JP2012249543A - 果実及び/又は野菜含有ハードキャンディの製造方法 - Google Patents

果実及び/又は野菜含有ハードキャンディの製造方法 Download PDF

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泰正 山田
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Abstract

【課題】果実及び/又は野菜特有の風味とハードキャンディの風味を同時に味わえるハードキャンディを、高い品質を維持しつつ大量に生産可能なハードキャンディの製造方法を提供すること。
【解決手段】水分量が5重量%未満であるハードキャンディ生地1を製造するキャンディ生地製造工程、乾燥果実及び/又は乾燥野菜を40重量%以上、油脂量を1〜15重量%、水分量を5〜15重量%、ゲル化剤量を0.1〜10重量%含有する加工生地7を二軸エクストルーダー4にて混練・均一化しつつ、二軸エクストルーダー突出口8から、ハードキャンディ生地内に定量的に押出す加工生地内包工程、この状態でロープ状の成形物9にする成形工程、保温されたロープ状の成形物を、回転刃10により、小片11に切断して、移送コンベア上12に落とす切断工程を経て果実及び/又は野菜含有ハードキャンディを製造する。
【選択図】図1

Description

本発明は、果実及び/又は野菜含有ハードキャンディの製造方法に関するものである。
近年の健康志向により、乾燥果実及び/又は乾燥野菜が主体で、両者のおいしさをより引き出すべく別素材と組み合わせ、保存性をさらに向上させ、かつ両者のおいしさを最大限に引き出し、なおかつ見栄えよく手軽にいつでもどこででも食することが可能なものが求められている。このことに鑑み、発明者らは、乾燥果実及び/又は乾燥野菜を含有する新規なハードキャンディを発明してきた(特許文献1〜6)。このハードキャンディは果実及び/又は野菜特有の風味とハードキャンディの風味を同時に味わえる画期的なものである。
特開2009−247329号公報 特開2010−075103号公報 特開2010−148432号公報 特開2010−193818号公報 特開2010−273594号公報 特開2010−273600号公報
前述のような製品を大量に作るには、大きく分けて、下記の3つの方法が考えられる。
[1]ロープ状に成型した果実及び/又は野菜加工生地を、同じくロープ状にしたハードキャンディ表面に貼り付け、これを切断・成型する方法
[2]果実及び/又は野菜加工生地を内包した棒状のハードキャンディを製作し、これを輪状に切断する方法
[3]果実及び/又は野菜加工生地を事前に成型しておき、これを成型後のキャンディに貼り付ける方法
である。しかしながら、上記の方法にはいずれも重大な問題点が挙げられる。
例えば、[1]の方法に関する問題として次の点が挙げられる。ハードキャンディを切断・成型する際には、ハードキャンディ自身を加熱し、成型可能な軟らかさに変えてやる必要がある。そのため、この方法だと、ハードキャンディの持つ熱により、これと組み合わせる果実及び/又は野菜加工生地へも熱が移る。この熱の影響で、キャンディ表面に貼り付けられた加工生地にべたつきが発生し、加工生地が製造機器へ付着して、製造トラブルの原因となる。
[2]の方法の場合、果実及び/又は野菜加工生地はハードキャンディ内に内包されているので、熱の影響を受けても、製造機器と直接触れ合う機会は少なく、[1]のようなトラブルは一見起こらないように思われる。しかし、この方法での大量生産を考えると、キャンディの端から一粒ずつ切断する、もしくは、幾枚かの並列した回転刃により一気にハードキャンディを切断することになる。前者の場合は、製造速度が遅くなる為、時間当たりの生産量が低くなり、コストパフォーマンスが非常に悪くなる。後者の場合、前者の問題点は解決されるが、切断されたキャンディ同士が、すぐ隣に存在する為、排出中、もしくは排出後に接触し、果実及び/又は野菜加工生地がキャンディ表面を汚してしまう、あるいは果実及び/又は野菜加工生地を介してキャンディ同士が結着してしまう可能性が非常に高く、製品の品質を一定に保つことができない。
また、果実及び/又は野菜加工生地を、連続的にハードキャンディ内に内包するには、押出機等で、定量的に加工生地を押出す必要がある。このためには、完成された加工生地、もしくは加工生地原料を押出機に定量的に供給しなければならない。しかしながら、加工生地も、その原料も両者ともに乾燥果実及び/又は乾燥野菜が入っているため、これらが押出機の原料投入口に絡みつき、一定時間を通して定量供給することは非常に難しい。
[3]の方法の場合は、成型後のハードキャンディに、成型済みの果実及び/又は野菜加工生地を貼り付けることになるが、成型直後では、ハードキャンディの熱により成型した果実及び/又は野菜加工生地に型崩れやべたつきが起こり、製品の品質を一定に保つことができない。また、冷却後のハードキャンディに貼り付けた際には、両者の接着力が弱く、食べた際に口の中で両者が分離してしまい、異なる物性の食品が同時に味わえるというこのキャンディの本来の目的にそぐわない。
