加すればよい。
また、上記製法において、ゼラチン等の粘弾性付与成分を添加する場合、粘弾性付与成分は、水溶液の形で添加して混合することが好ましいが、その場合、上記結晶性糖質に含有される水分を考慮して、得られる練り菓子全体の水分量が5〜8%程度になるよう考慮することが好ましい。すなわち、練り菓子に含有される水分量が5%未満では、食感がぼそぼそするおそれがあり、好ましくない。また、水分量が8%を超えると、水分が充分が乳化されにくくなり、長期保存により包材の貼り付きや生地のべたつきが生じやすくなるおそれがあり、好ましくない。
このようにして得られる練り菓子は、非加熱下で混練されているだけであるにもかかわらず、上記なじみ成分の作用によって、全体が緻密に練り上げられて互いに粘着し、充分な成形性を備えた練り生地から成形されているため、亀裂や変形がなく、良好な外観を有したものとなる。また、練り生地が、加熱によって煮詰められていないため、品質安定性に優れているという利点を有する。
しかも、上記練り菓子は、ごく限られた水分が、偏在することなく全体に均質に分散し、かつ均質化されたなじみ成分によってどの部分の水分も充分に乳化されているため、組織が安定しており、とりわけ長期保存後も品質が安定した構造を維持するようになっている。したがって、従来の練り菓子やソフトキャディに比べて非常に長期間、良好に保存することができ、賞味期間が長いという利点を有する。
なお、上記製法において、なじみ成分と結晶性糖質と粘弾性付与成分との混合を「非加熱で行う」とは、積極的に加熱しないことをいい、混合工程において、互いの接触や攪拌治具等による摩擦熱で多少温度が昇温する場合があっても、それは、「非加熱」に含まれるものとする。
本発明の練り菓子は、どのような形状に成形してもよく、その形状に応じて、各種の成形機が用いられる。押出成形機を用いてロープ状に押し出し、これを所定間隔で裁断することにより粒状にしてもよいし、球断機によって直接球状に成形してもよい。
また、本発明の練り菓子は、中に餡や他の食材を包むことにより、2層以上の積層構造にしてもよい。
つぎに、本発明の実施例について、比較例と併せて説明する。ただし、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〜31、比較例1〜4〕
後記の表1〜表7に示す組成(各表の数値の単位は重量部)の練り生地材料を準備した。そして、まず、乳化剤と油脂を、混合機(森山製作所社製)にかけて、両者の融点以上の温度(80℃)に加熱しながら混合して均質化することにより、なじみ成分を得た。そして、結晶性糖質と粘弾性付与成分とを添加(他の材料を配合する場合はこのとき同時に添加)して非加熱下で混合し、5分間、全体を均一に練り合わせることによって、練り生地を得た。そして、これを押出機(ニッシンテクノ社製)にかけて直径約11mmのロープ状に押出成形し、40mm間隔で垂直方向に切断することにより、略円柱状の練り菓子を得た。
ただし、比較例1では、なじみ成分として乳化剤のみを用い、比較例2では、なじみ成分としてパーム油のみを用いた。さらに、比較例3では、なじみ成分を用いることなく10分間の非加熱混練を行い、比較例4では、粘弾性付与成分を用いることなく10分間の非加熱混練を行った。それ以外は、実施例1〜31と同様にして、練り菓子を得た。
なお、表1〜表7に示す組成における各成分の詳細は以下のとおりである。
〔なじみ成分〕
パーム油*1:融点52℃(HPNA、カネカ社製)
乳化剤*2:蔗糖脂肪酸エステル(DKエステルF−70、第一工業製薬社製)とグリ セリン脂肪酸エステル(ポエムB−100、理研ビタミン社製)の1:1混合物
〔粘弾性付与成分〕
<ゲル化剤>
ゼラチン*3:Gelatine280Bloom、ヴァイスハルト インターナショ ナル社製
ペクチン*4:GENU pectin type DD Slow Set−J、三 晶社製
<増粘多糖類>
プルラン*5:プルラン、林原社製
アラビアガム*6:インスタントガムBA、ネキシラ社製
グアガム*7:GRINSTED GUAR175、Danisco Zaandam 社製
〔風味付与成分〕
