JP4735657B2 - 果実含有ハードキャンディ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、果実を含有するハードキャンディ及びその製造方法に関するもので、更に詳しくは、乾燥果実を主体とし、油脂を含有する果実加工品部を有するハードキャンディ及びその製造方法に関するものである。
近年の健康志向により、果実その中でもとりわけ乾燥果実が注目を浴びている。ドライマンゴー、ドライブルーベリーをはじめとする乾燥果実には、食物繊維やミネラルが多く含まれている事から健康および美容に良く、多くの人とりわけ女性に人気である。また、天然由来の繊維感ある食感がおいしさを引き立たせている事も人気の一要因であろう。
従来、生の果実は瑞々しくておいしい。しかしながら、水分が非常に高いため腐りやすく、収穫後食するまでの期間が限られるという問題があった。果実の栄養素・素材感はそのままに、できるかぎり保存性を高めた形態として乾燥果実が生まれた。
しかしながら、この乾燥果実にも欠点がある。砂糖浸けされているため、食する際に手がべたつく事、乾燥に長時間を有するため特有の風味(乾燥臭)があり好き嫌いが分かれる事、天然由来であるため形が不揃いである事、生の果実と比べると保存性は向上したものの、水分が高いため長期間の流通・保存には限界がある事等が挙げられる。
一方保存性の高い水分の低い菓子としてハードキャンディが挙げられる。ハードキャンディは砂糖、水飴を溶解し、水分を5重量%以下まで濃縮する事で作られるため、保存性は高いものの、水分が低いため、例えばフルーツキャンディの場合、フルーツ本来のおいしさを作り出すことは極めて難しく、もっぱら味を作っているのはフルーツ香料、酸味料である。果実の自然のおいしさを出す方法としては、濃縮果汁をキャンディ生地作製時に大量に添加することが考えられるが、キャンディ生地作製時の熱による風味劣化を引き起こし、果実の自然の味とはならず、また果汁の粉末品をキャンディ生地に大量に練りこむ方法が考えられるが、粉末品をキャンディに練りこむ量には限界があること等、真に果実の風味が優れたハードキャンディは実現できていない。
上記のように乾燥果実およびハードキャンディの課題・欠点を解決すべく、果実をキャンディと組み合わせた提案が数多くなされている。例えば、トレハロースを含有した果実片が生地中に入ったソフトキャンディ(特許文献1)、梅干しの果肉ペーストを成型、乾燥した成型乾燥梅を飴で包んだ梅飴(特許文献2)、梅果肉と乾燥梅と粉飴とを混錬したペースト状混錬物飴により層状に包み込んだ梅果肉入りキャンディ(特許文献3)がある。しかしこれらは、キャンディ生地中で果肉が分散していたり、果実がキャンディ内部に埋まっていたりと、果実の味・食感のおいしさをより引き出している提案ではなく、あくまで果実はキャンディをおいしく食べさせるための手段にすぎず、脇役にとどまる。
キャンディとの組み合わせ以外でも、果実をおいしく食べさせる提案としては今までに数多くの組み合わせ提案がなされている。例えば、アイスクリームに梅を添加、混入した梅入りアイスクリーム(特許文献4)、梅果肉を羊羹に混入した梅実入り羊羹(特許文献5)、ドライフルーツの果肉と食酢とからなるペースト状食品(特許文献6)がある。しかし、これらは、食シチュエーションに制限があり、手軽にいつでもどこででも食べる事ができないという問題がある。
また、果実を成型加工したものとしては、例えば、果肉崩れのない球状に成型された果肉加工品(特許文献7)がある。しかし、球状果肉を作製する際、果肉をスプーン状のくり貫き機でくり貫く工程があるため、生産上のハードルをクリアできていない。また、果肉ペーストとデンプンの混合物の成型物を熱不可逆性ゲル状皮膜で包んだ果肉加工食品(特許文献8)がある。ゲル状皮膜材としてカードランを用いているが、カードランは水分がかなり多い条件下では弾力ある果肉食感にはなるものの、保存性・耐久性には優れず、また、水分値の低い系では弾力性ある食感とはならず硬い食感となり、果肉様食感とはならない。
このように、乾燥果実が主体で乾燥果実のおいしさをより引き出すべく別素材と組み合わせ、保存性をさらに向上させ、かつ乾燥果実のおいしさを最大限に引き出し、なおかつ見栄えがよく手軽にいつでもどこででも食することが可能なものが要望されている。