したがって、本発明の目的は、果実及び/又は野菜特有の風味とハードキャンディの風味を同時に味わえるハードキャンディを、高い品質を維持しつつ大量に生産可能なハードキャンディの製造方法を提供することである。
即ち、本発明は、乾燥果実及び/又は乾燥野菜を含有するハードキャンディの製造方法であって、以下の工程(1)〜(4):
(1)水分量が5重量%未満であるハードキャンディ生地を製造するキャンディ生地製造工程、
(2)乾燥果実及び/又は乾燥野菜を40重量%以上、油脂量を1〜15重量%、水分量を5〜15重量%、ゲル化剤量を0.1〜10重量%含有する加工生地の製造に際し、乾燥果実及び/又は乾燥野菜を主原料とする加工生地が、その主原料の最大径より大きな溝幅のスクリューを投入口に持った二軸エクストルーダーにて混練・均一化しつつ、該加工生地を前記二軸エクストルーダー突出口から、前記工程(1)で得られるハードキャンディ生地内に定量的に押出す加工生地内包工程、
(3)前記工程(2)で得られる加工生地を内包したハードキャンディ生地を、この状態のままロープ状の成形物にする成形工程、
(4)65℃以上85℃以下に保温されたロープ状の成形物を、回転刃により、前記加工生地と前記ハードキャンディ生地との表面積比が1:20〜5:1である小片に切断して、移送コンベア上に落とす切断工程
を有することを特徴とする果実及び/又は野菜含有ハードキャンディの製造方法である。
本発明においては、乾燥果実及び/又は乾燥野菜を主原料とする加工生地をハードキャンディ生地中に定量的に押出し、両生地を任意の比率にて組み合わせて成形することができるとともに、規定の温度に保った成形生地を、連続的に、先端から途切れることなく目的の大きさのキャンディ小片に切断することができるため、加工生地とハードキャンディ生地の配合量のばらつきによる品質の不安定化を抑制し、なおかつ、切断時の先端カットロスを減らし、更には、時間当たりの製造量をも向上することができる。
また、本発明において、前記成形工程、切断工程においては、乾燥果実及び/又は乾燥野菜を含有する加工生地が直接ハードキャンディ生地に内包され、そのまま加工生地を内包したハードキャンディ生地を切断することが可能なので、前記加工生地が製造機器に直接触れる機会がなく、前記加工生地の製造機器への付着による製造トラブルや、食した際にハードキャンディ生地と加工生地との剥離現象も防ぐことが可能である。
更には、切断工程においては、ロープ状成形物の下流先端部より、移送コンベア上に順次切断されていくため、切られた小片同士が重なりあう可能性が減り、小片同士の再付着による品質ロスもなくなる。また、ロープ状成形物の切断温度域を定めることで、切断速度を高め、時間当りの生産量を向上することにも成功し、コストパフォーマンスの問題も解消することができる。
図1は、本発明のハードキャンディを製造する工程の概略説明図である。
次に、本発明の実施形態を詳細に説明する。
本発明の乾燥果実及び/又は乾燥野菜を含有するハードキャンディの製造方法は、以下の工程(1)〜(4):
(1)ハードキャンディ生地を製造するキャンディ生地製造工程、
(2)乾燥果実及び/又は乾燥野菜を主原料とする加工生地を二軸エクストルーダーにて混練・均一化しつつ、該加工生地をハードキャンディ生地内に押出す加工生地内包工程、
(3)前記工程(2)で得られる加工生地を内包したハードキャンディ生地をロープ状に成形する成形工程、
(4)ロープ状の成形物を回転刃により前記加工生地と前記ハードキャンディ生地との表面積比が1:20〜5:1である小片に切断し、移送コンベア上に落とす切断工程
を備える。
(1)キャンディ生地製造工程
キャンディ生地製造工程では、水分量が5重量%未満であるハードキャンディ生地を製造する。このハードキャンディ生地は、最終製品であるハードキャンディの外側を覆う生地である。図1に示すようにハードキャンディ生地1は後述の(3)工程においてバッチローラー2に投入される。
前記ハードキャンディ生地の製造は、一般的なハードキャンディ生地の製造と同様にすればよい。具体的には、砂糖、水飴、もしくは、糖アルコールのベース材料に、必要であれば塩類、香辛料、果汁、動植物抽出物及びその加工物、増粘多糖類加工物などを混合したものを溶解した後、濃縮し、更に酸味料や香料などを適宜添加・混合し、所望の形状に成型したものを冷却することによって得られる。
前記ハードキャンディ生地の水分量は5重量%以下に調整すればよい。水分量とは、減圧乾燥法で測定した場合の値をいう。水分値の調整は、前記の方法に準じて行えば、通常は5重量%以下になるので、特に行う必要はない。
本発明において使用するハードキャンディ生地としては、砂糖ベースのハードキャンディ生地のほか、マルチトール、還元パラチノース等の糖アルコールベースのノンシュガーハードキャンディ生地でもよい。
また、ハードキャンディ生地の味にも限定はなく、ミルクや、黒飴、はちみつ、フルーツ、ミント等様々な味が可能であり、加工生地が有する果実又は野菜のおいしさを引き出すような味が付与されたハードキャンディ生地であればよい。
(2)加工生地内包工程
加工生地内包工程では、乾燥果実及び/又は乾燥野菜を40重量%以上、油脂量を1〜15重量%、水分量を5〜15重量%、ゲル化剤量を0.1〜10重量%含有する加工生地の製造工程であって、乾燥果実及び/又は乾燥野菜を主原料とする加工生地を、その主原料の最大径より大きな溝幅のスクリューを投入口に持った二軸エクストルーダーにて混練・均一化した加工生地を製造しつつ、この加工生地を前記工程(1)で得られるハードキャンディ生地内に定量的に押出すことで、前記加工生地を内包したハードキャンディ生地を作製する。