きなこ粉末*8:40メッシュパス
小豆粉末*9:粉末さらし餡、60メッシュパス
アーモンド粉末*10:40メッシュパス
〔機能性付与成分〕
いりこ粉末*11:40メッシュパス
小麦タンパク*12:小麦蛋白粉末、40メッシュパス
得られた練り菓子について、下記の項目について、下記のとおり評価した。その結果を、後記の表1〜表7に併せて示す。
〔成形性〕
専門パネラー10名によって、成形して得られた練り菓子の表面を目視により観察し、その成形性を、下記の点数により評価した。そして、その平均点が0〜1未満…×、1以上2未満…△、2以上2.5未満…○、2.5以上3以下…◎、の四段階で評価した。
0…成形不可。
1…成形できているが、一見して形状がよくない。
2…成形できているが、よく見ると割れ等があり、あまりよくない。
3…表面がきれいで成形がよくできている。
〔風味、食感〕
専門パネラー20名によって、練り菓子を喫食し、その風味および食感を、下記の点数により評価した。そして、その平均点が0〜1未満…×、1以上2未満…△、2以上2.5未満…○、2.5以上3以下…◎、の四段階で評価した。
0…おいしくない。
1…普通
2…普通よりおいしい。
3…非常においしい。
〔経日安定性〕
各例の練り菓子を10個ずつ包装紙に包み、温度45℃、湿度80%に設定された恒温槽(タバイエスペック社製、PR−1FT)内で4週間保管した後、包装紙から取り出したときの包装紙への貼り付きの有無、練り菓子表面への油浮きやべたつきの表面変化の有無を観察した。そして、下記のとおり、四段階で評価した。また、同様にして8週間保管後の評価を行った。
×…5個以上に、何らかの変化があった。
△…2〜4個に、何らかの変化があった。
○…1個に、何らかに変化があった。
◎…10個全てが、何も変化はなかった。
Figure 2013226093
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上記の結果から、実施例品は、いずれも各評価項目において優れていることがわかる。一方、比較例品は、いずれもいずれかの評価項目において問題があり、実施例品よりも劣っていることがわかる。
本発明は、風味、食感に優れ、しかも良好な経日安定性を備えた練り菓子の提供に利用することができる。

Claims (8)

  1. 結晶性糖質からなる糖質成分と、油脂および乳化剤の混合・均質化物であるなじみ成分と、粘弾性付与成分とを主成分とする練り生地材料の非加熱混練物が、所定形状に成形されていることを特徴とする練り菓子。
  2. 上記なじみ成分における油脂と乳化剤との割合が、重量基準で油脂:乳化剤=200:1〜1:1に設定されている請求項1記載の練り菓子。
  3. 上記粘弾性付与成分が、ゲル化剤と増粘多糖類を組み合わせたものである請求項1または2記載の練り菓子。
  4. 上記練り生地材料に、風味付与成分および機能性付与成分の少なくとも一方が含有されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の練り菓子。
  5. 請求項1記載の練り菓子の製法であって、油脂と乳化剤とを、両者の融点以上の温度に加熱した状態で混合・均質化することによりなじみ成分を得る工程と、上記なじみ成分に、結晶性糖質および粘弾性付与成分を添加混合して非加熱下で混練することにより、練り生地を得る工程とを備えたことを特徴とする練り菓子の製法。
  6. 上記なじみ成分における油脂と乳化剤との割合が、重量基準で油脂:乳化剤=200:1〜1:1に設定されている請求項5記載の練り菓子の製法。
  7. 上記粘弾性付与成分として、ゲル化剤と増粘多糖類を組み合わせて用いるようにした請求項5または6に記載の練り菓子の製法。
  8. 上記練り生地を得る工程において、結晶性糖質および粘弾性付与成分を添加混合する際に、風味付与成分および機能性付与成分の少なくとも一方を同時に添加混合するようにした請求項5〜7のいずれか一項に記載の練り菓子の製法。
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