特開平11−18682号公報 特開2002−153214号公報 特公平1−29537号公報 特開昭63−263050号公報 特開昭57−159444号公報 特開2007−236360号公報 特開平8−116907号公報 特開2006−314225号公報
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、乾燥果実の持つべたつきを抑制し、その保存性を高め、よりおいしく食することが可能な果実含有のハードキャンディ及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題解決のために鋭意研究を行った結果、乾燥果実に添加する油脂量および水分量を規定することで、べたつきがなく、ハードキャンディと組み合わせても様々な形に成型可能であることを突き止め、また、乾燥果実とハードキャンディとを併用する場合に果実加工品部とハードキャンディ部の表面積比率を規定することで、乾燥果実本来のおいしい味・食感を有する果実含有ハードキャンディが得られるという事実を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、
〔1〕乾燥果実を40重量%以上含有し且つ油脂量が1〜15重量%、水分量が7〜15重量%である果実加工品部と水分値が5重量%以下であるハードキャンディ部からなり、前記果実加工品部がミンチ状の乾燥果実と油脂とが混練されてなり、前記果実加工品部表面積と前記ハードキャンディ部表面積の比が1:20〜5:1であることを特徴とする果実含有ハードキャンディ
〕 乾燥果実をミンチ状に加工し、油脂を混練して果実加工品を調製する工程、
果実加工品を押し出して線状にしハードキャンディと組み合わせる工程、又は果実加工品とハードキャンディを同時に線状にする工程
を有することを特徴とする前記〔1〕に記載の果実含有ハードキャンディの製造方法
に関する。
本発明の果実含有ハードキャンディは、キャンディ表面に果実加工品部が広く露出しているため、また、果実加工品部の水分量がハードキャンディよりも高いため、喫食した際にまず果実加工品部から果実本来の濃厚な味を味わう事が可能となり、また口中で次第にハードキャンディと味のハーモニーを生み、乾燥果実をよりおいしく喫食することが可能となる。
本発明の果実含有ハードキャンディは、乾燥果実を40重量%以上含有し且つ油脂量として1〜15重量%、果実加工品部の水分量として7〜15重量%である果実加工品部と、水分値が5重量%以下であるハードキャンディ部からなり、該果実加工品部表面積と該ハードキャンディ部表面積の比が1:20〜5:1であることを特徴としている。
単に乾燥果実とハードキャンディを組み合わせた場合には、耐久性・保存性の問題、生産上の問題があるのに対し、本発明では、上記のように乾燥果実を含む果実加工品部中の油脂量と、水分量を特定の範囲に調整することで、乾燥果実特有のべたつきを抑制して保存性が高くなり、さらに前記果実加工品部と前記ハードキャンディ部との表面積の比率を特定の範囲に調整することで、乾燥果実由来の風味とハードキャンディ由来の風味とが良好にハーモライズした従来にない新規な風味を奏するようになり、よりおいしく食することができる。
本発明に使用する果実加工品部は、乾燥果実、油脂及び水を含む。
本発明に使用する乾燥果実の果実加工品部における含有量は、40重量%以上であり、40〜50重量%がより好ましい。
前記乾燥果実としては、マンゴー、りんご、干し柿、プラム、いちじく、レーズン、ブルーベリー、クランベリー、バナナ、サンザシ、アプリコット、洋なし、パイナップル、イチゴ、キウイ等が利用できるが、これらに限定されるものではない。その他、フリーズドライ果実およびその粉末品も原料として使用することが可能である。
また、前記乾燥果実としては、生の果実の形を保ったものをそのまま果実加工品部に使用してもよいが、前記油脂の添加効果が顕著になり、加工し易くなるという観点から、乾燥果実を所望のミキサー等によって適当な大きさに粉砕処理したものを用いることが好ましい。
果実加工品部の油脂含量は、果実加工品部中に1〜15重量%、好ましくは3〜8重量%、より好ましくは4〜6重量%である。油脂含量が1重量%より少ないと果実加工品部のべたつきが激しく成型工程等作業性に問題をきたし、15重量%よりも多いと果実加工品部表面に油が浮き出てきて、油っぽい味となり好ましくない。なお、前記油脂含量とは、果実含有ハードキャンディの果実加工品部における含有量をいう。