本発明に使用する乾燥果実及び/又は乾燥野菜の加工生地における含有量は、40重量%以上であり、40〜50重量%がより好ましい。乾燥果実及び/又は乾燥野菜の比率を大きく設定すれば、乾燥果実及び/又は乾燥野菜が有する独特の食感と風味とを強くすることができるが、前記含有量としては所望に応じて適宜設定すればよい。
前記乾燥果実に使用する果実の種類としては、マンゴー、りんご、干し柿、プラム、いちじく、レーズン、ブルーベリー、クランベリー、バナナ、サンザシ、アプリコット、洋なし、パイナップル、イチゴ、キウイ等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。その他、フリーズドライ果実およびその粉末品も原料として使用することが可能である。
前記乾燥野菜に使用する野菜の種類としては、乾燥野菜とすることが可能な野菜であればよく、ホウレン草やキャベツに代表される葉菜類、トマトやカボチャに代表される果菜類、ニンジンやタマネギに代表される根菜類、インゲンやエダマメに代表される豆類等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。その他、フリーズドライ乾燥野菜およびその粉末品も原料として使用することが可能である。
前記加工生地における油脂量は、加工生地中に1〜15重量%、好ましくは3〜8重量%、より好ましくは4〜6重量%である。油脂量が1重量%より少ないと加工生地がべたつき、成形生地製造工程等での作業性に問題をきたし、15重量%よりも多いと加工生地表面に油が浮き出てきて、油っぽい味となり好ましくない。
本発明において使用する油脂としては、固体脂含有量(Solid Fat Content;以下SFCと略す)が30℃以下で70%以上であり、かつ50℃以上で40%以下のものが好ましい。SFCとしては、10〜30℃の温度範囲で70%以上となっていればよく、かつ50℃以上で40%以下となっていればよい。SFCが10〜30℃で70%未満であると成形時に前記加工生地から油脂が染み出し易くなり、またSFCが50℃以上で40%を超えると口溶けが非常に悪くなる。
前述の範囲のSFCを有する油脂としては、天然の動植物油脂の他、それらにエステル交換、水素添加、分別等を施した加工油脂が挙げられるが、乾燥果実や乾燥野菜の風味を損なわないという観点からより無味無臭に近い油脂が好ましい。例えば、ハードバターやパーム硬化油等が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、SFCの測定方法は、IUPAC2.150(Solid Content Determination in Fats by NMR)に準じて行うことができる。
また、前記加工生地の水分量(乾燥果実及び/又は乾燥野菜中の水分も含む)としては5〜15重量%、好ましくは9〜12重量%である。水分量が5重量%より少ないと味・食感において乾燥果実、または、乾燥野菜のおいしさを損なってしまい、また15重量%よりも多いと、加工生地とハードキャンディとの界面で水分移行が起こり、保存性および耐久性に問題が生じる。
また、前記加工生地のゲル化剤量としては0.1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%、より好ましくは2〜4重量%である。ゲル化剤量が0.1重量%よりも少ないと、後述する成形工程において加工生地とハードキャンディ生地とを合わせてロープ状成形物を製造する際に、伸展しにくく、油脂の染み出しも生じやすくなる。また10重量%よりも多いと、ゲル化剤による不自然な弾力が付くだけでなく、口溶けも悪化し、加工生地の味、食感が、乾燥果実や乾燥野菜本来の味、食感からかけ離れたものとなり、好ましくない。なお、本発明で使用できるゲル化剤はプルランとペクチンの併用、またはどちらか単体での使用が最も好ましいが、用途によっては寒天、カラギーナン、ゼラチン、キサンタンガム、ローカストビーンガム、カードラン、ジェランガム、その他のゲル化剤を使用しても何ら問題はない。
また、前記加工生地にはセルロース誘導体及び/又は界面活性剤を使用してもよい。後述するセルロース誘導体群から選ばれる1種以上と界面活性剤を併用することで、ハードキャンディ同士の付着や、製造装置への付着を軽減することができる。
前記加工生地にセルロース誘導体を添加する際の含有量としては、0.1〜5.0重量%が好ましく、0.5〜2.5重量%がより好ましく、0.7〜1.5重量%がさらに好ましい。セルロース誘導体量が0.1重量%よりも少ないと、成形の際に、成形生地が製造装置に付着する、或いは切断したハードキャンディの小片同士が付着してしまう。また5.0重量%よりも多いとセルロース誘導体由来の味が出てきてしまい好ましくない。なお、本発明で使用できるセルロース誘導体は、熱ゲル化性のアルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、およびヒドロキシアルキルアルキルセルロースからなる群により選ばれる1種以上が好ましい。より、付着を防ぐという目的において、アルキルセルロースとしてはメチルセルロースが、ヒドロキシアルキルセルロースとしてはヒドロキシプロピルセルロースが、ヒドロキシアルキルアルキルセルロースとしてはヒドロキシプロピルメチルセルロースがそれぞれ好ましい。
一方、前記加工生地に界面活性剤を添加する際の含有量としては、ハードキャンディの味を良好に保つ観点から、0.1〜5.0重量%、好ましくは0.5〜2.5重量%、より好ましくは0.7〜1.5重量%である。また、本発明で使用できる界面活性剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、およびアルキルグリセリルエーテルからなる群より選ばれる1種以上が好ましいが、より好ましくはソルビタン脂肪酸エステル単体またはソルビタン脂肪酸エステルとその他の界面活性剤との組み合わせである。また、前記界面活性剤は、乳化目的として使用するのではなく、加工生地中に分散することによって、よりその効果が得られる。
次に上記成分より、前記加工生地の製造方法を、図1を用いて具体的に説明する。
まず、乾燥果実及び/又は乾燥野菜、油脂、未膨潤のゲル化剤、必要であれば酸、香料、着色料等を、さらに必要であればセルロース誘導体、界面活性剤などの原料3を、二軸エクストルーダー4の投入口5に供給する。該投入口5の付近には、原料3の最大径より大きな溝幅のスクリュー6が備えられ、このスクリュー6が回転することで原料3が混練・均一化される。そして混練物は最終的には加工生地7となり、二軸エクストルーダー4の突出口8から押し出される。
二軸エクストルーダーでの混練条件は、油脂、ゲル化剤の種類により一概に限定できないが、少なくとも油脂の一部が溶解するような温度条件で行うことで、混練物の粘度が下がり、油脂が均一に加工生地にいきわたるため、好ましい。
本発明において「スクリューの溝幅」とは、ニ軸エクストルーダーのスクリューの歯と歯の間隔と歯の深さのことを指す。前記二軸エクストルーダー投入口のスクリューの溝幅に関しては、歯と歯の間隔と深さが両者共に、加工生地の主原料である乾燥果実及び/又は乾燥野菜の最大径より大きければよく、その大きさの程度は問題ではない。しかしながら、乾燥果実及び/又は乾燥野菜の最大径より小さければ、投入口において乾燥果実及び/又は乾燥野菜がスクリューによってすり潰され、べたつきを生じ、その場で他原料と混ざり合うことで、投入口を塞ぎ、原料を定量的にエクストルーダーに取り込ませることが叶わなくなる。延いては、加工生地をエクストルーダーから安定押出しできなくなる。
本工程において、「定量的に」とは、加工生地の押出量に関して、1分間当りの押出量のブレが目的量から10重量%未満に収まっていることを意味する。
本工程において、前記加工生地は、バッチローラー内でハードキャンディ生地の内部に押出される。このように、ハードキャンディ生地内に、二軸エクストルーダーから加工生地を定量的に吐出することで、ハードキャンディ生地内での加工生地の存在量にムラがなくなり、品質のそろった成形物を製造することができる。
具体的には、図1に示すように、前記工程(2)において二軸エクストルーダー4の突出口8を、バッチローラー2内に挿入する。そして、バッチローラー2に投入されているハードキャンディ生地1を突出口8の周囲に巻き付けた後(図示せず)、このハードキャンディ生地1中に加工生地7を押出しながらバッチローラー2内のローラー(図示せず)を動かす。こうすることで、加工生地7を内包した、棒状のハードキャンディ生地1が得られる。また、棒状のハードキャンディ生地1は、バッチローラー2を作動させることで、回転しながら所望の太さになるように直径が小さくなるように設定されている。
ハードキャンディ生地1のバッチローラー2への投入は、任意の方法によって行えばよい。例えば、炊上後のハードキャンディを、スチールコンベア等で冷却し、それをそのまま、バッチローラーへ投入すれば良い。また、バッチローラー2を作動させながら、ハードキャンディ生地1を連続的に供給し、且つ前記二軸エクストルーダー4からの加工生地7の定量的な吐出を同時に行うことで、定量的に乾燥果実及び/又は乾燥野菜を含む加工生地7を内包したハードキャンディ生地1の製造を連続的に行うことができる。
(3)成形工程
成形工程では、前記工程(2)で得られる加工生地を内包したハードキャンディ生地を、この状態のままロープ状の成形物にする。
具体的には、前記工程(2)でバッチローラー2を用いて得られる、加工生地7を内包したハードキャンディ生地1を、バッチローラー2内でローラーの駆動を続けることで、バッチローラー2の吐出口からロープ状の成形物9として取り出すことができる。
なお、目的とするロープ状の成形物のサイズや商品の形態によっては、バッチローラー2の下流にサイジングローラー等を設けても良い(図示せず)。
(4)切断工程
切断工程では、図1に示すように工程(3)で得られたロープ状の成形物9を回転刃10によって先端から順番に切断することで、前記加工生地7と前記ハードキャンディ生地1との表面積比が1:20〜5:1である複数の小片11に切断してこの小片11を移送コンベア12上に落とす。