本発明において使用する油脂としては、固体脂含量(Solid fat content;以下SFCと略す)が30℃以下で70%以上であり、かつ50℃以上で40%以下のものが好ましい。前記SFCとしては、10〜30℃の温度範囲で70%以上となっていればよく、かつ50℃以上で40%以下となっていればよい。
前記油脂について、SFCが10〜30℃で70%未満であると成型時にキャンディから油脂が染み出し易くなり、またSFCが50℃以上で40%を超えると果実加工品部が伸展しにくくなり、加工性が悪化してキャンディの作製がしにくくなる。
前記SFCを有する油脂としては、天然の動植物油脂の他、それらにエステル交換、水素添加、分別等を施した加工油脂が挙げられるが、果実の風味を損なわないという観点から無味無臭の油脂が好ましい。
なお、SFCの測定方法は、IUPAC2.150(Solid Content Determination in Fats by NMR)に準じて行うことができる。
また、果実加工品部の水分含量(乾燥果実中の水分も含む)としては7〜15重量%、好ましくは9〜13重量%、より好ましくは11〜12重量%である。水分が7重量%より低いと味・食感において乾燥果実のおいしさを損なってしまい、また15重量%よりも多いと、ハードキャンディとの界面で水分移行が起こり、保存性・耐久性に問題をきたしてしまう。なお、前記水分含量とは、果実含有ハードキャンディの果実加工品部中における含有量をいう。
前記果実加工品部と組み合わせるハードキャンディ部は、水分値が5重量%以下のハードキャンディであれば特に限定はなく、砂糖ベースのキャンディのほか、マルチトール、パラチノース等の糖アルコールベースのノンシュガーキャンディでもよい。味としても限定はなくミルクキャンディのほか、黒飴、はちみつキャンディ、フルーツキャンディ、ミントキャンディ等様々な味が可能であり、果実加工品部のおいしさを引き出すような味が付与されたハードキャンディであればよい。
さらに、本発明の果実含有ハードキャンディでは、前記果実加工品部と前記ハードキャンディ部の表面積比率が1:20〜5:1、好ましくは1:5〜3:1、より好ましくは1:2〜2:1である。1:20よりも果実加工品部の表面積が少ないと、ハードキャンディ主体の味となってしまい、果実本来の風味・食感の面で不十分となり、5:1よりも果実加工品部の表面積が多いと、果実本来の濃厚な味を出す事はできるが、ハードキャンディとの味の調和が生まれず、果実加工品をよりおいしくたべさせる形態として好ましくない。
なお、前記表面積比率は、常法により、測定することができる。
以上のような構成を有する本発明の果実含有ハードキャンディの製造方法は、
乾燥果実をミンチ状に加工し、油脂を混合して果実加工品を調製する工程、
果実加工品を押し出して線状にしハードキャンディと組み合わせる工程、又は果実加工品とハードキャンディを同時に線状にする工程
を有することを特徴とする。
本発明の製造方法では、まず、乾燥果実をミンチ状に加工し、油脂および必要であれば酸や香料、着色料等を均一に混合、必要であれば混練して果実加工品を調製する。前記乾燥果実のミンチ状の大きさは、乾燥果実の種類、果実加工品の組成等に基づいて決定すればよい。前記混合(混練)条件は、油脂の種類により一概に限定できないが、少なくとも油脂の一部が溶解するような温度条件で行うことで、混練物の粘度が下がり、油脂が均一に果実にいきわたるという利点があるため、好ましい。
前記ミンチ加工工程において、使用するグラインダー、ミンサー等のグラインダープレート径は3mm〜6mmが好ましい。3mmよりも細かくミンチしすぎると果実の持つ繊維感を損なってしまい、また6mmよりも荒すぎると、その後の油脂および酸、香料、着色料との混合が均一に行われず好ましくない。
また、果実加工品にSFCが30℃以下で70%以上であり、50℃以上で40%以下の油脂を用いていることで、比較的高温での処理が必要なハードキャンディと果実加工品の張り合わせ工程もしくは同時に線状にする工程において、果実加工品の油分の一部が液体状態となることから果実加工品はハードキャンディと同様の伸展性ある物性となり、作業性が極めてよい。
SFCが30℃以下で70%以下の油脂を使用した場合、後述のスタンピング成型時に油脂が急速に固化しないためデモールドしにくく、また果実加工品から油が浮き出してしまうため好ましくなく、また後述のようにフラワーカッター等でカット成型する場合もスタンピング成型時と同様の問題が生ずる。またSFCが50℃以上で40%以上の油脂では、果実加工品が伸展性に乏しい物性となり、生産上の問題があるため好ましくない。