前記切断の際には、成形物9は65℃以上85℃以下に保温され、好ましくは70℃以上75℃以下である。前記温度が65℃以下だと成形物9の周囲を覆うハードキャンディ生地1が冷えて切断時に割れてしまう。他方、前記温度が85℃以上だと成形物9の周囲を覆うハードキャンディ生地1がべたつき、回転刃10や移送コンベア12などの機器に付着したり、切断時に形が変形してしまう。移送コンベア12に関しては、直前に切断された小片11の上に、次の小片11が重なり合うのを防ぐことを目的としており、その目的に沿えばどのような移送コンベア12を用いても何ら問題ではない。
なお、ここでいう表面積比とは、小片11の切断面を含む外表面の面積における加工生地7とハードキャンディ生地1との表面積の比率をいう。
本発明の乾燥果実及び/又は乾燥野菜含有ハードキャンディでは、小片における加工生地とハードキャンディ生地の表面積比は1:20〜5:1、好ましくは1:5〜3:1、より好ましくは1:2〜2:1である。1:20よりも加工生地の表面積が少ないと、ハードキャンディ主体の味となってしまい、乾燥果実や乾燥野菜本来の風味および食感の面で不十分となり、5:1よりも加工生地の表面積が多いと、乾燥果実や乾燥野菜本来の濃厚な味を出す事はできるが、ハードキャンディとの味の調和が生まれず、加工生地をおいしく食する形態として好ましくない。
なお、表面積比は、常法により、測定することができる。例えば、表面積の測定は、成形生地の外形から表面に露出している加工生地またはハードキャンディ生地の表面積を目視で直接測定してもよいし、オリンパス株式会社製のデジタルマイクロスコープ「MVX−XD System」等の市販の測定器を用いて測定してもよい。
また、表面積比については、成形条件(例えば、ロープ状成形物の太さ、ハードキャンディ生地による加工生地の被覆率等)や、切断条件を調整することで、加工生地とハードキャンディ生地との表面積比を調整することができる。
(果実及び/又は野菜含有ハードキャンディ)
以上の工程(1)〜工程(4)を経て得られる果実及び/又は野菜含有ハードキャンディは、乾燥果実及び/又は乾燥野菜を40重量%以上、油脂量を1〜15重量%、水分量を5〜15重量%、ゲル化剤量が0.1〜10重量%である加工生地と、水分量が5重量%未満であるハードキャンディ生地からなり、該加工生地表面積と該ハードキャンディ生地表面積の比が1:20〜5:1であることを特徴としている。
本発明で得られる果実及び/又は野菜含有ハードキャンディに使用する前記加工生地は、加工生地中の乾燥果実及び/又は乾燥野菜の重量%、油脂量、水分量、およびゲル化剤量を規定することで、該加工生地の伸展性が向上され、加工および成形しやすい生地となっている。
また、果実及び/又は野菜含有ハードキャンディの味は、前記加工生地と水分量を規定したハードキャンディ生地との表面積の比率を特定の範囲に調整することで、果実及び/又は野菜由来の風味とハードキャンディ由来の風味とが良好にハーモナイズした従来にない新規な風味を生み出し、よりおいしく食することができるものとなっている。
前記果実及び/又は野菜含有ハードキャンディをそのまま食した場合には、乾燥果実や乾燥野菜の持つべたつきが抑制されており、また、乾燥果実や乾燥野菜本来の風味および食感を感じるとともに、乾燥果実や乾燥野菜とハードキャンディとの味のハーモニーから新規な風味を楽しむことが可能となる。
また、本発明のハードキャンディは、保存性が良好であるため、例えば、焼き菓子類、チョコレート、ガム等の菓子類とも好適に組み合わせることが可能である。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
砂糖500部、水飴425部、乳成分100部を水に混合溶解し、真空釜にて濃縮し、ミルク香料を少量加えて水分値4重量%のミルクキャンディ生地を得た。
水分値13重量%の最大径5mmに切断されたドライマンゴーダイス200部、砂糖40部、粉飴20部、還元水飴10部、植物油脂として「メラノNEWSS−7」(不二製油社製)15部、ゲル化剤として「プルラン」(林原商事社製)3部とペクチン(GENU pectin type BB RAPID SET J:三昌株式会社製)7部、酸味料5部、香料1部、着色料0.4部を二軸エクストルーダー(株式会社スエヒロEPM製)の投入口に供給し、混練・均一化し、マンゴー加工生地を調製した。この際には、エクストルーダー投入口のスクリューの溝幅は深さ2.0cm、幅8cmであった。
次に、バッチローラー(株式会社佐久間製作所製)に二軸エクストルーダーから押出したマンゴー加工生地をミルクキャンディ生地の中に押し出しつつ、ローラーを作動させることでマンゴー加工生地をミルクキャンディ生地で包み込みながら、幅2cmのロープ状の成形物を得た。
次に、マンゴー加工生地とミルクキャンディ生地とを表面積比率で1:1となるように前記成形物を72℃で切断し、得られた小片を移送コンベア(株式会社前川製作所製)上に小片同士が重なり合わないように落とした。また、切断の際には、刃渡りが5cmの回転鉈刃を用い、500rpmの回転速度にて幅1cmのキャンディ小片を切断した。
このようにして得られた果実含有ハードキャンディは、良好な風味を有していた。さらに、キャンディ小片中に安定してマンゴー加工生地が含まれており、切断後にキャンディ同士の再付着や、機器へ付着がなく、見た目もよりよいものであった。
なお、ハードキャンディの表面積の測定は、目視にて行い、得られた果実含有ハードキャンディの全表面積中におけるドライマンゴー加工生地とハードキャンディ生地の表面積の比率を測定した。以下の実施例等でも同様にして表面積の測定を行った。
(実施例2)
砂糖600部、水飴525部、濃縮リンゴ果汁15部を水に混合溶解し、真空釜にて濃縮し、酸味料、リンゴ香料を少量加えて水分値3重量%のリンゴキャンディ生地を得た。
水分値4重量%の最大径0.5mmに粉砕されたホウレン草パウダー200部に、砂糖45部、粉飴25部、還元水飴10部、植物油脂として「メラノNEWSS−7」15部、ゲル化剤として「プルラン」(林原商事社製)3部とペクチン(GENU pectin type BB RAPID SET J:三昌株式会社製)7部、酸味料4部、香料1部、セルロース誘導体であるヒドロキシプロピルセルロースとして「Klucel Nutra(登録商標)W」(三栄源エフ・エフ・アイ社製)3部を二軸エクストルーダー投入口に供給し、混練・均一化し、ホウレン草加工生地を調製した。この際には、エクストルーダー投入口のスクリューの溝幅は深さ0.8cm、幅2cmであった。
次に、バッチローラーを用いて二軸エクストルーダーから押出したホウレン草加工生地をリンゴキャンディ生地の中に包み込み、幅1.8cmのロープ状の成形物を得た。
次に、ホウレン草加工生地とリンゴキャンディ生地とを表面積比率で1:1となるように前記成形物を72℃で切断し、得られた小片同士が重なり合わないように移送コンベア上に落とした。また、切断の際には、刃渡りが5cmの回転鉈刃を用い、500rpmの回転速度にて幅1cmのキャンディ小片を切断した。
このようにして得られた野菜含有ハードキャンディは、良好な風味を有していた。さらに、キャンディ小片中に安定してホウレン草加工生地が含まれており、切断後にキャンディ同士の再付着や、機器へ付着がなく、見た目もよりよいものであった。
(実施例3)
砂糖600部、水飴525部、はちみつ40部を水に混合溶解し、真空釜にて濃縮し、酸味料、はちみつ香料を少量加えて水分値3重量%のはちみつキャンディ生地を得た。
水分値15重量%の最大径が1cmであるドライアップル200部を、水分値が13重量%になるまで40℃の温風庫にて乾燥した。砂糖45部、粉飴25部、還元水飴10部、植物油脂として「メルバ45」(不二製油社製)15部、ゲル化剤として「プルラン」(林原商事社製)10部、酸味料3部、香料0.8部、着色料0.5部、界面活性剤としてソルビタン脂肪酸エステル(第一工業製薬社製)1部を二軸エクストルーダー投入口に供給し、混練・均一化し、アップル加工生地を調製した。この際には、エクストルーダー投入口のスクリューの溝幅は深さ1.8cm、幅2cmであった。
次に、バッチローラーを用いて二軸エクストルーダーから押出したアップル加工生地をはちみつキャンディ生地の中に包み込み、幅1.8cmのロープ状の成形物を得た。
次に、アップル加工生地とはちみつキャンディ生地とを表面積比率で1:1となるように前記成形物を72℃で切断し、得られた小片同士が重なり合わないように移送コンベア上に落とした。また、切断時には、刃渡りが5cmの回転鉈刃を用い、500rpmの回転速度にて幅2cmのキャンディ小片を切断した。
このようにして得られた果実含有ハードキャンディは、良好な風味を有していた。さらに、キャンディ小片中に安定してアップル加工生地が含まれており、切断後にキャンディ同士の再付着や、機器へ付着がなく、見た目もよりよいものであった。
(実施例4)
黒砂糖300部、砂糖300部、水飴525部を水に混合溶解し、真空釜にて濃縮し、黒糖香料を少量加えて水分値3重量%の黒糖キャンディ生地を得た。
水分値17重量%、かつ、最大径1.8cmのドライトマト200部を、水分値が13重量%になるまで40℃の温風庫にて乾燥した。これと、砂糖45部、粉飴25部、還元水飴10部、植物油脂として「硬化菜種油35」(不二製油社製)15部、ゲル化剤として「プルラン」(林原商事社製)3部とペクチン(GENU pectin type BB RAPID SET J:三昌株式会社製)7部、酸味料4部、香料1.2部、着色料0.5部と、セルロース誘導体として「メトローズ MCE−100」(信越化学工業社製)4部、界面活性剤としてソルビタン脂肪酸エステル(第一工業製薬社製)1部を二軸エクストルーダー投入口に供給し、混練・均一化し、トマト加工生地を調製した。この際には、エクストルーダー投入口のスクリューの溝幅は深さ2.0cm、幅8cmであった。
次に、バッチローラーを用いてニ軸エクストルーダーから押出したトマト加工生地を黒糖キャンディ生地の中に包み込み、幅1.8cmのロープ状の成形生地を得た。
次に、トマト加工生地と黒糖キャンディ生地とを表面積比率で1:1となるように前記成形物を76℃で切断し、得られた小片同士が重なり合わないように移送コンベア上に落とした。また、切断の際には、刃渡りが5cmの回転鉈刃を用い、500rpmの回転速度にて幅2cmのキャンディ生地を切断した。
このようにして得られた野菜含有ハードキャンディは、良好な風味を有していた。さらに、キャンディ小片中に安定してトマト加工生地が含まれており、切断後にキャンディ同士の再付着や、機器へ付着がなく、見た目もよりよいものであった。