続く工程では、果実加工品をスクリュー型押し出し機等で押出して線状にし、ハードキャンディと組み合わせスタンピング成型する、あるいはハードキャンディで包むように果実加工品を投入し、バッチローラー等で果実加工品とハードキャンディを同時に線状にした後、フラワーカッターにてカット成型する。
前記成型条件(例えば、線状の果実加工品の形状、大きさ、ハードキャンディによる果実加工品の被覆率等)を調整することで、果実加工品部とハードキャンディ部との表面積の比率を調整することができる。なお、前記線状には、ロープ状、糸状、棒状等が含まれる。
また、前記スタンピング成型条件としては、油脂の種類、果実加工品及びハードキャンディの組成により一概に限定できないが、例えば、60〜80℃であることが好ましい。
スタンピング成型した後は、油脂が急速に固化するためスタンピング機材から容易にデモールドすることが可能となる。
また、ハードキャンディで包むように果実加工品を投入する場合のハードキャンディの温度は、65〜75℃が好ましい。
また、線状にした前記果実加工品やハードキャンディはフラワーカッター等でさらに所望の大きさにカット成形する。本発明では、フラワーカッター等でカットする場合、カッティング後のアベックの問題が出ず容易に成形できる。
以上のようにして得られる本発明の果実含有ハードキャンディは、そのまま食した場合に、乾燥果実の持つべたつきが抑制され、果実本来の風味・食感がある上に、果実とキャンディとの味のハーモニーから新規な風味を楽しむことができる。また、本発明の果実含有ハードキャンディは、保存性が良好であるため、例えば、焼き菓子類、チョコレート、ガム等の菓子類とも好適に組み合わせることが可能である。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
水分値15重量%のドライマンゴー200部をグラインドプレート径が4mmのミンチ機にて粉砕し、水分値が13重量%になるまで40℃の温風庫にて乾燥した。砂糖40部、粉飴20部、還元水飴10部、植物油脂として「メラノNEWSS−7」(不二製油社製)15部を加えて40℃で混合・混錬しながら、酸味料5部、香料1部、着色料0.4部を加えてさらに混合・混錬し、ドライマンゴー加工品を得た。
別に、砂糖500部、水飴425部、乳成分100部を水に混合溶解し、真空釜にて濃縮し、ミルク香料を少量加えて水分値4重量%のミルクキャンディを得た。上記ドライマンゴー加工品をロープ状に成形した後、ドライマンゴー加工品とミルクキャンディとを表面積比率で1:1となるように70℃でスタンピング成型し、単重5gの果実含有ハードキャンディを作製した。
このようにして得られた果実含有ハードキャンディは、口中でマンゴー本来の風味・食感を十分に感じることが出来、かつ次第にミルクキャンディと味のハーモニーを生み出し、まるで、マンゴーに生クリームがかかった生菓子のようなおいしさを引き出すことができた。
(実施例2)
水分値15重量%のドライブルーベリー200部をグラインドプレート径が4mmのミンサーにて粉砕し、水分値が13重量%になるまで40℃の温風庫にて乾燥した。砂糖45部、粉飴25部、還元水飴10部、植物油脂として「メラノNEWSS−7」15部を加えて40℃で混合・混錬しながら、酸味料5部を加えてさらに混合・混錬し、ドライブルーベリー加工品を得た。
別に、砂糖600部、水飴525部、濃縮レモン果汁15部を水に混合溶解し、真空釜にて濃縮し、酸味料、レモン香料を少量加えて水分値3重量%のレモンキャンディを得た。上記ドライブルーベリー加工品をロープ状に成形した後、ブルーベリー加工品とレモンキャンディとを表面積比率で1:1となるように70℃でスタンピング成型し、単重5gの果実含有ハードキャンディを作製した。
このようにして得られた果実含有ハードキャンディは、口中でブルーベリー本来の風味・食感を十分に感じることが出来、濃厚なブルーベリーの風味とレモンキャンディのさわやかな香りが混じり合って、新しいおいしさを引き出すことができた。
(実施例3)
水分値15重量%のドライアップル200部をグラインドプレート径が4mmのミンサーにて粉砕し、水分値が13重量%になるまで40℃の温風庫にて乾燥した。砂糖45部、粉飴25部、還元水飴10部、植物油脂として「メルバ45」(不二製油社製)15部を加えて40℃で混合・混錬しながら、酸味料3部を加えてさらに混合・混錬し、ドライアップル加工品を得た。