(実施例5、6)
実施例1において、果実加工生地の油脂含量を表1となるように変更し、それ以外は実施例1と同様にして単重5.0gの果実含有キャンディを作製した。実施例5の配合で作製した場合、実施例1と比べると果実加工生地の食感が幾分硬くなったものの、良好な風味を有し、生産上問題なく作ることができた。また、実施例6の配合で作製した場合、実施例1と比べると果実加工生地の食感がやや柔らかくなったものの、良好な風味を有し、生産上問題なく作ることができた。また、実施例5、6で得られたキャンディは両者ともに、安定して果実加工生地が含まれていた。
(実施例7、8)
実施例1において、果実加工生地の砂糖・粉飴・還元水飴量を調整することで、水分含量を表1となるように変更し、それ以外は実施例1と同様にして単重5.0gの果実含有キャンディを作製した。実施例7の配合で作製した場合、実施例1と比べると水分含量が低いものの、良好な風味・食感を有し、生産上問題なく作ることができた。また実施例8の配合で作製した場合、実施例1と比べると水分含量が高いため良好な風味を有し、食感が幾分柔らかいものの、生産上問題なく作ることができた。また、実施例7、8で得られたキャンディは両者ともに、安定して果実加工生地が含まれていた。
(実施例9、10)
実施例1において、果実加工生地のゲル化剤含量を表1となるように変更し、それ以外は実施例1と同様にして単重5.0gの果実含有キャンディを作製した。実施例9の配合で作製した場合、良好な風味を有し、実施例1と比べると成型時の果実加工生地の伸展性が幾分低いものの、問題なく生産することができた。また、実施例10の配合で作成した場合、実施例1と比べると果実加工生地の食感がやや弾力性を有したものとなったものの良好な風味を有し、問題なく生産することができた。また、実施例9、10で得られたキャンディは両者ともに、安定して果実加工生地が含まれていた。
(実施例11、12、13、14)
実施例1において、果実加工生地とキャンディの表面積比率を表1となるように変更し、それ以外は実施例1と同様にして単重5.0gの果実含有キャンディを作製した。実施例11、12の比率で成型した場合、実施例1と比べ果実の風味が幾分強いものの、キャンディとの味のハーモニーを生み出し、生産上問題なく作ることができた。また、実施例13、14の比率で作製した場合、実施例1と比べキャンディの風味が幾分強いものの果実加工生地との味のハーモニーを生み出し、生産上問題なく作ることができた。また、実施例11〜14で得られたキャンディはいずれも、安定した含量の果実加工生地を含んでいた。
(比較例1)
マンゴー加工生地とミルクキャンディ生地の表面積比率を表2に示すように変更した以外は実施例1と同様にして単重5.0gのキャンディを作製した。得られたキャンディはマンゴーの風味が弱く、ミルクキャンディの風味を少し引き立てる程度の味わいしか感じられなかった。
(比較例2)
マンゴー加工生地とミルクキャンディ生地の表面積比率を表2に示すように変更した以外は実施例1と同様にして単重5.0gのキャンディを作製した。得られたキャンディは、ドライマンゴーの濃厚な味は感じられるものの、ハードキャンディとの味のハーモニーが生まれず、ドライマンゴーをよりおいしく食べさせるという面では、実施例1で得られた果実含有ハードキャンディと比べ劣っていた。
(比較例3、4)
果実加工生地の油脂含量を表2に示すように変更し、それ以外は実施例1と同様にして単重5.0gのキャンディを作製した。比較例3の配合で作製した場合、良好な風味を有するものの、油脂含量が少ないため、伸展性に乏しく生産上問題をきたした。
また、比較例4の配合で作製した場合、良好な食感を有するものの、油脂含量が多いため、油っぽい風味となり、また成型時果実加工生地から油の染み出しを起こし、キャンディ切断の際に、回転鉈刃に油が大量に付着し、生産上問題をきたす結果となった。
(比較例5、6)
果実加工生地の砂糖・粉飴・還元水飴量を調整することで、水分含量を表2となるように変更し、それ以外は実施例1と同様にして単重5.0gのキャンディを作製した。比較例5の配合で作製した場合、水分が少ないため、果実加工生地の風味が弱く、また硬い食感となってしまった。また、比較例6の配合で作製した場合、良好な風味・食感を有したものの、水分が高すぎるためキャンディ切断の際に、回転刃に付着してしまい、生産上問題をきたした。
(比較例7、8)
果実加工生地のゲル化剤含量を表2に示すように変更し、それ以外は実施例1と同様にして単重5.0gのキャンディを作製した。比較例7の配合で作製した場合、良好な風味を有するものの、ゲル化剤が少ないため、伸展性に乏しく生産上問題をきたした。
また、比較例8の配合で作製した場合、良好な風味を有するものの、ゲル化剤含量が多いため、ゲル化剤由来の弾力感が際立っており、果実の自然な食感からはほど遠いものとなってしまった。
(比較例9)
実施例1と同様に果実加工生地を調整する際に、溝幅が深さ0.4cm、幅1.0cmのスクリューを持った二軸エクストルーダーを用いた。この結果、投入口にて加工生地原料が玉になり、定量供給ができなかった為、得られたキャンディの果実加工生地含有量に差が見られ、安定した品質を得ることができなかった。
(比較例10)