別に、砂糖600部、水飴525部、はちみつ40部を水に混合溶解し、真空釜にて濃縮し、酸味料、はちみつ香料を少量加えて水分値3重量%のはちみつキャンディを得た。上記ドライアップル加工品とはちみつキャンディをバッチローラーで同時に線状にした後、表面積比率で1:1となるようにフラワーカッターでカット成型し、単重5gの果実含有ハードキャンディを作製した。
このようにして得られた果実含有ハードキャンディは、口中でドライアップル本来の風味・食感を十分に感じることが出来、かつ次第にはちみつキャンディと味のハーモニーを生み出し、まるでりんごにはちみつクリームがかかったような洋菓子的なおいしさを引き出すことができた。
(実施例4)
水分値17重量%のドライパイナップル200部をグラインドプレート径が4mmのミンサーにて粉砕し、水分値が13重量%になるまで40℃の温風庫にて乾燥した。砂糖45部、粉飴25部、還元水飴10部、植物油脂として「硬化菜種油35」(不二製油社製)15部を加えて40℃で混合・混錬しながら、酸味料6部を加えてさらに混合・混錬し、ドライパイナップル加工品を得た。
別に、黒砂糖300部、砂糖300部、水飴525部を水に混合溶解し、真空釜にて濃縮し、黒糖香料を少量加えて水分値3重量%の黒糖キャンディを得た。上記ドライパイナップル加工品と黒糖キャンディをバッチローラーで同時に線状にした後、表面積比率で1:1となるようにフラワーカッターでカット成型し、単重5gの果実含有ハードキャンディを作製した。
このようにして得られた果実含有ハードキャンディは、口中でドライパイナップル本来の風味・食感を十分に感じることが出来、かつ次第に黒糖キャンディと味のハーモニーを生み出し、まるでパイナップルに黒蜜がかかったような新しいおいしさを引き出すことができた。
(実施例5、6)
実施例1において、果実加工品の油脂含量を表1となるように変更し、それ以外は実施例1と同様にして単重5.0gのキャンディを作製した。実施例5の配合で作製した場合、実施例1と比べると果実加工品の食感が幾分硬くなったものの、良好な風味を有し、生産上問題なく作ることができた。また、実施例6の配合で作成した場合、実施例1と比べると果実加工品の食感がやや柔らかくなったものの、良好な風味を有し、生産上問題なく作ることができた。
(実施例7、8)
実施例1において、果実加工品の砂糖・粉飴・還元水飴量を調整することで、水分含量を表1となるように変更し、それ以外は実施例1と同様にして単重5.0gのキャンディを作製した。実施例7の配合で作製した場合、実施例1と比べると水分含量が低いものの、良好な風味・食感を有し、また生産上問題なく作ることができた。また実施例8の配合で作製した場合、実施例1と比べると水分含量が高いため良好な風味を有し、食感が幾分柔らかいものの、生産上問題なく作ることができた。
(実施例9、10、11、12)
実施例1において、果実加工品とキャンディの表面積比率を表1となるように変更し、それ以外は実施例1と同様にして単重5.0gのキャンディを作製した。実施例9、10の比率で成型した場合、実施例1と比べ果実の風味が幾分強いものの、キャンディとの味のハーモニーを生み出し、生産上問題なく作ることができた。また、実施例11、12の比率で作製した場合、実施例1と比べキャンディの風味が幾分強いものの果実加工品との味のハーモニーを生み出し、生産上問題なく作ることができた。
(比較例1)
ドライマンゴー加工品とミルクキャンディの表面積比率を表2に示すように変更した以外は実施例1と同様にして単重5gのキャンディを作製した。得られたキャンディはマンゴーの風味が弱く、ミルクキャンディの風味を少し引き立てる程度の味わいしか感じられなかった。
(比較例2)
ドライマンゴー加工品部とミルクキャンディ部の表面積比率を表2に示すように変更した以外は実施例1と同様にして単重5gのキャンディを作製した。得られたキャンディは、ドライマンゴーの濃厚な味は感じられるものの、ハードキャンディとの味のハーモニーが生まれず、ドライマンゴーをよりおいしく食べさせるという面では、実施例1で得られた果実含有ハードキャンディと比べ劣っていた。
(比較例3、4)
果実加工品の油脂含量を表2に示すように変更し、それ以外は実施例1と同様にして単重5.0gのキャンディを作製した。比較例3の配合で作製した場合、良好な風味を有するものの、油脂含量が少ないため、伸展性に乏しく生産上問題をきたした。
また、比較例4の配合で作製した場合、良好な食感を有するものの、油脂含量が多いため、油っぽい風味となり、また成型時果実加工品から油の染み出しを起こし、スタンピング機材に油が大量に付着し、生産上問題をきたす結果となった。
(比較例5、6)
果実加工品の砂糖・粉飴・還元水飴量を調整することで、水分含量を表2となるように変更し、それ以外は実施例1と同様にして単重5.0gのキャンディを作製した。比較例5の配合で作製した場合、水分が少ないため、果実加工品の風味が弱く、また硬い食感となってしまった。また、比較例6の配合で作製した場合、良好な風味・食感を有したものの、水分が高すぎるためスタンピング機材に付着してしまい、生産上問題をきたした。
(比較例7)
実施例1において、植物油脂を液体油脂である「パームエース10」(不二製油製)に変更し、それ以外は実施例1と同様にして単重5gのキャンディを作製した。得られたキャンディは、スタンピング成型時、圧力で油が染み出し、味としても油っぽかった。
(比較例8)
実施例1において、植物油脂を「メラノSS−400」(不二製油製)に変更し、それ以外は実施例1と同様にして単重5gのキャンディを作製した。しかし、マンゴー加工品部とミルクキャンディを張り合わせて引き伸ばす工程において、マンゴー加工品部が伸びにくく、作業工程に問題をきたした。
実施例1〜12及び比較例1〜8で得られた果実含有ハードキャンディの組成と評価(風味、食感、生産性)を表1、2に示す。表2の結果より、実施例1〜12で得られた果実含有ハードキャンディはいずれも風味、食感及び生産性に優れたものであることがわかる。なお、使用した油脂のSFCを表3に示す。
表1、2における評価基準は以下のとおり。
風味
「◎」果実加工品の風味が良好で、かつキャンディと非常によく調和している。
「○」果実加工品の風味が良好で、かつキャンディとよく調和している。
「×」果実加工品の風味が弱いもしくは油っぽいなどキャンディとの味の調和が見られない。
食感
「◎」素材感(繊維感)を非常に感じやすい食感となっている。
「○」素材感(繊維感)を感じやすい食感となっている。
「×」硬すぎるため、素材のおいしさを引き出せていない食感である。
生産性
「◎」べたつきがない・油染みがない・伸展性に優れている等、極めて作業性がよい。
「○」べたつきがない・油染みがない・伸展性に優れている等、作業性がよい。
「×」べたつきが激しい、油染みが強い、伸展性に乏しい等の理由により、作業性が悪い。
(試験例)
実施例1〜12及び比較例1〜8で得られた果実含有ハードキャンディを37℃・湿度80%で1.5ヶ月間保存した後、食べてみて、風味、食感の耐久・保存性について評価した。これらの評価結果を表1、2に示す。
実施例1〜12で得られた果実含有ハードキャンディは、いずれもキャンディの風味、特に果実加工品部の風味及び食感に大きな変化はなかった。しかし、比較例4のように油脂含量が多すぎるものは時間とともに油が染み出し、また比較例6のように水分含量が多すぎるものはハードキャンディとの界面で水分移行を起こし、比較例7では油の染み出しを起こし、いずれも風味及び食感が劣化しており、保存性に乏しいものであった。
したがって、実施例1〜12で得られた果実高含有ハードキャンディはいずれも耐久・保存性に優れたものであることがわかる。
なお、表1、2中、「○」は耐久・保存性あり、「×」は耐久・保存性なしとする。
Figure 0004735657
Figure 0004735657
Figure 0004735657

Claims (2)

  1. 乾燥果実を40重量%以上含有し且つ油脂量が1〜15重量%、水分量が7〜15重量%である果実加工品部と水分値が5重量%以下であるハードキャンディ部からなり、前記果実加工品部がミンチ状の乾燥果実と油脂とが混練されてなり、前記果実加工品部表面積と前記ハードキャンディ部表面積の比が1:20〜5:1であることを特徴とする果実含有ハードキャンディ
  2. 乾燥果実をミンチ状に加工し、油脂を混練して果実加工品を調製する工程、
    果実加工品を押し出して線状にしハードキャンディと組み合わせる工程、又は果実加工品とハードキャンディを同時に線状にする工程
    を有することを特徴とする請求項1に記載の果実含有ハードキャンディの製造方法。
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