実施例1と同様にキャンディ生地と果実加工生地を組み合せ、60℃にて切断分離を試みたところ、切断時にハードキャンディ生地が砕け散り、目的とするキャンディは得られなかった。
(比較例11)
実施例1と同様にキャンディ生地と果実加工生地を組み合せ、90℃にて切断分離を試みたところ、切断時にロープ状の成形生地がひしゃげ、回転刃に加工生地が付着し、目的とするキャンディは得られなかった。
実施例1〜14及び比較例1〜11で得られた、果実及び/又は野菜含有ハードキャンディの組成と評価(風味、食感、生産性、見た目、安定性、耐久・保存性)を表1、2に示す。表1の結果より、実施例1〜14で得られた、果実及び/又は野菜含有ハードキャンディはいずれも全ての評価の点で優れたものであることがわかる。
表1、2における評価基準は以下のとおり。
・風味
「◎」果実及び/又は野菜加工生地の風味が良好で、かつキャンディと非常によく調和している。
「○」果実及び/又は野菜加工生地の風味が良好で、かつキャンディとよく調和している。
「×」果実及び/又は野菜加工生地の風味が弱い、もしくは、油っぽいなどキャンディとの味の調和が見られない。

・食感
「◎」素材感(繊維感)を非常に感じやすい食感となっている。
「○」素材感(繊維感)を感じやすい食感となっている。
「×」硬すぎるため、素材のおいしさを引き出せていない食感である。

・生産性
「◎」べたつきがない・油染みがない・伸展性に優れている・切断時に割れない等、極めて作業性がよい。
「○」べたつきがない・油染みがない・伸展性に優れている・切断時に割れない等、作業性がよい。
「×」べたつきが激しい、油染みが強い、伸展性に乏しい・切断時に割れる等の理由により、作業性が悪い。

・見た目
「◎」果実及び/又は野菜加工生地とハードキャンディ生地が極めてきれいに組み合わさっており、かつ、キャンディ表面にひび割れや汚れがない。
「○」果実及び/又は野菜加工生地とハードキャンディ生地がきれいに組み合わさっており、かつ、キャンディ表面がひび割れや汚れがない。
「×」果実及び/又は野菜加工生地とハードキャンディ生地が乱雑に組み合わさっている、もしくは、キャンディ表面がひび割れや汚れがある。

・安定性
「◎」得られた個々のキャンディ小片中の加工生地含有量に優位な差が見られない。
「○」得られた個々のキャンディ小片中の加工生地含有量に多少の差が見られる。
「×」得られた個々のキャンディ小片中の加工生地含有量に明らかな差が見られる。
(試験例)
実施例1〜14及び比較例1〜11で得られた果実及び/又は野菜含有ハードキャンディを37℃・湿度80%で1.5ヶ月間保存した後、食べてみて、風味、食感の耐久・保存性について評価した。これらの評価結果を表1、2に示す。なお、表1、2中、「○」は耐久・保存性あり、「×」は耐久・保存性なしとする。
実施例1〜14で得られた果実及び/又は野菜含有ハードキャンディは、いずれもキャンディの見た目、風味、特に果実及び/又は野菜加工生地の風味及び食感に大きな変化はなく、評価の優れたものであった。
しかし、比較例4のように油脂含量が多すぎるものは時間とともに油が染み出し、また比較例6のように水分含量が多すぎるものはハードキャンディとの界面で水分移行を起こし、ゲル化剤の量が少ない比較例7では油の染み出しを起こし、いずれも風味及び食感が劣化しており、保存性に乏しいものであった。また、これらのハードキャンディはいずれもキャンディ同士の再付着や、生産機器への付着が見られない。
したがって、実施例1〜14で得られた果実及び/又は野菜高含有ハードキャンディはいずれも耐久・保存・生産性に優れたものであることがわかる。
Figure 2012249543
Figure 2012249543
1:ハードキャンディ生地
2:バッチローラー
3:原料
4:二軸エクストルーダー
5:投入口
6:スクリュー
7:加工生地
8:突出口
9:成形物
10:回転刃
11:ハードキャンディ小片
12:移送コンベア

Claims (1)

  1. 乾燥果実及び/又は乾燥野菜を含有するハードキャンディの製造方法であって、以下の工程(1)〜(4):
    (1)水分量が5重量%未満であるハードキャンディ生地を製造するキャンディ生地製造工程、
    (2)乾燥果実及び/又は乾燥野菜を40重量%以上、油脂量を1〜15重量%、水分量を5〜15重量%、ゲル化剤量を0.1〜10重量%含有する加工生地の製造に際し、乾燥果実及び/又は乾燥野菜を主原料とする加工生地が、その主原料の最大径より大きな溝幅のスクリューを投入口に持った二軸エクストルーダーにて混練・均一化しつつ、該加工生地を前記二軸エクストルーダー突出口から、前記工程(1)で得られるハードキャンディ生地内に定量的に押出す加工生地内包工程、
    (3)前記工程(2)で得られる加工生地を内包したハードキャンディ生地を、この状態のままロープ状の成形物にする成形工程、
    (4)65℃以上85℃以下に保温されたロープ状の成形物を、回転刃により、前記加工生地と前記ハードキャンディ生地との表面積比が1:20〜5:1である小片に切断して、移送コンベア上に落とす切断工程
    を有することを特徴とする果実及び/又は野菜含有ハードキャンディの製造方法。
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